JP2012009199A - 誘導加熱調理器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】制御手段6は、フライパン予熱機能による誘導加熱が行なわれた際に、接触式温度センサー11の出力を検出手段13が換算した温度からフライパン10の第1の温度変化の勾配を算出し、赤外線センサー12の出力を検出手段13が換算した温度からフライパン10の第2の温度変化の勾配を算出し、第1の温度変化の勾配および第2の温度変化の勾配の両方に基づいて補正表から上限温度の補正値を取得し、この補正値によりフライパン予熱機能における、接触式温度センサーの上限温度および赤外線センサーの上限温度の少なくとも一方を変更し、変更された上限温度に基づいてフライパン10の予熱を実行する。
【選択図】図2
Description
また、赤外線センサーの受光感度波長域がトッププレートの赤外線透過波長域と重なるようにして調理容器の温度を応答性良く検出するものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、調理を行った直後の高温の天板に、常温のフライパンを載置して予熱を行う場合や、調理を行った直後の高温の天板に予熱などですでにかなり高温になったフライパンを載置して予熱を行う場合もありうる。このような場合には天板の裏面に接触したサーミスターなどの接触式温度センサーや赤外線センサーが誤検知することにより新たな問題が発生する。例えば、調理を行った直後の高温の天板に常温のフライパンを載置して予熱を行う場合、接触式温度センサーおよび赤外線センサーは、すでにフライパンが高温になっていると誤検知するため、予熱工程を所定の時間よりも早く終了してしまうという早切れの問題が発生する。
また、調理を行った直後の高温の天板に予熱などですでにかなり高温になったフライパンを載置して予熱を行う場合には、赤外線センサーおよび接触式温度センサーは天板を通して温度検知しているので、天板の熱を検知してしまう。従って、制御手段は、接触式温度センサーや赤外線センサーが検知する温度に基づいてフライパンが所定の予熱温度に到達したか否かの検出が困難になる。そこで、フライパンの温度が予熱温度に到達したにも拘わらず、ユーザーが再度予熱開始ボタンを操作してしまう場合があり、この場合には、フライパンの予熱時間が延長されてしまう遅切れという問題がある。この場合には、フライパンが加熱され過ぎて弗素コーティングを傷めたりフライパンが変形したりするという危険な事態に陥る。
図1は本発明に係る誘導加熱調理器の外観を示す斜視図、図2は本発明に係る誘導加熱調理器の実施の形態1における制御系の構成を示すブロック図である。
図1に示すように誘導加熱調理器100は、本体1と、本体1の上面を形成し鍋などの被加熱物を載置する耐熱ガラス製の天板2とから構成される。また、天板2の下方には被加熱物を誘導加熱する3つの加熱部の位置を示す加熱部マーク3が配置されている。具体的には、手前から(図1の矢印Aから)見て左側の加熱部マーク3aと右側の加熱部マーク3bと後方の加熱部マーク3cが配置されている。
また、天板2上の3個の加熱部マーク3の各々に対応して、天板2の下方には加熱コイル4が配置されている。即ち、加熱部マーク3aの真下に加熱コイル4aが配置されており、加熱部マーク3bの真下に加熱コイル4bが配置されており、加熱部マーク3cの真下に加熱コイル4cが配置されている。
また、3つの加熱コイル4a、4b及び4cは所謂3口型の加熱部を構成しているが、加熱コイル4cに代えて、ほぼ同径のラジエントヒーターを配置しても良い。
また、天板2の加熱部マーク3の領域内の裏面(加熱コイル4と対応する面)には、サーミスターなどの接触式温度センサー11が1つ以上接触するように配置されている。なお、被加熱物としてここではフライパン10を対象としている。また、天板2の下方には、天板2を介してフライパン10の底部から放射された赤外線エネルギーを検出するように赤外線センサー12が加熱部毎に配置されている。さらに、天板2の下方には、接触式温度センサー11の検知信号と赤外線センサー12の受光した赤外線エネルギーをA/D変換してフライパン10の温度に換算する温度検出手段13が設けられており、換算した温度情報を制御手段6へ出力する。
なお、接触式温度センサー11をTHと呼ぶことがある。同様に、赤外線センサー12をIRと呼ぶことがある。
次に、本実施の形態1における制御手段6の動作を図1〜6を用いて説明する。
誘導加熱調理器100の電源スイッチ(図示せず)がユーザーによって投入されると、制御手段6が起動される。制御手段6は、図3に示すメイン処理において、まず、内部に保有しているカウンタのクリヤや初期値設定などの初期処理を行った(ステップS301)後、操作部8からユーザーによって設定された情報を入力する(ステップS302)。次に制御手段6は、入力した設定情報がフライパン予熱開始命令か否かを調べ(ステップS303)、調理開始でなければ、ステップS302に戻り、上記と同様の処理を繰り返してフライパン予熱開始命令が入力されるまで待つ。この状態において、ユーザーが天板2にフライパン10を載置し、続いてフライパン予熱開始スイッチを押下すると、操作部8からフライパン予熱開始命令の信号が生成されて制御手段6に入力される。制御手段6は、ステップS303においてフライパン予熱開始命令を入力すると、フライパン予熱処理ソフトを起動した(ステップS304)上で、ステップS302へ戻る。これにより、図4に示すフライパン予熱処理が動作を開始する。
