JP2011528055A - 油面鋼のための接着促進化合物 - Google Patents

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Abstract

本発明の主題は、接着促進剤あるいは接着促進成分として、油面基材、特に油面金属への接着向上を示す式(I)の化合物である。この化合物は熱硬化性エポキシ樹脂接着剤に用いるのに特に適している。

Description

本発明は熱硬化性且つ二成分形エポキシ樹脂組成物の分野に関し、特に金属を接着させるための接着剤又は接着促進剤として用いるためのものに関する。
熱硬化性且つ二成分形エポキシ樹脂組成物に基づく接着剤は、従来技術において以前から知られている。熱硬化性且つ二成分形エポキシ樹脂接着剤の重要な用途は、車両組立て、特にボディーシェルの車体部品を接着させることにある。
かねてから、接着促進剤の助けを借りて、困難な基材へのこれらのエポキシ樹脂接着剤の接着力を向上させるための努力が行われてきた。しかし、特に、深絞り工程からの、オイル残渣を有する金属からできている車両部品は、これらの接着促進剤に対して特に難題を提示している。接着促進剤は金属の油面及び非油面領域の両方に対する良好な接着を容易にしなければならない。油面基材(oiled substrate)への接着の向上は、従来の接着促進剤を用いては可能ではない。
国際公開第2006/052725号パンフレット 国際公開第2006/052726号パンフレット 国際公開第2006/052727号パンフレット 国際公開第2006/052728号パンフレット 国際公開第2006/052729号パンフレット 国際公開第2006/052730号パンフレット 国際公開第2005/097893号パンフレット 米国特許第5,669,227号明細書 米国特許第5,707,439号明細書 米国特許第6,197,849号明細書
[本発明の説明]
本発明の目的は、接着促進剤として又は接着促進成分として、油面基材(oiled substrate)、特に油面金属(oiled metal)への接着に改善を示す化合物を提供することである。
この目的は、請求項1で特定した化合物を用いて達成されうることをいまや驚くべきことに発見している。
そのような好ましい化合物のさらなる利点は、それらのエポキシ基のおかげで、熱硬化性エポキシ樹脂接着剤に用いた場合に、それらは接着剤中に硬化時に組み込まれることである。
さらに、これらの化合物は接着剤の硬化を妨げず、良好な洗浄耐性を持っていることが示されている。
そのような化合物を液体として調製することができ、それはしたがって容易に調合され且つ組み込まれ、溶媒の使用をおおむね不必要にする。
さらに、そのような化合物は基材の非常に良好な濡れ性を示し、これは接着促進剤としてのそれらの使用のために必要な前提条件である。
さらなる利点は、請求項1で特定した化合物が着色でき、このことは請求項1で特定した化合物を適用(apply)後に検出することを容易にする。
本発明のさらなる側面は、その他の独立請求項の主題である。本発明の特に好ましい態様は、従属請求項の主題である。
[本発明の態様]
第一の側面における本発明は、下記式(I)の化合物に関連する。
Figure 2011528055
式(I)中、Aは(n+q+r+s)価のポリオールA1から(n+q+r+s)個のヒドロキシル基を取り除いた後の基を表す。
は、
Figure 2011528055
を表し、
は、
Figure 2011528055
を表し、
はO又はNHを表す。
さらに、R’は任意選択で場合によっては分岐していてもよい、飽和又は不飽和の、4〜30の炭素原子、特に6〜20の炭素原子をもつアルキル基を表す。
R’’はH、又は任意選択で場合によっては分岐していてもよい、飽和又は不飽和の、1〜30の炭素原子、特に6〜20の炭素原子をもつアルキル基を表す。
R’’’は6〜30の炭素原子、特に6〜20の炭素原子をもつ、アルキル基又はアルキルフェニル基を表す。
R’’’’は1〜10の炭素原子、特に2〜8の炭素原子をもつ、芳香族、脂環式、又は脂肪族の二価の基を表す。この脂肪族の二価の基は任意選択で場合によっては分岐していてもよく、飽和又は不飽和である。
さらに、tは0又は1、好ましくは0の値をもつ。添え字n、q、r、及びsはそれぞれ0〜5の値を有し、但し、添え字n、q、及びrのうち少なくとも2つは0(ゼロ)とは異なることを条件とする。特に、sは1又は2の値を有し、且つ(n+q+r+s)の合計は好ましくは3又は4である。
本明細書では、置換基、基(radical)、又はグループ(group)と結びついた「それぞれ独立に」の語は、同じ指定をもつ置換基、基、又はグループが同時に同じ分子中に様々な意味で現れうることを意味する。
本明細書中の式中の破線は、それぞれの場合に、それぞれの置換基と上記の対応する分子の部分との間の結合を表す。
ここでこの全体の明細書中で、「ポリイソシアネート」、「ポリアミン」、「ポリオール」、「ポリフェノール」、及び「ポリメルカプタン」中の接頭語「ポリ」は、そのそれぞれの官能基を2つ以上形式上含む分子を示す。
本明細書中の「靭性改良剤(Toughener)」は、マトリクス、特にエポキシ樹脂マトリクスへの添加剤であって、0.1〜50質量%、特に0.5〜40質量%の少量添加に対してさえ、靭性の明確な増大を引き起こし、そのため、より大きな曲げ、引張、衝突、又は衝撃応力が、そのマトリクスの割れ又は破壊に耐えることができる添加剤を意味する。
本明細書中の「両親媒性ブロックコポリマー」は、エポキシ樹脂と混和性のブロックセグメント少なくとも1つと、エポキシ樹脂と非混和性のブロックセグメント少なくとも1つを含むコポリマーを意味する。特に、両親媒性ブロックコポリマーは、国際公開第2006/052725号A1パンフレット、同2006/052726号A1パンフレット、同2006/052727号A1パンフレット、同2006/052728号A1パンフレット、同2006/052729号A1パンフレット、同2006/052730号A1パンフレット、及び同2005/097893号A1パンフレットに開示されているものなどの化合物であり、これらの内容を参照により本明細書に援用する。
本明細書中の「接着促進剤」は、それぞれの基材表面への接着剤、又はシーラント、又はコーティング剤の接着力を向上させる化合物を意味する。
ポリオールA1は、特に、脂肪族、脂環式、又は芳香族ポリオール、好ましくは脂肪族ポリオールである。
特に好適なポリオールA1は、ペンタエリスリトール(=2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール)、ジペンタエリスリトール(=3−(3−ヒドロキシ−2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロポキシ−2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロパン−1−オール)、グリセロール(=1,2,3−プロパントリオール)、トリメチロールプロパン(=2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール)、トリメチロールエタン(=2−(ヒドロキシメチル)−2−メチル−1,3−プロパンジオール)、ジ(トリメチロールプロパン)(=2,2’−オキシビス(メチレン)ビス(2−エチルプロパン−1,3−ジオール))、ジ(トリメチロールエタン)(=2,2’−オキシビス(メチレン)ビス(2−メチルプロパン−1,3−ジオール))、ジグリセロール(=ビス(2,3−ジヒドロキシプロピル)エーテル)、及びトリグリセロール(=1,3−ビス(2,3−ジヒドロキシプロピル)−2−プロパノールからなる群から選択されるポリオールである。
好ましいポリオールA1は、ペンタエリスリトール、グリセロール、トリメチロールプロパン、及びトリメチロールエタンである。
式(I)のものは様々な方法で合成することができる。第一の合成の変法では、式(I)の化合物は、式(III)のポリエポキシドE1と式(IIIα)のカルボン酸及び/又は式(IIIβ)のスルホン酸及び/又は式(IIIγ)のフェノールとの反応で得ることができる。添え字t’は0又は1の値を有する。
Figure 2011528055
しかしながら、式(I)の化合物は以下のリスト中の少なくとも2つの異なる群から少なくとも1つの基をもっていなくてはならない。
- 群α
Figure 2011528055
- 群β
Figure 2011528055
- 群γ
Figure 2011528055
示した基の可能な組み合わせは、したがって、α+β、α+γ、β+γ、並びにα+β+γである。
式(III)の(n+q+r+s)価のエポキシ化合物E1は、テトラメチルアンモニウムクロライド及び水酸化ナトリウム溶液を用いたトリメチロールプロパン及びエピクロルヒドリンとの反応について米国特許第5,669,227号明細書中の実施例1に記載されているように、例えば、ポリオールA1とエピクロルヒドリンとの反応によって製造することができる。
式(III)のポリエポキシドE1と式(IIIα)及び/又は式(IIIβ)の化合物及び/又は式(IIIγ)の化合物との反応は、順次にあるいはこれらの化合物の混合物を用いて行うことができる。もちろん式(III)のポリエポキシドE1(複数)の混合物及び/又は式(IIIα)の化合物(複数)の混合物及び/又は式(IIIβ)の化合物(複数)の混合物及び/又は式(IIIγ)の化合物(複数)の混合物も用いることもできる。
この反応はポリエポキシドE1のエポキシ基が(IIIα)、(IIIβ)、及び(IIIγ)のエポキシ反応性基の合計と比較して化学量論的過剰量で存在するようにして行うことが好ましい。
この反応は、式(I)の化合物がエポキシ基を有するように、典型的には、全てのポリエポキシドE1のエポキシ基の合計の5%〜95%、特に10%〜90%、好ましくは20%〜80%が、(IIIα)、(IIIβ)、及び(IIIγ)のエポキシ反応性基の合計と反応するようにして行うことが好ましい。
この反応は、(IIIβ)に対する(IIIα)のモル比及び/又は(IIIγ)に対する(IIIα)のモル比及び/又は(IIIγ)に対する(IIIβ)のモル比が0.05〜20、特に0.1〜20、好ましくは0.2〜5となるように行うことが好ましい。
式(IIIα)の好適なカルボン酸の例は第一に以下のものである:
- 飽和モノカルボン酸(例えば、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサンデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、エイコサン酸、ドコサン酸、テトラコサン酸、ヘキサコサン酸、オクタコサン酸、トリアコタン酸、又は2−エチルヘキサン酸、特に、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、エイコサン酸、ドコサン酸、テトラコサン酸、ヘキサコサン酸、オクタコサン酸、又はトリアコタン酸)。
- モノ不飽和又はポリ不飽和モノカルボン酸(例えば、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、エルカ酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキドン酸、クルパノドン酸、ドコサヘキサン酸、又はガドレイン酸、特に、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、又はアラキドン酸)。
