以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.ゲーム装置の説明
図1は、本実施形態におけるゲーム装置(コンピュータ、端末、ステーション)10の一例を示す正面概観図である。ゲーム装置10は、透明カバーガラス2で囲まれた遊技空間(ゲーム空間)GSを形成し、遊技空間内に、前端がメダル落下口4の上方に向かって設置された固定テーブル(遊技媒体載置テーブル、メダル載置テーブル、フィールド)11と、この固定テーブル11の上面に沿って延設されるとともにその上面に沿って周期的に往復動されるプッシャーテーブル(押し出し部材、プッシャープレート)12とを備えた、いわゆる「プッシャー型」と称される構成を有している。
ゲーム装置10の固定テーブル11やプッシャーテーブル12の上面に多数のメダル(遊技媒体の一例)が予め載置された状態になっており、プレーヤ(ユーザ)が筐体前部に延設された操作テーブル上に開口されたメダル投入口(投入口)21にメダルMを投入して遊技することになる。
プレーヤがメダル投入口21にメダルMを投入すると、メダル投入口21の近傍に設けられた通過センサ31によってメダルMの通過が検出される。そして、そのメダルMは、メダル投入口21から不図示のメダル収容部12に連通する通路を通ってメダル収容部12に収容される。
通過センサ31は、物体の通過を検出する手段であって、例えば投光素子と受光素子とが対向配置されて遮光によって物体の通過を検出するセンサや、超音波の反射時間から距離を計測する距離センサなどによって実現できる。或いは、通過する物体に接触して揺動する揺動スイッチなどでもよい。
メダルMの通過が検出されると、メダル投入口21に投入されたのと同数のメダルMが、搬送機構によって遊技空間GSの天井部内に設けられたメダル貯留部26に搬送されるとともに、メダル貯留部26に貯留されているメダルMが、通過センサ31によってメダルMの検出を通過した直後に、検出したのと同数のメダルMがメダル射出装置27から射出される。
メダル射出装置27から射出されたメダルMは、メダル射出口22から遊技空間GS内に落下・投入される。遊技空間GS内に投入されたメダルMは、遊技盤14と、遊技盤14の前面にメダルMの厚さより若干長い間隔をおいて遊技盤14と平行に配置された透明カバーガラス2との間に立設された釘15などに当たりながら流下し、やがてプッシャーテーブル12の上に落ちる。
プッシャーテーブル12は、固定テーブル11の正面に沿ってスライド移動可能に載置されており、筐体内に設置された往復動機構によって、遊技空間の奥方に立設された遊技盤14の下端に開口する挿通孔6から出入りするように、前後方向に周期的に往復運動する。
プッシャーテーブル12が固定テーブル11をスライドするように後進(退行)すると、その上面に載置されているメダルMも載置されたまま一緒に移動する。プッシャーテーブル12がその前後に伴って挿通孔6に引き込まれると、後進した分だけプッシャーテーブル12の延出長が短くなり、プッシャーテーブル12の上面後方に載置されたメダルMが、挿通孔6の周縁に当たって相対的に前方に押し出される格好となる。すると、プッシャーテーブル12の上面後方に載置されていた他のメダルMも玉突き状に連鎖的に前方に押され、ついには前端側に載っているメダルMが固定テーブル11上に落下する。
その後、プッシャーテーブル12の前進(押出動作)に伴って前方端面が押出部として機能し、固定テーブル11の上面に落下して固定テーブル11の上に載置されたメダルMは前方に押される。すると、今度は、固定テーブル11に載置されているメダルMが、玉突き状に前方に押される。
固定テーブル11の前端部(先端部)には、前方上方に傾いた傾斜部13が設けられている。固定テーブル11の前端部に到達した前方に押出されるメダルMはこの傾斜部13に沿って登ることになるが、その間、メダルMは固定テーブル11の正面に対して傾斜姿勢となり、更に前方に押されて傾斜部13の傾斜を乗り越えるに至るとメダル落下口4に落下する。
傾斜部13は、その傾斜角度が可変に設けられている。傾斜部13の傾斜角度を可変することで、固定テーブル11の前端部からのメダルMの落下のし易さが変化し、メダルMのペイアウト率を調整することができる。なお、傾斜部13の傾斜の調整は、メダルゲーム装置10の運営者(オペレータ、管理者)で実施可能となっている。
メダル落下口4の下部は、落下したメダルMの通過を検出する通過センサ32を備えた通路25に連通している。メダル落下口4に落下したメダルMは、この通路25を通ってメダル収容部24に収容される。そして、当該通路25を通過する際に検出されたメダルMの同数だけ、メダル収容部24に収容されているメダルMが、搬送機構によってメダル払出口(払出口)41に搬送され、メダル受皿42へ払い出される。
また、固定テーブル11は、前端すなわち落下端部の横幅がプッシャーテーブル12の横幅よりも広く設定されており、プッシャーテーブル12の前進限界位置近傍から左右に拡幅する形状をなしている。そして、この拡幅部分の左右側壁部にそれぞれメダルMが進入可能な側部メダル落下口23が設けられており、ここに落下したメダルMは、通過検知されることなく、メダル収容部24とは別の収容部に別途回収される。
また、ゲーム装置10は抽選機能を有し、抽選で特別ボーナスに当選すると、特典として、払出装置(ホッパー)がボーナス用のメダルMが特別払出口29からプッシャーテーブル12上に供給される。つまり、払出装置は、抽選部220の抽選結果に応じてメダルを払い出す。抽選処理は、傾斜部13のメダル落下口4に突出するように設けられた可倒式チャッカー部17にメダルMが接触し、メダルMの通過が検知されたことをトリガーとして発動する。チャッカー部17は可倒式の機構に限らず、他のチャッカー機構であってもよい。また、本実施形態において、チャッカー部17を設置する位置及び数は、運営者が調整することができる。抽選処理では、所定の抽選確率(当選確率)にしたがって「当たり」、「はずれ」を決定する。そして、抽選結果が「当たり」の場合には、特典として、所定数のボーナス用メダルを特別払出口29からプッシャーテーブル12上に共有する。それとともに、遊技盤14の中央部に設けられたゲーム用モニタ16に所定の当選画面を表示したり、スピーカから所定の当選音声を出力するといった当選演出処理を行う。
ゲーム装置10は、当該装置を統合的に制御する制御ユニット50を筐体内部に備えている。制御ユニット50には、CPU51等の演算装置や、ICメモリ52等の記憶装置などが搭載されている。演算装置は、記憶装置に記憶されているプログラムやデータ等を読み出して実行することでメダルゲーム装置10を統括制御し、プッシャーテーブル12や各種メダル搬送機構などの駆動制御、遊技盤14に設けられているゲーム用モニタ16の表示制御、抽選処理などの各種処理を実行する。
また、ゲーム装置10は、筐体内部であって筐体前面に設けられた扉61の奥方に、運営用機器であるスイッチ群63及び運営用モニタ62を備えている。通常、この扉61は施錠され、運営者のみが開錠して内部の運営用機器を使用することができる。運営者は、例えば、営業時間外に扉61を開けてスイッチ群63を操作して、希望する目標ペイアウト率の変更・設定や、抽選確率の手動設定、抽選確率の履歴を運営用モニタ62に表示させたりすることができる。また、運営用モニタ62に、サービスイベントのイベント値(第1のイベント値、サービスイベント値)、サービスイベントのイベント時間帯、イベントタイミングや、蓄積イベントのイベント値(第2のイベント値、蓄積イベント値)、蓄積イベントのイベント時間帯、イベントタイミングの設定画面、確認画面を表示させてもよい。
2.構成
図2は、ゲーム装置10の機能構成図である。ゲーム装置10は、機能的にはメダル投入検知部110と、メダル払出し検知部120と、運営用入力部410と、運営用表示部420と、通信部130と、画像表示部140と、音出力部150と、処理部200と、記憶部300とを備えて構成される。なお、運営用入力部410及び運営用表示部420は、ゲーム装置10の運営者のみがメンテナンス用に使用可能な運営用機器400であり、プレーヤが使用不可能な場所、例えば、筐体内に設けられている。なお、ゲーム装置10にネットワークを介してサーバ20を接続している場合には、サーバ20に運営者が使用可能な運営用入力部と、運営用表示部とを備えていてもよい。
メダル投入検知部(第1の検出装置)110は、ゲーム装置10に投入されたメダルを1枚単位で検知し、投入検知信号を処理部200に出力する。図1では、通過センサ31がこれに該当する。
