JP2012005795A - キャスター付きかばん - Google Patents

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Shigeo Nakayama
茂雄 中山
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Abstract

【課題】キャスター付きかばんが走行中に遭遇する路面の凸凹をスムーズに通過できたり、人ごみの中でもすれ違う人々と接触することなく衝突回避できることを提供する。
【解決手段】直方体形状をしたキャスター付きかばんに設けた車輪構成により進行方向に対して前方が高く後方が低くなるようにして傾斜させ幅の狭い面を進行方向として走行させる。傾斜することと前方車輪にバネ付きキャスターを設けることによりかばんの主な荷重を後部面外に設けた後輪に移動できる。常に傾斜したままの状態で使用するので使用者は知らぬ間に荷物を入れた時点ですでに後方車輪に荷重が移動する仕組みになっている。傾斜しているために、後部面に対して垂直に付設した取手は後方車輪や車輪軸を支点として左右に振れ易くなる。したがって、かばんの方向転換が容易におこなえるので転倒のない安全で軽快な走行ができる。
【選択図】図1

Description

本発明は旅行や買い物などの時、荷物を運搬する時に用いられるキャスター付きかばんに関するものである。
キャスター付きかばんは主に直方体の形状をしたかばんの底に車輪を設け、かばんに敷設した取手を操作して重たいかばんを運搬できるようにしたものである。ここでキャスターとは方向が自在に変われる車輪のことである。キャスター付きかばんには引いて走行するタイプと押して走行するタイプがある。引いて走行するタイプのキャスター付きかばんでは固定車輪で構成されており、取手を引くことにより路面が凸凹でも走行が可能である(特許文献1)。押して走行するタイプのキャスター付きかばんでは路上に凸凹がない場合において、取手を押す事により走行できる(特許文献2)。
実開平6−77549号公報 特開平10−304921号公報
発明が解決しようとるす課題
解決しようとする課題は路上の凸凹や人ごみで混雑したところをキャスター付きかばんでスムーズに走行できないことである。また引張って走行する場合、手や腕、肘が疲れてくる。たとえば15kgの荷物をキャスター付きかばんの取手で引張って運ぶ場合、静止の状態でさえ取手にかかる重さはばね計りで測ってみると約2kgであった。この重さはかばん全体の重さの約13%にもなっている。さらに走行しはじめの手にかかる引張り力は2.5kgであった。凸凹路面や曲がり角を通ろうとするならば走行する抵抗が増えるため腕にかかる力は2.5kg以上になる。だんだん腕にかかる疲労は知らぬ間に蓄積されてくる。また押して走行する場合では、路上の凸凹で減速したり止まったりするので重たいかばんを持ち上げて通過しなければならない欠点があった。引張って走行する場合には、取り扱い者の後ろに斜めに広く場所をとる。このため人ごみではキャスター付きかばんはかえって障害物になりやすい。時々、接近してくる歩行者がキャスター付きかばんにつまずいたり転倒したりしてトラブルに巻き込まれやすい問題が生じる。
走行中に遭遇する凸凹や急カーブを走行時に車輪を取られることが多い。たとえば、歩道や駅ホームに埋設された盲人用案内板の凸凹に車輪がつまずきやすい。キャスター付きかばんは直方体の形状が多く、重心が高くなることが弱点である。実開平6−77549号公報(図9参照)のキャスター付きかばんでは重心が高くなりやすく、走行中に遭遇する凸凹に前後の車輪がつまずいた場合、後方の車輪が支点となって後方に倒れやすい構造になっている。いろいろな重さの物をかばんに詰め込んだ結果の重さが20kgもするならば、直方体形状のかばんであるがゆえに荷崩れが起きやすいので荷重は車輪にそれぞれ不均一にかかる。そうすると路面との抵抗が不均一になるので取っ手による方向転換は出来にくかった。
特開平10−304921号公報(図3参照)では走行安定性の向上を図るため自立走行できるように主輪となる固定車輪の他に回動自在の補助車輪すなわちキャスターに折りたたみフレームを設けて、四輪構成として押したり引いたり走行できるように工夫している。しかし押しながら走行中にかばん自体に設けた前方車輪が路上の凸凹に当たった場合、車輪が小さすぎることも加わり前方の車輪が支点となって前のめりに転倒する構造上の弱点がある。また取っ手がかばんの後部面と平行になっている。これでは、取っ手を握る手首を不自然に曲げなければ押しながらの方向転換がしにくく、片手での操作性は不便であった。人ごみのなかでの方向転換にかかわる取っ手の操作が多ければ多いほどわずらわしい欠点があった。両手を取っ手にかけた場合ではついつい人の体重をかけてしまいがちである。すると後部車輪を支点としてモーメントが働いて思いがけず前のめりに転倒してしまう危険性が増すなどの問題があった。
