JP2011513311A - エピクロロヒドリンの製造及び精製用プロセス及び装置 - Google Patents

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Abstract

エピクロロヒドリンの精製のためのプロセス及び装置が開示されている。このプロセスは、エピクロロヒドリン、ジクロロヒドリン(群)及び1種又はそれ以上の他の物質を含有する供給流を蒸留及び/又は分別し、この液相流出物の少なくとも一部を、この液相流出物中の残留ジクロロヒドリン(群)をエピクロロヒドリンに転化するために、ジクロロヒドリン脱塩化水素プロセスに付し、そして蒸気相流出物から、精製されたエピクロロヒドリンを回収することを含む(ここで、工程(1)の蒸留/分別圧力及び/又は温度は、液相流出物中に少なくとも5重量%のエピクロロヒドリンを保有するように調節する)。精製されたエピクロロヒドリンを製造する装置は、脱塩化水素装置、第一の液体−蒸気接触装置及び留出物を脱塩化水素装置に循環する脱塩化水素装置に連結された第二の液体−蒸気接触装置を含む。利点には、エピクロロヒドリンの一層効率的な回収及び回収装置に於ける減少した資本投資を含む。

Description

本発明は、エピクロロヒドリンを含む混合物、例えばジクロロヒドリンの脱塩化水素プロセスによって生じた流出物から、エピクロロヒドリンを回収し、精製するプロセス及び装置に関する。
エピクロロヒドリンは、エポキシ樹脂への広く使用されている前駆体である。エピクロロヒドリンは、パラ−ビスフェノールAのアルキル化のために普通に使用されているモノマーである。遊離モノマー又はオリゴマー性ジエポキシドとしての得られるジエポキシドは、例えば電気用積層板、缶コーティング、自動車用トップコート及びクリアコート中に使用される高分子量樹脂にまで進めることができる。エピクロロヒドリンを製造し、精製するプロセス及び装置は当該技術分野に於いて公知である。
例えば特許文献1には、無機アルカリ水酸化物、水及びジクロロヒドリンからなる水性反応媒体を混合し、次いで、反応器塔内で55℃よりも低い温度でスチームによって処理して、無機アルカリ水酸化物とジクロロヒドリンとの間の反応によって生成されたエピクロロヒドリンを、反応混合物から、気体状水−エピクロロヒドリン共沸混合物としてストリップする、ジクロロヒドリンからのエピクロロヒドリンを製造するプロセス及び装置が開示されている。オーバーヘッドは凝縮され、液−液相分離器内で、水性相と有機相とに分離され、この水性相は、脱塩化水素反応器塔に循環され、この有機相は、蒸気相としてエピクロロヒドリン及び残留水を除去する乾燥塔に供給される。この蒸気相は凝縮され、乾燥塔から残留水を除去するために、液−液相分離器に循環される。
乾燥塔からの缶出液(bottoms)は、仕上げ塔に供給される。仕上げ塔からの蒸気相はエピクロロヒドリンを回収するために凝縮される。仕上げ塔の底部からの液相流出物は、脱塩化水素プロセスに循環するための残留未反応ジクロロヒドリンを抽出するために、水と混合される。
このプロセスは、エピクロロヒドリンを製造できるが、エピクロロヒドリン収率及び純度並びに与えられた製造速度及び純度のためのより低いエネルギー及び資本投資必要条件に於ける更なる改良が望まれる。次の転化(conversion)、例えばエポキシ樹脂への転化に於いて使用することができる形での、エピクロロヒドリンの回収を更に改良する機会が残っている。
従って、脱塩化水素反応流出物から製品エピクロロヒドリンを分離する改良プロセス及び装置を提供することが望まれている。これらの及び他の問題点は以下に説明する本発明によって解決される。
英国特許第974,164号明細書
エピクロロヒドリン精製用プロセス及び装置を開示する。このプロセスは、(1)エピクロロヒドリン、ジクロロヒドリン(群)及び1種又はそれ以上の他の物質を含有する供給流を蒸留及び/又は分別し、(2)この液体流出物流の少なくとも一部を、この液体流出物流中の残留ジクロロヒドリン(群)をエピクロロヒドリンに転化するために、ジクロロヒドリン脱塩化水素プロセスに付し、そして(3)工程(1)に於いて製造された蒸気相流出物から、精製されたエピクロロヒドリンを回収することを含み、ここで、工程(1)の蒸留/分別圧力及び/若しくは温度が、工程(1)によって製造された液体流出物流中に少なくとも5重量%のエピクロロヒドリンを保有するように調節され、そして/又は工程(1)の蒸留/分別圧力及び/若しくは温度が、式:
Figure 2011513311
(式中、Pはパスカルでの工程(1)によって製造された蒸気相流出物の蒸留圧力を表し、TKはケルビン度での工程(1)によって製造された液相流出物の蒸留温度を表し、そしてRは、数値2.8を表す)
を満足するように調節される。精製されたエピクロロヒドリンを製造するための装置は、脱塩化水素装置、第一の液体−蒸気接触装置及び液体流出物流を脱塩化水素装置に循環するために、脱塩化水素装置に連結された第二の液体−蒸気接触装置を含んでいる。利点には、エピクロロヒドリンの一層効率的な回収及び回収装置に於ける減少した資本投資を含む。
本発明の第一の面は、
(1)エピクロロヒドリン、ジクロロヒドリン(群)、5重量%以下の、蒸留及び/又は分別圧力でのエピクロロヒドリンの沸点よりも高い、同じ圧力での沸点を有するジクロロヒドリン(群)以外の1種又はそれ以上の物質並びに、任意的に、蒸留及び/又は分別圧力でのエピクロロヒドリンの沸点以下の、同じ圧力での沸点を有するエピクロロヒドリン以外の1種又はそれ以上の物質を含む供給流を蒸留及び/又は分別し(ここで、蒸留及び/又は分別は、大気圧よりも低い圧力並びにエピクロロヒドリンを含む蒸気相流出物を、ジクロロヒドリン(群)、エピクロロヒドリン並びにエピクロロヒドリン及びジクロロヒドリン以外の1種又はそれ以上の物質を含む液相流出物から分離するのに充分な温度で実施し、
(2)任意的に、エピクロロヒドリン及びジクロロヒドリン以外の1種又はそれ以上の物質を、工程(1)の液相流出物の少なくとも一部から除去し、
(3)工程(1)の液相流出物の少なくとも一部を、この液相流出物のジクロロヒドリン(群)をエピクロロヒドリンに転化するために、ジクロロヒドリン脱塩化水素に付し、そして
(4)精製されたエピクロロヒドリンを含む工程(1)の蒸気相流出物を回収することを含んでなり、
工程(1)の蒸留/分別圧力及び/若しくは温度を、工程(1)によって製造された液体流出物流中に少なくとも5重量%のエピクロロヒドリンを保有するように調節し、そして/又は工程(1)の蒸留/分別圧力及び/若しくは温度が、式:
Figure 2011513311
(式中、Pはパスカルでの工程(1)によって製造された蒸気相流出物の蒸留圧力を表し、TKはケルビン度での工程(1)によって製造された液相流出物の蒸留温度を表し、そしてRは数値2.8を表す)
を満足するように調節する、エピクロロヒドリンの精製プロセスである。
本発明の第二の面は、
(a)ジクロロヒドリン(群)及び/又はそのエステル(群)並びにジクロロヒドリン(群)及び/又はそのエステル(群)以外の1種又はそれ以上の物質を含む供給流を、ジクロロヒドリン脱塩化水素条件下で水の存在下に、塩基と接触させて、エピクロロヒドリン、未転化のジクロロヒドリン(群)、エピクロロヒドリンの沸点よりも高い沸点を有するエピクロロヒドリン及びジクロロヒドリン(群)以外の1種又はそれ以上の物質並びにエピクロロヒドリンの沸点よりも低い沸点を有するエピクロロヒドリン及びジクロロヒドリン(群)以外の1種又はそれ以上の物質を含む脱塩化水素流出物流を製造し、
(b)工程(a)の脱塩化水素流出物流を、大気圧よりも低い圧力並びにエピクロロヒドリン及びエピクロロヒドリンの沸点より低いか又は同等の沸点を有するエピクロロヒドリン以外の1種又はそれ以上の物質を含む蒸気流出物流を、エピクロロヒドリン、ジクロロヒドリン(群)並びにエピクロロヒドリン及びジクロロヒドリン(群)以外の1種又はそれ以上の物質を含む液体流出物流から分離するのに充分な温度で蒸留及び/又は分別し、そして
