JP2012006378A - 液体吐出ヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】吐出効率の低下を軽減させ、かつキャビテーションの発生を抑制できるノズル形状を持つ液体吐出ヘッドを提供する。
【解決手段】 記録ヘッド1のインク吐出部を基板4の主面に垂直な方向から見たとき、第2エネルギー作用室15の、インク供給方向と垂直な方向に関して対向する壁15a間の距離(HW2)が、第1エネルギー作用室14の同方向の壁14a間の距離(HW1)と比べて3μm広がっている。
【選択図】図5

Description

本発明は、インク液等の液滴を吐出させて記録媒体に記録を行うための液体吐出ヘッドに関し、特にインクジェット記録を行う液体吐出ヘッドに関する。
電気熱変換素子を用いるインク吐出方法は、まずインク流路を介してエネルギー作用室内にインクが供給されて充填された状態で、エネルギー作用室に配置された発熱素子に電気信号を与えて発熱させる。これにより、エネルギー作用室内における発熱素子周辺のインクが瞬時に加熱され、発熱素子周辺のインクが沸点に達して沸騰し、発熱素子上で気泡が生じる。このとき生じる気泡の大きな発泡圧によって、エネルギー作用室内部のインクに運動エネルギーが与えられ、エネルギー作用室に連通する吐出口からインクを外部へ吐出させる。
この吐出方式でインクが吐出する場合、発熱素子上で発生した気泡が成長し、インクが吐出した後に発熱素子及びその周囲に存在するインクの有する熱が周囲に拡散することによって気泡の体積が減少していく。そして、気泡が消泡する際に、気泡がエネルギー作用室内部のインクによってつぶされて崩壊する。このとき、気泡が崩壊することで、気泡の周囲の部材に損傷を与えることがある。つまり、発熱素子の駆動に伴って発生したキャビテーションにより、発熱素子表面に対して損傷を与え得るのである。この損傷が記録画質の低下を招く可能性があった。
このような問題を解決する方法として、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4等に記載されたインクジェット記録方式及び記録ヘッドがある。
特許文献1に開示された記録ヘッドでは、発熱素子上で発生した気泡が成長しインクが吐出される際に、気泡が大気と連通するインク吐出方式が提案されている。このインク吐出方式を用いれば、気泡が大気と連通することによって気泡内部の圧力が大気と同程度まで降下するので、気泡がインクによってつぶされない。そして、そのまま吐出された分のインクがエネルギー作用室内に再充填される。従って、エネルギー作用室内に気泡が残留しにくいため、キャビテーションの発生を抑制でき、発熱素子の損傷を抑えることができる。
また、特許文献2では、特許文献1に示されるように気泡が大気と連通する吐出方法であって、インクを吐出しながら気泡が一度最大体積に成長し、その後、気泡の体積減少過程で初めて大気と連通するインクの吐出方法が提案されている。この吐出方法では、キャビテーション発生の抑制に加え、インクを吐出した後の吐出口に存在する液面が吐出方向とは逆方向に降下することになる。従って、吐出される主滴からサテライト滴となるインクが分離されて、吐出口の開口内の液面に吸収され易くなる。これにより、ミストの発生が抑えられ、高画質な記録が可能となる。
さらに、特許文献3や特許文献4では、インク流路の中心線に対してオフセットされて発熱素子が配置されている方法や、発熱素子中心に対し、インク供給方向前後に吐出口をずらすことによりキャビテーション発生を低減させる方法が提案されている。これにより発熱素子の耐久性を向上させている。
特開平4−10940号公報 特開平11−188870号公報 特開2002−321369号公報 特開2008−238401号公報
このように、上述した記録ヘッドでは大気連通方式の液体吐出方式を用いることで、キャビテーションが発生し難い構成となっている。しかしながら、このような液体吐出方式を採用したとしても、キャビテーションが完全に発生しないというわけではなく、キャビテーションが発生することもある。
