JP2012000094A - 吸液シート - Google Patents

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Abstract

【課題】長時間にわたり確実に排泄物による健康判断が可能となる吸液シートを提供する。
【解決手段】透液性能を有する表面シート10と、遮液性能及び気密性能を有する裏面シート11の間に、二層にわたり吸収処理材が積層された状態で狭持されている吸液シートTにおいて上層14を形成する第1粒状処理体21は、吸液材料と、排泄物検査用指示薬とを含み、排泄物検査用指示薬が排泄物の液体分と反応することにより変色を生じるとともに、下層15を形成する第2粒状処理体22は吸液性能を有する吸液シートTとした。
【選択図】図1

Description

本発明は、排尿等の液体を吸液するシート材に関する。
近時、室内での愛玩動物等の飼育が非常に盛んになってきており、排泄物の処理を効果的に行うためのペット用の吸液シートが提案されている。例えば、図2に示すように、従来の吸液シートSは、液透過性の表面層90と、液不透過性の裏面層91と、これら表面層90と裏面層91とに挟持される、液吸収性能を有する上方吸収層94及び下方吸収層95を有する構造となっている(参考文献1)。
ところで、人間同様に、愛玩動物の健康状態を留意する飼主も多い。愛玩動物の健康状態の変化を調べることは外形的状態を観察することでは限界があるため、手軽かつ早期にかかる状態の変化を発見したいというニーズが存在する。そのため、従来は、中性からアルカリ性になると変色するpH指示薬を含有するホットメルト接着剤が、トップシートにおける吸収体側面に塗布されることにより、表示部がトップシートに設けられている、吸収性物品(紙おむつ等)が知られている(参考文献2)。
特開2005−006604号公報 特開2008−055004号公報
上記、従来の吸液シートSは、液体の吸収層を二層に分けることにより、単層の場合と比較して吸水能力を向上させている。しかし、二層の吸収層は、ともに、粉砕したパルプの間に高吸水性樹脂を介在させているものにすぎず、吸水能力を一定程度向上させるという以外の効果は奏させることができないものであった。
また、上記吸液シートSでは、変色状態の継続時間(以下、「退色時間」という。)が短く、ある程度の時間が経過した後は、変色状態が判別できなくなってしまい、健康状態の適切な判断が難しくなってしまうという問題点を有していた。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、長時間にわたり確実に排泄物による健康判断が可能となる吸液シートを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の吸液シートは、透液性能を有する表面シート(上面シート)と、遮液性能及び気密性能を有する裏面シート(下面シート)の間に上下の二層にわたり粒状の排泄物の処理体(処理材)が積層された状態で狭持されている吸液シートにおいて、上層を形成する第1粒状処理体は、吸液材料又は透液材料と、排泄物検査用指示薬とを含み、上記排泄物検査用指示薬が上記排泄物の液体分と反応することにより変色を生じるとともに、下層を形成する第2粒状処理体は吸液性能を有すること、を特徴としている。
本発明の吸液シートにおいて、上記第2粒状処理体は、吸液性能を有する粒状の芯部と、吸液性能及び吸液による接着性能を有する上記芯部を被覆する被覆層部とを備える複層構造とすることが好適である。
ここで、遮液性能及び気密性能に関しては、液体分を完全に遮断及び臭気を完全に遮断することを意味するのではなく、所定の性能を有していればよいものである。
また、吸液材料は、液体を吸収する性質を有する材料をいう。
そして、透液材料は、液体を内部間隙に取り込み、当該内部間隙を通過させた後に、外部に排出する性質を有する材料をいい、一部の液体を吸収してもよいものである。
また、上記排泄物検査用指示薬(以下、「検査用指示薬」という。)は、尿等の排泄物と反応して変色することで、健康状態等の変化を認識できる各種の試薬であり、排泄物のpH値を検出する尿pH値の検出用指示薬(以下「尿pH値検査用指示薬」という。)、尿ブドウ糖検出用指示薬、尿蛋白検出用指示薬、尿潜血検出用指示薬又は尿ウロビリノーゲン検出用指示薬等の公知の指示薬を含んでいるものである。
さらに、表面シートは少なくとも上面部を、裏面シートは少なくとも下面部を覆うような構造であればよく、各シートが側面部や、上面部又は下面部の一部を覆うような構造となっていてもよい。
本発明の吸液シートによれば、検査用指示薬を含む第1粒状処理体により、長時間にわたって、その性状に応じた健康状態を調べることができる。
