JP2012007532A - 真空ポンプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ターボ分子ポンプ1に内蔵されているモータ6の温度を検出するモータ温度センサ31と、複数のモータ温度に対応した重み値を記憶しておく記憶部86と、モータ温度センサ31により検出されたモータ温度に対応する重み値を記憶部86から1秒(または、所定の周期)毎に逐次読み出す温度制御部84と、温度制御部84から供給された重み値を累算する累積演算部88とを備えており、温度制御部84は、累積演算部88による累算結果に応じてアラーム発報を表す応答信号SG84を発する構成としてあるので、モータ温度の変化状況に応じてアラーム発報時刻を適切に可変制御することができる。
【選択図】図1
Description
ここで、前記累算手段による累算結果が所定の下限値以下となるときは、前記累積結果を前記所定の下限値に設定するのが好適である。より具体的には、前記記憶手段に記憶されている重み値は、モータ温度が所定のモータ温度閾値以下となるときには負の値を、モータ温度が前記モータ温度閾値を越えるときには正の値を有する。
前記重み値は、モータ温度が前記モータ温度閾値以下であるときには−W0であり、モータ温度が前記モータ温度閾値を越えて上昇するにしたがって+W1,・・・,+WN−1,+WNとなる(W0およびW1〜WNは正数であって、W1<WN−1<WN)ように予め設定しておくことができる。
前記応答手段は、前記累算手段による累算結果が規定値以上に達した時点で、前記応答信号として警報信号(アラーム)を発することができる。
さらに、前記モータに流れる電流の値を、前記応答信号に対応して制御するモータ電流制御手段を備えることができる。ここで、前記モータ電流制御手段は、前記累算手段による累算結果が所定の最大値に達したときには、前記モータの電流値を所定の最小値(例えば、定格電流の規定パーセント)に維持するのが好適である。
前記累算手段の累積演算は、前記モータのコントローラへ電力の供給を開始した直後から開始してもよいし、あるいは、前記温度検出手段により検出されたモータ温度が所定のモータ温度閾値を超えた時点から開始してもよい。
前記温度検出手段として、例えばターボ分子ポンプの非回転部に設置されている温度センサの出力に基づいて前記モータのロータ温度を推定することができる。あるいは、前記温度検出手段として、例えばターボ分子ポンプのシャフトから所定の空隙を介して配置されている非接触型温度センサの出力に基づいて前記モータのロータ温度を検出してもよい。
より具体的には、請求項1に係る本発明によれば、モータ温度の変化状況に応じてアラーム発報時刻を適切に可変制御することができる。特に、一瞬だけモータ温度がある値を越えただけでは直ちにアラーム発報とならないので、真空ポンプを用いるプロセス系統への悪影響を避けることができる。すなわち、従来は、ガス負荷などに起因してモータ温度が一瞬あるいは短期間だけある値を越えたとしてもアラームが発報されてモータがフリーラン状態になってしまったが、短時間かつ軽度な温度超過に起因する各種の不都合を避けることができる。
請求項2に係る発明によれば、前記累算手段による累算結果が所定の下限値以下となるときは、前記累積結果を前記所定の下限値に設定するので、モータ温度がある値を挟んで変化する際にも、適切な時期にアラーム発報などの応答信号を発することができる。
請求項3に係る発明によれば、前記記憶手段に記憶されている重み値は、モータ温度が所定のモータ温度閾値以下となるときには負の値を、モータ温度が前記モータ温度閾値を越えるときには正の値を有するので、ある短期間だけモータ温度が上昇したような場合にも、不要なアラーム発報などを避けることができる。
請求項4に係る発明によれば、前記重み値は、モータ温度が前記モータ温度閾値以下であるときには−W0であり、モータ温度が前記モータ温度閾値を越えて上昇するにしたがって+W1,・・・,+WN−1,+WNとなる(W0およびW1〜WNは正数であって、W1<WN−1<WN)ように予め設定しておくことにより、軽微な温度超過に対しては時間遅れをもった緩やかな温度検知システムを提供すると共に、モータの適正温度維持に対して見過ごすことができない温度経過がモニタされた場合には迅速にモータ温度の低下処理を実行することができる。より具体的には、モータ温度の変化状況に応じてアラーム発報時刻などの応答信号発生時刻を適切に可変制御することができる。
