JP2012012542A - α−オレフィン−共役ジエン共重合体及びその製造方法 - Google Patents

α−オレフィン−共役ジエン共重合体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低いゲル分率と分子量の大きい利用価値の高いα−オレフィン−共役ジエン共重合体、及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明のα−オレフィン−共役ジエン共重合体は、希薄THF(テトラフドロフラン)溶液中0.45μm以上のサイズゲル分測定により算出されるゲル分率が5%以下であり、かつムーニー粘度(ML1+4/100℃)が80を超えることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、利用価値の高い特定の物性を有するα−オレフィン−共役ジエン共重合体、及びその製造方法に関する。
プロピレン−ブタジエン共重合体等のα−オレフィン−共役ジエン共重合体は、プロピレン等のα−オレフィンを構成単位として有する分、ブタジエンゴム等の共役ジエンに比べて主鎖の二重結合数が減じられた構造を呈するため、良好な物性が付与されたα−オレフィン−共役ジエン共重合体であれば良好なゴム弾性、硫黄加硫性、耐候性等の優れたゴム物性を発揮しやすく、様々の分野で活用できることが予想される。
例えば、分子量が大きいプロピレン−ブタジエン共重合体である程、また、重合の際に可能な限りゲルの発生が低減されたプロピレン−ブタジエン共重合体である程、優れた加工性を発揮する傾向にあるため、ゴム材料としての活用範囲が大いに広がる。したがって、従来より、種々の用途に対応し得るプロピレン−ブタジエン共重合体を得るべく、その製造方法に関して数々の研究がなされている。
プロピレン−ブタジエン共重合体の製造方法としては、例えば、特定の触媒成分の存在下で重合反応を遂行する方法が提案されている(特許文献1〜2参照)。かかる方法によれば、上記触媒の特異性により、ブタジエンおよびプロピレンの交互共重合体を容易に得ることができる。
特開昭53−101087号公報 特開昭57−3807号公報
しかしながら、上記のような方法であると、極めて長期に亘る重合時間を要する場合がある上、得られる共重合体の分子量の大きさが不十分であるだけでなく、ゲルの発生をも抑制しにくいため、かかる共重合体を用いたゴム材料が所望のゴム物性を発揮するには依然として改善の余地がある。
そこで、本発明は、低いゲル分率と分子量の大きい利用価値の高いα−オレフィン−共役ジエン共重合体、及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく、低いゲル分率と高いムーニー粘度値を有するα−オレフィン−共役ジエン共重合体、及び特定の触媒成分と助触媒成分の存在下で特定の溶媒を用いつつ、低温で短時間の重合条件を採用した上記α−オレフィン−共役ジエン共重合体の製造方法を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明のα−オレフィン−共役ジエン共重合体は、希薄THF(テトラフドロフラン)溶液中0.45μm以上のサイズゲル分測定、好ましくはサイズのゲルGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により算出されるゲル分率が5%以下であり、かつムーニー粘度(ML1+4/100℃)が80を超えることを特徴とする。
前記α−オレフィンの炭素数は2〜12であってもよく、プロピレンであってもよい。また、前記共役ジエンの炭素数は4〜8であってもよく、ブタジエンであってもよい。
また、本発明のα−オレフィン−共役ジエン共重合体の製造方法は、M=Q結合(ここで、Mは周期律表IV〜VI族の遷移金属を示し、Qは酸素原子又は窒素原子を示し、但し、Qが窒素原子である場合、該窒素原子は、更にM以外の元素と結合している)を有し、かつ水素原子、ハロゲン原子、及び有機化合物残基からなる群より選ばれる少なくとも1種の配位子を有する遷移金属錯体触媒成分、並びに有機アルミニウム化合物からなる助触媒成分を用い、少なくともn−ヘキサンを含む溶媒全量100質量%中に、飽和脂環式炭化水素、芳香族炭化水素及びこれらのハロゲン誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種を0質量%を超え50質量%以下の量で含有する溶媒中で、α−オレフィン単量体と共役ジエン単量体とを共重合することにより、
希薄THF(テトラフドロフラン)溶液中0.45μm以上のサイズゲル分測定、好ましくはサイズのゲルGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により算出されるゲル分率が5%以下であり、かつムーニー粘度(ML1+4/100℃)が80を超えるα−オレフィン−共役ジエン共重合体を製造することを特徴とする。
前記遷移金属錯体触媒成分が、下記式(I);
Figure 2012012542
(式(I)中、Mは周期律表IV〜VI族の遷移金属を示し、Qは酸素原子又は窒素原子を示す。A及びBは同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は有機化合物残基を示し、ここで、Aの一部とBの一部とが環を形成していてもよい。Xはハロゲン原子を示し、xは0〜3の整数を示し、yは0〜3の整数を示す。但し、1≦x+y≦3である。)で表されるのが望ましく、下記式(II);