すなわち、本発明の吸液シートでは、検査用指示薬は、粒状に形成された第1粒状処理体の内部に含まれているため、従来品である検査用指示薬が表面層に印刷されたシート材と比較して、当該検査用指示薬を多く含有することができる。そして、第1粒状処理体は、吸液する際、又は、内部間隙に液体を透過させる際に、排泄物と反応して発色反応を示すことになる。このとき、検査用指示薬を備える第1粒状処理体は、表面シート及び裏面シートで覆われた袋体の内部に設けられているため、液体分を保持した状態を長期にわたって継続することができることから、発色反応が継続している時間をより延ばすことができる。したがって、排尿時に注視していなくても、所定時間以内に変色状況を確認することにより、簡易に健康状態を調べることができる。
また、第1粒状処理体は、吸液材料又は透液材料のいずれか一方を含んでいることが必要である。当該第1粒状処理体が、吸液材料を含む場合には、第1粒状処理体と第2粒状処理体がともに排尿を吸収することになるため、多量の排尿を処理することができる。
一方、第1粒状処理体が、透液材料を含む場合には、排尿は第1粒状処理体の内部間隙を透過することになるため、当該排尿が上層部分に留まることがなく、当該上層部分から悪臭が発生することを防止することができる。加えて、下面に遮水性能及び気密性能を有する裏面シートを設けていることと相まって、第2粒状処理体から発せられる悪臭を第1粒状処理体の上層が遮断することにより、臭気の発生を防止することができる。
また、本発明の吸液シートにおいて、上記下層には、さらに、パルプ又は紙粉の少なくとも一方を含む材料が含まれている構成とすれば、より簡易な構造で吸液性能を高めることができる。
また、本発明の吸液シートにおいて、上記上層には、上記排泄物検査用指示薬を含まない、非透液性の第3粒状処理体が設けられている構成とすることもできる。
ここで、非透液性とは、内部間隙が非常に少なく、極く少量の液体分のみを透過させる性質をいう。
本発明の吸液シートによれば、検査用指示薬を含む高価な第1粒状処理体の他に、当該検査用指示薬を含まない、非透液性の吸着材料を含む安価な第3粒状処理体を使用しており、排泄物の検査を行うために必要最小限の量の第1粒状処理体を使用するため、吸液シートの製造費用を削減することができる。
さらに、本発明の吸液シートにおいて、上記上層と上記下層との間に、当該両層の作用を阻害しない限りにおいて、さらに、一又は複数の中間層が設けられている構成とすることも可能である。
上記中間層としては、消臭剤を含む粒状処理体若しくはシート材や、殺菌剤を含む粒状処理体又はシート材等から構成されるものを用いることができる。
このような中間層を設けることにより、消臭機能又は殺菌作用等、設ける中間層の備える性質により、その効果を奏させることができる。
本発明によれば、長時間にわたり確実に排尿による健康判断が可能となる吸液シートを提供することができる。
本発明の吸液シートを示す断面図である。 従来の吸液シートを示す断面図である。
本発明を実施するための一形態(以下、「実施形態」という。)について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一の部材等には同一の符合を付し、重複した説明を省略する。
◎第1実施形態
(1)全体構成
図1に示すように、本発明の吸液シート(以下、「本吸液シート」という。)Tは、表面シート10と、裏面シート11と、当該表面シート10と裏面シート11の間に積層された状態で狭持されている複数種類の粒状処理体とから形成されており、上層14を形成する複数個の第1粒状処理体21及び第3粒状処理体23と、下層15を形成する複数個の第2粒状処理体22(以下、第1粒状処理体21、第2粒状処理体22及び第3粒状処理体23を総称して、「各粒状処理体」という場合がある。)とを備えている。
表面シート10は、透水性能を有している不織布から形成されている所定の厚さのシート材であり、矩形形状に形成されている。この不織布は、ポリプロピレンやレーヨンなどのセルロース系繊維で形成されたスパンレース不織布、上記セルロース系繊維と親水処理された合成樹脂繊維とで形成されたスパンレース不織布等の公知の材料を用いることができる。
また、表面シート10は、表面を通して、第1粒状処理体21の変色を確認できるように透視可能に形成されている。
裏面シート11は、尿漏れ及び臭気の発散を防止するために設けられており、所定の遮水性能(遮液性能)及び気密性能を有する公知の材料であるポリエチレン、ポリエチレン(PE)ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂フィルム等を材料とするものである。
裏面シート11の上面には、全面に渡って、所定の厚さとなるように、多量の第2粒状処理体22が敷設されている。
そして、第2粒状処理体22の上面には薄葉紙16が布設されており、当該薄葉紙16の上面には、その全面に渡って、所定の厚さとなるように、多量の第1粒状処理体21及び第3粒状処理体23の混合物が敷設されている。
このように、二層構造にして、種類の異なる粒状処理体を敷設することにより、第2粒状処理体22から伝わる臭気が、第1粒状処理体21及び第3粒状処理体23により、表面シート10を通して発せられにくいようになっている。
