JP2011525304A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、基板を支持する装置であるプラテンに関し、特に、基板の処理中に粒子汚染を低減するプラテン及びその方法に関するものである。
イオン注入又はドーピングは、とりわけ、電子デバイスを製造するために実行する複数のプロセスの1つである。既知のように、ビームラインイオン注入システムを使用してイオン注入を行うことができる。図1に従来のイオン注入機のブロック線図を示す。従来のイオン注入システム100は、イオン源104と、複数のビームライン要素105と、エンドステーション110とを具える。既知のように、イオン源104を用いて、所望の種のイオン102を生成することができる。生成されたイオンは、ビームライン要素105によりイオン源104から抽出できる。光ビームを操作する1組の光学レンズと同様に、ビームライン要素105は、イオンをイオンビーム102に操作し、ウェーハ106及び該ウェーハ106を支持するプラテン108が設けられたエンドステーション110の方に案内する。エンドステーション110へと向けられたイオンビームは、ウェーハ106に入射され、イオン注入を行うことができる。
イオン注入は、プラズマドーピング(“PLAD”)又はプラズマ浸漬イオン注入(“PIII”)システムとして既知のシステムを用いて行うこともできる。PLADシステムにおいて、ウェーハ106及び該ウェーハ106を支持するプラテン108は、プロセスチャンバ中に置かれている。一方、所望の種を含むプロセスガスは、PLADシステム200のプラズマ源の中に入る。あるシステムにおいては、プラズマ源は、プロセスチャンバに隣接している。別のシステムにおいては、プラズマ源は移動されて、プロセスチャンバから離れている。次に、プロセスガスは、電子、所望の種のイオン202、中性子、及び/又は残りを含むプラズマ210に変換される。ウェーハ106にバイアスをかけて、所望の種のイオン202をウェーハ106に注入することができる。
プラテン108は、イオン注入の間、ウェーハ106を支持するために使用することができる。プラテン108は、静電的にウェーハ106をプラテン108に固定する複数の電極(図示せず)を具えることができる。場合によっては、プラテン108は、ウェーハ106が複数の方向に動くことを可能にできる(例えば、並進、回転、傾ける等)。
プラテン108は、複数のイオン注入パラメータを制御するために使用することができる。例えば、プラテン108は、ウェーハ106の温度を所望のレベルに維持するために使用することができる。イオン注入プロセスはエネルギープロセスであるため、ウェーハ106の温度は、所望の温度を超えたレベルまで上昇する可能性がある。一般に、プラテン108は、基板の過熱を防止するために使用される。従来のプラテンは、マウントされたウェーハ106とともに、冷却領域(図示せず)を規定できる冷却凹部(図示せず)を有することができる。冷却ガスがウェーハ106に接触してウェーハ106を冷却できるように、冷却ガスを冷却領域に導入して所望の圧力に維持することができる。
プラテン108を用いて制御できる別の注入パラメータは、ウェーハ106における過度の電荷蓄積を防止することを含む。既知のように、ウェーハ106は荷電イオンが照射されるため、過度の電荷がウェーハ106中に蓄積されうる。過度の電荷蓄積は、アーク放電を引き起こし、ウェーハ106の突発的な故障に繋がりうる。また、電荷蓄積は、イオン注入プロセスの完了後に、ウェーハ106がプラテン108から開放されるのを妨害しうる。過度の電荷蓄積を回避するために、ウェーハ106及び206は、ウェーハ106を電気的に接地して過度の電荷蓄積を低減する1つ以上の接地回路(図示せず)を含むことができる。
従来のプラテン108において、プラテン108の部品は、直接ウェーハ106に接触する。このような接触は、デブリスを生成する可能性がある。デブリスは、イオンビーム102が入射されるウェーハの表面にドリフトする可能性がある。デブリスは注入プロセスを妨害し、最終的に、最適なデバイスに決して貢献しないため、ウェーハ106の表面に近いデブリスは不都合になりうる。従って、改良されたプラテンが必要である。