メダル払出し検知部(第2の検出装置)120は、ゲーム装置10から装置外部に払い出されたメダルを1枚単位で検知し、払出し検知信号を処理部200に出力する。図1では、通過センサ32がこれに該当する。
運営用入力部410は、ゲーム装置10の運営者による操作入力を受け付け、操作に応じた操作信号を処理部200に出力する。この機能は、例えば、プッシュボタンやタッチパネル等の入力装置によって実現される。図1では、スイッチ群63がこれに該当する。その運営用入力部410によって、運営者による目標ペイアウト率の設定指示や抽選確率の表示指示等が入力される。
特に、本実施形態では、運営用入力部410からのイベント値の設定指示を入力情報とし、当該入力情報に基づいて、イベント値を設定する。
また、本実施形態では、運営用入力部410からのイベントタイミングの設定指示を入力情報とし、イベントタイミングを設定する。
運営用表示部420は、処理部200(主に、抽選確率表示制御部240)からの表示信号に従った画像を表示する。この機能は、例えば、LCD等の表示装置によって実現できる。図1では、運営用モニタ62がこれに該当する。
処理部200は、記憶部300から読み出したプログラムやデータ、運営用入力部410から入力される操作信号、メダル投入検知部110やメダル払出し検知部120から入力される検知信号等に基づいて、ゲーム装置10の全体制御やゲーム進行、画像生成等の各種演算処理を行う。この機能は、例えばCPUやGPU等のマイクロプロセッサ、ASIC(特定用途向け集積回路)、ICメモリ等によって実現される。図1では、制御ユニット50に搭載されたCPU51がこれに該当する。また、処理部200は、メダル計数部(遊技媒体計数部)210と、抽選部220と、集計部230と、設定部235、時間帯設定部236と、抽選確率表示制御部240と、駆動制御部250と、画像生成部260と、音生成部270とを有している。
メダル計数部(遊技媒体計数部)210は、ゲーム装置10におけるメダルの投入数やメダルの払出数を計測する。具体的には、メダル投入検知部(第1の検出装置)110の検知信号(検出信号)に基づいて、メダルの投入数を計測する。また、メダル払出し検知部(第2の検出装置)120の検知信号(検出信号)に基づいて、メダルの払出数を計測する。
例えば、メダル計数部210は、ゲーム装置10を駆動(稼働)させてからの、メダル投入検知部110で検知されたメダルの投入数を計測する処理、メダルの払出し検知部120で検知されたメダルの払出数を計測する処理を行う。また、メダル計数部210は、所定期間(例えば、日)単位で、メダルの投入数、メダルの払出数を計測してもよいし、ゼロクリアした時点を基準に、メダルの投入数、メダルの払出数を計測してもよい。
計測される投入数や払出数のデータは、メダル計数データ344として記憶部300のメダル計数データ領域に格納される。図3は、メダル計数データ344の一例を示す図である。図3に示すように、現時点のメダル投入枚数344aと、メダル払出し枚数344bとが、メダル計数データ領域に格納される。
抽選部220は、チャッカー部17によるメダルMの通過が検知されたタイミングで、抽選確率(当選確率)に従って「当たり」又は「はずれ」を決定する。そして、抽選結果を「当たり」として決定したならば、特典として、所定数のボーナス用のメダルを遊技空間(ゲーム空間)に供給する。なお、抽選確率は、抽選確率変更部221によって適宜変更され、固定値ではない。
ここで、抽選確率についてのデータは、抽選確率変動データ343として記憶部300の抽選確率変動データ領域に格納される。図4は、抽選確率変動データ343の一例を示す図である。抽選確率の現在値343aと、本日の開始値343bと、最大値343cと、最小値343dとを、抽選確率変動データ343として、抽選確率変動データ領域に格納される。
なお、本日の抽選確率の開始値を、前日の抽選確率の終了値としてもよいし、運営用入力部410からの入力情報に基づき開始値を設定することも可能である。抽選確率の開始値が運営者によって設定された場合、手動設定フラグが「1」に設定される。すなわち、抽選部220は、抽選確率変動データ343を参照し、格納されている抽選確率の現在値を用いて抽選を行う。
また、抽選部220は、抽選確率を変更する抽選確率変更部221と、抽選確率の変更幅を設定する変更幅変更部222とを有する。
抽選確率変更部221は、予め設定された目標ペイアウト率とペイアウト率算出部231により算出されたペイアウト率とに基づいて、抽選確率を変更する処理を行う。
例えば、抽選確率変更部221は、所定の変更条件を満たしたとき、算出された算出ペイアウト率が目標ペイアウト率よりも高い場合に、変更条件を満たした際の抽選確率よりも低い確率になるように、抽選確率を変更する。
また、抽選確率変更部221は、所定の変更条件を満たしたとき、算出された算出ペイアウト率が目標ペイアウト率よりも低い場合に、変更条件を満たした際の抽選確率よりも高い確率になるように、抽選確率を変更する。
なお、抽選確率を変更するタイミングは所定の変更条件を満たしたときであり、例えば、メダルが所定枚数投入された際、所定時間が経過する度、メダルが所定枚数払い出された際、及び、抽選が当選した際の何れかのときを、抽選確率を変更するタイミングとすることができる。なお、抽選確率を変更するタイミングは、駆動開始時、所定周期(1時間単位)、投入数、払出数が所定数単位で増加する時点(例えば、1000枚単位で増加する)、ジャックポットゲームが実行される時点などでもよい。
なお、抽選確率変更部221は、抽選確率の上限値、下限値を決め、抽選確率を所定値域(例えば、20%〜40%)で変化させるようにする。抽選確率の変更に伴い、「はずれ」の確率も変化させるようにする。
また、抽選確率変更部221は、所定の変更条件を満たしたときに(例えば、メダル投入の検知時に)、予め設定された目標ペイアウト率とペイアウト率算出部231により算出されたペイアウト率との差異に基づいて設定された変更幅分、抽選確率を上昇変更する処理を行うようにしてもよい。
また、抽選確率変更部221は、所定の変更条件を満たしたときに(例えば、メダル払出しの検知時に)、予め設定された目標ペイアウト率とペイアウト率算出部231により算出されたペイアウト率との差異に基づいて設定された変更幅分、抽選確率を下降変更する処理を行うようにしてもよい。
より具体的に説明すると、抽選確率変更部221は、メダル投入検知部110によってメダルの投入が検知される毎に、抽選確率を増加変更幅αだけ上昇(増加)させる。また、抽選部220による抽選結果が「当たり」となる毎に、抽選確率を、減少変更幅βだけ下降(減少)させる。また、メダル払出し検知部120によってメダルの払出しが検知される度に、当選確率を減少変更幅βだけ下降(減少)させる。
ここで、抽選確率の変更幅α、βについてのデータは、変更幅データ341として、記憶部300の変更幅データ領域に格納される。図5は、変更幅データ構成の一例を示す図である。変更幅データ341は、1日を分割した時間帯341a毎に、増加変更幅341bと、減少変更幅341cとを対応付けて格納される。なお、この変更幅α、βは、変更幅変更部222によって変更・設定される。
抽選確率変更部221によって変更された抽選確率の履歴データは、抽選確率変更データ342として、記憶部300の抽選確率変更データ領域に格納される。図6は、抽選確率変更データ342のデータ構成の一例を示す図である。抽選確率変更データ342は、時系列に沿って、抽選確率が変更された時刻342a毎に、変更後の抽選確率342bを対応付けて格納される。
変更幅変更部222は、抽選確率の変更幅α、βの設定を行う。具体的には、まず、ペイアウト率の目標値である目標ペイアウト率と、ペイアウト率算出部231によって算出された算出ペイアウト率との差ΔPを算出する。ここで、目標ペイアウト率は、運営者によって予め設定された値であり、目標ペイアウト率データ323として、記憶部300に記憶されている。また、算出ペイアウト率は、これまでのペイアウト率に基づく値であり、例えば、前日に算出された算出ペイアウト率そのものや、過去所定期間(例えば、7日間)の算出ペイアウト率の平均値とすることができる。なお、算出ペイアウト率は、ペイアウト率算出部231によって算出される。
つまり、算出ペイアウト率は、イベント値が設定された場合には、投入数と、払出数と、設定されたイベント値とに基づいて算出される。
