JP2011520990A - 軟質酸化剤としてco2を使用したエチルベンゼンの酸化的脱水素化に基づくスチレンモノマー法 - Google Patents

軟質酸化剤としてco2を使用したエチルベンゼンの酸化的脱水素化に基づくスチレンモノマー法 Download PDF

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Abstract

軟質酸化剤としてCOを使用するEBの酸化的脱水素化によって、スチレンモノマーを生成するための方法が提供される。二酸化炭素は、1つ以上の脱水素化反応器で反応希釈剤として使用され、EBからスチレンモノマーへの吸熱反応に必要とされる熱を供給するのに使用される。脱水素化反応器では、スチレンモノマーを形成するための2つの並行反応、即ち、(1)二酸化炭素によって提供される熱を使用した、触媒上でのスチレンモノマーへの直接EB脱水素化、および(2)スチレンモノマーを形成するための、二酸化炭素によるEBの酸化的脱水素化が同時に生じる。

Description

本発明は、酸化剤として再循環二酸化炭素を使用した、炭素間二重または三重結合を含む官能基置換脂肪族化合物を形成するための、官能基置換脂肪族化合物の脱水素化の方法に関する。ある実施形態では、この方法は、酸化剤として二酸化炭素を使用した、エチルベンゼンの酸化的脱水素化によるスチレンモノマーの生成に使用される。
スチレンは、現代の石油化学工業において最も重要なモノマーの1種である。スチレンは、多くのプラスチック、特にポリスチレンの生成で、原材料として使用される。2006年に、スチレンの米国での消費量は約144億ポンドであった。
スチレンモノマー(SM)を生成する最も一般的な方法は、エチルベンゼン(EB)の脱水素化によるものである。EBからスチレンモノマーを生成するための1つの方法は、直接脱水素化によるものである。この方法では、800℃付近の過剰な過熱水蒸気を、カリウムによって促進される酸化鉄触媒が入っている低圧断熱反応器内でEBと合わせる。反応温度は、典型的には約600から650℃であり、反応圧力は、典型的には約40から80kpaである。水蒸気は、希釈剤として働くことにより、脱水素化反応によって生成された水素副生成物の分圧を低下させ、反応をかなりの程度まで進行させることが可能になる。水蒸気は、非常に吸熱的な脱水素化反応を推進するために熱も供給し、水蒸気ガス化による反応器触媒でのコークス形成量を低下させる。この方法は、過剰な水蒸気の使用を通して多量のエネルギーを消費し、このエネルギーは、水蒸気を気化し過熱するのに必要とされるものである。この方法には、触媒失活および限られた熱力学的変換という欠点もある。
Lummus/UOP Smart法は、EBをスチレンに変換するための別の方法であり、脱水素化反応で形成された水素副生成物の一部の選択的酸化を使用することによる直接脱水素化の問題のいくつかに対処している。水素と酸素との発熱酸化反応は、後続のEB脱水素化に必要とされる熱の少なくとも一部を提供する。この方法から水素を除去することにより、脱水素化ユニット内の反応平衡は、シングルパスEB変換の実質的な増大へとシフトし、それと共に高いスチレンモノマー選択性が維持される。この方法の欠点には、反応器内で2種の触媒を必要とすること、即ち脱水素化反応を触媒する触媒と、酸素による水素の酸化を行うための第2の触媒を必要とすることが含まれる。反応器の設計および触媒の投入は、この系ではより複雑になる。反応器内での芳香族酸化剤の形成とCO生成は、カリウムによって促進される酸化鉄脱水素化触媒に悪影響を及ぼす可能性がある。また、酸素を炭化水素混合物に注入した場合、安全性の問題がある。
より最近では、穏やかな酸化剤としてCOの使用が提案されている。米国特許第6,958,427号に記載されている方法では、別の石油化学プロセスの排出物からCOを外部から供給した状態で、バナジウムおよび鉄を含む触媒上で軟質酸化剤としての二酸化炭素の存在下、エチルベンゼンをスチレンモノマーへと脱水素化する。従来の方法と比較すると、二酸化炭素の存在により、より低い温度での操作が可能になり、高い変換率および著しいエネルギー節約がもたらされる。酸化剤としてのCOの使用は、酸素が爆発する危険性を回避し、直接脱酸化よりも低い温度で高い選択性および変換率を示す。COは、加熱媒体として機能することもでき、従来の脱水素化法で使用される水蒸気の一部または全てと置き換えることもできる。
この方法に関連した問題は、周知であり、参照によりその内容全体が本明細書に組み込まれている米国特許第6,958,427号明細書に記載されている。例えば、欠点には、下記の事項、即ち、1)エチレンオキシドプラントからのオフガスなど、外部から供給されるCO源の必要性、2)副生成物COから元のCOに「シフトする」ための酸素源として、かつEBからSMへの吸熱反応に必要とされる熱の少なくとも一部の供給源として、過熱水蒸気が引き続き求められていること、3)水/気体シフト反応器の必要性、および4)水/気体シフト反応器流出物から水素を分離する必要性、および/または5)入念なスクラブ処理/剥離操作を必要とする、脱水素化反応器のオフガスからCOを分離する必要性、および6)水素化反応器(逆水/気体シフト反応器)の必要性に起因する、高い投資および運用コストが含まれる。COを連続供給する必要性により、SMプラントを配置できる場所も限定されるが、それはSMプラントを、COの専用供給付近に位置付けなければならないからである。これが「グリーン」プロセスであると主張しているにも関わらず、このプロセスによるCOの正味の除去はないことを認めることが重要である。COは、単なる酸素キャリアであり、オキシ脱水素化反応器内でCOに変換される。COは、水/気体シフト反応器によって元のCOに変換されなければならず、またはいくつかのその他の酸素化化合物を形成するのに使用しなければならない。
