JP2011522498A - 高い集積度を有する高バルク音響共振器タイプの共振器 - Google Patents

高い集積度を有する高バルク音響共振器タイプの共振器 Download PDF

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Abstract

本発明は、所定の動作周波数において動作するための高バルク音響共振器タイプの共振器に関し、この共振器は、圧電変換器(6)と、音響基板(10)と、圧電変換器(6)の第1の面及び音響基板(10)の1つの面に接着する金属層によって形成された対向電極(8)と、圧電変換器(6)の第1の面及び音響基板(10)から離れる方に面する、圧電変換器(6)の第2の面上に配置された電極(4)とを備えている。この共振器は、圧電変換器(6)の剪断モードの偏波方向PAと、第2の切断角θ2に対応する音響基板(10)の少なくとも1つの剪断モードの偏波方向PB1とが整列するように、圧電変換器(6)及び音響基板(10)が相対的に配列されることと、音響基板(10)の第2の切断角θ2は、対応する一次の周波数温度係数CTFB1が20ppm.K-1未満の絶対値を有する極値であり、かつ、θ2の値を中心にしたCTFB1の変動が、2ppm.K-1/度未満の絶対値を有するわずかな変動であるような角度であることとを特徴とする。

Description

本発明は、温度安定性があると共に高い集積度を有する高バルク音響共振器(HBAR)タイプの共振器と、対応する製造方法と、少なくとも1つのそのような共振器を含む発振器及びフィルターとに関する。
電気発振器の温度安定性のために、さらには、特に宇宙活動の分野において、2GHz〜20GHzの周波数範囲内の受動部品を基盤とする多くの信号処理の用途(高選択性フィルタリング、狭帯域検出、符号化等)のために、金属壁によって画定された真空電磁空洞を基盤とする機械共振器、すなわち、金属を機械加工することによって製造される共振器が一般的に用いられている。
これらの装置は、たとえば、その品質又は結合係数を最大にしようと試みながら、その個々の用途に合わせて最適化される。
機械共振器を調整して、強い電気的結合と、高い品質係数と、熱安定性との間の良好な歩み寄りを図るには、依然として細心の注意を要するが、そのような装置の主な短所は、その質量及び嵩が大きいことにある。
2GHz〜20GHzの周波数範囲において帯域フィルタリングのために用いられる受動部品を集積する上で、マイクロストリップは1つの重要なステップを構成するが、熱ドリフト及び共振品質の低下を克服するという代償がある。それらの部品は、誘電体基板上にリソグラフィによって金属導電路を形成することによって形成され、それにより、寸法を著しく小さくできるようにする。周波数が高くなるほど小さくなる傾向があるにもかかわらず、これらの物体は、依然として数センチメートルの寸法を有する。2GHz〜20GHzの周波数範囲の場合でも、それらの物体は依然として1センチメートルよりも大きい。
本発明の技術的な課題は、2GHz〜20GHzの周波数範囲を有し、高い温度安定性を有する高周波数電気共振器の質量及び体積に関して集積度を改善することである。
この目的のために、本発明は、所定の動作周波数において動作するための高バルク音響共振器タイプの共振器に関し、この共振器は、第1の材料から成る第1の厚みを有する層によって形成された圧電変換器であって、前記第1の材料単体内の剪断波の電気音響的結合が5%よりも大きくなるように、0に等しいIEEE Std−174(1949年版)標準規格の用語(YXw)/φによって定義される角度φに沿って向けられ、IEEE Std−176(1949年版)標準規格の用語(YX1)/θによって定義される第1の切断角θ1に沿って切断され、前記第1の切断角θ1の関数としての周波数温度係数CTFAを有する圧電変換器と、第2の材料から成る第2の厚みを有する第2の層によって形成された音響基板であって、少なくとも5.1012に等しい動作周波数音響品質係数積を有し、0に等しいIEEE Std−176(1949年版)標準規格の用語(YXw)/φによって定義される角度φに沿って向けられ、IEEE Std−176(1949年版)標準規格の用語(YX1)/θによって定義される第2の切断角θ2に沿って切断され、第1の剪断振動モードに対応する少なくとも1つの偏波方向PB1を有し、前記少なくとも1つの剪断モードに対応すると共に前記第2の切断角θ2に依存する一次の周波数温度係数CTFB1を有する音響基板と、前記圧電変換器の第1の面及び前記音響基板の1つの面に接着する金属層によって形成された対向電極と、前記圧電変換器の前記第1の面及び前記音響基板から離れる方に面する、前記圧電変換器の第2の面上に配置された電極とを備え、前記圧電変換器の前記剪断モードの偏波方向PAと、前記第2の切断角θ2に対応する前記音響基板の前記少なくとも1つの剪断モードの前記偏波方向PB1とが整列するように、前記圧電変換器及び前記音響基板が相対的に配列されることと、前記音響基板の前記第2の切断角θ2は、前記対応する一次の周波数温度係数CTFB1が20ppm.K-1未満の絶対値を有する極値であり、かつ、θ2の値を中心にしたCTFB1の変動が、2ppm.K-1/度未満の絶対値を有するわずかな変動であるような角度であることとを特徴とする。
特定の実施形態によれば、このHBARタイプの共振器は、