次いで、このペイアウト率の差ΔPをもとに、変更幅標準値テーブル321に従って、抽選確率の変更幅α、βそれぞれの標準値Nα、Nβを求める。また、変更幅補正係数テーブル322に従って、抽選確率の変更幅α、βそれぞれの補正係数kα、kβを求める。そして、求めた標準値Nα、Nβ及び補正係数kα、kβから、本日の抽選確率の変更幅α、βを決定する。変更幅α、βは、次式(1a)、(1b)で与えられる。
変更幅α=標準値Nα×補正係数kα・・・(1a)
変更幅β=標準値Nβ×補正係数kβ・・・(1b)
図7は、変更幅標準値テーブル321のデータ構造の一例を示す図である。変更幅標準テーブル321は、ペイアウト率の差321a毎に、増加変更幅αの標準値321bと、減少変更幅βの標準値321cとを対応付けて格納している。
本実施形態では、図7に示すように、算出ペイアウト率(ペイアウト率算出部231によって算出されるペイアウト率)が目標ペイアウト率よりも小さい場合(算出ペイアウト率と目標ペイアウト率との差ΔPがプラスの場合)には、差ΔPの絶対値が大きいほど、増加変更幅αの標準値Nαが大きくなるように定める。これは、差ΔPの絶対値が大きいほど標準値Nαを大きくすることで抽選確率の増加変更幅αを大きくし、算出ペイアウト率を速やかに目標ペイアウト率に近づけるようにするためである。
逆に、算出ペイアウト率が目標ペイアウト率よりも大きい場合(差ΔPがマイナスの場合)には、差ΔPの絶対値が大きいほど、標準値Nαが小さくなるように定める。これは、差ΔPの絶対値が大きいほど標準値Nαを小さくすることで抽選確率の増加変更幅αを小さくし、算出ペイアウト率が目標ペイアウト率からあまり離れないようにするためである。
また、本実施形態では、算出ペイアウト率が目標ペイアウト率よりも大きい場合(差ΔPがマイナスの場合)には、差ΔPの絶対値が大きいほど、減少変更幅βの標準値Nβが大きくなるように定められている。これは、差ΔPの絶対値が大きいほど標準値Nβを大きくすることで減少変更幅βを大きくし、算出ペイアウト率を速やかに目標ペイアウト率に近づけるようにするためである。
また、本実施形態では、算出ペイアウト率が目標ペイアウト率よりも小さい場合(差ΔPがプラスの場合)には、差ΔPの絶対値が大きいほど、減少変更幅βの標準値Nβが小さくなるように定められている。これは、算出ペイアウト率と目標ペイアウト率との差ΔPの絶対値が大きいほど標準値Nβを小さくすることで減少変更幅βを小さくし、算出ペイアウト率が目標ペイアウト率からあまり離れないようにするためである。
補正係数kα、kβは、時間帯、日付、曜日などに基づき予め定義されており、本実施形態では、当該駆動日に基づき、補正係数kα、kβを設定する。例えば、kα=1.4、kβ=1.0などに設定する。
集計部230は、例えば、営業時間終了後といった所定のタイミングで、本日分の運用実績の集計を行う。具体的には、本日実績データ340に基づいて本日分の運用履歴データを生成し、運用履歴DB(運用履歴データベース)330に追加する。
運用履歴DB330は、一日毎の複数の運用履歴データから構成するようにしてもよい。運用履歴データは、該当する年月日とともに、当該日の抽選確率の変更履歴した抽選確率変更履歴データと、当該日の抽選確率の変動履歴である抽選確率変動履歴データと、当該日の抽選確率の開始値が運営者によって手動設定されたか否かを示すフラグである抽選確率の手動設定フラグと、当該日の時間帯毎に、増加変更幅と、減少変更幅とを対応付けたデータである変更幅履歴データを含む。
また、運用履歴データは、当該日のメダル投入枚数と、メダル払出し枚数とを含む。
また、運用履歴データは、当該日のペイアウト率(ペイアウト率算出部231によって算出されたペイアウト率)と、適正フラグとを含む。適正フラグは、当該日の算出されたペイアウト率が目標ペイアウト率に対して適正であるか否かを示すフラグである。
また、集計部230は、ペイアウト率算出部231を有する。ペイアウト率算出部231は、メダル計数データ344と、イベント用データ346とに基づき、ペイアウト率を算出する。
本実施形態では、イベント値が設定されていない場合には、メダル計数データ344を参照し、メダルの投入数とメダルの払出数とからペイアウト率を算出する。ペイアウト率は、次式(4)で求める。
ペイアウト率=払出数/投入数 ・・・(4)
特に、本実施形態のペイアウト率算出部231は、イベント値が設定された場合には、投入数と、払出数と、イベント値とに基づいて、ペイアウト率を算出する。
例えば、ペイアウト率算出部231は、イベント値が設定された場合には、投入数にイベント値を加算(計上)された値と、払出数とに基づいてペイアウト率を算出する。或いは、イベント値が設定された場合には、払出数からイベント値を減算(計上)された値と、投入数とに基づいてペイアウト率を算出する。このようにすれば、イベント値を投入数或いは払出数に計上することにより一時的にペイアウト率を変化させるようにし、ペイアウト率の変化に応じて抽選確率が上昇変化させる状況を作り出し、メダルの払出しを増加させるようなサービスを提供できる。
また、ペイアウト率算出部231は、イベント値が設定された場合には、投入数にイベント値を減算(計上)された値と、払出数とに基づいてペイアウト率を算出する。或いは、イベント値が設定された場合には、払出数にイベント値を加算(計上)された値と、投入数とに基づいてペイアウト率を算出する。このようにすれば、イベント値を投入数或いは払出数に計上することにより、一時的にペイアウト率を変化させるようにし、ペイアウト率の変化に応じて抽選確率が下降変化させる状況を作り出し、メダルの払出しを抑えるようにすることができる。
次いで、算出したペイアウト率が、目標ペイアウト率に対して適正であるか否かを判断する。すなわち、算出したペイアウト率が、目標ペイアウト率を基準とした所定の適正範囲(例えば、プラス・マイナス3%の範囲)内であるか否かによって判断する。
設定部235は、ペイアウト率を変化させるためのイベント値を設定する。
例えば、設定部235は、運営用入力部410の入力情報に基づき、イベント値を設定する。例えば、営業時間外に、運営者の運営用入力部410からの入力情報によりイベント値を設定する。
時間帯設定部236は、運営用入力部410の入力情報に基づき、投入数にイベント値を加算するイベント時間帯を設定する。また、時間帯設定部236は、払出数からイベント値を減算するイベント時間帯を設定する。また、時間帯設定部236は、記投入数からイベント値を減算するイベント時間帯を設定する。時間帯設定部236は、払出数にイベント値を加算するイベント時間帯を設定する。例えば、時間帯設定部236は、営業時間外に、運営者の運営用入力部410からの入力情報によりイベント時間帯を設定する。
抽選確率表示制御部240は、運営用入力部410からの入力情報(入力指示)に従って、運用履歴DB330をもとに、抽選確率の履歴を表示した抽選確率履歴画面を運営用表示部420に表示させる。具体的には、抽選確率の履歴の表示種別として、対象日における抽選確率の変動を表示した「変動表示」と、単位期間毎の抽選確率の変動幅の推移を表示した「推移表示」との2種類がある。また、表示形式として、抽選確率をグラフ化した「グラフ形式」と、数値で一覧表示したい「表形式」との2種類がある。
図8、表示種別が「変動表示」である抽選確率履歴画面(抽選確率変動画面)の一例であり、表示形式を「グラフ形式」として画面を示している。グラフ形式の抽選確率変動画面では、横軸を時刻、縦軸を抽選確率として、対象日(同図では、2010年5月1日)における抽選確率の変動を、各時刻の抽選確率を結んだ折れ線グラフとして表示している。また、対象日の抽選確率の中間値を一点鎖線で表示している。更に、対象日の抽選確率の最大値及び最小値それぞれに対応する時刻をマークS1、S2によって示しているとともに、抽選確率の変更幅α、βが変更された時刻をマークS3によって示している。
図9は、表示種別が「推移形式」である抽選確率履歴画面(抽選確率推移画面)の一例を示す図であり、表示形式を「グラフ形式」とした画面を示している。グラフ形式の抽選確率推移画面では、横軸を単位期間、縦軸を抽選確率として、対象期間(同図では、2010年5月)における単位期間(同図では、1日)毎の抽選確率の変動幅の推移を、単位期間それぞれの抽選確率の変動幅を表す縦長の棒状の図形Fを時系列に沿って並べることで表示している。更に、単位期間それぞれにおける抽選確率の中間値(平均値)を結んだ折れ線グラフが、あわせて表示されている。
この図形Fは、該当する単位期間における抽選確率の最大値を上辺の位置として、最小値を下辺の位置としている。つまり、図形Fの縦方向の長さは、該当する単位期間における抽選確率の変動幅を表わしている。また、単位期間それぞれの図形Fのうち、ペイアウト率が適正であった期間の図形F1や、抽選確率が運営者によって手動設定された期間の図形F2が識別表示されている。
