JP2011529479A - アドレノメデュリン受容体と結合する抗体及びその薬剤としての使用 - Google Patents

アドレノメデュリン受容体と結合する抗体及びその薬剤としての使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、アドレノメデュリン受容体を形成するタンパク質に結合する抗体、及び薬剤としてのその使用に関する。
【選択図】図1

Description

本発明は、特に腫瘍の治療を意図する医薬として用いられる抗体の分野に関する。より具体的には、本発明は、アドレノメデュリン受容体を形成するタンパク質と結合する抗体及びその医薬としての使用に関する。
血管新生(angiogenesis)は、新たな血管を形成する基本プロセスである。このプロセスは、組織中への血管内皮細胞の遊走と、その後のこれら内皮細胞の血管への組織化を含む。
血管新生は、腫瘍成長及び転移の発生に決定的役割を果たす。健常組織では、血管新生促進因子と抗血管新生因子との間に平衡が存在する;腫瘍プロセスではこれら因子が発現されるか又は調節されなくなる(Hanahan及びFolkman, Cell, 1996, 86:353-364)。ある腫瘍容積を超えると、腫瘍の成長には、必要な酸素及び栄養を腫瘍にもたらす新生血管形成(neovascularization)の発生が必要となる。腫瘍細胞自体が血管新生因子を分泌し、腫瘍血管新生の発生に必要なこれら因子のバイオアベイラビリティーを増加させるために、微小環境を刺激する。
長年、高度に発達した血管網が腫瘍に存在することが知られている。1971年には早くも、Folkman(N Engl J Med., 1971, 285:1182-6)は、腫瘍成長が新生血管形成(血管新生)に依存しており、潜伏期から攻撃期への変化が、腫瘍を起源とする拡散性物質による新生血管形成により直接制御されているという仮説を提唱した。
血管新生の制御には幾つかの因子が関与する。これは、血管新生促進因子(例えば、血管内皮増殖因子(VEGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、上皮成長因子(EGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、アンジオポエチン又はアンジオゲニン)と抗血管新生因子(例えばエンドスタチン及びアンジオスタチン、トロンボスポンディン、バソスタチン、プロラクチン又はインターフェロン)との間のバランスの平衡異常が誘因となる。
腫瘍細胞だけでなく、腫瘍微小環境に存在する炎症細胞、マクロファージ、リンパ球及び筋線維芽細胞も血管新生因子を分泌する。
血管新生の間を2つの期に区別することが一般的である。第1の期は、既存の組織血管形成の脱安定化と既存の血管を取り囲む基底膜の破壊とを含み、内皮細胞の増殖及び遊走と毛細管構造を提供する分化とを必要とする誘導期である。第2の期は安定化/成熟期であり、この期の間に、血管周囲細胞(周皮細胞)が動員されて新生毛細管の安定化をもたらし、基底膜が再構成される(Hanahan及びFolkman, 1996, 前出)。
現在では、腫瘍成長及び転移形成が血管新生に直接依存することが十分に確立されている。このことは、血管新生の阻害が、腫瘍の進行を妨げ転移拡散を制御する効果的なアプローチとなり得ることを示唆する。
ヒトのクロム親和性細胞腫(副腎髄質の癌)から単離されたアドレノメデュリン(AM)は、オートクリン/パラクリンホルモンとして局所的に作用し複数の生物学的作用を示す血管作用性ペプチドである(Hinsonら, Endocr Rev., 2000, 21:138-67;Caron及びSmithies, Proc Natl Acad Sci USA, 2001, 98:615-619;Shindoら, Circulation, 2001, 104:1964-1971)。
幾つかの研究が、アドレノメデュリン結合部位は、ほとんどの組織の細胞、例えば心臓、腎臓、脳、肺及び副腎の細胞に存在することを示している。結合部位は腫瘍間質細胞にも存在する。腫瘍成長におけるアドレノメデュリンの役割も示されている(Ouafikら, Am J Pathol., 2002, 160:1279-92;Martinezら, J Natl Cancer Inst, 2002, 94:1226-37;Oehlerら, Oncogene, 2001, 20:2937-45;Ishikawaら, Oncogene, 2003, 22:1238-1242)。
このペプチドはまた、虚血に応答しての血管リモデリングの間、女性の生殖系において、胚の血管発生の間並びに胎盤の発達及び血管形成(vascularization)の間の血管新生の調節において正の役割を演じ得る。
最近、幾つかのチームが、内皮細胞の増殖、遊走及び浸潤に対するアドレノメデュリンの役割を示している(Ouafikら, 2002, 前出;Kimら, FASEB J., 2003, 17:1937-9;Fernandez-Sauzeら, Int J Cancer, 2004, 108:797-804)。
インビボ及びインビトロの血管新生試験により、アドレノメデュリンが、VEGFに依存しない、細管への内皮細胞の再組織化からなる新生血管形成の最終ステップの1つに対して作用することが示されている(Fernandez-Sauzeら, 2004, 前出)。
幾つかの研究が、アドレノメデュリンは、ほとんどの腫瘍(胸部、前立腺、結腸、肺、腎臓、気道、膀胱)において血管新生特性を有することを示している(Ouafikら, 2002, 前出;Fernandez-Sauzeら, 2004, 前出;Nikitenkoら, Br J Cancer, 2006, 94:1-7)。ヘテロ接合体のアドレノメデュリン+/−マウスにおいて、腫瘍容積は、野生型マウスと比較して減少する(Iimuroら, Cir. Res., 2004, 95:415-423)。この効果は新生血管形成の減少に関係する。アドレノメデュリンの作用をアンタゴニスト(アドレノメデュリン22-52)で遮断すると、異種移植した膵臓腫瘍の成長は、腫瘍血管形成が脱安定化されることにより阻害される(Ishikawaら, Oncogene, 2003, 22:1238-1242)。同様の効果が、神経膠腫瘍細胞から発生した異種移植片において観察されている(Ouafikら, 2002, 前出)。
AMBP-1(アドレノメデュリン結合タンパク質-1)血清タンパク質の発見は、アドレノメデュリンのバイオアベイラビリティーの調節を示唆する。AMBP-1は、ヒト補体因子Hであると記載され、特徴付けられている。一般に、結合タンパク質は、間質腔におけるペプチドの輸送及びその特異的受容体への接近を制限する。これらはまた、ペプチドの生物活性を調整し、該ペプチドをプロテアーゼによる代謝的クリアランスから保護して、血流中での半減期を延長させる。
アドレノメデュリン受容体(AMR)は、少なくとも2つのタンパク質CRLR(カルシトニン受容体様受容体)及びRAMPタンパク質(受容体活性改変タンパク質)の会合体から構成される多タンパク質複合体である(McLatchieら, Nature, 1998, 6683:333-9)。
