JP2011525537A - グルココルチコイド受容体、AP−1、および/またはNF−κB活性のシクロペンタチオフェン調節剤およびその使用 - Google Patents

グルココルチコイド受容体、AP−1、および/またはNF−κB活性のシクロペンタチオフェン調節剤およびその使用 Download PDF

Info

Publication number
JP2011525537A
JP2011525537A JP2011516563A JP2011516563A JP2011525537A JP 2011525537 A JP2011525537 A JP 2011525537A JP 2011516563 A JP2011516563 A JP 2011516563A JP 2011516563 A JP2011516563 A JP 2011516563A JP 2011525537 A JP2011525537 A JP 2011525537A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substituted
alkyl
heterocyclo
heteroaryl
aryl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2011516563A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011525537A5 (ja
Inventor
ビンウェイ・ベラ・ヤン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bristol Myers Squibb Co
Original Assignee
Bristol Myers Squibb Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bristol Myers Squibb Co filed Critical Bristol Myers Squibb Co
Publication of JP2011525537A publication Critical patent/JP2011525537A/ja
Publication of JP2011525537A5 publication Critical patent/JP2011525537A5/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D417/00Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, at least one ring having nitrogen and sulfur atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D415/00
    • C07D417/02Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, at least one ring having nitrogen and sulfur atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D415/00 containing two hetero rings
    • C07D417/12Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, at least one ring having nitrogen and sulfur atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D415/00 containing two hetero rings linked by a chain containing hetero atoms as chain links
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P1/00Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P11/00Drugs for disorders of the respiratory system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P17/00Drugs for dermatological disorders
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P19/00Drugs for skeletal disorders
    • A61P19/02Drugs for skeletal disorders for joint disorders, e.g. arthritis, arthrosis
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P27/00Drugs for disorders of the senses
    • A61P27/02Ophthalmic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P29/00Non-central analgesic, antipyretic or antiinflammatory agents, e.g. antirheumatic agents; Non-steroidal antiinflammatory drugs [NSAID]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P3/00Drugs for disorders of the metabolism
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/08Antiallergic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P7/00Drugs for disorders of the blood or the extracellular fluid

Abstract

式I:
Figure 2011525537

(式中、R、R、R、R、R、R、RおよびRは本明細書に定義されている)
の化合物並びにそのエナンチオマー、ジアステレオマー、および医薬的に許容される塩が開示されている。また、式Iの化合物を含む医薬組成物および組み合わせ、並びに疾患または障害(代謝性および炎症または免疫関連の疾患または障害を含む)の治療方法が開示されている。