以下、キャビテーションの発生について図1の(a)から(e)を用いて述べる。図1はインクジェットノズルの断面図であり、発熱素子上に生じる気泡、吐出する液体の液面の形状変化過程を示したものである。図2は発熱素子主面に対し垂直方向から見た平面透視図である。
インクが吐出されると、気泡21が一度最大体積に達し、その後気泡21が消泡し始める(図1(a)から図1(c)参照)。これとほぼ同時に吐出口内部ではメニスカス22が形成され、インクが吐出されてエネルギー作用室内のインク量が減少することにより、発熱素子23の方向へ移動していく。
この移動の際に、発熱素子方向に移動するメニスカス22と発熱素子23の間に存在するインク24及び気泡21を押さえつけて圧縮する(図1(d)参照)。これにより、気泡21が発熱素子23の略中心で圧縮され、気泡21における発熱素子23中心に対向した部位が凹み、図2(a)に示すような環状の気泡21となる。この現象は、発熱素子を形成したインク流路の底面から、吐出口を開口したオリフィスプレートおもて面までの高さ(OH)が低いほど顕著である。そして、発熱素子23と発熱素子23の周端に隣接しているエネルギー作用室壁とのクリアランスが小さい場合、その環状の気泡21がエネルギー作用室壁26と衝突して分断され、また大気連通方式においても気泡が大気と連通する前の段階でその衝突部位で分断される(図1(e)および図2(b)参照)。これは、環状気泡となった気泡21がエネルギー作用室壁との衝突によって表面張力が高くなり、環状形状を維持できなくなることによる。
この分断された気泡21Aおよび21B(図1(e)および図2(b)参照)のうち、大きな体積を有するインク供給側の気泡は大気と連通するため気泡内部が大気と同程度の圧力になる。一方で、分断した気泡21Bは大気と連通しないため、消泡時にキャビテーションを発生させる。このキャビテーションが発熱素子の耐久性低下を引き起こす。
そこで、発熱素子の発熱で生じた気泡が消泡する際、エネルギー作用室壁との衝突と避ける必要がある。すなわち、それらの衝突を避けられる程度の、発熱素子の端部と発熱素子に隣接しているエネルギー作用室の側壁面とのクリアランスが必要となる。これは発熱素子に対し、エネルギー作用室壁との距離を大きくすることを意味するが、エネルギー作用室を大きくした場合、吐出に寄与するエネルギー低下を招きインクの吐出速度が低下する。つまり、インクの吐出効率の低下を招くことが分かっている。
そこで本発明の目的は上述した問題点に鑑み、吐出効率の低下を軽減させ、かつキャビテーションの発生を抑制できるノズル形状を持つ液体吐出ヘッドを提供することである。
本発明は、液体を吐出するための吐出口に連通するエネルギー作用室と、前記吐出口に対向してエネルギー作用室に配置され、液体を吐出するために利用される熱エネルギーを発生する発熱素子とを備え、該熱エネルギーによって気泡が生成されることで液体の吐出が行われる液体吐出ヘッドにおいて、
該エネルギー作用室は、該吐出口と連通する第1エネルギー作用室と、該第1エネルギー作用室と連通する第2エネルギー作用室とからなり、
該発熱素子を形成した面に平行な面内で該エネルギー作用室への液体の供給方向に対し垂直な方向では、該第2エネルギー作用室の対向する壁間が該第1エネルギー作用室の対向する壁間より広く、前記発熱素子を形成した面に平行な面内で前記エネルギー作用室への液体の供給方向では、前記第2エネルギー作用室の壁と前記第1エネルギー作用室の壁が共通した壁を有することを特徴とする。
本発明によれば、吐出効率の低下を軽減させ、かつキャビテーションの発生を抑制することができる。