式(IIIα)の好適なカルボン酸のさらなる例は、第二に、ジカルボン酸モノエステル又はジカルボン酸モノアミドである。そのようなジカルボン酸の例は、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、トリメチルアジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、マレイン酸、フマル酸、ダイマー脂肪酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、及びトリカルボン酸である。そのような化合物が用いられる場合、その結果は、X
Figure 2011528055
を表し、XがO又はNHを表す式(I)の化合物である。
式(IIIβ)の好適なスルホン酸の例は以下のとおりである:脂肪族及び芳香族スルホン酸類、例えば、ヘキサンスルホン酸、ヘプタンスルホン酸、オクタンスルホン酸、デカンスルホン酸、ドデカンスルホン酸、ヘキサデカンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、4−エチルベンゼンスルホン酸、4−ビニルベンゼンスルホン酸、キシレンスルホン酸、4−オクチルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、p−キシレン−2−スルホン酸、2−メシチレンスルホン酸、1−ナフタレンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、ジヘキシルスクシネートスルホン酸、ジオクチルスクシネートスルホン酸、特に、ドデカンスルホン酸、ヘキサデカンスルホン酸、4−オクチルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジヘキシルスクシネートスルホン酸、ジオクチルスクシネートスルホン酸。
式(IIIγ)の好適なフェノール類の例は、第一に、アルキル置換モノフェノール、例えば、フェノール、t−ブチルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、3−ペンタデセニルフェノール(カルダノール)である。
式(IIIγ)の好適なフェノール類のさらなる例は、第二に、ジヒドロキシベンゼンモノエーテル レゾルシノールヒドロキノン、及びピロカテコール、並びに3−又は2−ヒドロキシ安息香酸のエステル類又はアミド類あるいはヒドロキシベンズアミドである。そのような化合物が用いられる場合、その結果は、X
Figure 2011528055
を表すか、又はX
Figure 2011528055
を表す式(I)の化合物である。
合成の第二の変形法(バリエーション)では、式(I)の化合物が、式(III’)の(n+q+r+s)価のポリオールA1と、式(III’α)のグリシジルカルボン酸エステルの少なくとも一種及び/又は式(III’β)のグリシジルスルホン酸エステルの少なくとも一種及び/又は式(III’γ)のグリシジルエーテルの少なくとも一種との反応によって得られる。
Figure 2011528055
しかしながら、式(I)の化合物は、以下のリスト中の少なくとも2種の異なる基から少なくとも1つの基を有していなければならない:
- 群α
Figure 2011528055
- 群β
Figure 2011528055
- 群γ
Figure 2011528055
ここに示した基の可能な組み合わせは、したがって、α+β、α+γ、β+γ、並びにα+β+γである。
例えば、この反応は、数時間、昇温して、例えば100℃〜200℃の温度で、減圧下で撹拌しながら行うことができる。触媒は任意選択で存在させてもよい。
式(III’)のポリオールA1と、グリシジルカルボン酸エステル(III’α)及び/又は式(III’β)のグリシジルスルホン酸エステル及び/又は式(III’γ)のグリシジルエーテルとの反応は、順次に、又はこれらの化合物の混合物を用いて行うことができる。
もちろん、ポリオールA1の混合物、並びに式(III’α)の化合物(複数)の混合物及び/又は式(III’β)の化合物(複数)の混合物及び/又は式(III’γ)の化合物(複数)の混合物も用いることができる。
この反応は、式(III’α)の化合物、式(III’β)の化合物、及び式(III’γ)の化合物のエポキシ基の合計が、ポリオールA1のヒドロキシル基に対して化学量論的に過剰に存在するようにして行うことが好ましい。
式(III’α)の好適な化合物、式(III’β)の好適な化合物、又は式(III’γ)の好適な化合物は、例えば、上述した式(IIIα)の化合物、上述した式(IIIβ)の化合物、又は上述した式(IIIγ)の化合物をエピクロルヒドリンと反応させることによって製造することができる。
さらなる側面では、本発明は以下のものを含む熱硬化性エポキシ樹脂組成物に関する。
- 平均して1分子当たり1つより多いエポキシ基を有するエポキシ樹脂EHの少なくとも一種;
- 昇温して活性化される、エポキシ樹脂用硬化剤Bの少なくとも一種;さらに加えて、
- 上で詳細に説明した、式(I)の化合物の少なくとも一種。
平均して1分子当たり1つより多いエポキシ基をもつエポキシ樹脂EHは、液状エポキシ樹脂又は固体エポキシ樹脂であることが好ましい。「固体エポキシ樹脂」の用語はエポキシド技術分野の当業者には非常に良く知られており、「液状エポキシ樹脂」と対比して用いられる。固体樹脂のガラス転移温度は室温より上であり、すなわち、室温ではそれらは自由に流動しうる粒子に細かくすることができる。
好ましいエポキシ樹脂は下記式(II)を有する。
Figure 2011528055
式中、置換基R及びRはそれぞれ独立にH又はCHを表す。
固体エポキシ樹脂については、添え字uは1.5より大きな(>1.5)値、特に2〜12の値を表す。
そのような固体エポキシ樹脂は、例えば、ダウ(Dow)社又はハンツマン(Huntsman)社又はヘキシオン(Hexion)社から市販されている。
1〜1.5の添え字uをもつ式(II)の化合物は、当業者には半固体エポキシ樹脂とよばれている。本発明では、それらも固体樹脂と考える。しかし、狭い意味でのエポキシ樹脂は、固体エポキシ樹脂が好ましく、すなわちその場合の添え字uは1.5より大きな値を有する。
液状エポキシ樹脂については、添え字uは1未満の数を表す。添え字uは0.2未満の数を表すことが好ましい。
これらの化合物は、したがって、好ましくは、ビスフェノールA、ビスフェノールF、及びビスフェノールA/Fのジグリシジルエーテル(ビスフェノールAのジグリシジルエーテルはBADGEという)である。そのような液状樹脂は、例えば、アラルダイト(Araldite)(登録商標)GY250、アラルダイト(Araldite)(登録商標))PY304、アラルダイト(Araldite)(登録商標)GY282(ハンツマン社)、あるいはD.E.R.(登録商標)331又はD.E.R(登録商標)330(ダウ社)、又はエピコート828(ヘキシオン社)として入手できる。
さらに、「ノボラック」がエポキシ樹脂EHとして好適である。これらは特に以下の式を有する。
Figure 2011528055
式中、R2=
Figure 2011528055
又はCHであり、R1=H又はメチルであり、Z=0〜7である。
ここでは、特に、フェノール又はクレゾールノボラック(R2=CH)がありうる。
そのようなエポキシ樹脂は、Huntsman社から商品名EPN又はECN並びにタクティックス(Tactix)(登録商標)、あるいはDow Chemical社からD.E.N(登録商標)製品として市販されている。
エポキシ樹脂EHは、式(II)の液状エポキシ樹脂であることが好ましい。別のなおも好ましい態様では、この熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、u<1である式(II)の液状エポキシ樹脂の少なくとも一種、並びにu>1.5である式(II)の固体エポキシ樹脂少なくとも一種を含む。
エポキシ樹脂EHの質量割合は、熱硬化性エポキシ樹脂組成物の質量に基づいて5〜80質量%、特に10〜75質量%、好ましくは15〜70質量%である。
昇温によって活性化されるエポキシ樹脂用硬化剤Bは、ジシアンジアミド、グアナミン類、グアニジン類、アミノグアニジン類、及びそれらの誘導体からなる群から選択される硬化剤であることが好ましい。触媒的に有効な硬化剤も用いることができ、例えば、置換尿素類、例えば、3−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−1,1−ジメチル尿素(クロロトルロン)又はフェニルジメチル尿素類、特に、p−クロロフェニル−N,N−ジメチル尿素(モヌロン)、3−フェニル−1,1−ジメチル尿素(フェヌロン)、又は3,4−ジクロロフェニル−N,N−ジメチル尿素(ジウロン)、N,N−ジメチル尿素、N−イソブチル−,N’,N’−ジメチル尿素、ジイソシアネートとジアルキルアミンとの付加体などである。ジイソシアネートとジアルキルアミンとのそのような付加体の例は、1,1’−(ヘキサン−1,6−ジイル)ビス(3,3’−ジメチル尿素)(これはヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)とジメチルアミンとの反応によって容易に得られる)であり、あるいはジメチルアミンへのイソホロンジイソシアネート(IPDI)の付加で形成される尿素化合物である。イミダゾール類、イミダゾリン類、及びアミン錯体の群の化合物も用いることができる。
硬化剤Bは、ジシアンジアミド、グアナミン類、グアニジン類、アミノグアニジン類、及びそれらの誘導体;置換尿素類、特に、3−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−1,1−ジメチルウレア(クロロトルロン)又はフェニルジメチル尿素類、特に、p−クロロフェニル−N,N−ジメチル尿素(モヌロン)、3−フェニル−1,1−ジメチル尿素(フェヌロン)、3,4−ジクロロフェニル−N,N−ジメチル尿素(ジウロン)、N,N−ジメチル尿素、N−イソブチル−N’,N’−ジメチル尿素、1,1’−(ヘキサン−1,6−ジイル)ビス(3,3’−ジメチル尿素)、並びに、イミダゾール類、イミダゾール塩類、イミダゾリン類、及びアミン錯体、からなる群から選択される硬化剤であることが好ましい。
ジシアンジアミドが、硬化剤Bとして特に好ましい。
硬化剤Bの合計割合は、熱硬化性エポキシ樹脂組成物の質量に基づいて、有利には0.01〜20質量%、好ましくは0.1〜15質量%である。
昇温によって活性化されるエポキシ樹脂用硬化剤Bの量は、エポキシ樹脂EHの質量に基づいて、特に好ましくは0.2〜10質量%、特に0.5〜7質量%である。
式(I)の化合物は既に上で述べている。式(I)の化合物の割合は、熱硬化性エポキシ樹脂組成物の質量に基づいて、典型的には0.001〜20質量%、特に0.5〜15質量%、好ましくは4〜10質量%である。
この熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、少なくとも一種の靭性改良剤Dを含むことが有利である。靭性改良剤Dは、固体又は液体であることができる。
靭性改良剤Dは、ブロックポリウレタンポリマー、液状ゴム、エポキシ樹脂変性液状ゴム、ブロックコポリマー、及びコア/シェルポリマーからなる群から特に選択される。