上記薄葉紙16は、上層14を形成する第1粒状処理体21及び第3粒状処理体23と、下層15を形成する第2粒状処理体22が混合することを防止するとともに、排泄物の一部を吸水するために設けられているものであり、包合紙、衛生紙とも呼ばれ、吸水性があり、パルプを主成分とするものであって、古紙成分を含んでいても良い。なお、薄葉紙16は、材料及び厚さを調節することにより、破れにくく形成することが好ましいものである。
裏面シート11は、下層15の下面の全面と、下層15及び上層14の側面と、上層14の所定幅の口字形状の四周部とを覆い、各粒状処理体を包持するように設けられている。そして、表面シート10は、上層14の上面(裏面シート11の上面の四周部を含む)を覆うように布設されている。
表面シート10の下面と、裏面シート11の四周部及び上層14の上面は強固に圧着されており、表面シート10及び裏面シート11とが一体となり袋体が形成され、当該袋体の内部に多量の各粒状処理体を包含することができるようになっている。
(2)第1粒状処理体21
第1粒状処理体21は、吸水性能(吸液性能)を有するタイプであり、排泄物の一部を吸収するとともに、排泄物の状態を検査するための処理材である。この第1粒状処理体21は、外部からの水分を吸収するための粒状芯部と、この粒状芯部の表面を被覆する所定厚さの被覆層部とから形成される複層構造を有している。
1)粒状芯部
粒状芯部は、小塊の形状に形成されていればよく、完全な球形等である必要はないものであり、柱状体(細長形)、扁平形等、その形状は問わない。
また、粒状芯部は吸水性能又は保水性能を有しており、排泄物の検査にあたり、その検査を阻害する物質(例えば、排泄物のpH値の変動を観察する場合には、その変動を与えない)を含まなければ、その材質等に制限はない。例えば、pH値の検査を阻害しない有機物廃材であるバージンパルプ、トイレットペーパー廃材、ティッシュペーパー廃材、化粧紙廃材、ちり紙廃材、紙綿廃材、紙タオル廃材、不織布廃材等)を用いることができる。但し、場合によっては、薬剤により吸水性材料のpH値を調整し、安定化した上で、既存の他の材料を用いることもできる。
2)被覆層部
被覆層部は、使用時に排泄物で濡れた第1粒状処理体21同士を付着させて塊状とさせる作用を奏させることを主目的として設けられている。
この被覆層部は、基材と排泄物検査用材料とから構成されている。
ア 基材
上記被覆層部の目的を果たす役割は基材が担っており、吸水性材料(吸液材料)、接着性を有する水溶性材料(以下、「水溶性接着材料」という。)若しくは両材料の混合物と、紙粉の混合物とから構成されている。
各材料は、排泄物の検査を阻害しない公知の材料を用いることが好ましいが、薬剤により吸水性材料のpHを調整し、安定化した上で、既存の材料を用いるものであってもよい。
例えば、上記吸水性材料としては、CMC(カルボキシメチルセルロース)、ポリビニルアルコール(PVA)、澱粉(T−α化澱粉、デキストリン、小麦澱粉、馬鈴薯澱粉)などを使用することができる。
上記水溶性接着材料としては、例えば、糊料やポリアクリル酸ナトリウム等の高吸水性材料がある。このような接着剤として機能する糊料としては、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、甘藷澱粉、コーンスターチ(検査を阻害しないもの)、タピオカ澱粉、米澱粉、デキストリン、各アルファ(α)化した澱粉などの澱粉類、アクリルアミド、PVA、カルボキシメチルセルロース又はアルギン酸ナトリウムを使用することができ、又はこれらの2種類以上の物質を組み合わせて使用することができる。
紙粉としては、バージンパルプ、トイレットペーパー用紙、トイレットペーパー廃材、ティッシュペーパー用紙、ティッシュペーパー廃材、ちり紙用紙、ちり紙廃材、紙綿、紙綿廃材、紙タオル、紙タオル廃材、綿状パルプ、綿状パルプ廃材、不織布製造時に発生する紙粉又はこれら二以上の粉砕物の混合物であり、何れも、0.5ミリメートル以下、好ましくは、0.3ミリメートル以下の粒度の粒状物に粉砕されて使用されることになる。
イ 排泄物検査用材料
排泄物検査用材料は、検査用指示薬を含有したインク組成物(以下、「検査用指示薬含有インク組成物」という)を多孔質吸着剤に吸着させたものである。
(検査用指示薬含有インク組成物)
検査用指示薬含有インク組成物は、検査用指示薬をインク組成物に定着させたものである。
◎検査用指示薬
排泄物のpH値の測定は、当該排泄物(例えば持続性の酸性尿又はアルカリ性尿)のpH値の検出を行い、結石症やその他疾病の必要性を判断することを目的としている。例えば、犬や猫などの肉食動物の尿のpH値は、健康時で、4.3乃至7.0であるところから、通常時(健康時)のpH値4.3乃至7.0と、疾病時のpH値4.3未満又は疾病時のpH値7.0を超えたpH値を変色により判別することが可能となる、すなわち、pH値4.3又は7.0を閾値として変色する尿pH値検査用指示薬を使用することにより、その判別を行うことができる。
また、人の尿のpH値は、健康時に通常の食事を取っているときで、4.6乃至7.5であるところから、疾病時のpH値4.6未満又は疾病時のpH値7.6を超えたpH値を変色により判別することが可能となる、すなわち、pH値4.6又は7.5を閾値として変色する尿pH値検査用指示薬を使用することにより、その判別を行うことができる。
