JP2012004431A - 電子部品実装装置の実装方法、及び電子部品実装装置 - Google Patents

電子部品実装装置の実装方法、及び電子部品実装装置 Download PDF

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Abstract

【課題】生産機種の切替え時や、供給部品が途切れた場合においても生産中断時間の抑制が可能な生産効率の高い電子部品実装装置の実装方法及び電子部品実装装置を提供する。
【解決手段】電子部品実装装置10の実装方法は、基板種を認識する認識ステップ10と、実装される部品の全部品種を記憶装置から読み出す読出しステップ11と、実装される全部品種の部品をそれぞれ収納する部品収納器23の少なくとも1つが部品供給装置22に配置されているか否かを判定する判定ステップ15と、判定ステップ15が少なくとも1つの部品収納器23が部品供給装置22に配置されていると判定すると全部品種をそれぞれ収納する部品収納器23の全てが部品供給装置22に配置されていない場合であっても部品移載装置17が少なくとも1つの部品収納器23から部品を採取して基板に部品実装を開始する実装ステップ16とを備える。
【選択図】 図7

Description

本発明は、基板に部品を実装する電子部品実装装置の実装方法、及び電子部品実装装置に関する。
従来、電子部品実装装置においては、基板に実装する複数種の部品がそれぞれ複数のフィーダ等に同時にセットされている。そして移動可能なノズルによって、セットされた複数のフィーダから適宜必要な部品を選択して吸着し基板の所定の位置に実装している。
例えば特許文献1に開示するものでは、フィーダである電子部品供給ユニットに取付けられている電子部品の部品種別ごとに設定された部品IDを自動認識し、認識結果に基づいて電子部品を実装している。
また特許文献2に開示するものでも、フィーダである供給部に供給された部品をノズルによって吸着し、順次基板に実装している。そして実装の途中で、特定の部品を使いきってしまった場合には当該部品の実装を一時中断し、供給部に供給されている他の品種の部品の実装が先に行なえるようにして実装作業の中断によるムダを防止している。
特開平9−275297号公報 特開2008−117992号公報
しかしながら、特許文献1、及び特許文献2に開示されるものでは、生産開始時においては、電子部品供給ユニットや供給部に必要な部品が全て準備されていなくとも生産が開始されることは開示されていない。従来の生産方式においては、必要な部品がすべて供給部上に配置されていることを確認してから生産を開始することになっており、これによって例えば生産機種の切り替え時などには、必要な全ての部品種を電子部品供給ユニットや供給部に準備しなくてはならず、生産効率が低下してしまう虞がある。また、1台の電子部品実装装置の電子部品供給ユニットや供給部に配置できる部品種数が、生産される基板に実装される部品数を下回る場合、実装作業を分割して電子部品実装装置に基板を複数回投入しなければならず、はじめに配置できなかった部品種の部品の実装を行なうときに、生産機種の切り替え時と同様に段取り替えに多大な時間を要してしまう虞がある。そしてそのとき段取り替えの時間を短縮するために電子部品実装装置を複数台並べて対応しようとすると高価な電子部品実装装置が複数必要になるとともに、大きな配置スペースが必要となり、大幅なコストアップに繋がる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、生産機種の切替え時や、供給部品が途切れた場合においても生産中断時間の抑制が可能な生産効率の高い電子部品実装装置の実装方法、及び電子部品実装装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に係る電子部品実装装置の実装方法の発明の特徴は、基板を位置決め保持する基板保持装置と、部品を収納する少なくとも1つの部品収納器が配置された部品供給装置と、前記部品収納器から部品を採取し前記基板上に実装する部品移載装置と、前記基板に実装される部品の部品種を基板種毎に記憶する記憶装置と、を備えた電子部品実装装置において、前記部品の実装が開始される基板種の基板に実装される部品の全部品種を前記記憶装置から読み出す読出しステップと、前記基板に実装される全部品種の部品をそれぞれ収納する前記部品収納器の少なくとも1つが前記部品供給装置に配置されているか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップが前記少なくとも1つの部品収納器が前記部品供給装置に配置されていると判定すると前記全部品種をそれぞれ収納する前記部品収納器の全てが前記部品供給装置に配置されていない場合であっても前記部品移載装置が前記少なくとも1つの部品収納器から部品を採取して前記基板保持装置に保持された基板に部品実装を開始する実装ステップと、を備えることである。
上記の課題を解決するために、請求項2に係る電子部品実装装置の実装方法の発明の特徴は、請求項1において、前記記憶装置は1枚の基板に実装される部品の部品種別の全個数を基板種別に記入した部品種別実装個数表を記憶し、前記基板に前記部品移載装置によって一の部品種の部品が実装される毎に該一の部品種の部品が実装された個数が前記部品種別実装工数表に記載された該一の部品種の全個数と一致した実装済部品種を記憶する実装済部品種記憶ステップと、前記記憶された実装済部品種を読出して実装済部品種リストを作成し、該実装済部品種を表示装置に表示する実装済部品種表示ステップと、前記読出しステップによって読出された前記実装される部品の全部品種から前記実装済部品種、及び前記部品収納器に収納され前記部品供給装置に配置されている部品の全部品種を削除し不足部品種を導出して不足部品種リストを作成し、該不足部品種を前記表示装置に表示する不足部品種表示ステップと、前記読出しステップによって読出された前記実装される部品の全部品種から前記実装済部品種を削除した部品種を、前記部品供給装置に配置された前記部品収納器に収納されている前記部品の全部品種から削除し不用部品種を導出して不用部品種リストを作成し、該不用部品種を前記表示装置に表示する不用部品種表示ステップと、を備えることである。
上記の課題を解決するために、請求項3に係る電子部品実装装置の実装方法の発明の特徴は、請求項2において、前記不足部品種表示ステップによって表示された前記不足部品種が収納される前記部品収納器を前記部品供給装置に配置し、前記部品供給装置に配置されている全部品種を記載した配置部品種リストを作成する配置部品種記憶ステップと、前記配置部品種リストと前記基板に実装される前記全部品種との共通部品種を記載した共通部品種リストを作成する共通部品種記憶ステップと、前記共通部品種リストから前記実装済部品種リストに記載された実装済部品種を削除した実装可能部品種を記載した実装可能部品種リストを作成する実装可能部品種記憶ステップと、前記部品移載装置が前記実装可能部品種リストに記載された部品種の部品を収納する前記部品収納器から部品を採取して前記基板保持装置に保持された基板に部品を実装する実装ステップと、を備えることである。
