JP2014093155A - 誘導加熱調理器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 課題を解決する為には、誘導加熱調理器において、調理容器を加熱する加熱コイルと、加熱コイルへ電力を入力するインバーター回路と、調理容器からの赤外線を検出する赤外線センサーと、赤外線センサーからの出力を温度変換する温度検出手段と、加熱コイルへ入力する電力を設定入力する設定手段と、設定手段への入力に基づき、インバーター回路を制御する制御手段を備え、制御手段は、加熱コイルへ電力の入力を開始した後、温度検出手段が検出する温度が所定の温度となった時、所定の時間の間、加熱コイルへ入力する電力を弱める又は停止する期間を設け、この期間における温度検出手段が検出した調理容器の温度の変化量に基づき、加熱コイルへの入力電力を決定して加熱動作を行う。
【選択図】図6
Description
従って、揚げ物調理などのように、揚げ物油を低温状態から所定の温度まで加熱する制御を行う場合、油の量によって、赤外線センサーが検知している調理容器の温度と油の温度が異なる。
(実施の形態1)
図1は本発明に係る誘導加熱調理器の外観を示す斜視図、図2は本発明に係る誘導加熱調理器の実施の形態1における制御系の構成を示すブロック図である。
図1に示すように誘導加熱調理器100は、本体1と、本体1の上面を形成し鍋やフライパンなどの調理容器10を載置する耐熱ガラス製の天板2とから構成される。また、天板2の下方には調理容器10を誘導加熱する3つの加熱部の位置を示す加熱部マーク3が配置されている。
また、天板2上の3個の加熱部マーク3の各々に対応して、天板2の下方には加熱コイル4が配置されている。即ち、加熱部マーク3aの真下に加熱コイル4aが配置されており、加熱部マーク3bの真下に加熱コイル4bが配置されており、加熱部マーク3cの真下に加熱コイル4cが配置されている。
制御手段6は、マイコンやDSPやマイクロプロセッサーなどで構成されており、図示しない記憶手段を内蔵している。プリント回路基板は、発熱個所から離れており、冷却可能な風路中であれば、設置位置として適切であるが、冷却効率の観点から、加熱コイル4よりも上流に配置するのがよい。
尚、図1に示すように本体1の下部にはグリル9が引き出し自在に設けられており、魚などの焼き物料理等の調理が可能となっている。
また、天板2の加熱部マーク3の領域内の裏面(加熱コイル4と対応する面)には、サーミスターなどの接触式温度センサー11が1つ以上接触するように配置されている。
また、天板2の下方には、天板2を介して調理容器10の底部から放射された赤外線エネルギーを検出するように赤外線センサー12が加熱部毎に配置されている。
尚、接触式温度センサー11をTHと呼ぶことがある。同様に、赤外線センサー12をIRと呼ぶことがある。
また、図3は本発明に係る誘導加熱調理器の実施の形態1における制御手段6のメイン処理を示すフローチャートであり、図4は本発明に係る誘導加熱調理器の実施の形態1における制御手段6の加熱調理処理を示すフローチャートである。
ユーザーが誘導加熱調理器100の電源スイッチ(図示せず)を投入すると、制御手段6が起動される。制御手段6は、図3に示すメイン処理において、まず、内部に保有しているカウンタのクリアや初期値設定などの初期処理(ステップS301)を行った後、操作部8からユーザーによって設定された情報を入力する(ステップS302)。
この入力待ち状態において、ユーザーが天板2に被加熱物となる調理容器10を載置し、続いて火力情報などを設定して調理開始スイッチを押下すると、操作部8から調理開始命令の信号が生成されて制御手段6に入力される。
所定時間が経過したら、制御手段6は、当該調理の加熱調理が終了したと判断し、加熱調理ソフトを停止させ(ステップS308)、インバーター回路5を制御して加熱コイル4への加熱電力の供給を停止させた(ステップS309)後、処理を終了する。
