JP2012003934A - 固体酸化物型燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】発電効率を維持した上で、低コスト化を実現できる固体酸化物型燃料電池を提供する。
【解決手段】第1セル50aは、アノードガス供給系における第2セル50bよりも上流側に配置され、アノードガスが第1セル50aのアノード51を通過後に、第2セル50bのアノード51に供給されるように構成されていることを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】第1セル50aは、アノードガス供給系における第2セル50bよりも上流側に配置され、アノードガスが第1セル50aのアノード51を通過後に、第2セル50bのアノード51に供給されるように構成されていることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、固体酸化物型燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)に関するものである。
従来から、燃料電池の電解質にセラミックス系の固体電解質膜を用い、この固体電解質膜をアノードとカソードとで両側から挟んでセルを形成した固体酸化物型燃料電池(以下、SOFCという)が知られている。このSOFCは、ダイレクト・メタノール型燃料電池等の固体高分子型燃料電池に比べ発電効率が高く、燃料ガスとして水素ガス以外に一酸化炭素やメタン等、炭化水素系燃料全般をそのまま利用できる。さらに、作動温度が高いため、反応にPt(白金)のように高価な触媒を利用せずに済む、等のメリットがある。
このSOFCを、定置型の燃料電池システムに適用する場合には、燃料供給の容易さから天然ガス等のHCガス燃料を利用するのが主流である。
また近年では、燃料電池車両や携帯電子機器等の移動体の燃料電池システムに、SOFCを適用することが検討されている。この場合には、HCガス燃料に比べて密度が高く供給インフラも整っている、ガソリンや軽油等の炭化水素系液体燃料(HC液体燃料)を利用することが検討されている(例えば、特許文献1参照)。
また近年では、燃料電池車両や携帯電子機器等の移動体の燃料電池システムに、SOFCを適用することが検討されている。この場合には、HCガス燃料に比べて密度が高く供給インフラも整っている、ガソリンや軽油等の炭化水素系液体燃料(HC液体燃料)を利用することが検討されている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、上述したようにSOFCのセルを用いた燃料電池システムは作動温度が高温であるため、始動時にセルを昇温する必要がある。特に、燃料にHC液体燃料を利用する場合には、HC液体燃料がアノードに到達する前に、HC液体燃料をガス化(改質)するため、HCガス燃料をそのままアノードに供給する場合に比べて、セルの温度を高温(例えば、800℃程度)にする必要がある。そのため、HC液体燃料を利用する場合には、セルの構成材料に、耐熱性に優れ、かつ作動温度が高いものを選択する必要がある。
ここで、上述したSOFCの実用化を図るためには、セルを複数積層して、燃料電池スタックとすることが検討されている。
この場合、積層された複数のセルのうち、全てのセルを作動温度及び耐熱性の要求が高い材料で構成すると、材料コストが嵩み、装置コストの増加に繋がるという問題がある。また、所望の発電効率を得るためには、セルの作動温度に合わせてスタック全体を高温まで昇温する必要があるため、起動エネルギーの増加にも繋がる。
一方で、作動温度及び耐熱性の要求が低い材料は、材料コストが比較的安価であるため、装置コストの増加を抑制できると考えられる。しかしながら、このような材料を用いた場合、HC液体燃料の改質温度までセルを昇温できないので、上述したHC液体燃料を使用できないという問題がある。
この場合、積層された複数のセルのうち、全てのセルを作動温度及び耐熱性の要求が高い材料で構成すると、材料コストが嵩み、装置コストの増加に繋がるという問題がある。また、所望の発電効率を得るためには、セルの作動温度に合わせてスタック全体を高温まで昇温する必要があるため、起動エネルギーの増加にも繋がる。
一方で、作動温度及び耐熱性の要求が低い材料は、材料コストが比較的安価であるため、装置コストの増加を抑制できると考えられる。しかしながら、このような材料を用いた場合、HC液体燃料の改質温度までセルを昇温できないので、上述したHC液体燃料を使用できないという問題がある。
さらに、車両用等の高出力で高出力密度な燃料電池システムの場合、発電に伴い発生する熱を抜熱し、燃料電池温度を一定に制御することが重要となる。燃料電池システムから放射及び熱伝導で抜熱する場合は、抜熱する熱流束に比例する温度勾配が燃料電池に必然的に発生してしまう。
しかしながら、従来の燃料電池スタック/モジュールは発電性能の空間分布を抑制するため、温度分布や温度勾配を設けないように制御することが殆どである。この際、冷却方法としては、カソードの酸化剤ガス流量を増加させる等の方法があるが、冷却能力を増加するためにはガス流量を増大させる必要があり、ファン駆動電力の増加によりシステム総合効率が低下する。また温度勾配を小さく制御するシステムの場合、本質的に冷却能力が不足するため、高出力で高出力密度の燃料電池冷却制御方法として本質的に不適切であった。
しかしながら、従来の燃料電池スタック/モジュールは発電性能の空間分布を抑制するため、温度分布や温度勾配を設けないように制御することが殆どである。この際、冷却方法としては、カソードの酸化剤ガス流量を増加させる等の方法があるが、冷却能力を増加するためにはガス流量を増大させる必要があり、ファン駆動電力の増加によりシステム総合効率が低下する。また温度勾配を小さく制御するシステムの場合、本質的に冷却能力が不足するため、高出力で高出力密度の燃料電池冷却制御方法として本質的に不適切であった。
そこで、本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、システム全体の発電効率を高く維持した上で、低コスト化を実現できる固体酸化物型燃料電池を提供するものである。また、高出力密度スタックの高出力時における優れた冷却方法も提供する。なお、本発明はHC液体燃料利用時だけに限定するものではなく、より低温で改質可能なガス燃料利用時においても応用できる。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、固体酸化物型燃料電池の発電体の一方の電極(例えば、実施形態におけるカソード53)に酸化剤ガスを供給し、他方の電極(例えば、実施形態におけるアノード51)にガス化燃料を供給して発電する固体酸化物型燃料電池であって、前記発電体は、高温作動用発電体(例えば、実施形態における第1セル50a)と、前記高温作動用発電体の作動温度よりも低い作動温度の低温作動用発電体(例えば、実施形態における第2セル50b)とを少なくとも備え、前記高温作動用発電体及び前記低温作動用発電体のそれぞれの前記一方の電極に前記酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給系(例えば、実施形態におけるカソードガス供給系11)と、前記高温作動用発電体及び前記低温作動用発電体のそれぞれの前記他方の電極に前記ガス化燃料を供給するガス化燃料供給系(例えば、実施形態におけるアノードガス供給系12)と、を備え前記高温作動用発電体は、前記ガス化燃料供給系における前記低温作動用発電体よりも上流側に配置され、前記ガス化燃料が前記高温作動用発電体の前記他方の電極を通過後に、前記低温作動用発電体の前記他方の電極に供給されるように構成されていることを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、前記低温作動用発電体を前記高温作動用発電体よりも低い温度に制御する冷却制御装置(例えば、実施形態における熱交換器42b)を備えていることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、前記高温作動用発電体は小径の半円状に形成され、前記低温作動用発電体は前記高温作動用発電体の外周側に配置されるとともに、前記高温作動用発電体よりも大径の半円状に形成され、前記酸化剤ガスが、前記低温作動用発電体の前記一方の電極を通過後に、前記高温作動用発電体の前記一方の電極に供給され、前記ガス化燃料が前記高温作動用発電体の前記他方の電極を通過後に、前記低温作動用発電体の前記他方の電極に供給されるように構成されていることを特徴とする。