上記の課題を解決するために、請求項4に係る電子部品実装装置の実装方法の発明の特徴は、請求項1乃至3のいずれか1項において、前記部品収納器はフィーダであることである。
上記の課題を解決するために、請求項5に係る電子部品実装装置の実装方法の発明の特徴は、請求項1乃至4のいずれか1項における電子部品実装装置によって前記基板への前記全部品種の実装がされるとき、前記基板に実装されない部品種の部品を収納する前記部品収納器が前記部品供給装置に配置され、又は配置可能な状態であっても前記全部品種の前記基板への実装は1台の前記電子部品実装装置によって実施されることである。
上記の課題を解決するために、請求項6に係る電子部品実装装置の発明の特徴は、基板を位置決め保持する基板保持装置と、部品を収納する少なくとも1つの部品収納器が配置された部品供給装置と、前記部品収納器から部品を採取し前記基板上に実装する部品移載装置と、前記基板に実装される部品の部品種を基板種毎に記憶する記憶装置と、を備えた電子部品実装装置において、前記部品の実装が開始される基板種の基板に実装される部品の全部品種を前記記憶装置から読み出す読出し手段と、前記基板に実装される全部品種の部品をそれぞれ収納する前記部品収納器の少なくとも1つが前記部品供給装置に配置されているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段が前記少なくとも1つの部品収納器が前記部品供給装置に配置されていると判定すると前記全部品種をそれぞれ収納する前記部品収納器の全てが前記部品供給装置に配置されていない場合であっても前記部品移載装置が前記少なくとも1つの部品収納器から部品を採取して前記基板保持装置に保持された基板に部品実装を開始する実装手段と、を備えることである。
請求項1に係る電子部品実装装置の実装方法によれば、生産が開始され基板への部品の実装が開始されるときに、保持された基板の基板種に実装される部品の部品種のうち、少なくとも1つの部品種が部品収納器に配置されていれば基板への実装が開始される。これにより、実装される部品の全部品種を同時に部品供給装置に準備せずとも、基板への実装が開始できるので、生産開始時、生産機種の切替え時、及び供給部品が途切れた場合等において実装を開始するための時間を短くすることができ実装工数の低減を図ることができる。
請求項2に係る電子部品実装装置の実装方法によれば、表示装置に、不足部品種と不用部品種と実装済部品種を表示させる。これにより作業者は的確、且つ迅速に、部品供給装置に対し不足している部品種の供給と、不用な部品種の取り外しとを行なうことができ効率的に基板への実装が行なえる。即ち、実装が終了した実装済部品種の部品が収納される部品収納器と、初期には空きがなかったため部品供給装置に取付けできなかった、実装部品の部品種である別の部品を収納する部品収納器とを順次、交換することができ、基板への実装作業が継続できるので無駄な時間が発生しない。
請求項3に係る電子部品実装装置の実装方法によれば、作業者は表示装置の表示に従い不足部品種の部品を速やかに部品供給装置に供給でき、供給された不足部品種の部品は順次基板に実装される。これにより効率的に不足部品種の部品の基板への実装が行なえる。
請求項4に係る電子部品実装装置の実装方法によれば、部品収納器としてフィーダを適用するので、多数のフィーダを有効に利用することができ効率的である。
請求項5に係る電子部品実装装置の実装方法によれば、基板に実装される部品の全部品種数が部品供給装置の収納数を超えており、かつ部品供給装置に部品収納器が配置されない空きのスロットがあったり、基板に実装しない部品の部品種が収納された部品収納器が配置されていても1台の電子部品実装装置によって全部品種を順次実装できるので、電子部品実装装置の導入コストや設置面積を縮小でき、効率的である。
請求項6に係る電子部品実装装置によれば、請求項1と同様に、少なくとも1つの実装される部品の部品種が部品供給装置に供給されれば、基板への実装が開始できるので、生産開始時、生産機種の切替え時、及び供給部品が途切れた場合等において実装を開始するための時間を短くすることができる電子部品実装装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る電子部品実装装置の概略を示す上面図である。 本発明に係る部品種別実装個数表の一例を示す図である。 実装部品データ(X)の内容例を示す図である。 制御関係を示すブロック図である。 表示装置による表示例1である。 表示装置による表示例2である。 第1の実施形態に係るフローチャート1図である。 各部品種リスト導出のためのフローチャート2図である。 第2の実施形態に係るフローチャート3図である。
以下、本発明にかかる第1の実施形態の電子部品実装装置の電子部品実装方法について説明する。図1は電子部品実装装置10の概略を示す上面図である。電子部品実装装置10は、基台11と、基板搬送装置12と、部品移載装置17と、部品供給装置22と、制御装置30とを備えている。
基板搬送装置12は基台11に設けられている。基板搬送装置12は基板SをY方向に搬送するものであり、基台11に組み付けられた第1および第2ガイドレール14、15を備えている。第1および第2ガイドレール14、15は搬送方向に延在しかつ互いに平行に対向して配置されており、基板Sを搬送方向に案内する。また、基板搬送装置12には、第1および第2ガイドレール14、15の直下に互いに平行に設けられた一対のコンベアベルトが並設されている。これらコンベアベルトは基板Sを支持して搬送方向に搬送する。また基板Sが第1および第2ガイドレール14によってY方向に搬送される入口部(図1において基台11の左端部)の上方には、搬送される基板Sに基板種別に設けられた基板種マークMを読み取って、基板Sの基板種を認識するための制御装置30に接続された認識用カメラ装置28が設けられている。さらに、基台11には基板搬送装置12によって所定位置まで搬送された基板Sを押し上げてクランプ保持する基板保持装置13が備えられている。これにより、基板Sは基板搬送装置12上に搬入され、認識用カメラ装置28によって基板種が認識された後、所定位置まで搬送されて基板保持装置13によって位置決め保持され、電子部品の実装終了後に基板搬送装置12によって搬出される。
なお、基板Sは基板搬送装置12によって所定位置まで搬送され基板保持装置13によって位置決め保持されずとも、作業者によって所定位置に載置し、基板保持装置13によって保持するようにしてもよい。ただしこのとき所定位置では確実に位置決めがされるように、枠組によって囲繞された基板Sの載置場所が形成されていることが好ましい。このとき基板Sの基板種の認識は認識用カメラ装置28によって行なうのではなく、作業者が後述する入力装置31によって手で入力すればよい。