このようなpH値、すなわち、4.1乃至7.7のpH域に変色域を有する尿pH値検査用指示薬としては、チモールブルー、フェノールフタレイン、トロペオリンOOO、クレゾールレッド、フェノールレッド、ニュートラルレッド、ブロモチモールブルー、ブロモクレゾールパープル、ブロモフェノールレッド、p−ニトロフェノール、メチルレッド、ブロモクレゾールグリーン、テトラブロモフェノールブルー、クロロフェノールレッド、メチルオレンジ、エチルオレンジ、ブロモフェノールブルー、ブリリアントイエロー、コンゴーレッド又はブロモクレゾールブルー等が存在するため、検出の目的に応じて、上記の指示薬を単体で、あるいは、2種類以上の指示薬を組み合わせて使用することができる。
特に、変色時のpH値の閾値が4.3である場合には、ブロムフェノールブルー又はメチルオレンジとブロモクレゾールグリーンをエタノールに溶解させたものを使用すること、変色時のpH値の閾値が7.0である場合には、ブロムチモールブルーを使用することが好適である。
なお、この他に全pH域でpH値の測定を行うことができるユニバーサル指示薬を使用することもできる。
◎インク組成物
上記検査用指示薬含有インク組成物は、検査用指示薬及び結合剤を公知のインク組成物に定着させたものであり、本実施形態では、上記尿pH値検査用指示薬と、セルロース及び該セルロースの誘導体の少なくとも一種類(以下、「セルロース等」という。)と、糊剤とを有機溶媒中で分散、または、溶解させることにより作成することができる。具体的には、セルロース等の一種であるワニス、ヒドロキシプロピルセルロース等を加え、メタノール、エタノール等のアルコール類、トルエン等の芳香族炭化水素類、酢酸プロピル等のエステルなどの有機溶媒中で分散、又は、溶解して検査用指示薬含有インク組成物を形成するものである。
セルロース等については、セロール、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が、濡れ性及び目視による判定がし易いなどの点から好ましい。またこの場合、溶剤としては、上記検査用指示薬及び結合剤としての樹脂を安定して溶解できる、又は分散できる溶剤を選ぶことが好ましい。
結合剤は、排泄物の検査に影響を及ぼすことなく、検査用指示薬の発色を妨げず、また発色した色を安定化させる水溶性高分子化合物(天然親水性高分子化合物、半合成親水性高分子化合物)、並びに、排泄物の検査に影響を及ぼすことなく、また、検査用指示薬の発色を妨げることがないもので、被膜形成機能を有する水不溶性高分子化合物があるが、これら両者を組み合わせて形成するのが好ましい。
上記天然親水性高分子化合物としては、甘薯澱粉、馬鈴薯澱粉、蒟蒻粉、布海苔、アルギン酸ナトリウム、トロロアオイ、トンガロゴム、アラビアゴム、デキストラン、レバン、ニカワ、ゼラチン、カゼイン及びコラーゲン等を使用することができる。
上記半合成親水性高分子化合物としては、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びカルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、並びにジアルデヒド澱粉誘導体等を使用することができる。
また、上記被膜形成機能を有する水不溶性高分子化合物としては、ニトロセルロース、酢酸セルロース、エチルセルロース、酢酪酸セルロース等のセルロース樹脂を使用することができ、また、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル共重合体樹脂、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニルエマルション、酢酸ビニルコポリマー(酢酸ビニル−アクリル酸エステル等)エマルション、アクリル酸エステル共重合体エマルション、エポキシ樹脂エマルション及び合成ゴムラテックス等を使用することができる。これらの被膜形成機能を有する高分子化合物中で、特にウレタン樹脂及びポリビニルブチラールは、検査用指示薬の変色及びpH値の測定に悪影響を及ぼさないため好ましい。
さらに、上記検査用指示薬含有インク組成物には、結合剤、安定剤或いは均一な試薬層を形成できるように界面活性剤など(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性イオン界面活性剤又はポリエチレングリコールなど)の公知の添加剤を加えることができる。
一般に、検査用指示薬含有のインク組成物の構成物質及びその配合割合は、検査用指示薬1重量%乃至3重量%、セルロース等1重量%乃至5重量%、糊剤10重量%以下であり、残余は有機溶剤から構成されている。
(多孔質吸着剤)
多孔質吸着剤は、微細孔(微細空隙)を多く含み、表面積が大きく、吸着率が25重量%以上である吸着剤を用いることが必要であり、シリカゲル(いわゆる、A型シリカゲル及びB型シリカゲル)(二酸化珪素)、ゼオライト(アルミノ珪酸塩)等の公知の物質を用いることができる。特に、B型シリカゲルは、平均吸着表面積約450(m/g)、平均微細孔径約60Å、微細孔容積約0.75(ml/g))と、A型シリカゲル(A型シリカゲルは平均吸着表面積約700(m/g)、平均微細孔径約24Å、微細孔容積約0.46(ml/g))と比較して、微細孔径及び微細孔容積が大きいため、検査用指示薬含有インク組成物を吸着させる場合には高い吸着性能を発揮することになり、非常に好適である。
