JP2012001438A - 身体用液体洗浄剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】泡立ち性、泡質などの泡特性の優れた、かつ、洗浄後の肌がしっとりと仕上がり、しかも経時的に優れた液体安定性を有する液体状の身体用洗浄剤の提供。
【解決手段】一般式R−COOM(I)で示される高級脂肪酸塩(A)を14〜28質量%、一般式R−CONH−CH(COOM)−CHCOOM(II)で示されるN−アシルアスパラギン酸又はその塩(B)を0.2〜4質量%及び、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(C)を0.05〜0.5質量%を必須成分として含有することを特徴とする身体用液体洗浄剤。更に、一般式R−CONH−C−N(CH−CHCOO(III)で示される脂肪酸アミドプロピルベタイン(D)を0.5〜6質量%、及び/又は一般式R−CO−N(COH)−R(IV)で示される脂肪酸アルカノールアミド(E)を0.5〜5質量%配合したものがより好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、洗浄性や泡立ち特性、使用後の肌の感触をより改善した液体状の身体用洗浄剤に関する。
従来、身体用洗浄剤はいわゆる固形石鹸、即ち、高級脂肪酸塩を80%程度含有した固形の石鹸であったが、大よそ30年前に液体タイプの身体用洗浄剤が登場してきた。液体タイプの身体用洗浄剤は、その使いやすさ及び優れた性能面から徐々に市場の使用量が増加し、今では固形の石鹸を凌駕する状況となっている。
液体タイプの身体用洗浄剤に主として用いられている界面活性剤は、その洗浄性及び泡立ち性の面からアニオン系界面活性剤であり、とりわけ高級脂肪酸塩は、洗浄後のサッパリ感が好まれて多用されている。しかしながら、高級脂肪酸塩を使用した場合は、ややもすると洗浄後の肌がつっぱる感じが認められ、肌のしっとりした感じが発現しにくい。このしっとり感を持たせる為に高級脂肪酸塩以外のアニオン系界面活性剤が高級脂肪酸塩と併用若しくはそれ単独で用いられている。
これら高級脂肪酸塩以外のアニオン系界面活性剤の中で、N−アシルアミノ酸系界面活性剤は皮膚刺激性が少なく、且つ比較的洗浄力が優れているため、種々のN−アシルアミノ酸系界面活性剤が好ましく用いられている(例えば、特許文献1〜4参照)。
しかしながら、このような従来から使用されている高級脂肪酸塩やその他のアニオン系界面活性剤を主成分とする液体洗浄剤では洗浄後の使用感が必ずしも十分に満足できるものではなく、或いは種々のN−アシルアミノ酸系界面活性剤を用いた液体洗浄剤でも、洗浄性や起泡性、泡質がまだ十分満足なものではないという問題があった。
特開2001−234197号公報 特開2005−146016号公報 特開2005−350645号公報 特開2008−137896号公報
本発明は、従来の身体用液体洗浄剤のこのような問題点を更に改善して、泡立ち性、泡のクリーミイさなどの泡質がより一層優れており、かつ、洗浄後の肌がしっとりと仕上がり、しかも経時的に優れた液体安定性を有する液体状の身体用洗浄剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、高級脂肪酸塩系界面活性剤を主成分とし、これにN−アシルアスパラギン酸又はその塩、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを組み合わせて使用することにより、泡立ち性、泡の泡質に優れると同時に、洗浄後の肌がしっとりと仕上がり、更に、経時的に優れた液体安定性を有する液体状の身体用洗浄剤が得られることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、以下の内容をその要旨とするものである。
(1)次の一般式(I)で示される高級脂肪酸塩(A)
−COOM (I)
(式中、Rは炭素数8〜22のアルキル基又はアルケニル基を示す。Mは水素、ナトリウム、カリウム、アンモニウムまたはトリエタノールアミンのいずれかを示す。)
を14〜28質量%、
次の一般式(II)で示されるN−アシルアスパラギン酸又はその塩(B)
Figure 2012001438
を0.2〜4質量%、及び