(c)本発明の第一の面に従ったプロセスに於ける供給流として、工程(b)の液体流出物流の少なくとも一部、好ましくは全部又は実質的に全部を使用する
ことを含んでなるエピクロロヒドリンの製造プロセスである。
本発明の第三の面は、
(1)1個又はそれ以上の反応器容器(110)、少なくとも1個の供給流入口(111)、スチーム源に連結するための少なくとも1個のスチーム入口(113)、少なくとも1個の脱塩化水素生成物流出物出口(112)及び、任意的に、1個又はそれ以上の反応器と少なくとも1個の脱塩化水素生成物流出物出口との間に連結された1個又はそれ以上のスチームストリッピング塔を含んでなる、ジクロロヒドリン(群)脱塩化水素を実施する脱塩化水素装置(100)、
(2)液体−蒸気接触デバイス(210)、液体−蒸気接触デバイスの下方部分内の液体を加熱又は蒸発させる加熱又は蒸発装置(220)及びエピクロロヒドリン及びエピクロロヒドリンよりも低い沸点を有する1種又はそれ以上の物質を凝縮させる冷却装置(230)を含んでなる、エピクロロヒドリン、ジクロロヒドリン(群)、エピクロロヒドリンよりも高い沸点を有するジクロロヒドリン(群)以外の1種又はそれ以上の物質及びエピクロロヒドリンより低いか又は同等の沸点を有するエピクロロヒドリン以外の1種又はそれ以上の物質を含む混合物を蒸留する第一の液体−蒸気接触装置(200)(ここで液体−蒸気接触デバイス(210)は上方部分(211)、下方部分(212)、上方部分内の蒸気相流出物出口(213)、下方部分内の液相流出物出口(214)及び蒸気相流出物出口と液相流出物出口との間の少なくとも1個の供給流入口(215)を有し、そして冷却装置(230)は、1個又はそれ以上の冷却デバイス及び、任意的に、1個又はそれ以上の蒸気パージを含む)並びに
(3)液体−蒸気接触デバイス(310)、液体−蒸気接触デバイスの下方部分内の液体を加熱又は蒸発させるための加熱又は蒸発装置(320)及びエピクロロヒドリンを凝縮させる冷却装置(330)を含む、エピクロロヒドリン、ジクロロヒドリン(群)、エピクロロヒドリンよりも高い沸点を有するジクロロヒドリン(群)以外の1種又はそれ以上の物質及び、任意的に、エピクロロヒドリンより低いか又は同等の沸点を有するエピクロロヒドリン以外の1種又はそれ以上の物質を含む混合物を蒸留する第二の液体−蒸気接触装置(300)(ここで、液体−蒸気接触デバイス(310)は、上方部分(311)、下方部分(312)、上方部分内の蒸気相流出物出口(313)、下方部分内の液相流出物出口(314)及び蒸気相流出物出口と液相流出物出口との間の少なくとも1個の供給流入口(315)を含んでなり、そして冷却装置(330)は、1個又はそれ以上の冷却デバイス及び、任意的に、1個又はそれ以上の蒸気パージを含む)
を含んでなり、
脱塩化水素装置(100)の脱塩化水素生成物流出物出口が、ジクロロヒドリン脱塩化水素装置(100)からのジクロロヒドリン脱塩化水素反応器(110)流出物を、第一の液体−蒸気接触装置(200)の液体−蒸気接触デバイス(210)に導くのに適している通路によって、第一の液体−蒸気接触装置(200)の液体−蒸気接触デバイス(211)の供給流入口に連結されており、
第一の液体−蒸気接触装置(200)の液相流出物出口が、第一の液体−蒸気接触装置(200)の液体−蒸気接触デバイス(210)からの液相流出物を、第二の液体−蒸気接触装置(300)の液体−蒸気接触デバイス(310)に導くのに適した通路によって、第二の液体−蒸気接触装置(300)の液体−蒸気接触デバイス(310)の供給流入口(315)に連結されており、そして
第二の液体−蒸気接触装置(300)の液体−蒸気接触デバイス(310)の液相流出物出口(322)が、第二の液体−蒸気接触装置(300)の液体−蒸気接触デバイス(310)からの液相流出物を、ジクロロヒドリン脱塩化水素装置(100)の1個又はそれ以上の反応器(群)(110)に導くのに適した通路によって、ジクロロヒドリン脱塩化水素装置(100)の1個又はそれ以上の反応器(群)(110)に連結されている)、ジクロロヒドリン(群)からエピクロロヒドリンを製造するのに適した装置である。
図1は本発明の態様を示すプロセスダイヤグラムである。
定義
本明細書中で使用する用語「エピクロロヒドリン」は化合物1−クロロ−2,3−エポキシプロパン(以下、「ECH」と略す)を指す。
本明細書中で使用する用語「ジクロロヒドリン」は、2個の塩素原子及び少なくとも1個のヒドロキシル基を含有し、少なくとも1個の塩素原子及び少なくとも1個のヒドロキシル基が2個の分離している隣接する脂肪族炭素原子に共有結合しているクロロヒドリンを意味する(以下、「DCH」と略す)。DCHには、1,3−ジクロロ−2−プロパノール及び2,3−ジクロロ−1−プロパノールが含まれる。
本明細書中で使用する表現「脱塩化水素条件下」は、混合物及び/又は供給流中に存在するDCHの、少なくとも約10重量%、好ましくは少なくとも約50重量%、更に好ましくは少なくとも約90重量%を、ECHに転化することができる条件を意味する。
本明細書中で使用する用語「不純物」はECH、DCH(群)及び水以外の化合物(群)を意味する。不純物は、脱塩化水素工程に於いて又はDCHを製造するのに使用された任意の上流の単位操作に於いて製造された副生物であってよい。不純物は、DCH(群)及び/又はECHに転化されなかった、本発明に従った単位操作の上流の任意の単位操作、例えば脱塩化水素プロセス又はDCHを製造するプロセスに供給された物質であってもよい。副生物の例には、アクロレイン(以下、「ACRO」と略す)、2−クロロアリルアルコール(以下、「BCAA」と略す)、1,2,3−トリクロロプロパン(以下、「TCP」と略す)、ジクロロプロポキシプロパン(以下、「DCOPP」と略す)、アセトアルデヒド、メタノール、アセトン、塩化アリル、アリルアルコール、2,3−ブタンジオン、2−ブタノン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジオキサン、モノクロロアセトン、グリシドール、モノクロロベンゼン、クロロ脂肪族アルコール、クロロ脂肪族エーテル、脂肪酸及びカルボン酸が含まれる。
本明細書中で使用する表現「液相」は、任意的に、少量の気体及び/又は固体分離相(群)を含有していてよい、気相と固相との間の連続中間相を指す。液相は、1個又はそれ以上の非混和性液相を含んでいてよく、1種又はそれ以上の溶解された気体、液体又は固体を含有していてよい。他の方法で特定されない限り、表現「液相流出物」は、蒸留及び/若しくは分別工程又は液体−蒸気接触装置を参照して使用するとき、参照した蒸留及び/若しくは分別工程又は液体−蒸気接触装置によって製造した留出物を指す。
本明細書中で使用する表現「蒸気相」は、任意的に、少量の液体及び/又は固体分離相(群)を含有していてよい連続気相(例えばエアロゾル)を指す。蒸気相は、単一気体又は混合物、例えば2個若しくはそれ以上の気体分離相又は2個若しくはそれ以上の液体分離相を含有していてよい。他の方法で特定しない限り、表現「蒸気相流出物」は、蒸留及び/若しくは分別工程又は液体−蒸気接触装置を参照して使用するとき、参照した蒸留及び/若しくは分別工程又は液体−蒸気接触装置によって製造した蒸気相中の物質を指す。
本明細書中で使用する表現「液体−蒸気接触デバイス」は、デバイス内の液体と蒸気との間の少なくとも1個の界面の接触及び発達を提供するように機能するデバイスを指す。液体−蒸気接触デバイスの例には、棚段塔、充填塔、濡れ壁(流下薄膜型)塔、スプレーチャンバー、熱交換器又はこれらの任意の組合せが含まれる。棚段塔及び充填塔からなるデバイスの例には、蒸留塔、分別塔及びストリッピング塔が含まれる。
本明細書中で使用する用語「軽沸点物」は、エピクロロヒドリンの沸点より低い又は同等の沸点を有する1種又はそれ以上の物質を指す。