Description

本願は、2008年6月24日に出願された米国仮特許出願第61/075,063号(本明細書に引用されている)からの優先権の利益を主張する。
本発明は、グルココルチコイド受容体、AP−1、および/またはNF−κB活性の有効な調節剤であり、したがって疾患または障害、例えば代謝および炎症性もしくは免疫関連疾患もしくは障害の治療に有用な新しい非ステロイド化合物に関する。本発明はまた、その組成物、並びにこれらのおよび関連する疾患もしくは障害を治療するためのこのような化合物および組成物の使用方法も提供する。
転写因子NF−κBおよびAP−1は、炎症応答および免疫応答の媒介に関与するいくつかの遺伝子の発現調節に関与する。NF−κBは、TNF−α、IL−1、IL−2、IL−6、接着分子(例えばE−セレクチン)およびケモカイン(例えばランテス)を含む遺伝子の転写を調節する。AP−1は、サイトカインTNF−α、IL−1、IL−2、並びにマトリックスメタロプロテアーゼの産生を調節する。TNF−α(その発現がNF−κBとAP−1の両方によって調節される遺伝子)を標的とする薬物療法は、慢性関節リウマチおよびクローン病を含むいくつかの炎症性ヒト疾患に、著しく有効であることが示されている。したがってNF−κBおよびAP−1は、炎症性障害および免疫障害の開始および永続化に重要な役割を果たしている。Baldwin, A.S., Journal of Clin. Investigation, 107: 3 (2001);Firestein, G.S. et al., Arthritis and Rheumatism, 42: 609 (1999);およびPeltz, G., Curr. Opin. in Biotech.. 8: 467 (1997)を参照されたい。
AP−1およびNF−κBの上流には多くのシグナリング分子(キナーゼおよびホスファターゼ)が存在し、それらは潜在的な治療薬標的である。キナーゼJNKは、AP−1複合体(fos/c−jun)を構成するサブユニットの一つであるc−junのリン酸化とそれに続く活性化の調節に、欠かすことのできない役割を果たす。JNKを阻害する化合物は、炎症疾患の動物モデルで有効であることが示されている。Manning, A.M. et al., Nature Rev. Drug Disc., 2:554 (2003)を参照されたい。NF−κBの活性化に極めて重要なキナーゼは、IκBキナーゼ(IKK)である。このキナーゼは、IκBのリン酸化に重要な役割を果たす。IκBはひとたびリン酸化されると分解を起こし、それが、核内に移行して上述した遺伝子の転写を活性化することのできるNF−κBの放出につながる。IKKの阻害剤BMS−345541は、炎症疾患の動物モデルで有効であることが示されている。Burke, J.R., Curr. Opin. Drug Discov. Devel., 6(5) :720-728 (Sept. 2003)を参照されたい。
グルココルチコイド受容体は、NF−κBおよびAP−1の活性化に関与するシグナリングカスケードを阻害することの他に、直接の物理的相互作用によってNF−κBおよびAP−1の活性を阻害することも示されている。グルココルチコイド受容体(GR)は、転写因子の核内ホルモン受容体ファミリーのメンバーであり、転写因子のステロイドホルモンファミリーのメンバーである。グルココルチコイド受容体タンパク質のアフィニティラベリングによって、受容体に対する抗体の産生が可能になり、それにより、グルココルチコイド受容体のクローニングが容易になった。ヒトでの結果については、Weinbergerら, Science, 228:740-742 (1985);Weinbergerら, Nature, 318:670-672 (1986)を、またラットでの結果については、Miesfeld, R., Nature, 312:779-781 (1985)を参照されたい。
GRと相互作用するグルココルチコイドは、50年以上にわたって炎症疾患の治療に使用されてきた。グルココルチコイドは、GRによる転写因子NF−κBおよびAP−1の阻害を介して、その抗炎症活性を発揮することが、明確に示されている。この阻害は転写抑制(transrepression)と呼ばれる。GRによるこれらの転写因子の阻害に関する主要な機序は、直接の物理的相互作用によるものであることが示されている。この相互作用は転写因子複合体を変化させて、NF−κBおよびAP−1の転写刺激能力を阻害する。Jonat, C.ら, Cell, 62:1189 (1990);Yang-Yen, H.F.ら, Cell, 62:1205 (1990);Diamond, M.I.ら, Science 249:1266 (1990);およびCaldenhoven, E.ら, Mol. Endocrinol., 9:401 (1995)を参照されたい。GRによる共役活性化因子の隔離などといった他の機序も提案されている。Kamei, Y.ら, Cell, 85:403 (1996);およびChakravarti, D.ら, Nature, 383,99 (1996)を参照されたい。
グルココルチコイドとGRとの相互作用は、転写抑制を引き起こすことの他に、GRによる、ある種の遺伝子の転写の誘導を引き起こす場合もある。この転写の誘導は転写活性化(transactivation)と呼ばれる。転写活性化にはGRの二量体化およびグルココルチコイド応答配列(GRE)への結合が必要である。
DNAを結合することができないトランスジェニックGR二量体化欠損マウスを使った最近の研究により、GRの転写活性化(DNA結合)活性はGRの転写抑制(非DNA結合)作用から分離できることが示されている。これらの研究は、DNA結合を必要としない転写抑制が炎症の抑制につながるのに対して、グルココルチコイド療法の副作用の多くは、代謝に関与するさまざまな遺伝子の転写を誘導するというGRの能力によるものであることも示している。Reichardt, H.M.ら, Cell, 93:531 (1998)およびReichardt, H.M., EMBO J., 20:7168 (2001)を参照されたい。
AP−1およびNF−κB活性を調節する化合物は、炎症性および免疫疾患および障害、例えば、変形性関節症、関節リウマチ、多発性硬化症、喘息、炎症性腸疾患、移植拒絶および移植片対宿主病の治療に有用である。
また、グルココルチコイド受容体経路に関して、グルココルチコイドが強力な抗炎症剤であることも知られているが、それらの全身使用は副作用によって制限される。糖尿病、骨粗鬆症および緑内障などの副作用を最小限に抑えつつもグルココルチコイドの抗炎症効力を保っている化合物は、炎症疾患を持つ極めて多数の患者にとって、著しく有益であるだろう。
さらに、GRに関して、当技術分野では、転写活性化を拮抗する化合物も必要とされている。そのような化合物は、グルココルチコイドレベルの増加に関連する代謝性疾患、例えば糖尿病、骨粗鬆症および緑内障などの治療に役立ちうる。
さらに、GRに関して、当技術分野では、転写活性化を引き起こす化合物も必要とされている。そのような化合物は、グルココルチコイドの不足に関連する代謝性疾患の治療に役立ちうる。そのような疾患には例えばアジソン病がある。
発明の説明
本発明は、グルココルチコイド受容体、AP−1、および/またはNF−κB活性に有効な調節剤であり、したがって疾患または障害、例えば代謝および炎症性もしくは免疫関連疾患もしくは障害の治療に有用な新しい非ステロイド化合物に関する。本発明はまた、その組成物および組み合わせ、並びに関連する疾患もしくは障害を治療するための化合物、組み合わせ、および組成物の使用方法も提供する。
本発明の1つの態様において(態様1)、式I:
Figure 2011525537
[式中、
およびRは独立して、水素、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、ニトロ、アジド、シアノ、OR10、NR1011、−(O)−C(=O)R10、−(O)−CO10、−(O)−C(=O)NR1011、NR10C(=O)R11、NR10C(=O)OR11、NR10C(=S)OR11、S(=O)15NR11S(=O)15、N(S(=O)15、S(=O)NR1011、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロシクロ、置換ヘテロシクロ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、および置換ヘテロアリールからなる群より選択され;
少なくとも1つのR、R、R、R、R、およびRは、R−NH−C(=O)であって、残りは独立して、水素、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、ニトロ、シアノ、OR12、SR12、NR1213、C(=O)R12、CO12、C(=O)NR1213、−O−C(=O)R12、NR12C(=O)R13、NR12C(=O)OR13、NR12C(=S)OR13、S(=O)16、NR12S(=O)16、S(=O)NR1213、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロシクロ、置換ヘテロシクロ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、および置換ヘテロアリールからなる群より選択され;
は、水素、C1〜6アルキル、OR14、置換C1〜6アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロシクロ、置換ヘテロシクロ、ヘテロアリール、および置換ヘテロアリールからなる群より選択され;
10、R11、R12、R13、およびR14は各々独立して、(i)水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクロ、および置換ヘテロシクロからなる群より選択されるか、あるいは(ii)それらが結合している原子と一緒になって、R10はR11と一緒に、および/またはR12はR13と一緒になって、ヘテロアリールまたはヘテロシクロ環を形成し;
15およびR16は各々独立して、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクロ、および置換ヘテロシクロからなる群より選択され;
tは各々、0または1であり;並びに
pは各々、1または2である]
の構造を有する化合物、あるいはそのアイソトープ、エナンチオマー、ジアステレオマー、または医薬的に許容される塩が提供される。
本発明の他の態様は以下に記載される。
態様2:RまたはRの一方が水素であって、他方がハロゲン、シアノ、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロシクロ、置換ヘテロシクロ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、および置換ヘテロアリールからなる群より選択される、態様1の化合物、あるいはそのアイソトープ、エナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、または医薬的に許容される塩。
態様3:RおよびRの一方が水素であって、他方がヘテロシクロ、置換ヘテロシクロ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、および置換ヘテロアリールから選択される、態様1〜2の化合物、あるいはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、または医薬的に許容される塩。
態様4:RまたはRの一方が水素であって、他方が無置換フェニル、並びにハロゲン、モルホリン−1−イルカルボニル、ピロリジン−1−イルカルボニル、N−メチル−N−エチルアミノカルボニル、3−フルオロピロリジン−1−イルカルボニル、3,3−ジフルオロピロリジン−1−イルカルボニル、およびN,N−ジメチルアミノカルボニルから選択される1〜2個で置換されたフェニルからなる群より選択される、態様1〜3の化合物、あるいはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、または医薬的に許容される塩。
態様5:RおよびRの一方がが水素であり、他方がハロゲンである、態様1〜4の化合物、あるいはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、または医薬的に許容される塩。好ましくは、ハロゲンは、フッ素、臭素、または塩素から選択される。
態様6:RがR−NH−C(=O)である、態様1〜5の化合物、あるいはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、または医薬的に許容される塩。
態様7:Rがアリール、置換アリール、ヘテロシクロ、置換ヘテロシクロ、ヘテロアリール、および置換ヘテロアリールから選択される、態様1〜6の化合物、あるいはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、または医薬的に許容される塩。
態様8:R
Figure 2011525537
[式中、
Wは、CR22またはNであり;並びに
21およびR22は独立して、水素、ハロゲン、低級アルキル、シアノ、CF、(低級アルキル)アミノ、シアノ、(低級アルキル)スルホニル、(C3〜5シクロアルキル)カルボキサミド、および(低級アルキル)1〜2カルボキサミドからなる群より選択される]
である、態様1〜7の化合物、あるいはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、または医薬的に許容される塩。
態様9:RがR−NH−C(=O)であって、Rが適宜置換されたチアジアゾリル基である、態様1〜8の化合物、あるいはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、または医薬的に許容される塩。チアジアゾリル基は、好ましくは1,3,5−チアジアゾール−2−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル、またはチアゾール−2−イルであり、特に1,3,4−チアジアゾール−2−イルである。
態様10:
またはRの一方が水素、低級アルキル、またはシアノであって;RまたはRの他方がハロゲンであるか、またはハロゲン、(適宜置換された5〜7員)ヘテロシクロカルボニル、および(低級アルキル)1〜2アミノカルボニルから選択される1〜2個の基で置換されたフェニルであり;
が低級アルキル、シアノ、NH、(低級アルキル)1〜2アミノ、CF、またはベンジルであり;並びに
、R、R、およびRが水素、低級アルキル、適宜置換されたフェニル、または適宜置換された5もしくは6員ヘテロアリールであって、ここで適宜置換された置換基がハロゲン、低級アルキル、シアノ、CF、(低級アルキル)アミノ、シアノ、(低級アルキル)スルホニル、およびカルボキサミドからなる群より選択されるが、但しR、R、R、およびRの1つのみは適宜置換されたフェニルまたは適宜置換された5〜7員ヘテロアリールから選択される、
態様1〜9の化合物、あるいはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、または医薬的に許容される塩。
態様11:
またはRの一方が水素であって、他方がハロゲン、モルホリン−1−イルカルボニル、ピロリジン−1−イルカルボニル、N−メチル−N−エチルアミノカルボニル、3,3−ジフルオロピロリジン−1−イルカルボニル、およびN,N−ジメチルアミノカルボニルから選択される1〜2個の基で置換されたフェニルであり;
が低級アルキル(好ましくはメチル)であり;
が水素であり;
が水素であり;
がフェニルまたはハロゲンで置換されたフェニルであり;
が水素であり;並びに
が1,3,5−チアジアゾール−2−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル、またはチアゾール−2−イルであって、各基がハロゲン、低級アルキル、シアノ、CF、(低級アルキル)1〜2アミノ、シアノ、(低級アルキル)スルホニル、(C3〜5シクロアルキル)カルボキサミド、および(低級アルキル)1〜2カルボキサミドから選択される1〜2個の基で適宜置換された、
態様1〜10の化合物、あるいはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、または医薬的に許容される塩。
態様12:
がR−NH−C(=O)であり;並びに
が水素、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、ニトロ、シアノ、OR12、SR12、NR1213、C(=O)R12、CO12、C(=O)NR1213、−O−C(=O)R12、NR12C(=O)R13、NR12C(=O)OR13、NR12C(=S)OR13、S(=O)16、NR12S(=O)16、S(=O)NR1213、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロシクロ、置換ヘテロシクロ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、および置換ヘテロアリールから選択される、
態様1〜11の化合物、あるいはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、または医薬的に許容される塩。
態様13:RまたはRの一方が水素であって、他方がモルホリン−1−イルカルボニル、ピロリジン−1−イルカルボニル、N−メチル−N−エチルアミノカルボニル、3−フルオロピロリジン−1−イルカルボニル、3,3−ジフルオロピロリジン−1−イルカルボニル、またはN,N−ジメチルアミノカルボニルで4位が置換されたフェニルであって、該フェニルが適宜ハロゲンで置換された、態様1〜12の化合物、あるいはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、または医薬的に許容される塩。
態様14:Rが低級アルキル、特にメチルである、態様1〜13の化合物、あるいはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、または医薬的に許容される塩。
態様15:
が水素、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロシクロ、および置換ヘテロシクロから選択され;
がアリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロシクロ、および置換ヘテロシクロから選択され;並びに
およびRが独立して、水素、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、ニトロ、シアノ、OR、NR10、−(O)−C(=O)R、−(O)−CO、−(O)−C(=O)NR10、NRC(=O)R10、NRC(=O)OR10、NRC(=S)OR10、S(=O)14 14、NR10S(=O)14、N(S(=O)14、S(=O)NR10、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロシクロ、置換ヘテロシクロ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、および置換ヘテロアリールから選択される、
態様1〜14の化合物、あるいはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、または医薬的に許容される塩。
態様16:態様1〜15の化合物を少なくとも1つ、および医薬的に許容される担体を含む医薬組成物。
態様17:態様1〜16の化合物の治療上有効な量をそれが必要な患者に投与することを特徴とする、炎症疾患、免疫疾患、および代謝疾患からなる群より選択される、疾患または障害の治療方法。
本発明は、その精神または本質的な特性からはずれることなく、他の特定の形態で具体化されうる。本発明はまた、本明細書で述べた本発明の別の態様のすべての組合せも含む。本発明のいずれのおよびすべての態様を、いずれの他の態様と併用して、本発明の別の態様を記載してもよいことが理解される。さらに、態様のいずれの要素(個々の可変的な定義を含む)を、いずれの態様からのいずれのおよびすべての他の要素と組み合わせて、別の態様を記載することが意図される。本発明はまた、式Iの化合物、またはエナンチオマー、ジアステレオマー、もしくは医薬的に許容される塩、並びにそのための医薬的に許容される担体を含む医薬組成物も提供する。
本発明の他の態様は、
(1)式Iの化合物の治療上の有効量を治療が必要な患者に投与することを特徴とする、疾患または障害の治療方法、
(2)疾患または障害の治療に使用するための式Iの化合物、並びに
(3)疾患または障害の治療剤の製造における式Iの化合物の使用であり、その中で、該疾患または障害は、内分泌障害、リウマチ障害、膠原病、皮膚病、アレルギー疾患、眼疾患、呼吸器疾患、血液疾患、胃腸疾患、炎症疾患、免疫疾患、腫瘍性疾患、および代謝疾患から選択される。
本発明の他の態様は、
(1)式Iの化合物の治療上の有効量を治療が必要な患者に投与することを特徴とする、疾患または障害の治療方法、
(2)疾患または障害の治療に使用するための式Iの化合物、並びに
(3)疾患または障害の治療剤の製造における式Iの化合物の使用を提供し、その中で、該疾患または障害は、式Iの化合物の治療上の有効量を治療が必要な患者に投与することを特徴とする代謝疾患または炎症性もしくは免疫疾患から選択される。
本発明のより好ましい態様は、
(1)式Iの化合物の治療上の有効量を治療が必要な患者に投与することを特徴とする、疾患または障害の治療方法、
(2)疾患または障害の治療に使用するための式Iの化合物、並びに
(3)疾患または障害の治療剤の製造における式Iの化合物の使用を提供し、その中で、該疾患または障害は代謝疾患から選択され、それはI型糖尿病、II型糖尿病、若年性糖尿病、および肥満症から選択される。
本発明の他の好ましい態様は、
(1)式Iの化合物の治療上の有効量を治療が必要な患者に投与することを特徴とする、疾患または障害の治療方法、
(2)疾患または障害の治療に使用するための式Iの化合物、並びに
(3)疾患または障害の治療剤の製造における式Iの化合物の使用を提供し、その中で、該疾患または障害は、腎臓、肝臓、心臓、肺、膵臓、骨髄、角膜、小腸閉塞、皮膚同種移植、皮膚同種移植片、心臓弁異種移植の移植片拒絶、血清病、および移植片対宿主疾患、リウマチ性関節炎、乾癬性関節炎、多発性硬化症、喘息、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、壊疽性膿皮症、全身性エリテマトーデス、重症筋無力症、乾癬、皮膚炎、皮膚筋炎から選択される炎症性もしくは免疫疾患、湿疹、脂漏症、肺炎症、眼ぶどう膜炎、肝炎、グレーブス病、橋本甲状腺炎、自己免疫性甲状腺炎、べーチェット症候群またはシェーグレン症候群、悪性または免疫溶血性貧血、アテローム性動脈硬化症、アジソン病、特発性副腎不全、自己免疫性多腺性疾患、糸球体腎炎、強皮症、モルフェア、扁平苔癬、白斑、円形脱毛症、自己免疫性脱毛症、自己免疫性下垂体機能低下症、ギラン・バレー症候群、胞隔炎、接触過敏症、遅延型過敏症、接触性皮膚炎、蕁麻疹、皮膚アレルギー、呼吸アレルギー、枯草熱、グルテン過敏性腸症、変形性関節症、急性膵炎、慢性膵炎、急性呼吸促迫症候群、セザリー症候群、再狭窄、狭窄、先天性副腎過形成症、非化膿性甲状腺炎、癌関連高カルシウム血症、若年性リウマチ性関節炎、強直性脊椎炎、急性および亜急性滑液包炎、急性非特異性腱鞘炎、急性痛風関節炎、外傷後変形性関節症、変形性関節症の滑膜炎、上顆炎、急性リウマチ性心炎、天疱瘡、水疱性ヘルペス状皮膚炎、重症多形性紅斑、剥離性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、季節性または通年性アレルギー性鼻炎、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、薬物過敏症反応、アレルギー性結膜炎、角膜炎、眼帯状疱疹、虹彩炎および虹彩毛様体炎、脈絡網膜炎、視神経炎、症候性サルコイドーシス、激症または播種性肺結核化学療法、成人特発性血小板減少性紫斑病、成人続発性血小板減少症、後天性(自己免疫性)溶血性貧血、成人の白血病およびリンパ腫、小児急性白血病、限局性腸炎、自己免疫性血管炎、敗血症、および慢性閉塞性肺疾患である。
特に好ましい態様は、
(1)式Iの化合物の治療上の有効量を治療が必要な患者に投与することを特徴とする、疾患または障害の治療方法、
(2)疾患または障害の治療に使用するための式Iの化合物、並びに
(3)疾患または障害の治療剤の製造における式Iの化合物の使用であり、ここで、疾患または障害は、移植片拒絶反応、リウマチ性関節炎、乾癬性関節炎、多発性硬化症、喘息、炎症性腸疾患、全身性エリテマトーデス、および乾癬から選択される。
本発明のもう一つの態様は、グルココルチコイド受容体によってその転写が刺激または抑制される遺伝子の発現産物に関連する疾患もしくは障害を治療する方法、またはAP−1および/もしくはNF−κB(特にAP−1)誘導性転写に関連する疾患もしくは障害を治療する方法、またはAP−1および/もしくはNF−κB(特にAP−1)依存性遺伝子発現に関連する疾患または障害を治療する方法であって、疾患が、AP−1および/またはNF−κB(特にAP−1)の調節制御を受ける遺伝子の発現に関連する(例えば炎症性障害および免疫障害、癌および腫瘍障害、例えば固形腫瘍、リンパ腫および白血病、並びに真菌感染症、例えば菌状息肉腫である)方法に関わる。
さらに別の態様において、本発明は、連続してまたは同時に使用するための、症状の治療剤として、式Iの化合物、並びに、免疫抑制薬、抗癌剤、抗ウイルス剤、抗炎症剤、抗真菌剤、抗生物質、抗血管過剰増殖剤(anti-vascular hyperproliferation agent)、抗うつ薬、高脂血症治療薬、脂質調節剤(lipid modulating agent)、抗糖尿病薬、抗肥満薬、降圧薬、血小板凝集阻害剤、および/または抗骨粗鬆症薬の1個以上を含む組合せ医薬を提供し、その中で:
抗糖尿病薬は、1、2、3またはそれ以上のビグアナイド、スルホニル尿素、グルコシダーゼ阻害剤、PPAR γ アゴニスト、PPAR α/γ デュアルアゴニスト、SGLT2阻害剤、DP4阻害剤、aP2阻害剤、インスリン増感剤、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)、インスリンおよび/またはメグリチニドであり、
抗肥満薬は、ベータ3アドレナリン作動薬、リパーゼ阻害剤、セロトニン(およびドーパミン)再摂取阻害剤、甲状腺受容体アゴニスト、aP2阻害剤および/または食欲低下剤であり、
高脂血症治療薬は、MTP阻害剤、HMG CoAリダクターゼ阻害剤、スクアレン合成酵素阻害剤、フィブリン酸誘導体、LDL受容体活性の上方調節剤(upregulator)、リポキシゲナーゼ阻害剤、またはACAT阻害剤であり、
降圧薬は、ACE阻害剤、アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト、NEP/ACE阻害剤、カルシウムチャネル遮断薬および/またはβ−アドレナリン遮断薬である。
さらにより好ましい組合せは、抗糖尿病薬が、1、2、3またはそれ以上のメトホルミン、グリブリド、グリメピリド、グリピリド、グリピジド、クロルプロパミド、グリクラジド、アカルボース、ミグリトール、ピオグリタゾン、トログリタゾン、ロシグリタゾン、インスリン、Gl−262570、イサグリタゾン、JTT−501、NN−2344、L895645、YM−440、R−119702、AJ9677、レパグリニド、ナテグリニド、KAD1129、AR−HO39242、GW−409544、KRP297、AC2993、LY315902、P32/98および/またはNVP−DPP−728Aであり、
抗肥満薬が、オーリスタット、ATL−962、AJ9677、L750355、CP331648、シブトラミン、トピラメート、アキソカイン、デキサンフェタミン、フェンテルミン、フェニルプロパノールアミン、および/またはマジンドールであり、
高脂血症治療薬が、プラバスタチン、ロバスタチン、シンバスタチン、アトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、イタバスタチン、ビサスタチン、フェノフィブラート、ゲムフィブロジル、クロフィブラート、アバシミベ、TS−962、MD−700、コレスタゲル、ナイアシンおよび/またはLY295427であり、
降圧薬が、カプトプリル、ホシノプリル、エナラプリル、リシノプリル、キナプリル、ベナゼプリル、フェンチアプリル、ラミプリルまたはモエキシプリルであるACE阻害剤;オマパトリラト、[S[(R*,R*)]−ヘキサヒドロ−6−[(2−メルカプト−1−オキソ−3−フェニルプロピル)アミノ]−2,2−ジメチル−7−オキソ−1H−アゼピン−1−酢酸(ゲモパトリラート)またはCGS30440であるNEP/ACE阻害剤であり;
イルベサルタン、ロサルタンまたはバルサルタンであるアンジオテンシンII受容体アンタゴニスト;
ベシル酸アムロジピン、プラゾシン HCl、ベラパミル、ニフェジピン、ナドロール、プロプラノロール、カルベジロール、またはクロニジン HCl(その中で、血小板凝集阻害剤は、アスピリン、クロピドグレル、チクロピジン、ジピリダモールまたはイフェトロバンである);
免疫抑制薬が、シクロスポリン、ミコフェノール酸、インターフェロン−ベータ、デオキシスペルゴリン、FK−506またはAnt.−IL−2であり;
抗癌剤が、アザチプリン、5-フルオロウラシル、シクロホスファミド、シスプラチン、メトトレキサート、チオテパ、またはカルボプラチンであり;
抗ウイルス剤が、アバカビル、アシクロビル、ガンシクロビル、ジダノシン、またはビダラビンであり;並びに
抗炎症剤が、イブプロフェン、セレコキシブ、ロフェコキシブ、アスピリン、ナプロキセン、ケトプロフェン、ジクロフェナクナトリウム、インドメタシン、ピロキシカム、プレドニゾン、デキサメサゾン、ヒドロコルチゾン、または二酢酸トリアムシノロンである場合である。
本明細書で使用する「GR転写活性化に関連する疾患」という用語は、その転写がGRによる転写活性化を受ける遺伝子の転写産物に関連する疾患を指す。そのような疾患には、例えば骨粗鬆症、糖尿病、緑内障、筋減少、顔面腫脹、人格変化、高血圧、肥満、うつ病、およびAIDS、創傷治癒の症状、一次性または二次性副腎皮質不全、およびアジソン病などがあるが、これらに限定されるわけではない。
本明細書で使用する用語「治療(処置)」(treat、treating、treatment)は、どの文法的形式でも、ある疾患、障害、または症状の予防、低減、または改善、部分的なもしくは完全な軽減、または治癒を指し、この場合、予防とは、そのような疾患、障害または症状が発達する危険のある人の治療を示す。
本明細書で使用する「グルココルチコイド受容体」および「GR」という用語は、グルココルチコイドを結合して転写を刺激または抑制する転写因子の核内ホルモン受容体(「NHR」)ファミリーのメンバーを指すか、またはGR-βを指す。
本明細書で使用するこれらの用語は、任意の供給源に由来するグルココルチコイド受容体を指し、限定するわけではないが、以下に挙げるものを包含する:ヒトグルココルチコイド受容体(Weinbergerら, Science, 228:740-742 (1985)およびWeinbergerら, Nature, 318:670-672 (1986)に開示されているもの);ラットグルココルチコイド受容体(Miesfeld, R., Nature, 312:779-781 (1985)に開示されているもの);マウスグルココルチコイド受容体(Danielson, M.ら, EMBO J., 5:2513に開示されているもの);ヒツジグルココルチコイド受容体(Yang, K.ら, J. Mol. Endocrinol., 8:173-180 (1992)に開示されているもの);マーモセットグルココルチコイド受容体(Brandon, D.D.ら, J. Mol. Endocrinol. 7:89-96 (1991)に開示されているもの);およびヒトGR-β(Hollenberg, S.M.ら, Nature, 318:635 (1985);Bamberger, C.M.ら, J. Clin Invest., 95:2435 (1995)に開示されているもの)。
本明細書で使用する「AP-1および/またはNF-κBに関連する疾患または障害」という用語は、AP-1および/またはNF-κBの調節制御を受ける遺伝子の発現産物に関連する疾患を指す。そのような疾患には、例えば炎症性および免疫性の疾患および障害;癌および腫瘍障害、例えば固形腫瘍、リンパ腫および白血病;並びに真菌感染症、例えば菌状息肉腫などがあるが、これらに限定されるわけではない。
「炎症性または免疫関連性の疾患または障害」という用語は、本明細書においては、炎症成分または免疫成分を持つ任意の症状、疾患、または障害を包含するために用いられ、以下に挙げる症状のそれぞれを包含するが、これらに限定されるわけではない:移植片拒絶[例えば、腎臓、肝臓、心臓、肺、膵臓(例えば、島細胞)、骨髄、角膜、小腸閉塞、皮膚同種移植、皮膚同種移植片(例えば熱傷の治療に用いられる)、心臓弁異種移植]、血清病、および移植片対宿主疾患、自己免疫疾患、例えばリウマチ性関節炎、乾癬性関節炎、多発性硬化症、I型およびII型糖尿病、若年性糖尿病、肥満症、喘息、炎症性腸疾患(例えばクローン病および潰瘍性大腸炎)、壊疽性膿皮症(pyoderma gangrenum)、ループス(全身性エリテマトーデス)、重症筋無力症、乾癬、皮膚炎、皮膚筋炎;
湿疹、脂漏症、肺炎症、眼ぶどう膜炎(eye uveitis)、肝炎、グレーブス病、橋本甲状腺炎、自己免疫性甲状腺炎、べーチェット症候群またはシェーグレン症候群(眼乾燥/口渇)、悪性または免疫溶血性貧血、アテローム性動脈硬化症、アジソン病(副腎の自己免疫疾患)、特発性副腎不全、自己免疫性多腺性疾患(自己免疫性多腺性症候群としても知られている)、糸球体腎炎、強皮症、モルフェア、扁平苔癬、白斑(皮膚の組織化)、円形脱毛症、自己免疫性脱毛症、自己免疫性下垂体機能低下症(autoimmune hypopituatarism)、ギラン・バレー症候群、および胞隔炎;
T細胞媒介過敏症疾患(T-cell mediated hypersensitivity disease)、例えば接触過敏症、遅延型過敏症、接触性皮膚炎(例えばツタウルシによるもの)、蕁麻疹、皮膚アレルギー、呼吸アレルギー(枯草熱、アレルギー性鼻炎)、およびグルテン過敏性腸症(セリアック病);
炎症疾患、例えば変形性関節症、急性膵炎(acute pancreatis)、慢性膵炎、急性呼吸促迫症候群、セザリー症候群、並びに炎症性および/または増殖性成分(proliferatory component)を有する血管病、例えば再狭窄、狭窄およびアテローム性動脈硬化。炎症性または免疫関連性の疾患または障害には、以下に挙げるものも含まれるが、これらに限定されるわけではない:内分泌障害、リウマチ障害、膠原病、皮膚病、アレルギー疾患、眼疾患、呼吸器疾患、血液疾患、胃腸疾患、炎症疾患、自己免疫疾患、先天性副腎過形成症、非化膿性甲状腺炎、癌関連高カルシウム血症、若年性リウマチ性関節炎、強直性脊椎炎、急性および亜急性滑液包炎、急性非特異性腱鞘炎、急性痛風関節炎、外傷後変形性関節症(post-traumatic osteroarthritis)、変形性関節症の滑膜炎、上顆炎、急性リウマチ性心炎、天疱瘡、水疱性ヘルペス状皮膚炎、重症多形性紅斑、剥離性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、季節性または通年性アレルギー性鼻炎、気管支喘息、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、薬物過敏症反応、アレルギー性結膜炎(allergic conjuncivitis)、角膜炎、眼帯状疱疹、虹彩炎および虹彩毛様体炎、脈絡網膜炎、視神経炎、症候性サルコイドーシス(symptomatic sarcoidosis)、激症または播種性肺結核化学療法。
定義
以下は、本明細書および添付の特許請求の範囲における用語の定義である。本明細書中で化学基または用語に与えられる最初の定義は、特に断りがなければ、個別にまたは他の化学基の一部として、本明細書および特許請求の範囲を通して化学基または用語に適用する。
用語「アルキル」とは、1から12個の炭素原子、好ましくは1から6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の炭化水素基をいう。用語「低級アルキル」は、1から4個の炭素原子のアルキルを指し、またそれが最も好ましい。記号「C」の後の下付き文字に数字が現れた場合は、その下付き文字は、特定の化学基が含みうる炭素原子の数をより特異的に定義する。例えば、「C1〜6アルキル」は、1から6個の炭素原子をもつ直鎖および分枝鎖のアルキル基を示し、それは例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、n−ペンチルなどである。下付き文字「0」は結合をいう。したがって、用語ヒドロキシ(C0〜2)アルキルまたは(C0〜2)ヒドロキシアルキルには、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、およびヒドロキシエチルが含まれる。
用語「置換アルキル」とは、ハロ(例えば、トリフルオロメチル)、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、ニトロ、シアノ、オキソ(=O)、OR、SR、(=S)、−NR、−N(アルキル) 、−NRSO、−NRSO、−SO、−SONR、−SONRC(=O)R、SOH、−PO(OH)、−OC(O)R、−C(=O)R、−CO、−C(=O)NR、−C(=O)(C1〜4アルキレン)NR、−C(=O)NR(SO)R、−CO(C1〜4アルキレン)NR、−NRC(=O)R、−NRCO、−NR(C1〜4アルキレン)CO、=N−OH、=N−O−アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロ、および/またはヘテロアリールからなる群より選択される1個、2個、または3個の置換基を有する上記で定義されたアルキル基をいい、その中で、RおよびRは、水素、アルキル、アルケニル、COH、CO(アルキル)、C3〜7シクロアルキル、フェニル、ベンジル、フェニルエチル、ナフチル、4〜7員環ヘテロシクロ、または5〜6員環ヘテロアリールから選択され、あるいは同一の窒素原子に結合する場合は一緒になって、ヘテロシクロまたはヘテロアリールを形成してもよく、並びにRは、RおよびRと同じ化学基から選択されるが、水素ではない。水素以外である各RおよびR基、並びに各R基は、R、R、および/またはRのいずれの利用しうる炭素もしくは窒素原子に結合する最大3個までの置換基をさらに適宜有しており、前記置換基は、(C1〜6)アルキル、(C2〜6)アルケニル、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、=O(原子価が許容されるなら)、CF、O(C1〜6アルキル)、OCF、C(=O)H、C(=O)(C1〜6アルキル)、COH、CO(C1〜6アルキル)、NHCO(C1〜6アルキル)、−S(C1〜6アルキル)、−NH、NH(C1〜6アルキル)、N(C1〜6アルキル)、N(CH 、SO(C1〜6アルキル)、C(=O)(C1〜4アルキレン)NH、C(=O)(C1〜4アルキレン)NH(アルキル)、C(=O)(C1〜4アルキレン)N(C1〜4アルキル)、C3〜7シクロアルキル、フェニル、ベンジル、フェニルエチル、フェニルオキシ、ベンジルオキシ、ナフチル、4〜7員環ヘテロシクロもしくはシクロアルキル、または5〜6員環ヘテロアリールからなる群より選択される。置換アルキルが、アリール(例えばフェニルおよびナフチルを含む)、ヘテロシクロ、シクロアルキル、またはヘテロアリール基で置換される場合は、前記環構造は以下に定義され、したがって置換基を持たないか、1個、2個、または3個の置換基(これもまた以下に定義される)を有していてもよい。
記号「CO」が本明細書中で用いられる場合、これは
Figure 2011525537
基を意味することが当業者に理解される。
例えば「アリールアルキル」のように、「アルキル」という用語が別の基と一緒に使用される場合、この連係は、置換アルキルが含有するであろう置換基の少なくとも一つを、より具体的に定義している。例えば「アリールアルキル」は、置換基の少なくとも一つがアリール(例えばベンジル)であるような上に定義した置換アルキル基を指す。したがって、「アリール(C0〜4)アルキル」という用語は、少なくとも一つのアリール置換基を持つ置換低級アルキルを包含すると共に、別の基に直接結合したアリール[すなわち、アリール(C)アルキル]も包含する。
用語「アルケニル」とは、2から12個の炭素原子および少なくとも一つの二重結合を有する直鎖または分枝鎖の炭化水素基をいう。2から6個の炭素原子のアルケニル基で一つの二重結合を有するものが最も好まれる。
用語「アルキニル」とは、2から12個の炭素原子および少なくとも一つの三重結合を有する直鎖または分枝鎖の炭化水素基をいう。2から6個の炭素原子のアルキニル基で一つの三重結合を有するものが最も好まれる。
用語「アルキレン」とは、1から12個の炭素原子、好ましくは1から8個の炭素原子を有する二価の直鎖または分枝鎖の炭化水素基をいい、例えば、{−CH−}であり、その中で、nは1から12であり、好ましくは1〜8である。低級アルキレン基、すなわち1から4個の炭素原子のアルキレン基が最も好まれる。用語「アルケニレン」および「アルキニレン」とは、それぞれ上記で定義されるアルケニル基およびアルキニル基の二価の基をいう。
置換アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレン、またはアルキニレン基が引用される場合は、これらの化学基は置換アルキル基において上記で定義される1から3個の置換基で置換される。
用語「ヘテロアルキレン」は、2から12個の炭素原子、好ましくは2から8個の炭素原子を有する飽和および不飽和の二価の直鎖または分枝鎖の炭化水素基を示すように本明細書中で用いられ、その中で、直鎖の1または2個の炭素原子は、−O−、−S−、−S(=O)−、−SO−、−NH−、および−NHSO−から選択されるヘテロ原子で置換される。したがって、用語「ヘテロアルキレン」には、以下に定義される二価のアルコキシ、チオアルキル、およびアミノアルキル基、並びにアルキル鎖においてヘテロ原子の組み合わせを有するアルキレン基およびアルケニレン基が含まれる。例として、本明細書中で「ヘテロアルキレン」は、−S−(CH1〜5NH−CH−、−O−(CH1〜5S(=O)−CH−、−NHSO−CH−、−CH−NH−などの化学基を含みうる。好ましくは、ヘテロアルキレンは−O−および−S−から同時に選択される二つの隣接原子を有さない。下付き文字が用語ヘテロアルキレンとともに用いられる場合は、例えば、C2〜3ヘテロアルキレンのように、下付き文字はヘテロ原子に加えて化学基における炭素原子の数を示す。したがって、例えば、C1〜2ヘテロアルキレンには、−NH−CH−、−CH−NH−CH−、−CH−CH−NH−、−S−CH−、−CH−S−CH−、−0−CH−NH−CH−、CH−O−CHなどの化学基が含まれうる。
用語「置換ヘテロアルキレン」は、上記で定義されるヘテロアルキレン基を示し、その中でヘテロアルキレン鎖において少なくとも一つの窒素または炭素原子は水素以外の化学基に結合する(または置換される)。ヘテロアルキレン鎖における炭素原子は、置換アルキル基において上記で列挙されたものから選択される化学基で置換され、またはアルキルもしくは置換アルキル基でさらに置換されうる。ヘテロアルキレン鎖の窒素原子は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シアノ、またはA−Q−A−Rから選択される化学基で置換され、その中でAは結合、C1〜2アルキレン、またはC2〜3アルケニレンであり;Qは結合、−C(=O)−、−C(=O)NR−、−C(=S)NR−、−SO−、−SONR−、−CO−、または−NRCO−であり;Aは結合、C1〜3アルキレン、C2〜3アルケニレン、−C1〜4アルキレン−NR−、−C1〜4アルキレン−NRC(=O)−、−C1〜4アルキレン−S−、−C1〜4アルキレン−SO−、または−C1〜4アルキレン−O−であり、その中で前記Aアルキレン基は、分枝鎖または直鎖であり、置換アルキレンにおいて本明細書中で定義されるように適宜置換され;Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロ、またはシクロアルキルであり;並びにRは、本明細書中で定義されるように、水素、アルキル、および置換アルキルから選択されるが、但し、A、Q、およびAがそれぞれ結合である場合は、置換ヘテロアルキレンについてRは水素ではない。Rがアリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクロの場合は、これらの環も同様に、これらの用語の定義において以下で定義されるような、化学基の1から3個で適宜置換される。
用語「アルコキシ」とは、本明細書で定義したアルキルまたは置換アルキルで置換された酸素原子をいう。例えば、用語「アルコキシ」には、−O−C1〜6アルキル基が含まれる。
用語「アルキルチオ」とは、本明細書で定義したアルキルまたは置換アルキル基で置換された硫黄原子をいう。例えば、用語「チオアルキル」には、−S−C1〜6アルキル基などが含まれる。
用語「アルキルアミノ」とは、上記で定義したアルキル基または置換アルキル基で置換されたアミノ基をいう。例えば、用語「アルキルアミノ」には、−NR−C1〜12アルキル基が含まれる(ここで、Rは、好ましくは水素であるが、上記で定義したアルキルまたは置換アルキルを含んでいてもよい)。