本発明に係る液体吐出過程を説明するための断面図である。 本発明に係る液体吐出過程における環状気泡と気泡の分断を説明するための平面図である。 本発明に係る液体吐出ヘッドの一例であるインクジェット記録ヘッドの一部切り欠いて見た斜視図である。 図3に示したインクジェット記録ヘッドのA−A断面図である。 本発明の第一実施例に係るインクジェット記録ヘッドの吐出部の構造を説明するための平面図と断面図である。 本発明の第二実施例に係るインクジェット記録ヘッドの吐出部の構造を説明するための平面図と断面図である。 本発明の第3実施例に係るインクジェット記録ヘッドの吐出部の構造を説明するための平面図と断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
本発明による液体吐出ヘッドは、液体のインクを吐出するために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生させる手段を具え、その熱エネルギーによってインク等の液体の状態変化を生起させる方式が採用されたものである。この方式が記録装置の記録ヘッドとして用いられることにより、記録される文字や画像等の高密度化及び高精細化を達成している。本実施形態では、熱エネルギーを発生させる手段として電気熱変換素子を用い、この電気熱変換素子によりインク等の液体を加熱して膜沸騰させたときに発生する気泡による圧力を利用して液体の吐出を行っている。ここでは、記録が行われる記録媒体(例えば、記録用紙、樹脂シートなど)にインク滴を吐出して記録を行うインクジェット記録ヘッドを本発明の液体吐出ヘッドの例として示す。
まず、本実施形態のインクジェット記録ヘッドの全体構成について図3および図4を参照にして説明する。図3は本発明を好適に実施する形態のインクジェット記録ヘッドを一部切り欠いて見た斜視図である。図4は図3のA−A線に沿う断面のうちの一部を示す断面図である。
これらの図に示される形態のインクジェット記録ヘッド(以下、記録ヘッド1と略す)は、オリフィスプレート2が流路構成部材3を挟んで基板4に接合されることで形成されている。記録ヘッド1はインク供給口5を有しており、このインク供給口5に対しインクが供給される。
インク供給口5は、基板4を貫通するように形成されている。本実施形態においては、インク供給口5は基板4の裏面すなわちインク供給路の上流側から、表面すなわちオリフィスプレート2が配置される側の面へ向かうにつれて開口幅が狭まるように形成されている。本実施形態では、基板4はSiで形成されている。しかし、基板4は、ガラス、セラミックス、プラスチックあるいは金属等から形成されていても良い。基板4が流路構成部材の一部として機能し、後述する発熱素子、インク流路及び吐出口を形成する材料層の支持体として機能し得るのであれば、特に限定されるものではない。
オリフィスプレート2における記録媒体と対向させる面には、複数の吐出口6が形成されている。また、オリフィスプレート2、流路構成部材3及び基板4によって、各吐出口6にそれぞれ連通する複数のインク流路7と、インク供給口5から供給されるインクを貯留してインク流路7に分配する共通液室8とが画成される。各インク流路7の共通液室8側端部とは逆側の端部にはエネルギー作用室9が具えられている。そして、エネルギー作用室9内部には、吐出されるべきインクが、インク供給口5から供給されて貯留されている。なお、基板4の主面に直交する方向においてエネルギー作用室9および吐出口6を含めてノズルと呼ぶ。
また、記録ヘッド1は、インク吐出圧力を発生させる素子としての発熱素子10を具えている。基板4には、発熱素子10が所定のピッチで2列に並んで配置されており、したがって、吐出口6も各列の各発熱素子10に対応して2列に配置されている。発熱素子10は、吐出口6に対向してエネルギー作用室9に配置され、インクを吐出するために利用される熱エネルギーを発生させる。そして、エネルギー作用室9内部に貯留されたインクに対して熱エネルギーを付与する。オリフィスプレート2に形成されている吐出口6は、発熱素子10によって熱が加えられて膜沸騰による気泡が生成されることで、その気泡による発泡圧によって運動エネルギー(すなわちインク吐出圧力)がインクに与えられ、吐出口6からインクが吐出される。
