JP2011520433A - 変形性関節症に関連する状態に対する遺伝的素因の検出 - Google Patents

変形性関節症に関連する状態に対する遺伝的素因の検出 Download PDF

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Abstract

本発明は、偶発的な変形性関節症、変形性関節症の進行、変形性関節症の重症度、関連する身体機能低下、および能力障害の素因を検出し、これらのリスクを決定し、これらの治療法を導くための方法およびキットに関する。一態様では、本発明は、OAの対象にOAの重症疾患進行のリスクを増加させる素因があるか否かを決定するための新規な方法およびキットを提供する。他の態様では、本発明は、対象にOAの重症疾患進行のリスクを減少させる素因があるか否かを決定するための新規な方法およびキットを提供する。

Description

(関連する出願)
本願は、米国仮特許出願第61/049,992号(2008年5月2日出願)および同61/118,744号(2008年12月1日出願)の利益を主張する。これらの仮特許出願各々の内容は、その全体が参照により、本明細書中に援用される。
本発明は、偶発的な変形性関節症、変形性関節症の進行、変形性関節症の重症度、関連する身体機能低下、および能力障害の素因を検出し、これらのリスクを決定し、これらの治療法を導くための方法およびキットに関する。
変形性関節症(OA)は、関節軟骨および隣接した骨の変性を特徴とする慢性の関節障害である。OAは、一般に、老化の変性疾患とみなされ、その発生率は年齢と共に上昇する。変形性関節症の病因は、機械的および生化学的因子の両方が関与する多因子性である。変形性関節症は一般に、手、足、脊椎、ならびに臀部および膝などの大型の脊椎外の荷重関節に影響を与える。主に関与する関節は、荷重関節であり、膝、臀部、頚椎、腰仙椎、および足が含まれる。他の一般的に罹患する関節には、手の遠位指節間(DIP)および近位指節間(PIP)関節が含まれる。一次性変形性関節症は、一般に、原因不明の変形性関節症を指す。二次性変形性関節症は、一般に、いくつかの外部もしくは内部の損傷または疾患(肥満、関節構造への繰り返される外傷または手術、出生時の異常関節(先天性異常)、痛風、糖尿病および他のホルモン障害)から生じる変形性関節症を指す。
OAの構造上の進行は現在、単純X線撮影の観点で一定期間にわたって関節空間(JSW)および/または関節空間狭小化(JSN)を測定することによって評価される。(Altmanら:Osteoarthritis Cartilage 1996年、4巻:217〜243頁。)OAの進行は、関節空間狭小化、有痛性関節破壊、および機能的悪化をもたらす軟骨分解の加速に関連付けされる。OA疾患の進行は、肋軟骨下骨の骨密度の反応性の増加を伴う軟骨および関節の滑膜中の炎症誘発性遺伝子発現パターンを特徴とする。
変形性関節症は、世界の人口の5〜20%が罹患し、すべての老齢人口において頻度および重症度が増加する、最も一般的な成人の関節疾患である。推定される米国の有病率は、患者1500万人〜6000万人であり、世界中で3億人〜12億人である。手、膝、臀部、および脊椎のOAの関与はよく見られ、人工膝関節全置換が米国で年間300,000人以上およびさらに世界中で700,000人以上に達する。これらの数は2030年までに525%増加するものと推定される。さらに、人工股関節全置換は、米国だけで年間150,000人以上に達する。OAは、同じ個体において単一の関節または複数の関節が関与することがあり、関節の変質を停止または逆行させるFDAにより承認済みの治療がないため、現在の治療は疼痛緩和に焦点を絞っている。
変形性関節症の有病率の増加が予想されると、偶発的な変形性関節症の危険因子、変形性関節症の進行、変形性関節症に関連する身体機能低下および能力障害を同定する必要性がある。いくつかの研究では、変形性関節症の病因としての遺伝因子、老化、関節変形および損傷、肥満、およびホルモン欠乏を含めた複数の因子を示唆している。OAの管理を最適化するためには、OAの進行の予測因子に関するわれわれの知識を増やすことが重要である。かかる予後因子は、OAの発症(または発生)の高リスク群および/またはOAの重症疾患進行の高リスク群を同定するために用いることができる。かかる患者の情報は、OA患者の医学的管理に臨床上有用である。例えば、OAを伴う個体が重症疾患進行のリスクの増加となることがわかっている場合、医師は、疾患修飾剤が利用可能であるとき、それらを用いて早期治療を開始することができる。かかる予後の情報はまた、関節置換手術のタイミングに関する決定を導くために臨床上有用となり得る。予後因子および疾患の発生および重症進行になりやすい個人の素因についての知識はまた、疾患修飾性治療を含めた治療介入を評価し開発するためなどの臨床試験に関連する。例えば、一般に、OA患者の少ない百分率が1〜3年以内に疾患進行のX線撮影の証拠を示すので、新規の治療薬の臨床試験が試みられている。実験対象の実質的な部分が試験中に疾患進行を示さないので、多数の対象は伝統的にプラセボと活性を区別しなければならない。さらに、多くの治療対象は、測定可能な進行を有さないことがあり、したがって、測定可能な薬物の利点を有さないことがあるため、有効な薬物の認知された値は、進行性OAを有する患者のその実測値よりもはるかに低くなり得る。
大量のデータは、動物感受性モデル、IL−1標的治療モデル、および遺伝的関連解析を含めたOAの病因におけるインターロイキン−1(IL−1)の中心的役割を裏付けている。((Loughlinら、Arthritis Rheum 2002年;46巻(6号):1519〜27頁;Meulenbeltら、Arthritis Rheum 2004年;50巻(4号):1179〜86頁;Moosら、Arthritis Rheum 2000年;43巻(11号):2417〜22頁;Sternら、Osteoarthritis Cartilage 2003年;11巻(6号):394〜402頁;Smithら、Genes Immun 2004年;5巻(6号):451〜60頁;およびMoxleyら、Osteoarthritis Cartilage 2007年;15巻(10号):1106〜12頁)。例えば、文献から得られた証拠は、遺伝的素因が手のOAを伴う患者における病態の重要な決定因子であることを示唆している。(Moxleyら:Osteoarthritis Cartilage 2007年;15巻(10号):1106〜12頁)。実質的な文献は、OAの病因においてIL−1およびより低い程度でTNF−αの役割(Botha-Scheepersら、Ann Rheum Dis 2007年)において存在するが、これらの炎症媒介物質の遺伝的関連性についてなされている研究は少ない。かかる関連性は、疾患がIL−1およびTNF阻害薬に反応する可能性が最も高いOA患者の部分集団を適当に標的にする治療を開発する必要がある。さらに、変形性関節症患者が重症疾患進行を経験することを予測する信頼性の高いマーカーが必要であり続けている。
遺伝子型スクリーニング
遺伝性疾患のスクリーニングの従来の方法は、異常な遺伝子産物(例えば、鎌状赤血球貧血)または異常な表現型(例えば、精神遅滞)の同定を利用したものである。これらの方法は、遅延性の遺伝性疾患および例えば、血管疾患などの容易に同定できない表現型への有用性が限られる。単純かつ安価な遺伝子スクリーニング法の開発によって、疾患が多遺伝子性であるときでも、現在、疾患を発症する性質を示す多型を同定することができる。分子生物学的方法によってスクリーニングすることができる疾患の数は、多因子性障害の遺伝学的基礎の理解の増加と共に増え続けている。
遺伝子スクリーニング(遺伝子型同定または分子スクリーニングともいう)は、患者が病態を引き起こすまたは病態を引き起こす突然変異に「連鎖」する突然変異(対立遺伝子または多型)を有するかどうかを決定する試験として大まかに定義することができる。連鎖は、ゲノム中で互いに近いDNA配列が一緒に遺伝する傾向がある現象を指す。共遺伝のいくつかの選択的利点のため2つの配列は連鎖することがある。しかし、より典型的には、減数分裂期組換えイベントが2つの多型間の領域で起こる相対的低頻度のため、2つの多型配列は共遺伝する。共遺伝した多型対立遺伝子は、所与のヒト母集団において、両方が共に起こるあるいは母集団の任意の特定のメンバーで全く起こらない傾向があるため、互いに連鎖不平衡であるといわれている。実際、所与の染色体領域における複数の多型が互いに連鎖不平衡であることが判明した場合、これらは、準安定性の遺伝子の「ハプロタイプ」を定義する。対照的に、2つの多型の遺伝子座間で起こる組換え事象は、それらを異なる相同染色体上で分離するようにさせる。2つの物理的に連鎖した多型間の減数分裂期組換えがしばしば十分に起こる場合、2つの多型は独立に分離するようであり、連鎖平衡であるといわれる。
2つのマーカー間の減数分裂期組換えの頻度が、一般に染色体上でそのマーカー間の物理的距離に比例しているとき、「ホットスポット」ならびに抑圧された染色体の組換えの領域の発生は、2つのマーカー間の物理的距離と組換え距離との間に矛盾をもたらすことがある。したがって、いくつかの染色体領域において、広範な染色体ドメインに及ぶ複数の多型の遺伝子座は、互いに連鎖不平衡になり得、それによって広範に及ぶ遺伝子ハプロタイプを定義する。さらに、疾患の原因となる突然変異がこのハプロタイプとの連鎖の範囲内でまたは連鎖において見出される場合、ハプロタイプの1種または複数の多型の対立遺伝子は、疾患を発生する可能性の診断のまたは予後的な指標として用いることができる。その他の場合では、十分な時間が組換えイベントで達成される平衡のために経過しないように、疾患の突然変異が少し前に起こった場合、良性の多型と疾患を引き起こす多型との間でこのような関連が起こる。したがって、疾患を引き起こす突然変異性変化に及ぶ、または連鎖するヒトのハプロタイプの同定は、その疾患を引き起こす突然変異を遺伝する個体の可能性の予測的測定として使用する。重要なことには、かかる予後のまたは診断の手順は、実際の疾患を引き起こす病変の同定および単離を必要とせずに利用することができる。疾患過程に関与する分子欠損の正確な決定が、特に、炎症性障害などの多因子性疾患の場合において困難であり骨が折れることがあるため、これは有意である。
実際、炎症性障害とIL−1多型との統計的相関は、多型が直接その障害を引き起こすことを必ずしも示さない。それどころか、相関した多型は、十分な時間が介入性染色体区域で組換えイベントで達成される平衡のために経過しないように、最近のヒトの進化的な過去で発生した、障害を引き起こす突然変異に連鎖する(すなわち、この突然変異と連鎖不平衡である)良性の対立遺伝子の変異体となり得る。したがって、ある特定の疾患用の診断および予後のアッセイの目的のために、その疾患に関連する多型の対立遺伝子の検出は、多型が直接その疾患の病因に関与するか否かを考慮せずに利用することができる。さらに、所与の良性の多型の遺伝子座が明らかな疾患を引き起こす多型の遺伝子座と連鎖不平衡である場合、良性の多型の遺伝子座と連鎖不平衡である、さらに他の多型の遺伝子座はまた、疾患を引き起こす多型の遺伝子座と連鎖不平衡となる可能性が高い。したがって、これらの他の多型の遺伝子座はまた、疾患を引き起こす多型の遺伝子座を遺伝する可能性の予後または診断となる。実際、ある特定の疾患または状態および対応するヒトのハプロタイプとの間である関連が引き出された後、(一組の連鎖した多型マーカーの対立遺伝子の共遺伝の典型的なパターンを示す)広範に及ぶヒトのハプロタイプは、診断目的のために標的となり得る。したがって、状態のある特定の疾患を発症する個体の可能性の決定は、原因となる遺伝的変異を必ずしも決定せずにまたは特徴付けずに1種または複数の疾患に関連する多型の対立遺伝子(さらには1種または複数の疾患に関連するハプロタイプ)を特徴付けることによってなされ得る。
IL−1遺伝子クラスターの遺伝的特質
IL−1遺伝子クラスターは、第2染色体の長腕(2q13)にあり、430Kbの領域内でIL−1α(IL−1A)、IL−1β(IL−1B)、およびIL−1受容体アンタゴニスト(IL−1RN)の十分に記述された遺伝子を含めた、少なくとも9つのIL1遺伝子を含む。(Nicklinら、(1994年)Genomics、19巻:3824頁;Dunn 2001年;Sims 2001年;Nicklin 2002年)。アゴニスト分子のIL−1αおよびIL−1βは、強力な炎症誘発性活性を有し、多くの炎症カスケードの入り口である。これらの作用は、しばしばIL−6およびIL−8などの他のサイトカインの誘発によって白血球の損傷した組織への活性化および動員、血管作用性媒介物の局所産生、および脳における熱反応および肝臓の急性期反応をもたらす。3つのIL−1分子はすべてI型およびII型IL−1受容体に結合するが、I型受容体はシグナルを細胞の内部に伝達するにすぎない。対照的に、II型受容体は細胞膜から脱落し、おとり受容体として働く。したがって、受容体アンタゴニストおよびII型受容体は共に、これらの作用において抗炎症性である。