基板上の粒子汚染を低減する技術が開示される。特定の代表的な一実施例において、その技術は、圧力レベルがほぼ等しい異なる領域を有するプラテンを用いて実現できる。例えば、その1つのプラテンは、基板の温度を所望の温度に維持するための流体領域を規定する第1の凹部と、接地回路を保持するための第1のキャビティを規定する第2の凹部とを有するプラテン本体と、前記流体領域に隣接する第1の開口と前記第1のキャビティに隣接する第2の開口とを有し前記プラテン本体中に規定された第1のビアとを具え、前記流体領域の圧力レベルは、前記第1のキャビティの圧力レベルにほぼ等しいレベルに維持できるように構成されている。
この特定の代表的な実施例の別の態様によれば、前記流体領域は、前記第1のキャビティと等しい圧力にできる。
この特定の代表的な実施例の更なる態様によれば、前記流体領域は、前記第1のキャビティと連通することができる。
この特定の代表的な実施例の更なる態様によれば、前記プラテンは、液体チャネルを更に備え、該液体シャネルを介して前記液体領域が前記第1のキャビティと連通することができる。
この特定の代表的な実施例のより更なる態様によれば、前記流体チャネルは、プラテン本体中に設けることができる。
この特定の代表的な実施例のより更なる態様によれば、前記流体チャネルは、接地回路中に設けることができる。
この特定の代表的な実施例のより更なる態様によれば、前記接地回路は、ピン本体とスリーブとを有する接地ピンを具えることができ、前記流体チャネルは、スリーブ中に設けることができる。
この特定の代表的な実施例のより更なる態様によれば、前記接地回路は、ピン本体とスリーブとを有する接地ピンを具えることができ、前記流体チャネルは、ピン本体中に設けることができる。
この特定の代表的な実施例の別の態様によれば、前記接地回路は、ピン本体とスリーブとを有する接地ピンを具えることができ、前記流体チャネルは、多孔質スリーブ中に設けることができる。
この特定の代表的な実施例の別の態様によれば、前記流体チャネルは、溝の形態をとることができる。
この特定の代表的な実施例の更に別の態様によれば、前記接地回路は、ピン本体及びスリーブを有する接地ピンを具えることができ、前記流体チャネルは、溝の形態とすることができ、前記溝はスリーブ中に設けることができる。
この特定の代表的な実施例の更なる態様によれば、前記溝は一方向に延在できる。
この特定の代表的な実施例の更なる態様によれば、前記溝は、らせん状の溝とすることができる。
別の特定の代表的な実施例において、基板を接地するための接地ピンは、ピン本体と、前記ピン本体を支持するスリーブとを具え、前記スリーブは流体輸送用の流体チャネルを含むことができる。
この特定の代表的な実施例の別の態様によれば、前記流体チャネルは、前記スリーブの外表面及び内表面の少なくとも1つの上に配置された溝の形態とすることができる。
この特定の代表的な実施例の更なる態様によれば、前記流体チャネルは、前記スリーブの外表面と内表面との間に配置されたビアの形態とすることができる。
この特定の代表的な実施例の更に別の特定の態様によれば、前記溝はらせん状の溝である。
更に別の特定の代表的な実施例によれば、前記技術は、基板をプラテン上にロードし、前記基板及び前記プラテンのプラテン本体に隣接する流体領域に流体を導入し、前記流体領域を第1の圧力レベルに維持し、前記プラテン本体により規定される第1のキャビティを第2の圧力レベルに維持し、前記第2の圧力レベルは前記第1の圧力レベルとほぼ等しくすることにより実現できる。
この特定の代表的な実施例の別の態様によれば、前記技術は、更に流体チャネルを設け、前記流体領域を、前記流体チャネルを介して前記第1のキャビティと連通させることができる。
この特定の代表的な実施例の更に別の態様において、前記プラテンは、プラテン本体を具え、前記流体領域及び前記第1のキャビティは、前記プラテン本体により間隔を開け、前記流体チャネルは、前記プラテン本体中に設けることができる。
この特定の代表的な実施例の更なる態様によれば、この技術は、更に基板を接地するための接地ピンを具え、前記流体チャネルを接地ピンの中に設けることができる。
この特定の代表的な実施例の更に別の態様によれば、前記接地ピンは、更にピン本体とスリーブとを備え、前記流体チャネルをスリーブ中に設けることができる。
この特定の代表的な実施例の更に別の態様によれば、流体チャネルは、スリーブの外面上に配置された溝の形態とすることができる。