下付き文字がアルコキシ、チオアルキルまたはアミノアルキルに関して用いられる場合は、その下付き文字は、ヘテロ原子に加えてその化学基が含みうる炭素原子の数を示す。したがって、例えば、一価のC1〜2アミノアルキルには、−CH−N(CHおよび−(CH−NH基が含まれる。低級アミノアルキルには、1から4個の炭素原子を有するアミノアルキルが含まれる。用語(C1〜4アルキル)0〜2アミノには、NH、−NH(C1〜4アルキル)、および−N(C1〜4アルキル)基が含まれる。「アミノ」が単独で用いられる場合は、NH基をいう。「置換アミノ」とは、ヘテロアルキレン鎖の窒素原子について上記のように置換されたアミノ基をいい、例えば、アルキルアミノおよびアシルアミノ(−NRC(O)R)の用語が含まれる。アミノが、さらなる定義もなくモノ置換と記載される場合、余分な窒素原子価(extra nitrogen valence)は水素である。
アルコキシ、チオアルキル、またはアミノアルキル基は一価または二価でありうる。「一価」によって、その化学基が一つの原子価(すなわち、他の化学基と結合することができる能力)を有することが意味され、「二価」によって、その化学基が二つの原子価を有することが意味される。したがって、例えば、一価のアルコキシには、−O−C1〜12アルキルのような化学基が含まれるのに対し、二価のアルコキシには、−O−C1〜12アルキレン−などのような化学基が含まれる。
例えばアルコキシ、チオアルキル、およびアミノアルキルを含むすべての化学基の選択が当業者によってなされて、安定な化合物が提供されることは理解されるべきである。したがって、例えば、式Iの化合物において、Gが環Aの窒素原子(N)に結合し、アルコキシ基またはアルキルチオ基から選択される場合、該アルコキシ基およびアルキルチオ基は、(Nで)環Aに直接結合した少なくとも一つの炭素原子を有しており、該酸素もしくは硫黄原子は、前記窒素原子から少なくとも1原子離れている。
用語「カルボニル」とは、二価のカルボニル基−C(=O)−をいう。用語「カルボニル」が、例えば「ヘテロシクロカルボニル」のように、別の化学基と共に用いられる場合、この結合によって、置換カルボニルが含む少なくとも一つの置換基がより明確に定義される。例えば、「ヘテロシクロカルボニル」とは、少なくとも一つの置換基がヘテロシクロ(これらに制限されないが、モルホリニルまたはピロリジニルを含む)である、上記で定義されるカルボニル基をいう。
用語「アシル」とは、有機基に結合したカルボニル基、特にC(=O)R基をいう。R基は、本明細書で定義したアルキル、アルケニル、アルキニル、アミノアルキル、置換アルキル(すなわち置換アルキレン)、置換アルケニル、置換アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロ、アリール、またはヘテロアリールから選択されうる。Rが、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクロである場合、これらの環は、同様に、これらの用語についての定義において下記で定義される1〜3個の化学基で適宜置換される。
用語「アルコキシカルボニル」とは、カルボキシ基
Figure 2011525537
が有機基に結合したもの(CO)、並びに式Iの化合物において有機基と結合する二価の化学基−CO−、−CO−をいい、その中で、Rはアシルとして上記で定義される。カルボキシ基が結合する有機基は、一価(例えば、−CO−アルキルまたは−OC(=O)アルキル)、あるいは二価(例えば、−CO−アルキレン、−OC(=O)アルキレンなど)でありうる。したがって、式Iの化合物において、Gが「アルコキシカルボニル」であってもよいことが記載される場合、Gとして−CO−を選択することが含まれ、−CO−もしくは−RCO−基を選択することもまた含まれると意図され、その中で、この例において、R基は二価の化学基、例えば、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、二価のアミノアルキル、置換アルキレン、置換アルケニレン、または置換アルキニレンから選択される。
用語「スルホニル」とは、式Iの化合物において有機基と結合したスルホキシド基(−S(=O)−)、特に一価基の−S(=O)−Rをいう。同様に、用語「スルフィニル」とは、式Iの化合物において有機基と結合した基(−S(=O)−)、特に一価基の−S(=O)−Rをいう。また、スルホニルまたはスルフィニル基は二価であってもよくて、その場合にRは結合である。Rが水素でないことを除いては、R基は、アシルおよびアルコキシカルボニル基について上記で列挙したものから選択される。
用語「シクロアルキル」とは、3〜9個、好ましくは3〜7個の炭素原子の完全に飽和および一部不飽和の炭化水素環をいう(そのため、「シクロアルケニル環」としても知られる炭化水素環が含まれる)。用語「シクロアルキル」には、置換基を有さないか、またはハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、ニトロ、シアノ、オキソ(=O)、OR、SR、(=S)、−NR、−N(アルキル) 、−NRSO、−NRSO、−SO、−SONR、−SONRC(=O)R、SOH、−PO(OH)、−C(=O)R、−CO、−C(=O)NR、−C(=O)(C1〜4アルキレン)NR、−C(=O)NR(SO)R、−CO(C1〜4アルキレン)NR、−NRC(=O)R、−NRCO、−NR(C1〜4アルキレン)CO、=N−OH、=N−O−アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロ、および/またはヘテロアリールからなる群より選択される1個、2個、または3個の置換基を有するような環が含まれ、その中で、R、R、およびRは置換アルキル基として上記で定義されるものであり、これらはまた同様に置換アルキル基の定義において上記のように適宜置換される。また用語「シクロアルキル」には、それに縮合した第二の環(例えば、ベンゾ、ヘテロシクロ、またはヘテロアリール環を含む)を有し、あるいは3から4個の炭素原子の炭素−炭素架橋を有するような環も含まれる。シクロアルキルがさらなる環で置換される場合(またはそれに縮合する第二の環を有する場合)、前記環は同様に、(C1〜4)アルキル、(C2〜4)アルケニル、(C2〜4)アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、CF、O(C1〜4アルキル)、OCF、C(=O)H、C(=O)(C1〜4アルキル)、COH、CO(C1〜4アルキル)、NHCO(C1〜4アルキル)、−S(C1〜4アルキル)、−NH、NH(C1〜4アルキル)、N(C1〜4アルキル)、N(C1〜4アルキル) 、SO(C1〜4アルキル)、C(=O)(C1〜4アルキレン)NH、C(=O)(C1〜4アルキレン)NH(アルキル)、C(=O)(C1〜4アルキレン)N(C1〜4アルキル)および/または先の化学基のいずれかで適宜置換されたフェニルの1個から2個で適宜置換される。原子価が許容されるなら、前記のさらなる環がシクロアルキルまたはヘテロシクロであれば、それは=O(オキソ)でさらに適宜置換される。
したがって、式Iの化合物において、用語「シクロアルキル」には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ビシクロオクチルなど、並びに以下の環構造:
Figure 2011525537
などが含まれ、これらは環のいずれの可能な原子で適宜置換されてもよい。好ましいシクロアルキル基には、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、および
Figure 2011525537
が含まれる。
用語「ハロ」または「ハロゲン」とは、クロロ、ブロモ、フルオロ、およびヨードをいう。
用語「ハロアルキル」は、1個以上のハロ置換基を有する置換アルキルを意味する。例えば、「ハロアルキル」には、モノ、ビ、およびトリフルオロメチルが含まれる。
用語「ハロアルコキシ」は、1個以上のハロ置換基を有するアルコキシ基を意味する。例えば、「ハロアルコキシ」には、OCFが含まれる。
用語「アリール」とは、フェニル、ビフェニル、フルオレニル、1−ナフチル、および2−ナフチルをいう。用語「アリール」には、置換基を有さない環、またはハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、ニトロ、シアノ、OR、SR、(=S)、SOH、−NR、−N(アルキル) 、−NRSO、−NRSO、−SO、−SONR、−SONRC(=O)R、SOH、−PO(OH)、−C(=O)R、−CO、−C(=O)NR、−C(=O)(C1〜4アルキレン)NR、−C(=O)NR(SO)R、−CO(C1〜4アルキレン)NR、−NRC(=O)R、−NRCO、−NR(C1〜4アルキレン)CO、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロ、および/またはヘテロアリールからなる群より選択される1個、2個、または3個の置換基を有する環が含まれ、その中で、R、R、およびRは、置換アルキル基についての上記と同義であり、これらもまた同様に、上記のように適宜置換される。また、アリール、特にフェニル基に結合した二つの置換基は、結合して、縮合またはスピロ環、例えばシクロペンチルまたはシクロヘキシル、あるいは縮合ヘテロシクロまたはヘテロアリールのようなさらなる環を形成しうる。アリールがさらなる環で置換される場合(またはそれに縮合した第二の環を有する場合)、前記環は同様に、(C1〜4)アルキル、(C2〜4)アルケニル、(C2〜4)アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、CF、O(C1〜4アルキル)、OCF、C(=O)H、C(=O)(C1〜4アルキル)、COH、CO(C1〜4アルキル)、NHCO(C1〜4アルキル)、−S(C1〜4アルキル)、−NH、NH(C1〜4アルキル)、N(C1〜4アルキル)、N(C1〜4アルキル) 、SO(C1〜4アルキル)、C(=O)(C1〜4アルキレン)NH、C(=O)(C1〜4アルキレン)NH(アルキル)、C(=O)(C1〜4アルキレン)N(C1〜4アルキル)および/または先の化学基のいずれかで適宜置換されたフェニルの1個から2個で適宜置換される。原子価が許容されるなら、前記のさらなる環がシクロアルキルまたはヘテロシクロであれば、それは=O(オキソ)でさらに適宜置換される。
したがって、アリール基の例には:
Figure 2011525537
などが含まれ、それは適宜、いずれの可能な炭素原子または窒素原子で置換されうる。好ましいアリール基は適宜置換されたフェニルである。
用語「ヘテロシクロアルキル」、「ヘテロシクロ」または「ヘテロ環状」は、互換的に用いられてもよく、置換および無置換の、非芳香族性の3〜7員単環式基、7〜11員二環式基、並びに10〜15員三環式基を示し、その中で、少なくとも一つの環は、少なくとも一つのヘテロ原子(O、SまたはN)を有しており、前記ヘテロ原子含有環は、好ましくは、O、SおよびNから選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を有している。ヘテロ原子を含むこのような化学基の各環には、一つまたは二つの酸素原子または硫黄原子、および/または、1から4個の窒素原子が含まれうるが、但し、各環におけるヘテロ原子の総数は4個以下であり、さらに該環は少なくとも一つの炭素原子を含む。窒素原子および硫黄原子は適宜酸化され、窒素原子は適宜四級化されうる。該二環式基および三環式基を完成させる縮合環は、炭素原子のみを含みうるが、飽和、一部飽和、または不飽和であってもよい。ヘテロシクロ基は、いずれの可能な窒素原子または炭素原子に結合していてもよい。ヘテロシクロ環には、置換基が含まれないか、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、ニトロ、シアノ、オキソ(=O)、OR、SR、(=S)、−NR、−N(アルキル) 、−NRSO、−NRSO、−SO、−SONR、−SONRC(=O)R、SOH、−PO(OH)、−C(=O)R、−CO、−C(=O)NR、−C(=O)(C1〜4アルキレン)NR、−C(=O)NR(SO)R、−CO(C1〜4アルキレン)NR、−NRC(=O)R、−NRCO、−NR(C1〜4アルキレン)CO、=N−OH、=N−O−アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロ、および/またはヘテロアリールからなる群より選択される一つ、二つまたは三つの置換基が含まれうるが、その中でR、RおよびRは、置換アルキル基について上記で定義されるものであり、これらはまた同様に、上記のように適宜置換される。ヘテロシクロがさらなる環で置換される場合、前記環は同様に、(C1〜4)アルキル、(C2〜4)アルケニル、(C2〜4)アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、CF、O(C1〜4アルキル)、OCF、C(=O)H、C(=O)(C1〜4アルキル)、COH、CO(C1〜4アルキル)、−NHCO(C1〜4アルキル)、−S(C1〜4アルキル)、−NH、NH(C1〜4アルキル)、N(C1〜4アルキル)、N(C1〜4アルキル) 、SO(C1〜4アルキル)、C(=O)(C1〜4アルキレン)NH、C(=O)(C1〜4アルキレン)NH(アルキル)、C(=O)(C1〜4アルキレン)N(C1〜4アルキル)および/または先の化学基のいずれかで適宜置換されたフェニルの1個から2個で適宜置換される。原子価が許容されるなら、前記のさらなる環がシクロアルキルまたはヘテロシクロであれば、それは=O(オキソ)でさらに適宜置換される。
単環式基には、アゼチジニル、ピロリジニル、オキセタニル、イミダゾリニル、オキサゾリジニル、イソキサゾリニル(isoxazolinyl)、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジル、ピペラジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジル、2−オキソピロリジニル(2-oxopyrrolodinyl)、2−オキソアゼピニル(2-oxoazepinyl)、アゼピニル(azepinyl)、4−ピペリドニル(4-piperidonyl)、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、1,3−ジオキソラン、およびテトラヒドロ−1,1−ジオキソチエニルなどが含まれる。二環式ヘテロシクロ基の例には、キヌクリジニルが含まれる。
式Iの化合物におけるヘテロシクロ基には、
Figure 2011525537
が含まれ、それは適宜置換されうる。
用語「ヘテロアリール」とは、置換および無置換芳香族5または6員単環式基、9または10員二環式基、並びに11〜14員三環式基をいい、それは少なくとも一つの環において少なくとも一つのヘテロ原子(O、S、またはN)を有しており、前記ヘテロ原子含有環は、好ましくは、O、SおよびNから選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を有している。ヘテロ原子を含むヘテロアリール基の各環には、一つまたは二つの酸素原子または硫黄原子および/または1から4個の窒素原子が含まれうるが、但し各環におけるヘテロ原子の総数は4個またはそれ以下であり、各環は少なくとも一つの炭素原子を有する。二環式基および三環式基を完成させる縮合環は、炭素原子のみを含みうるが、飽和、一部飽和、または不飽和であってもよい。窒素原子および硫黄原子は適宜酸化され、窒素原子は適宜四級化されうる。二環式または三環式ヘテロアリール基には、少なくとも一つの完全な芳香環が含まれていなければならないが、他の縮合環は芳香族または非芳香族でありうる。ヘテロアリール基は、いずれの環のいずれの可能な窒素原子または炭素原子に結合しうる。ヘテロアリール環系には、置換基が含まれないか、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、ニトロ、シアノ、OR、SR、(=S)、−NR、−N(アルキル) 、−NRSO、−NRSO、−SO、−SONR、−SONRC(=O)R、SOH、−PO(OH)、−C(=O)R、−CO、−C(=O)NR、−C(=O)(C1〜4アルキレン)NR、−C(=O)NR(SO)R、−CO(C1〜4アルキレン)NR、−NRC(=O)R、−NRCO、−NR(C1〜4アルキレン)CO、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロ、および/またはヘテロアリールからなる群より選択される一つ、二つまたは三つの置換基が含まれうるが、その中でR、RおよびRは、置換アルキル基について上記で定義されるものであり、これらはまた同様に、上記のように適宜置換される。ヘテロアリールがさらなる環で置換される場合、前記環は同様に、(C1〜4)アルキル、(C2〜4)アルケニル、(C2〜4)アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、CF、O(C1〜4アルキル)、OCF、C(=O)H、C(=O)(C1〜4アルキル)、COH、CO(C1〜4アルキル)、NHCO(C1〜4アルキル)、−S(C1〜4アルキル)、−NH、NH(C1〜4アルキル)、N(C1〜4アルキル)2、N(C1〜4アルキル) 、SO(C1〜4アルキル)、C(=O)(C1〜4アルキレン)NH、C(=O)(C1〜4アルキレン)NH(アルキル)、C(=O)(C1〜4アルキレン)N(C1〜4アルキル)2および/または先の化学基のいずれかで適宜置換されたフェニルの1個から2個で適宜置換される。原子価が許容されるなら、前記のさらなる環がシクロアルキルまたはヘテロシクロであれば、それは=O(オキソ)でさらに適宜置換される。
単環式ヘテロアリール基には、ピロリル、ピラゾリル、ピラゾリニル(pyrazolinyl)、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、フラニル、チエニル、オキサジアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニルなどが含まれる。
二環式ヘテロアリール基には、インドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾジオキソリル(benzodioxolyl)、ベンゾキサゾリル(benzoxazolyl)、ベンゾチエニル、キノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル(benzimidazolyl)、ベンゾピラニル、インドリジニル、ベンゾフラニル、クロモニル(chromonyl)、クマリニル、ベンゾピラニル、シンノリニル、キノキサリニル、インダゾリル、ピロロピリジル、フロピリジル、ジヒドロイソインドリル、テトラヒドロキノリニルなどが含まれる。
三環式ヘテロアリール基の例には、カルバゾリル、ベンゾイドリル(benzidolyl)、フェナントロリニル、アクリジニル、フェナントリジニル、キサンテニルなどが含まれる。
式Iの化合物において、好ましいヘテロシクロ基には、
Figure 2011525537
などが含まれ、それはいずれの可能な炭素原子または窒素原子で適宜置換されうる。芳香環はまた、環内の切れ目のない円で示されてもよい。
特に断りがなければ、特定の名前が付けられたアリール(例えば、フェニル)、シクロアルキル(例えば、シクロヘキシル)、ヘテロシクロ(例えば、ピロリジニル、ピペリジニルおよびモルホリニル)またはヘテロアリール(例えば、テトラゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、チアゾリルおよびフリル)について引用される場合、必要に応じて、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロ、および/またはヘテロアリール基について上記で列挙されたものから選択される0〜3個、好ましくは0〜2個の置換基を有する環がその引用に含まれることを意図している。
用語「ヘテロ原子」には、酸素、硫黄、および窒素が含まれる。
用語「炭素環」は、全環の全原子が炭素である飽和または不飽和単環または二環を意味する。したがって、その用語には、シクロアルキルおよびアリール環が含まれる。炭素環は置換されうるが、その場合、その置換基はシクロアルキル基およびアリール基について上記で列挙したものから選択される。
用語「不飽和」が本明細書中で環または化学基を示すのに用いられる場合、その環または化学基は完全に不飽和または一部不飽和でありうる。
環または化学基をいうために用語「適宜置換された」が本明細書で用いられる場合、該環または化学基は、置換または無置換でありうる。
本明細書を通して、その化学基および置換基は、当業者によって選択され、医薬的に許容される化合物として有益な化合物並びにその安定な部分および化合物を提供し、および/または医薬的に許容される化合物の製造に有益な中間体化合物を提供しうる。
本発明は、本化合物における原子のあらゆる同位体が含まれることを意図する。同位体には、原子番号が同じであるものの、質量数が異なる原子が含まれる。以下に限定されないが、一般的な例示として、水素の同位体には重水素およびトリチウムが含まれる。炭素の同位体には、13Cおよび14Cが含まれる。同位体標識された本化合物は一般的に、標識されていない試薬の代わりに適当な同位体標識された試薬を用いて、当業者に知られている通常の技術によってか、または本明細書で記載する工程と類似する工程によって製造できる。そのような化合物には有望な使い方が多くあり、例えば、有望な医薬的化合物の、標的タンパク質または受容体に結合する能力を決定するための標準物質および試薬としてか、または、インビボまたはインビトロで、本化合物が生物学的受容体と結合したのを画像化するために使用する。
式Iの化合物は、これもまた本発明の範囲内である塩を形成しうる。特に断りがなければ、本化合物の引用には、その塩の引用が含まれるものと理解される。用語「塩」とは、無機および/または有機酸および塩基で形成される酸性塩および/または塩基性塩をいう。また、用語「塩」には双性イオン分子(内塩)が含まれうるが、それは例えば、式Iの化合物がアミンまたはピリジンまたはイミダゾール環のような塩基性部分と、カルボン酸のような酸性部分の両方を含む場合である。医薬的に許容される(すなわち、無毒性、生理的に許容される)塩が好まれ、それは例えば、そのカチオンが塩の毒性または生物活性に対して有意に寄与しないような、許容される金属およびアミン塩である。しかしながら、他の塩も、例えば単離段階または精製段階において有用でありうるし、製造の間用いられてもよく、したがって本発明の範囲内であると意図される。式Iの化合物の塩は、例えば、塩が沈殿するような溶媒中、または後に凍結乾燥する水性溶媒中で、式Iの化合物にある量の酸または塩基、例えば当量を反応させることによって形成されうる。
酸付加塩の例には、酢酸塩(酢酸またはトリハロ酢酸、例えばトリフルオロ酢酸で形成されるもの)、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩(camphorsulfonates)、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコへプタン酸塩(glucoheptanoates)、グリセロリン酸塩、ヘミスルファート(hemisulfates)、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩(塩酸で形成)、臭化水素酸塩(臭化水素で形成)、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩(マレイン酸で形成)、メタンスルホン酸塩(メタンスルホン酸で形成)、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、ペクチン酸塩(pectinates)、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩(例えば硫酸で形成されるもの)、スルホン酸塩(例えば本明細書中で言及されるもの)、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩のようなトルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩などが含まれる。
塩基性塩の例には、アンモニウム塩;ナトリウム、リチウム、およびカリウム塩のようなアルカリ金属塩;カルシウムおよびマグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩;バリウム、亜鉛、およびアルミニウム塩;トリアルキルアミン、例えばトリエチルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N−ベンジル−β−フェネチルアミン、1−エフェンアミン(1-ephenamine)、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、デヒドロアビエチルアミン(dehydroabietylamine)、N−エチルピペリジン、ベンジルアミン、ジシクロヘキシルアミン、または類似する医薬的に許容されるアミンのような有機塩基(例えば、有機アミン)との塩;並びにアルギニン、リシンのようなアミノ酸の塩などが含まれる。塩基性窒素含有基は、低級アルキルハライド(例えば、塩化、臭化、およびヨウ化物のメチル、エチル、プロピル、およびブチル)、硫酸ジアルキル(例えば、硫酸化物のジメチル、ジエチル、ジブチル、およびアミル)、長鎖ハライド(例えば、塩化、臭化、およびヨウ化物のデシル、ラウリル、ミリスチル、およびステアリル)、アラルキルハライド(例えば、臭化物のベンジルおよびフェネチル)などのような試薬で四級化されうる。好ましい塩には、一塩酸、硫酸水素、メタンスルホン酸、リン酸、または硝酸の塩が含まれる。
本化合物のプロドラッグおよび溶媒和物(例えば水和物)もまた意図される。用語「プロドラッグ」とは、患者への投与において、代謝過程または化学過程によって化学的変換を受けて式Iの化合物、および/またはその塩および/または溶媒和物を生ずる化合物をいう。インビボで変換されて生物活性剤(すなわち、式Iの化合物)を与えるいずれの化合物も、本発明の範囲および精神の中にあるプロドラッグである。例えば、カルボキシ基を含む化合物は、プロドラッグとして役立つ生理的に加水分解可能なエステルを形成し、体内で加水分解されることによって、自ら式Iの化合物を生じうる。このようなプロドラッグは、好ましくは経口的に投与されるが、それは多くの場合、加水分解は消化酵素の影響の下で主に起こるからである。非経口投与は、エステル自身が活性である場合、または血液中で加水分解が起こるような場合に用いられうる。式Iの化合物の、生理的に加水分解可能なエステルの例には、C1〜6アルキルベンジル、4−メトキシベンジル、インダニル、フタリル、メトキシメチル、C1〜6アルカノイルオキシ−C1〜6アルキル(例えばアセトキシメチル、ピバロイルオキシメチル、またはプロピオニルオキシメチル)、C1〜6アルコキシカルボニルオキシ−C1〜6アルキル(例えばメトキシカルボニル−オキシメチルまたはエトキシカルボニルオキシメチル)、グルシルオキシメチル、フェニルグルシルオキシメチル、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)−メチル、並びに、例えばペニシリンおよびセファロスポリンの技術分野において用いられる他の周知な生理的に加水分解可能なエステルが含まれる。このようなエステルは、当該技術分野で公知の通常の技術によって製造されうる。
プロドラッグの様々な形態は、当該技術分野でよく知られている。このようなプロドラッグ誘導体の例については、
a)「Design of Prodrugs」H. Bundgaard編(Elsevier, 1985)およびMethods in Enzymology, Vol. 112, pp. 309-396, K. Widderら編(Academic Press, 1985);
b)「A Textbook of Drug Design and Development」Krosgaard-LarsenおよびH. Bundgaard編, 第5章「Design and Application of Prodrugs」H. Bundgaard著, pp.113-191 (1991);並びに
c)H. Bundgaard, Advanced Drug Delivery Reviews, Vol. 8, pp. 1-38 (1992)
を参照されたい(その各々は、本明細書に引用される)。
式Iの化合物およびその塩は、その互変異性型で存在してもよく、互変異性型では、水素原子はその分子の他の部分に転位し、その結果、その分子の原子間の化学結合が再編成される。全ての互変異性型は、それらが存在しうる限り、本発明に包含されると理解すべきである。また、本発明の化合物は、トランスおよびシス異性体を有していてもよく、1個以上のキラル中心を含んでいてもよく、それゆえ、エナンチオマーおよびジアステレオマーの形態で存在する。本発明には、すべてのこのような異性体、並びにシスおよびトランス異性体の混合物、ジアステレオマーの混合物、およびエナンチオマーのラセミ混合物(光学異性体)が含まれる。化合物の(または不斉炭素の)立体配置(シス、トランスまたはRもしくはS)が特に言及されない場合、異性体のいずれか1個、または2個以上の異性体の混合物が意図される。製造工程に、出発物質としてラセミ体、エナンチオマーまたはジアステレオマーが使用されてもよい。エナンチオマーまたはジアステレオマー生成物が製造される場合、これらは通常の方法、例えば、クロマトグラフィまたは分別結晶によって分離されうる。
利用および組み合わせ
所望であれば、式Iの化合物を、1以上の他のタイプの治療剤、例えば免疫抑制薬、抗癌剤、抗ウイルス剤、抗炎症剤、抗真菌剤、抗生物質、抗血管過剰増殖剤(anti-vascular hyperproliferation agent)、抗うつ薬、血中脂質降下剤または高脂血症治療薬または脂質調節剤(lipid modulating agent)、抗糖尿病薬、抗肥満薬、降圧薬、血小板凝集阻害剤、および/または抗骨粗鬆症薬などと、組み合わせて使用することができ、それら他のタイプの治療剤は、同じ製剤で経口投与するか、別個の経口製剤で投与するか、または注射によって投与することができる。
適宜、本発明の式Iの化合物と組み合わせて使用することができる免疫抑制薬には、シクロスポリン類、例えばシクロスポリンA、ミコフェノレート、インターフェロン-β、デオキシスペルゴリン(deoxyspergolin)、FK−506または抗IL−2などがある。
適宜、本発明の式Iの化合物と組み合わせて使用することができる抗癌剤には、アザチプリン(azathiprine)、5-フルオロウラシル(5-fluorouracel)、シクロホスファミド、シスプラチン、メトトレキサート、チオテパ、カルボプラチンなどがある。
適宜、本発明の式Iの化合物と組み合わせて使用することができる抗ウイルス剤には、アバカビル、アシクロビル、ガンシクロビル、ジダノシン(zidanocin)、ビダラビンなどがある。
適宜、本発明の式Iの化合物と組み合わせて使用することができる抗炎症剤には、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)類、例えばイブプロフェン、cox−2阻害剤、例えばセレコキシブ、ロフェコキシブ、アスピリン、ナプロキセン、ケトプロフェン、ジクロフェナクナトリウム、インドメタシン、ピロキシカム、ステロイド類、例えばプレドニゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、二酢酸トリアムシノロン、金化合物、例えば金チオリンゴ酸ナトリウム、TNF−α阻害剤、例えばテニダップ、抗TNF抗体または可溶性TNF受容体、およびラパマイシン[シロリムスまたはラパミューン(Rapamune)]またはその誘導体、インフリキシマブ[レミケード(登録商標)、セントコア社]、CTLA−4Ig、LEA29Y、抗体、例えば抗ICAM−3、抗IL−2受容体(抗Tac)、抗CD45RB、抗CD2、抗CD3(OKT−3)、抗CD4、抗CD80、抗CD86、モノクローナル抗体OKT3、CD40とCD154(別名「gp39」)の間の相互作用を遮断する薬剤、例えばCD40および/またはCD154に特異的な抗体、融合タンパク質、例えばエタネルセプト、CD40および/またはCD154gp39から構築される融合タンパク質(例:CD40IgおよびCD8gp39)、NF−κB機能の阻害剤、例えば核内移行阻害剤、例えばデオキシスペルグアリン(DSG)などがある。
適宜、本発明の式Iの化合物と組み合わせて使用することができる抗真菌剤には、フルコナゾール、ミコナゾール、アンホテリシンBなどがある。
適宜、本発明の式Iの化合物と組み合わせて使用することができる抗生物質には、ペニシリン、テトラサイクリン、アモキシシリン、アンピシリン、エリスロマイシン、ドキシサイクリン、バンコマイシン、ミノサイクリン、クリンダマイシンまたはセファレキシンなどがある。
適宜、本発明の式Iの化合物と共に使用することができる抗血管過剰増殖剤には、メトトレキサート、レフルノミド、FK506(タクロリムス、プログラフ(Prograf))などがある。
適宜、本発明の式Iの化合物と組み合わせて使用することができる血中脂質降下剤または高脂血症治療薬または脂質調節剤としては、1、2、3またはそれ以上のMTP阻害剤、HMG CoAレダクターゼ阻害剤、スクアレンシンテターゼ阻害剤、フィブリン酸誘導体、ACAT阻害剤、リポキシゲナーゼ阻害剤、コレステロール吸収阻害剤、回腸Na/胆汁酸共輸送体阻害剤、LDL受容体活性の上方調節剤、胆汁酸吸着剤、並びに/またはニコチン酸およびその誘導体を挙げることができる。
ここで使用されるMTP阻害剤として、米国特許第5,595,872号、第5,739,135号、第5,712,279号、第5,760,246号、第5,827,875号、および第5,885,983号、並びに米国特許出願第09/175,180号(1998年10月20日出願;現在は米国特許第5,962,440号)に開示されているMTP阻害剤が挙げられる。上記の特許および特許出願のそれぞれに開示されている好ましいMTP阻害剤はそれぞれ好ましい。
上記の特許および特許出願は全て参照により本明細書に組み入れられる。
本発明に従って使用される最も好ましいMTP阻害剤として、米国特許第5,739,135号、第5,712,279号、および第5,760,246号に記載されている好ましいMTP阻害剤が挙げられる。
最も好ましいMTP阻害剤は、9−[4−[4−[[2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ベンゾイル]アミノ]−1−ピペリジニル]ブチル]−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)−9H−フルオレン−9−カルボキサミド
Figure 2011525537
である。
血中脂質降下剤はHMG CoAレダクターゼ阻害剤であることができ、これには、米国特許第3,983,140号に開示されているメバスタチンおよび関連化合物、米国特許第4,231,938号に開示されているロバスタチン(メビノリン)および関連化合物、プラバスタチンおよび関連化合物、例えば米国特許第4,346,227号に開示されているもの、米国特許第4,448,784号および同第4,450,171号に開示されているシンバスタチンおよび関連化合物などがあるが、これらに限定されるわけではない。ここで使用することができる他のHMG CoAレダクターゼ阻害剤には、米国特許第5,354,772号に開示されているフルバスタチン、米国特許第5,006,530号および同第5,177,080号に開示されているセリバスタチン、米国特許第4,681,893号、同第5,273,995号、同第5,385,929号および同第5,686,104号に開示されているアトルバスタチン、米国特許第5,011,930号に開示されているイタバスタチン(itavastatin)(日産/三共のニスバスタチン(NK−104))、米国特許第5,260,440号に開示されている塩野義−Astra/Zenecaのビサスタチン(visastatin)(ZD−4522)、および米国特許第5,753,675号に開示されている関連スタチン化合物、米国特許第4,613,610号に開示されているメバロノラクトン誘導体のピラゾール類似体、PCT出願WO 86/03488に開示されているメバロノラクトン誘導体のインデン類似体、米国特許第4,647,576号に開示されている6−[2−(置換−ピロール−1−イル)−アルキル)ピラン−2−オン類およびその誘導体、SearleのSC−45355(3−置換ペンタン二酸誘導体)ジクロロ酢酸塩、PCT出願WO 86/07054に開示されているメバロノラクトンのイミダゾール類似体、フランス特許第2,596,393号に開示されている3−カルボキシ−2−ヒドロキシ−プロパン−ホスホン酸誘導体、欧州特許出願第0221025号に開示されている2,3−二置換ピロール、フランおよびチオフェン誘導体、米国特許第4,686,237号に開示されているメバロノラクトンのナフチル類似体、オクタヒドロナフタレン類、例えば米国特許第4,499,289号に開示されているもの、欧州特許出願第0142146号A2に開示されているメビノリン(ロバスタチン)のケト類似体、並びに米国特許第5,506,219号および同第5,691,322号に開示されているキノリンおよびピリジン誘導体などがあるが、これらに限定されるわけではない。
さらにまた、ここでの使用に適した、HMG CoAレダクターゼの阻害に役立つホスフィン酸化合物が、GB 2205837に開示されている。
ここでの使用に適したスクアレンシンテターゼ阻害剤には、米国特許第5,712,396号に開示されているα-ホスホノ-スルホン酸類、Billerら, J. Med. Chem., 31(10): 1869-1871 (1988)に開示されているもの、例えばイソプレノイド(ホスフィニル-メチル)ホスホン酸類、並びに例えば米国特許第4,871,721号および同第4,924,024号並びにBiller, S.A. et al, Current Pharmaceutical Design, 2:1-40 (1996)などに開示されている他の既知のスクアレンシンテターゼ阻害剤があるが、これらに限定されるわけではない。
さらにまた、ここでの使用に適した他のスクアレンシンテターゼ阻害剤として、Ortiz de Montellano P. ら, J. Med. Chem., 20: 243-249 (1977) に開示されているテルペノイドピロリン酸類、Corey et al., J. Am. Chem. Soc., 98: 1291-1293 (1976)に開示されているファルネシル二リン酸類似体Aおよびプレスクアレンピロリン酸(PSQ-PP)類似体、McClard, R.W.ら, J. Am. Chem. Soc., 109: 5544 (1987)に報告されているホスフィニルホスホン酸類、並びにCapson, T.L., 博士論文(ユタ大学医化学部)のアブストラクト、目次、16頁、17頁、40〜43頁、48〜51頁、要約(1987年6月)に報告されているシクロプロパン類も挙げられる。
ここでの使用に適した他の血中脂質降下剤には、フィブリン酸誘導体、例えばフェノフィブラート、ゲムフィブロジル、クロフィブラート、ベザフィブラート、シプロフィブラート、クリノフィブラートなど、プロブコール、および米国特許第3,674,836号に開示されている関連化合物(プロブコールおよびゲムフィブロジルは好ましい)、胆汁酸吸着剤、例えばコレスチラミン、コレスチポールおよびDEAE−セファデックス(セコレックス[Secholex(登録商標)]、ポリセキシド[Policexide(登録商標)]およびコレスタゲル(cholestagel)(三共/Geltex)、並びにリポスタビル(Rhone−Poulenc)、エーザイE−5050(N−置換エタノールアミン誘導体)、イマニキシル(HOE−402)、テトラヒドロリプスタチン(THL)、イスチグマスタニルホスホリルコリン(istigmastanylphosphorylcholine)(SPC, Roche)、アミノシクロデキストリン(田辺製薬)、味の素AJ−814(アズレン誘導体)、メリナミド(住友)、Sandoz 58−035、American Cyanamid CL−277,082およびCL−283,546(二置換尿素誘導体)、ニコチン酸(ナイアシン)、アシピモックス、アシフラン、ネオマイシン、p-アミノサリチル酸、アスピリン、ポリ(ジアリルメチルアミン)誘導体、例えば米国特許第4,759,923号に開示されているもの、4級アミンポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、およびイオネン類、例えば米国特許第4,027,009号に開示されているもの、並びに他の公知の血清コレステロール降下剤などがあるが、これらに限定されるわけではない。
血中脂質降下剤は、ACAT阻害剤、例えば、Drugs of the Future, 24:9-15 (1999), (Avasimibe); Nicolosi et al., “The ACAT inhibitor, Cl-1011 is effective in the prevention and regression of aortic fatty streak area in hamsters”, Atherosclerosis (Shannon, Irel.), 137(1):77-85 (1998); Ghiselli, G., “The pharmacological profile of FCE 27677: a novel ACAT inhibitor with potent hypolipidemic activity mediated by selective suppression of the hepatic secretion of ApoB100-containing lipoprotein”, Cardiovasc. Drug Rev., 16(1):16-30 (1998); Smith, C. et al., “RP 73163: a bioavailable alkylsulfinyl-diphenylimidazole ACAT inhibitor”, Bioorg. Med. Chem. Lett., 6(1):47-50 (1996); Krause, B.R. et al., Chapter 6: “ACAT Inhibitors: Physiologic Mechanisms for Hypolipidemic and Anti-Atherosclerotic Activities in Experimental Animals”, Inflammation: Mediators and Pathways, CRC Press, Inc., publ., Ruffolo, Jr., R.R. et al., eds., pp. 173-198 (1995); Sliskovic et al, “ACAT inhibitors: potential anti-atherosclerotic agents”, Curr. Med. Chem. 1(3):204-25 (1994); Stout et al., “Inhibitors of acyl-CoA:cholesterol O-acyl transferase (ACAT) as hypocholesterolemic agents. 6. The first water-soluble ACAT inhibitor with lipid-regulating activity. Inhibitors of acyl-CoA:cholesterol acyltransferase (ACAT). 7. Development of a series of substituted N-phenyl-N’-[(1-phenylcyclopentyl)methyl]ureas with enhanced hypocholesterolemic activity”, Chemtracts: Org. Chem., 8(6):359-362 (1995), に開示されているもの、またはTS−962(アセトアミド, N−[2,6−ビス(1−メチルエチル)フェニル]−2−(テトラデシルチオ)−)(大正製薬)であってもよい。
血中脂質降下剤は、LD2受容体活性の上方調節剤、例えばMD−700(1(3H)−イソベンゾフラノン, 3−(13−ヒドロキシ−10−オキソテトラデシル)−5,7−ジメトキシ)(大正製薬)およびLY295427(コレスタン −3−オール,4−(2−プロペニル)−,(3a,4a,5a)−)(Eli Lilly)であってもよい。
血中脂質降下剤はコレステロール吸収阻害剤、好ましくはSchering−Ploughのエゼチミベ(SCH58235)およびSCH48461、並びにAtherosclerosis, 115: 45-63 (1995)およびJ. Med. Chem., 41: 973 (1998) に開示されているものであってもよい。
血中脂質降下剤は、回腸Na/胆汁酸共輸送体阻害剤、例えばDrugs of the Future, 24:425-430 (1999)に開示されているものであってもよい。
脂質調節剤として、コレステリルエステル転送タンパク質(CETP)阻害剤、例えばPfizerのCP529,414(トルセトラピブ)(WO/0038722およびEP818448)並びにPharmaciaのSC−744およびSC−795を挙げることができる。
本発明の組合せに使用することができるATPクエン酸リアーゼ阻害剤としては、例えば米国特許第5,447,954号に開示されているものを挙げることができる。
好ましい血中脂質降下剤は、プラバスタチン、ロバスタチン、シンバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、セリバスタチン、イタバスタチンおよびビサスタチン(visastatin)並びにZD−4522である。
上述の米国特許は参照により本明細書に組み入れられる。使用する量および投薬量は「米医薬品便覧」および/または上述の特許に示されているとおりになるだろう。
本発明の式Iの化合物は、血中脂質降下剤(存在する場合)に対して、約500:1〜約1:500、好ましくは約100:1〜約1:100の範囲の重量比で使用されるだろう。
投与量は、患者の年齢、体重および症状、並びに投与経路、製剤、投薬レジメンおよび所望する結果に応じて、注意深く調節しなければならない。
血中脂質降下剤の投薬量および製剤は、上述したさまざまな特許および特許出願に開示されているとおりになるだろう。
