JP5832789B2 - 竪型遠心分離装置 - Google Patents

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Description

本発明は、竪型遠心分離装置に関し、特に、被処理液に遠心力を付与する円筒状回転筒が回転することによって発生する旋回流の影響を抑える技術に関する。
遠心分離装置は、円筒状回転筒の内部に固形分を含有する被処理液を供給することにより、被処理液に遠心力を付与して固−液分離,液−液分離,或いは固−液−液分離などの目的に応じた分離操作を行うことのできる装置である。遠心分離装置は、分野を問わず各種の産業分野で広く採用されている。
遠心分離装置には、円筒状回転筒であるボウルが鉛直軸を回転軸にして回転する竪型遠心分離装置と、ボウルが水平軸を回転軸にして回転する横型遠心分離装置がある。竪型遠心分離装置は、機器上部に設置された軸受部からボウルを懸架した構造であり、回転することにより自身で回転の芯を出す特長があるため横型遠心分離装置に比較して超高速回転による高遠心力運転が容易である(例えば、特許文献1参照)。その為、その用途の多くは超高速回転、高遠心力による難分解性処理物の分離である。
特許文献1に開示されている竪型遠心分離装置は、ボウルを回転しながらボウル下部から被処理液を供給する。ボウル内で遠心分離された軽液と重液は、ボウル上部に形成されている異なる2箇所の排出口より排出され、重液用の捕集カバーと軽液用の捕集カバーのそれぞれに捕集される。各捕集カバーに捕集された重液と軽液は、各捕集カバーの排出ノズルを通じて機外へ重力排出される。
ボウルは高速で回転されるが捕集カバーは固定配置であるため、捕集カバーの底板とボウルの外周面との間には僅かな隙間が設けられている。この隙間は、ボウルの回転時の振動分を考慮しても1.5〜3.0mm程度であり、装置の構造上、遠心分離の実行時にこの隙間から分離液が漏れることは殆どないと考えられていた。事実、分離液の漏洩によるトラブル事例もなく、隙間を封止するシール機構の設置を希望するユーザーもいなかった。
特開昭61−220750号公報
しかしながら、本発明者らが確認したところ、僅かな量ではあるが分離液がケーシング内に漏洩していることが判明した。すなわち、特許文献1の構造では、高速回転するボウルの遠心力の作用によってボウル上部より排出される分離液が、捕集カバーの内壁に衝突し、その際に分離液の一部がミスト化する。そして、ケーシング内においては、高速回転するボウル大径部分によって強い空気の旋回流が発生しており、図8に模式的に示すように捕集カバー内でミスト化した分離液の一部がこの旋回流に引き込まれてケーシング内に漏洩する。
旋回流の引き込みによる漏洩はごく僅かな量である。しかしながら、例えば食品,医薬、バイオ関連の分野においてはケーシング内面に付着した分離液が腐敗して、機内環境を悪化させる懸念があり、衛生的に見れば漏洩を防ぐことが好ましい。さらに分離液の方が目的物の場合は、漏洩した分離液がロス分となってしまう。
すなわち、本発明は、一例として挙げた上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、円筒状回転筒が高速回転することによって発生する空気の旋回流の影響を抑え、捕集カバーから分離液のミストが漏洩するのを防ぐことのできる竪型遠心分離装置を提供することにある。
本発明の竪型遠心分離装置は、被処理液の供給口が下部側に形成され、遠心分離された
分離液の排出口が上部側に形成され、遠心分離の実行時において鉛直軸廻りに回転する円
筒状回転筒と、前記円筒状回転筒が鉛直軸廻りに回転可能に収容されるケーシングと、内
周縁が円筒状回転筒の外周面に近接配置される円形開口部が底板に形成され、円筒状回転
筒の排出口の周回軌道を全周に亘って囲うように配置される分離液の捕集室と、前記捕集
室に連結された分離液の排出ノズルを有し、前記ケーシングの上部側に配置される分離液
の捕集カバーと、前記捕集室の底板の裏面に配置され、少なくとも円筒状回転筒の回転軸
側の表面が内側に向けて傾斜している1枚以上の整流用羽根と、を有し、前記整流用羽根の前記表面は前記円筒状回転筒の回転軸に近接する側の端部が前記回転軸から離隔した側の端部よりも下側となるように傾斜していることを特徴とする。
