JP2012004476A - 発光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性が改善され、高出力化が容易な発光装置を提供する。
【解決手段】第1のリードと、一方の端部が前記第1のリードの一方の端部と対向した第2のリードと、発光素子と、透明樹脂からなる成型体と、を備えた発光装置が提供される。前記第1のリードは、主面および前記主面に設けられた凹部を有するダイパッド部と、前記主面の上方に折り曲げられた屈曲部と、を有する。前記発光素子は、前記凹部の底面に接着される。前記成型体は、前記発光素子と、前記屈曲部と、前記ダイパッド部と、前記第2のリードの前記一方の端部と、を覆い、前記第1のリードの他方の端部および前記第2のリードの他方の端部をそれぞれ突出させる。前記成型体の重心の位置は、前記凹部の前記底面とは反対側となる前記ダイパッド部の下面と前記屈曲部の上端を含む面との間、かつ上方からみて前記発光素子の領域内とされる。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、発光装置に関する。
車載エクステリアや信号機、各種の照明などに用いる発光装置には、高出力かつ高温動作において安定した電気的および光学的特性であることが要求される。
リードフレームに凹部を設け、発光素子から放出された光を上方に反射すると高出力とすることができる。しかしながら、リードフレームによる反射を増やそうとすると、リードフレームは大きくなり封止樹脂の体積が増大する。
一般に封止樹脂の線膨張係数はリードフレームや発光素子の線膨張係数よりも大きいので、リードフレームや発光素子に対して降温時には圧縮応力、昇温時には引張応力が作用する。封止樹脂の体積が増大すると、温度変化による応力が増大する。このために、リードフレームと封止樹脂との間、および発光素子と封止樹脂と、の間に剥離などを生じ、発光素子の電気的および光学的特性が変化する場合がある。
特開2004−363533号公報
耐熱性が改善され、高出力化が容易な発光装置を提供する。
実施形態によれば、第1のリードと、一方の端部が前記第1のリードの一方の端部と対向した第2のリードと、発光素子と、透明樹脂からなる成型体と、を備えた発光装置が提供される。前記第1のリードは、主面および前記主面に設けられた凹部を有するダイパッド部と、前記主面の上方に折り曲げられた屈曲部と、を有する。前記発光素子は、前記凹部の底面に接着される。前記成型体は、前記発光素子と、前記屈曲部と、前記ダイパッド部と、前記第2のリードの前記一方の端部と、を覆い、前記第1のリードの他方の端部および前記第2のリードの他方の端部をそれぞれ突出させる。前記成型体の重心の位置は、前記凹部の前記底面とは反対側となる前記ダイパッド部の下面と前記屈曲部の上端を含む面との間、かつ上方からみて前記発光素子の領域内とされることを特徴とする。
図1(a)は第1の実施形態にかかる発光装置の模式斜視図、図1(b)は模式平面図、図1(c)はA−A線に沿った模式断面図、である。 図2(a)は比較例にかかる発光装置の模式平面図、図2(b)はB−B線に沿った模式断面図、である。 応力シミュレーションのモデルとした発光装置の模式断面図である。 図4(a)は応力の樹脂厚LBに対する依存性を示すグラフ図、図4(b)は応力の向きを示す模式断面図、である。 図5(a)は第2の実施形態にかかる発光装置の模式平面図、図5(b)はC−C線に沿った模式断面図、図5(c)はフレネルレンズの模式断面図、である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
図1(a)は第1の実施形態にかかる発光装置の模式斜視図、図1(b)は模式平面図、図1(c)はA−A線に沿った模式断面図、である。
発光装置は、第1のリード10、第2のリード20、発光素子30、透明樹脂からなる成型体40、を備えている。
第1のリード10は、一方の端部側に設けられたダイパッド部12と、ダイパッド部12の主面12aの上方に向かって折り曲げられた屈曲部14と、アウターリードとする他方の端部と、を有する。
ダイパッド部12はその主面12aに凹部13を有する。凹部13は、底面13aと、傾斜を有する側面13bと、を有する。底面13aには、発光素子30が、接着剤や半田材などを用いて接着されている。また、凹部13の底面13aの直径は0.65mm、深さは0.45mmなどとする。屈曲部14の上端14uの内径DRは、4mmなどとする。