使用される他の血中脂質降下剤の投薬量および製剤は、該当するものがあれば、「米医薬品便覧」の最新版に記載されているとおりになるだろう。
経口投与の場合は、MTP阻害剤を、約0.01mg〜約500mg(好ましくは約0.1mg〜約100mg)の範囲の量で、毎日1〜4回使用することにより、満足できる結果が得られるだろう。
錠剤またはカプセル剤などの好ましい経口製剤は、毎日1〜4回、約1〜約500mg、好ましくは約2〜約400mg、より好ましくは約5〜約250mgの量のMTP阻害剤を含有するだろう。
経口投与の場合、HMG CoAレダクターゼ阻害剤(例えばプラバスタチン、ロバスタチン、シンバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチンまたはセリバスタチンなど)を、「Physician's Desk Reference」に表示されている使用量(例えば約1〜2000mg、好ましくは約4〜約200mgの範囲の量)で使用することにより、満足できる結果が得られるだろう。
スクアレンシンテターゼ阻害剤は約10mg〜約2000mg(好ましくは約25mg〜約200mg)の範囲の量の投薬量で使用することができる。
錠剤またはカプセル剤などの好ましい経口製剤は、HMG CoAレダクターゼ阻害剤を約0.1〜約100mg、好ましくは約0.5〜約80mg、より好ましくは約1〜約40mgの量で含有するだろう。
錠剤またはカプセル剤などの好ましい経口製剤は、スクアレンシンテターゼ阻害剤を約10〜約500mg、好ましくは約25〜約200mgの量で含有するだろう。
血中脂質降下剤は、15−リポキシゲナーゼ(15−LO)阻害剤、例えばWO 97/12615に開示されているベンズイミダゾール誘導体、WO 97/12613に開示されている15−LO阻害剤、WO 96/38144に開示されているイソチアゾロン類、並びにSendobryら,「Attenuation of diet-induced atherosclerosis in rabbits with a highly selective 15-lipoxygenase inhibitor lacking significant antioxidant properties」Brit. J. Pharmacology 120:1199-1206 (1997) および Cornicelliら「15-Lipoxygenase and its Inhibition: A Novel Therapeutic Target for Vascular Disease」Current Pharmaceutical Design, 5:11-20 (1999) に開示されている15−LO阻害剤を含むリポキシゲナーゼ阻害剤であってもよい。
式Iの化合物と血中脂質降下剤は、同じ経口製剤で、または同時に服用される個別の経口製剤で、一緒に使用することができる。
上述の組成物は、上述の製剤で、1回量として、または毎日1〜4回の分割量として、投与することができる。低用量の組み合わせで患者に開始して、徐々に高用量の組み合わせに上げていくことが望ましいだろう。
好ましい血中脂質降下剤はプラバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチンまたはセリバスタチン、並びにナイアシンおよび/またはコレスタゲルである。
適宜、式Iの化合物と組み合わせて使用することができる他の抗糖尿病薬として、1、2、3またはそれ以上の抗糖尿病薬もしくは抗高血糖剤(インスリン分泌促進剤またはインスリン増感剤を含む)、または他の抗糖尿病薬(好ましくは本発明の式Iの化合物とは異なる作用機序を持つもの)を挙げることができ、これには例えば、ビグアニド類、スルホニル尿素類、グルコシダーゼ阻害剤、PPARγアゴニスト、例えばチアゾリジンジオン類、aP2阻害剤、ジペプチジルペプチダーゼIV(DP4)阻害剤、SGLT2阻害剤、および/またはメグリチニド(meglitinide)類、並びにインスリン、および/またはグルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)を含めることができる。
他の抗糖尿病薬は、経口抗高血糖剤、好ましくはメトホルミンもしくはフェンホルミンまたはその塩(好ましくはメトホルミンHCl)などのビグアニドであることができる。
抗糖尿病薬がビグアニドである場合、式Iの化合物は、ビグアニドに対して約0.001:1〜約10:1、好ましくは約0.01:1〜約5:1の範囲の重量比で使用されるだろう。
また、他の抗糖尿病薬は、スルホニル尿素、例えばグリブリド(グリベンクラミドとも呼ばれる)、グリメピリド(米国特許第4,379,785号に開示されている)、グリピジド、グリクラジドまたはクロロプロパミド、他の既知のスルホニル尿素、またはβ細胞のATP依存性チャネルに作用する他の抗高血糖剤であることも好ましく(グリブリドおよびグリピジドは好ましい)、これらは同じ経口製剤または別個の経口製剤に入れて投与することができる。
式Iの化合物は、スルホニル尿素に対して、約0.01:1〜約100:1、好ましくは約0.02:1〜約5:1の範囲の重量比で使用されるだろう。
経口抗糖尿病薬は、例えばアカルボース(米国特許第4,904,769号に開示されている)またはミグリトール(米国特許第4,639,436号に開示されている)などのグルコシダーゼ阻害剤であってもよく、これらは同じまたは別個の経口製剤に入れて投与することができる。
式Iの化合物は、グルコシダーゼ阻害剤に対して、約0.01:1〜約100:1、好ましくは約0.05:1〜約10:1の範囲の重量比で使用されるだろう。
式Iの化合物は、PPARγアゴニスト、例えばチアゾリジンジオン経口抗糖尿病薬、または他のインスリン増感剤(NIDDM患者においてインスリン抵抗性改善効果を有するもの)、例えばトログリタゾン[米国特許第4,572,912号に開示されているWarner−Lambertのレズリン(Rezulin(登録商標))]、ロジグリタゾン(SKB)、ピオグリタゾン(武田)、三菱のMCC−555(米国特許第5,594,016号に開示されている)、Glaxo−WellcomeのGL−262570[ファルグリタザル(farglitazar)]、エングリタゾン(CP−68722,Pfizer)またはダルグリタゾン(CP−86325、Pfizer)、イサグリタゾン(isaglitazone)(MIT/J&J)、JTT−501[レグリタザル(reglitazar)](JPNT/P&U)、L−895645(Merck)、R−119702(リボグリタゾン)(三共/WL)、NN−2344[バラグリタゾン(balaglitazone)](Dr.Reddy/NN)もしくはYM−440((Z)−1,4−ビス−4−[(3,5−ジオキソ−1,2,4−オキサジアゾリジン−2−イル−メチル)]−フェノキシブタ−2−エン)(山之内)など(好ましくはロジグリタゾンおよびピオグリタゾン)と併用することができる。
式Iの化合物は、チアゾリジンジオンに対して、約0.01:1〜約100:1、好ましくは約0.05〜約10:1の範囲の重量比で使用されるだろう。
約150mg未満の量のスルホニル尿素およびチアゾリジンジオンは、式Iの化合物と共に単一の錠剤に組み入れることができる。
式Iの化合物は、抗高血糖剤(例えばインスリン)、またはグルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)、例えばGLP−1(1−36)アミド、GLP−1(7−36)アミド、GLP−1(7−37)(Habenerの米国特許第5,614,492号に開示されているもの、この特許の開示は参照により本明細書に組み入れられる)、並びにAC2993(エクセナチド)(Amylin)およびLY−315902(8−37−グルカゴン様ペプチドI(ヒト),N−[3−(1H−イミダゾール−4−イル)−1−オキソプロピル]−26−L−アルギニン−34−[N6−(1−オキソオクチル)−L−リシン]−)(Lilly)などと併用することもでき、それらは注射によって、鼻腔内に、吸入によって、または経皮もしくはバッカル装置によって、投与することができる。
メトホルミン、スルホニル尿素(例えばグリブリド、グリメピリド、グリピリド(glipyride)、グリピジド、クロロプロパミドおよびグリクラジドなど)、およびグルコシダーゼ阻害剤アカルボースもしくはミグリトール、またはインスリン(注射、肺、バッカルまたは経口用)が存在する場合、それらは、「米医薬品便覧」(PDR)に表示されている量および投与法で、上述のような製剤として使用することができる。
メトホルミンまたはその塩が存在する場合、それらは約500〜約2000mg/日の範囲の量で使用することができ、その量を1回量として、または毎日1〜4回の分割量で投与することができる。
チアゾリジンジオン抗糖尿病薬が存在する場合、それは約0.01〜約2000mg/日の範囲の量で使用することができ、その量を1回量として、または1日あたり1〜4回の分割量で投与することができる。
インスリンが存在する場合、それは「米医薬品便覧」に示されている製剤、量および用法で使用することができる。
GLP−1ペプチドが存在する場合、それは、米国特許第5,346,701号(TheraTech)、同第5,614,492号および同第5,631,224号(これらは参照により本明細書に組み入れられる)に記載されているように、経口バッカル製剤として、または鼻腔投与によって、または非経口的に投与することができる。
また、他の抗糖尿病薬は、PPAR α/γ デュアルアゴニスト(PPAR α/γ dual agonist)、例えばAR−HO39242(テサグリタザル)(Astra/Zeneca)、GW−409544(Glaxo-Wellcome)、KRP297(ベンズアミド, 5−[(2,4−ジオキソ−5−チアゾリジニル)メチル]−2−メトキシ−N−[[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]−(Kyorin Merck)、並びにMurakamiら「A Novel Insulin Sensitizer Acts As a Coligand for Peroxisome Proliferation-Activated Receptor Alpha (PPAR alpha) and PPAR gamma. Effect on PPAR alpha Activation on Abnormal Lipid Metabolism in Liver of Zucker Fatty Rats」Diabetes, 47:1841-1847(1998)に開示されているものであることもできる。
抗糖尿病薬は、2000年10月4日出願の米国特許出願第09/679,027号に開示されているようなSGLT2阻害剤を、そこに記載されている投薬量で使用するものであってもよい。上記の出願において好ましいとされている化合物は好ましい。
抗糖尿病薬は、1999年9月7日出願の米国特許出願第09/391,053号および2000年3月6日出願の米国特許出願第09/519,079号に開示されているようなaP2阻害剤を、そこに記載されている投薬量で使用するものであってもよい。上記の出願において好ましいとされている化合物は好ましい。
抗糖尿病薬は、DP4阻害剤、例えば2001年2月16日出願の米国特許出願第09/788,173号、WO99/38501、WO99/46272、WO99/67279(PROBIODRUG)、WO99/67278(PROBIODRUG)、WO99/61431(PROBIODRUG)、サクサグリプチン(saxagliptin)(好ましい)に開示されているもの、Hughesら,Biochemistry, 38(36), 11597-11603, (1999)に開示されているNVP−DPP728A(1−[[[2−[(5−シアノピリジン−2−イル)アミノ]エチル]アミノ]アセチル]−2−シアノ−(S)−ピロリジン)(Novartis)(好ましい)、TSL−225(トリプトフィル−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−3−カルボン酸(Yamadaら, Bioorg. & Med. Chem. Lett., 8:1537-1540 (1998) に開示されている))、Ashworthら, Bioorg. & Med. Chem. Lett., 6 (22):1163-1166および2745-2748 (1996) に開示されている2−シアノピロリジド類および4−シアノピロリジド類を、上記の文献に記載されている投薬量で使用するものであってもよい。
適宜、本発明の式Iの化合物と組み合わせて使用することができるメグリチニドとして、レパグリニド、ナテグリニド(Novartis)またはKAD1229(ミチグリニド)(PF/キッセイ)を挙げることができ、レパグリニドは好ましい。
式Iの化合物は、メグリチニド、PPARγアゴニスト、PPAR α/γ デュアルアゴニスト、aP2阻害剤、DP4阻害剤またはSGLT2阻害剤に対して、約0.01:1〜約100:1、好ましくは約0.05:1〜約10:1の範囲の重量比で使用されるだろう。
適宜、式Iの化合物と共に使用することができる他のタイプの治療剤は、β3アドレナリンアゴニスト、リパーゼ阻害剤、セロトニン(およびドーパミン)再取り込み阻害剤、aP2阻害剤、甲状腺受容体アゴニストおよび/または食欲抑制剤を含む、1、2、3またはそれ以上の抗肥満薬であってもよい。
適宜、式Iの化合物と組み合わせて使用することができるβ3アドレナリンアゴニストとして、AJ9677(ラファベグロン(rafabegron))(武田/大日本)、L750355(ベンゼンスルホンアミド,N−[4−[2−[[(2S)−3−[(6−アミノ−3−ピリジニル)オキシ]−2−ヒドロキシプロピル]アミノ]エチル]フェニル]−4−(1−メチルエチル)−)(Merck)、もしくはCP331684(4−[2−[[2−(6−アミノピリジン−3−イル)−2(R)−ヒドロキシエチル]−アミノ]エトキシ]フェニル]酢酸)(Pfizer)、または米国特許第5,541,204号、同第5,770,615号、同第5,491,134号、同第5,776,983号および同第5,488,064号に開示されている他の既知のβ3アゴニストを挙げることができ、AJ9677、L750,355(ベンゼンスルホンアミド,N−[4−[2−[[(2S)−3−[(6−アミノ−3−ピリジニル)オキシ]−2−ヒドロキシプロピル]アミノ]エチル]フェニル]−4−(1−メチルエチル)−)およびCP331648は好ましい。
適宜、式Iの化合物と組み合わせて使用することができるリパーゼ阻害剤として、オルリスタットまたはATL−962(Alizyme)を挙げることができ、オルリスタットは好ましい。
適宜、式Iの化合物と組み合わせて使用することができるセロトニン(およびドーパミン)再取り込み阻害剤として、シブトラミン、トピラメート(Johnson & Johnson)またはアキソカイン(axokine)(Regeneron)を挙げることができ、シブトラミンおよびトピラメートは好ましい。
適宜、式Iの化合物と組み合わせて使用することができる甲状腺受容体アゴニストとして、WO97/21993(カリフォルニア大学サンフランシスコ校)、WO99/00353(KaroBio)、WO00/039077(KaroBio)、および米国仮特許出願第60/183,223号(2000年2月17日出願)に開示されている甲状腺受容体リガンドを挙げることができ、KaroBio出願の化合物および上記米国仮特許出願の化合物は好ましい。
適宜、式Iの化合物と組み合わせて使用することができる食欲抑制剤として、デキサンフェタミン(dexamphetamine)、フェンテルミン、フェニルプロパノールアミンまたはマチンドールをあげることができ、デキサンフェタミンは好ましい。
上述したさまざまな抗肥満薬は、式Iの化合物と同じ製剤で、または異なる製剤で、当技術分野またはPDRで広く知られている投薬量およびレジメンで使用することができる。
本発明の式Iの化合物と組み合わせて使用することができる降圧薬には、例えばACE阻害剤、アンギオテンシンII受容体アンタゴニスト、NEP/ACE阻害剤、並びにカルシウムチャネル遮断剤、βアドレナリン遮断剤および他のタイプの降圧薬(利尿剤を含む)がある。
ここで使用することができるアンギオテンシン変換酵素阻害剤には、メルカプト(−S−)部分を含有するもの、例えば置換プロリン誘導体、例えば上記Ondettiらの米国特許第4,046,889号に開示されているもの(カプトプリル、すなわち1−[(2S)−3−メルカプト−2−メチルプロピオニル]−L−プロリンは好ましい)、および置換プロリンのメルカプトアシル誘導体、例えば米国特許第4,316,906号に開示されているもの(ゾフェノプリルは好ましい)などがある。
ここで使用することができるメルカプト含有ACE阻害剤の他の例には、Clin. Exp. Pharmacol. Physiol. 10:131 (1983) に開示されているレンチアプリル[フェンチアプリル(fentiapril)、参天]並びにピボプリルおよびYS980がある。
ここで使用することができるアンギオテンシン変換酵素阻害剤の他の例には、上記米国特許第4,374,829号に開示されているもの(N−(1−エトキシカルボニル−3−フェニルプロピル)−L−アラニル−L−プロリン、すなわちエナラプリルは好ましい)、米国特許第4,452,790号に開示されているホスホン酸置換アミノ酸もしくはイミノ酸または塩((S)−1−[6−アミノ−2−[[ヒドロキシ−(4−フェニルブチル)ホスフィニル]オキシ]−1−オキソヘキシル]−L−プロリンまたは(セロナプリル)は好ましい)、上記米国特許第4,168,267号に開示されているホスフィニルアルカノイルプロリン(フォシノプリルは好ましい)、米国特許第4,337,201号に開示されているホスフィニルアルカノイル置換プロリン、および上述の米国特許第4,432,971号に開示されているホスホンアミデートがある。
ここで使用することができるACE阻害剤の他の例には、欧州特許出願第80822号および同第60668号に開示されている、BeechamのBRL36,378;C.A. 102:72588vおよびJap. J. Pharmacol. 40:373 (1986)に開示されている中外のMC-838;英国特許第2103614号に開示されているCiba-GeigyのCGS14824(3−([1−エトキシカルボニル−3−フェニル−(1S)−プロピル]アミノ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−2−オキソ−1−(3S)−ベンゾアゼピン−1酢酸HCl)および米国特許第4,473,575号に開示されているCGS16,617(3(S)−[[(1S)−5−アミノ−1−カルボキシペンチル]アミノ]−2,3,4,5−テトラヒドロ−2−オキソ−1H−1−ベンゾアゼピン−1−エタン酸);Eur. Therap. Res., 39:671 (1986); 40:543 (1986) に開示されているセタプリル(アラセプリル、大日本);欧州特許第79−022号およびCurr. Ther. Res. 40:74 (1986) に開示されているラミプリル(Hoechsst);Arzneimittelforschung 34:1254 (1985)に開示されているRu44570(Hoechst)、J. Cardiovasc. Pharmacol. 9:39 (1987)に開示されているシラザプリル(Hoffman-LaRoche);FEBS Lett. 165:201 (1984)に開示されているR31-2201(Hoffman-LaRoche);リシノプリル(Merck)、米国特許第4,385,051号に開示されているインダラプリル(indalapril)(デラプリル);J. Cardiovasc. Pharmacol. 5:643, 655 (1983)に開示されているインドラプリル(Schering)、Acta. Pharmacol. Toxicol. 59 (Supp. 5):173 (1986) に開示されているスピラプリル(Schering);Eur. J. Clin. Pharmacol. 31:519 (1987)に開示されているペリンドプリル(Servier);米国特許第4,344,949号に開示されているキナプリル(Warner-Lambert)およびPharmacologist 26:243, 266 (1984)に開示されているCI925(Warner-Lambert)([3S−[2[R()R()]]3R()]−2−[2−[[1−(エトキシ−カルボニル)−3−フェニルプロピル]アミノ]−1−オキソプロピル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−6,7−ジメトキシ−3−イソキノリンカルボン酸HCl)、J. Med. Chem. 26:394 (1983) に開示されているWY-44221(Wyeth)がある。
好ましいACE阻害剤は、カプトプリル、フォシノプリル、エナラプリル、リシノプリル、キナプリル、ベナゼプリル、フェンチアプリル、ラミプリルおよびモエキシプリルである。
NEP/ACE阻害剤は中性エンドペプチダーゼ(NEP)阻害剤活性およびアンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤活性を持つので、ここではこれらも使用することができる。ここでの使用に適したNEP/ACE阻害剤の例には、米国特許第5,362,727号、同第5,366,973号、同第5,225,401号、同第4,722,810号、同第5,223,516号、同第4,749,688号、米国特許第5,552,397号、米国特許第5,504,080号、米国特許第5,612,359号、米国特許第5,525,723号、欧州特許出願第0599444号、同第0481522号、同第0599444号、同第0595610号、欧州特許出願第0534363号A2、同第534396号および同第534492号、並びに欧州特許出願第0629627号A2に開示されているものがある。
上記の特許/特許出願において好ましいとされているNEP/ACE阻害剤およびその投薬量は好ましく、それらの米国特許は参照により本明細書に組み入れられる。オマパトリラート([S−(R,R)]−ヘキサヒドロ−6−[(2−メルカプト−1−オキソ−3−フェニルプロピル)アミノ]−2,2−ジメチル−7−オキソ−1H−アゼピン−1−酢酸(ゲモパトリラート(gemopatrilat)))およびCGS30440は、最も好ましい。
ここでの使用に適したアンギオテンシンII受容体アンタゴニスト(本明細書ではアンギオテンシンIIアンタゴニストまたはAIIアンタゴニストともいう)には、イルベサルタン、ロサルタン、バルサルタン、カンデサルタン、テルミサルタン、タソサルタンまたはエプロサルタンなどがあり、イルベサルタン、ロサルタンまたはバルサルタンは好ましいが、これらに限定されるわけではない。
錠剤またはカプセル剤などの好ましい経口製剤は、ACE阻害剤またはAIIアンタゴニストを、約0.1ないし約500mg、好ましくは約5〜約200mg、より好ましくは約10〜約150mgの範囲の量で含有するだろう。
非経口投与の場合、ACE阻害剤、アンギオテンシンIIアンタゴニストまたはNEP/ACE阻害剤は、約0.005mg/kg〜約10mg/kg、好ましくは約0.01mg/kg〜約1mg/kgの範囲の量で使用されるだろう。
薬物を静脈内投与する場合は、その薬物が、通常のベヒクル、例えば蒸留水、食塩水、リンゲル液または他の通常の担体などに製剤化されるだろう。
本明細書に開示するACE阻害剤およびAIIアンタゴニスト並びに他の降圧薬の好ましい投薬量が「米医薬品便覧」(PDR)の最新版に記載されているとおりになることは、理解されるだろう。
ここでの使用に適した好ましい降圧薬の他の例には、オマパトリラート[バンレブ(Vanlev)(登録商標)]、ベシル酸アムロジピン[ノルバスク(Norvasc(登録商標))]、プラゾシンHCl[ミニプレス(Minipress)(登録商標)]、ベラパミル、ニフェジピン、ナドロール、ジルチアゼム、フェロジピン、ニソルジピン、イスラジピン、ニカルジピン、アテノロール、カルベジロール、ソタロール、テラゾシン、ドキサゾシン、プロプラノロール、およびクロニジンHCl[カタプレス(Catapres)(登録商標)]がある。
式Iの化合物と組み合わせて使用することができる利尿剤には、例えばヒドロクロロチアジド、トラセミド、フロセミド、スピロノラクトン、およびインダパミドがある。
本発明の式Iの化合物と組み合わせて使用することができる抗血小板剤には、例えばアスピリン、クロピドグレル、チクロピジン、ジピリダモール、アブシキシマブ、チロフィバン、エプチフィバチド、アナグレリド、およびイフェトロバンがあり、クロピドグレルおよびアスピリンは好ましい。
抗血小板薬はPDRに示されている量で使用することができる。イフェトロバンは米国特許第5,100,889号に記載の量で使用することができる。
本発明の式Iの化合物と組み合わせて使用するのに適した抗骨粗鬆症薬には、副甲状腺ホルモンまたはビスホスホネート類、例えば、MK−217(アレンドロネート)(フォサマックス[Fosamax(登録商標)]などがある。
上記の薬物については「米医薬品便覧」に記載されているとおりの投薬量が使用されるだろう。
医薬製剤
本発明の医薬組成物は、本発明の化合物と一緒に対象に投与することができ、その薬理活性を破壊しない、医薬的に許容される担体、添加剤またはベヒクルを含む。本発明の医薬組成物に使用することができる医薬的に許容される担体、添加剤およびベヒクルには、例えば以下に挙げるものがある(ただしこれらに限定されるわけではない):イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、自己乳化型薬物送達システム(「SEDDS」)、例えばd(−トコフェロールポリエチレングリコール1000スクシネート)、医薬製剤に使用される界面活性剤、例えばツイーン(Tween)または他の類似するポリマー型送達マトリックス、血清タンパク質、例えばヒト血清アルブミン、緩衝物質、例えばリン酸塩、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩類または電解質、例えば硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイドシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースに基づく物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ロウ類、ポリエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリエチレングリコール、および羊毛脂。シクロデキストリン類、例えばα−、β−およびγ−シクロデキストリン、または化学修飾誘導体、例えばヒドロキシアルキルシクロデキストリン(2−および3−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンを含む)、または他の可溶化誘導体も、本発明の調節剤の送達を増進するために使用することができる。
本発明の組成物は、後述するように、他の治療剤を含有してもよく、また例えば通常の固形または液状のベヒクルまたは希釈剤、並びに所望する投与様式に適したタイプの医薬添加剤(例えば賦形剤、結合剤、保存剤、安定剤、香料など)を使用することなどにより、医薬製剤分野において周知である技法をはじめとする技法に従って製剤化することができる。
本発明の化合物は任意の適当な手段によって、経口的に、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、または散剤などの形態で;舌下に;口腔内に;非経口的に、例えば皮下、静脈内、筋肉内、または胸骨内注射または注入技法などによって(例えば滅菌された注射可能な水性または非水性の溶液または懸濁液として);鼻に、例えば吸入スプレーなどによって;局所外用により、例えばクリーム剤または軟膏などの形態で;または直腸に、例えば坐剤などの形態で;無毒性の医薬的に許容されるベヒクルまたは希釈剤を含有する投薬単位製剤として投与することができる。本発明の化合物は、例えば、即時放出または持続放出に適した形態で投与することができる。即時放出または持続放出は、本発明の化合物を含む適当な医薬組成物を使用するか、または、特に持続放出の場合には、皮下インプラントもしくは浸透圧ポンプなどの装置の使用によって達成することができる。本発明の化合物は、リポソームを使って投与することもできる。
代表的な経口投与用組成物として、例えば増量用の微結晶セルロース、懸濁化剤としてのアルギン酸またはアルギン酸ナトリウム、増粘剤としてのメチルセルロース、および当技術分野で知られているような甘味剤または着香剤などを含有してもよい懸濁液;並びに例えば微結晶セルロース、リン酸二カルシウム、デンプン、ステアリン酸マグネシウムおよび/またはラクトースおよび/または当技術分野で知られているような他の賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、希釈剤および潤滑剤などを含有しうる即時放出錠剤が挙げられる。本発明の化合物は、舌下投与および/または口腔内投与により、口腔を通して送達することもできる。成形錠剤、圧縮錠剤または凍結乾燥錠剤は、使用することのできる代表的な剤形である。代表的な組成物として、速溶性希釈剤(例えばマンニトール、ラクトース、ショ糖および/またはシクロデキストリン類)を使って本発明の化合物を製剤化したものが挙げられる。また、これらの製剤には、セルロース(Avicel(アビセル))またはポリエチレングリコール(PEG)などの高分子量賦形剤を含めることもできる。また、これらの製剤は、粘膜付着を助けるための賦形剤、例えばヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(SCMC)、無水マレイン酸コポリマー(例えばガントレズ(Gantrez))、および放出を制御するための薬剤、例えばポリアクリル系コポリマー(例えばカーボポール(Carbopol)934)も含みうる。また、製造および使用が容易になるように、潤滑剤、流動促進剤、香料、着香剤および安定剤を加えてもよい。
代表的な鼻エアロゾル投与用または吸入投与用の組成物としては、例えばベンジルアルコール、または他の適当な保存剤、生物学的利用能を向上させるための吸収促進剤、および/または他の可溶化もしくは分散剤、例えば当業者に知られているものなどを含有してもよい食塩水中の溶液が挙げられる。
代表的な非経口投与用組成物としては、例えば適当な無毒性かつ非経口的に許容できる希釈剤もしくは溶剤(例えばマンニトール、1,3−ブタンジオール、水、リンゲル液、等張食塩溶液)、または他の適当な分散もしくは湿潤および懸濁化剤(例えば合成モノグリセリドまたはジグリセリド)、および脂肪酸(例えばオレイン酸)などを含有しうる注射可能な溶液または懸濁液が挙げられる。本明細書で使用する「非経口」という用語は、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、関節内、動脈内、滑液包内、胸骨内、髄腔内、病巣内および頭蓋内注射または注入技法を包含する。
代表的な直腸投与用組成物としては、例えば、常温では固体であるが直腸腔内では液化および/または溶解して薬物を放出する適当な非刺激性賦形剤(例えばカカオ脂、合成グリセリドエステルまたはポリエチレングリコール)などを含有しうる坐剤が挙げられる。
局所外用のための代表的な組成物は、プラスチベース(Plastibase)(ポリエチレンでゲル化した鉱油)などの局所外用担体を含む。
本発明の化合物の有効量は、当業者が決定することができ、成人の場合、代表的な投薬量は、1日あたり体重1kgあたり約0.1〜500mgの活性化合物を含むか、または1日あたり0.5〜2000mgの活性性化合物を含み、この量を単回投与によって投与するか、または例えば1日に1〜5回の分割投与の形で投与することができる。個別の対象に対する具体的な用量レベルおよび投薬頻度はさまざまであり、使用する具体的化合物の活性、その化合物の代謝安定性および作用の長さ、対象の種、年齢、体重、全体的健康、性別および食餌、投与様式および投与時間、排出速度、併用薬、およびその症状の重症度を含むさまざまなな因子に依存するであろうことは理解されるだろう。好ましい治療対象としては、動物、最も好ましくは哺乳動物種、例えばヒトおよび家畜、例えばイヌ、ネコなどが挙げられる。
典型的な経口投与用カプセル剤は、構造Iの化合物(250mg)、ラクトース(75mg)およびステアリン酸マグネシウム(15mg)を含有する。この混合物を60メッシュの篩に通し、No.1のゼラチンカプセルに充填する。
典型的な注射用調製物は、構造Iの化合物250mgをバイアルに無菌的に入れ、凍結乾燥し、密封することによって製造される。使用するには、そのバイアルの内容物を2mLの生理食塩水と混合して、注射用調製物を作る。
本発明の式Iの化合物は、GR結合アッセイにおいてグルココルチコイド受容体の結合能によって示され、または細胞転写抑制アッセイで表されるAP−1活性の阻害能によって示されるグルココルチコイド受容体の修飾因子であり、細胞転写アッセイで示される最小転写活性化を引き起こさない。
本発明の化合物(本明細書の実施例に記載された化合物を含む)は、下記のアッセイの少なくとも一つにおいて試験されており、グルココルチコイド受容体(GR)/デキサメタゾン(Dex)阻害活性(10μMで>25%)および/またはAP−1阻害活性(15μM未満のEC50)を有する。
同一および/または類似のアッセイは、その全体が本明細書に引用される2003年7月17日に出願された米国特許出願番号10/621,807に記載されている。
GR結合アッセイ
グルココルチコイド受容体結合アッセイ(I)
ヒトグルココルチコイド受容体についての試験化合物の親和性を評価するために、市販品として入手可能なキットを使用した(グルココルチコイド受容体競合アッセイキット、インビトロジェン パート#2893)。簡単に述べると、精製したヒト組換え完全長グルココルチコイド受容体(2nM)を、試験化合物の存在または不存在下で、蛍光標識グルココルチコイド(1nM Fluormone GS Red)と混合した。暗闇の中、室温で2時間インキュベートした後に、試料の蛍光偏光(FP)を測定した。受容体、蛍光プローブ(すなわちFluormone GS Red)および5μM デキサメタゾンの混合物のFPはバックグラウンド蛍光または100%阻害を表し、一方、デキサメタゾンを含まない(ものの、ベヒクルの存在下で)混合物のFPは100%結合と解釈した。次いで、試験化合物の阻害百分率を、5μM デキサメタゾンを含む試料と比較し、デキサメタゾンを100%、阻害なしを0%とする%相対結合活性として表した。試験化合物は8.5E−05μM〜5μMの濃度範囲で分析した。
グルココルチコイド受容体結合アッセイ(II)
グルココルチコイド受容体上の化合物の結合を測定するために、市販のキットを使用した(グルココルチコイド受容体競合アッセイキット、パンベラ社(Panvera Co.)、ウィスコンシン州マディソン、P2816)。簡単に述べると、組換え発現させたヒト完全長グルココルチコイド受容体を含有する細胞溶解液を、試験化合物の存在または不存在下で、蛍光標識グルココルチコイド(1nM Fluormone GS Red)と混合した。室温で1時間後に、試料の蛍光偏光(FP)を測定した。受容体、蛍光プローブ(すなわちFluormone GS1)および1mM デキサメタゾンの混合物のFPはバックグラウンド蛍光または100%阻害を表し、一方、デキサメタゾンを含まない混合物のFPは100%結合と解釈した。次に、試験分子の阻害百分率を、1mM デキサメタゾンを含む試料と比較し、デキサメタゾンを100%、阻害なしを0%とする%相対結合活性として表した。試験分子は2.4nM〜40μMの濃度範囲で分析した。
いずれのNHR(核内ホルモン受容体)についての部位I結合アッセイ(Site I binding assay)も、上記と同様に行う。適当な細胞溶解物または精製したNHRを、NHR源として用いる。蛍光プローブおよび非標識の競合相手(unlabeled competitor)は特定のNHRに適しており、すなわち、特定のNHRのためのリガンドである。
細胞転写抑制アッセイ
AP−1誘導性転写活性を阻害する試験分子の能力を測定するために、ルシフェラーゼ遺伝子が後続している7×AP−1 DNA結合部位を含有するプラスミド(pAP−1−Lucプラスミド、ストラタジーン社、カリフォルニア州ラホーヤ)で安定にトランスフェクトされたA549細胞を使用した。10ng/mlのミリスチン酸ホルボール(PMA)±試験分子で細胞を7時間活性化した。7時間後に、ルシフェラーゼ試薬を加えて、細胞内のルシフェラーゼ酵素活性を測定した。ルシフェラーゼ試薬を細胞と共に10分間インキュベートした後、TopCount発光カウンターで発光を測定した。AP−1活性の抑制を、PMAのみによって誘導されるシグナルの減少百分率として計算した。試験分子は0.1nM〜40μMの濃度範囲で分析した。エクセルフィット(Excel fit)(マイクロソフト社)などの標準的なカーブフィッティング方法を使って、EC50を決定した。EC50は、転写の最大阻害の50%抑制、すなわちAP−1活性の50%低下が起こるような、試験分子濃度である。
細胞転写抑制アッセイには、他のレポーターおよび細胞株も使用することができる。NF−κB活性が測定される同様のアッセイが行われる。NF−κB DNA結合部位を含有するプラスミドを用い、例えばpNF−kB−Luc(Stratagene,カリフォルニア州ラホーヤ)、PMAまたは他の刺激、例えばTNF−αまたはリポ多糖を使って、NF−κB経路を活性化する。Yamamoto K.ら, J. Biol. Chem., 270(52):31315-31320 (Dec 29, 1995) に記載されているものと同様のNF-κBアッセイを使用してもよい。
上述の細胞転写抑制アッセイは、任意のNHRによる転写抑制を測定するために使用することができる。アッセイが、AP−1またはNF−κBによって媒介される転写を誘導するであろう刺激(例えばPMA、リポ多糖、TNF−αなど)などの成分の添加を必要としうることは、当業者には理解されるだろう。
さらにまた、ARが媒介する転写抑制は、Palvimo J.Jら J. Biol. Chem., 271(39):24151-24156 (Sep 27, 1996) に記載のアッセイによって測定することができ、PRが媒介する転写抑制は、Kalkhoven E.ら J. Biol. Chem., 271(11):6217-6224 (Mar 15, 1996) に記載のアッセイによって測定することができる。
一般的な反応式において記載した方法によって製造される本発明の化合物の実施例は、下記で説明する製造および実施例の節において与えられる。実施例の化合物は、典型的には、ラセミ混合物として製造される。ホモキラルの実施例の製造は、当業者に知られている技術によって実行されうる。例えば、ホモキラル化合物は、キラル相分取HPLCでラセミ生成物を分離することによって製造されうる。あるいは、実施例の化合物を公知の方法で製造して、鏡像異性体を濃縮した生成物(enantiomerically enriched product)を得てもよい。これらの技術には、これらに限らないが、キラル補助官能基をラセミ中間体に組み入れることが含まれ、それは変換のジアステレオ選択性を制御するのに役立ち、キラル補助基を開裂させると、エナンチオ濃縮した生成物が得られる。
略号
以下の製造と実施例において、以下の略号を使用する。
Ph=フェニル
Bn=ベンジル
t−Bu=3級ブチル
Me=メチル
Et=エチル
ACN=アセトニトリル
TMS=トリメチルシリル
TMSN=トリメチルシリルアジド
TBS=tert−ブチルジメチルシリル
FMOC=フルオレニルメトキシカルボニル
Boc=tert−ブトキシカルボニル
Cbz=カルボベンジルオキシまたはカルボベンゾキシまたはベンジルオキシカルボニル
THF=テトラヒドロフラン
EtO=ジエチルエーテル
hex=ヘキサン類
EtOAc=酢酸エチル
DMF=ジメチルホルムアミド
MeOH=メタノール
EtOH=エタノール
i−PrOH=イソプロパノール
DMSO=ジメチルスルホキシド
DME=1,2−ジメトキシエタン
DCE=1,2−ジクロロエタン
HMPA=ヘキサメチルリン酸トリアミド
HOAcまたはAcOH=酢酸
TFA=トリフルオロ酢酸
TFAA=無水トリフルオロ酢酸
i−PrNEt=ジイソプロピルエチルアミン
EtN=トリエチルアミン
NMM=N−メチルモルホリン
DMAP=4−ジメチルアミノピリジン
NaBH=水素化ホウ素ナトリウム
NaBH(OAc)=トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム
DIBALH=水素化アルミニウムジイソブチル
LAHまたはLiAlH=水素化アルミニウムリチウム
n−BuLi=n−ブチルリチウム
LDA=リチウムジイソプロピルアミド
Pd/C=パラジウム炭素
PtO=酸化白金
KOH=水酸化カリウム
NaOH=水酸化ナトリウム
LiOH=水酸化リチウム
CO=炭酸カリウム
NaHCO=重炭酸ナトリウム
DBU=1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン
EDC(もしくはEDC.HCl)またはEDCI(もしくはEDCI.HCl)またはEDAC=3−エチル−3’−(ジメチルアミノ)プロピル−カルボジイミド塩酸塩[または1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩]
HOBTまたはHOBT.HO=1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物
HOAT=1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール
BOP試薬=ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
NaN(TMS)=ナトリウムヘキサメチルジシラジドまたはナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド
PhP=トリフェニルホスフィン
Pd(OAc)=酢酸パラジウム
(PhP)Pd=テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム
DEAD=アゾジカルボン酸ジエチル
DIAD=アゾジカルボン酸ジイソプロピル
Cbz−Cl=クロロギ酸ベンジル
CAN=硝酸セリウムアンモニウム
SAX=強陰イオン交換体
SCX=強陽イオン交換体
Ar=アルゴン
=窒素
min=分
hまたはhr=時間
L=リットル
mL=ミリリットル
μL=マイクロリットル
g=グラム
mg=ミリグラム
mol=モル
mmol=ミリモル
meq=ミリ当量
rtまたはRT=室温
satまたはsat’d=飽和
aq.=水性
TLC=薄層クロマトグラフィー
HPLC=高速液体クロマトグラフィー
逆相HPLC=YMC ODS S5 カラムおよび2成分の溶媒A/溶媒B溶離液を用いた逆相高速液体クロマトグラフィー
溶媒A=10%MeOH−90%HO−0.1%TFA
溶媒B=90%MeOH−10%HO−0.1%TFA;または
溶媒A=0.1%TFAを含むH
溶媒B=0.1%TFAを含むACN
LC/MS=高速液体クロマトグラフィー/質量分析
MSまたはMass Spec=質量分析
NMR=核磁気共鳴
NMRスペクトルデータ:s=一重線;d=二重線;m=多重線;br=幅広;t=三重線
mp=融点
合成方法
本発明の化合物は、有機化学の当業者によって利用可能な多くの方法によって合成されるかもしれない。本発明の化合物を製造するための、本発明における一般的な合成スキームを下記に記載する。これらのスキームは例示的であって、本明細書に開示される化合物を製造するために当業者が用いる可能性のある技術を制限する意図ではない。本発明の化合物を製造するための別の方法も、当業者にとって明らかであろう。また、合成における様々な工程は、目的の化合物を得るために、別の順序で行なってもよい。一般的なスキームで記載される方法によって製造される、本発明の化合物の実施例は、後述する、製剤および実施例の章で記載する。
スキーム1は、一連の4,5−ジ−置換 ジヒドロ−シクロペンタ[b]チオフェン カルボキサミド、すなわち式(I)の化合物、の一般的な合成方法を記載する。ピペリジンおよび酢酸を触媒として用いて、アルデヒド(R−CHO)とβ−ケトエステル1のクネーフェナーゲル反応によって、エステル2を得る。2のナラゾフ環化(Nazarov cyclization)を、高温、ニトロエタン中、AlClで行って、1−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−カルボン酸エチル3を得る。ケトエステル3のアルキル化は、穏やかな塩基(例えば、KCO)およびアルキル化剤R−LG[ここで、脱離基(LG)はクロライド、ブロマイド、ヨージド、またはスルホナートである]によって行うことができる。ケトンカルボニルの還元は、三フッ化ホウ素エーテルの存在下、トリエチルシランを用いて行うことができ、5を得る。ヒンダードエステル5のけん化を、還流条件下、標準的なNaOH/MeOH/HOの下で、ゆっくり進める(sluggish)ことができる。この混合物にDMSOを添加すると、通常は、反応が促進する。多くのアミド化の方法の1つ[例えば、例えばアセトニトリル等の適した溶媒中で、6を、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール、トリエチルアミン、およびアミン7で処理する]によって、酸生成物6とアミン7とのカップリングから本発明の式(I)の化合物を得ることができる。
Figure 2011525537
スキーム2は、一連の4,5−ジ−置換 ジヒドロ−シクロペンタ[b]チオフェン カルボキサミド(Ib)(ここで、R21はアリール基)の一般的な合成を記載する。チオフェン環に位置する、ハロゲン原子(I、BrおよびCl)またはOTf(トリフレート)基を少なくとも1つ含む式(1a)の化合物は、当業者に周知な方法の一つを用いて、有機金属化合物(例えば、有機ホウ素または有機スズ化合物)で、金属(例えば、パラジウム)触媒されたカップリング反応を行うことによって、式(Ib)の化合物を得ることができる。
Figure 2011525537