CRLR受容体は1993年に単離された(Njukiら, Clin Sci., 1993 4:385-8;Changら, Neuron., 1993, 6:1187-95)。これは、7つの膜貫通Gタンパク質共役ドメインを含んでなる。CRLR配列は、1996年にヒト(Aiyarら, J Biol Chem., 1996, 19:11325-9)で、1998年にブタ(Elshourbagyら, Endocrinology, 1998, 4:1678-83)で確立された。CRLRは、GPCR(Gタンパク質共役受容体)クラスIIに属する。このクラスは、グルカゴン及びグルカゴン様ペプチド(GLP)、セクレチン、副甲状腺ホルモン又はカルシトニンのようなペプチドの受容体の一群である。GPCRは、天然のポリペプチドであり、リガンド結合部位と7ヘリックス膜貫通部分と受容体で受け取ったシグナルを伝達及び増幅するGタンパク質と接触している細胞間部分とを有する細胞外部分を含んでなる。3つの細胞外ループ(E1、E2及びE3と呼ばれる)及び3つの細胞内ループ(I1、I2及びI3)が観察できる(Bockaert及びPin, Embo J., 1999, 18:1723-1729)。これらタンパク質は、翻訳後修飾、例えばN-グリコシル化又は偽の第4細胞内ループ(I4)を時に形成する脂質化合物によるアセチル化に付されることがある(Assieら, EMC-Endocrinologie, 2004, 1:169-199)。
アドレノメデュリンのCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)との相同性及びそれがカルシトニン/CGRP/アミリンペプチドファミリーに属することの結果として、数年にわたり、アドレノメデュリン受容体の正確な性質に関していくらかの混乱があった。1998年に、McLatchieら(前出の文献)は、CRLR受容体が、単一膜貫通ドメインを有する160アミノ酸(14〜21Kda)のタンパク質ファミリー(RAMPと呼ばれる)との会合により、2つの薬理学的に異なる受容体を生成できることを示した。CRLRは、RAMPタンパク質との二量体の状態でのみ、正しく機能的である。
RAMPの3つのタンパク質アイソフォームRAMP1、2及び3が存在する。これらタンパク質は、互いに30%未満の配列同一性を有するが、構造的機構の類似性を有する。ヒトでは、RAMP1、RAMP2及びRAMP3をコードする遺伝子は、それぞれ第2、第17及び第7染色体に保持されている。RAMPタンパク質は単一の膜貫通ドメインからなる。細胞外N末端は比較的長く、受容体(CGRP又はアドレノメデュリン)の特化及び機能性に重要な役割を果たす(Kuwasakoら, J Biol Chem., 2001, 275:29602-9)。
2つの必須機能:受容体決定及び細胞内輸送は、RAMPタンパク質に帰せられる。
− 受容体決定:RAMPタンパク質の基本的役割は、細胞表面で直接相互作用するリガンドの特異性を規定することである。RAMP1は、CGRP受容体を形成するように、CRLRを成熟糖タンパク質として提示する。同様に、RAMP2及びRAMP3は、アドレノメデュリン受容体を形成するように、CRLRを成熟糖タンパク質として提示する。よって、或る細胞タイプに存在するRAMPタンパク質の性質、種々のパートナー(CRLR、RAMP1、RAMP2、RAMP3)間で確立されるタンパク質相互作用及び各タンパク質の割合により、細胞は、種々のニューロペプチドに特異的に応答するようになる(Buhlmannら, FEBS Lett., 2000, 486:320-4;Chakravartyら, Br J Pharmacol., 2000, 130:189-95)。
− 細胞内輸送:CRLRは、その細胞質膜への輸送にRAMPタンパク質との共発現を必要とする(Sextonら, Cell Signal, 2001, 13:73-83)。逆に、以下のことも言える:RAMPタンパク質は、その細胞表面への転位にCRLRが必要である(Flahautら, J Biol Chem., 2002, 277:14731-7)。
充実性腫瘍の成長は、腫瘍内機構及び腫瘍と周辺組織との間の相互作用により制御される。静止期では、血管はほとんど検出されない。一方、成長期及び浸潤期の間には、甚大な量の血管新生が存在する。腫瘍成長と腫瘍内毛細管の数との間には、密接な相関関係が存在する。よって、血管新生依存性の充実性腫瘍は、潜伏性の血管新生前期及び侵襲血管新生期を示す。
腫瘍、特に充実性腫瘍の治療は、主に、外科処置、放射線療法及び化学療法に基づく。しかし、これら分野で得られた進歩及び有望な結果にもかかわらず、中でも標的療法の分野において、治療効力を増大させるために、特に治療に対する耐性及び/又は大きすぎる有害効果が出現する場合には、利用可能な抗癌剤とは異なる作用機序を有する新たな抗癌剤を得ることが必須であることが示されている。
増殖性細胞の破壊を狙いとする療法(化学療法)及びホルモン依存性の癌(胸部癌、前立腺癌)に関するホルモン療法と並んで、標的療法は、腫瘍発達に寄与する全ての経路、例えば増殖シグナル、細胞周期、アポトーシス、浸潤又は血管新生を狙いとする(Folkman, Nat Rev Drug Discov., 2007, 6:273-286;Neri及びBicknell, Nat Rev Cancer, 2005, 5:436-446)。
VEGF及びFGF-2のような血管新生因子のmRNAの過剰発現に伴う腫瘍新血管新生の存在が、幾つかの製薬会社による阻害剤(特異抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、薬理学的阻害剤)の開発に繋がっている。現在臨床試験を受けている幾らかの分子は、従来の治療とともに治療プロトコルに含まれている。
しかし、腫瘍を治療するための抗VEGF抗体の使用は、良好な結果(腫瘍成長の迅速な停止)を与えるとしても、かなりの毒性効果を有することが知られている。加えて、治療停止後に程度の差はあれ短期間で再発(腫瘍成長の再開)が生じ得る。更に、これら治療は、内皮細胞を狙いとするが、機能的新血管新生の確立に関与する腫瘍間質の細胞全てを狙いとしているわけではない。
したがって、腫瘍成長をブロックし若しくは阻害さえし及び/又は腫瘍サイズを退縮させることを狙いとする効果的な治療が依然として必要なままである。
この関係において、治療目的でアドレノメデュリンをその受容体を介して標的することは、内皮細胞に関連し、VEGFとは異なり、腫瘍細胞及び間質の全ての細胞(特に周皮細胞)にも関連する作用機序のおかげで、当該アプローチを構成する。
よって、Fernandez-Sauzeら(2004, 前出)は、インビトロにおいて、一方では抗CRLR/抗RAMP2ポリクローナル抗体の混合物が、他方では抗CRLR/抗RAMP3ポリクローナル抗体の混合物が、アドレノメデュリンとその幾つかの細胞タイプ上の受容体との特異的結合を阻害し血管形成をブロックすることを示している。より最近では、国際出願WO2007/045927に、RAMP2又はRAMP3ヒトタンパク質と特異的に結合する抗体を含む医薬組成物が、例えば血管新生又は癌細胞増殖の阻害を介して、癌の治療又は予防に有用であり得ることについて記載されている。
本発明者らは、アドレノメデュリン受容体を形成するタンパク質と結合する抗体を調製し、驚くべきことに、アドレノメデュリン受容体を形成する3つの異なるタンパク質、より具体的にはhCRLR、hRAMP2及びhRAMP3タンパク質と結合する少なくとも3つの抗体の混合物が、単一の抗CRLR、抗RAMP2若しくは抗RAMP3抗体の使用と比較して、又は2つ抗体 抗CRLR/抗RAMP2抗体若しくは抗CRLR/抗RAMP3抗体の混合物の使用と比較してさえ、有意により大きなインビトロ及び/又はインビボ抗腫瘍効力を示すことを示した。
したがって、本発明の主題は、医薬として使用するための、アドレノメデュリン受容体を形成する3つのタンパク質と結合する少なくとも3つの抗体及び/又は該抗体のフラグメントであって、各々が異なるタンパク質と結合する抗体及び/又は抗体フラグメントの混合物である。