請求項5に係る発明によれば、前記応答手段は、前記累算手段による累算結果が規定値以上に達した時点で、前記応答信号として警報信号(アラーム)を発することができるので、規定値を適宜変更することにより、稼働中のプロセスに適合したアラーム発報をなすことができる。
請求項6に係る発明によれば、前記モータに流れる電流の値を、前記応答信号に対応して制御するモータ電流制御手段を備えることにより、前記累算手段による累算結果に応じてモータ電流を可変制御することができる。より具体的には、応答信号が表す累算結果に対応してモータに流れる電流の大きさを制御することにより、モータ温度をある一定値近辺に維持することができる。その結果、モータの寿命を延ばすことができる。
請求項7に係る発明によれば、前記モータ電流制御手段は、前記累算手段による累算結果が所定の最大値に達したときには、前記モータの電流値を所定の最小値に維持するので、定格電流の規定パーセントを維持したモータ電流値を実現することができる。
請求項8に係る発明によれば、前記累算手段の累積演算は、前記モータのコントローラへ電力の供給を開始した直後から開始するので、制御シーケンスの簡略化を図ることができる。
請求項9に係る発明によれば、前記累算手段の累積演算は、前記温度検出手段により検出されたモータ温度が所定のモータ温度閾値を超えた時点から開始するので、モータ温度閾値を越えるまでは演算動作を停止させておくことができる。
請求項10に係る発明によれば、ターボ分子ポンプの非回転部に設置されている温度センサの出力に基づいて前記モータのロータ温度を推定するので、従来から知られている温度センサを用いた温度管理を行うことができる。
請求項11に係る発明によれば、ターボ分子ポンプのシャフトから所定の空隙を介して配置されている非接触型温度センサの出力に基づいてロータ温度を検出するので、より正確なロータ温度を直接検出し、もって正確な温度管理を実現することができる。
図1は、本発明を適用した真空ポンプの温度制御システムを示す全体構成図である。ポンプ本体1として、本実施の形態ではターボ分子ポンプを用いている。ターボ分子ポンプの回転体(後に、図2を参照して説明する)を駆動するモータ6の回転数(rpm)は、コントローラ80のモータ制御部82から出力されるモータ制御信号SG82により制御される。モータ6の回転数は回転数センサ13により検出され、回転数信号SG13としてモータ制御部82に入力される。モータ6のステータ側に設置されているモータ温度センサ31は、モータ温度信号SG31を温度制御部84に送出する。なお、このモータ温度センサ31はロータ温度を直接測定する形式のものではないので、温度制御部84は、モータ温度信号SG31により表された温度をロータ温度に変換するために、予め設計段階で得られたデータに基づいてロータ温度への変換を行うのが好適である。
Wx=−W0,+W1,・・・,+WN−1,+WN (式1)
(ここで、W0およびW1〜WNは正数)
であり、負の重み値−W0と、正の重み値+W1,・・・,+WN−1,+WNを有している。本実施の形態では、後に表1を参照して詳述するように、
W1<WN−1<WN (式2)
とすることにより、モータの電流を迅速且つ適切に制御している。
本実施の形態によれば、以下のような作用・効果を奏することができる。
(1)ターボ分子ポンプ1に内蔵されているモータ6の温度を検出するモータ温度センサ31と、複数のモータ温度に対応した重み値を記憶しておく記憶部86と、モータ温度センサ31により検出されたモータ温度に対応する重み値を記憶部86から1秒(または、所定の周期)毎に逐次読み出す温度制御部84と、温度制御部84から供給された重み値を累算する累積演算部88とを備えており、温度制御部84は、累積演算部88による累算結果に応じてアラーム発報を表す応答信号SG84を発する構成としてあるので、モータ温度の変化状況に応じてアラーム発報時刻を適切に可変制御することができる。