この特定の代表的な実施例の更に別の態様によれば、溝は、螺旋状の溝とすることができる。
ここで、添付の図面に示す代表的な実施例を参照して、本発明をより詳細に説明する。本発明は、代表的な実施例を参照して以下に説明するが、それらに限定されないことを理解されたい。この教示に接する当業者は、ここに説明した本発明の範囲内において追加の実装、変更及び実施例並びに他の利用が可能であり、非常に有用であることに気付くだろう。
本発明の完全な理解を可能にするために、ここで添付の図面を参照する。これらの図は、縮尺通りに描かれている必要はない。更に、これらの図は、本発明を限定するものとして解釈されず、説明のみを意図していることに注意されたい。
上記課題を解決するために、基板を処理する間の粒子汚染を低減するプラテンの幾つかの実施例及びその方法を紹介する。明確さ及び簡潔さのために、本発明は、イオン注入システムに実装されるプラテン及びその構成要素に注目する。しかしながら、当業者は、本発明を他のシステム及びその構成要素に等しく適用可能であることに気付くだろう。例えば、本発明は、エッチングシステム、堆積システム、アニーリングシステム又は別の光学ベースの処理システムにおける別のタイプの基板支持部及びその構成要素に適用可能である。また、本開示は、「基板」という用語でなされている。当業者は、基板は金属、半導体、絶縁体又はそれらの組み合わせからなることができることに気付くだろう。
図3aを参照すると、本発明の一実施例による、基板上の粒子汚染を低減するプラテンの断面図が示されている。本発明におけるプラテンは、様々な処理の間に基板302を支持するプラテン300とすることができる。プラテン300は、例えば、アルミニウム(“Al”)のような導電性材料から作ることができる。しかしながら、プラテン300は、別の導電性材料から作ることができることも意図している。絶縁体から作られたプラテン300は、好ましくはないが排除されない。
図3aに説明するように、プラテン300は、プラテン本体301と、基板302を電気的に接地する1つ以上の接地回路330とを具えることができる。プラテン本体301は、1つ以上の流体領域310を規定する第1の凹部を備える。流体領域310は、基板302を所望の温度に維持する流体を含むことができる。例えば、基板302を低温に維持することが好ましい場合には、基板が処理されている間に、冷却流体を流体領域310に導入して基板302を冷却することができる。一方、基板302を高温に維持することが好ましい場合には、加熱流体を流体領域310に導入して基板302を加熱することができる。
図3bを参照すると、接地回路330に隣接するプラテン本体301のより詳細な図が示されている。流体領域310を規定する第1の凹部に加えて、プラテン本体301は、第1のキャビティ312と、流体領域310及び第1のキャビティ312に結合する第1及び第2のビア314及び316とを具えることもできる。一方、接地回路330は、接地電極334と接地ピン332とを具え、該接地ピン332は、ピン本体332aとスリーブ332bとを有する。この図に示すように、接地電極334及びスリーブ332bは、第1のキャビティ312中に配置されている。一方、ピン本体332aは、第1のキャビティ312から第1のビア314を介して流体領域310まで延在することができる。
本発明において、ピン本体332aは、基板302の裏面に全体的に堆積される誘電フィルム302aを貫通して基板302に接触する鋭い端部を有するのが好ましい。電気接点を設けるために、本発明のピン本体332aは、1つ以上の導電性材料、例えば炭化タングステン(“WC”)を用いて形成することができる。一方、スリーブ332bは、電気的に絶縁性にして良い。スリーブ332bは、例えば、ゴム、ポリマー及び誘電セラミック又はそれらの組み合わせを含む、1つ以上の絶縁又は誘電材料からなるものとすることが好ましい。スリーブ336は絶縁性とするのが好ましいが、導電可能なスリーブ336も本発明において意図されている。
