JP2011520119A - 陽電子放出検出方法及び画像生成 - Google Patents

陽電子放出検出方法及び画像生成 Download PDF

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Abstract

空間的位置検出エレメントから得られる位置情報を用いてタイミング信号の進行時間を補償するタイミング補償エレメントを備えた陽電子放出スキャナが提供される。さらに、タイミング誤差関数と応答線に沿って求められた包絡関数とを畳み込むことにより陽電子放出イベント加重値を求め、これを用いて画像を生成するPET画像生成方法も提供される。
【選択図】なし

Description

本発明は、陽電子放出により生じたガンマ線を検出し、同検出に基づき得られたデータを分析することにより、被検体の画像を生成する技術に関する。データ分析に際しては、たとえば、より正確なタイミング情報を求めることや、画像生成アルゴリズムにおいてデータの使用に重み付けを行うことが行われる。
以下で説明する実施形態においては、フッ化バリウムなどの材料からなるシンチレーション層と、これに近接する低圧ガス空間と、当該ガス空間内を進行する電子バーストの位置を検出するための電極グリッドセンサとを含む、一対の陽電子放出検出器が使用される。
ポジトロン断層撮影法(PET)は、陽電子を放出する放射性同位体で標識されたトレーサーを、人間、動物、またはその他の被検体に投与する、周知の手法である。被検体内の放射性同位元素の核から放出された陽電子は、そのすぐ近傍にある原子が有する電子と相互作用する。この電子・陽電子対は対消滅し、この消滅点からほぼ一直線状に互いに反対方向に進行する2つの511keVのガンマ線を発生させる。この同時発生したガンマ線対を被検体の周囲に配置したガンマ線検出器を用いて検出する。対消滅が起こった位置は、これらの同時ガンマ線が検出された2つの位置の間であって、いわゆる応答線(LOR)上にあると推定される。こうした多数の同時ガンマ線に基づき、断層撮影法によって被検体内におけるトレーサーの生体内分布画像が生成される。典型的に用いられる断層撮影法の例としては、フィルタ付逆投影法や最尤推定期待値最大化法がある。
こうした電子・陽電子の対消滅によって発生する一対のガンマ線は、異なるガンマ線検出器に向かって途中で散乱されることなく進む場合もある。この場合、検出器どうしの離間距離が1メートルのオーダーであると、両ガンマ線が検出器に到達するまでの時間差は約3ns未満である。一般的に、同じ陽電子に起因するものと考え得る検出イベント対を特定する際には、12nsなどの所定の閾値よりも小さい時間差で検出された対のイベントのみを同時イベント(coincidence event)であるとみなす。
飛行時間型ポジトロン断層法(Time-of-Flight(TOF)PET)においては、ガンマ線の各検出器への実際の到着時間あるいは相対的な到着時間を記録し、そのわずかな時間差を利用して各ガンマ線がLORに沿って進んだ距離の差を推定する。次に、たとえば上記技術に信頼度重み付けを取り入れた技術によって、この推定距離を画像再構成工程に利用する。大抵の場合、このLORに沿った推定距離は、LORそのものよりもかなり不正確である。
PETシステムの動作においては、陽電子放出による対消滅の結果発生するガンマ線のうちかなりの割合が、検出される前に、たとえば被検体内の細胞核または検出器列もしくは支持構造の一部によって散乱されてしまう。こうした散乱ガンマ線も、対をなす他方のガンマ線と同じようなタイミングで、そのシステムにおけるコインシデンス閾値時間内に検出器に到達する。これらは応答線であると誤って認識されるため、最終的に生成される画像にノイズが増えることになる。そこで、散乱ガンマ線の持つエネルギーは本来の511keVよりも小さいことが多いため、通常は400keVなどの所定の閾値よりも小さいエネルギーのガンマ線を排除することによって、こうした影響を緩和するようにしている。
本発明は、陽電子発生システムにおいて検出されるガンマ線に関してタイミングデータを改善すること、及び同時イベントデータから生成される画像を改善することを目指したものである。
本発明は、陽電子放出画像生成のためのガンマ線の検出に関し、特に人間または動物などの被検体の医療目的での断層撮影イメージングに関する。
特に、本発明の第一の側面は、シンチレーション層と、その後方に設けられた低圧ガス空間とを含むガンマ線検出器に関する。シンチレーション層にガンマ線が照射されると、たとえばシンチレーション層からの紫外光子の変換によって、低圧ガス空間内で光イオン化が起こり、電子バーストが生成される。この電子バーストは低圧ガス空間内を移動し、マルチワイヤ比例計数管などの位置検出エレメントに至る。位置検出エレメントは、シンチレーション層上のどの位置にガンマ線が照射したかを示す位置情報を提供する。この位置情報は、被検体の画像生成に用いることができる。一方、同時ガンマ線を求めるためのタイミング信号は低圧ガス内のタイミング電極面から受け取られる。
本発明によれば、位置検出エレメントから得られる位置情報を用いてタイミング信号を補正することにより、タイミング信号がタイミング電極面を進行するのに要する時間の差を補償する。この補償は、タイミング補償エレメントによって行うことができる。
