JP2011522213A - 組み換えポリクローナルタンパク質の特徴づけに関する方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、産生の間にポリクローナル細胞系により産生される種々の抗体の量ならびにポリクローナル産物中に存在する抗体のバッチ間の一貫性を評価するために用いることができる、特徴づけプラットフォームを提供する。この構造的特徴づけプラットフォームは、重鎖の除去、クロマトグラフ分離技術を介した残存する軽鎖の分離、次いで、その完全な軽鎖種における質量分析の解析に基づく。

Description

(発明の分野)
本発明は、組み換えポリクローナル抗体組成物中の様々な軽鎖種(light chain species)集団を構造的に特徴づける方法に関する。本方法は、定量分析および定性分析の両方に有用であり、例えばバッチ間の一貫性を分析するために、および製造工程中の組成物の安定性を評価するために、ならびに特定のバッチが所定のリリース規格を満たすかどうかを決定するために、用いられうる。
(発明の背景)
国際公開第WO2006/007853号は、組み換えポリクローナル抗体を含む試料を特徴づける手順を開示する。その方法は、特定のタンパク質種それぞれに特有のマーカーペプチドを放出させるための、抗体鎖の分解を含む(「マーカーペプチド」法と称する)。
予防的使用または治療的使用のための組み換えポリクローナルタンパク質の工業製品に対しての必須条件は、製造過程および終了過程の間のタンパク質多様性の維持管理である。従って、所望のいずれかの時期にいずれかの適当な試料において、ポリクローナルタンパク質を産生するポリクローナル細胞系のクローンの多様性およびポリクローナルタンパク質中の個々のタンパク質の適当な表現型をモニタでき、測定できることが重要であり、かくして一回の操作で発現系の安定性の分析および最終製品のバッチ間のばらつきの分析が可能となる。
個々のポリクローナル・ワーキング・セルバンクから得られた様々な薬物原料のバッチにおけるバッチ間の一貫性分析は、特定のバッチが所定のリリース規格の範囲内にあることを保証するために必要とされる。このような分析は、タンパク質のポリクローナル混合物中での個々のタンパク質の相対的な比率を決定することができる方法により有益となりうる。
国際公開第WO2006/007853号に記載のマーカーペプチド法は、酵素消化により生じる特有の疎水性の可変領域由来のペプチドの同定および特徴づけに関する方法を提供し、この方法は、組み換えポリクローナル抗体中の特異的な抗体種の同定を可能にする。
Adamczykら、(Rapid Communications in Mass Spectrometry 14, 49-51 (2000))は、動物由来(すなわち、ヒト以外)のポリクローナル抗体を精製し、軽鎖と重鎖間のジスルフィド結合を還元し、重鎖と軽鎖両方のLC−MSを行うことにより、血清由来のポリクローナル抗体のプロフィールを提供するポリクローナル抗体の分析法を記載する。
Wanら、(J. of Chromatography A 913, 437-446 (2001))は、細胞培養物から抗体の糖鎖型を直接定量するための、CHO細胞で産生される組み換えモノクローナル抗体におけるLC−MSの使用を記載する。細胞培養物からの組み換え抗体試料を還元し、質量分析と組み合わされたHPLCシステムに直接投入する。
国際公開第WO2006/007853号
Adamczykら、Rapid Communications in Mass Spectrometry 14, 49-51 (2000) Wanら、J. of Chromatography A 913, 437-446 (2001)
本発明に対するさらなる背景は、国際公開第WO2006/007853号において提供される。
本発明は、組み換えポリクローナル抗体組成物中の軽鎖種を特徴づける方法を提供し、該方法は、以下の工程、
a) 組み換えポリクローナル抗体組成物を製造すること及び精製すること;
b) 重鎖と完全な(intact)軽鎖を連結するシステイン架橋を還元すること;
c) 重鎖を完全な軽鎖から分離すること;
d) 完全な軽鎖を、物理化学的特性に従ってタンパク質を分離する、少なくとも1つのクロマトグラフ分析に付すること;
e) 工程d)で分離された完全な軽鎖を質量分析に付すること;および
f) 工程e)で得られたデータを、その組み換えポリクローナル抗体組成物中の完全な軽鎖種を特徴づけるために分析すること、
を含む。
方法の複雑さを低減し、単離された完全な軽鎖から得られるデータセットを改善するために、我々は、重鎖を軽鎖から分離することが必要であることを見出した。我々は、このことは重鎖の物理化学的特性における高度な不均一性によるものであり、それが軽鎖の特徴づけと干渉するのであろうと考える。さらに、我々は驚くべきことに完全な軽鎖を用いることにより、組み換えポリクローナル抗体中の軽鎖抗体の組成物のより正確な定量を得ることができることを発見した。マーカーペプチド法と比較してさらに有利な点は、この手順はより少ない工程で単純化されており、これは、本方法を使用に際してより安定にし、より便利にする。
特徴づけされる完全な軽鎖タンパク質は、典型的には、既知の遺伝子配列から誘導され、すなわちポリクローナル抗体を作製するために用いられる配列は既知である。従って、工程(f)は、典型的には工程(e)で得られたデータを、遺伝子データ、例えば遺伝子配列(または本明細書に記載される別の遺伝子分析法)により決定される完全な軽鎖それぞれの推定分子量と比較することを含むか、あるいは工程(f)は、工程(e)で得られたデータを、単離された軽鎖種の分子量決定から得られたデータと比較することを含む。単離された軽鎖種の分子量は、モノクローナル抗体として抗体を発現させ、軽鎖と重鎖を分離し、質量分析を用いて軽鎖の分子量を決定することにより得ることができる。工程(e)で得られたデータと分子量決定からのデータとの比較は、分子量に影響を及ぼす翻訳後修飾を考慮しうる。
本発明は軽鎖の分析のみに関するが、その最終的な結果は、軽鎖と重鎖との間に常に1:1の比が存在するため、組成物中の完全な抗体の量および/または相対的な比率を決定することを含みうる。いずれかの所定の軽鎖に付随する重鎖の構造はあらかじめそのコード配列から分かるため、各抗体種の正確な量(質量に基づく)を見積もることが可能である。これは、単離された各重鎖の分子量を、例えば翻訳後修飾(特に、糖鎖付加)を考慮するために質量分析を用いて測定することによっても実施されうる。
本発明は、組み換えポリクローナル抗体組成物中の軽鎖種を特徴づける上記方法を2つまたはそれ以上の組み換えポリクローナル抗体組成物それぞれについて実施し、その2つまたはそれ以上の組み換えポリクローナル抗体組成物中の完全な軽鎖の集団間の何らかの相違を決定することを含む、2つまたはそれ以上の組み換えポリクローナル抗体組成物中の完全な軽鎖の集団間の相違を決定する方法もまた提供する。
図1は、還元およびアルキル化されたSym001のSEC(サイズ排除クロマトグラフィー)の典型的なクロマトグラムである。HC=重鎖。LC=軽鎖。 図2は、Sym001軽鎖の典型的なLC−MSクロマトグラムである。トータルイオンカウント(TIC)トレースを上に示し、214nmで記録したUVトレースを下に示す。 図3は、個々の抗体の保持時間を示す、Sym001軽鎖の典型的なUVクロマトグラムである。 図4は、Sym001軽鎖のTIC(上)とRhD159の抽出イオンクロマトグラム(XIC)(下)である。 図5は、RhD159のXIC(上)と、対応するm/zスペクトラムである。 図6は、図5で示されるm/zスペクトラムの拡大図(上)と対応するXIC(下)である。 様々な量のSym001 WS−1 LCを注射した、クローンの直線性である(n=3)。 Sym001の2つの異なるバッチの分析である(n=3)。
(発明の詳しい説明)
(定義)
用語「抗イディオタイプ抗体」は、ポリクローナルタンパク質の個々のメンバーの可変部と特異的に結合する、全長の抗体またはその断片(例えば、Fv、scFv、Fab、Fab’またはF(ab))を意味する。好ましくは、本発明の抗イディオタイプ抗体は、ポリクローナル抗体の個々のメンバーの可変部またはポリクローナルTcRと特異的に結合する。抗イディオタイプ抗体の特異性は、ポリクローナル抗体またはポリクローナルT細胞受容体の個々のメンバーの抗原特異的部分(別名、V領域)に対するものであることが好ましい。しかしながら、それは、個々のメンバーの規定の部分集団、例えば混合物中で示される特定のVH遺伝子ファミリーに対する特異性もまた示す。