Oxirane POSM法は、共生成物としてSMを生成するものであるが、この方法は、エチルベンゼンの酸化から始まってエチルベンゼンヒドロペルオキシド中間体を形成し、その後、エチルベンゼンヒドロペルオキシドによるプロピレンのエポキシド化を行って、等モル量のプロピレンオキシドおよびスチレンモノマーを得るものである。この方法は、極めて資本集約的であり、その経済性は、ピロピレンオキシド市場によって推進される。
上述の方法に加え、酸化剤として酸素を使用するEBの酸化的脱水素化、Snamprogetti/Dow SNOW(商標)法(エタンおよびエチルベンゼンの同時脱水素化)、Exelus ExSyM(商標)法(トルエンおよびメタノール供給原料をベースにする)、液相エチルベンゼン脱水素化法(Pincer触媒技術)、および膜を使用する方法が考えられてきた。これらの方法は商業的には実証されていない。
米国特許第6,958,427号明細書
先行する脱水素化法の欠点の1つ以上を回避する、EBの脱水素化によってスチレンを生成するための方法を有することが望ましいと考えられる。
本発明は、一般に、再循環二酸化炭素を使用して、炭素間二重または三重結合を含む官能基置換脂肪族化合物が形成されるよう、官能基置換脂肪族化合物を脱水素化する方法を対象とする。再循環二酸化炭素供給流と、官能基置換脂肪族化合物を含有する流れとを、少なくとも1種の触媒が入っている第1のオキシ脱水素化反応器に供給して、官能基置換脂肪族化合物を、炭素間二重または三重結合を含む官能基置換脂肪族化合物に変換する。オキシ脱水素化反応器からの流出物を、少なくとも二酸化炭素、一酸化炭素、および水素を含有する気体再循環流、液体脱水素化生成物混合物流、および水に富む流れの中に分離する。気体再循環流および酸素含有流を、少なくとも1種の酸化装置に供給して、気体再循環流中の一酸化炭素およびHを酸化することにより、再循環二酸化炭素流が生成され、再循環二酸化炭素流が加熱される。脱水素化生成物混合物流を分離することにより、脱水素化生成物混合物から炭素間二重または三重結合を含む官能基置換脂肪族化合物が得られる。
好ましい実施形態では、本発明は、軟質酸化剤として二酸化炭素(CO)を使用した、エチルベンゼンEBの酸化的脱水素化(オキシ脱水素化)によってスチレンモノマー(SM)を生成するための方法を対象とする。本発明の方法は、例えば、(1)供給材料中の官能基置換脂肪族化合物がプロパンであり、官能基置換脂肪族生成物がプロピレンであり、(2)供給材料中の官能基置換脂肪族化合物がブタンであり、官能基置換脂肪族生成物がブテン−1であり、(3)供給材料中の官能基置換脂肪族化合物がブタンであり、官能基置換脂肪族生成物が1,3−ブタジエンであり、(4)供給材料中の官能基置換脂肪族化合物がブテン−1であり、官能基置換脂肪族生成物が1,3−ブタジエンである方法で使用してもよい。
脱水素化反応器内でEBからスチレンを生成するための方法では、スチレンモノマー形成のための2つの並行した全反応、即ち、(1)二酸化炭素によって提供された熱を使用した、触媒上でのスチレンモノマーへの直接EB脱水素化と、(2)水および一酸化炭素副生成物と共にスチレンモノマーを形成するための、二酸化炭素を用いたEBの酸化的脱水素化とが同時に生じる。
EBからスチレンを生成するための本発明の方法を、以下にまとめる。当業者なら、上述の官能基置換脂肪族供給化合物のいずれかを、所望の脱水素化生成物が得られるように、供給材料中のEBの代わりに使用できることが容易に理解されよう。
スチレンモノマーを生成するには、EBおよび再循環COを、触媒が入っている第1の脱水素化反応器に供給する。再循環ガスを、1つ以上の熱交換器で予熱し、1つ以上の酸化装置で再生する。酸化装置では、再循環ガスを触媒上で酸素と合わせて、一酸化炭素および水素を選択的に酸化することにより、二酸化炭素、流れ、および熱が生成される。一酸化炭素および水素は、酸化的脱水素化法の副生成物である。EBは、蒸気の形で脱水素化反応器に供給される。
第1のオキシ脱水素化反応器からの流出物を再加熱し、第2のオキシ脱水素化反応器に供給し、そこでEBからスチレンモノマーへのさらなる変換が生じる。
第2のオキシ脱水素化反応器からの流出物は、再生前に再循環ガスを予熱するのに使用してもよい。反応器の流出物をさらに冷却し、一連の熱交換器で部分的に凝縮する。様々な凝縮液体流を収集し、有機相(脱水素化生成物混合物)と水相とに分離する。