また、被覆層部には、浸透剤又は膨潤剤を添加することも可能である。浸透剤としては、各種の界面活性剤など公知の物質を用いることができ、膨潤剤としては、セルロース系の膨潤剤など公知の物質を使用することができる。
◎各材料の構成比率
本吸水処理材は、粒状芯部が80重量%乃至87重量%、被覆層部が20重量%乃至13重量%の構成比率であることが、粒状芯部の寸法及び被覆層部の層厚や下記の水溶性染料の添加割合との関係上最適である。
上記被覆層部は、90重量%乃至96重量%である基材と、10重量%乃至4重量%の排泄物検査用材料とから構成されている。
そして、上記排泄物検査用材料における検査用指示薬の添加量は、被覆層部の全体量1重量部に対して、0.015重量部乃至0.10重量部の範囲内となることが必要となる。そのため、検査用指示薬をインク組成物に定着させる場合には、検査用指示薬量が上記範囲内となるように溶媒等の量を調節するとともに、多孔質吸着剤の種類に応じてその量を定める必要がある。
なお、本実施形態の第1粒状処理体21では、被覆層部に検査用指示薬含有インク組成物を含有させた場合について説明した。しかし、上記と同様の検査用指示薬含有インク組成物は、粒状芯部に含有させるものであってもよい。
(3)第3粒状処理体23
第3粒状処理体23は、非透水性能(非透液性能)の状処理体であり、隣接する処理体による濾過性能を有する処理体である。そして、小塊の形状に形成されていればよく、完全な球形等である必要はないものであり、柱状体(細長形)、扁平形等、その形状は問わないものである。
この第3粒状処理体23は、紙粉もしくはパルプスラッジ、バージンパルプと、接着剤(例えば、コーンスターチ)とを基材とし、これらの基材と接着剤を主な構成材料としている。そして、これらの構成材料を混練するとともに、押出造粒等の公知の造粒方法で製造されることになるが、吸水性能を有しないように、一般的な粒状体と比較して高硬度に形成される必要がある。
そして、上記第1粒状処理体21と上記第3粒状処理体23の混合割合は、第1粒状処理体21による所定の検査が可能となるように適切に定められる必要がある。
(4)第2粒状処理体22
第2粒状処理体22は、芯部と、この芯部の表面を被覆する被覆層部とから形成される複層構造を有しており、水分を吸収する吸収型の粒状処理体であり、公知の方法で製造することができる。
芯部は、吸水性能を有していれば特に制限はなく、ベントナイト、ゼオライト等の無機質材料や、製紙用パルプ、木粉、ケナフ、パルプスラッジ、コーヒー抽出残渣、茶殻等の有機質廃材の単体又は複数の混合物を素材とし、これらの素材に吸水性樹脂を配合したものを基材として、それらの構成材料を混練して製造することができる。
被覆層部は、使用時に尿等で濡れた第2粒状処理体22同士を付着させて塊状とさせ、排泄物をその周囲から包み込む等の作用を奏させること主な目的としている。このような被覆層部の構成材料としては、吸水性樹脂及び接着剤を用いて、それらを混練して製造することが好適である。
吸水性樹脂としては、例えば、CMC(カルボキシメチルセルロース)、ポリビニルアルコール(PVA)等を使用することができる。
また、接着剤としては、例えば、糊料やポリアクリル酸ナトリウム等の高吸水性樹脂がある。このような接着剤として機能する糊料としては、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、甘藷澱粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉、米澱粉、デキストリン、各アルファ(α)化した澱粉などの澱粉類、アクリルアミド、PVA、カルボキシメチルセルロース又はアルギン酸ナトリウムを使用することができ、又はこれら二以上を組み合わせて使用することができる。
[作用効果等]
続いて、本吸液シートTを愛玩動物の排尿時に使用した場合について説明する。
本吸液シートTの表面シート10の上側から愛玩動物に排尿させる。すると、排尿は、表面シート10を透過し、上層14を構成する個々の第1粒状処理体21及び第3粒状処理体23に達する。このとき、第1粒状処理体21により一部吸収され、吸収された排尿と検査用指示薬が反応して適度に変色して、その変色度合いにより動物の健康状態を判別することができる。また、第1粒状処理体21により吸収されなかった排尿は、下方に滴下していくことになる。また、排尿は、第3粒状処理体23の周囲等を通過して下方に滴下する過程において、当該第3粒状処理体23の吸着作用又は濾過作用により、アンモニア臭等の悪臭が吸臭される。
そして、薄葉紙16で一部が吸収され、残りの排尿は当該薄葉紙16を通過して、下層15に達する。第2粒状処理体22では、芯部が排尿を吸収するとともに、隣接する第2粒状処理体22の被覆層部が排尿により付着し、当該排尿をその周囲から包み込む等の作用を奏することになる。