この補償によってタイミング情報の精度が向上し、ガンマ線の飛行時間を斟酌した被検体の画像再構成を行うことができる。
典型的な例としては、シンチレーション層とタイミング電極面と位置検出エレメントとはほぼ平行に配置されて検出面を形成し、位置情報はこの検出面内における位置すなわち座標を表す。
タイミング信号はタイミング電極面内における電子バーストの移動を表す。2つの対向するガンマ線検出器を用いる場合、この2つの検出器から同時に生成されたタイミング信号、具体的には12ns内などの短い時間差で生成された2つのタイミング信号は、同じ電子・陽電子対消滅イベントに起因して発生した一直線上に並ぶ2つのガンマ線を示す信号であると判定される。この判定はコインシデンス検出器によって行うことができる。次に、トリガー信号が各検出器のゲート電極面に送られることにより、この電子バーストの各位置検出エレメントへの到達が許可される。この構成によれば、位置検出エレメントに届く電子バーストの数をおそらく2桁減らすことができる。位置検出エレメントは、たとえば位置情報を含む信号を生成するための遅延ラインを用いるマルチワイヤ比例計数管である。
タイミング電極面は、同一平面内に配置された複数の平行なワイヤによって形成することができ、位置情報を用いて電子バーストが1つまたは複数のワイヤを通過した位置をたとえば末端の信号受信位置からのワイヤに沿った距離として推定する。次に、タイミング情報について、タイミング信号のワイヤに沿う進行時間の補償を行う。
タイミング信号の別の側面を、たとえばタイミング電極面における異なる部品の端部からの進行時間の違いに応じて所定の補正を行うことにより補償してもよい。
検出器ごとに個々の補償タイミング情報を生成してもよいし、2つの検出器のシンチレーション層に照射した2つの同時ガンマ線間の時間差を表す差異補償タイミング情報を生成し出力してもよい。
本発明は、上記を実施するための制御・データ処理エレメントを備える1つまたはそれ以上のガンマ線検出器と、このようなガンマ線検出器を少なくとも2つ備えるシステムと、同時ガンマ線イベントの位置情報及び補償タイミング情報を用いて被検体の画像生成を行うよう構成されたデータ処理部をさらに備えるシステムとを提供する。本発明はさらにこれらに対応した方法、コンピュータプログラムエレメント、及び、こうしたプログラムエレメントを備えたコンピュータ読み出し可能媒体も提供する。
本発明の第二の側面は、同時ガンマ線イベントに対して生成された位置・タイミング情報を用いた被検体画像の生成に関する。この情報は、上述し且つ以下により詳細に述べるガンマ線検出システムによって生成することができ、従来のPETスキャナ等の他のガンマ線検出システムによっても生成することができる。補償タイミングデータは、この側面においても好適に使用できる。
第二の側面によれば、同時陽電子放出ガンマ線の検出に基づいて、三次元被検体空間における被検体の陽電子放出密度画像を生成する。具体的には、まず、上記のガンマ線の検出位置どうしを結ぶ応答線を上記被検体空間に規定するためのデータを得る。このデータは、たとえば各検出器の検出面内における同時ガンマ線検出の座標を被検体空間内の検出器の位置及び向きに関連付けたものとして得ることができる。
そして、応答線または同時イベントのそれぞれについて、陽電子放出位置を推定する。この推定は、たとえば同時イベントのガンマ線検出の絶対的タイミング情報又は差異タイミング情報に基づいて行うことができる。この推定は非常におおまかなものになりがちであり、被検体空間内での200〜300mmに相当する1nsの不確定性を有する。
次に、被検体空間内に包絡関数を求める。この包絡関数は、予測される陽電子放出密度画像に近似した概略画像を生成するためのものである。この概略画像はたとえば単純な幾何学形状などの非常におおまかなものであるが、より精巧なものとすることもできる。
次に、タイミング誤差関数を求める。タイミング誤差関数はタイミングデータから求めた陽電子放出位置の不確定性を表す。典型的な例においては、このタイミング誤差関数のピークは、タイミング情報に基づく陽電子放出位置の予測における最良の位置にあたり、このタイミング誤差関数のピーク幅はタイミング情報の誤差に起因する陽電子放出位置の不確定性を表す。
次に、応答線に沿った包絡関数の値と、同じ応答線に沿って求められ陽電子放出位置の概算に従って並べられたタイミング誤差関数とを畳み込む。この畳み込みの結果が陽電子放出イベントの加重値である。次に、この陽電子放出イベント加重値に従って重み付けされた各応答線から、被検体の画像を生成する。
包絡関数は種々の形のものとすることができる。たとえば、予想される被検体画像に従って並べられ大きさを設定された円筒形または球形などの幾何学形状のものを用いることができる。包絡関数は、形状内に大きな値を有し形状外に小さな値またはゼロを有する二値のもの、あるいは、段階的または連続した値で推移するものとすることができる。たとえば、腎臓や心臓の大まかな形などの、より精巧な所定形状のものを用いることもできる。
包絡関数は、エックス線CTスキャンまたは超音波スキャンなどの被検体の走査によって得られたデータに基づいて求めてもよい。
