JP2012001838A - 捺染用転写紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】 インク受容層に対し保湿剤を適切な含有量で含有させることにより、環境湿度の影響によらず所定の期間、インク受容層の含有水分率を要求される値以上に維持することができるようにし、不完全な転写が発生することを確実に防止することができる捺染用転写紙を提供する。
【解決手段】 捺染用転写紙Tは、台紙b1と、台紙b1の一表面に形成された離型剤層b2と、離型剤層b2の台紙b1とは反対側の一表面に、親水性合成樹脂と親水性糊剤とを含むペーストを塗布して形成されたインク受容層c1と、インク受容層c1の離型剤層b2とは反対側の一表面に、水溶性染料インクを付与して形成される染料層c2とを有し、前記インク受容層c1には、保湿剤が1重量%以上5重量%以下の含有量で含有されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、転写捺染用の転写紙に関する。
典型的な従来技術が、例えば特許文献1に記載されている。この先行技術では、転写紙を繊維材料に加圧・加熱処理することによって、転写紙から繊維材料に染料を転写する乾式転写捺染に用いられる転写紙において、天然繊維材料や合成繊維材料の捺染に使用可能であり、図柄の繊細性と再現性に優れる捺染を行うために、離型剤層と、その上層に形成されたインク受容層を有する転写用紙上に、水溶性染料インクを付与して作成され、該インク受容層が、加熱により軟化または溶融する親水性合成樹脂と親水性糊剤とから成り、該親水性合成樹脂の100重量部に対し、該親水性糊剤が、1〜50重量部含有される転写紙を開示する。
また特許文献1によれば、インク受容層には、インク受容層の動的作業時に発生する亀裂や剥離を防ぐために、たとえばポリエチレングリコールやグリセリンなどの保湿剤を、インク受容層を形成するために離型剤層上に塗布されるペーストに対して、約0〜3重量%の範囲で添加することが好ましいことが開示されている。
国際公開第2007/111302号
乾式転写捺染によって転写紙から繊維材料へ図柄を転写する際には、図柄が欠損しないように転写が行われなければならない。換言すれば、水溶性染料インクが付与されたインク受容層が、離型剤層上に残着することなく、転写紙から布帛へ確実に転写されなければならない。
しかしながら、乾燥性の激しい冬場に転写紙を用いて転写捺染処理を実施すると、転写紙に描画されている図柄の一部が欠損してしまうという問題が発生している。特に、インク受容層を形成するための前記ペーストに含有されている保湿剤の含有量が1重量%未満である場合に、図柄の一部欠損が頻繁に発生することが問題となっている。転写捺染は、たとえば浮世絵などのような非常に繊細な図柄を布帛に対して捺染することができるという利点を有しているが、このような繊細な図柄において図柄の一部が欠損してしまうと商品としての価値が著しく低下してしまうという問題がある。
つまり、インク受容層の含有水分率が要求される数値に満たない場合に転写紙から布帛へ図柄を転写すると、インク受容層の一部が離型剤層上に残着してしまい、特に、染料インクが付与された領域と付与されない領域とが密集している繊細な部分において、染料インクが付与された領域の近傍でのインク受容層の残着が、染料インクが付与された領域の離型剤層上への残着を引き起こしてしまうことにより、図柄の一部が欠損してしまうという問題が生じている。
このような図柄の欠損に対して、本件発明者は、鋭意研究を重ねた結果、転写紙において、インク受容層の含有水分率が6%以上である場合には、図柄の欠損が発生しないということを創作するに至ったのである。併せて、本件発明者は、インク受容層の含有水分率が15%を超えると、インク受容層上に描画された図柄に滲みが発生するということを創作するに至ったのである。そこで、本件発明者は、インク受容層の含有水分率が、環境条件によらずに6〜15%を維持することができる保湿剤の含有量について、鋭意研究を重ねてきたのである。
特許文献1には、前記のように、インク受容層を形成するために離型剤層上に塗布されるペーストに対して保湿剤を約0〜3重量%の範囲で添加すれば好ましいことが開示されているが、この保湿剤の含有量は、インク受容層の動的作業時に発生する亀裂や剥離を防ぐために必要な量として提案されているものである。すなわち、特許文献1では、インク受容層の残着防止を図ることができる技術を提案するものではないため、従来からインク受容層の残着を確実に防止することができる技術が求められている。