本明細書中で使用する用語「重沸点物」は、エピクロロヒドリンの沸点よりも高い沸点を有する1種又はそれ以上の物質を指す。
本明細書中で使用する表現「液−液相分離デバイス」は、水性成分及び有機成分を含有する供給流を、主に(predominantly)水性の流出物流と主に有機の流出物流とに分離することができるデバイスを指す。液−液相分離デバイスは、好ましくは、それらの相対的密度に従って流体を分離することができるデバイス、例えばデカンターである。
本明細書中で使用する用語「加熱デバイス」は、熱源として使用される二次流体によって、プロセス流体に伝熱を与えるためのシステムを意味する。プロセス流体及び二次流体は、物理的に分離されていてよく又は直接接触状態にあってよい。蒸留及び/又は分別に於いて、加熱デバイスは、液体−蒸気接触デバイスから液体流出物流を受け取り、この流を部分的に又は完全に蒸発させて、液体−蒸気接触デバイス内の分離を駆動する蒸気を与えるシステム、例えばリボイラーであってよい。この加熱デバイスは、液体−蒸気接触デバイスに対して、外部又は内部の単位操作であってよい。加熱デバイスの例は、ケトルリボイラー、サーモサイフォン(thermosyphon)リボイラー及び強制循環リボイラーである。この二次流体は、蒸気、液体又は液体と蒸気との組合せであってよい。熱源としての二次流体の例はスチーム、熱油及びダウサム(登録商標)である。
本明細書中で使用する用語「冷却デバイス」は、冷媒として使用される二次流体によってプロセス流体から伝熱を与えるシステムを意味する。プロセス流体及び二次流体は、物理的に分離されていてよく又は直接接触状態にあってよい。蒸留及び/又は分別に於いて、冷却デバイスは、液体−蒸気接触デバイスから蒸気流出物流を受け取り、蒸気流出物流からの潜熱を冷媒に伝達することによって、この流れを部分的に又は完全に凝縮させるシステム、例えば凝縮器であってよい。この冷却デバイスは、液体−蒸気接触デバイスに対して、外部又は内部の単位操作であってよい。この冷却デバイスの例は、多管式(shell and tube typed)熱交換器及び空冷式熱交換器である。この二次流体は蒸気、液体又は液体と蒸気との組合せであってよい。冷媒としての二次流体の例は水及び空気である。
本明細書中に使用する用語「多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素化合物」(以下、「MAHC」と略記する)は、2個の分離した隣接する炭素原子に共有結合された少なくとも2個のヒドロキシル基を含有し、エーテル結合基を含有していない化合物を指す。これらは、それぞれOH基を有する少なくとも2個のsp3混成炭素を含有する。MAHCは、より高次の近接する又は隣接する繰り返し単位を含有する、任意のビシナル−ジオール(1,2−ジオール)又はトリオール(1,2,3−トリオール)含有炭化水素を含有する。MAHCの定義は、例えば1種又はそれ以上の1,3−、1,4−、1,5−及び1,6−ジオール官能基も含有する。例えばジェミナル−ジオールは、MAHCのこの種類から排除される。
MAHCは、少なくとも約2個、好ましくは少なくとも約3個で、約60個以下、好ましくは約20個以下、更に好ましくは約10個以下、なお更に好ましくは約4個以下、なお更に好ましくは約3個以下の炭素原子を含有し、脂肪族炭化水素に加えて、芳香族部分又は例えばハロゲン化物、硫黄、リン、窒素、酸素、ケイ素及びホウ素ヘテロ原子を含むヘテロ原子並びにこれらの混合物を含有することができる。MAHCはポリビニルアルコールのようなポリマーであってもよい。
用語「グリセリン」、「グリセロール」及び「グリセリン」並びにこれらのエステルは、化合物1,2,3−トリヒドロキシプロパン及びそのエステルについて同義語として使用することができる。
本明細書中で使用する用語「クロロヒドリン」は2個の分離している隣接する脂肪族炭素原子に共有結合している、少なくとも1個のヒドロキシル基及び少なくとも1個の塩素原子を含有し、エーテル結合基を含有していない化合物を意味する。クロロヒドリンは、MAHCの1個又はそれ以上のヒドロキシル基を、塩化水素化によって、共有結合している塩素原子で置換することによって得ることができる。クロロヒドリンは、少なくとも約2個、好ましくは少なくとも約3個で、約60個以下、好ましくは約20個以下、更に好ましくは約10個以下、なお更に好ましくは約4個以下、なお更に好ましくは約3個以下の炭素原子を含有し、脂肪族炭化水素に加えて、芳香族部分又は例えばハロゲン化物、硫黄、リン、窒素、酸素、ケイ素及びホウ素ヘテロ原子を含むヘテロ原子並びにこれらの混合物を含有することができる。少なくとも2個のヒドロキシル基を含有するクロロヒドリンはMAHCでもある。
本明細書中で使用する用語「モノクロロヒドリン」は、1個の塩素原子及び少なくとも2個のヒドロキシル基を含有し、この塩素原子及び少なくとも1個のヒドロキシル基が、2個の分離している隣接する脂肪族炭素原子に共有結合しているクロロヒドリンを意味する(以下、「MCH」と略す)。グリセリン又はグリセリンエステルの塩化水素化によって製造されたMCHには、例えば3−クロロ−1,2−プロパンジオール及び2−クロロ−1,3−プロパンジオールが含まれる。
他の方法で特定されない限り、用語「重量%」は、特定された物質を含有する特定された流の合計質量流量に対する、特定された物質の質量流量を指す。
本明細書に於いて引用した各文書は、それらの内容が引用された目的に関連する範囲まで、その内容を引用することによって本明細書中に全部含められる。
蒸留及び/又は分別プロセス
蒸留及び/又は分別は、好ましくは少なくとも約5kPa、更に好ましくは少なくとも約10kPa、なお更に好ましくは少なくとも約20kPaに等しく、そして好ましくはほぼ大気圧以下、更に好ましくは約80kPa以下、なお更に好ましくは約60kPa以下の蒸気相流出物圧力で実施する。蒸留及び/又は分別の圧力は、蒸留及び/又は分別を実施するために使用される液体−蒸気接触デバイスのヘッドで測定することができる。
蒸留及び/又は分別は、好ましくは少なくとも約80℃、更に好ましくは少なくとも約90℃、なお更に好ましくは少なくとも約100℃に等しく、そして好ましくは約150℃以下、更に好ましくは約130℃以下、なお更に好ましくは約120℃以下、なお更に好ましくは約110℃以下の液相流出物温度で実施する。蒸留及び/又は分別の温度は、蒸留及び/又は分別を実施するために使用される液体−蒸気接触デバイスのボトム又は排液だめで測定することができる。
それぞれの蒸留及び/又は分別工程は、液相流出物流中のDCH(群)の濃度を、同じ蒸留及び/又は分別工程の前に供給流中に存在したDCH(群)の濃度に対して富化する。
蒸留及び/又は分別プロセスは、好ましくは連続プロセスとして実施され、好ましくは還流条件下で実施する。より低い沸点の流出物流とより高い沸点の流出物流とが、好ましくは連続的に取り出される。蒸留及び/又は分別は、好ましくは、液体−蒸気接触デバイス内で実施される。
第一の液体−蒸気接触工程
第一の液体−蒸気接触工程に於いて処理される供給流は、ECH、DCH(群)並びにECH及びDCH以外の1種又はそれ以上の物質を含む。ECH及びDCH以外の1種又はそれ以上の物質は、好ましくは水を含み、1種又はそれ以上の不純物を含むであろう。この供給流中のECH濃度は、好ましくは少なくとも約80重量%、更に好ましくは少なくとも約90重量%、なお更に好ましくは少なくとも約95重量%で、好ましくは約99重量%以下である。
DCHは、約15重量%以下、更に好ましくは約8重量%以下、なお更に好ましくは約4重量%以下の量で存在してよく、例えば約0.5重量%のように低い量で存在してよい。
水濃度は、好ましくは約15重量%以下、更に好ましくは約9重量%以下、なお更に好ましくは約4重量%以下であり、約1重量%のように低くてよい。