−前記共振器の前記一次の周波数温度係数CTF1は、前記第1の厚みを前記第2の厚みで割った比Reが5%未満であるときに、前記圧電変換器単体の共振の基本波又は奇数次高調波に対応しないHBARタイプの共振器モードの場合の前記一次の周波数温度係数CTFB1に概ね等しいことと、
−前記共振器の前記一次の周波数温度係数CTF1の値は、前記第1の厚みを前記第2の厚みで割った比Reが5%未満であるときに、前記圧電変換器単体の共振の基本波又は奇数次高調波に対応しないHBARタイプの共振器モードのために付加的な補正項によって補正された前記一次の周波数温度係数CTFB1に等しく、前記補正項はα.nで表され、nは前記共振器の前記共振モードの高調波次数を指示する自然数であり、αは前記厚みの比Reに依存する係数であり、Reの関数としてその絶対値が減少することと、
−前記圧電変換器の前記第1の材料は、窒化アンモニウム(AlN)、酸化亜鉛(ZnO)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、ニオブ酸カリウムから構成された材料群に含まれることと、
−前記圧電変換器の前記第1の材料は、好ましくはニオブ酸リチウム(LiNbO3)及びタンタル酸リチウム(LiTaO3)から構成された材料群に含まれることと、
−前記音響基板の前記第2の材料は、石英、ニオブ酸カリウム、オルトリン酸ガリウム(GaPO4)、四ホウ酸リチウム(LiB47)、ランガサイト(La3Ga5SiO14)、ランガテイト、ランガサイトから構成された材料群に含まれることと、
−前記音響基板(10)の前記第2の材料は石英であることと、
−前記対向電極は熱圧縮性金属であることと、
−前記対向電極は、金、又は銅、又はインジウムから形成されることと、
−前記共振器の幾何学的寸法は、50MHz〜20GHzの周波数範囲に含まれる周波数帯の共振周波数に合わせられることと、
−前記音響基板の前記第2の材料は石英であり、前記音響基板の前記第2の切断角θ2は−32度に等しく、前記偏波方向PB1は、−32度に等しいθ2の値の場合に前記石英の前記低速剪断モードに対応することと、
−前記圧電変換器の前記第1の材料はニオブ酸カリウムであり、前記係数αは、前記厚みの比が5%、2%、1%、0.5%に等しい場合にそれぞれ、−3.10-7、−1,5.10-7、−3,75.10-8、−1,875.10-8であることと
のうちの1つまたはいくつかの特徴を含む。
また、本発明は、高バルク音響共振器タイプの共振器を製造する方法に関し、この方法は、第1の材料から成る第1の厚みの層から構成された圧電変換器を準備するステップであって、前記第1の材料単体内の剪断波の電気音響的結合が5%よりも大きくなるように、0に等しいIEEE Std−176(1949年版)標準規格の用語(YXw)/φによって定義される角度φに沿って向けられ、IEEE Std−176(1949年版)標準規格の用語(YX1)/θによって定義される第1の切断角θ1に沿って切断され、前記圧電変換器は、前記第1の切断角θ1の関数としての周波数温度係数CTFAを有するステップと、第2の材料から成る第2の厚みを有する第1の層によって形成された音響基板を準備するステップであって、少なくとも5.1012に等しい動作周波数音響品質係数積を有し、0に等しいIEEE Std−176(1949年版)標準規格の用語(YXw)/φによって定義される角度φに沿って向けられ、IEEE Std−176(1949年版)標準規格の用語(YX1)/θによって定義される第2の切断角θ2に沿って切断され、第1の剪断振動モードに対応する偏波方向PB1を有し、前記音響基板は、前記少なくとも1つの剪断モードに対応すると共に前記第2の切断角θ2に依存する一次の周波数温度係数CTFB1を有するステップと、熱圧縮性金属を用いて、前記音響基板の1つの面及び前記圧電変換器の第1の面を金属化するステップと、前記圧電変換器及び前記音響基板を組み立てるステップと、圧縮によって、前記金属化するステップにおいて金属化された前記音響基板及び前記圧電変換器のそれぞれの面を接着するステップと、前記圧電変換器の第2の面上において電極を金属化するステップとを含み、前記組み立てるステップ中に、前記圧電変換器の前記剪断モードの偏波方向PA及び前記第2の切断角θ2に対応する前記音響基板の前記少なくとも1つの剪断モードの前記偏波方向PB1が整列するように、前記圧電変換器が前記音響基板に対して配置されることと、前記準備するステップにおいて、前記音響基板を準備するために、前記対応する一次の周波数温度係数CTFB1が20ppm.K-1未満の絶対値を有する極値であり、かつθ2の値からのCTFB1の変動が2ppm.K-1/度未満の絶対値を有するわずかな変動であるように、前記音響基板の前記第2の切断角θ2が選択されることとを特徴とする。
また、本発明は、上記の高バルク音響共振器タイプの共振器を備えるホモダイン発振器に関する。
また、本発明は、上記の高バルク音響共振器タイプの共振器に基づくセルを備える高除去フィルターに関する。
本発明は、単に一例として提供されると共に図面を参照しながら行なわれる一実施形態の以下の説明を読めば、さらに深く理解されるであろう。