以下の実施例は、本化合物および出発物質の態様を例示するものであって、特許請求の範囲を制限するためのものではない。
製剤
以下に記載する製剤は、商業的供給源から得られないが、本発明の式Iの化合物の製剤のために用いる試薬の合成に関する。特に断りがなければ、表およびスキーム中のキラル化合物はすべて、ラセミ体である。
逆相プレパラティブ高速液体クロマトグラフィー(「HPLC」)を、YMC S5 ODSカラム[20×100、20×250、または30×250ミリメートル(「mm」)]を用いて、島津8A液体クロマトグラフで行った。グラジエント溶離を、0.1%トリフルオロ酢酸(「TFA」)の存在下で、メタノール(「MeOH」)/水の混合液で行った。
(HPLC分析の方法)
HPLC分析を、島津 SCL10A 液体クロマトグラフで行い、以下の方法を用いた:特に断りがなければ、方法Aの条件が、製剤および実施例を通して登場する化合物から生じるデータに使用された。
方法A
カラム:YMC Combiscreen ODS−A、4.6×50mm、移動相:10〜90%CHOH水/0.2%HPO、4.0分グラジエント(1.0分で保持)、流速:4ml/分、220nm検出波長。
方法B
カラム:XETRRA C−18 4.6×50mm、移動相:10〜90%CHOH水/0.2%HPO、4.0分グラジエント(1分で保持)、流速:4.0mL/分、220nm検出波長
方法C
カラム:Phenomenex Synergi C−18 4.6×50mm、移動相:10〜90%CHOH水/0.2%HPO、4.0分グラジエント(1分で保持)、流速:4.0mL/分、220nm検出波長。
方法D
カラム:島津VP−0DS;C−18 Ballistic 4.6×50mm、移動相:10〜90%CHOH水/0.2%HPO、4.0分グラジエント(1分で保持)、流速:4.0mL/分、220nm検出波長。
製剤1
Figure 2011525537
(工程1)
1−(チオフェン−2−イル)エタノン(2.944g、23.3mmol)および炭酸ジエチル(70mL)の溶液に、0℃で、水素化ナトリウム(1.86g、46.6mmol)を加えた。生じたオフホワイトのスラリー溶液を徐々に71℃に加温し、1.5時間、撹拌した。反応混合液を氷−HOAc−HOに注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機相を洗浄し(食塩水)、乾燥し(MgSO)、濃縮し、褐色の液状物を得た。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製して(シリカゲルカートリッジ、0〜3%酢酸エチル/ヘキサンの溶離液)、3−オキソ−3−(チオフェン−2−イル)プロピオン酸エチルをアンブル(amble)液状物として得た(4.193g、91%)。LCMS m/z 388.99, 390.09 (M+23); HPLC: Rt 2.01分(4.0分グラジエント、カラム:YMC Combiscreen C−18、方法A)。
(工程2)
3−オキソ−3−(チオフェン−2−イル)プロピオン酸エチル(4.10g、20.7mmol)、ベンズアルデヒド(2.32mL、22.8mmol)、ピペリジン(0.205mL、2.07mmol)、および酢酸(0.593mL、10.4mmol)のベンゼン溶液(80ml)を、ディーン・スターク・トラップを用いて85℃で5時間加熱し、形成した水を除去した。反応溶液を濃縮した。生じた残渣をフラッシュクロマトグラフィーによって精製して(シリカゲルカートリッジ、0〜5%酢酸エチル/ヘキサンの溶離液)、3−フェニル−2−(チオフェン−2−カルボニル)アクリル酸エチルを白色の固形物として得た(5.563g、収率94%)。LCMS m/z 309.1 (M+23); HPLC: Rt 3.15分.
(工程3)
3−フェニル−2−(チオフェン−2−カルボニル)アクリル酸エチル(3.118g、10.9mmol)および三塩化アルミニウム(1.725g、13mmol)のニトロエタン溶液(50ml)を、75℃で3時間、加熱した。反応混合液をHCl−氷溶液(1N)に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機相を食塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濃縮し、褐色の油状物を得た。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー9によって精製して(シリカゲルカートリッジ、0〜15%酢酸エチル/ヘキサンの溶離液)、6−オキソ−4−フェニル−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[b]チオフェン−5−カルボン酸エチルをアンブル液状物として得た(3.12g、定量的収率)。HPLC: Rt 2.873, 3.188分.
(工程4)
6−オキソ−4−フェニル−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[b]チオフェン−5−カルボン酸エチル(0.691g、2.415mmol)、ヨードメタン(0.376mL、6.04mmol)、および炭酸カリウム(1.669g、12.08mmol)のスラリーしたDMSO懸濁液(10ml)を室温で5時間、撹拌した。反応混合液を水およびエチルエーテルに入れた。有機相を食塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濃縮し、黄色の油状物を得た。粗製物質をフラッシュクロマトグラフィーによって精製して(シリカゲルカートリッジ、0〜10%酢酸エチル/ヘキサンの溶離液)、3つのフラクションを得た。早い溶離フラクションから、(トランス)−5−メチル−6−オキソ−4−フェニル−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[b]チオフェン−5−カルボン酸エチルを白色の固形物として得た(69mg、9%)。HPLC: Rt 3.365分; LCMS m/z 301.11 (M + 1); 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-D) δ ppm 7.98 (1 H, d, J=4.78 Hz), 7.27 - 7.37 (3 H, m), 6.95 - 7.04 (3 H, m), 5.01 (1 H, s), 4.25 (2 H, q, J=7.13 Hz), 1.28 (3 H, t, J=7.18 Hz), 1.00 (3 H, s). 遅い溶離フラクションから、(シス)−5−メチル−6−オキソ−4−フェニル−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[b]チオフェン−5−カルボン酸エチルを白色の固形物として得た(469mg、収率65%)。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-D) δ ppm 7.98 (1 H, d, J=4.78 Hz), 7.26 - 7.31 (3 H, m), 7.09 (2 H, dd, J=7.18, 2.39 Hz), 6.98 (1 H, d, J=4.53 Hz), 4.39 (1 H, s), 3.60 (1 H, m), 3.43 (1 H, m), 1.72 (3 H, s), 0.80 (3 H, t, J=7.18 Hz). HPLC: Rt 3.125分; LCMS m/z 323.01, 301.11 (M +1)]. また、シス/トランス混合物(68mg)によって、製剤1の工程4から、全体で84%の収率を得た。
(工程5)
(シス)−5−メチル−6−オキソ−4−フェニル−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[b]チオフェン−5−カルボン酸エチル(0.337g、1.123mmol)、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル(7.15mL、50mmol)、およびトリエチルシラン(7.15mL、40mmol)のジクロロメタン溶液(8ml)を、室温で24時間、撹拌した。反応混合液を1/1 EtO−ヘキサンおよび飽和NaHCO溶液に入れた。分離した後、有機相を洗浄し、乾燥し、濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製して(シリカゲルカートリッジ、0〜5%酢酸エチル/ヘキサンの溶離液)、(シス)−5−メチル−4−フェニル−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[b]チオフェン−5−カルボン酸エチルを白色の固形物として得た(289mg、収率89.9%)。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-D) δ ppm 7.13 - 7.23 (4 H, m), 6.93 - 7.00 (2 H, m), 6.63 (1 H, d, J=5.04 Hz), 4.07 (1 H, d, J=1.26 Hz), 3.86 (1 H, d, J=15.86 Hz), 3.59 - 3.70 (1 H, m), 3.49 - 3.58 (1 H, m), 2.74 (1 H, d, J=15.86 Hz), 1.62 (3 H, s), 0.86 (3 H, t, J=7.18 Hz). HPLC: Rt 3分. LCMS m/z 213.07 (M- COOEt)].
(工程6)
(シス)−5−メチル−4−フェニル−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[b]チオフェン−5−カルボン酸エチル(289mg、1.01mmol)および40%KOH水溶液(3ml)の、DMSO(1.5ml)およびMeOH(4.5ml)溶液を、74℃で終夜、攪拌した。反応溶液を濃縮し、残渣を水中に溶解した。溶液を濃HClで調節して酸性にし、エチルエーテルで抽出した。有機相を洗浄し、乾燥し(MgSO)、蒸発して、シス−5−メチル−4−フェニル−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[b]チオフェン−5−カルボン酸を白色の固形物として得た(240mg、収率92%)。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-D) δ ppm 7.14 - 7.23 (4 H, m), 6.98 (2 H, dd, J=7.53, 1.76 Hz), 6.64 (1 H, d, J=5.02 Hz), 4.11 (1 H, s), 3.78 (1 H, d, J=15.81 Hz), 2.76 (1 H, d, J=15.81 Hz), 1.64 (3 H, s). HPLC: Rt 3.49分 LCMS m/z 259.2 (M+1).
製剤2
Figure 2011525537
(工程1)
1−(5−ブロモチオフェン−2−イル)エタノン(4.10g、19.99mmol)および炭酸ジエチル(30mL、248mmol)のTHF溶液(40ml)に、室温で水素化ナトリウム(1.679g、42.0mmol)を加えた。生じたオフホワイトのスラリー溶液を徐々に56℃に加温し、清澄で濃い褐色の溶液になった。反応混合液を56℃で1.5時間、加熱した。反応混合液を氷−HOAc−HOに注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機相を洗浄し(食塩水)、乾燥し(MgSO)、濃縮し、褐色の液状物を得た。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製して(シリカゲルカートリッジ、0〜5%酢酸エチル/ヘキサンの溶離液)、3−(5−ブロモチオフェン−2−イル)−3−オキソプロピオン酸エチルをアンブル液状物として得た(4.713g、85%)。 HPLC: Rt 2.856分.
(工程2)
3−(5−ブロモチオフェン−2−イル)−3−オキソプロピオン酸エチル(3.73g、13.46mmol)、ベンズアルデヒド(1.501mL、14.81mmol)、ピペリジン(0.133mL、1.346mmol)、および酢酸(0.389mL、6.8mmol)のベンゼン溶液(50ml)を、ディーン・スターク・トラップを用いて85℃で5時間加熱し、形成した水を除去した。反応溶液を濃縮した。生じた残渣をフラッシュクロマトグラフィーによって精製して(シリカゲルカートリッジ、0〜5%酢酸エチル/ヘキサンの溶離液)、2−(5−ブロモチオフェン−2−カルボニル)−3−フェニルアクリル酸エチルを淡い(light)アンブル粘稠性の油状物として得た(4.25g)。LCMS m/z 388.99, 390.09 (M+23); HPLC: Rt 3.701分.
(工程3)
2−(5−ブロモチオフェン−2−カルボニル)−3−フェニルアクリル酸エチル(1.3g、3.56mmol)および三塩化アルミニウム(0.563g、4.27mmol)のニトロエタン溶液(20ml)を、83℃で2.75時間、加熱した。反応混合液をHCl−氷溶液(1N)に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機相を食塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濃縮し、褐色の油状物を得た。粗生成物を、0〜5%酢酸エチルのヘキサン溶液を用いて、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、2−ブロモ−6−オキソ−4−フェニル−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[b]チオフェン−5−カルボン酸エチルを粘稠性の泡沫物として得た(1.024g、収率78.8%)。LCMS m/z 366, 368 (M+1); 388.9, 386.9 (M+23); HPLC: Rt 3.438, 3.718分.
(工程4)
2−ブロモ−6−オキソ−4−フェニル−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[b]チオフェン−5−カルボン酸エチル(1.024g、2.804mmol)、ヨードメタン(0.437mL、7.01mmol)、および炭酸カリウム(1.938g、14.02mmol)のDMSOスラリー懸濁液(12ml)を室温で5時間、撹拌した。反応混合液を水およびエチルエーテルに入れた。有機相を食塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濃縮し、黄色の油状物を得た。粗製物質をフラッシュクロマトグラフィーによって精製して(シリカゲルカートリッジ、0〜10%酢酸エチル/ヘキサンの溶離液)、(シス)−2−ブロモ−5−メチル−6−オキソ−4−フェニル−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[b]チオフェン−5−カルボン酸エチルを黄色の粘稠性の油状物として得て(693.7mg、収率65.3%)[HPLC: Rt 3.655 分; LCMS m/z 381, 379]、また(トランス)−2−ブロモ−5−メチル−6−オキソ−4−フェニル−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[b]チオフェン−5−カルボン酸エチルを白色の固形物として得た(120.8mg、11.4%)。HPLC: Rt 3.828 分; LCMS m/z 380.97, 378.97.
(工程5)
(シス)−2−ブロモ−5−メチル−6−オキソ−4−フェニル−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[b]チオフェン−5−カルボン酸エチル(0.36g、0.949mmol)、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル(5.96mL、47.5mmol)、およびトリエチルシラン(6.06mL、38.0mmol)のジクロロメタン溶液(5ml)を、室温で120時間、撹拌した。反応溶液を0℃、DMSO(5.39mL、76mmol)で処理して、10分間。攪拌した(バブルが形成しなくなるまで)。反応混合液を1/1 EtO−ヘキサンおよび飽和NaHCO溶液に入れた。分離した後、有機相を洗浄し、乾燥し、濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製して(シリカゲルカートリッジ、0〜5%酢酸エチル/ヘキサンの溶離液)、(シス)−2−ブロモ−5−メチル−4−フェニル−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[b]チオフェン−5−カルボン酸エチルを清澄な油状物として得て(235mg、収率67.8%、出発物質からの回収に基づくと79%):1H NMR (400 MHz, MeOD) δ ppm 7.23 - 7.45 (3 H, m), 7.19 (1 H, s), 7.11 (2 H, dd, J=7.43, 1.64 Hz), 4.56 (1 H, s), 3.56 (1 H, m), 3.43 (1 H, m), 1.65 (3 H, s), 0.82 (3 H, t, J=7.18 Hz). HPLC: Rt 4.148分 LCMS m/z 389,387 (M+23)、また未反応の(シス)−2−ブロモ−5−メチル−6−オキソ−4−フェニル−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[b]チオフェン−5−カルボン酸エチルを得た(50mg).
(工程6)
(シス)−2−ブロモ−5−メチル−4−フェニル−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[b]チオフェン−5−カルボン酸エチル(235mg、0.643mmol)および40%KOH水溶液(3.5ml)の、DMSO(1.5ml)およびMeOH(4.5ml)溶液を74.5℃で終夜、攪拌した。反応溶液を濃縮し、残渣を水中に溶解した。溶液を濃HClで調節して酸性にし、エチルエーテルで抽出した。有機相を洗浄し、乾燥し(MgSO)、蒸発して、オフホワイトの粘稠性の固形物を得た。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製して(シリカゲルカートリッジ、0〜10%酢酸エチル/ヘキサンの溶離液)、シス−2−ブロモ−5−メチル−4−フェニル−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[b]チオフェン−5−カルボン酸を白色の固形物として得た(195mg、収率90%)。1H NMR (400 MHz, MeOD) δ ppm 7.11 - 7.23 (3 H, m), 6.96 - 7.03 (2 H, m), 6.64 (1 H, s), 4.08 (1 H, s), 3.74 (1 H, d, J=16.12 Hz), 2.71 (1 H, d, J=15.86 Hz), 1.60 (3 H, s); HPLC: Rt 3.853分 LCMS m/z 338.97, 336.97(M+1).
製剤3
Figure 2011525537
酸である製剤(1)の(シス)−5−メチル−4−フェニル−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[b]チオフェン−5−カルボン酸(240mg、0.929mmol)および酢酸ナトリウム(114mg、1.394mmol)のAcOH溶液(4.65ml)に、臭素(0.048mL、1当量)をゆっくり、室温で加えた。反応溶液を6時間、撹拌した。HPLCは、出発物質の66%が生成物に変換したことを示した。さらに、0.3当量のBrを加えた。1時間後、反応は完了した。反応混合液をチオ硫酸ナトリウム(Na)の10%溶液に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出した。分離した後、有機層を水、10%NHOH、食塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濃縮し、(シス)−2−ブロモ−5−メチル−4−フェニル−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[b]チオフェン−5−カルボン酸を白色の固形物として得た(289mg、収率92%)。1H NMR (400 MHz, MeOD) δ ppm 7.07 - 7.55 (3 H, m), 6.99 (2 H, dd, J=8.18, 1.38 Hz), 6.64 (1 H, s), 4.08 (1 H, d, J=1.51 Hz), 3.74 (1 H, d, J=16.12 Hz), 2.71 (1 H, d, J=15.86 Hz), 1.60 (3 H, s). HPLC: Rt 3.853 分 LCMS ES- m/z 335, 337.0 (M-1).
製剤4
酸製剤(3)は、キラル超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)を以下の条件で用いて、その対応するエナンチオマー、酸製剤(4a)および(4b)に分離した。Chiral−SFS Prep 条件:
プレパラティブカラム:Chiralcel OJ−H(3×25cm、5μm)
BPR圧力:100バール
温度:40℃
流速:70mL/分
移動相:CO/MeOH(90/10)
検出器波長:210nm
分離プログラム(Separation Program):連続注入
HPLC分析(カラム:OJ−H 250×4.6mm 5ミクロン、移動相:CO/MeOH、流速:90/10 2ml/分、BPR圧力:00バール、温度:40℃、検出:UV220nm)、保持時間:エナンチオマーA(4a):5.27分(ee>99.9%);エナンチオマーB(4b):7.25分(ee 98.8%)
一般に、2つのエナンチオマーの絶対的な立体化学が未だ定義されていなければ、、異性体Aは早く溶離したエナンチオマーを指し、異性体Bは遅く溶離したエナンチオマーを指す。
ゆっくりと溶離する異性体(4b)のサンプルを、R−(+)−β−メチルフェネチルアミンのMeCN.EtOH溶液と一緒に結晶化(co−crystallized)した。結晶性物質のX線結晶構造決定によって、(4b)は(4R、5R)配置であることが証明された。これにより、(4a)、すなわち(4b)の鏡像異性体、の配置を(4S,5S)と命名した。
Figure 2011525537
実施例1
(+/−)−2−ブロモ−5−メチル−4−フェニル−N−(1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[b]チオフェン−5−カルボキサミド
Figure 2011525537
酸製剤1(190mg、0.563mmol)のCHCN溶液(6mL)に、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)(162mg、0.845mmol)および1−ヒドロキシ−7−ベンゾトリアゾール(HOBt)(129mg、0.845mmol)を加えた。5分間、攪拌した後、該溶液に、2−アミノ−1,3,4−チアジアゾール(171mg、1.690mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.442mL、2.54mmol)を加えた。反応液を75℃で15時間、加熱した。反応混合液を濾過し、濃縮して、フラッシュクロマトグラフィーで精製して(シリカゲルカートリッジ、0〜40%酢酸エチル/ヘキサンの溶離液)、実施例1の表題化合物を白色の固形物として得た(119mg、収率51%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 11.50 (1 H, s), 8.71 (1 H, s), 7.01 - 7.14 (3 H, m), 6.96 (2 H, d, J=7.30 Hz), 6.71 (1 H, s), 4.79 (1 H, s), 4.05 (1 H, d, J=16.12 Hz), 2.83 (1 H, d, J=15.86 Hz), 1.81 (3 H, s). LC/MS (m/z) 418.1, 420.0; HPLC Rt: 3.731分.
実施例2および3
(4S,5S)−2−ブロモ−5−メチル−4−フェニル−N−(1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[b]チオフェン−5−カルボキサミド、および
(4R,5R)−2−ブロモ−5−メチル−4−フェニル−N−(1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[b]チオフェン−5−カルボキサミド
実施例1と同様の手順で、2−アミノ−1,3,4−チアジアゾールを用いる、酸製剤(4a)および(4b)のアミド化反によって、それぞれ実施例2および3を製造した。
Figure 2011525537
実施例4
(+/−)−シス−2−(4−(エチル(メチル)カルバモイル)フェニル)−5−メチル−4−フェニル−N−(1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[b]チオフェン−5−カルボキサミド
Figure 2011525537
実施例1の表題化合物であるシス−2−ブロモ−5−メチル−4−フェニル−N−(1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[b]チオフェン−5−カルボキサミド(35mg、0.083mmol)、4−(エチル(メチル)カルバモイル)フェニルボロン酸(34.5mg、0.167mmol)、およびリン酸カリウム(0.167mL、0.333mmol)のDMF溶液(1.8ml)を、窒素で15分間、脱気した。この溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(9.62mg、8.33μmol)を加えた。反応混合液をさらに5分間、脱気し、次いで密封し、加熱ブロック(OptiChem Digital Hotplate Stirrer)中、100℃で30分間、加熱した。反応混合液を冷却し、濾過し、酢酸エチルで希釈した。有機溶液を洗浄し、乾燥し、濃縮した。粗生成物をprep HPLCによって精製し[カラム:YMC 20×100;移動相:BのA溶液:60%〜100%(A:10%MeOHのHO溶液と0.1%TFA、B:90%MeOHのHO溶液と0.1%TFA);グラジエント時間:12分]、実施例3の表題化合物を白色の固形物として得た(14mg、収率34%)。 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 10.93 (1 H, s), 8.70 (1 H, s), 7.48 - 7.68 (2 H, m), 7.38 (2 H, d, J=8.06 Hz), 7.01 - 7.17 (5 H, m), 6.99 (1 H, s), 4.71 (1 H, s), 4.06 (1 H, d, J=16.62 Hz), 3.58 (1 H, s), 3.31 (1 H, s), 3.00 - 3.14 (3 H, m), 2.95 (1 H, d, J=16.37 Hz), 1.85 (3 H, s). HPLC 3.56 分; LCMS m/z 503.10 (M+1).
実施例5〜11
実施例4と同様の手順で、実施例1の表題化合物および対応するアリールボロン酸の鈴木カップリング反応によって、実施例5〜11を製造した(特に断りがなければ、化合物は全てラセミ体)。
Figure 2011525537
Figure 2011525537
実施例12〜17
実施例4と同様の手順で、実施例2の表題化合物および対応するアリールボロン酸の鈴木カップリング反応によって、実施例12〜17を製造した[化合物は全て(4S,5S)配置を有する]。
Figure 2011525537
Figure 2011525537
実施例18および19
実施例4と同様の手順で、実施例3の表題化合物および対応するアリールボロン酸の鈴木カップリング反応によって、実施例18および19を製造した[化合物は全て(4R,5R)配置を有する]。
Figure 2011525537
実施例20
Figure 2011525537
実施例4と同様の方法に従って、実施例20の表題化合物を、実施例1の表題化合物および(R)−4−(3−フルオロピロリジン−1−カルボニル)フェニルボロン酸の鈴木カップリング反応によって製造した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 8.65 (1 H, s), 7.54 - 7.59 (3 H, m), 7.50 (1 H, t, J = 8 Hz), 7.07 - 7.13 (2 H, m), 7.05 (1 H, d, J=6.78 Hz), 6.99 - 7.03 (2 H, m), 6.97 (1 H, s), 5.27 (1 H, t, J = 4.8 Hz), 4.46 (1 H, s), 4.07 (1 H, d, J=16.31 Hz), 3.55 - 3.97 (4 H, m), 2.96 (1 H, d, J=16.31 Hz), 2.21 - 2.42 (1 H, m), 1.93 - 2.10 (1 H, m), 1.86 (3 H, s); LCMS (m/z) 533.2; HPLC Rt: 3.536分(方法A)。
実施例21
Figure 2011525537
[工程1:(シス)−5−メチル−2−(4−(モルホリン−4−カルボニル)フェニル)−4−フェニル−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[b]チオフェン−5−カルボン酸]
酸製剤2である(シス)−2−ブロモ−5−メチル−4−フェニル−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[b]チオフェン−5−カルボン酸(80mg、0.237mmol)、4−(モルホリン−4−カルボニル)フェニルボロン酸(112mg、0.474mmol)、および2Mのリン酸カリウム(0.593mL、1.186mmol)のDMF溶液(2ml)を、窒素で15分間、脱気した。この溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(27.4mg、0.024mmol)を加えた。反応混合液をさらに5分間、脱気して、次いで密封し、加熱ブロック(OptiChem Digital Hotplate Stirrer)中、110℃で50分間、加熱した。反応混合液を冷却し、濾過し、酢酸エチルおよび水に入れた。有機相を洗浄し(食塩水)、乾燥し(MgSO)、濃縮し、粗製物を得た(177mg)。それを、0〜1%MeOHのCHCl溶液で溶離するフラッシュシリカゲルカラムで精製して、(シス)−5−メチル−2−(4−(モルホリン−4−カルボニル)フェニル)−4−フェニル−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[b]チオフェン−5−カルボン酸を白色の固形物として得た(86mg、収率81%)。1H NMR (500 MHz, MeOD) δ ppm 7.64 (2 H, d, J=8.25 Hz), 7.40 (2 H, d, J=8.25 Hz), 7.20 (2 H, t, J=7.15 Hz), 7.15 (1 H, d, J=7.15 Hz), 7.05 (3 H, m), 4.12 (1 H, s), 3.83 (1 H, d, J=15.95 Hz), 3.72 (4 H, m), 3.63 (2 H, m), 3.49 (2 H, m), 2.78 (1 H, d, J=15.95 Hz), 1.64 (3 H, s). LCMS (m/z) 448.1; HPLC Rt: 3.361分(方法A)。
(工程2)
工程1の酸(25mg、0.056mmol)、HATU(31.9mg、0.084mmol)、5−アミノ−N−シクロプロピル−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボキサミド(30.9mg、0.168mmol)、およびDIPEA(0.059mL、0.335mmol)のアセトニトリル溶液(2.5mL)を、70℃で15時間、加熱した。溶媒を除去した後、反応混合液をDCM中に入れ、12gシリカゲルカートリッジに充填して、それを0%〜1%MeOHのDCM溶液で溶離して、目的生成物をオフホワイトの固形物として得た(35mg、純度93%、収率95%)。それをさらにメタノール中でトリチュレートし、実施例21の表題化合物を白色の固形物として得た(16.7mg、収率49%)。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-D) δ ppm 7.57 (2 H, d, J=8.28 Hz), 7.40 (2 H, d, J=8.28 Hz), 7.08 - 7.20 (3 H, m), 7.03 (2 H, d, J=7.78 Hz), 6.96 (1 H, s), 4.40 (1 H, s), 3.94 (1 H, d, J=16.31 Hz), 3.71 - 3.51 (6 H, br m), 2.86 (1 H, dd, J=7.15, 3.64 Hz), 1.82 (3 H, s), 0.80 - 0.96 (2 H, m), 0.59 - 0.71 (2 H, m). LCMS m/z 614.2; HPLC Rt: 3.496分(方法A)。
実施例22〜23
実施例21の工程2と同様の手順で、それぞれ、5−アミノ−N−イソプロピル−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボキサミドおよび5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボキサミドを用いて、実施例21の工程1の酸とのアミド化反応によって、実施例22〜23を製造した(化合物は全てラセミ体)。
Figure 2011525537
実施例24
Figure 2011525537
[工程1:2−(5−ブロモチオフェン−2−カルボニル)−3−(3−フルオロフェニル)アクリル酸エチル]
3−(5−ブロモチオフェン−2−イル)−3−オキソプロピオン酸エチル(2.456g、8.86mmol、製剤1の工程1由来)、3−フルオロベンズアルデヒド(1.034mL、9.75mmol)、ピペリジン(0.088mL、0.886mmol)、および酢酸(0.389mL、6.8mmol)のベンゼン溶液(50ml)を、ディーン・スターク・トラップを用いて、85℃で6時間、加熱して、形成した水を除去した。反応溶液を濃縮した。粗生成物を少量のトルエン中に溶解し、80gのシリカゲルカートリッジに充填し、それを0〜5%酢酸エチルのヘキサン溶液で、15分グラジエントにより溶離して、2−(5−ブロモチオフェン−2−カルボニル)−3−(3−フルオロフェニル)アクリル酸エチルを粘稠性の黄色の油状物として得た(3.33g)。HPLC: Rt 3.728分(方法A);LCMS m/z 407.02, 405.02 (M+23)
[工程2:2−ブロモ−4−(3−フルオロフェニル)−6−オキソ−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[b]チオフェン−5−カルボン酸エチル]
工程1の生成物(3.25g、8.48mmol)および塩化アルミニウム(1.357g、10.18mmol)のニトロエタン溶液(60ml)を、75℃で3時間、加熱した。反応混合液をHCl−氷溶液(1N)に注ぎ、DCMで抽出した。有機相を食塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濃縮し、褐色の液状物を得た(3.06g)。粗生成物を少量のDCM中に溶解し、120gのシリカゲルカートリッジに充填し、それを0〜5%酢酸エチルのヘキサン溶液により、15分グラジエントで溶離して、2−ブロモ−4−(3−フルオロフェニル)−6−オキソ−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[b]チオフェン−5−カルボン酸エチルのエノラート形態を黄色で粘稠性の油状物として得て(1.631g)、また工程2の生成物のケトエステル形態を得た(1.17g)。LCMS m/z 385, 383; HPLC: Rt 3.725分(方法A)。
[工程3:(シス)−2−ブロモ−4−(3−フルオロフェニル)−5−メチル−6−オキソ−5,6−ジヒドロ−4Hシクロペンタ[b]チオフェン−5−カルボン酸エチル]
工程2の生成物(100mg、0.261mmol)、炭酸カリウム(180mg、1.305mmol)、およびヨードメタン(0.098mL、1.566mmol)のアセトン(4ml)スラリー懸濁液を、室温で3.5時間、撹拌した。反応混合液を水および酢酸エチルに入れた。有機相を食塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濃縮し、黄色の油状物を得た。粗製物をシリカゲルカラム(0〜4%酢酸エチルのヘキサン溶液の溶離液を用いる、40gのシリカゲルカートリッジ)で精製して、(シス)−2−ブロモ−4−(3−フルオロフェニル)−5−メチル−6−オキソ−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[b]チオフェン−5−カルボン酸エチルを清澄なガラス状物として得た(325.7mg、収率68%)。1H NMR (400 MHz, MeOD) d ppm 7.28 - 7.45 (1 H, m), 7.23 (4 H, s), 6.98 - 7.10 (1 H, m), 6.95 (1 H, d, J=7.53 Hz), 6.79 - 6.88 (1 H, m), 4.60 (1 H, s), 3.56 - 3.72 (1 H, m), 3.43 - 3.55 (1 H, m), 1.65 (3 H, s), 0.86 (3 H, t, J=7.15 Hz); LCMS m/z 398.9; HPLC: Rt 3.535分(方法A)。
[工程4:(シス)−2−ブロモ−4−(3−フルオロフェニル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[b]チオフェン−5−カルボン酸エチル]
工程3の生成物(200mg、0.503mmol)、三フッ化ホウ素エーテル(3.19mL、25.2mmol)、およびトリエチルシラン(3.22mL、20.14mmol)のジクロロメタン溶液(6ml)を、室温で70時間、撹拌した。反応混合液を0℃のDMSO(1.608mL、22.66mmol)で処理して、室温で5分間、攪拌した。反応溶液を1/1 EtO−ヘキサンおよび飽和NaHCO溶液に入れた。有機相を洗浄し、乾燥し、濃縮し、清澄な油状物を得た。粗生成物を少量のトルエン中に溶解し、40gのシリカゲルカートリッジに充填し、それを0〜5%酢酸エチルのヘキサン溶液で溶離して、(シス)−2−ブロモ−4−(3−フルオロフェニル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−−シクロペンタ[b]チオフェン−5−カルボン酸エチルを清澄な液状物として得た(169mg)。1H NMR (500 MHz, MeOD) δ ppm 7.17 - 7.29 (1 H, m), 6.87 - 6.95 (1 H, m), 6.79 (1 H, d, J=7.70 Hz), 6.61 - 6.71 (2 H, m), 4.13 (1 H, s), 3.77 (1 H, d, J=17.60 Hz), 3.65 - 3.72 (1 H, m), 3.56 - 3.63 (1 H, m), 2.74 (1 H, d, J=16.50 Hz), 1.59 (3 H, s), 0.90 (3 H, t, J=7.15 Hz); HPLC: Rt 3.555分(方法A)。
[工程5:(シス)−2−ブロモ−4−(3−フルオロフェニル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[b]チオフェン−5−カルボン酸]
工程4の生成物(169mg、0.441mmol)および40%KOH水溶液(3.0ml)のDMSO(1.5ml)およびMeOH(4.0ml)溶液を75℃で終夜、攪拌した。反応溶液を濃縮した。残渣を水中に溶解した。溶液を濃HClで酸性に調整して、エチルエーテルで抽出した。有機相を洗浄し、乾燥し(MgSO)、蒸発して、(シス)−2−ブロモ−4−(3−フルオロフェニル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[b]チオフェン−5−カルボン酸を白色の固形物として得た(144mg、収率92%)。1H NMR (400 MHz, MeOD) δ ppm 7.15 - 7.27 (1 H, m), 6.85 - 6.93 (1 H, m), 6.81 (1 H, d, J=7.78 Hz), 6.68 - 6.74 (1 H, m), 6.68 (1 H, s), 4.11 (1 H, d, J=1.00 Hz), 3.73 (1 H, dd, J=16.19, 1.38 Hz), 2.73 (1 H, d, J=16.31 Hz), 1.60 (3 H, s); MS ES- m/z 355.2; HPLC Rt: 3.800分(方法A)。
[工程6:(シス)−4−(3−フルオロフェニル)−5−メチル−2−(4−(モルホリン−4−カルボニル)フェニル)−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[b]チオフェン−5−カルボン酸]
工程5の生成物(90mg、0.253mmol)および2Mのリン酸二カリウム(0.633mL、1.267mmol)のDMF溶液(2ml)を、窒素で10分間、パージした。この溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(29.3mg、0.025mmol)を加えた。窒素でさらに10分間、パージした後、反応溶液を113℃で0.5時間、加熱した。生成混合液を、エチルエーテルおよび水に入れた。有機相を飽和NaHCOで洗浄した。水相を合わせて、濃HClで酸性に調整して、酢酸エチルで抽出した。有機相を洗浄し(食塩水)、乾燥し(MgSO)、濃縮し、粗生成物を得て、それをフラッシュクロマトグラフィーによって精製して(0〜40%酢酸エチルのヘキサン溶液の溶離液を用いる、12gのシリカゲルカートリッジ)、(シス)−4−(3−フルオロフェニル)−5−メチル−2−(4−(モルホリン−4−カルボニル)フェニル)−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[b]チオフェン−5−カルボン酸を白色の固形物として得た(75mg、64%)。1H NMR (400 MHz, MeOD) δ ppm 7.65 (2 H, d, J=8.53 Hz), 7.41 (2 H, d, J=8.53 Hz), 7.17 - 7.26 (1 H, m), 7.06 (1 H, s), 6.86 - 6.93 (2 H, m), 6.74 - 6.79 (1 H, m), 4.14 (1 H, s), 3.82 (1 H, d, J=16.56 Hz), 3.67 (4 H, br m), 3.50 (2 H, br m), 2.79 (1 H, d, J=16.31 Hz), 1.64 (3 H, s); ); LCMS m/z 466.1[M+1]; HPLC: Rt 3.853分(方法A)。
[工程7:(シス)−4−(3−フルオロフェニル)−5−メチル−2−(4−(モルホリン−4−カルボニル)フェニル)−N−(1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[b]チオフェン−5−カルボキサミド]
工程6の生成物(22mg、0.047mmol)、HATU(27.0mg、0.071mmol)、1,3,4−チアジアゾール−2−アミン(14.34mg、0.142mmol)、およびDIPEA(0.050mL、0.284mmol)のアセトニトリル溶液(2.5mL)を、70℃で15時間、加熱した。反応混合液をメタノールで希釈し、prep HPLCで精製して、実施例24の表題化合物(TFA塩)を白色の固形物として得た(14.7mg、収率57%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δppm 8.70 (1 H, s), 7.56 (2 H, d, J=8.53 Hz), 7.39 (2 H, d, J=8.53 Hz), 7.00 - 7.11 (1 H, m), 6.95 (1 H, s), 6.83 (1 H, d, J=7.78 Hz), 6.74 (1 H, td, J = 12, 4 Hz), 6.68 (1 H, dt, J=10.04, 1.76 Hz), 4.53 - 4.56 (1 H, m), 4.09 (1 H, d, J=16.31 Hz), 2.94 (1 H, d, J=16.31 Hz), 1.85 (3 H, s); LCMS m/z 549.3; HPLC: Rt 3.456分(方法A)。
実施例25〜26
実施例24の工程7と同様の手順で、それぞれ、5−アミノ−N−イソプロピル−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボキサミドおよび5−アミノ−N−シクロプロピル−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボキサミドで、実施例24の工程6の酸とアミド化反応させて、実施例25〜26を製造した(化合物は全てラセミ体)。
Figure 2011525537
生物活性データ
AP−1 EC50が1μM未満である実施例1〜26のAP−1活性が与えられる。それに伴い、AP−1最大阻害値もまた与えられる。AP−1 EC50が1μMを超え、および/または最大阻害が20%未満である場合、グルココルチコイド受容体(GR)の結合親和性(Ki)が与えられる。
以下に与えられるデータは、表に記載し、上記のアッセイの節で本明細書に記載したアッセイを用いて得た。
Figure 2011525537