インビトロ細胞増殖の研究。 抗AMR抗体の腫瘍内投与は腫瘍成長をインビボで阻害する。 抗AMR抗体の腹腔内投与は腫瘍成長をインビボで阻害する。 抗AMR抗体の腹腔内投与は腫瘍成長をインビボで阻害する。 抗AMR抗体は腫瘍血管形成をインビボで脱不安定化する。 抗AMR抗体は、内皮細胞及び周皮細胞のアポトーシスを誘導する。 アドレノメデュリンは、インビボで血管新生プロセスの間に細胞遊走をオートクリン/パラクリン様式で活性化する。 インビボでの血管新生プロセスに対するアドレノメデュリンの影響。 治療標的としてのアドレノメデュリン。 治療標的としてのアドレノメデュリン。 抗AM抗体又は抗AMR抗体は、同所性に発生した神経膠異種移植片の腫瘍成長を阻害する。
「アドレノメデュリン受容体を形成するタンパク質」との表現は、その会合がアドレノメデュリン受容体を形成するタンパク質を意味するものとする(Hinsonら, 2000, 前出;McLatchieら, 1998, 前出)。好ましくは、上記のタンパク質は哺乳動物タンパク質であり、より好ましくは、ヒト起源のタンパク質である。アドレノメデュリン受容体を形成するタンパク質の非限定例として、以下のタンパク質が挙げられる:CRLR(カルシトニン受容体様受容体)タンパク質、関連RAMP(受容体活性改変タンパク質)タンパク質、例えばRAMP2及びRAMP3タンパク質。ヒト起源のCRLR、RAMP2及びRAMP3タンパク質のアミノ酸配列は、Genbankデータベースにおいて受入番号gi|5031621、gi|118572585及びgi|5032023でそれぞれ入手可能である。
本発明の1つの好ましい実施形態によると、アドレノメデュリン受容体を形成する3つのタンパク質は、CRLRタンパク質並びにRAMP2及びRAMP3タンパク質である。
本発明の別の有利な実施形態によると、上記の抗体及び抗体フラグメントは、当該アドレノメデュリン受容体を形成するタンパク質の細胞外ドメインに、より具体的には、抗CRLR抗体については配列番号1又は2の配列のペプチド、抗RAMP2抗体については配列番号3又は4の配列のペプチド、抗RAMP3抗体については配列番号5又は6の配列のペプチドに結合する。
本発明は、天然、組換え又は合成のポリクローナル又はモノクローナル抗体、ヒト化抗体のようなキメラ抗体、並びに上記のタンパク質、より具体的には、抗CRLR抗体については配列番号1又は2の配列のペプチド、抗RAMP2抗体については配列番号3又は4の配列のペプチド、抗RAMP3抗体については配列番号5又は6の配列のペプチドに結合する能力を保持する前記抗体のフラグメント(例えばFab、Fv、scFv)を包含する。
上記の抗体又は抗体フラグメントは、アドレノメデュリン受容体アンタゴニストである。すなわち、これらは、アドレノメデュリンとその受容体との結合を用量依存的様式でブロック(又は阻害)する。
用語「組換え抗体」とは、遺伝子工学(例えばクローニング、増幅)により生成される抗体を意味するものとする。
用語「合成抗体」は、酵素及び/又は化学合成により生成される抗体を意味するものとする。
本発明による抗体は、アドレノメデュリン受容体を形成するタンパク質、該タンパク質の少なくとも20アミノ酸、好ましくは22アミノ酸のフラグメントを含むか若しくは該フラグメントからなるペプチド、又は該フラグメントに由来するペプチドを含むか若しくは該ペプチドからなるペプチドで動物を免疫にすることにより得ることができる。
「アドレノメデュリン受容体を形成するタンパク質のフラグメントに由来するペプチド」との表現は、1以上のアミノ酸残基が欠失し及び/或いは1以上のアミノ酸残基が天然若しくは非天然のアミノ酸残基又はD型若しくはベータ型配置のアミノ酸残基で置換され及び/或いは1以上の天然若しくは非天然のアミノ酸残基が挿入され及び/或いは1以上のアミド基が修飾された前記タンパク質のフラグメントを意味するものとするが、ここで、アドレノメデュリン受容体を形成するタンパク質のフラグメントに由来する上記ペプチドは、上記動物による該タンパク質と結合する抗体の産生を誘導する能力を保持すると理解される。
有利には、本発明による抗体を得るために、下記のペプチドの各々を用いて動物を免疫することができる:
−hCRLRタンパク質のフラグメントS27〜K51及びP89〜R119にそれぞれ由来するペプチド:
SPEDSIQLGVTRNKIMTAQYEAYQK (配列番号1)、
PDYFQDFDPSEKVTKIADQDGNWFRHPASNR (配列番号2)、
−hRAMP2タンパク質のフラグメントK59〜K81及びR91〜R118にそれぞれ由来するペプチド:
KNYETAVQFAWNHYKDQMDPIEK (配列番号3)、
RPYSTLRDALEHFAELFDLGFPNPLAER (配列番号4)、
−hRAMP3タンパク質のフラグメントL34〜K55及びG91〜E112にそれぞれ由来するペプチド:
LERLPLAGKAFADMMGKVDVWK (配列番号5)、
GFITGIHRQFFSNATVDRVHLE (配列番号6)。
A」と表すアミノ酸残基は、天然のhCRLR、hRAMP2又はhRAMP3タンパク質のペプチド配列に存在するシステイン残基の置換により得られたアラニン残基に相当する。システイン残基をアラニン残基で置換することにより、よく特徴付けられた直鎖状ペプチド配列を得ることができ、(鎖間ジスルフィドブリッジの形成による)二量体を含むペプチド混合物が得られることを回避できる。
好ましくは、免疫される動物は、哺乳動物、例えばウマ、ヤギ、ウサギ、ラット又はマウスであり、より好ましくはウサギ又はマウスである。
本発明の別の具体的な実施形態によると、上記抗体は、ポリクローナル抗体、好ましくはウサギポリクローナル抗体である。
本発明による抗体及び/又は抗体フラグメントの混合物は、上記で規定されるポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体を共に含むことができる。
上記混合物において、上記抗体及び/又は抗体フラグメントは、互いに任意の比で存在してもよく、例えば0.1〜10の比である。好ましい比は1の比である。
有利には、上記医薬は、腫瘍、好ましくはその成長に血管形成が必要な腫瘍、より好ましくは充実性腫瘍の予防的又は治療的処置用を意図する。
「充実性腫瘍」との用語は、例えば、神経膠腫(例えば膠芽腫)のような中枢神経系腫瘍、又は前立腺、肝臓、骨、肺、結腸、皮膚若しくは腎臓の腫瘍を意味するものとする。
本発明はまた急速成長腫瘍を包含し、療法逃避期にある腫瘍をも包含する。
本発明による抗体及び/又は抗体フラグメントの医薬としての使用は、特に癌に罹患した個体の治療の間に、同時、別々又は時間的に逐次であり得る。
本発明の主題はまた、腫瘍、好ましくは充実性腫瘍の処置を意図する医薬の製造のための、上記で規定される少なくとも3つの抗体及び/又は抗体フラグメントの混合物である。
本発明の主題はまた、上記で規定される少なくとも3つの抗体及び/又は抗体フラグメントと少なくとも1つの医薬的に許容され得るビヒクルとを含む医薬組成物である。
医薬的に許容され得るビヒクルの非限定的な例として、分散剤、可溶化剤、安定化剤、防腐剤などを挙げることができる。(液体及び/又は注射用及び/又は固体)製剤に使用できる医薬的に許容され得るビヒクルは、特に、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、シクロデキストリン、ポリソルベート80、マンニトール、ゼラチン、ラクトース、植物性又は動物性の油、アカシアなどである。
上記医薬又は医薬組成物は、医薬使用に適合し、当業者に公知である等張の緩衝化された生理学的食塩溶液の形態にあり得る。