特に、一瞬だけモータ温度がモータ温度リミット閾値を越えただけでは直ちにアラーム発報とならないので、本実施の形態に係るターボ分子ポンプを用いるプロセス系統への悪影響を避けることができる。
より具体的に述べると、従来は、ガス負荷などに起因してモータ温度が一瞬あるいは短期間だけモータ温度リミット閾値を越えたとしてもアラームが発報されてしまうので、モータがフリーラン状態になって減速してしまった。したがって、モータ温度リミット閾値ぎりぎりとなるようなガス負荷をかけて運転している場合には、短時間かつ軽度な温度超過に対応することができなかったが、本実施の形態によれば、生産工程の停止などモータ停止による各種の不都合を避けることができる。
上述した実施の形態1では、応答信号SG84としてアラーム発報信号を出力する場合について説明したが、以下に述べる実施の形態2では、累算結果に応じてモータ電流を制御する動作について説明する。すなわち、実施の形態2では図1と同じブロック構成を有するが、応答信号SG84に応じてモータ電流を可変制御する点が異なっている。以下、実施の形態2について詳細に説明する。
(MAX値)×(10000−(トータルカウント値))/10000
(式3)
ここで、(MAX値)とは、モータ温度に関係なく設定されている最大電流値である。
本実施の形態によれば、以下のような作用・効果を奏することができる。
(1)モータ制御部82は、応答信号SG84が表す累算結果(トータルカウント値)に対応してモータ6に流れる電流の大きさを制御しているので、モータ温度をモータ温度リミット閾値(120℃)近辺に維持することができる。その結果、モータ6の寿命を延ばすことができる。なお、モータの寿命は、一般的に次の(式4)により表されるので、モータ温度リミット閾値を適宜設定することにより、維持管理の手間をより少なくすることができる。
(モータ寿命)=
(定格温度時の寿命)×2^((定格温度−周囲温度)/10) (式4)
実施の形態3では、上述した実施の形態1と実施の形態2とを組み合わせた真空ポンプを構成する。すなわち、下記の(1)および(2)を併せもつ真空ポンプを構成する。その他の構成は同じであるので、説明は省略する。
(1)ターボ分子ポンプ1に内蔵されているモータ6の温度を検出するモータ温度センサ31と、複数のモータ温度に対応した重み値を記憶しておく記憶部86と、モータ温度センサ31により検出されたモータ温度に対応する重み値を記憶部86から1秒(または、所定の周期)毎に逐次読み出す温度制御部84と、温度制御部84から供給された重み値を累算する累積演算部88とを備えており、温度制御部84は、累積演算部88による累算結果に応じてアラーム発報を表す応答信号SG84を発する。
(2)モータ制御部82は、応答信号SG84が表す累算結果(トータルカウント値)に対応してモータ6に流れる電流の大きさを制御することにより、モータ温度をモータ温度リミット閾値(120℃)近辺に維持させる。すなわち、応答信号SG84は、累算結果(トータルカウント値)をモータ制御部82に知らせるのみならず、累算結果に応じたアラーム発報をモータ制御部82に知らせる。
本実施の形態によれば、以下のような作用・効果を奏することができる。
(1)真空ポンプのモータ駆動が急に零になってしまうという使い勝手の悪化を防止すると同時に、モータ寿命の短命化を防止することができる、という格別な効果が得られる。
(1)実施の形態1ないし実施の形態3では、モータ温度リミット閾値を越えたことが検出されてから累積演算部88による累積演算を開始しているが、モータ6を始動(=コントローラ80への電力の供給を意味する)した直後から、所定の周期毎に記憶部86から読み出された重み値(カウント数)を累算していく構成としてもよい。
(2)図1および図2に示すモータ温度センサ31は、ステータの一部に取り付けてあるが、ターボ分子ポンプのシャフトから所定の空隙を介して配置されている非接触型温度センサの出力に基づいてロータ温度を検出することも可能である。例えば、本出願人による特開2003−42155号公報,特開2006−194094号公報に記載されている非接触式のロータ温度センサを用いてもよい。
