JP2012006273A - 管路の内張り材及び管路の内張り方法 - Google Patents

管路の内張り材及び管路の内張り方法 Download PDF

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Abstract

【課題】内圧作用時に均一に拡径させることができ、また、端部の重なりを極力無くして硬化性樹脂液の硬化時間を短くすることが可能な、管路の内張り材を提供すること。
【解決手段】内張り材1は、有機繊維のスパンボンド不織布とガラス繊維のチョップドストランドマットとが重ね合わされた積層部材2を有し、積層部材2に硬化性樹脂液が含浸されている。そして、積層部材2は、丸められて側端部同士が周方向に位置ズレ不能に連結されることによって筒状に形成され、内圧が作用したときに周方向に伸張しながら拡径して、管路内面に密着する。
【選択図】図1

Description

本発明は、管路の補修や補強等に用いられる内張り材、及び、管路の内張り方法に関する。
従来から、下水道管やガス管等の管路の補修や補強等に用いられる内張り材として、硬化性樹脂液にガラス繊維等の高強度繊維を分散させて得られたシート材を、筒状に丸めるとともに、内側の合成樹脂チューブと外側の合成樹脂フィルムとで挟み込んだ、シートモールディングコンパウンド(SMC)を用いたものがある。この内張り材を用いた管路の補修や補強は以下のようにして行う。まず、内張り材を管路内に引き込んでから、内張り材の内面に内圧を作用させて内面チューブを膨張させ、内張り材を拡径させて管路内面に密着させる。その後、加熱等によってシート材の硬化性樹脂液を硬化させることで、管路内面に強固な樹脂管を形成する。
ところで、上記のSMCを用いた内張り材において、硬化性樹脂液が未硬化の状態ではシート材は引っ張り強度をほとんど有さないため、内張り材に内圧が作用して拡径する際、筒状のシート材が周方向に伸ばされると、シート材の一部が局所的に大きく変形したり、あるいは、切れたりする虞がある。そのために、特許文献1,2の内張り材においては、筒状に丸められたシート材の両端部がずれ可能に重ね合わせられており、内張り材の内面に内圧が作用したときに、シート材の両端部が周方向にずれることによって、シート材に周方向の引っ張り力が作用することなく内張り材が拡径できるようになっている。
特開平3−292127号公報 特開平5−453号公報
ところで、下水道管等の既設管路の内張り作業においては、通常、地上の道路からマンホールを通じて管路に内張り材を引き込むため、道路を作業用車両が占有することになり、交通の妨げとなっていた。また、作業中は、下水道管等の使用を止める必要があり、作業時間が長時間になると、近隣住民は非常に不便を被ることになる。従って、内張り作業はできるだけ短時間で終えることが望ましい。
上述したように、前記特許文献1,2の内張り材は、内圧作用時にシート材の両端部が周方向にずれることによって拡径するものであるが、管路の内径が一定でなく途中で変化している、異径管路の補修や補強を行う際には、以下の理由から、作業時間が長時間になる場合がある。
例えば、既設管路において部分的に破損が生じたときに、その破損部分を切除し、既設管路よりも一回り小さい径の管部材を嵌合して補修した場合に、補修後の管路は補修部分が未補修部分よりも小径の異径管路となる。そして、前記特許文献1,2の内張り材を用いて、上記の異径管路の補修や補強を行う際には、大径部の内面を内張り材が完全に覆うことができるように、シート材の端部の重ね合わせ量は大径部を基準に決定されるため、小径部ではシート材の重ね合わせ量が必要以上に大きくなる。そのため、内圧が作用して内張り材が拡径したときに、大径部においてはシート材の重なりはほとんど解消されたとしても、小径部においてはシート材の端部が重なった状態となってしまう。このようなシート材の重なり部分は、そうでない部分と比べて、硬化性樹脂液の硬化時間が長くなることから、その結果、内張りの作業時間が長くなってしまう。
本発明の目的は、内圧作用時に均一に拡径させることができ、また、端部の重なりを極力無くして硬化性樹脂液の硬化時間を短くすることが可能な、管路の内張り材を提供することである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