上記医薬又は医薬組成物は、任意の医薬的に許容され得る形態、例えば注射用懸濁液、必要に応じてガレヌス形態により又は持続及び/若しくは遅延放出を提供するデバイスにより用いられる、ゲル、オイル、錠剤、坐剤、ゼラチンカプセル剤、カプセル剤などの形態に処方できる。このタイプの製剤のためには、セルロース、カーボネート又はデンプンのような物質が有利に用いられる。
本発明による医薬として用いられるか又は本発明による医薬組成物に存在する抗体及び/又は抗体フラグメントの量は、特定の個体について所望される治療効果を得るために必要な(血液のような生理学的流体中の)有効成分の循環レベルが得られるように調節できる。選択される量は、多くの要因、特に投与経路、投与期間、投与を行う時間、化合物の排出速度、前記医薬又は医薬組成物と組み合わせて用いられる種々の物質、患者の年齢、体重及び体調に依存し、患者の病歴や医学で公知の他の任意の情報にも依存する。
処置する医師による処方は、可能性のある副作用の出現をより良好に抑制するために、抗体について一般に使用される用量より低い用量から開始することができ、その後この用量を徐々に増加させる。
一般に、化合物の日用量は、治療効果を得るための最小限の用量である。この用量は上記の種々の要因に依存する。用量は、一般には、ヒトについて0.1〜100mg/kg/日であり、好ましくは4〜25mg/kg/日であり、さらにより有利には7〜14mg/kg/日である。
必要であれば、日用量は、1日あたり2回、3回、4回、5回、6回若しくはそれより多い回数の摂取で、又は1日のうちに適切な間隔で投与される複数回のより低用量(subdose)で投与することができる。
有利には、本発明による組成物は、非経口的に又は可能であれば腫瘍中に直接(腫瘍内投与)投与するのが好ましい。
本発明による医薬又は医薬組成物は、単独で又は少なくとも1つの他の治療上活性な化合物、例えば別の抗ガン化合物との組合せで用いることができる。上記医薬又は医薬組成物と上記治療上活性な化合物との使用は、特に癌に罹患した個体の治療の間に、同時、別々又は時間的に逐次であり得る。
本発明の主題はまた、CRLRタンパク質の細胞外ドメインに結合し、配列番号1及び配列番号2の配列のペプチドから選択されるペプチドで動物、好ましくはウサギを免疫にすることにより得ることができる抗体、好ましくはポリクローナル抗体であり、動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトにおいてCRLRタンパク質をインビトロ、エクスビボ又はインビボで検出するための該抗体の使用でもある。
本発明の主題はまた、RAMP2タンパク質の細胞外ドメインに結合し、配列番号3及び配列番号4の配列のペプチドから選択されるペプチドで動物、好ましくはウサギを免疫にすることにより得ることができる抗体、好ましくはポリクローナル抗体であり、動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトにおいてRAMP2タンパク質をインビトロ、エクスビボ又はインビボで検出するための該抗体の使用でもある。
本発明の主題はまた、RAMP3タンパク質の細胞外ドメインに結合し、配列番号5及び配列番号6の配列のペプチドから選択されるペプチドで動物、好ましくはウサギを免疫にすることにより得ることができる抗体、好ましくはポリクローナル抗体であり、動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトにおいてRAMP3タンパク質をインビトロ、エクスビボ又はインビボで検出するための該抗体の使用でもある。
本発明の主題はまた、配列番号1及び配列番号2の配列のペプチドから選択されるペプチド(好ましくは配列番号2のペプチド)で動物を免疫にする工程を含むことを特徴とする、CRLRの細胞外ドメインに結合する抗体を取得する方法である。
本発明の主題はまた、配列番号3及び配列番号4の配列のペプチドから選択されるペプチド(好ましくは配列番号4のペプチド)で動物を免疫にする工程を含むことを特徴とする、RAMP2の細胞外ドメインに結合する抗体を取得する方法である。
本発明の主題はまた、配列番号5及び配列番号6の配列のペプチドから選択されるペプチド(好ましくは配列番号5のペプチド)で動物を免疫にする工程を含むことを特徴とする、RAMP3の細胞外ドメインに結合する抗体を取得する方法である。
本発明の他の観点及び利点は、非限定的な説明とみなされるべきである下記の実施例、及び添付の図面から明らかになる。
− 図1:インビトロ細胞増殖の研究。A.抗アドレノメデュリン受容体(抗CRLR抗体、抗RAMP2抗体及び抗RAMP3抗体の混合物)及び抗アドレノメデュリン抗体の、放射性ヨウ素125で標識されたアドレノメデュリンとU87神経膠細胞の膜との結合に対する影響。60μgの抗アドレノメデュリン受容体抗体を用いると、I125-AMの結合阻害は、10μgの抗体を用いるよりも大きい。B.膠芽腫由来系統(U87)において、抗AM抗体又は抗CRLR抗体と抗RAMP2抗体と抗RAMP3抗体との混合物での6日間の処置は、ウサギ免疫前血清の存在下でインキュベートした対照細胞と比較して、細胞増殖を用量依存的様式で30%〜60%阻害する。ANOVA検定:**、p<0.01;***、p<0.001。
− 図2:抗AMR抗体の腫瘍内投与は腫瘍成長をインビボで阻害する。A.抗CRLR抗体と抗RAMP2抗体と抗RAMP3抗体との混合物の腫瘍内投与(250μg/動物)は、ウサギ免疫前血清を用いて処置した対照マウスと比較して、21日間の処置後に異種移植腫瘍成長の60〜70%の阻害を誘導する(n=10)。ANOVA検定:**、p<0.01;***、p<0.001。B.16日間の処置後の対照腫瘍と処置腫瘍の写真。
− 図3:抗AMR抗体の腹腔内投与は腫瘍成長をインビボで阻害する。A.腹腔内処置を確立することを狙いとして、種々の用量(100、200及び300μg)の抗AMR抗体混合物を、U87系統を異種移植したマウスで試験した(n=8)。B.330μg/マウスの抗CRLR抗体と抗RAMP2抗体と抗RAMP3抗体との混合物の腹腔内注射は、対照IgGで処置され、処置後20〜25日で死亡したマウスと比較して、腫瘍成長を阻害し、マウスの生存を175日まで増大させる(n=10)。C.U87系統を異種移植した無胸腺(nu/nu)マウスを、抗CRLR抗体、抗RAMP2抗体、抗RAMP3抗体、抗CRLR抗体/抗RAMP2抗体/抗RAMP3抗体の混合物又は対照ウサギIgGで処置した。次いで、腫瘍容積を測定した。ANOVA検定:**、p<0.01;***、p<0.001。
− 図4:抗AMR抗体は腫瘍血管形成をインビボで脱不安定化する。A.ビオチン化レクチン(内皮細胞に対して高親和性を有するマーカー)を注射したマウスからの、ストレプトアビジンでの可視化後の腫瘍切片で行った組織学的分析は、対照腫瘍と比較して、血管サイズの減少を生じる血管構造の脱安定化を示す。周皮細胞マーカー(デスミン又はα-SMA)を用いる免疫組織化学的研究は、対照腫瘍と比較して、処置腫瘍の血管レベルで、周皮細胞の非常に顕著な減少又は消失さえ示す。B.2つの動物群間での血管形成及び細胞密度(周皮細胞と比較した内皮細胞)の定量は、抗AMR抗体で処置した腫瘍における単位表面積あたりの標識内皮細胞数及び標識周皮細胞数の有意な減少を示す。ANOVA検定:**、p<0.01;***、p<0.001。C.内皮細胞(FvIII)/周皮細胞(α-SMA)の免疫組織化学による標識化は、マウス腎臓における「正常な」血管構造に対して、抗AMR抗体を用いる全身的処置の影響がないことを示す。
