JP2012000541A - ガスハイドレートペレット成形装置及びガスハイドレートペレット - Google Patents

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哲郎 村山
Takahiro Yoshida
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Abstract

【課題】 ガスハイドレート生成プラントで形成されるガスハイドレートペレット(GHペレット)の成形のための動力を削減して、より安定したガスハイドレートペレットを成形するガスハイドレートペレット成形装置を提案する。
【解決手段】 ガスハイドレートスラリーが供給される圧搾装置21の内筒21a内を摺動する圧搾プランジャ21eと内筒21aのペレット排出口22aを開閉する開閉プランジャ33とを備え、開閉プランジャ33でペレット排出口22aを閉鎖した状態で圧搾プランジャ21eを前進させると、ガスハイドレートスラリーが搾水されてGHペレットPが成形される。ペレット排出口22aを開放して、さらに圧搾プランジャ21eを前進させると、GHペレットPが排出される。このGHペレットPの断面形状は内筒21aの断面形状とほぼ等しく、大径のものとなる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、例えば、海底下等に存在している天然ガスハイドレートを輸送や貯蔵等に適した状態に生成する天然ガスハイドレート生成プラントで天然ガスハイドレートペレットを成形するに際して、取り扱いが簡便となるガスハイドレートペレットを成形するガスハイドレートペレット成形装置と、このガスハイドレートペレット成形装置によって成形されるガスハイドレートペレットに関する。
シベリアやカナダ、アラスカ等の凍土地帯や大陸周辺部における水深500m以下の海底下には、主成分がメタンである天然ガスハイドレート(NGH)が存在している。このNGHは、メタン等のガス分子と水分子とから構成される低温高圧下で安定した水状固体物質あるいは包接水和物であり、二酸化炭素や大気汚染物質の排出量が少ないクリーンエネルギとして着目されている。
天然ガスは液化された後、貯蔵されてエネルギとして利用されているが、その製造や貯蔵は−162℃の極低温において行われている。これに対して天然ガスハイドレートは、−20℃で分解せずに安定した性質を示し、固体として扱うことができる等の利点を備えている。このような性質から、世界中に存在している採算面等の理由から未開発の中小ガス田におけるガス資源を有効に利用することができる手段として、あるいは大ガス田からの近距離、小口輸送の場合等に天然ガスをハイドレート化して輸送、貯蔵し、さらに再ガス化して利用する天然ガスハイドレート方式(NGH方式)が期待されている。
NGH方式では、中小ガス田等のNGH出荷基地において、輸送や貯蔵に適したNGHを生成し、輸送船や車両等によって所望のNGH受入基地まで輸送され、NGH受入基地では輸送されたNGHを貯蔵し、必要に応じてNGHガス化装置によってエネルギ源として利用することになる。図6は、前記NGH出荷基地に利用されるガスハイドレートの生成プラントの構成の一例を説明する概略のブロック図である。採掘された原料ガスGは高圧反応容器である生成器1において水Wと十分に混合されてハイドレート化され、低濃度のガスハイドレート(GH)スラリーが生成される。生成されたGHスラリーは供給ポンプ2によって脱水器3に供給され、脱水されて高濃度のGHスラリーが生成される。このとき、脱水器3へは該脱水器3の最下部に供給される。供給されたGHスラリーは脱水器3を上昇する際に、脱水器3の途中に設けた水切り部(微細孔やスリット等によりハイドレート粒子と水を分離する部分)で脱水されて、脱水器3の上端部から取り出される。取り出されたガスハイドレートは、パウダー状となったGHパウダーとして取り出される。このGHパウダーがペレット成形器4に供給されて造粒され、輸送や貯蔵等にとって適宜な大きさのGHペレットが形成される。次いで、常圧下においても分解しない温度まで冷却器5により冷却された後、脱圧装置6に供給される。すなわち、前記生成器1から冷却器5に至るまでは、ガスハイドレートの生成条件である常温高圧下において処理がなされ、冷却器5と脱圧装置6とにより、常圧下でも分解しない温度に処理される。その後、形成されたGHペレットは貯蔵槽に給送されて貯蔵される。