調理停止命令が入力されなければ、ステップS302へ戻り、処理を続行する。ステップS307において、調理停止命令が入力されたら、制御手段6は加熱調理が終了したと判断し、加熱調理ソフトを停止させ(ステップS308)、インバーター回路5を制御して加熱コイル4への加熱電力の供給を停止させた(ステップS309)後、処理を終了する。
尚、この停止命令の信号は何らかの原因によりユーザーが調理を緊急に停止したい場合や、ユーザー自身が、加熱調理が終了したと判断したときに加熱を停止する場合などに操作部8の該当スイッチを操作することで生成され、制御手段6に出力される。
揚げ物調理とは、油が揚げ物をするのに適した状態となるように、揚げ物に適した温度まで油を加熱して、調理の間、適切な温度に油の温度を保つ加熱調理制御の1つである。これらの調理制御は、操作部8から入力された操作・設定情報や各種センサーに基づき、制御手段6により実行される。
次に、制御手段6は、温度検出手段13から赤外線センサー12が検出した調理容器10の温度であるIR温度の取得を開始し(S401)、インバーター回路5から加熱コイル4へ高周波電力の供給を開始することで、天板2の上面に置かれた調理容器10の加熱を開始する(S402)。尚、調理容器10の内部には、揚げ物調理に用いる揚げ物油が保持されている。
このように、調理容器10を誘導加熱することで調理容器10自体が発熱し、この調理容器10から熱が伝導して揚げ物油の温度が上昇する。つまり、調理容器10の温度上昇より遅れて揚げ物油の温度が上昇していく。
この加熱が停止している間も、調理容器10は、揚げ物油に熱を伝導し続けるが、加熱が停止している状態又は弱まった状態であることから、調理容器10の温度(IR温度)が低下していく。
また、設定温度とは、ユーザーが揚げ物調理の設定を行う設定情報入力(S302)の際に入力した調理の際に保たれる揚げ物油の温度である。つまり、予熱工程において、揚げ物油の目標温度である。例えば揚げ物調理の場合、天ぷらや唐揚げ等の調理の種類に応じて、約150℃〜約190℃の間で設定される。
尚、この設定温度は、ユーザーが入力した温度値をそのまま用いてもよいし、また、調理容器10の磁気特性等に応じて、ユーザーが入力した値を補正したものを用いてもよい。
ここで、T1は加熱停止時の温度、T2は加熱停止時間が経過した後の温度である。なお、上記の加熱停止後、調理容器10は、加熱停止時の温度より上昇する。T1は、この上昇後の最高温度を用いてもよい。
傾きΔTが所定の閾値Ta未満であるとき(ΔT<Ta)、温度の変化量が小さいものと判断する。
この時、調理容器10の温度であるIR温度の変化量が小さいということは、加熱が停止している間、調理容器10から揚げ物油へ、熱の伝導が少なかったといえる。つまり、揚げ物油と調理容器10の温度が、近いと推測することができる。
また、一回目のS406であれば、調理容器10の温度上昇に応じて揚げ物油の温度も上昇していることから、使用している揚げ物油の量が少なく、揚げ物油の温度も設定温度に近いと判断できる。
ここで保温工程とは、制御手段6が、IR温度に基づき比較的小さな入力(「弱」)でON/OFF又は入力電圧を所定の幅で上下(例えば。200W〜500W)することで加熱コイル4を駆動し、調理容器10のIR温度が設定温度となるように保たれるようにする工程である。
制御手段は、傾きΔTが所定の閾値Taより大きいとき(ΔT≧Ta)、温度の変化量が大きいものと判断する。
この時、調理容器10の温度であるIR温度の変化量が大きいということは、加熱が停止している間、調理容器10から揚げ物油へ、熱の伝導が多かったといえる。つまり、揚げ物油と調理容器10の温度に、大きな差があると推測することができる。
従って、ΔT≧Taの場合、S408に移行し、再度加熱を開始(温度復帰工程)して、S403に移行する。
この時、制御手段6は、調理物が少ないと判定した場合の加熱コイル4へ入力する電力より、大きい電力(例えば、火力「中」「強」)を加熱コイル4へ入力する。
これにより、調理容器10内の揚げ物油の量に応じて、予熱工程や保温工程時に、揚げ物油の温度管理を適切に行うことができる。