脱水素化生成物混合物を、一連の蒸留カラムに供給して、スチレンモノマー生成物を、脱水素化反応の芳香族副生成物および未反応EBから分離する。未反応のEBは、オキシ脱水素化反応器に戻される。
水相をストリッパに送ることにより、溶解した炭化水素の除去および回収を行う。除去した凝縮物は、水蒸気を発生させるためのボイラ供給水として使用してもよい。
非凝縮性物質には、CO、CO、H、HO、およびN(酸化剤中の酸素の代わりに空気を使用する場合)が含まれ、これらを芳香族物質で飽和する。これらは、反応器のオフガスを構成する。反応器のオフガスを圧縮し、ポリエチルベンゼン流でスクラブ処理して、残留する芳香族物質を回収し、有用な再循環ガスを生成する。わずかなパージを行って、再循環ガス系から、反応不活性物質(例えば、N)の正味の流入を除去する。次いで再循環ガスを、上述のように酸化装置で再生する。
本発明の利点の中に、COが高い熱容量を有し、酸素よりもこの方法で使用することが安全であるということがある。酸化剤としての二酸化炭素の使用は、EBからスチレンへのより高い期待変換率と、スチレンに対する高い選択性をもたらす。熱力学的平衡に基づき、より低い反応温度が必要とされる。二酸化炭素は、過熱水蒸気ほど高価ではなく、二酸化炭素は気化も凝縮もせず、潜熱を節約し、エネルギーが節約される。さらに、この方法は「グリーン」プロセスである。即ち、スチレンを生成するためのその他の方法と比較すると、このプロセスは環境に対してそれほど悪影響を及ぼさない。本発明の方法のその他の利点は、以下に示される本発明の実施形態の詳細な記述によって、当業者に明らかにされよう。
酸化的脱水素化によってエチルベンゼンからスチレンモノマーに変換し、二酸化炭素および水素の酸化によって再循環ガスを再生するための、本発明の方法の実施形態を行うプラントの概略を示す図である。 反応器流出物を、脱水素化生成物混合物、水性流、および反応器オフガスに分離するための、プラントの概略を示す図である。 反応器オフガスを圧縮しスクラブ処理して芳香族物質を回収し、有用な再循環ガスを生成するための、プラントの概略を示す図である。
本発明は、再循環二酸化炭素を使用して、炭素間二重または三重結合を含む官能基置換脂肪族化合物が形成されるように官能基置換脂肪族化合物を脱水素化するための、改善された方法を対象とする。再循環二酸化炭素供給流と、官能基置換脂肪族化合物を含有する流れは、少なくとも1種の触媒が入っている第1のオキシ脱水素化反応器に供給されて、官能基置換脂肪族化合物を、炭素間二重または三重結合を含む官能基置換脂肪族化合物に変換する。オキシ脱水素化反応器からの流出物を、少なくとも二酸化炭素、一酸化炭素、および水素を含有する気体再循環流と、液体脱水素化生成物混合物と、水に富む流れとに分離する。気体再循環流および酸素含有流を、少なくとも1つの酸化装置に供給して、気体再循環流中の一酸化炭素およびHを酸化し、それによって、再循環二酸化炭素流を生成し、この再循環二酸化炭素流を加熱する。脱水素化生成物混合物流を分離することによって、脱水素化生成物混合物から、炭素間二重または三重結合を含む官能基置換脂肪族化合物が得られる。
本発明の方法の1つの実施形態では、スチレンモノマー(SM)を、エチルベンゼン(EB)のオキシ脱水素化によって生成する。二酸化炭素(CO)は、軟質酸化剤として、希釈剤として、また、エチルベンゼンからスチレンモノマーに変換するための熱を供給するのに使用する。再循環ガス中の副生成物である一酸化炭素(CO)は、二酸化炭素への酸化によって連続的に再生され、この二酸化炭素をオキシ脱水素化装置で再使用する。酸化装置は、副生成物である水素(H)も水蒸気に変換し、この水蒸気を引き続き凝縮して、反応系から除去する。再生は、再循環ガスのエンタルピーを増大させ、顕熱を介してオキシ脱水素化のための反応の正味の熱を提供する。再生された再循環ガスは、反応希釈剤としても働く。
気化したエチルベンゼンを、再加熱しながら、直列に接続された1つ以上の断熱固定床ラジアル反応器内で、二酸化炭素とより少ない量の水蒸気の存在下において、触媒によりスチレンに脱水素化する。副生成物である水素を、CO(軟質酸化)によって同時に酸化する。いくつかの副反応が、とりわけベンゼンおよびトルエンを生成する脱アルキル化が、オキシ脱水素化装置内で生じる。脱水素化反応は、吸熱的であり、軟質酸化反応は、発熱的である。正味の反応熱は、高温再生再循環ガスによって、第1のオキシ脱水素化装置内で直接かつ第2のオキシ脱水素化装置内で間接的に提供される。
一酸化炭素、二酸化炭素、水素、およびその他の反応副生成物を含有する再循環ガスを、1つ以上の直列の酸化装置内で、一酸化炭素および水素の選択的酸化によって再生する。一酸化炭素から二酸化炭素への酸化は、オキシ脱水素化反応器に必要とされる軟質酸化剤を生成する。水素から水蒸気への酸化は、EB変換を制限する水素を、オキシ脱水素化反応系から除去する。燃焼熱は、顕熱を再循環ガスに提供する。第1の酸化装置からの流出物は、再循環ガス交換器内で第1のオキシ脱水素化装置からの流出物(第2のオキシ脱水素化装置供給材料)を間接的に再加熱するのに使用される。第2の酸化装置からの流出物は、オキシ脱水素化装置の入口で直接接触混合することにより、第1のオキシ脱水素化装置への供給材料を加熱するのに使用される。