ところで、本願出願人は、貯蔵性に優れたペレットを低コストで製造できるガスハイドレートペレットの製造方法及び製造装置を提案している(特許文献1参照)。このガスハイドレートペレットの製造方法は、ガスハイドレートをその生成条件下において圧縮成形手段により脱水するとともに、前記ガスハイドレートの粒子間におけるガスハイドレート原料ガスと水とをガスハイドレートに形成させ、ペレットに成形するようにしたものである。また、前記圧縮成形手段に、外周面に複数のペレットの成形型を有し、互いに逆方向に回転する一対のロールからなるブリケッティングロールが用いられている。
また、脱水とペレット成形とを単独の装置により行うことができ、しかも、大量生産に好適なガスハイドレートペレット成形装置を提案した(特許文献2参照)。この特許文献2に係るガスハイドレートペレット成形装置は、外筒と内筒とを備え、前記内筒を多孔板により形成し、前記内筒の長手方向の適宜位置にダイプレートを配置して、該ダイプレートを境にして、ガスハイドレートスラリーを供給する圧搾室と、該ガスハイドレートスラリーから生成したペレットを収容するペレット受入室とに区画し、前記圧搾室に摺動自在に圧搾プランジャ設け、前記ペレット受入室に前記ダイプレートを開閉するダイ開閉手段を設け、前記ペレット受入室に搬送手段を接続させ、前記ダイ開閉手段により前記ダイプレートの出口側を開閉し、前記圧搾プランジャの摺動で、内筒内のガスハイドレートスラリーを前記ダイプレートに押圧し、前記ペレット受入室に収容させたペレットを前記搬送手段に供するようにしたものである。
特開2007−270029 特願2009−081350
前記特許文献1ではブリケッティングロールにより、特許文献2ではダイプレートにより、小径・小型のペレットを成形する構造が、それぞれ開示されている。
特許文献1と特許文献2とのそれぞれに記載されたガスハイドレートペレットの成形工程を比較すると、単独の装置によって脱水とペレット成形とを行うことができる構造として、特許文献2に開示されたペレット成形装置が有利である。しかし、ダイプレートに圧搾したガスハイドレートを押圧してダイを通過させるための動力を要することから、前記圧搾プランジャを駆動する油圧シリンダ等の駆動源を大型化してしまっている。また、ダイを通過させる際にガスハイドレートの微粒子や破片などの不定形塊が発生するため、成形されたガスハイドレートの総量が幾分減少してしまう。また、ペレットの表面には圧搾されて搾り出された水が付着しているため、冷却したときにこの付着水が凍結して、ペレット同士を接着させてしまいうおそれがある。
そこで、この発明は、ペレットの成形に要する動力を削減し、不定形塊の発生を極力減じると共に、成形されたペレットに付着する水を減じることができるようにしたガスハイドレートペレット成形装置とガスハイドレートペレットを提供することを目的としている。
前記目的を達成するための技術的手段として、この発明に係るガスハイドレートペレット成形装置は、ガスハイドレートスラリーから水分を除去しながら圧縮してペレットに成形するガスハイドレートペレット成形装置であって、前記ガスハイドレートスラリーを供給し、一方の端部を開口してペレット排出口を形成した圧搾容器と、前記圧搾容器の内部を、前記ペレット排出口に対して進退移動する圧搾プランジャと、前記ペレット排出口を開閉する排出口開閉体とからなり、前記排出口開閉体によってペレット排出口を閉鎖し、前記圧搾プランジャを後退させてペレット排出口から離隔させた状態で前記圧搾容器にガスハイドレートスラリーを供給し、圧搾プランジャを前進させてガスハイドレートスラリーから搾水し、ガスハイドレートを所望の濃度まで搾水してガスハイドレートペレットを形成した後、前記排出口開閉体を退避させてペレット排出口を開放させ、圧搾プランジャをさらに前進させてペレット排出口からガスハイドレートペレットを排出させることを特徴としている。
