JP2012004635A - 温度可変減衰器 - Google Patents

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Abstract

【課題】高周波においても、V.S.W.Rの劣化がなく、入手性の良い負温度係数温度可変抵抗器を用いて所望の特性が容易に得られるようにする。
【解決手段】伝送線路1に直列に、略λ/4の長さの線路からなる2つの第1遅延回路14が接続され、これら第1遅延回路14の両端に、略λ/4の長さの線路からなる第2遅延回路15が接続され、この第2遅延回路15と接地との間に、負温度係数のサーミスタ16及び固定抵抗器5からなる温度可変抵抗体17が接続される。即ち、第1遅延回路14と1対の第2遅延回路15と1対の温度可変抵抗体17にて構成したπ型回路が2組配置され、また4個の同一の負温度係数のサーミスタ16が使用される。これによれば、サーミスタ16により生じるリアクタンス成分がπ型回路によって相殺され、V.S.W.Rが良好な値に維持される。
【選択図】図1

Description

本発明は温度可変減衰器、特に周囲温度に応じて減衰量を変えることができる温度可変減衰器の構成に関する。
図10には、従来の温度可変減衰器(下記特許文献1)の構成が示されており、この減衰器では、伝送線路1において使用周波数の略λ/4(λ:使用周波数の波長)の長さの2つの線路(遅延回路)2が設けられ、この2つの線路2のそれぞれを挟む3つの点と接地(GND)との間に、サーミスタ4及び抵抗器5からなる抵抗体(温度可変抵抗体)6が並列に3組配置されている。
図11には、上記図10の温度可変減衰器の等価回路、図12には、当該減衰器における減衰量対抵抗値の特性が示されており、図11のように、上記抵抗体6はRaとRbの可変抵抗値を持つことになる。このような減衰器(低周波での動作)では、周囲温度が上昇すると、図10の抵抗体6は正温度係数抵抗体であるため、図12に示されるように、抵抗体5の抵抗値Ra及びRbが上昇して減衰量は低下し、反対に周囲温度が下降するときは逆の動作となる。
そして、この温度可変減衰器が特性インピーダンスZに整合している場合、上記Ra及びRbの抵抗値と減衰量Lとの関係は、図12に示す特性の下、その関係式は次の式に示すようになる。
Figure 2012004635
Figure 2012004635
ここで、Lは減衰量(dB)、Zは特性インピーダンスである。
特開2009−200671号公報
しかしながら、従来の温度可変減衰器では、第1に、上記サーミスタ4等の温度可変抵抗器が使用されており、この温度可変抵抗器が持つリアクタンス成分により高周波においてV.S.W.R(電圧定在波比)が劣化するという問題がある。
図13(A)には、温度可変抵抗器である一般的なチップ型温度可変抵抗器(サーミスタ)の側面断面図が示され、図13(B)にはその等価回路が示されている。図13(A)において、温度可変抵抗器8は、両端の電極9と、この電極9に接続される2つの固定導体板10を有し、この固定導体板10は、常温の抵抗値を調整するために、温度で変化する抵抗体内部に挿入される。従って、2つの固定導体板10の間にコンデンサ成分が生じ、図13(B)に示されるように、温度可変抵抗器の等価回路では、純粋な抵抗Rに並列にリアクタンス成分であるコンデンサCが付加される。
図14には、温度可変抵抗器を用いた場合の高周波での等価回路が示されており、この図14に示されるように、温度可変減衰器でも、抵抗Raに並列にリアクタンス成分Xa、抵抗Rbに並列にリアクタンス成分Xbが付加され、従来の温度可変減衰器においては、このリアクタンス成分Xa,Xbの影響により高周波においてV.S.W.Rが劣化するという問題がある。
図15には、低周波(L−Band帯)における周囲温度と減衰量及びV.S.W.Rとの関係、図16には、高周波(Ku−Band帯)における周囲温度と減衰量及びV.S.W.Rとの関係が示されており、これらの図から分かるように、減衰量については低周波と高周波に大きな差異はないが、回路の整合性の指針であるV.S.W.Rは、低周波(L−Band帯)に比べて高周波(Ku−Band帯)の方が劣化することになる。このV.S.W.Rは、完全に特性インピーダンスと整合されたときは数値1.0であるが、アンプ及びミキサ等の他の回路との接続において好ましいレベルは、一般的に1.2以下である。
なお、上記V.S.W.Rを劣化させるコンデンサC成分は温度可変抵抗の定数毎に異なるため、温度可変減衰器の減衰特性を変える目的で温度可変抵抗器の抵抗を変更した際には、上記V.S.W.Rの劣化度も変化し安定した特性を維持することが困難となる。
第2に、従来の温度可変減衰器に用いられる正温度係数温度可変抵抗器は、負温度係数温度可変抵抗器に比べて常温における抵抗値及び温度変化幅の種類が僅少であり、所望の特性が得られ難いという問題がある。