基板搬送装置12、及び基板保持装置13の上方には、細長いスライド16上に部品移載装置17の移動台18がY方向に移動可能に装架され、スライド16がY方向と直交するX方向に延びる固定レール19にX方向に移動可能に支持されている。なお、移動台18およびスライド16のYおよびX方向の移動はボールねじを介してサーボモータにより制御されている。
部品移載装置17は、移動台18にX方向およびY方向と直角なZ方向に昇降可能に装架されてボールねじを介してサーボモータにより昇降が制御される部品実装ヘッド20と、この部品実装ヘッド20から下方に突出して設けられ下端に電子部品を吸着保持する複数の円筒状の吸着ノズル21よりなるものである。
部品供給装置22は、基板搬送装置12よりX方向の後側で基台11に取り付けられている。部品供給装置22には、異なる種類、つまり異なる部品種Pmの部品pmをそれぞれ収納する部品収納器である複数のカセット式フィーダ23が配置されている。各カセット式フィーダ23は部品供給装置22が有する各スロット(図略)にランダムに嵌挿され、各カセット式フィーダ23に供給された各供給リール23bが収納するそれぞれの部品pmの部品種Pm情報を有している。各カセット式フィーダ23が部品供給装置22の各スロットに嵌挿されると、各カセット式フィーダ23に設けられた通信端子が各スロットに設けられた通信端子に接続され各スロットが有する配線を介して各部品種Pmの識別信号を制御装置30に送信する。これによって制御装置30はスロットと、該スロットに嵌挿された各カセット式フィーダ23が有する部品種Pmとを対応させて記憶する。
なお、各カセット式フィーダ23が有する部品種Pm情報は各カセット式フィーダ23を部品供給装置22が有する各スロットに嵌挿する際に、作業者によって入力してもよい。そしてこのときも制御装置30は各カセット式フィーダ23が嵌挿された各スロットと、該各スロットに嵌挿されたカセット式フィーダ23が有する部品種Pmとを対応させて記憶するようにすればよい。また、部品供給装置22への各カセット式フィーダ23の装着本数は何本でもよい。例えば基板Sに30種類の部品種Pmを実装する場合、30種類を下回る、例えば20種類(本数)の基板Sに実装される部品種Pmを収納するカセット式フィーダ23が部品供給装置22に嵌挿されていてもよい。このとき、各カセット式フィーダ23が装着されるスロットの数は20本ちょうどでもよいし、20本を越えていてもよい。そしてスロット数が20本を越える場合には、20本を越える部分のスロットにはカセット式フィーダ23が全く装着されていなくてもよいし、基板Sに実装する部品種Pm以外の部品種Pmが収納されたカセット式フィーダ23が装着されていてもよい。さらに部品供給装置22のスロットの数は1本であり、これにより部品供給装置22へのカセット式フィーダ23の装着本数が1本だけであってもよい。
各カセット式フィーダ23は、本体23aと、本体23aの後部に設けた供給リール23bと、本体23aの先端に設けた部品取出し箇所23cとをそれぞれ備えている。各供給リール23bには、図略のテープ本体に所定ピッチで設けられたキャビティに部品pmを収納してカバーで封入したキャリアテープが巻回保持されている。そしてこのキャリアテープがスプロケットにより所定ピッチで送られ、カバーが部品取出し箇所23cの手前で引き剥がされ部品pmがキャリアテープのキャビティに収納された状態で部品供給箇所24に順次供給される。
そして部品移載装置17は、吸着ノズル21で各カセット式フィーダ23から部品供給箇所24に供給された部品pmを吸着して採取し、基板保持装置13に位置決め保持された基板S上の実装位置に搬送して実装する。部品移載装置17は、後述する図3に示す実装データ(X)の有する情報によって各部品pmを位置決めし基板Sに実装する。
記憶装置34は、制御装置30を介してサーバー29と接続され、サーバー29に予め保存されている基板種別の基板Sにそれぞれ実装される部品pmの部品種Pm別の実装部品リストYをロードして基板種別に記憶する。そして記憶装置34は、実装部品リストYから基板種別に使用される各部品pmの部品種Pm別のそれぞれの全個数(全使用個数)を記入した図2に示す部品種別実装個数表48を作成し記憶する。つまり記憶装置34は、部品種別実装個数表48によって複数の基板種の基板Sにそれぞれ実装される部品種Pm別の部品pmがそれぞれ何個ずつであるかを全個数TPmとして記憶している。また記憶装置34は、前述した基板種別の基板Sにそれぞれ実装される部品の実装データ(X)を記憶している。実装データ(X)は図3の表に示すようにX1〜Xn〜XNまでのN個のデータによって構成されている。N個のデータは各データ毎に各部品pmが基板Sに実装されるときのx座標、y座標、回転角度情報、及び部品名pm(部品種Pm)のデータを有し、各部品pmは実装データ(X)の情報に基づいて部品移載装置17の吸着ノズル21によって吸着され位置決めされたのち基板Sに実装される。なお、実装データ(X)内の各データX1〜Xn〜XNは、予め実装順序の最適化処理がされ生産効率がよい順に並べられている。よって部品移載装置17の吸着ノズル21は実装データ(X)内の各データX1〜Xn〜XNの有する各部品pmをデータの上から順に(本実施形態においてはp1、p3、p1、p2・・・pm(Xn)・・pm(XN)の順に)吸着ノズル21の数だけ吸着し、順次基板Sに実装していく。ただし吸着ノズル21は部品pmを1個ずつ吸着して基板Sに実装してもよいし、吸着ノズル21が1個しかない部品移載装置17によって部品pmを1個ずつ吸着し順次基板Sに実装してもよい。
なお、本実施形態において、データ数N個を有する実装データ(X)の各データのうち部品名、及び部品種は、それぞれ実装データXのq番目のデータをXqとする。よって実装データ(X)の最後の部品、及び部品種データは、pN、及びPNである。
図4に示すように制御装置30は、基板搬送装置12、基板保持装置13、部品移載装置17、部品供給装置22、認識用カメラ装置28、入力装置31、表示装置32、及び記憶装置34等と接続され、各装置を制御している。入力装置31は、作業者が操作して基板Sの実装に必要な情報、データなどを入力する。
また制御装置30は、部品供給装置22の部品供給箇所24に供給された部品pmを吸着ノズル21で吸着し基板S上に実装する実装プログラムを記憶するとともに、演算部35を有している。演算部35は、実装済部品種リストL2、配置部品種リストL3、共通部品種リストL4、実装可能部品種リストL5、不足部品種リストL6、及び不用部品種リストL7を作成する。
各リストL2〜L7は、基板S上に部品pmの実装を行なう際に実装プログラム上で利用するため、及び作業者向けに後述する表示装置32に作成したリスト内容を表示し部品pmの実装作業の効率を高めるためのものである。
例えば、実装可能部品種リストL5は、基板S上に部品pmの実装を行なう際の実装プログラムに直接利用する。また、実装済部品種リストL2、不足部品種リストL6、及び不用部品種リストL7は、実装作業の効率を高めるため、部品供給装置22のスロットに装着すべき部品種Pmと、取り外すべき部品種Pmとを表示装置32に表示させるために作成する。そして配置部品種リストL3、及び共通部品種リストL4は実装可能部品種リストL5を導出したり、不足部品種リストL6、及び不用部品種リストL7を導出するために利用される。