一つの態様では、この靭性改良剤Dは液状ゴムD1であって、これはカルボキシル基又は(メタ)アクリレート基又はエポキシ基を末端に有するアクリロニトリル/ブタジエンコポリマーであるかあるいはその誘導体である。そのような液状ゴムは、例えば、Nanoresins AG社(ドイツ国)又はEmerald Performance Materials LLCから、Hypro(登録商標)(以前のHycar(登録商標))CTBN及びCTBNX及びETBNの名称で市販されている。好適な誘導体は、特に、エポキシ基を有するエラストマー変性ポリマーであって、例えば、Struktol社(Schill&Seilacher Group、ドイツ国)によってPolydis(登録商標)製品系列として、好ましくはPolydis(登録商標)36xx製品系列からの製品として、あるいはAlbipox製品系列(Nanoresins社、ドイツ国)として市販されている。
さらなる態様では、靭性改良剤Dは、液状エポキシ樹脂と完全に混和性であり、そのエポキシ樹脂マトリクスの硬化時に微小滴に分離するのみであるポリアクリレート液状ゴムD2である。そのようなポリアクリレート液状ゴムは、例えば、Rohm and Haas社から20208−XPAの名称で入手できる。
液状ゴムの混合物、特に、カルボキシル末端又はエポキシ末端のアクリロニトリル/ブタジエンコポリマー又はその誘導体の混合物はまた、エポキシ末端ポリウレタンプレポリマーとともに用いることができることは、当業者に明らかである。
さらなる態様では、靭性改良剤Dは、有機イオン交換された層状鉱物DE1である固体靭性改良剤である。
このイオン交換された層状鉱物DE1は、カチオン交換された層状鉱物DE1c又はアニオン交換された層状鉱物DE1aのいずれかであることができる。
ここで、カチオン交換された層状鉱物DE1cは、層状鉱物DE1’から得られ、DE1’においてそのカチオンのうちの少なくともいくらかが有機カチオンによって交換されている。そのようなカチオン交換された層状鉱物DE1cの例は、特に、米国特許第5,707,439号明細書又は同6,197,849号明細書において言及されているものである。
これらのカチオン交換された層状鉱物DE1’の調製方法も、これらの特許中に記載されている。層状鉱物DE1’は層状ケイ酸塩であることが好ましい。層状鉱物DE1’は、特に、米国特許第6,197,849号明細書第2欄38行から第3欄5行に記載されているフィロシリケート(フィロケイ酸塩)が特に好ましく、特にベントナイトが好ましい。カオリナイト又はモンモリロナイト又はヘクトライト又はイライトなどの層状鉱物DE1’が特に好適であることが示されている。
層状鉱物DE1’のカチオンの少なくともいくらかが、有機カチオンによって置き換えられる。そのようなカチオンの例は、n−オクチルアンモニウム、トリメチルドデシルアンモニウム、ジメチルドデシルアンモニウム、又はビス(ヒドロキシエチル)オクタデシルアンモニウム、又は中性の油脂から得ることができるアミン類の同様の誘導体;あるいは、グアニジウムカチオン又はアミジニウムカチオン;あるいは、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリンのN−置換誘導体のカチオン;あるいは、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)及び1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンのカチオン;あるいは、ピリジン、ピロール、イミダゾール、オキサゾール、ピリミジン、キノリン、イソキノリン、ピラジン、インドール、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、チアゾール、フェナジン、及び2,2’−ビピリジンのN−置換誘導体のカチオンである。さらに、環状アミジニウムカチオンが適しており、特に、米国特許第6,197,849号明細書第3欄6行から第4欄67行に開示されているものが適している。直鎖状アンモニウム化合物と比較して、環状アンモニウム化合物は高温熱安定性によって特徴づけられ、なぜなら、熱ホフマン分解がそれらでは起こりえないからである。
好ましいカチオン交換された層状鉱物DE1cは、有機クレイ又はナノクレイの名称で当業者に知られており、例えば、Tixogel(登録商標)又はNanofil(登録商標)(Suedchemie社)、Cloisite(登録商標)(Southern Clay Products社)、又はNanomer(登録商標)(Nanocor,Inc.)、又はGaramite(登録商標)(Rockwood社)のグループ名で市販されている。
ここでのアニオン交換された層状鉱物DE1aは、層状鉱物DE1’’から得られ、そのアニオンの少なくともいくらかが有機アニオンによって交換されている。
そのようなアニオン交換された層状鉱物DE1aの例は、ハイドロタルサイトDE1’’であり、そこでは中間層の炭酸イオンのすくなくともいくらかが有機アニオンによって交換されている。
熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、カチオン交換された層状鉱物DE1cとアニオン交換された層状鉱物DE1aとを同時に含むことも全く可能である。
さらなる態様では、靭性改良剤Dは、ブロックコポリマーDE2である固体靭性改良剤である。ブロックコポリマーDE2は、メタクリル酸エステルと、オレフィン二重結合を有する少なくとも一種の他のモノマーとのアニオン重合又は制御されたフリーラジカル重合によって得られる。オレフィン二重結合を有するモノマーとして特に好ましいのは、その二重結合がヘテロ原子とあるいは少なくとも1つの他の二重結合と直接共役しているものである。特に好適なモノマーは、スチレン、ブタジエン、アクリロニトリル、及び酢酸ビニルを含む群から選択される。アクリレート/スチレン/アクリル酸(ASA)コポリマー(例えば、GE Plastics社からGELOY 1020の名称で入手できるもの)が好ましい。
特に好ましいブロックコポリマーDE2は、メタクリル酸メチルエステル、スチレン、及びブタジエンから誘導されるブロックコポリマーである。そのようなブロックコポリマーは、例えば、Arkema社からSBMのグループ名のもと、トリブロックコポリマーとして入手できる。
さらなる態様では、靭性改良剤Dはコア/シェルポリマーDE3である。コア/シェルポリマーは、弾性コアポリマーと剛性シェルポリマーとからなる。特に好適なコア/シェルポリマーは、剛性な熱可塑性ポリマーから作られた剛性シェル中に囲まれた弾性なアクリル又はブタジエンポリマーから作られたコアからなる。このコア/シェル構造は、ブロックコポリマーの分離を通して自発的に形成されるか、あるいはラテックス重合又は懸濁重合とそれに続くグラフト化によって決定される。
好ましいコア/シェルポリマーは「MBSポリマー」であり、これはAtofina社からClearstrength(登録商標)、Rohm and Haas社からParaloid(登録商標)、Zeon社からF−351(登録商標)の商品名で市販されている。
場合によっては懸濁物であってもよいコア/シェルポリマー粒子が特に好ましい。これらの例は、ポリシロキサンコアとアクリレートシェルとをもつWacker社のGENIOPERL M23A、Eliokem社によって製造されるNEPシリーズの放射線架橋されたゴム粒子、又はLanxess社のNanoprene、又はRohm and Haas社のParaloid EXL、又はKaneka社からのKane ACE MX−120である。
コア/シェルポリマーのその他の類似する例は、Nanoresins AG(ドイツ国)によってAlbidur(登録商標)の名称で販売されている。
エポキシマトリクス中のナノスケールシリケートも好適であり、例えば、Nanoresins AG(ドイツ国)からNanopoxの商品名で販売されている。
さらなる態様では、靭性改良剤Dは、カルボキシル化固体ニトリルゴムと過剰のエポキシ樹脂との間の反応生成物DE4である。
さらなる態様では、靭性改良剤Dは下記式(IV)のブロックポリウレタンポリマーである。
Figure 2011528055
式(IV)中、m及びm’はそれぞれ0〜8の間の数を表し、但し、m+m’は1〜8の数を表す。
好ましくは、mは0とは異なる。
さらに、Yは、m+m’個のイソシアネート基が末端にある線状又は分岐したポリウレタンポリマーPU1から全ての末端イソシアネート基を除いた後の基を表す。
はそれぞれ独立に、100℃より高い温度で開裂するブロック基を表す。
はそれぞれ独立に、下記式(IV’)の基を表す。
Figure 2011528055
式(IV’)中、Rは、一級又は二級ヒドロキシル基を含む脂肪族、脂環式、芳香族、又は芳香脂肪族(araliphatic)エポキシドからヒドロキシド及びエポキシド基を取り除いた後の基を表し、pは1、2、又は3の数を表す。
本明細書では、「芳香脂肪族基」は、アラルキル基、すなわち、アリール基によって置換されているアルキル基を意味する(Roempp,CD Roempp Chemie Lexikon[Roempp Chemistry Encyclopedia],Version 1,Stuttgart/New York,Georg Thieme Verlag,1995)。
はそれぞれ独立して、以下のものからなる群から選択される置換基を特に表す。
Figure 2011528055
式中、R、R、R、及びRはそれぞれ独立に、アルキル又はシクロアルキル又はアラルキル又はアリールアルキル基を表し、あるいはRはRと一緒に、又はRはRと一緒に、4〜7員環の一部を形成し、これは任意選択で置換されていてもよい。
さらに、R、R’、及びR10はそれぞれ独立に、アルキル又はアラルキル又はアリールアルキル基、あるいはアルキルオキシ又はアリールオキシ又はアラルキルオキシ基を表し、R11はアルキル基を表す。
12、R13、及びR14はそれぞれ独立に、2〜5の炭素原子をもつアルキレン基(これは任意選択により場合によっては二重結合を有しているかあるいは置換されていてもよい)又はフェニレン基又は水素化フェニレン基を表し、R15、R16、及びR17はそれぞれ独立に、H又はアルキル基又はアリール基又はアラルキル基を表す。
最後に、R18は、アラルキル基又は単核もしくは多核の置換もしくは非置換の芳香族基(これは任意選択で芳香族ヒドロキシル基をもっていてもよい)を表す。
ヒドロキシル基を取り除いた後のフェノール類又はビスフェノール類が、特に第一にR18として考えられる。そのようなフェノール類及びビスフェノール類の好ましい例は、特に、フェノール、クレゾール、レゾルシノール、ピロカテコール、カルダノール(3−ペンタデセニルフェノール(カシューナッツ油から))、ノニルフェノール、スチレン又はジシクロペンタジエンと反応させられたフェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、及び2,2’−ジアリルビスフェノールAである。
ヒドロキシル基を取り除いた後のヒドロキシベンジルアルコール及びベンジルアルコールが、特に第二にR18として考えられる。
、R、R、R、R、R9’、R10、R11、R15、R16、又はR17がアルキル基を表す場合は、アルキル基は特に直鎖状又は分枝状C〜C20アルキル基である。
、R、R、R、R、R9’、R10、R15、R16、R17、又はR18がアラルキル基を表す場合は、アラルキル基は特にメチレンを介して結合された芳香族基、特にベンジル基である。
、R、R、R、R、R9’、又はR10がアルキルアリール基を表す場合は、アルキルアリール基は特に、フェニレン基を介して結合されたC〜C20アルキル基、例えば、トリル又はキシリルである。
特に好ましいY基は、以下の群から選択される基である。
Figure 2011528055