IL−1の不適当な産生は、関節リウマチ、炎症性腸障害、乾癬などを含めた多くの自己免疫疾患および炎症性疾患の病態において中心的な役割を果たしている。さらに、IL−1の産生速度における安定した個体間の差があり、この変動の一部は、IL−1遺伝子座における遺伝的差異によって説明することができる。したがって、IL−1遺伝子は、炎症性疾患に対する遺伝子感受性の一部を決定するための妥当な候補であり、その多くは、多遺伝子性成分を含む多因子性の病因を有する。
IL−1遺伝子クラスターから得られたいくつかの対立遺伝子は、ある特定の病態に関連することが知られている。例えば、IL−1RN(VNTR)対立遺伝子2(米国特許第5,698,399号)およびIL−1RN(VNTR)対立遺伝子1(Keen R Wら、(1998年)Bone 23巻:367〜371頁)は、OAに関連することが報告されている。さらに、IL−1RN(VNTR)対立遺伝子2は、糖尿病における腎症(Blakemoreら、(1996年)Hum. Genet 97巻(3号):369〜74頁)、円形脱毛症(Corkら、(1995年)J.Invest.Dermatol.104巻(5 Supp.):15S〜16S;Corkら(1996年)Dermatol Clin 14巻:671〜8頁)、グレーブス病(Blakemoreら、(1995年)J.Clin.Endocrinol.80巻(1号):111〜5頁)、全身性エリテマトーデス(Blakemoreら、(1994年)Arthritis Rheum.37巻:1380〜85頁)、硬化性苔癬(Clayら、(1994年)Hum.Genet.94巻:407〜10頁)、および潰瘍性大腸炎(Mansfieldら、(1994年)Gastoenterol.106巻(3号):63742頁))に関連することが報告されている。
さらに、マーカー−889から得られたIL−1A対立遺伝子2およびマーカー+3954から得られたIL−1B(TaqI)対立遺伝子2は、歯周病(特許文献1;非特許文献1;非特許文献2;非特許文献3;非特許文献4)に関連することが見出されている。マーカー−889から得られたIL−1A対立遺伝子2はまた、若年性慢性関節炎、特に慢性虹彩毛様体炎(非特許文献5)に関連することが見出されている。IL−1Bのマーカー+3954から得られたIL−1B(TaqI)対立遺伝子2はまた、DR3/4患者における乾癬およびインシュリン依存性糖尿病に関連することが見出されている(非特許文献6;非特許文献7)。さらに、IL−1RN(VNTR)対立遺伝子1は、糖尿病性網膜症に関連することが見出されている(特許文献2、およびPCT/GB97/02790を参照のこと)に関連することが見出されている。さらに、IL−1RN(VNTR)の対立遺伝子2は、北アメリカおよびヨーロッパ出身のコーカサス人母集団における潰瘍性大腸炎に関連することが見出されている(非特許文献8)。興味深いことに、この関連は民族的に関連するアシュケナージ系ユダヤ人の母集団内で特に強い(特許文献3)。
公知の組成物および方法に関連する欠点および問題の本明細書における説明は、それらを除いてこの文献に記載されている実施形態の範囲を全く制限するものではない。実際、いくつかの実施形態は、そのように示した欠点または問題にわずらわされることなく、1種または複数の公知の組成物、化合物、または方法を含むことができる。
関連技術の前述の説明を含めたこの説明を通して、任意およびすべての米国特許を含めて、本明細書に記載した任意およびすべての公的に利用可能な文献は、特にその全体を参照により本明細書に組み込む。関連技術の前述の説明は、いかなる方法においても、係属中の米国特許出願を含めて、その中に記載された文献のいずれかが本発明の従来技術であると認めるものではない。
米国特許第5,686,246号明細書 米国特許出願公開第09/037472号明細書 国際公開第97/25445号
Kornman and diGiovine(1998年)Ann Periodont 3巻:327〜38頁 Hart and Kornman(1997年)Periodontol 2000年 14巻:202〜15頁 Newman(1997年)Compend Contin Educ Dent 18巻:8814頁 Kornmanら(1997年)J.Clin Periodontol 24巻:72〜77頁 McDowellら、(1995年)Arthritis Rheum.38巻:221〜28頁 di Giovineら、(1995年)Cytokine 7巻:606頁 Pociotら、(1992年)Eur J.Clin.Invest.22巻:396〜402頁 Mansfield, J.ら、(1994年)Gastroenterology 106巻:637〜42頁
本発明は、対象にOAおよび/またはOA関連状態を発生する素因があるか否かを決定するための新規な方法およびキットを提供する。一態様では、本発明は、OAの対象にOAの重症疾患進行のリスクを増加させる素因があるか否かを決定するための新規な方法およびキットを提供する。他の態様では、本発明は、対象にOAの重症疾患進行のリスクを減少させる素因があるか否かを決定するための新規な方法およびキットを提供する。
他の態様では、本発明は、対象にOAに関連する身体機能低下のリスクを増加させる素因があるか否かを決定するための新規な方法およびキットを提供する。他の態様では、本発明は、対象に変形性関節症に関連する身体機能低下のリスクを減少させる素因があるか否かを決定するための新規な方法およびキットを提供する。OAに関連する身体機能低下は、関節空間(JSW)および/または関節空間狭小化(JSN)を測定することによるなど、当技術分野で公知の任意の方法を用いて決定することができる。したがって、本発明の他の態様は、対象に関節空間狭小化のリスクを増加させる素因があるか否かを決定するための新規な方法およびキットを提供する。他の態様では、本発明は、対象に関節空間狭小化のリスクを減少させる素因があるか否かを決定するための新規な方法およびキットを提供する。
いくつかの実施形態によれば、対象において変形性関節症の重症疾患進行および/または関節空間狭小化のリスクを増加させる素因を検出するための方法であって、a)IL1RN rs9005 G>Aの遺伝子型G/G;b)IL1RN rs419598 T>Cの遺伝子型T/T;および/またはc)IL1RN rs315952 T>Cの遺伝子型T/CまたはC/Cのいずれか1つ、いずれか2つまたは3つすべてを検出する工程を含み、これらの遺伝子型のいずれか1つ、いずれか2つまたは3つすべてが存在することは、対象に変形性関節症の重症疾患進行の素因があることを示し、これらの遺伝子型の3つすべてが存在しないことは、対象に変形性関節症の重症疾患進行の素因がないことを示す方法が提供される。
いくつかの実施形態によれば、対象において変形性関節症の重症疾患進行および関節空間狭小化のリスクを減少させる素因を検出するための方法であって、対象において以下のハプロタイプ:IL1RN rs9005 G>A(A)、IL1RN rs419598 T>C(C)、IL−RN rs315952(T)の1コピーまたは2コピーのいずれかを検出する工程を含む方法が提供される。
いくつかの実施形態によれば、変形性関節症の対象の疾患進行および関節空間狭小化の可能性に基づいて、臨床試験への組入れまたは臨床試験からの除外について変形性関節症の対象を選択するための方法であって、IL1RN rs9005 G>A、IL1RN rs419598 T>C、およびIL1RN rs315952 T>Cからなる群から選択される多型の遺伝子座の1つまたは複数で対象の核酸を分類する工程を含み、前記遺伝子座に関する対象の遺伝子型から、対象の変形性関節症の重症疾患進行のリスクについての情報が得られ、臨床試験の基準に適した試験対象の選択が可能になる方法が提供される。
いくつかの実施形態によれば、変形性関節症に罹患した対象に適した治療レジメンを選択するための方法であって、IL1RN rs9005 G>A、IL1RN rs419598 T>C、およびIL1RN rs315952 T>Cからなる群から選択される多型の遺伝子座の1種または複数で対象の核酸を分類する工程を含み、前記遺伝子座に関する対象の遺伝子型から、対象の変形性関節症の重症疾患進行および関節空間狭小化のリスクについての情報が得られ、変形性関節症の重症疾患進行に対する対象の感受性に適した治療レジメンまたは生活様式に関する推奨事項の選択が可能になる方法が提供される。
いくつかの実施形態によれば、対象において変形性関節症の疾患進行および関節空間狭小化を治療または遅延させるための方法であって、a)対象においてIL1RN rs9005 G>Aの遺伝子型G/G;IL1RN rs419598 T>Cの遺伝子型T/T;および/またはIL1RN rs315952 T>Cの遺伝子型T/CまたはC/Cのいずれか1つ、いずれか2つまたは3つすべてを検出する工程と、b)変形性関節症の疾患進行および関節空間狭小化を代償する治療薬を前記対象に投与する工程とを含む方法が提供される。
いくつかの実施形態によれば、年齢層別化によって変形性関節症の医学的管理を行うための方法であって、対象においてa)IL1RN rs9005 G>Aの遺伝子型G/G;b)IL1RN rs419598 T>Cの遺伝子型T/T;および/またはc)IL1RN rs315952 T>Cの遺伝子型T/CまたはC/Cのいずれか1つ、いずれか2つまたは3つすべてを検出する工程を含み、これらの遺伝子型のいずれか1つ、いずれか2つまたは3つすべてが存在することは、対象に変形性関節症の重症疾患進行および関節空間狭小化の素因があることを示し、その遺伝子型が存在しないことは、対象に変形性関節症の重症疾患進行または関節空間狭小化の素因がないことを示し、ある年齢において対象の予測される必要性に基づいた変形性関節症の医学的管理に関する推奨事項が得られる方法が提供される。
いくつかの実施形態によれば、本発明のキットは、対象が、OA関連対立遺伝子またはハプロタイプを含む少なくとも1種の対立遺伝子を有するか否かを決定する手段を含むことができる。キットはまた、試料収集手段を含むことができる。キットはまた、結果および追加の試薬および構成物を評価するために、陽性または陰性のいずれかの対照試料または標準および/またはアルゴリズムのデバイスを含むことができる。
本発明の他の実施形態および利点は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲に記載されている。
本発明は、少なくとも一部が、ある炎症性対立遺伝子およびハプロタイプパターンの同定、ならびにこれらのパターンと、OAの疾患進行およびJSN進行などのOA関連状態の発生との(統計的に有意な程度での)関連付けに基づいている。したがって、対象におけるOA関連対立遺伝子およびハプロタイプを含む対立遺伝子の検出は、対象が特定のOA関連状態を発生している、または発生する素因があることを示すことができる。変形性関節症は、多くの他の名称、すなわち、変性関節疾患、肥厚性関節炎、外傷性関節炎および変形性関節症によって知られている。(Rottensten K.、Chronic Dis Can.1996年;17巻(3〜4号):92〜107頁。)
OAの疾患進行は、能力障害の程度、OAのX線写真上の悪化、および/または手術の要件に関して定義することができる(Dougados M.、Arthritis Rheum.2004年5月;50巻(5号):1360〜5頁)。変形性関節症の疾患進行は、通常ゆるやかであり、数年または数十年にわたって起こる。進行の速度は個体間で変わり、臨床的に変形性関節症と診断された多くの患者は、長期間にわたって症状またはX線写真上の変化によるかなりの進行を受けることはない。重症のX線写真上の進行は、不可逆的な関節破壊を示唆するため、最も懸念されるOAの合併症である。
