本願は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれている、2008年8月1日に出願された「NETWORK ARCHITECTURE FOR DISTRIBUTED MULTIPLE−INPUT MULTIPLE−OUTPUT WIRELESS COMMUNICATION」と題する米国仮出願第61/085762号の利益を主張するものである。
次は、特許請求される主題のさまざまな態様の基本的な理解を提供するために、そのような態様の単純化された要約を提示するものである。この要約は、すべての企図された態様の広範囲の概要ではなく、そのような態様の主要な要素またはクリティカルな要素を識別することも、そのような態様の範囲を区切ることも意図されてはいない。その唯一の目的は、後で提示される、より詳細な説明の前置きとして、開示される態様のいくつかの概念を単純化された形で提示することである。
一態様によれば、本明細書では、方法が説明される。この方法は、サービングネットワークセル(serving network cell)および補助ネットワークセルを識別することと、制御情報を少なくともサービングネットワークセルと交換することと、サービングネットワークセルおよび補助ネットワークセルによって協同して行われる少なくとも1つの送信でデータを交換することと、を備えることができる。
本明細書で説明される第2の態様は、サービングネットワークセルおよび補助ネットワークセルに関連するデータを格納するメモリを備えることができるワイヤレス通信装置に関する。このワイヤレス通信装置は、制御シグナリングを少なくともサービングネットワークセルと交換し、サービングネットワークセルおよび補助ネットワークセルによって協同して行われる少なくとも1つの送信でデータを交換するように構成されたプロセッサをさらに備えることができる。
第3の態様は、サービングセルとの1つまたは複数の制御通信を行うための手段と、1つまたは複数のデータ通信を行うための手段と、を備え、それぞれのデータ通信は、サービングセルおよび少なくとも補助セルによって協同して実行される、ことができる装置に関する。
本明細書で説明される第4の態様は、コンピュータに、サービングセルとの1つまたは複数の制御通信を行わせるコードと、コンピュータに、1つまたは複数のデータ通信を行わせるコードと、を備えるコンピュータ可読媒体を含み、それぞれのデータ通信は、サービングセルおよび少なくとも補助セルによって協同して実行される、コンピュータプログラム製品に関する。
本明細書の第5の態様は、ワイヤレス通信環境内で動作可能な方法に関する。この方法は、少なくとも1つのユーザ機器ユニット(UE)と制御情報を交換することと、少なくとも1つのUEと交換された制御情報を補助ネットワークセルに示すことと、を備えることができる。
第6の態様は、少なくとも1つの端末および補助ネットワークセルに関連するデータを格納するメモリと、少なくとも1つの端末と制御情報を交換し、交換された制御情報を補助ネットワークセルに示すように構成されたプロセッサと、を備えることができるワイヤレス通信装置に関する。
本明細書で説明される第7の態様は、ワイヤレス通信システム内で動作可能な装置に関する。この装置は、少なくとも1つの端末との1つまたは複数の制御通信を行うための手段と、1つまたは複数の制御通信を補助セルに示すための手段と、を備えることができる。
第8の態様は、コンピュータに、少なくとも1つのUEとの1つまたは複数の制御通信を行わせるコードと、コンピュータに、1つまたは複数の制御通信を補助ネットワークセルに示させるコードと、を備えるコンピュータ可読媒体を含むことができるコンピュータプログラム製品に関する。
第9の態様は、少なくとも1つのUEに関連する制御情報を少なくとも1つのUEのサービングネットワークセルと交換する行為と、交換された制御情報に従って通信する行為と、を備えることができる方法に関する。
本明細書で説明される第10の態様は、少なくとも1つのUEおよび少なくとも1つのUEのサービングセルに関連するデータを格納するメモリを備えることができるワイヤレス通信装置に関する。このワイヤレス通信装置は、少なくとも1つのUEに関連する制御情報をサービングセルと交換し、交換された制御情報に従って通信するように構成されたプロセッサをさらに備えることができる。
第11の態様は、少なくとも1つの端末に関連する制御情報の、少なくとも1つの端末のサービングセルとの1つまたは複数の通信を行うための手段と、1つまたは複数の制御通信に少なくとも部分的に基づいて、それぞれの後続通信を管理するための手段と、を備えることができる装置に関する。
本明細書で説明される第12の態様は、コンピュータに、少なくとも1つのUEに関連する制御情報の、少なくとも1つのUEのサービングネットワークセルとの1つまたは複数の通信を行わせるコードと、コンピュータに、1つまたは複数の制御通信に少なくとも部分的に基づいてそれぞれの後続通信を管理させるコードと、を備えるコンピュータ可読媒体を含むことができるコンピュータプログラム製品に関する。
第13の態様は、情報の第1のセットを少なくとも1つのUEと交換することであって、情報の第1のセットは、制御シグナリングまたはデータのうちの少なくとも1つを備える、交換することと、情報の第2のセットをコアネットワークエンティティと交換することであって、情報の第2のセットは、制御シグナリングまたはデータのうちの少なくとも1つを備える、交換することと、情報の第1のセットまたは情報の第2のセットのうちの少なくとも1つを補助ネットワークセルに示すことと、を備えることができる方法に関する。
本明細書で説明される第14の態様は、少なくとも1つのUE、関連するコアネットワーク、および補助ネットワークセルに関連するデータを格納するメモリを備えることができるワイヤレス通信装置に関する。このワイヤレス通信装置は、制御シグナリングまたはデータの第1のセットを少なくとも1つのUEと交換し、制御シグナリングまたはデータの第2のセットを関連するコアネットワークと交換し、制御シグナリングまたはデータの第1のセットあるいは制御シグナリングまたはデータの第2のセットの少なくとも一部を補助ネットワークセルに示すように構成されたプロセッサをさらに備えることができる。
本明細書で説明される第15の態様は、情報の第1のセットを少なくとも1つのUEと交換するための手段と、なお、情報の第1のセットは、制御シグナリングまたはデータのうちの少なくとも1つを備える、情報の第2のセットをコアネットワークエンティティと交換するための手段と、なお、情報の第2のセットは、制御シグナリングまたはデータのうちの少なくとも1つを備える、情報の第1のセットまたは情報の第2のセットのうちの少なくとも1つを補助ネットワークセルに示すための手段と、を備えることができる装置に関する。
本明細書の第16の態様は、コンピュータに、情報の第1のセットを少なくとも1つのUEと交換させるコードと、なお、情報の第1のセットは、制御シグナリングまたはデータのうちの少なくとも1つを備える、コンピュータに、情報の第2のセットをコアネットワークと交換させるコードと、情報の第2のセットは、制御シグナリングまたはデータのうちの少なくとも1つを備える、コンピュータに、情報の第1のセットまたは情報の第2のセットのうちの少なくとも1つを補助ネットワークセルに示させるコードと、を備えるコンピュータ可読媒体を含むことができるコンピュータプログラム製品に関する。
本明細書で説明される第17の態様は、ワイヤレス通信システム内で動作可能な方法に関する。この方法は、制御シグナリングまたはデータの第1のセットを少なくとも1つのUEと交換することと、制御シグナリングまたはデータの第2のセットをコアネットワークエンティティと交換することと、交換された制御シグナリングまたはデータの少なくとも1つの表示を少なくとも1つのUEのサービングネットワークセルに通信することと、を備えることができる。
本明細書の第18の態様は、少なくとも1つのUE、関連するコアネットワーク、およびサービングネットワークセルに関連するデータを格納するメモリを備えることができるワイヤレス通信装置に関する。このワイヤレス通信装置は、制御シグナリングまたはデータを少なくとも1つのUEと交換し、制御シグナリングまたはデータを関連するコアネットワークと交換し、少なくとも1つのUEまたは関連するコアネットワークと交換された制御シグナリングまたはデータの少なくとも一部をサービングネットワークセルに示すように構成されたプロセッサをさらに備えることができる。
本明細書で説明される第19の態様は、ワイヤレス通信システム内で動作可能な装置に関する。この装置は、制御シグナリングまたはデータの第1のセットを少なくとも1つのUEと交換するための手段と、制御シグナリングまたはデータの第2のセットをコアネットワークと交換するための手段と、交換された制御シグナリングまたはデータの少なくとも1つの表示を少なくとも1つのUEのサービングネットワークセルに通信するための手段と、を備えることができる。