包絡関数は繰り返し求めてもよい。たとえば、最初の画像生成は包絡関数とタイミング誤差関数との畳み込みを用いずに、すなわち当初の概略包絡関数を用いて行い、この最初の画像生成工程で得られた画像から次の包絡関数を求めてもよい。これをさらに繰り返すことにより包絡関数及び画像をより精緻なものとしてもよい。
タイミング誤差関数は、タイミング情報の誤差や不確定性に起因する陽電子放出予測位置の不確定性を表すピーク幅を有するものであれば、ガウスピークや三角ピークを有するものなど、種々の形のものとすることができる。
本発明は、さらに、上述の方法を実施するのに適したデータ処理装置、特に、プログラムされたコンピュータを提供し、さらには、必要な同時イベントデータを得るよう構成されたシステム、たとえば陽電子放出検知システムとデータ処理装置との組み合わせなどのシステムを提供するものである。本発明はさらに、CTスキャン、超音波スキャン、またはその他の包絡関数を求めるための構成を内蔵したシステムを提供することもできる。本発明は、上記方法を実施するよう構成されたコンピュータプログラムコード、及びそのようなコードを有するコンピュータ読み出し可能媒体も提供する。
同時イベントデータはデータベースに保存しておいて画像再構成に用いてもよい。
本発明の実施形態を、添付図面を参照して例として述べる。
回転可能なガントリー(gantry)に取り付け可能な2つのガンマ線検出器を用いた陽電子放出断層撮影を示す。 図1のガンマ線検出器における、シンチレーション層、及び低圧ガス空間内の電極構造を示す概略断面図である。 図2の検出器のタイミング電極面を示す。 2つの検出器の対向構造、特にタイミング電極面の対向構造を示す。 2つのガンマ線検出器に関する制御・データ処理の概略図である。 画像生成において同時イベントにバイアスをかけて使用するための加重値を得るために、タイミング誤差関数と被検体空間包絡関数とを応答線に沿って畳み込む様を示す。 飛行時間補正を説明するための図であり、2つの検出器間の患者を示す。 タイミング差の関数としての、散乱イベントに対する真のイベントの割合を示す。
図1に示すように、陽電子放出スキャナは、人間、動物、またはその他の被検体12の両側に配置される2つのガンマ線検出器10を含む。これらの検出器10は制御及び信号処理部14に接続されている。制御及び信号処理部14は、2つの検出器の動作を制御するとともに、これらの検出器によって検出された同時ガンマ線に関するデータを生成しかつ出力する。制御及び信号処理部14は様々な形態のものとすることができる。たとえば、単一のユニットとして、または複数に分散されたユニットとして構成してもよいし、これらをソフトウェアやハードウェア、あるいは両者の組み合わせ等によって実現してもよい。同時イベントに関するデータはデータプロセッサ16に送られる。データプロセッサは、この同時イベントデータを用いて、放射性同位体で標識されたトレーサーの被検体12内における分布画像を断層撮影法によって生成する。
〔ガンマ線検出器〕
図2は、図1に示したガンマ線検出器の1つの断面、すなわち、フッ化バリウム(BaF2)結晶タイルからなるシンチレーション層20から、マルチワイヤ比例計数管(MWPC)40よって構成される位置検出エレメント40までの断面の概略図である。位置検出エレメントは、同時ガンマ線によって検出器内に生成される電子バーストの位置、特に検出器の主面内での座標を検出するよう構成されている。シンチレーション層20と位置検出エレメント(MWPC)40との間には、60℃で約4mbの加熱TMAE(テトラキス(ジメチルアミノ)エチレン)ガスを含む低圧ガス空間21が設けられている。このガス空間は5.36eVの光イオン化ポテンシャルを有し、フッ化バリウムから放出される約190nmの光子を増幅するのに適したものである。図2に示したような検出器の構造及び動作の詳細は国際公開第93/08484号に記載されているが、その構成を以下に手短に説明する。
シンチレーション層20は、1つまたは複数のフッ化バリウム結晶ロッドのアレイを互いに隣接させて積層することによって形成することができる。各アレイにおいて、結晶ロッドはシンチレーション層の面内方向に延びるように配列されている。この構成は同時係属出願である英国出願第0709381.8号に記載されており、当該英国出願はここで言及することにより本願の開示に含まれるものとする。層内に並べたロッドを用いてシンチレーション層を形成することにより、検出器の空間分解能の低下を抑制しつつ厚みの大きな層を用いることが可能となる。特に、ロッドどうしが分離していることにより、ロッドの幅方向における横の距離、すなわち層内で生成された紫外光子が低圧ガス空間に入る前に通過しうる距離を減らすことができる。また、各ロッドにスリットを設けることにより、ロッドの長さ方向における横の距離、すなわち紫外光子が通過しうる距離を減らすことができる。このように、シンチレーション層の面内方向における紫外光子の横移動距離を減らすことができる。しかし、これとは異なり、フレーム状またはその他の形状に組み立ててシンチレーション層を形成する場合にもロッドは有用である。これは、広範囲用の検出器において特に重要であるが、この手法によれば、何百ものロッドが必要となることもありうる。