式中、Y基は、1〜20の炭素原子、特に1〜15の炭素原子をもつ飽和又はオレフィン性不飽和の炭化水素基を表す。アリル、メチル、ノニル、ドデシル、又は1〜3の二重結合をもつ不飽和C15アルキル基がYとして特に好ましい。
X基は、H、又はアルキル、アリール、アラルキル基、特にH又はメチルを表す。
添え字z’及びz’’は、0、1、2、3、4、又は5の数を表し、但し、z’+z’’の合計が1〜5の数を表す。
式(IV)のブロックポリウレタンポリマーは、イソシアネート基末端の線状又は分岐状のポリウレタンポリマーPU1と、一種以上のイソシアネート反応性化合物YH及び/又はYHとから合成される。一種以上のそのようなイソシアネート反応性化合物を用いる場合は、この反応は順次あるいはこれらの化合物の混合物を用いて行うことができる。
この反応は、全てのNCO基が反応することを確実にするために、一種以上のイソシアネート反応性化合物YH及び/又はYHが化学量論量で又は化学量論的に過剰に用いられるようにして行われる。
イソシアネート反応性化合物YHは、下記式(IVa)のモノヒドロキシルエポキシ化合物である。
Figure 2011528055
一種以上のそのようなモノヒドロキシルエポキシ化合物を用いる場合は、この反応は順次に、又はこれらの化合物の混合物を用いて行うことができる。
式(IVa)のモノヒドロキシルエポキシ化合物は、1、2、又は3つのエポキシ基を有する。このモノヒドロキシルエポキシ化合物(IVa)のヒドロキシル基は、一級又は二級ヒドロキシル基であることができる。
そのようなモノヒドロキシルエポキシ化合物は、例えば、ポリオールとエピクロルヒドリンとの反応によって製造することができる。どのようにその反応が行われるかに応じて、多官能アルコールをエピクロルヒドリンと反応させた場合には、対応するモノヒドロキシルエポキシ化合物も様々な濃度で副生成物として形成される。この後者は、従来の分離操作を用いて単離することができる。しかし、一般に、そのポリオールグリシジル化反応で得られる生成物の混合物を用いることで充分であり、これは完全に又は部分的に反応してグリシジルエーテルを形成したポリオールからなる。そのようなヒドロキシル含有エポキシドの例は、ブタンジオールモノグリシジルエーテル(ブタンジオールジグリシジルエーテル中に存在する)、ヘキサンジオールモノグリシジルエーテル(ヘキサンジオールジグリシジルエーテル中に存在する)、シクロヘキサンジメタノールグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル(トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル中に混合物として存在する)、グリセロールジグリシジルエーテル(グリセロールトリグリシジルエーテル中に混合物として存在する)、ペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル(ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル中に混合物として存在する)である。トリメチロールプロパンジグリシジルエーテルを用いることが好ましく、これは従来通り合成したトリメチロールプロパントリグリシジルエーテル中にかなり高い割合で生じる。
しかしながら、その他の類似したヒドロキシル含有エポキシドも用いることができ、特に、グリシドール、3−グリシジルオキシベンジルアルコール、又はヒドロキシメチルシクロヘキセンオキシドである。
さらに好ましいのは、式(IVb)のβ−ヒドロキシエーテル(これはビスフェノールA(R=CH)とエピクロルヒドリンから合成された市販の液状エポキシ樹脂中に最大で15%の割合で存在する)、並びに、ビスフェノールF(R=H)を、あるいはビスフェノールAとビスフェノールFとの混合物を、エピクロルヒドリンと反応させた場合に形成される、式(IVb)の対応するβ−ヒドロキシエーテルである。
Figure 2011528055
さらに好ましいのは、高純度の蒸留した液状エポキシ樹脂の生産時に製造される蒸留残分である。そのような蒸留残分は、市販されている未蒸留液状エポキシ樹脂中よりも最大で3倍高いヒドロキシル含有エポキシド濃度をもっている。さらには、(ポリ)エポキシドと、化学量論未満の量の一官能求核剤、例えば、カルボン酸、フェノール類、チオール、又は二級アミンとの反応によって合成される、β−ヒドロキシエーテル基をもつ非常に様々なエポキシドも用いることができる。
以下の式の三価の基がR基として特に好ましい。
Figure 2011528055
式中、Rはメチル又はHを表す。
式(IVa)のモノヒドロキシルエポキシ化合物のフリーの一級又は二級OH官能基は、ポリマーの末端イソシアネート基との効率的反応を可能にし、通常とは異なる過剰のエポキシド成分を用いることを必要としない。
の元になっているポリウレタンポリマーPU1は、少なくとも一種のジイソシアネート又はトリイソシアネートと、末端のアミノ、チオール、又はヒドロキシル基を有する少なくとも一種のポリマーQPM及び/又は任意選択で場合によっては置換されていてもよい少なくとも一種のポリフェノールQPPとから合成することができる。
好適なジイソシアネートは、例えば、脂肪族、脂環式、芳香族、又は芳香脂肪族のジイソシアネート、特に市販されている製品、例えば、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)、1,4−ブタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、2,5−又は2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ジシクロヘキシルメチルジイソシアネート(H12MDI)、p−フェニレンジイソシアネート(PPDI)、又はm−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、並びにそれらの二量体である。HDI、IPDI、MDI、又はTDIが好ましい。
好適なトリイソシアネートは、例えば、脂肪族、脂環式、芳香族、又は芳香脂肪族のジイソシアネートの三量体又はビウレット、特に、上の段落に記載したジイソシアネートのイソシアヌレート及びビウレットである。
もちろん、ジイソシアネート類又はトリイソシアネート類の適切な混合物も用いることができる。
末端のアミノ、チオール、又はヒドロキシル基を有する好適なポリマーQPMは、特に、2又は3つの末端のアミノ、チオール、又はヒドロキシル基を有するポリマーQPMである。
好適なポリマーQPMは、特に、例えば、国際公開WO2008/049857A1に開示されているもの、特に7頁25行目〜11頁20行目のQPMであり、その内容を特に参照により本明細書に援用する。
ポリマーQPMは、300〜6000、特に600〜4000、好ましくは700〜2200g/NCO反応性基当量の当量質量(1当量当たりの質量)を有することが有利である。
好適なポリマーQPMは、特に、ポリオキシアルキレンポリオール(ポリエーテルポリオールともいわれる)、ヒドロキシ末端ポリブタジエンポリオール、スチレン/アクリロニトリルグラフト化ポリエーテルポリオール、ポリヒドロキシ末端のアクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、ポリエステルポリオール、並びにポリカーボネートポリオールである。
ポリフェノールQPPとして特に好適なのは、ビスフェノール類、トリスフェノール類、及びテトラフェノール類である。これは純粋なフェノール類だけでなく、任意選択で場合によっては置換フェノール類も意味する。この置換の性質は非常に多様でありうる。特に、これは、フェノールOH基が結合している芳香族環上の直接置換を意味する。「フェノール類」によって、さらに、単核芳香族だけでなく、芳香族又はヘテロ芳香族環上に直接フェノールOH基を有する多核あるいは縮合した芳香族又はヘテロ芳香族も意味される。
ビスフェノール類及びトリスフェノール類が特に好ましい。例えば、好適なビスフェノール類及びトリスフェノール類は、1,4−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,2−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシトルエン、3,5−ジヒドロキシベンゾエート、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(=ビスフェノールF)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン(=ビスフェノールS)、ナフトレゾルシノール、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシアントラキノン、ジヒドロキシビフェニル、3,3−ビス(p−ヒドロキシフェニル)フタリド、5,5−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダン、フェノールフタレイン、フルオレセイン、4,4’−[ビス(ヒドロキシフェニル)−1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)](=ビスフェノールM)、4,4’−ビス(ヒドロキシフェニル)−1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)](=ビスフェノールP)、2,2’−ジアリルビスフェノールA、フェノール類もしくはクレゾール類をジイソプロピリデンベンゼンと反応させて合成されるジフェノール類及びジクレゾール類、フロログルシノール、没食子酸エステル、2.0〜3.5の範囲のOH官能基数をもつフェノールもしくはクレゾールノボラック、並びに前記の化合物の全ての異性体である。
本熱硬化性エポキシ組成物中に任意選択で存在してもよい特に好適な靭性改良剤Dは、両親媒性ヒドロキシル基含有ブロックコポリマー、例えば、Dow Chemical社によりFortegra(登録商標)、特にFortegra(登録商標)100の商品名で市販されているもの、あるいはそれらとポリイソシアネート及び場合によってはその他のイソシアネート反応性化合物との反応生成物である靭性改良剤である。
熱硬化性エポキシ組成物中に任意選択で存在してもよい靭性改良剤Dとして特に好適なものは、以下の文献又は特許に開示されているもののいずれかであり、これらの内容を参照により本明細書に援用する:EP0308664A1(特に式(I)、特に5頁14行目〜13頁24行目);EP0338985A1、EP0353190A1、WO00/20483A1;特に式(I)、特に8頁18行目〜12頁2行目;WO01/94492A1、特にD)及びE)として示した反応生成物、特に10頁15行目〜14頁22行目;WO03/078163A1、特にB)として示したアクリレート末端ポリウレタン樹脂、特に14頁6行目〜14頁35行目;WO2005/007766A1、特に式(I)又は(II)、特に4頁5行目〜11頁20行目;EP1728825A1、特に式(I)、特に3頁21行目〜4頁47行目;WO2006/052726A1、特にb)として示した両親媒性ブロックコポリマー、特に6頁17行目〜9頁10行目;WO2006/052729A1、特にb)として示された両親媒性ブロックコポリマー、特に6頁25行目〜10頁2行目;T.J.Hermel−Davidockら,J.Polym.Sci.Part B:Polym.Phys.,45,3338−3348(2007)、特にその両親媒性ブロックコポリマー、特に3339頁第2欄〜3341頁第2欄;WO2004/055092A1、特に式(I)、特に7頁28行目〜13頁15行目;WO2005/007720A1、特に式(I)、特に8頁1行目〜17頁10行目;WO2007/020266A1、特に式(I)、特に3頁1行目〜11頁6行目、WO2008/049857A1、特に式(I)、特に3頁5行目〜6頁20行目、WO2008/049858A1、特に式(I)及び(II)、特に6頁1行目〜12頁15行目、WO2008/049859A1、特に式(I)、特に6頁1行目〜11頁10行目、WO2008/049860A1、特に式(I)、特に3頁1行目〜9頁6行目、並びにDE−A−2123033、US2008/0076886A1、WO2008/016889、及びWO2007/025007。