したがって、いくつかの実施形態によれば、変形性関節症に罹患している対象に適した治療レジメンを選択するための方法であって、IL1RN rs9005 G>A、IL1RN rs419598 T>C、およびIL1RN rs315952 T>Cからなる群から選択される多型の遺伝子座の1つまたは複数で対象の核酸を分類する工程を含み、前記遺伝子座に関する対象の遺伝子型から、変形性関節症の重症疾患進行および関節空間狭小化の対象のリスクについての情報が得られ、変形性関節症の重症疾患進行に対する対象の感受性に適した治療レジメンまたは生活様式に関する推奨事項の選択が可能になる方法が提供される。治療レジメンまたは予防手段は、OA状態のリスクを増加させる素因がある対象においてOAの進行を積極的に治療または予防するために選択することができる。したがって、本発明の方法により、個別化が可能になる。例えば、以下のIL1RN rs9005 G>Aの遺伝子型G/G;IL1RN rs419598 T>Cの遺伝子型T/Tおよび/またはIL1RN rs315952 T>Cの遺伝子型T/CまたはC/Cのいずれか1つ、いずれか2つまたは3つすべてを有する対象は、進行のリスクを増加させる素因を有し、変形性関節症の対象の疾患進行および関節空間狭小化の速度の相対的な増加を代償する積極的な治療/予防レジメンが有効であるはずである。
いくつかの実施形態によれば、変形性関節症に罹患している対象に適した治療レジメンを選択するための方法であって、IL1A(+4845)rs17561(G>T)、IL1B(+3954)rs1143634(C>T)、IL1B(−511)rs16944(C>T)、IL1B(−3737)rs4848306(C>T)、TNF−α(−308)rs1800629(G>A)、およびIL−1RNrs315952(T>C)からなる群から選択される多型の遺伝子座の1つまたは複数で対象の核酸を分類する工程を含み、前記遺伝子座に関する対象の遺伝子型から、全身性OAを発症する対象のリスクについての情報が得られ、変形性関節症の重症疾患進行に対する対象の感受性に適した治療レジメンまたは生活様式に関する推奨事項の選択が可能になる方法が選択される。治療レジメンまたは予防手段は、OA状態のリスクを増加させる素因がある対象においてOAの進行を積極的に治療または予防するために選択することができる。したがって、本発明の方法により、個別化された治療が可能になる。したがって、貴重な医療資源は、OAの重症疾患進行を受ける可能性が最も高い対象に焦点を絞ることができる。
特定の対立遺伝子を、変形性関節症の発生に対する感受性に、単独でまたはOAの他の寄与因子に関する情報と併せて関連付ける知見から、「ゲノム薬理学」の目標である、個体の遺伝子プロファイルに従った予防または治療のカスタマイズ化が可能になる。したがって、個体の遺伝子プロファイルと変形性関節症の母集団プロファイルとの比較から、特定の患者または患者母集団(すなわち、同じ遺伝子変異を有する患者群)に安全かつ有効であると考えられる薬物または他の治療レジメンの選択が可能になる。医療資源は、進行および重症疾患のリスクがある患者に早期に焦点を絞ることができる。
任意の治療または予防レジメンは、医師および対象のためにあるレベルの取り組みを必要とする。本発明の方法は、OA関連状態のリスクを増加させる素因がある者に必要とされるレベルの注意を与えることを確実にするのに役立つ。かかる対象は、構造修飾性変形性関節症薬(SMOAD)とも呼ばれる疾患修飾性変形性関節症薬(DMOAD)を積極的に用いることを選択することができる。DMOADまたはOA治療薬は、対象における変形性関節症の発生を予防もしくは延期し、またはその症状を軽減する、(医薬品、栄養補助食品および外科的手段を含めた)任意の薬剤または治療レジメンを指す。治療薬は、ポリペプチド、ペプチド模倣体、核酸または他の無機もしくは有機分子であってよく、好ましくはビタミン、鉱物および他の栄養素を含めた「小分子」であってよい。DMOADには、それだけには限らないが、グルコサミン、コンドロイチン硫酸、ドキシサイクリン、リセドロネート、ジアセレイン、およびIAヒアルロナンが含まれる。本発明の方法は、医師、患者および保険会社がこれらの様式を必要としている者を決定するのに役立つ。
他の問題は、関節置換手術である。置換関節は15年しか持続せず、非常に困難な2回目の手術が若い患者に必要であることが多い。本発明の方法を使用して、X線写真上の進行の可能性に基づいてOA治療を管理することもできる。本発明の方法を使用して、対象が1回目または2回目の関節置換手術を必要とする可能性を評価することもできる。
年齢は、手術のタイミングを決定するときの検討材料となることが多い。年齢はまた、疾患のその進行に影響を与える。OAの医学的管理の目的のために、年齢は、治療オプションを有する層または各層に割り当てられた医学的結果に分けることができる。この方式では、疾患の進行は対象の生涯にわたって管理することができる。4つの年齢層は、40歳未満、40〜55歳、56〜70歳、および70歳超として定義することができる。
いくつかの評価尺度は、任意の特定の関節の範囲内で変形性関節症のX線写真上の段階付けを関節軟骨変性の実際の程度と相関させるために当業者に利用可能である。これらは、それだけには限らないが、Kellgren−Lawrence、Ahlback、およびBrandtの評価尺度が含まれる。Kellgren J、Lawrence J.のRadiologic assessment of osteoarthritis(変形性関節症の放射線学的評価). Ann Rheum Dis 1957年;16巻:494〜501頁;Ahlback S.のOsteoarthritis of the knee(膝の変形性関節症):a radiographic investigation(X線写真による調査). Acta RadiolDiagn(Stockh)1968年;[suppl 227]:7〜72頁;Brandt K、Fife R、Braunstein E、Katz B.のRadiographic grading of the severity of knee osteoarthritis(膝の変形性関節症の重症度のX線写真による分類):relation of the Kellgren and Lawrence grade to a grade based on joint space narrowing and correlation with arthroscopic evidence of articular cartilage degeneration(KellgrenおよびLawrenceの段階付けの関節空間狭小化に基づく段階付けの関係および関節軟骨変性の関節鏡検査の証拠との相関). Arthritis Rheum 1989年;32巻:1584〜1591頁を参照のこと。Kellgren−Lawrenceは、変形性関節症の存在および重症度を評価するのに好ましい方法である。Kellgren−LawrenceのX線写真による評価尺度およびBrandtのX線写真による評価尺度の簡単な説明は以下に示される。当業者は、これらの基準および/または方法論および当技術分野で公知の他の段階付け系の違いを理解しているはずであり、また、これらの基準および/または方法論段階付け系が変形性関節症の存在および重症度を評価するために等価であることが理解される。
Kellgren−LawrenceのX線写真による変形性関節症の評価尺度
Figure 2011520433
BrandtのX線写真による変形性関節症の評価尺度
Figure 2011520433
OAの進行およびJSWの進行の測定
関節軟骨の完全性の維持は、一般に、任意の治療の効果を評価する上で測定するためのOAの重要な側面とみなし、OAの疾患進行を評価する重要な測定とみなされる。単純X線写真における骨内の距離は、関節軟骨の厚さの利用可能な最善の代用測定である。膝の範囲内の関節空間の喪失は、関節軟骨の喪失と等しく扱われている。したがって、関節の異なる構成物間の空間の量を測定することによってこの変質を定量化することは医師によく知られている。関節空間の狭小化は、変形性関節症の悪化を示す。関節空間狭小化(JSN)はしばしば、連続的な放射線学的実験における関節の放射解剖学的見方を標準化するために評価項目として利用される。
OAに関連する関節空間狭小化または関節軟骨の菲薄化は、当技術分野で公知の任意の方法を用いて測定することができる。磁気共鳴画像処理は、関節構造をモニターするための好ましい方法である。関節二重造影のX線写真上の関節空間(JSW)は、好ましい方法である。JSWの継続的な測定は好ましい。あるいは、最小限のJSWは、用いる(すなわち、最狭小点で中央コンパートメントのJSWを測定する)ことができる。OAの進行は、対象がJSWの喪失を示す頻度を比較することによって測定することができる。この頻度またはJSNの速度の他の測定は、OAの進行を測定するために用いることができる。
臨床試験
疾患修飾性OA薬(DMOAD)という主旨の臨床試験を報告している試験がいくつかある。本発明の方法により、研究者がOAの疾患進行のリスクを増加させ、または(試験の目的に応じて)そのリスクを低下させる試験対象を選択できるようになる。一実施形態によれば、変形性関節症の疾患進行および関節空間狭小化の速度を増加させる素因に基づいて、臨床試験への組入れについて変形性関節症の対象を選択するための方法が提供される。対象に変形性関節症の疾患進行および/または関節空間狭小化のリスクを増加させる素因があることを示す遺伝子型を有する対象を、いくつかのDMOADの効果を研究する試験に選択することができる。本発明の方法を使用して、OAの治療の効果および安全性、OAの疾患進行、および/またはJSNの速度を研究する臨床試験の試験対象を選択することができる。
さらに、遺伝子プロファイルに基づいて最も高い臨床効果を示すと考えられた母集団を標的にできると、1)すでに販売されている薬物の再配置;2)患者サブグループに特異的である、臨床開発が安全性または効果の制限の結果として中止されている薬物候補のレスキュー;および3)(例えば、原因となる突然変異に対する薬剤の様々な用量の効果を測定することが有効用量を最適化するのに有用であるため)候補治療薬の開発の加速および低コスト化およびより最適な薬物標識化が可能になる。
対立遺伝子の検出
1)核酸試料と、対立遺伝子とハイブリッド形成することができるプローブとのハイブリッド形成反応を実施すること;2)対立遺伝子の少なくとも一部分を配列決定すること;または3)対立遺伝子またはそれらの断片(例えば、エンドヌクレアーゼ分解によって生成された断片)の電気泳動移動度を決定することを含めた、様々な利用可能な技法のうちのいずれかを用いて、コンポーネント対立遺伝子のいずれかを検出することによってハプロタイプパターンを同定することができる。対立遺伝子は、場合によっては、検出工程を実施する前に増幅工程に供することもできる。好ましい増幅方法は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、鎖置換増幅(SDA)、クローニング、および上記の変形法(例えば、RT−PCRおよび対立遺伝子特異的増幅)からなる群から選択される。増幅に必要なオリゴヌクレオチドは、例えば、IL−1遺伝子の遺伝子座内で(PCR増幅の必要に応じて)目的とするマーカーの両端に隣接させること、または(ASOハイブリッド形成などの場合)マーカーに直接重複させることから選択することができる。特に好ましい実施形態では、試料は、血管疾患に関連する対立遺伝子のセンス配列またはアンチセンス配列の5’および3’とハイブリッド形成する一組のプライマーとハイブリッド形成させ、PCR増幅に供される。
対立遺伝子はまた、例えば、DNAによってコードされるタンパク質産物を分析することによって、間接的に検出することができる。例えば、問題のマーカーから突然変異タンパク質が翻訳される場合、様々なタンパク質検出法のいずれかによってこのタンパク質を検出することができる。このタンパク質が切断、伸長、折りたたみ異常または翻訳後修正の異常によって見掛けの分子量の変化を有する場合、かかる方法には、サイズ分画などの、免疫検出試験および生化学試験が含まれる。
固有のヒト染色体ゲノム配列を増幅するためのプライマーを設計する一般的な指針は、プライマーが少なくとも約50℃の融解温度を有することであり、近似の融解温度は、式Tmelt=[2X(AまたはTの#)+4X(GまたはCの#)]を用いて推定することができる。
ヒトの多型遺伝子座で特異的な対立遺伝子を検出するために多くの方法が利用可能である。特異的な多型対立遺伝子を検出するための好ましい方法は、多型の分子的性質を一部利用するものである。例えば、多型遺伝子座の様々な対立遺伝子の形態は、DNAの一塩基対だけ異なる場合がある。かかる一塩基多型(またはSNP)は、遺伝的変異に大きく寄与するものであり、すべての公知の多型の約80%を占め、ヒトゲノムにおけるそれらの密度は、1,000塩基対当たり平均1つであると推定されている。SNPは、(DNAに存在する4つの異なるヌクレオチド塩基に対応して、SNPの4つまでの異なる形が、理論上可能であるが)ただ2つの異なる形で最も頻繁に2対立遺伝子として存在する。それにもかかわらず、SNPは、他の多型よりも変異的により安定しており、マーカーおよび知られていない変異体間の連鎖不平衡が疾患を引き起こす突然変異を位置付けるために用いられる関連試験にそれらを適するようにする。さらに、SNPが、通常、ただ2つの対立遺伝子を有するため、SNPは、それらを自動化により適するようにし、長さ測定ではなく単純なプラス/マイナスアッセイによって遺伝形質を決定することができる。