Figure 2012012542
(式(II)中、Mは周期律表IV〜VI族の遷移金属を示し、Qは酸素原子又は窒素原子を示す。R1及びR2は同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を示し、ここでR1の一部とR2の一部とが環を形成していてもよい。Xはハロゲン原子を示し、xは0〜3の整数を示し、yは0〜3の整数を示す。但し、1≦x+y≦3である。)で表されるのがより望ましい。
また、下記式(III);
Figure 2012012542
(式(III)中、Mは周期律表IV〜VI族の遷移金属を示し、Qは酸素原子又は窒素原子を示す。R3〜R8は同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示す。Xは塩素原子又は臭素原子を示し、xは0〜3の整数を示し、yは0〜3の整数を示す。但し、1≦x+y≦3である。mは1〜5の整数を示し、nは1〜5の整数を示す。)で表されるものであってもよい。
さらに、前記α−オレフィン単量体と共役ジエン単量体とを共重合するにあたり、重合温度−78℃〜0℃、及び重合時間0.5〜4時間の条件下で行うのが好ましい。
また、前記有機アルミニウム化合物はAlR91011(ここで、R9及びR10は同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子を示し、R11は炭素数1〜10の炭化水素基を示す)又はアルミノキサンであってもよく、前記飽和脂環式炭化水素は炭素数6〜20の飽和脂環式炭化水素であってもよく、前記芳香族炭化水素は炭素数6〜20の芳香族炭化水素であってもよい。
本発明の製造方法により、低いゲル分率と高いムーニー粘度値を有するα−オレフィン−共役ジエン共重合体が得られるため、優れた加工性を発揮し、強度や耐候性、耐老化性、耐オゾン性等の物性を向上させたゴム材料として充分に活用することが可能であり、特にタイヤや自動車用ゴム部材等に好適に採用することができる。
以下、本発明のα−オレフィン−共役ジエン共重合体、およびその製造方法について、各々具体的に説明する。
なお、本明細書において、ゲルとは、例えばGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)を用いて、α−オレフィン−共役ジエン共重合体のTHF(テトラフドロフラン)溶液を0.45μm孔のフィルターに通した際、フィルター上の残留分を意味する。したがって、ゲル分率(単位:%)とは、ブタジエン−プロピレン共重合体のトルエン溶液をGPCの0.45μm孔のフィルターに通した濾液を標準サンプル(ゲル分率=0%)とし、示差屈折率(RI)Ss(単位:m秒)を測定し、横軸をかかるTHF溶液における共重合体の濃度(単位:mg/g)、縦軸を示差屈折率(RI(mV))Ss(単位:m秒)として作成した検量線を用いて求めることができる値を意味する。すなわち、ゲル分率を求めるα−オレフィン−共役ジエン共重合体のTHF溶液を、上記フィルターに通して示差屈折率(RI(mV))Sx(単位:m秒)を測定し、かかるTHF溶液における共重合体の濃度(単位:mg/g)を元に下記式(X)によってゲル分率を算出する。
ゲル分率(%)={(Ss−Sx)/Ss}×100 ・・・(X)
本発明のα−オレフィン−共役ジエン共重合体は、希薄THF(テトラフドロフラン)溶液中0.45μm以上のサイズゲル分測定、好ましくはサイズのゲルGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により算出されるゲル分率が5%以下であり、かつムーニー粘度(ML1+4/100℃)が80を超えることを特徴としている。
上記α−オレフィン−共役ジエン共重合体は、希薄THF(テトラフドロフラン)溶液中0.45μm以上のサイズのゲルGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により算出されるゲル分率が好ましくは5%以下、更に好ましくは3%以下、一層好ましくは2%以下であり、下限値については特に制限はなく、0%であるのが最適である。かかるゲル分率の値が小さいほどゲルの発生が低減されたことを意味する。従来のブタジエン−プロピレン共重合体であると、ゲルを多く含むために加工時に収縮しやすく、また加工時の寸法安定性が悪化するおそれがあり、他の試薬の分散性も悪化して破壊強度が不充分となる傾向にある。一方、本発明のα−オレフィン−共役ジエン共重合体はゲルの発生が極力低減された共重合体であるため、良好な加工性を付与することができるとともに好適な剛性を付与することができる。このため、本発明のα−オレフィン−共役ジエン共重合体をゴム材料として用いれば、ロール加工後の外観を極めて平滑で光沢のあるものとすることができる。
上記α−オレフィン−共役ジエン共重合体のムーニー粘度(ML1+4/100℃)は80以上、好ましくは80〜140である。ムーニー粘度(ML1+4/100℃)を80以上とすることにより、分子量を増大させることが可能となり、加硫物とすることにより破壊特性や耐熱老化性等の物性を向上させたゴム材料を得ることができる。