特に、揚げ物油の量が少ないと判定されたとき、不要な加熱動作を行うことなく、保温工程にスムーズに移行することができる。
尚、本実施の形態において、閾値Taや加熱を停止するまでの加熱時間や加熱出力(加熱電力)は、調理容器10の特性などにより適切な値や時間や出力が用いられる。
次に、図5を参照して、実施の形態2を説明する。尚、実施の形態1と同じステップについては、同様の符号を付し、説明を省略する。
実施の形態1と同様に、揚げ物調理開始後、所定のステップを経てS405に至る。そして、制御手段6は、加熱が停止している間の調理容器10の温度であるIR温度の下降変化の傾き(変化率)ΔT(ΔT=(T1−T2)/加熱停止時間)を算出して、温度の変化量の大小を判断する為の所定の閾値Taと比較する(S416)。
傾きΔTが所定の閾値Ta未満であるとき(ΔT<Ta)、温度の変化量が小さいものと判断する。
この時、調理容器10の温度であるIR温度の変化量が小さいということは、加熱が停止している間、調理容器10から揚げ物油へ、熱の伝導が少なかったといえる。つまり、揚げ物油と調理容器10の温度が、近いと推測することができる。
また、一回目のS406であれば、調理容器10の温度上昇に応じて揚げ物油の温度も上昇していることから、使用している揚げ物油の量が少なく(例えば200g未満)、揚げ物油の温度も設定温度に近いと判断できる。
傾きΔTが所定の閾値Taより大きいとき(Ta≦ΔT)、S418も移行し、傾きΔTと閾値Tb(Ta<Tb)との比較を行う。
ここで、傾きΔTが、閾値Tbより大きい場合、調理容器10の温度であるIR温度の変化量が大きいということであり、加熱が停止している間、調理容器10から揚げ物油へ、熱の伝導が多かったといえる。つまり、揚げ物油と調理容器10の温度に、大きな差があると推測することができる。
従って、Tb≦ΔTの場合、S420に移行して、火力「強」で再度加熱を開始(温度復帰工程)して(S420)、S403に移行する。
この時、制御手段6は、調理物が少ないと判定した場合の加熱コイル4へ入力する電力より、大きい電力を加熱コイル4へ入力する。
次に、S418において、傾きΔTが、閾値Tbより小さい場合、調理容器10の温度であるIR温度の変化量が中位であり、加熱が停止している間、調理容器10から揚げ物油へ、熱の伝導がある程度あったといえる。つまり、揚げ物油と調理容器10の温度に、ある程度の差があると推測することができる。
従って、Ta≦ΔT≦Tbの場合、S419に移行して、火力「中」で再度加熱を開始(温度復帰工程)し、S403に移行する。
この火力「中」のときの加熱コイルへの入力電力の大きさは、制御手段6は、調理物が少ないと判定した場合の加熱コイル4へ入力する電力より大きく、火力「強」より小さい大きさである。
これにより、調理容器10内の揚げ物油の量に応じて、予熱工程や保温工程時に、揚げ物油の温度管理を適切に行うことができる。
尚、本実施の形態において、閾値TaやTb、加熱を停止するまでの加熱時間や加熱出力(加熱電力)は、調理容器10の特性などにより適切な値や時間や出力が用いられる。
次に、図6〜図9を参照して、実施の形態3を説明する。尚、実施の形態1と同じステップについては、同様の符号を付し、説明を省略する。
実施の形態1と同様に、揚げ物調理開始後、所定のステップを経てS405に至る。そして、制御手段6は、加熱を弱めている間(200W)の調理容器10の温度であるIR温度の下降変化の傾き(変化率)ΔT(ΔT=(T1−T2)/加熱停止時間)を算出して、温度の変化量の大小を判断する為の所定の閾値Taと比較する(S426)。
傾きΔTが所定の閾値Ta未満であるとき(ΔT<Ta)、温度の変化量が小さいものと判断する。
この時、調理容器10の温度であるIR温度の変化量が小さいということは、加熱が停止している間、調理容器10から揚げ物油へ、熱の伝導が少なかったといえる。つまり、揚げ物油と調理容器10の温度が、近いと推測することができる。