なお、総ての量の排尿が吸液されなかった場合であっても、裏面シート11は、遮水性能及び気密性能を有し、本吸液シートTの下面、側面及び上面の一部を覆っているため、外部に滲出することなく、排尿を保持することが可能となる。
このように、本吸液シートTによれば、検査用指示薬を含む第1粒状処理体21により、その性状に応じた動物の健康状態を調べることができる。すなわち、人間は自分自身で排尿の変色を瞬時に判断可能であるが、動物の場合には常時排尿状況を監視できるわけではなく、飼主が排尿後一定時間経過後に排尿状況を確認する場合の方がむしろ多いのであるから、退色時間が長いことが要求される。本吸液シートTの場合、検査用指示薬は、粒状に形成された第1粒状処理体21の内部に含まれているため、従来品である検査用指示薬が表面層に印刷されたシート材と比較して、当該検査用指示薬を多く含有することができる。加えて、第1粒状処理体21は表面シート10で覆われた内部に設けられているため、保水した状態を長期にわたって継続することができることから、退色時間をより延ばすことができる。したがって、動物の排尿時に注視していなくても、所定時間以内に変色状況を確認することにより、容易に健康状態を調べることができる。
また、検査用材料を含む高価な第1粒状処理体21の他に、当該検査用材料を含まない、非吸水性の吸着材料を含む安価な第3粒状処理体23を使用しているため、吸液シートTの製造費用を削減することができる。
また、第2粒状処理体22は、粒状の芯部と上記芯部を被覆する被覆層部とを有する複層構造であり、当該被覆層部は、接着材料を含み、排尿を吸収するように形成されているため、第1粒状処理体21及び第3粒状処理体23により処理された排尿を吸収し、その内部に閉じこめることにより、悪臭を効果的に防止することができる。
さらに、下面及び側面部に遮水性能及び気密性能を有する裏面シート11を設けるとともに、第1粒状処理体21及び第3粒状処理体23と、第2粒状処理体22の二層構造としているため、第2粒状処理体22から臭いが発せられた場合であっても、第1粒状処理体21及び第3粒状処理体23が上部を覆っているので、臭気をシャットアウトし、表面シートを通して臭気が発せられることを効果的に防止することができる。
◎第2実施形態
第2実施形態の吸液シートT’は、第1実施形態の吸液シートTにおける第1粒状処理体21のみを異なる構成としたものである。本実施形態の第1粒状処理体21’は、透水性能(透液性能)を有するタイプであり、内部間隙による吸着性能を有し、当該内部間隙に排泄物を透過させながら排泄物の状態を検査するための処理材である。
この第1粒状処理体21’は、透水性能(透液性能)を有する紙粉若しくはバージンパルプ(何れも、0.5ミリメートル以下、好ましくは、0.3ミリメートル以下の粒度の粒状物に粉砕されて使用されることが好適である。)(以下、「紙粉等」という。)と、コーンスターチとを基材とし、これらの基材と、接着剤及び目的に応じた第1実施形態と同様な検査用指示薬含有インク組成物を主な構成材料としている。そして、その形状は、小塊の形状に形成されていればよく、完全な球形等である必要はなく、柱状体(細長形)、扁平形等とすることができる。
また、接着剤は、第1粒状処理体21’を粒状に成形するために用いるものであり、検査用指示薬の作用を阻害しない公知の材料を用いることが好ましいが、薬剤により吸水性材料のpHを調整し、安定化した上で、既存の材料を用いるものであってもよい。
但し、第1粒状処理体21’は透液性能を有するため、接着剤は、吸水性を有さない性質であることが好適である。なお、接着剤を多量に使用しない場合には、微粉砕した(微粉砕することにより、吸水性能が低下する)吸水性の接着剤を使用することもできる。
そして、この第1粒状処理体21’は、上記基材と、接着剤及び検査用指示薬含有インク組成物を混練し、押出造粒等の公知の造粒方法で製造することができるが、透水性を有し、所定の間隙を有するように、一般的な粒状体と比較して高硬度に形成される必要がある。
上記材料の混合割合は、紙粉80重量%乃至98重量%と、接着剤20重量%乃至2重量%の範囲内であり、紙粉と接着剤の合計量1重量部に対して、検査指示薬含有インク組成物の混合割合0.01重量部乃至0.5重量部の範囲内とすることが好適である。
なお、検査用指示薬の作用を阻害しない物質であれば、脱臭材料、消臭材料、殺菌作用を有する物質、着色物質などの材料を添加するものであってもよい。また、所望の色の水溶性の着色剤を、排泄物を着色可能となるように添加してもよい。
続いて、本給液シートT’の作用について説明する。
本吸液シートT’の表面シート10の上側から愛玩動物に排尿させる。すると、排尿は、表面シート10を透過し、上層14’を構成する個々の第1粒状処理体21’及び第3粒状処理体23に達する。このとき、排尿は第1粒状処理体21’の内部間隙等を通過し、下方に滴下することになる。その過程で、排尿と、第1粒状処理体21’に含まれる検査用指示薬が反応して適度に変色することになり、その変色度合いにより、動物の健康状態を判別することができる。
