JP2011529091A - セルロースバイオマスの直接液化方法 - Google Patents

セルロースバイオマスの直接液化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】セルロースバイオマスの直接液化方法を提供する。
【解決手段】比較的に温和な条件で、短時間内でセルロースバイオマスにおける糖類成分及びリグニンのような高分子重合体を含む全部の有機物をすべて液化させ、小分子有機物を形成させること、つまりセルロースバイオマスを石油に転化させることができるセルロースバイオマスの直接液化方法である。得られた再生性の高品質石油がガソリンなどの液体燃料に転化されてもよいし、化学工業の原材料とされてもよい。
【選択図】なし

Description

本発明は、セルロースバイオマスの精錬の分野におけるセルロースバイオマスの直接液化方法に関する。
現在、石炭、石油、天然ガスのような化石エネルギー源などの再生不能エネルギー源に対する人類の消費速度が素早く増長し、史上最も重大な転換点に臨んでいる。これは、エネルギー不足の危機の可能性だけでなく、化石エネルギー源からの大量の二酸化炭素による地球温暖化にもある。地球温暖化は、近年の全世界にわたる災害性天候の元凶と公認されている。人類の生存と持続可能な開発を確保するため、再生可能な様態の新しいエネルギー源の開発・利用をしなければならない。
また、人類の現代化学工業の原材料は、ほとんどが石油由来のものである。そのため、温室効果ガスである二酸化炭素の排出を減少するには、石油液体燃料の使用を減らすとともに、現代化学工業においてできるだけ石油原材料の代わりに再生性の原材料を使用することが必要である。
セルロースバイオマスは大量の直鎖有機物及び多種の芳香族化合物を含有するため、資源が豊富な再生可能なエネルギー材料である。国連の専門家グループの評価によると、人類の生存と発展を支えることができるのは、セルロースバイオマスの再生性エネルギー源だけである。セルロースバイオマスの致命的な欠点は、密度が低すぎることである。従って、セルロースバイオマスを精錬することによって発熱量の高い産物を得ることが生物再生エネルギー源において解決しなければならない課題となっている。
第一の方法は、セルロースバイオマスを液化させるものである。セルロースを液化処理すると、多くの簡単な有機化合物が得られる。これらの簡単な有機化合物は、優れた液体燃料の原材料でもあるし、現代化学工業の原材料でもある。
特許文献1において、セルロースバイオマスの精錬生産プロセスが公開されている。この精錬生産プロセスを用いることにより、商業化のセルロースバイオマスの燃料エタノールの生産コストをデンプンの燃料エタノールと同等にする可能性がある。しかし、この方法の生産過程は複数の工程を含み、プロセスが未だに複雑であり、生産コストもまだ高いものである。
そのため、本分野では、工程が簡単で、効率的なセルロースバイオマスの直接液化方法の開発が切望されている。しかしながら、セルロースバイオマスの直接液化方法は未だ報告されていない。
国際公開第2006/076870号パンフレット
本発明の目的は、工程が簡単で、効率的なセルロースバイオマスの直接液化方法を提供することにある。具体的には、本発明によれば、比較的に温和な条件下で、かつ短時間内でセルロースバイオマスにおける大多数(又は全部)の有機物を小分子の有機化合物に転化させることができ、同時にセルロースバイオマスにおける有機物の炭化(無機物への変化)を避け、またセルロースバイオマスにおける有機物の気化(即ち、メタン、エタン、プロパン、一酸化炭素、二酸化炭素などの小分子の気体への転化)による有機炭素の大きな損失を防止することができる、セルロースバイオマスを直接液化させる方法を提供する。
本発明者らは、幅広く深く研究した結果、初めて、特定の触媒の存在下で、比較的に温和な条件において、かつ短時間内でセルロースバイオマスの直接液化を実現させることができることを見出した。そして、これに基づき、本発明を完成させた。すなわち、本発明の要旨は、以下の通りである。
本発明の第一は、以下の工程(a)および(b)を含むセルロースバイオマスの直接液化方法を提供する。
工程(a):
セルロースバイオマスと、
アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属の酸化物、アルカリ土類金属の酸化物、アルカリ金属の炭酸塩およびアルカリ土類金属の炭酸塩から選ばれる少なくとも一種である第一触媒、および/または、遷移金属の酸化物、遷移金属の硫化物、遷移金属のジ金属塩、アントラキノン、アントラキノンの誘導体および脱メチルリグニンから選ばれる少なくとも一種である第二触媒と、
任意に選ばれる極性溶媒と、を含む混合物を得る工程であって、該混合物におけるセルロースバイオマス由来の水含有量が6%(w/w)よりも大きい場合、該混合物が極性溶媒を含んでいなくてもよいことを付加条件とする工程
工程(b):
液化の条件で、前述の混合物を直接液化させることにより液化産物を得る工程
別の好ましい態様において、工程(a)は、セルロースバイオマスと極性溶媒とを混合した後、触媒を添加して混合物を形成することを含む。
別の好ましい態様において、工程(b)は、オートクレーブで行われる。
別の好ましい態様において、前述のセルロースバイオマスは、新鮮なセルロースバイオマス、又は乾燥したセルロースバイオマスを含むが、これらに限られない。