次に各部品種リストL2〜L7の作成について説明する。演算部35は各部品種リストL2〜L7を作成するため、記憶装置34から図2に示す部品が実装される基板種の基板Sの部品種別実装個数表48を読出し取得する。
実装済部品種リストL2は、所定の基板種の基板Sへの実装が全て完了した部品種Pmのリストであり、基板Sにはもう実装しない部品種Pmのリストである。実装済部品種リストL2を作成するため、記憶装置34が備える実装済部品種記憶ステップは、1枚の基板Sに部品移載装置17によって一の部品種である、或る部品種Pmの部品pmが実装される毎に個数をカウントし、実装された個数が部品種別実装工数表48に記載された前記或る部品種Pmの全個数TPmと一致すると実装済部品種として記憶する。そして演算部35は、実装済部品種記憶ステップによって記憶された実装済部品種を読出して実装済部品種リストL2を作成する。
配置部品種リストL3は、部品供給装置22に配置されている各カセット式フィーダ23にそれぞれ収納される部品pmの部品種Pmデータによって作成されるリストである。配置部品種リストL3は配置部品種記憶ステップによって各カセット式フィーダ23が嵌挿されるスロットの接続端子を介し、各カセット式フィーダ23から各カセット式フィーダ23に存在する全部品種Pmの情報を取得して記載し作成する。
共通部品種リストL4は、実装部品リストYと配置部品種リストL3とに共通する部品種データのリストである。共通部品種リストL4は、記憶装置34が備える共通部品種記憶ステップによって、配置部品種リストL3と基板Sに実装される全部品種のリストである実装部品リストYとの共通部品種を記載し共通部品種リストL4を作成する。
実装可能部品種リストL5は、実装可能部品種記憶ステップによって共通部品種リストL4から実装済部品種リストL2を削除し得られた実装可能部品種を記載し作成する。よって実装可能部品種リストL5に部品種Pmが存在するときには、配置部品種リストL3の中の少なくとも1つ以上の部品種Pmの部品pmが基板Sへ実装できることを示している。
不足部品種リストL6とは、基板Sの生産開始前、及び生産中の所定の時点において、実装部品リストYから実装済部品種リストL2を削除して得られるデータには存在するが、部品供給装置22の各カセット式フィーダ23には収納されていない部品の部品種リストのことをいう。つまり基板Sへの実装を行なう必要があるが、まだカセット式フィーダ23には供給されていない部品種Pmであるので、以後、基板Sの実装を完了させるためには部品供給装置22に供給する必要のある部品種Pmである。
不足部品種リストL6は、不足部品種表示ステップによって実装部品リストYから実装済部品種リストL2、及び配置部品種リストL3を削除し不足部品種を導出して記載し作成する。そして該不足部品種は不足部品種表示ステップによって表示装置32に部品種情報を表示される。
不用部品種リストL7とは、基板Sの生産開始前、及び生産中の所定の時点において、実装部品リストYから実装済部品種リストL2を削除して得られるデータには存在しないが、部品供給装置22の各カセット式フィーダ23には収納されている部品の部品種リストのことをいう。つまり基板Sへの実装を行なう必要がないのに、カセット式フィーダ23に供給されている部品種であり、基板Sの実装に用いることのない不用の部品種である。
不用部品種リストL7は、不用部品種表示ステップによって実装部品リストYから実装済部品種L2を削除した部品種Pmを、部品供給装置22に配置された複数のカセット式フィーダ23に収納されている部品pmの全部品種Pmリストである配置部品種リストL3から削除し不用部品種を導出して記載し作成する。そして不用部品種は不用部品種表示ステップによって表示装置32に部品種情報を表示する。
そして制御装置30は、実装可能部品種リストL5に少なくとも1つ以上の部品種Pmが存在すれば、基板Sに実装可能部品種リストL5の有する部品種Pmのうちのいずれか1つの部品種Pmの実装を行なう。なお、このとき、実装可能部品種リストL5の中のどの部品pmから実装を行なうかは、任意に決定できる。ただし実装開始前に、基板Sに対して複数の部品種Pmの部品pmを実装するにあたり、最も効率的に実装できる順序で最適化を実施しておき、該最適化条件の順序に従って実装することが好ましい。前述したように第1の実施形態においては、実装の最適化条件として、部品Pを吸着保持するために部品移載装置17が有する吸着ノズル21が、最も効率よく稼動できるよう設定されている。そして最適化された実装データ(X)の並び順に基づいて順次、基板Sに部品pmの実装がされる。ただし、最適化条件の設定については、定められたものはなくどのように設定されてもよい。
また上記において各リストの作成タイミングは定期、または不定期で実行可能であるが、特に各カセット式フィーダ23の各スロットへの着脱が制御装置30によって認識されたときに実行してもよい。またこれに限らず各リストは、各リストが制御上必要になったときに適宜作成してもよい。
表示装置32は、図3に示すように前述した実装済部品種表示ステップと不足部品種表示ステップと不用部品種表示ステップとによって、それぞれ実装済部品種リストL2と、不足部品種リストL6と、不用部品種リストL7と、から得られる情報をそれぞれ単独に、または組合せて図略の表示機に表示する。これにより作業者に、部品供給装置22に供給すべき部品種Pm(カセット式フィーダ23)の情報、及び部品供給装置22から取外すべき部品種Pm(カセット式フィーダ23)の情報を提供する。
例えば、実装済部品種表示ステップは、実装済部品種リストL2のデータによってどのスロットのどの部品種Pmの実装が完了して不用になったかという情報を表示機に表示する。これによって速やかに不足部品種リストL6の部品種の部品Pが収納されたカセット式フィーダ23との交換を可能とすることができ、効率的な部品供給が行なえる。
また、不足部品種リストL6は、不足部品種表示ステップによって、あとどの部品種Pmの部品pmが必要であるかという情報を表示機に表示する。
また、不用部品種リストL7は、不用部品種表示ステップによって、基板Sへの実装には使用しない不用部品種リストL7の部品種Pmを、該部品種Pmを収納するカセット式フィーダ23が嵌挿されているスロットと対応して表示機に表示する。これによって不用カセット式フィーダ23を取外したり、不用カセット式フィーダ23と不足部品種リストL6に存在する部品種Pmの部品pmが収納されたカセット式フィーダ23との交換が速やかにでき効率的な部品供給が行なえる。
また図5、図6には、実装済部品種リストL2、不足部品種リストL6、及び不用部品種リストL7の情報に基づき各情報が組み合わされて表示機に表示される表示例が示してある。例えば不足部品種リストL6に基づき表示される図5では、空いているスロット2に実装優先順位が高い不足部品種リストL6に存在する部品種P2の部品を配置するよう指示している。そして実装の優先順位が部品種P2の次である不足部品種リストL6に存在する部品種P5はスロットの空きがないため、待機しているよう指示を表示している。