主に二酸化炭素からなる再生した再循環ガスは、副生成物である水素の分圧を下げるために、およびオキシ脱水素化装置のそれぞれにおける温度降下を和らげるために、オキシ脱水素化反応器内で希釈剤としても使用される。
エチルベンゼンを、再加熱しながら、直列に接続された1つ以上の断熱固定床ラジアル反応器内で、二酸化炭素およびより少ない量の水蒸気の存在下、触媒により脱水素化してスチレンにする。副生成物である水素は、COによって同時に酸化する(軟質酸化)。
EBは、2つの並行反応、即ち、(1)下式の反応による、スチレンモノマーへの従来のEB脱水素化:
EB→スチレン+H
および(2)下式の反応による、二酸化炭素を用いたEBからスチレンモノマーへの酸化的脱水素化:
EB+CO→スチレン+CO+H
により、1つ以上のオキシ脱水素化反応器内で、スチレンモノマーに変換される。
第2の反応は、下記の2つの反応の組合せと考えることができる。
<従来のEB脱水素化>(1)EB→SM+H
<Hの軟質酸化>(3)H+CO→CO+H
脱水素化反応(1)は吸熱的であり、軟質酸化反応(3)は発熱的である。軟質酸化反応(3)は、反応ガス混合物から副生成物の水素を除去するよう働き、それによって、主要なEB脱水素化反応(1)の平衡変換が好ましく変化する。発熱反応(3)は、吸熱反応(1)に必要とされる熱の一部も提供する。
いくつかの副反応が、とりわけベンゼンおよびトルエンを生成するEBの脱アルキル化が、オキシ脱水素化反応器内で生ずる。これらの反応は、下式の通り書くことができる。
(4)EB+2H→ベンゼン+2メタン
(5)EB+H→トルエン+メタン
また、少量のその他の芳香族および脂肪族副生成物も、形成される可能性がある。
一酸化炭素、二酸化炭素、水素、およびその他の反応副生成物を含有する再循環ガスを、下式の通り、直列の1つ以上の酸化装置内で、一酸化炭素および水素の選択的酸化によって再生する。
(6)1/2O+CO→CO CO再生
(7)1/2O+H→HO H副生成物除去
酸化反応(6)および(7)は共に発熱的であり、酸化的脱水素化反応(1)および(2)用に正味の熱を提供する。第1の酸化反応(6)は、再循環ガス混合物から副生成物である水素の残分を除去するように働き、主要なEB脱水素化反応(1)の平衡変換をさらに高める。正味の効果は、より低い温度および/またはより高いパーパスEB変換率での操作である。第2の酸化反応は、オキシ脱水素化反応で使用される酸化剤または「軟質」酸化剤であるCOを「再生」する(COから)働きをする。どちらの酸化反応も、非常に発熱的であり、顕熱の形で、吸熱性脱水素化反応に必要な大量の熱を提供する。非選択的オキシ脱水素化反応からの副生成物(例えば、メタン)も、酸化装置内で燃焼し、追加の熱を提供する。
高または低純度酸素、濃縮空気、または大気を、酸化装置への酸素供給材料として使用することができる。酸素源と共に含有される不活性ガスは、再循環ガスからパージされ、望ましくない濃度にまで蓄積されないようにする。
追加の燃料(例えば、メタン)を酸化装置に供給し、燃焼することにより、COの初期インベントリーおよび任意の補給必要量が提供される。追加の燃料(例えば、メタンまたは水素)は、必要に応じて反応器の周りの熱平衡を制御するために、供給してもよい。
多数のオキシ脱水素化反応器を用いてもよい。第1のオキシ脱水素化反応器からの流出物を再加熱し、第2のオキシ脱水素化反応器に供給し、そこではEBからスチレンモノマーへのさらなる変換が生じる。
最後のオキシ脱水素化反応器からの流出物は、再生前に再循環ガスを予熱するのに使用することができる。反応器の流出物をさらに冷却し、一連の熱交換器内で部分的に凝縮する。様々な凝縮液体流を収集し、有機相(脱水素化生成物混合物)と水相とに分離する。
脱水素化生成物混合物を、一連の蒸留カラムに供給して、スチレンモノマー生成物を、脱水素化反応の芳香族副生成物および未反応のEBから分離する。未変換のEBを、新たなEB供給材料と合わせ、オキシ脱水素化反応器へと再循環させる。
水相は、溶解した炭化水素の除去および回収のために、ストリッパに送ってもよい。除去された凝縮物は、水蒸気を発生させるためにボイラ供給水として使用してもよい。
CO、CO、H、HO、N(酸化装置内で酸素の代わりに空気を使用する場合)、少量のEBおよびSM、および少量の脂肪族および芳香族反応副生成物不純物を含有する、凝縮されていない反応器オフガスを圧縮し、ポリエチルベンゼン流でスクラブ処理することにより、残留芳香族を回収する。
少量の再循環ガスパージは、反応システムから反応不活性物質(例えば、N)の正味の流入を除去するために、およびこれらの不活性物質が蓄積される濃度を制御するために、行ってもよい。必要に応じて、パージは、燃焼性成分(COおよびH)の一部を除去することにより、反応器の周りの熱平衡を制御するのに使用してもよい。パージは、芳香族の損失を最小限に抑えるため、圧縮およびスクラブ処理の後に行われる。パージは、フレアに送られても燃料ガスとして使用されてもよい。
次いで得られる再循環ガスを、上述のように、一酸化炭素および水素の酸化によって再生する。
本発明の実施形態の、以下の詳細な記述は、例示的な実施形態を示すものであり、いかなる方法によっても本発明の全範囲を限定するものではない。