また、図12に示す抽選確率推移画面では、対象期間を1ヶ月とするとともに単位期間を1日としているが、対象期間をこれ以外の期間(例えば、1年)とすることもできる。対象期間を1年とした場合、単位期間は1ヶ月となる。
図2に戻り、駆動制御部250は、処理部200の駆動指示に従って、プッシャーテーブル12や各種メダル搬送装置といったゲーム装置10の各機構部の駆動を制御する。
画像生成部260は、例えばGPU(Graphics Processing Unit)やデジタルシグナルプロセッサ(DSP)などのプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーデックなどのプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等によって実現される。画像生成部260は、処理部200による処理結果に基づくゲーム画像を生成し、生成したゲーム画像の画像信号を画像表示部140に出力する。
画像表示部140は、画像生成部260からの画像信号に基づいてゲーム画像を表示する。この機能は、例えば、CRTやLCD、ELD、PDP等の表示装置によって実現される。図1では、ゲーム用モニタ16がこれに該当する。
音生成部270は、例えばデジタルシグナルプロセッサ(DSP)や音声合成ICなどのプロセッサ、音声ファイル再生可能なオーディオコーディックによって実現され、処理部200の処理結果に基づいて、ゲームにかかる効果音やBGM、各種操作音の音信号を生成し、音出力部150に出力する。
音出力部150は、音生成部270から入力される音信号に基づいてBGMや効果音等のゲーム音声を出力する。この機能は、例えば、スピーカ等の音声出力装置によって実現される。
通信部130は、所与の通信回線と接続して外部装置との通信を実現する。この機能は、例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ゲーブルのジャックや制御回路等によって実現される。
記憶部300は、処理部200にゲーム装置10を統合的に制御させるための諸機能を実現させるためのシステムプログラムや、ゲームを実行させるために必要なゲームプログラム、各種データ等を記憶する。また、処理部200の作業領域として用いられ、処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果や運営用入力部410から入力される入力データ等を一時的に記憶する。この機能は、例えば、RAMやROMなどのICメモリ、ハードディスクなどの磁気ディスク、CD−ROMやDVDなどの光学ディスクなどによって実現される。図1では、制御ユニット50に搭載されたICメモリ52がこれに該当する。
本実施形態では、記憶部300には、プログラムとして制御プログラム310が記憶されるとともに、データとして、変更幅標準値テーブル321と、変更幅補正係数テーブル322と、運用履歴DB330と、目標ペイアウト率データ323と、本日実績データ340とが記憶される。本日実績データ340は、変更幅データ341と、抽選確率変更データ342と、抽選確率変動データ343と、メダル計数データ344と、手動設定フラグ345と、イベントデータ246(イベント値、イベント時間帯、イベントタイミングの少なくとも一つを含むデータ)とを含む。
なお、本実施形態のゲーム装置10は、情報記憶媒体を含んでいてもよい。情報記憶媒体は、コンピュータにより読み取り可能であり、この情報記憶媒体にはプログラムやデータなどが格納されている。即ち、情報記憶媒体180には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)が記憶される。つまり、処理部200は、この情報記憶媒体に格納されるプログラム(データ)から読み出されたデータに基づいて本実施形態の種々の処理を行うことができる。例えば、情報記録媒体は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)、メモリカード等である。
3.イベントの説明
本実施形態のゲーム装置10は、ペイアウト率を変化させるイベント値を設定する。そして、イベント値が設定された場合には、イベント値と、現実に投入口から投入された投入数と、現実に払出口から払いだれる払出数とに基づいて、ペイアウト率を算出する。
イベント値の例としては、サービスイベントのイベント値(第1のイベント値)と、蓄積イベントのイベント値(第2のイベント値)がある。
サービスイベントのイベント値(第1のイベント値)は、店舗側(運営側)がプレーヤ(客側)に抽選処理が当たり易くするサービスを提供するためのイベントの設定値である。つまり、サービスイベントのイベント値は、サービス分の遊技媒体数に相当する。言い換えると、サービスイベントのイベント値は、ペイアウト率を下降変化させるためのイベント値である。
また、蓄積イベントのイベント値(第2のイベント値)は、プレーヤに抽選処理が当たり難くして遊技媒体を蓄積する蓄積イベントの設定値である。つまり、蓄積イベントのイベント値は、蓄積分の遊技媒体数に相当する。言い換えると、蓄積イベントのイベント値は、ペイアウト率を上昇変化させるためのイベント値である。
本実施形態のゲーム装置10は、ペイアウト率を変化させるイベント値を設定した場合には、イベント値と、現実に投入口から投入された投入数と、現実に払出口から払い出される払出数とに基づいて、ペイアウト率を算出する。
このようにすれば、運営者は抽選確率に影響を及ぼすことが可能な設定をすることができ、しかも、イベント値が、設定に伴い影響を受ける遊技媒体数に相当するので、運営者は、容易に、イベント値の設定に伴い影響を受ける遊技媒体数を把握することができる。
また、本実施形態では、イベントを発生させるイベント時間帯、イベントタイミングを設定できるようにしてもよい。つまり、イベント値に基づきペイアウト率を変化させるイベント時間帯、イベントタイミングを設定できるようにしてもよい。このようにすれば、運営者は適切な時間帯でイベント設定を行うことができる。以下、詳細に説明する。
3−1.サービスイベントの説明
3−1−1.サービスイベントの説明(例1)
本実施形態では、サービスイベントのイベント値(第1のイベント値)が設定された場合には、投入数にサービスイベントのイベント値を加算した値と払出数とに基づいて、ペイアウト率を算出する。したがって、運営者は顧客に対してサービスイベントのイベント値分のメダル払出しサービスを提供でき、サービス提供に伴う遊技媒体数を容易に認識できる。
例えば、図10に示すように、目標ペイアウト率が予め90%に設定されているとする。そして、1日目の営業開始前(駆動開始前)のT1時点に、メダルの投入数及びメダルの払出数をゼロクリアする。そして、1日目の営業終了後のT2時点に1日目のメダル投入枚数が「1000」枚、メダル払出数が「900」枚であり、2日目の営業終了後のT3時点に、2日目までのメダル投入数が「5000」枚、メダル払出数が「4500」枚であり、3日目の営業終了後のT4時点に、3日目までのメダル投入数が「10000」枚、メダル払出数が「9000」枚であったとする。
つまり、1日目、2日目、3日目の営業終了時点T2、T3、T4では、目標ペイアウト率=90%に近づくように抽選確率が変化した結果、ペイアウト率は90%と算出されている。
そして、4日目の営業開始前に、運営者がサービスを提供したいと考えた場合に、運営者はサービスイベントのイベント値を、例えば、1000に設定することにより、サービスを提供することができる。なお、サービスイベントのイベント値は、所定範囲内(例えば、0〜1000の値域)とすることができる。
つまり、サービスイベントのイベント値1000を投入数に加算することにより、投入数が「11000」に更新され、ペイアウト率は9000/11000=81.8%になる。すなわち、ペイアウト率は、90%から81.8%に下降(減少)変化することになる。そして、図10の例ではペイアウト率の下降により、ペイアウト率が目標ペイアウト率よりも低くなり、抽選確率が上昇するように制御されることになる。要するに、4日目は、1、2、3日目よりもメダルの払出し枚数を多くするサービスを提供できる。
要するに、本実施形態によれば、物理的に投入されていないが運営者の操作により「1000」枚の投入を擬似的に行うことによってペイアウト率が低くなるように変化させ、その結果、抽選確率を上昇変動させるようにし、結果的に抽選処理で当たりやすくするサービスを提供できる。また、このようにすれば、運営者は、サービスとして提供する遊技媒体数が「1000」枚分というように、容易にサービス分を把握することができる。