第20の態様は、コンピュータに、情報の第1のセットを少なくとも1つのUEと交換させるコードと、なお、情報の第1のセットは、制御シグナリングまたはデータのうちの少なくとも1つを備える、コンピュータに、情報の第2のセットをコアネットワークと交換させるコードと、なお、情報の第2のセットは、制御シグナリングまたはデータのうちの少なくとも1つを備える、コンピュータに、情報の第1のセットまたは情報の第2のセットの少なくとも一部をサービングネットワークセルに示させるコードと、を備えるコンピュータ可読媒体を含むことができるコンピュータプログラム製品に関する。
前述および関連する目的の達成に向けて、特許請求される主題の1つまたは複数の態様は、後で十分に説明され、特許請求の範囲で特に指摘される特徴を備える。次の説明および添付図面は、特許請求される主題のある種の例示的態様を詳細に示す。しかし、これらの態様は、特許請求される主題の原理を使用できるさまざまな形のうちの少数を示すのみである。さらに、開示される態様は、すべてのそのような態様およびその均等物を含むことが意図されている。
特許請求される主題のさまざまな態様を、これから図面を参照して説明するが、図面では、類似する符号が、終始、類似する要素を参照するのに使用される。次の説明では、説明において、1つまたは複数の態様の完全な理解を提供するために多数の特定の詳細を示す。しかし、そのような態様(1つまたは複数)を、これらの特定の詳細なしで実践できることは明白であろう。他の場合には、1つまたは複数の態様の説明を容易にするために、周知の構造およびデバイスをブロック図形式で示す。
本願で使用される時に、用語「コンポーネント」、「モジュール」、「システム」などは、ハードウェア、ファームウェア、ハードウェアおよびソフトウェアの組合せ、ソフトウェア、または実行中のソフトウェアのいずれであれ、コンピュータ関連のエンティティを指すことができる。たとえば、コンポーネントを、プロセッサ上で動作するプロセス、集積回路、オブジェクト、実行可能ファイル、実行のスレッド、プログラム、および/またはコンピュータとすることができるが、これらに限定はされない。たとえば、コンピューティングデバイスで動作するアプリケーションとそのコンピューティングデバイスとの両方を、コンポーネントとすることができる。1つまたは複数のコンポーネントが、1つのプロセスおよび/または実行のスレッド内に存在することができ、1つのコンポーネントを、1つのコンピュータ上に局所化し、かつ/または複数のコンピュータの間で分散させることができる。さらに、これらのコンポーネントを、その上にさまざまなデータ構造を格納されたさまざまなコンピュータ可読媒体から実行することができる。コンポーネントは、1つまたは複数のデータパケットを有する信号(たとえば、信号によって、ローカルシステム内、分散システム内、および/または他のシステムとのインターネットなどのネットワークにまたがる別のコンポーネントと相互作用するあるコンポーネントからのデータ)によるなど、ローカルプロセスおよび/または遠隔プロセスによって通信することができる。
さらに、さまざまな態様を、本明細書でワイヤレス端末および/または基地局に関連して説明する。ワイヤレス端末は、音声接続性および/またはデータ接続性をユーザに提供するデバイスを指すことができる。ワイヤレス端末を、ラップトップコンピュータまたはデスクトップコンピュータなどのコンピューティングデバイスに接続することができ、あるいは、ワイヤレス端末を、携帯情報端末(PDA)などの自立型デバイスとすることができる。ワイヤレス端末を、システム、加入者ユニット、加入者ステーション、移動局、移動体、遠隔ステーション、アクセスポイント、遠隔端末、アクセス端末、ユーザ端末、ユーザエージェント、ユーザデバイス、またはユーザ機器(UE)と呼ぶこともできる。ワイヤレス端末を、加入者ステーション、ワイヤレスデバイス、セル電話、PCS電話、コードレス電話、SIP(セッション開始プロトコル)電話、WLL(wireless local loop)ステーション、携帯情報端末(PDA)、ワイヤレス接続機能を有するハンドヘルドデバイス、またはワイヤレスモデムに接続された他の処理デバイスとすることができる。基地局(たとえば、アクセスポイントまたはノードB)は、エアインターフェースを介し、1つまたは複数のセクタを介してワイヤレス端末と通信する、アクセスネットワーク内のデバイスを指すことができる。基地局は、受信されたエアインターフェースフレームをインターネットプロトコル(IP)パケットに変換することによって、ワイヤレス端末とIPネットワークを含むことができるアクセスネットワークの残りとの間のルータとして働くことができる。基地局は、エアインターフェースに関する属性の管理をも調整する。
さらに、本明細書で説明されるさまざまな機能を、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはその任意の組合せで実施することができる。ソフトウェアで実施される場合に、機能を、コンピュータ可読媒体上の1つまたは複数の命令またはコードとして格納し、あるいは送信することができる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体と、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にするすべての媒体を含む通信媒体との両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスできるすべての使用可能な媒体とすることができる。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMもしくは他の光ディスク(disk)ストレージ、磁気ディスク(disk)ストレージもしくは他の磁気ストレージデバイス、または命令もしくはデータ構造の形で所望のプログラムコードを担持しまたは格納するのに使用でき、コンピュータによってアクセスできる任意の他の媒体を備えることができる。また、すべての接続は、当然、コンピュータ可読媒体と呼ばれる。たとえば、ソフトウェアが、ウェブサイト、サーバ、または他の遠隔ソースから同軸ケーブル、光ファイバケーブル、より対線、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線波、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して送信される場合に、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、より対線、DSL、または赤外線、無線波、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。ディスク(disk and disc)は、本明細書で使用される時に、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザディスク(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)、およびブルーレイディスク(disc)(BD)を含み、diskは、通常はデータを磁気的に再生し、discは、レーザを用いてデータを光学的に再生する。上記の組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲に含まれなければならない。
本明細書で説明されるさまざまな技法を、符号分割多元接続(CDMA)システム、時分割多元接続(TDMA)システム、周波数分割多元接続(FDMA)システム、直交周波数分割多元接続(OFDMA)システム、SC−FDMA(Single Carrier FDMA)システム、および他のそのようなシステムなどのさまざまなワイヤレス通信システムに使用することができる。用語「システム」および「ネットワーク」は、本明細書ではしばしば交換可能に使用される。符号分割多元接続システムは、UTRA(Universal Terrestrial Radio Access)、CDMA2000、その他などの無線技術を実施することができる。UTRAは、W−CDMA(Wideband-CDMA)および符号分割多元接続の他の変形を含む。さらに、CDMA2000は、IS−2000標準規格、IS−95標準規格、およびIS−856標準規格を包含する。時分割多元接続システムは、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)などの無線技術を実施することができる。直交周波数分割多元接続システムは、E−UTRA(Evolved UTRA)、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、Flash−OFDM(登録商標)その他などのワイヤレス技術を実施することができる。UTRAおよびE−UTRAは、UMTS(Universal Mobile Telecommunication System)の一部である。3GPP LTE(Long Term Evolution)は、E−UTRAを使用する、やがて現れるリリースであり、E−UTRAは、ダウンリンクで直交周波数分割多元接続、アップリンクでSC−FDMAを使用する。UTRA、E−UTRA、UMTS、LTE、およびGSMは、「3rd Generation Partnership Project」(3GPP)という名称の組織からの文書に記載されている。さらに、CDMA2000およびUMBは、「3rd Generation Partnership Project 2」(3GPP2)という名称の組織からの文書に記載されている。