一種より多い靭性改良剤、特に一種より多い靭性改良剤Dが熱硬化性エポキシ樹脂組成物中に存在することが有利であることが示されている。
靭性改良剤Dの割合は、熱硬化性エポキシ樹脂組成物に基づいて1〜50質量%、特に0.5〜35質量%、好ましくは1〜20質量%の量で用いることが有利である。
さらなる好ましい態様では、熱硬化性エポキシ樹脂組成物はさらに少なくとも一種のフィラーFを含む。ここで、このフィラーは、好ましくは、マイカ、タルク、カオリン、ウォラストナイト、長石(フェルドスパー)、閃長岩(シエナイト)、緑泥石(クロライト)、ベントナイト、モンモリロナイト、炭酸カルシウム(沈降又は粉砕)、ドロマイト、石英、ケイ酸(焼成又は沈降)、クリストバライト、酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、中空セラミック球体、中空ガラス球体、中空有機球体、ガラス球体、着色顔料である。フィラーFとしては、当業者に良く知られている有機被覆された又は被覆されていない両方の市販の形態を意味する。
別の例は、官能化されたアルモキサン類、例えば、米国特許第6,322,890号明細書に記載されているものである。
全フィラーFの合計割合は、熱硬化性エポキシ樹脂組成物の全質量に基づいて、有利には3〜50質量%、好ましくは5〜35質量%、特に5〜25質量%である。
さらなる好ましい態様では、この熱硬化性エポキシ樹脂組成物は物理的又は化学的発泡剤を含み、例えば、Akzo Nobel社からExpancel(登録商標)又はChemtura社からCelogen(登録商標)の商品名で、あるいはLehmann & Voss社からLuvopor (登録商標)の商品名で入手できる。発泡剤の割合は、熱硬化性エポキシ樹脂組成物の質量に基づいて0.1〜3質量%であることが有利である。
別の好ましい態様では、熱硬化性エポキシ樹脂組成物はさらに少なくとも一種のエポキシ基含有反応性希釈剤Gを含有する。
これらの反応性希釈剤Gは特に以下のものである。
- 飽和又は不飽和の、分岐又は非分岐の、環状又は開鎖(open-chain)C〜C30の一官能アルコールのグリシジルエーテル。特に、ブチルグリシジルエーテル、へキシルグリシジルエーテル、2−エチルへキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、テトラヒドロフルフリル及びフルフリルグリシジルエーテル、トリメトキシシリルグリシジルエーテルからなる群から選択されるもの。
- 飽和又は不飽和の、分岐又は非分岐の、環状又は開鎖C〜C30の二官能アルコールのグリシジルエーテル。特に、エチレングリコールグリシジルエーテル、ブタンジオールグリシジルエーテル、ヘキサンジオールグリシジルエーテル、オクタンジオールグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、及びネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル。
- 飽和又は不飽和の、分岐又は非分岐の、環状又は開鎖の三官能あるいは多官能アルコールのグリシジルエーテル。例えば、エポキシ化ひまし油、エポキシ化トリメチロールプロパン、エポキシ化ペンタエリスリトール、もしくは脂肪族ポリオール(例えば、ソルビトール、グリセロール、又はトリメチロールプロパン)のポリグリシジルエーテル。
- フェノール化合物類及びアニリン化合物類のグリシジルエーテル。特に、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、p-tert-ブチルフェニルグリシジルエーテル、ノニルフェニルグリシジルエーテル、3-n-ペンタデセニルグリシジルエーテル(カシューナッツ殻油から)、N,N-ジグリシジルアニリン、及びp-アミノフェニルトリグリシジルエーテルからなる群から選択されるもの。
- エポキシ化アミン類。例えば、N,N-ジグリシジルシクロへキシルアミン。
- エポキシ化されたモノカルボン酸又はジカルボン酸。特に、ネオデカン酸グリシジルエステル、メタクリル酸グリシジルエステル、安息香酸グリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、テトラ-及びヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、及びダイマー脂肪酸のジグリシジルエステル、並びにテレフタル酸グリシジルエステル及びトリメリト酸グリシジルエステルからなる群から選択されるもの。
- エポキシ化された二官能又は三官能の、低分子量から高分子量のポリエーテルポリオール。特に、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル又はポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル。
ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、p-tert-ブチルフェニルグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、及びポリエチレングリコールジグリシジルエーテルが特に好ましい。
エポキシ基含有反応性希釈剤Gの割合は、熱硬化性エポキシ樹脂組成物に基づいて0.1〜20質量%であることが有利である。
加えて、熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、尿素誘導体に基づくチキソ性付与剤Hを含むことができる。この尿素誘導体は、特に、芳香族ジイソシアネート単量体と脂肪族アミン化合物との間の反応生成物である。一種より多くの様々なジイソシアネート単量体を一種以上の脂肪族アミン化合物と反応させること、あるいはジイソシアネート単量体を一種より多くの脂肪族アミン化合物と反応させることも全く可能である。4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)とブチルアミンとの間の反応生成物が特に有利であることがわかっている。
この尿素誘導体は担体中に存在することが好ましい。担体は可塑剤、特にフタレート又はアジペート、好ましくはジイソデシルフタレート(DIDP)又はジオクチルアジペート(DOA)であることができる。この担体は、非拡散性担体であることもできる。これは、硬化後に未反応成分の最小の可能な移行を確実にするために好ましい。ブロックポリウレタンプレポリマー(Blocked polyurethane prepolymer)が非拡散性担体として好ましい。
そのような好ましい尿素誘導体及び担体の調製は、特許出願公開EP1152019A1に詳細に記載されている。担体は、ブロックポリウレタンプレポリマー、特に三官能ポリエーテルポリオールとIPDIとの反応とそれに続いてその末端イソシアネート基をε-カプロラクタムでブロックすることによって得られるブロックポリウレタンプレポリマーが有利である。
チキソ性付与剤Hの合計割合は、熱硬化性エポキシ樹脂組成物全体の質量に基づいて有利には0〜40質量%、好ましくは5〜25質量%である。
上記尿素誘導体の質量と、任意選択で存在してもよい担体の質量との比は、好ましくは2:98〜50:50、特に5:95〜25:75である。
熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、その他の成分、特に触媒、安定化剤、特に熱及び/又は光安定剤、チキソ性付与剤、可塑剤、溶媒、無機又は有機フィラー、発泡剤、染料及び顔料、腐食防止剤、界面活性剤、消泡剤、及び接着促進剤、を含むことができる。
好適な可塑剤は、特に、フェニルアルキルスルホン酸エステル又はN-ブチルベンゼンスルホンアミド、例えば、Bayer社からMesamoll(登録商標)あるいはDellatol BBSとして市販されているものなどである。
好適な安定化剤は、特に、任意選択で場合により置換されていてもよいフェノール類、例えば、BHT又はWingstay(登録商標)T(Elikem社)、立体障害アミン類、あるいはN-オキシル化合物、例えば、TEMPO(Evonik社)である。
別の側面では、本発明は、一つの樹脂成分K1と、一つの硬化剤成分K2とからなる二成分形エポキシ樹脂組成物に関連し、ここで、
- 上記樹脂成分K1は、平均して1分子当たり1つより多いエポキシ基をもつ少なくとも一種のエポキシ樹脂EH、並びに少なくとも一種の式(I)の化合物を含み;
- 硬化剤成分K2は、少なくとも一種のポリアミンB2及び/又はポリメルカプタンB3を含む。
平均して1分子当たり1つより多いエポキシ基をもつエポキシ樹脂EH、並びに式(I)の化合物は、既に上で詳細に説明している。
ポリアミンB2は、特に、一級又は二級アミノ基の形態の少なくとも2つのアミノ基をもつポリアミンである。
以下のポリアミンがポリアミンB2として特に適している。
- 脂肪族、脂環式、又は芳香脂肪族の一級ジアミン。例えば、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、2−メチル−1,2−プロパンジアミン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、1,3−ブタンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,3−ペンタンジアミン(DAMP)、1,5−ペンタンジアミン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン(MPMD)、2−ブチル−2−エチル−1,5−ペンタンジアミン(C11−ネオジアミン)、1,6−ヘキサンジアミン、2,5−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,2,4−及び2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン(TMD)、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、1,2−,1,3−,及び1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン(H12−MDA)、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロへキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3−エチルシクロへキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3−エチル−5−メチルシクロへキシル)メタン(M−MECA)、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(=イソホロンジアミンあるいはIPDA)、2−及び4−メチル−1,3−ジアミノシクロヘキサン及びそれらの混合物、1,3−及び1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、2,5(2,6)−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(NBDA)、3(4),8(9)−ビス(アミノメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、1,4−ジアミノ−2,2,6−トリメチルシクロヘキサン(TMCDA)、1,8−メンタンジアミン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、並びに1,3−及び1,4−キシリレンジアミン;