各フッ化バリウム結晶の周りには直径25μmの導電ワイヤ22が250μmピッチで巻かれている。第1ワイヤ面24は、500μmピッチの直径50μmのワイヤによって形成されており、シンチレーション層20から0.5mm離間している。第2面26は、1mmピッチの100μmのワイヤによって形成されており、第1面から3.0mm離間している。第3面28は、タイミング電極面として機能するものであり、1mmピッチの直径100μmのワイヤによって形成されており、第2面から9.0mm離間している。ゲート電極面30は、1mmピッチの100μmのワイヤによって形成され、タイミング電極面から20mmの位置に設けられており、その両側に第1金属銅メッシュスクリーン32及び第2金属銅メッシュスクリーン34を備えている。位置検出エレメント(MWPC)は、ゲート電極面から後方に13.2mm離間しており、2.0mmピッチの50μmのワイヤによって形成された2つのカソード面36と、4.0mmピッチの100μmのカソードワイヤ及びこれに垂直に設けられた20μmのアノードワイヤによって形成されたアノード・カソード面38とによって形成されている。電子バーストの大きさ及びそのx,y座標を前記アノード・カソード面から読み取るために、遅延ラインが設けられている。
ガンマ線が照射されると、シンチレーション層20のフッ化バリウム結晶がシンチレーションを起こし、紫外光子が生成される。この紫外光子の一部は結晶の近傍に位置する低圧ガス空間内で変換され、その結果生成された電子が、第1及び第2面間に印加された電界V1=300V/mmと、第2及び第3面間に印加されたこれより低い電界V2=150V/mm内においてなだれ増幅される。低い逆バイアスVR<100ボルトをメッシュ22に印加することにより、シンチレーション層に陽イオンが蓄積されるのを防ぐ。第1及び第2面間の加速領域と、第2及び第3面間の加速領域という2つの別個の加速領域を用いることによって、十分な電子なだれ増幅を安定して起こさせることができる。
ゲート電極面30は通常、交互のワイヤ上で±30Vバイアスがかけられている。これにより、ゲート電極面は電子バーストの通過に対する障壁として機能する。電子バーストの通過が第3面28において検出されることにより図2において電流A1として示す第1信号が生成され、これと同時にこの検出器と補完し合うガンマ線検出器の第3面において電子バーストが検出されることにより図2に電流A2として示す第2信号が生成されると、図中にトリガー信号Tとして示すように、コインシデンス検出器38がすべてのゲート電極ワイヤの電圧を等しくすることにより電子バーストの位置検出エレメント(MWPC)までの通過を許可する。従って、もう一方の検出器において同時発生でないガンマ線については、位置検出エレメント(MWPC)において信号が生成されないため、MWPCのデューティサイクルを劇的に、たとえば100倍まで低減できる。コインシデンス検出器38は、図1に符号14で示した制御・データ処理回路の一部を構成している。
ゲート電極面に印加される信号の周波数は非常に高いが、ゲート電極面の両側に位置する銅メッシュスクリーン32,34は、ゲート電極面を通過し位置検出エレメント(MWPC)に向かう電子のドリフトと一致する電圧に保たれている。これにより、これらスクリーンは、検出器の他の部分からこのような高周波信号をシールドする役割を果たしている。
光イオン化媒体としてTMAEガスを用いるガンマ線検出器について述べたが、他の光イオン化構成を用いることもできる。たとえば、ヘリウムやアルゴンなどのより一般的な低圧ガスを用いた構成としてもよい。
〔タイミング電極面(第3面)〕
図3は1つのガンマ線検出器10の第3面28を示す概略平面図である。第3面28のワイヤ50については、近接するものどうしをグループ化して複数のブロックを形成し、これをプリアンプ52に接続している。本実施形態においては、6個のプリアンプと、これに対応する6ブロックの平面ワイヤ50が設けられている。各プリアンプ52は個別のケーブル54によってコインシデンス検出器38に接続されている。好ましくは、電子バースト55が第3面のどのワイヤの最も近くを通ったとしてもこの電子バースト55の通過に応じて第3面28から生成される信号A1がコインシデンス検出器38に到達するまでの時間が等しくなるように、ワイヤのグループ化ならびにその他の接続部及びケーブル54の配置や長さを設定する。たとえば、全てのケーブル54を同じ長さにすることが望ましい場合もある。
信号A1がコインシデンス検出器に到達するまでの時間は、プリアンプから電子バースト55までの第3面のワイヤに沿った距離、すなわち図に符号dで示す距離にも依存する。信号A1が第3面のワイヤに沿って進む速度は、典型的には1nsあたり約200mmであり、電子バーストの位置次第では数ナノセカンドの時間の変動になる。
