JP2011520463A - 植物由来成分を含有する培地及び可撓性密閉容器を利用してボツリヌス菌毒素を生産する方法 - Google Patents

植物由来成分を含有する培地及び可撓性密閉容器を利用してボツリヌス菌毒素を生産する方法 Download PDF

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Abstract

植物由来成分を含有する培地を利用し、ボツリヌス菌毒素を生産する方法を提供する。また、可撓性密閉容器を利用し、ボツリヌス菌毒素を生産する方法を提供を提供する。

Description

本出願は、その出願が参照により本明細書に組み入れられる、2008年5月19日に大韓民国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2008-0046152号の恩典を主張する。
本発明は、植物由来成分を含有する培地及び可撓性密閉容器を利用してボツリヌス菌毒素を生産する方法に関する。
神経毒性を有した毒素を分泌するクロストリジウム菌株が、1890年代から現在まで発見され、さる70年間、それら菌株が分泌する毒素に係わる特性が研究されてきた(非特許文献1)。
クロストリジウム属は、127種以上であり、形態及び機能によって区分される。嫌気性、グラム陽性バクテリアであるボツリヌス菌(Clostridium botulinum)は、人間及び動物で、ボツリズム(botulism)という神経痲痺疾患を引き起こす強力なポリペプチド神経毒素を生産する。ボツリヌス菌の胞子は、土壌で発見され、正しく処理されていない食品でも、多量発芽及び培養されうる。かようなものが多様にボツリズムの原因になったりもする。
ボツリヌム毒素は、その血清学的特徴によって、AからGまでの7種のタイプに分れれる。各毒素は、約150 kDaほどの毒素蛋白質を有しているが、自然状態では、さまざまな非毒性蛋白質と結合されている複合体からなっている。中間複合体(300 kDa)は、毒素蛋白質と非毒性非ヘマグルチニン蛋白質とからなっており、大きい複合体(500 kDa)及び巨大複合体(900 kDa)は、中間複合体がヘマグルチニンと結合されている形態を取っている(非特許文献2)。かような非毒性非ヘマグルチニン蛋白質は、腸内での低いpHと、各種蛋白質加水分解酵素とから、毒素を保護する機能を行うと知られている(非特許文献2)。
ボツリヌム毒素は、細胞内で分子量が約150 kDaである一本鎖(single chain)のポリペプチドに合成された後、細胞内蛋白質分解酵素の作用や、トリプシンのような人為的な酵素処理によって、N末端から1/3になる位置で切断され、2個の単位体である軽鎖(light chain:分子量50 kDa)と重鎖(heavy chain:分子量100 kDa)とに分けられる。かように分けられた毒素は、一本鎖ポリペプチドであるときに比べて、その毒性が大きく上昇する。2つの単位体は、二硫化結合によって互いに連結されており、それぞれは、異なる機能を有する。重鎖は、標的(target)になる細胞の受容体(receptor)と結合し(非特許文献3)、低いpH(pH4.0)で生体膜と反応してチャネル(channel)を形成する機能を有し(非特許文献4)、軽鎖は、薬理活性を有しており、界面活性剤を使用して、細胞の透過性を増加することによって、または電気穿孔(electroporation)によって細胞内に投入されたとき、神経伝達物質の分泌を妨害する(非特許文献5)。
ボツリヌム毒素タイプAは、人間に知られた最も致命的な天然生物学剤である。モルを基準とするとき、ボツリヌム毒素タイプAは、ジフテリア毒素より18億倍、シアン化ナトリウムより6億倍、コブラトキシンより3千万倍、そしてコレラ毒素より1千2百万倍さらに致命的である(非特許文献6)。
ボツリヌム毒素は、神経筋接合部(neuromuscular junction)のコリン性前シナプス(cholinergic presynapse)で、細胞からアセチルコリンのエキソサイトーシス(exocytosis)を阻害して、全身無力症を引き起こす。極微量の毒素を処理しても、毒性が示されることから見て、このボツリヌム毒素は、ある酵素活性を有するものと考えられてきた(非特許文献7)。最近明らかにされたところによれば、ボツリヌム毒素は、メタロペプチダーゼ活性(metallopeptidase activity)を有し、その基質は、エキソサイトーシス装置複合体(exocytosis machinery complex)をなす単位蛋白質であるシナプトブレビン(synaptobrevin)、シンタクシン(syntaxin)、25 kDaのシナプトゾーム連係蛋白質(synaptosomal associated protein of 25 kDa)(SNAP25)などである。各タイプのボツリヌム毒素は、この3つの蛋白質のうち一つを基質としているが、ボツリヌム毒素B,D,F及びG型はシナプトブレビンを、ボツリヌム毒素AとE型とはSNAP25を、ボツリヌム毒素C型はシンタクシンを、特定部位で切断すると知られている(非特許文献8)。
特許文献1には、シード培養及び本培養を窒素下で行い、ボツリヌム毒素蛋白質を発現させるために、pHを5〜5.5に調整している。また、さまざまな段階のクロマトグラフィ工程を行い、再使用可能な装備及び消耗品を使用して、洗浄及び滅菌を実施しなければならない。かようなシステムは、cGMP(公認された優秀医薬品製造基準)を満たすために、多くの人材と投資費用がかかり、また危険要素も当該システムには存在する。
国際特許公開第WO06/096163号パンフレット