用語「抗イディオタイプペプチド」は、特異的に会合することができ、そうして相同タンパク質の混合物中の個々のタンパク質メンバーを同定することができる、特異的なペプチド−リガンドを意味する。好ましくは、本発明の抗イディオタイプペプチドは、ポリクローナル抗体またはポリクローナルTcRの個々のメンバーと特異的に結合する。本発明の抗イディオタイプペプチドは、個々の抗体または個々のT細胞受容体の抗原特異的な配列部分に対するものであることが好ましい。しかしながら、抗イディオタイプペプチドは、個々のメンバーの規定の部分集団に対する特性もまた示す。
用語「クローン多様性」または「ポリクローナル性(polyclonality)」は、ポリクローナルタンパク質の、それをコードする核酸配列の、またはそれを産生するポリクローナル細胞系の可変性または多様性を意味する。可変性は、ポリクローナルタンパク質の個々のメンバーのアミノ酸配列における差異によって、またはコード配列ライブラリーの核酸配列における差異によって特徴づけられる。ポリクローナル細胞系に関して、クローン多様性は、例えば個々の細胞のゲノム中への単一部位での統合物として、細胞系内で示される核酸配列の可変性によって評価されうる。しかしながら、クローン多様性は、細胞系内の細胞表面に提示されるアミノ酸配列の可変性としてもまた評価されうる。
用語「エピトープ」は、T細胞受容体または抗体が結合する抗原分子の部分を意味する。抗原または抗原分子は、一般的に、同時にいくつかのまたは多くのエピトープさえも示す。
用語「抗体」は、血清の機能成分をいい、しばしば分子の集合物(抗体または免疫グロブリン、断片など)または1個の分子(抗体分子または免疫グロブリン分子)のいずれかを意味する。抗体分子は、特異的な抗原決定基(抗原または抗原エピトープ)に結合もしくは反応することができ、次に、免疫学的エフェクター機構を誘導しうる。個々の抗体分子は、通常、単一特異的であると考えられ、抗体分子の組成物はモノクローナル(すなわち、同一の抗体分子から成る)であってもよいし又はポリクローナル(すなわち、同じ抗原上の又は別個の異なる抗原上の同じ若しくは別のエピトープと反応する様々な抗体分子から成る)であってもよい。ポリクローナル抗体を構成する別個の異なる抗体分子は、「メンバー」と称されうる。各抗体分子は、それが特異的にその対応する抗原に結合することを可能にする特有の構造を有し、すべての天然の抗体分子は2個の同一の軽鎖と2個の同一の重鎖とから成り、全体として同じ基本構造を有する。
用語「免疫グロブリン」は、血液または血清中に見出される抗体の混合物についての集合物の名称として一般に用いられる。それゆえに、血清から得られたポリクローナル抗体は、しばしば免疫グロブリンまたはガンマグロブリンと称される。しかしながら、「免疫グロブリン」は、他の供給源、例えば組み換え免疫グロブリンから得られた抗体の混合物を表すために用いることもできる。
本明細書中で用いられる用語「個々のクローン」は、特定のタンパク質、例えばモノクローナル抗体を発現する細胞の同質遺伝子型の集団を意味する。そのような個々のクローンは、例えば所望の核酸を用いて宿主細胞をトランスフェクションし、続く陽性トランスフェクタントの選択によって得ることができ、単一クローンを増殖させることもできるし、または多数の単一クローンを集めて増殖させることもできる。ポリクローナル細胞系は、ポリクローナルタンパク質の様々な個々のメンバーを発現する個々のクローンを混合することによって作り出すこともできる。
用語「個々のメンバー」または「別個のメンバー」は、異なるが相同なタンパク質分子、例えばポリクローナルタンパク質を含む、タンパク質組成物のタンパク質分子を意味し、ここで、個々のタンパク質分子は組成物中の他の分子と相同であるが、ポリクローナルタンパク質の個々のメンバー間のアミノ酸配列の差異によって特徴づけられるポリペプチド配列の1つまたはそれ以上のストレッチ(可変領域とも称される)もまた含む。例えば、抗体Ab1〜Ab50から成るポリクローナル抗体において、Ab1の配列を有するタンパク質はすべて、そのポリクローナル抗体の個々のメンバーとみなされるが、Ab1は、Ab2タンパク質とは、例えばCDR3領域が異なりうる。個々のメンバーから成る部分集団は、例えばAb1、Ab12およびAb33に属する抗体によって構成されうる。
用語「ポリクローナル抗体」は、同じ抗原上のもしくは異なる抗原上の幾つかの異なる特異的な抗原決定基と結合するかもしくは反応することができる異なる抗体分子から成る組成物をいう。ポリクローナル抗体は、「モノクローナル抗体のカクテル」であると考えることもできる。ポリクローナル抗体の変動性は、ポリクローナル抗体を構成する個々の抗体のいわゆる可変領域、特に相補性決定領域CDR1、CDR2およびCDR3に存在する。本発明の方法によって特徴づけることができるポリクローナル抗体は、例えばキメラ抗体、ヒト化抗体もしくは完全なヒト抗体のいずれの起源のものであってもよい。
用語「ポリクローナル製造細胞系(polyclonal manufacturing cell line)」、「ポリクローナル細胞系」、「ポリクローナル・マスター・セルバンク(pMCB)」および「ポリクローナル・ワーキング・セルバンク(pWBC)」は、交換可能に用いられ、目的の異型核酸配列ライブラリーを用いてトランスフェクトされたタンパク質発現細胞の集団を意味する。組み換えポリクローナル製造細胞系を一緒に構成する個々の細胞は、目的の組み換えポリクローナルタンパク質の1つのメンバーをコードする目的の特有の核酸配列の唯一のコピーを保有していてよく、好ましくはその各コピーは各細胞ゲノムの同じ位置に統合されている。あるいは、個々の細胞はそれぞれ、組み換えポリクローナルタンパク質のメンバーをコードする特有の核酸配列の複数コピーを保有していてもよい。そのような製造細胞系を構成しうる細胞は、例えば細菌、真菌、真核細胞、例えば酵母、昆虫細胞または哺乳動物細胞、特に不死哺乳動物細胞系、例えばCHO細胞、COS細胞、BHK細胞、ミエローマ細胞(例えばSp2/0細胞、NS0)、NIH3T3、YB2/0および不死化ヒト細胞、例えばHeLa細胞、HEK293細胞もしくはPER.C6であってよい。
本明細書中で用いられるように、用語「ポリクローナルタンパク質」は、異なるが相同であるタンパク質分子を含むタンパク質組成物を意味し、好ましくは免疫グロブリン超分子群から選択される。さらにより好ましいのは、抗体またはT細胞受容体(TcR)である相同タンパク質分子、特に抗体である。このように、各タンパク質分子はまた、組成物中の他の分子と相同であるが、ポリクローナルタンパク質の別個の異型(variant)メンバーとも称される個々のメンバー間のアミノ酸配列における差異によって特徴づけられる様々なポリペプチド配列の少なくとも1つのストレッチを含む。そのようなポリクローナルタンパク質の既知の例は、抗体、T細胞受容体およびB細胞受容体を含む。ポリクローナルタンパク質は、タンパク質分子の規定のサブセットから成り、それは、共通の性質、例えば所望の標的に対するポリクローナル抗体の場合には所望の標的抗原に対する共通の結合活性により規定される。組み換えポリクローナルタンパク質は、一般に分子のそのような規定のサブセットから構成され、ここで各メンバーの配列は既知である。血清から得られる免疫グロブリンとは対照的に、組み換えポリクローナルタンパク質は、かなりの割合で標的に特異的でないタンパク質を含むことは通常ないであろう。
用語「タンパク質」は、長さまたは翻訳後修飾に関係なく、いずれかのアミノ酸鎖を意味する。タンパク質は、単量体または多量体として存在してもよく、2つのまたはそれ以上の会合したポリペプチド鎖、タンパク質の、ポリペプチドの、オリゴペプチドのまたはペプチドの断片を含む。
用語「特有のマーカーペプチド」は、ポリクローナルタンパク質の個々のメンバーの可変領域を起源とする多くのペプチドをいう。このペプチドは、好ましくは、タンパク質分解処理または他のタンパク質断片化手段により作り出され、ポリクローナルタンパク質の個別のメンバーに明白に割り当てることができるペプチドを、特有のマーカーペプチドと称する。
用語「組み換えポリクローナル抗体」は、組み換え技術を用いて製造される抗体の集合物を意味する。本発明の内容において、そのコード配列が既知である場合、すなわち、それがハイブリドーマもしくは不死化B細胞から発現され場合、抗体は組み換え体と考えられる。しかしながら、本発明は、特に、抗体が組み換え抗体の商業的生産のために通常用いられる細胞系、例えば上記のヒト細胞系もしくは他の哺乳動物の細胞系の1つを用いて発現される組み換えポリクローナル抗体組成物の特徴に関することは明らかである。本発明の内容において、用語「組み換えポリクローナルタンパク質」は、「組み換えポリクローナル抗体」を含む。
本発明による組み換えポリクローナル抗体は、好ましくは、少なくとも軽鎖が異なる少なくとも2つの異なる抗体から成る集団を含む。