別の好ましい態様において、前述のセルロースバイオマスは、各種のセルロースバイオマスを含み、中には、堅木、軟木、樹皮、葉、根、籐、野草、葦、竹、水生植物、農業、林業、野菜や果物の加工業におけるセルロース含有廃棄物、各種の動物の糞や漢方薬加工業におけるセルロース含有廃棄物、コーンストーバー、コーリャンストーバー、麦わら、豆の茎、油菜の茎、落花生の茎、イモ類の茎、草本果物の茎、及び綿の茎のような農作物の廃棄物、又は上述バイオマスの混合物が含まれているが、これらに限られない。
別の好ましい態様において、前述の極性溶媒は、ヒドロキシ化合物、アルカリ条件でヒドロキシ化合物に転化可能な物質、イオン液体、及び水或いはこれらの組合せを含む。前述のヒドロキシ化合物は、全部のアルコール溶媒及びフェノール溶媒を含む。
別の好ましい態様において、前述のアルコール溶媒は、アルコール、チオール、シラノールを含むが、これらに限られなく、アルコールが好ましい。全部のアルコールの中でも、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、グリセリン、ブタノールのような小分子のアルコールが好ましい。
別の好ましい態様において、前述のフェノール溶媒は、フェノール、モノメチルフェノール、ジメチルフェノール、トリメチルフェノール、メトキシフェノールを含むが、これらに限られなく、フェノールが好ましい。
別の好ましい態様において、アルカリ条件でヒドロキシ化合物に転化可能な物質は、ケトン類やアルデヒド類を含み、アセトン、メチルエチルケトン、ベンズアルデヒドを含むが、これらに限られない。
別の好ましい態様において、前述のイオン液体は、窒素やリンを含有する有機カチオンと大きい無機アニオンとからなる液体を含むが、これらに限られない。代表的なカチオンは、アルキルアンモニウム塩、アルキルリン酸塩、N-アルキルピリジンやN,N’-ジアルキルイミダゾールのカチオンを、代表的なアニオンは、ハロゲンイオン、AlCl4 -やBF4 -、PF6 -、CF3SO3 -などのフッ素、リン、硫黄を含有する多種のイオンを含む。
別の好ましい態様において、前述のアルカリ金属の水酸化物は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又はこれらの組合せを含むが、これらに限られない。前述のアルカリ土類金属の水酸化物は、水酸化ベリリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム又はこれらの組合せを含むが、これらに限られない。前述のアルカリ金属の酸化物は、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム等を含むが、これらに限られない。前述のアルカリ土類金属の酸化物は、酸化ベリリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム又はこれらの組合せを含むが、これらに限られない。前述のアルカリ金属の炭酸塩は、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム又はこれらの組合せを含むが、これらに限られない。前述のアルカリ土類金属の炭酸塩は、炭酸ベリリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム又はこれらの組合せを含むが、これらに限られない。前述の遷移金属の酸化物は、酸化鉄(Fe)、酸化ルテニウム(Ru)、酸化オスミウム(Os)、酸化銅(Cu)、酸化スズ(Sn)、酸化ニッケル(Ni)、酸化パラジウム(Pd)、酸化白金(Pt)、酸化コバルト(Co)、酸化ロジウム(Rh)、酸化イリジウム(Ir)、酸化クロム(Cr)、酸化モリブデン(Mo)、酸化タングステン(W)又はこれらの組合せを含むが、これらに限られない。前述の遷移金属の硫化物は、硫化鉄、硫化銅、硫化スズ、硫化ルテニウム、硫化オスミウム、硫化コバルト、硫化ニッケル、硫化パラジウム、硫化白金、硫化ロジウム、硫化クロム、硫化モリブデン、硫化タングステン又はこれらの組合せを含むが、これらに限られない。前述の遷移金属のジ金属塩は、亜クロム酸銅(Cu2Cr2O5)、亜クロム酸鉄又はこれらの組合せを含むが、これらに限られない。
別の好ましい態様において、第一触媒と第二触媒とを併用させる。
別の好ましい態様において、前述混合物において、第一触媒の含有量がセルロースバイオマスの乾燥重量の0.1%〜100%であり、及び/又は第二触媒の含有量がセルロースバイオマスの乾燥重量の0.01%〜100%である。
他の好ましい態様において、前述の液化条件は、以下(1)、(2)を含む。
(1)工程(b)において、液化反応が酸素の存在下で、好ましくは、不活性ガス、一酸化炭素、又は水素の存在下で、行われること。
(2)工程(b)において、水素を使用し、且つ該水素の初期圧力が2〜300大気圧であること。
他の好ましい態様において、工程(b)において、液化の反応温度が50〜600℃、好ましくは100〜500℃、より好ましくは150〜400℃であることを含む。
本発明によれば、工程が簡単で、効率的なセルロースバイオマスの直接液化方法を提供することができる。具体的には、本発明によれば、比較的に温和な条件下で、かつ短時間内でセルロースバイオマスにおける大多数(或いは全部)の有機物を小分子の有機化合物に転化させることができ、同時にセルロースバイオマスにおける有機物の炭化(無機物への変化)を避け、またセルロースバイオマスにおける有機物の気化(即ち、メタン、エタン、プロパン、一酸化炭素、二酸化炭素などの小分子の気体への転化)による有機炭素の大きな損失を防止することができるセルロースバイオマスを直接液化させる方法を提供することができる。