個体において特定の一塩基多型の対立遺伝子の存在を検出するために、様々な方法が利用可能である。この分野の進歩は、正確で、容易かつ安価な大規模なSNP遺伝子型同定を提供している。ごく最近では、例えば、動的対立遺伝子特異的ハイブリッド形成(DASH)、マイクロプレートアレイ対角ゲル電気泳動(MADGE)、ピロシーケンス、オリゴヌクレオチド特異的ライゲーション、TaqMan系ならびにAffymetrix SNPチップなどの様々なDNA「チップ」技術を含めたいくつかの新規な技法が報告されている。これらの方法は、通常、PCRによって標的遺伝子領域の増幅を必要とする。侵襲的切断による小型シグナル分子の生成その後の質量分析または固定化パドロックプローブおよびローリングサークル増幅に基づいた、さらに他の新しく開発された方法であれば、最終的に、PCRの必要性を取り除くことができる。特異的な一塩基多型を検出するために当技術分野で公知の方法のいくつかを以下にまとめて示す。本発明の方法は利用可能な方法すべてを含むことが理解される。
一塩基多型の分析を容易にするためにいくつかの方法が開発されている。一実施形態では、一塩基多型は、例えば、Mundy,C.R.(米国特許第4,656,127号)で開示された通り、特殊なエキソヌクレアーゼ耐性ヌクレオチドを用いることによって検出することができる。この方法によれば、多型部位のすぐ3’にある対立遺伝子配列に相補的なプライマーを、特定の動物またはヒトから得られた標的分子とハイブリッド形成させることが可能である。標的分子上の多型部位が、存在する特定のエキソヌクレアーゼ耐性ヌクレオチド派生体に相補的であるヌクレオチドを含む場合、その派生体はハイブリッド形成されたプライマーの末端に組み込まれる。かかる組込みは、プライマーにエキソヌクレアーゼへの耐性を与え、それによって、その検出を可能にする。試料のエキソヌクレアーゼ耐性派生体の種類が知られているため、プライマーがエキソヌクレアーゼに耐性になるという知見により、標的分子の多型部位に存在するヌクレオチドは、反応に用いたヌクレオチド派生体のそれに相補的であったことが明らかにされる。この方法は、大量の外部の配列データの決定を必要としないという利点を有する。
本発明の他の実施形態では、溶液に基づく方法は多型部位のヌクレオチドの種類を決定するために用いられる。Cohen,D.ら(仏国特許第2,650,840号;PCT出願WO91/02087)。米国特許第4,656,127号のマンディ(Mundy)法に関して、多型部位のすぐ3’にある対立遺伝子の配列に相補的であるプライマーが使用される。その方法は、多型部位のヌクレオチドへの相補性がプライマーの終端に組み込まれる場合、標識されたジデオキシヌクレオチド誘導体を用いてその部位のヌクレオチドの種類を決定する。
Genetic Bit AnalysisまたはGBA(商標)として公知の代替方法は、Goelet,P.ら(PCT出願第92/15712号)によって報告されている。Goelet,P.らの方法は、標識されたターミネーターおよび多型部位の3’にある配列に相補的であるプライマーの混合物を用いる。したがって、組み込まれる標識されたターミネーターは、評価される標的分子の多型部位に存在するヌクレオチドによって決定され、それに相補的である。Cohenら(仏国特許第2,650,840号;PCT出願WO91/02087号)の方法と対照的に、Goelet,P.らの方法は、好ましくは、プライマーまたは標的分子が固相に固定化される不均一相アッセイである。
最近には、DNAにおける多型部位を評価するための、いくつかのプライマーによって導かれたヌクレオチド組込み手順が記載されている(Komher,J.S.ら、Nucl.Acids.Res.17巻:7779〜7784頁(1989年);Sokolov,B.P.、Nucl.AcidsRes.18巻:3671頁(1990年);Syvanen,A.-C.ら、Genomics 8巻:684〜692頁(1990年);Kuppuswamy,M.N.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.(U.S.A.)88巻:1143〜1147頁(1991年);Prezant,T.R.ら、Hum.Mutat.1巻:159〜164頁(1992年);Ugozzoli,L.ら、GATA 9巻:107〜112頁(1992年);Nyren,P.ら、Anal.Biochem.208巻:171〜175頁(1993年))。これらの方法は、これらがすべて、多型部位における塩基を識別するために、標識されたデオキシヌクレオチドの組込みを利用するという点で、GBA(商標)とは異なる。このような形式では、シグナルが、組み込まれたデオキシヌクレオチドの数に比例するため、一続きの同一ヌクレオチドに存在する多型は、その一続きの長さに比例するシグナルが得られ得る(Syvanen,A.-C.ら、Amer.J.Hum.Genet.52巻:46〜59頁(1993年))。
タンパク質翻訳の早期終止をもたらす突然変異のために、タンパク質短縮試験(PTT)は、効率的な診断手法となる(Roestら、(1993年)Hum.Mol.Genet.2巻:1719〜21頁;van der Luijtら、(1994年)Genomics 20巻:1〜4頁)。PTTの場合には、RNAは、最初に利用可能な組織から単離され、逆転写され、目的とするセグメントがPCRによって増幅される。次いで、逆転写PCRの産物は、RNAポリメラーゼプロモーターおよび真核細胞の翻訳を開始するための配列を含むプライマーを用いたネステッドPCR増幅用の鋳型として使用される。目的とする領域の増幅後、プライマーに組み込まれた独特のモチーフは、PCR産物の連続的なin vitro転写および翻訳を可能にする。翻訳産物のドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動後、切断ポリペプチドの出現は、翻訳の早期終止を引き起こす突然変異の存在を知らせる。この技法の変形法では、目的とする標的領域が単一のエキソンに由来するとき、(RNAとは対照的に)DNAがPCR鋳型として用いられる。
任意の細胞型または組織を利用して、本明細書に記載した診断に用いる核酸試料を得ることができる。好ましい実施形態において、DNA試料は、体液、例えば、公知の技法(例えば、静脈穿刺)によって得られた血液、または唾液などから得られる。あるいは、核酸試験は、乾燥試料(例えば、毛髪または皮膚)で実施することができる。RNAまたはタンパク質を用いるとき、利用することができる細胞または組織は、IL−1遺伝子を発現しなければならない。
診断手順はまた、核酸精製が必要ないように、生検または切除から得られた患者組織の(固定および/または凍結した)組織切片でin situで直接実施することができる。核酸試薬は、かかるin situ手順用のプローブおよび/またはプライマーとして用いることができる(例えば、Nuovo,G.J.、1992年、PCR in situ hybridization:protocols and applications、Raven Press、NYを参照のこと)。
1つの核酸配列の検出に主として焦点を絞る方法の他に、かかる検出スキームでプロファイルを評価することもできる。フィンガープリントプロファイルは、例えば、ディファレンシャルディスプレイ操作、ノーザン分析および/またはRT−PCRを利用することによって生成することができる。
好ましい検出方法は、IL−1炎症誘発性ハプロタイプの少なくとも1種の対立遺伝子の領域と重複し、突然変異もしくは多型領域の周囲に約5、10、20、25、または30個のヌクレオチドを有するプローブを用いた対立遺伝子特異的ハイブリッド形成である。本発明の好ましい実施形態において、再狭窄に関与する他の対立遺伝子変異体と特異的にハイブリッド形成することができるいくつかのプローブを、固相支持体、例えば、(約250,000個までのオリゴヌクレオチドを保持することができる)「チップ」に付着させる。オリゴヌクレオチドは、リソグラフィーを含めた様々な方法によって固体支持体に結合することができる。「DNAプローブアレイ」とも呼ばれる、オリゴヌクレオチドを含むこれらのチップを用いた突然変異検出分析は、例えば、Croninら、(1996年)Human Mutation 7巻:244頁に記載されている。一実施形態では、チップは、遺伝子の少なくとも1つの多型領域のすべての対立遺伝子変異体を含む。次いで、固相支持体を試験核酸と接触させ、特異的なプローブとのハイブリッド形成を検出する。したがって、1つまたは複数の遺伝子の多数の対立遺伝子変異体の種類は、単純なハイブリッド形成実験で同定することができる。
これらの技法はまた、分析前に核酸を増幅する工程を含むことができる。増幅技法は、当業者に公知であり、それだけには限らないが、クローニング、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、特異的対立遺伝子(ASA)のポリメラーゼ連鎖反応、リガーゼ連鎖反応(LCR)、ネステッドポリメラーゼ連鎖反応、自家持続配列複製法(Guatelli,J.Cら、1990年、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87巻:1874〜1878頁)、転写増幅系(Kwoh,D.Yら、1989年、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86巻:1173〜1177頁)、およびQ−βレプリカーゼ(Lizardi,P.M.ら、1988年、Bio/Technology 6巻:1197頁)が含まれる。
増幅産物は、サイズ分析、制限分解に続くサイズ分析、反応生成物中の特異的なタグ付きオリゴヌクレオチドプライマーの検出、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド(ASO)ハイブリッド形成、対立遺伝子特異的5’エキソヌクレアーゼ検出、配列決定、ハイブリッド形成などを含めた、様々なやり方でアッセイすることができる。
PCRに基づく検出手段は、同時に複数のマーカーのマルチプレックス増幅を含むことができる。例えば、サイズが重複せず同時に分析できるPCR産物を生成するためにPCRプライマーを選択することは当技術分野で周知である。あるいは、示差的に標識され、したがって示差的に検出することができるプライマーを用いて異なるマーカーを増幅することが可能である。もちろん、ハイブリッド形成に基づく検出手段により、試料中の複数のPCR産物の示差的な検出が可能になる。他の技法は、複数のマーカーのマルチプレックス分析を可能にすることが当技術分野で公知である。
単なる例示的な実施形態では、この方法は、(i)患者から細胞の試料を収集する工程、(ii)核酸(例えば、ゲノム、mRNAまたはその両方)を試料の細胞から単離する工程、(iii)対立遺伝子のハイブリッド形成および増幅が行われるような条件下で、核酸試料を、IL−1炎症誘発性ハプロタイプの少なくとも1つの対立遺伝子の5’および3’と特異的にハイブリッド形成する1つまたは複数のプライマーと接触させる工程、および(iv)増幅産物を検出する工程を含む。これらの検出スキームは、かかる分子が非常に少量で存在する場合、核酸分子の検出に特に有用である。
対象アッセイの好ましい実施形態において、IL−1炎症誘発性ハプロタイプの対立遺伝子は、制限酵素切断パターンの変化によって同定される。例えば、試料および対照のDNAは単離され、(場合によっては)増幅され、1つまたは複数の制限エンドヌクレアーゼで分解され、断片長サイズはゲル電気泳動によって決定される。
さらに他の実施形態では、当技術分野で公知の様々な配列決定反応のいずれかを使用して、対立遺伝子の配列を直接決定することができる。例示的な配列決定反応には、Maxim and Gilbert((1977年)Proc.Natl Acad Sci USA 74巻:560頁)またはSanger(Sangerら(1977年)Proc.Nat.Acad、Sci USA 74巻:5463頁)によって開発された技法に基づくものが含まれる。また、質量分析による配列決定(例えばPCT特許公報WO94/16101;Cohenら(1996年)Adv Chromatogr 36巻:127〜162頁;およびGriffinら(1993年)Appl Biochem Biotechnol 38巻:147〜159頁を参照のこと)を含めた、対象アッセイ(例えばBiotechniques(1995年)19巻:448頁を参照のこと)を実施するとき、様々な自動化された配列決定手順のいずれかを利用することができると考えられる。いくつかの実施形態について、核酸塩基のただ1つ、2つまたは3つの発生が配列決定反応で決定されるために必要であるということは当業者には明らかである。例えば、ただ1つの核酸が検出されるA−trackなどを実施することができる。