また図6では、実装済部品種リストL2に存在する部品種P1は実装が全て完了したことを表示し、空きスロット3には、実装の優先順位が高い不足部品種リストL6に存在する部品種P2を配置している。また部品種P2よりも実装優先順位が低い不足部品種リストL6に存在する部品種P5を、スロット1に装着されている実装が全て完了した実装済部品種リストL2に存在する部品種P1と交換して配置するよう表示している。また図には示さないが不用部品種リストL7に部品種Pmが存在するときには、部品種Pmをスロットから脱離し、不足部品種リストL6に存在する部品種P2を収納するカセット式フィーダ23を空いたスロットに配置するよう表示機に表示すればよい。なお、表示の内容は図5、6に示したものに限らずどのようなものでもよい。
次に、第1の実施形態に係る実装の制御方法について図7のフローチャート1に基づいて説明する。第1の実施形態においては生産開始時には部品供給装置22の複数のスロットに各カセット式フィーダ23がランダムに嵌挿され、そして部品供給装置22のカセット式フィーダ23には基板Sに実装する部品pmが少なくとも1種類以上収納されているものとする。
まず、部品pmを基板S上に実装するために、作業者によって実装開始スイッチが押されると、制御装置30のマイクロコンピュータは、記憶装置34に記憶される実装プログラムを実行し、各装置は制御装置30からの制御信号に基づいて作動される。
まずフローチャート1のステップS10では、基板搬送装置12によって所定位置まで搬入された基板Sの基板種の認識を認識用カメラ28によって行なう。
次にステップS11(読出しステップ)では、ステップS10で認識した基板種に応じ、制御装置30が記憶装置34から全部品種データである実装部品リストYを取得する(読出し手段45)。そして、ここで実装部品リストYに基づき部品種別実装個数表48(図2参照)を作成する。
ステップS12では、ステップS10で認識した基板種に応じ制御装置30が記憶装置34から部品の実装データ(X)を取得する。実装データ(X)は、例えば図3に示すように部品pmの基板Sへの実装位置を示すx座標、y座標と、回転角度と、部品種名とを有し、最適化された実装順に並べられている。
次にステップS13で、実装済部品の数nを示すカウンタnをn=0として初期セットすると共に、実装データ(X)のq番目のデータを示すカウンタqをq=1として初期セットする。
次にステップS14でn=Nであるか否かを確認する。ここでNは実装データ(X)の全データ数である。そして実装データ(X)のq番目のデータXqの部品pmを基板Sに実装する度に1つずつインクリメントする値nが実装データ(X)の全データ数Nと等しくなると、プログラムを終了する。そしてnが全データ数Nより小さければ基板Sに実装する部品pmはまだ残っているのでステップS15に進む。なお、第1の実施形態においてはステップS14とステップS15との間に、割り込みの制御であるステップS24を有している。ステップS24は、作業者が表示装置32の表示機に表示された不足部品種を、表示に従って部品配置装置22のスロットに配置した場合の制御である。不足部品種が部品配置装置22のスロットに配置されたときには、適宜、ステップS14とステップS15との間で割り込み処理を実行する。
ステップS15では、制御装置30によって、部品供給装置22に供給されている実装可能部品種を示す実装可能部品種リストL5を取得する。実装可能部品種リストL5は図8のフローチャート2によって作成されるので、ここでフローチャート2について説明する。なお、以下において説明するリストの作成の詳細については前述したので詳細な説明は省略する。
まず、フローチャート2のステップS30(配置部品種記憶ステップ)では配置部品種リストL3を作成する。次にステップS31(不足部品種表示ステップ)で不足部品種リストL6を、L6=(実装部品リストY−実装済部品種リスト2−配置部品リストL3)によって導出し記載して作成するとともに、不足部品種L6の部品種Pmを表示装置32の表示機に表示する。
ステップS32(不用部品種表示ステップ)では不用部品種リストL7を、L7=(配置部品種リストL3−(実装部品リストY−実装済部品種リストL2))によって導出し、記載して作成するとともに、不用部品種リストL7の部品種Pmを表示機に表示する。
次にステップS33(共通部品種表示ステップ)では、実装部品リストYと配置部品種リストL3との共通部品種を記載し、共通部品種リストL4として作成する。そしてステップS34(実装可能部品種表示ステップ)で、実装可能部品種リストL5を、L5=(共通部品種リストL4−実装済部品種リスト2) によって導出し、記載して作成する。以上の処理によってステップS15で実装可能部品種リストL5を取得する。
次にステップS16において、制御装置30は実装データ(X)からq番目のデータXqを取得する。このとき実装データ(X)は、基板Sに実装するために最適化された順番に並んでいるので、データの取得はX1、X2・・XNの順に選択する。
次にステップS17においては、ステップS16で選択したデータXqと、実装可能部品種リストL5とを照合し、実装可能部品種リストL5の中に選択したデータXqの部品pmの部品種Pmが存在するか否かを判定する。このように、ステップS15、ステップS16、及びステップS17によって、判定ステップ及び判定手段46を構成し、基板Sに実装される全部品種Pmの部品pmをそれぞれ収納するカセット式フィーダ23の少なくとも1つが部品供給装置22に配置されているか否かを判定する。
ステップS17で実装可能部品種リストL5の中に選択したデータXqの部品種Pmが無ければステップS20に進む。ステップS17で実装可能部品種リストL5の中に選択したデータXqの部品種PmがあればステップS18(実装ステップ)に進んで基板SにデータXqの部品pmを実装する(実装手段47)。
そしてステップS18で、基板SにデータXqの部品pmを実装した後、ステップS19に移動する。ステップS19では、ステップS18でデータXqの部品pmを基板Sに実装したので、実装した部品の数を示すカウンタnを1だけインクリメントする。
ステップS20では、実装データ(X)のデータ番号qが実装すべき全部品数Nと一致しているか確認する。まだ実装すべき部品pmが残っており、qがNと一致しないときはステップS21に移動し、カウンタqを1だけインクリメントし、実装データ(X)の次の部品データXqを取得するための準備をする。そしてステップS16に戻りステップS16からの処理を繰り返す。
ステップS20において、qがNと一致したときは、実装データ(X)の最後まで到達したことがわかるため、ステップS22(実装済部品種表示ステップ)に進む。そして各部品種Pmにおいて、実装すべき全ての部品pmの実装が完了した部品種Pmがあれば前述した実装済部品種リストL2に記載する。なお、ステップS16〜ステップS22によって実装済部品種記憶ステップを構成している。