牛糞の直接液化産物のCG/MS分析の結果である。なお、図1において、横座標は保留時間(単位:分)を示し、縦座標は相対存在度を示す。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のセルロースバイオマス(Biomass)原料の定義は、セルロースを含有するバイオマスである。バイオマスとは、食用部分を除いた他のバイオマスエネルギーが豊かな物質のことであり、例えば、様々な堅木、軟木、樹皮、葉、根、籐、野草、葦、竹、水生植物、農業、林業、野菜や果物の加工業におけるセルロース含有廃棄物、各種の動物の糞や漢方薬加工業におけるセルロース含有廃棄物、コーンストーバー、コーリャンストーバー、麦わら、豆の茎、油菜の茎、落花生の茎、イモ類の茎、草本果物の茎、及び綿の茎のような農作物の廃棄物などが挙げられる。これらのセルロースバイオマスの主な構成成分は、多糖のセルロースとヘミセルロース、及びポリ芳香族化合物のリグニンである。
本発明のセルロースバイオマスの直接液化方法においては、セルロースは特に限定されない。つまり、本発明のセルロースバイオマスの直接液化方法は、すべてのセルロースを含有するバイオマスに対して適切であり、つまり、新鮮なセルロースバイオマスまたは乾燥したセルロースバイオマスなどに適切である。
本発明の一つの実施の形態において、極性溶媒とは、ヒドロキシ化合物、アルカリ条件でヒドロキシ化合物に転化可能な物質、イオン液体、及び水のことである。
ヒドロキシ化合物は、全部のアルコール溶媒及びフェノール溶媒、例えばアルコール、チオール、シラノール等を含むが、アルコールが好ましい。全部のアルコールの中でも、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、グリセリン、ブタノールのような小分子のアルコールが好ましい。フェノール系化合物には、例えばフェノール、モノメチルフェノール、ジメチルフェノール、トリメチルフェノール、メトキシフェノールなどがあるが、フェノールが好ましい。
アルカリ条件でヒドロキシ化合物に転化可能な物質は、ケトン類やアルデヒド類を含み、例えばアセトン、メチルエチルケトン、ベンズアルデヒドなどがある。
イオン液体は、全部の窒素やリンを含有する有機カチオンと大きい無機アニオンとからなる液体を含む。例えば、アルキルアンモニウム塩、アルキルリン酸塩、N-アルキルピリジンやN,N’-ジアルキルイミダゾールのようなカチオン、ハロゲンイオン、AlCl4 -やBF4 -、PF6 -、CF3SO3 -などのフッ素、リン、硫黄を含有する多種のイオンのようなアニオンがある。これらの極性溶媒は、単独で使用してもよく、混合して一緒に使用してもよい。
本発明の一つの実施の形態において、前述のセルロースバイオマスの水含有量が6%を超える場合は、極性溶媒を使用せず、直接破砕されたセルロースバイオマスを使用しても良い。セルロースバイオマスが水を含有しない乾燥物である場合、極性溶媒の使用量は、通常、セルロースバイオマスの10%(重量/体積比)以上である。
本発明の一つの実施の形態において、前述の触媒は以下のものを含む。
第一触媒は、塩基性物質であり、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、水酸化ベリリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属の水酸化物、また酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム等のアルカリ金属の酸化物、酸化ベリリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム等のアルカリ土類金属の酸化物、さらに炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、炭酸ベリリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩を含む。これらの触媒は、単独で使用してもよく、併用してもよい。
第二触媒は、例えば、酸化鉄(Fe)、酸化ルテニウム(Ru)、酸化オスミウム(Os)、酸化銅(Cu)、酸化スズ(Sn)、酸化ニッケル(Ni)、酸化パラジウム(Pd)、酸化白金(Pt)、酸化コバルト(Co)、酸化ロジウム(Rh)、酸化イリジウム(Ir)、酸化クロム(Cr)、酸化モリブデン(Mo)、酸化タングステン(W)等の遷移金属の酸化物、硫化鉄、硫化銅、硫化スズ、硫化ルテニウム、硫化オスミウム、硫化コバルト、硫化ニッケル、硫化パラジウム、硫化白金、硫化ロジウム、硫化クロム、硫化モリブデン、硫化タングステン等の遷移金属の硫化物、及び亜クロム酸銅(Cu2Cr2O5)、亜クロム酸鉄等のこれらの遷移金属のジ金属塩類、さらにアントラキノン(anthraquinone)及びその誘導体、脱メチルリグニン(demethylated lignin)等の有機化合物を含む。これらの触媒は、単独で使用してもよく、併用してもよい。
第一触媒と第二触媒は、いずれも単独で使用してもよいが、第一触媒と第二触媒を同時に使用することが好ましく、第一触媒の物質と第二触媒の物質、及び第二触媒の物質の間で形成される各種の非共有結合の付加重合体にも同様な機能がある。