それらの特異性とは関係なく免疫グロブリンはすべて、4つのポリペプチド鎖による共通の構造を有する:それぞれその発現条件に応じて共有結合で付着したオリゴ糖基を潜在的に有する2つの同一の重鎖;および2つの同一のグリコシル化されない軽鎖。ジスルフィド結合は、重鎖と軽鎖を互いに連結する。重鎖はまた、ジスルフィド結合により互いに連結される。4つのポリペプチド鎖はすべて、カルボキシル末端とアミノ末端それぞれに見出される定数領域および可変領域を含む。
免疫グロブリンは、その重鎖成分により5つの主要なクラスに分けられる:IgG、IgA、IgM、IgDおよびIgE。軽鎖には2つのタイプ、κ(カッパ)およびλ(ラムダ)がある。個々の分子は、カッパまたはラムダを含みうるが、両方を含むことはない。IgGおよびIgAは、それぞれのクラス内でアミノ酸配列における僅かな差異によりさらにサブクラスに分けられる。ヒトにおいては、4つのIgGサブクラス、IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4が見られる。マウスにおいてもまた、4つのIgGサブクラスが見られる:IgG1、IgG2a、IgG2bおよびIgG3。ヒトにおいては、3つのIgAサブクラス、IgA1、IgA2およびIgA3がある。
用語「完全な軽鎖」は、軽鎖ポリペプチドの可変領域および定常領域の双方から成る、組み換え技術により産生されたポリペプチドを意味する。完全な軽鎖は、軽鎖をコードするポリヌクレオチドの発現産物であり、発現宿主内での発現中にならびに後の精製および/または処理中に生じうる翻訳後修飾を考慮する。
(発明の詳しい説明)
本発明の目的は、組み換えポリクローナル抗体を含む試料中で、特定の抗体の有無または相対的な比率に関する情報を取得するための構造的特徴に関するプラットフォームを提供することである。この特徴づけプラットフォームは、組み換えポリクローナル抗体の産生または精製処理の間に或いは組み換えポリクローナル抗体組成物の長期保存の間に、様々な側面を評価するために用いることができる。
好ましくは、本発明の特徴づけプラットフォームは、以下の目的のいずれかのために、i)単一試料中の個々のメンバーまたは相互に関係する個々のメンバーのいくつかの相対的な表示を決定するために、ii)バッチ間の一貫性を決定するために異なる試料中の1つまたはそれ以上の個々のメンバーの相対的な比率を評価するために、およびiii)1つまたはそれ以上の個々のメンバーの実際の比率を評価するために用いられる。場合によってはこれを、もともとはポリクローナル製造細胞系を作製するために用いた発現ベクター中の翻訳配列と比較してもよい。特徴づけプラットフォームは、ポリクローナル細胞系のクローン多様性および/または細胞系により産生される組み換えポリクローナル抗体中の個々の抗体の表示をモニタするために用いることができる。この特徴づけプラットフォームは、個々の生産処置中の組成物の安定性を特徴づけること及びバッチ間の一貫性をモニタすることの両方に、特に適している。
本発明の1つの実施形態は、組み換えポリクローナル抗体の個々の抗体の相対的な比率または存在に関する情報が得られるよう、その可変領域により異なっている複数の抗体を含む1つまたはそれ以上の組み換えポリクローナル抗体をそれぞれ含む1つまたはそれ以上の試料を特徴づける方法であって、該方法は、該試料から単離された軽鎖の一部試料を少なくとも1つのクロマトグラフ技術により分離すること、続いて、その単離された軽鎖を質量分析に付すこと、場合によりタンパク質のコード配列を1つまたはそれ以上の遺伝子分析に付すことを含む。軽鎖は、ヒト抗体の場合、ラムダもしくはカッパ・アイソタイプのいずれか又はラムダとカッパ・アイソタイプ両方の混合物であってよく、あるいはヒト以外の抗体の場合には、他のアイソタイプであってよい。
ポリクローナル抗体のメンバーを構成する重鎖および軽鎖の各々の同族対合(cognate pair)をコードする配列が既知であることは、本発明の重要な特徴である。本発明の分析方法から得られる情報は、軽鎖のみに関する。ポリクローナル抗体の種々の軽鎖の量を決定することにより、完全抗体の量もまた算出できるのは、各重鎖の推定される分子量がそのコード配列から分かるか又は例えば質量分析法を用いて実験的に決定されるためである。
1つの好ましい実施形態において、完全な軽鎖は、全ての軽鎖アミノ酸配列、すなわち完全な軽鎖の発現または分泌の間に生じる翻訳後プロセシングを含む、製造細胞系によって産生される軽鎖ポリペプチドを含む。
1つの実施形態において、完全な軽鎖は、特徴づけの前にN末端がプロセシングを受けることがありうると考えられるため、グルタミン以外のN末端アミノ酸残基を有する。C末端は、プロセッシングを受けてもよい。
1つの実施形態において、クロマトグラフ処理は、大きさ以外の少なくとも1つの物理化学的特性に基づく。
1つの実施形態において、個々のクロマトグラフ処理は、正味の荷電、疎水性、等電点および親和性からなる群より選択される少なくとも1つの物理化学的特性に基づく。
1つの実施形態において、個々のクロマトグラフ処理は、正味の荷電に基づく。
1つの実施形態において、クロマトグラフ処理は、多次元クロマトグラフィーとして実施される。
1つの実施形態において、クロマトグラフ処理は、高分解能の液体クロマトグラフィーであるか、またはそれを含む。
1つの実施形態において、ポリクローナル抗体組成物は、細胞培養画分、例えば細胞培養の細胞を含む細胞培養画分である。細胞培養画分は、典型的には、その試料が大きな細胞培養物の代表となるよう、細胞培養物中の各細胞系を代表する細胞を含む細胞培養物の試料である。
1つの実施形態において、工程(a)は、1つまたはそれ以上の細胞培養上清由来のポリクローナル抗体組成物を調製することを含む。
1つの実施形態において、組み換えポリクローナル抗体組成物中の抗体種の特徴づけは、組み換えポリクローナル抗体組成物中の軽鎖種の有無の決定を含む。
1つの実施形態において、組み換えポリクローナル抗体組成物中の抗体種の特徴づけは、組み換えポリクローナル抗体組成物中の軽鎖種の相対的な比率の決定を含む。
1つの実施形態において、組み換えポリクローナル抗体組成物中の完全な軽鎖種の相対的な比率の決定は、該組成物中に存在する1つまたはそれ以上のセンチネルタンパク質(sentinel protein)の分析を含む。
1つの実施形態において、工程(f)は、工程(e)で得られたデータと、さらなるタンパク質の特徴づけ技術および遺伝子組み換え技術からなる群より選択される少なくとも1つのさらなる分析技術から得られるデータとを比較することを含む。
1つの実施形態において、少なくとも1つのさらなる分析技術は、軽鎖をコードするポリヌクレオチドまたは製造細胞系から得られるか若しくは誘導されるポリヌクレオチドの遺伝子分析である。
1つの実施形態において、遺伝子分析は、RFLP、T−RFLP、マイクロアレイ分析、定量PCRおよび核酸配列決定から選択される。
1つの実施形態において、さらなる特徴づけ技術には、N末端配列決定および複雑な相同タンパク質混合物の特異的な検出分子、例えば抗イディオタイプ抗体もしくは抗イディオタイプペプチドを用いた特徴づけから選択される、タンパク質の特徴づけ技術である。
1つの実施形態において、少なくとも1つのさらなる分析は、工程a)〜e)の前に、その間に、またはその後に行われる。
本発明は、2つまたはそれ以上の組み換えポリクローナル抗体組成物それぞれにおいて、本明細書に記載の軽鎖種を特徴づける方法を実施すること、および2つまたはそれ以上の組み換えポリクローナル抗体組成物中の完全な軽鎖の集団間のいずれかの相違を決定することを含む、2つまたはそれ以上の組み換えポリクローナル抗体組成物中の完全な軽鎖の集団間の相違を検出する方法もまた提供する。
1つの実施形態において、2つまたはそれ以上の組み換えポリクローナル抗体組成物は、培養の間の様々な時点での単一のポリクローナル細胞培養物から得られる。
1つの実施形態において、2つまたはそれ以上の組み換えポリクローナル抗体組成物は、特定の時点での様々なポリクローナル細胞培養物から得られる。
1つの実施形態において、相違は、2つまたはそれ以上の組み換えポリクローナル抗体組成物中に存在する少なくとも3種、例えば少なくとも5種または少なくとも10種の完全な軽鎖の相対的な比率を比較することにより検出される。
1つの実施形態において、相違は、2つまたはそれ以上の組み換えポリクローナル抗体組成物中に存在する少なくとも2種の完全な軽鎖を比較することにより検出される。典型的には、比較は、2つまたはそれ以上の組み換えポリクローナル抗体組成物中に存在する50種またはそれ未満の完全な軽鎖、例えば2種〜40種、2種〜30種、2種〜25種、2種〜20種、2種〜15種、2種〜10種または2種〜5種の間の完全な軽鎖を用いて行われる。
