JP2012000591A - デカンタ型遠心分離機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】軽液Y2を分離領域から放出する軽液放出口19が外胴2の外壁面よりも回転軸L寄りに設けられている。
【選択図】図1
Description
3相分離を行うデカンタ型遠心分離機に供給される原液には、比重の小さい軽液と比重の大きな重液と固体とが混合されており、デカンタ型遠心分離機は、これらの3つを分離して各々を別の放出口から外胴の外側に放出するように構成されている。
固体は、最も比重が大きいため、外胴側に寄ることとなるが、スクリュー型搬送機にて回転軸の一方の端部側に集められる。この結果、回転軸の他方の端部側には液体のみが存在することとなり、この液体は、遠心力により外胴寄りの重液と内胴よりの軽液とに分離される。
そして、外胴の端部に対してはフランジ部が固定されており、軽液と重液とは、当該フランジ部に独立して形成される軽液用流路と重液用流路とを介して分離領域から排出される。
このように従来のデカンタ型遠心分離機は、軽液放出口が外胴の外壁面に対して同一の位置または外側に位置しているため、動力ロスが大きい。このため、従来のデカンタ型遠心分離機では、大型のモータを設置する必要があった。
なお、このような動力ロスの問題は、3相分離を行う場合に限られず、例えば固体を含まない原液を軽液と重液とに分離する2相分離を行う場合にも同様に生じるものである。
このため、本発明によれば、従来のデカンタ型遠心分離機よりも軽液放出口から放出される軽液に与えられる運動エネルギが少なくなり、動力ロスを削減することが可能となる。
内胴1の内部には、内胴1の内部に原液Xを供給するための供給パイプ7が挿入されている。そして、本実施形態において原液Xは、図1の右側から左側に向けて供給パイプ7内を流れて内胴1の内部に供給される。
なお、以下の説明においては、説明の便宜上、原液Xの流れに倣い、図1の紙面右側の上流側と称し、図1の紙面左側の下流側と称する。
そして、内胴1は、上流側が軸受9を介して外胴2に対して回転可能に支持され、下流側が軸受10を介して後に説明するギアボックス支持シャフト5bに対して回転可能に支持されている。
この外胴2は、上流側が軸受11を介して設置台に支持されており、下流側が開口端とされると共にフランジ部6と固定されている。なお、フランジ部6は、ギアボックス支持シャフト5bに固定されており、外胴2は、不図示の駆動装置により回転軸Lを中心として回転する。
また、外胴2の上流側の端部には、内胴1と外胴2との間に存在する固体Y1を外胴2の外側に排出するための固体放出口2aが設けられている。
これらの軽液案内流路12及び重液案内流路13の下端は開口端とされている。そして、軽液案内流路12に案内される軽液Y2は軽液案内流路12の下端からデカンタ型遠心分離機S1の外部に排出され、重液案内流路13に案内される重液Y3は重液案内流路13の下端からデカンタ型遠心分離機S1の外部に排出される。
そして、上方に向けて放出された軽液Y2は、案内板14で案内されることによって、フランジ部6に落下することなく進行する。
この固体案内路16の下端は開口端とされており、固体Y1は、固体案内路16の下端からデカンタ型遠心分離機S1の外部に排出される。
そして、ギアボックス4は、内胴1及び外胴2の回転差を定めるためのギヤを有している。
そして、ギアボックス支持シャフト5bは、軸受17によって設置台に対して回転可能に支持されている。
より詳細に説明すると、第1段部6aは、外胴2よりも大径の円板形状に設定されており、ボトル締めによって外胴2の下流側の端部に対して固定されている。また、第2段部6bは、第1段部6aよりも下流側に位置し、当該第1段部6a及び外胴2よりも小径の円板形状に設定されることで外周面6b1が第1段部6aの外周面6a1よりも回転軸L寄りに位置されている。
また、図2に示すように、第1段部6aと、第2段部6bと、ギアボックス支持シャフト5bとは、同一材料によって一体成形されている。
軽液取込口18は、分離領域Rで分離された軽液Y2をフランジ部6の内部に取込むための開口であり、フランジ部6の外胴2側の端面に設けられると共に分離領域Rの最も回転軸L寄りに配置されている。
軽液放出口19は、分離領域Rから軽液Y2を軽液案内流路12に放出するための開口であり、フランジ部6の第2段部6bの外周面6b1に設けられている。
軽液用流路20は、フランジ部6の内部に形成されており、軽液取込口18で取込んだ軽液Y2を軽液放出口19まで案内するための流路である。
なお、軽液取込口18、軽液放出口19及び軽液用流路20は、フランジ部6に対して回転軸L周りに複数設けられており、本実施形態のデカンタ型遠心分離機S1においては、図2(b)に示すように、各々4つ設けられている。
重液取込口21は、分離領域Rから重液Y3をフランジ部6の内部に取込むための開口であり、フランジ部6の外胴2側の端面に設けられると共に分離領域Rの最も外胴2寄りに配置されている。
重液放出口22は、分離領域Rから重液Y3を重液案内流路13に放出するための開口であり、第2段部6bの下流側の端面に設けられている。
重液用流路23は、フランジ部6の内部に形成されており、重液取込口21で取込んだ重液Y3を重液放出口22まで案内するための流路である。
なお、重液取込口21、重液放出口22及び重液用流路23は、上述の軽液取込口18、軽液放出口19及び軽液用流路20と重ならないように、フランジ部6に対して回転軸L周りに複数設けられており、本実施形態のデカンタ型遠心分離機S1においては、図2(b)に示すように、各々4つ設けられている。
この差込板25は、軽液案内流路12と重液案内流路13との間の隙間をラビリンス構造とすることによって、軽液案内流路12と重液案内流路13との間で軽液Y2及び重液Y3が混入しないようにするものである。
そして、差込板25は、フランジ部6の第2段部6bの外周面6b1に設置されており、図2(b)に示すように、回転軸Lを中心とする円環状に形状設定されている。
そして、分離領域Rに供給された原液Xは、遠心力によって、固体Y1と、軽液Y2と、重液Y3とに分離される。