さらなる実施形態では、(ヌクレアーゼ、ヒドロキシルアミンまたは四酸化オスミウムなど、さらにはピペリジンによる)切断剤からの保護を使用して、RNA/RNAまたはRNA/DNAまたはDNA/DNAヘテロ二本鎖中のミスマッチ塩基を検出することができる(Myersら(1985年)Science 230巻:1242頁)。一般に、「ミスマッチ切断」の技法は、野生型対立遺伝子を含む(標識された)RNAまたはDNAを試料とハイブリッド形成させることによって形成されるヘテロ二本鎖を生成することによって開始する。二本鎖の二重鎖は、例えば、対照鎖と試料鎖の間の塩基対のミスマッチにより存在する、二重鎖の一本鎖領域を切断する薬剤で処理される。例えば、RNA/DNA二重鎖はRNアーゼで処理し、DNA/DNAハイブリッドはミスマッチ領域を酵素的に分解するためのS1ヌクレアーゼで処理することができる。他の実施形態では、DNA/DNAまたはRNA/DNA二重鎖は、ヒドロキシルアミンまたは四酸化オスミウムで処理し、ミスマッチ領域を分解するためにピペリジンで処理することができる。次いで、ミスマッチ領域の分解後、得られた物質を変性ポリアクリルアミドゲルでサイズごとに分離して、突然変異の部位を決定する。例えば、Cottonら(1988年)Proc.Natl Acad Sci USA 85巻:4397頁;およびSaleebaら(1992年)Methods Enzymol.217巻:286〜295頁を参照のこと。好ましい実施形態において、対照DNAまたはRNAは、検出用に標識することができる。
さらなる他の実施形態では、ミスマッチ切断反応は、二本鎖DNA中のミスマッチ塩基対を認識する1種または複数のタンパク質(いわゆる「DNAミスマッチ修復」酵素)を使用する。例えば、E.coliのmutY酵素は、G/AミスマッチでAを切断し、HeLa細胞から得られたチミジンDNAグリコシラーゼは、G/TミスマッチでTを切断する(Hsuら(1994年)Carcinogenesis 15巻:1657〜1662頁)。例示的な実施形態によると、IL−1遺伝子座ハプロタイプの対立遺伝子に基づくプローブは、試験細胞(複数可)由来のcDNAまたは他のDNA産物とハイブリッド形成される。この二重鎖はDNAミスマッチ修復酵素で処理され、切断産物は、それを使用する場合、電気泳動プロトコールなどから検出することができる。例えば、米国特許第5,459,039号を参照のこと。
他の実施形態では、電気泳動移動度の変化を使用して、IL−1遺伝子座対立遺伝子を同定する。例えば、一本鎖高次構造多型分析(SSCP)を使用して、突然変異型核酸と野生型核酸の電気泳動移動度の差を検出することができる(Oritaら(1989年)Proc Natl.Acad.Sci USA 86巻:2766頁、Cotton(1993年)Mutat Res 285巻:125〜144頁;およびHayashi(1992年)Genet Anal Tech Appl 9巻:73〜79頁も参照のこと)。試料および対照のIL−1遺伝子座対立遺伝子の一本鎖DNA断片は変性させ、復元させる。一本鎖核酸の二次構造は配列に従って変わり、電気泳動移動度の得られた変化により一塩基の変化さえも検出が可能になる。DNA断片は標識することも標識されたプローブで検出することもできる。アッセイの感度は、二次構造が配列の変化に対してより感受性がある(DNAではなく)RNAを用いて増強することができる。好ましい実施形態において、対象の方法は、電気泳動移動度の変化に基づいて二本鎖のヘテロ二重鎖分子を分離するためにヘテロ二重鎖分析を利用する(Keenら(1991年)Trends Genet 7巻:5頁)。
他の実施形態では、変性剤の勾配を含むポリアクリルアミドゲル中の対立遺伝子の移動は、変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法(DGGE)を用いてアッセイされる(Myersら(1985年)Nature 313巻:495頁)。DGGEが分析方法として用いられるとき、DNAが完全に変性しないことを確実にするため、例えば、PCRにより約40bpの高融解GCリッチDNAのGCクランプを加えることによって、DNAは修飾される。さらなる実施形態では、変性剤勾配の代わりに、温度勾配を使用して、対照と試料DNAの移動度の差が同定される(Rosenbaum and Reissner(1987年)Biophys Chem 265巻:12753頁)。
対立遺伝子を検出する他の技法の例には、それだけには限らないが、選択的オリゴヌクレオチドハイブリッド形成、選択的増幅、または選択的プライマー伸長が含まれる。例えば、(例えば、対立遺伝子の変異体における)公知の突然変異またはヌクレオチドの相違が中心に位置し、次いで、完全なマッチが見出される場合に限りハイブリッド形成を可能にする条件下で、標的DNAとハイブリッド形成される、オリゴヌクレオチドプライマーを調製することができる(Saikiら、(1986年)Nature 324巻:163頁);Saikiら(1989年)Proc. Natl Acad. Sci USA 86巻:6230頁)。かかる対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドハイブリッド形成技法を使用して、オリゴヌクレオチドがPCRによって増幅された標的DNAとハイブリッド形成される場合は、1反応当たり1つの突然変異または多型領域を試験することもでき、オリゴヌクレオチドがハイブリッド形成用メンブランに付着し、標識標的DNAとハイブリッド形成される場合は、いくつもの異なる突然変異または多型領域を試験することもできる。
あるいは、選択的PCR増幅を利用する対立遺伝子特異的増幅技術を本発明と併用することもできる。特異的増幅用のプライマーとして用いられるオリゴヌクレオチドは、(増幅が示差的なハイブリッド形成に依存するように)分子の中心に(Gibbsら(1989年)Nucleic Acids Res.17巻:2437〜2448頁)、または適当な条件下でミスマッチがポリメラーゼ伸長を阻止または減少させることができる1つのプライマーの3’末端で、対象の突然変異または多型領域を有することができる(Prossner(1993年)Tibtech 11巻:238頁)。さらに、突然変異の領域において新規な制限部位を導入して切断に基づく検出を創出することが望ましいこともある(Gaspariniら(1992年)Mol.Cell Probes 6巻:1頁)。いくつかの実施形態において、増幅用のTaqリパーゼを用いて増幅を行うこともできると考えられる(Barany(1991年)Proc.Natl.Acad.Sci USA 88巻:189頁)。このような場合、増幅が存在するかまたは存在しないかを探索することによって特定の部位の公知の突然変異の存在を検出することができる5’配列の3’末端で完全なマッチがある場合に限り、ライゲーションが起こる。
他の実施形態では、対立遺伝子の変異体の同定は、例えば、米国特許第4,998,617号およびLandegren,U.ら((1988年)Science 241巻:1077〜1080頁)に記載される通り、オリゴヌクレオチドライゲーションアッセイ(OLA)を用いて実施される。OLAプロトコールは、標的の一本鎖の隣接する配列とハイブリッド形成することができるように設計される2つのオリゴヌクレオチドを用いる。オリゴヌクレオチドの一方は、例えばビオチン化された分離マーカーに連結させ、もう一方は検出可能に標識される。正確な相補的配列が標的分子中で見出される場合、オリゴヌクレオチドは、これらの終端が隣接するようにハイブリッド形成し、ライゲーション基質となる。次いで、ライゲーションによって、標識されたオリゴヌクレオチドがアビジン、または他のビオチンリガンドを用いて回収できるようになる。Nickerson,D.A.らは、PCRおよびOLAの特性を組み合わせる核酸検出アッセイを報告している(Nickerson,D.A.ら(1990年)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87巻:8923〜27頁)。この方法では、PCRを使用して、標的DNAの指数関数的な増幅を達成し、次いで、OLAを用いて標的DNAを検出する。
このOLA法に基づく技法がいくつか開発されており、IL−1遺伝子座ハプロタイプの対立遺伝子を検出するために用いることができる。例えば、米国特許第5,593,826号は、3’−アミノ基を有するオリゴヌクレオチドおよび5’−リン酸化オリゴヌクレオチドを用いてホスホロアミド酸結合を有するコンジュゲートを形成するOLAを開示している。Tobeら((1996年)Nucleic Acids Res 24巻:3728頁)に記載のOLAの他の変形法では、PCRと組み合わせたOLAは、単一マイクロタイターウェル中で2つの対立遺伝子を分類することを可能にする。対立遺伝子特異的プライマーのそれぞれを独特なハプテン、すなわち、ジゴキシゲニンおよびフルオレセインで標識することによって、各OLA反応は、異なる酵素レポーター、アルカリホスファターゼまたは西洋ワサビペルオキシダーゼで標識されるハプテン特異的抗体を用いることによって検出することができる。この系により、2つの異なる色の生成をもたらす高処理形式を用いて2つの対立遺伝子の検出が可能になる。
本発明の他の実施形態は、再狭窄を発生する素因を検出するためのキットを対象とする。このキットは、IL−1遺伝子座ハプロタイプの少なくとも1つの対立遺伝子の5’および3’とハイブリッド形成する5’および3’オリゴヌクレオチドを含めた、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドを含むことができる。PCR増幅オリゴヌクレオチドは、その後の分析のために都合がよいサイズのPCR産物を生成するために、25〜2500塩基対離して、好ましくは約100〜約500塩基離してハイブリッド形成するべきである。
本発明の診断方法に用いるための特に好ましいプライマーは、配列番号1〜25を含む。
Figure 2011520433
本発明の方法によるIL−1多型対立遺伝子の増幅および検出に用いるための追加のオリゴヌクレオチドの設計は、ヒトIL−1遺伝子座を含むヒト染色体2q13から得られた更新された配列情報と、この遺伝子座に利用可能な更新されたヒトの多型情報との両方の利用可能性によって容易になる。例えば、IL−1A、IL−1BおよびIL−1RNのDNA配列は、国立バイオテクノロジー情報センター(National Center for Biotechnology Information)のウェブサイト(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)でGenBank受託番号X03833、X04500およびX64532をそれぞれ用いて見出すことができる。これらの遺伝子中のヒト多型の検出のために適当なプライマーは、この配列情報およびプライマー配列の設計および最適化のために当技術分野で公知の標準的な技法を用いて容易に設計することができる。かかるプライマー配列の最適な設計は、例えば、Primer2.1、Primer3またはGeneFisherなどの市販のプライマー選択プログラムの使用によって達成することができる(Nicklin M.H.J.、Weith A.Duff G.W.、「A Physical Map of the Region Encompassing the Human Interleukin-1α, interleukin-1β, and Interleukin-1 Receptor Antagonist Genes」Genomics 19巻:382頁(1995年);Nothwang H.G.ら、「Molecular Cloning of the Interleukin-1 gene Cluster:Construction of an Integrated YAC/PAC Contig and a partial transcriptional Map in the Region of Chromosome 2q13」Genomics 41巻:370頁(1997年);Clarkら、(1986年)Nucl.Acids.Res.、14巻:7897〜7914頁を参照のこと。[公開された誤字は、Nucleic Acids Res.、15巻:868頁(1987年)およびGenome Database(GDB)プロジェクトに見られる)。