次にステップS23に進み、実装データ(X)のデータ番号のカウンタqを1に再初期化する。そして再びステップS14に移動し、実装済部品の数nが、実装データ(X)の全部品数Nより小さければステップS14〜ステップS23までの処理を繰り返し、またn=Nとなれば部品pmの基板Sへの実装が全て終了したことになりプログラムを終了する。
このように本発明においては部品供給装置22に、基板Sに実装すべき部品種Pmの部品pmが少なくとも1つあれば基板Sに該部品種の部品Pを実装するようになっている。よって部品供給装置22に実装のために必要な全部品種Pmの部品pmが準備されるのを待つ必要がなく時間の節約ができ効率的である。
なお、上記フローチャート1の処理の途中では、図8のフローチャート2に示すように各カセット式フィーダ23が各スロットに着脱されたときに制御装置30が着脱を認識し、配置部品種リストL3、共通部品種リストL4、実装可能部品種リストL5、不足部品種リストL6、及び不用部品種リストL7を作成して随時更新している。そして、フローチャート1の実行のために随時各リストを利用するとともに、図5、図6に示すような表示内容を実装済部品種リストL2と、不足部品種リストL6と、不用部品種リストL7との情報に基づき、実装済部品種表示ステップと不足部品種表示ステップと不用部品種表示ステップとによって、表示装置32の表示機に適宜更新して表示している。
ここで、例えば不足部品種表示ステップによって不足部品種を表示機に表示した場合について図8のフローチャート2と図7のフローチャート1とに基づいて説明する。まず、表示機に不足部品種が表示されるとフローチャート1のステップS24に示すように作業者は、表示された不足部品種が収納されるカセット式フィーダ23を部品供給装置22の空きのスロットに嵌挿して配置する。これにより制御装置30は不足部品種が部品供給装置22に配置されたことを認識する。なお、このとき不足部品種が収納されるカセット式フィーダ23と、不用部品種表示ステップによって表示機に表示された不用部品種が収納され部品供給装置22に配置されているカセット式フィーダ23とを交換してもよい。また不足部品種が収納されるカセット式フィーダ23と、実装済部品種表示ステップによって表示機に表示された実装済部品種が収納され部品供給装置22に配置されているカセット式フィーダ23とを交換してもよい。
次にフローチャート1のステップS15で、フローチャート2で作成する実装可能部品種リストL5を読み出す。このとき、フローチャート2のステップS30では不足部品種が新たに部品供給装置22に配置されるので、配置部品種リストL3は不足部品種を含んだ状態で更新される。これによりステップS31〜ステップS34を実行し作成される実装可能部品種リストL5は不足部品種を含んだ状態となっている。
次にフローチャート1のステップS16以降の処理を実行する。このように、作業者によって新たに部品供給装置22に配置された不足部品種は、実装可能部品種リストL5に含まれるので、いずれステップS17が不足部品種の追加を認識しステップS18で基板Sに実装することとなる。
このように作業者は表示機の表示に従って不足部品種の部品pmを速やかに部品供給装置22に供給できるとともに、供給された不足部品種の部品pmは滞りなく順次基板Sに実装され基板Sへの不足部品種の部品の実装が効率的に行なえる。またこのように不足部品種を順次追加しながら基板Sへの実装が行なえるので、実装が開始される基板種の基板Sに実装される部品pmの全部品種数よりも、部品供給装置22に配置できる各カセット式フィーダ23に収納される部品種数の方が少なくても全部品種の基板Sへの実装は1台の電子部品実装装置によって実施できる。
上述の説明から明らかなように、第1の実施形態においては、生産が開始され基板Sへの部品pmの実装が開始されるときに、保持された基板Sの基板種に実装される部品pmの部品種Pmのうち、少なくとも1つの部品種Pmが部品収納器であるカセット式フィーダ23に収納され部品供給装置22に配置されていれば基板Sへの部品pmの実装が開始される。これにより、生産開始時、生産機種の切替え時、及び供給部品が途切れた場合等において実装される部品pmの全部品種Pmを同時に部品供給装置22に準備せずとも、少なくとも1つの実装される部品種Pmの部品pmが部品供給装置22に供給されることにより、基板Sへの実装が開始できるので、全部品種Pmを部品供給装置22に配置するための時間が節約でき実装工数の低減を図ることができる。
また、第1の実施形態においては、表示装置32は、表示機に不足部品種と不用部品種と実装済部品種とを表示させる。これにより作業者は的確、且つ迅速に、部品供給装置22に対し不足している不足部品種の供給と、不用部品種、または実装が終了した実装済部品種の取り外しとを行なうことができ効率的に基板Sへの実装が行なえる。即ち、不用部品種または実装が終了した実装済の部品種Pmが収納されるカセット式フィーダ23と、例えば初期にはスロットの空きがなかったため部品供給装置22に取付けできなかった、別の実装部品の部品種Pmを収納するカセット式フィーダ23とを順次、交換することができ、基板Sへの実装作業が継続できるので無駄な時間が発生しない。これにより実装が開始される基板種の基板Sに実装される部品pmの全部品種数よりも、部品供給装置22に配置できる複数のカセット式フィーダ23に収納される部品種数の方が少なくても、電子部品実装装置10を複数台並べる必要がなく1台で対応できる。また、基板Sに実装される部品pmの全部品種数よりも、部品供給装置22に配置できる複数のカセット式フィーダ23に収納される部品種数の方が少なく、且つ部品供給装置22に空きのスロットがあったり、実装しない部品pmの部品種Pmがカセット式フィーダ23に収納され部品供給装置22に配置されていても同様に1台の電子部品実装装置によって全部品種Pmを順次実装できる。よって電子部品実装装置10の導入コストの大幅な低減が図れるとともに、電子部品実装装置10の設置スペ−スの大幅な低減を図ることができる。
また、第1の実施形態においては、部品収納器としてカセット式フィーダ23を適用するので、多数のフィーダを有効に利用することができ効率的である。
次に第2の実施形態の実装の制御方法について図9のフローチャート3に基づいて説明する。第1の実施形態では基板Sに部品pmを実装していくとき、初期に吸着ノズル21の作業効率に基づき最適化した条件で実装するようにしたが、第2の実施形態では、部品pmの実装順序は部品種Pmを基準にして行なうようにした。つまり、各部品種Pmに基づいて実装の優先順位を決め、該順位に基づいて実装を行なっていくものである。そして優先順位の高い所定の部品種Pmの部品pmの実装予定数が完了するか、または該部品種Pmの部品pmがカセット式フィーダ23からなくなり実装できなくなったときに、次に優先順位の高い部品種Pmの部品pmの実装を開始する。このため第1の実施形態とは制御装置30による制御内容のみが異なり、よって変更される部分のみを説明し、その他の同様の構成、作用等については説明を省略する。また第2の実施形態について説明するとき、第1の実施形態と同様の構成部品については同じ符号を付して説明する。