組み換えポリクローナル抗体は、場合によりさらなる特徴づけ、例えば遺伝子分析および/またはタンパク質分析にかけてもよい。遺伝子分析は、完全な軽鎖および重鎖をコードする遺伝子配列からのアミノ酸配列および/または予想される質量の推定、制限断片長多型(RFLP)解析、末端−RFLP(T−RFLP)、マイクロアレイ分析、定量PCR、例えばリアルタイムPCR、および核酸配列決定などの技術に言及する。タンパク質の特徴づけ技術は、未知タンパク質を特徴づけるためにプロテオミクス分野で一般に用いられる技術、例えば物理化学的特性によりタンパク質を分離するクロマトグラフ分析に言及する。
質量分析法に加えて、以下のタンパク質の特徴づけ技術の1つまたはそれ以上が、適宜、同一の試料で、より好ましくは並行試料のいずれかで用いることができる:相同タンパク質のタンパク質分解分析、「バルク」N末端配列決定、および相同蛋白質に特異的な検出分子を用いた分析。
ポリクローナル製造細胞系のクローン多様性の遺伝子分析
本発明のいくつかの実施形態において、ポリクローナルタンパク質を産生するための発現系におけるポリクローナル性は、本発明の特徴づけ方法に加えて、ポリクローナルタンパク質の特定のメンバーをコードする細胞の分量を決定することによりモニタされる。
タンパク質の特徴づけ方法に加えて、本明細書に記載の1つまたはそれ以上の遺伝子解析はまた、ポリクローナルタンパク質の個々のメンバーをコードするmRNAのレベルを決定することを含んで行われうる。遺伝子分析は、製造細胞系から得られる(またはそれを作り出すために用いられる)遺伝子配列の可変領域の、例えばRFLP分析またはT−RFLP分析、オリゴヌクレオチド・マイクロアレイ分析、定量PCR、例えばリアルタイムPCRおよび核酸の配列決定を用いて、mRNAまたはゲノムレベルでモニタすることができる。あるいは、同じ技術が、ポリクローナル細胞系の(遺伝的)多様性をさらに定性的に示すために用いられてもよい。ポリクローナルタンパク質をコードする核酸配列を、培養中の様々な時点で単一のポリクローナル細胞培養物から得られる試料においてモニタでき、それにより産生工程を通じて個々のコード配列の相対的な比率をモニタでき、その組成物の安定性を評価することができる。あるいは、ポリクローナルタンパク質をコードする核酸配列は、特定の時点で種々のポリクローナル細胞培養物から得られる試料においてモニタでき、それによって、バッチ間のばらつきを評価するために様々なバッチで個々のコード配列の相対的な比率をモニタすることができる。好ましくは、遺伝子分析に用いられる試料は、例えば沈殿または遠心分離により、培養細胞について濃縮された細胞培養画分である。1つの実施形態において、遺伝子分析は、組み換えポリクローナル抗体を産生する製造細胞系(群)に対して行われてもよいが、クロマトグラフ分析および質量スペクトル分析は、細胞系から得られるポリクローナル抗体試料に対して行われる。遺伝子分析のための試料は、一般に、所望の時点で細胞培養物の画分を集め、次いで例えば遠心分離により培地を取り除くことで得られる。バッチ間の一貫性を比較するための試料は、好ましくは、産生に関するインビトロ(試験管内)での細胞齢(cell age)の限度で細胞から得られる。
1つの実施形態において、遺伝子分析、例えば個々の軽鎖をコードし製造細胞系(群)を作り出すために用いられる遺伝子の配列決定は、従前に行われていてもよい。そのような遺伝子分析は、タンパク質の特徴づけ工程、例えばクロマトグラフ分析および質量スペクトル分析と同時に及びその後に実施されてよいこともまた、想定される。
本明細書中で言及される遺伝子分析技術を実施する方法の詳細は、当業者には慣例であり、さらに、本発明の内容の範囲内でRFLP/T−RFLP、オリゴヌクレオチド・マイクロアレイ分析、定量PCRおよび核酸の配列決定を実施する方法の指標は、国際公開公報第WO2006/007853号により提供される。
重鎖および軽鎖の分離
本発明の1つの特徴は、質量分析前の工程における重鎖と軽鎖の分離である。この分離は、いくつかの目的を果たす。第1に、それは試料中の種々のタンパク質サブユニットの数を減少させる。第2に、抗体重鎖は、哺乳動物の発現系で作製される場合には、グリコシル化の程度が異なることが知られており、そのため、重鎖はそれぞれ、質量分析器のクロマトグラムにいくつかのピークを与えるであろう。したがって、質量分析工程からの重鎖の排除は、より良好でより正確な抗体の特徴づけを与える。
重鎖と軽鎖の分離は、2つの群の鎖を定量的に分離するのに十分に正確なサイズ分離、例えばゲル濾過を用いて行うことができる(図1を参照のこと)。他の分離技術を同じように用いることができ、例えば親和性クロマトグラフ工程を用いることができ、そこでは、重鎖は保持されるが軽鎖はフロースルー中に見出される。
質量分析
質量スペクトル(MS)分析は、タンパク質の構造的な特徴づけに必須のツールである。質量スペクトル測定は、イオン化した分析物において気相中で行われる。定義上、質量分析器は、イオン源、イオン化した分析物の質量対電荷比(m/z)を測定する質量分析器、および各m/z値でイオンの数を記録する検出器から構成される。エレクトロスプレーイオン化(ESI)およびマトリックス援助レーザ脱離/イオン化(MALDI)は、MS分析のためにタンパク質またはペプチドを揮発させ、イオン化するための最も一般に用いられる2つの技術である。ESIは、溶液から分析物をイオン化し、そのため液体に基づく(例えばクロマトグラフィーおよび電気泳動)分離ツールと容易に連結される。MALDIは、レーザパルスにより乾燥結晶質マトリックスから試料を昇華させ、イオン化させる。MALDI−MSは、比較的単純なペプチド混合物を分析するために通常用いられるが、組み合わせた液体クロマトグラフESI−MSシステム(LC−MS)は、複雑な試料の分析に好ましい。質量分析器は、この技術にとって主要なものであり、その重要なパラメータは、感度、分解能、質量の精度およびペプチド断片の情報に富むイオン質量スペクトル(MS/MSスペクトル)を創り出す能力である。プロテオミクス研究で現在用いられている4つの基本的な型の質量分析器がある。これらは、イオントラップ型、飛行時間型(TOF)、四重極型およびフーリエ変換イオンサイクロトロン型(FT−MS)の分析装置である。それらは設計および性能の点で大きく異なっており、それぞれ独特の長所と短所がある。これらの分析装置は、独立して用いられうるが、場合によっては各々の長所を生かすために一緒にタンデムにして用いることもできる(より詳細には、Aebersold & Mann, Nature 2003, 422:198-207を参照のこと)。
MALDI−MSおよびESI−MSの両方とも、存在する分析物の量と測定されたシグナル強度との関係は複雑であり、完全には理解されない。従って、質量分析計は、本質的に不完全な定量装置である。安定同位体のタンパク質の標識化方法は、定量的なMSデータを得るためにプロテオミクス領域で開発された。これらの方法は、異なる安定同位体組成を有する化学的に同一のペプチドのペアがその質量の違いのために質量分析器で区別されうるという事実、およびそのようなペプチドペアのシグナル強度の割合は2つのペプチドの存在比を正確に示すという事実を利用する。このように、元の試料中にある対応するタンパク質の相対的な存在量を決定することができる。安定同位体タグは、i)代謝標識化、ii)酵素処理、またはiii)化学反応を介してタンパク質に導入することができる。現在では、タンパク質またはペプチドの化学同位体のタグづけが、最も用いられる方法である(より詳細には、Aebersold & Mann, Nature 2003, 422:198-207を参照のこと)。最近では、増大する努力は、LC−MS試行間のペプチドピーク面積の直接的な比較に依るラベルを用いないアプローチに向けられている。単一タンパク質のまたは2つ、3つの標準タンパク質の量を変えることによって、ペプチド・ピークシグナルの強度が試料中のそれらの濃度に対してほぼ直線的に対応することが、および異なるLC−MS試行間でそのピーク領域の割合が試料中のそれらの相対的な量を確実に反映することが、示された(Wang et al., J. Proteome Res. 2006, 5: 1214-1223)。
クロマトグラフ分離技術
本発明に従って、完全な軽鎖は、1つまたはそれ以上のクロマトグラフ分離技術(工程d)に付される。
ポリクローナルタンパク質の個々のメンバーのクロマトグラフ分離は、物理化学的特性、例えばi)正味の荷電(イオン交換クロマトグラフィー(IEX)により例示される)、ii)疎水性(逆相クロマトグラフィー(RP−HPLC)、および塩濃度に基づく疎水相互作用クロマトグラフィー(HIC)により例示される)、iii)等電点(pI値)(クロマト分画により例示される)、またはiv)親和性(抗イディオタイプペプチド/抗体を用いる親和性クロマトグラフィー、あるいはカッパおよびラムダ抗体の軽鎖の分離のためのプロテインLクロマトにより例示される)の差異に基づいていてもよい。第5の周知のクロマトグラフ技術は、物理化学的特性のうち大きさに基づく。しかしながら、これは、全ての軽鎖が本質的に同じ大きさであるため、抗体軽鎖などの相同タンパク質の分離には殊さら適した技術でない。