図1を参照すると、本発明の一実施形態では、再循環ガス流(12)が再循環ガス加熱器(10)に供給される。再循環ガス流(12)は、典型的には、主に二酸化炭素および一酸化炭素からなり、いくらかの水素および水、および少量の芳香族および非芳香族炭化水素を伴う。好ましくは、再循環ガス流(12)は、薬90kPaから110kPaの間の圧力で、かつ約30℃から50℃の間の温度で供給される。
任意選択で、低圧水蒸気を、ライン(11)を介して再循環ガス流に添加してもよく、または水素もしくはメタンを、ライン(13)を介して添加してもよい。追加のメタンまたは水素は、再循環ガスループ内の熱および物質平衡をさらに制御するために、再循環ガス加熱器の上流に添加される。メタンまたは水素の添加によって、補給二酸化炭素の必要性を排除することができる。低圧水蒸気は、脱水素化反応を好ましい方向にシフトさせるため、追加の熱が供給されるよう必要に応じて使用することができる。
再循環ガス(12)は、以下のさらに記述される高温反応器流出物(14)を用いた熱交換によって、再循環ガス加熱器(10)で加熱される。再循環ガスは、ライン(16)を通して再循環ガス加熱器(10)から出て行き、第1段酸化装置(20)に供給される。図1に示される実施形態では、再循環ガスが、約400℃から500℃の間の温度で再循環ガス加熱器(10)から出て行くことが好ましい。
第1段酸化装置(20)では、再循環ガスは、酸化剤として酸素または空気を使用し、含有される水素、一酸化炭素、および非芳香族炭化水素の一部の選択的酸化によって、さらに加熱される。任意の適切な触媒を、酸化装置で使用することができる。好ましくは、第1段酸化装置は、UOP OC−5触媒などの高選択性酸化触媒を使用する。酸素は、ライン(18)を通して供給され、第1段酸化装置に供給される前に、再循環ガスと混合することができる。あるいは、酸素および再循環ガスを別々に、第1段酸化装置に供給してもよい。図1に示される実施形態では、酸素を、ライン(24)を通して供給し、2つの流れに分割する。第1の流れはライン(18)内を流れ、再循環ガスと一緒になって第1段酸化装置に供給され、一方、第2の流れはライン(26)内を流れ、ライン(32)内の気体と一緒になって、以下に示すように第2段酸化装置に供給される。酸素は、純粋な気体としてまたは空気に含まれるものとして供給することができる。必要に応じて、酸素をほぼ周囲温度から30℃の間の温度に予熱してもよい。第1段酸化装置に供給される酸素と再循環ガスとの体積比は、典型的には約0.030から0.035の間である。
任意選択で、非触媒燃焼器を第1段酸化装置の代わりに使用してもよい。しかし、この燃焼器は一般に、全ての炭化水素成分の非選択的酸化と収率の損失をもたらす。
加熱された再循環ガスは、第1段酸化装置(20)からライン(28)を通して再循環ガス交換器(30)に供給される。加熱された再循環ガスは、約700℃から800℃の間の温度で第1段酸化装置から出て行くことが好ましい。加熱された再循環ガスを使用して、第1段オキシ脱水素化反応器(50)からの流出物を再加熱し、この流出物を、ライン(38)を通して再循環ガス熱交換器(30)に供給する。代替の実施形態では、第1段オキシ脱水素化反応器(50)と第2段オキシ脱水素化反応器(60)との間に、ライン(38)に交差する入口ライン(図示せず)を介して下記の物質のいずれか、即ち、CO、燃料、O/空気、供給入口流、および/または水蒸気を添加することが可能である。以下に記述されるように、第1段オキシ脱水素化反応器の流出物は、第2段オキシ脱水素化反応器(40)に供給される前に、反応温度にまで、再循環ガス交換器(30)内で再加熱される。
再循環ガスを、再循環ガス交換器からライン(32)を通して第2段酸化装置(40)に供給する。再循環ガス熱交換器から出て行く再循環ガスの温度は、熱交換によって、典型的には約550℃から650℃の間の温度まで低下した。酸素を、ライン(26)を通して供給し、第2段酸化装置に供給される前に再循環ガスと混合してもよい。酸素は、空気として供給してもよく、上述のように予熱してもよい。任意選択で、酸素および再循環ガスを別々に、第2段酸化装置(40)に供給してもよい。再循環ガス中の残りの水素、一酸化炭素、および炭化水素のほとんどは、第2段酸化装置内で選択的に酸化し、このプロセスのために追加の熱を供給する。再循環ガスは、約800℃から900℃の間の温度まで、第2段酸化装置内で加熱することが好ましい。任意の適切な触媒を酸化装置で使用することができる。好ましくは、第2段酸化装置は、UOP OC−5型触媒などの高選択性酸化触媒を使用する。第2の酸化装置から出て行く再循環ガスは、2つの酸化装置での反応の結果、脱水素化法で生成された水素、一酸化炭素、および非芳香族を実質的に含まない。