本発明による、HBARタイプの共振器の斜視図である。 線II−IIに沿った図2の共振器の横断面図である。 圧電変換器を形成する結晶の第1の切断角θ1を示す図である。 ニオブ酸リチウムの結晶の実体波の位相速度の変化を、第1の切断角θ1の関数として示す図であり、この結晶方位群は、一般的に「シングルローテーションカット」と呼ばれる。 ニオブ酸リチウムの場合のこれらの同じ波の結合係数の変化を、第1の切断角θ1の関数として示す図である。 圧電変換器のプレートに関連付けられる、剪断波の偏波に関する平面図である。 音響基板を形成する結晶の第2の切断角θ2を示す図である。 音響基板のプレートに関連付けられる、音響基板の剪断波の偏波に関する平面図である。 石英の剪断モードの場合の周波数温度係数を、第2の切断角θ2の関数として示す種々のグラフである。 本発明による、図1の共振器の帯域通過における典型的な温度安定性能のグラフである。 図2に示される共振器の製造方法の一実施形態の流れ図である。
図1及び図2は、本発明による、高バルク音響共振器タイプの共振器2の一実施形態を示している。
共振器2は、
−厚みe1を有するアルミニウムから形成された上側電極4と、
−第1の厚みt1を有する単結晶形の第1の材料、ここではニオブ酸リチウム(LiNbO3)から構成された圧電変換器6と、
−厚みe2を有する金から形成された埋込対向電極8と、
−第2の厚みt2を有する単結晶形の第2の材料、ここでは石英から構成された音響基板10と
を含む一連の層から成る堆積体を備えている。
図1の層4、6、8、10は全て同じ長さL及び幅Wを有し、長さLは幅Wよりも明らかに長く、またそれらの層は異なる厚さe1、t1、e2、t2を有している。
図1を簡単にするために、圧電変換器6の表面に等しい表面を有する上側電極4及び埋込対向電極8が示されている。
実際には、上側電極4及び埋込対向電極8は、圧電変換器6の表面よりも小さな表面を有し、上側電極4は、埋込対向電極8の表面以下の表面を有する。
接着層としての役割を果たす埋込層を含む製造方法では、埋込対向電極8は必然的に、リソグラフィ及び金属層堆積法によって製造される上側電極4の表面よりも大きな表面を有する。
上側電極4及び埋込対向電極8の表面は向かい合って、互いに平行に配置されており、それらの縁は可能な限り平行であり、それらの表面に面する個々のゾーンは最大である。理想的には、上側電極4及び埋込対向電極8の表面は完全に重ね合わせられる。
それゆえ、波の励起は、共振器のいわゆる平面−平面構成に対応すると仮定され、その構成の場合、波は、図2の矢印12によって示される圧電変換器6内の剪断波の伝搬方向において、圧電変換器6の両方の表面上に堆積された非常に薄い上側電極4及び埋込対向電極8によって励起される。
圧電変換器6は、ベクトルPAによって示される共振器の長さlに沿って向けられた偏波に従って励起される剪断モードを有している。
音響基板10は、2つの剪断モード、すなわち、第1のモードである低速モードと、第2のモードである高速モードとを有している。
いわゆる高速剪断波及びいわゆる低速剪断波は直交偏波の剪断波と定義され、いわゆる高速波は、いわゆる低速波よりも速い位相速度を有する。
図1において、圧電変換器6の剪断モードに対応する励起の偏波ベクトルPAは、音響基板の低速剪断モードに対応するPB1で指示された偏波ベクトルと整列する。
高速剪断モードの励起に対応する偏波ベクトルは、図1において、PB1に直交するPB2によって示されており、音響基板10の伸長面内に含まれる。
圧電変換器6と音響基板10との間に挿入された埋込対向電極8は、共振器2の構造への接着のためにも用いられる。
圧電変換器6を構成するニオブ酸リチウム(LiNbO3)の層は、ウェーハを形成する単結晶原材料において第1の切断角θ1に沿って切り取られたプレートである。
音響基板10を構成する石英の層は、原料の単結晶石英ウェーハにおいて第2の切断角θ2に沿って切り取られたプレートである。
図3によれば、ニオブ酸リチウムのプレートが、図示されていないが、結晶軸X1、Y1、Z1によって指示されたウェーハの材料から第1の切断角θ1に沿って切り取られる。ただし、結晶軸Z1はウェーハの縦軸であり、結晶軸X1、Y1は、単結晶の製造中に予め決定される。
ここでθ1は、IEEE Std−176(1949年版)標準規格において、結晶軸X1を中心にしたシングルローテーションカットの第1の切断角θ1と定義され、そのカットは、IEEE標準規格において(Y1l1)/θ1で表され、図3の例示によれば、Xl1は、直線の下側縁と整列する軸であり、そのカットの厚みはt1であり、長さはl1である。
切り取られるプレート6に関連する基準系は、3つの軸X’1、Y’1、Z’1によって示されており、軸X’1は結晶軸X1と組み合される。2つの軸Y’1、Z’1は、結晶軸X1を中心にして、結晶軸X1、Y1をそれぞれ回転角θ1だけ回転させることによって得られる。
図4は、圧電変換器6の結晶軸Xl1を中心にしたシングルローテーションカットの場合の縦波及び剪断波の位相速度の変化を示している。
曲線14は、上側電極4及び埋込対向電極8の平面において垂直軸に沿って圧電変換器6内に広がる剪断波の位相速度を、度単位で表される第1の切断角θ1の関数として示している。
曲線16は、長さlの軸に沿って圧電変換器6内に広がる、km/s単位で表された縦波の位相速度を、度単位で表される第1の切断角θ1の関数として表している。
図5は、圧電変換器6の結晶軸X1を中心にしたシングルローテーションカットの場合の縦波及び剪断波の結合を示している。