整流用羽根の表面の傾斜角は、円筒状回転筒の回転軸の垂線に対して鋭角であることが好ましい。さらに、捕集室の底板が、外方側に向かうにつれて下方側に傾斜した構成において、整流用羽根の表面が、捕集室の底板の裏面に対する角度が60度〜90度となるように傾斜していることが好ましい。整流用羽根は、捕集室の底板に形成されている円形状開口部の内周縁、又は前記円形状開口部と同心円の接線方向であるか、或いは接線方向に対して±15度の範囲内で延びるように配置されていることが好ましい。また、整流用羽根は、上から見たときに、捕集室の底板に形成されている円筒状回転筒の回転方向側の角部が前記円形開口部の内周縁と重なるように配置されていることが好ましい。
整流用羽根の数は4枚とすることができ、この場合、整流用羽根が周方向に等間隔に配置することが好ましい。また、竪型遠心分離装置が、固−液−液分離をすることのできる構造である場合には、重液を捕集する第1の捕集カバーと、軽液を捕集する第2の捕集カバーを上下に積層配置し、第1の捕集カバーと第2の捕集カバーのそれぞれの底板の裏面に整流用羽根を配置することが好ましい。
本発明の竪型遠心分離装置によれば、円筒状回転筒の分離液排出口の周回軌道を全周に亘って囲うように配置された分離液捕集室の底板の裏面に、少なくとも円筒状回転筒の回転軸側の表面が内側に向けて傾斜している1枚以上の整流用羽根を配置したことにより、捕集室内で発生する分離液のミストが、ケーシング内で発生する空気の旋回流に引き込まれるのを抑えることが可能となる。すなわち、整流用羽根は、課題の発生原因である空気の旋回流を逆に利用して、ケーシングから捕集室、さらには捕集室に連結された分離液の排出ノズルの出口へ向かう空気の流れを積極的に作り出す。その結果、捕集室からケーシング内に引き込まれる空気の流れが形成されず、分離液が捕集室からケーシング内に漏洩するのを防止できる。
従って、本発明の竪型遠心分離装置は、例えば食品,医薬,バイオなど、特に衛生面に気を使う分野にも安心して適用することができる。また、目的物が液体(分離液)の場合、ロス分を少なくすることができる。
本発明の好ましい実施形態に従う竪型遠心分離装置の縦断面図である。 上記竪型遠心分離装置の正面図である。 上記竪型遠心分離装置が備えるボウルの縦断面図である。 上記竪型遠心分離装置が備える第2捕集カバーの平面図と側面図である。 上記竪型遠心分離装置が備える第1捕集カバーの平面図と側面図である。 上記第2捕集カバーの作用を示す説明図である。 上記第2捕集カバーの整流用羽根を垂直方向に配置した比較例を示す。 従来の捕集カバー内の気流の流れを示す。
以下、本発明の好ましい実施形態による竪型遠心分離装置について、添付図面を参照しながら詳しく説明する。但し、以下に説明する実施形態によって本発明の技術的範囲は何ら限定解釈されることはない。
図1は、本実施形態に従う竪型遠心分離装置の縦断面図であり、図2は、竪型遠心分離装置の正面図である。また、図3は、円筒状回転筒であるボウルの縦断面図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態に従う竪型遠心分離装置1は、鉛直方向に配置された円筒状回転筒であるボウル2と、ボウル2を回転可能に収容する外装体をなすケーシング3と、遠心分離の実行時にボウル2を鉛直軸廻りに回転させる駆動装置としての駆動モータ4と、これらを支持する支持装置5を備えている。
ケーシング3は、支持装置5に支持されるケーシング本体31と、ケーシング本体31の上部に脱着可能に設けられる上部ケーシングとしての捕集カバー32を備えている。捕集カバー32は、遠心分離の実行時において、遠心力の作用によってボウル2の上部側から排出される分離液を受け止めて排出ノズル34へと導く。竪型遠心分離装置1のボウル2は、被処理液を固−液−液の3相に分離する構造となっている。そのため、捕集カバー32は、比重の小さい液(軽液)を捕集する第1捕集カバー32aと、比重の大きい液(重液)を捕集する第2捕集カバー32bを上下に積層した構成となっている。第1捕集カバー32a及び第2捕集カバー32bは、各々の捕集室で分離液を捕集し、捕集した分離液を排出ノズル34a及び排出ノズル34bから排出する。排出ノズル34a,34bには配管(不図示)が脱着可能に接続され、これらの配管は分離液の貯留槽(不図示)にそれぞれ接続されている。なお、固−液−液の3相分離でなく、固−液の2相分離を行う装置の場合は、第2捕集カバー32bを省略することができる。