本実施形態では、各列の吐出口6およびエネルギー作用室9によって第1ノズル列11および第2ノズル列12が形成される。第1ノズル列11および第2ノズル列12は、隣接する各ノズル間隔が600dpiのピッチで配列されている。また、第2のノズル列12の各ノズルは、第1のノズル列11の各ノズルに対して、隣接する各ノズル間のピッチが互いに1/2ピッチずれて配列されている。
このような記録ヘッドは、特開平4−10940号公報、特開平4−10941号公報に開示されたインクジェット記録方式が適用されたインク吐出手段を有しており、インクの吐出時に発生する気泡が吐出口を介して外気に連通されている。
次に、上記インクジェット記録ヘッドのノズル構造についてさらに詳しく説明する。尚、以下の各実施例において、用いる寸法、数値等は一例を示したものであり、これに限定されるものではない。また、以下の実施例では大気連通方式での液体吐出方式について述べるが、これに限定されない。
(第一実施例)
図5(a)に第一実施例による記録ヘッド1のインク吐出部を基板4の主面に垂直な方向から見た平面図を示す。図5(b)には図5(a)に示される丸形の吐出口6の直径上を通るB−B線での断面図、また図5(c)に、該B−B線に垂直なC−C線での断面図を示す。
まず、本実施例を構成している各部の寸法について述べる。発熱素子10の大きさはインク供給口からインク流路7を経て吐出口6に向かう方向(インク供給方向とも呼ぶ。)に対する長さLは24.4μmであり、発熱素子10を形成した面内で該インク供給方向に直交する方向の長さは24.8μmである。図5(a)に示す第1エネルギー作用室14と第2エネルギー作用室15との共通の寸法であるインク供給方向に対する長さHHは27μm、その垂直方向に対応する第1エネルギー作用室14の長さHW1が27μm、また第2エネルギー作用室15の長さHW2が30μmである。そのため第2エネルギー作用室15の、インク供給方向と垂直な方向に関して対向する壁15a間の距離が、第1エネルギー作用室14の同方向の壁14a間の距離と比べて3μm広がっている。なお、長さ(L、HH、HW1、HW2)は発熱素子10の中心を基準とした長さである。
本例では、図5に示す丸形の吐出口6、発熱素子10、第1エネルギー作用室14、および第2エネルギー作用室15の夫々の中心(重心)は一致するものとしている。また、壁16はエネルギー作用室のインク供給方向の奥側の壁であって第1エネルギー作用室14および第2エネルギー作用室15に共通する壁である。つまりエネルギー作用室の奥側の壁はフラットに形成されている。また、第1エネルギー作用室14の壁14aと第2エネルギー作用室15の15aは図5(a)に示すとおり平行である。
さらに、図5(c)に示すインク流路7の高さは16μmであり、発熱素子10が配置されたインク流路7の底面から、オリフィスプレート2のおもて面である吐出口6の形成面までの高さOHは26μmである。さらに、第1エネルギー作用室14の高さh1が11μm、第2エネルギー作用室15の高さh2が5μmである。各吐出口6の直径は15.8μmである。
本実施形態で用いられているインクの物性値は、表面張力=33.5mN/m、粘度=1.8mPa・s、密度=1.05g/mlである。なお、使用されるインクとしては、上記の物性値を有したインクに限定されない。
次に、上述の形状におけるインク滴が吐出口6から吐出する動作及びその後のエネルギー作用室内の状態について説明する。
記録信号等に基づいた発熱素子10への通電に伴い、発熱素子10が第1エネルギー作用室14及び第2エネルギー作用室15に存在するインクに熱エネルギーを付与する。これにより、発熱素子10上でインクが膜沸騰し気泡が生成されると、気泡が急激に体積膨張して成長する。その後、気泡の成長圧力によって発熱素子10の主面に対してほぼ直交する方向にインクが移動し、吐出口6からインク滴が吐出される。インク滴が吐出された後、気泡の体積が減少し始めるのとほぼ同時にメニスカスの形成が始まる。このメニスカスは気泡の体積減少と同様、発熱素子10側へ移動し始める。このメニスカスの移動に伴い、気泡が押さえつけられ、図5(a)の平面図でみると図2(a)に示すような環状形状の気泡となる。