曲線18は、剪断波の場合に音響エネルギーに変換される電気エネルギーの割合として表された結合係数K2 Tの変化を、度単位で表される第1の切断角θ1の関数として示している。
曲線20は、縦波の場合に音響エネルギーに変換される電気エネルギーの割合として表された結合係数K2 Tの変化を、度単位で表される第1の切断角θ1の関数として示している。
図5は、曲線18及び20が、縦波が圧電気によって実際には結合されず、その結果として電気的に励起されない角度ゾーン22を有することを示している。剪断波の励起は特に有効であり、K2 Tによって示される電気機械的結合が50%〜60%である。
角度ゾーン22は、163度に等しい角度θ1を中心に、10度に等しい広がりを有している。
図1に示される圧電変換器の第1の切断角θ1は、163度に等しい図6の角度ゾーン22において選択される。
ニオブ酸リチウムのシングルローテーションカットの場合、高速剪断波に対応するモードだけが、圧電気による電気機械的結合を有する。図6において与えられる、平面軸X’1、Y’1に沿った圧電変換器6のプレートの平面図について考慮すると、圧電気によって励起される剪断モードは、図6において向こう側から示される、すなわち平面(X’1,Y’1)に対して垂直である、軸Z’1に沿ったスカラー偏波を有するが、その空間依存性は、励起面に基づいて空間座標の関数によって表されることが示される。偏波ベクトルPAは、軸Z’1と同一直線上にある。
図7によれば、石英プレート10は、図には示されないが、石英の結晶軸X2、Y2、Z2によって指示されるウェーハの単結晶原料から、第2の切断角θ2に沿って切り取られる。ただし、結晶軸Z2は、結晶宝石の成長中に現れる光学軸Cである。
ここで、第2の切断角θ2もまた、IEEE Std−176(1949年版)標準規格において、結晶軸X2を中心にしたシングルローテーションカットの第2の切断角θ2と定義され、そのカットは、IEEE Std−176標準規格において(Y2l2)/θ2で表され、図4の例示によれば、Xl2は、直線の下縁に一致する軸であり、そのカットの厚みはt2であり、長さはL2である。
切り取られる石英プレート10に関連する基準系は、3つの軸X’2、Y’2、Z’2によって示されており、軸X’2は、結晶軸X2と組み合わされる。2つの軸Y’2、Z’2は、結晶軸X2を中心にして、結晶軸Y2、Z2をそれぞれ回転角θ2だけ回転させることによって得られる。
図6の圧電変換器6に関して与えられる平面図と同じような、図8において与えられる石英プレート10の軸X’2、Y’2に沿った平面図を考慮すると、第1の波の温度感度が0に近いカットを有する、石英において利用したい剪断モードの偏波を、記号を変更することなく示すことができる。石英の剪断もスカラーであるが、その剪断は軸X’2に沿って確立され、励起面に基づいてプレートに結び付けられる局部座標に依存する。それゆえ、IEEE標準規格表記1949年版(圧電気の規格についてのIEEE規格(IEEE standard on piezoelectricity Std.) 176頁,1949年(176-1949), 通信学会誌(Proc. of the IRE) 37巻、 1378〜1395頁、1949年)に従って(XY1/θ)で表されるシングルローテーションニオブ酸リチウム又はタンタル酸リチウムプレートの場合、選択される剪断波は、互いに直交する偏波を有し、圧電変換器6及び音響基板の結晶軸が適切に整列する場合のみ結合する。音響基板10、ここでは石英において励起したい音響波を結合できるようにするために、これらの偏波を、圧電変換器及び音響基板の材料の組立中に考慮しなければならない。
ここで、偏波PAがPB1によって示される音響基板10内の剪断モードの偏波と同じになることにより、対応する波の位相速度の熱ドリフトを相殺できるように、音響基板10の軸X’2に圧電変換器6の軸Z’1を整列させるか、又は同じく音響基板10の軸Z’2に圧電変換器6の軸X’1を整列させることによって、この音響結合効果が得られる。
図9は、静的な熱作用に対する石英の剪断モードの感度を、度単位で表される第2の切断角θ2の関数として示している。この感度は、ppm.K-1単位(ケルビン当たりの周波数のppm)で表され、図1に類似の平面−平面音響基板10の場合の2つの一次の周波数温度係数CTFB1及びCTFB2の形をとる。
実線の第1の曲線30は、圧電気によって結合されるいわゆる低速剪断波の場合の第1の一次の周波数温度係数CTFB1の変化を、第2の切断角θ2の関数として示しており、ベクトルPB1に対応する偏波は、第2の切断角θ2の値が−90度〜−24度であるときに、軸X’2に沿って向けられ、第2の切断角θ2が−24度〜+90度であるときに、軸Z’2に沿って向けられる。
破線の第2の曲線32は、圧電気によって結合されないいわゆる高速剪断波の場合の第2の一次の周波数温度係数CTFB2の変化を、第2の切断角θ2の関数として示しており、ベクトルPB2に対応する偏波は、第2の切断角θ2の値が−90度〜−24度であるときに、軸Z’2に沿って向けられ、第2の切断角θ2が−24度〜+90度であるときに、軸X’2に沿って向けられる。
いわゆる高速波すなわち高速モード剪断波及びいわゆる低速波すなわち低速モード剪断波は、直交偏波を有する剪断波と定義され、いわゆる高速波は、いわゆる低速波よりも速い位相速度を有する。