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(C)を0.05〜0.5質量%、
を必須成分として含有することを特徴とする身体用液体洗浄剤。
(2)前記高級脂肪酸塩(A)が、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩から構成される3種類の高級脂肪酸塩の混合物であり、且つ、この高級脂肪酸塩の混合物の各脂肪酸塩の配合比率が全脂肪酸塩に対してそれぞれ少なくとも10質量%以上であることを特徴とする前記(1)記載の身体用液体洗浄剤。
(3)更に、次の一般式(III)で示される脂肪酸アミドプロピルベタイン(D)
Figure 2012001438
を0.5〜6質量%を含有することを特徴とする前記(1)または(2)に記載の身体用液体洗浄剤。
(4)更に、次の一般式(IV)で示される脂肪酸アルカノールアミド(E)
Figure 2012001438
を0.5〜5質量%を含有することを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の身体用液体洗浄剤。
(5)前記高級脂肪酸塩(A)が、身体用液体洗浄剤の界面活性剤成分の全量((A)+(B)+(D)+(E))に対して70〜90質量%であることを特徴とする前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の身体用液体洗浄剤。
(6)脂肪酸アルカノールアミド(E)が脂肪酸モノエタノールアミドと脂肪酸ジエタノールアミドから構成され、且つ、両者の配合比率が、質量比で2/8〜8/2であることを特徴とする前記(1)乃至(5)のいずれかに記載の身体用液体洗浄剤。
本発明の身体用液体洗浄剤は、肌の汚れを洗浄する際に、濡れたタオル又はスポンジに適量つけて使用した場合、豊かに泡立つとともにクリーミイな泡質を発揮するので、泡のスタミナ(持続性)が大きいのという点が特徴である。また、身体を洗浄した後、タオルで拭いて乾燥した後の肌のつっぱり感が少なく、しっとりとした肌の感触が得られるという特徴も有する。さらに、本発明の身体用液体洗浄剤は、常温において長期間保存しても分離することがなく、液体状態が長期間安定しており安定性に優れた液体洗浄剤である。ここで、クリーミイな泡質とは、液体洗浄剤を泡立てた際に得られる泡がキメが細かく腰の強いクリーム状の泡となるものを意味する。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明における成分(A)である高級脂肪酸塩は、本発明の身体用液体洗浄剤の主要界面活性剤成分である。この高級脂肪酸は天然由来のものであり、炭素数は8〜22の範囲である。また、その化学構造は飽和、不飽和のいずれでも良く、直鎖、分岐のいずれのものでも用いることができる。具体的には、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸が挙げられる。そしてこれらの脂肪酸の塩としては、ナトリウム、カリウム、アンモニウム又はトリエタノールアミンが挙げられる。
これらの高級脂肪酸塩の含有量は、全洗浄剤組成物中の14〜28質量%であり、好ましくは17〜25質量%の範囲である。14質量%未満では洗浄時の泡立ちが不充分であり、28質量%を超えると組成物の粘度が高くなり、ポンプ容器から吐出しにくくなるために使いにくく好ましくない。
また、成分(A)の高級脂肪酸塩は、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩の3種類の脂肪酸塩の混合物が泡立ち及び泡質の点から特に好ましい。すなわち、これら3種の高級脂肪酸塩の混合物を用いることによって、洗浄時の泡立ちが良好であるとともに、きめの細かいクリーミーな泡質となる。また、3種類の高級脂肪酸塩の含有量は、各々の脂肪酸塩が全脂肪酸塩に対して少なくとも10質量%以上であり、20質量%以上含有することが好ましい。
本発明における成分(B)であるN−アシルアスパラギン酸又はその塩は、本発明の身体用液体洗浄剤の必須成分である。このN−アシルアスパラギン酸又はその塩は、天然の脂肪酸とアミノ酸の一種であるアスパラギン酸から構成されたN−アシル化アミノ酸系アニオン性界面活性剤の一種である。N−アシル化アミノ酸系界面活性剤は、生分解性が高く、皮膚刺激性が少ないことから安全性の高い界面活性剤として知られている。また、高級脂肪酸塩系界面活性剤と比べて、対硬水性に優れ、中性〜弱アルカリ性における溶解性に優れる。