一般に、温度可変減衰器は、アンプやミキサ等の回路と組み合わせた複合回路において、その複合回路の利得温度変動を緩和するために使用される。そのため、この複合回路が低温になった場合は、図15及び図16の減衰量特性線にも示されるように、温度可変減衰器の減衰量を増加させ、逆に高温に推移した場合には減衰量を低下させる動作が要求される。即ち、図12に示した抵抗値と減衰量との関係から分かるように、従来の温度可変減衰器に使用される温度可変抵抗器8(及び図11の6)は、正温度係数であることが理解できる。
しかしながら、実際には正温度係数温度可変抵抗器は、負温度係数温度可変抵抗器に比べて常温における抵抗値及び温度変化幅の種類が僅少であるため、所望の特性が得られ難いという不都合がある。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、高周波においても、V.S.W.Rの劣化がなく、入手性の良い負温度係数温度可変抵抗器を用いて所望の特性が容易に得られる温度可変減衰器を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1の発明に係る温度可変減衰器は、伝送線路に直列に接続され、使用周波数の略1/4波長の奇数倍の透過位相を有する第1遅延回路と、この第1遅延回路の両端のそれぞれに接続され、使用周波数の略1/4波長の奇数倍の透過位相を有する1対の第2遅延回路と、この1対の第2遅延回路のそれぞれと接地との間に配置され、負温度係数温度可変抵抗器及び固定抵抗器が並列に接続された1対の温度可変抵抗体と、を備え、上記第1遅延回路、1対の第2遅延回路及び1対の温度可変抵抗体にてπ型回路を構成するようにしたことを特徴とする。
請求項2の発明は、上記第1遅延回路、1対の第2遅延回路及び1対の温度可変抵抗体からなるπ型回路を少なくとも2組、伝送線路に直列に接続したことを特徴とする。
上記請求項1の構成によれば、温度可変抵抗体により生じるリアクタンス成分がπ型構成の第1遅延回路及び第2遅延回路によって相殺され、高周波においても、特性インピーダンスに対する整合の悪化が僅少となり、V.S.W.Rは良好な値に維持される。また、負温度係数温度可変抵抗器により、低温に推移する場合は減衰量が増加し、逆に高温に推移する場合は減衰量が低下するという動作が維持される。
上記請求項2の構成によれば、2組以上のπ型回路によって、温度可変減衰器において更に良好なV.S.W.R値を得ることができる。
本発明の温度可変減衰器によれば、高周波においても、劣化のない良好なV.S.W.R値が得られ、高周波にも対応できるという効果を奏し、また入手性の良い負温度係数温度可変抵抗器を用いて所望の温度可変特性が容易に得られるという利点がある。
本発明の実施例に係る温度可変減衰器の構成を示す回路図である。 実施例の温度可変減衰器の等価回路を示す図である。 実施例におけるL−Band帯での周囲温度と減衰量及びV.S.W.Rとの関係を示すグラフ図である。 実施例におけるKu−Band帯での周囲温度と減衰量及びV.S.W.Rとの関係を示すグラフ図である。 実施例の温度可変減衰器のリアクタンス等価回路を示す図である。 実施例の温度可変減衰器における1組のπ型回路のリアクタンス等価回路を示す図である。 実施例の温度可変減衰器のV.S.W.R補償を説明するための図である。 実施例の温度可変減衰器の動作を説明するための回路図である。 実施例減衰器のKu−Band帯での周囲温度と減衰量及び抵抗値との関係を示すグラフ図である。 従来の温度可変減衰器の構成を示す回路図である。 従来の温度可変減衰器の低周波での等価回路を示す図である。 従来の温度可変減衰器の減衰量と抵抗値との関係を示すグラフ図である。 従来のチップ温度可変抵抗器の側面断面図[図(A)]及びその等価回路図[図(B)]である。 従来の温度可変減衰器の高周波での等価回路を示す図である。 従来におけるL−Band帯での周囲温度と減衰量及びV.S.W.Rとの関係を示すグラフ図である。 従来におけるKu−Band帯での周囲温度と減衰量及びV.S.W.Rとの関係を示すグラフ図である。
図1には、本発明の実施例に係る温度可変減衰器の構成が示されており、図1に示される伝送線路1は、マイクロストリップライン、コプレーナーウェーブガイド等であり、この伝送線路1には、使用周波数の波長をλとすると、略λ/4の長さ(略λ/4の奇数倍の長さ)の線路からなる第1遅延回路(λ/4分布定数線路)14が2つ設けられる。そして、この2つの第1遅延回路14のそれぞれにおいて、その第1遅延回路14の両端に、略λ/4の長さ(略λ/4の奇数倍の長さ)の線路からなる第2遅延回路15が接続され、この第2遅延回路15と接地(GND)との間に、負温度係数のサーミスタ(負温度係数温度可変抵抗器)16及び固定抵抗器5からなる温度可変抵抗体17が接続される。即ち、第1遅延回路14と1対の第2遅延回路15と1対の温度可変抵抗体17にてπ型回路が構成され、実施例では、このπ型回路が2組配置され、また4個の同一特性の負温度係数サーミスタ16が使用されることになる。