コインシデンス検出の際に第3面ワイヤに沿った信号の進行時間による影響を低減するために、図4の斜視図に示すように、一方のガンマ線検出器10におけるプリアンプ52及び第3面に対する接続部は、他方のガンマ線検出器におけるプリアンプ及び接続部に対し、直径方向に沿った反対側の端部に配置されている。なお、2つの検出器の主面どうしはほぼ平行である。たとえば、陽電子消失イベント58が2つの検出器10の間の中間点で起こったとする。これにより生成される2つのガンマ線はほぼ直線状に延びる。その結果、一方のガンマ線が一方の検出器に照射してプリアンプから離れた位置に電子バーストを発生させる場合、ガンマ線は他方の検出器にも照射してプリアンプから離れた位置に電子バーストを発生させる。同様に、一方のガンマ線が一方の検出器におけるプリアンプに近い位置に照射して電子バーストを発生させる場合、ガンマ線は他方の検出器においてもプリアンプに近い位置に照射する。上記のいずれの場合においても、2つの検出器は、距離d及び信号A1,A2がコインシデンス検出器に到達する際の遅延が互いにほぼ等しい。したがって、コインシデンス検出器が判別する時間差が、第3面のワイヤを信号が通過するのに要する時間に依存しない。
上記の正反対配置は、2つの検出器の第3面ワイヤの中心線どうしを結ぶ面から離間した位置で起こるガンマ線生成イベントの遅延を均衡にするという点では、利点が少ない。たとえば、中心からずれた位置での陽電子消失イベント60を考える。この場合、一方の検出器の第3面ワイヤにおけるプリアンプに近い位置から信号A1が生成される一方、他方の検出器においてはプリアンプ54から遠い位置から信号A2が生成される。第3面ワイヤの長さがそれぞれ約600mmであるとすると、信号A1と信号A2のそれぞれがコインシデンス検出器に到達するまでの時間には、最大約3ナノセカンドの差が生じる。この時間差は、以下に詳細に述べるように、たとえばMWPC信号から得られる各検出器面内での電子バーストの空間座標、たとえば距離dがわかることによって補正することができる。
〔検出器制御及び信号処理〕
図5は、制御及び信号処理部14がどのように検出器10と相互作用して同時イベントに関するイベントデータ70を出力するかを示している。図5には各検出器10の一部の構成要素のみ、具体的には、タイミング電極面(第3面)28、ゲート電極面30、位置検出エレメント(MWPC)40のみを示しており、他の構成要素は明確化のために図示を省略している。制御及び信号処理部14は、既に述べたコインシデンス検出器38に加え、時間補償部72、パルスサイズ部74、空間座標部76を有する。これらの部分は、同時イベントごとにデータプロセッサへの出力としてのイベントデータ70を生成するためのものである。このイベントデータは、各検出器の主面における検出ガンマ線の位置の2次元座標 1 2と、各検出ガンマ線のパルスサイズ測定値p1,p2と、2つの検出イベント間の遅延時間の測定値Δtとを含む。
電子バーストが両方の第3面28をほぼ同時に通過すると、これらの事象がコインシデンス検出器38によって検出される。この検出は、たとえば信号A1と信号A2のコインシデンス検出器38への到達時間の差が約12ns以内であるかどうかを判定することによって行われる。次に、コインシデンス検出器38は、双方のゲート電極面30に対してトリガー信号Tを送ることにより、電子バーストが位置検出エレメント40まで通過するのを許可する。すると、各位置検出エレメントは、それぞれの検出器の面内における電子バーストの座標を表す信号Z1,Z2をそれぞれ生成する。空間座標部は、これらの信号Z1,Z2を受け取り座標 1 2を生成する。
コインシデンス検出器38は、信号A1,A2が各第3面からコインシデンス検出器38に到達した時点から、未補正時間差Rを生成することができる。この時間差は時間補償部72に送られる。図4を参照して上述したように、この未補正時間差は、同時イベントの位置次第では、第3面のワイヤに沿った信号の進行時間に影響された要素を含んでいる。時間補償部72は、たとえば空間座標部からの座標 1 2から空間座標信号などの位置情報も受け取り、この情報を用いて未補正時間差を補正することにより補償タイミング情報を出力する。この補償タイミング情報は2つの検出イベント間の遅延時間の測定値Δtである。
座標 1 2が、第3面において検出された電子バーストの、対応する信号が集められ増幅される位置であるワイヤの端部からの距離d1,d2を表し、第3面ワイヤに沿う信号の進行速度がvであるとすると、Δtは未補正時間差を(d1−d2)/vだけ補正することにより第3面ワイヤに沿う進行を補償することによって求められる。ここでの補正の際の符号は適宜決められる。
パルスサイズデータp1,p2は、コインシデンス検出器38によって、または図5に示すように別途設けられたパルスサイズ部74によって、信号A1,A2の強さに基づいて決定される。一般に、正しい信号を用いて時間差、パルスサイズ、及び座標データを求めることができるようにするために、図にトリガー信号Tからの破線部として示すように、コインシデンス検出器からのトリガー信号またはその他の好適なトリガー信号を時間補償部、空間座標部、及びパルスサイズ部に送ってもよい。
制御及び信号処理部14は、図2を参照して上述したゲート機能に加えて、同時イベントデータに対して何らかのフィルタリングを実施するものであってもよい。たとえば、同時イベントに関する2つのパルスの一方又は両方について最小パルスサイズを設定し、さらに最大遅延時間(未補正のもの又は補償後のもののいずれについてでもよい)を設定し、これらの要件に合致しない同時イベントデータを排除するようにしてもよい。