Schant,E.J.ら,Microbiol.Rev.56; 80; 1992 Sugiyama,H.,Microbiol.Rev.,44,419; 1980 FEMS Microbiol.Lett.72,243; 1990 Mantecucco,C.ら,TIBS 18,324; 1993 Poulain,B.ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.85,4090; 1988 Singh,Critical Aspects of Bacterial protein Toxins,page 63-84 of natural toxins II,edited by B.R.Sigh et al.,Plenum Press,New York(1976) Simpson,L.L.ら,Ann.Rev.Pharmaeol.Toxicol.26,427; 1986 Binz,T.ら,J.Biol.Chem.265,9153; 1994
発明の開示
技術的課題
このために本発明者らは、植物由来成分の組成物を使用し、ボツリヌス菌毒素が細胞外に多量発現するということを発見し、また、使い切り(disposable)生物反応器を利用し、絶対嫌気性菌(strict anaerobe)であるボツリヌス菌を利用した発酵工程を介して、ボツリヌム毒素を効果的に生産できるということを発見した。そして、本願発明者らは、細胞が除去された培養液から、ボツリヌス菌毒素を容易であって非常に簡単に精製できるということを発見し、本発明を完成するに至った。
本発明の目的は、植物由来成分を含有する培地を利用して、ボツリヌス菌毒素を生産する方法を提供することである。
本発明の目的は、可撓性密閉容器を利用して、ボツリヌス菌毒素を生産する方法を提供することである。
本発明は、(a)植物由来成分を含有する培地中でボツリヌス菌(Clostridium botulinum)を培養し、ボツリヌス菌毒素を細胞外に発現させる段階と、(b)得られた培養物から細胞を除去し、細胞外に発現したボツリヌス菌毒素が含まれた部分を得て、前記部分から前記毒素を分離する段階と、を含むボツリヌス菌毒素を生産する方法を提供する。
本発明の方法は、植物由来成分を含有する培地中でボツリヌス菌を培養し、ボツリヌス菌毒素を細胞外に発現させる段階を含む(段階(a))。本段階は、植物由来成分を含有する培地を使用して培養することによって、従来知られていたところとは異なり、細胞外に毒素を発現させることについてのものである。本発明において、「細胞外に毒素を発現させる」という表現の意味は、細胞が毒素を細胞内で生産した後、自発的に細胞外部に排出するだけではなく、細胞内部に発現した毒素を含む細胞が破砕(lysis)され、毒素が、培養物中の細胞内部ではない、培養物の溶液部分に露出されることを含む。
前記植物由来成分を含有する培地は、フィトンペプトン(phytone peptone)を含有するもの、望ましくは、フィトンペプトン、酵母抽出物(yeast extract)及びブドウ糖を含むものでありうる。さらに、前記植物由来成分を含有する培地は、植物トリプトン(vegetable tryptone)、ソイトン(soytone)及びチオグリコレートナトリウム(sodium thioglycolate)からなる群から選択される一つ以上の成分をさらに含むものでありうる。一具体例で、前記植物由来成分を含有する培地は、ブドウ糖、酵母抽出物及びフィトンペプトンを含む培地;ブドウ糖、酵母抽出物、フィトンペプトン及び植物トリプトンを含む培地;ブドウ糖、酵母抽出物、フィトンペプトン及びソイトンを含む培地;ブドウ糖、酵母抽出物、ソイトン及び植物トリプトンを含む培地;ブドウ糖、酵母抽出物、チオグリコレートナトリウム、フィトンペプトン、植物トリプトン及びソイトンを含む培地;ブドウ糖、酵母抽出物、フィトンペプトン、植物トリプトン及びソイトンを含む培地からなる群から選択される培地でありうる。
他の具体例で、前記植物由来成分を含有する培地として列挙された各培地中のブドウ糖、酵母抽出物、チオグリコレートナトリウム、フィトンペプトン、植物トリプトン及びソイトンの含有量は、培地総重量に対して重量基準で、それぞれ0.2wt%ないし2wt%、0.5wt%ないし3wt%、0.05wt%ないし2wt%、0.5wt%ないし2wt%、0.5wt%ないし2wt%及び0.5wt%ないし2wt%でありうる。さらに他の具体例で、前記植物由来成分を含有する培地は、ブドウ糖、酵母抽出物及びフィトンペプトンを含む培地;ブドウ糖、酵母抽出物、フィトンペプトン及び植物トリプトンを含む培地;ブドウ糖、酵母抽出物、フィトンペプトン及びソイトンを含む培地;ブドウ糖、酵母抽出物、ソイトン及び植物トリプトンを含む培地;ブドウ糖、酵母抽出物、チオグリコレートナトリウム、フィトンペプトン、植物トリプトン及びソイトンを含む培地;ブドウ糖、酵母抽出物、フィトンペプトン、植物トリプトン及びソイトンを含む培地からなる群から選択され、前記列挙された各培地中のブドウ糖、酵母抽出物、チオグリコレートナトリウム、フィトンペプトン、植物トリプトン及びソイトンの含有量は、培地総重量に対して重量基準で、それぞれ0.2wt%ないし2wt%、0.5wt%ないし3wt%、0.05wt%ないし2wt%、0.5wt%ないし2wt%、0.5wt%ないし2wt%及び0.5wt%ないし2wt%であり、残りは、水から構成されるものでありうる。
前記毒素は、ボツリヌム毒素A,B,C,D,E,F及びGからなる群から選択されるものであり、望ましくは、タイプA毒素である。
