JP2012003835A - 放電ランプ - Google Patents
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Abstract
【課題】 始動性に優れた放電ランプを提供する。
【解決手段】
本発明の放電ランプは、内部に第1の空間111を有する発光部11、発光部11に形成されたシール部12を有する内管1と、第1の空間111に封入された第1のガス(例えば、キセノン)を含む放電媒体と、シール部12に封着された電極マウント3と、内管に接続された外管5とを具備し、管軸が略水平の状態で点灯される放電ランプにおいて、内管1と外管5との間に形成された第2の空間51には第2のガス(例えば、窒素)が封入されており、電極マウント3の表面とシール部12の表面との最小距離をDとしたとき、D≦1.0mm(例えば、最小距離は金属箔31−シール部12間に形成され、その距離Dfは、Df≦1.0mm)を満たしている。
【選択図】 図3
【解決手段】
本発明の放電ランプは、内部に第1の空間111を有する発光部11、発光部11に形成されたシール部12を有する内管1と、第1の空間111に封入された第1のガス(例えば、キセノン)を含む放電媒体と、シール部12に封着された電極マウント3と、内管に接続された外管5とを具備し、管軸が略水平の状態で点灯される放電ランプにおいて、内管1と外管5との間に形成された第2の空間51には第2のガス(例えば、窒素)が封入されており、電極マウント3の表面とシール部12の表面との最小距離をDとしたとき、D≦1.0mm(例えば、最小距離は金属箔31−シール部12間に形成され、その距離Dfは、Df≦1.0mm)を満たしている。
【選択図】 図3
Description
本発明は、自動車の前照灯などに使用される放電ランプに関するものである。
自動車の前照灯などに使用される放電ランプは、特許第3596812号公報(以下、特許文献1)や特開2001−110358号公報(以下、特許文献2)で知られているように、内管と外管とを具備する二重管構造となっている。この内管は、発光部とその両端に形成されたシール部とで構成されており、発光部内には希ガスや金属ハロゲン化物が封入され、シール部には電極マウントが封着されてなる。
この種の放電ランプでは、ランプを始動させるためには、数kV〜数十kVの電圧が必要であり、始動が困難であることが知られている。そこで、特許文献1に記載のように、内管と外管とで構成された空間に誘電体バリア放電可能なガスを封入し、始動時に誘電体バリア放電を発生させることで、始動電圧を低減し、始動しやすくする発明が提案されている。
しかしながら、特許文献1に記載された発明のみを採用しても、始動性はあまり改善されないことがわかった。そこで、本発明者が試験・検討した結果、始動性を改善するには、電極マウントの表面とシール部の表面との距離が重要であることを見出したので、本発明を提案するに至った。
本発明の目的は、始動性に優れた放電ランプを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の放電ランプは、内部に第1の空間を有する発光部、前記発光部に形成されたシール部を有する内管と、前記第1の空間に封入された第1のガスを含む放電媒体と、前記シール部に封着された電極マウントと、前記内管に接続された外管とを具備し、管軸が略水平の状態で点灯される放電ランプにおいて、前記内管と前記外管との間に形成された第2の空間には第2のガスが封入されており、前記電極マウントの表面と前記シール部の表面との最小距離をDとしたとき、D≦1.0mmを満たしていることを特徴とする。
本発明によれば、始動性に優れた放電ランプを提供することができる。
(第1の実施の形態)
以下に、本発明の放電ランプについて、図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態の放電ランプの側面図、図2は、図1の放電ランプの断面図である。
以下に、本発明の放電ランプについて、図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態の放電ランプの側面図、図2は、図1の放電ランプの断面図である。