上述の制御及び信号処理部の機能の一部は電気回路を用いて実施されるが、一部はソフトウェアにおいて実施してもよいし、データプロセッサ16またはその他の部分の機能として組み込んでもよい。たとえば、第3面ワイヤにおける信号の進行時間の差の補償は、同時イベントデータ70における未補償状態のΔt及びイベントデータの座標 1 2に基づいて適切なコンピューターソフトウェアを用いて行ってもよい。
時間差情報に加えてまたはこれに代えて、検出器ごとに別個の補償タイミング情報を出力してもよい。
未補正時間差信号については、上述の補正と同様にして他の補正を行ってもよい。たとえば、第3面のワイヤグループ間におけるケーブル54のプリアンプ52からの長さの違いを斟酌するための補正を行ってもよい。この補正は、検出空間座標から適切なワイヤグループを1つ決定し、そのワイヤグループについて予め決定した補正値を適用することによって行うことができる。
図4では2つの検出器のタイミング電極面(第3面)どうしは正反対の配置とされているが、中央で起こる陽電子消失イベント58についてこれらの面内での信号の遅延を部分的に補償するという目的においては、上述のタイミング情報補償手法を用いる限りこの正反対配置はそれほど重要ではない。この補償メカニズムが検出器及び第三面の任意の配置及び配向を斟酌することができるからである。
〔画像生成におけるデータの重み付け〕
被検体12の画像、具体的には被検体内におけるトレーサーの分布画像は、多数の同時イベントのイベントデータ70または多数の同時イベントから抽出されたサブセットのイベントのイベントデータを用いて、フィルタ付逆投影法や最尤推定期待値最大化法などの断層撮影法によって生成される。これらの技法において、各イベントによって重み付けがなされ、あるイベントが他のイベントよりも画像生成においてより大きな影響を持つようにする。
各イベントの空間座標を用いて応答線LORが規定される。検出された2つのガンマ線の発生原因である陽電子放出イベントは、このLOR上のどこかの位置で起こったと仮定される。もし時間差データが無ければ、このLOR上のイベントの位置については何もわからない。しかし、タイミング情報があれば、このタイミング情報の不確定性が十分に小さい値である限り、この情報を画像生成に利用することが出来る。ここで、十分に小さい不確定性とはたとえば約3ns以内であり、これはガンマ線が自由空間内であれば約900mm、人間または動物の被検体内であれば約600mm進行することができる時間である。この時間情報の不確定性は、低圧ガス空間ガンマ線検出器について上述した手法を用いて低減することができる。
同時イベント対する、タイミング情報に基づく加重値は、タイミング情報の不確定さの推定値、及び被検体の画像を生成する陽電子放出密度の推定値を用いて求めることができる。図6は、たとえば上述の動作を行う2つの対向するガンマ線検出器10を示している。陽電子放出イベントが起こり、これにより生成されたガンマ線が位置80及び82で検出されたとする。これらの位置は、各検出器の面上の座標として表すことができる。さらにこれらの座標は、2つの検出器の位置及び向きを把握することにより、2つの検出器に共通のより広い被検体空間に容易に変換することができ、この被検体空間内に延びる応答線(LOR)84を規定することができる。
タイミング情報の不確定性は大きいので、応答線上における陽電子の放出位置を正確に把握することはできない。しかし、最良の推定位置として符号86で示す位置が得られる。タイミング情報の不確定さを表すタイミング誤差関数88をLOR上に求めることができ、典型的には、この関数のピーク90がタイミング情報に基づく陽電子放出位置の推定における最良の推定位置にあたる。図6においては、タイミング誤差関数はその半値幅ピークが2つの検出器10の間の距離の約3分の1にあたるガウス形を有しているが、三角形関数や、タイミング誤差のより分析的あるいは経験的試算を取り入れた形など、他の形のものも用いることができる。
タイミング誤差関数は、応答線(LOR)を決定するベースとなっているデータによっても変わる場合がある。たとえば、タイミング誤差関数は、検出面に対する応答線(LOR)の角度を含め、応答線(LOR)の両端の位置によって変わる場合がある。また、検出されたパルスサイズに依存する場合がある。たとえば、パルスサイズが大きくなるほどピークが狭くなり、タイミングの精度が上がる場合がある。
画像を生成するためには、予測される陽電子放出密度を事前に概算したものに基づいて包絡関数92が求められる。この事前予測は非常に大まかなものであり、たとえば、空間内に2つ、多数、または連続する範囲の値を含み、くっきりとした、あるいはよりぼんやりした特徴及び境界を有する円筒形や球状などの単純な幾何学形状である。より精巧な包絡関数は、X線走査CT画像、超音波画像、事前に予測した腎臓や心臓の形などの器官形状モデルに基づいた形とすることができる。
包絡関数92は、包絡関数を用いずに生成された画像、または単純な幾何学形などの当初に予測された関数を用いて生成された画像など、以前の陽子放出密度画像に基づいて求めることもできる。包絡関数を用いて画像を生成する工程と、その画像を用いてより緻密な包絡関数を求める工程とを繰り返すこともできる。