本発明の目的は、インク受容層に対し保湿剤を適切な含有量で含有させることにより、環境湿度の影響によらず所定の期間、インク受容層の含有水分率を要求される値以上に維持することができるようにし、不完全な転写が発生することを確実に防止することができる捺染用転写紙を提供することである。
本発明は、台紙と、
台紙の一表面に形成された離型剤層と、
離型剤層の台紙とは反対側の一表面に、親水性合成樹脂と親水性糊剤とを含むペーストを塗布して形成されたインク受容層と、
インク受容層の離型剤層とは反対側の一表面に、水溶性染料インクを付与して形成される染料層とを有し、
前記インク受容層には、保湿剤が1重量%以上5重量%以下の含有量で含有されていることを特徴とする捺染用転写紙である。
また本発明は、前記インク受容層には、保湿剤が4重量%の含有量で含有されていることを特徴とする。
また本発明は、前記保湿剤は、グリコールエーテルを95質量%以上およびアルキレングリコールを5質量%以下含有することを特徴とする。
また本発明は、台紙と、
台紙の一表面に形成された離型剤層と、
離型剤層の台紙とは反対側の一表面に、親水性合成樹脂と親水性糊剤とを含むペーストを塗布して形成されたインク受容層と、
インク受容層の離型剤層とは反対側の一表面に、水溶性染料インクを付与して形成される染料層とを有し、
前記インク受容層には、該インク受容層の含有水分率を6%以上15%以下にするための保湿剤が含有されていることを特徴とする捺染用転写紙である。
また本発明は、前記インク受容層は、前記ペーストを20g/mより多く60g/m未満の塗布量で塗布して形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、インク受容層には、保湿剤が1重量%以上5重量%以下の含有量で含有されているので、環境湿度の影響によらず所定の期間インク受容層の含有水分率を要求される数値範囲に維持し、不完全な転写および図柄の滲みが発生することを確実に防止することができる。
また本発明によれば、インク受容層は、インク受容層を形成するためのペーストを20g/mより多く60g/m未満の塗布量で塗布して形成されているので、所望の色合いの図柄を確実に布帛へ転写することができる。
本発明の実施形態に係る転写紙Tの構成を示す一部の拡大断面図である。 捺染処理装置100の概略的な構成を示す系統図である。
図1は、本発明の実施形態に係る捺染用転写紙(以下、単に「転写紙」と記す)Tの構成を示す一部の拡大断面図である。転写紙Tは、転写用紙t上に、インクジェットプリンタを用いて、染料インクで図柄が描画された染料層c2を積層することによって作製される。
転写用紙tは、基材B上にインク受容層c1を積層することによって作製される。基材Bは、図1に示すように、用紙またはフィルムから成る台紙b1の一方の表面に、離型剤層b2を積層することによって形成される。
ここで、転写紙Tにおいて、基材B上に形成された層、すなわちインク受容層c1と染料層c2とから成る層を転写層Cと称する。すなわち転写紙Tは、基材Bと転写層Cとによって構成される。
台紙b1は、用紙としては、クラフトパルプ、グラインドパルプ、もしくはリサイクル紙を原料としたパルプなどのパルプを抄紙した紙または再生紙を用いることができ、フィルムとしては、耐熱性の合成樹脂から成るフィルム、たとえばポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリビニルトルエン樹脂およびポリ塩化ビニル樹脂などから成るフィルムを用いることができる。
離型剤層b2は、有機溶剤可溶性の合成樹脂層であることが、その形成が容易になるので好ましく、有機溶剤可溶性の合成樹脂としては、有機溶剤可溶性のシリコン樹脂、フッ素樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ステアリン酸樹脂、ポリエステル樹脂、ワックスおよび高級脂肪酸から選択された一種、またはこれらから選択された二種以上の混合物などを挙げることができる。
離型剤層b2は、これらの有機溶剤可溶性の合成樹脂を、有機溶剤、たとえば酢酸エチル、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、プロピルアルコールなどで溶解して有機溶剤ワニスとし、この有機溶剤ワニスを台紙b1の一表面上に塗布して形成される。離型剤層b2の厚さは10〜30μm程度が好ましい。
インク受容層c1は、親水性合成樹脂と親水性糊剤とを含んで構成され、詳細には、親水性合成樹脂と親水性糊剤との組成比率が、親水性合成樹脂の100重量部に対し、親水性糊剤が1〜50重量部となる範囲内である。