なお、設定情報には、他にも種々の調理開始命令が含まれるが、本発明の対象でないため、図示およびその説明を省略する。
本フライパン予熱処理の機能が起動されると、制御手段6は、まず、温度検出手段13から接触式温度センサー11(TH)の出力を温度検出手段13が換算した温度と赤外線センサー12(IR)の検出温度を取得する(ステップS401)。次に、制御手段6は接触式温度センサー11の出力を温度検出手段13が換算した温度が基準値Ta以上か否かを判断し(ステップS402)、基準値よりも低ければ、フライパン10の温度は高温でないと判断してステップS406へ飛ぶ。ステップS402において、接触式温度センサー11の検出温度が基準値Ta以上(YES)の場合、制御手段6は、フライパン10の温度は比較的高温であると判断し、この場合には、まだ予熱を行なわず、接触式温度センサー11(サーミスター)の出力に基づいてフライパン10の第1の温度変化を算出し、また、赤外線センサーの出力に基づいてフライパン10の第2の温度変化を算出し、算出した第1の温度変化または第2の温度変化を所定時間(例えば30秒間)監視し続ける。そして、この間に、接触式温度センサー11の出力に基づいて算出した第1の温度変化の量(即ち、勾配)および赤外線センサー12の出力に基づいて算出した第2の温度変化の量(即ち、勾配)を調べ、その時の天板2上のフライパン10の温度が高いのか低いのかを判断する(ステップS403〜S404)。
例えば、天板2の上に天板2よりも熱いフライパン10を載せると、接触式温度センサー11の検出温度および赤外線センサー12の検出温度が次第に上昇していく。逆に天板2の上に天板2よりも冷たいフライパン10を載せると、接触式温度センサー11の検出温度および赤外線センサー12の検出温度が次第に下降していく。
なお、図5の表は接触式温度センサー11の出力に基づいて算出された第1の温度変化の勾配と赤外線センサー12の出力に基づいて算出された第1の温度変化の勾配をマトリックス化し、各対応する行と列のセルにリミット温度の補正値を格納した表であり、制御手段6はこの補正値に基づいて高温の天板2の上に天板2よりも高温のフライパン10が載置されたのか、高温の天板2の上に天板2よりも冷たいフライパン10が載置されたのかを判断してリミット温度を変更する。
なお、表中のΔTは所定時間(ここでは30秒間)におけるセンサー出力に基づく温度の変化量(即ち、勾配)である。
フライパン予熱は予熱工程とその後の保温工程とから成る。予熱工程では、所定の火力例えば、1000Wが加熱コイル4へ供給され、誘導加熱による予熱によりフライパン10の温度が次第に上昇していき、所定の予熱工程時間が経過すると、タイムアウトにより接触式温度センサー11の出力に基づいて温度検出手段13が換算したフライパン10の温度が接触式温度センサー11用のリミット温度に到達する前に終了する。赤外線センサー12についても同様であり、タイムアウトにより赤外線センサー12の出力に基づいて温度検出手段13が換算したフライパン10の温度が赤外線センサー12用のリミット温度に到達する前に終了する。この後は保温工程に入り、予熱工程よりも小さい所定の火力例えば、500Wを加熱コイル4へ供給し、誘導加熱による予熱により保温工程の終了までフライパン10の温度がほぼ一定温度を維持し続ける。
図1〜3および図6は本実施の形態でも用いられる。
図7は本発明に係る誘導加熱調理器の実施の形態2における制御手段6のフライパン予熱処理を示すフローチャートである。また、図8は本発明に係る誘導加熱調理器の実施の形態2におけるフライパン予熱時間の補正値を示す表である。
図7のフローチャートは、図4のステップS405をステップS701に置き換えている以外は図4と同じである。ステップS701において、制御手段6は、接触式温度センサー11の出力に基づいて算出した第1の温度変化の勾配および赤外線センサー12の出力に基づいて算出した第2の温度変化の勾配に基づいて図8に示す表を参照することで予熱時間の補正値を取得し、この補正値により予熱時間を変更する。例えば、接触式温度センサー11の出力に基づいて算出した第1の温度変化の勾配および赤外線センサー12の出力に基づいて算出した第2の温度変化の勾配検出が10℃以上下がった場合、制御手段6は、図8の表を参照することにより、補正値として+30秒を取得する。そして、この補正値により予熱時間を30秒延長する。また、接触式温度センサー11の出力に基づいて算出した第1の温度変化の勾配および赤外線センサー12の出力に基づいて算出した第2の温度変化の勾配検出が10℃よりも高く上昇した場合、制御手段6は、図8の表を参照することにより、補正値として−30秒を取得する。そして、この補正値により予熱時間を30秒短縮する。