図3bに示すように、スリーブ332bは、ピン本体332a上に位置することができる。また、スリーブ332bは、第1のビア314の開口付近のプラテン本体301に接触することができる。スリーブ332bは、ピン本体332aを支持するための形状及び寸法を有し、ピン本体332aが流体領域310中に過剰に突き出るのを防止することができる。例えば、スリーブ332bの断面寸法(つまり、中心と外周との間の距離)は、第1のビア314の断面寸法よりも大きくすることができる。流体領域中への過剰な突き出しは、基板302を破壊する可能性がある。
基板302を接地するために、接地電極334は接地ピン332に結合されている。接地電極334は、接地ピン332が垂直方向に移動可能にすることが好ましい。導電性及び垂直移動を達成するために、接地電極334は、踏み切り板構成にするのが好ましい。接地電極334の一端は支持され、接地ピン332に接触する接地電極334の他端は支持無しとすることができる。しかし、支持は、接地ピン332に接触する端部に設けることができる。また、接地電極334は、1つ以上の柔軟な導電性材料からなるものとしてよい。例えば、接地電極340は、例えば銅(“Cu”)の様な材料から作ることができる。当業者は、他の構成及び材料を有する接地電極も可能であることに気付くだろう。例えば、接地電極334は、螺旋状のコイル構成及び/又はBe−Cu合金のような合金、好ましければ複合材料から形成することができることは本発明の範囲内にある。接地電極334は、応力により引き起こされた変形後にもとの形状を回復可能な形状記憶合金から作ることもできる。
動作において、基板302は、プラテン300上にロードされ、クランプされて処理される。プラテン300は、静電クランププラテン300とすることができ、1つ以上のクランプ電極(図示せず)が起動されて基板302をプラテン300にクランプすることができる。代わりに、プラテン300は、機械的クランププラテンとすることができ、基板302は、プラテン300に機械的にクランプすることができる。次に、接地ピン332は基板302に押し当てられ、誘電フィルム302aを貫通して、基板302に密着する。
基板302を所望の温度に維持するために、流体を流体領域310に導入することができる。上述のように、流体は、冷却又は加熱するために導入することができる。また、流体は、流体領域310において所望の圧力レベル又は所望の圧力範囲Pcの範囲内に維持される。基板302が処理された後、基板302はプラテン300から取り外され、プラテン300から除去される。
基板302がプラテン300上にマウントされている間、互いに直接接触するプラテン300及び基板302の一部としてデブリスが生成される可能性がある。例えば、基板302及び誘電フィルム302aからのデブリスは、基板302及び誘電フィルム302aがピン本体332aの鋭い端部に密着するとき生成され得る。生成されたデブリスは、プラテン本体301、ピン本体332a、スリーブ332b、第1のキャビティ312及び第1のビア314の表面上に定着し、蓄積する可能性がある。本発明者らは、このデブリスは、エンドステーションの別の位置又は基板302の正面側に輸送されることを発見した。この問題は、例えば、流体領域310と第1のキャビティ312との間の1以上の突発的な流体流により悪化する。1以上の突発的な流体流は、様々な表面上に定着されるデブリスを乱し、運動量を与えてデブリスを基板302の正面側近傍に輸送し得る。
本発明者らは、突発的な流体流は、流体領域310と第1のキャビティ312との間の圧力差に起因することを発見した。動作中、流体領域310は、所望の圧力レベルPcに維持することができるのに対し、第1のキャビティ312は、圧力レベルPcとは異なる別の圧力レベルP1にて維持される。本発明者らは、ピン本体332aが基板302又は誘電フィルム302aに接触している時に接地ピン332に引き起こされる垂直移動により、スリーブ332bがプラテン本体301から断続的に離れることを発見した。そのプロセスにおいて、通常、スリーブ332bにより遮られる第1のビア314が遮られない。圧力レベルPcとP1との差により、突発的な流体流が流体領域310と第1のキャビティ312との間で流れる。