図1の放電ランプは自動車の前照灯に用いられる、いわゆるD4タイプの放電ランプであり、主要部として内管1を有している。内管1は細長い形状であり、その中央付近には略楕円形の発光部11が形成されている。発光部11の両端には、板状のシール部12、その両端には境界部13を介して円筒部14が連続形成されている。なお、内管1としては、例えば石英ガラスなどの耐熱性と透光性を具備した材料で構成されるのが望ましい。
この発光部11の内部には、中央が略円柱状、両端がテーパ状の第1の空間111が形成されている。この第1の空間111の容積は、自動車前照灯用の場合には、10mm3〜40mm3、さらには20mm3〜30mm3であるのが適当である。
第1の空間111には、放電媒体が封入されている。放電媒体は、金属ハロゲン化物2と第1のガスとで構成されている。
金属ハロゲン化物2は、ナトリウム、スカンジウム、亜鉛、インジウムなどのハロゲン化物で構成されている。それらの金属ハロゲン化物に結合されるハロゲンとしてはヨウ素が最適であるが、臭素や塩素などを組み合わせてもよい。また、金属ハロゲン化物の組み合わせもこれに限らず、スズやセシウムのハロゲン化物などを追加してもよい。
第1のガスは、キセノンで構成されている。第1のガスは、目的によってその封入圧力を調整することができる。例えば、全光束等の特性を高めるためには、封入圧力を常温(25℃)において12atm以上にするのが望ましい。ただし、上限は製造上、現状は20atm程度である。なお、第1のガスの圧力は、水中で発光部11とシール部12の境界を破壊して第1の空間111内部のガスを収集、測量し、その後に第1の空間111の容積を測定することにより、算出することができる。また、第1のガスとしては、キセノンの他に、ネオン、アルゴン、クリプトンなどを使用したり、それらを組み合わせて使用したりすることもできる。
ここで、放電媒体は、水銀を実質的に含んでいない。この「水銀を実質的に含んでいない」とは、水銀の封入量が0mgであるのが最適であるが、従来の水銀入りの放電ランプと比較してもほとんど封入されていないに等しい程度の量、例えば1mlあたり2mg未満、好ましくは1mg以下の水銀量を封入していても許容するという意味である。
シール部12には、電極マウント3が封着されている。電極マウント3は、金属箔31、電極32、コイル33およびリード線34により構成されている。
金属箔31は、例えば、モリブデンからなる薄い金属板である。
電極32は、例えば、タングステンに酸化トリウムをドープした、いわゆるトリエーテッドタングステンからなる電極である。その一端は金属箔31の発光部11側端部に重ね合わせ接続されており、他端は第1の空間111内で所定の電極間距離を保って、互いの先端同士が対向するように配置されている。その電極間距離としては、自動車前照灯用の場合には、外観上における距離で4.0mm〜4.4mmであるのが望ましい。なお、電極形状は、直棒状に限らず、先端の直径が大きい非直棒状の形状や直流点灯タイプのように一対の電極の大きさが異なる形状であってもよい。また、電極材料は、純タングステンやドープタングステン、レニウムタングステンなどであってもよい。
コイル33は、例えば、ドープタングステンからなる金属線であって、シール部12に封着される電極32の軸部の軸周りに螺旋状に巻装されている。このコイル設計としては、コイル線径は30μm〜100μm、コイルピッチは300%以下であるのが好適である。
リード線34は、例えば、モリブデンからなる金属線である。その一端は、発光部11に対して反対側の金属箔31に重ね合わせ接続されており、他端は管軸に沿って内管1の外部に延出されている。そのうち、ランプの前端側に延出したリード線34には、例えば、ニッケルからなるL字状のサポートワイヤ35の一端がレーザー溶接により接続されている。このサポートワイヤ35には、内管1と平行する部分に、例えば、セラミックからなるスリーブ4が装着されている。
ここで、シール部12と金属マウント3について、図3を参照してさらに詳しく説明する。図3はシール部の断面図であり、(a)は図2のシール部付近の断面図、(b)は図1の一点鎖線X−X’部分の断面を矢印方向から見た図である。