加熱コイル、5 インバーター回路、6 制御手段、7 計時手段、8 操作部、9 グリル、10 フライパン、11 接触式温度センサー(サーミスター)、12 赤外線センサー、13 温度検出手段、100 誘導加熱調理器。
Claims (4)
- 被加熱物を載置する天板と、
この天板の下方に設けられ、前記被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、
前記加熱コイルへ交流電力を供給するインバーター回路と、
前記天板の裏面に接触して前記被加熱物の熱を検出する接触式温度センサーと、
前記被加熱物の赤外線エネルギーを検出する赤外線センサーと、
前記接触式温度センサーの出力および前記赤外線センサーの出力を温度に換算する温度検出手段と、
前記被加熱物としてフライパンが前記天板に載置されたとき、前記フライパンの予熱を前記加熱コイルの誘導加熱により行わせるように前記インバーター回路を制御するフライパン予熱機能を有する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記フライパン予熱機能による誘導加熱が行なわれた際に、前記接触式温度センサーの出力を前記温度検出手段が換算した温度に基づいて、前記フライパンの第1の温度変化の勾配を算出し、前記赤外線センサーの出力を前記温度検出手段が換算した温度に基づいて、前記フライパンの第2の温度変化の勾配を算出し、前記第1の温度変化の勾配および前記第2の温度変化の勾配の両方に基づいて所定のルールにより前記フライパン予熱機能における、前記接触式温度センサー用の上限温度および前記赤外線センサー用の上限温度の少なくとも一方を変更することを特徴とする誘導加熱調理器。 - 前記制御手段は、前記第1の温度変化の勾配および前記第2の温度変化の勾配と前記接触式温度センサー用の上限温度の補正値および前記赤外線センサー用の上限温度の補正値の少なくとも一方を対応させた表に基づいて、前記接触式温度センサーの上限温度および前記赤外線センサーの上限温度の少なくとも一方を変更し、変更された上限温度に基づいて前記フライパンの予熱を実行することを特徴とする請求項1記載の誘導加熱調理器。
- 被加熱物を載置する天板と、
この天板の下方に設けられ、前記被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、
前記加熱コイルへ交流電力を供給するインバーター回路と、
前記天板の裏面に接触して前記被加熱物の熱を検出する接触式温度センサーと、
前記被加熱物の赤外線エネルギーを検出する赤外線センサーと、
前記接触式温度センサーの出力および前記赤外線センサーの出力を温度に換算する温度検出手段と、
前記被加熱物としてフライパンが前記天板に載置されたとき、前記フライパンの予熱を前記加熱コイルの誘導加熱により行わせるように前記インバーター回路を制御するフライパン予熱機能を有する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記フライパン予熱機能による誘導加熱が行なわれた際に、前記接触式温度センサーの出力を前記温度検出手段が換算した温度に基づいて、前記フライパンの第1の温度変化の勾配を算出し、前記赤外線センサーの出力を前記温度検出手段が換算した温度に基づいて、前記フライパンの第2の温度変化の勾配を算出し、前記第1の温度変化の勾配および前記第2の温度変化の勾配の両方に基づいて所定のルールにより前記フライパン予熱機能における予熱加熱時間を変更することを特徴とする誘導加熱調理器。 - 前記制御手段は、前記第1の温度変化の勾配および前記第2の温度変化の勾配と、前記フライパンの予熱時間の補正値を対応させた表に基づいて前記予熱加熱時間を変更し、変更された予熱加熱時間に基づいて前記フライパンの予熱を実行することを特徴とする請求項3記載の誘導加熱調理器。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017033406A1 (ja) | 2015-08-27 | 2017-03-02 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 加熱調理器 |
US10856686B2 (en) | 2017-11-16 | 2020-12-08 | The Vollrath Company, L.L.C. | Systems and methods for thermal soft start control |
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-
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