(a)段階の培養は、入口と出口とが備わった可撓性(flexible)材質から構成された密閉容器に、培養培地及びボツリヌス菌を接種して培養するものでありうる。前記密閉容器は、動物細胞培養に関連した当業者に周知であり、商業的に購入可能である(例えば、Cultibag(商標):Wave Biotech社製)。例えば、前記密閉容器は、国際特許公開第WO00/66706号パンフレットに開示されているものでありうるが、これに限定されるものではない。前記密閉容器は、あらかじめ滅菌されており、バッグ形態、例えば、プラスチック・バッグ形態を有するものでありうる。前記密閉容器は、空いている場合、2つの密接して整列された可撓性物質層から構成されるシート形状を有し、実質的に内部空間体積を有さない。培地または細胞溶液のような試料が入口を介して導入される場合、前記可撓性物質の2層間の空間が形成され、いかなる実質的な空気導入もなしに試料を収容する。
前記密閉容器は、揺れ運動(rocking motion)によって撹拌されるものでありうる。かような揺れ運動は、前記密閉容器が載せられるプラットホームと、このプラットホームを振動(oscillation)軸を中心に揺さぶるロッカ(rocker)とによってなされうる。かようなロッカは、動物細胞培養に係わる当業界に周知であり、例えば、Cultibag(商標)(Wave Biotech社製またはSartorius社製)の一部として購買されうる。前記密閉容器は、空気不透過性(air impermeable)であるので、培養培地及び細胞が、接種時点から培養が完了するまで、その内部が、外部から酸素が供給されない条件に維持されうる。
従って、前記培養は、嫌気性条件を維持するために、窒素の供給、酸素除去活性を有した化学物質(例えば、チオグリコレートナトリウム)の使用、またはpH調節なしに、なされるものでありうる。前記培養は、揺れ運動による撹拌がなされたり、撹拌のない状態でなされうる。
本発明の方法は、また、得られた培養物から細胞を除去し、細胞外に発現したボツリヌス菌毒素が含まれた部分を得て、前記部分から前記毒素を分離する段階を含む(段階(b))。本段階は、細胞が除去された培養液中に存在する毒素を分離するものであり、溶液中に含まれている毒素を分離する従来知られている任意の方法が使われうる。
一具体例で、(b)段階は、培養物から細胞を除去して得られた培養液に酸を添加し、毒素を沈殿させた後で沈殿物を分離する段階(段階(b−1))と、前記分離された沈殿物を液体媒質中に溶解させて限外濾過する段階(段階(b−2))と、限外濾過された試料(すなわち、限外濾過不透過物(retentate))に対して陰イオン交換クロマトグラフィを行う段階(段階(b−3))と、を含むものでありうる。
(b−1)段階で細胞の除去は、深層濾過(depth filtration)及びマイクロ濾過(micro filtration)からなる群から選択される一つ以上の濾過によってなされ、毒素の沈殿は、酸を添加して培養液をpH3ないし4に維持してなされるものでありうる。前記酸は、硫酸、塩酸、氷醋酸を含んだ酢酸などになりうる。
(b−2)段階で限外濾過は、分子量カットオフ100 kDa以下の膜を使用してなされるものでありうる。沈殿物の溶解は、バッファ、例えば、10mMないし50mMクエン酸塩バッファ(pH5.0ないしpH6.0)を使用してなされうる。
前記(b−3)段階で、陰イオン交換クロマトグラフィは、デキストリン、アガロース物質を基にしたジエチルアミノエチル(DEAE)、QセファロースまたはQセファデックスを使用したものであり、溶出は、NaClを使用せず、クエン酸塩バッファだけを使用して溶出する方法によってなされうる。
他の具体例で、(a)段階及び(b)段階のうち一つ以上の段階で、あらかじめ滅菌された使い切り容器を使用してなされ、各段階で試料が移動する容器の内部空間と、作業者が作業を行う前記容器の外部空間は、疎通なしになされるものでありうる。例えば、一般的な開放されたシステムで、培養物から細胞を除去することは、遠心分離または濾過によって行われうるが、この場合、培養物を遠心分離容器または濾過器に導入する過程、及び遠心分離及び濾過後に試料を回収する過程で、試料が外部空間に露出される場合が生じる。また、一般的な開放されたシステムで、沈殿、限外濾過及びクロマトグラフィは、試料を沈殿、限外濾過及びクロマトグラフィのために、反応容器、限外濾過器及びクロマトグラフィ・カラムに導入する過程、及び沈殿、限外濾過及びクロマトグラフィ後に試料を回収する過程で、試料が外部空間に露出される場合が生じる。本願発明は、前記(a)段階及び(b)段階のうち一つ以上の段階で、滅菌された使い切り容器を使用し、前記(a)段階及び(b)段階のうち一つ以上の段階で使われた容器は、容器と容器とが容器外部と接触がない状態になるように連結された状態で行われうる。望ましくは、前記(a)段階及び(b)段階で使われたあらゆる容器は、互いに同時にまたは順次に連結されているものである。
本発明はまた、入口と出口とが備わった可撓性材質から構成された密閉容器に、培養培地及びボツリヌス菌を接種して培養し、ボツリヌム毒素を培養物中に発現させる段階(段階(a))と、得られた培養物からボツリヌス菌毒素を分離する段階(段階(b))と、を含むボツリヌス菌毒素を生産する方法を提供する。
本発明の方法は、(a)入口と出口とが備わった可撓性材質から構成された密閉容器に、培養培地及びボツリヌス菌を接種して培養し、ボツリヌム毒素を培養物中に発現させる段階を含む。
前記密閉容器は、動物細胞培養と関連した当業者に周知であり、商業的に購入可能である(例えば、CultibagTM:Wave Biotech社製)。例えば、前記密閉容器は、国際特許公開第WO00/66706号パンフレットに開示されているものでありうるが、これに限定されるものではない。前記密閉容器は、あらかじめ滅菌されており、バッグ形態、例えば、プラスチック・バッグ形態を有するものでありうる。