前記圧搾容器に供給されたガスハイドレートスラリーは、前記圧搾プランジャによって圧縮されて搾水され、濃度が高められる。しかも、圧縮されることによって固化してガスハイドレートペレットに成形される。このとき、搾り出された水は圧搾容器から外部に排出されるようにする。前記ペレット排出口から排出口開閉体を退避させた状態で圧搾プランジャを前進させると、成形されたガスハイドレートペレットがペレット排出口から排出される。このため、ガスハイドレートペレットは圧搾容器の内部の断面形状とほぼ等しい断面形状に形成され、大径・大型のガスハイドレートペレットに成形される。
また、請求項2の発明に係るガスハイドレートペレット成形装置は、ガスハイドレートスラリーから水分を除去しながら圧縮してペレットに成形するガスハイドレートペレット成形装置であって、外筒と内筒とを同心に配した圧搾容器を備え、前記内筒を多孔板により形成し、前記内筒の一方の端部を開口してペレット排出口を形成し、 前記内筒に摺動自在に圧搾プランジャを設け、前記ペレット排出口に対して進退することにより該ペレット排出口を開閉する開閉プランジャを設け、前記開閉プランジャを前進させてペレット排出口を閉鎖し、前記圧搾プランジャを後退させてペレット排出口から離隔させた状態で前記圧搾容器の内筒にガスハイドレートスラリーを供給し、圧搾プランジャを前進させてガスハイドレートスラリーから搾水し、所望の濃度まで搾水してガスハイドレートペレットを形成した後、前記開閉プランジャを後退させてペレット排出口を開放させ、圧搾プランジャをさらに前進させてペレット排出口からガスハイドレートペレットを排出させることを特徴としている。
ガスハイドレートスラリーが供給された状態で前記圧搾プランジャを前進させると、ガスハイドレートスラリーから搾水されてガスハイドレートの濃度が高められてガスハイドレートペレットが成形される。搾り出された水は内筒に形成されている透孔より外筒内に流出し、外筒から外部に排出される。ガスハイドレートが所望の濃度まで高められたならば、前記開閉プランジャを後退させて、圧搾プランジャをさらに前進させると、ペレット排出口からガスハイドレートペレットが排出される。このガスハイドレートペレットは、内筒の断面形状と等しい断面形状に成形されることになる。
また、この発明に係るガスハイドレートペレットは、ガスハイドレートスラリーから水分を除去しながら圧縮して形成するガスハイドレートペレットであって、前記ガスハイドレートを供給して圧縮する搾水手段の搾水部の形状に対応した断面形状を備えていることを特徴としている。
例えば、前記搾水手段を、ガスハイドレートスラリーを筒状の圧搾容器に供給して、この圧搾容器内を圧搾用のプランジャを摺動させることによりガスハイドレートスラリーから搾水する構造を備えた装置とする。搾水後に圧縮されて成形されたガスハイドレートペレットを、前記プランジャをさらに前進させて前記圧搾容器から押し出すと、押し出されたガスハイドレートペレットは圧搾容器の筒形ほぼ等しい断面形状を備えることになる。圧搾容器の断面形状は、例えば、小径のガスハイドレートペレットを形成するためのダイプレートのダイの開口形状よりも大きいから、圧搾容器から押し出されたガスハイドレートペレットは大径のものとなる。
この発明に係るガスハイドレートペレット成形装置によれば、圧搾容器内でガスハイドレートスラリーを所望の濃度まで高めることでよいから、ダイプレートを通過させる場合に比べて、ガスハイドレートペレットを成形するための動力を減少させることができる。また、圧搾容器にダイプレート等を設けることを要しないから、構造を簡単にして、装置の製作コストを低減することができる。