ここで、第2エネルギー作用室15が第1エネルギー作用室14と同寸法である場合、上記の環状気泡がエネルギー作用室壁と衝突し、気泡が大気と連通する前に衝突部位で分断が起こり得る。この場合、図5等に示すB−B線を境界としてノズルのインク流路7側とは逆側に、大気と連通することのないキャビテーション発生の起因となる気泡ができる。しかし、前述したように図5のB−B線方向での第2エネルギー作用室15の壁15a間距離を第1エネルギー作用室14のそれと比べて3μm拡大させ、第1エネルギー作用室14の両壁14aに対して第2エネルギー作用室15の両壁15aを片側1.5μmずつの距離をとったことで、環状気泡の衝突を防ぐことができるので、気泡の分断が発生しない。ここで、エネルギー損失といった吐出効率を考慮するとエネルギー作用室の体積は小さいほうが好ましい。よって、上述したようにエネルギー作用室の両壁14aと15aとは大きさを変えて環状気泡の衝突を抑制する。これに対して、エネルギー作用室の奥側の壁16に関して、第2エネルギー作用室の奥側の壁を第1エネルギー作用室の奥側の壁に対して大きくせず、つまり互いの奥側の壁を同じ位置(フラット)とする。これにより環状気泡とエネルギー作用室の壁との衝突を抑制しつつ、エネルギー作用室の大型化を抑制できる。つまりキャビテーションの発生の抑制と吐出効率の低下の軽減といった、相反する課題に対しての対応が可能となる。
また、仮に、第1エネルギー作用室14と第2エネルギー作用室15とに共通するエネルギー作用室共通壁16に環状気泡が衝突し、この衝突部位で気泡が分断した場合においても、前述した図5(a)のB−B線を境とした気泡分断が起きなければ、共通壁16側の気泡部分はインク流路7側の気泡部分と一体となっているため大気との連通は可能である。発明が解決しようとする課題の欄で説明したように、共通壁16側の気泡部分よりも大きな体積を有するインク流路7側の気泡は大気と連通するためである(図1(e)参照)。
また、第1エネルギー作用室14が第2エネルギー作用室15と同寸法である形状に比べて、本実施例の場合、第1エネルギー作用室14と第2エネルギー作用室15を合わせたノズル室の体積が小さくできる。したがって、吐出に寄与するエネルギーの損失を軽減し吐出速度の向上から吐出効率の低下を軽減できる。
以上から、本実施例の場合、キャビテーションの起因となる気泡の分断を避け、かつ吐出効率の低下を軽減できる。上述した説明で環状気泡と第2エネルギー作用室の側壁15aとの衝突を防止することが気泡の分断を抑制する点を説明した。しかし本発明においては環状気泡と第1エネルギー作用室の側壁15aとが接触したとしても、上述したように第2エネルギー作用室の横幅を第1エネルギー作用室の横幅に対して大きくすることで接触時の影響を軽減できるので、そのような場合には環状気泡と側壁15aとが接触しても良い。
(第二実施例)
次に、本発明の第二の実施例について説明する。
図6(a)に第二実施例による記録ヘッド1のインク吐出部を基板4の主面に垂直な方向から見た平面図を示す。図6(b)には図6(a)に示される丸形の吐出口6の直径上を通るB−B線での断面図、また図6(c)に、該B−B線に垂直なC−C線での断面図を示す。
まず、本実施例を構成している各部の寸法について述べる。
発熱素子10の大きさはインク供給口からインク流路7を経て吐出口6に向かう方向(インク供給方向とも呼ぶ。)に対する長さLは24.4μmであり、それに直交する方向の長さは24.8μmである。図6(a)に示す第1エネルギー作用室14と第2エネルギー作用室15との共通の寸法であるインク供給方向に対する長さHHは27μm、その垂直方向に対応する第1エネルギー作用室14の長さHW1が27μm、また第2エネルギー作用室15の長さHW2が30μmである。