気化したEBは、ライン(42)を通して第1段オキシ脱水素化反応器(50)に供給され、非常に少量の水素および一酸化炭素しか含有していない第2段酸化装置(40)からの高温再生再循環ガス(36)と混合される。反応器(50)は、従来の脱水素化反応器、UOP SMART反応器、Lummus反応器、およびこれらの組合せを含むがこれらに限定するものではない、当技術分野で公知の任意の水素化反応器であってもよい。EB供給材料は、間接的熱源として高圧水蒸気を使用した高圧で、EB気化装置(70)内で気化する。水蒸気は、ライン(41)を通して気化装置に供給され、凝縮物はライン(43)を通して除去される。EB気化装置(70)には、以下にさらに論じられるスチレンモノマーを分離するために蒸留カラムから再循環EB(46)が、また必要に応じて新たなEB(44)が供給される。必要に応じてEBを、このプロセスからライン(45)を通してパージして、再循環EBに含有される重質不純物を除去してもよい。EBおよび再生した再循環ガスの混合物は、約500℃から600℃の間の温度で第1段オキシ脱水素化反応器に供給する。
第1段オキシ脱水素化反応器は、脱水素化法で典型的に使用される反応器の、任意のタイプであってよい。反応器は、1つ以上の固定床、1つ以上の流動床、またはこれらのタイプの床の組合せを含んでいてもよい。反応器で使用される触媒は、カリウムによって促進される酸化鉄触媒、バナジウムおよび鉄触媒、またはその他の触媒など、二酸化炭素の存在下でのEBのオキシ脱水素化に適した任意の触媒であってよい。
EBの一部を、第1段オキシ脱水素化反応器(50)内でスチレンモノマーに変換する。第1段オキシ脱水素化反応器(50)からの流出物を、ライン(38)を通して再循環ガス交換器(30)に供給し、そこで、前述の再循環ガスとの熱交換によって、約550℃から600℃の間の反応温度に加熱する。再循環ガス交換器内で反応温度まで加熱した後、流出物を第2段オキシ脱水素化反応器(60)に供給する。第2段オキシ脱水素化反応器も、脱水素化法で典型的に使用される任意のタイプの反応器であり、1つ以上の固定床、1つ以上の流動床、またはこれらのタイプの床の組合せを含んでいてもよい。反応器で使用される触媒は、カリウムによって促進される酸化鉄触媒、バナジウムおよび鉄触媒、またはその他の触媒など、二酸化炭素の存在下でのEBのオキシ脱水素化に適した任意の触媒であってよい。
第2段オキシ脱水素化反応器からの流出物は、スチレンモノマーと、未反応のEBと、二酸化炭素と、水素、一酸化炭素、芳香族および脂肪族炭化水素などの副生成物とを含む、脱水素化混合物である。脱水素化混合物を、ライン(14)を通して再循環ガス加熱器(10)に供給し、そこで、前述のように再循環ガスとの熱交換によって、脱水素化混合物を冷却する。第2段オキシ脱水素化反応器からの脱水素化混合物のさらなる冷却を、従来のEB変換法と同様の手法で、冷却水(47,48)を使用して、低圧廃熱交換器(80)および低圧廃熱交換器(90)で行う。水蒸気ドラム(95)は、冷却設備の一部として含めてよい。脱水素化混合物は、典型的には、廃熱交換器内で約100℃から150℃の間の温度に冷却される。
冷却された脱水素化混合物は、脱水素化混合物のその他の成分からスチレンモノマーを分離するさらなる処理のため、ライン(51)を通して供給する。この分離は、脱水素化混合物からスチレンモノマーを分離するための従来の技法を使用して、行うことができる。図2に示される方法の1つの実施形態では、脱水素化混合物を、主凝縮器(55)およびトリム凝縮器(95)内でさらに冷却する。水および芳香族のほぼ半分が、凝縮器で凝縮される。主凝縮器で凝縮された水および芳香族を、ライン(56)を通して除去した後、この混合物をトリム凝縮器に供給し、トリム凝縮器で凝縮された水および芳香族を、ライン(58)を通して除去する。凝縮した水および芳香族を、ライン(59)を通して脱水素化混合物/水分離器(65)に供給する。凝縮した水および炭化水素を、脱水素化/水分離器で分離する。
脱水素化混合物を、ポンプ(67)を使用して、ライン(64)を通して分離器(65)からポンプ送出する。脱水素化混合物を、ライン(71)を通して蒸留セクションに供給して、スチレンモノマーを残留EBおよびその他の副生成物から分離する。蒸留セクションは、従来のEB変換法と同じ手法で動作する。蒸留セクションで回収されたEBを、上記にて論じたように、再循環し脱水素化反応器に供給する。必要に応じて、脱水素化混合物の一部または全てを、貯蔵のためにライン(72)を通して供給することができる。
分離器(65)からの水を、ライン(63)を通してポンプ送出し、その他のプロセス凝縮物流と共にストリッパ(105)を通して処理し、炭化水素を除去し回収する。このプロセスの凝縮物除去部分は、スチレンモノマーへのEB脱水素化のための従来の方法と同じ手法で動作する。
冷却した再循環ガスは、ライン(56)に出て行く。本発明の方法によれば、従来のEB変換法の場合よりも、流出物中の水の濃度が低くなるので、気体は、プロセス水によって過熱低減されない。再循環ガスは、図3に示されるように処理する。再循環ガスは、ライン(56)を通って再循環ガス圧縮器吸引ドラム(100)に流れる。ライン(74)により、再循環ガスを、必要に応じて再循環ガスリリーフドラム(105)に流すことが可能である。再循環ガスは、圧縮器入口ライン(76)を通して圧縮器(110)に流れ、そこでは気体が、処理およびプラントの運転に必要な圧力にまで圧縮される。圧縮された再循環ガスは、出口ライン(78)を通して再循環ガス冷却器(115)およびトリム冷却器(120)に流れ、そこでは残りの水および芳香族のほとんどが凝縮される。凝縮された水および芳香族炭化水素は、ライン(83)を通して分離器(125)に供給され、凝縮した水および芳香族は、ライン(82)および(84)を通して除去される。気体冷却器に水は注入されない。