さまざまな態様を、複数のデバイス、コンポーネント、モジュールなどを含むことができるシステムに関して提示する。これらのさまざまなシステムが、追加のデバイス、コンポーネント、モジュールなどを含むことができ、かつ/または図面に関連して述べられるデバイス、コンポーネント、モジュールなどのすべては含まない場合があることを理解(understood and appreciated)されたい。これらの手法の組合せを使用することもできる。
ここで図面を参照すると、図1は、本明細書で説明されるさまざまな態様によるワイヤレス通信環境内のUE110とそれぞれのセル120〜130との間の情報の交換を調整するシステム100を示す。
図1に示されているように、システム100は、サービングセル120および/または補助セル130などの1つまたは複数の関連するネットワークセルと通信できる1つまたは複数のユーザ機器ユニット(UE)110を含むことができる。「サービングセル」および「補助セル」という名称が、本明細書ではネットワークセル120〜130を指すのに使用されるが、ネットワークセル120〜130の機能がそのようなセル120〜130の命名によって暗示されることは意図されていないことを理解されたい。たとえば、補助セル130は、いくつかの場合にサービングセル120に加えてまたはその代わりにUE110に通信カバレージを提供することによって、UE110にサービスを提供することができることを理解されたい。さらに、本明細書に添付された特許請求の範囲が、該特許請求の範囲によって明示的に列挙されるものを超えるセル120〜130の機能を要求することは意図されていないことを理解されたい。さらに、セル120〜130を、たとえばマクロセル、フェムトセルもしくはHNB(Home Node B)、ピコセル、中継器などを含む、任意の適切なセルタイプ(1つまたは複数)のいずれとすることもできることを理解されたい。
一態様によれば、本明細書で説明されるさまざまな形で、UE110は、サービングセル120および/または補助セル130への1つまたは複数のアップリンク(UL、逆方向リンク(RL)とも称する)通信を行うことができ、サービングセル120および/または補助セル130は、UE110への1つまたは複数のダウンリンク(DL、順方向リンク(FL)とも称する)通信を行うことができる。一例では、サービングセル120および補助セル130を、共通のノードB(基地局、アクセスポイント、eNB(Evolved Node B)など)または別個のノードBに関連付けることができる。
別の例では、サービングセル120および/または補助セル130は、UE110で1つまたは複数のデータサービスの使用を容易にするのに利用できるコアネットワーク140と通信することができる。コアネットワーク140は、任意の適切な1つまたは複数の無線アクセス技術の下で動作するワイヤレス通信ネットワークおよび/または任意の他の適切なネットワークもしくはインターネットワーク(たとえば、インターネット)とすることができ、および/またはそれに対応することができる。さらに、コアネットワーク140は、UE110によって利用される1つまたは複数のデータサービスに関連して、セル120および/もしくは130を介してUE110に提供されるダウンリンクデータのデータ送信装置、セル120および/もしくは130を介してUE110から受信されるアップリンクデータのデータ受信装置、またはその両方として働くことができる。一例では、コアネットワーク140は、SGW(signaling gateway)、MME(mobility management entity)、および/またはシステム100内のそれぞれのデバイスを管理し、UE110宛のパケットのソースおよび/またはUE110から発するパケットのシンクとして働き、かつ/または他の適切な機能を実行する任意の他の適切なエンティティの機能を含み、かつ/または実施することができる。
別の態様によれば、システム100は、複数のソースおよび/または宛先(たとえば、それぞれのアンテナ、エンティティなどに対応する)がシステム100内のデバイスの間でのデータ、制御シグナリング、および/または他の情報の送信および/または受信に利用されるMIMO通信を利用することができる。MIMO通信を利用することによって、いくつかの場合に、単一入力および/または単一出力の通信システムより高いデータレート、改善された信号品質、および他のそのような利益を実現できることを理解されたい。
一例では、システム100は、サービングセル120および補助セル130などの複数のセルが1つまたは複数のUE110とのそれぞれの協同通信または共同通信(cooperative or joint communication)を行うことができる、CoMP(Cooperative Multipoint、たとえば、N−MIMO(Network MIMO)、D−MIMO(Distributed MIMO)、またはCo−MIMO(Cooperative MIMO)などとも称する)送信の形でMIMOを利用することができる。UE110とセル120〜130との間のCoMP通信は、たとえば、サービングセル120および補助セル130がUE110へのダウンリンクデータの送信および/またはUE110からのアップリンクデータの協同受信にかかわるために協同する、共同処理スキームを利用することができる。それに加えてまたはその代わりに、UE110とセル120〜130との間のCoMP通信は、補助セル130が送信用の空間ビームをサービングセル120から離れて形成し、これによってサービングセル120が少ない干渉でUE110と通信することを可能にするように、サービングセル120および補助セル130が協同する、調整ビームフォーミング(coordinated beamforming)を利用することができる。共同処理および調整ビームフォーミングは、それぞれ図2および図3に関して下でさらに詳細に説明する。
上記を考慮して、CoMP送信が、それぞれがUE110に関連する情報に基づいて通信でき、いくつかの場合に共通のノードBまたは異なるノードBに関連付けられ得る複数のセル120〜130を活用できることを理解されたい。したがって、UE110とのCoMP通信に関連する情報をセル120〜130にルーティングするために、1つまたは複数の技法をシステム100内で実施することが望ましいことをさらに理解されたい。第1の例として、従来のコアネットワークが、データパケットを単一のセルにルーティングすることによって動作することを理解されたい。しかし、複数のセル120〜130とUE110との間の分散通信を活用するためには、複数のセル120〜130へのデータパケットのルーティングをサポートしないコアネットワーク140に関連するネットワーク環境内のセル120〜130のそれぞれに関連データパケットをルーティングする機構を実施することが望ましい。第2の例として、UE110とのCoMP送信を行うそれぞれのセル120〜130は、UE110に関連する制御情報を受信し、生成し、かつ/または他の形で入手するか活用することができる。したがって、セル120〜130の間および/またはそれぞれのセル120および/または130とコアネットワーク140との間で制御情報を効率的に渡す技法を実施することが、さらに望ましい。
一態様によれば、システム100内でCoMP通信をサポートし、少なくとも上の例で説明した目標を達成するために、システム100を、コアネットワーク140およびUE110と通信する所与のUE110のためのサービングセル120と、UE110とワイヤレスで(OTA)通信する補助セル130とを利用するように構成することができる。一例では、サービングセル120を、データ、制御シグナリング(たとえば、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)割当てまたは許可、肯定応答(ACK)シグナリングなど)、および/または任意の他の適切な情報を備えることができる、サービングセル120とコアネットワーク140との間のネットワークインターフェース(たとえば、S1−Uインターフェースおよび/または別の適切なE−UTRAN(E-UTRA Network)インターフェースなど)を介してコアネットワーク140とパケットを交換するように構成することができる。
コアネットワーク140とパケットを交換することに加えて、サービングセル120は、UE110との通信を行い、および/またはバックホールインターフェース(たとえば、X2インターフェースおよび/または任意の他の適切なインターフェース)を介して補助セル130とそれぞれのパケットを交換することができる。サービングセル120と補助セル130との間のバックホールインターフェースまたはリンクを利用することによって、パケットを、コアネットワーク140からサービングセル120に送信し、その後、バックホールインターフェースを介して補助セル130にルーティングすることができ、これによって、補助セル130をコアネットワーク140にとって透過的にすることが可能になり、コアネットワーク140に対する実施態様変更を必要とせずに、サービングセル120および補助セル130がUE110とのCoMP通信にかかわることが可能になることを理解されたい。