ACROは、より低い沸点物質として存在するかもしれない不純物である。ACROが存在するとき、供給流中のACRO濃度は、好ましくは約0.5重量%よりも低く、更に好ましくは約0.1重量%よりも低く、約100ppm(100万当たりの部)のように低い又は約10ppmのように低いであろう。
BCAAは、より高い沸点物質として存在するかもしれない不純物である。BCAAが存在するとき、供給流中のBCAA濃度は、好ましくは約0.5重量%よりも低く、更に好ましくは約0.1重量%よりも低く、約10ppmのように低い又は約1ppmのように低いであろう。
TCPは、より高い沸点物質としても存在するかもしれない不純物である。TCPが存在するとき、TCP濃度は、好ましくは約4重量%よりも低く、更に好ましくは約2重量%以下、なお更に好ましくは約1重量%以下であり、約300ppmのように低い又はさらに約30ppmのように低いであろう。
DCOPPは、より高い沸点物質として存在するかもしれない不純物である。DCOPPが存在するとき、DCOPPは、約1重量%以下、更に好ましくは約0.5重量%以下の量で存在するであろう。
供給流を蒸留及び/又は分別して、少なくともECH及びECHと同等又はそれ以下の沸点を有する成分、例えば水及びACROからなる蒸気相流出物を、液相混合物から分離する。この蒸留及び/又は分別は、蒸留及び/又は分別の前に供給流中に存在していた、ECHの沸点よりも低い沸点を有する供給流の成分の、好ましくは少なくとも約95重量%、更に好ましくは少なくとも約98重量%を含有する蒸気相流出物を生成する。
蒸留及び/又は分別単位操作の後で、蒸気相流出物は、好ましくは、冷却を受ける蒸気相流出物流の圧力で、ECH及び水の露点よりも低く、そして好ましくは、水の沸点よりも低い沸点を有する物質、例えばACROの露点よりも高い温度まで冷却されて、ECH及び水からなる凝縮された液相流出物流を生成する。冷却は、好ましくは冷却デバイス、例えば凝縮器を使用して実施する。
第一の液体−蒸気接触装置から得られた凝縮された蒸気相流出物流は、好ましくは液−液相分離によって水性フラクションと有機フラクションとに分離する。凝縮された液相流出物流の有機フラクションは、好ましくは、蒸留又は分別の間の還流のための追加の液体を与えるために、第一の液体−蒸気接触装置の液体−蒸気接触デバイスに循環する。一般的に、一定の濃度のECHを含有する水性フラクションは、好ましくは水性フラクション中に存在する飽和ECHを回収し、水を循環するために循環する。水性フラクションは、好ましくは脱塩化水素プロセス、特に第一の液体−蒸気接触工程に供給流を与える脱塩化水素プロセスに循環する。液−液相分離は、好ましくはデカンターを使用して実施する。
第二の液体−蒸気接触工程
第二の液体−蒸気接触工程に於いて処理される供給流は、ECH、DCH(群)並びに、任意的に、ECH及びDCH以外の1種又はそれ以上の物質を含む。ECH及びDCH以外の1種又はそれ以上の物質は、高沸点不純物を含有するかもしれない1種又はそれ以上の高沸点物質及び、任意的に、低沸点物質、例えば1種又はそれ以上の低沸点不純物を含有するであろう。
この供給流中のECH濃度は、好ましくは少なくとも約80重量%、更に好ましくは少なくとも約90重量%、なお更に好ましくは少なくとも約95重量%で、好ましくは約99重量%以下である。
DCHは、約15重量%以下、更に好ましくは約8重量%以下、なお更に好ましくは約4重量%以下の量で存在してよく、例えば約0.5重量%のように低い量で存在してよい。
ECHの沸点よりも低い沸点を有する物質、例えば水の濃度は、好ましくは約0.5重量%よりも低い、更に好ましくは約0.1重量%よりも低い、なお更に好ましくは約0.05重量%よりも低い、なお更に好ましくは約0.01重量%よりも低い。
不純物は、とりわけ、高沸点不純物、例えばBCAA、TCP及びDCOPPを含む。BCAA、TCP及びDCOPPは、第一の液体−蒸気接触工程の供給流を参照して前記した範囲内の濃度で存在してよい。
第二の液体−蒸気接触工程のための供給流は、好ましくは前記の第一の液体−蒸気接触流からの液相流出物流を含む。軽沸点不純物、例えばACROは、第一の液体−蒸気接触工程の中に導入される供給流から蒸留/分別によって実質的に除去されているので、第一の液体−蒸気接触工程からの液相流出物流は、好ましくは約100ppmよりも少ない、更に好ましくは約10ppmよりも少ない軽沸点不純物を含有する。
供給流を蒸留又は分別して、少なくともECHからなる蒸気相流出物を、液相混合物から分離する。蒸気相流出物は、好ましくは約100ppmよりも少ない未反応DCH及び約500ppmよりも少ない不純物を含有する。
蒸気相流出物は、好ましくは冷却を受ける蒸気相流出物流の圧力で、ECHの露点よりも低い温度まで冷却されて、少なくともECHを含む凝縮された液相流出物流を生成する。冷却は、好ましくは冷却デバイス、例えば凝縮器を使用して実施する。
冷却工程に付随する資本投資及びエネルギーコストを減少させるために、蒸気相流出物の凝縮は、好ましくは冷凍された冷却が必要でない温度で実施する。特に、冷却工程は、好ましくは凝縮温度が少なくとも約20℃、更に好ましくは少なくとも約30℃である圧力で実施する。
第二の液体−蒸気接触工程の蒸留/分別圧力及び/又は温度は、好ましくは式:
Figure 2011513311
(式中、Pは、パスカルでの工程(1)によって製造された蒸気相流出物の蒸留圧力を表し、TKは、ケルビン度での工程(1)によって製造された液相流出物の蒸留温度を表し、そしてRは、数値2.8、好ましくは3.1、更に好ましくは3.2、なお更に好ましくは3.3を表す)
を満足するように調節する。
凝縮された蒸気相流出物流の一部は、好ましくは液体−蒸気接触デバイスのための追加の還流を与えるために、第二の液体−蒸気接触装置の液体−蒸気接触デバイスに循環する。凝縮された蒸気流出物流は、約0.2重量%よりも少ない、更に好ましくは約0.1重量%よりも少ない、なお更に好ましくは約0.05重量%よりも少ない不純物を含有することができる。
第二の液体−蒸気接触工程によって製造された液相流出物の、少なくとも一フラクション、好ましくは少なくとも約80重量%、更に好ましくは少なくとも約90重量%が、脱塩化水素プロセスに循環する。第二の液体−蒸気接触工程によって製造された液相流出物流は、好ましくは未反応DCH、ECH並びに、任意的に、DCH及びECH以外の1種又はそれ以上の物質(主として、より高い沸点の物質、例えば高沸点不純物)を含む。
DCHは、この循環流中に、約90重量%以下、さらに好ましくは約80重量%以下、なお更に好ましくは約70重量%以下の量で存在していてよく、例えば約20重量%のように低い量で存在していてよい。
ECHは、この循環流中に、少なくとも約5重量%、好ましくは少なくとも約10重量%、更に好ましくは少なくとも約20重量%、なお更に好ましくは少なくとも約30重量%で、好ましくは約50重量%以下、なお更に好ましくは約40重量%以下の濃度で存在する。
不純物は、とりわけ、BCAA、TCP及びDCOPPを含有する。BCAAは、約3重量%以下、更に好ましくは約1重量%以下の量で存在してよい。TCPは、約20重量%以下、更に好ましくは約15重量%以下、なお更に好ましくは約10重量%以下の、そして約1重量%のように低い量で存在してよい。DCOPPは、約5重量%以下、更に好ましくは約1重量%以下の量で存在してよい。副生物、特に重質副生物は、それらをプロセスからパージすることによって、例えばそれらを、第二の液体−蒸気接触工程によって製造された液相流出物からパージすることによって除去することができる。
ジクロロヒドリン脱塩化水素に付される液相流出物流は、好ましくは約1重量%よりも低い、更に好ましくは約0.1重量%よりも低い、なお更に好ましくは約0.01重量%よりも低い軽沸点物質を含有している。特に、この液相流出物流は、好ましくは約1重量%よりも低い、更に好ましくは約0.1重量%よりも低い、なお更に好ましくは約0.01重量%よりも低い水を含有している。