請求項1に記載した発明によれば、高温作動用発電体の他方の電極を通過後に、低温作動用発電体の他方の電極にガス化燃料が供給されるように構成することで、低温作動用発電体には既に改質された燃料(ガス化燃料)が供給される。例えば、800℃におけるガソリンの水蒸気改質直後の組成は、成分が多い順にCH4,H2、C6H6,Indene,Naphtalence,CO,C2H4,C2H6,Stylence,C3H6となるが、高温作動用発電体における発電作用と内部改質によってCh4,H2,CO,CO2等が主成分となる。
また、ガス化燃料供給系を流通するガス化燃料は、ガス化燃料の流通方向に沿って徐々に希薄になる。すなわち、ガス化燃料は、各発電体で発電に供されることで、ガス化燃料中の燃料分圧が低下し、排ガス(CO2やH2O等)分圧が増加する。そのため、ガス化燃料供給系における下流側での発電に伴う発熱量は、上流側での発電に伴う発熱量に比べて少なくなる。その結果、低温作動用発電体の抜熱量を適切に制御すれば、ガス化燃料はガス化燃料供給系内において、上流側から下流側にかけて低温となる温度勾配が生じる。
そのため、低温作動用発電体ではガス化燃料の温度に合わせて比較的低温での発電が可能になる。すなわち、低温作動用発電体を高温作動用発電体と同等の温度まで昇温する必要がないため、改質温度が高い燃料(例えば、HC液体燃料)を用いた場合であっても、高温作動用発電体に比べて作動温度及び耐熱性の要求が低い、比較的安価な材料により低温作動用発電体を構成できる。したがって、全ての発電体に作動温度及び耐熱性の要求が高い高温作動用発電体を採用する場合に比べて、装置の低コスト化を図ることができる。
さらに、全ての発電体を同等の温度まで昇温した状態で作動させる場合に比べて起動エネルギーの低減を図ることができる。
また、ガス化燃料の温度に応じて作動温度の異なる発電体を配置することで、各発電体において作動温度に応じた所望の発電性能を発揮させることができる。これにより、固体酸化物型燃料電池全体の発電効率も高いまま維持できる。
また、ガス化燃料供給系を流通するガス化燃料は、ガス化燃料の流通方向に沿って徐々に希薄になる。すなわち、ガス化燃料は、各発電体で発電に供されることで、ガス化燃料中の燃料分圧が低下し、排ガス(CO2やH2O等)分圧が増加する。そのため、ガス化燃料供給系における下流側での発電に伴う発熱量は、上流側での発電に伴う発熱量に比べて少なくなる。その結果、低温作動用発電体の抜熱量を適切に制御すれば、ガス化燃料はガス化燃料供給系内において、上流側から下流側にかけて低温となる温度勾配が生じる。
そのため、低温作動用発電体ではガス化燃料の温度に合わせて比較的低温での発電が可能になる。すなわち、低温作動用発電体を高温作動用発電体と同等の温度まで昇温する必要がないため、改質温度が高い燃料(例えば、HC液体燃料)を用いた場合であっても、高温作動用発電体に比べて作動温度及び耐熱性の要求が低い、比較的安価な材料により低温作動用発電体を構成できる。したがって、全ての発電体に作動温度及び耐熱性の要求が高い高温作動用発電体を採用する場合に比べて、装置の低コスト化を図ることができる。
さらに、全ての発電体を同等の温度まで昇温した状態で作動させる場合に比べて起動エネルギーの低減を図ることができる。
また、ガス化燃料の温度に応じて作動温度の異なる発電体を配置することで、各発電体において作動温度に応じた所望の発電性能を発揮させることができる。これにより、固体酸化物型燃料電池全体の発電効率も高いまま維持できる。
請求項2に記載した発明によれば、冷却制御装置により低温作動用発電体の温度をガス化燃料の温度に応じて制御できるので、発電効率をより簡単に維持できる。
請求項3に記載した発明によれば、上述したようにガス化燃料供給系内に導入されるガス化燃料は、発電に供されることで、ガス化燃料の流通方向に沿って徐々に希薄になるため、発熱量が減少する。この場合、抜熱量が場所によらず一定であったとしても、ガス化燃料供給系内において、高温作動用発電体側(内周側)から低温作動用発電体側(外周側)にかけて低温となる温度勾配が生じる。
一方、酸化剤ガス供給系内の低温作動用発電体側(外周側)を流通する酸化剤ガスは、低温作動用発電体側(外周側)で吸熱量が多く、さらに発電体の外周部表面からの放射伝熱や空冷、水冷熱伝導による抜熱量制御により、低温作動用発電体側(外周側)から高温作動用発電体側(内周側)にかけて高温となる温度勾配が生じる。
すなわち、酸化剤ガスの流量と温度制御のみの場合に比べて、より容易に高温作動用発電体から低温作動用発電体に向かうにつれ低温になる温度勾配を固体酸化物型燃料電池(スタック)に生じさせることができるため、高温改質が必要な液体燃料を利用しつつ、低温作動用発電体においては低コスト材料を利用することで、固体酸化物型燃料電池コストを低減できる。また、高出力で高出力密度な燃料電池システムにおいても十分な冷却が可能となる。
一方、酸化剤ガス供給系内の低温作動用発電体側(外周側)を流通する酸化剤ガスは、低温作動用発電体側(外周側)で吸熱量が多く、さらに発電体の外周部表面からの放射伝熱や空冷、水冷熱伝導による抜熱量制御により、低温作動用発電体側(外周側)から高温作動用発電体側(内周側)にかけて高温となる温度勾配が生じる。
すなわち、酸化剤ガスの流量と温度制御のみの場合に比べて、より容易に高温作動用発電体から低温作動用発電体に向かうにつれ低温になる温度勾配を固体酸化物型燃料電池(スタック)に生じさせることができるため、高温改質が必要な液体燃料を利用しつつ、低温作動用発電体においては低コスト材料を利用することで、固体酸化物型燃料電池コストを低減できる。また、高出力で高出力密度な燃料電池システムにおいても十分な冷却が可能となる。
(第1実施形態)
(燃料電池システム)
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は実施形態における燃料電池システムのブロック図である。
図1に示すように、燃料電池システム1は、燃料電池スタック2(以下、燃料電池2という)と、燃料電池2にカソードガス(例えば、空気)を供給するためのカソードガス供給系(酸化剤ガス供給系)11と、アノードガス(例えば、HC系ガス燃料)を供給するためのアノードガス供給系(ガス化燃料供給系)12と、を主に備えている。
(燃料電池システム)
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は実施形態における燃料電池システムのブロック図である。
図1に示すように、燃料電池システム1は、燃料電池スタック2(以下、燃料電池2という)と、燃料電池2にカソードガス(例えば、空気)を供給するためのカソードガス供給系(酸化剤ガス供給系)11と、アノードガス(例えば、HC系ガス燃料)を供給するためのアノードガス供給系(ガス化燃料供給系)12と、を主に備えている。
カソードガス供給系11は、燃料電池2に向けてカソードガスを送出するエアポンプ等の空気供給器21と、空気供給器21と燃料電池2とを接続する複数(例えば2本)のカソードガス供給流路22a,22bと、燃料電池2で発電に供されたカソードオフガスが流通する複数のカソードオフガス排出流路23a,23bと、を備えている。また、カソードオフガス排出流路23a,23bは、それぞれの下流端で合流流路24に接続されている。
一方、アノードガス供給系12は、アノードガスとなる燃料が収容される燃料供給器31と、燃料供給器31と燃料電池2とを接続する燃料供給流路32と、燃料供給流路32を流通する燃料を燃料電池2に向けて導入する燃料導入部33と、燃料電池2で発電に供されたアノードオフガスが流通するアノードオフガス排出流路34とを備えている。
一方、アノードガス供給系12は、アノードガスとなる燃料が収容される燃料供給器31と、燃料供給器31と燃料電池2とを接続する燃料供給流路32と、燃料供給流路32を流通する燃料を燃料電池2に向けて導入する燃料導入部33と、燃料電池2で発電に供されたアノードオフガスが流通するアノードオフガス排出流路34とを備えている。
燃料電池2の出口側において、合流流路24及びアノードオフガス排出流路34には、燃焼器41が接続されている。燃焼器41には、上述した燃料電池2で発電に供されたアノードオフガスがアノードオフガス排出流路34を介して供給されるとともに、カソードオフガスが合流流路24を介して供給される。そして、燃焼器41では、アノードオフガスとカソードオフガスとが反応(燃焼)することで、高温の燃焼ガスが生成される。