また、S426において、調理容器10の温度上昇に応じて揚げ物油の温度も上昇していることから、使用している揚げ物油の量が少なく、揚げ物油の温度も設定温度に近いと判断できる。
傾きΔTが所定の閾値Taより大きいとき(ΔT≧Ta)、温度の変化量が大きいものと判断する。
この時、調理容器10の温度であるIR温度の変化量が大きいということは、加熱が停止している間、調理容器10から揚げ物油へ、熱の伝導が多かったといえる。つまり、揚げ物油と調理容器10の温度に、大きな差があると推測することができる。
従って、S428においてΔT≧Taの場合、再度加熱(例えば1200W)を開始(温度復帰工程)して、S429に移行する。
そして、S429において、設定温度にIR温度が達すると、揚げ物に適した温度まで揚げ物油の温度が上昇したと判断し、保温工程(S427)へと移行し、保温工程が開始された後、S302に移行する。
これにより、調理容器10内の揚げ物油の量に応じて、予熱工程や保温工程時に、揚げ物油の温度管理を適切に行うことができる。
尚、本実施の形態において、閾値Taや加熱を停止するまでの加熱時間や加熱出力(加熱電力)は、調理容器10の特性などにより適切な値や時間や出力が用いられる。
次に、図9を参照して、実施の形態4を説明する。尚、実施の形態1と同じステップについては、同様の符号を付し、説明を省略する。
実施の形態1と同様に、揚げ物調理開始後、所定のステップを経てS405に至る。そして、制御手段6は、加熱が停止している間の調理容器10の温度であるIR温度の下降変化の傾き(変化率)ΔT(ΔT=(T1−T2)/加熱停止時間)を算出して、温度の変化量の大小を判断する為の所定の閾値Taと比較する(S436)。
傾きΔTが所定の閾値Ta未満であるとき(ΔT<Ta)、温度の変化量が小さいものと判断する。
この時、調理容器10の温度であるIR温度の変化量が小さいということは、加熱が停止している間、調理容器10から揚げ物油へ、熱の伝導が少なかったといえる。つまり、揚げ物油と調理容器10の温度が、近いと推測することができる。
また、S436において、調理容器10の温度上昇に応じて揚げ物油の温度も上昇していることから、使用している揚げ物油の量が少なく(例えば200g未満)、揚げ物油の温度も設定温度に近いと判断できる。
傾きΔTが所定の閾値Taより大きいとき(Ta≦ΔT)、S438も移行し、傾きΔTと閾値Tb(Ta<Tb)との比較を行う。
ここで、傾きΔTが、閾値Tbより大きい場合、調理容器10の温度であるIR温度の変化量が大きいということであり、加熱が停止している間、調理容器10から揚げ物油へ、熱の伝導が多かったといえる。つまり、揚げ物油と調理容器10の温度に、大きな差があると推測することができる。
従って、Tb≦ΔTの場合、火力「強」で再度加熱を開始(温度復帰工程)して(S440)、S441に移行する。
次に、S438において、傾きΔTが、閾値Tbより小さい場合、調理容器10の温度であるIR温度の変化量が中位であり、加熱が停止している間、調理容器10から揚げ物油へ、熱の伝導がある程度あったといえる。つまり、揚げ物油と調理容器10の温度に、ある程度の差があると推測することができる。
従って、Ta≦ΔT≦Tbの場合、火力「中」で再度加熱を開始(温度復帰工程)して(S4390)、S441に移行する。
これにより、調理容器10内の揚げ物油の量に応じて、予熱工程や保温工程時に、揚げ物油の温度管理を適切に行うことができる。
尚、本実施の形態において、閾値TaやTb、加熱を停止するまでの加熱時間や加熱出力(加熱電力)は、調理容器10の特性などにより適切な値や時間や出力が用いられる。
(実施の形態5)
次に、制御手段6は、温度検出手段13から赤外線センサー12が検出した調理容器10の温度であるIR温度を取得し(S501)、インバーター回路5から加熱コイル4へ高周波電力の供給を開始することで、天板2の上面に置かれた調理容器10の加熱を開始する(S502)。
尚、調理容器10の内部には、揚げ物調理に用いる食用油が保持されている。