本発明においては、このような様々なN−アシル化アミノ酸系界面活性剤の中で、次の一般式(II)で示されるN−アシルアスパラギン酸又はその塩を特に選択して他の成分と組み合わせて用いる。
Figure 2012001438
N−アシルアスパラギン酸のアシル基は、炭素数が8〜22の範囲のものであり、飽和、不飽和のいずれでも良い。N−アシルアスパラギン酸としては、具体的には、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の脂肪酸をアスパラギン酸と縮合させたものが挙げられる。
また、一般式(II)に示すように、アスパラギン酸は酸性アミノ酸であり、分子内に2個のカルボン酸を有している。よって、2個のカルボン酸の末端は、アルカリで中和された塩の形又は未中和のカルボン酸の形になっている。本発明の身体用液体洗浄剤には、このN−アシルアスパラギン酸のままのものを使用してもよく、或いは、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、トリエタノールアミンなどのアルカリで中和したN−アシルアスパラギン酸塩として使用することができる。
N−アシルアスパラギン酸又はその塩の含有量は、全洗浄剤組成物中の0.2〜4質量%であり、好ましくは0.5〜2質量%の範囲である。0.2質量%未満では高級脂肪酸塩に起因する洗浄後の肌のつっぱり感が強く発現してしまい、4質量%を超えると洗浄後の肌のぬるつき感が強くなってしまう。
本発明における成分(C)であるヒドロキシプロピルメチルセルロースは本発明の身体用液体洗浄剤の必須成分である。このヒドロキシプロピルメチルセルロースは、アルカリセルロースに塩化メチルと酸化プロピレンとを同時に反応させ、精製後、乾燥、粉砕して得られる非イオン性の水溶性セルロースエーテルである。このヒドロキシプロピルメチルセルロースの構造は、セルロースのグルコース環の水酸基がメトキシル基及びヒドロキシプロポキシル基で置換されており、セルロースの分子中にそれぞれ28〜30%、7〜12%含有している。本発明の成分(C)として使用するヒドロキシプロピルメチルセルロースの粘度は、2%単独水溶液で、20℃で1000〜10000mPa・sの範囲のものが好ましい。
このヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量は、全洗浄剤組成物中の0.05〜0.5質量%であり、好ましくは0.1〜0.4質量%である。0.05質量%未満では系の粘度が低くなりすぎ経時安定性に悪影響を及ぼして、液分離を引き起こすことがある。0.4質量%を超えると系の粘度が高くなりすぎ使用時に泡立ちが遅くなったり、詰め替え品から洗浄剤の本体ボトル容器へ詰め替えが困難になる。
本発明の身体用液体洗浄剤は、上記の成分(A)である高級脂肪酸塩を主成分とし、この高級脂肪酸塩とともに、少量の成分(B)である前記一般式(II)で示されるN−アシルアスパラギン酸又はその塩と、少量の成分(C)であるヒドロキシプロピルメチルセルロースを組み合わせて液状の洗浄剤組成物とすることによって、これらの成分の複合的な作用によって、優れた泡立ち性とクリーミイな良好な泡質のものが得られ、更に、洗浄後の肌に、従来の高級脂肪酸塩を用いた洗浄剤に見られる特有のつっぱり感がなく、しっとりとした感触を与えることができる。
本発明の身体用液体洗浄剤は、これらの3成分に加えて、更に、成分(D)として次の一般式(III)で表わされる脂肪酸アミドプロピルベタインを含有することができる。
Figure 2012001438
この成分(D)である脂肪酸アミドプロピルベタインは、アミドベタイン型両性界面活性剤であり、脂肪酸、脂肪酸エステル又は植物油とジメチルプロピレンジアミンから脂肪酸アミドアミンを合成し、モノクロロ酢酸ナトリウムを反応させて得られる脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインである。