ボウル2は、詳しくは図3に示すように、内部が空洞に形成された円筒形の胴部21を有し、下部側に被処理液の供給口22が形成され、上部側に軽液を排出する排出口23aと重液を排出する排出口23bがそれぞれ形成されている。重液用の排出口23bは、胴部21(すなわち、ボウル2の大径部分)に配置されており、軽液用の排出口23aは、回転軸の部分(すなわち、ボウル2の小径部分)に配置されている。一方、ボウル2の下部側に形成されている供給口22には、被処理液の供給ノズル24が内挿されている。供給ノズル24は、回転されるボウル2の内壁面に接触しないように、ボウル2の内壁面から離して配置している。被処理液は、例えばポンプなどの送液手段(不図示)によって送液され、供給ノズル24の先端から吐出されてボウル2内に供給される。なお、図示は省略するが、ボウル2の内部には、ボウル2の内部空間を周方向に区画する羽根部材(例えば羽根が3枚のスリーウイング)が配置されている。
なお、図3の記載からも分かるように、ボウル2には分離された固形分の排出口が設けていない。すなわち、本実施形態の竪型遠心分離装置は、遠心分離の実行時において分離液は連続的に排出するが、固形分はボウル2内に蓄積させていく。ボウル2内に蓄積された固形分は、装置を停止し、ボウル2をケーシング3から抜き出して行う。すなわち、本実施形態の竪型遠心分離装置は、バッチ方式で運転される。
ボウル2の寸法は限定されないが、一例として、内径を95〜160mm、長さを457〜730mmの範囲内から選択される寸法に設定することができる。ボウル2は、脱着手段であるカップリングナット25によって、ベアリングアッセンブリ26の回転軸26aと脱着可能に連結されている。ベアリングアッセンブリ26は、回転ベルト41を通じて駆動モータ4の回転プーリ42と連結されている。従ってボウル2の回転軸の上端は、カップリングナット25と螺合するネジ部27が形成されている。遠心分離の実行時においては、ボウル2とベアリングアッセンブリ26とを連結することによってボウル2が懸架支持され、駆動モータ4の動力によって鉛直軸廻りに回転可能となる。一方、ボウル2をケーシング3から抜き出す際には、カップリングナット25による連結を解除することによって、ボウル2とベアリングアッセンブリ26の連結状態を解除する。なお、図1の符号43は、アイドラアッセンブリである。
さらに、ボウル2の下端側には、例えばスリーブ部材28が固定配置されている。このスリーブ部材28は、例えばネジ部28aによってボウル2に固定されている。さらに、スリーブ部材28と摺動するブッシング部材61がケーシング3側に固定配置されている。なお、図1の符号62は、ドレインを排出するための排出路である。
図1に示す第1捕集カバー32aと第2捕集カバー32bは、遠心力の作用によってボウル2から周方向に排出される分離液を捕集する空間(捕集室)をそれぞれ有している。前述したように、捕集カバー32は、第1捕集カバー32aと第2捕集カバー32bを上下に積層した構成であり、第1捕集カバー32aの捕集室の底板は、第2捕集カバー32bの捕集室の天井板を兼ねている。第1捕集カバー32aと第2捕集カバー32bは、洗浄作業等が容易に行えるように、互いに脱着可能である。第1捕集カバー32a及び第2捕集カバー32bの構造を、図4及び図5にそれぞれ示す。図4(a)は、第2捕集カバー32bの平面図を示し、図4(b)は、第2捕集カバー32bの縦断面図を示している。図5(a)は、第1捕集カバー32aの平面図を示し、図5(b)は、第1捕集カバー32aの縦断面図を示している。
まず、第2捕集カバー32bについて、図4を参照しながら説明する。第2捕集カバー32bは、図4に示されるように、ボウル2の胴部21が挿入される円形開口部7bが中央に形成されている。円形開口部7bの内周縁の直径は、ボウル2の胴部21の外周面に対して僅かな隙間(例えば2〜2.5mm)を有するように設定されている。さらに、円形開口部7bの内周縁は、前記隙間から分離液が落下しないように、ボウル2の外周面に沿って上方に曲げられている。
第2捕集カバー32bの捕集室の底板71bは、捕集した分離液が外周に向かって流れるように、外周に向かって下方側に傾斜している。底板71bの外周縁には、周方向に側壁板72bが立設されており、側壁板72bが一部欠けている部分に排出ノズル34bが連結されている。排出ノズル34bは、幅が順次狭くなると共に下方側に傾斜する平面流路73bの部分と、平面流路73bの先端に連結された鉛直方向に下がる管状流路74bの部分で構成されている。平面流路73bは、ボウル2の回転方向側の一辺(75b)が、底板71bの外周縁の接線方向に延びるように形成されている。既述の通り、第2捕集カバー32bの捕集室の天井板は、第1捕集カバー32aの捕集室の底板71aが兼ねるので、第2捕集カバー32bの上部は開放されている。但し、必ずしも第1捕集カバー32aの捕集室の底板71aが第2捕集カバー32bの捕集室の天井板を兼ねる構造にしなくともよく、第2捕集カバー32bに天井板を設けて捕集室を形成するようにしてもよい。