第1の発明の管路の内張り材は、有機繊維のスパンボンド不織布とガラス繊維のチョップドストランドマットとが重ね合わされた積層部材を有し、前記積層部材に硬化性樹脂液が含浸されていることを特徴とするものである。
本発明の内張り材は、筒状に丸めて側端部同士を周方向に位置ズレ不能に連結した状態で内圧を作用させて、内張り材を周方向に伸張させながら拡径させる工法に適している。即ち、有機繊維のスパンボンド不織布は相当の強度を有するため、拡径時に積層部材に作用する周方向の引っ張り力を負担させることができ、チョップドストランドマットに大きな変形や切断が生じることを防止できる。また、スパンボンド不織布は個々の繊維の方向が一定しないために伸張性を有し、また、チョップドストランドマットも硬化性樹脂液が未硬化の状態ではガラス繊維が容易にずれるため、内圧作用時の周方向の伸びが阻害されず、均一に拡径する。
そして、本発明の内張り材を、側端部同士を位置ズレ不能に連結してから内圧を作用させて拡径させる工法に採用することで、異径管路の内張りを行う場合であっても、従来の、側端部同士をずらしながら拡径させる場合のように管路の小径部で重なり部分が大きく残ってしまうということがないことから、硬化性樹脂液の硬化を短時間で行うことができる。
また、筒状にされる前の、シートの状態で積層部材に硬化性樹脂液が含浸されるため、硬化性樹脂液を均一に含浸させることが容易という利点もある。
第2の発明の管路の内張り材は、前記第1の発明において、前記積層部材は、丸められて側端部同士が周方向に位置ズレ不能に連結されることによって筒状に形成され、この筒状の前記積層部材の内側に膨張可能な拡張チューブが配置されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、積層部材の側端部同士が周方向に位置ズレ不能に連結されており、拡張チューブに圧力流体を注入して膨張させることで、積層部材は周方向に伸張しながら拡径する。
第3の発明の管路の内張り材は、前記第2の発明において、前記筒状の積層部材の側端部の連結部分に、その長さ方向に延在する織布が接合されていることを特徴とするものである。
このように、積層部材の側端部の連結部分に織布が接合されていると、連結の強度が高くなり、内圧作用時に側端部同士が周方向にずれることが防止される。
第4の発明の管路の内張り材は、前記第2又は第3の発明において、筒状の前記積層部材の外面が、合成樹脂フィルムで覆われていることを特徴とするものである。
この構成によれば、硬化性樹脂液が含浸された積層部材の外面が、合成樹脂フィルムによって保護される。
第5の発明の管路の内張り方法は、前記第1の発明の内張り材を用いた管路の内張り方法であって、前記積層部材を丸めて側端部同士を周方向に位置ズレ不能に連結し、筒状にした状態で管路内に引き込む引き込み工程と、筒状の前記積層部材を拡径させることにより、前記積層部材を前記管路の内面に密着させる拡径工程と、前記積層部材に含浸された硬化性樹脂液を硬化させる硬化工程とを備えていることを特徴とするものである。
本発明では、積層部材を筒状に丸めて側端部同士を位置ズレ不能に連結してから管路内に引き込み、その状態で内圧を作用させて拡径させる。そのため、異径管路の内張りを行う場合であっても、従来の、側端部同士をずらしながら拡径させる場合のように管路の小径部で重なり部分が大きく残ってしまうということがなく、硬化性樹脂液の硬化を短時間で行うことができる。また、拡径時に、相当の強度を有する有機繊維のスパンボンド不織布によって引っ張り力が負担されるために、チョップドストランドマットに大きな変形や切断が生じることが防止される。また、スパンボンド不織布とチョップドストランドマットが共に伸張性を有するものであることから、内圧作用時の周方向の伸びが阻害されず、均一に拡径する。
第6の発明の管路の内張り方法は、前記第2の発明の内張り材を用いた管路の内張り方法であって、前記筒状の積層部材を管路内に引き込む引き込み工程と、前記拡張チューブ内に流体を注入して膨張させることにより、前記筒状の積層部材を拡径させて前記管路の内面に密着させる拡径工程と、前記積層部材に含浸された硬化性樹脂液を硬化させる硬化工程とを備えていることを特徴とするものである。