それに加えてまたはその代わりに、システム100を、補助セル130がデータ、制御シグナリング、および/またはUE110に関連する他の情報の少なくとも一部をコアネットワーク140に直接に交換することを可能にするために、補助セル130とコアネットワーク140との間のネットワークインターフェースを利用するように構成することもできる。ネットワークインターフェースが補助セル130とコアネットワーク140との間に設けられる例では、データ、制御シグナリング、および/または他の情報のさまざまな部分を、サービングセル120とコアネットワーク140との間でのみ、補助セル130とコアネットワーク140との間でのみ、またはコアネットワーク140とサービングセル120および補助セル130の両方との間で交換されるように独立に指定することができる。例として、UE110に関連するすべてのダウンリンク制御情報および/またはその一部(たとえば、割り当てられたまたは許可された帯域幅、コーディングレート、および/またはUE110の他のパラメータに関連するPDCCH割当て情報)が、コアネットワーク140によってサービングセル120に排他的に供給されるように、システム100を構成することができる。別の例では、許可、ACKなどの補助セル130でUE110から受信されるアップリンク制御情報を、補助セル130によってコアネットワーク140に直接に供給されるか、またはコアネットワーク140への後続転送のためにサービングセル120にトンネリングされるかのいずれかとすることができる。
上で説明したように、図1に示されたシステム100は、さまざまな形でCoMP通信にかかわることができる。第1の特定の例として、図2のシステム200は、共同処理を使用して実行される例の通信セッション中のUE110、サービングセル120、補助セル130、およびコアネットワーク140の動作を示す。本明細書で使用される時に、共同処理は、それぞれのセルが1つまたは複数の受信機(たとえば、UE110)への情報の少なくとも1つの協同送信または共同送信(cooperative or joint transmission)を実行するために協同する通信スキームを指す。たとえば、変調シンボルxを第1のUEに送信する第1のセルおよび変調シンボルyを第2のUEに送信する第2のセルの代わりに、セルは、第1のセルがUEの一方または両方にax+byを送信し、第2のセルが同一のUE(1つまたは複数)にcx+dyを送信するように協同することができ、ここで、a、b、c、およびdは、ユーザのSN比(SNR)、システム容量、および/または任意の他の適切なメトリック(1つまたは複数)を最適化するように選択される係数である。
さらに、それぞれのセルは、(たとえば、動的セル選択を介する)所定のスケジュールに基づいて、1つまたは複数のUEに同時に(たとえば、共同送信を介して)および/または個別に情報を送信することができる。どちらの場合でも、および/または任意の他の共同処理技法(1つまたは複数)の場合に、共同処理に基づいて情報を受信するUEが、いくつかの場合に、複数のソースから情報を受信した結果として、シングルポイント送信を介して達成可能であるものより高いSNRを観察し得ることを理解されたい。
一態様によれば、データおよび/または制御情報を、図2に示されているようにシステム200内のエンティティの間で送信することができ、ここで、実線は、データフローを表し、鎖線は、制御フローを表す。システム200が示すように、データおよび制御情報を、コアネットワーク140とサービングセル120との間および/またはバックホールリンクを介してサービングセル120と補助セル130の間で転送することができ、これによって、補助セル130をコアネットワーク140にとってトランスペアレントにすることが可能になり、コアネットワーク140および/またはコアネットワーク140に関連する任意のコンポーネントの実施態様に対する変更を必要とせずに共同処理を行うことが可能になる。
代替案では、システム200によってさらに示されるように、データパケットを、オプションでコアネットワーク140とサービングセル120および補助セル130の両方との間でルーティングすることができる。サービングセル120と補助セル130との間のバックホールインターフェースを介するデータパケットの転送をやめることによって、バックホールインターフェースに対する負荷を減らすことができることを理解されたい。さらに、サービングセル120と補助セル130との間のバックホールインターフェースに対する負荷を減らすことが、バックホールインターフェースがコアネットワーク140または別の中央ルーティングステーションを介して情報を戻って転送することを介して実施されるスターネットワークおよび/または類似するネットワーク実施態様の場合ならびに/あるいは他の適切な場合に有益になり得ることを理解されたい。
さらに、データが、サービングセル120と補助セル130との両方に供給される場合には、制御プレーン情報の少なくとも一部を、コアネットワーク140および/またはUE110からサービングセル120だけにルーティングすることができ、このサービングセル120は、その後、関連する制御情報を補助セル130に渡すことができる。ソースセル120によって受信される制御情報は、たとえば、所与のスロットで所与のパケットを送信する要求、PDCCH割当てまたは許可、および/ならびに任意の他のタイプ(1つまたは複数)の制御情報とすることができる。したがって、この形での制御シグナリングの通信のために単一のセルを指定することによって、スケジューリング、誤り処理などの動作を、それぞれのセルの間の通信を必要とせずに単一のセルによって実行することができ、これによって、システム200および/またはシステム200内のセルの効率が高められる。
システム200に示された例に対する代替の例として、コアネットワーク140は、制御情報の第1の部分をサービングセル120と交換し、制御情報の第2のオーバーラップするまたはオーバーラップしない部分を補助セル130と交換することができる。したがって、たとえば、PDCCH割当てを、コアネットワーク140とサービングセル120との間で排他的に転送することができ、ACKまたは類似物などの他の制御情報を、コアネットワークとサービングセル120または補助セル130のいずれかとの間で転送することができる。同様に、システム200は、サービングセル120からUE110への単一の制御インターフェースを示すが、補助セル130が、さらに、いくつかの場合にUE110と制御情報を交換することができる。より具体的には、いくつかの場合に、補助セル130は、ワイヤレスで直接にUE110に制御情報(たとえば、許可、ACKなど)を送信し、受信するか、制御情報をサービングセル120を介してUE110にトンネリングさせるかのいずれかを行うことができる。たとえば、補助セル130によって検出されたビーム方向を示す許可を、補助セル130によってUE110にシグナリングすることができる。別の例では、UE110から受信されたACK情報を、補助セル130によって復号し、サービングセル120に渡すことができ、このサービングセル120は、後続送信をスケジューリングするのに、復号されたACK情報を利用することができる。
UE110とセル120〜130とコアネットワーク140との間のCoMP通信のもう1つの例として、図3のシステム300は、調整ビームフォーミング(CBF:coordinated beamforming)を使用して行われる例の通信セッションを示す。図3に示されているように、サービングセル120および補助セル130は、サービングセル120とUE110との間での通信に関してCBFを行うために協同することができる。たとえば、UE110および/またはコアネットワーク140は、通信セッションに関連してそれぞれのデータをサービングセル120と交換することができる。さらに、チャネル品質情報、UE110によって供給される干渉報告、UE110および/もしくはサービングセル120の位置に関する情報などのUE110および/またはサービングセル120に関連する制御情報に基づいて、サービングセル120および/またはUE110から離れて空間ビームを形成するように補助セル130を構成することができ、これによって、干渉が減り、UE110および/またはサービングセル120で観察されるSNRが改善される。
一例では、UE110に関連する制御情報を、サービングセル120で格納し、かつ/またはUE110によってサービングセル120に供給することができる。それに加えてまたはその代わりに、UE110に関連する制御情報を、サービングセル120とのバックホールリンクを介して補助セル130に供給し、かつ/またはオプションでUE110によって無線で供給することができる。
ここで図4〜6に移ると、UE110、サービングセル120、および補助セル130が動作できる形のさまざまな例を示すそれぞれのシステム400〜600が提供される。しかし、図4〜6およびそれに関連する説明が、限定ではなく例として提供されることと、任意の適切なデバイス実施態様(1つまたは複数)を、本明細書で説明される技法に関連して利用できることとを理解されたい。