親水性合成樹脂は、インク受容層c1の主体となる成分であり、転写紙Tが転写対象の布帛に対して積重され加圧・加熱処理される際に、軟化または溶融し、離型剤層b2から剥離して布帛に転写され、固着後に水で洗い流されて除去される。すなわち、インク受容層c1を構成する親水性合成樹脂は、加熱により軟化または溶融する樹脂である。
このような親水性合成樹脂としては、水溶性あるいは親水性のポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレタン変性エーテル樹脂、ポリエチレンオキサイド樹脂などを挙げることができる。本実施形態では、親水性合成樹脂として、水溶性ポリエステル樹脂が用いられ、具体的には、ポリエステル樹脂を25%および水を75%含有するプラスコートZ−730(互応化学工業社製)が用いられている。
また、親水性糊剤は、インク受容層c1上に付与される染料インクの染料を転写紙T上で一時固定するために加えられるものであり、染料の絵柄を紙上で鮮明な状態で保持するためのものである。親水性糊剤も、親水性合成樹脂と同様に、転写紙Tが転写対象の布帛に対して積重され加圧・加熱処理される際に、軟化または溶融し、離型剤層b2から剥離して布帛に転写され、固着後に水で洗い流されて除去される。親水性糊剤は、天然素材、半合成素材または水溶性合成高分子からなる糊剤である。
天然素材または半合成素材からなる糊剤としては、海藻類、繊維素誘導糊、加工デンプン糊、水溶性合成高分子および天然ガム類から選択された一種または二種以上の混合物を挙げることができる。
親水性糊剤のより具体的な例としては、アルギン酸ソーダなどの海藻類、エーテル化カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどの繊維素誘導糊、エーテル化澱粉、エステル化澱粉などの加工デンプン糊、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルアルコールなどの水溶性合成高分子、エーテル化タマリンドガム、エーテル化グアガムなどの天然ガム類を挙げることができる。本実施形態では、親水性糊剤として、アルギン酸ソーダまたはエーテル化澱粉が用いられている。
インク受容層c1は、親水性合成樹脂と親水性糊剤とを混合して構成され、さらに下記の薬剤を含んだ塗布ペースト(以後、「インク受容層形成用ペースト」と称する)を、離型剤層b2上に塗布し乾燥することによって形成することができる。
インク受容層c1は、前記の親水性合成樹脂と親水性糊剤を必須成分とし、本実施形態では、所定の量の保湿剤が含有されている。さらに、その物性向上などの目的で、必要に応じて、酸性物質、アルカリ剤、表面張力低下剤、増粘剤、箔転写バインダー糊および鉱物などを含有してもよい。
箔転写バインダー糊は、低温で軟化するもので、親水性合成樹脂の転写を促進するなどのために用いられ、その例としては、ナイロンパウダー、アクリル系樹脂などをベースに構成された公知のものなどを挙げることができる。
親水性合成樹脂の種類によっては、離型剤層b2へ塗布する際に水はじき現象を生じ離型剤との均一接着が困難な場合がある。表面張力低下剤は、この水はじきを防止し、離型剤層b2への均一接着性を高めるために用いられる。表面張力低下剤としては、たとえばアニオン界面活性剤が挙げられ、その好ましい添加量は、インク受容層形成用ペーストに対して、0.1〜3重量%であるが、水はじきの現象や表面張力低下剤の効果は、薬剤の種類(アニオン系、ノニオン系界面活性剤、アルコール類など)と混合量、および親水性合成樹脂の種類、固形分含有量、塗布時の粘度や離型剤の種類などで異なるため、予め最適な組み合わせを確認し、調整する必要がある。
保湿剤としては、たとえばポリエチレングリコールおよびグリセリンなどが用いられ、インク受容層c1には、保湿剤が、転写紙Tが作製されてから所定の期間に亘って、インク受容層c1の含有水分率が要求される数値を下回らないように維持することができる分量だけ含有されている。
本実施形態におけるインク受容層c1の含有水分率とは、水分計(MR−200II:株式会社サンコウ電子研究所製)を使用して、常温の環境下で、該水分計のプローブを、転写紙Tにおける染料インクが付与されていない領域のインク受容層c1の表面に押し当てることによって計測された計測値である。このような計測方法で転写直前の転写紙Tに対してインク受容層c1の含有水分率の計測を行ったところ、含有水分率が6%以上であれば、不完全な転写が発生することがなかった。また含有水分率が15%以下であれば、インク受容層c1上に描画された図柄に滲みが発生することがなかった。