また、請求項2の発明に係るガスハイドレートペレット成形装置によれば、ペレット排出口を開閉プランジャで閉鎖するため、閉鎖時の耐圧を大きくでき、ガスハイドレートの濃度を容易に高くすることができ、ガスハイドレートペレットの成形を効率よく行うことができる。
また、請求項3の発明に係るガスハイドレートペレットによれば、小径のガスハイドレートペレットと同量の大径のガスハイドレートペレットとを比較した場合に、ガスハイドレートペレットの総表面積が大径のガスハイドレートペレットの方が小さくなり、表面に付着して同伴される水を減じることができる。このため、ガスハイドレートペレットを冷却した場合に、水が凍結することによる影響を減少することができる。したがって、ガスハイドレートペレット同士が凍結した水によって接着することがなく、貯蔵や輸送の際の取り扱いを良好にできる。また、比表面積が小さくなることによって、分解が抑制されて、安定したガスハイドレートペレットを提供できる。さらに、小径のガスハイドレートペレットに比べて微粉などの不定形塊も減量され、ガスハイドレートの生産効率が向上する。
この発明の第1の実施形態に係るガスハイドレートペレット成形装置の構造を説明するための成形装置の模式図である。 この発明の第1の実施形態に係るガスハイドレートペレット成形装置によりガスハイドレートペレットの成形工程を説明する図で、圧搾容器へガスハイドレートスラリーが供給される状態を示している。 第1の実施形態に係るガスハイドレートペレット成形装置の前記圧搾容器によりガスハイドレートスラリーから搾水する状態を示している。 第1の実施形態に係るガスハイドレートペレット成形装置の前記圧搾容器で形成されたガスハイドレートペレットを封液室へ供給する状態を示している。 この発明の第2の実施形態に係るガスハイドレートペレット成形装置の構造を説明するための成形装置の模式図である。 天然ガスハイドレートの出荷基地に利用される、従来のガスハイドレートの生成プラントの構成の一例を説明する概略のブロック図である。
以下、図示した好ましい実施の形態に基づいて、この発明に係るガスハイドレートペレット成形装置及びガスハイドレートペレットを具体的に説明する。
図1から図4は、この発明に係るガスハイドレートペレット成形装置の第1実施形態を示している。図1はガスハイドレートペレット成形装置を説明する図であり、図6に示すガスハイドレート生成プラントの場合と同様に、ガスハイドレートは生成器1に原料ガスGと水Wが、それぞれ原料ガス供給管11と反応水供給管12とから供給されている。生成器1では、これら原料ガスGと水Wとが反応してガスハイドレートスラリーを生成し、スラリー供給管13によりペレット成形装置20の圧搾容器である圧搾装置21に給送されている。また、生成器1からは未反応水再循環ポンプ1aを介して返戻管1bから未反応水が回収されている。この未反応水再循環ポンプ1aの吐出側は前記反応水供給管12に接続されている。また、反応水供給管12には調整弁12aが設けられており、生成器1の内圧を測定している圧力計11cの測定値に基づいて該調整弁12aの開度が調整されている。
前記圧搾装置21は筒状の内筒21aとこの内筒21aを収容した外筒21bとにより構成されており、内筒21aには該内筒21aの軸Oの方向に摺動して進退可能な圧搾プランジャ21eが収容されている。なお、この圧搾プランジャ21eは、駆動源として油圧シリンダ21fの作動により進退動作を行うようにしてある。内筒21aの一部には適宜な大きさの透孔が形成されたスクリーン部21cが設けられている。