前記密閉容器は、揺れ運動によって撹拌されるものでありうる。かような揺れ運動は、前記密閉容器が載せられるプラットホームと、このプラットホームを振動軸を中心に揺さぶるロッカとによってなされうる。かようなロッカは、動物細胞培養と関連した当業界に周知であり、例えば、CultibagTM(Wave Biotech社製またはSartorius社製)の一部として購買されうる。前記密閉容器は、空気不透過性であり、培養培地及び細胞が接種時点から培養が完了するまで、その内部が外部から酸素が供給されない条件に維持されうる。
従って、前記培養は、嫌気性を維持するために、窒素の供給、酸素除去活性を有した化学物質(例えば、チオグリコレートナトリウム)の使用、またはpH調節なしに、なされるものでありうる。
前記培地は、ボツリヌス菌の培養に使われる従来知られている培地が使われうる。前記培地は、動物由来成分を含有する培地、植物由来成分を含有する培地及びいずれも含むものでありうる。望ましくは、植物由来成分を含有する培地を使用するのである。
一具体例で、前記植物由来成分を含有する培地は、フィトンペプトン、酵母抽出物及びブドウ糖を含むものでありうる。さらに、前記植物由来成分を含有する培地は、植物トリプトン、ソイトン及びチオグリコレートナトリウムからなる群から選択される一つ以上の成分をさらに含むものでありうる。一具体例で、前記植物由来成分を含有する培地は、ブドウ糖、酵母抽出物及びチオグリコレートナトリウムを含む培地にフィトンペプトン、植物トリプトン及びソイトンから構成された群から選択された2以上の成分をさらに含む培地;ブドウ糖、酵母抽出物及びチオグリコレートナトリウムを含み、フィトンペプトン、植物トリプトン及び植物トリプトンは含まない培地;ブドウ糖、酵母抽出物、フィトンペプトン、植物トリプトン及びソイトンを含む培地からなる群から選択されるものでありうる。他の具体例で、前記植物由来成分を含有する培地として列挙された各培地中のブドウ糖、酵母抽出物、チオグリコレートナトリウム、フィトンペプトン、植物トリプトン及びソイトンの含有量は、培地総重量に対して重量基準で、それぞれ0.2wt%ないし2wt%、0.5wt%ないし3wt%、0.05wt%ないし2wt%、0.5wt%ないし2wt%、0.5wt%ないし2wt%及び0.5wt%ないし2wt%でありうる。さらに他の具体例で、前記植物由来成分を含有する培地は、ブドウ糖、酵母抽出物及びチオグリコレートナトリウムを含む培地に、フィトンペプトン、植物トリプトン及びソイトンから構成された群から選択された2以上の成分及び水からなる培地;ブドウ糖、酵母抽出物及びチオグリコレートナトリウム及び水から構成され、フィトンペプトン、植物トリプトン及び植物トリプトンは含まない培地;ブドウ糖、酵母抽出物、フィトンペプトン、植物トリプトン、ソイトン及び水からなる培地からなる群から選択されるものであり、前記列挙された各培地中のブドウ糖、酵母抽出物、チオグリコレートナトリウム、フィトンペプトン、植物トリプトン及びソイトンの含有量は、培地総重量に対して重量基準で、それぞれ0.2wt%ないし2wt%、0.5wt%ないし3wt%、0.05wt%ないし2wt%、0.5wt%ないし2wt%、0.5wt%ないし2wt%及び0.5wt%ないし2wt%であり、残りは、水から構成されるものでありうる。
前記毒素は、ボツリヌム毒素A,B,C,D,E,F及びGからなる群から選択されるものであり、望ましくは、タイプAボツリヌム毒素である。
前記のように、植物由来培地成分を使用する場合、前記毒素は、細胞外に分泌される。この場合、細胞が除去された培養液中に存在する毒素を分離するものであり、溶液中に含まれている毒素を分離する従来知られている任意の方法が使われうる。
一具体例で、(b)段階は、培養物から細胞を除去して得られた培養液に酸を添加し、毒素を沈殿させた後で沈殿物を分離する段階(段階(b−1))と、前記分離された沈殿物を液体媒質中に溶解させて限外濾過する段階(段階(b−2))と、濾過された試料に対して陰イオン交換クロマトグラフィを行う段階(段階(b−3))と、を含むものでありうる。
(b−1)段階で細胞の除去は、深層濾過及びマイクロ濾過からなる群から選択される一つ以上の方法によってなされ、毒素の沈殿は、酸を添加して培養液をpH3ないし4に維持してなされるものでありうる。前記酸は、硫酸、塩酸、氷醋酸を含んだ酢酸などになりうる。
(b−2)段階で限外濾過は、分子量カットオフ100 kDa以下の膜を使用してなされるものでありうる。沈殿物の溶解は、バッファ、例えば、10mMないし50mMクエン酸塩バッファ(pH5.0ないしpH6.0)を使用してなされうる。
(b−3)段階で、陰イオン交換クロマトグラフィは、デキストリン、アガロース物質を基にしたジエチルアミノエチル(DEAE)、QセファロースまたはQセファデックスを使用したものであり、溶出は、NaClを使用せずに、クエン酸塩バッファだけを使用して溶出する方法によってなされうる。
他の具体例で、(a)段階及び(b)段階のうち一つ以上の段階で、あらかじめ滅菌された使い切り容器が使用され、各段階で試料が移動する容器の内部空間と、作業者が作業を行う前記容器の外部空間は、疎通なしになされるものでありうる。例えば、一般的な開放されたシステムで、培養物から細胞を除去することは、遠心分離または濾過によって行われうるが、この場合、培養物を遠心分離容器または濾過器に導入する過程、及び遠心分離及び濾過後に試料を回収する過程で、試料が外部空間に露出される場合が生じる。また、一般的な開放されたシステムで、沈殿、限外濾過及びクロマトグラフィは、試料を沈殿、限外濾過及びクロマトグラフィのために、反応容器、限外濾過器及びクロマトグラフィ・カラムに導入する過程、及び沈殿、限外濾過及びクロマトグラフィ後に試料を回収する過程で、試料が外部空間に露出される場合が生じる。本願発明は、前記(a)段階及び(b)段階のうち一つ以上の段階で、滅菌された使い切り容器を使用し、前記(a)段階及び(b)段階のうち一つ以上の段階で使われた容器は、容器と容器とが、容器外部と接触がない状態になるように連結された状態で行われうる。望ましくは、前記(a)段階及び(b)段階で使われたあらゆる容器は、互いに同時にまたは順次に連結されている。