なお、本例でも、図6に示す丸形の吐出口6、発熱素子10、第1エネルギー作用室14、および第2エネルギー作用室15の夫々の中心は一致しており、長さ(L、HH、HW1、HW2)は発熱素子10の中心を基準とした長さである。
また、図6(b)(c)に示す高さOH、h1、h2等やインク流路の高さは第一実施例と同じである。
本実施例では図6(a)に示すように、インク吐出方向からみた平面図で、第2エネルギー作用室15の壁15aが、第2エネルギー作用室15の外側へ湾曲するような曲面をなしている。吐出口6、第1エネルギー作用室14、第2エネルギー作用室15、および発熱素子10の夫々の中心が一致しているものが第一実施例であり、本実施例ではHW2の距離に該当する直線上に吐出口6の中心を有する場合である。その他の形状やインク物性値は第一実施例と同様である。
第2エネルギー作用室15の壁15aは、第一実施例で述べたように、気泡の体積減少時における、エネルギー作用室壁との衝突を軽減できればよい。従って、第2エネルギー作用室15の長さHW2を30μmに確保し、環状気泡の形状に沿った形で第2エネルギー作用室15の壁形状を具えることによって、気泡の分断を避けることが可能である。よって、キャビテーションの起因となる気泡の分断を避けられる。さらに、第一実施例と比較して、第2エネルギー作用室15の壁15aが曲面の形状をもつことで、第1エネルギー作用室14と第2エネルギー作用室15を合わせたノズル室の体積をより小さくできるので、さらなる吐出効率の低下にもつながる。
また、図3で示したように、多数のエネルギー作用室がノズル配列方向に高密度で隣接している。そのため、隣接するエネルギー作用室間をできるだけ広げ、流路構成部材3と基板4との接着面積を増やすことで、第一実施例と比較しエネルギー作用室壁13の強度が向上する。
本実施例においては、吐出口6の中心が発熱素子10の中心と一致する場合の構成を図6に示した。尚、吐出口6がインク供給方向の前後にオフセットされているような場合では、第2エネルギー作用室15の距離HW2が、図6に示すB−B線上でとれればよい。
(第三実施例)
次に、本発明の第三実施例について説明する。
図7(a)に第三実施例による記録ヘッド1のインク吐出部を基板4の主面に垂直な方向から見た平面図を示すが、この図は図5(a)と同じである。すなわち、本実施例では、平面図で見た吐出部の各部の長さ(L、HH、HW1、HW2)は第一実施例と同じである。しかし本実施形態では、図7(a)のC−C断面図およびD−D断面図での各部の形状が上述した実施例とは異なる。
本実施例では図7(b)に示すように第2エネルギー作用室15の壁15aがインク吐出方向(基板4の主面に垂直な方向)に対し平行ではなく、傾きをもった形状である。
第2エネルギー作用室15の壁15aは、第一実施例で述べたように、気泡の体積減少時における、エネルギー作用室壁との衝突を避けられればよい。従って、第2エネルギー作用室15の長さHW2を30μmに確保し、図7(a)〜(c)に示すような第2エネルギー作用室15の壁形状を具えることによって、気泡の分断を避けることが可能である。よって、キャビテーションの起因となる気泡の分断を避けられる。さらに、第一実施例と比較して、第2エネルギー作用室15の壁15aがインク吐出方向に対し平行ではなく、傾きをもった形状であることで、第1エネルギー作用室14と第2エネルギー作用室15を合わせたノズル室の体積が小さくなり、さらなる吐出効率の低下にもつながる。
以上の3つの例が本発明の実施例であり、発明の効果における程度について表1に示す。ここでは、比較例として第1エネルギー作用室14と第2エネルギー作用室15が同形状である記録ヘッド1を用い、比較例1としてHW1=HW2=30μmである場合を、さらに比較例2としてHW1=HW2=27μmである場合を、本願発明と比較して示す。