図2には、実施例の温度可変減衰器の等価回路が示されており、実施例によれば、λ/4の長さの第1遅延回路14の両端のそれぞれと接地との間に、抵抗値Rとリアクタンス成分Xが並列に存在することになり、このようなπ型回路によって、良好なV.S.W.R値を得ることができる。
図3には、実施例における低周波であるL−Band帯の周囲温度に対する減衰量及びV.S.W.Rの値、図4には、高周波であるKu−Band帯の周囲温度に対する減衰量及びV.S.W.Rの値が示されており、これらを従来の図15及び図16と比較すると、低周波において、減衰量、V.S.W.Rは共に従来と同様に良好な値が得られ、また高周波においては、V.S.W.R値が1.2以下となり、従来のような悪化がなく、大幅に改善していることが分かる。
次に、実施例においてV.S.W.Rが改善する理由を、図5乃至図7により説明する。即ち、図2の等価回路のリアクタンス成分Xに着目すると、V.S.W.Rの悪化をもたらすリアクタンス成分Xは従来回路の場合と同値であるが、図5に示されるように、リアクタンス成分Xは、伝送線路1に設けられたλ/4の第1遅延回路14を介して、接地に対しπ型回路となるように接続され、このπ型回路が2組、直列に配置される形になる。
そして、このπ型回路の1組に着目すると、図6の等価回路のようになるが、この回路において、図のa点〜d点から矢印方向を見たときのインピーダンスは、図7に示されるようになる。図7は、インピーダンスをスミスチャートで示したものであるが、a点で整合状態にあっても、b点では一方のリアクタシス成分Xの影響によって特性インピーダンスに対する整合から逸脱し、更にλ/4の第1遅延回路14により90°位相が回転することによりc点に移行するが、入力端であるd点では、他方のリアクタンス成分Xが上記リアクタンス成分Xの影響を打ち消すように働くことで、概ね特性インピーダンスに対する整合点(V.S.W.R=1.0)となる。
実施例では、このようなπ型回路を2組、直列接続することで、温度可変減衰器のリアクタンス成分Xの影響が相殺により解消されることとなり、高周波においても特性インピーダンスに対する整合の悪化が僅少となる。
図8には、実施例の温度可変減衰器においてリアクタンス成分Xが相殺された等価回路が示され、図9には、実施例の高周波(Ku−Band帯)での周囲温度に対する抵抗値(R)及び減衰量(L)の値が示されている。図8に示されるように、リアクタンス成分Xの影響が解消された実施例においては、第1遅延回路14の両端のそれぞれと接地との間に、λ/4の第2遅延回路15と温度可変抵抗体17が直列接続されたものとなり、この温度可変抵抗体17の抵抗値Rは、負温度係数サーミスタ16と固定抵抗器5との並列抵抗値となる。
そして、上記抵抗値Rと減衰量及びV.S.W.Rとの関係は、次の式3、式4で表わされる。
Figure 2012004635
Figure 2012004635
そして、図9の抵抗値特性線に示されるように、本発明がπ型回路の構成にすることから、上記温度可変抵抗体17の抵抗値Rは、負温度係数(温度上昇に伴って抵抗値が低くなる特性)を持つものとなり、これによって、図9の減衰量特性線のように、温度上昇に伴って減衰量が低下する特性を得ることができる。即ち、上述のように、温度可変減衰器はアンプやミキサ等の回路と組み合わせた複合回路等において利得温度変動を緩和するために使用され、低温になると減衰量を増加させ、逆に高温になると減衰量を低下させる動作が要求されるが、実施例では、π型回路の構成に対応して、負温度係数の温度可変抵抗体17を用いることにより、上記動作を確保することができる。従って、本発明では、このための温度可変抵抗体17として、多くの種類について入手性の高い負温度係数のものを用いることにより、温度可変減衰器において所望の特性を得ることができるという利点がある。
実施例では、π型回路を2組配置したが、このπ型回路は、1組でも、3組以上でもよい。
1…伝送線路、 2…λ/4線路、
4…正温度係数サーミスタ、 5…固定抵抗器、
6,17…温度可変抵抗体、 8…温度可変抵抗器、
9…電極、 10…固定導体板、
14…λ/4の第1遅延回路、15…λ/4の第2遅延回路、
16…負温度係数サーミスタ。

Claims (2)

  1. 伝送線路に直列に接続され、使用周波数の略1/4波長の奇数倍の透過位相を有する第1遅延回路と、
    この第1遅延回路の両端のそれぞれに接続され、使用周波数の略1/4波長の奇数倍の透過位相を有する1対の第2遅延回路と、
    この1対の第2遅延回路のそれぞれと接地との間に配置され、負温度係数温度可変抵抗器及び固定抵抗器が並列に接続された1対の温度可変抵抗体と、を備え、
    上記第1遅延回路、1対の第2遅延回路及び1対の温度可変抵抗体にてπ型回路を構成するようにした温度可変減衰器。
  2. 上記第1遅延回路、1対の第2遅延回路及び1対の温度可変抵抗体からなるπ型回路を少なくとも2組、伝送線路に直列に接続したことを特徴とする請求項1記載の温度可変減衰器。
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