図に示すように、シール部12の表裏面には、クラックなどに対する耐久性を向上させるために、電極32やリード線34に沿うように凸部121が形成されている。また、(b)に示すように、電極32はシール部12の厚み方向の中央を通る線Y−Y’上にその中心が位置するように封着されているため、電極32に重ね合わせ接続された金属箔31は線Y−Y’から電極32の約半径分(約R/2(mm))だけ下側にずれたシール部12部分に封着されている。このため、電極マウント3の表面とシール部12の表面との距離は、金属箔31の下側の表面とシール部12の表面との間で最も近くなっており、さらにその最小距離Dfは、Df≦1.0mmを満たすように設計されている。また、その最小距離となるシール部12の表面部分と外管5の内表面との最小距離Doは、Do≦2.4mmを満たすように設計されている。これら最小距離DfとDoが上記の範囲を満たすことにより、始動性が向上する。
上記で構成された内管1の外側には、筒状の外管5が内管1と同心状に設けられている。また、図2、図3からわかるように、内管1が外管5に対して下側にオフセットするように構成されている。これら内外管の接続は、内管1の円筒部14付近に外管5の両端を溶着することにより行なわれており、内管1と外管5との間に形成された第2の空間51には、第2のガスが封入されている。第2のガスには、誘電体バリア放電可能なガス、例えばネオン、アルゴン、キセノン、窒素から選択された一種のガスまたは混合ガスを使用することができる。ガス圧は0.3atm以下であるのが望ましい。なお、外管5としては、例えば、石英ガラスにチタン、セリウム、アルミニウム等の酸化物を添加した、紫外線遮断性を有する材料で構成するのが望ましい。
そして、外管5が接続された内管1の一端には、ソケット6が接続される。これらの接続は、外管5の外周面に金属バンド71を装着し、その金属バンド71をソケット6から突出形成させた金属製の舌片72で挟持することで行なっている。また、ソケット6の底部には底部端子8a、側部には側部端子8bが形成されており、リード線34、サポートワイヤ35がそれぞれ接続されている。
これらで構成された放電ランプは、底部端子8aが高圧側、側部端子8bが低圧側になるように点灯回路(図示なし)が接続され、管軸が略水平の状態に配置されて点灯される。その点灯回路の出力は、例えば、安定時は約35W、始動時は安定時電力に対して2倍以上である約75Wに設定される。
ここで、本発明の放電ランプの実施例の一仕様を下記に示す。
(実施例)
発光部11:石英ガラス製、第1の空間111の内容積=26mm3、最大内径=2.5mm、最大外径=6.2mm、長手方向の球体長=7.8mm、
シール部12:肉厚T=2.4mm、幅W=4.1mm、
凸部121:肉厚Ta=0.2mm、幅Wa=1.5mm、
金属ハロゲン化物2:ScI3、NaI、ZnI2、InBr(=1:1.5:0.4:0.01)、合計=0.4mg、
第1のガス:キセノン、ガス圧=13atm、
水銀:0mg、
金属箔31;モリブデン製、厚み=20μm、幅=1.5mm、シール部12との最小距離Df=0.8mm、距離L=4.65mm、
電極32:トリエーテッドタングステン製、直径R=0.38mm、外観上の電極間距離=4.32mm、
コイル33:ドープタングステン製、線径=60μm、ピッチ=200%、
リード線34:モリブデン製、直径=0.4mm、
外管5:内径=7.0mm、肉厚=1.0mm、最小距離Do=1.9mm、
第2のガス:窒素、ガス圧=0.1atm。
(実施例)
発光部11:石英ガラス製、第1の空間111の内容積=26mm3、最大内径=2.5mm、最大外径=6.2mm、長手方向の球体長=7.8mm、
シール部12:肉厚T=2.4mm、幅W=4.1mm、
凸部121:肉厚Ta=0.2mm、幅Wa=1.5mm、
金属ハロゲン化物2:ScI3、NaI、ZnI2、InBr(=1:1.5:0.4:0.01)、合計=0.4mg、
第1のガス:キセノン、ガス圧=13atm、
水銀:0mg、
金属箔31;モリブデン製、厚み=20μm、幅=1.5mm、シール部12との最小距離Df=0.8mm、距離L=4.65mm、
電極32:トリエーテッドタングステン製、直径R=0.38mm、外観上の電極間距離=4.32mm、
コイル33:ドープタングステン製、線径=60μm、ピッチ=200%、
リード線34:モリブデン製、直径=0.4mm、
外管5:内径=7.0mm、肉厚=1.0mm、最小距離Do=1.9mm、
第2のガス:窒素、ガス圧=0.1atm。