他の態様では、本発明は、上記アッセイを実施するためのキットを特徴とする。いくつかの実施形態によれば、本発明のキットは、対象が、OA関連対立遺伝子またはハプロタイプを含む少なくとも1種の対立遺伝子を有するか否かを決定する手段を含むことができる。キットは、核酸試料収集手段を含むこともできる。キットは、陽性もしくは陰性対照試料または結果を評価するための標準および/またはアルゴリズムデバイスと、DNA増幅試薬、DNAポリメラーゼ、核酸増幅試薬、制限酵素、緩衝液、核酸サンプリングデバイス、DNA精製デバイス、デオキシヌクレオチド、オリゴヌクレオチド(例えば、プローブおよびプライマー)などを含めた追加の試薬および構成要素とを含むこともできる。
キットに用いる場合、オリゴヌクレオチドは、合成オリゴヌクレオチド、制限断片、cDNA、合成ペプチド核酸(PNA)などの様々な天然および/または合成組成物のいずれかであってよい。アッセイキットおよび方法はまた、アッセイにおいて同定が容易になるように標識されたオリゴヌクレオチドを使用することができる。使用することができる標識の例には、放射標識、酵素、蛍光化合物、ストレプトアビジン、アビジン、ビオチン、磁性部分、金属結合部分、抗原もしくは抗体部分などが含まれる。
前述した通り、対照は、陽性対照でも陰性対照でもよい。さらに、対照試料は、使用された対立遺伝子検出技法の陽性(または陰性)産物を含むことができる。例えば、対立遺伝子検出技法がPCR増幅であり、その後にサイズ分画を行う場合、対照試料は、適当なサイズのDNA断片を含むことができる。同様に、対立遺伝子検出技法は、突然変異タンパク質の検出を含む場合、対照試料は、突然変異タンパク質の試料を含むことができる。しかし、対照試料は試験しようとする物質を含むことが好ましい。例えば、対照は、ゲノムDNAまたはIL−1遺伝子クラスターのクローン部分の試料となり得る。しかし、好ましくは、試験しようとする試料がゲノムDNAである場合、対照試料はゲノムDNAの高純度試料である。
前記キットに存在するオリゴヌクレオチドは、目的とする領域の増幅または問題のマーカーとの直接の対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド(ASO)ハイブリッド形成のために用いることができる。したがって、オリゴヌクレオチドは、(PCR増幅に必要な場合)目的とするマーカーの両端に隣接させ、または(ASOハイブリッド形成などの場合)マーカーに直接重複させることができる。
アッセイを用いて得られた情報および(単独のまたは変形性関節症に寄与している他の遺伝的欠陥または環境因子に関する情報と併せた)本明細書に記載したキットは、無症候性対象が特定の疾患または状態を発生している、またはその可能性が高いか否かを決定するために有用である。さらに、その情報により、疾患または状態の発生または進行を防止するためのよりカスタマイズされた手法が可能となり得る。例えば、この情報により、臨床医が疾患または状態の分子ベースを扱う治療をより効率的に定めることが可能になり得る。
キットは、場合によっては、DNAサンプリング手段をも含むことができる。DNAサンプリング手段は当業者に周知であり、それだけに限らないが、ろ紙、AmpliCard.(商標)(University of Sheffield、Sheffield、England S10 2JF;Tarlow、J Wら、J. of Invest.Dermatol.103巻:387〜389頁(1994年))などの基質;Nucleon.(商標)キット、細胞溶解緩衝液、プロテイナーゼ溶液などのDNA精製試薬;10×反応緩衝液、熱安定性ポリメラーゼ、dNTPなどのPCR試薬;およびHinfI制限酵素、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド、乾燥血液から得られたネステッドPCRのための変性オリゴヌクレオチドプライマーなどの対立遺伝子検出手段が含まれる。
定義
別段の定義がない限り、本発明に用いられるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する当業者によって普通に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載したものと類似のまたは等価な方法および物質が本発明の実施または試験に用いることができるが、適当な方法および物質は後述する。すべての刊行物、特許出願、特許および本明細書において言及した他の参考文献は、その全体を参照により本明細書に組み込む。不一致の場合には、定義を含めて本明細書は調整する。さらに、物質、方法、および例は例示的なものにすぎず、制限するものではない。本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかである。
本明細書に記載した実施形態の理解を促す目的のために、好ましい実施形態について言及がなされ、特定の言語はそれらを記載するために用いられる。本明細書で用いられる専門用語は、特定の実施形態を記述する目的のためにすぎず、本発明の範囲を制限するものではない。この開示で用いられる場合、別段文脈で明確に指示しない限り、単数形「a」、「an」、および「the」には複数の対象が含まれる。したがって、例えば、「組成物」についての言及には、複数のかかる組成物、ならびに単一の組成物が含まれ、「治療薬」についての言及には、1種または複数の治療薬および/または医薬品および当業者に公知のその相当物などについての言及が含まれる。
「対立遺伝子」という用語は、異なる多型領域で見出された異なる配列変異体を指す。例えば、IL−1RN(VNTR)は、少なくとも5つの異なる対立遺伝子を有する。配列変異体は、それだけには限らないが、挿入、欠失、または置換を含めた単一もしくは複数の塩基の変化であってもよく、または可変数の配列反復であってもよい。
「対立遺伝子パターン」という用語は、1つまたは複数の多型領域における1つまたは複数の対立遺伝子の同一性を指す。例えば、対立遺伝子パターンは、IL−1RN(VNTR)対立遺伝子1に関しては、多型部位で単一の対立遺伝子からなり得、IL−1RN遺伝子座のVNTRでIL−1RN対立遺伝子1の少なくとも1種のコピーを有する対立遺伝子パターンである。あるいは、対立遺伝子パターンは、単一の多型部位でホモ接合またはヘテロ接合の状態からなり得る。例えば、IL−1−RN(VNTR)対立遺伝子2,2は、ホモ接合のIL−RN(VNTR)対立遺伝子2の状態に対応するIL−1RNのVNTRマーカーで第2の対立遺伝子の2コピーがある対立遺伝子パターンである。あるいは、対立遺伝子パターンは、複数の多型部位における対立遺伝子の同一性からなり得る。
本明細書の目的のために、同義的に用いられる「生物学的活性」または「生物活性」または「活性」または「生物学的機能」とは、(未変性のまたは変性した高次構造を問わず)IL−1ポリペプチドによって、またはその任意の部分配列によって直接もしくは間接的に行われるエフェクターまたは抗原の機能を意味する。生物学的活性には、例えば、IL−1受容体などの標的ペプチドへの結合が含まれる。IL−1生物活性は、IL−1ポリペプチドに直接影響を与えることによって調節することができる。あるいは、IL−1生物活性は、IL−1遺伝子の発現を調節することによるなどの、IL−1ポリペプチドのレベルを調節することによって、調節することができる。
本明細書では、「IL−1ポリペプチドの生物活性断片」という用語は、完全長のIL−1ポリペプチドの断片を指し、この断片は野生型IL−1ポリペプチドの活性を特異的に模倣し、またはそれに拮抗する。好ましくは、生物活性断片は、インターロイキン受容体と相互作用することができる断片である。
「対照」または「対照試料」という用語は、使用される検出技法に適する任意の試料を指す。対照試料は、使用される対立遺伝子検出技法の産物または試験しようとする物質を含むことができる。さらに、対照は、陽性対照でも陰性対照でもよい。例として、対立遺伝子検出技法がPCR増幅であり、その後サイズ分画を行う場合、対照試料は、適当なサイズのDNA断片を含むことができる。同様に、対立遺伝子検出技法が突然変異タンパク質の検出を含む場合、対照試料は、突然変異体タンパク質の試料を含むことができる。しかし、対照試料は、試験しようとする物質を含むことが好ましい。例えば、対照は、ゲノムDNAまたはIL−1遺伝子クラスターのクローン部分の試料であってもよい。しかし、試験しようとする試料がゲノムDNAである場合、対照試料は、好ましくは、ゲノムDNAの高純度試料である。
「遺伝子の破壊」および「標的破壊」という語句または任意の類似の語句は、遺伝子の野生型コピーと比べて細胞中の遺伝子の発現を妨げるように、未変性DNA配列の部位特異的妨害を意味する。妨害は、遺伝子に対する欠失、挿入または修飾、またはそれらの任意の組み合わせによって引き起こされ得る。
本明細書では、「ハプロタイプ」という用語は、統計的に有意なレベル(Pcorr<0.05)で(連鎖不平衡である)1つの群として一緒になって遺伝する一組の対立遺伝子を指すものとする。本明細書では、「IL−1ハプロタイプ」という語句は、IL−1遺伝子座におけるハプロタイプを意味する。IL−1炎症性もしくは炎症誘発性ハプロタイプは、アゴニストの増加および/またはアンタゴニスト活性の低下を示しているハプロタイプを指す。
本明細書では、「IL−1遺伝子クラスター」および「IL−1遺伝子座」という用語には、少なくともIL−1A、IL−1BおよびIL−1RN遺伝子ならびに他の任意の連鎖した配列を含めた第2染色体の2q13領域またはその付近のすべての核酸が含まれる(Nicklinら、Genomics 19巻:382〜84頁、1994年)。本明細書では、「IL−1A」、「IL−1B」および「IL−1RN」という用語は、それぞれIL−1α、IL−1βおよびIL−1受容体アンタゴニストをコードする遺伝子を指す。IL−1A、IL−1BおよびIL−1RNの遺伝子受託番号は、それぞれX03833、X04500、およびX64532である。
「IL−1機能性突然変異」は、表現型の変化をもたらす(すなわち、IL−1遺伝子またはタンパク質の機能をもたらす)IL−1遺伝子クラスター内の突然変異を指す。例には、IL−1A(+4845)対立遺伝子2、IL−1B(−3737)対立遺伝子2、IL−1B(+6912)対立遺伝子2、IL−1B(−31)対立遺伝子2、およびIL−1RN(+2018)対立遺伝子2が含まれる。
「IL−1 X(Z)対立遺伝子Y」は、遺伝子X中のIL−1遺伝子座多型部位で起こる、Yと呼ぶある特定の対立遺伝子の形を指し、Xは、IL−1A、B、またはRNであり、ヌクレオチドZまたはその付近に位置し、ヌクレオチドZは、主要な転写開始部位に対して数えられ、特定のIL−1遺伝子Xのヌクレオチド+1である。さらに本明細書では、「IL−1 X対立遺伝子(Z)」という用語は、ヌクレオチドZまたはその付近に位置する遺伝子X中のIL−1多型部位のすべての対立遺伝子を指す。例えば、「IL−1RN(+2018)対立遺伝子」という用語は、マーカー+2018におけるIL−1RN遺伝子の代替の形を指す。「IL−1RN(+2018)対立遺伝子2」は、センス鎖の+2018の位置でシトシン(C)を含むIL−1RN遺伝子の形を指す。Clayら、Hum.Genet.97巻:723〜26頁、1996年。「IL−1RN(+2018)対立遺伝子1」は、プラス鎖の+2018の位置でチミン(T)を含むIL−1RN遺伝子の形を指す。対象が2つの同一のIL−1RN対立遺伝子を有するとき、対象は、ホモ接合である、またはホモ接合の状態を有するといわれる。対象が異なる2つのIL−1RN対立遺伝子を有するとき、対象は、ヘテロ接合である、またはヘテロ接合の状態を有するといわれる。「IL−1RN(+2018)対立遺伝子2,2」という用語は、ホモ接合性のIL−1RN(+2018)対立遺伝子2の状態を指す。逆に、「IL−1RN(+2018)対立遺伝子1,1」という用語は、ホモ接合性のIL−1RN(+2018)対立遺伝子1の状態を指す。「IL−1RN(+2018)対立遺伝子1,2」という用語は、ヘテロ接合性の対立遺伝子1および2の状態を指す。
あるいは、対立遺伝子は、多型部位におけるヌクレオチドによって名付けられる。例えば、「IL−1RN(+2018)対立遺伝子T」は、プラス鎖の+2018の位置でチミン(T)を含むIL−1RN遺伝子の形態を指す。