また、排尿は、第3粒状処理体23の周囲等を通過して下方に滴下する過程において、当該第3粒状処理体23の吸着作用又は濾過作用により、アンモニア臭等の悪臭が吸臭される。
そして、排尿は薄葉紙16で一部が吸収され、残りは当該薄葉紙16を通過して、下層15に達する。第2粒状処理体22では、芯部が排尿を吸収するとともに、隣接する第2粒状処理体22の被覆層部が排尿により付着し、当該排尿をその周囲から包み込む等の作用を奏することになる。
本実施形態の吸液シートT’では、排尿を効果的に吸水することができることは勿論、第1粒状処理体21’は透水性能を有するため吸液量を抑制することができるとともに、第3粒状処理体23は非透水性能を有するため、そもそも排尿を透過させることになるため、第1実施形態の吸液シートTと比較して、その退色時間がやや劣ることになるものの、排尿が上層14’の部分に留まることがなく、当該上層14’の部分から悪臭が発生することを防止することができる。加えて、下面に遮水性能及び気密性能を有する裏面シート11を設けていることから、第2粒状処理体22から発せられる悪臭を第1粒状処理体21’及び第3粒状処理体23から構成される上層14’が遮断することにより、臭気の発生を防止することができる。
以上、本発明について、好適な実施形態についての一例を説明したが、本発明は当該実施形態に限られず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。
特に、表面シート、裏面シート及び薄葉紙の材料、形状、寸法、強度等は、その作用を阻害しない限りにおいて制限はない。
例えば、表面シートは、透水性能を有していればよく、1層構造であっても多層構造であってもよく、また、不織布に限られず、合成樹脂材料のシートであって多数の液透過孔を有した構造などとするものであっても良い。
また、表面シートと裏面シートの間には、多数の第1粒状処理体及び第3粒状処理体と、第2粒状処理体が介装されており、所定厚さとなっているが、表面シートと裏面シートで形成される袋体は、各粒状処理体をその内部に保持できるものであれば、両シート材の接着方法等の構造は問わないものである。
また、下層には、第2粒状処理体の他に、パルプ又は紙粉の少なくとも一種類(吸水性ポリマーを含有していることが好適である)の材料を設けるものであってもよい。
さらに、本発明の吸液シートにおいて、上記上層と上記下層との間に、当該両層の作用を阻害しない限りにおいて、さらに、一又は複数の中間層が設けられている構成とすることも可能である。
中間層としては、例えば、消臭剤を含む粒状処理体若しくはシート材や、殺菌剤を含む粒状処理体又はシート材等から構成されるものを用いることができる。
例えば、この中間層には、焙煎コーヒー豆から、缶コーヒー、インスタントコーヒー等のコーヒー飲料の製造時に、コーヒー抽出液を焙煎コーヒー豆から抽出した際に排出されるコーヒー抽出残渣や、日本茶、紅茶、烏龍茶等の茶殻を接着剤により固化した粒状処理体を用いることができる。前者のコーヒー抽出残渣を用いることにより、コーヒー成分からの香気が発せられるため、臭気を防止することができる。また、茶殻を使用することにより、茶成分からの香気が発せられるとともに、タンニン等による抗菌効果を奏するため、衛生上特に好適である。
また、上記検査用指示薬は、吸着率25重量%以上であり、微細孔を有する多孔質吸着剤の上記微細孔に吸着されていることが好適であるが、吸着方法は問わないものであるが、当該検査用指示薬を溶媒に溶解させた状態で定着させることが好適である。
なお、本発明の吸液シートは、使用目的に制限はなく、愛玩動物だけでなく、人間等に使用することができることは言うまでもない。
以下、本発明の吸液シートの性能を調べるために、下記製造方法で従来のシート材と本発明の吸液シートのサンプルをそれぞれ作成し、変色試験を行った。
(1)構成材料
ア 従来のシート材
排泄物が通過するレーヨン製の不織布である表面シートと、液不透過性能を有する合成樹脂フィルムから成る裏面シートと、表面シートと裏面シートとの間に介装されている吸水シートとから構成され、当該吸水シートは、紙及びポリマー含有シートから構成されている。また、表面シートには、pH指示薬であるブロモチモールブルー(アドバンテック東洋株式会社製)を含むインキ組成物が印刷されており、排尿によって、このインキ組成物が変色反応する構造となっている。
イ 本発明の吸液シート
本発明の吸液シートは、レーヨンから成る不織布(表面シート)と合成樹脂フィルムから成る裏面シートの間に、上層(第1粒状処理体及び第3粒状処理体を同量ずつ配合)、パルプから形成される薄葉紙及び下層(第1粒状処理体と第3粒状処理体の合計量と同量の第2粒状処理体を配合)が設けられている構造となっている。
そして、本発明の吸液シートは、第1粒状処理体に関して、上記第1実施形態で説明した吸液性能を有するタイプと、第2実施形態で説明した透液性能を有するタイプの2種類を用い、2種類のサンプルを製造したものである。
<A>第1粒状処理体
◎第1実施形態の第1粒状処理体