Claims (15)

  1. 式I:
    Figure 2011525537
    [式中、
    およびRは独立して、水素、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、ニトロ、アジド、シアノ、OR10、NR1011、−(O)−C(=O)R10、−(O)−CO10、−(O)−C(=O)NR1011、NR10C(=O)R11、NR10C(=O)OR11、NR10C(=S)OR11、S(=O)15NR11S(=O)15、N(S(=O)15、S(=O)NR1011、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロシクロ、置換ヘテロシクロ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、および置換ヘテロアリールからなる群より選択され;
    少なくとも1つのR、R、R、R、R、およびRは、R−NH−C(=O)であって、残りは独立して、水素、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、ニトロ、シアノ、OR12、SR12、NR1213、C(=O)R12、CO12、C(=O)NR1213、−O−C(=O)R12、NR12C(=O)R13、NR12C(=O)OR13、NR12C(=S)OR13、S(=O)16、NR12S(=O)16、S(=O)NR1213、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロシクロ、置換ヘテロシクロ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、および置換ヘテロアリールからなる群より選択され;
    は、水素、C1〜6アルキル、OR14、置換C1〜6アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロシクロ、置換ヘテロシクロ、ヘテロアリール、および置換ヘテロアリールからなる群より選択され;
    10、R11、R12、R13、およびR14は各々独立して、(i)水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクロ、および置換ヘテロシクロからなる群より選択されるか、あるいは(ii)それらが結合している原子と一緒になって、R10はR11と一緒に、および/またはR12はR13と一緒になって、ヘテロアリールまたはヘテロシクロ環を形成し;
    15およびR16は各々独立して、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクロ、および置換ヘテロシクロからなる群より選択され;
    tは各々、0または1であり;並びに
    pは各々、1または2である]
    の化合物、あるいはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、または医薬的に許容される塩。
  2. またはRの一方が水素であって、他方がハロゲン、シアノ、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロシクロ、置換ヘテロシクロ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、および置換ヘテロアリールからなる群より選択される、請求項1の化合物。
  3. またはRの一方が水素であって、他方が無置換フェニル、並びにハロゲン、モルホリン−1−イルカルボニル、ピロリジン−1−イルカルボニル、N−メチル−N−エチルアミノカルボニル、3−フルオロピロリジン−1−イルカルボニル、3,3−ジフルオロピロリジン−1−イルカルボニル、およびN,N−ジメチルアミノカルボニルから選択される1〜2個で置換されたフェニルからなる群より選択される、請求項1〜2のいずれかの化合物。
  4. またはRの一方が水素であって、他方がハロゲンである、請求項1〜2のいずれかの化合物。
  5. がR−NH−C(=O)である、請求項1〜4のいずれかの化合物。
  6. がアリール、置換アリール、ヘテロシクロ、置換ヘテロシクロ、ヘテロアリール、および置換ヘテロアリールからなる群より選択される、請求項1〜5のいずれかの化合物。