クロマトグラフ分離技術は、同一もしくはほぼ同一の分子量を有する軽鎖種の十分に良好な分離を提供し、その結果、それらを質量分析器でその後に区別できることが好ましい。ほとんど同じ分子量の2つの軽鎖種間を分離して区別するための質量分析器の能力により、どの軽鎖種が最初のクロマトグラフ工程の間に分離されるはずであるかが決定される。クロマトグラフ分離技術で十分な分離を達成する方法は、当業者の能力の範囲内にあり、当業者であれば、用いられる緩衝液、勾配、流速、圧力、カラム材料などを調整することができる。
原則として、いずれのクロマトグラフ分離技術が用いられてもよいが、緩衝液の交換を避けることができるよう、後の質量分析器と互換性を有する方法およびシステムを用いることがより便利である。2つの系(液体クロマトグラフィーおよび質量分析)はオンライン化でき、そのため画分を収集する必要がなくなるため、LC−MSの使用が好ましい。
a)イオン交換クロマトグラフィー
本発明のいくつかの実施形態において、イオン交換クロマトグラフィーは、組み換えポリクローナル抗体の個々の軽鎖メンバーまたはポリクローナルタンパク質の個々のメンバーの部分集団を分離するために用いられる。イオン交換クロマトグラフィーによる分離は、分離される組成物中の個々の軽鎖の正味の荷電に基づく。軽鎖のpI値および選択されたカラム緩衝液のpH値と塩濃度に依存して、個々の軽鎖は、陰イオン交換または陽イオン交換クロマトグラフィーを用いて、少なくともある程度分離されうる。例えば、pHが個々の軽鎖の最も低いpI値よりも十分に低い限り、通常、個々の軽鎖はすべて負に荷電した陽イオン交換媒体(media)に結合する。結合した軽鎖の個々のメンバーは、次いで、個々のタンパク質の正味の荷電に依存して、典型的には塩(例えば塩化ナトリウム)の増加する勾配または増加するpH値を用いてカラムから溶出されうる。いくつかの画分が、溶出の間に得られるであろう。単一の画分が、個々の軽鎖メンバーを含むことが好ましいが、2種、3種、4種、5種、6種、7種、8種、9種、10種、15種、20種もしくはそれ以上の別個のメンバーを含んでいてもよい。陽イオン交換および陰イオン交換の一般的な原理は当分野で周知であり、イオン交換クロマトグラフ用のカラムは商業的に入手可能である。
b)クロマト分画
本発明のさらなる実施形態において、クロマト分画は、組み換えポリクローナル抗体の個々の軽鎖メンバーまたはポリクローナル抗体の個々の軽鎖メンバーの部分集団を分離するために用いられる。クロマト分画による分離は、個々のタンパク質のpI値における差異に基づいており、軽鎖のpI値を上回るpH値を有するカラム緩衝液を用いて実施される。個々のメンバーが比較的低いpI値を有する組み換えポリクローナルタンパク質は、正に荷電した弱い陰イオン交換媒体に結合しうる。結合した組み換えポリクローナルタンパク質の個々の軽鎖メンバーは、次いで、その個々のメンバーのpI値のpH範囲をカバーするよう設計されたポリ緩衝液を用いてカラム内に減少するpH勾配を作り出すことにより個々の軽鎖メンバーのpI値に依存して、カラムから溶出されうる。いくつかの画分が、溶出の間に得られるであろう。単一の画分が、ポリクローナルタンパク質の個々の軽鎖メンバーを含むことが好ましいが、2種、3種、4種、5種、6種、7種、8種、9種、10種、15種、20種もしくはそれ以上の別個のメンバーを含んでいてもよい。陰イオン交換体を用いたクロマト分画の一般的な原理は当分野で周知であり、陰イオンカラムは商業的に入手可能である。陽イオン交換体を用いたクロマト分画もまた当分野で知られている(Kang, X. and Frey, D.D., 2003. J. Chromatogr. 991, 117-128)。
c)疎水性相互作用クロマトグラフィー
本発明のさらなる実施形態において、疎水性相互作用クロマトグラフィーは、組み換えポリクローナル抗体の個々の軽鎖メンバーまたはポリクローナル抗体の個々の軽鎖メンバーの部分集団を分離するために用いられる。疎水性相互作用クロマトグラフィーによる分離は、分離される組成物中の個々のタンパク質の疎水性の差異に基づく。組み換え技術により産生された軽鎖は、疎水性相互作用に都合のよい緩衝液中で、疎水性リガンドを用いてモディファイされたクロマトグラフ媒体に結合する。これは、低いパーセンテージの有機溶剤を含む緩衝液中で(RP−HPLC)またはかなり高濃度の選択された塩を含む緩衝液中で(HIC)、典型的に実施される。個々の軽鎖メンバーは、次いで、典型的には増大する勾配の有機溶剤(RP−HPLC)または減少する勾配の選択された塩(HIC)を用いることで個々の軽鎖メンバーの疎水性に依存して、カラムから溶出される。いくつかの画分が、溶出の間に得られるであろう。単一の画分が、ポリクローナルタンパク質の個々の軽鎖メンバーを含むことが好ましいが、2種、3種、4種、5種、6種、7種、8種、9種、10種、11種、12種、13種、14種、15種、16種、17種、18種、19種、20種もしくはそれ以上のポリクローナルタンパク質の別個の軽鎖メンバーを含んでいてもよい。疎水性相互作用クロマトグラフィーの一般的な原理は当分野で周知であり、RP−HPLCならびにHIC用のカラムは商業的に入手可能である。質量分析計は、しばしばHLPCユニットをそれらと直接連結させ、好ましい事前の分離工程としてRP−HPLCを利用する。
d)疎水性電荷誘導クロマトグラフィー
本発明のさらなる実施形態において、疎水性電荷誘導相互作用クロマトグラフィー(HCIC)は、組み換えポリクローナル抗体の個々の軽鎖メンバーまたはポリクローナル抗体の個々の軽鎖メンバーの部分集団を分離するために用いられる。HCICによる分離は、分離される組成物中の個々のタンパク質の疎水性の差異に基づく。吸着は、緩やかな疎水性相互作用に基づいており、塩類を添加せずに実施される。脱着は、移動相のpHを変えることで達成される電荷反発に基づく。HCIC樹脂への吸着に続く、個々の軽鎖の最適な分離は、勾配の最適化、例えば移動相のpHおよび緩衝塩を変更することによって達成されうる。単一の画分が、個々の軽鎖を含むことが好ましいが、2種、3種、4種、5種、6種、7種、8種、9種、10種、11種、12種、13種、14種、15種、16種、17種、18種、19種、20種もしくはそれ以上の別個の軽鎖を含んでいてもよい。疎水性電荷誘導クロマトの一般的な原理は当分野で周知であり、HCIC用のカラムは商業的に入手可能である。商業的に入手可能なHCIC樹脂の例には、MEP HyperCel(商標)(PALL, East Hills, NY, USA)がある。MEP HyperCel(商標)の吸着剤は、モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体の捕捉および精製のために特別に設計された高い受容量の高選択性クロマトグラフ材料である。
e)親和性クロマトグラフィー
本発明のさらなる実施形態において、親和性クロマトグラフィーは、ポリクローナル抗体の個々の軽鎖メンバーまたはポリクローナル抗体の個々の軽鎖メンバーの部分集団を分離するために用いられる。親和性クロマトグラフィーによる分離は、特異的な検出分子、リガンドまたはタンパク質に対する親和性の差異に基づく。検出分子、リガンドまたはタンパク質またはこれらの複数(これらの異なる選択肢は、以下では単にリガンドと称される)は、クロマトグラフ媒体に固定化され、軽鎖は個々のメンバーと固定化されたリガンドとの間の相互作用に適した条件下で親和性カラムに付される。固定リガンドに対する結合性を示さないタンパク質は、カラムフロースルーにおいて回収され、固定リガンドに対する結合性を示すタンパク質は、その後、結合を妨げる条件下(例えば、低pH、高塩濃度または高リガンド濃度)でカラムから溶出される。いくつかの画分が、溶出の間に得られうる。単一の画分が、ポリクローナル抗体の個々の軽鎖メンバーを含むことが好ましいが、2種、3種、4種、5種、6種、7種、8種、9種、10種、11種、12種、13種、14種、15種、16種、17種、18種、19種、20種もしくはそれ以上のポリクローナル抗体の別個の軽鎖メンバーを含んでいてもよい。組み換えポリクローナルタンパク質を特徴づけるために用いることができるリガンドは、例えば標的抗原、抗イディオタイプ分子または抗体カッパ軽鎖またはラムダ軽鎖の分離のためのプロテインLである。