前記圧搾装置21の下部には、スラリー循環ポンプ11aの吸込側に接続されたスラリー回収管21dが接続されており、このスラリー循環ポンプ11aの吐出側に前記原料ガス供給管11が接続されている。また、スラリー循環ポンプ11aの吸込側には原料ガス供給ポンプ11bの吐出側が接続されている。すなわち、後述するように圧搾装置21でガスハイドレートスラリーが生成される際に発生する搾水は、原料ガス供給ポンプ11bから供給される原料と合流して、スラリー循環ポンプ11aにより生成器1に返戻されている。また、前記スラリー供給管13の途中と前記スラリー回収管21dとが戻し管13aにより接続されており、この戻し管13aの途中に戻し弁13bが設けられている。前記圧搾プランジャ21eの後方側となる背圧室21gにはガス・水バッファ21hが背圧管21iを介して接続されている。このガス・水バッファ21hは、前記スラリー回収管21dに調整弁21jを介して接続されている。
前記圧搾装置21の圧搾プランジャ21eの前方側となる圧搾室22の前端はペレット排出口22aとされており、このペレット排出口22aには、上下方向を長手方向とした筒状の封液室30の上部が接続させてあり、これら圧搾室22と封液室30とが連通させてある。この封液室30は密度が水よりも小さい液体である封液Lで充満されている。また、ガスハイドレートの生成は、常温で、約5.4MPaの高圧下で行われ、前記圧搾装置21の外筒21bはいわゆる高圧容器で形成されており、封液室30も高圧容器で形成されている。このため、前記封液Lは約5.4MPaの高圧下で液体の状態を維持するものとしてあり、例えば、液体プロパンや液体ヘキサンが用いられている。この封液室30にはクッションタンク31が設けられており、封液室30に封液Lが常に充満されるようにしてある。封液室30の前記圧搾室22のペレット排出口22aを臨んだ部分には、駆動シリンダ32aの作動によって該該ペレット排出口22aの出口面に沿って摺動可能な排出手段としての掻き板32が設けられている。
また、前記圧搾室22のペレット排出口22aに対して進退可能な開閉プランジャ33が配されている。この開閉プランジャ33が前進して前記ペレット排出口22aに押圧されることにより該ペレット排出口22aが閉じられて、圧搾室22と封液室30とが遮断され、後退することによりペレット排出口22aが開放されるようにしてある。この開閉プランジャ33は、例えば閉塞シリンダ33aの作動により進退するようにしてある。
前記封液室30の中間部には、縮径された首部30aが形成されており、この首部30aの下方には、後述するように封液室30を沈降するガスハイドレートペレットPを封液室30の外部に排出しながら次工程へ移送するペレット移送装置34が設けられている。このペレット移送装置34の下方であって、封液室30の内部には水分離板35が設けられている。この水分離板35は、水が通過することを許容し、ガスハイドレートペレットPを通過することを阻止するものであり、例えば、水の通過を許容する透孔が形成されているものとされている。そして、この水分離板35の下方となる封液室30の底部が貯水部36とされている。
前記貯水部36には水回収ポンプ37の吸込側が接続されており、この水回収ポンプ37の作動によって貯水部36内に滞留した水を排出するようにしてある。なお、排出された水は、前記生成器1に返戻させて原料ガスGを反応させる水Wに利用されるようにすることが好ましい。また、前記貯留部36に滞留した水位を検出する水位検出器37aが設けられており、前記水回収ポンプ37はこの水位検出器37aの出力信号に基づいて駆動されるようにしてある。
以上により構成されたこの発明に係るペレット成形装置の作用を、以下に説明する。
図2は、前記生成器1によって生成されたガスハイドレートスラリーが供給される状態にある前記圧搾装置21を示している。このとき、前記圧搾プランジャ21eは、図2に示すように、内筒21a内を後部まで後退した位置にある。また、前記開閉プランジャ33は前進して圧搾装置21のペレット排出口22aを閉じた位置にある。この状態で、前記スラリー供給管13からガスハイドレートスラリーが圧搾室22に供給される。なお、ガスハイドレートスラリーを圧搾室22供給する際の供給位置は、圧搾室22、すなわち圧搾プランジャ21eの前方側となる位置であればよく、図1のAで示す位置では圧搾プランジャ21eが最後部まで後退した場合の位置であり、その他、図1のBで示すように圧搾室22のペレット排出口22aの近傍であっても構わない。さらに、図1にCで示すように、圧搾プランジャ21eにポペット弁を配設し、プランジャロッド内を通したガスハイドレートスラリーを、圧搾プランジャ21eの後退時にこのポペット弁を開放して圧搾室22に供給するようにすることもできる。