加重値を得るためには、応答線(LOR)上に沿う包絡関数の値と、同じ応答線(LOR)上のタイミング誤差関数とを畳み込む。たとえば、得られた2つの関数の値を応答線(LOR)に沿った等間隔で掛け合わせ、その積を合計し、その結果を適宜正規化する。次に、たとえばフィルタ付逆投影法を用いた被検体画像の生成において、こうして得られた加重値を用いて応答線(LOR)における同時イベントに対して重み付けを行う。
〔飛行重み付け時間〕
記載された装置の動作においては、所定の時間内におけるすべてのイベントを受容するようにしてもよい。この場合、たとえ明らかにカメラの視野外のイベントであっても受容される。すなわち、この所定の時間内に各検出器の第3面アンプによってトリガーが受信され、且つ、各検出器によって位置の読出しが行われさえすれば、そのイベントは受容される。
しかし、イベントの空間座標の測定値から約25psまでのタイムマーカーを得て、これを時間差と比較することもできる。このタイムマーカーを各イベントの飛行時間の測定値と比較することによって、真のイベントを受容し、その他の多数のランダムなコインシデンスや散乱陽電子を排除することができる。図6は心臓の画像生成に適した20センチの長さの検出器の視野における効果を示している。平均的な伸長の男性患者の場合、心臓と、他の2つの主要な活動源(脳及び膀胱)との距離はそれぞれ約40cmである。
図7では、心臓を中心とし、脳と膀胱とが長軸に沿って約40cm離れている。フッ化バリウムシンチレーション層間の離間距離を90cmとし、各検出器における、長軸を横切る方向の長さを60センチとする。トレーサーを投与された患者への使用の際には、投与活量のうちの約10%が心臓と脳のそれぞれに、約80%が膀胱にある。真のイベントの心臓からの飛行時間と、散乱イベントの膀胱及び脳からの飛行時間とを以下の表1に示す。
Figure 2011520119
このように、イベントが検出器を直接的に(directly)横切る位置で起こった場合でも斜めに(obliquely)変位した位置で起こった場合でも、真のイベントと散乱イベントとの飛行時間の差は、わずか約1nsである。タイミング差をイベント座標と比較しなければ、タイミング分解能は3.5nsの半値全幅(FWHM)で大略ガウス形のイベント分布(標準偏差約1.5ns)となる。タイミング判別回路を用いて測定された同時イベント間のタイミング差(dT)と、イベント座標から測定された同時イベント間のタイミング差とを用いて、真のイベントと散乱イベントとを区別することができる。散乱イベントは真の時間に遅れて(+dT)起こる可能性がより高いからである。
dTの関数としての散乱イベントに対する真のイベントの割合(T/S)を図8に示す。さらに、2.5ns及び1.5nsの半値全幅のタイミング解像度における上記割合も示す。タイミング関数の真の形はガウス形であるという仮定に基づいているため、これらの算定は概算であるが、ここに述べた時間重み付け(time weighting)によって脳や膀胱から検出される散乱イベントでさえ、その数を減らすことができるということを示している。足などのさらに遠い部位から検出されるイベント、ならびに、ガントリー、検出器、及び装置が置かれている建物における床や天井などの部分からの散乱は、さらに低減されるであろう。全体として、タイミング解像度をたとえば2.5nsから1.5ns程度に改善することが可能である。
以上に特定の実施例について述べたが、以下のクレームに述べた発明の範囲内での変更は当業者には明らかであろう。たとえば、上述のデータ重み付け技術は、必ずしも詳述したガンマ線検出器を用いる必要は無く、また他の同時イベントデータ源を用いることも可能である。

Claims (22)

  1. 少なくとも2つのガンマ線検出器であって、各々が、検出面内に延びるシンチレーション層と、前記シンチレーション層の後方に設けられた低圧ガス空間と、前置シンチレーション層へのガンマ線の照射に起因する電子バーストの通過を検出すべく前記ガス空間内に配置されたタイミング電極面と、前記低圧ガス空間に配置され前記検出面における前記電子バーストの位置を検知する位置検出エレメントと、前記ガス空間内に配置され前記電子バーストの前記位置検出エレメントへの通過を制御するゲート電極面と、を有するガンマ線検出器と、
    前記タイミング電極面の両方からタイミング信号を受け取り、前記2つのガンマ線検出器における同時ガンマ線であることを示すタイミング信号の特徴を検出し、前記同時ガンマ線に起因する電子バーストが前記位置検出エレメントへと進行することを許可するように前記ゲート電極面を作動させるコインシデンス検出器と、
    前記検出面における前記電子バーストの位置を表す各位置検出エレメントからの位置情報を用いて、前記タイミング電極面内での前記タイミング信号の進行時間分を補正した補償タイミング情報を生成するタイミング補償エレメントと、
    を備える陽電子放出スキャナ。
  2. 前記補償タイミング情報は、同時ガンマ線についての前記タイミング電極面から受け取った前記タイミング信号のタイミングの差について、各タイミング電極面内におけるタイミング信号の進行時間を補償したものを示す、請求項1に記載のスキャナ。