(3)実施の形態1および実施の形態2では、ターボ分子ポンプを駆動するモータについて説明してきたが、ターボ分子ポンプに限らずドラッグポンプ等の真空ポンプにも適用することができる。
実施の形態と変形例の一つとを組み合わせること、もしくは、実施の形態と変形例の複数とを組み合わせることも可能である。
変形例同士をどのように組み合わせることも可能である。
さらに、本発明の技術的思想の範囲内で考えられる他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
6 モータ
13 回転数センサ
31 モータ温度センサ
80 コントローラ
82 モータ制御部
84 温度制御部
86 記憶部
88 累積演算部
90 操作部
Claims (11)
- 真空ポンプに内蔵されているモータの温度を検出する温度検出手段と、
複数のモータ温度に対応した重み値を記憶しておく記憶手段と、
前記温度検出手段により検出されたモータ温度に対応する重み値を前記記憶手段から所定の周期毎に読み出す読出手段と、
前記読出手段から出力された重み値を累算する累算手段と、
前記累算手段による累算結果に応じて所定の応答信号を発する応答手段とを備えたことを特徴とする真空ポンプ。 - 請求項1に記載の真空ポンプにおいて、
前記累算手段による累算結果が所定の下限値以下となるときは、前記累積結果を前記所定の下限値に設定することを特徴とする真空ポンプ。 - 請求項1または2に記載の真空ポンプにおいて、
前記記憶手段に記憶されている重み値は、モータ温度が所定のモータ温度閾値以下となるときには負の値を、モータ温度が前記モータ温度閾値を越えるときには正の値を有することを特徴とする真空ポンプ。 - 請求項3に記載の真空ポンプにおいて、
前記重み値は、モータ温度が前記モータ温度閾値以下であるときには−W0であり、モータ温度が前記モータ温度閾値を越えて上昇するにしたがって+W1,・・・,+WN−1,+WNとなる(W0およびW1〜WNは正数であって、W1<WN−1<WN)ことを特徴とする真空ポンプ。 - 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の真空ポンプにおいて、
前記応答手段は、前記累算手段による累算結果が規定値以上に達した時点で、前記応答信号として警報信号を発することを特徴とする真空ポンプ。 - 請求項1ないし5のいずれか一項に記載の真空ポンプにおいて、
前記モータに流れる電流の値を、前記応答信号に対応して制御するモータ電流制御手段を更に備えたことを特徴とする真空ポンプ。 - 請求項6に記載の真空ポンプにおいて、
前記モータ電流制御手段は、前記累算手段による累算結果が所定の最大値に達したとき、前記モータの電流値を所定の最小値に維持することを特徴とする真空ポンプ。 - 請求項1ないし7のいずれか一項に記載の真空ポンプにおいて、
前記累算手段は、前記モータのコントローラへ電力の供給を開始した直後から、所定の周期毎に前記記憶手段から読み出された重み値を累算していくことを特徴とする真空ポンプ。 - 請求項1ないし7のいずれか一項に記載の真空ポンプにおいて、
前記累算手段は、前記温度検出手段により検出されたモータ温度が所定のモータ温度閾値を超えた時点から、所定の周期毎に前記記憶手段から読み出された重み値を累算していくことを特徴とする真空ポンプ。 - 請求項1ないし9のいずれか一項に記載の真空ポンプにおいて、
前記温度検出手段は、ターボ分子ポンプの非回転部に設置されている温度センサの出力に基づいて前記モータのロータ温度を推定することを特徴とする真空ポンプ。 - 請求項1ないし9のいずれか一項に記載の真空ポンプにおいて、
前記温度検出手段は、ターボ分子ポンプのシャフトから所定の空隙を介して配置されている非接触型温度センサの出力に基づいて前記モータのロータ温度を検出することを特徴とする真空ポンプ。
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