上述した各カソードガス供給流路22a,22bには、燃料電池2に供給されるカソードガスの温度を調整(冷却)する熱交換器(冷却制御装置)42a,42bがそれぞれ接続されている。各熱交換器42a,42bは、燃焼ガス流路43を介して燃焼器41に接続され、燃焼器41で生成される燃焼ガスが各熱交換器42a,42bに供給されるようになっている。すなわち、カソードガス供給流路22a,22bを流通するカソードガスは、熱交換器42a,42bに供給される燃焼ガスとの間で熱交換を行った後、燃料電池2に供給される。
燃料供給器31には、アノードガスとなる燃料が収容されている。なお、燃料には例えばガソリン、軽油、エタノール、メタノール等のHC液体燃料や、天然ガス等のHCガス燃料を用いることが可能であり、本実施形態ではHCガス燃料に比べて密度が高いHC液体燃料が好適に用いられている。
燃料導入部33は、燃料電池2に向けて燃料を導入するものであり、本実施形態では例えばインジェクター等を用い、HC液体燃料を燃料電池2のアノード51に向けて噴霧する。
燃料導入部33は、燃料電池2に向けて燃料を導入するものであり、本実施形態では例えばインジェクター等を用い、HC液体燃料を燃料電池2のアノード51に向けて噴霧する。
図2は燃料電池の概略構成図である。
ここで、図2に示すように、本実施形態の燃料電池2は、アノードガスの流通方向に沿って複数のセル(第1セル50a及び第2セル50b)及び接続部54〜56が交互に接続されたものである。
各セル50a,50bは、アノード支持型(小型円筒構造)のチューブセルであって、円筒形状のアノード(他方の電極)51と、アノード51の外周面に形成された固体電解質膜52と、固体電解質膜52の外周面に形成されたカソード(一方の電極)53とを備えている。なお、以下の説明では、各セル50a,50bを区別する必要がない場合は、まとめてセル50とする。
ここで、図2に示すように、本実施形態の燃料電池2は、アノードガスの流通方向に沿って複数のセル(第1セル50a及び第2セル50b)及び接続部54〜56が交互に接続されたものである。
各セル50a,50bは、アノード支持型(小型円筒構造)のチューブセルであって、円筒形状のアノード(他方の電極)51と、アノード51の外周面に形成された固体電解質膜52と、固体電解質膜52の外周面に形成されたカソード(一方の電極)53とを備えている。なお、以下の説明では、各セル50a,50bを区別する必要がない場合は、まとめてセル50とする。
また、接続部54〜56は、例えばセラミック製の筒部材からなり、その内側が燃料電池2のアノード51の内側に連通するように接続されている。具体的に、接続部54〜56のうち、接続部54は第1セル51aの入口側と燃料導入部33との間に接続され、接続部55は各セル50間において各セル50のアノード51同士に接続され、接続部56は第2セル50bの出口側と燃焼器41との間にそれぞれ接続されている。すなわち、本実施形態の燃料電池2は、接続部54〜56を介して複数のセル50が連設された筒状に構成されている。この場合、燃料電池2の内側(アノード51及び接続部54〜56の内側)は、燃料導入部33により導入されるアノードガスが流通するアノードガス流路57を構成している。
また、カソード53の外側には、各セル50の外側をそれぞれ覆う複数の外筒58a,58bが設けられている。各外筒58a,58bのうち、第1セル50aを覆う外筒58aは上述したカソードガス供給流路22aに接続され、第2セル50bを覆う外筒58bはカソードガス供給流路22bに接続されており、空気供給器21から供給されるカソードガスは各外筒58a,58bの内側に向けてそれぞれ供給される。すなわち、外筒58a,58bとカソード53とで囲まれた空間は、カソードガスが流通するカソードガス流路59を構成している。なお、各外筒58a,58bには、図示しない電気ヒーターが内蔵されるとともに、熱電対が内蔵されている。
上述した各セル50のアノード51は、例えばニッケル等で構成され、カソード43は例えばマンガン系ペロブスカイト材料(LSM)等で構成されている。
また、各セル50の固体電解質膜52は、それぞれ作動温度の異なる材料で構成されている。具体的に、第1セル50aの固体電解質膜52は、作動温度が例えば800℃程度の材料(例えば、YSZ(イットリア安定化ジルコニア))で構成され、第2セル50bの固体電解質膜52は、第1セル50aの固体電解質膜52よりも作動温度の低い(例えば600℃程度)材料(例えば、GDC(ガドリニウム添加セリア))で構成されている。すなわち、本実施形態の燃料電池2は、アノードガスの流通方向上流側に作動温度が比較的高い第1セル(高温作動用発電体)50aが配置され、下流側に第1セル50aに比べて作動温度が低い第2セル(低温作動用発電体)50bが配置されている。なお、本実施形態では、固体電解質膜52のみを作動温度の異なる材料で構成したが、これに限らず、アノード51及びカソード53についても、作動温度の異なる材料で構成することが可能である。また本実施形態において、作動温度とは各セル50の発電性能の高い温度範囲のことである。
また、各セル50の固体電解質膜52は、それぞれ作動温度の異なる材料で構成されている。具体的に、第1セル50aの固体電解質膜52は、作動温度が例えば800℃程度の材料(例えば、YSZ(イットリア安定化ジルコニア))で構成され、第2セル50bの固体電解質膜52は、第1セル50aの固体電解質膜52よりも作動温度の低い(例えば600℃程度)材料(例えば、GDC(ガドリニウム添加セリア))で構成されている。すなわち、本実施形態の燃料電池2は、アノードガスの流通方向上流側に作動温度が比較的高い第1セル(高温作動用発電体)50aが配置され、下流側に第1セル50aに比べて作動温度が低い第2セル(低温作動用発電体)50bが配置されている。なお、本実施形態では、固体電解質膜52のみを作動温度の異なる材料で構成したが、これに限らず、アノード51及びカソード53についても、作動温度の異なる材料で構成することが可能である。また本実施形態において、作動温度とは各セル50の発電性能の高い温度範囲のことである。
(作用)
次に、上述した燃料電池システム1の動作方法について説明する。
まず、図1,図2に示すように、外筒58a,58b内に内蔵されたヒーターを作動させて各セル50を昇温するとともに、空気供給器21からカソードガス流路59内にカソードガスを供給し、各セル50を作動温度に維持する。この場合、第2セル50bのカソードガス流路59に供給するカソードガスの流量QinLを、第1セル50aのカソードガス流路59に供給するカソードガスの流量QoutHに比べて多くする。これにより、第1セル50aを燃料の改質温度(例えば、800℃程度)に維持する一方、第2セル50bを第1セル50aよりも低い温度(例えば、500℃程度)に維持する。
次に、上述した燃料電池システム1の動作方法について説明する。
まず、図1,図2に示すように、外筒58a,58b内に内蔵されたヒーターを作動させて各セル50を昇温するとともに、空気供給器21からカソードガス流路59内にカソードガスを供給し、各セル50を作動温度に維持する。この場合、第2セル50bのカソードガス流路59に供給するカソードガスの流量QinLを、第1セル50aのカソードガス流路59に供給するカソードガスの流量QoutHに比べて多くする。これにより、第1セル50aを燃料の改質温度(例えば、800℃程度)に維持する一方、第2セル50bを第1セル50aよりも低い温度(例えば、500℃程度)に維持する。
次に、燃料供給器31に収容された燃料を、燃料導入部33から燃料電池2のアノードガス流路57内に向けて噴霧する。噴霧された燃料は、アノードガス流路57内でHCガス燃料(アノードガス)に改質されながら、接続部54を通って第1セル50aの内側に導入される。
そして、第1セル50aのカソードガス流路59内に供給されたカソードガスは、カソード53において触媒反応により酸素イオンとなる。カソード53で発生した酸素イオンは、固体電解質膜52を透過してアノードガス流路57のアノード51まで移動する。
一方、アノードガス流路57で改質されたアノードガスは第1セル50aのアノード51に到達する。そして、アノード51に到達したアノードガスと、アノード51まで移動した酸素イオンとが、アノード51で反応する際に、電子を放出することで発電が行われる(H2+O2−→H2O+2e−)。
一方、アノードガス流路57で改質されたアノードガスは第1セル50aのアノード51に到達する。そして、アノード51に到達したアノードガスと、アノード51まで移動した酸素イオンとが、アノード51で反応する際に、電子を放出することで発電が行われる(H2+O2−→H2O+2e−)。