一方の端部が第1のリード10の一方の端部と対向する第2のリード20は、屈曲部24を有している。また、第2のリード20の一方の端部は、発光素子30の電極の1つとボンディングワイヤにより接続されている。リードフレームは、例えばCu系合金からなり、その厚さを0.25mmなどとする。
ダイパッド部12の主面12a、凹部13の底面13aおよび側面13b、屈曲部14の内側面、などにコーティングを行うと、反射率を高めることができるので好ましい。コーティングとしては、例えば、Ag、またはNi/Pd/Auをこの順序で積層したものとすることができる。この場合、Agは10μmの厚さ、Niは1μm、Pdは0.03μm、Auは0.01μm、などの厚さとする。
成型体40は、シリコーン、エポキシ、アクリルなどの透明樹脂からなり、トランスファーモールド工程などを用いて形成される。また、成型体40は、発光素子30と、屈曲部14、24と、ダイパッド部12と、吊りピン18、22と、を覆い、且つスリット15、25を貫通する。なお、透明樹脂とは、発光素子30からの放出光を透過可能な樹脂をいうものとする。つまり、透明樹脂は、発光素子30からの放出光に対する吸収がゼロである必要はなく、発光素子30からの放出光の少なくとも一部を透過させるものであればよい。第1のリード10および第2のリード20を成型体40とは反対の側に折り曲げ、かつそれらの下面10b、20bを成型体40の下面40bよりも下方となるようにすると、実装基板に対して確実に取り付け可能となる。
凹部13の側面13bは、第1のリフレクタとして作用し放出光を上方に向けて反射し、光出力を高める。さらに、屈曲部14、24は、第2のリフレクタとして作用し、中心軸41からの角度が大きい光を上方に向けて反射し、光出力をさらに高める。成型体40の上面に凸レンズ40aを形成すると、放出光、第1および第2のリフレクタによる反射光、を集光することができる。
屈曲部14の上端14uは凸レンズ40aの稜線の最下部Rを含む面40cと同一か、または上方とすると、レンズ径DLは、屈曲部14の上端14uの内径DRよりも大きく4.4mmなどとする。
少なくともダイパッド部12を有する第1のリード10側に屈曲部14を設けると、リフレクタ効果を高めることができる。第2のリード20の側にも屈曲部24を設けると、リフレクタ効果をさらに高めることができる。なお、図1において、屈曲部14は、3つの屈曲部14a、14b、14cを有する。また、第2のリードは、屈曲部14bと対向するように設けられた屈曲部24を有する。なお、屈曲部の配置や数は、これらに限定されない。
このように、スリット15、25を設けると、屈曲部14、24の形状が大きい場合でもプレス加工が容易となり、所望の曲面を形成することが容易となる。
発光素子30は、In(GayxAl1−y1−xP(0≦x≦1、0≦y≦1)、またはAlGa1−xAs(0≦x≦1)などからなる積層体を含み、緑色〜赤色光を放出可能なものとすることができる。また、発光素子30は、InGaAl1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)からなる積層体を含み、紫外光〜青色光〜緑色光を放出可能なもの、とすることができる。
本実施形態において、屈曲部14、24の屈曲角度を45〜70度、屈曲部14、24の高さを0.6〜1.0mmなどとすると、半値半角が30〜40度、とできる。このため、有効照射角度以内において80%以上の光束利用率が可能となる。
図2(a)は比較例にかかる発光装置の模式平面図、図2(b)はB−B線に沿った模式断面図、である。比較例では屈曲部が設けられていない。封止樹脂からなる成型体140の重心145と、凹部113の底面113aが含まれる面と、は離間している。
一般に、封止樹脂の線膨張係数は、リードフレームの線膨張係数よりも大きい。このために、実装基板へリフロー工程を用いて半田付けを行う場合、例えば260℃前後への昇温、半田が十分なじむ高温保持(例えば5〜10秒)、室温への急冷などの温度変化を経ることになる。
この場合、260℃からの急冷時に生じる応力が問題となる。封止樹脂からなる成型体140が収縮し、その重心145に向かって圧縮応力CCSが作用する。この圧縮応力CCSは発光素子130や第1のリード110を上方に引き上げる方向に作用する。第1のリード110は弾性率が高いために変位量は小さい。他方、封止樹脂の線膨張係数は大きく、圧縮応力CSSによる成型体140の変位量は重心145と凹部130の底面113aとの距離CGが大きいほど大きくなる。圧縮応力CCSが成型体140と発光素子130との間の密着強度、および成型体140と第1のリード110との間の密着強度よりも大きくなると、それぞれの界面において剥離やクラックを生じやすくなる。