Figure 2012006378
このように、第1エネルギー作用室14と形状が異なる、上記各実施例で示した第2エネルギー作用室15をもつことで、キャビテーションの発生を抑制し、吐出効率の低下を軽減させられるインクジェットノズルを提供できる。実施例1〜3は長さHW1と長さHW2との差が3μmであるが、この差が3μm以上の例においても、キャビテーションの発生を抑制する効果は十分にあった。
以上に説明したように、本発明の態様によれば、発熱素子の発熱で生じた気泡が消泡する際、メニスカスの発熱素子方向への移動により形成される環状気泡がエネルギー作用室壁との衝突を防ぐために第2エネルギー作用室壁間が確保されていることから、キャビテーションの発生を抑制できる。これは、衝突によって引き起こされる気泡の分断が生じ難くなることによるものである。
さらに、本発明の態様はノズル配列方向に平行でインク供給方向に対し垂直方向における第1エネルギー作用室壁間が、第2エネルギー作用室壁間よりも短いことから、エネルギー作用室が1形状で環状気泡の衝突を防ぐ構成をとるよりもエネルギー作用室の体積を小さくできる。これにより、インクの吐出効率の低下を軽減させることができる。
従って、本発明の態様は、インクジェット記録ヘッドの耐久性を向上させられるのと同時に、吐出効率の低下を軽減できる。
1 記録ヘッド
6 吐出口
7 インク流路
9 エネルギー作用室
10 発熱素子
13 エネルギー作用室壁
14 第1エネルギー作用室
14a 第1エネルギー作用室の、インク供給方向と交差する方向の壁
15 第2エネルギー作用室
15a 第2エネルギー作用室の、インク供給方向と交差する方向の壁

Claims (4)

  1. 液体を吐出するための吐出口に連通するエネルギー作用室と、前記吐出口に対向してエネルギー作用室に配置され、液体を吐出するために利用される熱エネルギーを発生する発熱素子とを備え、前記熱エネルギーによって気泡が生成されることで前記吐出が行われる液体吐出ヘッドにおいて、
    前記エネルギー作用室は、前記吐出口と連通する第1エネルギー作用室と、前記第1エネルギー作用室と連通する第2エネルギー作用室とからなり、
    前記発熱素子を形成した面に平行な面内で前記エネルギー作用室への液体の供給方向に対し垂直な方向では、前記第2エネルギー作用室の対向する壁間が前記第1エネルギー作用室の対向する壁間より広がった部分を有し、
    前記発熱素子を形成した面に平行な面内で前記エネルギー作用室への液体の供給方向では、前記第2エネルギー作用室の壁と前記第1エネルギー作用室の壁が共通した壁を有することを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記液体の供給方向に垂直で前記吐出口の中心を含む直線上で、前記第2エネルギー作用室の対向する壁の一方と、該一方と同じ側における、前記第1エネルギー作用室の対向する壁の一方との間が1.5μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記発熱素子を形成した面に対して垂直な方向から見て、
    前記発熱素子を形成した面に平行な面内で前記エネルギー作用室への液体の供給方向に対し垂直な方向における、前記第1エネルギー作用室の壁および前記第2エネルギー作用室の壁が平行になっていることを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記発熱素子を形成した面に対して垂直な方向から見て、
    前記発熱素子を形成した面に平行な面内で前記エネルギー作用室への液体の供給方向に対し垂直な方向では前記第2エネルギー作用室の壁間が外側へ湾曲するように当該壁が曲面をなしていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
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