本発明のα−オレフィン−共役ジエン共重合体は、後述するように特定の触媒を用いて製造されるため、交互共重合体(−ABABABABABABAB−、A:共役ジエンに由来する構成単位、B:α−オレフィンに由来する構成単位)と呼ばれる構造を有しており、全構成単位中、上記α−オレフィン−共役ジエン共重合体が含有する共役ジエンに由来する構成単位とα−オレフィンに由来する構成単位とのモル比は、通常1:1であり、例えば共役ジエンがブタジエンである場合、ブタジエン中のトランス含量(1,4−トランス結合含量)は、通常50〜100%、ビニル結合量(1,2−ビニル結合含量)は、通常0〜10%、好ましくは0〜5%である。なお、ここでトランス含量とは、上記α−オレフィン−ブタジエン共重合体中のブタジエン単量体単位における1,4−トランス結合の割合を意味し、ビニル含量とは、上記α−オレフィン−ブタジエン共重合体中のブタジエン単量体単位における1,2−ビニル結合の割合を意味する。
したがって、本発明のα−オレフィン−共役ジエン共重合体は、例えば、通常のポリブタジエン単独重合体に比べて主鎖に位置する二重結合の量が極力低減されているため、加硫物とした際に良好な耐候性や耐老化性を発揮しやすく、利用価値を高めることができる。
本発明のα−オレフィン−共役ジエン共重合体の製造方法は、M=Q結合(ここで、Mは周期律表IV〜VI族の遷移金属を示し、Qは酸素原子又は窒素原子を示し、但し、Qが窒素原子である場合、該窒素原子は、更にM以外の元素と結合している)を有し、かつ水素原子、ハロゲン原子、及び有機化合物残基からなる群より選ばれる少なくとも1種の配位子を有する遷移金属錯体触媒成分、並びに有機アルミニウム化合物からなる助触媒成分を用い、少なくともn−ヘキサンを含む溶媒全量100質量%中に、飽和脂環式炭化水素、芳香族炭化水素及びこれらのハロゲン誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種を0質量%を超え50質量%以下の量で含有する溶媒中で、α−オレフィン単量体と共役ジエン単量体とを共重合することにより、
希薄THF(テトラフドロフラン)溶液中0.45μm以上のサイズゲル分測定、好ましくはサイズのゲルGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により算出されるゲル分率が5%以下であり、かつムーニー粘度(ML1+4/100℃)が80を超えるα−オレフィン−共役ジエン共重合体を製造することを特徴としている。
本発明の製造方法では、触媒成分としてM=Q結合を有し、かつ水素原子、ハロゲン原子、及び有機化合物残基からなる群より選ばれる少なくとも1種の配位子を有する遷移金属錯体触媒成分を用いる。ここで、Mは周期律表IV〜VI族の遷移金属を示し、Qは酸素原子又は窒素原子を示す。また、Qが窒素原子である場合、該窒素原子は、更に、炭素(例えばアルキル基、アリール基の炭素)、H等のM以外の元素と結合している。
上記周期律表IV〜VI族の遷移金属としては、例えば、チタン、バナジウム、クロム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ハフニウム、タンタル、タングステン等が挙げられ、なかでもバナジウムが好ましい。
上記配位子としては、水素原子、或いはフッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であるハロゲン原子のほか、有機化合物残基として、−RA(RAは炭素数1〜20の炭化水素基又は炭素数6〜20の芳香族炭化水素基を示す)、−O−RA(RAは炭素数1〜20の炭化水素基又は炭素数6〜20の芳香族炭化水素基を示す)、−S−RA(RAは炭素数1〜20の炭化水素基又は炭素数6〜20の芳香族炭化水素基を示す)、−NRAB(RA及びRBは、それぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基又は炭素数6〜20の芳香族炭化水素基を示し、RA及びRBは同一であっても異なっていてもよい)等が挙げられる。また、有機化合物残基として、より具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の脂肪族アルコキシ基;フェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ基、2,6−ジイソプロピルフェノキシ基、2,6−ジネオペンチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−6−イソプロピルフェノキシ基、2−tert−ブチル−6−ネオペンチルフェノキシ基、2−イソプロピル−6−ネオペンチルフェノキシ基、チオメトキシ基、チオエトキシ基、チオプロポキシ基、チオn−ブトキシ基、チオイソブトキシ基、チオsec−ブトキシ基、チオtert−ブトキシ基等の脂肪族チオラート基;チオフェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチルチオフェノキシ基、2,6−ジイソプロピルチオフェノキシ基、2,6−ジネオペンチルチオフェノキシ基、2−tert−ブチル−6−イソプロピルチオフェノキシ基、2−tert−ブチル−6−チオネオペンチルフェノキシ基、2−イソプロピル−6−チオネオペンチルフェノキシ基、2,4,6−トリイソプロピルチオフェノキシ基等のアリールチオラート基;ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、ジイソプロピルアミド基等の脂肪