図11(A)は、運営者がサービスイベントのイベント値を設定するための設定画面の一例である。本実施形態では、図11(A)に示すように、運営者が運営用入力部410を用いて目標ペイアウト率の数値、サービスイベントのイベント値の数値を入力することができる。
つまり、本実施形態のゲーム装置10は、運営用入力部410からの入力情報に基づき、目標ペイアウト率の設定を行い、運営用入力部410からの入力情報に基づきサービスイベントのイベント値を設定する。ゲーム装置10は、目標ペイアウト率、サービスイベントのイベント値の数値が入力され、設定ボタン等の設定信号を受け取ると、目標ペイアウト率、サービスイベントのイベント値の数値を反映させる処理を行う。
例えば、サービスイベントのイベント値の設定信号を受け取ると、投入口から投入された投入数にサービスイベントのイベント値を加算し、加算後の値を投入数として更新する。なお、サービスイベントのイベント値を投入数に加算後(サービスイベントのイベント値を投入数に計上後)は、サービスイベントのイベント値をゼロクリアする処理を行う。なお、本実施形態では、設定信号を受けた時点で、サービスイベントのイベント値を計上してもよいし、所与のイベントタイミングにイベント値を計上するようにしてもよい。
図11(B)は、サービスイベントのイベント値設定後の確認画面の一例を示す。例えば、図11(B)に示すように、投入数、払出数、サービスイベントのイベント値、ペイアウト率(イベント有り)、ペイアウト率(イベント無し)とを表示させる。
イベント有りのペイアウト率は、投入数にサービスイベントのイベント値を加算した値に対する、払出数の割合である。一方、イベント無しのペイアウト率は、投入数(実際に投入口に投入されたメダルの枚数)に対する、払出数(実際の払出口に払い出されたメダルの枚数)の割合を示す。
この確認画面は、例えば、運営開始前(店舗の営業開始前)に、サービスイベントのイベント値の設定直後に確認のための画面、或いは、1日の運営終了後(店舗の営業終了後)に、1日の投入数、払出数、ペイアウト率(イベント有り、無し)を確認するための画面となる。
また、本実施形態では、サービスイベントを発生させるタイミングを設定できるようにしてもよい。例えば、図11(C)に示すように、午前中(モーニング)に、サービスイベントのイベント値を加算するイベント時間帯を設定できるようにしてもよい。
例えば、図11(C)の設定画面によれば、駆動開始から正午になる午前中の期間をイベント時間帯として設定されているので、午前中の所与のタイミングをイベントタイミングETとし、イベントタイミングET時にサービスイベントのイベント値1000を投入数に加算する。イベントタイミングETは、イベント時間帯内でランダムに決定してもよいし、イベント時間帯内で予め決められた時刻(例えば、開店時)とすることもできる。
つまり、イベントタイミングET時点までは、サービスイベントのイベント値1000が加算される前の投入数と払出数とに基づいてペイアウト率を算出し、イベントタイミングET時後は、サービスイベントのイベント値1000が加算された投入数と払出数とに基づいてペイアウト率を算出する。
なお、本実施形態では、サービスイベントのイベントタイミングET時を、運営用入力部410からの入力情報に基づき設定するようにしてもよい。
3−1−2.サービスイベントの説明(例2)
本実施形態では、サービスイベントのイベント値が設定された場合には、払出数からサービスイベントのイベント値を減算した値と投入数とに基づいて、ペイアウト率を算出するようにしてもよい。このようにすれば、顧客に対してサービスイベントのイベント値分のメダル払出しサービスを提供できる。また、運営者はサービス提供に伴う遊技媒体数を容易に認識できる。
例えば、投入数にサービスイベントのイベント値を加算する例と同じように、図12に示すように、目標ペイアウト率が予め90%に設定されて、ゼロクリアしてからの1日目、2日目、3日目の営業終了後のT2、T3、T4時点では、ペイアウト率は90%と算出されている。
そして、4日目の営業開始前に、サービスイベントのイベント値が1000に設定された場合には、払出数からサービスイベントのイベント値1000を減算し、減算後の値と投入数とに基づきペイアウト率を求める。つまり、ペイアウト率は8000/10000=80%となる。したがって、3日目の営業終了後のT4時点よりもペイアウト率が90%から80%に下降(減少)変化させることになり、ペイアウト率の下降により、ペイアウト率が目標ペイアウト率よりも低くなり、抽選確率が上昇するように制御されることになる。つまり、4日目は、1、2、3日目よりもメダルの払出し枚数を多くするサービスを提供できる。また、運営者は、サービスとして提供する遊技媒体数が「1000」枚分というように、容易にサービス分を把握することができる。
図13(A)は、運営者がサービスイベントのイベント値を設定するための設定画面の一例である。つまり、本実施形態のゲーム装置10は、運営用入力部410からの入力情報に基づき、目標ペイアウト率の設定を行い、運営用入力部410からの入力情報に基づきサービスイベントのイベント値を設定する。ゲーム装置10は、目標ペイアウト率、サービスイベントのイベント値の数値が入力され、設定ボタン等の設定信号を受け取ると、目標ペイアウト率、サービスイベントのイベント値の数値を反映させる処理を行う。
例えば、サービスイベントのイベント値の設定信号を受け取ると、払出数からサービスイベントのイベント値を減算し、減算後の値を払出数として更新する。なお、払出数からサービスイベントのイベント値を減算後(サービスイベントのイベント値を払出数に計上後)は、サービスイベントのイベント値をゼロクリアする処理を行う。なお、本実施形態では、設定信号を受けた時点で、サービスイベントのイベント値を計上してもよいし、所与のイベントタイミングにイベント値を計上するようにしてもよい。
図13(B)は、サービスイベントのイベント値設定後の確認画面の一例を示す。例えば、図13(B)に示すように、投入数、払出数、サービスイベントのイベント値(払出数に含まれるサービスイベントのイベント値)、ペイアウト率(イベント有り)、ペイアウト率(イベント無し)とを表示させる。
イベント有りのペイアウト率は、投入数に対する、払出数からサービスイベントのイベント値を減算した値の割合である。一方、イベント無しのペイアウト率は、投入数(実際に投入口に投入されたメダルの枚数)に対する、払出数(実際の払出口に払い出されたメダルの枚数)の割合を示す。
また、本実施形態では、投入数にサービスイベントのイベント値を加算したときと同じように、サービスイベントを発生させるタイミングを設定できるようにしてもよい。例えば、図13(C)に示すように、午前中(モーニング)に、サービスイベントのイベント値を払出数から減算するイベント時間帯を設定できるようにしてもよい。
例えば、図13(C)の設定画面によれば、午前中にサービスイベントのイベント値1000を払出数から減算される。つまり、サービスイベントのイベントタイミングET時点までは、サービスイベントのイベント値1000が減算される前の払出数と、投入数とに基づいてペイアウト率を算出し、イベントタイミングET時後は、払出数からサービスイベントのイベント値1000を減算した値と投入数とに基づいてペイアウト率を算出する。なお、本実施形態では、イベントタイミングETを、イベント時間帯内でランダムに決めてもよいし、イベント時間帯内の予め決められたタイミング(営業開始時刻)に決めてもよい。また、イベントタイミングET時を、運営用入力部410からの入力情報に基づき設定するようにしてもよい。
3−2.蓄積イベントの説明
3−2−1.蓄積イベントの説明(例1)
本実施形態では、蓄積イベントのイベント値(第2のイベント値)が設定された場合には、投入数から蓄積イベントのイベント値を減算した値と払出数とに基づいて、ペイアウト率を算出する。このようにすれば、顧客に対してイベント値に相当するメダルの蓄積を図ることができる。また、運営者はメダルの蓄積分を容易に認識できる。また、サービスイベントを行った場合には、蓄積イベントによってサービスイベントの損失分を補填することができる。