特開平10−304921号公報(図1参照)では直方体のかばんの前面は幅が広いので障害物を避けようとする場合、方向転換のために取っ手を大きく振らなければならないわずらわしさがある。実開平6−77549号公報(図9参照)では取っ手の位置は前方にあると前かがみになったり走行中に歩くたびに足がかばんに当たる欠点がある。また後部車輪がかばん底の端にあり直方体のかばんであるがゆえに重心は高く後方に移っている。すると、路上の凸凹に前車輪がつまずくと後方へ転倒する危険がある。転倒しないように押しているときも気を使うなどのさまざまな問題があった。
以上のように従来のキャスター付きかばんは車輪が付いていていろいろなものをかばんに詰め込んで重くなってしまってもスムーズに運べるはずであった。しかし実際にはキャスター付きかばんを引張っているときには手には荷物の重さの10〜20%の重さがかかっている。さらに路上の凸凹を乗り越えながら走行していくには引張るための力を出し続けなければならず走向上の不安定も生じやすい。手や腕やひじにかかる疲労は知らぬ間にだんだん蓄積されてくる。押して走行する場合、人ごみの中では方向転換のしにくさがあるなどの欠点があった。
解決するための手段
歩行者や障害物を軽快に避けたり凸凹路面を安全に走行しやすいキャスター付きかばんにするために次に示すような四つの工夫を行った。一つ目の工夫は進行方向に対して前方が高く後方が低くなるように車輪を直方体形状のかばんに敷設した。かばんは傾斜することになるので荷重を後方車輪に移動しやすい。本発明のキャスター付きかばんは傾斜したまま使用することが特徴である。傾斜したままのかばんに荷物を入れた時点で後方に荷重がかかるような仕組みを構成した。荷の荷重が後輪にかかりやすくなるならば、前輪にかかる荷重は後輪よりも小さくなるので路上の凸凹を通過しやすいきっかけを生じる。二つ目の工夫はかばんが傾斜しているので転倒しやすさが心配される。そこで力学的にかばんの重心がかばんの外に出にくいように後方車輪および車輪軸は後部面より外に設け転倒防止の安全性を高めた。三つ目は前方のバネ付きキャスターの伸縮時の反発力を利用して常に安定して後方に荷重がかかる仕組みを構成した。四つ目は後方に敷設した取手はかばんの後部面に対して垂直に設けた。直方体形状のかばんを傾斜することにより後方に敷設した取手も傾斜することになる。この適度な傾斜により取っ手は握りやすく手に馴染み、手首にも負担がかからないようになる。以上、4つの工夫が組み合わさって本発明のキャスター付きかばんは機能する。
発明の効果
傾斜したまま使用するキャスター付きかばんに設けた取っ手を添えてゆっくり歩き出せば、凸凹路面もスムーズに走行できるようになった。前輪に設けたコイルバネによる重心の後方への移動が確保された。傾斜しているので後方車輪を支点として取っ手が左右に振れやすい状態になる。したがって走行中、かばんの方向転換が容易になり障害物や近寄ってくる歩行者らを軽快に避けて通れるようになった。よって本発明はトラブルのない安全で操作性の優れたキャスター付きかばんを提供できる。
本発明のキャスター付きかばんの斜視図 本発明の平面図
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明であるキャスター付きかばん(1)の一実施例を示した斜視図である。路上を走行している状態を表している。幅の狭い面(L2)を進行方向としている。このかばんの前輪のバネ付きキャスター(5)は底の先端に取り付けた。後方車輪(7)はかばんの後部面(4)に取り付け冶具(8)で取り付けてかばんを傾斜させた。中輪径は前後とも8cmであり発光ダイオードのライトが内蔵している。走行するたびに車輪自体が点灯し、特に薄暗くなってくる夕方や人ごみ中では周囲に注意を促せる。後方車輪(7)は固定車輪であり走行の方向を定めやすい。取っ手(9)は、かばんの後部面(4)に対して垂直に設けた。取っ手(9)には使用者の手が適度な高さで取っ手(9)を握れるように高さを調整できる伸縮棒(10)が付いてあり、取っ手(9)を使用しないときにはかばん内に収納ができる。後方車輪(7)の車輪軸(13)は取り付け冶具(8)によって後部面(4)より外側に位置している。その他に考えられる車輪構成としては後方車輪がキャスターであり前方が固定車輪でも操作上得に問題は起らない。車輪構成以外によるかばんの傾斜手段としては、かばんの中の底部に板を挿入し進行方向に対し前方が高く後方が低くなるように板を傾斜させるかまたは、かばんの底部自体を傾斜させるなどの方法がある。どの方法でも荷重の後方への移動は可能である。