石英の場合、−24度に等しい第2の切断角θ2の付近において、低速モード及び高速モードが偏波を交換する。それらのモードは直交したままであるが、−24度〜−90度の第2の切断角θ2を有するカットの場合に、高速剪断モードが低速剪断モードに取って代わる。この現象は図9において見ることができ、2つのモードの係数が、−24度に等しい第2の切断角θ2の付近において突然変化する。
これは、図1の例示が−24度未満の第2の切断角θ2に対応し、ベクトル偏波PB1が結晶軸X2を有する低速剪断に対応するという結果をもたらす。
第2の切断角θ2が−24度よりも大きい場合には、図1の偏波ベクトルPB1及びPB2は交換され、一定の剪断モードにおいて動作することを望む場合には、ベクトルPAを低速剪断偏波ベクトルPB1に整列させるように、圧電変換器のプレート、すなわち、圧電変換器の励起波の偏波ベクトルPAを90度だけ回転させるべきである。
曲線30は、低速剪断波の場合の第1の一次の周波数温度係数CTFB1が0に近くそれにわずかに接近する角度ゾーン34の存在を示している。角度ゾーン34は、−35度を中心に、22度の広がりを有することにより、20ppm.K-1未満の絶対値を有する第1の一次の周波数温度係数CTFB1を保証する。
図1の圧電変換器の第1の切断角θ1は、角度ゾーン22において選択され、音響基板の第2の角度θ2は、角度ゾーン34において選択される。
こうして、HBARタイプの共振器の構造を形成することができ、その構造では、ある用途の動作要件に起因するさらなる電気的特性を満たしながら、共振器が所望の同調周波数において共振するように、圧電変換器の幾何学的寸法が決定される。
さらなる電気的特性は、たとえば、他の共振がない共振モード周囲のスペクトルゾーンと定義される2つの共振モード間のスペクトル分離と、選択された共振モードの電気機械的結合の効率と、共振の特性インピーダンスと、共振時の品質係数と、共振モードの熱安定性とである。
スペクトル分離は、埋込対向電極を含む、圧電変換器及び音響基板によって形成されたアセンブリの基本モードの周波数に対応するので、スペクトル分離は、HBARタイプの共振器の層の堆積体の全厚みを決定できるようにする。
異なる材料によって形成されたHBARタイプの共振器の各層の厚さは、所望の共振又は同調周波数のモードが得られるように調整される。
また、圧電変換器の厚みは、所望の電気機械的結合を考慮に入れて決定される。その結合は、選択されたモードが圧電変換器単体の共振の基本モードに近いときに最大になる。
圧電変換器/音響基板の厚みの比は、目標とする共振の所望の熱安定性及び品質係数の関数として調整され、共振時の品質パラメーターの性能を確実に達成するために、用いられる材料の粘弾性定数、又は、たとえば、誘電率のような物理的特性を表す複素数値を有する他の物理係数を十分に知る必要があることがわかっている。これらの定数の虚数部は多くの場合に、帰納的に又は予測モデルのパラメーターを調整することによって決定される。
共振時のインピーダンスは、選択されたモデルの電気機械的結合及び向かい合う電極表面の値に依存する。所与のインピーダンス、たとえば、50オームの場合、選択されたモードの電気機械的結合が弱いほど、電極の向かい合う表面が大きくなる。
積み重ねた厚みが1mm〜数μmである場合に、典型的な電極表面は、数百μm2〜数mm2である。
音響基板10の高速モードにおける圧電変換器6の電気音響的振動の結合は、埋込対向電極8を通してなされ、埋込対向電極8は、圧電変換器6の帯域通過において音響的な短絡回路としての役割を果たす。
したがって、音響基板10は、自らの共振モードにおいて圧電変換器6の共振モードに従属し、それにより、圧電変換器6の共振モードに大きな温度安定性を与える。圧電変換器6が独立したままであったなら、著しくドリフトしていたであろう。実際には、HBAR圧電変換器の一次の周波数温度係数は高い値を有し、絶対値において、ニオブ酸リチウムの場合、80ppm.K-1よりも大きく、タンタル酸リチウムの場合、40ppm.K-1よりも大きい。
このように、従属される圧電変換器6の共振モードの温度安定性は、5%未満の変換媒体及び音響伝搬媒体の厚みの比Re、たとえば、50μmの石英上の2.5μmのニオブ酸リチウムの比の場合に、第2の切断角θ2を通して選択される周波数温度係数CTFB1の値と、圧電変換器6の剪断モード及び石英10の低速剪断モードにそれぞれ対応する偏波ベクトルPA及びPB1の整列と、変換層単体の共振の基本波又は奇数次高調波に対応しないHBARタイプの共振器の構造のモードとに対応する温度安定性である。
上記の構成では、一次近似において、HBARタイプの共振器の一次の周波数温度係数の最も低い達成可能な値は−2ppm.K-1に等しい。その値は、石英カット(Y2,Xl2)/−32度又は−32度±5度に対応する。計算された達成可能な値の精度は、HBARタイプの共振器の寸法を計算するために用いられる物理定数の不確実性を考えると、±2ppm.K-1に等しい。
より正確には、HBARタイプの共振器の一次の周波数温度係数の最も低い達成可能な近似値は、変換ゾーンの寄与を表すと共に共振モードの次数及び圧電変換器/音響基板の厚みの比に依存する付加的な補正項によって補正されなければならない。この補正項は、α.nで表される。ただし、nは共振モードの次数を示す自然数であり、係数αは、厚みの比Reに依存し、厚みの比Reが5%、2%、1%、0.5%の場合にはそれぞれ、−3.10-7、−1,5.10-7、−3,75.10-8、−1,875.10-8である。最適な結合に対応する共振モード(変換層では半波長)が達成されると、補正項のこの変動則は有効ではない。