本発明では、筒状に丸められて側端部同士が位置ズレ不能に連結された積層部材を管路内に引き込み、その状態で拡張チューブ内に流体を注入して内圧を作用させて拡径させる。この方法によれば、前記第5の発明と同様に、異径管路の内張りを行う場合であっても、管路の小径部で重なり部分が大きく残ってしまうということがなく、硬化性樹脂液の硬化を短時間で行うことができる。また、拡径時に、相当の強度を有する有機繊維のスパンボンド不織布によって引っ張り力が負担されるために、チョップドストランドマットに大きな変形や切断が生じることが防止される。また、スパンボンド不織布とチョップドストランドマットが共に伸張性を有するものであることから、内圧作用時の周方向の伸びが阻害されず、均一に拡径する。
本実施形態に係る内張り材の斜視図である。 (a)は積層部材の斜視図、(b)は積層部材の断面図である。 本実施形態に係る別の内張り材の斜視図である。
次に、本発明の実施形態について説明する。図1は本実施形態に係る内張り材の斜視図である。図1に示すように、この内張り材1は、シート状の積層部材2が筒状に丸められ、その側端部同士が位置ズレ不能に連結された構造を有する。
図2(a)は、シート状の積層部材2の斜視図、(b)は(a)の積層部材2の断面図である。図2に示すように、シート状の積層部材2は、有機繊維のスパンボンド不織布3と、ガラス繊維のチョップドストランドマット4とが交互に重ね合わされた構造を有し、両面にスパンボンド不織布3がそれぞれ配置された状態で複数の層がニードルパンチにより接合されている。
尚、スパンボンド不織布3としては、例えば、ユニチカ株式会社製の製品番号AN120/WTEや、製品番号26705/WXJを使用することができる。
また、チョップドストランドマット4としては、ガラス繊維の長さが30〜70mm程度であるものを使用する。例えば、セントラル硝子株式会社製の製品番号ECM600−501(幅1.040mm)や、製品番号ECM450−501(幅1.860mm)を使用することができる。
尚、従来、内張り材で用いられていたチョップドストランドマットは、接着剤にガラス繊維を分散させて得られるものであり、ガラス繊維としては、均一に分散させるために、繊維長の短いもの(例えば、3mm程度)が使用されていた。一方、本実施形態で用いられるチョップドストランドマット6は、ガラス繊維をランダムな方向に配置しつつ均一な厚みに積層した後に接着剤を添加して、マット状に接着成形して得られるものであり、従来よりも長いガラス繊維を使用することができる。このように、従来よりもガラス繊維長がかなり長いチョップドストランドマット4を内張り材1に用いることで、高強度の補修構造を実現できる。
このシート状の積層部材2には、不飽和ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂などの熱硬化性の樹脂液が含浸されている。ここで、従来では、図1のように内張り材を筒状としてから硬化性樹脂液を注入し、ローラで絞るなどして含浸させることが一般的であったが、筒状の状態では内張り材に樹脂液を均一に含浸させることが難しいという問題があった。一方、本実施形態では、筒状にされる前の、シート状の積層部材2に硬化性樹脂液が含浸されるため、硬化性樹脂液を均一に含浸させることが容易になる。
尚、無機質のガラス繊維のチョップドストランドマット4は、前述したような不飽和ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂などの硬化性樹脂液に対する親和性が必ずしも良好とは言えず、チョップドストランドマット4単体では樹脂液が速やかに含浸しにくいという問題がある。しかし、本実施形態では、積層部材2が、有機繊維のスパンボンド不織布3とガラス繊維のチョップドストランドマット4とが重ね合わされた構造を有するため、この積層部材2に注入された樹脂液は比較的親和性の良好なスパンボンド不織布3を通じて浸透し、スパンボンド不織布3からチョップドストランドマット4に移行するので、樹脂液との親和性に劣るチョップドストランドマット4にも樹脂液を十分に含浸させることができる。
また、図1のように丸められたときに外面となる、積層部材2の一方の面は、合成樹脂フィルム7によって被覆されている。これにより、硬化性樹脂液が含浸された積層部材2の外面が合成樹脂フィルム7によって保護される。
図1に示すように、上記の積層部材2は筒状に丸められ、その筒状の積層部材2の内側には、膨張可能な拡張チューブ5が配置される。この拡張チューブ5はその内部に圧力流体が注入されることによって膨張し、これによって外側の筒状の積層部材2に内圧を作用させて拡径させ、管路の内面に密着させるものである。