族アミド基;フェニルアミド基、2,6−ジ−tert−ブチルフェニルアミド基、2,6−ジイソプロピルフェニルアミド基、2,6−ジネオペンチルフェニルアミド基、2−tert−ブチル−6−イソプロピルフェニルアミド基、2−tert−ブチル−6−ネオペンチルフェニルアミド基、2−イソプロピル−6−ネオペンチルフェニルアミド基、2,4,6−tert−ブチルフェニルアミド基等のアリールアミド基;ビストリメチルシリルアミド基等のビストリアルキルシリルアミド基、トリメチルシリル基、トリス(トリメチルシリル)シリル基、ビス(トリメチルシリル)メチルシリル基、トリメチルシリル(ジメチル)シリル基、トリイソプロピルシリル(ビストリメチルシリル)シリル基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、オクチル基等の直鎖又は分岐鎖の脂肪族炭化水素基;フェニル基、トリル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素基;ベンジル基等のアラルキル基等のほか、トリメチルシリルメチル基、ビストリメチルシリルメチル基等のケイ素原子を含有する炭化水素基等が挙げられる。
また、サリチルアルデヒド、2−ヒドロキシ−1−ナフタルアルデヒド、2−ヒドロキシ−3−ナフタルアルデヒド等のアルデヒド類残基、2’−ヒドロキシアセトフェノン、2’−ヒドロキシブチロフェノン、2’−ヒドロキシプロピオフェノン等のヒドロキシフェノン類残基、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、プロピオニルアセトン、イソブチルアセトン、バレリルアセトン、エチルアセチルアセトン等のジケトン類残基、イソ吉草酸、カプリル酸、オクタン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、シクロペンタンカルボン酸、ナフテン酸、エチルへキサン酸、ビパール酸、バーサチック酸(シェル化学から販売されるC10モノカルボン酸の異性体の混合物から構成される合成酸)、フェニル酢酸、安息香酸、2−ナフトエ酸、マレイン酸、コハク酸、ヘキサンチオール酸、2,2−ジメチルブタンチオン酸、デカンチオン酸、チオ安息香酸等のカルボン酸類残基、リン酸ジブチル、リン酸ジペンチル、リン酸ジヘキシル、リン酸ジヘプチル、リン酸ジオクチル、リン酸ビス(2−エチルヘキシル)、リン酸ビス(1−メチルヘプチル)、リン酸ジラウリル、リン酸ジオレイル、リン酸ジフェニル、リン酸ビス(p−ノニルフェニル)、リン酸ビス(ポリエチレングリコール−p−ノニルフェニル)、リン酸(ブチル)(2−エチルヘキシル)、リン酸(1−メチルヘプチル)(2−エチルヘキシル)、リン酸(2−エチルヘキシル)(p−ノニルフェニル)、2−エチルヘキシルホスホン酸モノブチル、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ−2−エチルヘキシル、フェニルホスホン酸モノ−2−エチルヘキシル、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ−p−ノニルフェニル、ホスホン酸モノ−2−エチルヘキシル、ホスホン酸モノ−1−メチルヘプチル、ホスホン酸モノ−p−ノニルフェニル、ジブチルホスフィン酸、ビス(2−エチルヘキシル)ホスフィン酸、ビス(1−メチルヘプチル)ホスフィン酸、ジラウリルホスフィン酸、ジオレイルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス(p−ノニルフェニル)ホスフィン酸、ブチル(2−エチルヘキシル)ホスフィン酸、(2−エチルヘキシル)(1−メチルヘプチル)ホスフィン酸、(2−エチルヘキシル)(p−ノニルフェニル)ホスフィン酸、ブチルホスフィン酸、2−エチルヘキシルホスフィン酸、1−メチルヘプチルホスフィン酸、オレイルホスフィン酸、ラウリルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、p−ノニルフェニルホスフィン酸等の有機リン酸類残基等の有機化合物残基も挙げられる。これらの配位子を1種単独で有していてもよく、必要に応じて2種以上有していてもよい。
上記遷移金属錯体触媒成分としては、より具体的には、下記式(I)で表されるものが挙げられる。
Figure 2012012542
式(I)中、M及びQは上記と同義である。A及びBは同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は有機化合物残基を示し、ここで、Aの一部とBの一部とが環を形成していてもよい。有機化合物残基は上記と同義である。Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であるハロゲン原子を示し、なかでも塩素原子又は臭素原子が好ましい。xは0〜3の整数を示し、yは0〜3の整数を示す。但し、1≦x+y≦3である。
また、下記式(II)で表される遷移金属錯体触媒成分が挙げられる。
Figure 2012012542
式(II)中、M、Q、X、x、yは上記と同義である。R1及びR2は同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜20のアルキル基、又は炭素数6〜20のアリール基を示し、ここでR1の一部とR2の一部とが環を形成していてもよい。