本発明の方法において、ボツリヌス菌は、ボツリヌス菌毒素を生産できるものであり、例えば、ボツリヌス菌のタイプAのHallA(ATCC指定番号3502)が含まれうる。
ボツリヌス菌の培養条件は、当業界に知られている一般的な培養条件によってなされうる。培養温度は、33℃ないし40℃で培養されるものでありうる。本発明の方法によれば、培養器周辺の作業環境は、一般的な作業環境と同じものであり、別途の無菌環境を設けたり洗浄する必要がない。
本発明の方法において、各段階は一回使い切り消耗品(single use consumable)を使用してなされるものでありうる。例えば、細胞除去に使われる遠心分離または濾過システムとして、濾過システム(使い切り深層濾過及びマイクロフィルタ)を使用し、沈殿システムとして、外部と接触がない一回使い切りシステムを使用し、限外濾過及びクロマトグラフィシステムとして、一回使い切り限外濾過及びクロマトグラフィシステムを使用してなされうる。また、試料の移送においても、一回使い切り試料移動システムを使用するものでありうる。かようにすることにより、ボツリヌス菌の汚染による危険要素を排除できる。
有利な効果
本願発明の方法によれば、ボツリヌス菌毒素は、細胞外で発現され、ボツリヌス菌毒素は、容易かつ極めて単純に生成かつ産生できる。さらに、窒素を取り除く必要も、嫌気性条件を作るために他の装置を使用する必要もなく、通常の作業環境であってもボツリヌス菌株を用いて発酵が実施できる。さらに、本願発明の方法によれば、ボツリヌス菌の培養およびボツリヌス菌毒素の精製は、一回使い切りの消耗品を用いることにより、閉鎖系において実施され、ボツリヌス菌およびボツリヌス菌毒素を含む容器の内側は、操作者が作業をする、容器の外側とは接触しない。このため、ボツリヌス菌毒素は安全に産生され得る。さらに、複雑に制御された従来型の発酵系および精製系を用いない場合であっても、高純度のボツリヌス菌毒素を産生できる。
最良の態様
以下、本発明について、実施例を介してさらに詳細に説明する。しかし、以下の実施例は、本発明について例示的に説明するためのものであり、本発明の範囲がそれら実施例によって限定されるものではない。
実施例1:無動物由来成分培地でボツリヌス菌タイプA毒素を細胞外に多量発現させる培地組成確認
本実施例では、無動物由来成分培地で、ボツリヌス菌タイプA毒素がボツリヌス菌の細胞外に多量発現するということを、多様な植物培地を使用して確認した。
使われた培地は、次の表1の通りである。
Figure 2011520463
表1で、ソイトン及び植物トリプトンは、それぞれBeckton Dickinson社製とFluka社製とを使用し、フィトンペプトン及び酵母抽出物は、Beckton Dickinson社製を使用し、ブドウ糖は、Merck社製を使用した。表1の培地成分を注射用水(WFI:water for injection)に溶かし、NaOHを利用してpHを7.2に調整した。
また、対照群としてN−ZアミンA(Sigma社:動物由来)1重量%、バクトプロテオースペプトン#2(Bacto Proteose Peptone #2:ブタ由来)2重量%、バクト酵母抽出物(Bacto Yeast Extract)(BD)1重量%、ブドウ糖1重量%及びチオグリコレートナトリウム(Sigma社)0.05重量%を水に溶解させたものを使用した(以下、動物由来培地または対照群培地とする)。
かように準備された各培地200mlを、滅菌された使い切りマイクロ濾過システム(single use microfiltration system:0.2μm Sartorius 2、Sartorius社製)を介して濾過し、CultibagTM(Wave Biotech社製、使い切り発酵バッグ)に注入した。前記マイクロ濾過システム、すなわち、除菌フィルタ0.2μmは、前記バッグの試料注入ポートに設け、これを介してシード培養培地200mLを前記バッグに注入した。培地の注入は、ペリスタリック・ポンプを使用して行われた。
ここに、ボツリヌス菌タイプA10〜10細胞/ml濃度のシード培養液1mlを、試料注入ポートを介して接種した。CultibagTMは、混合を起こすために、揺れ(rocking)運動を使用できる使い切り生物反応器(disposable bioreactor)である。CultibagTMは、入口及び出口及び試料ポートが形成されている可撓性材質のバッグとして構成されており、前記バッグの材質を介して空気が通過できない。また、前記バッグには、結合されたポンプが備わっており、バッグふくらませ(bag inflation)及び細胞供給のために使われる。前記バッグは、空いている場合、2つの密接して整列された可撓性物質層から構成されるシート形状を有しており、実質的に内部空間体積を有さない。培地または細胞溶液のような試料が入口を介して導入される場合、前記可撓性物質の2層間の空間が形成され、いかなる実質的な空気導入もなしに、試料を収容する。使われたバッグは、1L容量を有するものである。