冷却された圧縮再循環ガスを、分離器(125)からライン(86)を通してフラックスオイルスクラバ(130)に供給する。再循環ガスをフラックスオイルスクラバでスクラブ処理するが、そこでは冷却したリーンフラックスオイル(96)を使用して、再循環ガスからのあらゆる残留芳香族の実質的に全てを吸収する。再循環ガスは、ライン(12)内を流れる。再循環ガスをパージして、酸素供給材料と共にシステムに入っている可能性がある窒素やアルゴンなどのあらゆる気体を除去する。パージは、このパージによる芳香族の損失が最小限に抑えられるように、スクラブ処理した後に行う。空気を使用して、このシステムに酸素を供給する場合、より大量のパージ流が必要であり、補給二酸化炭素を供給する必要があると考えられる。芳香族を本質的に含まないスクラブ処理した再循環ガスを、ライン(12)を通して上述の再循環ガス加熱器(10)に供給する。
フラックスオイルスクラバからの残液を、ポンプ(140)を使用して、ライン(88)を通して除去し、ライン(92)を通してフラックスオイルストリッパ(135)に供給する。フラックスオイルストリッパは、リッチフラックスオイルから炭化水素を回収するのに使用する。フラックスオイルストリッパ(112)からの塔頂液は凝縮器に供給し、それによって炭化水素を回収する。フラックスオイルストリッパからの残液(98)は、ポンプ(145)を使用してフラックスオイルスクラバ(130)に供給されるリーンフラックスオイルを含有する。低圧水蒸気が、ライン(106)を通してフラックスオイルストリッパに供給される。
熱交換器は、フラックスオイルおよびフラックスオイルストリッパへの供給材料の温度を制御するのに使用してもよい。例えば、熱交換器(126)は、フラックスオイルストリッパに供給する前にフラックスオイルスクラバからの残液(88)を予熱するために、設けてもよい。フラックスオイルストリッパへの供給材料は、熱交換器(124)で水蒸気を使用して、さらに加熱することができる。フラックスオイルスクラバへのクラックスオイル供給材料は、熱交換器(122)で水を使用して、さらに冷却することができる。
補給フラックスオイルは、ライン(104)を通して供給することができ、一方ブローダウンは、ライン(102)を通して除去することができる。
プロセス凝縮物は、炭化水素を除去することにより回収するために、プロセス凝縮物ストリッパに送られる。除去された凝縮物は、プラント水蒸気システムで再使用される。このシステムは、従来のEB変換法と同様の手法で動作する。
再循環ガスシステム内に含有される一酸化炭素および二酸化炭素の一部は、再循環ガスパージで失われる可能性がある。二酸化炭素の補給は、外部から供給することができ、またはメタンの酸化もしくはその他の軽質炭化水素によってその場で生成することができる。
この方法の1つの利点は、第1段オキシ脱水素化反応器の入口での低水素濃度と、オキシ脱水素化反応器内の副生成物である水素の同時軟質酸化とによって、変換反応をより好ましく進行させることが可能になることである。その結果、オキシ脱水素化反応器を、従来のEB変換プラントの反応器の温度よりも約50℃低い温度で操作することができる。
好ましい実施形態について図示し記述してきたが、添付される特許請求の範囲に記述される本発明の精神および範囲から逸脱することなく、上述の方法に様々な変更を加えることができる。したがって本発明は、単なる例として記述され、限定を示すものではないことを理解すべきである。

Claims (20)

  1. 再循環二酸化炭素を使用して、炭素間二重または三重結合を含む官能基置換脂肪族化合物が形成されるよう、官能基置換脂肪族化合物を脱水素化する方法であって、
    (a)再循環二酸化炭素流と、官能基置換脂肪族化合物を含有する流れとを、少なくとも1種の触媒が入っている第1のオキシ脱水素化反応器に供給して、官能基置換脂肪族化合物を、炭素間二重または三重結合を含む官能基置換脂肪族化合物に変換するステップと、
    (b)オキシ脱水素化反応器からの流出物を、少なくとも二酸化炭素、一酸化炭素、および水素を含有する気体再循環流と、液体脱水素化生成物混合物流と、水に富む流れとに分離するステップと、
    (c)少なくとも二酸化炭素、一酸化炭素、および水素を含有する気体再循環流と、酸素含有流とを、少なくとも1つの酸化装置に供給して、気体再循環流中の一酸化炭素およびHを酸化することにより、再循環二酸化炭素流を生成しかつ再循環二酸化炭素流を加熱するステップと、
    (d)脱水素化生成物混合物流を分離して、脱水素化生成物混合物から、炭素間二重または三重結合を含む官能基置換脂肪族化合物を分離するステップと
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、熱交換器内で前記オキシ脱水素化反応器の流出物を再加熱し、前記流出物を、少なくとも1種の触媒が入っているオキシ脱水素化反応器に供給するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