例えば、図14に示すように、目標ペイアウト率が予め90%に設定されているとする。そして、例えば、ゲーム装置の投入数、払出数をゼロクリアしてから4日目の営業終了後のT5時点において、投入数が「11000」、払出数が「9000」であり、5日目の営業終了後のT6時点において、投入数が「12000」、払出数が「10800」であったとする。例えば、6日目の営業開始前に、運営者がメダルの蓄積を行いたいと考えた場合に、運営者は蓄積イベントのイベント値(第2のイベント値)を、例えば、1000に設定し、蓄積イベントのイベント値を投入数から減算することにより、ペイアウト率を上昇させてメダルの蓄積を行うことができる。なお、イベント得値は、所定範囲内(例えば、0〜1000の値域)とすることができる。
つまり、蓄積イベントのイベント値1000を投入数から減算することにより、投入数が「11000」に更新され、ペイアウト率は10800/11000=98.1%になる。すなわち、ペイアウト率は、90%から98.1%に上昇(増加)することになる。つまり、図14の例ではペイアウト率の上昇により、ペイアウト率が目標ペイアウト率よりも高くなり、抽選確率が下降するように制御されることになる。要するに、6日目のゲーム装置10の営業開始後では、メダルの払出し枚数を減らし、蓄積するように働きかけることができる。
要するに、プッシャー型のゲーム装置10は、物理的に既に投入した投入数を減算することができないが、運営者の操作により「1000」枚の減算を行うことによってペイアウト率が高くなるように変化させ、その結果、抽選確率を下降変動させるようにし、結果的に抽選処理で当たり難くすることができる。また、このようにすれば、運営者にとっての蓄積分が、メダル「1000」枚分というように、容易に蓄積分を把握することができる。
図15(A)は、運営者が蓄積イベントのイベント値を設定するための設定画面の一例である。本実施形態では、図15(A)に示すように、運営者が運営用入力部410を用いて目標ペイアウト率の数値、蓄積イベントのイベント値の数値を入力することができる。
つまり、本実施形態のゲーム装置10は、運営用入力部410からの入力情報に基づき、目標ペイアウト率の設定を行い、運営用入力部410からの入力情報に基づき蓄積イベントのイベント値を設定する。ゲーム装置10は、目標ペイアウト率、蓄積イベントのイベント値の数値が入力され、設定ボタン等の設定信号を受け取ると、目標ペイアウト率、蓄積イベントのイベント値の数値を反映させる処理を行う。
例えば、蓄積イベントのイベント値の設定信号を受け取ると、投入数から蓄積イベントのイベント値を減算し、減算後の値を投入数として更新する。なお、投入数から蓄積イベントのイベント値を減算後(蓄積イベントのイベント値を投入数に計上後)は、蓄積イベントのイベント値をゼロクリアする処理を行う。なお、本実施形態では、設定信号を受けた時点で、蓄積イベントのイベント値を計上してもよいし、所与のイベントタイミングにイベント値を計上するようにしてもよい。
図15(B)は、蓄積イベントのイベント値設定後の確認画面の一例を示す。例えば、図15(B)に示すように、投入数、払出数、蓄積イベントのイベント値、ペイアウト率(イベント有り)、ペイアウト率(イベント無し)とを表示させる。
イベント有りのペイアウト率は、投入数から蓄積イベントのイベント値を減算した値に対する、払出数の割合である。一方、イベント無しのペイアウト率は、投入数(実際に投入口に投入されたメダルの枚数)に対する、払出数(実際の払出口に払い出されたメダルの枚数)の割合を示す。
また、本実施形態では、蓄積イベントを発生させるタイミングを設定できるようにしてもよい。例えば、図15(C)に示すように、午前中(モーニング)に、蓄積イベントのイベント値を減算するイベント時間帯を設定できるようにしてもよい。
例えば、図15(C)の設定画面によれば、営業開始から正午になる午前中の期間をイベント時間帯として設定されているので、午前中の所与のタイミングをイベントタイミングET2とし、イベントタイミングET2時に蓄積イベントのイベント値1000を投入数から減算する。イベントタイミングET2は、イベント時間帯内でランダムに決定してもよいし、イベント時間帯内で予め決められた時刻(例えば、開店時)とすることもできる。
つまり、イベントタイミングET2時点までは、投入数から蓄積イベントのイベント値1000を減算する前の投入数と払出数とに基づいてペイアウト率を算出し、イベントタイミングET2時後は、蓄積イベントのイベント値1000が減算された投入数と払出数とに基づいてペイアウト率を算出する。
なお、本実施形態では、イベントタイミングET2時を、運営用入力部410からの入力情報に基づき設定するようにしてもよい。
3−2−2.蓄積イベントの説明(例2)
本実施形態では、蓄積イベントのイベント値が設定された場合には、払出数に蓄積イベントのイベント値を加算した値と投入数とに基づいて、ペイアウト率を算出し、メダルの蓄積を図るようにしてもよい。かかる場合も、運営者はメダルの蓄積分を容易に認識でき、サービスイベントを行った場合には、蓄積イベントによってサービスイベントの損失を補填することができる。
例えば、蓄積イベントのイベント値を投入数から減算する場合と同様に、図16に示すように、目標ペイアウト率が予め90%に設定されているとする。そして、例えば、ゲーム装置の投入数、払出数をゼロクリアしてから4日目の営業終了後のT5時点において、投入数が「11000」、払出数が「9000」であり、5日目の営業終了後のT6時点において、投入数が「12000」、払出数が「10800」であったとする。そして、例えば、6日目の営業開始前に、運営者がメダルの蓄積を図りたいと考えた場合に、運営者は蓄積イベントのイベント値を、例えば、1000に設定し、払出数に蓄積イベントのイベント値を加算することにより、ペイアウト率を上昇させてメダルの蓄積を行うことができる。
つまり、蓄積イベントのイベント値1000を払出数に加算することにより、払出数が「11800」に更新され、ペイアウト率は11800/12000=98.3%になる。すなわち、ペイアウト率は、90%から98.3%に上昇(増加)することになる。要するに、図16の例ではペイアウト率の上昇により、ペイアウト率が目標ペイアウト率よりも高くなり、抽選確率が下降するように制御されることになる。つまり、6日目のゲーム装置10の営業開始後では、メダルの払出し枚数を減らすように働きかけることができる。また、運営者にとっての蓄積分が、メダル「1000」枚分というように、容易にメダルの蓄積分を把握することができる。
図17(A)は、運営者が蓄積イベントのイベント値を設定するための設定画面の一例である。本実施形態では、蓄積イベントのイベント値を投入数から減算する場合と同様に、運営用入力部410からの入力情報に基づき、目標ペイアウト率の設定を行い、運営用入力部410からの入力情報に基づき蓄積イベントのイベント値を設定する。ゲーム装置10は、目標ペイアウト率、蓄積イベントのイベント値の数値が入力され、設定ボタン等の設定信号を受け取ると、目標ペイアウト率、蓄積イベントのイベント値の数値を反映させる処理を行う。
例えば、蓄積イベントのイベント値の設定信号を受け取ると、払出数に蓄積イベントのイベント値を加算し、加算後の値を払出数として更新する。なお、蓄積イベントのイベント値を払出数に加算後(蓄積イベントのイベント値を払出数に計上後)は、蓄積イベントのイベント値をゼロクリアする処理を行う。なお、本実施形態では、設定信号を受けた時点で、蓄積イベントのイベント値を計上してもよいし、所与のイベントタイミングにイベント値を計上するようにしてもよい。
図17(B)は、蓄積イベントのイベント値設定後の確認画面の一例を示す。イベント有りのペイアウト率は、投入数に対する、払出数に蓄積イベントのイベント値を加算した値の割合である。一方、イベント無しのペイアウト率は、実際に投入口に投入されたメダルの枚数に対する、実際の払出口に払い出されたメダルの枚数の割合を示す。
また、本実施形態では、蓄積イベントのイベント値を投入数から減算する場合と同様に、蓄積イベントを発生させるタイミングを設定できるようにしてもよい。例えば、図17(C)に示すように、午前中(モーニング)に、蓄積イベントのイベント値を減算するイベント時間帯を設定できるようにしてもよい。
例えば、図17(C)の設定画面によれば、午前中の所与のタイミングをイベントタイミングET2とし、イベントタイミングET2時に蓄積イベントのイベント値1000を払出数に加算する。イベントタイミングET2は、イベント時間帯内でランダムに決定してもよいし、イベント時間帯内で予め決められた時刻(例えば、開店時)とすることもできる。