  3. 各位置検出エレメントは、信号遅延ライン上での電子バーストの位置を示す位置信号を出力するマルチワイヤ比例計数管であり、前記位置信号の遅延が電子バーストの位置を示すようになっている請求項1又は2に記載のスキャナ。
  4. 前記タイミング電極面は前記検出面内に延びる複数の平行のワイヤを含む、請求項1〜3のいずれか1つに記載のスキャナ。
  5. 前記タイミング補償エレメントは、通過する電子バーストの前記ワイヤに沿う位置を用いて前記補償タイミング情報を生成する、請求項4に記載のスキャナ。
  6. 前記各検出器における、前記シンチレーション層、前記タイミング電極面、及び前記位置検出エレメントは、ほぼ平行である、請求項1〜5のいずれか1つに記載のスキャナ。
  7. 前記補償タイミング情報と前記位置情報とを用いて前記2つまたはそれ以上のガンマ線検出器間の被検体の画像を生成するデータ処理エレメントをさらに備える、請求項1〜6のいずれか1つに記載のスキャナ。
  8. 検出器の主面内に設けられたシンチレーション層と、前記シンチレーション層の後方に設けられタイミング電極面と位置検出エレメントとを含む低圧ガス空間と、を備えるガンマ線検出器の動作方法であって、
    前記シンチレーション層に対するガンマ線の照射に応じて生成される電子バーストの前記タイミング電極面内の通過を示すタイミング信号を前記タイミング電極面から受け取るステップと、
    前記検出器の前記主面内における前記電子バーストの位置を示す位置情報を前記位置検出エレメントから受け取るステップと、
    前記位置情報を用いて前記タイミング信号から補償タイミング情報を生成することにより前記タイミング電極面内での前記タイミング信号の進行時間を補償するステップと、を含む動作方法。
  9. それぞれが請求項8に記載された動作を行う2つの対向するガンマ線検出器の動作方法であって、
    双方の検出器から受け取ったタイミング信号が1つの対消滅イベントに由来する同時ガンマ線を示すものであるかどうかを判断するステップと、
    同時性が示された場合に、各検出器のゲート電極面を動作させることにより対応する電子バーストが位置検出エレメントに到達するのを許可するステップと、をさらに含む動作方法。
  10. 前記補償タイミング情報は、前記2つの検出器からのタイミング信号間の遅延値について、双方の検出器からの位置情報を用いて、前記各タイミング電極面内での前記信号の進行時間を補償したものである、請求項9に記載の動作方法。
  11. 前記位置情報及び補償タイミング情報を用いて、陽電子放出によりガンマ線が生成された被検体の画像を生成するステップをさらに含む、請求項8〜10のいずれか1つに記載の動作方法。
  12. 同時の陽電子放出ガンマ線を検知することにより被検体空間内における被検体の陽電子放出密度画像を生成する方法であって、
    前記ガンマ線の検出位置どうしを結ぶ複数の応答線(LOR)を前記被検体空間内に規定するためのデータ、及び前記ガンマ線検出のタイミング情報、を得るステップと、
    前記各応答線について、前記タイミング情報から、陽電子放出の予測位置を求めるステップと、
    前記被検体空間内に包絡関数を求めるステップと、
    前記陽電子放出予測位置に従って前記包絡関数と並べられたタイミング誤差関数を、前記応答線に沿って求められた包絡関数に畳み込むことにより、陽電子放出イベントの加重値を求めるステップと、
    前記陽電子放出イベント加重値に従って前記各応答線に重み付けを行うことにより前記被検体の画像を生成するステップと、を含む画像生成方法。
  13. 前記包絡関数は、予測される陽電子放出密度画像に似せたものである、請求項12に記載の画像生成方法。
  14. 前記包絡関数は、包絡関数とタイミング誤差信号とを畳み込むステップを用いずに同じデータから生成された画像、から得られる、請求項12または13に記載の画像生成方法。
  15. 前記包絡関数は、請求項12に記載の方法と既に求められた包絡関数とを用いて同じデータから生成された画像、から得られる、請求項12又は13に記載の画像生成方法。
  16. 前記包絡関数は前記被検体のエックス線CTスキャンから得られる、請求項12または13に記載の画像生成方法。
  17. 前記包絡関数は事前定義関数である、請求項12または13に記載の画像生成方法。
  18. 前記タイミング誤差関数のピークの幅は、前記タイミングデータに基づいた陽電子放出位置の予測における不確定性を表し、前記畳み込みは、前記タイミング誤差関数の前記ピークが予測陽電子放出位置に一致した状態で行われる、請求項12〜17のいずれか1つに記載の方法。
  19. 前記タイミング情報は、請求項8〜11のいずれか1つに記載の補償タイミング情報のずれによって得られる、請求項12〜18のいずれか1つに記載の方法。
  20. コンピュータシステムにおいて実行されて、請求項12〜19のいずれか1つに記載の方法を行うコンピュータプログラム。
  21. 請求項20のコンピュータプログラムが保存されたコンピュータ読み出し可能媒体。
  22. 請求項12〜19のいずれか1つに記載の方法を実施するコンピュータ装置。
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