第1セル50aで発電に供されたアノードガスは、第1セル50aの出口側から排出された後、接続部55を通って第2セル50bのアノード51の内側に供給される。そして、第2セル50bにおいても、第1セル50aと同様の反応により発電が行われる。
ところで、燃料電池2において、アノードガス流路57の上流側に配置された第1セル50aは、アノードガス流路57内に導入される燃料を改質させる必要があるため、比較的高温に維持する必要がある。しかしながら、アノードガス流路57の下流側の第2セル50bには、上流側で既に改質された燃料(アノードガス)が供給されるため、第2セル50bを燃料の改質温度まで昇温する必要はない。なお例えば、800℃におけるガソリンの水蒸気改質直後の組成は、成分が多い順にCH4,H2、C6H6,Indene,Naphtalence,CO,C2H4,C2H6,Stylence,C3H6となるが、第1セル50aにおける発電作用と内部改質によってCh4,H2,CO,CO2等が主成分となる。
また、アノードガス流路57内に導入されるアノードガス(燃料)は、発電に供されることで、アノードガスの流通方向に沿って徐々に希薄になる。すなわち、アノードガス中の燃料分圧が低下し、排ガス(CO2やH2O等)分圧が増加する。そのため、アノードガス流路57における下流側での発電に伴う発熱量は、上流側での発電に伴う発熱量に比べて少なくなる。その結果、第2セル50bの抜熱量を適切に制御すれば、アノードガスは、アノードガス流路57内において、上流側から下流側にかけて低温となる温度勾配が生じる。
そのため、第2セル50bでは、アノードガスの温度に合わせて比較的低温(例えば、500℃程度)での発電が可能になる。
また、アノードガス流路57内に導入されるアノードガス(燃料)は、発電に供されることで、アノードガスの流通方向に沿って徐々に希薄になる。すなわち、アノードガス中の燃料分圧が低下し、排ガス(CO2やH2O等)分圧が増加する。そのため、アノードガス流路57における下流側での発電に伴う発熱量は、上流側での発電に伴う発熱量に比べて少なくなる。その結果、第2セル50bの抜熱量を適切に制御すれば、アノードガスは、アノードガス流路57内において、上流側から下流側にかけて低温となる温度勾配が生じる。
そのため、第2セル50bでは、アノードガスの温度に合わせて比較的低温(例えば、500℃程度)での発電が可能になる。
第2セル50bで発電に供されたアノードガスは、アノードオフガスとして第2セル50bの出口側から排出された後、アノードオフガス排出流路34内を流通する。同様に、カソードガスは、カソードオフガスとしてカソードガス流路59の出口側から排出され、カソードオフガス排出流路23a,23b内を流通した後、合流して合流流路24内を流通する。そして、アノードオフガス及びカソードオフガスは、燃焼器41内に供給され、燃焼器41内で燃焼されることで高温の燃焼ガスが生成される。燃焼器41内で生成された燃焼ガスは、燃焼ガス流路43を介して熱交換器42a,42bにそれぞれ供給され、空気供給器21から供給されるカソードガスとの間で熱交換を行った後、排出される。
このように、本実施形態では、アノードガスの流通方向上流側に高温作動用発電体である第1セル50aを、下流側に低温作動用発電体である第2セル50bを配置するとともに、第2セル50bを第1セル50aよりも低い温度に維持する構成とした。
この構成によれば、上述したように第2セル50bには改質された燃料(アノードガス)が供給されるため、アノードガスの温度に合わせて比較的低温での発電が可能である。すなわち、第2セル50bを第1セル50aと同等の温度まで昇温する必要はないため、改質温度が高いHC液体燃料を用いた場合であっても、第1セル50aに比べて作動温度及び耐熱性の要求が低い、比較的安価な材料により第2セル50bを構成できる。これにより、全てのセル50に作動温度及び耐熱性の要求が高い材料を採用する場合に比べて、装置の低コスト化を図ることができる。
さらに、全てのセル50を同等の温度まで昇温した状態で作動させる場合に比べて作動コストの低減を図ることができる。また、燃料電池2の起動時間(昇温時間)の短縮を図るとともに、起動エネルギーの低減も図ることができる。
この構成によれば、上述したように第2セル50bには改質された燃料(アノードガス)が供給されるため、アノードガスの温度に合わせて比較的低温での発電が可能である。すなわち、第2セル50bを第1セル50aと同等の温度まで昇温する必要はないため、改質温度が高いHC液体燃料を用いた場合であっても、第1セル50aに比べて作動温度及び耐熱性の要求が低い、比較的安価な材料により第2セル50bを構成できる。これにより、全てのセル50に作動温度及び耐熱性の要求が高い材料を採用する場合に比べて、装置の低コスト化を図ることができる。
さらに、全てのセル50を同等の温度まで昇温した状態で作動させる場合に比べて作動コストの低減を図ることができる。また、燃料電池2の起動時間(昇温時間)の短縮を図るとともに、起動エネルギーの低減も図ることができる。
さらに、燃料電池2内での温度勾配に応じて作動温度の異なるセル50a,50bを配置することで、各セル50a,50bの温度に応じた所望の発電性能を発揮させることができる。これにより、燃料電池システム1全体の発電効率も高いまま維持できる。
また、本実施形態では、熱交換器42a,42bによりアノードガスの温度勾配に応じて各セル50a,50bの温度を調整できるため、発電効率をより簡単に維持できる。
また、本実施形態では、熱交換器42a,42bによりアノードガスの温度勾配に応じて各セル50a,50bの温度を調整できるため、発電効率をより簡単に維持できる。
また、接続部64〜66を介して各セル50a,50b同士を接続することで、セル50a,50b同士を直接接続する場合に比べて、各セル50の熱膨張の差により発生する歪み等を抑制でき、セル50の割れや変形等を抑制できる。さらに、各セル50同士を接続部64〜66により接続することで、アノード51により直接接続する場合に比べて、低コスト化を図ることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図3は第2実施形態におけるセルの分解斜視図であり、図4は燃料電池の断面図である。上述した実施形態では、チューブセル型のセルを採用した場合について説明したが、本実施形態では平板型のセルを採用する点で上述した実施形態と相違している。なお、以下の説明では、上述した実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
図3,図4に示すように、本実施形態の燃料電池102は、平面視半円状に形成されたメタルサポート部110と、メタルサポート部110の厚さ方向両側に配置された一対の発電体101と、発電体101を間に挟んでメタルサポート部110の反対側に配置されたメッシュ部材111と、を有するセル112を備え、このセル112が複数積層されたものである。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図3は第2実施形態におけるセルの分解斜視図であり、図4は燃料電池の断面図である。上述した実施形態では、チューブセル型のセルを採用した場合について説明したが、本実施形態では平板型のセルを採用する点で上述した実施形態と相違している。なお、以下の説明では、上述した実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
図3,図4に示すように、本実施形態の燃料電池102は、平面視半円状に形成されたメタルサポート部110と、メタルサポート部110の厚さ方向両側に配置された一対の発電体101と、発電体101を間に挟んでメタルサポート部110の反対側に配置されたメッシュ部材111と、を有するセル112を備え、このセル112が複数積層されたものである。
図5は、メタルサポート部の断面図である。
図3〜図5に示すように、メタルサポート部110は、その内部が中空に形成された板材であり、長手方向(図5中上下方向)一端側が平面視半円状に形成される一方、長手方向他端側が平面視矩形状に延在している。そして、メタルサポート部110の内部は、アノードガス(燃料)が流通するアノードガス流路121を構成している。