図10は、本発明によるHBARタイプの共振器の温度安定性能を表している。
この図は、共振器、ここでは、HBARタイプの一次の周波数温度係数の逆転温度Tinvの概念を示している。逆転温度Tinvは、第1の一次の周波数温度係数が相殺し符号を変更する温度である。
図10は、+163度に等しい第1の切断角θ1及び1μmの厚みを有するニオブ酸リチウムの圧電変換器と、−32度に等しい第2の切断角θ2及び50μmの厚みを有する石英の音響基板とによって形成されたHBARタイプの共振器において、共振モードの4つの高調波次数について、ppm単位で表される相対的な周波数変動の変化を、温度の関数として示している。
その変化は、4つの共振次数に関して概ね同じであり、共振器の一次の周波数温度係数に対応する変化曲線のドリフトは、−50℃に等しい温度Tinvの場合に相殺する。実際には、石英上のニオブ酸リチウムに基づくHBARタイプの共振器の一次の周波数温度係数は、約−50℃の逆転温度の場合に、−2ppm.K−1に等しい。
ここで、共振器の二次の周波数温度係数は−16ppb.K-2に等しく、それは以下の古典的な公式から得られる。
Figure 2011522498
ただし、
invは、逆転温度を表し、
refは、基準温度を表し、ここで図10によれば+50℃に等しく、
CTF1は、共振器の一次の周波数温度係数を表し、
CTF2は、HBARタイプの共振器の二次の周波数温度係数を表す。
得られたHBARタイプの共振器のCTF2の値は、一次の熱作用によって補償されるカットの場合に石英単体において通常測定される16ppb.K-2よりも一般的に大きい二次の作用に比べて低い。
HBARタイプの共振器の公称動作温度は、−50℃〜−273℃の温度範囲内に難なく調整することができる。
図11は、本発明による図1の共振器2を製造するための方法100のフローチャートを示している。
第1のステップ102では、圧電変換器6が準備され、圧電変換器6は、第1の材料から成る第1の厚みの層によって形成され、その層は、剪断波の電気音響的結合が5%よりも大きくなるように、0に等しいIEEE Std−176(1949年版)標準規格の用語(YXw)/φによって定義される角度φに沿って向けられ、かつIEEE Std−176(1949年版)標準規格の用語(YX1)/θによって定義される第1の切断角θ1に沿って切断され、圧電変換器6は、第1の切断角θ1の関数としての周波数温度係数CTFAを有する。
圧電変換器6の材料は、窒化アンモニウム(AlN)、酸化亜鉛(ZnO)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、ニオブ酸カリウムから構成された材料群に含まれる。
かなり厚みのある単結晶を製造するための方法を使いこなすのが容易であることに起因して、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)及びタンタル酸リチウム(LiTaO3)の中から材料が選択されることが好ましい。
ニオブ酸リチウム及びタンタル酸リチウムは、500μm及び350μmの厚みの標準値によれば、10.16cm(4インチ)の直径を有するウェーハによって製造することができる。
第2のステップ104では、音響基板10が準備され、音響基板は、第2の材料から成る第2の厚みの層から構成され、その層は、5.1012に少なくとも等しい動作周波数音響品質係数積を有し、0に等しいIEEE Std−176(1949年版)標準規格の用語(YXw)/φによって定義される角度φに沿って向けられ、IEEE Std−176(1949年版)標準規格の用語(YX1)/θによって定義される第2の切断角θ2に沿って切断され、第1の剪断振動モードに対応する偏波方向PB1を有し、音響基板10は、少なくとも1つの剪断モードに対応し、かつ第2の切断角θ2に依存する一次の周波数温度係数CTFB1を有する。
第2のステップ104では、音響基板10を準備するために、対応する一次の周波数温度係数CTFB1が20ppm.K-1未満の絶対値を有する極値であり、第2の切断角θ2のこの値を中心にしたCTFB1の変動が2ppm.K-1/度未満の絶対値のわずかな変動であるように、音響基板10の第2の切断角θ2が選択される。
音響基板の材料は、石英と、たとえばGeO2タイプ及びTeO2タイプの同形置換体と、オルトリン酸ガリウム(GaPO4)及びその同形構造体と、ニオブ酸カリウムと、四ホウ酸リチウム(Li4BO7)と、ランガサイト(La3Ga5SiO14)と、ランガテイトと、ランガサイトと、それらの種々の変形とから構成された材料群に含まれる。
音響基板の材料は、その優れた温度安定性及び結晶学分野におけるその完全な知識に起因して、石英であることが好ましい。
後続のステップ106では、2つの面を接着して対向電極を形成するために、熱圧縮性材料又は冷間圧縮性材料、たとえば、金、銅又はインジウムによって、圧電変換器6の1つの面及び音響基板10の1つの面が、100nm〜200nmの厚みまで金属化される。
圧電変換器6と音響基板10との間の音響的結合を確実にするだけの十分な可塑性及び機械的強度を考えると、金が、このタイプの接着にとって特に良好な材料である。