− 図5:抗AMR抗体は、内皮細胞及び周皮細胞のアポトーシスを誘導する。A.F7-26 Mab抗体を用いる標識化は、内皮から剥離した内皮細胞が、抗AMR抗体での処置により引き起こされた周皮細胞不在の影響の下で、アポトーシスを受けることを示す。B.F7-26 Mab抗体を用いる標識化と並行した内皮細胞(FvIII)及び周皮細胞(α-SMA)の標識化は、周皮細胞が、内皮細胞と同様に、対照腫瘍と比較して、抗AMR抗体で処置した腫瘍においてアポトーシス状態にあることを示す。C.アポトーシスを受ける内皮細胞の密度の定量は、対照腫瘍と比較して、抗AMR抗体で処置した腫瘍における有意な増加を示す。処置の16日目における全体的な細胞増殖の標識化は、対照腫瘍と比較して、処置腫瘍において25〜35%の減少のみを示す。*=P<0.05、**=P<0.01、***=P<0.001。
− 図6:アドレノメデュリンは、インビボで血管新生プロセスの間に細胞遊走をオートクリン/パラクリン様式で活性化する。A.パラフィン包埋Matrigel移植片切片でのヘマトキシリン/エオシンを用いる免疫組織化学的標識化は、アドレノメデュリンを含有するMatrigel中で、因子を含有しないものと比較して、相当の細胞浸潤を示す。抗AMR抗体混合物での処置は、Matrigel移植片中への循環細胞の動員(recruitment)の減少を用量依存的様式で誘導する(群あたりn=10)。(I):Matrigel単独、(II):Matrigel+AM(500ng)、(III):Matrigel+VEGF(500ng)、(IV):Matrigel+AM(500ng)+抗AM Ab(500μg)、(V):対照IgGでの処置(500μg)、(VI)、(VII)及び(VIII):抗AMR抗体での処置(25μg、100及び500μg)。B.Matrigel切片の単位表面積あたりの細胞数の定量。*=P<0.05、**=P<0.01、***=P<0.001。(N=10)。
− 図7:インビボでの血管新生プロセスに対するアドレノメデュリンの影響。A.皮下Matrigel移植片を有するマウスに注射したデキストラン-FITCのアッセイは、対照と比較して、アドレノメデュリン含有Matrigel中で有意な量のデキストランを示す。FITC-デキストランの量は、抗AMR抗体で処置したマウスで、対照IgGで処置したマウスと比較して、用量依存的様式で減少する。ANOVA検定: **、p<0.01、***、p<0.001。B.抗CD31抗体、抗FvIII抗体、抗CD34抗体(内皮細胞及びその前駆体)、抗αSMA抗体(周皮細胞)、抗CD45及びMOMA-2抗体(白血球、単球/マクロファージ)での標識化は、Matrigel移植片におけるこれら種々の細胞タイプの存在を示す。抗CRLR抗体、抗RAMP2抗体及び抗RAMP3抗体での標識化は、アドレノメデュリン受容体と上記で使用した種々の標識との共発現を示す。
− 図8:治療標的としてのアドレノメデュリン。腫瘍系統A549(1)、MDA 231(2)、IGR37(3)及びBiZ(4)のタンパク質抽出物についてのウェスタンブロッティング分析は、アドレノメデュリン受容体の種々のタンパク質形態を示す(A)。CRLR/RAMP2複合体及びCRLR/RAMP3複合体(およそ75Kda)、CRLR(48Kda)、RAMP2(35Kda=グリコシル化形態、15Kda=天然形態)及びRAMP3(19Kda=天然形態)。ホモ二量体形態RAMP2/RAMP2及びRAMP3/RAMP3も検出された(およそ50Kda)。インビトロ増殖試験は、抗AMR抗体(3つの抗体 抗CRLR抗体、抗RAMP2抗体及び抗RAMP3抗体の混合物)での処置が、腎臓株化細胞(BIZ)において細胞増殖を75%まで阻害することを示す(B)。他の系統A549、IGR-37及びMDA-MB 231では、増殖阻害は5〜30%である(B)。ANOVA検定:*、p<0.05;**、p<0.01;***、p<0.001。HT29細胞(C)及びA549細胞(D)を異種移植したマウスにおける抗AMR抗体(330μg/動物)での腹腔内処置は、免疫前血清で処置したマウスと比較して、腫瘍成長の有意な阻害を示す(N=10)。ANOVA検定:**、p<0.01;***、p<0.001。
− 図9:抗AM抗体又は抗AMR抗体は、同所性に発生した神経膠異種移植片の腫瘍成長を阻害する。A.U87細胞を脳内注射したマウスは、抗AM抗体又は抗AMR抗体での5〜10日間の腹腔内処置(330μg/動物)の後に体重の顕著な増加を示す。これらマウスはまた、免疫前血清で処置したマウスより約12倍長い延長生存を示す(N=10)。B.パーセンテージとして表すマウス体重は、同所性のU87腫瘍細胞の注射後及び処置の間の体重変動の程度を示す。ANOVA検定:**、p<0.01;***、p<0.001。
実施例
I:材料及び方法
I.1.抗アドレノメデュリン受容体抗体の取得
免疫化
抗CRLRポリクローナル抗体は、配列番号1又は配列番号2の配列のペプチドをウサギに注射することにより生じさせた。抗RAMP2ポリクローナル抗体は、配列番号3又は配列番号4配列のペプチドをウサギに注射することにより作製した。抗RAMP3ポリクローナル抗体は、配列番号5又は配列番号6の配列のペプチドをウサギに注射することにより作製した。
配列番号1:SPEDSIQLGVTRNKIMTAQYEAYQK、
配列番号2:PDYFQDFDPSEKVTKIADQDGNWFRHPASNR、
配列番号3:KNYETAVQFAWNHYKDQMDPIEK、
配列番号4:RPYSTLRDALEHFAELFDLGFPNPLAER、
配列番号5:LERLPLAGKAFADMMGKVDVWK、
配列番号6:GFITGIHRQFFSNATVDRVHLE。
動物を、フロイントアジュバントを補った種々のペプチドで免疫にした。その後、追加免疫注射を3週間毎に行った。
対照として用いる非免疫血清(免疫前)は、注射開始前に同じ動物から回収した。
免疫グロブリン(IgG)の精製及びエンドトキシンのアッセイ
ポリクローナル抗体を、プロテインAに結合したセファロースビーズのゲル(GE Healthcare)に通し、100mMグリシン(pH3)で溶出することにより精製した。抗体中のエンドトキシンの存在は、LAL試験(Limulus Amebocyte Lysate, Chambrex)を用いて検証した。結果は、種々の抗体調製物及び免疫前血清におけるエンドトキシンの許容可能なレベル(<1.25U)を示す。免疫グロブリン濃度はPierce法により算出した(ビシンコニン酸(BCA)プロテインアッセイ;Smithら, Anal Biochem, 1985, 150:76-85)。
I.2.細胞培養
A498及びBIZ系統は、それぞれDSMZ(Germany)及びGogusev博士の研究室(Necker Hospital-Paris)からのものである。BIZ系統は腎臓癌に由来する。これは、3p13-pter領域の欠失及び他の遺伝子改変、例えばder(1) dup(1)(q21 qter)×2、der(1) t(1;15)×2、der(13) t(1;13)×2を有する。その他の細胞系統は、American Type Culture Collection(Rokville MD, USA)からのものである。腫瘍又は生検からの細胞は、細胞タイプに応じた適切な培地中で(下記の表1を参照)、5% CO2及び95%空気で構成される湿潤環境において37℃にて維持する。
培地は2日毎に新しくする。細胞は、90%コンフルーエンスに達したら、Trisバッファー(Gibco)中トリプシン溶液(0.25%)で37℃にて数分間剥離させる。この酵素の作用を、血清含有培地を加えることにより停止させる。細胞を、75cm2チューブ又はマルチウェルプレートのいずれかにおいて適切な培地中に播種する。
I.3.結合実験によるアドレノメデュリンとその受容体との結合の特異性