ポリクローナルタンパク質の個々のメンバーまたはそのような個々のメンバーの部分集団と特異的に結合する抗イディオタイプ分子(例えば抗イディオタイプペプチドまたは抗イディオタイプ抗体)による親和性クロマトグラフィーは、組み換えポリクローナルタンパク質の選択されたメンバー(また、センチネルタンパク質と称される)または個々のメンバーの部分集団の相対的な比率に関する情報を得るために実施されうる。理想的には、個々の抗イディオタイプ分子はそれぞれ、1つの個別のメンバーとのみ特異的に結合するが、組み換えポリクローナルタンパク質の他のメンバーとは結合せず、規定のサブセットのメンバーと結合する抗イディオタイプ分子もまた本発明で用いることができる。好ましくは、完全なポリクローナル組成物が特徴づけることができるよう、抗イディオタイプ分子は個々のメンバーすべてに対して作り出される。組み換えポリクローナルタンパク質が、ポリクローナル抗体である場合、抗イディオタイプ分子は、抗体配列の抗原特異的部分に対するものである。1つのカラムが1つの抗イディオタイプ分子を含み、それにより特定のタンパク質メンバーまたはタンパク質の部分集団に関する情報が得られるよう、抗イディオタイプ分子は、クロマトグラフ媒体にそれぞれ固定されてよい。次いで、そのフロースルーを、第2の固定化した抗イディオタイプ分子などの第2のカラムに付してよい。あるいは、いくつかの異なる抗イディオタイプ分子が、同じカラムに付される同じクロマトグラフ媒体に固定される。次いで、溶出は、個々のタンパク質が異なる画分で溶出されることを可能にする条件下で、例えば遊離イディオタイプ分子の増加する量をカラムに加えることによって又はpHまたは塩勾配を用いていることによって実施される。このアプローチを用いた一次元解析によりポリクローナルタンパク質のいくつかのメンバーの比率に関する情報を得ることが可能でありうる。
ポリクローナル抗体は、カッパ軽鎖またはラムダ軽鎖のいずれかを含む個々のメンバーから構成されてよい。そのようなポリクローナル抗体において、ラムダ軽鎖を有する抗体は、プロテインLがラムダ軽鎖抗体に対する親和性を欠くことを用いることにより、カッパ軽鎖の抗体から分離することができる。したがって、ラムダ軽鎖を含む抗体メンバーのサブセットは、プロテインL親和性クロマトグラフィーを用いて、カッパ軽鎖を含む抗体メンバーのサブセットから分離できる。カッパ抗体およびラムダ抗体サブセットは、次いで、本発明の特徴づけ方法を用いて、さらに特徴づけることができる。
多次元的クロマトグラフィー
一般に、質量分析工程において軽鎖の良好な分解能を得るには、1つの分離プロセスで十分である。もちろん、これはさらなる分離プロセスの使用を除外するものではなく、以下に簡潔に記載する。
分析される試料、例えば組み換えポリクローナルタンパク質中の異型相同タンパク質の複雑さに応じて、二次元、三次元もしくは多次元形式の(a)〜(e)で上記されたクロマトグラフ技術を2つまたはそれ以上組み合わせることが望ましいであろう。二次元ゲル電気泳動に代えて、すべての次元で液体クロマトグラフィーを用いることが好ましい。しかしながら、これは、組み換えポリクローナルタンパク質の特徴づけのために、一次元またはそれ以上の次元でゲル電気泳動または沈殿技術の使用を除外するものではない。
一般に、多次元クロマトグラフィーにおける様々な次元で様々な物理化学的特性に基づいたクロマトグラフ技術、例えば一次元において電荷による分離、二次元において疎水性による分離、および三次元において親和性による分離を用いることは有利である。しかしながら、たとえクロマトグラフ技術の幾つかがタンパク質の類似の物理化学的特性を利用するとしても、後の次元で用いる場合にそれらがさらなる分離を提供することも可能である。例えば、クロマト分画の後にイオン交換クロマトグラフィーまたは親和性クロマトグラフィーが互いに連続し、様々なリガンドに対して、さらなる分離を得することも可能である。
多次元LC技術の代替法として、適切な電気泳動技術、例えばゲル電気泳動またはキャピラリー電気泳動と組み合わせた免疫沈降法、およびその後の抗原の定量は、組み換えポリクローナルタンパク質を特徴づけるために用いることができる。この技術は、特に複合抗原を標的とする組み換えポリクローナル抗体を特徴づけるために有用でありうる。例えば複合ウイルス抗原を標的とする組み換えポリクローナル抗体は、標識化抗原の混合物およびプロテインAビーズを用いて免疫沈降させることができる。続いて、抗原は等電点電気泳動法もしくは2D PAGEを用いて分離され、次いで個々の抗原の定量がなされてよい、これは、その抗原はその特定の抗原を標的とする組み換えポリクローナル抗体中の抗体の量を反映するためである。
組み換えタンパク質のN末端の電荷不均一性の排除
上記タンパク質の特徴づけ技術において、均一タンパク質プール中の個々のタンパク質の不均一性は、単一タンパク質が例えばIEXプロフィールにおいて幾つかのピークを与える結果となり得るので、その特徴づけを複雑なものとしうる。不均一性は、抗体および他の組み換えタンパク質には共通の現象であり、酵素による又は酵素によらない翻訳後修飾によりもたらされる。これらの修飾は、大きさまたは電荷の不均一性を引き起こしうる。一般的な翻訳後修飾は、N−グリコシル化(重鎖のみ)、メチオニン酸化、タンパク質分解による断片化およびアミド分解を含む。不均一性は、遺伝子レベルでの修飾、例えばトランスフェクション中に導入される突然変異(Harris, J.R, et al. 1993. Biotechnology 11,1293-7)および転写中の重鎖と軽鎖のバリアブル遺伝子間のクロスオーバー事象(Wan, M. et al. 1999. Biotechnol Bioeng. 62,485-8)によっても生じうる。これらの修飾は、エピジェネティックであり、かくして構築の遺伝的構造のみによっては予測できない。
不均一性の結果をもたらし得るこれらの翻訳後修飾の幾つかは、特徴づけ前に対処することができる。特徴づけを容易にするそのような修飾は、ポリクローナル製造細胞系(群)により産生される成熟タンパク質の重要な部分を欠失することなく、完全な軽鎖を保持すると考えられる本発明の内容の内にある−すなわち、完全な軽鎖は、例えば以下の技術の1つまたはそれ以上によってモディファイされてよい。1つの実施形態において、そのような「モディファイされた」完全な軽鎖は、少なくとも90%、例えば少なくとも91%、例えば少なくとも92%、例えば少なくとも93%、例えば少なくとも94%、例えば少なくとも95%、例えば少なくとも96%、例えば少なくとも97%、例えば少なくとも98%、例えば少なくとも99%、例えば100%の成熟した完全な軽鎖のアミノ酸配列から成る。
C末端リジンの酵素による除去に起因する電荷の変動は、特異的なカルボキシペプチダーゼ阻害剤の使用により又は全般的なパターンを単純化する抗体をカルボキシペプチダーゼで処置することにより、解決することができる(Perkins, M. et al. 2000. Pharm Res. 17, 1110-7)。
タンパク質の化学分解、例えばアミド分解は、産生および保存中の重大な問題であり、電荷の不均一性をもたらす結果となることが示された。AsnからAspへのアミド分解およびイソAspの形成(イソアスパラギン酸ペプチド結合)は、穏やかな条件下で生じる(Aswad, D.W. et al. 2000. J Pharm Biomed Anal. 21, 1129-36)。これらの再配列は、Asn−Gly、Asn−SerおよびAsp−Gly配列で最も容易に生じ、そこで局所的なポリペプチド鎖の柔軟性が高くなる。
電荷の不均一性は、N末端のグルタミン残基の環化(アミド分解)に起因するピログルタミン酸(PuroGlu)によるN末端の阻害に起因することもある。そのような翻訳後修飾は、IgGならびに他のタンパク質について記載されている。部分的に、抗体N末端の環化は、電荷の不均一性を生じる結果となり、複雑なIEXパターンを与える。この問題を酵素のピログルタミン酸アミノペプチダーゼの使用によって解決することができないのは、第一に、この非ブロック化は、高収量の非ブロック化抗体を得るために後のIEX分析に適合しない還元およびアルキル化された抗体で実施されなければならないためであり(Mozdzanowski, J. et al. 1998, Anal. Biochem. 260,183-7)、第二に、抗体のすべてについて100%の切断を得ることが不可能でありうるためである。
従って、本発明のさらなる態様は、N末端グルタミン残基の環化に起因する電荷の不均一性の排除に関する。N末端PyroGlu残基の形成は、ポリペプチド鎖がN末端のグルタミンを含まないことを確保することによって、例えば該N末端のグルタミン残基を別のアミノ酸残基に変えることによって排除される。抗体について、軽鎖のN末端のGln残基は変更することができる。これは、N末端のグルタミンを有するポリペプチドをコードする核酸配列の部位特異的突然変異導入によりなされる。N末端のグルタミン残基はグルタミン酸残基によって置換されることが好ましいのは、これがグルタミンの非電荷誘導体だからである。組み換えポリクローナルタンパク質において、メンバーをコードする個々の配列は、変更したタンパク質を発現する新しい細胞系を生成するために変更されてもよいし、また発現ベクターに再挿入されてもよい。次いで、この細胞系は、ポリクローナルタンパク質を産生する細胞の回収物に含まれる。