また、拡張チューブ5が膨張して積層部材2の内面に内圧が作用したときに、積層部材2が周方向に伸張しつつ拡径することができるように、丸められた積層部材2の側端部同士は、周方向に位置ズレ不能に連結される。
積層部材2の側端部同士の連結は、側端部同士を上下に重ねただけの簡単な連結構造でもよいが、この場合には、重ね合わせ量を積層部材2の厚みの3倍程度とすることが好ましい。重ね合わせ量が少ないと、管路への引き込み時やその後の内圧作用時に側端部が周方向にずれることがある。逆に、重ね合わせ量が大きいと、その重なった部分において硬化性樹脂液が硬化しにくくなり、硬化時間が長くなってしまう。
あるいは、図1に示すように、側端部が重なり合った連結部分2aに、筒状の積層部材2の長さ方向に延在する織布6が接合されてもよい。このように、積層部材2の側端部の連結部分2aに織布6が接合されていると、連結の強度が高くなり、内圧作用時に側端部同士が周方向にずれることが防止される。また、この織布6は、積層部材2に含浸される熱硬化性樹脂液との接着性を高めるために、FRP用のものを使用することが好ましい。
また、織布6の繊維材質は特に限定されるものではない。但し、この織布6によって、連結部分2aの補強だけでなく、管路への引き込み時における内張り材1の破断を防止する等の観点から、内張り材1の引っ張り強度を高めることが必要な場合には、高強度の繊維で織製されたものを使用することが好ましい。また、引き込み時に積層部材2が長さ方向に伸びると、その伸び量に応じて厚みが減少するため、積層部材2に厚みのばらつきが生じる要因となる。そこで、引き込み時における積層部材2の長さ方向への伸びを極力抑えて、積層部材2の厚みばらつきを抑制するために、織布6としては、低伸度の繊維で織製されたものを使用することが好ましい。つまり、織布6は、高強度低伸度繊維からなることが好ましい。
ここで、高強度低伸度の繊維としては、俗にスーパー繊維、あるいは、ハイパフォーマンス繊維、ハイテク繊維などと呼ばれる繊維が使用される。繊維の例としては、ガラス繊維、アラミド(全芳香族ポリアミド)繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミック繊維、全芳香族ポリエステル繊維、超高分子量ポリエチレン繊維等を挙げることができる。また、ガラス繊維としては、Eガラス、Cガラス、ECRガラスなどがあり、適用環境に応じて適宜に選択する。
また、図3に示すように、積層部材2の側端部を突き合わせて縫製することによっても、側端部の周方向のずれを防止することができる。さらに、この場合においても、縫製部2a’に織布6を接合して縫製部2a’の強度を高めるようにしてもよい。この場合には、内圧が作用して拡径する際に縫製部2a’が破断して、側端部に周方向のずれが生じることが防止される。
次に、以上説明した内張り材1の製造方法、及び、この内張り材1を用いた管路の補修方法について一例を挙げて説明する。
まず、スパンボンド不織布3とチョップドストランドマット4を交互に重ね、さらに、その積層体の両面にスパンボンド不織布3をそれぞれ配置する。そして、これらをニードルパンチで接合し、図2に示されるシート状の積層部材2を得る。
次に、熱硬化性樹脂液の入ったバス内にシート状の積層部材2を通過させ、バスから出た後の積層部材2をニップローラで絞って積層部材2に樹脂液を含浸させる。また、積層部材2が重ね合わされたときに樹脂によって接着されてしまうのを防止するため、樹脂液が含浸された積層部材2の一方の面(筒状にしたときの外面となる面)に合成樹脂フィルム7を貼り付ける。尚、硬化性樹脂液として、常温での粘度が非常に低く、重力で簡単に流れ落ちるような樹脂液を使用すれば、積層部材2へ均一に含浸させることが容易である。但し、この場合、樹脂液が含浸された積層部材2を搬送する際に樹脂液が流れ落ちるのを防ぐために、樹脂液の種類に応じた増粘処理(例えば、加熱あるいは冷却等)を行い、樹脂の粘度を高めた状態で搬送することが好ましい。
次に、シート状の積層部材2の幅方向(短手方向)中央部に拡張チューブ5を配置した後、図1に示すように、この拡張チューブ5を包むように積層部材2を丸め、さらに、その側端部同士を周方向に関して位置ズレ不能に連結し、筒状の内張り材1とする。尚、積層部材2の側端部同士の連結は、図1のように側端部同士を重ね合わせてもよいし、図3のように突き合わせて縫製してもよい。さらに、図1や図3に示すように、側端部の連結部分2a(縫製部2a’)に織布6を接合してもよい。