ジクロロヒドリン脱塩化水素プロセスに付される液相流出物流は、好ましくはDCHを、好ましくは約90重量%以下、更に好ましくは約80重量%以下、なお更に好ましくは約70重量%以下の、例えば約20重量%のように低い濃度で含有している。最後の蒸留工程から出るDCH濃度は、好ましくはジクロロヒドリン脱塩化水素プロセスに付されるDCH濃度と実質的に同じである。
ジクロロヒドリン脱塩化水素プロセスに付される液相流出物は、好ましくはECHを、少なくとも約5重量%、好ましくは少なくとも約10重量%、更に好ましくは少なくとも約20重量%、なお更に好ましくは少なくとも約30重量%で、好ましくは約50重量%以下、なお更に好ましくは約40重量%以下の濃度で含有している。最後の蒸留工程から出るECH濃度は、好ましくはジクロロヒドリン脱塩化水素プロセスに付されるECH濃度と実質的に同じである。
この液相流出物流は、好ましくは、この蒸留工程への供給流中のECHの少なくとも一部、好ましくは全部を製造するジクロロヒドリン脱塩化水素プロセスに循環される。脱塩化水素工程への第二の液体−蒸気接触工程からの循環流は、好ましくは循環流を、ジクロロヒドリン脱塩化水素工程の前に、この流をDCHに富んだ流とDCHの乏しい流とに分離するための、そして/又はこの流をECHに富んだ流とECHの乏しい流とに分離するための単位操作に付すことなく、循環する。この循環流は、好ましくは水抽出工程、有機溶媒抽出工程又は追加の蒸留工程に付さない。
脱塩化水素プロセス
脱塩化水素は、1個又はそれ以上の、DCH(群)を含む流出物流を、無機塩基と接触させることによって実施することができる。この無機塩基は特に限定されない。例えば水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の水溶液又は水性懸濁液を使用することができるが、本発明はこれらに限定されない。好ましい無機塩基には、アルカリ金属水酸化物及びアルカリ土類金属水酸化物が含まれる。このアルカリ金属は、好ましくはナトリウムカチオン、Na+であり、アルカリ土類金属は、好ましくはカルシウムカチオン、Ca+2である。
使用される無機塩基の量は特に限定されない。使用されるアルカリ性化合物の量は、DCH及び/又はそのエステル並びに存在し得る任意の中和可能な塩素化剤の1モル当たり、好ましくは約1.0〜約1.5当量、更に好ましくは約1.01〜約1.3当量である。
ジクロロヒドリン(群)と無機塩基との間の反応によって、エピクロロヒドリン及びこの無機塩基カチオン(群)を含有する1種又はそれ以上の塩化物塩が形成される。好ましい無機塩基の場合に、この塩化物塩は、アルカリ金属塩化物、例えば塩化ナトリウム又はアルカリ土類金属塩化物、例えば塩化カルシウムであろう。
ECHの製造は、任意の公知のプロセスによって実施することができる。例えば米国特許第4,952,647号明細書、英国特許第974,164号明細書及び日本未審査特許公告(公開)第60-258172号公報に記載された方法と同様に、ジクロロプロパノールをアルカリ水溶液又は水性懸濁液と反応させ、それによってECHを製造する方法を、好ましく使用することができる。しかしながら、このプロセスはこれらに限定されない。
ジクロロヒドリン脱塩化水素プロセスの好ましい例には、
(1)出発物質としてのDCH及び/又はそのエステル並びにアルカリ水溶液又は水性懸濁液を、棚段式蒸留塔の頂部から供給し、スチームを底から吹き込み、そして水との共沸蒸留を起こさせながら反応によって製造されたECHをストリッピングする方法(この方法に於いて、不活性ガス、例えば窒素をスチームに随伴させることによって、ストリッピング効果を増加させることができる);
(2)DCH及び/若しくはそのエステル又は水溶液を、アルカリ水溶液又は水性懸濁液と、液相中で混合し、撹拌しながらこれらを反応させる方法、並びに
(3)この反応を、水中に実質的に不溶性の不活性溶媒の存在下で、この溶媒中にECHを抽出しながら進行させる方法
が含まれる。
方法(2)及び(3)に於いて、この反応は、回分式又は連続式で実施することができる。連続式反応の場合に、混合槽型反応又は塔式反応器内の流動型反応等を使用することができる。塔式反応器内の流動型反応の場合に、DCH及び/若しくはそのエステル又はそれらの水溶液並びにアルカリ水溶液又は水性懸濁液を、接触状態にしながら並流で又は向流で流して、それによって反応を実施することができる。反応方法(2)及び(3)は、例えばこの反応を、一定の程度まで一つの方法によって実施し、そしてこの反応を、他の方法に従って更に進行させるように、組み合わせることができる。
第二の工程に於いて製造されるECHのストリッピングのために使用されるスチームの量は、頂部留出物組成が約0.5〜約3.5、好ましくは約1.0〜約2.5の水/ECH重量比を有するようなものが適切であろう。スチームの量がより大きくなるとき、ECHの選択率は上昇する。しかしながら、スチーム量が多すぎると、スチーム収率は、使用される量が実際上限定されるように減少するであろう。一方、スチーム量が少なすぎると、ストリッピング効率が低下し、ECHの選択率が低下するであろう。
脱塩化水素反応温度は特に限定されないが、これは、好ましくは少なくとも約10℃、更に好ましくは少なくとも約30℃、なお更に好ましくは少なくとも約60℃、好ましくは約110℃以下、更に好ましくは約100℃以下、なお更に好ましくは約90℃以下、なお更に好ましくは約80℃以下である。この反応温度がより低くなると、ECHの選択率は上昇する。しかしながら、反応速度は減少し、反応時間は延長されるであろう。
この反応圧力は特に限定されないが、これは、好ましくは約10〜約200kPaである。この脱塩化水素反応は、適切には約1〜約100kPa、更に適切には約10〜約80kPa、最も適切には約15〜約40kPaの圧力で実施することができる。
この脱塩化水素反応は、アルコール、芳香族炭化水素、脂肪族エーテル、芳香族エーテル、ポリエーテル、ケトン、クロロベンゼン、塩素化エポキシド、これらの任意の組合せ等のような溶媒の存在下で実施することができる。特に適切な溶媒には、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルイソブチルケトン、2−エトキシ−1−プロパノール、ジメトキシエタン、ジメトキシプロパン、トリメトキシプロパン、ジクロロベンゼン、塩化メチレン、アセトン、メチルエチルケトン、ECH、これらの任意の組合せ等が含まれる。
脱塩化水素工程の中に導入する供給流は、DCH及び/又はそのエステルを製造するための任意のプロセスから、直接的に又は間接的に得ることができる。このプロセスのための所望の供給流組成物を与えるための好ましいプロセスには、塩化アリル、アリルアルコール及び/又はMAHC(群)を、DCH及び/又はそのエステルに転化させるためのプロセスが含まれる。
MAHC(群)、例えばグリセリンを、塩化水素化によってDCHに転化させるためのプロセスが特に好ましい。例えばドイツ特許第197308号明細書には、無水塩化水素の手段によるグリセリンの接触塩化水素化によるクロロヒドリンの製造プロセスが教示されている。国際特許出願公開第WO2005/021476号明細書には、気体状塩化水素でカルボン酸の触媒でのグリセリン及び/又はモノクロロプロパンジオールの塩化水素化によるジクロロプロパノールの連続式製造プロセスが開示されている。国際特許出願公開第WO2006/020234A1号明細書には、MAHC、MAHCのエステル又はこれらの混合物を、有機酸触媒の存在下で、水を実質的に除去することなく、塩化水素の超大気圧分圧の源泉と接触させて、クロロヒドリン、クロロヒドリンのエステル又はこれらの混合物を製造する工程を含む、グリセロール若しくはエステル又はこれらの混合物のクロロヒドリンへの転化プロセスが記載されている。上記の文献は、上記の開示に関して引用することによって本明細書中に含められる。