脂肪酸の炭素数は8〜22の範囲であり、飽和、不飽和のいずれでも良い。すなわち、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸といった単体脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸といった混合脂肪酸が該当する。
この脂肪酸アミドプロピルベタインの含有量は、全洗浄剤組成物中の0.5〜6質量%であり、好ましくは1〜4質量%である。0.5質量%未満では泡立ち及び泡の安定性が低下し、洗浄後の肌のつっぱり感が大きく、6質量%を超えると系の粘性が高くなりすぎて、低温で液の流動しなくなり、ポンプ容器から液が吐出しにくくなる為好ましくない。
本発明の身体用液体洗浄剤は、上記の成分(A)、成分(B)及び成分(C)の3成分に加えて、更に、成分(E)として次の一般式(IV)で示される脂肪酸アルカノールアミドを含有することができる。
Figure 2012001438
この脂肪酸アルカノールアミドは、天然の高級脂肪酸とモノエタノールアミン叉はジエタノールアミンの縮合物からなる非イオン系界面活性剤である。脂肪酸の炭素数は8〜22の範囲であり、飽和、不飽和のいずれでも良い。すなわち、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸といった単体脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸といった混合脂肪酸が該当する。
この脂肪酸アルカノールアミドの含有量は全洗浄剤組成物中の0.5〜5質量%であり、好ましくは1〜4質量%である。0.5質量%未満では泡立ち及び泡の安定性が低下し、洗浄後の肌のつっぱり感が大きくなり、5質量%を超えると系の粘性が高くなりすぎて、低温で液が流動しなくなり、ポンプ容器から液が吐出しにくくなる為好ましくない。
また、本発明の成分(E)である脂肪酸アルカノールアミドは、モノエタノールアミドとジエタノールアミドから構成されるが、その両者の配合比率は、質量比で2/8〜8/2が好ましい。配合比率が2/8より小さい場合、ジエタノールアミドが多いために得られる液体洗浄剤組成物において泡質(泡のクリーミー性)に悪影響を及ぼし、配合比率が8/2より大きい場合には、モノエタノールアミドが多いために仕上がり時のつっぱり感が大きくなってしまう。
本発明の身体用液体洗浄剤は、上記の高級脂肪酸塩(A)を主成分として、少量のN−アシルアスパラギン酸又はその塩(B)と、少量のヒドロキシプロピルメチルセルロース(C)を組み合わせて液状の洗浄剤組成物とすることによって、そして、更には、これらの3成分に加えて脂肪酸アミドプロピルベタイン(D)及び/又は脂肪酸アルカノールアミド(E)を組み合わせて液状の洗浄剤組成物とすることによって、これらの各成分の相互の複合的な作用によって、さらに一層優れた泡立ち性とキメが細かく腰のある良質な泡質のものが得られ、更に、洗浄後の肌に、従来の高級脂肪酸塩を用いた洗浄剤に見られる特有のつっぱり感がなく、しっとりとした感触を与えることができる。また、液体洗浄剤としての良好な安定性を有しており、長期間保存しても大きな粘度の変化や液の分離などが起こらない。
一方、成分(B)のN−アシルアスパラギン酸又はその塩と類似した化学構造を有するアミノ酸系界面活性剤として、N−アシルグルタミン酸又はその塩、N−アシルグリシン又はその塩、アシルサルコシン又はその塩、アシルメチルアラニン又はその塩などが挙げられる。しかしながら、これらのアミノ酸系界面活性剤を用いた場合には、本発明の必須成分である成分(A)の高級脂肪酸塩と成分(C)のヒドロキシプロピルメチルセルロースとともにこれらのアミノ酸系界面活性剤を組み合わせて配合して液体洗浄剤として使用しても、成分(B)のN−アシルアスパラギン酸又はその塩を使用した場合と比較して、満足できる泡立ち性と泡質、および洗浄後の肌のしっとり感を与えるものを得ることができない。
また、本発明の液体洗浄剤に使用する成分(C)のヒドロキシプロピルメチルセルロースと類似構造を有するセルロース系増粘剤として、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カチオン化セルロースなどが知られている。しかしながら、これらの増粘剤の場合には、本発明の必須成分である成分(A)の高級脂肪酸塩と成分(B)のN−アシルアスパラギン酸又はその塩と組み合わせて配合して液体洗浄剤として使用しても、成分(C)のヒドロキシプロピルメチルセルロースを使用した場合に比較して、液体洗浄剤の粘度が充分に高くならず、液体の安定性が劣っており、長期間の保存安定性試験において液の分離が認められ好ましくない。