次に、上述した内張り材1を用いた管路の補修方法について説明する。まず、筒状の内張り材1の外面の合成樹脂フィルム7を剥がしてから、ウインチ等を用いて内張り材1を管路内に引き込む(引き込み工程)。その際、図1や図3のように、積層部材2の側端部の連結部分2aに、高強度低伸度繊維からなる織布6が接合されている場合には、筒状の積層部材2の長さ方向の引っ張り強度が高められ、管路への引き込み時に大きな引っ張り力が作用しても積層部材2の伸びが抑制され、また、破断が防止される。また、積層部材2の連結部分2aを下にした状態で内張り材1を管路に引き込むことが好ましい。このようにすることで、連結部分2aに内張り材1の自重が作用して管路内面に強く押しつけられ、大きな摩擦抵抗が働くため、側端部が周方向にずれにくくなる。
次に、積層部材2の内側に配置された拡張チューブ5内に圧力流体を注入して、拡張チューブ5を膨張させて筒状の積層部材2の内面に内圧を作用させ、積層部材2を拡径させて管路内面に密着させる(拡径工程)。その後、拡張チューブ5内の流体を加熱加圧流体に置換し、積層部材2内に含浸された樹脂液を加熱して硬化させる(硬化工程)。以上の工程を経て、管路の内面に、熱硬化性樹脂とガラス繊維とからなるFRP構造を有する、強固な内張り管が形成される。
以上説明したように、本実施形態の内張り材1は、筒状に丸めて側端部同士を周方向に位置ズレ不能に連結した状態で内圧を作用させて、周方向に伸張させながら拡径させる工法に適している。即ち、有機繊維のスパンボンド不織布3は相当程度の強度を有するため、拡径時に積層部材2に作用する周方向の引っ張り力を負担させることができ、チョップドストランドマット4に大きな変形や切断が生じることを防止できる。また、スパンボンド不織布3は個々の繊維の方向が一定しないために伸張性を有し、また、チョップドストランドマット4も硬化性樹脂液が未硬化の状態ではガラス繊維が容易にずれるため、内圧作用時の周方向の伸びが阻害されず、積層部材2が均一に拡径する。
そして、積層部材2の側端部同士を位置ズレ不能に連結してから内圧を作用させ、周方向に伸張させることにより拡径させることで、異径管路の内張りを行う場合であっても、従来の、側端部同士をずらしながら拡径させる場合のように管路の小径部で重なり部分が大きく残ってしまうということがなく、硬化性樹脂液の硬化を短時間で行うことができる。
次に、前記実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
1]前記実施形態は、管路の全長にわたって内張り材を配置して補修を行うものであったが、本発明の内張り材は、破損した管路の一部のみに配置されて部分的な補修を行う場合にも適用できる。
この場合、内張り材を管路の破損位置まで搬送し、その位置で内張り材を拡径させる必要がある。そのための装置としては、例えば、特開平6−15736号に記載されているような、筒状の内張り材を保持した状態で管路内を破損位置まで走行し、破損位置において拡径手段(拡張チューブ)によって内張り材を拡径させて破損部に密着させるものを使用することができる。尚、この形態では、装置側に拡径手段が設けられていることから、前記実施形態と違って、内張り材が拡張チューブ5(図1参照)を備える必要はない。
2]積層部材2を筒状にして側端部同士を連結する作業は、前記実施形態のように、工場等における内張り材1の製造工程の一部として行ってもよいが、積層部材2をシート状のままで補修作業を行う現場まで搬送し、補修作業の直前に現場にて積層部材2の側端部同士を連結してもよい。
3]積層部材2に含浸される硬化性樹脂液は、熱硬化性のものには限られず、紫外線等の照射によって硬化する光硬化性のものや、常温で放置するだけで反応して硬化する常温硬化性のものなど、熱硬化性以外の樹脂液を使用することも可能である。
4]前記実施形態は、既設管路を補修する場合に内張り材を用いた例であったが、既設、新設を問わず、管路の補強のために内張り材を設置することもできる。
次に、チョップドストランドマットの最適なガラス繊維長を調べるため、次の試験を行った。
厚さ4mmのチョップドストランドマットの両面にそれぞれ厚さ2mmのスパンボンド不織布(ユニチカ(株)製、製品番号AN120/WTE)を重ね、ニードルパンチで接合した。但し、チョップドストランドとしては、ガラス繊維長が25mm、30mm、50mm、70mm、及び、75mmの5種類を使用してマットを試作した。