粒状芯部と被覆層部とから形成される複層構造の吸水処理材であり、当該粒状芯部と被覆層部を構成する材料の重量比を83重量%対17重量%とした。
粒状芯部は、バージンパルプを原材料とした。
被覆層部の基材の材料は、バージンパルプ95重量%、カルボキシルメチルセルロース5重量%を混合することにより製造した。
排泄物検査用材料は、検査用指示薬含有インク組成物と多孔質吸着剤から構成されている。
検査用指示薬含有インク組成物は、ブロモチモールブルー(検査用指示薬)(アドバンテック東洋株式会社製)とセルロース系樹脂と糊剤を有機溶剤(工業用エチルアルコール及びメチルアルコール)に溶解させたものを使用した(何れも、東洋インキ製造株式会社製)。また、多孔質吸着剤として、シリカゲル(B型)の微粉末(ハイモ株式会社製)を使用した。
そして、排泄物検査用材料の配合率は、第1粒状処理体の被覆層部の全重量の1重量部に対して、0.10重量部とし、残部を多孔質吸着剤とした。
◎第2実施形態の第1粒状処理体
バージンパルプ50重量%、紙粉49重量%、コーンスターチ1重量%を基材とするとともに、接着剤としてカルボキシルメチルセルロースを使用した。
検査用指示薬含有インク組成物は、第1実施形態の第1粒状処理体と同様の材料を使用した。
そして、上記材料の混合割合は、基材95重量%と接着剤5重量%と、基材と接着剤の混合物1重量部に対して、検査指示薬含有インク組成物0.3重量部を配合した。
<B>第2粒状処理体
粒状芯部と被覆層部とから形成される複層構造の吸水処理材であり、当該粒状芯部と被覆層部を構成する材料の重量比を83%対17%とした。
粒状芯部は、損紙60重量%、塩化ビニル壁紙30重量%、紙おむつ廃材等10重量%を原材料とした。
被覆層部の材料は、紙粉60重量%、タピオカアルファー化澱粉20重量%、ポリアクリル酸ナトリウム(吸水性樹脂)16重量%、デキストリン4重量%を混合して製造した。
<C>第3粒状処理体
紙粉98重量%、カルボキシルメチルセルロース2重量%を混練して製造した。
<試験方法>
以下の表1は、配合割合として、水1000ml、食塩10g、アンモニア水10gを組成物とし、pHを6.8に調整したpH緩衝液を従来のシート材及び本発明吸液シートにそれぞれ滴下後、変色状態を目視により観察し、当該変色状態の変化を経時的に示したものである。
<観察結果>
表1より明らかなように、従来のシート材及び本発明の吸液シート(第1実施形態及び第2実施形態)はともに、疑似尿を滴下した直後に緑色に変化したが、従来のシート材は、およそ3分で変色状態の判別が難しくなり、5分以降経過した後は、変色状態が確認できない結果となった。
一方、本発明の吸液シート(第1実施形態と第2実施形態)においては、従来のシート材と比較して、排尿から30分を経過した後においても、変色状態を明確に判別でき、従来品よりも退色時間が長いという結果となった。
上記表1において、○印は、変色状態が容易に判別できる状態、△印は、変色状態の判別がやや難しい状態、×印は、変色状態が容易に判別できない状態をそれぞれ示す。
上記の通り、従来のシート材は、表層にのみ試薬が塗布されているので、疑似尿がすぐに乾燥してしまい、5分後には退色してしまったのに対して、本発明の吸液シート(第1実施形態と第2実施形態)では、30分経過後においても退色を防ぐことができることが明らかとなり、本発明の吸液シートの効果が示される結果となった。
T,T’ 吸液シート
10 表面シート
11 裏面シート
14,14’ 上層
15 下層
16 薄葉紙
21,21’ 第1粒状処理体
22 第2粒状処理体
23 第3粒状処理体

Claims (5)

  1. 透液性能を有する表面シートと、遮液性能及び気密性能を有する裏面シートの間に上下の二層にわたり粒状の排泄物の処理体が積層された状態で狭持されている吸液シートにおいて、
    上層を形成する第1粒状処理体は、吸液材料又は透液材料と、排泄物検査用指示薬とを含み、前記排泄物検査用指示薬が前記排泄物の液体分と反応することにより変色を生じるとともに、
    下層を形成する第2粒状処理体は吸液性能を有すること、を特徴とする吸液シート。
  2. 前記第2粒状処理体は、吸液性能を有する粒状の芯部と、吸液性能及び吸液による接着性能を有する前記芯部を被覆する被覆層部とを備える複層構造であること、を特徴とする請求項1に記載の吸液シート。
  3. 前記下層には、さらに、パルプ又は紙粉の少なくとも一方を含む材料が含まれていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の吸液シート
  4. 前記上層には、前記排泄物検査用指示薬を含まない、非透液性の第3粒状処理体が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の吸液シート。
  5. 前記上層と前記下層との間に、さらに、一又は複数の中間層が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の吸液シート。
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