培養は、200mLシード培養液を含む1L CultibagTMを、CultibagTMに含まれているロッカ(rocker unit)を使用して10rpmでロッキングしつつ、37℃で12ないし24時間シード培養し、これを本培養培地20Lを含んでいる前記バッグに、ポリカーボネート材質の滅菌使い切りコネクタ(Kleenpack connector PALL)を介してペリスタリック・ポンプを使用して接種した後、48〜72時間、CultibagTMの内側の空間はボツリヌス菌が増殖できる嫌気性条件が維持されているので、別途の嫌気維持条件なしに培養した。
前記シード培養培地は、滅菌フィルタを介して、前記バッグにヘッド空間(headspace)なしに注入し、嫌気条件が維持されるように注入された。前記シード培養液を注入するときにも、フィルタを使用しないことを除いては、同一に注入した。また、前記本培養は、前記バッグを、CultibagTMのロッカのプラットホームに載せ、温度37℃に維持しつつ、10rpmでロッキングした。培養中にバッグ内部を嫌気条件に維持するために、別途の窒素パージングや、嫌気条件のための試薬を使用しなかった。
培養が終了した後、前記バッグの試料ポートに、滅菌コネクタであるQDCコネクタ(Satorious社製)を連結し、これを介して、培養物を他の使い切りバッグ(可撓性使い切りバッグ)に移送した。次に、培養物が含まれている使い切り容器に、滅菌使い切り深層濾過(Depthfilter、SartoclearまたはSupraCap、PALL)及びマイクロ濾過器(0.2μm、Sartopore 2、Sartorius)を連結し、これを介して培養物を濾過して細胞を除去し、こうして得られた上澄み液は、外部にさらされることなく、他の使い切りバッグに入れた。得られた上澄み液を、バッファ(GPB:gelatin phosphate buffer)(0.2%ゼラチン含有の30mMリン酸ナトリウムpH6.2)で指定された倍率に希釈された試料0.1mlを、それぞれ10匹のマウス(ICRメス4週齢)の腹腔に注射し、3日後に死んだマウスの数を測定した。その結果は、下記表2の通りである。
Figure 2011520463
表2に示されているように、植物培地である培地1ないし5及び培地8は、培養物中から細胞を除去した上澄み液の毒性が、動物培地に比べて、10倍ほど強いと分かった。従って、植物由来成分を含有する培地を使用する場合、ボツリヌス菌タイプA毒素が細胞外に多量排出されうるということを発見した。
表2に示されているように、酵母抽出物、ブドウ糖は、ボツリヌス菌の生育に一般的に要求になる成分であることを考慮するとき、ボツリヌス菌タイプA毒素を細胞外に発現させることは、フィトンペプトン、またはソイトン及び植物トリプトンが重要な役割を果たすと見られる。従って、経済的な側面では、ソイトン及び植物トリプトンの組み合わせと比べて、フィトンペプトン1つの成分を使用するのが有利であるので、フィトンペプトンを、酵母抽出物、ブドウ糖及びチオグリコレートナトリウムと組み合わせて使用することが、最も望ましいと見られる。
表2に示されているように、動物由来培地を使用したものより、植物由来成分を含有する培地(培地1−5及び8)を利用して発酵したものが、発酵上澄み液内にさらに多量のボツリヌム毒素蛋白質が存在していることを発見した。従って、本発明者らは、植物由来成分を含有する培地を使用する場合、ボツリヌム毒素蛋白質が細胞外部に排出され、複雑な精製段階を経ずともよいとする驚くべき効果を発見した。
表2の結果は、細胞を除去した培養液を試料として、SDS−PAGE結果から得られた結果が同一であった(データは示さない)。
以上のように、実施例1では、植物由来培地成分を使用することによって、ボツリヌス菌タイプA毒素が、動物培地を使用するものに比べて、細胞外にさらに多量に発現しうる培地組成を得た。
以下では、細胞を除去した培養液からタイプA毒素を生産する方法について具体的に説明する。
ボツリヌス菌タイプの菌は、絶対嫌気菌であり、嫌気性大気条件が形成されなければ、菌の成長はもとより、毒素産物を発現すらしない。従来技術によれば、嫌気性大気条件を設けるために、次のような3つの方法を別途にあるいは組み合わせて使用している。第一に、滅菌を活用した方法、第二に、化学物質を利用した方法(例:チオグリコレートナトリウム)、第三に、窒素ガスをパージングして酸素がない大気状態を維持する方法を活用した。しかし、かような方法は、装備を具備せねばならず、また残留物が発生しうるという問題点がある。これは、GMP(good manufacturing pactice)及びBSL3(biosafety level3)実験室を構築するのに、大きい危険要素として作用する可能性がある。しかし、本発明の実施例では、少なくとも植物由来成分を含有する培地及び/または使い切り生物反応器を使用する場合、前記の3つの方法を全く使用せずとも、酸素との接触をなくすことができるということを発見した(培地5参照)。また、ボツリヌス菌株の固有特性であるボツリヌム毒素蛋白質の生産も、問題ないということを発見した。
また、前述の先行技術で、毒素蛋白質生産のために、pHを強制的に下げる段階を必要としたが、本発明では、驚くべきことに、かようなpHを強制的に下げる操作なしに、密閉のフレキシブルバッグシステムにおける簡便な培養だけで、多量の毒素蛋白質が細胞外部に発現、生産されうることを発見した。
実施例2
本実施例では、CultibagTMを使用して培養する過程で、ロッキングをしないことを除いては、実施例1の過程と同一に進めた。
その結果、生産された毒素の量は、実施例1の結果と実質的に違いがなかった。
実施例3:植物由来成分を含有する培地を利用した発酵液から細胞を除去した培養液でのボツリヌス菌タイプA毒素の分離