図4を参照すると、CoMP通信を行う第1の例のシステム400は、サービングセルインターフェース412を介してサービングセル120とおよび/または補助セルインターフェース414を介して補助セル130と通信できるUE110を含むことができる。一態様によれば、UE110は、サービングセルインターフェース412を介するサービングセル120との制御情報の交換ならびに/あるいはサービングセルインターフェース412を介するサービングセル120とのおよび/または補助セルインターフェース414を介する補助セル130とのデータの交換を容易にすることができるルーティングモジュール430を含むことができる。
サービングセルインターフェース412を介してサービングセル120と交換される制御情報は、たとえば、PDCCH割当てプロセッサ420を使用してUE110で処理され得るPDCCH割当て情報を含むことができる。一例では、PDCCH割当て情報は、ビーム方向情報および/または任意の他の適切な情報を含むことができる。別の例では、UE110は、PDCCH割当て情報とは別個の情報をサービングセル120および/または補助セル130と交換することができる。たとえば、UE110を、データ/制御ソース440に関連するデータおよび/または制御情報をサービングセル120および/または補助セル130と交換するのに利用することができる。データ/制御ソース440に関連する情報は、たとえば、ACK情報、干渉情報(たとえば、干渉レポータ442によって識別される)などを含むことができる。
一例では、UE110を、サービングセル120および補助セル130によって協同して行われる少なくとも1つの送信でデータを交換するように動作可能とすることができる。したがって、第1の例では、UE110は、サービングセル120と補助セル130との間の共同送信で、サービングセル120と補助セル130との両方からのデータをルーティングモジュール430ならびにそれぞれのインターフェース412〜414を介して交換することができる。一例では、共同送信を、1つまたは複数の送信するエンティティ(たとえば、アップリンク送信の場合にはUE110、またはダウンリンク送信の場合にはセル120〜130)によってそれぞれのビームフォーミング重みを適用できる変調シンボルのセットを使用して行うことができる。別の例では、サービングセル120および/または補助セル130は、ダウンリンクでUE110に送信される変調シンボルに適用されるそれぞれのビームフォーミング重みを示す情報を提供することができる。同様に、UE110は、データ/制御ソース440および/または他の手段で格納された情報に基づいて、サービングセル120および/または補助セル130との通信の前にアップリンクで送信される情報に所定のスケジューリング、ビームフォーミング重みなどを適用するために、送信調整器450および/または任意の他の適切なコンポーネント(1つまたは複数)を利用することができる。
その代わりに、サービングセル120と補助セル130との間の協同送信の第2の例では、UE110は、上で図3に関して全体的に説明したように、セル120〜130の間で実行される協同ビームフォーミングまたは調整ビームフォーミングに基づいて、サービングセル120または補助セル130のうちの1つとデータを交換することができる。さらなる例では、UE110は、上で説明した機能および/またはUE110で実施されることが望まれる任意の他の機能の一部またはすべてを実施するように動作可能とすることができるプロセッサ462および/またはメモリ464を含むことができる。
次に図5を参照すると、CoMP通信を行う第2の例のシステム500は、UEインターフェース512を介してUE110と、補助セルインターフェース514を介して補助セル130と、および/またはコアネットワークインターフェース516を介してコアネットワーク140と通信できるサービングセル120を含むことができる。一態様によれば、サービングセル120は、UEインターフェース512を介する少なくとも1つのUE110との制御情報の交換を容易にするのに、ルーティングモジュール520および/または他の適切な手段を利用することができる。UE110と制御情報を交換する時に、サービングセル120は、さらに、UE110と交換される制御情報を、補助セルインターフェース514を介して補助セル130に示すことができる。図5によって示される1つの例では、サービングセル120とUE110との間で交換される制御情報は、コアネットワークインターフェース516を介してコアネットワーク140から受信され、かつ/またはサービングセル120でローカルに生成され(たとえば、かつ/または制御/データ送信装置530によって識別され)得るPDCCH割当て情報を含むことができる。識別されたPDCCH情報を、その後、それぞれのインターフェース512〜514を介してUE110および補助セル130に供給することができる。
別の態様によれば、サービングセル120は、ダウンリンクでコアネットワーク140(たとえば、サービングセル120とコアネットワーク140との間のS1−Uインターフェースおよび/または任意の他の適切な通信リンクを介して)、制御/データ送信装置530、および/または任意の他の適切なソース(1つまたは複数)からUE110に送信されるデータを識別することができる。UE110に送信されるデータの識別の際に、識別されたデータの少なくとも一部を、補助セル130との協同送信でルーティングモジュール520を介してUE110に送信することができる。一例では、サービングセル120は、補助セル130に供給されるそれぞれのデータを補助セル130との共同送信でUE110に送信できるように、識別されたデータの少なくとも一部を補助セル130に(たとえば、X2インターフェースおよび/または任意の他の適切なバックホールリンクを介して)供給することができる。その代わりに、補助セル130が、コアネットワーク140および/または任意の他の適切なソース(1つまたは複数)からの共同送信で通信されるデータを独立に受信することができる。
さらなる態様によれば、サービングセル120を、X2インターフェースおよび/またはサービングセル120と補助セル130との間の任意の他の適切なバックホールリンクもしくはインターフェースを介して補助セル130から制御情報を受信するように動作可能とすることができる。その後、サービングセル120は、受信された制御情報に基づいて、指定されたデータおよび/または制御情報をルーティングモジュール520を使用してUE110に送信することができる。たとえば、補助セル130から受信された制御情報がUE110に関連するACK情報を含む場合には、ルーティングモジュール520の送信スケジューラ522および/またはサービングセル120の別の適切なコンポーネントは、受信されたACK情報に基づいて、その後に指定されたデータおよび/または制御情報をUE110に送信するのに利用できる指定されたデータおよび/または制御情報の送信スケジュールを生成することができる。別の例では、サービングセル120を、データ、制御シグナリング、および/または他の情報をUE110から受信するように動作可能とすることができる。UE110からそのような情報を受信した時に、サービングセル120は、該情報を補助セル130、コアネットワーク140、および/または任意の他の適切なネットワークエンティティに中継する、および/または他の形で通信することができる。システム500によってさらに示されているように、サービングセル120は、上で説明した機能および/またはサービングセル120で実施されることが望まれる任意の他の機能の一部またはすべてを実施するように動作可能とすることができるプロセッサ542および/またはメモリ544を含むことができる。
図6に移ると、CoMP通信を行う第3の例のシステム600は、UEインターフェース612を介して少なくとも1つのUE110と、サービングセルインターフェース614を介してサービングセル120と、および/またはコアネットワークインターフェース616を介してコアネットワーク140と通信できる補助セル130を含むことができる。一態様によれば、補助セル130は、少なくとも1つのUE110に関連する制御情報のサービングセルインターフェース614を介するサービングセル120との交換を容易にするのに、ルーティングモジュール620および/または他の適切な手段を利用することができる。サービングセル120と制御情報を交換する際に、補助セル130は、交換される制御情報に基づいて、システム600内の1つまたは複数のエンティティ(たとえば、UE110、サービングセル120、コアネットワーク140など)と通信することができる。一例では、サービングセル120と交換される制御情報は、サービングセル120から受信されるPDCCH情報を含むことができる。それに加えてまたはその代わりに、補助セル130を、PDCCH割当て情報とは別個の制御情報をUE110および/またはシステム600内の任意の他のエンティティと交換するように動作可能とすることができる。