捕集室の底板71bの裏面には、複数の整流用羽根8bが配置されている。図4には、好ましい一例として4枚の整流用羽根8bを配置した構成を示しているが、整流用羽根8bの設置数が限定されることはない。整流用羽根8bは、図4(a)に示すように、平面形状が概ね短冊状の平板の板材であり、表面がボウル2の回転軸側に向かって傾斜(θ1)するように取り付けられている。整流用羽根8bは、ボウル2の回転方向側の短辺から反対の短辺に向かうにつれて幅が狭くなっている。整流用羽根8bの材料は特に限定されることはなく、金属,樹脂など種々の材料を選択することができる。
整流用羽根8bの傾斜角(θ1)は、90度未満であればよいが、好ましい傾斜角は、ボウル2の回転軸の垂線に対して鋭角(例えば、20〜70度)である。また、捕集室の底板71bとの関係に着目すると、底板71bに対する整流用羽根8bの傾斜角(θ2)が60度〜90度となっていることが好ましい。整流用羽根8bの傾斜角(θ1)を、ボウル2の回転軸の垂線に対して鋭角(例えば、20〜70度)になるように配置し、且つ、底板71bに対する整流用羽根8bの傾斜角(θ2)を60度〜90度に設定すると、後述する気流の流れを効果的に形成することができる(図6参照)。整流用羽根8bの取り付け方法は、例えば溶接等によって底板に固着してもよく、底板に取付片を設けてボルトやネジなどの固定手段によって着脱可能なように取り付けてもよい。
4枚の整流用羽根8bは、上から見て、周方向に等間隔(90度間隔)に配置されている。さらに、各整流用羽根8bは、上から見て、円形開口部7bの略接線方向であって、且つ、ボウル2の回転方向とは反対の方向に延びるようにそれぞれ配置されている。但し、必ずしも接線方向に延びていなくともよく、接線方向±15度の範囲内であればよい。さらに、直線状に延びていなくともよく、上から見て、前記範囲内であればボウル回転軸側に湾曲していてもよい。
整流用羽根8bは、上から見て、ボウル2の回転方向側の角部の頂点(T)が、円形開口部7bの内周縁上に重なっていることが好ましい。このように整流用羽根8bを配置すれば、後述する空気の流れを効率的に形成し、空気をボウル2と円形開口部7bとの隙間に送り込むことができる(図6参照)。但し、必ずしもボウル2の回転方向側の角部の頂点(T)が、円形開口部7bの内周縁上に重なっていなくともよく、円形開口部7bよりも直径の大きい同心円(仮想円)の内周縁上に重なるように配置してもよい。
次に、第1捕集カバー32aについて、図5を参照しながら説明する。第1捕集カバー32aは、中央の円形開口部7aの直径がボウル2の少径部分に対応していること、及び図1に示される捕集室の天井板が取り付けられることを除けば、第2捕集カバー32bと同様の構造である。すなわち、第1捕集カバー32aは、第2捕集カバー32bと同様に、円形開口部7a,底板71a,側壁板72a,排出ノズル34aの平面流路73aと管状流路74a、整流用羽根8aを備えている。整流用羽根8aの配置も、第2捕集カバー32bと同様の配置とすることができる。
上記のように構成された竪型遠心分離装置1を用いて遠心分離を行う手順を説明する。まず、ボウル2を鉛直軸廻りに回転させると共に、供給ノズル24を通じてボウル2内に被処理液を連続的に供給する。ボウル2は、例えば1万G以上、好ましくは2万G以上の遠心力が発生するまで高速に回転させる。ボウル2内に供給された被処理液は、遠心力の作用と比重差によって固形物,重液,軽液の3相に分離され、重液と軽液は排出口23a,23bからそれぞれ連続的に排出される。排出口23aから排出される軽液は、第1捕集カバー32aの捕集室に捕集され、排出ノズル34aを通じて装置外に排出される。排出口23bから排出される重液は、第2捕集カバー32bの捕集室に捕集され、排出ノズル34bを通じて装置外に排出される。一方、固形分は、ボウル2内の内周面側から順次蓄積されていく。