組立ステップ108では、圧電変換器6の剪断モードの偏波方向PA及び第2の切断角θ2に対応する音響基板10の少なくとも1つの剪断モードの偏波方向PB1が整列するように、圧電変換器6及び音響基板10が配列される。
後続のステップ110では、用いられる金属に応じて、温度を上げて又は上げることなく圧縮することによって、接着が行なわれる。
金が用いられる場合、向かい合う表面の品質を保持すると共に金属材料の延性を用いて接着を確実にするために、加熱過程を無くし、長期にわたる加圧が実施される。
このようにして、3000ニュートンの圧力をかけながら16時間、30℃の温度を保持するだけで、欠陥を生じることなく、いくつかのニオブ酸リチウム/石英複合材料スライスを製造することができた。
次にステップ112では、共振器のスライスのバーンインが実施され、研磨される。
その後、ステップ114では、音響基板の反対側にある圧電変換器6の面において電極が金属化される。
特に、良好な温度安定性能が得られるようにする第2の切断角θ2の値の範囲が広いために、この方法は実施するのが容易である。
さらに、この方法を用いて得られる共振器は、20GHzまでの周波数において動作することができる。その共振器は軽量であり、しかも嵩張らないので、高い集積度を提供する。
そのような共振器は、たとえば、ホモダイン発振器又は高除去フィルターのセルに集積することができる。
当然、他の応用例を考えることもできる。

Claims (15)

  1. 所定の動作周波数において動作するための高バルク音響共振器タイプの共振器であって、
    第1の材料から成る第1の厚みを有する層によって形成された圧電変換器(6)であって、前記第1の材料単体内の剪断波の電気音響的結合が5%よりも大きくなるように、0に等しいIEEE Std−174(1949年版)標準規格の用語(YXw)/φによって定義される角度φに沿って向けられ、IEEE Std−176(1949年版)標準規格の用語(YX1)/θによって定義される第1の切断角θ1に沿って切断され、前記第1の切断角θ1の関数としての周波数温度係数CTFAを有する圧電変換器と、
    第2の材料から成る第2の厚みを有する第2の層によって形成された音響基板(10)であって、少なくとも5.1012に等しい動作周波数音響品質係数積を有し、0に等しいIEEE Std−176(1949年版)標準規格の用語(YXw)/φによって定義される角度φに沿って向けられ、IEEE Std−176(1949年版)標準規格の用語(YX1)/θによって定義される第2の切断角θ2に沿って切断され、第1の剪断振動モードに対応する少なくとも1つの偏波方向PB1を有し、前記少なくとも1つの剪断モードに対応すると共に前記第2の切断角θ2に依存する一次の周波数温度係数CTFB1を有する音響基板と、
    前記圧電変換器(6)の第1の面及び前記音響基板(10)の1つの面に接着する金属層によって形成された対向電極(8)と、
    前記圧電変換器(6)の前記第1の面及び前記音響基板(10)から離れる方に面する、前記圧電変換器(6)の第2の面上に配置された電極(4)と
    を備え、
    前記圧電変換器(6)の前記剪断モードの偏波方向PAと、前記第2の切断角θ2に対応する前記音響基板(10)の前記少なくとも1つの剪断モードの前記偏波方向PB1とが整列するように、前記圧電変換器(6)及び前記音響基板(10)が相対的に配列されることと、
    前記音響基板(10)の前記第2の切断角θ2は、前記対応する一次の周波数温度係数CTFB1が20ppm.K-1未満の絶対値を有する極値であり、かつ、θ2の値を中心にしたCTFB1の変動が、2ppm.K-1/度未満の絶対値を有するわずかな変動であるような角度であることと
    を特徴とする高バルク音響共振器タイプの共振器。
  2. 前記共振器の前記一次の周波数温度係数CTF1は、前記第1の厚みを前記第2の厚みで割った比Reが5%未満であるときに、前記圧電変換器単体の共振の基本波又は奇数次高調波に対応しないHBARタイプの共振器モードの場合の前記一次の周波数温度係数CTFB1に概ね等しいことを特徴とする、請求項1に記載の高バルク音響共振器タイプの共振器。
  3. 前記共振器の前記一次の周波数温度係数CTF1の値は、前記第1の厚みを前記第2の厚みで割った比Reが5%未満であるときに、前記圧電変換器単体の共振の基本波又は奇数次高調波に対応しないHBARタイプの共振器モードのために付加的な補正項によって補正された前記一次の周波数温度係数CTFB1に等しく、前記補正項はα.nで表され、nは前記共振器の前記共振モードの高調波次数を指示する自然数であり、αは前記厚みの比Reに依存する係数であり、Reの関数としてその絶対値が減少することを特徴とする、請求項1又は2に記載の高バルク音響共振器タイプの共振器。
  4. 前記圧電変換器の前記第1の材料は、窒化アンモニウム(AlN)、酸化亜鉛(ZnO)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、ニオブ酸カリウムから構成された材料群に含まれることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の高バルク音響共振器タイプの共振器。
  5. 前記圧電変換器の前記第1の材料は、好ましくはニオブ酸リチウム(LiNbO3)及びタンタル酸リチウム(LiTaO3)から構成された材料群に含まれることを特徴とする、請求項4に記載の高バルク音響共振器タイプの共振器。