- エーテル基含有脂肪族ジアミン。例えば、ビス(2−アミノエチル)エーテル、3,6−ジオキサオクタン−1,8−ジアミン、4,7−ジオキサデカン−1,10−ジアミン、4,7−ジオキサデカン−2,9−ジアミン、4,9−ジオキサデカン−1,12−ジアミン、5,8−ジオキサデカン−3,10−ジアミン、及びこれらのジアミン類のより高次のオリゴマー、ビス(3−アミノプロピル)ポリテトラヒドロフラン及び例えば350〜5200の範囲の分子量をもつその他のポリテトラヒドロフランジアミン類、並びにポリオキシアルキレンジアミン類。この後のものは典型的にはポリオキシアルキレンジオールのアミノ化生成物であり、例えば、ジェファーミン(Jeffamine)(登録商標)の名称で(Huntsman社から)、ポリエーテルアミン(polyetheramine)の名称で(BASF社から)、又はPCアミン(PC Amine)(登録商標)の名称で(Nitroil社から)入手することができる。特に好適なポリオキシアルキレンジアミンは、Jeffamine(登録商標)D−230、Jeffamine(登録商標)D−400、Jeffamine(登録商標)D−2000、Jeffamine(登録商標)D−4000、Jeffamine(登録商標)XTJ−511、Jeffamine(登録商標)ED−600、Jeffamine(登録商標)ED−900、Jeffamine(登録商標)ED−2003、Jeffamine(登録商標)XTJ−568、Jeffamine(登録商標)XTJ−569、Jeffamine(登録商標)XTJ−523、Jeffamine(登録商標)XTJ−536、Jeffamine(登録商標)XTJ−542、Jeffamine(登録商標)XTJ−559、Jeffamine(登録商標)EDR−104、Jeffamine(登録商標)EDR−148、Jeffamine(登録商標)EDR−176;Polyethermine D230、Polyethermine D400、及びPolyethermine D2000、PC Amine(登録商標)DA250、PC Amine(登録商標)DA400、PC Amine(登録商標)DA650、及びPC Amine(登録商標)DA2000である。;
- 脂肪族、脂環式、又は芳香脂肪族のトリアミン。例えば、4−アミノメチル−1,8−オクタンジアミン、1,3,5−トリス(アミノメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(アミノメチル)シクロヘキサン、トリス(2−アミノエチル)アミン、トリス(2−アミノプロピル)アミン、トリス(3−アミノプロピル)アミン;
- ポリオキシアルキレントリアミン類。これは、典型的にはポリオキシアルキレントリオールのアミノ化生成物であり、例えば、ジェファーミン(Jeffamine)(登録商標)の名称で(Huntsman社から)、ポリエーテルアミン(polyetheramine)の名称で(BASF社か)、又はPCアミン(PC Amine)(登録商標)の名称で(Nitroil社から)入手することができ、例えば、Jeffamine(登録商標)T−403、Jeffamine(登録商標)T−3000、Jeffamine(登録商標)T−5000;Polyethermine T403、Polyethermine T5000;及び、PC Amine(登録商標)TA403、PC Amine(登録商標)TA5000の名称で入手できる。;
- 二級及び一級アミノ基を有するポリアミン。例えば、ジエチレントリアミン(DETA)、ジプロピレントリアミン(DPTA)、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン(BHMT)、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルアミン、N3−(3−アミノペンチル)−1,3−ペンタンジアミン、N5−(3−アミノプロピル)−2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、N5−(3−アミノ−1−エチルプロピル)−2−メチル−1,5−ペンタンジアミン;並びに、加えて、好適なポリアミンB1として既に述べたポリアミン。
- 三級アミノ基を有するポリアミン。例えば、N,N’−ビス(アミノプロピル)ピペラジン、N,N−ビス(3−アミノプロピル)メチルアミン、N,N−ビス(3−アミノプロピル)エチルアミン、N,N−ビス(3−アミノプロピル)プロピルアミン、N,N−ビス(3−アミノプロピル)シクロへキシルアミン、N,N−ビス(3−アミノプロピル)−2−エチルへキシルアミン、並びに天然脂肪酸から誘導される脂肪アミンのダブルシアノエチル化及び続く還元による生成物、例えば、N,N−ビス(3−アミノプロピル)ドデシルアミン及びN,N−ビス(3−アミノプロピル)獣脂アルキルアミン(これはTriameen(登録商標)Y12D及びTriameen(登録商標)YT(Akzo Nobel社から)として入手できる。;
- 二級アミノ基を有するポリアミン。例えば、N,N’−ジブチルエチレンジアミン;N,N’−ジ(tert-ブチル)エチレンジアミン、N,N’−ジエチル−1,6−ヘキサンジアミン、1−[(1−メチルエチル)アミノ]−3−[(1−メチルエチル)アミノメチル]−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(Huntsman社のJefflink(登録商標)754)、N4−シクロへキシル−2−メチル−N2−(2−メチルプロピル)−2,4−ペンタンジアミン、N,N’−ジアルキル−1,3−キシリレンジアミン、ビス[4−(N−アルキルアミノ)シクロへキシル]メタン、4,4’−トリメチレンジピペラジン、N−アルキル化ポリエーテルアミン、例えば、Jeffamine(登録商標)タイプSD−231、SD−401、SD−404、及びSD−2001(Huntsman社から);
- さらに、「ポリアミドアミン類」。ポリアミドアミンとは、モノカルボン酸もしくはポリカルボン酸、又はそれらのエステルもしくは酸無水物と、脂肪族、脂環式、又は芳香族ポリアミンとの間の反応生成物を意味し、この場合、ポリアミンは化学量論的過剰量で用いられる。通常、「ダイマー脂肪酸」がポリカルボン酸として用いられ、通常、ポリアルキレンアミン、例えば、TETAがポリアミンとして用いられる。市販されているポリアミドアミンは、例えば、Versamid(登録商標)100、125、140、及び150(Cognis社から)、Aradur 223、250、及び848(Huntsman社から)、Euretek(登録商標)3607、Euretek(登録商標)530(Huntman社から)、Beckopox(登録商標)EH651、EH654、EH655、EH661、及びEH663(Cytec社から)である。
ポリアミンB2は、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン(MPMD)、2−ブチル−2−エチル−1,5−ペンタンジアミン(C11−ネオジアミン)、2,2,4−及び2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン(TMD)、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロへキシル)メタン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(=イソホロンジアミンあるいはIPDA)、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、3(4),8(9)−ビス(アミノメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、1,3−キシリレンジアミン、ジエチレントリアミン(DETA)、ジプロピレントリアミン(DPTA)、及び500〜5000g/モルの分子量をもつポリオキシアルキレンジオールのアミノ化に由来するエーテル基含有ジアミン、特にJeffamine(登録商標)D−230、及びJeffamine(登録商標)D−400からなる群から選択されることが好ましい。
ジメルカプタンは特に好ましいポリメルカプタンB3である。好適なポリメルカプタンB3は、例えば、ポリオールのポリメルカプトアセテートである。ここでは、特に、以下のポリオールのポリメルカプトアセテートがある。
- ポリオキシアルキレンポリオール(ポリエーテルポリオールともよばれる)。これは、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、1,2−又は2,3−ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン、又はそれらの混合物の重合生成物である。
- ヒドロキシ末端ポリブタジエンポリオール。例えば、1,3−ブタジエンとアリルアルコールとの重合によって、あるいはポリブタジエンの酸化によって合成されるもの、並びにそれらの水素化生成物。
- スチレン/アクリロニトリルグラフト化ポリエーテルポリオール。例えば、Elastogran社によってLupranol(登録商標)の名称で供給されているものなど。
- ポリエステルポリオール。例えば、有機ジカルボン酸又はそれらの無水物又はエステルと反応させた二価アルコール又は三価アルコールから合成されるもの、並びにラクトン、例えば、ε−カプロラクトンから誘導されるポリエステルポリオール。
- ポリカーボネートポリオール。例えば、上に示したアルコール(ポリエステルポリオールを合成するために用いられるもの)とジアルキルカーボネート、ジアリールカーボネート、又はホスゲンとの反応によって得ることができるもの。
- 1,2−エタンジオール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ネオペンチルグリコール、並びにポリオールA1として述べたポリオール。
- 二量化した脂肪酸の還元によって得られるポリオール。
グリコールジメルカプトアセテート、トリメチロールプロパントリメルカプトアセテート、及びブタンジオールジメルカプトアセテートが特に好ましい。
式(V’’)のジメルカプタンが最も好ましいポリメルカプタンである。
Figure 2011528055
式中、yは1〜45、特に5〜23の数を表す。好ましい分子量は800〜7500g/モル、特に1000〜4000g/モルである。
そのようなポリメルカプタンは、Toray Fine Chemicals社のThiokol(登録商標)LP系列として市販されている。
様々なポリアミンB2及び/又はポリメルカプタンB3の混合物も、硬化剤成分K2中に用いることができる。