また、本発明の身体用液体洗浄剤においては、成分(A)の高級脂肪酸の含有量は、上記した成分(A)、成分(B)、成分(D)及び成分(E)の4種類の界面活性剤成分の合計量に対して70〜90重量%であり、好ましくは75〜85重量%である。70%未満では、洗浄後の肌にぬるつき感が強くなり、90%を超えると石鹸特有のつっぱり感が強くなるため好ましくない。
本発明の身体用液体洗浄剤においては、前記成分(A)〜成分(E)の各成分以外の他の成分についても、本発明の効果を損ねない範囲で必要に応じて添加することが出来る。これらの成分として以下のものが挙げられる。
パール化剤として、多価アルコールエステルであるジステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸トリエチレングリコールが挙げられる。保湿剤として多価アルコールであるエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、1,3−ブチレングリコールが挙げられる。エモリエント剤として植物油であるアーモンド油、オリーブ油、マカデミアナッツ油、ホホバ油、サザンカ油が挙げられる。
粘度調整剤として、無機塩である塩化ナトリウム、塩化カリウムが挙げられる。その他の添加剤としては、pH調整剤としてクエン酸、乳酸、リンゴ酸のような有機カルボン酸、保湿、消炎、殺菌効果のある植物エキス、安息香酸塩、パラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、ソルビン酸塩のような防腐剤、香料が挙げられる。
次に、以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。尚、各実施例中「%」は特に注記しない限り質量基準である。
表1または表2に示した各成分とその配合割合からなる液体洗浄剤組成物を調製し、この液体洗浄剤組成物を用いて、以下の方法によってその泡立ち性、泡質、使用後の肌のしっとり感、及び液の安定性の評価を行なった。
(i)泡立ち性の評価
硬度50ppm(CaCO)の水で前記液体洗浄剤組成物の濃度10%に調整した試験液を準備した。この試験液20gをエプトン管(容量100ml、直径3cm×長さ25cm)に入れ、40℃に保ち、20回/20秒の速さで正立と倒立を繰り返して行い、終了直後の泡量(ml)を測定した。その泡量(ml)から以下の基準によって泡立ち性を評価した。
◎◎(泡量55ml以上) ・・・・・泡立ちが非常に良い
◎(泡量50ml以上55ml未満)・・・泡立ちが良い
○(泡量45ml以上50ml未満)・・・泡立ちがやや良い
△(泡量40ml以上45ml未満)・・・泡立ちがやや悪い
×(泡量40ml未満) ・・・・・泡立ちが悪い
(ii)泡質の評価
液体洗浄剤組成物の泡質(泡のクリーミー性)を、以下のようにして泡粘度(m・Pas)を測定することによって評価した。
即ち、硬度50ppm(CaCO)の水で前記液体洗浄剤組成物の濃度10%に調整した試験液を準備した。その試験液20gをガラス瓶(容量100ml)に入れ、40℃に保ち、40回/10秒の速さで上下に振とうした。生じた泡の中にB型粘度計のローターを差込み、泡の粘度を測定した。
なお、泡質(泡のクリーミー性)が良いとは、泡のキメが細かく、腰が強い状態のものを言い、良好な泡質の泡は上記の測定法によって高い泡粘度値を示し、両者がほぼ相関することを事前に確認している。
◎◎(泡粘度1500m・Pas以上) ・・・・・・泡質が非常に良い
◎(泡粘度1200m・Pas以上1500m・Pas未満)・・泡質が良い
○(泡粘度900m・Pas以上1200m・Pas未満)・・・泡質がやや良い
△(泡粘度600m・Pas以上900m・Pas未満)・・・・泡質がやや悪い
×(泡粘度600m・Pas未満) ・・・・・・・・泡質が悪い
(iii)肌のしっとり感の評価
液体洗浄剤組成物の使用後の肌のしっとり感を次の官能試験によって評価した。