さらに、下記式(III)で表される遷移金属錯体触媒成分が挙げられる。
Figure 2012012542
式(III)中、M、Q、X、x、yは上記と同義である。R3〜R8は同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示す。mは1〜5の整数を示し、nは1〜5の整数を示す。
上記式(I)〜(III)で表される遷移金属錯体錯体触媒成分のなかでも、下記式(IV)で表されるバナジルアルコキシハロゲン化合物が好ましい。
Figure 2012012542
式中、R12は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示し、R13は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示し、R14は炭素数1〜8のアルキル基を示し、Xは塩素原子または臭素原子を示す。かかる遷移金属錯体触媒成分を後述する助触媒成分とともに用いることにより、より充分な重合活性を確保することができる。
上記バナジルアルコキシハロゲン化合物としては、より具体的には、例えば、バナジル−ジ−(ネオペンチルオキシ)−オキシクロリド、バナジル−ジ−(イソブトキシ)−オキシクロリド、バナジル−ジ−(2−エチルヘキシルオキシ)−オキシクロリド、バナジル−ジ−(2,2−ジメチルプロポキシ)−クロリド、バナジル−(ネオペンチルオキシブトキシ)−オキシクロリド、バナジル−(ネオペンチルオキシ−オクチルオキシ)−オキシクロリド、バナジル−2−エチルヘキシルオキシ−ブトキシ−オキシクロリドが挙げられる。なかでも、バナジル−ジ−(2,2−ジメチルプロポキシ)−クロリドが好適である。
本発明の製造方法では、助触媒成分として有機アルミニウム化合物を用い、具体的にはAlR91011又はアルミノキサンであるのが好ましい。ここで、R9及びR10は同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子を示し、R11は炭素数1〜10の炭化水素基を示す。
AlR91011で表される有機アルミニウム化合物としては、より具体的には、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−tert−ブチルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム;水素化ジエチルアルミニウム、水素化ジ−n−プロピルアルミニウム、水素化ジ−n−ブチルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ジヘキシルアルミニウム、水素化ジイソヘキシルアルミニウム、水素化ジオクチルアルミニウム、水素化ジイソオクチルアルミニウム;エチルアルミニウムジハイドライド、n−プロピルアルミニウムジハイドライド、イソブチルアルミニウムジハイドライド等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。なかでもトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、水素化ジエチルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウムが好適である。
上記有機アルミニウム化合物として用いられるアルミノキサンとは、有機アルミニウム化合物と縮合剤とを接触させることによって得られるものであり、アルミノキサンとしては、より具体的には、一般式(−Al(R0)O−)nで表される鎖状アルミノキサン、或いは環状アルミノキサンが挙げられる。ここで、R0は炭素数1〜10の炭化水素基であり、その一部がハロゲン原子及び/又はアルコキシ基で置換されたものも含む。nは重合度であり、5以上、好ましくは10以上である。R0としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソブチル基が挙げられ、なかでもメチル基、イソブチル基が好ましい。上記アルミノキサンの原料として用いられる有機アルミニウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム及びこれらの混合物等が挙げられる。なかでも、トリメチルアルミニウムが最も好ましい。また、トリメチルアルミニウムとトリブチルアルミニウムとの混合物を原料として用いたアルミノキサンも好適に用いることができる。
上記遷移金属錯体触媒成分は、α−オレフィンと共役ジエンとの総量100g当たり通常0.1〜3mmol、好ましくは0.1〜1.5mmolの量で添加される。また、上記助触媒成分である有機アルミニウム化合物と上記遷移金属錯体触媒成分とのモル比は、通常20:1〜2:1、好ましくは10:1〜5:1の量で用いられる。
重合反応は、上記遷移金属錯体触媒成分及び助触媒成分の存在下、n−ヘキサンを含み、かつ飽和脂環式炭化水素、芳香族炭化水素及びこれらのハロゲン誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する溶媒中で行われる。溶媒としてn−ヘキサンを含むことにより、より分子量の大きなα−オレフィン−共役ジエン共重合体を得ることができる。