また、リフロー工程の温度より低くても、温度変化が大きい環境で、長時間動作を行うと剥離やクラックを生じることがある。
これに対して、第1の実施形態では、屈曲部14、屈曲部14を折り曲げたあとの貫通孔、吊りピン18、22などにより、封止樹脂40とリードフレームとの密着強度を高めることができる(アンカー効果)。また、スリット15、25を設けると、さらに密着強度を高めることができる。
また、第1の実施形態では、成型体40の中心軸41からの角度が大きい光を上方に向けて反射させるために屈曲部14、24を設けている。成型体40の体積のうち、屈曲部14、24の高さの分だけ、第1および第2のリード10、20の主面よりも上方の体積が増大する。成型体40の体積は、例えば130mmなどとなる。
図3(a)〜(d)は、応力シミュレーションのモデルとした発光装置の模式断面図である。
図3(a)において、成型体40の下面40bとレンズの面40cとの間の樹脂厚LBを2.35mm、成型体40の下面40bと凹部13の底面13a(マウント面)との間の樹脂厚LMを0.85mm、とする。この場合、重心45は、屈曲部14の上端14uを含む面内、かつ中心軸41の近傍(上方からみて発光素子30の領域の内部)にある。なお、重心45の位置は、成型体40の形状から算出することができる。
図3(b)において、樹脂厚LBを2.79mm、樹脂厚LMを1.29mm、とする。この場合、重心45は底面13aから0.99mm上方の高さ、かつ上方からみて発光素子30の領域の内部にある。
図3(c)において、樹脂厚LBを3.23mm、樹脂厚LMを1.73mm、とする。この場合、重心45は底面13aから0.36mm上方の高さ、かつ上方からみて発光素子30の領域の内部にある。
さらに、図3(d)において、樹脂厚LBを3.73,樹脂厚LMを2.23mm、とする。この場合、重心45は底面13aからダイパッド部12の下面12cに含まれ、かつ上方からみて発光素子30の領域の内部にある。
なお、図3(a)〜(d)において、レンズの下面40cと底面13aとの間の樹脂厚さLFは、いずれも1.5mmとする。またレンズの頂点STと面40cとの間の樹脂厚さLUは、いずれも2.65mmとする。
図4(a)は応力の樹脂厚LBに対する依存性を示すグラフ図、図4(b)は応力の向きを示す模式断面図、である。
図4(a)の縦軸は、シミュレーションにより求めた160℃からマイナス40℃への温度変化により生じる応力(MPa)である。また、横軸はレンズ面40cと成型体40の下面40bとの間の樹脂厚LB(mm)である。
発光素子チップには、図4(b)のように、チップをダイパッド部12から引き剥がす上向きの応力SUと、チップに対して加わる下向き応力SDと、が作用する。
樹脂厚LBが2.35mm(図3(a)の構造に対応)までは、主に上向きの応力SUが略60MPa作用する。樹脂厚LBが2.35mmを越えると、下向きの応力SDが増大し始める。樹脂厚LBが2.79mmである図3(b)の構造の場合、樹脂厚LBが3.23mmである図3(c)の構造の場合、の順序で上向きの応力(SU)と下向きの応力(SU)との絶対値の差が減少する。すなわち、発光素子30やダイパッド部12に加わる正味の応力が低減され、封止樹脂の剥離やクラックの発生などが抑制される。
さらに樹脂厚LBが3.73mmである図3(d)の構造では、重心45の位置はダイパッド部12の下面12cの位置と略一致する。また、樹脂厚LBが3.73mmよりも大きくなると、応力の低下の割合が鈍化する。本実施形態では、重心45の位置は、凹部13の底面13aとは反対側となるダイパッド部12の下面12cと屈曲部14の上端14uを含む面との間とすることが好ましい。また、重心45の位置は、上方からみて発光素子30の領域の内部とすることが好ましい。このような重心(設定)領域48を、ドット線で示す。