圧搾室22内に供給されたガスハイドレートに同伴された未反応の水は、内筒21aのスクリーン部21cでろ過されて外筒21b内に流出し、前記スラリー循環ポンプ11aにより前記スラリー回収管21dを通って生成器1に回収される。内筒21a内にガスハイドレートスラリーが充填されると、前記圧搾プランジャ21eが、図3に示すように、前進してガスハイドレートスラリーを圧搾し、ガスハイドレートスラリーから搾水される。これにより、パウダー状のガスハイドレートの塊となってガスハイドレートペレットPが形成される。図3に示すように、圧搾プランジャ21eは、内筒21aの前部まで前進する。このとき、例えば、約10重量%のガスハイドレートスラリーを充填した場合に、約90重量%まで搾水されて、ガスハイドレートペレットPが生成されるように圧搾手段の動作を調整する。また、ガスハイドレートスラリーは内筒21a内に充填されて圧縮されるため、形成されたガスハイドレートペレットPの断面形状は、該内筒21aの断面形状とほぼ等しくなる。
次いで、図4に示すように、前記開閉プランジャ33が後退して圧搾装置21のペレット排出口22aを開放する。この状態で前記圧搾プランジャ21eがさらに前進すると、形成されたガスハイドレートペレットPがペレット排出口22aから前記封液室30に押し出されることになる。このとき、連続して押し出されたガスハイドレートペレットPが封液室30における処理にとって大きすぎる場合には、前記掻き板32が駆動シリンダ32aにより駆動され、出口面に沿って摺動することによりガスハイドレートペレットPが切断される。ガスハイドレートペレットPは封液室30に押し出されると、この封液室30に充満している封液Lに浸漬される。この封液Lの密度は水よりも小さいものとしてあるため、ガスハイドレートペレットPは封液Lを沈降することになる。また、ガスハイドレートペレットPの形成時に表面に付着した水も同様に沈降することになる。付着した水は、封液Lとの密度差により表面張力を受けてガスハイドレートペレットPの表面から離隔すると共に球状となる。
ガスハイドレートペレットPが沈降して前記ペレット移送装置34に到達すると該ペレット移送装置34に受け容れられて、封液室30から外部に排出される。このペレット移送装置34にも封液Lが充填されているから、封液LもガスハイドレートペレットPと共に排出されることになる。また、封液室30におけるペレット移送装置34の下方に設けられた水分離板35にガスハイドレートペレットPが到達すると、該水分離板35によって沈降が停止する。一方、ガスハイドレートペレットPから離隔した水は、この水分離板35を通過して、水分離板35の下方の貯水部36に滞留する。そして、滞留した水は前記水回収ポンプ37で前記生成器1に返戻される。
前記ペレット移送装置34によって移送されるガスハイドレートペレットPは、次工程では冷却される。そして、冷却されたガスハイドレートペレットPは、常圧まで脱圧されて貯蔵するのに適した状態となり、貯蔵槽に給送される。
図5には、この発明に係るガスハイドレートペレット成形装置の第2実施形態を示してあり、図1〜図4に示す実施形態と同一の部位については同一の符号を付してある。この実施形態では、ペレット排出口22aの出口面に沿って摺動することにより、該ペレット排出口22aを開閉するゲート弁41が設けられた構造としてある。なお、このゲート弁41は駆動シリンダ41aの作動により摺動する。
図5に示す第2実施形態では、ゲート弁41の摺動によってペレット排出口22aを開閉することができると共に、必要に応じて、前記掻き板32と同様に、ガスハイドレートペレットPを切断することもできる。