一方、図柄を描画することによって作製された転写紙Tは、転写紙Tの経時劣化などを考慮して、転写紙Tの使用推奨期間、たとえば6ヶ月が経過する前に使用されることが好ましい。本実施形態では、インク受容層形成用ペーストに対して、保湿剤が1重量%以上5重量%以下の含有量で含有されているので、前記6ヶ月の使用推奨期間に亘って、インク受容層c1の含有水分率が6%を下回ることを防止することができる。したがって、本実施形態に係る転写紙Tが前記6ヶ月の使用推奨期間内に使用された場合には、不完全な転写が発生することを確実に防止することができる。
本実施形態では、インク受容層c1の含有水分率を6%以上15%以下に維持するための保湿剤として、グリコールエーテルを95質量%以上およびアルキレングリコールを5質量%以下含有する反応用保湿剤(株式会社佐野製)が用いられ、インク受容層形成用ペーストに対して、4重量%の含有量で含有されている。
増粘剤は、塗布時のインク受容層形成用ペーストの粘度を増加するために必要に応じて用いられ、たとえばアクリル酸系合成糊を挙げることができ、その好ましい添加量は、インク受容層形成用ペーストに対して、0〜3重量%である。鉱物は、染料インクのインク受容層c1への吸収を促進させ、表面の乾燥性を高めるために、必要に応じて加えられ、その例としては、シリカ、珪藻土、チャイナクレイ、酸性白土などを挙げることができる。
インク受容層c1は、前記のように、このようなインク受容層形成用ペーストを、たとえばナイフベルトコータなどの塗布装置を使用して、離型剤層b2上に適切な分量だけ塗布することによって形成される。インク受容層形成用ペーストの適切な塗布量としては、20g/mより多く60g/m未満であり、より好ましくは、35g/m以上45g/m以下である。本実施例では、40g/mの塗布量で塗布して形成されている。下記の表1は、ペーストの塗布量を変更したときの布帛における図柄の色合いの優劣を示す試験結果である。
Figure 2012001838
表1に示すように、塗布量が20g/mである場合には、転写用紙tから転写紙Tを作製する際の染料インクの打込み量が減少するという不具合が発生してしまう。また、塗布量が20g/m未満である場合には、転写紙Tから転写層Cを転写する際に、離型剤層b2上にインク受容層c1が残着してしまい、転写不良が発生してしまう。さらに、塗布量が60g/mである場合には、所望の濃度よりも濃度が10%以上低下するという不具合が発生してしまう。これに対して、40g/m(本実施例)の塗布量では、図柄の色合いは良好であった。したがって、20g/mより多く60g/m未満の塗布量に調整して塗布することにより、所望の色調および濃度の図柄を確実に布帛へ転写することができる。
インク受容層c1を有する転写用紙t上に、インクジェットプリンタなどにより付与されて、図柄すなわち染料層c2を形成する水溶性染料インクは、反応染料、酸性染料、金属錯塩型染料、直接染料などの染料のインクである。染料の種類は、布帛を構成する繊維の種類に応じて選択される。たとえば、転写捺染される布帛が、木綿などの天然繊維材料の場合は、水溶性染料インクとしては反応染料を含むインクを用いるのが最適である。なお図1において、染料層c2は、インク受容層c1上に積層されているが、これには、インク受容層c1に浸透している場合も含まれるものとする。
図柄が転写される布帛は、天然繊維材料または/および合成繊維材料から成り、より詳細には、セルロース系繊維材料、蛋白質系繊維材料および合成繊維材料から選択された一種、またはこれらから選択された二種以上の繊維材料からなる織物、編物、または不織布である。ここで、セルロース系繊維材料としては、綿、麻、リヨセルおよびレーヨン(たとえば、ポリノジックレーヨン、ビスコースレーヨン、キュプラレーヨンなど)などを挙げることができ、蛋白質系繊維材料としては、絹、羊毛および獣毛などを挙げることができ、合成繊維材料としては、ナイロン、ビニロン、ポリエステル(たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリアルキレンテレフタレート、乳酸ポリエステルなど)、トリアセテート、ジアセテート、ポリアミド、ポリアクリルなどを挙げることができる。
以下、転写紙Tを使用した乾式転写捺染処理の一例を、捺染処理装置100を用いた場合について説明する。図2は、捺染処理装置100の概略的な構成を示す系統図である。乾式転写捺染処理を行うために、処理対象の転写紙Tおよび布帛Rは、それぞれロール状に巻回された転写紙ロールT0および布帛ロールR0の状態で、巻出し軸11,12に設置されている。
捺染処理装置100が稼動すると、巻出し軸11,12から転写紙Tおよび布帛Rが巻き出され、転写紙Tは、布帛Rに対して転写層Cが対向するように積重される。そして、布帛Rと転写紙Tとが積層した状態で、転写部2へ搬送される。