このように、調理容器10を誘導加熱することで調理容器10自体が発熱し、この調理容器10から熱が伝導して揚げ物油の温度が上昇する。つまり、調理容器10の温度上昇より遅れて揚げ物油の温度が上昇していく。
この加熱が停止している状態の間も、調理容器10は、揚げ物油に熱を伝導し続け、揚げ物油を温め続けるが、加熱が停止している状態又は弱まった状態であることから、調理容器10の温度(IR温度)が低下していく。
ここで、S503の加熱開始からの所定時間は、ユーザーが設定した設定温度や調理容器10の特性などに応じて、長短が決まっている。
傾きΔTが所定の閾値Ta未満であるとき(ΔT<Ta)、温度の変化量が小さいものと判断する。
この時、調理容器10の温度であるIR温度の変化量が小さいということは、加熱が停止している間、調理容器10から揚げ物油へ、熱の伝導が少なかったといえる。つまり、揚げ物油と調理容器10の温度が、近いと推測することができる。
また、一回目のS506であれば、調理容器10の温度上昇に応じて揚げ物油の温度も上昇していることから、使用している揚げ物油の量が少なく、揚げ物油の温度も設定温度に近いと判断できる。
傾きΔTが所定の閾値Taより大きいとき(ΔT≧Ta)、温度の変化量が大きいものと判断する。
この時、調理容器10の温度であるIR温度の変化量が大きいということは、加熱が停止している間、調理容器10から揚げ物油へ、熱の伝導が多かったといえる。つまり、揚げ物油と調理容器10の温度に、大きな差があると推測することができる。
従って、S508においてΔT≧Taの場合、再度加熱を開始(温度復帰工程)して、S509に移行する。
そして、S509において、再加熱から所定時間経過すると、S504に移行する。この間、再加熱が続き、揚げ物油の温度が上昇していく。
これにより、調理容器10内の揚げ物油の量に応じて、予熱工程や保温工程時に、揚げ物油の温度管理を適切に行うことができる。
特に、揚げ物油の量が少ないと判定されたとき、不要な加熱動作を行うことなく、保温工程にスムーズに移行することができる。
尚、本実施の形態において、閾値Taや加熱を停止するまでの加熱時間や加熱出力(加熱電力)は、調理容器10の特性などにより適切な値や時間や出力が用いられる。
次に、図11を参照して、実施の形態6を説明する。尚、実施の形態5と同じステップについては、同様の符号を付し、説明を省略する。
実施の形態5と同様に、揚げ物調理開始後、所定のステップを経てS505に至る。そして、制御手段6は、加熱が停止している間の調理容器10の温度であるIR温度の下降変化の傾き(変化率)ΔT(ΔT=(T1−T2)/加熱停止時間)を算出して、温度の変化量の大小を判断する為の所定の閾値Taと比較する(S516)。
傾きΔTが所定の閾値Ta未満であるとき(ΔT<Ta)、温度の変化量が小さいものと判断する。
この時、調理容器10の温度であるIR温度の変化量が小さいということは、加熱が停止している間、調理容器10から揚げ物油へ、熱の伝導が少なかったといえる。つまり、揚げ物油と調理容器10の温度が、近いと推測することができる。
また、一回目のS516であれば、調理容器10の温度上昇に応じて揚げ物油の温度も上昇していることから、使用している揚げ物油の量が少なく(例えば200g未満)、揚げ物油の温度も設定温度に近いと判断できる。
傾きΔTが所定の閾値Taより大きいとき(Ta≦ΔT)、S518に移行し、傾きΔTと閾値Tb(Ta<Tb)との比較を行う。
ここで、傾きΔTが、閾値Tbより大きい場合、調理容器10の温度であるIR温度の変化量が大きいということであり、加熱が停止している間、調理容器10から揚げ物油へ、熱の伝導が多かったといえる。つまり、揚げ物油と調理容器10の温度に、大きな差があると推測することができる。
従って、Tb≦ΔTの場合、火力「強」で再度加熱を開始(温度復帰工程)して(S520)、S521に移行する。
そして、S521において、再加熱から所定時間経過すると、S504に移行する。この間、再加熱が続き、揚げ物油の温度が上昇していく。