さらに、重心45の垂直方向の位置を、凹部13の底面13aとダイパッド部12の主面12aとの間とすると、発光素子30へ加わる正味の応力が低減されるので、より好ましい。すなわち、第1の実施形態によれば、屈曲部を設けるために成型体40の体積が増大しても、凹部13の底面13aの下方の体積を増大することにより重心45を発光素子30へ近づけ、リードフレームと封止樹脂40との間の線膨張係数の差により生じる応力を低減する。このために、リードフレームと封止樹脂40との間、および発光素子30と封止樹脂40との間、の界面における剥離や封止樹脂40のクラックを抑制できる。また、発光素子30がダイパッド部12から剥離することが抑制できる。このようにして、耐熱性が改善された発光素子30が可能となる。
図5(a)は第2の実施形態にかかる発光装置の模式平面図、図5(b)はC−C線に沿った模式断面図、図5(c)はフレネルレンズの模式断面図、である。
レンズを球形や凸形ではなく、フレネルレンズとすることができる。すなわち、レンズ部42aの上面に、図5(c)の断面を形成すると、波面の変換に影響を与えない等位相面を削除したフレネルレンズ50となり、厚さLUを小さくすることができる。
この場合、成型体42の下面42bと凹部13の底面13aとの間の樹脂厚LMが小さくても、成型体42の重心46を屈曲部14の上端14uとダイパッド部12の下面12cとの間の重心(設定)領域48の内部とすることが容易である。すなわち、成型体42の体積を大きくする必要がなく、例えば80mmと小さくできる。また、アウターリードの先端部をガルウイング型ではなく、成型体42の下面42bの側に折り曲げると、発光装置の平面形状を小型にできる。
第1および第2の実施形態において、ダイパッド部に設けられた凹部、および屈曲部により発光装置の高出力化が容易となる。さらに、封止樹脂からなる成型体の重心を発光素子に近づけることにより、発光素子やリードに設けられた凹部へ加わる応力が低減され、封止樹脂の剥離やクラックが抑制される。このために、耐熱性が改善され、広い温度範囲において安定した電気的および光学的な特性を保つことができる。このような発光装置は、車載エクステリアや信号機などの用途に広く応用可能である。
以上、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの実施形態に限定されない。本発明を構成するリードフレーム、成型体、発光素子、レンズ、の材質、形状、サイズ、配置などに関して、当業者が設計変更を行ったものであっても、本発明の主旨を逸脱しない限り本発明の範囲に包含される。
10 第1のリード、12 ダイパッド部、12a (ダイパッド部)主面、12c (ダイパッド部)下面、13 凹部、13a (凹部)底面、14、24 屈曲部、14c (屈曲部)上端、15、25 スリット、17、27 折り目、20 第2のリード、30 発光素子、40、42 成型体、45、46 重心、48 重心(設定)領域、50 フレネルレンズ

Claims (5)

  1. 主面および前記主面に設けられた凹部を有するダイパッド部と、前記主面の上方に折り曲げられた屈曲部と、を有する第1のリードと、
    前記凹部の底面に接着された発光素子と、
    一方の端部が前記第1のリードの一方の端部と対向した第2のリードと、
    前記発光素子と、前記屈曲部と、前記ダイパッド部と、前記第2のリードの前記一方の端部と、を覆い、前記第1のリードの他方の端部および前記第2のリードの他方の端部をそれぞれ突出させた透明樹脂からなる成型体と、
    を備え、
    前記成型体の重心の位置は、前記凹部の前記底面とは反対側となる前記ダイパッド部の下面と前記屈曲部の上端を含む面との間、かつ上方からみて前記発光素子の領域内とされたことを特徴とする発光装置。
  2. 前記第2のリードは、主面の上方に折り曲げられた屈曲部を有することを特徴とする請求項1記載の発光装置。
  3. 前記第1のリードは、第1、第2および第3の屈曲部を含み、
    前記第2のリードの前記屈曲部は、前記第1、第2および第3の屈曲部のいずれか1つと対向するように設けられたことを特徴とする請求項2記載の発光装置。
  4. 前記第1のリードの前記屈曲部の折り目の両端および前記第2のリードの前記屈曲部の折り目の両端には、スリットがそれぞれ設けられ、
    前記成型体は、前記スリットを貫通することを特徴とする請求項2または3に記載の発光装置。
  5. 前記成型体の光出射側には、凸レンズまたはフレネルレンズが設けられたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の発光装置。
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