本明細書では、「IL−1関連」とは、ヒト第2染色体(2q 12−14)上のヒトIL−1遺伝子座遺伝子に関連するすべての遺伝子を含むことを意味している。これらには、インターロイキン−1αをコードするIL−1A遺伝子、インターロイキン−1βをコードするIL−1B遺伝子、およびインターロイキン1受容体アンタゴニストをコードするIL−1RN(またはIL−1ra)遺伝子を含む第2染色体(2q 13−14)にあるヒトIL−1遺伝子クラスターのIL−1遺伝子が含まれる。さらに、これらのIL−1関連遺伝子には、ヒト第2染色体(2q 12)上にあるI型およびII型のヒトIL−1受容体遺伝子およびマウス第1染色体上の19.5cMの位置にあるそれらのマウス相同体が含まれる。インターロイキン−1α、インターロイキン−1β、およびインターロイキン−1RNは、そのすべてがIL−1I型受容体に結合するほど関連しているが、インターロイキン−1αおよびインターロイキン−1βは、IL−1I型受容体を活性化するアゴニストリガンドであるにすぎず、一方、インターロイキン−1RNは、天然に存在するアンタゴニストリガンドである。「IL−1」という用語は、遺伝子産物またはポリペプチドに関して用いられる場合、ヒト第2染色体(2q 12−14)上のインターロイキン−1遺伝子座によってコードされるすべての遺伝子産物および他の種からの対応するそれらの相同体またはそれらの機能性変異体に関することを意味している。したがって、「IL−1」という用語には、IL−1αおよびIL−1βなど、炎症反応を促進する分泌性ポリペプチドならびにIL−1受容体アンタゴニストおよびIL−1II型(おとり)受容体など、炎症反応に拮抗する分泌性ポリペプチドが含まれる。
「IL−1受容体」または「IL−1R」は、IL−1遺伝子座によってコードされるリガンドに結合し、かつ/またはそのリガンドからシグナルを伝達することができる様々な細胞膜結合タンパク質受容体を意味する。この用語は、インターロイキン−1(IL−1)分子を結合することのできる、哺乳動物の原形質膜タンパク質としてその未変性の構造において、IL−1によって生成されるシグナルを細胞に伝達する上である役割をおそらく果たしているタンパク質のいずれかに適用される。本明細書では、この用語には、IL−1結合またはシグナル伝達活性を有する未変性タンパク質の類似体が含まれる。例としては、米国特許第4,968,607号に記載のヒトおよびマウスのIL−1受容体が含まれる。「IL−1核酸」という用語は、IL−1タンパク質をコードする核酸を指す。
「IL−1ポリペプチド」および「IL−1タンパク質」は、GenBank受託番号X03833、X04500、およびX64532で識別されるIL−1ゲノムDNA配列によってコードされるアミノ酸配列を含むポリペプチドまたはそれらの断片およびそれらの相同体を包含し、アゴニストおよびアンタゴニストポリペプチドを含むものとする。
「リスクの増加」は、特定の多型対立遺伝子を有しない母集団のメンバーにおける疾患または状態の発生頻度に比べて、特定の多型対立遺伝子を有する個体において疾患または状態の発生頻度が統計的に高いことを意味する。
本明細書では、「相互作用する」という用語は、性質上、タンパク質とタンパク質、タンパク質と核酸、核酸と核酸およびタンパク質と小分子または核酸と小分子の間の相互作用など、分子間の検出可能な関係または会合(例えば、生化学的相互作用)を含むことを指す。
本明細書では、DNAまたはRNAなどの核酸に関して「単離された」という用語は、高分子の天然資源に存在しているそれぞれ他のDNA、またはRNAから分離した分子を指す。例えば、対象IL−1ポリペプチドの1つをコードする単離した核酸には、好ましくは、ゲノムDNAにおいてIL−1遺伝子に天然にすぐ隣接する10キロベース(kb)以下の核酸配列、より好ましくは、5kb以下のかかる天然に存在する隣接する配列、および最も好ましくは、1.5kb未満のかかる天然に存在する隣接する配列が含まれる。本明細書では、単離されたという用語はまた、組換えDNA技術によって生成するとき細胞物質、ウイルス物質、または培養培地が実質的にない、または化学合成するときに化学前駆体または他の化学薬品が実質的にない核酸またはペプチドをされ。さらに、「単離された核酸」は、断片として天然に存在せず、天然状態で見出されないはずである核酸断片が含まれることを意味する。「単離された」という用語はまた、本明細書で、他の細胞のタンパク質から単離されるポリペプチドを指すために使われ、精製済みおよび組換えポリペプチドの両方を包含することを意味する。
「連鎖不平衡」は、所与の対照母集団における各対立遺伝子の別個の発生頻度から予想されるよりも高い頻度での2つの対立遺伝子の共遺伝を指す。独立に遺伝する2つの対立遺伝子の予想された発生頻度は、第2の対立遺伝子の頻度を乗じた第1の対立遺伝子の頻度である。予想された頻度で同時に起こる対立遺伝子は、「連鎖不平衡」であるといわれる。連鎖不平衡の原因はしばしば明らかでない。これは、いくつかの対立遺伝子の組み合わせのための選択または一般的に不均一な母集団の最近の混合が原因であることもある。さらに、疾患遺伝子に非常に密接に連鎖するマーカーの場合では、疾患突然変異が少し前に起こった場合、特異的な染色体領域において組換え事象によって達成される平衡のために十分な時間が経過しないため、対立遺伝子(または連鎖した対立遺伝子群)の疾患遺伝子との関連が予想される。1つ以上の対立遺伝子からなる対立遺伝子パターンに関するとき、第1の対立遺伝子パターンを含むすべての対立遺伝子が第2の対立遺伝子パターンの対立遺伝子の少なくとも1つと連鎖不平衡である場合、第1の対立遺伝子パターンは、第2の対立遺伝子パターンと連鎖不平衡である。連鎖不平衡の例は、IL−1RN(+2018)およびIL−1RN(VNTR)多型部位で対立遺伝子間で起こるものである。IL−1RN(+2018)における2つの対立遺伝子は、対立遺伝子1および対立遺伝子2であるIL−1RN(VNTR)の2つの最も高頻度の対立遺伝子との連鎖不平衡において100%である。
「マーカー」という用語は、個体間で変わることが知られているゲノムにおける配列を指す。例えば、IL−1RN遺伝子は、タンデム反復数(VNTR)からなるマーカーを有する。
「突然変異遺伝子」または「突然変異」または「機能性突然変異」は、突然変異遺伝子を有していない対象に対して突然変異遺伝子を有する対象の表現型を変化させることができる遺伝子の対立遺伝子の形を指す。突然変異によって引き起こされる変化した表現型は、ある薬剤によって補正するまたは代償することができる。対象が変化した表現型を有するためにこの突然変異にホモ接合でなければならない場合、突然変異は劣性であるといわれる。突然変異遺伝子の1コピーが対象の表現型を変化させるのに十分である場合、突然変異は優性であるといわれる。対象が突然変異遺伝子の1コピーを有し、野生型遺伝子にホモ接合である対象の表現型と突然変異遺伝子にホモ接合の対象の表現型との中間である表現型を有する場合、突然変異は共優性であるといわれる。
本発明の「非ヒト動物」には、げっ歯類、非ヒト霊長目、ヒツジ、イヌ、雌ウシ、ヤギなどの哺乳動物、Xenopus属のメンバーのような両生類およびトランスジェニック鳥類(例えば、ニワトリ、小禽類など)が含まれる。「キメラ動物」という用語は、本明細書で、組換え遺伝子が見出される動物、または組換え遺伝子が動物のすべてではなくいくつかの細胞で発現している動物を意味するために用いられる。「組織特異的キメラ動物」という用語は、組換えIL−1遺伝子の1つがある組織では存在および/または発現し、または破壊されているが、他の組織ではそうではないことを示す。「非ヒト哺乳動物」という用語は、ヒトを除く哺乳類クラスの任意のメンバーを指す。
本明細書では、「核酸」という用語は、デオキシリボ核酸(DNA)、必要に応じて、リボ核酸(RNA)などのポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドを指す。この用語はまた、相当物として、ヌクレオチド類似体(例えば、ペプチド核酸)から作製されたRNAまたはDNAの類似体および記載されている実施形態に適用可能な場合、一本鎖(センスまたはアンチセンス)および二本鎖のポリヌクレオチドを含むものと理解されるべきである。
「多型」という用語は、複数の形の遺伝子またはその部分(例えば、対立遺伝子の変異体)の共存を指す。少なくとも2つの異なる形態、すなわち、2つの異なるヌクレオチド配列がある遺伝子の一部は、「遺伝子の多型領域」と称される。遺伝子の多型領域における特異的な遺伝子配列は、対立遺伝子である。多型領域は、一塩基となり得、それらの同一性は異なる対立遺伝子で異なる。多型領域はいくつかの長いヌクレオチドとなり得る。
「疾患傾向」、さらには疾患の「素因」またはそれに対する「感受性」という用語または任意の類似の語句は、いくつかの対立遺伝子が、それによりある特定の疾患(例えば、血管疾患)を発症する対象の発生率に関連するまたはそれを予測することが発見されていることを意味する。したがって、対立遺伝子は、健常個体に比べて疾患を有する個体の頻度において大きな比率を占める。したがって、これらの対立遺伝子は、さらには前駆症状または前疾患状態の個体において疾患を予測するために用いることができる。
本明細書では、「小分子」は、分子量約5kD未満、最も好ましくは、約4kD未満を有する組成物を指すことを意味する。小分子は、核酸、ペプチド、ペプチド模倣体、炭水化物、脂質または他の有機もしくは無機分子であってもよい。
本明細書では、「特異的にハイブリッド形成する」または「特異的に検出する」という用語は、試料核酸の少なくとも約6つ以上連続するヌクレオチドとハイブリッド形成する核酸分子の能力を指す。
「転写制御配列」は、本明細書では、開始シグナル、エンハンサー、およびプロモーターなど、それらが作動可能に連結するタンパク質コード配列の転写を誘発または制御するDNA配列を指す総称である。
本明細書では、「導入遺伝子」という用語は、細胞に導入されている(そこに、例えば、IL−1ポリペプチドの1つ、またはアンチセンス転写物をコードする)核酸配列を意味する。導入遺伝子は、導入されるトランスジェニック動物または細胞に対して部分的または全体的に異種である、すなわち、外来のものである可能性があり、または導入されるトランスジェニック動物または細胞の内在性遺伝子と同種であるが、挿入される(例えば、天然遺伝子と異なる位置で挿入されるまたはその挿入物がノックアウトになる)細胞のゲノムを変化させるように動物のゲノムに挿入されるように設計されている、またはそれに挿入されるものである。導入遺伝子はまた、エピソームの形で細胞中に存在することもできる。導入遺伝子は、イントロンなど、選択された核酸の最適な発現に必要となり得る、1種または複数の転写制御配列および任意の他の核酸を含むことができる。
本明細書では、「治療する」という用語は、状態または疾患の少なくとも1種の症状を治癒し、寛解させることを包含するものとする。
「ベクター」という用語は、連結した他の核酸を輸送することができる核酸分子を指す。好ましいベクターの1種は、エピソーム、すなわち、染色体外で複製できる核酸である。好ましいベクターは、自律増殖し、かつ/または連結した核酸を発現できるものである。作動可能に連結した遺伝子の発現を誘導することができるベクターは、本明細書で、「発現ベクター」と称される。一般に、組換えDNA技術に有用な発現ベクターは、そのベクターの形では染色体に結合されない環状の二本鎖DNAループを一般に指す「プラスミド」の形であることが多い。本明細書では、「プラスミド」および「ベクター」は、プラスミドが最も一般的に用いられる形のベクターであるため、同義的に用いられる。しかし、本発明は、同等の機能を果たし、当技術分野で後に公知となる他の形の発現ベクターも含むものとする。
「野生型対立遺伝子」という用語は、対象において2コピーに存在するとき、野生型表現型になる遺伝子の対立遺伝子を指す。遺伝子中のいくつかのヌクレオチド変化はヌクレオチド変化を有する遺伝子を2コピー有する対象の表現型に影響を与えることができないため、特定の遺伝子のいくつかの異なる野生型対立遺伝子が存在することもある。
以下の実施例は、本発明の方法および組成物の例示的なものであるが、それを限定するものではない。普通なら治療において生じ、当業者には明らかである様々な条件およびパラメーターの他の適当な修正および整合は、実施形態の精神および範囲の内にある。
(実施例1)
IL−1RN多型は、変形性関節症におけるX線写真上の重症度に関連付けられる。
背景/目的:どの変形性関節症(OA)患者が疾患進行を受けるかを予測する信頼性のあるマーカーが必要であり続けている。以前の試験では、炎症はOAの病因および進行において重要となり得ると示唆されている。本発明者らは、膝OAの対象において試験を実施して、X線写真上の重症度との関連付けについて選択された候補遺伝子多型を調査した。