  7. Figure 2011525537
    [式中、
    Wは、CR22またはNであり;並びに
    21およびR22は独立して、水素、ハロゲン、低級アルキル、シアノ、CF、(低級アルキル)アミノ、シアノ、(低級アルキル)スルホニル、(C3〜5シクロアルキル)カルボキサミド、および(低級アルキル)1〜2カルボキサミドからなる群より選択される]
    である、請求項1〜6のいずれかの化合物。
  8. がR−NH−C(=O)であって、Rが適宜置換されたチアジアゾリル基である、請求項1〜7のいずれかの化合物。
  9. またはRの一方が水素、低級アルキル、またはシアノであって;RまたはRの他方がハロゲンであるか、またはハロゲン、(適宜置換された5〜7員ヘテロシクロ)カルボニル、および(低級アルキル)1〜2アミノカルボニルから選択される1〜2個の基で置換されたフェニルであり;
    が低級アルキル、シアノ、NH、(低級アルキル)1〜2アミノ、CF、またはベンジルであり;並びに
    、R、R、およびRが水素、低級アルキル、適宜置換されたフェニル、または適宜置換された5もしくは6員ヘテロアリールであって、ここで適宜置換された置換基がハロゲン、低級アルキル、シアノ、CF、(低級アルキル)アミノ、シアノ、(低級アルキル)スルホニル、およびカルボキサミドからなる群より選択されるが、但しR、R、R、およびRの1つのみは適宜置換されたフェニルまたは適宜置換された5〜7員ヘテロアリールから選択される、
    請求項1〜8のいずれかの化合物。
  10. またはRの一方が水素であって、他方がハロゲン、モルホリン−1−イルカルボニル、ピロリジン−1−イルカルボニル、N−メチル−N−エチルアミノカルボニル、3−フルオロピロリジン−1−イルカルボニル、3,3−ジフルオロピロリジン−1−イルカルボニル、およびN,N−ジメチルアミノカルボニルから選択される1〜2個の基で置換されたフェニルであり;
    が低級アルキルであり;
    が水素であり;
    が水素であり;
    がフェニルまたはハロゲンで置換されたフェニルであり;
    が水素であり;並びに
    が1,3,5−チアジアゾール−2−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル、またはチアゾール−2−イルであって、各基がハロゲン、低級アルキル、シアノ、CF、(低級アルキル)アミノ、シアノ、(低級アルキル)スルホニル、(C3〜5シクロアルキル)カルボキサミド、または(低級アルキル)1〜2カルボキサミドから選択される1〜2個の基で適宜置換された、
    請求項1〜9のいずれかの化合物。
  11. またはRの一方が水素であって、他方がモルホリン−1−イルカルボニル、ピロリジン−1−イルカルボニル、N−メチル−N−エチルアミノカルボニル、3−フルオロピロリジン−1−イルカルボニル、3,3−ジフルオロピロリジン−1−イルカルボニル、またはN,N−ジメチルアミノカルボニルで4位が置換されたフェニルであって、該フェニルが適宜ハロゲンで置換された、
    請求項1〜10のいずれかの化合物。
  12. が低級アルキルである、請求項1〜11のいずれかの化合物。
  13. 請求項1の化合物を少なくとも1つ、および医薬的に許容される担体を含む医薬組成物。
  14. 請求項1の化合物の治療上有効な量をそれが必要な患者に投与することを特徴とする、炎症疾患、免疫疾患、および代謝疾患からなる群より選択される、疾患または障害の治療剤の製造における、請求項1〜13のいずれかの化合物の使用。
  15. 連続してまたは同時に使用するための、症状の治療剤として;請求項1〜13のいずれかの化合物;並びに、免疫抑制薬、抗癌剤、抗ウイルス剤、抗炎症剤、抗真菌剤、抗生物質、抗血管過剰増殖剤(anti-vascular hyperproliferation agent)、抗うつ薬、高脂血症治療薬、脂質調節剤(lipid modulating agent)、抗糖尿病薬、抗肥満薬、降圧薬、血小板凝集阻害剤、および/または抗骨粗鬆症薬
    [ここで、
    抗糖尿病薬は、1、2、3またはそれ以上のビグアナイド、スルホニル尿素、グルコシダーゼ阻害剤、PPAR γ アゴニスト、PPAR α/γ デュアルアゴニスト、SGLT2阻害剤、DP4阻害剤、aP2阻害剤、インスリン増感剤、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)、インスリンおよび/またはメグリチニドであり、
    抗肥満薬は、ベータ3アドレナリン作動薬、リパーゼ阻害剤、セロトニン(およびドーパミン)再摂取阻害剤、甲状腺受容体アゴニスト、aP2阻害剤および/または食欲低下剤であり、
    高脂血症治療薬は、MTP阻害剤、HMG CoAリダクターゼ阻害剤、スクアレン合成酵素阻害剤、フィブリン酸誘導体、LDL受容体活性の上方調節剤(upregulator)、リポキシゲナーゼ阻害剤、またはACAT阻害剤であり、
    降圧薬は、ACE阻害剤、アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト、NEP/ACE阻害剤、カルシウムチャネル遮断薬および/またはβ−アドレナリン遮断薬である]
    から選択される1もしくはそれ以上の化合物の組み合わせ。
JP2011516563A 2008-06-24 2009-06-24 グルココルチコイド受容体、AP−1、および/またはNF−κB活性のシクロペンタチオフェン調節剤およびその使用 Withdrawn JP2011525537A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US7506308P 2008-06-24 2008-06-24
US61/075,063 2008-06-24
PCT/US2009/048396 WO2009158380A1 (en) 2008-06-24 2009-06-24 Cyclopentathiophene modulators of the glucocorticoid receptor, ap-1, and/or nf-kappa b activity and use thereof