第一触媒の使用量は、通常、セルロースバイオマスの重量(乾燥重量)の0.1%〜100%で、この範囲以外の触媒の使用量でも触媒反応が可能であるが、この範囲よりも低い触媒の使用量では、反応が遅く、この範囲よりも高い触媒の使用量では、コストが高すぎるため、好ましくない。
第二触媒の使用量は、通常、セルロースバイオマスの重量(乾燥重量)の0.01%〜100%で、この範囲以外の触媒の使用量でも触媒反応が可能であるが、この範囲よりも低い触媒の使用量では、反応が遅く、この範囲よりも高い触媒の使用量では、コストが高すぎるため、好ましくない。
第一触媒と第二触媒を同時に使用する場合、両者の混合比率に特に制限がない。通常、第一触媒と第二触媒の重量比率は、例えば、(第一触媒)/(第二触媒)=0.01/99.9〜99.9/0.01である。
液化反応は、酸素の存在下で行われても良い。セルロースバイオマスを直接液化させた製品に大量の単環フェノール産物、セルロースとヘミセルロースの加水分解過程における中間体産物が含まれ、且つ一部の第二触媒の触媒が酸化されやすいことにより、産物の複雑化、セルロースバイオマスの気化、及び触媒の失活が生じる。そのため、反応は無酸素で不活性ガス、一酸化炭素、或いは水素の存在下で行われることが好ましい。
反応に水素を使用する場合、水素は価格が不活性ガスよりも高いので、反応の脱酸素は通常不活性ガスで置換し、その後水素を導入してから反応させる。水素の初期圧力は通常2〜300大気圧の範囲にあるが、この範囲以外の水素使用量でも反応させることができる。しかし、この範囲よりも低い水素使用量では、反応が遅く、この範囲よりも高い水素使用量では、コストが高すぎるし、一部の単環フェノール産物が水素化還元されるため、好ましくない。
反応温度は通常50〜600℃とするが、この範囲以外の反応温度でも順調に反応させることができる。しかし、この範囲よりも低い反応温度では、反応が遅い場合があり、一方、この範囲よりも高い反応温度では、コストが高すぎるし、一部のセルロースバイオマスが炭化や気化の反応が生じ、収率が低下する場合があるため、好ましくない。好ましくは100〜500℃、より好ましくは150〜400℃である。
本発明において開示されたセルロースバイオマスを一段階で直接液化させる方法においては、前処理されていないセルロースバイオマスを用いてもよいし、前処理されたセルロースバイオマスを用いてもよい。前処理されていないセルロースバイオマスを使用することによって、セルロースバイオマスの精錬のコストを大幅に低下させることができる。しかし、現在、多くの生産プロセスによる廃棄物はすでに前処理されたと見られる。このような前処理されたものとしては、例えば、圧搾したサトウキビのくずなどがある。前処理されたセルロースバイオマスは、そのまま液化反応に使っても順調に反応する。
既知のセルロースバイオマスの前処理方法は、いずれも、本発明のバイオマスを一段階で直接液化させる技術及び生産プロセスに影響を与えない。
本発明にのセルロースバイオマスを直接液化させる方法において、回分式反応器(Batch reactor systems)で行ってもよいし、連続式流通反応器システム(Continuous flow reactor systems)、又はフロー型反応器システム(Flow through reactor systems)で行ってもよい。
本発明の主な利点は以下の通りである。
(a)セルロースバイオマスを一段階で直接液化させる方法により、セルロースバイオマスにおける大多数(又は全部)の成分を一段階で液化させることができ、且つ炭化や気化もほとんど生じない。
(b)本発明の方法は、数千万年の石油の形成過程を大幅に十数分間から数時間まで短縮させ、且つ得られる液化産物は品質が高く、重金属をほぼ含有せず、硫黄と窒素の含有量も極めて低く(硫黄と窒素は主にセルロースバイオマスにおけるタンパク質から)、ガソリンなどの液体燃料(人造再生性石油製品とする)に転化されてもよいし、化学工業の原材料とされてもよい。
これから挙げられる実施例は本発明をよりよく説明するために用いられるもので、本発明で開示される内容は以下の実施例に限定されていない。特に断らない限り、百分率は重量で計算される。
なお、反応産物の分析は、クロマトグラフィー質量分析法のようなクロマトグラフィー法によって行われた。
実施例1:牛糞の直接液化
自然乾燥した固体牛糞(水分6.0%)顆粒5g、及び0.4gの硫化鉄、50gのフェノールを一括に100mlのステンレススチール製オートクレーブに入れ、温度80℃に加熱し、撹拌しながら窒素ガスで脱酸素を2回行った。その後、100大気圧(10MPa)まで水素ガスを導入し、反応系を密封し、温度300℃に加熱し、そのまま5時間保持した後室温まで冷却し、圧力が約5大気圧だけ低下した。次いで、気体を全部排出した後、液体産物を出し、オートクレーブを少量のトルエンで2回洗浄したところ、オートクレーブ内に炭化反応の跡が確認されなかった。
得られた液体産物を分析したところ、それにおける有機成分は、主に単環の芳香族化合物であった。さらに分析したところ、図1のGC/MSの分析結果のように、単環化合物のなかでは、重量含有量が3%を超えたメチルフェノール(m/e=108)、ジメチルフェノール(m/e=122)、トリメチルフェノール(m/e=136)、エチルフェノール(m/e=122)、メトキシフェノール(m/e=124)、イソプロピルフェノール(m/e=136)、メトキシメチルフェノール(m/e=138)、バニリン(m/e=152)、及び含有量の低い有機物が含まれ、液化によって得られた小分子有機化合物の収率が92.7%であった。