例示的MAHC塩化水素化プロセスに於いて、MAHC及び塩化水素化触媒を、塩化水素化反応器に装入する。次いで、塩素化剤、例えば塩化水素を反応器に添加する。反応器圧力を所望の圧力に調節し、反応器内容物を、所望の長さの時間、所望の温度に加熱する。塩化水素化反応が完結した後又は塩化水素化反応を実施しながら、反応流出物流としての反応器内容物を、反応器から排出し、直接的に又は別の反応器若しくは他の介在工程を経て間接的に、本発明に従ったDCH回収システムを含み、任意的に、他の分離システム又は装置、例えばフラッシュ容器及び/又はリボイラーを含む分離システムに供給する。
上記のMAHC塩化水素化反応は、1個又はそれ以上の塩化水素化反応器容器、例えば単一の若しくは複数の連続撹拌式槽反応器(以下、「CSTR」と略す)、単一の若しくは複数の管型反応器(群)、栓流(プラグフロー)反応器(以下、「PFR」と略す)又はこれらの組合せ内で実施することができる。塩化水素化反応器は、例えば1個又はそれ以上のCSTR、1個又はそれ以上の管型反応器、1個又はそれ以上のPFR、1個又はそれ以上の気泡塔反応器及びこれらの組合せを含む、例えば1個の反応器又は互いに直列で又は並列で連結された複数の反応器であってよい。
好ましい態様に於いて、塩化水素化流出物流の一部又は全部は、PFRからの供給流である。PFRは、高い、長さ/直径(L/D)比を有し、反応器の長さに沿った組成プロフィールを有する反応器の1種である。PFRの中に供給される反応剤の濃度は、PFRの流路に沿って入口から出口に減少し、DCHの濃度は、PFRの流路に沿って入口から出口に増加する。グリセロールの塩化水素化の場合に、HCl及びグリセロールの濃度は、PFRの入口からPFRの出口に減少し、一方、1,3−ジクロロ−2−プロパノール及び2,3−ジクロロ−1−プロパノールの合計濃度は、PFRの入口からPFRの出口に増加する。
塩化水素化反応を実施するのに有用な装置は、任意の当該技術分野で公知の装置であってよく、塩化水素化の条件で反応混合物を含有できなくてはならない。適切な装置は、プロセス成分による腐食に対して耐性である材料から製作することができ、例えば金属、例えばタンタル、適切な金属合金(特に、ニッケル−モリブデン合金、例えばHastalloy C(登録商標))又は例えばガラスライニングされた装置を含んでよい。
DCH(群)に加えて、未反応MAHC(群)及び/若しくは塩素化剤(群)の1種若しくはそれ以上、反応中間体、例えばMCH(群)、MCHエステル(群)及び/若しくはDCHエステル(群)、触媒(群)、触媒(群)のエステル(群)、水並びに/又は不純物が、MAHC塩化水素化流出物流中に存在してよい。
塩化水素化プロセスからパージすることによって、又は後処理によって、完全には除去されない、望ましくない不純物及び/又は反応副生物が、塩化水素化プロセスの間に製造される。
脱塩化水素供給流に、任意的に、存在し得る塩素化剤は、好ましくは脱塩化水素供給流中に溶解された塩化水素である。塩及び水を生成するための、塩化水素化プロセスに供給される塩基による塩化水素の中和は、脱塩化水素装置に追加の塩基を供給することを必要とする。
DCHは、一般的に、2個の分離している炭素原子に共有結合している2個のヒドロキシル基(その少なくとも1個はヒドロキシル基を有する第三の炭素原子に近接している)が、それぞれ共有結合された塩素原子によって置換されている塩化水素化されたMAHCに対応する。DCH(群)のエステル(群)は、例えばMAHCエステル(群)、MCHエステル(群)の塩化水素化又は酸触媒(群)との反応の結果であろう。
カルボン酸、RCOOHは、MAHCのクロロヒドリンへの塩化水素化に触媒作用する。選択される特定のカルボン酸触媒は、例えば触媒としてのその効力、そのコスト、反応条件に対するその安定性及びその物理的特性を含む多数の要因に基づいてよい。触媒が使用されるべき特定のプロセス及びプロセス図式も、特別の触媒を選択する際の要因であり得る。カルボン酸の「R」基は、水素又はアルキル、アリール、アラルキル及びアルカリールを含むヒドロカルビル基から独立に選択することができる。このヒドロカルビル基は、直鎖、分枝鎖又は環式であってよく、そして置換されていてよく又は置換されていなくてよい。許容される置換基には、触媒の性能に有害に干渉しない任意の官能基が含まれてよく、そしてヘテロ原子が含まれてよい。許容される官能基の限定されない例には、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ヒドロキシル、フェノール、エーテル、アミド、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、第四級アンモニウム、スルホネート、スルホン酸、ホスホネート及びホスホン酸が含まれる。
装置
前記のプロセスは、本発明に従った装置を使用して実施することができる。この装置を、図1を参照して更に詳細に説明する。
脱塩化水素装置
図1を参照して、この装置は、1個又はそれ以上の脱塩化水素反応器(110)及び、任意的に、1個又はそれ以上のストリッピング塔(図示せず)を含む、数字(100)によって全体的に示される少なくとも1個のジクロロヒドリン脱塩化水素装置を含んでいる。少なくとも1個の脱塩化水素反応器(110)は、好ましくは1種又はそれ以上のストリッピング剤、好ましくはスチームを、反応器(110)の底部に導入するために、少なくとも1個のストリッピング剤の源泉に直接的に又は間接的に連結されている。
少なくとも1個の反応器(110)は、DCH及び/又はそのエステルからなる新しい供給流(101)を導入するための、少なくとも1個の供給流入口(111)、蒸留及び/又は分別のための数字(200)によって全体的に示される液体−蒸気接触装置内の液体−蒸気接触デバイス(210)の供給流入口(215)に、直接的に又は通路(102)を経て間接的に連結されている、少なくとも1個の反応器流出物出口(112)を有する。少なくとも1個の反応器(110)は、反応器内の反応混合物からECHをストリッピングするためのスチーム流(103)を導入するための、スチームの源泉に連結可能なスチーム入口(113)を有することもできる。
第一の液体−蒸気接触装置
数字(200)によって全体的に示される第一の液体−蒸気接触装置は、数字(211)によって全体的に示される上方部分、数字(212)によって全体的に示される下方部分、上方部分(211)内の蒸気相流出物出口(213)、下方部分(212)内の液相流出物出口(214)及び蒸気相流出物出口(213)と液相流出物出口(214)との間の少なくとも1個の供給流入口(215)を含んでなる液体−蒸気接触装置(210)を含んでいる。
第一の液体−蒸気接触装置(200)は、液相流出物出口(214)を経て液体−蒸気接触デバイス(200)の下方部分(212)から出る液体流(201)を加熱又は蒸発させるための加熱又は蒸発デバイス、例えばリボイラー(220)及び蒸気相流出物出口(213)を経て液体−蒸気接触デバイス(210)の上方部分(211)から出る蒸気流(202)を冷却するための、少なくとも1個の冷却デバイス、例えば凝縮器(230)からなる第一の冷却装置を更に含んでいる。
液体−蒸気接触デバイス(210)は、底端から頂端への徐々に低下する温度勾配を、液体−蒸気接触デバイス(210)内の物質に適用するための底端(212)及び頂端(211)を有する。液体−蒸気接触デバイス(210)は、好ましくは、蒸留又は分別塔、例えば充填蒸留塔及び/又は還流を実施するための還流ゾーンを有する、還流条件下で分別蒸留を実施するために適合された蒸留塔である。
液体−蒸気接触デバイス(210)は、好ましくは少なくとも約8、更に好ましくは少なくとも約12、なお更に好ましくは少なくとも約15の理論段を有する、好ましくは蒸留又は分別塔であるが、約20以下、約25以下又は約30以下の理論段を有する蒸留又は分別塔によって実施することができる。この塔は、好ましくは棚段塔、例えば多孔板塔、段塔(tray)、バブルキャッププレート塔及び/又は充填塔である。