第2の実施形態においても、生産開始時においては部品供給装置22の図略のスロットに各カセット式フィーダ23がランダムに嵌挿され、そして各カセット式フィーダ23には基板Sに実装する部品種Pmの部品pmが少なくとも1種類以上収納されているものとする。部品pmを基板S上に実装するために、作業者によって実装開始スイッチが押されると、制御装置30のマイクロコンピュータは、実装プログラムを実行し、各装置は制御装置30からの制御信号に基づいて作動される。
図9のフローチャート3に示すように、フローチャート3のステップS40では、基板搬送装置12によって所定位置まで搬入された基板Sの基板種の認識が、認識用カメラ28によって行なわれる。そして、基板搬送装置12は基板Sを所定位置まで搬入し、基板Sをその位置にて基板保持装置13によって位置決め保持する。
次にステップS41(読出しステップ)では、制御装置30がステップS40で認識した基板種に応じた全部品種データである実装部品リストYを記憶装置34から取得する(読出し手段45)。そして、ここで実装部品リストYに基づき部品種別実装個数表48を作成する。ステップS42では、制御装置30がステップS40で認識した基板種に応じた部品の実装データ(X)を記憶装置34から取得する。このとき実装データ(X)は第1の実施形態とは異なり、各部品種Pmを基準に最適化した順番に並べられている。
次にステップS43で、実装データ(X)のr番目のデータXrを示すrがr=1として初期セットされるとともに、各部品種Pm毎の部品pmの実装済個数を示すカウンタSPmがSPm=0としてセットされる。
次にステップS44では実装データ(X)の全部品種Pmを実装したか否かを確認する。全部品種Pmの全部品pmが実装済であればプログラムはYで終了となり、まだ実装すべき部品種Pm(部品pm)が残っていればステップS45に進む。なお、第2の実施形態においては、ステップS43とステップS44との間に、割り込みの制御であるステップS57を有している。ステップS57は、表示装置32の表示機に表示された不足部品種を作業者が部品配置装置22のスロットに配置した場合の制御であり、第1の実施形態のフローチャート1のステップ24と同様の作動がされ、同様の効果が得られる。
ステップS45では、制御装置30が実装可能部品種リストL5を取得する。実装可能部品種リストL5は、第1の実施形態と同様に図8のフローチャート2によって作成されるので説明は省略する。
ステップS46では、実装可能部品種リストL5の部品種Pmの数が1以上であるか確認する。1以上であれば、実装できる部品種Pmが存在することを示しているのでステップS47に進む。しかし、ここで実装可能部品種リストL5の部品種Pmの数が0であれば判定NOでステップS45に再度移動する。このときタイマーを設け所定時間経過後にステップS45に移動する。そしてステップS45、及びステップS46の間を実装可能部品種リストL5の部品種Pmの数が1以上になるまで、即ち基板Sに実装可能な部品pmが部品供給装置22に供給されるまで繰り返し処理を実行する。そして実装可能な部品種Pmが部品供給装置22に供給されるとステップS47に移動する。
ステップS47では、実装可能部品種リストL5の部品種Pmから1部品種Pmを取得する。ステップS48では、制御装置30が、実装データ(X)から、r番目のデータXrの部品種Pmを取得する。
次にステップS49においては、ステップS47で取得した実装可能部品種リストL5の部品種Pmと、ステップS48で取得したデータXrの部品種Pmとを照合し一致するか否かを判定する。このように、ステップS47、ステップS48、及びステップS49によって、判定ステップ及び判定手段46を構成し、基板Sに実装する全部品種Pmの部品pmをそれぞれ収納するカセット式フィーダ23の少なくとも1つが部品供給装置22に配置されているか否かを判定している。そして実装可能部品種リストL5の部品種PmとデータXrの部品種Pmとが一致していればステップS51(実装ステップ)に進み、取得したデータXrの部品種Pmの部品pmを基板Sに実装する(実装手段47)。
また一致していなければステップS50に移動し、rを1だけインクリメントする。そしてステップS48に戻り、実装データ(X)からデータXr(このときのrは先回のrより1だけ大きい)の部品種Pmを再度取得する。
そして、先回と同様、ステップS49において、ステップS47で取得した実装可能部品種リストL5の部品種Pmと、次のデータXrの部品種Pmとを再度照合する。そして部品種Pmが一致すればステップS51に進む。なければステップS50、ステップS48、及びステップS49を、実装可能部品種リストL5の部品種Pmと、データXrの部品種Pmとが一致するまで繰り返し処理する。
このように本発明においては、実装可能部品種リストL5の部品種Pmを基準にして、実装データ(X)に実装すべき部品種Pmが存在するか否かを照合する。そして実装すべき部品種Pmが、実装データ(X)に少なくとも1つ存在すれば基板Sに部品種Pmの部品pmの実装が開始できる。よって部品供給装置22に実装のために必要な全部品種Pmが準備されるのを待つ必要がなく時間の節約ができ効率的である。
そしてステップS51によって、基板SにデータXrの部品種Pmの部品pmが実装された後、ステップS52に移動する。ステップS52では、ステップS51で実装されたデータXrの部品種Pmの部品pmの実装済個数SPmを1だけインクリメントする。
ステップS53では、データXrの部品種Pm毎の全実装部品数を示すTPmと実装済個数SPmとを比較する。実装すべき部品種Pmの部品pmの総個数を示すTPmがTPm=SPmとなれば、部品種Pmの部品pmは全て基板Sに実装したこととなりステップS54に進む。
しかしTPm≠SPmであれば、データXrの部品種Pmの部品pmはまだ実装する必要があるのでステップS50でrを1だけインクリメントしたのちに、ステップS48に戻り、ステップS53において部品種Pmの実装済個数SPmがTPm=SPmとなるまでステップS50、及びステップS48〜ステップS53を繰り返し処理する。
そしてステップS53でTPm=SPmとなると、データXrの部品種Pmの部品pmの基板Sへの実装が全て終了したことになるのでステップS54(実装済部品種表示ステップ)に進み、実装が終了したデータXrの部品種Pmを実装済部品種リストL2に記載する。なお、ステップS48〜ステップS54によって実装済部品種記憶ステップを構成している。
そしてステップS55に移動し、実装が終了したデータXrの部品種Pmを実装可能部品種リストL5から削除する。次にステップS56に移動しrをr=1で再初期化する。
その後、ステップS44に移動し、全部品種Pmの実装が終了するまでステップS44〜ステップS56までの処理を繰り返す。ステップS44で全部品種Pmの実装の終了を確認するとプログラムを終了する。