次に、S518において、傾きΔTが、閾値Tbより小さい場合、調理容器10の温度であるIR温度の変化量が中位であり、加熱が停止している間、調理容器10から揚げ物油へ、熱の伝導がある程度あったといえる。つまり、揚げ物油と調理容器10の温度に、ある程度の差があると推測することができる。
従って、Ta≦ΔT≦Tbの場合、火力「中」で再度加熱を開始(温度復帰工程)して(S520)、S521に移行する。
そして、S521において、再加熱から所定時間経過すると、S504に移行する。この間、再加熱が続き、揚げ物油の温度が上昇していく。
これにより、調理容器10内の揚げ物油の量に応じて、予熱工程や保温工程時に、揚げ物油の温度管理を適切に行うことができる。
尚、本実施の形態において、閾値TaやTb、加熱を停止するまでの加熱時間や加熱出力(加熱電力)は、調理容器10の特性などにより適切な値や時間や出力が用いられる。
(実施の形態7)
実施の形態5と同様に、揚げ物調理開始後、所定のステップを経てS505に至る。そして、制御手段6は、加熱が停止している間の調理容器10の温度であるIR温度の下降変化の傾き(変化率)ΔT(ΔT=(T1−T2)/加熱停止時間)を算出して、温度の変化量の大小を判断する為の所定の閾値Taと比較する(S526)。
S526において、傾きΔTが所定の閾値Ta未満であるとき(ΔT<Ta)、温度の変化量が小さいものと判断する。
この時、調理容器10の温度であるIR温度の変化量が小さいということは、加熱が停止している間、調理容器10から揚げ物油へ、熱の伝導が少なかったといえる。つまり、揚げ物油と調理容器10の温度が、近いと推測することができる。
また、S526において、調理容器10の温度上昇に応じて揚げ物油の温度も上昇していることから、使用している揚げ物油の量が少なく、揚げ物油の温度も設定温度に近いと判断できる。
S526において、傾きΔTが所定の閾値Taより大きいとき(ΔT≧Ta)、温度の変化量が大きいものと判断する。
この時、調理容器10の温度であるIR温度の変化量が大きいということは、加熱が停止している間、調理容器10から揚げ物油へ、熱の伝導が多かったといえる。つまり、揚げ物油と調理容器10の温度に、大きな差があると推測することができる。
従って、S528においてΔT≧Taの場合、再度加熱を開始(温度復帰工程)して、S529に移行する。
そして、S529において、IR温度が設定温度より大きくなると、S527に移行する。この間、再加熱が続き、揚げ物油の温度が上昇していく。
これにより、調理容器10内の揚げ物油の量に応じて、予熱工程や保温工程時に、揚げ物油の温度管理を適切に行うことができる。
特に、揚げ物油の量が少ないと判定されたとき、不要な加熱動作を行うことなく、保温工程にスムーズに移行することができる。
尚、本実施の形態において、閾値Taや加熱を停止するまでの加熱時間や加熱出力(加熱電力)は、調理容器10の特性などにより適切な値や時間や出力が用いられる。
次に、図15を参照して、実施の形態8を説明する。尚、実施の形態5と同じステップについては、同様の符号を付し、説明を省略する。
実施の形態5と同様に、揚げ物調理開始後、所定のステップを経てS505に至る。そして、制御手段6は、加熱が停止している間の調理容器10の温度であるIR温度の下降変化の傾き(変化率)ΔT(ΔT=(T1−T2)/加熱停止時間)を算出して、温度の変化量の大小を判断する為の所定の閾値Taと比較する(S536)。
S536において、傾きΔTが所定の閾値Ta未満であるとき(ΔT<Ta)、温度の変化量が小さいものと判断する。
この時、調理容器10の温度であるIR温度の変化量が小さいということは、加熱が停止している間、調理容器10から揚げ物油へ、熱の伝導が少なかったといえる。つまり、揚げ物油と調理容器10の温度が、近いと推測することができる。
また、S536において、調理容器10の温度上昇に応じて揚げ物油の温度も上昇していることから、使用している揚げ物油の量が少なく(例えば200g未満)、揚げ物油の温度も設定温度に近いと判断できる。