液体−蒸気接触デバイス(210)は、液体−蒸気接触デバイス(210)の底部(212)と頂部(211)との間の中間点での、少なくとも1個の供給流入口(215)、液体−蒸気接触デバイス(210)の頂部(211)で又はその付近での供給流の上で低沸点流(202)を取り出すための蒸気相流出物流出口(213)並びに液体−蒸気接触デバイス(210)の底部(212)で又はその付近での、そして好ましくは供給流入口(215)の下で、高沸点流(201)を取り出すための少なくとも1個の液相流出物流出口(214)を含む。
反応器(110)からの供給流(102)は、好ましくは、図示されるように、蒸気相流出物出口(213)よりも下で且つ液相流出物出口(214)よりも上の供給流入口(215)を経て、液体−蒸気接触デバイス(210)の中に供給する。蒸発又は加熱デバイス(220)の上の供給流(102)の好ましい最小距離(蒸発若しくは加熱領域又は蒸発ゾーン)は、とりわけ、液体−蒸気分離デバイス(210)の全長、或る種の充填物による充填及び/又は多孔板の最小空間に依存し、例えば非常に長い塔又は重度にもしくは密に充填した塔などの場合に、塔の全長の10分の1よりも大きい。しかしながら、この最小距離について、液体−蒸気接触デバイス(210)の全長の、約8分の1又は約6分の1よりも大きい、好ましくは約5分の1よりも大きい、更に好ましくは約4分の1よりも大きいことが特に都合がよい。
好ましい態様に従って、この塔の長さの約5分の1よりも大きい、好ましくは液体−蒸気接触デバイス(210)の長さの約4分の1よりも大きい、供給流入口(群)(215)と蒸気相流出物流出口(群)(213)との間の距離を維持する。
第一の液体−蒸気接触装置(200)の液体−蒸気接触デバイス(210)の液相流出物流出口(214)は、好ましくは第一の液体−蒸気接触デバイス(210)からの液相流出物流(201)を、リボイラーデバイス(220)に導くのに適した通路(201)によって、リボイラーデバイス(220)の液相流出物入口(221)に連結されている。リボイラーデバイス(220)は、好ましくは、リボイラーデバイス(220)に入る液相成分を、液体−蒸気接触デバイス(210)の入口(226)を通過する液体循環流(223)を経て液体−蒸気接触デバイス(210)に戻し循環させるための液相出口(222)を有する。
リボイラーデバイス(220)の液相流出物流出口(224)は、液体−蒸気接触デバイス(310)の液相流出物流入口(315)に連結されている。この連結は、リボイラーデバイス(220)からの液相流出物流(225)を、液体−蒸気接触デバイス(310)に導くのに適した通路(225)を経てよい。
第一の液体−蒸気接触装置(200)の液体−蒸気接触デバイス(210)の蒸気相流出物出口(213)は、好ましくは、第一の液体−蒸気接触デバイス(210)からの蒸気相流出物流(202)を、冷却デバイス(230)に導くのに適した通路(202)によって、冷却デバイス(230)の蒸気相流出物入口(231)に連結されている。冷却デバイス(230)は、好ましくは、冷却デバイス(230)によって凝縮されない、冷却デバイス(230)に入る蒸気相成分を、非凝縮相通路(233)を経て除去するための蒸気相出口(232)を有する。冷却デバイス(230)は、好ましくは非冷凍凝縮器である。
冷却デバイス(230)の凝縮液相流出物流出口(234)は、液−液相分離デバイス(240)の液相流出物流入口(241)に連結されている。この連結は、冷却デバイス(230)からの凝縮液相流出物流(235)を、液−液相分離デバイス(240)に導くのに適した通路(235)を経てよく、又は好ましくは、冷却デバイス(230)を、液−液相分離デバイス(240)よりも上に配置し、冷却デバイス(230)によって凝縮された液相が、重力流によって液−液相分離デバイス(240)の中に流れるようにする。
液−液相分離デバイス(240)の水性液相流出物流出口(242)は、好ましくは、循環入口(114)を経て、液−液相分離デバイス(240)からの水性液相流出物流(243)を、1個又はそれ以上の反応器(群)(110)に導くのに適した通路(243)によって、ジクロロヒドリン脱塩化水素装置(100)の1個又はそれ以上の反応器(群)(110)に連結されている。図示されていないが、循環入口(114)は、組み合わせた循環流(243)及び新しい供給流を、ジクロロヒドリン脱塩化水素装置(100)の中に導入するために、循環流(243)を新しい供給流(101)と組み合わせるための供給流入口(101)に連結されていてよい。
液−液相分離デバイス(240)の有機液相流出物流出口(244)は、液−液相分離デバイス(240)からの有機液相流出物流(245、246)を、第一の液体−蒸気接触デバイス(210)の頂部分(211)に導くのに適した通路(245、246)によって、液体−蒸気接触デバイス(210)の頂部分(211)の入口(216)に連結されている。不純物は、液−液相分離器(240)から液体−蒸気接触デバイス(210)に流れる流(245、246)からパージライン(247)を経て除去することができる。
第二の液体−蒸気接触装置
数字(300)によって全体的に示される第二の液体−蒸気接触装置は、全体的に数字(311)によって示される上方部分、全体的に数字(312)によって示される下方部分、上方部分(311)内の蒸気相流出物出口(313)、下方部分(312)内の液相流出物出口(314)及び蒸気相流出物出口(313)と液相流出物出口(314)との間の少なくとも1個の供給流入口(315)を含む液体−蒸気接触デバイス(310)を含んでなる。
第二の液体−蒸気接触装置(300)は、液相流出物出口(314)を経て液体−蒸気接触デバイス(310)の下方部分(312)から出る液体流(301)を加熱又は蒸発させるための加熱又は蒸発デバイス、例えばリボイラー(320)及び蒸気相流出物出口(313)を経て液体−蒸気接触デバイス(310)の上方部分(311)から出る蒸気流(302)を冷却するための、冷却デバイス、例えば凝縮器(330)を更に含んでいる。
液体−蒸気接触デバイス(310)は、底端から頂端への徐々に低下する温度勾配を、液体−蒸気接触デバイス(310)内の物質に適用するための底部端(312)及び頂部端(311)を有する。液体−蒸気接触デバイス(310)は、好ましくは蒸留又は分別塔、例えば充填蒸留塔及び/又は還流を実施するための還流ゾーンを有する、還流条件下で分別蒸留を実施するために適合された蒸留塔である。
液体−蒸気接触デバイス(310)は、好ましくは少なくとも約8、更に好ましくは少なくとも約12、なお更に好ましくは少なくとも約15の理論段を有する、好ましくは蒸留又は分別塔であるが、約20以下、約25以下又は約30以下の理論段を有する蒸留又は分別塔によって実施することができる。この塔は、好ましくは、棚段塔、例えば多孔板塔、段塔、バブルキャッププレート塔及び/又は充填塔である。
液体−蒸気接触デバイス(310)は、液体−蒸気接触デバイス(310)の底部(312)と頂部(311)との間の中間点での、少なくとも1個の供給流入口(315)、液体−蒸気接触デバイス(310)の頂部(311)で又はその付近での供給流入口(315)の上で低沸点流(302)を取り出すための蒸気相流出物流出口(313)並びに液体−蒸気接触デバイス(310)の底部(312)で又はその付近での、そして好ましくは供給流入口(315)の下で、高沸点流(301)を取り出すための少なくとも1個の液相流出物流出口(314)からなる。