上記溶媒は、少なくともn−ヘキサンを含み、さらに、かかる溶媒全量100質量%中に飽和脂環式炭化水素、芳香族炭化水素及びこれらのハロゲン誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種を、0質量%を超え50質量%以下、好ましくは5〜40質量%、より好ましくは10〜30質量%の量で含有する。n−ヘキサンだけでなく、飽和脂環式炭化水素、芳香族炭化水素又はこれらのハロゲン誘導体を1種単独で、或いは2種以上混合し、これを特定の量で含有させた溶媒を用いて重合を行うことにより、低温条件下でn−ヘキサンを含む溶媒を用いて重合を行う場合に発生しやすくなるゲル量を、有効に抑制することが可能となる。
上記飽和脂環式炭化水素としては、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜10、より好ましくは6〜8の飽和脂環式炭化水素が好ましく、具体的には、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカンが挙げられる。なかでも、シクロヘキサンが好ましい。上記芳香族炭化水素としては、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜10、より好ましくは6〜8の芳香族炭化水素が好ましく、具体的には、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、エチルメチルベンゼンが挙げられる。なかでも、トルエン、ベンゼン、キシレンが好ましい。また、これら飽和脂環式炭化水素または芳香族炭化水素のハロゲン誘導体、例えば、塩素化された飽和脂環式炭化水素または芳香族炭化水素、すなわち具体的にはクロロベンゼンまたはジクロロメタンを用いることもできる。なお、より有効にゲルの発生を抑制する観点から、上記飽和脂環式炭化水素を用いるのが望ましい。
上述のように、本発明の製造方法で用いる溶媒としては、少なくともn−ヘキサンを含み、かつ特定の量の飽和脂環式炭化水素、芳香族炭化水素及びこれらのハロゲン誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有していればよく、残部には本発明の効果を阻害しない範囲内でその他の溶媒、例えば、ペンタン、ヘプタンのようなn−ヘキサン以外の脂肪族炭化水素等を含有していてもよい。
単量体である共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−プロピル−1,3−ブタジエン、2−イソプロピル−1,3−ブタジエン、2−ヘキシル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジエチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ヘキサジエン、2−メチル−1,3−オクタジエン、2−メチル−1,3−デカジエン、2,3−ジメチル−1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−オクタジエン、2,3−ジメチル−1,3−デカジエン等が挙げられ、1,2−ブタジエン、1,3−ブタジエン又はイソプレン等が好ましく、なかでも共重合性がより良好である1,3−ブタジエンが特に好ましい。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。一方、α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。単量体の仕込み量としては、上記共役ジエン単量体をα−オレフィン単量体の等モル以上で用いるのが望ましい。共役ジエン単量体をα−オレフィン単量体の等モル以上の量で仕込めば、低温の重合温度条件下であっても得られる共重合体の分子量を増大させることが容易となる。
なお、上記溶媒中のα−オレフィン単量体の濃度は、溶液全量(上記溶媒、α−オレフィン単量体および共役ジエン単量体の総量)100質量%中、通常5〜30質量%、好ましくは10〜20質量%である。
重合反応は、上記溶媒に上記α−オレフィンおよび共役ジエン単量体を添加した混合物を、重合温度が好ましくは−78℃〜0℃、より好ましくは−78〜−30℃、最も好ましくは−78〜−50℃未満となるよう冷却するのがよい。重合温度を上記範囲のように低温化することにより、得られる共重合体の分子量をより増大させることが可能となる。次いでかかる温度を保持したまま、上記混合物に上記遷移金属錯体触媒成分及び助触媒成分を添加して重合を開始する。遷移金属錯体触媒成分及び助触媒成分の添加順序は特に制限されない。また、重合時間は好ましくは0.5〜4時間、より好ましくは0.5〜2時間未満であるのがよい。重合時間を上記範囲のように短縮化することにより、不要なゲルの発生を有効に抑制することができる。なお、重合圧としては特に制限はなく、常圧下で重合を行うことができる。
重合反応が完了した後、上記遷移金属錯体触媒成分及び助触媒成分をトリエチルアミン等のアミン、エタノール等のアルコール、または蟻酸等のカルボン酸を添加することにより脱活性化する。生成物は、2,6−ジ−t−ブチルメチルフェノール等の安定化剤の添加後に、沈殿またはストリッピングにより単離し、洗浄、乾燥して目的の共重合体を得ることができる。かかる重合反応は、バッチ式または連続式のいずれであってもよい。