図3〜図5に示すように、メタルサポート部110は、その内部が中空に形成された板材であり、長手方向(図5中上下方向)一端側が平面視半円状に形成される一方、長手方向他端側が平面視矩形状に延在している。そして、メタルサポート部110の内部は、アノードガス(燃料)が流通するアノードガス流路121を構成している。
長手方向他端側の端面における面方向中央部には、アノードガス流路121内に向けてアノードガスを供給するためのアノードガス供給口123が形成される一方、長手方向一端側にはアノードガス流路121内からアノードガスを排出するためのアノードオフガス排出口124が形成されている。
また、アノードガス流路121内には、メタルサポート部110の内部を蛇行状に仕切る仕切壁125が形成されている。これにより、アノードガス流路121は、アノードガス供給口123から長手方向一端側に向けて、メタルサポート部110の面方向中央部まで延在する供給流路121aと、供給流路121aの両側を囲むように蛇行する一対の蛇行流路121bとを構成している。
各蛇行流路121bは、供給流路121aの下流側で両側にそれぞれ分岐された後、メタルサポート部110の外周側に向かうにつれ、長手方向に沿って複数回折り返されている。そして、各蛇行流路121bは、その下流端でアノードオフガス排出口124に合流している。すなわち、蛇行流路121bは、アノードガス流路121の外周部分を構成しており、メタルサポート部110の側壁に面している。
各蛇行流路121bは、供給流路121aの下流側で両側にそれぞれ分岐された後、メタルサポート部110の外周側に向かうにつれ、長手方向に沿って複数回折り返されている。そして、各蛇行流路121bは、その下流端でアノードオフガス排出口124に合流している。すなわち、蛇行流路121bは、アノードガス流路121の外周部分を構成しており、メタルサポート部110の側壁に面している。
メタルサポート部110における両面(第1面110a及び第2面110b)の中央部には、アノードガス流路121と外部とを連通するメッシュ部126が形成されており、これらメッシュ部126上にはメッシュ部126を覆うようにそれぞれ発電体101が配置されている。なお、メタルサポート部110の外縁部から燃料電池102を冷却する際の熱流束(放射冷却、及び低温流体による伝熱冷却)の模式図をQoutと表示した。
図6は、メッシュ部材、カソード及び固体電解質膜を取り外した状態を示す、セルの平面図である。なお、各発電体101は、それぞれ同一の構成であるため、以下の説明では、第1面110a上に配置された発電体101について説明する。
図3〜図6に示すように、発電体101は、メタルサポート部110の第1面110aにおけるメッシュ部126上に、第1面110aの面方向に沿って間隔を空けて配置された複数のアノード151a〜151cと、複数のアノード151a〜151cを一体で覆う固体電解質膜152と、固体電解質膜152上にアノード151a〜151cと略同一パターンで配置されたカソード153a〜153cとを備えている。
図3〜図6に示すように、発電体101は、メタルサポート部110の第1面110aにおけるメッシュ部126上に、第1面110aの面方向に沿って間隔を空けて配置された複数のアノード151a〜151cと、複数のアノード151a〜151cを一体で覆う固体電解質膜152と、固体電解質膜152上にアノード151a〜151cと略同一パターンで配置されたカソード153a〜153cとを備えている。
図6に示すように、各アノード151a〜151cは、作動温度の異なる複数種類の材料が間隔を空けて配置されて構成されている。具体的に、アノード151a〜151cは、メッシュ部126上において、アノードガス流路121の上流側(供給流路121a)に重なるように配置された高温用アノード151a(図6参照)と、高温用アノード151aの外側を囲むように配置された中温用アノード151bと、中温用アノード151bの外側を囲むように配置された低温用アノード151cとを有している。高温用アノード151aは作動温度が例えば作動温度が例えば600〜900℃程度の材料により構成され、中温用アノード151bは作動温度が例えば作動温度が例えば600℃以下程度の材料により構成され、低温用アノード151cは作動温度が例えば作動温度が例えば500℃以下程度の材料により構成されている。なお、上述したメタルサポート部110は、アノード151a〜151cの集電材としての機能も有している。
固体電解質膜152は、平面視における外形が各アノード151a〜151c全体よりも大きく形成され、各アノード151a〜151cを側面まで覆うように配置されている。これにより、アノード151a〜151cとカソード153a〜153cとの間のシール性を確保できる。
カソード153a〜153cは、平面視でアノード151a〜151cと同一パターンに形成されたものであり、高温用アノード151a上に配置された高温用カソード153aと、中温用アノード151b上に配置された中温用カソード153bと、低温用アノード151c上に配置された低温用カソード153cとを有している。すなわち、発電体101は、固体電解質膜152が高温用アノード151aと高温用カソード153aとで挟み込まれた高温発電領域(高温作動用発電体)160aと、固体電解質膜152が中温用アノード151bと中温用カソード153bとで挟み込まれた中温発電領域160bと、固体電解質膜152が低温用アノード151cと低温用カソード153cとで挟み込まれた低温発電領域(低温作動用発電体)160cとに区画されている。
図7はメッシュ部材の断面図である。
図3,図4,図7に示すように、メッシュ部材111は、一対の発電体101のうち、第1面110a側に配置された発電体101のカソード153a〜153c上に、カソード153a〜153c一体を覆うように配置されている。メッシュ部材111は、外周が側壁113により囲まれ、側壁113で囲まれた内側の空間はカソードガス流路115を構成している。そして、メッシュ部材111の長手方向一端側には、カソードガス流路115内に向けてカソードガスを供給するためのカソードガス供給口116が形成される一方、長手方向他端側の端面における面方向中央部には、カソードガス流路115内からカソードガスを排出するためのカソードオフガス排出口117が形成されている。
図3,図4,図7に示すように、メッシュ部材111は、一対の発電体101のうち、第1面110a側に配置された発電体101のカソード153a〜153c上に、カソード153a〜153c一体を覆うように配置されている。メッシュ部材111は、外周が側壁113により囲まれ、側壁113で囲まれた内側の空間はカソードガス流路115を構成している。そして、メッシュ部材111の長手方向一端側には、カソードガス流路115内に向けてカソードガスを供給するためのカソードガス供給口116が形成される一方、長手方向他端側の端面における面方向中央部には、カソードガス流路115内からカソードガスを排出するためのカソードオフガス排出口117が形成されている。
また、カソードガス流路115内には、メッシュ部材111の内部を蛇行状に仕切る仕切壁118が形成されている。仕切壁118は、上述したメタルサポート部110の仕切壁125(図5参照)と同一パターンにより形成されている。これにより、カソードガス流路118は、カソードガス供給口116から側壁113に沿って二股に分岐した後、メッシュ部材111の内周側に向かうにつれ、長手方向に複数回折り返された一対の蛇行流路118aを有している。そして、各蛇行流路118aの下流端には、メッシュ部材111の中央部で合流した後、カソードオフガス排出口117に向かって延在する排出流路118bが形成される。なお、メッシュ部材111はカソード153a〜153cの集電材としての機能も有している。
そして、このように形成されたセル112が、厚さ方向に沿って複数積層されることで、燃料電池102が構成されている。具体的に、積層方向で隣接するセル112のうち、一方のセル112におけるメタルサポート部110の第1面110aと、他方のセル112におけるメタルサポート部110の第2面110b側とを対向させた状態で積層する。
この場合、各メタルサポート部110間において、メタルサポート部110の長手方向一端側は、テフロン(登録商標)等からなるシール部材131を介してカソードガス供給ポート132が接続される一方、他端側にはシール部材133を介してカソードオフガス排出ポート134が接続されている。
また、カソードオフガス排出口117とカソードオフガス排出ポート134との間(カソードガスの流通方向下流側)には、各セル112のメタルサポート部110に一体で固定されたウォータージャケット135が設けられている。これにより、カソードオフガス排出口117から排出されるカソードオフガスを冷却した後、カソードオフガス排出ポート134から排出できるようになっている。