上記のように第2の実施形態においては、実装可能部品種リストL5と実装データ(X)との間で共通に存在する部品種Pmが実装優先順位順に順次探索されて基板Sへの実装がされる。これにより実装データ(X)の全ての部品種Pmを部品供給装置22に同時に準備しなくても、実装可能部品種リストL5と実装データ(X)との間で少なくとも1つの部品種Pm(部品pm)が一致していれば実装でき基板Sの生産が開始できるので効率的であり、実装工数の低減を図ることができる。このように第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
なお、本実施形態においては、部品収納器としてカセット式フィーダ23を適用したが、これに限らず、特開2008−117992に開示されるような部品供給用の部品収納器としてパレット状(トレイ状)のカセットを適用してもよい。
10・・・電子部品実装装置、11・・・基台、12・・・基板搬送装置、13・・・基板保持装置、17・・・部品移載装置、18・・・移動台、20・・・部品実装ヘッド、21・・・吸着ノズル、22・・・部品供給装置、23・・・部品収納器(カセット式フィーダ)、23c・・・部品取出し箇所、24・・・部品供給箇所、30・・・制御装置、31・・・入力装置、32・・・表示装置、34・・・記憶装置、35・・・演算部、L2・・・実装済部品種リスト、L3・・・配置部品種リスト、L4・・・共通部品種リスト、L5・・・実装可能部品種リスト、L6・・・不足部品種リスト、L7・・・不用部品種リスト、S・・・基板、Pm・・・部品種、pm・・・部品、X・・・実装データ、Y・・・実装部品リスト。

Claims (6)

  1. 基板を位置決め保持する基板保持装置と、
    部品を収納する少なくとも1つの部品収納器が配置された部品供給装置と、
    前記部品収納器から部品を採取し前記基板上に実装する部品移載装置と、
    前記基板に実装される部品の部品種を基板種毎に記憶する記憶装置と、
    を備えた電子部品実装装置において、
    前記部品の実装が開始される基板種の基板に実装される部品の全部品種を前記記憶装置から読み出す読出しステップと、
    前記基板に実装される全部品種の部品をそれぞれ収納する前記部品収納器の少なくとも1つが前記部品供給装置に配置されているか否かを判定する判定ステップと、
    前記判定ステップが前記少なくとも1つの部品収納器が前記部品供給装置に配置されていると判定すると前記全部品種をそれぞれ収納する前記部品収納器の全てが前記部品供給装置に配置されていない場合であっても前記部品移載装置が前記少なくとも1つの部品収納器から部品を採取して前記基板保持装置に保持された基板に部品実装を開始する実装ステップと、
    を備えることを特徴とする電子部品実装装置の実装方法。
  2. 請求項1において、
    前記記憶装置は1枚の基板に実装される部品の部品種別の全個数を基板種別に記入した部品種別実装個数表を記憶し、
    前記基板に前記部品移載装置によって一の部品種の部品が実装される毎に該一の部品種の部品が実装された個数が前記部品種別実装工数表に記載された該一の部品種の全個数と一致した実装済部品種を記憶する実装済部品種記憶ステップと、
    前記記憶された実装済部品種を読出して実装済部品種リストを作成し、該実装済部品種を表示装置に表示する実装済部品種表示ステップと、
    前記読出しステップによって読出された前記実装される部品の全部品種から前記実装済部品種、及び前記部品収納器に収納され前記部品供給装置に配置されている部品の全部品種を削除し不足部品種を導出して不足部品種リストを作成し、該不足部品種を前記表示装置に表示する不足部品種表示ステップと、
    前記読出しステップによって読出された前記実装される部品の全部品種から前記実装済部品種を削除した部品種を、前記部品供給装置に配置された前記部品収納器に収納されている前記部品の全部品種から削除し不用部品種を導出して不用部品種リストを作成し、該不用部品種を前記表示装置に表示する不用部品種表示ステップと、
    を備えることを特徴とする電子部品実装装置の実装方法。
  3. 請求項2において、前記不足部品種表示ステップによって表示された前記不足部品種が収納される前記部品収納器を前記部品供給装置に配置し、
    前記部品供給装置に配置されている全部品種を記載した配置部品種リストを作成する配置部品種記憶ステップと、
    前記配置部品種リストと前記基板に実装される前記全部品種との共通部品種を記載した共通部品種リストを作成する共通部品種記憶ステップと、
    前記共通部品種リストから前記実装済部品種リストに記載された実装済部品種を削除した実装可能部品種を記載した実装可能部品種リストを作成する実装可能部品種記憶ステップと、
    前記部品移載装置が前記実装可能部品種リストに記載された部品種の部品を収納する前記部品収納器から部品を採取して前記基板保持装置に保持された基板に部品を実装する実装ステップと、
    を備えることを特徴とする電子部品実装装置の実装方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項において、前記部品収納器はフィーダであることを特徴とする電子部品実装装置の実装方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項における電子部品実装装置によって前記基板への前記全部品種の実装がされるとき、前記基板に実装されない部品種の部品を収納する前記部品収納器が前記部品供給装置に配置され、又は配置可能な状態であっても前記全部品種の前記基板への実装は1台の前記電子部品実装装置によって実施されることを特徴とする電子部品実装装置の実装方法。
  6. 基板を位置決め保持する基板保持装置と、
    部品を収納する少なくとも1つの部品収納器が配置された部品供給装置と、
    前記部品収納器から部品を採取し前記基板上に実装する部品移載装置と、
    前記基板に実装される部品の部品種を基板種毎に記憶する記憶装置と、
    を備えた電子部品実装装置において、
    前記部品の実装が開始される基板種の基板に実装される部品の全部品種を前記記憶装置から読み出す読出し手段と、
    前記基板に実装される全部品種の部品をそれぞれ収納する前記部品収納器の少なくとも1つが前記部品供給装置に配置されているか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段が前記少なくとも1つの部品収納器が前記部品供給装置に配置されていると判定すると前記全部品種をそれぞれ収納する前記部品収納器の全てが前記部品供給装置に配置されていない場合であっても前記部品移載装置が前記少なくとも1つの部品収納器から部品を採取して前記基板保持装置に保持された基板に部品実装を開始する実装手段と、
    を備えることを特徴とする電子部品実装装置。
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