本発明の製造方法により得られるα−オレフィン−共役ジエン共重合体は、エラストマーとして活用でき、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム等の充填剤、硫黄等の架橋剤、架橋促進剤、架橋助剤等を添加して混練し、成形加工した後、加熱架橋することにより好適なゴム材料として利用できる。特に自動車部品、なかでもタイヤ用部材に最適に用いられる。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、共重合体の物性は以下の方法に従って測定した。
《ムーニー粘度(ML1+4/100℃)》
実施例及び比較例で得られた共重合体のムーニー粘度(RLM−01型テスター、東洋精機社製)を用いて、100℃で測定した。
《ゲル分率》
予め、ブタジエン−プロピレン共重合体(Mn=130,000、及びMn=71,000の2種類)の希薄トルエン溶液を調製し、0.45μm孔のフィルターを用いて濾過し、乾燥させてゲルのないブタジエン−プロピレン共重合体を得た。次に、それぞれのブタジエン−プロピレン共重合体を用いて1〜7mg/gの4種類の濃度のテトラヒドロフラン(THF)溶液を作製し、GPC(HLC−8220、東ソー(株)製)を用いて、共重合体の濃度と示差屈折率(RI)の面積とから検量線を作成した。
実施例及び比較例で得られた共重合体20mgを各々秤量し、THF5g中に12時間浸漬し、かかるTHF溶液を上記GPCを用いて0.45μm孔のフィルターで濾過し、示差屈折率Sx(単位:m秒)を測定した。THF溶液における共重合体の濃度(単位:mg/g)から、予め作成した検量線を元に上記式(X)を用いてゲル分率(%)を求めた。
[実施例1:共重合体Aの製造]
59gのn−ヘキサン、7gのシクロヘキサン、13gのブタジエン及び8gのプロピレン(モル比1.2:1)の混合物を窒素下で−75℃に冷却した。1mmolのトリイソブチルアルミニウム及び0.13mmolのバナジル−ジ−(2,2−ジメチルプロポキシ)−クロリドを添加して、常圧下、重合反応を開始した。反応温度は外部からの冷却により−75℃に保持した。
6時間の反応時間後に、8volのアルコールを添加して重合を停止させた。得られた生成物をアルコール中で沈殿させ、洗浄し、次いで減圧下で50℃で乾燥してプロピレン−ブタジエン共重合体Aを得た。共重合体Aの収量は17g、ムーニー粘度(ML1+4/100℃)は130、ゲル分率(%)は4.4であった。
[実施例2:共重合体Bの製造]
59gのn−ヘキサン、21gのシクロヘキサンを用いた以外、実施例1と同様にして共重合体Bを得た。共重合体Bの収量は16g、ムーニー粘度(ML1+4/100℃)は121、ゲル分率(%)は3.4であった。
[実施例3:共重合体Cの製造]
シクロヘキサンの代わりに4gのトルエンを用いた以外、実施例1と同様にして共重合体Cを得た。共重合体Cの収量は17g、ムーニー粘度(ML1+4/100℃)は126、ゲル分率(%)は4.1であった。
[実施例4:共重合体Dの製造]
シクロヘキサンの代わりに7gのトルエンを用いた以外、実施例1と同様にして共重合体Dを得た。共重合体Dの収量は17g、ムーニー粘度(ML1+4/100℃)は127、ゲル分率(%)は2.6であった。
[実施例5:共重合体Eの製造]
シクロヘキサンの代わりに21gのトルエンを用いた以外、実施例1と同様にして共重合体Eを得た。共重合体Eの収量は16g、ムーニー粘度(ML1+4/100℃)は106、ゲル分率(%)は2.1であった。
[比較例1:共重合体Fの製造]
66gのn−ヘキサン、13gのブタジエン及び8gのプロピレン(モル比1.2:1)の混合物を窒素下で−75℃に冷却した。1mmolのトリイソブチルアルミニウム及び0.13mmolのバナジル−ジ−(2,2−ジメチルプロポキシ)−クロリドを添加して、常圧下、重合反応を開始した。反応温度は外部からの冷却により−75℃に保持した。
6時間の反応時間後に、8volのアルコールを添加して重合を停止させた。得られた生成物をアルコール中で沈殿させ、洗浄し、次いで減圧下で50℃で乾燥してプロピレン−ブタジエン共重合体Fを得た。共重合体Fの収量は17g、ムーニー粘度(ML1+4/100℃)は128、ゲル分率(%)は9.0であった。
[加工性の評価]
3インチロールを用い、得られた共重合体ゴムを100℃で成形して試験片を作製した。成形後の試験片の表面を以下の基準により評価した。結果を表1に示す。
○:表面が光沢のある平滑面である。
×:ロール後に収縮が観察され、表面が荒れている。
Figure 2012012542
本発明の製造方法により得られたα−オレフィン−共役ジエン共重合体は、ゲル分率が5%以下とゲルの発生が有効に低減されており、かつ極めて高いムーニー粘度値(分子量)を有するため、ゴム材料としてロール加工した際に表面が平滑で、非常に光沢のある外観を呈することがわかる。

Claims (17)

  1. 希薄THF(テトラフドロフラン)溶液中0.45μm以上のサイズゲル分測定により算出されるゲル分率が5%以下であり、かつムーニー粘度(ML1+4/100℃)が80を超えることを特徴とするα−オレフィン−共役ジエン共重合体。
  2. 前記α−オレフィンの炭素数が、2〜12であることを特徴とする請求項1に記載のα−オレフィン−共役ジエン共重合体。
  3. 前記共役ジエンの炭素数が、4〜8であることを特徴とする請求項1又は2に記載のα−オレフィン−共役ジエン共重合体。
  4. 前記α−オレフィンが、プロピレンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のα−オレフィン−共役ジエン共重合体。