市販ナイロンタオルに水(40℃)100gをしみ込ませ、表1又は表2に示す液体洗浄剤組成物からなる試験液5gをタオルに加え、手で20回揉んで泡立てた。次に、予めお湯で濡らしておいたパネラーの前腕内側部分をタオルで往復20回洗い、お湯ですすいだ後、乾燥タオルで拭いた。30分室温で乾燥させた後の肌の感触を、以下の5段階評点で評価した。サンプルの評価点は、パネラー10名による評価の平均値として示した。
明らかにしっとりする ・・・ 5点
ややしっとりする ・・・・・ 4点
しっとりする ・・・・・ 3点
ややつっぱり感がある ・・・ 2点
かなりつっぱり感がある・・・ 1点
(iv)液の安定性評価
液体洗浄剤組成物の安定性を以下の方法によって評価した。即ち、前記液体洗浄剤組成物からなる試験液(25℃)の粘度をB型粘度計で測定し、更に、試験液を25℃の恒温機に1カ月間保存した後、液の状態(分離の有無)を目視観察した。
表1および表2に示す種々の液体洗浄剤組成物について、上記の(i)〜(iv)の評価を行い、それらの評価結果を、本発明品に相当するものの場合を表1に、比較品に相当するものの場合を表2に示す。
Figure 2012001438
Figure 2012001438
表1および表2において、注記した配合成分としては以下のものを用いた。
*1) N−ラウロイル−L-アスパラギン酸ナトリウム
(商品名:アミノフォーマーFLDS−L、旭化成ケミカルズ製)
*2) 商品名:メトローズ60SH−4000、信越化学工業製
*3) N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸カリウム
(商品名:アミソフトCK−22、味の素ヘルシーサプライ製)
*4) N−ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム
(商品名:アミライトGCK−12K、味の素ヘルシーサプライ製)
*5) ヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウム
(商品名:ソイポンSCE、川研ファインケミカル製)
*6) ヤシ油脂肪酸メチルアラニンナトリウム
(商品名:アラノンACE、川研ファインケミカル製)
*7) 商品名:NATROSOL 250HHR、HERCULES製
*8) 商品名:NISSO HPC−H、日本曹達製
*9) 商品名:CMCダイセル220、ダイセル化学工業製
*10) 塩化-O-[2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]エチルセルロース
(商品名:カチナールHC−100、東邦化学工業製)
表1及び表2に示した結果から次のことがわかる。
まず、表1に示したように、成分(A)の高級脂肪酸塩を21質量%、成分(B)のN−アシルアスパラギン酸塩を1.0質量%および成分(C)のヒドロキシプロピルメチルセルロースを0.2質量%含んで構成された液体洗浄剤(本発明品1〜7)はいずれも良好な泡立ち性と泡質を有し、肌へのしっとり感があり、液の安定性も良好なものが得られた。これらのうち、特に成分(A)の高級脂肪酸塩としてラウリン酸カリウムとミリスチン酸カリウム、パルミチン酸カリウムの3種類の高級脂肪酸塩のみを使用したもの(本発明品4〜7)が泡立ち性と泡質がより良好なものが得られた。更に、この組成系に成分(D)のラウリン酸アミドプロピルベタインを加えたもの(本発明品8〜9)、これに更に成分(E)のヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドおよび/又はヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドを加えたもの(本発明品10〜13)では、良好な泡立ち性と泡質を有すると同時に、一層肌へのしっとり感がよくなり、また液の安定性も非常に優れたものとなった。