  3. 請求項1に記載の方法であって、水に富む流れに含まれる炭化水素が減少するように、水に富む流れをさらに処理することを特徴とする方法。
  4. 請求項1に記載の方法であって、脱水素化生成物混合物を、冷却または圧縮によって、CO、CO、およびHを含有する気体流から分離することを特徴とする方法。
  5. 請求項3に記載の方法であって、低揮発性炭化水素液で気体流をスクラブ処理することによって、CO、CO、およびHを含有する気体流から脱水素化生成物混合物をさらに分離することを特徴とする方法。
  6. 請求項4に記載の方法であって、脱水素化生成物混合物を、ストリップ処理によって低揮発性炭化水素液から分離することを特徴とする方法。
  7. 請求項1に記載の方法であって、酸素含有流が空気であることを特徴とする方法。
  8. 請求項1に記載の方法であって、酸素含有流が酸素に富むことを特徴とする方法。
  9. 請求項1に記載の方法であって、酸素含有流が、98モル%よりも多い酸素であることを特徴とする方法。
  10. 請求項1に記載の方法であって、供給流中の官能基置換脂肪族化合物がエチルベンゼンであり、官能基置換脂肪族生成物がスチレンモノマーであることを特徴とする方法。
  11. 請求項1に記載の方法であって、供給材料中の官能基置換脂肪族化合物がプロパンであり、官能基置換脂肪族生成物がプロピレンであることを特徴とする方法。
  12. 請求項1に記載の方法であって、供給材料中の官能基置換脂肪族化合物がブタンであり、官能基置換脂肪族生成物がブテン−1であることを特徴とする方法。
  13. 請求項1に記載の方法であって、供給材料中の官能基置換脂肪族化合物がブタンであり、官能基置換脂肪族生成物が1,3−ブタジエンであることを特徴とする方法。
  14. 請求項1に記載の方法であって、供給材料中の官能基置換脂肪族化合物がブテン−1であり、官能基置換脂肪族生成物が1,3−ブタジエンであることを特徴とする方法。
  15. 請求項1に記載の方法であって、少なくとも1つの酸化装置が少なくとも1種の触媒を含むことを特徴とする方法。
  16. 請求項15に記載の方法であって、少なくとも1つの酸化装置が、酸素とCOおよびHとの反応を優先的に促進させかつ酸素と気体再循環流中の炭化水素との反応を実質的に促進させない少なくとも1種の触媒を含むことを特徴とする方法。
  17. 請求項1に記載の方法であって、2つの酸化装置と2つの脱水素化反応器とが、それらの間に1つの再加熱器を備えた状態で存在することを特徴とする方法。
  18. 請求項1に記載の方法であって、水蒸気を再循環二酸化炭素流に添加するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
  19. 請求項1に記載の方法であって、水素、メタン、またはその他の炭化水素燃料の少なくとも1種を再循環二酸化炭素流に添加するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
  20. 二酸化炭素を使用して、スチレンモノマーが形成されるようにエチルベンゼンを脱水素化する方法であって、
    (a)二酸化炭素流を用意するステップであって、前記二酸化炭素流が、少なくとも1つの脱水素化反応器から再循環された二酸化炭素を含むステップと、
    (b)二酸化炭素流およびEBの少なくとも1種を熱交換器内で加熱するステップと、
    (c)二酸化炭素流および酸素流を、選択的酸化触媒を有する第1の酸化装置に供給して、再循環二酸化炭素中に含有される脱水素化副生成物の酸化を触媒するステップと、
    (d)第1の酸化装置からの流出物流を再循環ガス熱交換器に供給して、第1の脱水素化反応器からの流出物を加熱し、第1の酸化装置からの流出物流を冷却するステップと、
    (e)第1の酸化装置からの冷却された流出物流と酸素流とを、選択的酸化触媒を有する第2の酸化装置に供給して、再循環二酸化炭素中に含有される脱水素化副生成物の酸化を触媒するステップと、
    (f)第2の酸化装置からの流出物とエチルベンゼンとを、触媒を含む第1の脱水素化反応器に供給して、エチルベンゼンからスチレンへの脱水素化を触媒するステップと、
    (g)第1の脱水素化反応器からの流出物を再循環ガス熱交換器に供給して、第1の脱水素化反応器からの流出物を加熱するステップと、
    (h)再循環ガス熱交換器からの、加熱された第1の脱水素化反応器の流出物を、触媒を含む第2の脱水素化反応器に供給して、エチルベンゼンからスチレンへの脱水素化を触媒するステップと、
    (i)第2の脱水素化反応器からの流出物を、再循環二酸化炭素流および脱水素化生成物混合物流に分離するステップと、
    (j)脱水素化生成物混合物流を蒸留カラムに供給して、スチレンモノマーを脱水素化生成物混合物から分離するステップと
    を含むことを特徴とする方法。
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