方法:NYUHJDからの膝OAを伴うOA患者80名はこの横断レトロスペクティブ分析における組み入れ基準を満たした。膝OAをX線撮影で診断した慢性疾患のないコーカサス人の男女遺伝子型を、一塩基多型(SNP)について決定した。これらの対象を、2群、すなわち、一方を、膝の指数のKellgren−Lawrence(KL)スコアが1または2を有する者、もう一方をKLスコアが3または4を有する者に分けた。利用可能なデータを有するサブセット(N=36)を、中央値を上回るまたは下回る関節空間(JSW)によって分離した。本発明者らは、年齢、性別およびBMIを補正してX線写真上の重症度の個別のSNPおよびハプロタイプとの関連性を評価するために、ロジスティック回帰分析と共に、カイ二乗検定およびフィッシャー直接確率法を用いて統計分析を行った。
結果:年齢、性別、およびBMIの補正後、個別のIL1受容体アンタゴニスト(IL1RN)SNPは、KLのX線写真上の重症度および関節空間(JSW;表1)と強く関連付けられた。また、(ACT):IL1RN rs9005、IL1RN rs419598、IL1RN rs315952(本OA試験におけるハプロタイプ頻度32%)からなるハプロタイプの1コピーまたは2コピーのいずれかを有することは、OA母集団の残りの68%に比べて、X線写真上の重症度のリスクの実質的な低下(OR 0.14;95%CI 0.05〜0.37)およびJSWの増加(3.99±1.76mm対3.16±1.94mm;p=0.0056)に関連付けられた。
結論:IL1RN SNPは、OAにおいてX線写真上の重症度と関連付けられ、X線写真上の重症度および進行の潜在的可能性を予測することができる。これらの遺伝子マーカーは、OAの医学的管理に有用であり、DMOADの臨床試験においてX線写真上で進行する対象について強化するツールとしても有用である。
表1.SNPとX線写真上の重症度との関連付け
Figure 2011520433
本発明は、特に好ましい実施形態および実施例に関して記載しており、それらの精神および範囲から逸脱することなく、様々な修正が本発明になされ得ることが当業者に理解される。
本明細書で言及しかつ/または出願データシートに列挙した、上記米国特許、米国特許出願公報、米国特許出願、外国特許、外国特許出願および非特許刊行物のすべては、その全体を参照により本明細書に組み込む。
遺伝子型の定義:
IL1RN_rs315952 T/T 1.1
T/C 1.2
C/C 2.2
IL1RN_rs9005 G/G 1.1
G/A 1.2
A/A 2.2
IL1RN+(2018)_rs419598 T/T 1.1
T/C 1.2
C/C 2.2

IL−1RNハプロタイプの対:
Figure 2011520433
参考文献一覧
Figure 2011520433

Claims (21)

  1. 対象において変形性関節症の重症疾患進行および関節空間狭小化のリスクを増加させる素因を検出する方法であって、該対象において
    a)IL1RN rs9005 G>Aの遺伝子型G/G;
    b)IL1RN rs419598 T>Cの遺伝子型T/T;
    c)IL1RN rs315952 T>Cの遺伝子型T/CまたはC/C
    のいずれか1つ、いずれか2つまたは3つすべてを検出する工程を含み、
    これらの遺伝子型のいずれか1つ、いずれか2つまたは3つすべてが存在することは、該対象に変形性関節症の前記重症疾患進行、関節空間狭小化、ならびにそれだけには限らないが、サイトカイン、ケモカイン、コラーゲン断片およびプロテイナーゼを含めた、疾患重症度の他の生物マーカーへの素因があることを示し、これらの遺伝子型の3つすべてが存在しないことは、該対象にその素因がないことを示す方法。
  2. 対象において変形性関節症の重症疾患進行および関節空間狭小化のリスクを減少させる素因を検出する方法であって、該対象において
    a)IL1RN rs9005 G>Aの遺伝子型A/AまたはG/A;
    b)IL1RN rs419598 T>Cの遺伝子型C/CまたはT/C;
    c)IL1RN rs315952 T>Cの遺伝子型T/T
    を検出する工程を含み、
    これらの遺伝子型のいずれか1つ、いずれか2つまたは3つすべてが存在することは、該対象が、変形性関節症の重症疾患への進行、関節空間狭小化、ならびにそれだけには限らないが、サイトカイン、ケモカイン、コラーゲン断片およびプロテイナーゼを含めた、疾患重症度の他の生物マーカーから保護されていることを示し、これらの遺伝子型のすべてが存在しないことは、該対象がこれらから保護されていないことを示す方法。
  3. 対象において変形性関節症の重症疾患進行、関節空間狭小化、ならびにそれだけには限らないが、サイトカイン、ケモカイン、コラーゲン断片およびプロテイナーゼを含めた、疾患重症度の他の生物マーカーのリスクを増加させる素因を検出する方法であって、該対象において以下のハプロタイプ(ACT):IL1RN rs9005 G>A、IL1RN rs419598 T>C、IL1RN rs315952 T>Cのコピーがないことを検出する工程を含み、このハプロタイプの1コピーまたは2コピーが存在することから、重症疾患進行および関連する状態のリスクの低下が予測される方法。
  4. 変形性関節症の対象の疾患進行、関節空間狭小化、ならびにそれだけには限らないが、サイトカイン、ケモカイン、コラーゲン断片およびプロテイナーゼを含めた、疾患重症度の他の生物マーカーの可能性に基づいて、臨床試験への組入れまたは臨床試験からの除外について変形性関節症の対象を選択するための方法であって、IL1RN rs9005 G>A、IL1RN rs419598 T>C、およびIL1RN rs315952 T>Cからなる群から選択される多型の遺伝子座の1種または複数において該対象の核酸を型別分類する工程を含み、前記遺伝子座に関する該対象の遺伝子型から、該対象のこれらに対するリスクについての情報が得られ、該臨床試験の基準に適した試験対象の選択が可能になる方法。
  5. それだけには限らないが、変形性関節症に罹患した対象のための疾患修飾性変形性関節症薬(DMOAD)の薬効分類に基づいて適当な治療レジメンを選択するための方法であって、IL1RN rs9005 G>A、IL1RN rs419598 T>C、およびIL1RN rs315952 T>Cからなる群から選択される多型の遺伝子座の1種または複数で該対象の核酸を型別分類する工程を含み、前記遺伝子座に関して該対象の遺伝子型から、変形性関節症の重症疾患進行、関節空間狭小化、ならびにそれだけには限らないが、サイトカイン、ケモカイン、コラーゲン断片およびプロテイナーゼを含めた、疾患重症度の他の生物マーカーに関する該対象のリスクについての情報が得られ、これらに対する該対象の感受性に適した治療レジメンまたは生活様式に関する推奨事項の選択が可能になる方法。
  6. 対象において変形性関節症の疾患の進行および関節空間狭小化を治療するかまたは遅延させるための方法であって、
    a)該対象において以下のIL1RN rs9005 G>Aの遺伝子型G/G;IL1RN rs419598 T>Cの遺伝子型T/T;および/またはIL1RN rs315952 T>Cの遺伝子型T/CまたはC/Cのいずれか1つ、いずれか2つまたは3つすべてを検出する工程と、
    b)変形性関節症の該疾患の進行、関節空間狭小化、ならびにそれだけには限らないが、サイトカイン、ケモカイン、コラーゲン断片およびプロテイナーゼを含めた、疾患重症度の他の生物マーカーを代償する治療薬を前記対象に投与する工程とを含む方法。
  7. 前記対象が約60歳を超える、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記対象が約40歳を超える、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記対象が約40歳から約60歳である、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記対象が約65歳から約90歳である、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記検出工程が、a)対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドハイブリッド形成;b)サイズ分析;c)配列決定;d)ハイブリッド形成;e)5’ヌクレアーゼ分解;f)一本鎖の高次構造多型;g)対立遺伝子特異的ハイブリッド形成;h)プライマー特異的伸長;およびi)オリゴヌクレオチドライゲーションアッセイからなる群から選択される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 検出前に、または検出と併せて、核酸試料を増幅工程に供する、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 対象において変形性関節症の重症疾患進行および関節空間狭小化のリスクを増加または減少させる素因を検出するためのキットであって、IL1RN rs9005 G>A、IL1RN rs419598 T>C、およびIL1RN rs315952 T>Cからなる群から選択される対立遺伝子の5’または3’とハイブリッド形成するプライマーオリゴヌクレオチドを含むキット。
  14. 前記対立遺伝子が増幅できるように、前記対立遺伝子の3’または5’それぞれとハイブリッド形成する第2のプライマーオリゴヌクレオチドをさらに含む、請求項14に記載のキット。
  15. 前記プライマーは、約50から約1000塩基対の範囲の領域とハイブリッド形成する、請求項14に記載のキット。
  16. 検出手段をさらに含む、請求項14に記載のキット。
  17. 増幅手段をさらに含む、請求項14に記載のキット。
  18. 対照をさらに含む、請求項14に記載のキット。
  19. 年齢の考慮および層別化によって、変形性関節症の医学的管理を行い、疾患進行の速度を予測するための方法であって、
    対象において
    a)IL1RN rs9005 G>Aの遺伝子型G/G;
    b)IL1RN rs419598 T>Cの遺伝子型T/T;および/または
    c)IL1RN rs315952 T>Cの遺伝子型C/TまたはC/C
    のいずれか1つ、いずれか2つまたは3つすべてを検出する工程を含み、
    これらの遺伝子型のいずれか1つ、いずれか2つまたは3つすべてが存在することは、該対象に変形性関節症の重症疾患進行、関節空間狭小化、ならびにそれだけには限らないが、サイトカイン、ケモカイン、コラーゲン断片およびプロテイナーゼを含めた、疾患重症度の他の生物マーカーへの素因があることを示し、該遺伝子型の非存在は該対象にその素因がないことを示し、特定の年齢において該対象の予測される必要性に基づいた該変形性関節症の医学的管理に関する推奨事項が得られる方法。
  20. 年齢の考慮および層別化によって、変形性関節症の医学的管理を行い、疾患の進行の速度を予測するための方法であって、対象において変形性関節症の重症疾患進行、関節空間狭小化、ならびにそれだけには限らないが、サイトカイン、ケモカイン、コラーゲン断片およびプロテイナーゼを含めた、疾患重症度の他の生物マーカーのリスクを減少させる素因を検出する工程を含み、該対象において以下のハプロタイプ(ACT):IL1RN rs9005 G>A、IL1RN rs419598 T>C、IL1RN rs315952 T>Cの1コピーまたは2コピーを検出する工程を含み、該ハプロタイプが存在しないことは該対象にその素因がないことを示し、特定の年齢において該対象の予測される必要性に基づいた変形関節症の該医学的管理に関する推奨事項が得られる方法。
  21. 年齢の考慮によって変形性関節症の医学的管理を行うための方法であって、対象において変形性関節症の重症疾患進行、関節空間狭小化、ならびにそれだけには限らないが、サイトカイン、ケモカイン、コラーゲン断片およびプロテイナーゼを含めた、疾患重症度の他の生物マーカーから保護する素因を検出する工程を含み、該対象において以下のハプロタイプ:(ACT):IL1RN rs9005 G>A、IL1RN rs419598 T>C、IL1RN rs315952 T>Cの1コピーまたは2コピーを検出する工程を含み、該ハプロタイプが存在しないことは該対象にその素因がないことを示し、ある特定の年齢において該対象の予測される必要性に基づいた変形性関節症の該医学的管理に関する推奨事項が得られる方法。
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