この実施例のランプに、始動パルス電圧=23kV、ライズタイム=250nsecである電圧波形を連続出力する点灯回路を使用し、始動するかどうかの試験を行った。その結果、従来例のランプ(Df=1.2mm)では約17kVで絶縁破壊したのに対し、実施例のランプでは約14kVで絶縁破壊したため、実施例のランプの方が格段に始動性が向上していることが確認された。また、これらのランプについて反復して始動試験を行ったところ、従来例のランプでは一発目以降のパルスで絶縁破壊することがあったが、実施例のランプではほぼ確実に一発目のパルスで絶縁破壊していることが確認された。この実施例のランプのように一発目のパルスで始動するのは、ランプに電圧波形のパルスを所定回数投入した結果、点灯しない場合には安全性の面からランプの始動が中止されるのが一般的である自動車前照灯の用途では、とても重要な効果である。
次に、最小距離Dfを変化させたときの始動NG発生率について試験を行った。その結果を図4、図4の結果を図示したものを図5に示す。試験本数は各50本である。なお、本試験では、一発目のパルスで始動しなかった場合を始動NGと判定している。
結果からわかるように、距離Dfが小さくなるほど、始動NG発生率が低くなる傾向がある。特に図5から明らかなように最小距離Dfが1.0mm以下になると、始動NG発生率が低くなる傾向があり、さらに最小距離Dfが0.9mm以下になると、始動NG発生率を0%に抑えることができることがわかる。なお、このような傾向は第2のガスの種類を変えても同様に得られることが確認された。
このように最小距離Dfによって始動NG発生率が変化したのは、始動直後の誘電体バリア放電の発生メカニズムが関係している。すなわち、誘電体バリア放電は、ランプに高圧パルスが印加されることで、電極マウント3に接するシール部12が分極し、分極によって電荷を持ったシール部12のガラス表面と外管5のガラス表面の間で発生する。そのため、誘電体バリア放電しやすさは、シール部12のガラス表面と外管5のガラス表面の電位差に大きく影響される。これに対し、本発明のように最小距離Dfが小さくなると、高圧パルス投入後にシール部12のガラス表面に形成される正の電荷が強くなり、結果として電位差が大きくなるために、最小距離Dfが小さくなるほど始動性が良くなったと考えられる。
したがって、図4、図5の結果から、始動時のシール部12のガラス表面と外管5のガラス表面の電位差を大きくするために、最小距離Dfを1.0mm以下、さらには0.9mm以下とするのが望ましい。ただし、最小距離Dfが小さすぎるとリークに対する耐久性が低下するため、0.6mm以上であるのが望ましい。さらに、シール部12の端部から金属箔31の端部までの距離Lが、L≧4.6mm(ただし、軸リークの発生を考慮すると上限は5.5mm)を満たすように構成することで、水銀レスで第1の空間111にガスが高圧封入されているために点灯中のシール部12にかかる負担が大きい本実施の形態のような放電ランプであっても、シール部12の耐久性を維持しつつ、本発明の効果を得ることができる。
なお、始動時のシール部12のガラス表面と外管5のガラス表面の電位差を大きくする上では、実施例のランプのように高圧側となる電極マウント3と低圧側となるサポートワイヤ35との間で誘電体バリア放電が発生するように設計するのも有効である。つまり、サポートワイヤ35が下側に配置される自動車用の用途では、最小距離Dfとなる部分もシール部12の下側に設けるのがよい。その際、サポートワイヤ35の表面と外管5の外表面までの距離を3.5mm以下にするとさらに効果的である。
また、始動時の誘電体バリア放電は、上記のようなメカニズムであるので、分極した電荷間の距離が短いほどさらに発生しやすくなる。そこで、図5と同様に、最小距離Dfとなるシール部12の表面部分と外管5の内表面との最小距離Doを変化させたときの始動NG発生率について試験を行った結果、2.4mm以下であれば始動NG発生率が低下することがわかった。したがって、Do≦2.4mmを満たしているのが望ましい。ただし、最小距離Doを小さくしすぎると、発光部11と外管5とが接触し、様々な不具合が生じてしまうためそれらが接触しない範囲内(本実施例においては1.5mm以上)で調整するのが望ましい。
また、実施例のランプでは、金属箔31の面とシール部12の面が平行することにより、最小距離Dfが面で存在するため、分極時、シール部12の表面に強い正の電荷の範囲が面で形成されることになる。そのため、電極マウント3の表面−シール部12の表面間の最短距離が同じでも、最小距離Dfが点や線などで形成される場合と比較して、誘電体バリア放電が発生する確率が高くなり、始動性がさらに良好になる。