U87神経膠腫瘍細胞を24ウェルプレートに播種し(40000細胞/ウェル)、MEM中で10%胎仔ウシ血清(FBS)の存在下に48時間維持する。これらを1×PBS中で洗浄し、放射性ヨウ素化アドレノメデュリン(Amersham Biosciences GE)を100000cpmの割合で含有するMEM 0.1% BSA(ウシ血清アルブミン)と、抗CRLR抗体と抗RAMP2抗体と抗RAMP3抗体とで構成される抗体混合物の存在下でプレインキュベートする。抗CRLR抗体、抗RAMP2抗体及び抗RAMP3抗体は、それぞれ配列番号2、3及び5の配列のペプチドを注射することにより、ウサギで作製した。周囲温度にて1時間のインキュベーション後、細胞を氷上に置き、4℃に維持した1×PBS-0.1% BSA溶液で2回濯ぐ。0.2N水酸化ナトリウムで細胞を可溶化する。Riastarガンマカウンタ(Packard Instrument Company)中で結合した125I-AMをカウントする。
I.4.インビボ研究
動物モデル
4〜5週齢の無胸腺(nu/nu) Balb/C雌性マウス及びC57BL/6マウス(Harlan, France)を用いた。これらは、滅菌条件下で、安定温度及び適切な飼料で維持する。インビボ実験は、動物の新たな環境への適応期間が経過して初めて開始する(受け入れ後10〜15日)。
異種移植片の作製及び動物の処置
種々の腫瘍系統U87、A549及びHT29を、動物あたり2.5×106細胞の割合で無胸腺(nu/nu)マウスの側腹部に皮下注射した。動物を定期的に秤量する。腫瘍容積は、1週間に3回測定し、楕円体の式V=長さ×幅×厚さ×0.5236 mm3に従って算出する。
腫瘍が腫瘍容積500〜1000mm3に達したら(細胞注射の12〜15日後)、動物を、330μg/動物の最終濃度の抗CRLR抗体、抗RAMP2抗体若しくは抗RAMP3抗体又は抗CRLR抗体と抗RAMP2抗体と抗RAMP3抗体とで構成される混合物で3回/週の割合の腫瘍内注射又は腹腔内注射により処置した。抗CRLR抗体、抗RAMP2抗体及び抗RAMP3抗体は、それぞれ配列番号2、3及び5の配列のペプチドを注射することによりウサギで作製した。対照として用いた動物群は、無関係の抗体又は免疫前血清で同様に処置する。
動物を、処置の間の種々の時間(d2、d7、d11、d16及びd21)で犠牲にし、直ちに腫瘍を取り出し、フォルモール中で固定する。次いで、免疫組織化学研究用にパラフィンに包埋する。
21日間処置した1つの動物群に、麻酔下に、ビオチン化レクチン(ビオチン化リコペルシコン・エスクレンタム(Lycopersicon esculentum)(トマト)レクチン、CliniSciences)を注射する。動物を4%パラホルムアルデヒド溶液で灌流し、これにより組織をインビボで固定することができる。腫瘍及び幾つかの器官(脳、肺、心臓及び腎臓)を取り出し、組織学及び免疫組織化学研究用に液体窒素中で凍結させる。
インビボ血管新生
3群のC57BL/6マウスに、成長因子を含まないMatrigelの溶液(BD Biosciences)を皮下移植する。
* 群(1) Matrigel単独。
* 群(2) 500ngのVEGF165(R&D Systems, France)を含有するMatrigel。
* 群(3) 500ngのアドレノメデュリン(Bachem)を含有するMatrigel。
48時間後に、群(3)の動物を3つの亜群に分け、これらを、抗CRLR抗体と抗RAMP2抗体と抗RAMP3抗体との混合物で1週間あたり3回腹腔内処置する。以下の亜群を区別する:亜群(1):処置動物(25μg/動物)、亜群(2):処置動物(100μg/動物)及び亜群(3):処置動物(500μg/動物)。
並行して、第4の亜群の動物を、500μg/動物の用量の免疫前血清(IgG)で処置する。
21日間の処置後に、動物を無作為化に2つの亜群に分ける。第1の亜群では、動物を犠牲にし、Matrigel移植片を回収し、フォルモール中で固定し、その後組織学的分析用にパラフィン包埋する。第2の亜群の動物には麻酔下にデキストラン-FITC(Sigma, France)を注射し、30分後に犠牲にする。その後、Matrigel移植片をジスパーゼ(Roche)で処理し、5000rpmで4℃にて遠心分離する。上清を回収し、蛍光を492nm(励起)−512nm(放射)で読み取る。
I.5.ウェスタンブロッティング分析
タンパク質抽出物の調製
U87神経膠腫瘍細胞を起源とする細胞ペレット及びヌードマウスに異種移植した神経膠腫瘍から又は膠芽腫に罹患した患者の腫瘍から得たホモジネートを、溶解バッファー(20mM HEPES、pH7.9、10mM NaCl、1mM MgCl2、10%グリセロール、0.2mM EDTA、0.5mM DTT、1%プロテアーゼ阻害剤及び0.35% Triton X-100)中に取り、4℃にてホモジナイズする。12000×gにて10分間の遠心分離後、タンパク質を含む上清を回収し、タンパク質をPierce法により定量する。
ウェスタンブロッティング
細胞溶解物(50μg)を、12%ポリアクリルアミドゲル電気泳動により、変性及び還元条件下で分離する。1.92Mグリシン及び1% SDSを含有する0.25M Tris塩基バッファー中での泳動の最後に、1時間30分間、1mA/cm2にてタンパク質をPVDFメンブレン上に移す。メンブレンを1時間、周囲温度にてPBS-5%スキムミルク中で飽和させる。2回の洗浄(PBS-0.2% Tween 20)後、メンブレンを撹拌しながら一晩4℃にてPBS-1%スキムミルク中1/400に希釈した抗CRLR抗体、抗RAMP2抗体又は抗RAMP3抗体の存在下でインキュベートする。3回の洗浄(PBS-0.2% Tween 20)後、メンブレンを周囲温度にて1時間30分間ペルオキシダーゼ標識二次抗体(ECL kit, GE Healthcare, Amersham)とインキュベートする。シグナルを、化学発光キット(ECL kit, GE Healthcare, Amersham)を用いて可視化する。
I.6.免疫組織化学的研究
種々の組織学的分析を、腫瘍の6μm凍結切片(クリオスタット)又は腫瘍のパラフィン包埋切片(ミクロトーム)で行った。この切片は、ビオチン化レクチンを注射したマウスの腫瘍について30〜50μmである。
切片を、キシレン浴及び続く3種のエタノール浴(100%、95%及び75%)の後に脱パラフィン化する。PBSでの洗浄後、非特異部位をVectastainキット(Abcys)の血清で飽和させる。次いで切片を一次抗体と一晩インキュベートする。用いた種々の抗体は、抗第VIII因子(Dako、1:300)、抗CD31(Dako、1:40)、抗CD34(Zymed laboratories)、抗αSMA(Dako、1:100)、抗NG2(Chemicon、1:150)及び抗デスミン(Abcam、1:50)である。白血球及び単球/マクロファージは、抗CD45抗体(BD Pharmingen、1:40)及びMOMA-2抗体(Chemicon、1:25)を用いて検出した。
アポトーシスにある細胞を標識するためには抗体Mab F7-26(AbCys)を用い、細胞増殖のためには抗Ki67抗体を用いた(Dako、1:80)。
0.1Mリン酸バッファー(pH7.4)で3回洗浄後、切片を周囲温度にて1時間30分間Dapi(Invitrogen、1/30000)及び蛍光色素結合二次抗体(Invitrogen:1/250)とインキュベートする。ビオチン化レクチンを、ストレプトアビジン-Alexa蛍光二次抗体(Invitrogen、1/250)で可視化する。3回の洗浄後、切片をカバーグラスで覆う。Zeiss顕微鏡及びLeikaソフトウェアを用いて写真を撮影する。
I.7.統計解析