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011525537A true JP2011525537A (ja) 2011-09-22
JP2011525537A5 JP2011525537A5 (ja) 2012-08-09

Family

ID=41211728

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011516563A Withdrawn JP2011525537A (ja) 2008-06-24 2009-06-24 グルココルチコイド受容体、AP−1、および/またはNF−κB活性のシクロペンタチオフェン調節剤およびその使用

Country Status (5)

Country Link
US (1) US8106046B2 (ja)
EP (1) EP2334671A1 (ja)
JP (1) JP2011525537A (ja)
CN (1) CN102149710A (ja)
WO (1) WO2009158380A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102762551A (zh) 2009-12-21 2012-10-31 拜尔农作物科学股份公司 噻吩基吡(嘧)啶基吡唑及其用于防治植物致病菌的用途
US10981918B2 (en) * 2018-07-20 2021-04-20 Grünenthal GmbH Further substituted triazolo quinoxaline derivatives
CN113101291A (zh) * 2021-04-14 2021-07-13 浙江大学 磺酰胺类化合物在制备治疗自身免疫性疾病药物中的应用

Family Cites Families (42)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4344949A (en) 1980-10-03 1982-08-17 Warner-Lambert Company Substituted acyl derivatives of 1,2,3,4-tetrahydroisoquinoline-3-carboxylic acids
EP0072352B1 (de) 1981-08-11 1986-03-05 Ciba-Geigy Ag Benzazepin-2-one, Verfahren zu ihrer Herstellung, pharmazeutische Präparate die diese Verbindungen enthalten, sowie die Verbindungen zur therapeutischen Verwendung
DE3226768A1 (de) 1981-11-05 1983-05-26 Hoechst Ag, 6230 Frankfurt Derivate der cis, endo-2-azabicyclo-(3.3.0)-octan-3-carbonsaeure, verfahren zu ihrer herstellung, diese enthaltende mittel und deren verwendung
US4473575A (en) 1982-07-19 1984-09-25 Ciba-Geigy Corporation 3-Amino-(1)-benzazepin-2-one-1-alkanoic acids
US4722810A (en) 1984-08-16 1988-02-02 E. R. Squibb & Sons, Inc. Enkephalinase inhibitors
FR2567125B1 (fr) * 1984-07-09 1986-12-05 Lipha Acides dihydro-5,6-4h-cyclopenta (b) thiophenecarboxylique-6, procedes de preparation et medicaments les contenant
US5614492A (en) 1986-05-05 1997-03-25 The General Hospital Corporation Insulinotropic hormone GLP-1 (7-36) and uses thereof
US4749688A (en) 1986-06-20 1988-06-07 Schering Corporation Use of neutral metalloendopeptidase inhibitors in the treatment of hypertension
US5223516A (en) 1990-03-22 1993-06-29 E. R. Squibb & Sons, Inc. 3,3,3-trifluoro-2-mercaptomethyl-N-tetrazolyl substituted propanamides and method of using same
GB9018139D0 (en) * 1990-08-17 1990-10-03 Pfizer Ltd Therapeutic agents
CA2053340C (en) 1990-10-18 2002-04-02 Timothy P. Burkholder Mercaptoacetylamide derivatives useful as inhibitors of enkephalinase and ace
US5225401A (en) 1991-08-12 1993-07-06 E. R. Squibb & Sons, Inc. Treatment of congestive heart failure
CA2078758C (en) 1991-09-27 2003-12-09 Alan M. Warshawsky 2-substituted indane-2-mercaptoacetylamide derivatives useful as inhibitors of enkephalinase and ace
AU657793B2 (en) 1991-09-27 1995-03-23 Merrell Pharmaceuticals Inc. Novel 2-substituted indane-2-carboxyalkyl derivatives useful as inhibitors of enkephalinase and ACE
CA2078759C (en) 1991-09-27 2003-09-16 Alan M. Warshawsky Novel carboxyalkyl derivatives useful as inhibitors of enkephalinase and ace
US5595872A (en) 1992-03-06 1997-01-21 Bristol-Myers Squibb Company Nucleic acids encoding microsomal trigyceride transfer protein
DK36392D0 (da) 1992-03-19 1992-03-19 Novo Nordisk As Anvendelse af kemisk forbindelse
US5552397A (en) 1992-05-18 1996-09-03 E. R. Squibb & Sons, Inc. Substituted azepinone dual inhibitors of angiotensin converting enzyme and neutral exdopeptidase
EP0640086B1 (en) 1992-05-15 1999-08-04 Merrell Pharmaceuticals Inc. MERCAPTOACETYLAMIDO PYRIDAZO[ 1,2-a][1,2]DIAZEPINE DERIVATIVES USEFUL AS INHIBITORS OF ENKEPHALINASE AND ACE
RU2124503C1 (ru) 1992-05-18 1999-01-10 И.Р.Сквибб энд Санз, Инк. Гетероциклические азотсодержащие производные карбоновой кислоты, способ их получения и фармацевтическая композиция
US5504080A (en) 1992-10-28 1996-04-02 Bristol-Myers Squibb Co. Benzo-fused lactams
US5346701A (en) 1993-02-22 1994-09-13 Theratech, Inc. Transmucosal delivery of macromolecular drugs
US5508272A (en) 1993-06-15 1996-04-16 Bristol-Myers Squibb Company Compounds containing a fused bicycle ring and processes therefor
US5362727A (en) 1993-07-26 1994-11-08 Bristol-Myers Squibb Substituted azepino[2,1-a]isoquinoline compounds
US5739135A (en) 1993-09-03 1998-04-14 Bristol-Myers Squibb Company Inhibitors of microsomal triglyceride transfer protein and method
US5525723A (en) 1993-11-18 1996-06-11 Bristol-Myers Squibb Co. Compounds containing a fused multiple ring lactam
US5612359A (en) 1994-08-26 1997-03-18 Bristol-Myers Squibb Company Substituted biphenyl isoxazole sulfonamides
US5962440A (en) 1996-05-09 1999-10-05 Bristol-Myers Squibb Company Cyclic phosphonate ester inhibitors of microsomal triglyceride transfer protein and method
US5827875A (en) 1996-05-10 1998-10-27 Bristol-Myers Squibb Company Inhibitors of microsomal triglyceride transfer protein and method
US5885983A (en) 1996-05-10 1999-03-23 Bristol-Myers Squibb Company Inhibitors of microsomal triglyceride transfer protein and method
US5760246A (en) 1996-12-17 1998-06-02 Biller; Scott A. Conformationally restricted aromatic inhibitors of microsomal triglyceride transfer protein and method
CA2319195A1 (en) 1998-02-02 1999-08-05 Trustees Of Tufts College Method of regulating glucose metabolism, and reagents related thereto
EP1062222A1 (en) 1998-03-09 2000-12-27 Fondatech Benelux N.V. Serine peptidase modulators
DE19823831A1 (de) 1998-05-28 1999-12-02 Probiodrug Ges Fuer Arzneim Neue pharmazeutische Verwendung von Isoleucyl Thiazolidid und seinen Salzen
DE19828114A1 (de) 1998-06-24 2000-01-27 Probiodrug Ges Fuer Arzneim Produgs instabiler Inhibitoren der Dipeptidyl Peptidase IV
DE19828113A1 (de) 1998-06-24 2000-01-05 Probiodrug Ges Fuer Arzneim Prodrugs von Inhibitoren der Dipeptidyl Peptidase IV
FR2815030A1 (fr) 2000-10-05 2002-04-12 Lipha Derives nitroso de la diphenylamine, compositions pharmaceutiques les contenant et leur utilisation pour la preparation de medicaments
CA2534509A1 (en) 2003-08-06 2005-02-24 Sugen, Inc. Geometrically restricted 3-cyclopentylidene-1,3-dihydroindol-2-ones as potent protein kinase inhibitors
US7592461B2 (en) * 2005-12-21 2009-09-22 Bristol-Myers Squibb Company Indane modulators of glucocorticoid receptor, AP-1, and/or NF-κB activity and use thereof
US8034940B2 (en) * 2006-08-09 2011-10-11 Bristol-Myers Squibb Company Modulators of glucocorticoid receptor, AP-1, and/or NF-κB activity and use thereof
US7994190B2 (en) 2006-11-01 2011-08-09 Bristol-Myers Squibb Company Modulators of glucocorticoid receptor, AP-1, and/or NF-κB activity and use thereof
ES2382913T3 (es) * 2006-11-01 2012-06-14 Bristol-Myers Squibb Company Moduladores de la actividad de receptor de glucocorticoides, AP-1 y/o NF-kappaB y uso de los mismos

Also Published As

Publication number Publication date
US8106046B2 (en) 2012-01-31
EP2334671A1 (en) 2011-06-22
US20110105495A1 (en) 2011-05-05
CN102149710A (zh) 2011-08-10
WO2009158380A1 (en) 2009-12-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7994190B2 (en) Modulators of glucocorticoid receptor, AP-1, and/or NF-κB activity and use thereof
EP2094692B1 (en) Modulators of glucocorticoid receptor, ap-1 and/or nf-kappab activity and use thereof
US8198311B2 (en) Modulators of glucocorticoid receptor, AP-1, and/or NF-κB activity and use thereof
EP2078015B1 (en) Modulators of glucocorticoid receptor, ap-1 and/or nf-kappab activity and use thereof
EP1844028B1 (en) MODULATORS OF THE GLUCOCORTICOID RECEPTOR, AP-1, AND/OR NF-kB ACTIVITY AND USE THEREOF
US7625921B2 (en) Modulators of the glucocorticoid receptor, AP-1, and/or NF-κB activity and use thereof
US7888381B2 (en) Modulators of glucocorticoid receptor, AP-1, and/or NF-κB activity, and use thereof
JP2011503081A (ja) グルココルチコイド受容体、AP−1および/またはNF−κB活性の調節剤として有用な非ステロイド性化合物、並びにその使用
JP2010500376A (ja) グルココルチコイド受容体、AP−1、および/またはNF−κB活性の調節剤、およびその使用
JP2008526977A (ja) グルココルチコイド受容体、AP−1、および/またはNF−κB活性のヘテロ環調整剤、並びにその用途
US7235662B2 (en) Modulators of the glucocorticoid receptor and method
JP2011511085A (ja) グルココルチコイド受容体、AP−1、および/またはNF−κB活性の縮合ヘテロアリール修飾因子並びにその使用
US7459474B2 (en) Modulators of the glucocorticoid receptor and method
US8106046B2 (en) Cyclopentathiophene modulators of the glucocorticoid receptor, AP-1, and/or NF-κB activity and use thereof
US9796720B2 (en) Imidazole-derived modulators of the glucocorticoid receptor
JP2008527006A (ja) グルココルチコイド受容体、AP−1、および/またはNF−κB活性の調整剤およびその用途

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120620

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120620

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20120730