上記の手順で遠心分離を行っている最中は、高速で回転するボウル2によりケーシング内に空気の旋回流が形成される。旋回流は、ボウル2外周面の空気摩擦に起因して発生するので、ボウル2の回転方向と同じ方向(順方向)に向かって流れる。ボウル2の大径部の一部は、第2捕集カバー32bの捕集室内に位置しており、捕集室内でも旋回流は発生する。しかし、旋回流はボウル2外周面の空気摩擦に起因して発生するので、表面積が圧倒的に大きいケーシング3内で発生する旋回流の方が風力は大きい。従って、整流用羽根8bが無い場合、この旋回流によって第2捕集カバー32b内のミストを含む空気がケーシング3内に引き込まれる現象が生じる。
これに対し、整流用羽根8bを設けた場合、図6に模式的に示すように、旋回流の流れが整流用羽根8bの表面によって規制され、円形開口部7b側に向かう流れとなる。しかも整流用羽根8bの表面は内側に向いて傾斜しているので、気流は、円形開口部7b側に向かうに従って水平よりも上向きに向かう流れとなる。これにより、ケーシング3内に発生する旋回流の一部が、ボウル2と円形開口部71bとの隙間を通って第2捕集カバー32bの捕集室に進入し、さらに排出ノズル34bを通って装置外に排出される。換言すると、第2捕集カバー32bからケーシング3に引き込まれる空気の流れが無くなるか、有ったとしても従来に比べて格段に減少する。
また、既述したように第2捕集カバー32b内でも旋回流は発生するし、第1捕集カバー32a内でも旋回流は発生する。但し、ボウル2の大径部分によって第2捕集カバー32b内に発生される旋回流に比べると、ボウル2の小径部分によって第1捕集カバー32a内に発生される旋回流方が風力は弱い。従って、整流用羽根8aが無い場合は、第2捕集カバー32b内の旋回流によって第1捕集カバー32a内のミストを含む空気が第2捕集カバー32bへ引き込まれてしまう。そこで、本実施形態では第1捕集カバー32aの底板71aの裏面にも整流用羽根8aを配置している。これにより、第1捕集カバー32aから第2捕集カバー32bに引き込まれる空気の流れが無くなるか、有ったとしても従来に比べて格段に減少する。
上述の実施形態によれば、第2捕集カバー32bの捕集室の底板71bの裏面に、ボウル2の回転軸側に傾斜する整流用羽根8bを配置したことにより、ケーシング3内に発生する旋回流の一部が、ボウル2と円形開口部7bとの隙間を通って捕集室に進入し、さらに排出ノズル34bを通って装置外に排出される。すなわち、第2捕集カバー32bからケーシング3に引き込まれる空気の流れが無くなるか、有ったとしても従来に比べて格段に減少するので、捕集した分離液がケーシング3内に漏洩するのを防止することができる。
さらに、上述の実施形態によれば、第1捕集カバー32aの底板71aの裏面にも整流用羽根8aを配置したことにより、第1捕集カバー32aから第2捕集カバー32bに引き込まれる空気の流れが無くなるか、有ったとしても従来に比べて格段に減少する。その結果、第1捕集カバー32aから第2捕集カバー32bへの分離液の漏洩も防止することができる。
また、上述の実施形態によれば、捕集した分離液の漏洩を防止できるので、例えば食品,医薬,バイオなど、特に衛生面に気を使う分野にも安心して本実施形態の竪型遠心分離装置1を適用することができる。また、目的物が液体(分離液)の場合、回収ロス分を少なくすることができる。
さらに上述の実施形態によれば、上記の整流効果により排出ノズル34を通って機外へ排出される空気の流れが形成されるので、これまで重力のみでの排出されていた分離液が、重力と空気の流れの相互作用により排出可能となる。その結果、排出ノズル34(特に、平面流路73a,73b)の小型化が可能であり、装置の低コスト及び省スペース化を期待できる利点がある。
以上の通り、上述の実施形態は、課題の発生原因である旋回流を逆に課題解決に利用したことに特長がある。そのためには、整流用羽根8a,8bが少なくとも90度未満に傾斜している必要があり、ボウル2の回転軸の垂線に対して鋭角(例えば、20〜70度)に傾斜していることが好ましい。
本試験例は、ボウル2の回転軸の垂線に対して鋭角(45度)に傾斜角(θ1)を設定した場合と、図7に示すように整流用羽根を傾斜させなかった場合と、整流用羽根8a,8bを有しない従来構造の場合の3者で分離液の漏洩量を比較した。整流用羽根8a,8bの有無及び傾斜角を除けば、3者の構造は同じであり、試験条件も同じに設定した。