  5. 前記共役ジエンが、ブタジエンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のα−オレフィン−共役ジエン共重合体。
  6. M=Q結合(ここで、Mは周期律表IV〜VI族の遷移金属を示し、Qは酸素原子又は窒素原子を示し、但し、Qが窒素原子である場合、該窒素原子は、更にM以外の元素と結合している)を有し、かつ水素原子、ハロゲン原子、及び有機化合物残基からなる群より選ばれる少なくとも1種の配位子を有する遷移金属錯体触媒成分、並びに有機アルミニウム化合物からなる助触媒成分を用い、少なくともn−ヘキサンを含む溶媒全量100質量%中に、飽和脂環式炭化水素、芳香族炭化水素及びこれらのハロゲン誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種を0質量%を超え50質量%以下の量で含有する溶媒中で、α−オレフィン単量体と共役ジエン単量体とを共重合することにより、
    希薄THF(テトラフドロフラン)溶液中0.45μm以上のサイズゲル分測定により算出されるゲル分率が5%以下であり、かつムーニー粘度(ML1+4/100℃)が80を超えるα−オレフィン−共役ジエン共重合体を製造することを特徴とするα−オレフィン−共役ジエン共重合体の製造方法。
  7. 前記遷移金属錯体触媒成分が、下記式(I);
    Figure 2012012542
    (式(I)中、Mは周期律表IV〜VI族の遷移金属を示し、Qは酸素原子又は窒素原子を示す。A及びBは同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は有機化合物残基を示し、ここで、Aの一部とBの一部とが環を形成していてもよい。Xはハロゲン原子を示し、xは0〜3の整数を示し、yは0〜3の整数を示す。但し、1≦x+y≦3である。)で表されることを特徴とする請求項6に記載のα−オレフィン−共役ジエン共重合体の製造方法。
  8. 前記遷移金属錯体触媒成分が、下記式(II);
    Figure 2012012542
    (式(II)中、Mは周期律表IV〜VI族の遷移金属を示し、Qは酸素原子又は窒素原子を示す。R1及びR2は同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を示し、ここでR1の一部とR2の一部とが環を形成していてもよい。Xはハロゲン原子を示し、xは0〜3の整数を示し、yは0〜3の整数を示す。但し、1≦x+y≦3である。)で表されることを特徴とする請求項6又は7に記載のα−オレフィン−共役ジエン共重合体の製造方法。
  9. 前記遷移金属錯体触媒成分が、下記式(III);
    Figure 2012012542
    (式(III)中、Mは周期律表IV〜VI族の遷移金属を示し、Qは酸素原子又は窒素原子を示す。R3〜R8は同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示す。Xは塩素原子又は臭素原子を示し、xは0〜3の整数を示し、yは0〜3の整数を示す。但し、1≦x+y≦3である。mは1〜5の整数を示し、nは1〜5の整数を示す。)で表されることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載のα−オレフィン−共役ジエン共重合体の製造方法。
  10. 前記α−オレフィン単量体と共役ジエン単量体とを共重合するにあたり、重合温度−78℃〜0℃、及び重合時間0.5〜4時間の条件下で行うことを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載のα−オレフィン−共役ジエン共重合体の製造方法。
  11. 前記有機アルミニウム化合物が、AlR91011(ここで、R9及びR10は同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子を示し、R11は炭素数1〜10の炭化水素基を示す)又はアルミノキサンであることを特徴とする請求項6〜10のいずれかに記載のα−オレフィン−共役ジエン共重合体の製造方法。
  12. 前記飽和脂環式炭化水素が、炭素数6〜20の飽和脂環式炭化水素であることを特徴とする請求項6〜11のいずれかに記載のα−オレフィン−共役ジエン共重合体の製造方法。
  13. 前記芳香族炭化水素が、炭素数6〜20の芳香族炭化水素であることを特徴とする請求項6〜12のいずれかに記載のα−オレフィン−共役ジエン共重合体の製造方法。
  14. 前記α−オレフィンの炭素数が、2〜12であることを特徴とする請求項6〜13のいずれかに記載のα−オレフィン−共役ジエン共重合体の製造方法。
  15. 前記共役ジエンの炭素数が、4〜8であることを特徴とする請求項6〜14のいずれかに記載のα−オレフィン−共役ジエン共重合体の製造方法。
  16. 前記α−オレフィンが、プロピレンであることを特徴とする請求項6〜15のいずれかに記載のα−オレフィン−共役ジエン共重合体の製造方法。
  17. 前記共役ジエンが、ブタジエンであることを特徴とする請求項6〜16のいずれかに記載のα−オレフィン−共役ジエン共重合体の製造方法。
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