別の態様によれば、補助セル130は、UE110とサービングセル120および/または補助セル130との間の1つまたは複数の送信に関連してサービングセル120と協同することができる。一例では、補助セル130は、ダウンリンクでUE110に送信されるデータを識別し、交換される制御情報に従ってルーティングモジュール620を使用して、識別されたデータの少なくとも一部をUE110に送信することができる。補助セル130によって送信されるデータを、任意の適切な手段によって入手することができる。たとえば、ダウンリンクでUE110に送信されるデータの少なくとも一部を、サービングセル120と補助セル130との間のX2インターフェースおよび/または任意の他の適切なバックホールリンクもしくはインターフェースを介してサービングセル120から受信し、補助セル130とコアネットワーク140との間のS1−Uインターフェースおよび/または任意の他の適切なE−UTRANもしくは他のインターフェースを介してコアネットワーク140から受信する、および/または任意の他の適切な手段によって入手することができる。別の例では、UE110に送信されるデータを入手する際に、補助セル130は、サービングセル120との協同送信または共同送信でUEにそれぞれのデータを送信することができる。さらに、アップリンクでは、補助セル130は、補助セル130に排他的にならびに/または補助セル130およびシステム600内の1つまたは複数の他のエンティティに少なくとも1つのUE110によって通信できるデータをその少なくとも1つのUE110から受信することができる。UE(1つまたは複数)110からデータを受信する時に、補助セル130は、受信されたデータの少なくとも一部をサービングセル120、コアネットワーク140、および/または任意の他の適切なネットワークエンティティに通信するか中継することができる。
さらなる態様によれば、補助セル130は、少なくとも1つのUE110に関連する制御情報を生成する、および/または他の形で入手することができる。次に、補助セル130によって識別された制御情報を、サービングセル120へのバックホールインターフェース(たとえば、X2インターフェースなど)を介しておよび/または任意の他の手段によってサービングセル120にトンネリングすることができる。さらに別の例では、補助セル130は、UE110で観察された干渉に関連する制御情報を交換する、および/または他の形で識別することができる。識別された制御情報に基づいて、ビームフォーミング調整器632および/または補助セル130にある別の適切な機構は、サービングセル120および/またはシステム600内の1つまたは複数の他のエンティティとのCBFおよび/または他の類似する手順を実行することができる。ビームフォーミング調整器632は、たとえば、UE110で観察される干渉を実質的に最小にするためにそれぞれの送信パラメータを選択することと、選択された送信パラメータに従って通信を向けること(たとえば、インターフェース612〜616および/または汎用送信機634を介して)とによって、CBFを容易にすることができる。ビームフォーミング調整器632によって選択される送信パラメータは、たとえば、送信電力パラメータ、ビーム方向パラメータなどを含むことができる。システム600によってさらに示されるように、補助セル130は、上で説明した機能および/または補助セル130で実施されることが望まれる任意の他の機能の一部またはすべてを実施するように動作可能とすることができるプロセッサ642および/またはメモリ644を含むことができる。
ここで図7〜14を参照すると、本明細書で示されるさまざま態様に従って実行できる方法が示されている。説明の単純さのために、方法は、一連の行為として図示され、説明されるが、一部の行為が、1つまたは複数の態様に従って、図示され本明細書で説明されるものとは異なる順序でおよび/または他の行為と同時に発生し得るので、方法が行為の順序によって制限されないことを了解し理解(understood and appreciated)されたい。たとえば、当業者は、方法を、その代わりに状態図など、一連の相互に関係する状態またはイベントとして表すことができることを了解し理解(understand and appreciate)であろう。さらに、示されるすべての行為が、1つまたは複数の態様による方法を実施するのに必要とは限らない場合がある。
図7を参照すると、ワイヤレス通信環境内のそれぞれのネットワークセル(たとえば、セル120〜130)との調整された送信を行う方法700が示されている。方法700を、たとえば端末(たとえば、UE110)および/または任意の他の適切なネットワークデバイスによって実行できることを理解されたい。方法700は、ブロック702で開始され、ここでは、サービングネットワークセル(たとえば、サービングセル120)および補助ネットワークセル(たとえば、補助セル130)が識別される。次に、ブロック704で、制御情報が、少なくともサービングネットワークセルと交換される。次に、方法700は、ブロック706で終了し、ここでは、データが、サービングネットワークセルおよび補助ネットワークセルによって協同して行われる少なくとも1つの送信で交換される。
ここで図8に移ると、ワイヤレス通信環境内のそれぞれのネットワークセルとの調整された送信を行う別の方法800のフローチャートが示されている。方法800を、たとえばUEおよび/または任意の他の適切なネットワークエンティティによって実行することができる。方法800は、ブロック802で開始され、ここでは、サービングネットワークセルおよび補助ネットワークセルが識別される。次に、ブロック804で、PDCCH割当て情報が、サービングネットワークセルと交換される。次に、方法800は、終了することができ、あるいは、オプションで、終了の前にブロック806に進むことができ、ブロック806では、ACK情報および/またはブロック804で交換されたPDCCH割当て情報とは別個の他の制御情報が、サービングネットワークセルおよび/または補助ネットワークセルから交換される。
図9は、ワイヤレス通信環境内の端末(たとえば、UE110)および補助ネットワークセル(たとえば、補助セル130)との通信を調整する方法900を示す。方法900を、たとえばワイヤレスネットワークセル(たとえば、サービングセル120)および/または任意の他の適切なネットワークエンティティによって実行することができる。方法900は、ブロック902で開始され、ここでは、制御情報が、少なくとも1つのUEと交換される。次に、方法900は、ブロック904で終了することができ、ここでは、ブロック902で交換された制御情報が、少なくとも補助ネットワークセルに示される。
図10を参照すると、ワイヤレス通信環境内の端末および補助ネットワークセルとの通信を調整する別の方法1000が示されている。方法1000を、たとえばサービングネットワークセルおよび/または任意の他の適切なネットワークエンティティによって実行できることを理解されたい。方法1000は、ブロック1002で開始され、ここでは、PDCCH割当て情報および/または他の制御情報が、少なくとも1つのUEと交換される。次に、ブロック1004で、その少なくとも1つのUEに送信されるデータが識別される。次に、方法1000は、オプションでブロック1006に進むことができ、ここでは、ブロック1004で識別されたデータの少なくとも一部が、補助ネットワークセルに供給される。ブロック1004および/または1006で説明した行為の完了時に、方法1000は、ブロック1008で終了することができ、ここでは、ブロック1004で識別されたデータの少なくとも一部が、補助ネットワークセルとの協同送信でその少なくとも1つのUEに送信される。
次に図11に移ると、ワイヤレス通信環境内の端末および補助ネットワークセルとの通信を調整する追加の方法1100が示されている。方法1100を、たとえば、サービングネットワークセルおよび/または任意の他の適切なネットワークエンティティによって実行することができる。方法1100は、ブロック1102で開始され、ここでは、少なくとも1つのUEに対応する制御情報が、補助ネットワークセルおよび/またはコアネットワーク(たとえば、コアネットワーク140)から受信される。次に、方法1100は、ブロック1104で終了することができ、ここでは、指定されたデータおよび/または制御情報が、ブロック1102で受信された制御情報に少なくとも部分的に基づいて、その少なくとも1つのUEに送信される。
図12は、ワイヤレス通信環境内の端末(たとえば、UE110)およびその端末のサービングネットワークセル(たとえば、サービングセル120)との通信を調整する方法1200を示す。方法1200を、たとえば、ワイヤレスネットワークセル(たとえば、補助セル130)および/または任意の他の適切なネットワークエンティティによって実行することができる。方法1200は、ブロック1202で開始され、ここでは、少なくとも1つのUEに関連する制御情報が、その少なくとも1つのUEのサービングネットワークセルと交換される。次に、方法1200は、ブロック1204で終了することができ、ここでは、通信が、ブロック1202で交換された制御情報に従って行われる。