本実施例では、実施例1または2の培地5の培地組成を利用してボツリヌス菌を培養し、細胞を除去した上澄み液からボツリヌス菌タイプA毒素を分離した。培養条件及び時間、並びに細胞除去工程は、実施例1に示した通りである。
培養上澄み液20Lが含まれているバッグに0.1N硫酸を添加し、pHを3.0ないし4.5に調整し、毒素蛋白質を沈殿させた。この工程も、外部との接触なしに使い切りサンプルバッグ(disposable sample bag)内であらゆる作業が行われた。
次に、沈殿が完了すれば、滅菌された使い切り濾過システム(disposable slice 200 0.2μmフィルタ:Sartorius社製)を介して、外部との接触なしに濾過して上澄み液を除去し、沈殿物を使い切りバッグに回収した。回収された沈殿物に注射用水(WFI)10Lを添加して硫酸を洗い、滅菌された使い切りマイクロ濾過システム(disposable slice 200 0.2μm フィルタ)を前記バッグに連結して濾過し、上澄み液をこのシステムを介して除去することによって、沈殿物を使い切りバッグ内に回収した。
回収された沈殿物にクエン酸塩バッファ(25mM pH5.5)10Lを添加し、沈殿物にある毒素蛋白質を再溶解させた。この工程も、使い切りバッグで作業し、外部との接触は引き起こされなかった。再溶解された試料が含まれているバッグに、滅菌された使い切り濾過システム(0.2μm、ULTA Cap HC、GE、米国)を連結し、外部との接触なしに濾過し、上澄み液を滅菌された使い切りバッグに取り、不溶性不純物は除去した。
不溶性不純物が除去された試料が含まれている前記バッグに、分子量カットオフ100 kDaの滅菌された使い切り限外濾過膜(disposable slice 200 100 kDa:Sartorius社製)を連結し、外部との接触なしに濾過して濃縮し、クエン酸塩バッファ(25mMpH5.5)を使用してバッファ交換を実施した。この過程も、毒素蛋白質は無菌容器の内部表面と接触しており、外部との接触は、引き起こされなかった。
次に、濃縮及びバッファ交換が完了した試料が含まれた前記バッグに、使い切りDEAEクロマトグラフィ・システム(DEAE BPG columnTM:GE Healthcare)と、滅菌された使い切り膜クロマトグラフィ・システム(Sartobind DTM:Sartorius)を順に連結し、外部との接触なしに試料上で(on the sample)DEAE陰イオン交換クロマトグラフィ及び膜クロマトグラフィを行った。使い切りクロマトグラフィ・システムはあらかじめ洗浄されたものであり、試料をローディングした後、試料中のボツリヌス菌タイプA毒素蛋白質は、カラムに結合せず、試料中の不純物は、カラムに結合する。従って、カラムから流れ出る分画を回収した。その結果、外部との接触なしに不純物を除去し、高純度のボツリヌス菌タイプA毒素蛋白質を回収した。その結果、本発明の実施例に記載された植物由来成分を含有する培地で精製されたボツリヌス菌タイプA毒素生産量は、対照群として使われた動物培地に比べて、約5ないし10倍増加した。
以上のような各段階で得られた試料は、SDS−PAGEとSEC−HPLCとを介して分析した。最終精製の結果、純度95%以上のボツリヌス菌タイプAを得た。従って、細胞を除去した培養液から、ボツリヌス菌タイプAを高純度及び高い生産性で生産できた。
SDS−PAGE及びSEC−HPLCの結果、ボツリヌス菌タイプA毒素は、8つの蛋白質の複合体であり、本発明の方法によって、ボツリヌス菌タイプA毒素が高純度及び高生産性で生産できることが分かる(データは示さない)。
本発明について実施形態を用いて説明したが、それは例示的なものに過ぎず、本技術分野の当業者ならば、本発明の範囲および趣旨から外れない範囲で多様な変更および変形が可能であるということを理解することができるであろう。従って、本発明の技術的範囲は、説明された実施形態によって定められず、特許請求の範囲によって定められねばならない。
本発明の方法によれば、ボツリヌス菌毒素を細胞外に発現させるので、ボツリヌス菌毒素を、容易であって非常に簡単に精製生産することができる。

Claims (23)

  1. (a)植物由来成分を含有する培地中でボツリヌス菌を培養し、ボツリヌス菌毒素を細胞外に発現させる段階と、
    (b)得られた培養物から細胞を除去し、細胞外に発現したボツリヌス菌毒素が含まれた部分を得て、前記部分から前記ボツリヌス菌毒素を分離する段階と、を含むボツリヌス菌毒素を生産する方法。
  2. 前記植物由来成分を含有する培地は、ブドウ糖、酵母抽出物及びフィトンペプトンを含む培地;ブドウ糖、酵母抽出物、フィトンペプトン及び植物トリプトンを含む培地;ブドウ糖、酵母抽出物、フィトンペプトン及びソイトンを含む培地;ブドウ糖、酵母抽出物、ソイトン及び植物トリプトンを含む培地;ブドウ糖、酵母抽出物、チオグリコレートナトリウム、フィトンペプトン、植物トリプトン及びソイトンを含む培地;ブドウ糖、酵母抽出物、フィトンペプトン、植物トリプトン及びソイトンを含む培地からなる群から選択されるものであることを特徴とする請求項1に記載のボツリヌス菌毒素を生産する方法。