軽液放出口19から放出された軽液Y2は、軽液案内流路12に放出されることとなり、軽液案内流路12の下端から外部に排出される。なお、軽液放出口19から上方に放出された軽液Y2は、案内板14によって回転軸L方向に進行方向が変更されて落下防止板15上に案内され、フランジ部6上に落下することなく軽液案内流路12の下端まで案内される。
重液放出口22から放出された重液Y3は、重液案内流路13に放出されることとなり、重液案内流路13の下端から外部に排出される。
このため、従来のデカンタ型遠心分離機よりも軽液放出口から放出される軽液に与えられる運動エネルギが少なくなり、動力ロスを削減することが可能となる。
このような構成を採用することによって、軽液取込口18、軽液放出口19及び軽液用流路20を一体成形物に対して形成することができ、軽液取込口18、軽液放出口19及び軽液用流路20を容易に形成することができると共に軽液Y2が漏れることを防止することが可能となる。
さらに、複数の軽液放出口19が回転軸L周りに設けられているため、回転軸L方向から見て、軽液Y2が分散して放出されることとなり、内胴1及び外胴2の回転を安定させることができる。
このため、軽液案内流路12と重液案内流路13との間で軽液Y2及び重液Y3が混入することが抑止され、確実に軽液Y2と重液Y3とを分離することが可能となる。
通常、デカンタ型遠心分離機の定格運転における原液の供給量は、30m3/Hr程度である。このため、本実施形態のデカンタ型遠心分離機S1によれば、大きく動力ロスを削減することが期待できる。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、固体を含まない原液を軽液と重液とに2相分離するデカンタ型遠心分離機に適用することも可能である。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、軽液放出口が外胴の外壁面よりも回転軸寄りに設けられていれば良い。例えば、フランジ部を第1段部のみからなる形状とし、第2段部に相当する部分を他部品から構成し、当該他部品に対して軽液放出口を設けても良い。
Claims (4)
- 内胴を囲んで回転軸を中心として回転する外胴と前記内胴との間の分離領域において原液を重液と軽液とに遠心分離するデカンタ型遠心分離機であって、
前記軽液を前記分離領域から放出する軽液放出口が前記外胴の外壁面よりも前記回転軸寄りに設けられていることを特徴とするデカンタ型遠心分離機。 - 前記回転軸方向から前記外胴に対して固定される第1段部と、該第1段部の外周面よりも外周面が前記回転軸寄りに位置すると共に回転シャフトに対して固定される第2段部とを有するフランジ部を備え、
前記軽液放出口は、前記第2段部の外周面に開口されている
ことを特徴とする請求項1記載のデカンタ型遠心分離機。 - 前記軽液放出口が複数設けられていることを特徴とする請求項1または2記載のデカンタ型遠心分離機。
- 前記外胴の外側に設けられる前記軽液案内流路及び前記重液案内流路と、
前記軽液案内流路の外壁と前記重液案内流路の外壁との間に差し込まれる差込板と
を備えることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のデカンタ型遠心分離機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010139505A JP2012000591A (ja) | 2010-06-18 | 2010-06-18 | デカンタ型遠心分離機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010139505A JP2012000591A (ja) | 2010-06-18 | 2010-06-18 | デカンタ型遠心分離機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012000591A true JP2012000591A (ja) | 2012-01-05 |
Family
ID=45533216
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010139505A Pending JP2012000591A (ja) | 2010-06-18 | 2010-06-18 | デカンタ型遠心分離機 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2012000591A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105413893A (zh) * | 2015-12-15 | 2016-03-23 | 宜兴市华鼎粮食机械有限公司 | 一种新型出液的卧式螺旋离心机转鼓 |
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JPS6245363A (ja) * | 1985-08-23 | 1987-02-27 | Kotobuki Giken Kogyo Kk | 遠心濃縮機 |
JPH06507338A (ja) * | 1991-06-06 | 1994-08-25 | アルファ ラバル セパレーション インコーポレーテッド | デカンタ遠心分離機用膨脹形ダム |
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JP2005074373A (ja) * | 2003-09-02 | 2005-03-24 | Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd | スクリューデカンタ型遠心分離機 |
-
2010
- 2010-06-18 JP JP2010139505A patent/JP2012000591A/ja active Pending
Patent Citations (5)
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