実施例2:前処理された麦わらの液化
工程1.前処理
適当な容器に30.0gの粉砕された自然乾燥の麦わら(水分5.8%)、及び100mlの純水を入れ、撹拌しながら混合物を100℃に近い温度まで加熱してこの温度で約10分間保持した。その後、ろ過で深茶黄色の液体を除去し(脱蝋)、残った固体を減圧乾燥した後、耐食のオートクレーブに入れ、1%硫酸含有水を150ml入れた。次いで、温度を120℃に上昇させ、この温度で60分間撹拌した後、室温に冷却し、さらにろ過でヘミセルロースの雑糖溶液を除去し、得られた固体産物を脱イオン水で中性になるまで洗浄した後、減圧乾燥して使用に備えた。
工程2.液化
工程1で得られたセルロース、リグニン、及び少量の灰分(麦わらに固有)を含む固体産物10g、8gの水酸化ナトリウム、10mgのアントラキノン、90mlの水を一括に200mlのステンレススチール製オートクレーブに入れ、撹拌しながら窒素ガスで脱酸素を2回行った。その後、40大気圧(4MPa)まで水素ガスを導入し、反応系を密封し、温度200℃に加熱し、そのまま2時間保持した後室温まで冷却し、圧力が2〜3大気圧だけ低下した。次いで、気体を全部排出した後、液体産物をろ過し、オートクレーブを少量の1%水酸化ナトリウム水溶液で2回洗浄したところ、オートクレーブ内に炭化反応の跡が確認されなかった。洗浄液をろ過し、残渣を少量の1%水酸化ナトリウム水溶液で2回洗浄して減圧乾燥し、分析したところ、残渣に有機炭素及び元素炭素が含まれていないことがわかった。
得られた液体産物を分析したところ、それにおける有機成分は主に単環の芳香族化合物、及び炭素が6のポリヒドロキシ化合物と少量の水溶性多糖であった。さらに分析したところ、単環化合物のなかでは、重量含有量が3%を超えたフェノール(m/e=94)、メチルフェノール(m/e=108)、ジメチルフェノール(m/e=122)、トリメチルフェノール(m/e=136)、エチルフェノール(m/e=122)、メトキシフェノール(m/e=124)、イソプロピルフェノール(m/e=136)、メトキシメチルフェノール(m/e=138)、バニリン(m/e=152)、及び含有量の低い有機物が含まれていた。炭素が6のポリヒドロキシ化合物は、主に分子量がm/e=196、m/e=182、m/e=166の多種の異性体有機物であった。単環の芳香族化合物とポリヒドロキシ化合物を合わせて、液化によって得られた小分子有機化合物の収率が96.5%であった。
この結果から、前処理されたセルロースバイオマスは本発明で開示された条件で、小分子の有機物に液化されやすく、炭化や気化の現象が見られなかったことが明らかである。
実施例3:麦わらの直接液化(前処理せず)
約2mmの大きさに粉砕された自然乾燥の麦わら固体(水分5.8%)顆粒10g、8gの水酸化ナトリウム、10mgのアントラキノン、90mlの水を一括に200mlのステンレススチール製オートクレーブに入れ、撹拌しながら窒素ガスで脱酸素を2回行った。その後、40大気圧(4MPa)まで水素ガスを導入し、反応系を密封し、温度200℃に加熱し、そのまま2時間保持した後室温まで冷却し、圧力が2〜3大気圧だけ低下した。気体を全部排出した後、液体産物をろ過し、オートクレーブを少量の1%水酸化ナトリウム水溶液で2回洗浄したところ、オートクレーブ内に炭化反応の跡が確認されず、洗浄液をろ過し、残渣を少量の1%水酸化ナトリウム水溶液で2回洗浄して減圧乾燥し、分析したところ、残渣に有機炭素及び元素炭素が含まれていないことがわかった。
得られた液体産物を分析したところ、それにおける有機成分は主に単環の芳香族化合物、及び炭素が5、6のポリヒドロキシ化合物と少量の水溶性多糖であった。さらに分析したところ、単環化合物のなかでは、重量含有量が3%を超えたフェノール(m/e=94)、メチルフェノール(m/e=108)、ジメチルフェノール(m/e=122)、トリメチルフェノール(m/e=136)、エチルフェノール(m/e=122)、メトキシフェノール(m/e=124)、イソプロピルフェノール(m/e=136)、メトキシメチルフェノール(m/e=138)、バニリン(m/e=152)、及び含有量の低い有機物が含まれていた。炭素が5、6のポリヒドロキシ化合物は、主に分子量がm/e=196、m/e=182、m/e=166、m/e=152、m/e=136の多種の異性体有機物であった。単環の芳香族化合物とポリヒドロキシ化合物を合わせて、液化によって得られた小分子有機化合物の収率が94.8%であった。
この結果から、前処理された麦わらは、液化反応が影響されず、産物の分布が処理された麦わらと非常に類似で、たださらに幾種の5炭素糖からの産物ができたことが示されている。
実施例4:油菜の茎の直接液化
約2mmの大きさに粉砕された自然乾燥の油菜の茎の固体(水分6.3%)顆粒10g、1gの水酸化カルシウム、1gの硫化銅、90mlのメタノールを一括に200mlのステンレススチール製オートクレーブに入れ、撹拌しながら窒素ガスで脱酸素を2回行った。その後、80大気圧(8MPa)まで水素ガスを導入し、反応系を密封し、温度260℃に加熱し、そのまま2時間保持した後室温まで冷却し、圧力が約4大気圧だけ低下した(圧力の上昇が見られていなかった)。気体を全部排出した後、液体産物をろ過し、オートクレーブを少量のメタノールで2回洗浄したところ、オートクレーブ内に炭化反応の跡が確認されず、洗浄液をろ過し、残渣を少量のメタノールで2回洗浄して減圧乾燥し、分析したところ、残渣に有機炭素及び元素炭素が含まれていないことがわかった。