転写部2は、加熱ローラ21と、加熱ローラ21の上方に近接または接触して平行に設けられる加圧ローラ22と、加圧ローラ22を加熱ローラ21に対して所定の圧力で圧接させるための図示しない圧力付与機構と、加熱ローラ21を支持する2本の支持ローラ23とを備え、搬送方向上流側から搬送されてくる布帛Rと転写紙Tとの積層体に対して、転写紙Tの転写層Cを布帛Rへ転写するために、所定の圧力(ニップ圧)および所定の温度で、所定の処理時間だけ加圧・加熱処理するように構成されている。
処理条件の一例を挙げると、たとえばニップ圧を2〜3kgf/cmとしたときには、加熱ローラ21の表面温度を100〜110℃とするのが好ましい。また、加熱ローラ21と加圧ローラ22とによって圧着させる時間は、15〜20秒程度とするのが好ましい。
転写紙Tと布帛Rとの積層体は、転写部2で加圧・加熱処理された後、後段に設けられる剥離部3へ搬送される。剥離部3では、積層体から転写紙Tの基材Bが剥離される。剥離された基材Bは、ロール状に巻き取られながら回収される。一方、転写層Cが転写された布帛Rは、後段に設けられる定着部4へ搬送される。
定着部4は、水蒸気を生成する蒸気生成部41、蒸気生成部41によって生成された水蒸気が充満されるチャンバ42、およびチャンバ42内に設けられ、布帛Rを搬送する搬送ローラ43などを備え、転写層Cが転写された布帛Rに対して、転写層Cに含まれる染料インクを布帛Rへ定着させるために、所定の温度および所定の蒸気量の蒸気雰囲気下で、所定の処理時間だけ蒸気加熱処理するように構成されている。
定着部4で蒸気加熱処理され、チャンバ42から搬出された布帛Rは、後段に設けられる洗浄部5へ搬送される。洗浄部5では、蒸気加熱処理後の布帛Rを洗浄槽に貯留されている洗浄液51に浸漬することよって、該布帛Rに付着している親水性合成樹脂、親水性糊剤、および未定着の染料が洗い流される。洗浄液51によって洗浄された布帛Rは、スクイズローラ52を通過する際にある程度の水分が取り除かれ、後段に設けられる乾燥部6へ搬送される。
乾燥部6は、送風機61を備えており、洗浄部5から搬送されてくる布帛Rへ向けて送風することによって、布帛Rから水分を取り除いて乾燥させる。乾燥部6によって乾燥処理された布帛Rは、乾燥部6の後段に設けられた巻取り軸71によってロール状に巻き取られて回収される。
本実施形態に係る転写紙Tによれば、転写紙Tのインク受容層c1には、保湿剤が1重量%以上5重量%以下の含有量で含有されているので、環境湿度の影響によらず所定の期間、インク受容層c1の含有水分率を要求される値以上に維持することができ、乾式転写捺染処理に用いられる際に不完全な転写が発生することを確実に防止することができる。
また本実施形態に係る転写紙Tによれば、インク受容層c1は、インク受容層c1を形成するためのペーストを20g/mより多く60g/m未満の塗布量で塗布して形成されているので、乾式転写捺染処理に用いられたとしても、所望の色合いの図柄を確実に布帛へ転写することができる。
b1 台紙
b2 離型剤層
B 基材
c1 インク受容層
c2 染料層
C 転写層

Claims (5)

  1. 台紙と、
    台紙の一表面に形成された離型剤層と、
    離型剤層の台紙とは反対側の一表面に、親水性合成樹脂と親水性糊剤とを含むペーストを塗布して形成されたインク受容層と、
    インク受容層の離型剤層とは反対側の一表面に、水溶性染料インクを付与して形成される染料層とを有し、
    前記インク受容層には、保湿剤が1重量%以上5重量%以下の含有量で含有されていることを特徴とする捺染用転写紙。
  2. 前記インク受容層には、保湿剤が4重量%の含有量で含有されていることを特徴とする請求項1記載の捺染用転写紙。
  3. 前記保湿剤は、グリコールエーテルを95質量%以上およびアルキレングリコールを5質量%以下含有することを特徴とする請求項1または2記載の捺染用転写紙。
  4. 台紙と、
    台紙の一表面に形成された離型剤層と、
    離型剤層の台紙とは反対側の一表面に、親水性合成樹脂と親水性糊剤とを含むペーストを塗布して形成されたインク受容層と、
    インク受容層の離型剤層とは反対側の一表面に、水溶性染料インクを付与して形成される染料層とを有し、
    前記インク受容層には、該インク受容層の含有水分率を6%以上15%以下にするための保湿剤が含有されていることを特徴とする捺染用転写紙。
  5. 前記インク受容層は、前記ペーストを20g/mより多く60g/m未満の塗布量で塗布して形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の捺染用転写紙。
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