この二成分形エポキシ樹脂組成物はさらに加えて、任意選択で、少なくとも一種の靭性改良剤D、少なくとも一種のフィラーF、少なくとも一種の反応性希釈剤G、及び/又は少なくとも一種のチキソ性付与剤Hを、熱硬化性エポキシ樹脂組成物について先に説明したように含んでいてもよい。もちろん、当業者には、一つの成分中に互いに反応してそれによってこの二成分形エポキシ樹脂組成物の貯蔵安定性に悪影響を及ぼしうる成分があるべきでないことは明らかである。
二成分形エポキシ樹脂組成物について示したその他の成分の有利な割合は、熱硬化性エポキシ樹脂組成物について有利であるとして上に示した割合に対応する。
式(I)の化合物は、接着促進剤として特に適しており、広範囲に用いることができる。これが、なぜ本発明のさらなる側面が、上で示したように、基材S1のための接着促進剤としての式(I)の化合物の使用に関するかの理由である。
好ましい基材S1は油面金属(oiled metal)又は油面合金(oiled metal alloy)である。
式(I)の化合物は、接着剤及びコーティング剤中の、特に好ましくは接着剤中の接着促進剤として用いられることが好ましい。
より良好な接着促進は、エポキシ樹脂組成物への式(I)の化合物の添加が、式(I)の化合物なしの対応する熱硬化性エポキシ樹脂組成物よりも顕著に高いT剥離強度をもたらすことを示している。
そのような化合物のさらなる利点は、それらのエポキシ基のおかげで、熱硬化性エポキシ樹脂接着剤に用いた場合に、それらは硬化時に接着剤中に組み込まれることである。さらに、式(I)の化合物はその接着剤の硬化を妨害することなく、良好な耐洗浄性を有することが示されている。
式(I)の液状化合物を調製することができ、その結果、その化合物は容易に分散され且つ組み込まれ、溶媒の使用を大体は不要にすることができる。
さらに、そのような化合物は基材への非常に良好な濡れ性を示し、これは接着促進剤としてそれらを用いるために必要な必須条件である。
式(I)の化合物は、プライマー又はプライマー成分としても用いることができる。プライマーとは、表面に適用(apply)され、適用後の所定の待ち時間の後で(空気乾燥時間)、接着剤又はシーラント又はコーティング剤によって被覆され、そのようにして各基材表面に適用された接着剤又はシーラント又はコーティング剤の接着を向上させるプライマー被覆を意味する。
したがって、式(I)の化合物は、基材S1のための接着プライマーとして用いるのに適しており、特に基材S1は油面金属(oiled metal)又は油面合金(oiled metal alloy)、特に油面亜鉛メッキ金属(oiled galvanized metal)又は油面亜鉛メッキ合金である。
式(I)の化合物は着色することができ、これによって請求項1で特定した化合物を、その適用後に検出することを容易にすることが有利である。
別の側面では、本発明は、上に示した熱硬化性エポキシ樹脂組成物又は上に示した二成分形エポキシ樹脂組成物の接着剤としての使用に関する。
説明した熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、一成分形接着剤として、特に車両組み立てにおける熱硬化性一成分形ボディーシェル接着剤として用いるために特に適している。そのような一成分形接着剤は広い用途を有する。ここでは熱硬化性一成分形接着剤が実現でき、特に、昇温した温度と、特に低温、特に0℃〜−40℃の低温との両方における高い衝撃強度によって区別できるものが実現できる。そのような接着剤は、熱に安定な材料を接着するために必要とされる。「熱に安定な材料」とは、100℃〜220℃、好ましくは120℃〜200℃の硬化温度に対して、少なくともその硬化時間中には形状安定性である材料を意味する。ここでは熱に安定な材料は特に金属及びプラスチック、例えば、ABS、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、複合材料(例えば、SMC、ガラス繊維強化不飽和ポリエステル、エポキシ又はアクリレート複合材)である。好ましい用途は、少なくとも1つの材料が金属の場合である。特に好ましい用途は、同じ又は異なる金属の接着、特に自動車工業におけるボディーシェルにおいて同じ又は異なる金属を接着することである。好ましい金属は、特に、スチール、特に電気亜鉛メッキスチール、溶融亜鉛メッキスチール、油面スチール(oiled steel)、ボナジンク(Bonazinc)コーティングしたスチール、及び続いてリン酸塩処理したスチール並びにアルミニウム、特に自動車製造に通常用いられているタイプのものである。
上で説明した二成分形エポキシ樹脂組成物は、接着剤、接着促進剤、シーリングコンパウンド、ポッティングコンパウンド、コーティング剤、床被覆剤、塗料、ラッカー、プライマー又は下塗りとして用いることができ、ここで、耐水性、腐食からの保護、耐化学薬品性、及び/又は高い硬度及び靭性などの特性が前面に現れることができる。ここに記載した二成分形エポキシ樹脂組成物は、接着剤及び/又は接着促進剤として用いるために特に適していることが示されている。それらは、例えば、土木、工業製品又は消費者製品(特に車両)の製造又は修理に用いることができる。
硬化剤成分K1と樹脂成分K2との間の混合比は、硬化剤成分K1のエポキシ基反応性基と樹脂成分K2のエポキシ基との間が適切な比となるように選択することが好ましい。硬化前に、0.7〜1.5、好ましくは0.9〜1.1当量のエポキシ基活性NH水素(エポキシ基に対して活性なNH水素)が、エポキシ基1当量当たり存在することが適切である。
硬化剤成分K1と樹脂成分K2との間の混合質量比は、1:10〜10:1の範囲であることが好ましい。
両方の成分とも、室温でペーストの稠度を有し、同程度の粘度を有することが好ましい。
適用(application)前又は適用時、この二成分は適切な方法を用いて一緒に混合される。混合は、連続又はバッチ式で行うことができる。
上述した熱硬化性エポキシ樹脂組成物、又は上述した二成分形エポキシ樹脂組成物は、様々な方法で基材に適用できる。接着ビードとして又はスプレーによる適用の他に、それらはフィルムとして、任意選択で場合によっては担体例えば網などの上のフィルムとして適用することもできる。上述したエポキシ樹脂成分は、化学及び/又は物理的発泡剤を含むこともでき、これは硬化時に膨張をもたらす。
好ましい物理又は化学発泡剤は、例えば、Akzo Nobel社からExpancel(登録商標)、又はChemtura社のCelogen(登録商標)、又はLehman & Voss社のLuvopor(登録商標)の商品名で入手できる。発泡剤の割合は、示したエポキシ樹脂組成物の質量に基づいて0.1〜3質量%である。
別の側面では、本発明は、上に示した熱硬化性エポキシ樹脂組成物又は上に示した二成分形エポキシ樹脂組成物であってさらにそれぞれ化学及び/又は物理的発泡剤を含むものの、膨張性接着剤としての使用に関する。
別の側面では、本発明は、熱硬化性の又は二成分のエポキシ樹脂組成物の硬化した組成物に関する。
熱硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化した組成物は、熱硬化性エポキシ樹脂組成物を加熱して架橋させることによって得られる。熱硬化性エポキシ樹脂組成物の加熱は、既に上で詳細に説明したとおり、典型的には、オーブン中で、100℃〜220℃、特に120℃〜200℃、好ましくは130℃〜190℃の温度で行われる。
二成分形エポキシ樹脂組成物の硬化した組成物は、樹脂成分K1と硬化剤成分K2とを混合して架橋させることによって得られる。二成分形エポキシ樹脂組成物を混合することは、上述したように、典型的には5℃〜80℃、特に10℃〜70℃で行われる。
Figure 2011528055
〔接着促進剤の調製〕
100.0g(0.73当量のエポキシ基)のトリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、65.81g(210ミリモル)のカルドライト(Cardolite)(登録商標)NC−700、20.77g(73ミリモル)のステアリン酸、及び触媒として0.86gのトリフェニルホスフィンを一緒に混合した。反応の開始における計算したエポキシ基量は3.90当量/kgだった。
減圧下110℃で6時間の撹拌後、エポキシド量は約2.5当量/kgまで低下し、一定のままとなり、この時点で反応を止めた。赤い粘稠な溶液が得られた。
式(I)に対応する様々な化合物1〜7を調製した。7の調製のためにはトリメチロールプロパントリグリシジルエーテルの代わりにBADGEを用いた。Ref1は、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、カルドライト(Cardolite)(登録商標)NC−700、及びステアリン酸の未反応混合物に対応し、したがって、本発明によるものではない。Ref2又はRef3は、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルと、それぞれステアリン酸のみ又はカルドライトNC−700のみとの間の反応生成物であり、したがって、本発明によるものではない。
Figure 2011528055
成分の割合は、ポリグリシジルエーテル(トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル又はBADGE)に対するエポキシ基当量、又はカルドライトNC−700に対するフェノール基当量、又はステアリン酸に対するカルボキシル基当量で、表2に示している。
カルドライトNC−700のフェノール基当量に対するステアリン酸のカルボキシル基当量の割合の比(「SA/NC」)も表2に示している。
1〜7並びにRef1〜Ref3の調製のために用いたポリグリシジルエーテル(トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、あるいはBADGE)のエポキシ基の計算した転化率(「EP転化率」)は、表2に%で示している。それは、フェニル基とカルボキシル基の当量の合計を、用いたポリグリシジルエーテルのエポキシ基当量で割り算し、100を乗じて計算される。
〔強度向上剤(strength modifier)/エポキシ樹脂混合物の調製(「樹脂Mod)〕
減圧下で、110℃において撹拌しながら、123.9gのダイマー脂肪酸、1.1gのトリフェニルホスフィン、及び71.3gのビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンを5.45当量/kgのエポキシド含有量をもつBADGE(658g)と5時間、2.82当量/kgの一定エポキシド濃度が達成されるまで反応させた。反応の終了後、さらに118.2gの液状BADGEを反応混合物に添加した。
〔ブロックポリウレタンプレポリマーの調製〕
減圧下で、0.08gのジブチルスズジラウレートの存在下で90℃において撹拌しながら、600.0gのポリエーテルポリオール(デスモフェン(Desmophen)3060BS;3000ダルトン;OH価57mg/g KOH)を、イソシアネート含有量が一定になるまで140.0gのIPDIと反応させて、イソシアネート末端プレポリマーを形成させた。次にそのフリーイソシアネート基をカプロラクタム(2%過剰量)でブロックした。
〔尿素誘導体ペーストの調製(「URDペースト」)〕
窒素下で、穏やかに加熱しながら、68.7gのMDIフレークを、上述したブロックポリウレタンプレポリマー181.3g中で溶融させた。次に377.1gの上述したブロックプレポリマー中に溶かした40.1gのN−ブチルアミンを、2時間にわたって、窒素下で、迅速に撹拌しながら滴下して添加した。そのアミン溶液の添加が完了した後、その白色ペーストをさらに30分間撹拌した。次に冷却後、やわらかな白色ペーストが得られ、それは0.1%未満のフリーイソシアネートしか有していなかった。