  3. 各培地中のブドウ糖、酵母抽出物、チオグリコレートナトリウム、フィトンペプトン、植物トリプトン及びソイトンの含有量は、培地総重量に対して重量基準で、それぞれ0.2wt%ないし2wt%、0.5wt%ないし3wt%、0.05wt%ないし2wt%、0.5wt%ないし2wt%、0.5wt%ないし2wt%及び0.5wt%ないし2wt%であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 前記ボツリヌス菌毒素は、ボツリヌム毒素A,B,C,D,E,F及びGからなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. (a)段階の培養は、入口と出口とが備わった可撓性材質から構成された密閉容器に、培養培地及びボツリヌス菌を接種して培養することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 前記密閉容器は、あらかじめ滅菌されており、バッグ形態を有することを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. 前記密閉容器は、揺れ運動によって撹拌されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
  8. 前記密閉容器は、空気不透過性であることを特徴とする請求項5に記載の方法。
  9. 前記培養は、嫌気性を維持するための、窒素の供給、酸素除去活性を有した化学物質の使用またはpH調節なしに、なされることを特徴とする請求項5に記載の方法。
  10. (b)段階が、
    (b−1)培養物から細胞を除去して得られた培養液に酸を添加し、毒素を沈殿させた後で沈殿物を分離する段階と、
    (b−2)前記分離された沈殿物を液体媒質中に溶解させて限外濾過する段階と、
    (b−3)限外濾過された試料に対して陰イオン交換クロマトグラフィを行う段階と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  11. (b−1)段階で細胞の除去は、深層濾過及びマイクロ濾過からなる群から選択される一つ以上の方法によってなされ、毒素の沈殿は、酸を添加して培養液をpH3ないし4に維持してなされ、(b−2)段階で限外濾過は、分子量カットオフ100 kDa以下の膜を使用してなされることを特徴とする請求項10に記載の方法。
  12. (a)段階及び(b)段階のうち一つ以上の段階が、あらかじめ滅菌された使い切り容器を使用してなされ、各段階で試料の移動は、該容器の外部との疎通なしになされることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  13. (a)入口と出口とが備わった可撓性材質から構成された密閉容器に、培養培地及びボツリヌス菌を接種して培養し、ボツリヌム毒素を培養物中に発現させる段階と、
    (b)得られた培養物からボツリヌス菌毒素を分離する段階と、を含む、ボツリヌス菌毒素を生産する方法。
  14. 前記密閉容器は、あらかじめ滅菌されており、バッグ形態を有することを特徴とする請求項13に記載の方法。
  15. 前記密閉容器は、揺れ運動によって撹拌されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
  16. 前記密閉容器は、空気不透過性であることを特徴とする請求項13に記載の方法。
  17. 前記培養は、嫌気性を維持するための、窒素の供給、酸素除去活性を有した化学物質の使用またはpH調節なしに、なされることを特徴とする請求項13に記載の方法。
  18. 前記培地は、ブドウ糖、酵母抽出物及びフィトンペプトンを含む培地;ブドウ糖、酵母抽出物、フィトンペプトン及び植物トリプトンを含む培地;ブドウ糖、酵母抽出物、フィトンペプトン及びソイトンを含む培地;ブドウ糖、酵母抽出物、ソイトン及び植物トリプトンを含む培地;ブドウ糖、酵母抽出物、チオグリコレートナトリウム、フィトンペプトン、植物トリプトン及びソイトンを含む培地;ブドウ糖、酵母抽出物、フィトンペプトン、植物トリプトン及びソイトンを含む培地からなる群から選択されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
  19. 各培地中のブドウ糖、酵母抽出物、チオグリコレートナトリウム、フィトンペプトン、植物トリプトン及びソイトンの含有量は、培地総重量に対して重量基準で、それぞれ0.2wt%ないし2wt%、0.5wt%ないし3wt%、0.05wt%ないし2wt%、0.5wt%ないし2wt%、0.5wt%ないし2wt%及び0.5wt%ないし2wt%であることを特徴とする請求項18に記載の方法。
  20. 前記ボツリヌス菌毒素は、ボツリヌム毒素A,B,C,D,E,F及びGからなる群から選択されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
  21. (b)段階が、
    (b−1)培養物から細胞を除去して得られた培養液に酸を添加し、毒素を沈殿させた後で沈殿物を分離する段階と、
    (b−2)前記分離された沈殿物を液体媒質中に溶解させて限外濾過する段階と、
    (b−3)限外濾過された試料に対して陰イオン交換クロマトグラフィを行う段階と、を含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
  22. (b−1)段階で細胞の除去は、深層濾過及びマイクロ濾過からなる群から選択される一つ以上の方法によってなされ、毒素の沈殿は、酸を添加して培養液をpH3ないし4に維持してなされ、(b−2)段階で限外濾過は、分子量カットオフ100 kDa以下の膜を使用してなされることを特徴とする請求項21に記載の方法。
  23. (a)段階及び(b)段階のうち一つ以上の段階が、あらかじめ滅菌された使い切り容器を使用してなされ、各段階で試料の移動は、該容器の外部との疎通なしになされることを特徴とする請求項13に記載の方法。
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