本実施例において、プラテン本体301は、第1の流体領域310及び第1のキャビティ312と連通する第2のビア316を具えることができる。第2のビア316は、流体を流体領域310及び第1のキャビティ312の間で流しうる流体チャネルを与えることができる。そのプロセスにおいて、流体領域310と第1のキャビティ312との間の圧力平衡を達成し維持することができる。例えば、より高い圧力レベルにある流体領域310及び第1のキャビティ312の一方からの流体は、第2のビア316を介して領域310及び312の他方に流れることができる。このプロセスにおいて、流体領域310及び第1のキャビティ312の圧力レベルは完全に又はほぼ等しくすることができ、2つの領域間の圧力差を最小化することができる。スリーブ332bがプラテン本体301から離れ、その結果、第1のビア314が開いても、流体領域310と第1のキャビティ312との間の突然の流体流を回避することができる。様々な表面に定着するデブリスは、乱されず、基板302の近傍に輸送されなくなる。当業者は、本発明は、別の領域と断続的に連通し、その領域との間で突発的な流体流が流れるプラテンの他の領域において、圧力平衡を達成するのに等しく適用可能であることに気付くだろう。
図4を参照すると、本発明の別の実施例による、基板上の粒子汚染を低減するプラテン400の断面図が示されている。本実施例のプラテン400は、図3に示されたプラテン300に類似している。明確さ及び簡潔さのために、類似の機能の詳細な説明は与えられない。また、類似の部分を参照するのに同一の符号が使用されている。
本実施例において、プラテン400は、以前の実施例のプラテン本体301に含まれる第2のビア316を随意的に削除することができる。本実施例のプラテン本体401は、流体領域310と第1のキャビティ312との間の圧力差を最小化するために、第1のキャビティ312中に位置する流体ポート418を含むことができる。流体ポート418は、流体源(図示せず)及び/又は真空ポンプ(図示せず)に結合することができる。更に、第1のキャビティ312と流体領域310との間の圧力差を測定することが可能な圧力モニタ(図示せず)を設けることができる。流体領域310及び第1のキャビティ312における圧力レベルが異なる場合、第1のキャビティ312に流体が供給又は排出されて領域310と312との圧力差を最小化することができる。
図5を参照すると、本発明の別の実施例による、基板上の粒子汚染を低減するプラテン500の断面図が示されている。本実施例のプラテン500は、図3及び4におけるプラテン300及び400に類似している。本実施例において、プラテン500は、以前の実施例に記載された第2のキャビティ316及び/又は流体ポート318を随意的に削除することができる。明確さ及び簡潔さのために、類似の機能の詳細な説明は与えられない。また、類似の部分を参照するのに同一の符号が使用されている。
本実施例において、プラテン500は接地回路530を具えることができる。接地回路530は接地電極534と接地ピン532とを具え、接地ピン532はピン本体532aとスリーブ532bとを有する。ピン本体532a及び接地電極534は、以前の実施例に記載されたものと類似することができる。明確さのために、類似の機能の説明は含まれない。
本実施例において、スリーブ532bは、多孔質スリーブ532bとすることができる。本実施例のスリーブ532bにおける気孔は、流体領域310と第1のキャビティ312とを結合する複数の流体チャネルを有することができる。多孔質スリーブ532bにおける流体チャネルは、流体領域310における流体が第1のキャビティ312に流れる、又はその逆を可能にする。当業者は、スリーブ532bは多孔質ではあるが、その構造はピン本体532aを適切に支持するように維持することができることに気付くだろう。
接地ピン532に多孔質スリーブ532bを設けることにより、流体領域310と第1のキャビティ312との間の圧力平衡を達成することができる。また、デブリスを乱してばらまく可能性がある流体領域310と第1のキャビティ312との間の突発的な流体流を最小化又は回避することができる。本実施例の接地ピン532を利用するプラテン500は、追加の利点を提供し得る。例えば、スリーブ532bにおける流体チャネルは、頻繁な使用により詰まった場合、接地ピン532は、別の接地ピン532と交換できる。プラテン500全体を交換又は修復する必要をなくすことができる。従って、プラテン500の維持がずっと容易になりコストも低減する。