〔接着剤組成物の調製〕
様々な接着剤組成物Z1〜Z9、並びに比較組成物ZRef1〜ZRef3を調製したが、これらは表3に質量部で示した成分からなる。
各接着剤組成物について、T剥離強度(「T剥離」(T−peel))についても、油面溶融亜鉛メッキスチール(oiled hot-dip galvanized steel)から作られた金属シート(0.8mm厚さ)を用いて、10mm/minの引張速度に対して、DIN53282に準拠してN/mm単位で測定し、表3に入れた。
Figure 2011528055
表3の結果は、用いたポリグリシジルエーテル(トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、あるいはBADGE)をカルドライト(Cardolite)(登録商標)NC−700及びステアリン酸と反応させている接着剤組成物Z1〜Z9は、用いたポリグリシジルエーテル、カルドライト(登録商標)NC−700、及びステアリン酸が、反応させていない混合物として添加されたZRef1よりも良好なT剥離強度を有することを示している。
用いたポリグリシジルエーテル(トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、あるいはBADGE)をカルドライト(Cardolite)(登録商標)NC−700及びステアリン酸の両方と反応させている接着剤組成物Z1〜Z7は、ステアリン酸のみ又はカルドライト(登録商標)NC−700のみとポリグリシジルエーテルとの間の反応生成物の混合物を同じ量で含む対応する比較組成物ZRef2よりも良好なT剥離強度を有し、あるいはポリグリシジルエーテルとカルドライト(登録商標)NC−700のみ(すなわちステアリン酸なし)の反応生成物の混合物を同じ量で含む対応する比較組成物ZRef3よりも良好なT剥離強度を有することも、表3から明らかである。

Claims (16)

  1. 下記式(I)の化合物:
    Figure 2011528055
    式(I)中、
    Aは(n+q+r+s)価のポリオールA1から(n+q+r+s)個のヒドロキシル基を取り除いた後の基を表し、
    は、
    Figure 2011528055
    であり、
    は、
    Figure 2011528055
    であり、
    はO又はNHであり、
    R’は任意選択で分岐していてもよい、飽和又は不飽和の、4〜30の炭素原子、特に6〜20の炭素原子をもつアルキル基であり、
    R’’はH、又は任意選択で分岐していてもよい、飽和又は不飽和の、1〜30の炭素原子、特に6〜20の炭素原子をもつアルキル基であり、
    R’’’は6〜30の炭素原子、特に6〜20の炭素原子をもつ、アルキル基又はアルキルフェニル基であり、
    R’’’’は1〜10の炭素原子、特に2〜8の炭素原子をもつ、芳香族、脂環式、又は任意選択で分岐していてもよい飽和又は不飽和の脂肪族の二価の基であり、
    tは0又は1、好ましくは0の値をもち、
    n、q、r、及びsはそれぞれ0〜5の値を有し、但し、n、q、及びrの値のうちの少なくとも2つは0(ゼロ)とは異なることを条件し、
    sは特に1又は2の値を有し、且つ
    (n+q+r+s)の合計は好ましくは3又は4である。
  2. 前記ポリオールA1は、脂肪族、脂環式、又は芳香族ポリオール、特に、脂肪族ポリオールであることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
  3. 前記ポリオールA1が、ペンタエリスリトール(=2,2−ビス−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール)、ジペンタエリスリトール(=3−(3−ヒドロキシ−2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロポキシ−2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロパン−1−オール)、グリセロール(=1,2,3−プロパントリオール)、トリメチロールプロパン(=2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール)、トリメチロールエタン(=2−(ヒドロキシメチル)−2−メチル−1,3−プロパンジオール)、ジ(トリメチロールプロパン)(=2,2’−オキシビス(メチレン)ビス(2−エチルプロパン−1,3−ジオール))、ジ(トリメチロールエタン)(=2,2’−オキシビス(メチレン)ビス(2−メチルプロパン−1,3−ジオール))、ジグリセロール(=ビス(2,3−ジヒドロキシプロピル)エーテル)、及びトリグリセロール(=1,3−ビス(2,3−ジヒドロキシプロピル)−2−プロパノールからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の化合物。
  4. - 1分子当たり平均して1つより多いエポキシ基を有するエポキシ樹脂EHの少なくとも一種;
    - 昇温して活性化される、エポキシ樹脂用硬化剤Bの少なくとも一種;及び
    - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の少なくとも一種、
    を含む熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
  5. 式(I)の化合物の質量割合が、熱硬化性エポキシ樹脂組成物の質量に基づいて、0.001〜20質量%、特に0.5〜15質量%、好ましくは4〜10質量%であることを特徴とする、請求項4に記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
  6. エポキシ樹脂EHの質量割合が、熱硬化性エポキシ樹脂組成物の質量に基づいて5〜80質量%、特に10〜75質量%、好ましくは15〜70質量%であることを特徴とする、請求項4又は5に記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
  7. ブロックポリウレタンポリマー、液状ゴム、エポキシ樹脂変性液状ゴム、ブロックコポリマー、及びコア/シェルポリマーからなる群から選択される靭性改良剤Dを、熱硬化性樹脂エポキシ樹脂組成物の質量に基づいて、特に1〜50質量%、特に0.5〜35質量%、好ましくは1〜20質量%の量でさらに含むことを特徴とする、請求項4〜6のいずれか一項に記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
  8. カルボキシル基又は(メタ)アクリレート基又はエポキシ基を末端に有するアクリロニトリル/ブタジエンコポリマーであるかあるいはその誘導体からなる靭性改良剤Dをさらに含むことを特徴とする、請求項4〜7のいずれか一項に記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
  9. 下記式(IV)のブロックポリウレタンポリマーである靭性改良剤Dをさらに含むことを特徴とする、請求項4〜8のいずれか一項に記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
    Figure 2011528055
    式(IV)中、
    は、m+m’個のイソシアネート基が末端にある線状又は分岐状ポリウレタンポリマーPU1から全ての末端イソシアネート基を除いた後の基であり;
    はそれぞれ独立に、100℃より高い温度で開裂するブロック基であり;
    はそれぞれ独立に、下記式(IV’):
    Figure 2011528055
    の基であり、
    は、一級又は二級ヒドロキシル基を含む脂肪族、脂環式、又は芳香脂肪族エポキシドから、そのヒドロキシル基及びエポキシ基を取り除いた後の基であり、
    p=1、2、又は3であり;
    m及びm’はそれぞれが0〜8の間の数であり、但し、m+m’は1〜8の数であることを条件とする。
  10. が以下のものからなる群から選択される基であることを特徴とする、請求項9に記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
    Figure 2011528055
    (R、R、R、及びRはそれぞれ独立に、アルキル又はシクロアルキル又はアラルキル又はアリールアルキル基であるか、
    あるいはRはRと一緒に、又はRはRと一緒に、4〜7員環の一部を形成し、これは任意選択で置換されていてもよく;
    、R’、及びR10はそれぞれ独立に、アルキル又はアラルキル又はアリールアルキル基、あるいはアルキルオキシ又はアリールオキシ又はアラルキルオキシ基であり;
    11はアルキル基であり;
    12、R13、及びR14はそれぞれ独立に、2〜5の炭素原子をもつアルキレン基(これは任意選択により場合によっては二重結合を有しているかあるいは置換されていてもよい)又はフェニレン基又は水素化フェニレン基であり;
    15、R16、及びR17はそれぞれ独立に、H又はアルキル基又はアリール基又はアラルキル基であり;
    18は、アラルキル基又は単核もしくは多核の、置換もしくは非置換の芳香族基(これは任意選択で芳香族ヒドロキシル基をもっていてもよい)である。)
  11. エポキシ基含有反応性希釈剤Gを、熱硬化性エポキシ樹脂組成物の質量に基づいて特に0.1〜20質量%の量でさらに含むことを特徴とする、請求項4〜10のいずれか一項に記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
  12. 樹脂成分K1と、硬化剤成分K2とからなる二成分形エポキシ樹脂組成物であって、
    - 前記樹脂成分K1は、平均して1分子当たり1つより多いエポキシ基をもつ少なくとも一種のエポキシ樹脂EH、並びに請求項1〜3のいずれか一項に記載の少なくとも一種の式(I)の化合物を含み;
    - 硬化剤成分K2は、少なくとも一種のポリアミンB2及び/又はポリメルカプタンB3を含む、
    二成分形エポキシ樹脂組成物。
  13. 請求項4〜11のいずれか一項に記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物を加熱して架橋させることによって、あるいは請求項12に記載の二成分形エポキシ樹脂組成物の樹脂成分K1と硬化剤成分K2とを混合し、続いて架橋させることによって得られる、硬化した組成物。
  14. 請求項4〜11のいずれか一項に記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物又は請求項12に記載の二成分形エポキシ樹脂組成物の接着剤としての使用。
  15. 化学及び/又は物理的発泡剤をさらに含むことを特徴とする請求項4〜11のいずれか一項記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物又は請求項12に記載の二成分形エポキシ樹脂組成物の、膨張性接着剤としての使用。
  16. 基材S1、特に油面金属又は油面合金のための接着促進剤としての、請求項1〜3のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の使用。
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