さらなる特徴づけ技術
本発明の1つの実施形態において、相同タンパク質プールのポリクローナル性または相同タンパク質を産生するための発現系は、少なくとも1つのさらなるタンパク質の特徴づけ技術によってモニタされる。そのようなさらなるタンパク質の特徴づけ技術は、溶液中の又はポリクローナル細胞系に存在する細胞表面のモノクローナルタンパク質の混合物または組み換えポリクローナルタンパク質の個々のメンバーの存在および相対的な比率に関する情報を与えることができる単独もしくは別の技術と組み合わされたいずれかの技術であってよい。組み換えポリクローナルタンパク質の複雑さに応じて、以下の技術の1つまたはそれ以上が用いられてもよい:i)さらなるクロマトグラフ分離技術、ii)ポリクローナルタンパク質の個々のメンバーを示す独特のマーカーペプチドの同定のための、ポリクローナルタンパク質のタンパク質分解物の分析、iii)「バルク」N末端基配列決定、およびiv)特異的な検出分子を用いた分析、例えばポリクローナルタンパク質のセンチネルタンパク質メンバーの特徴づけのための分析。好ましくは、さらなるタンパク質の特徴づけ技術は、工程d)およびe)と平行して、あるいはその後でさえ実施されてよい。
1つの実施形態において、国際公開第WO2006/007853号において言及されるように、さらなるタンパク質の特徴づけ技術は、相同タンパク質の可変領域のタンパク質分解物の分析である。国際公開第WO2006/007853号はまた、特異的な検出分子を用いた、「バルク」N末端配列決定および複雑な相同タンパク質混合物の特徴づけの使用に関するさらなる教示を提供する。
しかしながら、現行法の長所のため、他のいかなるタンパク質の特徴づけ技術も組み換えポリクローナル抗体の軽鎖種を特徴づけるために必要とされないことが、通常である。
タンパク質試料
ポリクローナルタンパク質は、例えば、ポリクローナル細胞培養から得られる細胞培養上清から、例えば遠心分離によって細胞から分離されただけの「生の」上清の形態の、または例えばプロテインA親和性精製、免疫沈降またはゲル濾過により生成された上清の形態から得ることができる。しかしながら、前の精製工程が、組み換えポリクローナルタンパク質の特徴づけの一部分ではないのは、それらが組成物中の種々の相同タンパク質の分離をもたらさないためである。好ましくは、本発明の特徴づけの過程に付される試料は、少なくとも1つの精製工程に付される。最も好ましくは、少なくとも90%純度の相同タンパク質、例えば少なくとも95%もしくはより好ましくは99%純度の相同タンパク質を含む試料である。あるいは、ポリクローナル抗体は、別に製造され精製された抗体の混合物であってもよい。
ポリクローナルタンパク質を構成する様々な相同タンパク質は、その組成物の安定性を評価するために、培養の間の様々な時点で単一のポリクローナル細胞培養物から得られる試料においてモニタされ、それによって、産生処理を通じて個々のポリクローナルタンパク質のメンバーの相対的な比率をモニタすることができる。あるいは、ポリクローナルタンパク質を構成する様々な相同タンパク質は、バッチ間の一貫性を評価するために、特定の時点で様々なポリクローナル細胞培養物から得られる試料においてモニタされ、それによって、様々なバッチ中の個々のコード配列の相対的な比率をモニタすることができる。
特徴づけられる様々な相同タンパク質の混合物の複雑さ
本発明の方法によって特徴づけられる試料は、様々な可変領域タンパク質、特に様々な組み換えタンパク質を有する様々な相同タンパク質の規定のサブセットを含む。典型的には、ポリクローナルタンパク質の個々のメンバーは、例えば抗体の場合、所望の標的に対する共通の結合活性などの共通の特徴によって定義された。典型的には、本発明の特徴づけプラットフォームにより分析されるポリクローナルタンパク質組成物は、少なくとも3種、4種、5種、10種または20種の異なる異型メンバー(異なる相同タンパク質)を含む。従って、ポリクローナルタンパク質組成物は、典型的には、(少なくとも)3個の相同タンパク質、例えば(少なくとも)4種、(少なくとも)5種、(少なくとも)6種、(少なくとも)7種、(少なくとも)8種、(少なくとも)9種、(少なくとも)10種、(少なくとも)11種、(少なくとも)12種、(少なくとも)13種、(少なくとも)14種、(少なくとも)15種、(少なくとも)16種、(少なくとも)17種、(少なくとも)18種、(少なくとも)19種、(少なくとも)20種、(少なくとも)21種、(少なくとも)22種、(少なくとも)23種、(少なくとも)24種または(少なくとも)25種の異なる相同タンパク質、例えば2種〜30種の異なる相同タンパク質、例えば2種〜5種、6種〜10種、11種〜15種、16種〜20種、21種〜25種または26種〜30種の異なる相同タンパク質を含む。幾つかの場合において、ポリクローナルタンパク質組成物は、非常に多くの異なる異型メンバーを、例えば少なくとも50種または100種の異なる相同タンパク質を含みうる。通常、単一の異型メンバーは、ポリクローナルタンパク質組成物中の個々のメンバーの総数の75%以上を占めることはない。好ましくは、個々のメンバーは、最終的なポリクローナル組成物中の個々のメンバーの総数の50%以上、より好ましくは25%以上を超えない。多くの場合、個々のメンバーは、最終的なポリクローナル組成物中の個々のメンバーの総数の10%を超えないであろう。
本発明の好ましい実施形態において、様々な可変領域を有する様々な相同タンパク質を含む試料は、ポリクローナル抗体である。ポリクローナル抗体は、1つまたはそれ以上の異なる抗体のサブクラスまたはアイソタイプ、例えばヒトアイソタイプIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2、またはネズミアイソタイプIgG1、IgG2a、IgG2b、IgG3およびIgAであってよい。
本発明は、以下の非制限的な実施例においてさらに記述される。
実施例1:組み換えポリクローナル抗体の調製。
25種の異なる個々の抗RhD抗体を含む組み換えポリクローナル抗体組成物は、国際公開第WO2006/007850号の実施例5に従って調製した。このポリクローナル抗体組成物は、以下では「Sym001」と言及する。
実施例2:軽鎖の単離
本発明に従い、個々の抗体の同定は、軽鎖由来のペプチドのみに代えて全長の軽鎖の質量および保持時間に基づく。この態様は、方法を単純化し(酵素を必要としない)、したがって方法のロバーストネス(robustness)を改善させる。Sym001の軽鎖(カッパ)は、CDR領域を除いて配列が互いに非常に類似しており、N連結型の糖鎖付加、リン酸エステル化などの翻訳後修飾を含まず、従っておおよそ同程度にイオン化することが期待され得た。抗体応答、回復および再生の直線性および再現性を評価した。Sym001の2つのバッチもまた、異なるバッチ中の個々の抗体の相対的な量を評価するために調べた。
試料は、水に対して透析することによってか又は水によるPD10カラム(GE healthcare)を用いて脱塩し、A280をモニタした。次いで、試料を、凍結乾燥し、6MのGua−HCl、0.2Mのトリス、pH8.4中で再構成し、終濃度10mg/mlとし、DTTおよびヨード酢酸をそれぞれ用いて還元およびアルキル化した。
試料の軽鎖は、Agilent 1100 HPLCシステムにてSuperose(商標)12 10/300 GLサイズ排除カラム(GE healthcare)上で分離した。軽鎖は、0.15ml/分の流速で、6MのGua−HCl、50mMのNaP、pH8.4を用いて溶出した。試料ロード:<1%のカラム容量。
還元およびアルキル化されたSym001の典型的クロマトグラムを、図1に示す。
LC−MS
軽鎖画分を、0.1Mの酢酸アンモニウムに対して透析して(スライド−A−ライザー(Lyzer)透析カセット、10000MWCO、Pierce)によって脱塩し、A280をモニタした。この分析は、Agilent G1969A LC/MSD TOF質量分析計とオンラインで連結され、ACE3 C4−300、100×2.1mm、3μのカラムを備えたAgilent 1100 HPLCで実施した。軽鎖は、60℃で操作され、0.4ml/分の流速で0.04%トリフルオロ酢酸中のアセトニトリルの勾配により溶出された。
代表的なクロマトグラムを、図2に示す。