S537において、傾きΔTが所定の閾値Taより大きいとき(Ta≦ΔT)、S538に移行し、傾きΔTと閾値Tb(Ta<Tb)との比較を行う。
ここで、傾きΔTが、閾値Tbより大きい場合、調理容器10の温度であるIR温度の変化量が大きいということであり、加熱が停止している間に、調理容器10から揚げ物油へ、熱の伝導が多かったといえる。つまり、揚げ物油と調理容器10の温度に、大きな差があると推測することができる。
従って、Tb≦ΔTの場合、火力「強」で再度加熱を開始(温度復帰工程)して(S540)、S541に移行する。
そして、S541において、IR温度が設定温度より大きくなると、S537に移行する。この間、再加熱が続き、揚げ物油の温度が上昇していく。
次に、S538において、傾きΔTが、閾値Tbより小さい場合、調理容器10の温度であるIR温度の変化量が中位であり、加熱が停止している間、調理容器10から揚げ物油へ、熱の伝導がある程度あったといえる。つまり、揚げ物油と調理容器10の温度に、ある程度の差があると推測することができる。
従って、Ta≦ΔT≦Tbの場合、火力「中」で再度加熱を開始(温度復帰工程)して(S539)、S541に移行する。
そして、S541において、IR温度が設定温度より大きくなると、S537に移行する。この間、再加熱が続き、揚げ物油の温度が上昇していく。
これにより、調理容器10内の揚げ物油の量に応じて、予熱工程や保温工程時に、揚げ物油の温度管理を適切に行うことができる。
尚、本実施の形態において、閾値TaやTb、加熱を停止するまでの加熱時間や加熱出力(加熱電力)は、調理容器10の特性などにより適切な値や時間や出力が用いられる。
また、加熱コイルの火力レベルに対応した加熱コイルへの入力電力(W)について、実施の形態中で用いた電力は一例であり、誘導加熱調理器の特性に応じて決められるものである。
Claims (10)
- 調理容器を載置する天板と、
該天板の下方に配置され、前記調理容器を誘導加熱する加熱コイルと、
該加熱コイルへ電力を入力するインバーター回路と、
前記調理容器から放射される赤外線を検出する赤外線センサーと、
該赤外線センサーからの出力を温度に変換する温度検出手段と、
前記加熱コイルへ入力する電力を設定入力する設定手段と、
前記設定手段への入力に基づき、前記インバーター回路を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記調理容器の内部に保持される調理物を設定温度まで加熱するために前記加熱コイルへ電力の入力を開始した後、前記温度検出手段が検出する前記調理容器の温度が所定の温度となったとき、所定の時間の間、前記加熱コイルへ入力する電力を弱める又は停止する期間を設け、この期間における前記温度検出手段が検出した前記調理容器の温度の変化量に基づき、前記調理容器内部に保持されている調理物の量を判定することを特徴とする誘導加熱調理器。 - 調理容器を載置する天板と、
該天板の下方に配置され、前記調理容器を誘導加熱する加熱コイルと、
該加熱コイルへ電力を入力するインバーター回路と、
前記調理容器から放射される赤外線を検出する赤外線センサーと、
該赤外線センサーからの出力を温度に変換する温度検出手段と、
前記加熱コイルへ入力する電力を設定入力する設定手段と、
前記設定手段への入力に基づき、前記インバーター回路を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記調理容器の内部に保持される調理物を設定温度まで加熱するために前記加熱コイルへ電力の入力を開始した後、所定の時間が経過すると、所定の時間の間、前記加熱コイルへ入力する電力を弱める又は停止する期間を設け、この期間における前記温度検出手段が検出した前記調理容器の温度の変化量に基づき、前記調理容器内部に保持されている調理物の量を判定することを特徴とする誘導加熱調理器。 - 前記制御手段は、前記調理物の量の判定の結果、調理物が少ないと判定した場合、前記期間より前の段階の前記加熱コイルへの入力電力より前記加熱コイルへ入力する電力を弱める、又は、停止する制御を行うことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