図13を参照すると、ワイヤレス通信環境内の端末およびその端末のサービングネットワークセルとの通信を調整する別の方法1300が示されている。方法1300を、たとえば、補助ネットワークセルおよび/または任意の他の適切なネットワークエンティティによって実行できることを理解されたい。方法1300は、ブロック1302で開始され、ここでは、少なくとも1つのUEに関連する制御情報が、その少なくとも1つのUEのサービングネットワークセルと交換される。次に、ブロック1304で、その少なくとも1つのUEに送信されるデータが、その少なくとも1つのUEのサービングネットワークセルおよび/または関連するコアネットワーク(たとえば、コアネットワーク140)から識別される。次に、方法1300は、ブロック1306で終了することができ、ここでは、識別されたデータの少なくとも一部が、ブロック1302で交換された制御情報に従って、その少なくとも1つのUEのサービングネットワークセルとの協同送信でその少なくとも1つのUEに送信される。
図14に移ると、ワイヤレス通信環境内の端末およびその端末のサービングネットワークセルとの通信を調整する追加の方法1400が示されている。方法1400を、たとえば、指定された補助ネットワークセルおよび/または任意の他の適切なネットワークエンティティによって実行することができる。方法1400は、ブロック1402で開始され、ここでは、少なくとも1つのUEに関連する制御情報が識別される。次に、方法1400は、オプションでブロック1404に進むことができ、ここでは、識別された制御情報の少なくとも一部が、バックホールインターフェースを使用して、その少なくとも1つのUEのサービングネットワークセルにトンネリングされる。ブロック1402および/または1404で説明した行為の完了時に、方法1400は、ブロック1406に継続することができ、ここでは、1つまたは複数の送信パラメータが、識別された制御情報に基づいて選択される。次に、方法1400は、ブロック1408で終了することができ、ここでは、通信が、ブロック1406で選択された送信パラメータ(1つまたは複数)に従って行われる。
次に、図15〜19を参照すると、本明細書で説明されるさまざまな態様を実施するのに利用できるそれぞれの装置1500〜1900が示されている。装置1500〜1900が、プロセッサ、ソフトウェア、またはその組合せ(たとえば、ファームウェア)によって実施される機能を表す機能ブロックとすることができる機能ブロックを含むものとして表されていることを理解されたい。
まず図15に移ると、ワイヤレス通信ネットワーク内の協同通信を容易にする装置1500が示されている。装置1500を、UE(たとえば、UE110)および/または別の適切なネットワークエンティティによって実施することができ、装置1500は、サービングセルとの1つまたは複数の制御通信を行うモジュール1502と、サービングセルおよび少なくとも補助セルによって協同して実行される1つまたは複数のデータ通信を行うモジュール1504とを含むことができる。
図16は、ワイヤレス通信ネットワーク内の協同通信を容易にする別の装置1600を示す。装置1600を、指定されたサービングネットワークセル(たとえば、サービングセル120)および/または別の適切なネットワークエンティティによって実施することができ、装置1600は、少なくとも1つの端末との1つまたは複数の制御通信を行うモジュール1602と、その1つまたは複数の制御通信を補助セルに示すモジュール1604とを含むことができる。
図17を参照すると、ワイヤレス通信ネットワーク内の協同通信を容易にする第3の例の装置1700が示されている。装置1700を、指定された補助ネットワークセル(たとえば、補助セル130)および/または別の適切なネットワークエンティティによって実施することができ、装置1700は、少なくとも1つの端末に関連する制御情報の、その端末のサービングセルとの1つまたは複数の通信を行うモジュール1702と、その1つまたは複数の制御通信に少なくとも部分的に基づいてそれぞれの後続通信を管理するモジュール1704とを含むことができる。
図18は、ワイヤレス通信ネットワーク内の協同通信を容易にする第4の例の装置1800を示す。装置1800を、1つまたは複数のユーザのサービングネットワークセルとして構成されたネットワークセル(たとえば、サービングセル120)および/または別の適切なネットワークエンティティによって実施することができ、装置1800は、制御シグナリングまたはデータの第1のセットを少なくとも1つのUE(たとえば、UE110)と交換するモジュール1802と、制御シグナリングまたはデータの第2のセットをコアネットワークエンティティ(たとえば、コアネットワーク140)と交換するモジュール1804と、制御シグナリングまたはデータの第1のセットまたは第2のセットのうちの少なくとも1つを補助ネットワークセル(たとえば、補助セル130)に示すモジュール1806と、を含むことができる。
次に図19を参照すると、ワイヤレス通信ネットワーク内の協同通信を容易にする第5の例の装置1900が示されている。装置1900を、補助ネットワークセルとして構成されたネットワークセル(たとえば、補助セル130)および/または別の適切なネットワークエンティティによって実施することができ、装置1900は、制御情報および/またはデータを少なくとも1つのUEと交換するモジュール1902と、制御情報および/またはデータをコアネットワークと交換するモジュール1904と、交換された制御情報および/またはデータの少なくとも一部をその少なくとも1つのUEのサービングネットワークセルに示すモジュール1906と、を含むことができる。
図20に移ると、例のワイヤレス通信システム2000が示されている。一例では、システム2000を、複数のユーザをサポートするように構成することができ、このシステム2000では、さまざまな開示される実施形態および態様を実施することができる。図20に示されているように、たとえば、システム2000は、複数のセル2002(たとえば、マクロセル2002a〜2002g)に通信を提供することができ、それぞれのセルは、対応するアクセスポイント(AP)2004(たとえば、AP 2004a〜2004g)によってサービスされる。一例では、1つまたは複数のセルを、さらに、それぞれのセクタ(図示せず)に分割することができる。本明細書で使用される時に、APを、基地局、ノードB、eNB(Evolved Node B)などと称することもできる。
図20にさらに示されているように、アクセス端末(AT)2006a〜2006kを含むさまざまなAT2006を、システム2000全体に散在させることができる。本明細書で使用される時に、ATを、端末、ユーザ、UEなどとも称することができる。一例では、AT2006は、そのATがアクティブであるかどうかおよびそのATがソフトハンドオフ状態および/または別の類似する状態であるかどうかに依存して、所与の瞬間に順方向リンク(FL)および/または逆方向リンク(RL)で1つまたは複数のAP2004と通信することができる。本明細書で使用される時に、および一般に当技術分野で、AT 2006を、ユーザ機器(UE)、移動体端末、および/または任意の他の適切な術語で呼ぶこともできる。一態様によれば、システム2000は、実質的に大きい地理的領域にわたってサービスを提供することができる。たとえば、マクロセル2002a〜2002gは、近傍内の複数のブロックのカバレージおよび/または別の同様に適切なカバレージエリアを提供することができる。
ここで図21を参照すると、本明細書で説明されるさまざまな態様がその中で機能できる例のワイヤレス通信システム2100を示すブロック図が提供される。一例では、システム2100は、送信機システム2110および受信機システム2150を含む多入力多出力(MIMO)システムである。しかし、送信機システム2110および/または受信機システム2150を、たとえば複数の送信アンテナ(たとえば、基地局上の)が単一アンテナデバイス(たとえば、移動局)に1つまたは複数のシンボルストリームを送信できる、多入力単一出力システムに適用することもできることを理解されたい。さらに、本明細書で説明される送信機システム2110および/または受信機システム2150の諸態様を、単一入力アンテナシステムへの単一出力に関連して利用できることを理解されたい。
一態様によれば、複数のデータストリームのトラフィックデータが、送信機システム2110で、データ送信装置2112から送信(TX)データプロセッサ2114に供給される。一例では、各データストリームを、それぞれの送信アンテナ2124を介して送信することができる。さらに、TXデータプロセッサ2114は、コーディングされたデータを提供するために、各それぞれのデータストリームについて選択された特定のコーディングスキームに基づいて、各データストリームのトラフィックデータをフォーマットし、符号化し、インターリーブすることができる。一例では、各データストリームのコーディングされたデータを、直交周波数分割多重技法を使用してパイロットデータと多重化することができる。パイロットデータは、たとえば、既知の形で処理される既知のデータパターンとすることができる。さらに、パイロットデータを、チャネル応答を推定するために受信機システム2150で使用することができる。送信機システム2110に戻って、各データストリームの多重化されたパイロットデータおよびコーディングされたデータを、変調シンボルを提供するために各それぞれのデータストリームについて選択された特定の変調スキーム(たとえば、BPSK、QSPK、M−PSK、またはM−QAM)に基づいて変調(すなわち、シンボルマッピング)することができる。一例では、各データストリームのデータレート、コーディング、および変調を、プロセッサ2130によって実行され、かつ/または供給される命令によって決定することができる。