上記5種類のマットをそれぞれ筒状に丸めて端部同士を接合して、外径600mmの筒状の内張り材を5種類作製した。尚、端部の接合は縫製によって行い、さらに、その縫製部の外面に、ガラスクロスをホットメルト接着剤で貼り付けた。また、上記5種類の内張り材には、不飽和ポリエステル樹脂を含浸させた。
上記のようにして作製した、ガラス繊維長の異なる5種類の内張り材のそれぞれについて、内面にエア圧を作用させて10%径膨張させたときの、内張り材の厚みばらつきの有無、及び、10%径膨張に必要なエア圧について調べた。その結果を表1に示す。
Figure 2012006273
表1において、内張り材の厚みばらつきの判定は、内張り材を10%径膨張させたときの形状を目視で確認することによって行った。具体的には、ガラス繊維長が25mmの場合では、内張り材が局部的に伸ばされて明らかに円形にならなかったため“×”としている。また、経験的に、内張り材としては、管路の内径よりも5%小さいものを使用することがよいとされている。これに周方向に膨張量のばらつきが多少出ることを考慮しても、10%径を膨張させれば既設管路内面に全周にわたって十分に密着するはずであると考えられることから、10%径を膨張させたときの状態で厚みばらつきの判定を行った。また、同様の観点から、10%径膨張を行うために必要なエア圧を測定した。ここで、通常、施工の安全性を確保する観点から、0.08MPa程度で内張り施工を行うことを考慮し、表1においては、エア圧が0.1MPa以下の場合を“○”、0.1MPaを超える場合を“×”とした。
厚みばらつきに関して、チョップドストランドマットのガラス繊維長が30〜75mmの場合は、内張り材の厚みばらつきは小さく、周方向に均等に伸張しているのに対し、ガラス繊維長が25mmの場合は、厚みばらつきが大きく、周方向の伸張が不均一になっている。これは、ガラス繊維長が短いと、内張り材に周方向強度が不足する箇所が存在し、その部分で大きく伸びることによって局所的に薄くなっていると考えられる。
一方、10%径膨張に必要なエア圧に関しては、ガラス繊維長が25〜70mmの場合には、エア圧は0.1MPa以下であるが、ガラス繊維長が75mmになると、0.1MPaを超えてしまう。これは、ガラス繊維長が長いと、内張り材の周方向強度が高くなりすぎて周方向の伸張が阻害されるためと考えられる。
以上の試験結果より、チョップドストランドマットのガラス繊維長は、30〜70mmとすることが好ましいことがわかる。
1 内張り材
2 積層部材
2a 連結部分
2a’ 縫製部
3 スパンボンド不織布
4 チョップドストランドマット
5 拡張チューブ
6 織布
7 合成樹脂フィルム

Claims (6)

  1. 有機繊維のスパンボンド不織布とガラス繊維のチョップドストランドマットとが重ね合わされた積層部材を有し、
    前記積層部材に硬化性樹脂液が含浸されていることを特徴とする管路の内張り材。
  2. 前記積層部材は、丸められて側端部同士が周方向に位置ズレ不能に連結されることによって筒状に形成され、この筒状の前記積層部材の内側に膨張可能な拡張チューブが配置されていることを特徴とする請求項1に記載の管路の内張り材。
  3. 前記筒状の積層部材の側端部の連結部分に、その長さ方向に延在する織布が接合されていることを特徴とする請求項2に記載の管路の内張り材。
  4. 筒状の前記積層部材の外面が、合成樹脂フィルムで覆われていることを特徴とする請求項2又は3に記載の管路の内張り材。
  5. 請求項1に記載の内張り材を用いた管路の内張り方法であって、
    前記積層部材を丸めて側端部同士を周方向に位置ズレ不能に連結し、筒状にした状態で管路内に引き込む引き込み工程と、
    筒状の前記積層部材を拡径させることにより、前記積層部材を前記管路の内面に密着させる拡径工程と、
    前記積層部材に含浸された硬化性樹脂液を硬化させる硬化工程と、
    を備えていることを特徴とする管路の内張り方法。
  6. 請求項2に記載の内張り材を用いた管路の内張り方法であって、
    前記筒状の積層部材を管路内に引き込む引き込み工程と、
    前記拡張チューブ内に流体を注入して膨張させることにより、前記筒状の積層部材を拡径させて前記管路の内面に密着させる拡径工程と、
    前記積層部材に含浸された硬化性樹脂液を硬化させる硬化工程と、
    を備えていることを特徴とする管路の内張り方法。
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