全ての実験は3〜4回繰り返した。統計解析はAnova検定/S検定により行った。結果は、P<0.05から有意とみなす。
II:結果
II.1.抗AMR抗体(抗CRLR抗体、抗RAMP2抗体及び抗RAMP3抗体の混合物)は、神経膠細胞の増殖をインビトロで阻害する
抗アドレノメデュリン受容体抗体の特徴付けの間に、これら抗体は用量依存的様式で腫瘍細胞を起源とする膜調製物への放射活性アドレノメデュリン「125I-AM」の結合を阻害できることが示された(図1A)。
これらインビトロ実験により、腫瘍細胞の増殖にアドレノメデュリン並びにその受容体CRLR、RAMP2及びRAMP3を関与させるオートクリン及び/又はパラクリンループの存在を示すことも可能になる(図1B)。これらデータはまた、抗CRLR抗体、抗RAMP2及び抗RAMP3抗体の混合物がアドレノメデュリン受容体を認識し、結果として、これら細胞の増殖を同じ細胞により分泌されるアドレノメデュリンの作用に起因にしてブロックすることを示す。
II.2.抗AMR抗体(抗CRLR抗体、抗RAMP2抗体及び抗RAMP3抗体の混合物)は、神経膠腫瘍成長をインビボで阻害する
細胞系統(U87)の皮下注射後に無胸腺マウスにおいて発生した腫瘍は、腫瘍微小環境の全ての構成成分を考慮した実験モデルである。
腫瘍内抗体投与
抗CRLR抗体、抗RAMP2抗体及び抗RAMP3抗体の混合物の腫瘍内投与は、21日間の処置後に、異種移植片腫瘍成長の60〜70%阻害を誘導する(図2A)。16日間の処置後、抗AMR抗体で処置した動物の腫瘍は色が淡く、半透明で血管形成が少ないように見えることが観察された(図2B)。対照的に、対照動物は、高度に血管形成された大きい腫瘍を示す。インビボで観察されたこれら重要な効果は、腫瘍細胞増殖に対する作用に加えて、抗AMR抗体での処置が、腫瘍成長に必須の基本機序を妨害することを示唆する。
腹腔内抗体投与
腫瘍成長に対する抗AMR抗体の治療効果をインビボで評価するために、抗AMR抗体を腹腔内投与した。
各8匹のマウスからなる4群を、対照IgG(330μg)及び抗AMR(100、200、330μg)で1週間あたり3回処置した(図3A)。
この結果は、抗AMR抗体での処置後の神経膠腫瘍成長の用量依存的阻害を示す。330μgの濃度を、同じ注射プロトコルで残りの研究に採用した。
腹腔内処置は、神経膠腫瘍成長の非常に大きな阻害及び対照IgG処置マウスと比較して抗AMR抗体処置マウスの遥かに長い生存を示す(図3B)。
腹腔内処置もまた、神経膠腫瘍成長の非常に大きな阻害及び単一の抗CRLR抗体、抗RAMP2抗体又は抗RAMP3抗体処置マウスと比較して3つの抗CRLR抗体、抗RAMP2抗体及び抗RAMP3抗体の混合物での処置マウスの遥かに長い生存を示す(図3C)。
II.3.抗AMR抗体(抗CRLR抗体、抗RAMP2抗体及び抗RAMP3抗体の混合物)は、インビボで腫瘍血管形成を不安定化する
抗AMR(抗CRLR/抗RAMP2/抗RAMP3)抗体での処置後の腫瘍退縮に関与する機構をよりよく理解するために、腫瘍切片で組織学的分析を行った。CD31又はvon Willebrand(vWF)因子のような内皮マーカーの使用は、血管サイズの減少をもたらす血管構造の著しい組織崩壊又は不安定化さえ示す。
ビオチン化レクチン(内皮細胞に対して高親和性を有するマーカー)を、犠牲の15分前にマウスに注射することにより、対照IgG処置動物における安定で機能的な血管形成が示される一方、抗AMR抗体処置動物では血管組織崩壊が観察された。興味深いことに、周皮細胞マーカー(NG2、デスミン又はα-SMA)を用いる免疫組織化学研究は、対照腫瘍と比較して、処置腫瘍の血管周囲の周皮細胞の非常に顕著な減少又は消失さえ示す(図4A)。2つの動物群間での血管形成及び細胞密度(周皮細胞と比較した内皮細胞)の定量は、処置腫瘍で顕著な減少を示す(図4B)。よって、この実験は、アドレノメデュリンが、周皮細胞による血管の被覆を調節すること及び抗AMR抗体が血管で周皮細胞の動員をブロックできることを示唆する。このことは、抗AMR抗体が、腫瘍血管形成の退縮を、おそらく支持細胞である周皮細胞の喪失後の血管の不安定化を介して、誘導することを明らかにする。
抗AMR抗体処置マウス及び対照IgG処置マウスの種々の群における、内皮/周皮細胞の同時標識による種々の器官(腎臓、心臓、肺など)の血管形成の免疫組織化学分析は、非腫瘍血管構造に対して処置の影響がないことを示す(図4C)。この結果は、抗AMR抗体が、マウスの種々の器官の血管形成には影響することなく腫瘍にのみ作用することを明らかにする。
周皮細胞は、細胞外マトリクス合成又は分解に対する効果により血管新生プロセスに寄与し、そして基底膜組立てに参加することにより血管壁の安定性に寄与し、また内皮細胞の増殖及び遊走を抑制するパラクリン調節因子であるようである(Sato及びRifkin, J Cell Biol., 1989, 109:309-15;Benjaminら, Development, 1998, 125:1591-8)。血管の樹状構造は、血流により、そして内皮細胞、周皮細胞、平滑筋細胞及び細胞外マトリクスの間に確立される相互作用によっても制御され安定化される(Allt及びLawrenson, Cells Tissues Organs, 2001, 169:1-11)。アポトーシスの存在を示すMab F7-26の使用は、内皮から剥離した内皮細胞が、抗AMR抗体での処置により引き起こされた周皮細胞不在に起因して、アポトーシスを受けることを示す(図5A)。この同じ標識化が、処置腫瘍に存在する希な周皮細胞について観察された(図5B)。他方で、処置16日目の全般的な細胞増殖の標識化は、対照腫瘍と比較して、処置腫瘍で25〜35%の減少しか示さない(図5C)。この結果は、周皮細胞動員に対するアドレノメデュリンの潜在的な役割を強調する。よって、この細胞タイプは、腫瘍血管形成の重要な基本的な構成成分であることを意味している。
II.4.抗AMR抗体(抗CRLR、抗RAMP2及び抗RAMP3抗体の混合物)での腹腔内処置の影響
C57BL/6マウスに皮下注射された、成長因子を含まずアドレノメデュリンのみが補われたMatrigelを用いるインビボ血管新生試験は、種々の細胞タイプの動員に対するこの因子の存在の影響を研究するための良好なモデルである。組織学的切片をヘマトキシリン/エオシンで染色することにより、因子を有さないMatrigelと比較して、アドレノメデュリン含有Matrigel内の細胞浸潤が示される。更に、細胞密度は、VEGF含有Matrigelと比較した場合に、より高い(図6A)。循環細胞の動員に対する抗AMR抗体(抗CRLR/抗RAMP2/抗RAMP3)の役割を評価するために、これら抗体を用いる腹腔内処置の影響を試験した。結果は、抗AMR抗体での処置が、Matrigel移植片における循環細胞の動員の減少を、用量依存的様式で誘導することを示す(図6A及びB)。抗AMR抗体の特異性は、免疫前IgGを用いる処置との比較で示される。
II.5.インビボでの血管新生プロセスに対するアドレノメデュリンの影響
アドレノメデュリンを随意に含有するMatrigelを皮下に与えたC57BL/6マウスにおける、犠牲30分前のデキストラン-FITCの注射は、インビボでの血管新生に対するアドレノメデュリンの影響の研究を可能にする。蛍光FITCアッセイは、対照と比較して、アドレノメデュリン含有Matrigel中の大量のデキストランを示す。このことは、アドレノメデュリンの効果の下で機能的血管新生が確立されたことを証明している(図7A)。FITC-デキストランの量は、抗AMR抗体処置マウスにおいて用量依存的様式で、対照IgG処置マウスと比較して減少する。