次に、すべてのデータストリームの変調シンボルを、変調シンボル(たとえば、直交周波数分割多重に関する)をさらに処理できるTXプロセッサ2120に供給することができる。TX MIMOプロセッサ2120は、NT個の変調シンボルストリームをNT個のトランシーバ2122aから2122tに供給する。一例では、各トランシーバ2122は、1つまたは複数のアナログ信号を供給するためにそれぞれのシンボルストリームを受信し、処理することができる。次に、各トランシーバ2122は、MIMOチャネルを介する送信に適切な変調された信号を供給するために、アナログ信号をさらに調整する(たとえば、増幅し、フィルタリングし、アップコンバートする)ことができる。したがって、トランシーバ2122aから2122tからのNT個の変調された信号を、それぞれNT個のアンテナ2124aから2124tから送信することができる。
別の態様によれば、送信された変調された信号を、NR個のアンテナ2152aから2152rによって受信機システム2150で受信することができる。次に、各アンテナ2152からの受信信号を、それぞれのトランシーバ2154に供給することができる。一例では、各トランシーバ2154は、それぞれの受信信号を調整し(たとえば、フィルタリングし、増幅し、ダウンコンバートし)、サンプルを供給するために条件付けられた信号をデジタル化し、その後、対応する「受信」シンボルストリームを供給するためにサンプルを処理することができる。次に、RX MIMO/データプロセッサ2160は、NT個の「検出された」シンボルストリームを供給するために、特定の受信機処理技法に基づいて、NR個の受信シンボルストリームをNR個のトランシーバ2154から受信し、処理することができる。一例では、各検出されたシンボルストリームは、対応するデータストリームのために送信された変調シンボルの推定値であるシンボルを含むことができる。次に、RXプロセッサ2160は、対応するデータストリームのトラフィックデータを回復するために、少なくとも部分的に、各検出されたシンボルストリームを復調し、デインタリーブし、復号することによって、各シンボルストリームを処理することができる。したがって、RXプロセッサ2160による処理は、送信機システム2110でTX MIMOプロセッサ2120およびTXデータプロセッサ2116によって実行される処理に相補的とすることができる。RXプロセッサ2160は、さらに、処理されたシンボルストリームをデータシンク2164に供給することができる。
一態様によれば、RXプロセッサ2160によって生成されたチャネル応答推定値を、受信機で空間/時間処理を実行し、電力レベルを調整し、変調レートもしくは変調スキームを変更し、および/または他の適切なアクションのために使用することができる。さらに、RXプロセッサ2160は、たとえば検出されたシンボルストリームの信号対雑音干渉比(SNR:signal-to-noise-and-interference ratio)などのチャネル特性をさらに推定することができる。次に、RXプロセッサ2160は、推定されたチャネル特性をプロセッサ2170に供給することができる。一例では、RXプロセッサ2160および/またはプロセッサ2170は、さらに、システムの「動作」SNRの推定値を導出することができる。次に、プロセッサ2170は、通信リンクおよび/または受信されたデータ流れに関する情報を備えることができるCSI(channel state information)を供給することができる。この情報は、たとえば、動作SNRを含むことができる。次に、CSIを、TXデータプロセッサ2118によって処理し、変調器2180によって変調し、トランシーバ2154aから2154rによって条件付け、送信機システム2110に戻って送信することができる。さらに、受信機システム2150のデータ送信装置2116は、TXデータプロセッサ2118によって処理されるべき追加データを供給することができる。
送信機システム2110に戻って、受信機システム2150によって報告されたCSIを回復するために、受信機システム2150からの変調された信号を、アンテナ2124によって受信し、トランシーバ2122によって条件付け、復調器2140によって復調し、RXデータプロセッサ2142によって処理することができる。一例では、次に、報告されたCSIを、プロセッサ2130に供給し、データレートならびに1つまたは複数のデータストリームに使用されるコーディングスキームおよび変調スキームを判定するのに使用することができる。次に、判定されたコーディングスキームおよび変調スキームを、量子化および/または受信機システム2150への後の送信での使用のために、トランシーバ2122に供給することができる。それに加えておよび/またはその代わりに、報告されたCSIを、TXデータプロセッサ2114およびTX MIMOプロセッサ2120に関するさまざまな制御を生成するためにプロセッサ2130によって使用することができる。別の例では、CSIおよび/またはRXデータプロセッサ2142によって処理された他の情報を、データ受信装置2144に供給することができる。
一例では、送信機システム2110のプロセッサ2130および受信機システム2150のプロセッサ2170は、そのそれぞれのシステムで動作を指示する。さらに、送信機システム2110のメモリ2132および受信機システム2150のメモリ2172は、それぞれプロセッサ2130および2170によって使用されるプログラムコードおよびデータのストレージを提供することができる。さらに、受信機システム2150では、さまざまな処理技法を、NT個の送信されるシンボルストリームを検出するためにNR個の受信信号を処理するのに使用することができる。これらの受信機処理技法は、等化技法と呼ぶこともできる空間受信機処理技法および時空間受信機処理技法、ならびに/あるいは「連続干渉除去」受信機処理技法または「連続キャンセル」受信機処理技法と呼ぶこともできる「連続ヌリング/等化および干渉除去(successive nulling/equalization and interference cancellation)」受信機処理技法を含むことができる。
本明細書で説明された諸態様を、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、またはその任意の組合せによって実施できることを理解されたい。システムおよび/または方法が、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェアもしくはマイクロコード、プログラムコード、またはコードセグメントで実施される時に、システムおよび/または方法を、ストレージコンポーネントなどの機械可読媒体に格納することができる。コードセグメントは、プロシージャ、関数、サブプログラム、プログラム、ルーチン、サブルーチン、モジュール、ソフトウェアパッケージ、クラス、または命令、データ構造、もしくはプログラムステートメントの任意の組合せを表すことができる。コードセグメントを、情報、データ、引数、パラメータ、またはメモリ内容をパスすることおよび/または受信することによって、別のコードセグメントまたはハードウェア回路に結合することができる。情報、引数、パラメータ、データなどを、メモリ共用、メッセージパッシング、トークンパッシング、ネットワーク送信などを含む任意の適切な手段を使用して、パスし、転送し、または送信することができる。
ソフトウェア実施態様について、本明細書で説明される技法を、本明細書で説明される機能を実行するモジュール(たとえば、プロシージャ、関数など)を用いて実施することができる。ソフトウェアコードを、メモリユニット内に格納し、プロセッサによって実行することができる。メモリユニットを、プロセッサ内またはプロセッサの外部で実施することができ、後者の場合に、メモリユニットを、当技術分野で既知のように、さまざまな手段を介してプロセッサに通信的に結合することができる。
上で説明されたものは、1つまたは複数の態様の例を含む。もちろん、前述の態様の説明においてコンポーネントまたは方法のすべての考えられる組合せを記述することは不可能であるが、当業者は、さまざまな態様の多数のさらなる組合せおよび置換が可能であることを認めるであろう。したがって、説明された態様は、添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲に含まれるすべてのそのような代替形態、修正形態、および変形形態を包含することが意図されている。さらに、用語「含む(includes)」が、この詳細な説明または特許請求の範囲のいずれかで使用される範囲で、そのような用語は、用語「備える(comprising)」が特許請求の範囲で前後を接続させる語として使用される時に「備える(comprising)」が解釈されるのに似た形で包括的であることが意図されている。さらに、この詳細な説明または特許請求の範囲のいずれかで使用される時の用語「または」は、「非排他的なまたは」であることが意図されている。