これに対して、表2に示したように、成分(A)の高級脂肪酸塩の配合量が14質量%未満と少ない場合には、これとともに成分(B)のN−アシルアスパラギン酸塩と成分(C)のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含んで液体洗浄剤を構成しても泡立ちの悪いものしか得られなかった(比較品1〜2)。成分(A)の高級脂肪酸塩と成分(C)のヒドロキシプロピルメチルセルロースを必要な量で含んだものであっても、成分(B)のN−アシルアスパラギン酸塩の配合量が少ない又は含まれていない場合にはある程度の泡立ち性のものが得られるが肌へのしっとり感のない、つっぱり感のあるものとなってしまい好ましくなかった(比較品3〜4)。成分(B)としてN−アシルアスパラギン酸塩に代えて類似した性質を有する種々のアミノ酸系界面活性剤を使用したものでは、泡立ち性も不十分であるとともに肌へのしっとり感がなく、つっぱり感のあるものとなってしまい好ましくなかった(比較品5〜8)。
また、成分(A)の高級脂肪酸塩と成分(B)のN−アシルアスパラギン酸塩を必要な量で含んだものであっても、成分(C)のヒドロキシプロピルメチルセルロースの配合量が少ないまたは含まれていない場合には、得られた液体洗浄剤の粘度が200〜300(mPa・s)程度のものとなり、かつ1ヶ月の保存で液の分離が発生してしまい好ましくなかった(比較品9〜10)。成分(C)のヒドロキシプロピルメチルセルロースに代えて、類似した構造と性質を有する種々のセルロース系増粘剤を使用した場合にも、同様に低い粘度のものしか得られず、長期間の保存で液の分離が発生してしまい、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを使用した場合のような優れた性質を有するものは得られなかった(比較品11〜14)。
本発明の身体用液体洗浄剤は、良好な泡立ち性と泡質を有し、肌へしっとり感を与えることができ、かつ、液体状態が安定なものとなるので、広く一般家庭などで洗顔や入浴などの際に使用する身体用の液体洗浄剤として好ましく使用することができる。

Claims (6)

  1. 次の一般式(I)で示される高級脂肪酸塩(A)
    −COOM (I)
    (式中、Rは炭素数8〜22のアルキル基又はアルケニル基を示す。Mは水素、ナトリウム、カリウム、アンモニウムまたはトリエタノールアミンのいずれかを示す。)
    を14〜28質量%、
    次の一般式(II)で示されるN−アシルアスパラギン酸又はその塩(B)
    Figure 2012001438
    を0.2〜4質量%、及び
    ヒドロキシプロピルメチルセルロース(C)を0.05〜0.5質量%、
    を必須成分として含有することを特徴とする身体用液体洗浄剤。
  2. 前記高級脂肪酸塩(A)が、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩から構成される3種類の高級脂肪酸塩の混合物であり、且つ、この脂肪酸塩の混合物の各脂肪酸塩の配合比率が全脂肪酸塩に対してそれぞれ少なくとも10質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の身体用液体洗浄剤。
  3. 更に、次の一般式(III)で示される脂肪酸アミドプロピルベタイン(D)
    Figure 2012001438
    を0.5〜6質量%を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の身体用液体洗浄剤。
  4. 更に、次の一般式(IV)で示される脂肪酸アルカノールアミド(E)
    Figure 2012001438
    を0.5〜5質量%を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の身体用液体洗浄剤。
  5. 前記高級脂肪酸塩(A)が、身体用液体洗浄剤の界面活性剤成分の全量((A)+(B)+(D)+(E))に対して70〜90質量%であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の身体用液体洗浄剤。
  6. 脂肪酸アルカノールアミド(E)が脂肪酸モノエタノールアミドと脂肪酸ジエタノールアミドから構成され、且つ、両者の配合比率が、質量比で2/8〜8/2であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の身体用液体洗浄剤。
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