つまり、イベントタイミングET2時点までは、蓄積イベントのイベント値1000を加算する前の払出数と、投入数とに基づいてペイアウト率を算出し、イベントタイミングET2時後は、蓄積イベントのイベント値1000を加算した払出数と投入数とに基づいてペイアウト率を算出する。なお、本実施形態では、イベントタイミングET2時を、運営用入力部410からの入力情報に基づき設定するようにしてもよい。
3−3.フローチャート
図18は、本実施形態の処理のフローを示す。まず、本実施形態において営業開始してから営業終了するまで(ゲーム装置10が稼動開始してから終了するまで)の処理の流れについて説明する。
まず、サービスイベントのイベントタイミングか否かを判断する(ステップS1)。サービスイベントのイベントタイミングである場合(ステップS1のY)には、投入数にサービスイベントのイベント値を加算する処理、または、払出数からサービスイベントのイベント値を減算する処理を行う(ステップS2)。サービスイベントのイベントタイミングでない場合(ステップS1のN)には、次に進む。
次に、蓄積イベントのイベントタイミングか否かを判断する(ステップS3)。蓄積イベントのイベントタイミングである場合には(ステップS3のY)、投入数から蓄積イベントのイベント値を減算する処理、または、払出数に蓄積イベントのイベント値を加算する処理を行う(ステップS4)。蓄積イベントのイベントタイミングでない場合(ステップS3のN)には、次に進む。
次に、メダル投入を検知したか否かを判断する(ステップS5)。メダル投入を検知した場合には、(ステップS5のY)、投入数をカウントする(ステップS6)。つまり、投入数をインクリメントする。メダル投入を検知しない場合には、次に進む(ステップS5のN)。
次に、メダル払出しを検知したか否かを判断する(ステップS7)。メダル払出しを検知した場合には、(ステップS7のY)、払出数をカウントする(ステップS6)。つまり、払出数をインクリメントする。メダル払出しを検知しない場合には、次に進む(ステップS5のN)。
次に、ペイアウト率を、払出数/投入数により算出する(ステップS9)。そして、目標ペイアウト率と、算出されたペイアウト率とに基づいて、抽選確率を変更する(ステップS10)。駆動をし続ける場合には(ステップS11のN)には、S1に戻り、駆動を終了した場合(ステップS11のY)には、処理を終了する。以上で処理が終了する。
4.複数のゲーム装置で構成されるゲームシステムの例
なお、本実施形態は、サーバ20と複数のゲーム装置10とが相互にネットワークを介して接続されるゲームシステム30を提供してもよい。
図19は、本実施形態におけるゲームシステム30の概要図である。本実施形態のゲームシステム30は、複数のゲーム装置10と、ゲームシステム全体を管理するサーバ20とによって構成される。本実施形態のゲームシステム30は、6台のゲーム装置10a〜10fと、サーバ20とが通信回線を介して接続されている。
本実施形態のゲームシステム30(サーバ20、或いは、ゲームシステム30を管理する代表ゲーム装置(例えば、ゲーム装置10a))が、各ゲーム装置10a〜10fのサービスイベントのイベント値の設定や、サービスイベントタイミング、サービスイベント時間帯の設定を行うようにしてもよい。また、サーバ20、或いは、代表ゲーム装置が、各ゲーム装置10a〜10fの、蓄積イベントのイベント値の設定や、蓄積イベントタイミング、蓄積イベント時間帯の設定を行うようにしてもよい。
サーバ20、あるいは、代表ゲーム装置がサービスイベント、蓄積イベントの設定を行う場合には、各ゲーム装置10a〜10fの全体の投入数、各ゲーム装置10a〜10fの全体の払出数を計測し、各ゲーム装置10a〜10fの全体のサービスイベントのイベント値の設定や、サービスイベントタイミング、サービスイベント時間帯の設定、及び、各ゲーム装置10a〜10fの全体の蓄積イベントのイベント値の設定や、蓄積イベントタイミング、蓄積イベント時間帯の設定を行うようにしてもよい。
なお、サーバ20が、サービスイベント、蓄積イベントを制御する場合には、サーバ20の表示部に、サービスイベント、蓄積イベントの設定画面、確認画面を表示させるようにしてもよい。
ゲームシステム30は、各ゲーム装置10a〜10fにおいて投入されたメダルの一部を逐次蓄積し、抽選の結果、いずれかのゲーム装置10においてジャックポットが当選したと判定した場合に、そのゲーム装置10の払出装置から、蓄積されたメダルの全部又は一部を払い出す処理(ジャックポット処理)を行うようにしてもよい。ジャックポット処理によって払い出された払出数は、例外的にカウントしないようにしてもよい。
また、各ゲーム装置10a〜10fが別個独立に、サービスイベントのイベント損値の設定や、サービスイベントタイミング、サービスイベント時間帯の設定を行うようにしてもよい。また、各ゲーム装置10a〜10fが別個独立に、蓄積イベントのイベント値の設定や、蓄積イベントタイミング、蓄積イベント時間帯の設定を行うようにしてもよい。
4−1.ゲームシステムのサービスイベント、蓄積イベントの設定
本実施形態のゲームシステムは、複数のゲーム装置のうち少なくとも1つのゲーム装置についてサービスイベントのイベント値(第1のイベント値)を設定し、残りの一部又は全てのゲーム装置について蓄積イベントのイベント値(第2のイベント値)を設定するようにしてもよい。かかる場合には、各ゲーム装置のサービスイベントのイベント値の合計値と、各ゲーム装置の蓄積イベントのイベント値の合計値とが同じ値になるように、サービスイベントのイベント値と蓄積イベントのイベント値とを設定する。このようにすれば、運営者が特定のゲーム装置に提供したサーブス分の遊技媒体数を、蓄積分の遊技媒体数によって補填することができる。
例えば、これらの設定はサーバ20で行ってもよいし、代表のゲーム装置が行ってもよい。つまり、サーバ20又は代表のゲーム装置は、ゲーム装置10a〜10fの中から、サービスイベント用のゲーム装置と、蓄積イベント用のゲーム装置とを選択し、サービスイベント用のゲーム装置には、サービスイベントのイベント値を設定し、蓄積イベント用のゲーム装置は、蓄積イベントのイベント値を設定する。
そして、サーバ20又は代表のゲーム装置は、各ゲーム装置に、当該ゲーム装置の設定情報を、有線又は無線の通信回線11を介して各ゲーム装置に送信する。各ゲーム装置は、サーバ20又は代表のゲーム装置から設定情報を受信すると、その設定情報をゲーム装置10の記憶部300に記憶する処理を行う。
このようにすれば、本実施形態のゲームシステム30は、例えば、特定のゲーム装置10aにサービスを提供することができ、しかも、ゲームシステム全体として、サービスイベントのイベント値と蓄積イベントのイベント値とが同じ値となるため、サービス分と蓄積分とが相殺され、結果的に、運営者にとって損を発生させないようにすることができる。以下、サービスイベントの設定例について詳細に説明する。
4−1−1.ゲームシステムのサービスイベントの設定例1
図20は、ゲームシステムのイベントの設定例を示す図である。例えば、ゲーム装置10a〜10fから構成されるゲームシステム30において、サービスイベント用のゲーム装置10aには、サービスイベントのイベント値=1000を設定し、蓄積イベント用のゲーム装置10b〜10fは、それぞれ蓄積イベントのイベント値=200を設定する。
このように、本実施形態では、特定のゲーム装置10aのみに、1000枚分の払出しを増加させるようなサービスを提供することができ、一方、ゲーム装置10b〜10fについては、合計で1000枚分のメダルの蓄積を図ることができる。
図21は、サービスイベントの設定画面の一例を示す。本実施形態のゲームシステム30は、(サーバ20、或いは、代表のゲーム装置10でもよい、以下同様)は、入力部(ゲーム装置10の場合、運営用入力部410)からの入力情報に基づき、ゲームシステムを構成するゲーム装置10a〜10fのうち、少なくとも1つのゲーム装置をサービスイベントの対象とする。例えば、図21に示すように、入力情報に基づいて、複数のゲーム装置10a〜10f(a〜f)のうち、サービスイベントのイベント値を設定する対象のゲーム装置10aの選択を受け付け、選択されたゲーム装置10aを、サービスイベントのイベント値=1000として設定する。
なお、本実施形態のゲームシステム30は、特定のゲーム装置に提供するサービス分を補填するためにメダルを蓄積する必要があるため、蓄積イベント対象となるゲーム装置が必要となる。つまり、ゲーム装置10a〜10fのうち、少なくとも1つは蓄積イベントの対象となる。つまり、本実施形態のゲームシステム30は、6台のゲーム装置で構成されているので、最大、5台までサービスイベントのイベント値を設定することができる。なお、予め、サービスの台数を所定数に制限するようにしてもよい。