当業者は、本発明の接地ピンは様々な構成を取ることができることを理解するだろう。とりわけ、接地ピン532のスリーブの形状、寸法、及び材料は、ピン本体を適切に支持し、その構造を維持するように選択することができる。例えば、スリーブは第1のビア314の断面寸法よりも大きな断面寸法を有する部分を有することができる。そのプロセスにおいて、スリーブは、ピン本体が流体領域310中に過剰に突き出る又は基板302に過剰に衝突することを防ぐことができる。
また、接地ピンは、別の構成要素(例えば第1のビア)を介して直接又は間接的に流体領域310及び第1のキャビティ312と連通する流体チャネルを具えることができる。流体チャネルは、溝又はビアの形態とすることができる。溝又はビアの形態の流体チャネルは、接地ピンのピン本体又はスリーブ上に配置できる。例えば、溝又はビアの形態の流体チャネルは、スリーブの外表面付近に、スリーブ内に、スリーブの内表面付近に、ピン本体の外側端付近に、及び/又はピン本体内に配置することができる。接地ピンの流体チャネルは、接地ピンがプラテン本体上に配置された時に、流体領域310と第1のキャビティ312との間の圧力平衡を与えて圧力差を最小化することができる。ここから、図3、4及び5に示したプラテンに組み込むことができる幾つかの代表的な接地ピンを示す。
図6A−6Dを参照すると、本発明のプラテンに組み込むことができる幾つかの代表的な接地ピンが示されている。図6Aに示すように、接地ピン632は、ピン本体632aと、スリーブ632bと、流体チャネル632cとを具えることができる。本実施例において、流体チャネル632cは溝632cの形態にあり、スリーブ632bの外表面付近に配置することができる。しかし、当業者は、流体チャネル632cはビアの形態とすることもできることに気付くだろう。また、当業者は、流体チャネルは溝又はビアの形態で、スリーブ632b内に、スリーブ632の内表面上に、ピン本体632aの外表面上に、又はピン本体632a内に配置することもできることにも気付くだろう。更に、当業者は、流体チャネル632cはスリーブ632bの上面(つまり、ピン本体632aの尖っている先端付近の表面)からスリーブ632bの底面(つまり、ピン本体632aの底面付近の表面及び接地電極)まで必ずしも延在している必要はないことに気付くだろう。接地ピンが、流体領域310及び第1のキャビティ312と連通し得る流体チャネルを含む場合、接地ピン632は本発明の範囲内にある。例えば、スリーブ632bの一部は、プラテン本体上に配置されている時、第1のビア314の上方に流体領域310まで延在させることができる。このような接地ピン632において、流体チャネル632cの一端はスリーブ632bの上面よりも下にすることができる。
本実施例においては、流体チャネル632cは、丸い凹んだ表面を有することができる。別の実施例においては、スリーブ632bは、スリーブ632bの中心から離れて、外側に出っ張った1つ以上の突起部を有することができる(図示せず)。この実施例において、1つ以上の流体チャネルは、突起部に隣接することができる。更に別の実施例において、流体チャネル632cは、複数の平坦な表面を有することができる。
流体領域310及び第1のキャビティ312と連通する流体チャネルを設けることにより、流体領域310及び第1のキャビティ312は互いに連通することができる。流体は、流体チャネル632cを介して流れることができ、プラテンの流体領域310と第1のキャビティ312との間の圧力平衡が達成できる。流体領域310と第1のキャビティ312との間の突発的な流体流を回避することができる。
図6B及び6Cを参照すると、本発明の別の実施例による2つの別の代表的な接地ピン635及び637が示されている。図6B及び6Cにおける接地ピンの各々は、図6Aを用いて以前に説明した接地ピンに類似している。また、接地ピン635及び637は互いに類似している。各接地ピン635及び637は、ピン本体635aと、スリーブ635b及び637bと、流体チャネル635cとをそれぞれ具える。
しかし、接地ピン635及び637の各々は、異なる数の流体チャネル35c及び637cを有する。例えば、図6Bに示された接地ピン635は3つの流体チャネル635cを有し、図6Cに示された接地ピン637は8つの流体チャネル637cを具える。流体チャネル635c及び637cの各々は、流体が流体領域310と第1のキャビティとの間を流れ、流体領域310及び第1のキャビティ312との間の圧力平衡を達成可能にする。当業者は、本発明において流体チャネル数は限定されないことに気付くだろう。本発明の接地ピンは、任意の数の流体チャネルを有するスリーブを具えることができる。