また、カソードオフガス排出口117とカソードオフガス排出ポート134との間(カソードガスの流通方向下流側)には、各セル112のメタルサポート部110に一体で固定されたウォータージャケット135が設けられている。これにより、カソードオフガス排出口117から排出されるカソードオフガスを冷却した後、カソードオフガス排出ポート134から排出できるようになっている。
(作用)
次に、本実施形態の燃料電池2の動作方法について説明する。
まず、図示しないヒーターを作動させて燃料電池102を昇温する。さらに、空気供給器21(図1参照)からカソードガス流路115内にカソードガスを供給し(矢印Ca参照)、燃料電池102の各セル112を作動温度に維持する。この場合、空気供給器21から供給されるカソードガスは、カソードガス供給ポート132から燃料電池2内に流入した後、メッシュ部材111のカソードガス供給口116からカソードガス流路115内に流入する。カソードガス流路115内に流入したカソードガスは、メッシュ部材111の外周側から内周側に向かって蛇行するように流通する。この場合、カソードガス流路115の上流側を流通するカソードガスは、メッシュ部材111の側壁113から放熱されるため、カソードガス流路115内において、上流側(外周側)から下流側(内周側)にかけて高温となる温度勾配が生じる。
次に、本実施形態の燃料電池2の動作方法について説明する。
まず、図示しないヒーターを作動させて燃料電池102を昇温する。さらに、空気供給器21(図1参照)からカソードガス流路115内にカソードガスを供給し(矢印Ca参照)、燃料電池102の各セル112を作動温度に維持する。この場合、空気供給器21から供給されるカソードガスは、カソードガス供給ポート132から燃料電池2内に流入した後、メッシュ部材111のカソードガス供給口116からカソードガス流路115内に流入する。カソードガス流路115内に流入したカソードガスは、メッシュ部材111の外周側から内周側に向かって蛇行するように流通する。この場合、カソードガス流路115の上流側を流通するカソードガスは、メッシュ部材111の側壁113から放熱されるため、カソードガス流路115内において、上流側(外周側)から下流側(内周側)にかけて高温となる温度勾配が生じる。
次に、燃料供給器31(図1参照)に収容された燃料を、燃料導入部33(図1参照)から燃料電池2のアノードガス流路121内に向けて供給する(矢印An参照)。この場合、燃料は、メタルサポート部110のアノードガス供給口123から供給流路121a内に流入し、この際にHCガス燃料(アノードガス)に改質される。その後、改質されたアノードガスは、メタルサポート部110の内周側から外周側に向かって蛇行するように流通する。
そして、カソードガス流路115内に供給されたカソードガスは、発電体101の各カソード153a〜153cにおいて触媒反応により酸素イオンとなる。カソード153a〜153cで発生した酸素イオンは、固体電解質膜152を透過してアノードガス流路121の各アノード151a〜151cまで移動する。
一方、アノードガス流路121の供給流路121aで改質されたアノードガスは、まず高温用アノード151aに到達する。そして、高温用アノード151aに到達したアノードガスと、高温用アノード151aまで移動した酸素イオンとが、高温発電領域160a(高温用アノード151a)で反応する際に、電子を放出することで発電が行われる。
一方、アノードガス流路121の供給流路121aで改質されたアノードガスは、まず高温用アノード151aに到達する。そして、高温用アノード151aに到達したアノードガスと、高温用アノード151aまで移動した酸素イオンとが、高温発電領域160a(高温用アノード151a)で反応する際に、電子を放出することで発電が行われる。
ところで、上述したようにアノードガス流路121内に導入されるアノードガス(燃料)は、発電に供されることで、アノードガスの流通方向に沿って徐々に希薄になるため、アノードガス流路121における下流側での発電に伴う発熱量は、上流側での発電に伴う発熱量に比べて少なくなる。この場合、抜熱量が場所によらず一定であったとしても、アノードガス流路121内において、上流側(内周側)から下流側(外周側)にかけて低温となる温度勾配が生じる。
一方、カソードガス流路115内の上流側(外周側)を流通するカソードガスは、外周側で吸熱量が多く、さらにメッシュ部材111の側壁113からの放射伝熱や空冷、水冷熱伝導による抜熱量制御により、上述したように上流側(外周側)から下流側(内周側)にかけて高温となる温度勾配が生じる。
一方、カソードガス流路115内の上流側(外周側)を流通するカソードガスは、外周側で吸熱量が多く、さらにメッシュ部材111の側壁113からの放射伝熱や空冷、水冷熱伝導による抜熱量制御により、上述したように上流側(外周側)から下流側(内周側)にかけて高温となる温度勾配が生じる。
これにより、高温発電領域160aで発電に供されたアノードガスは、温度が低下した状態で中温発電領域160b(中温用アノード151b)に到達する。そして、中温用アノード151bに到達したアノードガスと、中温用アノード151bまで移動した酸素イオンとが、中温用アノード151bで反応する際に、電子を放出することで発電が行われる。
さらに、中温用アノード151bで発電に供されたアノードガスは、温度が低下した状態で低温発電領域(低温用アノード151c)に到達し、低温用アノード151cと低温用カソード153cとの間で上述と同様の反応により発電が行われる。
さらに、中温用アノード151bで発電に供されたアノードガスは、温度が低下した状態で低温発電領域(低温用アノード151c)に到達し、低温用アノード151cと低温用カソード153cとの間で上述と同様の反応により発電が行われる。
その後、燃料電池2で発電に供されたアノードガスは、アノードオフガス排出口124から排出された後、アノードオフガスとしてアノードオフガス排出流路34(図1参照)内を流通する。一方、カソードガスは、カソードオフガスとしてカソードオフガス排出口117から排出され、ウォータージャケット135を通ることで冷却された後、カソードオフガス排出ポート134から排出されることになる。
このように、本実施形態では、発電体101の外周側から内周側にかけて、作動温度の低い順に発電領域160a〜160cを設定するとともに、高温発電領域160a側(内周側)から低温発電領域160c側(外周側)に向かってアノードガスを流通させる一方、低温発電領域160c側(外周側)から高温発電領域160a側(内周側)に向かってカソードガスを流通させる構成とした。
この構成によれば、上述した実施形態と同様の効果を奏するとともに、第1実施形態のようにカソードガスの流量と温度制御のみの場合に比べて、より容易に内周側から外周側に向かうにつれ低温になる温度勾配を燃料電池102に生じさせることができる。そのため、高温改質が必要なHC液体燃料を利用しつつ、低温発電領域160c側では低コスト材料を利用することで、燃料電池システム1のコストを低減できる。また、車両用の燃料電池システム1のように、高出力で高出力密度な燃料電池システム1においても、十分な冷却が可能となる。
さらに、本実施形態では、内周側から外周側に向かうにつれ、作動温度の異なる3段階の発電領域160a〜160cを設定することで、発電体101の作動温度をガスの温度勾配に細かく合わせることができる。これにより、発電領域160a〜160cにおいて、作動温度に応じた所望の発電性能を発揮させることができるため、燃料電池システム1の更なる発電効率の向上を図ることができる。
この構成によれば、上述した実施形態と同様の効果を奏するとともに、第1実施形態のようにカソードガスの流量と温度制御のみの場合に比べて、より容易に内周側から外周側に向かうにつれ低温になる温度勾配を燃料電池102に生じさせることができる。そのため、高温改質が必要なHC液体燃料を利用しつつ、低温発電領域160c側では低コスト材料を利用することで、燃料電池システム1のコストを低減できる。また、車両用の燃料電池システム1のように、高出力で高出力密度な燃料電池システム1においても、十分な冷却が可能となる。
さらに、本実施形態では、内周側から外周側に向かうにつれ、作動温度の異なる3段階の発電領域160a〜160cを設定することで、発電体101の作動温度をガスの温度勾配に細かく合わせることができる。これにより、発電領域160a〜160cにおいて、作動温度に応じた所望の発電性能を発揮させることができるため、燃料電池システム1の更なる発電効率の向上を図ることができる。