得られた液体産物を分析したところ、それにおける有機成分は主に単環の芳香族化合物、及び炭素が5、6のポリヒドロキシ化合物と少量の水溶性多糖であった。さらに分析したところ、単環化合物のなかでは、重量含有量が3%を超えたフェノール(m/e=94)、メチルフェノール(m/e=108)、ジメチルフェノール(m/e=122)、トリメチルフェノール(m/e=136)、エチルフェノール(m/e=122)、メトキシフェノール(m/e=124)、イソプロピルフェノール(m/e=136)、メトキシメチルフェノール(m/e=138)、バニリン(m/e=152)、及び含有量の低い有機物が含まれていた。炭素が5、6のポリヒドロキシ化合物は、主に分子量がm/e=196、m/e=182、m/e=166、m/e=152、m/e=136の多種の異性体有機物であった。単環の芳香族化合物とポリヒドロキシ化合物を合わせて、液化によって得られた小分子有機化合物の収率が89.3%であった。
この結果から、アルコール類が優れた溶媒で、同様に炭化や気化の現象が見られなかったことが明らかである。
実施例5:葦の直接液化
約2mmの大きさに粉砕された自然乾燥の葦固体(水分6.0%)顆粒5g、5gの水酸化マグネシウム、50mlのイオン液体の1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム テトラフルオロボレート(1-butyl-3-methylimidazolium tetrafluoroborate)を一括に100mlのステンレススチール製オートクレーブに入れ、撹拌しながら窒素ガスで脱酸素を2回行った。その後、90大気圧(9MPa)まで水素ガスを導入し、反応系を密封し、温度260℃に加熱し、そのまま10時間保持した後室温まで冷却し、圧力が約5大気圧だけ低下した。気体を全部排出した後、液体産物を出し、オートクレーブを少量の水で2回洗浄し、オートクレーブ内に炭化反応の跡が確認されなかった。
得られた液化産物を分析したところ、それにおける有機成分は主に単環の芳香族化合物、及び炭素が5、6のポリヒドロキシ化合物と少量の水溶性多糖であった。さらに分析したところ、単環化合物のなかでは、重量含有量が3%を超えたフェノール(m/e=94)、メチルフェノール(m/e=108)、ジメチルフェノール(m/e=122)、トリメチルフェノール(m/e=136)、エチルフェノール(m/e=122)、メトキシフェノール(m/e=124)、イソプロピルフェノール(m/e=136)、メトキシメチルフェノール(m/e=138)、バニリン(m/e=152)、及び含有量の低い有機物が含まれていた。炭素が5、6のポリヒドロキシ化合物は、主に分子量がm/e=196、m/e=182、m/e=166、m/e=152、m/e=136の多種の異性体有機物であった。単環の芳香族化合物とポリヒドロキシ化合物を合わせて、液化によって得られた小分子有機化合物の収率が86.4%であった。
実施例6:葦の直接液化
約2mmの大きさに粉砕された自然乾燥の葦固体(水分6.0%)顆粒5g、1gの亜クロム酸銅、90mlの水を一括に200mlのステンレススチール製オートクレーブに入れ、撹拌しながら窒素ガスで脱酸素を2回行った。その後、90大気圧(9MPa)まで水素ガスを導入し、反応系を密封し、温度260℃に加熱し、そのまま6時間保持した後室温まで冷却し、圧力が約5大気圧だけ低下した。気体を全部排出した後、液体産物をろ過し、オートクレーブを少量の水で2回洗浄したところ、オートクレーブ内に炭化反応の跡が確認されず、洗浄液をろ過し、残渣を少量の水で2回洗浄して減圧乾燥し、分析したところ、残渣に有機炭素及び元素炭素が含まれていないことがわかった。
得られた液体産物を分析したところ、それにおける有機成分は主に単環の芳香族化合物、及び炭素が5、6のポリヒドロキシ化合物と少量の水溶性多糖であった。さらに分析したところ、単環化合物のなかでは、重量含有量が3%を超えたフェノール(m/e=94)、メチルフェノール(m/e=108)、ジメチルフェノール(m/e=122)、トリメチルフェノール(m/e=136)、エチルフェノール(m/e=122)、メトキシフェノール(m/e=124)、イソプロピルフェノール(m/e=136)、メトキシメチルフェノール(m/e=138)、バニリン(m/e=152)、及び含有量の低い有機物が含まれていた。炭素が5、6のポリヒドロキシ化合物は、主に分子量がm/e=196、m/e=182、m/e=166、m/e=152、m/e=136の多種の異性体有機物であった。単環の芳香族化合物とポリヒドロキシ化合物を合わせて、液化によって得られた小分子有機化合物の収率が90.1%であった。
実施例7:新鮮な葦の直接液化
新鮮な葦を粉砕機でスラリーに粉砕した、水含有量が28%(重量含有量)のもの計30g、3gの水酸化ナトリウム、300mgの酸化ルテニウムを一括に60mlのステンレススチール製オートクレーブに入れ、撹拌しながら窒素ガスで脱酸素を2回行った。その後、100大気圧(10MPa)まで水素ガスを導入し、反応系を密封し、温度230℃に加熱し、そのまま2時間保持した後室温まで冷却し、圧力が約5大気圧だけ低下した。気体を全部排出した後、液体産物をろ過し、オートクレーブを少量の1%水酸化ナトリウム水溶液で2回洗浄したところ、オートクレーブ内に炭化反応の跡が確認されなかった。洗浄液をろ過し、残渣を少量の1%水酸化ナトリウム水溶液で2回洗浄して減圧乾燥し、分析したところ、残渣に有機炭素及び元素炭素が含まれていないことがわかった。