  6. 前記音響基板の前記第2の材料は、石英、ニオブ酸カリウム、オルトリン酸ガリウム(GaPO4)、四ホウ酸リチウム(LiB47)、ランガサイト(La3Ga5SiO14)、ランガテイト、ランガサイトから構成された材料群に含まれることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の高バルク音響共振器タイプの共振器。
  7. 前記音響基板(10)の前記第2の材料は石英であることを特徴とする、請求項6に記載の高バルク音響共振器タイプの共振器。
  8. 前記対向電極は熱圧縮性金属であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の高バルク音響共振器タイプの共振器。
  9. 前記対向電極は、金、又は銅、又はインジウムから形成される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の高バルク音響共振器タイプの共振器。
  10. 前記共振器の幾何学的寸法は、50MHz〜20GHzの周波数範囲に含まれる周波数帯の共振周波数に合わせられることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の高バルク音響共振器タイプの共振器。
  11. 前記音響基板の前記第2の材料は石英であり、
    前記音響基板(10)の前記第2の切断角θ2は−32度に等しく、
    前記偏波方向PB1は、−32度に等しいθ2の値の場合に前記石英の前記低速剪断モードに対応することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の高バルク音響共振器タイプの共振器。
  12. 前記圧電変換器の前記第1の材料はニオブ酸カリウムであり、
    前記係数αは、前記厚みの比が5%、2%、1%、0.5%に等しい場合にそれぞれ、−3.10-7、−1,5.10-7、−3,75.10-8、−1,875.10-8であることを特徴とする、請求項3または11に記載の高バルク音響共振器タイプの共振器。
  13. 高バルク音響共振器タイプの共振器を製造する方法であって、
    第1の材料から成る第1の厚みの層から構成された圧電変換器(6)を準備するステップ(102)であって、前記第1の材料単体内の剪断波の電気音響的結合が5%よりも大きくなるように、0に等しいIEEE Std−176(1949年版)標準規格の用語(YXw)/φによって定義される角度φに沿って向けられ、IEEE Std−176(1949年版)標準規格の用語(YX1)/θによって定義される第1の切断角θ1に沿って切断され、前記圧電変換器(6)は、前記第1の切断角θ1の関数としての周波数温度係数CTFAを有するステップと、
    第2の材料から成る第2の厚みを有する第1の層によって形成された音響基板を準備するステップ(104)であって、少なくとも5.1012に等しい動作周波数音響品質係数積を有し、0に等しいIEEE Std−176(1949年版)標準規格の用語(YXw)/φによって定義される角度φに沿って向けられ、IEEE Std−176(1949年版)標準規格の用語(YX1)/θによって定義される第2の切断角θ2に沿って切断され、第1の剪断振動モードに対応する偏波方向PB1を有し、前記音響基板(10)は、前記少なくとも1つの剪断モードに対応すると共に前記第2の切断角θ2に依存する一次の周波数温度係数CTFB1を有するステップと、
    熱圧縮性金属を用いて、前記音響基板(10)の1つの面及び前記圧電変換器(6)の第1の面を金属化するステップ(106)と、
    前記圧電変換器(6)及び前記音響基板(10)を組み立てるステップ(108)と、
    圧縮(110)によって、前記金属化するステップ(106)において金属化された前記音響基板(10)及び前記圧電変換器(6)のそれぞれの面を接着するステップと、
    前記圧電変換器(6)の第2の面上において電極(4)を金属化するステップ(114)と
    を含み、
    前記組み立てるステップ(108)中に、前記圧電変換器(6)の前記剪断モードの偏波方向PA及び前記第2の切断角θ2に対応する前記音響基板(10)の前記少なくとも1つの剪断モードの前記偏波方向PB1が整列するように、前記圧電変換器(6)が前記音響基板(10)に対して配置されることと、
    前記準備するステップ(104)において、前記音響基板(10)を準備するために、前記対応する一次の周波数温度係数CTFB1が20ppm.K-1未満の絶対値を有する極値であり、かつθ2の値からのCTFB1の変動が2ppm.K-1/度未満の絶対値を有するわずかな変動であるように、前記音響基板(10)の前記第2の切断角θ2が選択されることと
    を特徴とする方法。
  14. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の高バルク音響共振器タイプの共振器を備えるホモダイン発振器。
  15. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の高バルク音響共振器タイプの共振器に基づくセルを備える高除去フィルター。
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