したがって、本実施の形態では、第2の空間111に窒素などのガスを封入するとともに、金属箔31の表面とシール部12の表面との間に最短距離を形成し、その距離をDfとしたとき、Df≦1.0mmを満たしていることにより、始動時、シール部12表面と外管5の内表面の間の電位差が大きくなり、誘電体バリア放電を発生させやすくすることができるため、始動性に優れた放電ランプを提供することができる。なお、本発明の効果は、後述する実施例などからもわかるように、電極マウント3の表面とシール部12の表面との最小距離Dが、D≦1.0mmを満たしていれば得ることができる。
また、最小距離Dfとなるシール部12の表面部分と外管5の内表面との最小距離をDoとしたとき、Do≦2.4mmを満たしていると、正負の電荷間の距離が短くなり、誘電体バリア放電を発生させやすくすることができるため、さらに始動性に優れた放電ランプを提供することができる。
(第2の実施の形態)
図6は、本発明の第2の実施の形態の放電ランプの断面図である。この第2の実施の形態の各部について、図1の第1の実施の形態の放電ランプの各部と同一部分は同一符号で示し、その説明を省略する。
図6は、本発明の第2の実施の形態の放電ランプの断面図である。この第2の実施の形態の各部について、図1の第1の実施の形態の放電ランプの各部と同一部分は同一符号で示し、その説明を省略する。
本実施の形態では、金属箔31が封着されたシール部12の下側の表面に深さが約0.4mmの凹部122を設け、その凹部122の表面と金属箔31の表面との間にDfd=0.8mmとなる最小距離部分を形成している。本実施の形態でも、Dfd≦1.0mmを満たすように構成することで第1の実施の形態と同様の効果が得ることができる。また、本実施の形態では、最小距離Dfdを局所的かつ小さく形成することができるという点で有利である。なお、凹部122を形成するとその部分は断面積が減少してしまうため、凹部122はその影響が少ないリード線34側の金属箔31に対面するシール部12の表面に形成するのが望ましい。ちなみに、凹部122は、例えば、ピンチシール工程の際に凹部122を形成可能な凸状の型を有するピンチャーを使用することにより形成することができる。
(第3の実施の形態)
図7は、本発明の第3の実施の形態の放電ランプの断面図である。
図7は、本発明の第3の実施の形態の放電ランプの断面図である。
本実施の形態では、金属箔31の端部とシール部12の側面との間にDfe=0.7mmとなる最小距離部分を形成している。本実施の形態でも、Dfe≦1.0mmを満たすように構成することで第1の実施の形態と同様の効果が得ることができる。また、本実施の形態では、他の実施の形態よりも、最小距離Doを短くすることができる点で有利である。なお、この構成は、幅の広い金属箔31を封着したり、シール部12の幅Wを小さくしたりすることで実現できる。なお、金属箔31の端部は、鋭利な形状に形成された、いわゆるナイフエッジ形状とするのが望ましい。
(第4の実施の形態)
図8は、本発明の第4の実施の形態の放電ランプの断面図である。
図8は、本発明の第4の実施の形態の放電ランプの断面図である。
本実施の形態では、発光部11とシール部12の境界に深いネック部123を形成し、そのネック部123と電極32の表面との間にDe=0.7mmとなる最小距離部分を形成している。本実施の形態でも、De≦1.0mmを満たすように構成することで第1の実施の形態と同様の効果が得ることができる。また、本実施の形態では、最小距離Dfnを誘電体バリア放電が発生しやすくなる発光部11に近づけることができる点で有利である。
(第5の実施の形態)
図9は、本発明の第5の実施の形態の放電ランプの断面図である。
図9は、本発明の第5の実施の形態の放電ランプの断面図である。
本実施の形態では、電極32およびコイル33が位置する凸部121に平坦部124を形成し、その平坦部124の表面とコイル33の表面との間にDc=0.9mmとなる最小距離部分を形成している。本実施の形態でも、Dc≦1.0mmを満たすように構成することで第1の実施の形態と同様の効果が得ることができる。なお、平坦部124は、凸部121の一部を切削などにより削除したり、所望のピンチャーの型でピンチシールすることにより形成することができる。
(第6の実施の形態)
図10は、本発明の第6の実施の形態の放電ランプの断面図である。
図10は、本発明の第6の実施の形態の放電ランプの断面図である。