また、ゲームシステム30は、サービス対象として選択されたゲーム装置10aについて、入力情報に基づき、サービスイベントのイベント値を設定することができる。また、ゲームシステム30は、サービス対象として選択されたゲーム装置10aについて、入力情報に基づき、サービスイベントのイベント値を投入数或いは払出数に計上する時間帯を設定することができる。
例えば、ゲーム装置10aについては、イベント時間帯が「午前」であるので、午前中の所与のタイミングをイベントタイミングとし、イベントタイミングにサービスイベントのイベント値1000を投入数に加算する(或いは、サービスイベントのイベント値1000を払出数から減算する)。イベントタイミングは、イベント時間帯内でランダムに決定してもよいし、イベント時間帯内で予め決められた時刻(例えば、開店時)とすることもできる。なお、イベントタイミングを入力情報に基づき設定するようにしてもよい。
また、本実施形態のゲームシステム30は、図21に示すように、選択されなかったゲーム装置10b〜10fの蓄積イベントのイベント値の蓄積バランスを示す「均等」又は「不均等」の選択を受け付け、「均等」の選択を受け付けた場合には、各ゲーム装置10b〜10fの蓄積イベントのイベント値が均等になるように、当該各ゲーム装置の10b〜10f蓄積イベントのイベント値を設定する。
例えば、「均等」の選択を受け付けた場合には、図20に示すように、各ゲーム装置の10b〜10f蓄積イベントのイベント値を「200」に設定する。より具体的には、サービスイベントの各ゲーム装置(サービスイベントのイベント値を設定する対象の各ゲーム装置)のサービスイベントのイベント値の合計値を、蓄積イベントのゲーム装置の台数(蓄積イベントのイベント値を設定する対象のゲーム装置の台数)で除法した値(割った値)を、蓄積イベントの各ゲーム装置のイベント値とする。
なお、本実施形態のゲームシステム30は、営業時間外(例えば、営業開始前にその日)に、ゲームシステム30のサービスイベントの設定が可能である。
このように、図20、21のサービスイベントの設定例のように、運営者が、「均等」の選択を行う場合には、蓄積対象の各ゲーム装置について、メダルの蓄積度合いを均等にすることができる。
4−1−2.ゲームシステムのサービスイベントの設定例2
図22は、ゲームシステムのイベントの設定の他の例を示す図である。例えば、ゲーム装置10a〜10fから構成されるゲームシステム30において、サービスイベント用のゲーム装置10a、10d、10eを選択し、ゲーム装置10aには、サービスイベントのイベント値=800を設定し、ゲーム装置10dには、サービスイベントのイベント値=400を設定し、ゲーム装置10eには、サービスイベントのイベント値=500を設定する。
このように、本実施形態では、特定のゲーム装置10a、10d、10eにサービスを提供(合計で1700枚分のサービスを提供)することができ、一方、残りのゲーム装置10b、10c、10fについては、合計で1700枚分の蓄積を図ることができる。
図23は、サービスイベントの設定画面の一例を示す。例えば、図23に示すように、ゲームシステム30は、入力情報に基づいて、複数のゲーム装置10a〜10f(a〜f)のうち、サービスイベントのイベント値を設定する対象のゲーム装置10a、10d、10eの選択を受け付け、ゲーム装置10aには、サービスイベントのイベント値=800を設定し、ゲーム装置10dには、サービスイベントのイベント値=400を設定し、ゲーム装置10eには、サービスイベントのイベント値=500を設定する。
また、ゲームシステム30は、サービス対象として選択された各ゲーム装置10a、10d、10eについて、入力情報に基づき、サービスイベントのイベント値を投入数或いは払出数に計上する「イベント時間帯」を設定することができる。
例えば、ゲーム装置10aについては、イベント時間帯が「午前」であるので、午前中の所与のタイミングをイベントタイミングとし、イベントタイミングにサービスイベントのイベント値800を投入数に加算する(或いは、サービスイベントのイベント値800を払出数から減算する)。
また、ゲーム装置10dについては、イベント時間帯が「午後」であるので、午後(例えば、正午から営業終了まで)の所与のタイミングをイベントタイミングとし、イベントタイミングにサービスイベントのイベント値400を投入数に加算する(或いは、サービスイベントのイベント値400を払出数から減算する)。
また、ゲーム装置10dについては、イベント時間帯が「夜間」であるので、夜間(例えば、18時から営業終了まで)の所与のタイミングをイベントタイミングとし、イベントタイミングにサービスイベントのイベント値500を投入数に加算する(或いは、サービスイベントのイベント値500を払出数から減算する)。
また、本実施形態のゲームシステム30は、選択されなかったゲーム装置10b、10c、10fの蓄積イベントのイベント値の蓄積バランスを示す「均等」又は「不均等」の選択を受け付け、「均等」の選択を受け付けた場合には、各ゲーム装置10b、10c、10fの蓄積イベントのイベント値が均等になるように、当該各ゲーム装置の10b、10c、10f蓄積イベントのイベント値を設定する。
一方、図23に示すように、「不均等」の選択を受け付けた場合には、各ゲーム装置10b、10c、10fの蓄積イベントのイベント値が不均等になるように、当該各ゲーム装置の10b、10c、10f蓄積イベントのイベント値を設定する。
例えば、図22に示すように、選択されなかったゲーム装置10bの蓄積イベントのイベント値を「100」、ゲーム装置10cの蓄積イベントのイベント値を「700」、ゲーム装置10fの蓄積イベントのイベント値を「900」に設定する。より具体的には、サービスイベントの各ゲーム装置(サービスイベントのイベント値を設定する対象の各ゲーム装置)のサービスイベントのイベント値の合計値を計算する。そして、選択されなかった各ゲーム装置の蓄積イベントのイベント値の合計値が、サービスイベントのイベント値の合計値となるように、所与の特性変換を用いて各ゲーム装置の蓄積イベントのイベント値を計算する。例えば、ランダム関数や、ノイズ関数などの特性変換関数を用いて、各ゲーム装置の蓄積イベントのイベント値が、互いに異なるように計算する。
なお、「不均等」の選択を受け付けた場合には、選択されなかったゲーム装置10b、10c、10fのうち、蓄積の対象とならないゲーム装置(サービス対象でも蓄積対象でもないゲーム装置)があってもよい。言い換えると、「不均等」の選択を受け付けた場合には、選択されなかったゲーム装置10b、10c、10fのうち、蓄積イベントのイベント値=0になるゲーム装置があってもよい。
このように、図22、23のサービスイベントの設定例のように、運営者が、「不均等」の選択を行う場合には、蓄積対象の各ゲーム装置について、蓄積度合いを不均等にして多様化にすることができる。
4−1−3.ゲームシステムのサービスイベントの設定例3
本実施形態では、サービスイベントの対象となるゲーム装置を、ランダムに選択するようにしてもよい。かかる場合には、サービスイベントの対象となる台数を最大数の範囲内で予め設定できるようにしてもよい。また、サービスイベントの対象となるゲーム装置に設定するサービスイベントのイベント値(第1のイベント値)、イベント時間帯も予め設定できるようにしてもよい。
4−2.応用例
本実施形態では、サービスイベントの設定例について説明したが、蓄積イベント対象のゲーム装置を選択し、蓄積イベントのイベント値(第2のイベント値)や蓄積イベントの時間帯を指定できるようにしてもよい。なお、ゲームシステム30が、蓄積イベントを設定する場合には、各ゲーム装置のサービスイベントのイベント値(第1のイベント値)の合計値と、各ゲーム装置の蓄積イベントのイベント値の合計値とが同じ値になるように、サービスイベントのイベント値と蓄積イベントのイベント値とを設定するようにしてもよい。
5.ゲーム装置の応用例
本実施形態のゲーム装置10は、抽選確率が変化し、抽選確率に基づき抽選処理を行うゲーム装置(例えば、スロットマシン)に応用してもよい。また、プッシャー型のゲーム装置である場合の遊技媒体は、メダルに限らず、お菓子、おもちゃなどでもよい。
なお、ビンゴゲームのような抽選体を使ったゲームでは、抽選体の出現率の調整を上記のイベント値に基づいて行うようにしてもよい。
また、ポーカーゲームのようなカードを使ったゲームでは、カードの出現率の調整を上記のイベント値に基づいて行うようにしてもよい。