評価試験の結果、整流用羽根を有しない従来構造の漏洩量は120ml/min.であった。また、図7のように整流用羽根を垂直方向に配置したときの漏洩量は42ml/min.であった。これに対し、整流用羽根8bを鋭角に取り付けたときの漏洩量は0ml/min.であり、格段に量が少なかった。整流用羽根を垂直方向に配置したときの効果が少ない理由について、本発明者らは次のように考えている。すなわち、垂直方向に配置した整流用羽根は、図7に模式的に示すように、空気の旋回流を軽減させる邪魔板として作用するのみであり、本発明のように旋回流を規制してボウルと底板の隙間から捕集室に積極的に進入させることはできないのである。
以上、本発明を具体的な実施形態に則して詳細に説明したが、形式や細部についての種々の置換、変形、変更等が、特許請求の範囲の記載により規定されるような本発明の精神及び範囲から逸脱することなく行われることが可能であることは、当該技術分野における通常の知識を有する者には明らかである。従って、本発明の範囲は、前述の実施形態及び添付図面に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載及びこれと均等なものに基づいて定められるべきである。
1 竪型遠心分離装置
2 ボウル
3 ケーシング
32a 第1捕集カバー
32b 第2捕集カバー
34a 第1排出ノズル
34b 第2排出ノズル
4 駆動モータ
5 支持装置
7a,7b 円形開口部
71a,71b 底板
72a,72b 側壁板
8a,8b 整流用羽根

Claims (8)

  1. 被処理液の供給口が下部側に形成され、遠心分離された分離液の排出口が上部側に形成
    され、遠心分離の実行時において鉛直軸廻りに回転する円筒状回転筒と、
    前記円筒状回転筒が鉛直軸廻りに回転可能に収容されるケーシングと、
    内周縁が円筒状回転筒の外周面に近接配置される円形開口部が底板に形成され、円筒状
    回転筒の排出口の周回軌道を全周に亘って囲うように配置される分離液の捕集室と、前記
    捕集室に連結された分離液の排出ノズルを有し、前記ケーシングの上部側に配置される分
    離液の捕集カバーと、
    前記捕集室の底板の裏面に配置され、少なくとも円筒状回転筒の回転軸側の表面が内側
    に向けて傾斜している1枚以上の整流用羽根と、を有し、前記整流用羽根の前記表面は前記円筒状回転筒の回転軸に近接する側の端部が前記回転軸から離隔した側の端部よりも下側となるように傾斜していることを特徴とする竪型遠心分離装置。
  2. 前記整流用羽根の表面の傾斜角は、円筒状回転筒の回転軸の垂線に対して鋭角であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の竪型遠心分離装置。
  3. 前記整流用羽根の表面の傾斜角は、円筒状回転筒の回転軸の垂線に対して20度〜70
    度であることを特徴とする請求項2に記載の竪型遠心分離装置。
  4. 前記捕集室の底板は、外方側に向かうにつれて下方側に傾斜しており、
    前記整流用羽根の表面は、前記捕集室の底板の裏面に対する角度が60度〜90度とな
    るように傾斜していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の竪型遠心分
    離装置。
  5. 前記整流用羽根は、前記円形状開口部の内周縁、又は前記円形状開口部と同心円の接線
    方向±15度の範囲内で延びるように配置されていることを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれか1項に記載の竪型遠心分離装置。
  6. 前記整流用羽根は、上から見たときに、前記円筒状回転筒の回転方向側の角部が前記円
    形開口部の内周縁と重なるように配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれ
    か1項に記載の竪型遠心分離装置。
  7. 4枚の整流用羽根が周方向に等間隔に配置されていることを特徴とする請求項1〜6の
    いずれか1項に記載の竪型遠心分離装置。
  8. 重液を捕集する第1の捕集カバーと、軽液を捕集する第2の捕集カバーとが上下に積層
    配置されており、第1の捕集カバーと第2の捕集カバーのそれぞれの底板の裏面に整流用
    羽根が配置されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の竪型遠心分
    離装置。
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