本実施の形態では、第3の実施の形態と同じく、金属箔31の端部とシール部12の側面との間にDfe=0.7mmとなる最小距離部分を形成しているとともに、当該最小距離部分をランプの下側に位置させ、さらに内管1を外管5に対して下側にオフセットさせている。本実施の形態でも、Dfe≦1.0mmを満たすように構成することで第1の実施の形態と同様の効果が得ることができる。また、本実施の形態では、金属箔31とサポートワイヤ35の間で誘電体バリア放電を発生させることができるとともに、最小距離Doをかなり短くすることができる点で有利である。
なお、本発明の実施の形態は上記に限られるわけではなく、例えば次のように変更してもよい。
シール部12はピンチシールに限らず、シュリンクシールなどであってもよい。
各実施の形態において、金属箔31、電極32、コイル33の表面とシール部12の表面との間に最小距離が形成されている場合を説明したが、リード線34の表面とシール部12の表面との間に最小距離が形成されていてもよい。また、電極マウント3の表面とシール部12の表面との最小距離Dを短くする具体的な手段をいくつか挙げたが、本発明はこれらにも限定されない。
シール部12の下側にD≦1.0mmを満たす最小距離部分を形成するとともに、外管5に対して内管1を下側にオフセットさせるなどして、発光部11の最大外径部分の上側と外管内表面との距離を0.55mm以上設けるのが望ましい。これにより、本実施の形態のようなシール部12と外管5との間の誘電体バリア放電と、当社先願の特願2008−118232号に記載のような、発光部11の最大外径部分の上側に形成される誘電体バリア放電の何れかが発生しやすい構成とすることで、始動する確率をさらに向上させることができる。
1 内管
11 発光部
111 第1の空間
12 シール部
121 凸部
13 境界部
14 円筒部
2 金属ハロゲン化物
3 電極マウント
31 金属箔
32 電極
33 コイル
34 リード線
35 サポートワイヤ
4 スリーブ
5 外管
51 第2の空間
6 ソケット
71 金属バンド
72 舌片
8a 底部端子
8b 側部端子
11 発光部
111 第1の空間
12 シール部
121 凸部
13 境界部
14 円筒部
2 金属ハロゲン化物
3 電極マウント
31 金属箔
32 電極
33 コイル
34 リード線
35 サポートワイヤ
4 スリーブ
5 外管
51 第2の空間
6 ソケット
71 金属バンド
72 舌片
8a 底部端子
8b 側部端子
Claims (5)
- 内部に第1の空間を有する発光部、前記発光部に形成されたシール部を有する内管と、前記第1の空間に封入された第1のガスを含む放電媒体と、前記シール部に封着された電極マウントと、前記内管に接続された外管とを具備し、管軸が略水平の状態で点灯される放電ランプにおいて、
前記内管と前記外管との間に形成された第2の空間には第2のガスが封入されており、前記電極マウントの表面と前記シール部の表面との最小距離をDとしたとき、D≦1.0mmを満たしていることを特徴とする放電ランプ。 - 前記電極マウントは金属箔と、前記金属箔上に重ね合わせ接合された電極と、前記金属箔上に重ね合わせ接合されたリード線とを備え、前記最小距離は前記金属箔−前記シール部間に形成されており、その距離をDfとしたとき、Df≦1.0mmを満たしていることを特徴とする請求項1に記載の放電ランプ。
- 前記金属箔が封着された前記シール部の表面には凹部が形成され、前記最小距離は前記凹部−前記シール部間に形成されており、その距離をDfdとしたとき、Dfd≦1.0mmを満たしていることを特徴とする請求項2に記載の放電ランプ。
- 前記最小距離となるシール部の表面部分と前記外管の内表面との最小距離をDoとしたとき、Do≦2.4mmを満たしていることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の放電ランプ。
- 前記第1のガスはキセノンであって、その圧力は12atm以上であるとともに、前記放電媒体は水銀を本質的に含んでおらず、かつ前記シール部から前記金属箔の端部までの距離をLとしたとき、L≧4.6mmを満たしていることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の放電ランプ。
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