前述したいずれの実施形態でも、成形されたガスハイドレートペレットPは、内筒21aの断面形状とほぼ等しい形状の断面を備えているもので、前述した、ブリケッティングロールやダイプレートを用いて成形されたガスはイレートペレットに比べて大径のものとなる。すなわち、ガスハイドレートペレットPは圧縮容器である内筒21aの形状に応じた断面形状を備えたものとなる。
なお、以上の説明は、図1〜5により本発明の詳細を、封液室を設けた場合について説明したが、本発明はこれに限らず、例えば封液室に封液を充填せず、気相室としてもよい。その場合は、クッションタンクは必要なく、成形後のガスハイドレートは直ちにペレット移送装置に送られ、その際、付着水が水分離板で分離され貯水部に貯留される。
この発明に係るガスハイドレートペレット成形装置によれば、大径のガスハイドレートペレットを成形することにより、ダイプレートを通過させて小径のガスハイドレートペレットを成形するものに比べて動力を削減でき、しかも、大径のガスハイドレートペレットの総面積を、同量の場合の小径のガスハイドレートペレットの総面積に比べて小さくすることができるから、ガスハイドレートペレットの分解が抑制されて、ガスハイドレート生成プラントの運転効率の向上に寄与する。
G 原料ガス
W 水
1 生成器
21 圧搾装置(圧搾容器)
21a 内筒
21b 外筒
21e 圧搾プランジャ
22a ペレット排出口
30 封液室
32 掻き板
33 開閉プランジャ(排出口開閉体)
34 ペレット移送装置
41 ゲート弁(排出口開閉体)

Claims (3)

  1. ガスハイドレートスラリーから水分を除去しながら圧縮してペレットに成形するガスハイドレートペレット成形装置であって、
    前記ガスハイドレートスラリーを供給し、一方の端部を開口してペレット排出口を形成した圧搾容器と、
    前記圧搾容器の内部を、前記ペレット排出口に対して進退移動する圧搾プランジャと、
    前記ペレット排出口を開閉する排出口開閉体とからなり、
    前記排出口開閉体によってペレット排出口を閉鎖し、前記圧搾プランジャを後退させてペレット排出口から離隔させた状態で前記圧搾容器にガスハイドレートスラリーを供給し、圧搾プランジャを前進させてガスハイドレートスラリーから搾水し、ガスハイドレートを所望の濃度まで搾水してガスハイドレートペレットを形成した後、前記排出口開閉体を退避させてペレット排出口を開放させ、圧搾プランジャをさらに前進させてペレット排出口からガスハイドレートペレットを排出させることを特徴とするガスハイドレートペレット成形装置。
  2. ガスハイドレートスラリーから水分を除去しながら圧縮してペレットに成形するガスハイドレートペレット成形装置であって、
    外筒と内筒とを同心に配した圧搾容器を備え、
    前記内筒を多孔板により形成し、
    前記内筒の一方の端部を開口してペレット排出口を形成し、
    前記内筒に摺動自在に圧搾プランジャを設け、
    前記ペレット排出口に対して進退することにより該ペレット排出口を開閉する開閉プランジャを設け、
    前記開閉プランジャを前進させてペレット排出口を閉鎖し、前記圧搾プランジャを後退させてペレット排出口から離隔させた状態で前記圧搾容器の内筒にガスハイドレートスラリーを供給し、圧搾プランジャを前進させてガスハイドレートスラリーから搾水し、所望の濃度まで搾水してガスハイドレートペレットを形成した後、前記開閉プランジャを後退させてペレット排出口を開放させ、圧搾プランジャをさらに前進させてペレット排出口からガスハイドレートペレットを排出させることを特徴とするガスハイドレートペレット成形装置。
  3. ガスハイドレートスラリーから水分を除去しながら圧縮して形成するガスハイドレートペレットであって、
    前記ガスハイドレートを供給して圧縮する搾水手段の搾水部の形状に対応した断面形状を備えていることを特徴とするガスハイドレートペレット。
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