血管の生成は、幾つかの細胞タイプを使用するプロセスである:血管壁を被覆する内皮細胞;これら血管壁を安定化する周皮細胞;及び循環細胞(炎症細胞、内皮細胞前駆体及び間葉系細胞)。内皮細胞及びその前駆体(抗CD31、抗FvIII、抗CD34)、周皮細胞(抗αSMA、抗デスミン、抗NG2)並びに炎症細胞(抗CD45及びMOMA-2)の種々のマーカーを用いる標識化により、アドレノメデュリンの存在により誘引される種々の細胞タイプを同定することができた(図7B)。抗CRLR抗体、抗RAMP2抗体及び抗RAMP3抗体での標識化は、アドレノメデュリン受容体を発現し、その結果、アドレノメデュリンのパラクリン効果の下でMatrigel中に動員された細胞集団を識別することを可能にした。他方で、この結果はまた、この受容体を発現せず、アドレノメデュリンとの接触後に種々の細胞により放出され得る他の因子の効果の下でMatrigel中におそらく動員される細胞の存在を明らかにする。
この結果は、アドレノメデュリンが、その受容体を介する腫瘍内新血管新生の種々のステップ、例えば細胞の遊走、浸潤及び分化にオートクリン/パラクリン効果を介して関与することを示す。よって、アドレノメデュリン受容体(AMR)のブロックは、腫瘍成長を阻害するのに十分であるようである。
II.6.種々の腫瘍モデルに対する抗AMR抗体(抗CRLR抗体、抗RAMP2抗体及び抗RAMP3抗体の混合物)での処置の影響
得られた種々の結果は、腫瘍血管新生に関与する因子としてアドレノメデュリンを規定する。
抗癌療法を確立することを狙いとして、他の腫瘍モデル、例えば肺癌、結腸癌、腎臓癌、胸部癌及び皮膚癌に対する抗AMR(抗CRLR/抗RAMP2/抗RAMP3)抗体での処置の影響を検証した。
種々の腫瘍系統、肺癌についてはA549、結腸癌についてはHT29、腎臓癌についてはA498、Caki 1、2及びBIZ、胸部癌についてはMDA-MB-231並びに皮膚癌についてはIGRのタンパク質抽出物について行ったウェスタンブロッティング法による分析は、アドレノメデュリン受容体を構成する種々のタンパク質CRLR、RAMP2及びRAMP3の存在を示す(図8A)。
これら種々の系統の増殖に対する抗AMR(抗CRLR/抗RAMP2/抗RAMP3)抗体の影響のインビトロ研究は、腎臓系統BIZにおける6日間の処置の後に70μg/mlにて70%に達する増殖阻害を示す(図8B)。その他の系統、すなわちA549、IGR-37及びMDA-MB231に関しては、細胞増殖の阻害は、同じ抗体濃度でおよそ30%である(図8B)。更に、この結果は、BIZ系統のインビトロ増殖が、研究したその他の系統と比較して、アドレノメデュリンの存在を必要とすることを示す。
研究を、ヌードマウス(Balb-c nu/nu)においてインビボで継続した。このために、異所性異種移植を皮下に作製した。
HT29(図8C)及びA549(図8D)系統を異種移植したマウスにおける抗AMR抗体での腹腔内処置は、免疫前血清で処置したマウスと比較して、腫瘍増殖のかなりの阻害を示す。この最初の知見は、抗AMR抗体での処置の良好な全身耐性を示唆する(処置マウスの体重曲線及び全身状態)。処置マウスの腫瘍は、対照腫瘍より容積が3倍小さく、血管形成も少ないようである。この結果は、アドレノメデュリンが悪性腫瘍の発達で果たしているにちがいない重要な役割を示す。内皮細胞について第VIII因子及びCD31での、周皮細胞についてα-SMA及びデスミンでの標識による結腸異種移植片の切片における予備的免疫組織化学研究は、腫瘍血管新生に対する抗AMR抗体の非常に本質的な効果を示す。
II.7.同所性に発達させた異種移植片における神経膠腫瘍成長に対する抗AMR(抗CRLR/抗RAMP2/抗RAMP3)抗体の影響
各10匹のマウスからなる3群に1百万のU87細胞を脳内注射した。10日後、疾患のために衰弱したマウスは、細胞の注射を受けなかった正常マウス(20g±2)と比較して体重の減少を経験する(14g±2)。マウスを幾つかの群に分け、1週間に3回腹腔内に330μgの対照IgG又は抗アドレノメデュリン(抗AM)抗体又は抗アドレノメデュリン受容体(抗AMR)抗体を与える(図9A)。
対照IgGを注射したマウスでは、生存は処置後5〜10日であり、体重が目覚ましく低下した(図9B)。
他方で、抗AM抗体又は抗AMR抗体で処置したマウス群では、処置の数日後にマウスの60〜70%で体重増加が観察され、生存は230日を超えて延長した(図9B)。
最後に、処置マウスでは、動物を犠牲にした後の器官に転移は観察されなかった。

Claims (15)

  1. 医薬として使用するための、アドレノメデュリン受容体を形成する3つのタンパク質と結合し、各抗体及び/又は抗体フラグメントが異なるタンパク質と結合する、少なくとも3つの抗体及び/又は該抗体のフラグメントの混合物。
  2. 前記医薬が、腫瘍、好ましくは充実性腫瘍の予防処置用又は治療的処置用であることを特徴とする請求項1に記載の混合物。
  3. 3つのタンパク質が、CRLR、RAMP2及びRAMP3タンパク質であることを特徴とする請求項1又は2に記載の混合物。
  4. 前記抗体が、前記タンパク質の各々の細胞外ドメインと結合することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の混合物。
  5. 前記抗体が、ポリクローナル抗体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の混合物。
  6. CRLRの細胞外ドメインと結合する抗体が、配列番号1及び配列番号2の配列から選択されるペプチドで動物を免疫にすることにより得ることができることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の混合物。
  7. RAMP2の細胞外ドメインと結合する抗体が、配列番号3及び配列番号4の配列から選択されるペプチドで動物を免疫にすることにより得ることができることを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の混合物。
  8. RAMP3の細胞外ドメインと結合する抗体が、配列番号5及び配列番号6の配列から選択されるペプチドで動物を免疫にすることにより得ることができることを特徴とする請求項3〜7のいずれか1項に記載の混合物。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項で規定される少なくとも3つの抗体及び/又は抗体フラグメントと、少なくとも1つの医薬上許容され得るビヒクルとを含むことを特徴とする医薬組成物。
  10. 配列番号1の配列のペプチドで動物を免疫にすることにより得ることができることを特徴するCRLRの細胞外ドメインと結合する抗体。
  11. 配列番号3の配列のペプチドで動物を免疫にすることにより得ることができることを特徴するRAMP2の細胞外ドメインと結合する抗体。
  12. 配列番号6の配列のペプチドで動物を免疫にすることにより得ることができることを特徴するRAMP3の細胞外ドメインと結合する抗体。
  13. 配列番号1及び配列番号2の配列のペプチドから選択されるペプチドで動物を免疫にする工程を含むことを特徴とするCRLRの細胞外ドメインと結合する抗体を取得する方法。
  14. 配列番号3及び配列番号4の配列のペプチドから選択されるペプチドで動物を免疫にする工程を含むことを特徴とするRAMP2の細胞外ドメインと結合する抗体を取得する方法。
  15. 配列番号5及び配列番号6の配列のペプチドから選択されるペプチドで動物を免疫にする工程を含むことを特徴とするRAMP3の細胞外ドメインと結合する抗体を取得する方法。
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