得られた液体産物を分析したところ、それにおける有機成分は主に単環の芳香族化合物、及び炭素が5、6のポリヒドロキシ化合物と少量の水溶性多糖であった。さらに分析したところ、単環化合物のなかでは、重量含有量が3%を超えたフェノール(m/e=94)、メチルフェノール(m/e=108)、ジメチルフェノール(m/e=122)、トリメチルフェノール(m/e=136)、エチルフェノール(m/e=122)、メトキシフェノール(m/e=124)、イソプロピルフェノール(m/e=136)、メトキシメチルフェノール(m/e=138)、バニリン(m/e=152)、及び含有量の低い有機物が含まれていた。炭素が5、6のポリヒドロキシ化合物は、主に分子量がm/e=196、m/e=182、m/e=166、m/e=152、m/e=136の多種の異性体有機物であった。単環の芳香族化合物とポリヒドロキシ化合物を合わせて、液化によって得られた小分子有機化合物の収率が96.1%であった。
この結果から、新鮮な葦は、乾燥した葦と同様に、液化反応が影響されず、製品の分布が乾燥した葦と一致したことが明らかである。
実施例8:竹の直接液化
約2mmの大きさに粉砕された自然乾燥の竹(水分5.3%)顆粒10g、及び2gの亜クロム酸銅、90mlの6%水酸化ナトリウム水溶液を均一に撹拌してから一括に200mlのステンレススチール製オートクレーブに入れ、撹拌しながら窒素ガスで脱酸素を2回行った。その後、100大気圧(10MPa)まで水素ガスを導入し、反応系を密封し、温度220℃に加熱し、そのまま1.5時間保持した後室温まで冷却し、圧力が約5大気圧だけ低下した。気体を全部排出した後、液体産物をろ過し、オートクレーブを少量の1%水酸化ナトリウム水溶液で2回洗浄したところ、オートクレーブ内に炭化反応の跡が確認されなかった。洗浄液をろ過し、残渣を少量の1%水酸化ナトリウム水溶液で2回洗浄して減圧乾燥し、分析したところ、残渣に有機炭素及び元素炭素が含まれていないことがわかった。
得られた液体産物を分析したところ、それにおける有機成分は主に単環の芳香族化合物、及び炭素が5、6のポリヒドロキシ化合物と少量の水溶性多糖であった。さらに分析したところ、単環化合物のなかでは、重量含有量が3%を超えたフェノール(m/e=94)、メチルフェノール(m/e=108)、ジメチルフェノール(m/e=122)、トリメチルフェノール(m/e=136)、エチルフェノール(m/e=122)、メトキシフェノール(m/e=124)、イソプロピルフェノール(m/e=136)、メトキシメチルフェノール(m/e=138)、バニリン(m/e=152)、及び含有量の低い有機物が含まれていた。炭素が5、6のポリヒドロキシ化合物は、主に分子量がm/e=196、m/e=182、m/e=166、m/e=152、m/e=136の多種の異性体有機物であった。単環の芳香族化合物とポリヒドロキシ化合物を合わせて、液化によって得られた小分子有機化合物の収率が86.3%であった。
実施例9:牛糞の直接液化
自然乾燥の固体牛糞(水分6.0%)顆粒10g、0.2gの水酸化カリウムを一括に30mlのステンレススチール製オートクレーブに入れ、窒素ガスで脱酸素を2回行った。その後、2大気圧(1MPa)まで窒素ガスを導入し、反応系を密封し、温度580℃に加熱し、そのまま5分間保持し、温度60℃に冷却した。気体を全部排出した後、液体産物を流れ出し、オートクレーブを少量の水で2回洗浄し、オートクレーブ内に炭化反応の跡が確認されなかった。
得られた液体産物を分析したところ、それにおける有機成分は主に単環の芳香族化合物で、重量含有量が3%を超えたフェノール(m/e=94)、メチルフェノール(m/e=108)、ジメチルフェノール(m/e=122)、トリメチルフェノール(m/e=136)、エチルフェノール(m/e=122)、メトキシフェノール(m/e=124)、イソプロピルフェノール(m/e=136)、メトキシメチルフェノール(m/e=138)、バニリン(m/e=152)、及び含有量の低い有機物が含まれ、液化によって得られた小分子有機化合物の収率が71.4%であった。
実施例10〜11:豆の茎(乾燥)及びコーンストーバー(乾燥)の直接液化
実施例9に記載の方法に従ったが、異なる点は、実施例9における牛糞の代わりに、原料としてそれぞれ豆の茎(実施例10)、コーンストーバー(実施例11)を使用した点である。結果を表1にまとめて示す。
Figure 2011529091
なお、実施例1〜11について、使用されたセルロースバイオマスの原料、選ばれた触媒及び液化条件、収率が表1に示されている。
各文献がそれぞれ単独に引用されるように、本発明に係るすべての文献は本出願で参考として引用する。また、本発明の上記の内容を読み終わった後、この分野の技術者が本発明を各種の変動や修正をすることができるが、それらの等価の様態のものは本発明の請求の範囲に含まれることが理解されるべきである。

Claims (10)

  1. 以下の工程(a)および(b)を含むことを特徴とするセルロースバイオマスの直接液化方法。
    工程(a):
    セルロースバイオマスと、
    アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属の酸化物、アルカリ土類金属の酸化物、アルカリ金属の炭酸塩およびアルカリ土類金属の炭酸塩から選ばれる少なくとも一種である第一触媒、および/または、遷移金属の酸化物、遷移金属の硫化物、遷移金属のジ金属塩、アントラキノン、アントラキノンの誘導体および脱メチルリグニンから選ばれる少なくとも一種である第二触媒と、
    任意に選ばれる極性溶媒と、を含む混合物を得る工程であって、該混合物におけるセルロースバイオマス由来の水含有量が6%(w/w)よりも大きい場合、該混合物が極性溶媒を含んでいなくてもよいことを付加条件とする工程
    工程(b):
    液化の条件で、前述の混合物を直接液化させることにより液化産物を得る工程
  2. 工程(a)が、セルロースバイオマスと極性溶媒とを混合した後、第一触媒および/または第二触媒を添加して混合物を形成することを含むことを特徴とする請求項1に記載のセルロースバイオマスの直接液化方法。
  3. 工程(b)が、オートクレーブで行われることを特徴とする請求項1に記載のセルロースバイオマスの直接液化方法。
  4. 前述のセルロースバイオマスは、新鮮なセルロースバイオマス、又は乾燥したセルロースバイオマスを含むが、これらに限られないことを特徴とする請求項1に記載のセルロースバイオマスの直接液化方法。
  5. 前述の極性溶媒は、ヒドロキシ化合物、アルカリ条件でヒドロキシ化合物に転化可能な物質、イオン液体、および水から選ばれる少なくとも一種であり、
    前述のヒドロキシ化合物は、全部のアルコール溶媒及びフェノール溶媒を含み、
    アルカリ条件でヒドロキシ化合物に転化可能な物質は、ケトン類やアルデヒド類を含み、アセトン、メチルエチルケトン、ベンズアルデヒドを含むが、これらに限られないことを特徴とする請求項1に記載のセルロースバイオマスの直接液化方法。
  6. 前述のアルカリ金属の水酸化物は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムから選ばれる少なくとも一種であるが、これらに限られなく、
    前述のアルカリ土類金属の水酸化物は、水酸化ベリリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウムおよび水酸化バリウムから選ばれる少なくとも一種であるが、これらに限られなく、
    前述のアルカリ金属の酸化物は、酸化リチウム、酸化ナトリウムおよび酸化カリウム等を含むが、これらに限られなく、
    前述のアルカリ土類金属の酸化物は、酸化ベリリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウムおよび酸化バリウムから選ばれる少なくとも一種であるが、これらに限られなく、
    前述のアルカリ金属の炭酸塩は、炭酸リチウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムから選ばれる少なくとも一種であるが、これらに限られなく、
    前述のアルカリ土類金属の炭酸塩は、炭酸ベリリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウムおよび炭酸バリウムから選ばれる少なくとも一種であるが、これらに限られなく、
    前述の遷移金属の酸化物は、酸化鉄(Fe)、酸化ルテニウム(Ru)、酸化オスミウム(Os)、酸化銅(Cu)、酸化スズ(Sn)、酸化ニッケル(Ni)、酸化パラジウム(Pd)、酸化白金(Pt)、酸化コバルト(Co)、酸化ロジウム(Rh)、酸化イリジウム(Ir)、酸化クロム(Cr)、酸化モリブデン(Mo)および酸化タングステン(W)から選ばれる少なくとも一種であるが、これらに限られなく、
    前述の遷移金属の硫化物は、硫化鉄、硫化銅、硫化スズ、硫化ルテニウム、硫化オスミウム、硫化コバルト、硫化ニッケル、硫化パラジウム、硫化白金、硫化ロジウム、硫化クロム、硫化モリブデンおよび硫化タングステンから選ばれる少なくとも一種であるが、これらに限られなく
    前述の遷移金属のジ金属塩は、亜クロム酸銅(Cu2Cr2O5)および/または亜クロム酸鉄であるが、これらに限られないことを特徴とする請求項1に記載のセルロースバイオマスの直接液化方法。
  7. 第一触媒と第二触媒とを併用することを特徴とする請求項1に記載のセルロースバイオマスの直接液化方法。
  8. 前述の混合物において、第一触媒の含有量がセルロースバイオマスの乾燥重量の0.1%〜100%であり、および/または第二触媒の含有量がセルロースバイオマスの乾燥重量の0.01%〜100%であることを特徴とする請求項1に記載のセルロースバイオマスの直接液化方法。
  9. 前述の液化条件は、以下(1)、(2)を含むことを特徴とする請求項1に記載のセルロースバイオマスの直接液化方法。
    (1)工程(b)において、液化反応が酸素の存在下で、好ましくは、不活性ガス、一酸化炭素、又は水素の存在下で、行われること。
    (2)工程(b)において、水素を使用し、且つ該水素の初期圧力が2〜300大気圧であること。
  10. 工程(b)において、液化の反応温度が50〜600℃であることを特徴とする請求項9に記載のセルロースバイオマスの直接液化方法。
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