評価−同定および定量
個々の軽鎖の同定は、質量および保持時間に基づいて確立された(図3)。相対的定量化は、電荷エンベロープ(charged envelope)を乗じた様々な軽鎖における抽出イオンクロマトグラム(XIC)のほとんどの強度シグナルをプロットし、それらのピーク面積を積算することにより達成した。
ソフトウェアAnalyst QS1.1(Agilent)を評価のために用いた。1つの抗体の評価は下記され、RhD159 LCは23660.2の質量であった。
RhD159 LC
1)m/zスペクトルにおいて最も高い強度(カウント)を有するm/zピークの同定
抗体RhD159(23660.2Da)に関して、M+25Hの理論的なm/z値は947.41である。これは、図4に示されるXIC(抽出イオンクロマトグラム)を解明するために、TIC(全イオンクロマトグラム)から引き出される。
m/zスペクトルは、得られたピーク時間間隔に関して引き出される(図5)。
最も高い強度(カウント)を有する分子イオンは、947.43(M+25H)である。
2)m/zスペクトルで最も高い強度(カウント)を有するm/zピークの定量(ピーク面積の決定)。
最も高い強度(カウント)を有する分子イオンを拡大した。それは、ピーク最大値を捜し出して自動的にm/z範囲を決めるエクストラクト・イオン・ツールを用いて、TICから引き出される。RhD159 LCに対応して得られたXICのピークは、スムージング後に積算される(図6)。
直線性
抗体応答の直線性は、Sym001 WS−1 LCを5つのレベルで注射すること(n=3)によって確認した(図7を参照)。
回復
回復は、表1で示すように、Sym001を構成する25種の個々の抗体のスパイク−イン(spike-in)実験により確認した。各抗体の軽鎖を、レベル1または2で個別に分析し、2つのレベルでSym001 WS−1 LCにてスパイクした。
表1.スパイク−イン実験における回復および直線性
Figure 2011522213

n.d.:決定していない
再現性−相対的な定量
表2は、6つの異なる機会に分析されたSym001 WS−1において各抗体軽鎖に関して算出された相対的面積の結果を示す。2人の分析者は、還元緩衝液の4つの調製物を用いた6つの試料調製物およびSEC(サイズ排除クロマトグラフィー)の間に用いた移動相の5つの調製物を実施した。2つのSECカラムのロットを試験した。LC−MS部分は、移動相の4つの調製物およびRPC(逆相クロマトグラフィー)カラムの2つのロットを用いて実施した。RSD(相対標準偏差)値は、1.1%〜8.4%の範囲にあった。
表2.6つの異なる機会に分析されたSym001 WS−1の軽鎖の相対面積(%)。
Figure 2011522213

pEは、N末端のGln残基がピロGluに環化されていることを示す。
RhD207の場合、LCは2つの形態で見出された;全長型、および最初の2個の残基(QA)がシグナルペプチダーゼによるプロセシングにより失われた切断型。
Sym001の2つの異なるバッチの分析
2つの異なるバッチを分析し(n=3)、その結果を図8に示す。
図8で見られるように、本発明の軽鎖LC−MS方法は、2つのバッチ間における変化を検出することができる(例えば抗体157と202を参照のこと)。
結論
我々は、Sym001を構成する25種の抗体を同定および定量化できるLC−MSに基づく方法を開発した:
・RP−HPLC方法を、軽鎖、特に近い質量を有するものの分解能を得るために開発した。
・25種すべての抗体の軽鎖に対応する質量を、Sym001試料(Sym001 WS−1)において見出した。1つの抗体(RhD207)について、さらなる切断型を見出した。
・正確な保持時間を、25種すべての異なる軽鎖について確かめた。
・抗体軽鎖応答の直線性を、様々な量のSym001 WS−1 LCを注射することにより確認した。
・回復は、25種すべての異なる軽鎖のスパイク−イン実験により確認した。
・再現性を、1つの試料、Sym001 WS−1を用いて試験した(n=6)。
・2つのバッチを分析し(n=3)、軽鎖LC−MS法がバッチ間の変化を検出できることを示した。
当業者であれば、本明細書に記載の方法を行うにあたって、考えうる多くの変法が存在することは理解するであろう。そのような本発明の範囲内にあるすべての可能な変法を提供することを本明細書中で試みるものではない。本明細書中で引用されるすべての特許文献および非特許文献は、すべての目的に対して出典明示によりその全体を本明細書の一部とされる。

Claims (19)

  1. 組み換えポリクローナル抗体組成物中の軽鎖種を特徴づける方法であって、以下の工程
    a) 組み換えポリクローナル抗体組成物を製造すること、および精製すること;
    b) 重鎖と完全な軽鎖を連結するシステイン架橋を還元すること;
    c) 重鎖を完全な軽鎖から分離すること;
    d) 完全な軽鎖を、物理化学的特性に従ってタンパク質を分離する少なくとも1つのクロマトグラフ分析に付すること;
    e) 工程d)で分離された完全な軽鎖を質量分析に付すること;および
    f) 工程e)で得られたデータを、その組み換えポリクローナル抗体組成物中の完全な軽鎖種を特徴づけるために分析すること、
    を含む、方法。
  2. 完全な軽鎖が、軽鎖アミノ酸配列の全部を含む、請求項1記載の方法。
  3. 完全な軽鎖が、グルタミン以外のN末端アミノ酸残基を有する、請求項1または2記載の方法。
  4. クロマトグラフ分析が、大きさ以外の少なくとも1つの物理化学的特性に基づく、請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。
  5. 正味の電荷、疎水性、等電点および親和性からなる群より選択される少なくとも1つの物理化学的特性に基づく個々のクロマトグラフ分析を含む、請求項4記載の方法。
  6. 個々のクロマトグラフ分析が正味の電荷に基づく、請求項5記載の方法。
  7. クロマトグラフ分析が、多次元クロマトグラフィーとして実施される、請求項1〜6のいずれか一項記載の方法。
  8. クロマトグラフ分析が、高分解能の液体クロマトグラフィーであるか、または高分解能の液体クロマトグラフィーを含む、請求項1〜7のいずれか一項記載の方法。
  9. ポリクローナル抗体組成物が、細胞培養の細胞を含む細胞培養画分である、請求項1〜8のいずれか一項記載の方法。
  10. 工程(a)が、1つまたはそれ以上の細胞培養上清からポリクローナル抗体組成物を調製することを含む、請求項1〜9のいずれか一項記載の方法。
  11. 組み換えポリクローナル抗体組成物中の軽鎖種の特徴づけが、組み換えポリクローナル抗体組成物中の軽鎖種の有無を決定することを含む、請求項1〜10のいずれか一項記載の方法。
  12. 組み換えポリクローナル抗体組成物中の軽鎖種の特徴づけが、組み換えポリクローナル抗体組成物中の軽鎖種の相対的な比率を決定することを含む、請求項1〜11のいずれか一項記載の方法。
  13. 工程(f)が、工程(e)で得られたデータと、さらなるタンパク質の特徴づけ技術および遺伝子組み換え技術から成る群より選択される少なくとも1つのさらなる分析技術により得られたデータとを比較することを含む、請求項1〜12のいずれか一項記載の方法。
  14. 少なくとも1つのさらなる分析技術が、軽鎖をコードするポリヌクレオチドの遺伝子分析である、請求項13記載の方法。
  15. 遺伝子分析が、RFLP、T−RFLP、マイクロアレイ分析、定量PCTまたは核酸配列決定から選択される、請求項13または14記載の方法。
  16. さらなる特徴づけ技術が、N末端配列決定または特異的な検出分子、例えば抗イディオタイプ抗体もしくは抗イディオタイプペプチドを用いた複雑な相同タンパク質混合物の特徴づけから選択されるタンパク質の特徴づけ技術である、請求項13〜15のいずれか一項記載の方法。
  17. 2つまたはそれ以上の組み換えポリクローナル抗体組成物中の完全な軽鎖の集団間の相違を検出する方法であって、2つまたはそれ以上の組み換えポリクローナル抗体組成物のそれぞれに関して請求項1〜16のいずれか一項記載の方法を実施すること、および2つまたはそれ以上の組み換えポリクローナル抗体組成物中の完全な軽鎖の集団間のいずれかの相違を決定することを含む、方法。
  18. 2つまたはそれ以上の組み換えポリクローナル抗体組成物が、培養の間の様々な時点での単一のポリクローナル細胞培養物から得られる、請求項17記載の方法。
  19. 2つまたはそれ以上の組み換えポリクローナル抗体組成物が、特定の時点での様々なポリクローナル抗体細胞培養物から得られる、請求項17記載の方法。
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