(変形例)
次に、上述した第2実施形態の変形例について説明する。図8は変形例におけるメタルサポート部の平面図であり、図9は図8のA−A線に沿うセルの断面図である。
図8,図9に示すように、本変形例のメタルサポート部210上には、面方向に沿って間隔を空けて複数のメッシュ部226a〜226cが形成されている。メッシュ部226a〜226cは、アノードガス流路121の上流側と外部とを連通させる高温用メッシュ部226aと、高温用メッシュ部226aの外側を囲むように配置された中温用メッシュ部226bと、中温用メッシュ部226bの外側を囲むように配置された低温用メッシュ部226cとを有している。すなわち、各メッシュ部226a〜226cは、上述したアノード151a〜151cと重なるように同一パターンに形成され、アノード151a〜151cによりメッシュ部226a〜226cがそれぞれ閉塞されている。
次に、上述した第2実施形態の変形例について説明する。図8は変形例におけるメタルサポート部の平面図であり、図9は図8のA−A線に沿うセルの断面図である。
図8,図9に示すように、本変形例のメタルサポート部210上には、面方向に沿って間隔を空けて複数のメッシュ部226a〜226cが形成されている。メッシュ部226a〜226cは、アノードガス流路121の上流側と外部とを連通させる高温用メッシュ部226aと、高温用メッシュ部226aの外側を囲むように配置された中温用メッシュ部226bと、中温用メッシュ部226bの外側を囲むように配置された低温用メッシュ部226cとを有している。すなわち、各メッシュ部226a〜226cは、上述したアノード151a〜151cと重なるように同一パターンに形成され、アノード151a〜151cによりメッシュ部226a〜226cがそれぞれ閉塞されている。
また、各アノード151a〜151c上には、各アノード151a〜151cをそれぞれ側面まで覆うように複数の固体電解質膜152a〜152cが配置されている。各固体電解質膜152a〜152cは、作動温度の異なる複数種類の材料が間隔を空けて配置されて構成されてものであり、高温用アノード151a上に配置された高温用電解質膜152aと、中温用アノード151b上に配置された中温用電解質膜152bと、低温用アノード151c上に配置された低温用電解質膜152cとを有している。
このように、本変形例によれば、上述した第2実施形態と同様の効果を奏するとともに、アノード151a〜151cのパターンと同一パターンのメッシュ部226a〜226cを形成することで、アノードガスが各メッシュ部226a〜226c間を通ってカソード153a〜153cまで到達することがない。そのため、第2実施形態のように固体電解質膜152によりアノード151a〜151cとカソード153a〜153cとの間をシールする必要がない。これにより、アノード151a〜151cとカソード153a〜153cとの間に、それぞれの作動温度に対応した固体電解質膜152a〜152cを配置できる。したがって、発電効率の更なる向上を図ることができる。なお、メッシュ部材111についても、メタルサポート部210のメッシュ部226と同一のパターンで形成しても構わない。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図10は第3実施形態におけるセルの分解斜視図であり、図11は燃料電池の断面図である。
図10,図11に示すように、本実施形態の燃料電池302は、メタルサポート部310と、メタルサポート部310の両面310a,310bにそれぞれ配置された一対の発電体320と、一対の発電体320のうち、一方の発電体320のカソード353上に配置されたメッシュ部材311とを有するセル312を備え、このセル312が複数積層されたものである。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図10は第3実施形態におけるセルの分解斜視図であり、図11は燃料電池の断面図である。
図10,図11に示すように、本実施形態の燃料電池302は、メタルサポート部310と、メタルサポート部310の両面310a,310bにそれぞれ配置された一対の発電体320と、一対の発電体320のうち、一方の発電体320のカソード353上に配置されたメッシュ部材311とを有するセル312を備え、このセル312が複数積層されたものである。
メタルサポート部310は、その内部が中空に形成された板材である。メタルサポート部110の内部は、上述した第2実施形態と同様に、アノードガス(燃料)が流通するアノードガス流路321を構成している。また、メタルサポート部310の長手方向一端側の端面には、アノードガス流路321内に連通するアノードガス供給口322が形成される一方、他端側の端面にはアノードオフガス排出口323が形成されている。
メタルサポート部310における両面310a,310bの中央部には、アノードガス流路321と外部とを連通するメッシュ部326が形成されており、このメッシュ部326のうち、第1面310a側のメッシュ部326上には一対の発電体320のうち、一方の発電体320が配置され、第2面310b側のメッシュ部326上には他方の発電体320が配置されている。なお、各発電体320は、矩形平板状に形成されたものであり、メッシュ部326上に配置されたアノード351と、アノード351を覆う固体電解質膜352と、固体電解質膜352上に配置されたカソード353とを備えている。
メッシュ部材311は、一対の発電体320のうち、第1面310a側に配置された発電体320のカソード353上に配置され、その内部にカソードガス流路315を構成している。そして、メッシュ部材311の長手方向一端側には、カソードガス流路315内に連通するカソードガス供給口316が形成され、他端側の端面にはカソードガス流路315内に連通するカソードオフガス排出口317が形成されている。
そして、このように形成されたセルが、厚さ方向に沿って複数積層されることで、燃料電池302が構成されている。
また、カソードガス供給ポート132とカソードガス供給口316との間、及びカソードオフガス排出口317とカソードオフガス排出ポート134との間には、各セル312のメタルサポート部310に一体で固定されたウォータージャケット335a,335bがそれぞれ設けられている。なお、本実施形態の燃料電池302は、上述した第1実施形態のように、下流側に発電体320よりも作動温度の低い発電体を別体で設けても構わないし、第2実施形態のようにメタルサポート部310及びメッシュ部材311内の流路を蛇行させ、発電体320を作動温度の異なる複数の発電領域に分割構成しても構わない。
その結果、本実施形態においても、上述した実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、カソードガス供給ポート132とカソードガス供給口316との間、及びカソードオフガス排出口317とカソードオフガス排出ポート134との間には、各セル312のメタルサポート部310に一体で固定されたウォータージャケット335a,335bがそれぞれ設けられている。なお、本実施形態の燃料電池302は、上述した第1実施形態のように、下流側に発電体320よりも作動温度の低い発電体を別体で設けても構わないし、第2実施形態のようにメタルサポート部310及びメッシュ部材311内の流路を蛇行させ、発電体320を作動温度の異なる複数の発電領域に分割構成しても構わない。
その結果、本実施形態においても、上述した実施形態と同様の効果を奏することができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。図12はセルの分解斜視図であり、図13は燃料電池の断面図である。
図12,図13に示すように、燃料電池401は、メタルサポート部410と、メタルサポート部410の第1面410a上に配置された発電体320と、発電体320のカソード353上に配置されたメッシュ部材311と、を有するセル402を備え、このセル402が複数積層されたものである。
次に、本発明の第4実施形態について説明する。図12はセルの分解斜視図であり、図13は燃料電池の断面図である。
図12,図13に示すように、燃料電池401は、メタルサポート部410と、メタルサポート部410の第1面410a上に配置された発電体320と、発電体320のカソード353上に配置されたメッシュ部材311と、を有するセル402を備え、このセル402が複数積層されたものである。