キャスター付きかばんの取手(9)に軽く手を添えて歩きはじめると、簡単に動き始め慣性が働く。走行途中に遭遇する路上の凸凹(11)に遭遇するとまず前輪のバネ付きキャスター(5)が伸縮する。かばんが進行方向(A)に対して後方に傾斜しているため、荷の荷重は後方車輪(7)にかかりやすくなる。荷の荷重が後方車輪(7)にかかりやすくなるならば、前輪のバネ付きキャスター(5)にかかる荷重は後方車輪(7)よりも小さくなるので路上の凸凹(11)を通過しやすいきっかけを生じる。
たとえば前後の車輪の径が8cmの車輪構成において高さが8mmの突起物が広範囲に連続している通行帯を人の歩く速さでスムーズに走行できた。取手を軽く握り人の歩く早さで押せるので、腕や手や肘は痛くならない。すでに走行しているかばんに慣性が働いているので、後方車輪(7)の径も前輪のバネ付きキャスター(5)の径と同じ8cmなので前輪のバネ付きキャスター(5)で通過できた路上の凸凹(11)は後方車輪(7)でも通過できた。押し続けているので連続した障害物(12)もスムーズに避けられた。
図2は本発明のキャスター付きかばんを上から見た平面図である。図2に示すように走行中に遭遇した人々や障害物(12)をたとえば左にさけるには取っ手(9)をわずかθbのみ振れば、すばやい方向転換ができる。そうすれば衝突することもなく歩行者ともトラブルを起こすこともなくスムーズに通る事ができる。方向転換しやすいこの軽快な操作性はキャスター付きかばんが傾斜していて後方車輪(7)に荷重が移動し、さらに前輪のバネ付きキャスター(5)によっても荷重が後方へ移動しやすくしており、後方車輪(7)を支点としてモーメントが働きやすくなるしくみのためである。取っ手(9)は力点、作用点は左右に方向転換する直方体のかばんに相当する。取っ手(9)も取扱者にとって手前の方が低く傾斜することになる。この取っ手(9)の傾斜がちょうど握りやすく押しやすい高さと角度を持った位置になり操作する人の手がごく自然に握る事ができるようになった。取手(9)の取り付け位置は右側面(2)から左側面(3)の間であるならどこでも良く、左利き右利きの人たちのために使いやすい位置を決めても良い。取っ手(9)は、かばんの後部面(4)に対して垂直に設けているが、利き手に合わせて角度に余裕を持たせてもなんら支障はない。また取っ手(9)の形状は傘の柄のようなU字の形でも、円形や楕円、ドーナツ状の形でも手に馴染む形ならばどんな形状でも良い。取っ手(9)の収納方法としてはヒンジで折りたたむ方法もある。
以上のように色々な検討をしてさまざまな工夫を凝らした仕組みを考案し試行錯誤してきた結果、図1に示すような本発明のキャスター付きかばんが完成した。後方車輪がキャスターであり前輪が固定車輪に変えても、かばんの進行方向に対して前方が高く後方が低く傾斜していれば同様の効果が生じる。
1 キャスター付きかばん
2 右側面
3 左側面
4 後部面
5 バネ付きキャスター
6 コイルバネ
7 後方車輪
8 取り付け冶具
9 取っ手
10 伸縮棒
11 路上の凸凹
12 障害物
13 車輪軸
L1 幅の広い面
L2 幅の狭い面
θa 左振れ角度
θb 右振れ角度
A 進行方向

Claims (1)

  1. 直方体の形状をしたかばんの進行方向に対して前方が高く後方が低く傾斜するように車輪を設け傾斜させたまま使用するキャスター付きかばんの幅の狭い面を進行方向として押して進むキャスター付きかばんにおいて、押して進むために必要な取手の位置はかばんの後部面に対して垂直に設けかつ側面の中心または中心から後部面寄りに設けたことを特徴としたキャスター付きかばん。
JP2010155210A 2010-06-22 2010-06-22 キャスター付きかばん Pending JP2012005795A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US11857927B2 (en) 2021-11-03 2024-01-02 Complete Water Solutions, LLC Reverse osmosis filter ram apparatus, systems, and methods of using the same

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