- 前記制御手段は、前記加熱コイルへ入力する電力を弱める、又は、停止した後、保温工程に移行する制御を行うことを特徴とする請求項3に記載の誘導加熱調理器。
- 前記制御手段は、前記調理物の量の判定の結果、調理物が多いと判定した場合、調理物が少ないと判定した場合の前記加熱コイルへ入力する電力より、大きい電力を前記加熱コイルへ入力する制御を行うことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
- 調理容器を載置する天板と、
該天板の下方に配置され、前記調理容器を誘導加熱する加熱コイルと、
該加熱コイルへ電力を入力するインバーター回路と、
前記調理容器から放射される赤外線を検出する赤外線センサーと、
該赤外線センサーからの出力を温度に変換する温度検出手段と、
前記加熱コイルへ入力する電力を設定入力する設定手段と、
前記設定手段への入力に基づき、前記インバーター回路を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記調理容器の内部に保持される調理物を設定温度まで加熱するために前記加熱コイルへ電力の入力を開始した後、前記温度検出手段が検出する前記調理容器の温度が所定の温度となったとき、所定の時間の間、前記加熱コイルへ入力する電力を弱める又は停止する期間を設け、この期間における前記温度検出手段が検出した前記調理容器の温度の変化量に基づき、前記加熱コイルへの入力電力を決定して加熱動作を行うことを特徴とする誘導加熱調理器。 - 調理容器を載置する天板と、
該天板の下方に配置され、前記調理容器を誘導加熱する加熱コイルと、
該加熱コイルへ電力を入力するインバーター回路と、
前記調理容器から放射される赤外線を検出する赤外線センサーと、
該赤外線センサーからの出力を温度に変換する温度検出手段と、
前記加熱コイルへ入力する電力を設定入力する設定手段と、
前記設定手段への入力に基づき、前記インバーター回路を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記調理容器の内部に保持される調理物を設定温度まで加熱するために前記加熱コイルへ電力の入力を開始した後、所定の時間が経過すると、所定の時間の間、前記加熱コイルへ入力する電力を弱める又は停止する期間を設け、この期間における前記温度検出手段が検出した前記調理容器の温度の変化量に基づき、前記加熱コイルへの入力電力を決定して加熱動作を行うことを特徴とする誘導加熱調理器。 - 前記制御手段は、前記変化量が所定の値より小さい場合、前記加熱コイルへ入力する電力を弱める、又は、停止した後、保温工程に移行する制御を行うことを特徴とする請求項6又は7のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
- 前記制御手段は、前記加熱コイルへ入力する電力を弱める、又は、停止した後、保温工程に移行する制御を行うことを特徴とする請求項8に記載の誘導加熱調理器。
- 前記制御手段は、前記変化量が所定の値より大きい場合、前記変化量が所定の値より小さい場合に前記加熱コイルへ入力する電力より、大きい電力を前記加熱コイルへ入力する制御を行うことを特徴とする請求項6又は7のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
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JP2011060569A (ja) * | 2009-09-10 | 2011-03-24 | Panasonic Corp | 加熱調理器およびプログラム |
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-
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