メタルサポート部410は、その内部が中空に形成された板材である。メタルサポート部410の内部は、面方向に沿って延在する仕切部411によって厚さ方向に沿って2段に区画されており、第1面410側はアノードガス(燃料)が流通するアノードガス流路421を構成する一方、第2面410b側はカソードガスが流通するカソードガス流路422を構成している。
また、メタルサポート部410の長手方向一端側の端面には、アノードガス流路421内に連通するアノードガス供給口423が形成されている。一方、メタルサポート部410の長手方向他端側の端面にはアノードガス流路421内に連通するアノードオフガス排出口424が形成されるともに、カソードガス流路422内に連通するカソードガス供給口425が形成されている。
メタルサポート部410における第1面410aの中央部には、アノードガス流路421と外部とを連通するメッシュ部326が形成されており、このメッシュ部326を覆うように発電体320が配置されている。
また、メタルサポート部410における第2面410b側の中央部には、カソードガス流路422と外部とを連通する図示しない開口部が形成されている。そして、このように形成されたセル402が、厚さ方向に沿って複数積層されることで、燃料電池401が構成されている。この場合、積層方向で隣接するセル402のうち、一方のセル402におけるメタルサポート部410の第2面410bと、他方のセル402におけるメッシュ部材311とが対向配置されることになる。そのため、一方のセル402のカソードガス流路422内に供給されたカソードガスは、開口部を通ってメッシュ部材311内に流入し、カソード353まで到達するようになっている。
そして、本実施形態の燃料電池401においても、上述した第1実施形態のように、下流側に発電体320よりも作動温度の低い発電体を別体で設けても構わないし、第2実施形態のようにメタルサポート部310及びメッシュ部材311内の流路を蛇行させ、発電体320を作動温度の異なる複数の発電領域に分割構成しても構わない。
その結果、本実施形態においても、上述した実施形態と同様の効果を奏することができる。
そして、本実施形態の燃料電池401においても、上述した第1実施形態のように、下流側に発電体320よりも作動温度の低い発電体を別体で設けても構わないし、第2実施形態のようにメタルサポート部310及びメッシュ部材311内の流路を蛇行させ、発電体320を作動温度の異なる複数の発電領域に分割構成しても構わない。
その結果、本実施形態においても、上述した実施形態と同様の効果を奏することができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、上述した第1実施形態では作動温度の異なる2種類の材料を、第2実施形態では3種類の材料を用いてセルを構成したが、これに限らず、4種類以上用いても構わない。
また、各発電体は、導入される燃料の改質温度に最適な材料を選択することが可能である。また、燃料電池に導入する前段で、熱分解、水蒸気改質、部分酸化改質等により燃料をCH4,CO,CO2,H2Oにまで分解した場合は、上流側の発電体についても比較的低温に維持しても構わない。
例えば、上述した第1実施形態では作動温度の異なる2種類の材料を、第2実施形態では3種類の材料を用いてセルを構成したが、これに限らず、4種類以上用いても構わない。
また、各発電体は、導入される燃料の改質温度に最適な材料を選択することが可能である。また、燃料電池に導入する前段で、熱分解、水蒸気改質、部分酸化改質等により燃料をCH4,CO,CO2,H2Oにまで分解した場合は、上流側の発電体についても比較的低温に維持しても構わない。
さらに、アノードガス流路やカソードガス流路等の構成は、上流側から下流側にかけて温度勾配ができるように構成され、かつ上流側から下流側にかけて作動温度の低い発電体に供給されるように構成すれば、適宜設計変更が可能である。
また、上述した実施形態では、アノードガスの燃料としてガソリン等のHC液体燃料を用いる構成について説明したが、これに限らず天然ガス等のHCガス燃料を用いても構わない。
また、上述した実施形態では、アノードガスの燃料としてガソリン等のHC液体燃料を用いる構成について説明したが、これに限らず天然ガス等のHCガス燃料を用いても構わない。
2,102,302,401…燃料電池スタック(固体酸化物型燃料電池) 11…カソードガス供給系 12…アノードガス供給系 42b…熱交換器(冷却制御装置) 50…発電体 50a…第1セル(高温作動用発電体) 50b…第2セル(低温作動用発電体) 51,151a〜151c,351a〜351c…アノード 53,153a〜153c,351a〜351c…カソード 160a…高温発電領域(高温作動用発電体)
160c…低温発電領域(低温作動用発電体)
160c…低温発電領域(低温作動用発電体)
Claims (3)
- 固体酸化物型燃料電池の発電体の一方の電極に酸化剤ガスを供給し、他方の電極にガス化燃料を供給して発電する固体酸化物型燃料電池であって、
前記発電体は、高温作動用発電体と、前記高温作動用発電体の作動温度よりも低い作動温度の低温作動用発電体とを少なくとも備え、
前記高温作動用発電体及び前記低温作動用発電体のそれぞれの前記一方の電極に前記酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給系と、
前記高温作動用発電体及び前記低温作動用発電体のそれぞれの前記他方の電極に前記ガス化燃料を供給するガス化燃料供給系と、を備え
前記高温作動用発電体は、前記ガス化燃料供給系における前記低温作動用発電体よりも上流側に配置され、
前記ガス化燃料が前記高温作動用発電体の前記他方の電極を通過後に、前記低温作動用発電体の前記他方の電極に供給されるように構成されていることを特徴とする固体酸化物型燃料電池。 - 前記低温作動用発電体を前記高温作動用発電体よりも低い温度に制御する冷却制御装置を備えていることを特徴とする請求項1記載の固体酸化物型燃料電池。
- 前記高温作動用発電体は小径の半円状に形成され、
前記低温作動用発電体は前記高温作動用発電体の外周側に配置されるとともに、前記高温作動用発電体よりも大径の半円状に形成され、
前記酸化剤ガスが、前記低温作動用発電体の前記一方の電極を通過後に、前記高温作動用発電体の前記一方の電極に供給され、前記ガス化燃料が前記高温作動用発電体の前記他方の電極を通過後に、前記低温作動用発電体の前記他方の電極に供給されるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の固体酸化物型燃料電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010137563A JP2012003934A (ja) | 2010-06-16 | 2010-06-16 | 固体酸化物型燃料電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010137563A JP2012003934A (ja) | 2010-06-16 | 2010-06-16 | 固体酸化物型燃料電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2010137563A Pending JP2012003934A (ja) | 2010-06-16 | 2010-06-16 | 固体酸化物型燃料電池 |
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JP (1) | JP2012003934A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013229144A (ja) * | 2012-04-24 | 2013-11-07 | Honda Motor Co Ltd | 燃料電池モジュール |
JPWO2017006450A1 (ja) * | 2015-07-08 | 2018-04-26 | 日産自動車株式会社 | 燃料電池システム |
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-
2010
- 2010-06-16 JP JP2010137563A patent/JP2012003934A/ja active Pending
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