図6Dを参照すると、本発明の別の実施例による別の代表的な接地ピン639が示されている。図6Dに示された接地ピンは、図6A〜6Cを用いて以前に説明された接地ピンに類似している。例えば、接地ピン639は、ピン本体639aと、スリーブ639bと、少なくとも1つの流体チャネル639cとを具える。しかし、流体チャネル639cは平坦な表面を有する。本実施例において、スリーブは、第1のビア314の断面寸法よりも大きな断面寸法を有する部分を具えることができる。
本実施例の接地ピン630によれば、スリーブがプラテン本体に接触する時でも、流体領域310と第1のキャビティ312との間の圧力平衡を達成できる(図5参照)。また、デブリスを乱してばらまく可能性がある、流体領域310と第1のキャビティ312との間の突発的な流体流を回避することができる。
図7A及び7Bを参照すると、本発明の別の実施例による別の代表的な接地ピン732が示されている。以前の実施例の接地ピンに類似して、本実施例の接地ピン732も、図3、4及び5に示されたプラテンに組み込むこともできる。
本実施例において、接地ピン732は、ピン本体732aとスリーブ732bと、流体チャネル732cとを具える。本実施例において、流体チャネル732cは、らせん形状を有することができる。図7A及び7Bは、複数巻のらせん状流体チャネル732cを示しているが、当業者は、らせん状流体チャネル732cは1つ又は1つ未満の巻き線を有することができることに気付くだろう。流体チャネル732cは、流体領域310及び第1のキャビティ312と連通する開口を有することが好ましい。そのプロセスにおいて、スリーブがプラテンに接触する時にも、圧力平衡を達成できる(図5参照)。また、デブリスを乱してばらまく可能性がある、流体領域310と第1のキャビティ312との間の突発的な流体流を回避できる。
図8を参照すると、本発明の別の実施例による別の代表的な接地ピン832が示されている。他の実施例の接地ピンに類似して、本実施例の接地ピン832は、図3、4及び5に示されたプラテンに組み込むこともできる。接地ピン832は、ピン本体832aと、スリーブ832bと、流体チャネル832cとを具える。スリーブ832bは、以前の実施例において説明されたものと類似することができる。本実施例において、流体チャネル832cは、ピン本体832a中に設けることができる。流体チャネル832cを介して、流体は、流体領域310と第1のキャビティ312との間で流れることができ、流体領域310及び第1のキャビティ312との間の圧力平衡を達成できる。また、スリーブ732bとプラテンとの断続的な分離に起因する流体領域310と第1のキャビティ312との間の突発的な流体流(汚染物質を基板に分配しうる)を回避することができる。
処理中の基板上の粒子汚染を低減するプラテン及びその方法の幾つかの実施例が開示された。当業者は、本発明は、ここで説明した特定の実施例により範囲が限定されないことに気付くだろう。実際、当業者には、ここに説明されたものに加えて、上述の説明及び添付の図面から、本発明の様々な別の実施例及び本発明への様々な変更が可能であることが明らであろう。例えば、本発明は、イオン注入以外のプロセスを実行するシステムにおいて、別タイプの基板支持及びその構成要素に等しく適用することができる。特に、本発明は、エッチング処理、堆積処理、アニーリング処理、又は他の光学処理を実行するシステムに適用することも可能である。また、本発明は、複数の領域を有し、領域の1つが別の異なる領域からの突発的な流体流を経験する基板支持に等しく適用することができる。従って、このような別の実施例及び変更は本発明の範囲内にある。更に、本発明は、特定の環境において特定の目的のために特定の実装に関連してここで説明されたが、当業者は、本発明の有用性はそれらに限定されず、本発明は、いくつもの環境においていくつもの目的のために有益に実装できることに気付くだろう。従って、以下に説明する請求項は、ここで説明された本発明の全範囲及び精神を考慮して解釈されるべきである。
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