リボイラー(220)からの供給流(225)を、好ましくは、図示したように、蒸気相流出物出口(313)よりも下で且つ液相流出物出口(314)よりも上の供給流入口(315)を経て、液体−蒸気接触デバイス(310)の中に供給する。蒸発又は加熱デバイス(320)の上の供給流(225)の好ましい最小距離(蒸発若しくは加熱領域又は蒸発ゾーン)は、とりわけ、液体−蒸気分離デバイス(310)の全長、或る種の充填物による充填及び/又は多孔板の最小空間に依存し、例えば非常に長い塔又は重度もしくは密に充填した塔などの場合に、塔の全長の約10分の1よりも大きい。しかしながら、この最小距離について、液体−蒸気接触デバイス(310)の全長の、約8分の1又は約6分の1よりも大きい、好ましくは約5分の1よりも大きい、更に好ましくは約4分の1よりも大きいことが特に適切である。
好ましい態様に従って、この塔の長さの約5分の1よりも大きい、好ましくは液体−蒸気接触デバイス(310)の長さの約4分の1よりも大きい、供給流入口(群)(315)と蒸気相流出物流出口(群)(313)との間の距離を維持する。
第二の液体−蒸気接触装置(300)の液体−蒸気接触デバイス(310)の蒸気相流出物出口(313)は、好ましくは、第二の液体−蒸気接触デバイス(310)からの蒸気相流出物流(302)を、冷却デバイス(330)に導くために適している通路(302)によって、冷却デバイス(330)の蒸気相流出物入口(331)に連結されている。冷却デバイス(330)は、好ましくは冷却デバイス(330)によって凝縮されない、冷却デバイス(330)に入る蒸気相成分を、非凝縮相通路(333)を経て除去するための蒸気相出口(332)を有する。
冷却デバイス(330)の凝縮液相出口(334)は、冷却デバイス(330)の出口(334)からの凝縮液相の一部(335、336)を、液体−蒸気接触デバイス(310)の上方部分(311)に、液体−蒸気接触デバイス(310)のための還流としての循環流(335、336)により循環するために、液体−蒸気接触デバイス(310)の上方部分(311)の液相入口(337)に連結されている。冷却デバイス(330)は、凝縮相が、冷却デバイス(330)から液体−蒸気接触デバイス(310)の中に重力流によって流れることを可能にするために、液体−蒸気接触デバイス(310)の上方部分(311)の上に又はこれと一体に配置させることができる。冷却デバイス(330)は、好ましくは、非冷凍凝縮器である。
精製されたエピクロロヒドリン生成物フラクションは、循環流(335、336)から、生成物流通路(338)を経て取り出す。
液体−蒸気接触デバイス(310)の液相流出物出口(314)は、液相流出物出口(314)を経て、液体−蒸気接触デバイス(310)から出る液相(301)の一部を蒸発させる加熱デバイス、例えばリボイラー(320)に連結されている。
第二の液体−蒸気接触装置(300)の液体−蒸気接触デバイス(310)の液相流出物出口(314)は、好ましくは、第二の液体−蒸気接触デバイス(310)からの液相流出物流(301)を、リボイラーデバイス(320)に導くために適している通路(301)によって、リボイラーデバイス(320)の液相流出物入口(321)に連結されている。リボイラーデバイス(320)は、好ましくはリボイラーデバイス(320)に入る液相成分を、液体−蒸気接触デバイス(310)の入口(328)を通過する液相通路(323)を経て液体−蒸気接触デバイス(310)に戻し循環させるための液相出口(322)を有する。
リボイラーデバイス(320)は、リボイラーデバイス(320)の出口(322)からの液相の一部(323)を、液体−蒸気接触デバイス(310)のための循環として、循環流(301、322)により液体−蒸気接触デバイス(310)の下方部分(312)に循環するために、液体−蒸気接触デバイス(310)の下方部分(312)に連結されている。リボイラーデバイス(320)は、液体循環相が、リボイラーデバイス(320)から液体−蒸気接触デバイス(310)の中に流れることを可能にするために、液体−蒸気接触デバイス(310)の下方部分(312)の下に又はこれと一体に配置させることができる。
液体−蒸気接触デバイス(310)のリボイラー(320)の液相流出物出口(324)は、リボイラー(320)及び液体−蒸気接触デバイス(310)からの液相流出物(325、325)を、反応器(110)に循環するための適切な通路(325、326)を経て、少なくとも1個のジクロロヒドリン脱塩化水素反応器(110)の循環入口(115)にも連結されている。通路(325、326)は、好ましくはシステムから不純物を除去するためのパージ(327)を有する。
通路(325、326)は、好ましくは(i)液−液相分離デバイス及び/又は(ii)液体−蒸気接触デバイスを含んでいない。
この装置は、好ましくは、液体−蒸気接触デバイス(210、310)内の圧力を、環境大気圧よりも下に低下させるために、液体−蒸気接触デバイス(210、310)に真空を適用するためのデバイス(図示せず)を含んでいる。このデバイスは、好ましくはスチーム−ジェットエジェクター又は真空ポンプである。
下記の実施例は、例示目的のみのためであり、本発明の範囲を限定することを意図していない。
本実施例に於いて、本発明に従ったECH回収プロセスを、原形となる実験から集められたデータに基づいてシミュレートする。
図1を参照して、ジクロロヒドリン脱塩化水素ユニット(110)からの粗製ECH流を含有する流112は、低沸点不純物及び水除去のための第一の仕上げ塔(210)に入る。この塔は、0.4atm(40kPa)で運転され、19の理論段を含む。オーバーヘッド蒸気流(202)が、交換器(230)を使用して凝縮され、デカンター(240)の中に流れ込む。流(233)は、非凝縮性物質及び軽物質を含有するシステムからのベントである。ECH−H2O共沸混合物から2個の相が、デカンター内で形成される。水性流(243)は脱塩化水素ユニット(110)に戻し、循環され、有機流(245、246)は、第一の仕上げ塔(210)に戻し還流される。軽物質の蓄積を防止するために、還流から少量のパージ(247)が取られる。第一の仕上げ塔の中への熱入力は交換器(220)によって与えられる。
第一の仕上げ塔の底部からの流(201、224)は、第二の仕上げ塔(310)に供給される。第二の塔は、0.25atm(25kPa)及び106℃の底部温度で運転され、18の理論段を含む。ECHが、液相から蒸気相流出物流(302)として取り出され、これは熱交換器(330)によって凝縮される。流れ(333)は、第二の塔(310)からのベントである。凝縮された蒸気(335)の一部は、流(336)により塔(310)に戻し、循環され、残りの流(338)は、水及び不純物を実質的に含有していない、高度に精製されたECHである。
脱塩化水素プロセスからの未反応DCHを含有する流(301、321、322)により、塔(310)の底部から出る液相流出物は、脱塩化水素プロセス(100)に戻し循環される。ECHのフラクションは、塔の温度を106℃よりも下に維持するために、意図的に、第二の仕上げ塔の底部の液相流出物流中に留められる。重物質(即ち高沸点不純物)の蓄積を防止するために、DCH循環流から少量のパージ(323)が取られる。第一の仕上げ塔の中への熱入力は、交換器(320)によって与えられる。
結果を、下記の表1に示す。
Figure 2011513311
上記のシミュレーションは、軽物質を表すためにアクロレイン(ACRO)を使用し、中間沸点物を表すために2−クロロアリルアルコール(BCAA)及び1,2,3−トリクロロプロパン(TCP)を使用し、重物質を表すためにジクロロオキシ−プロポキシ−プロパン(DCOPP)を使用する。
第二の仕上げ塔内の温度にまで蒸発させたECHのフラクションの間の関係を示すコンピュータシミュレーション実施例を、下記の表2A、2B及び2Cに示す。
Figure 2011513311
上記のコンピュータシミュレーションデータから判るように、底部流中のECHのレベルがより高い(より低いECH蒸発)ほど、与えられた圧力について、塔内のより低い温度になり、また精製されたECH流(337)中のより低い不純物になる。

Claims (10)

  1. (1)エピクロロヒドリン、ジクロロヒドリン(群)、5重量%以下の、蒸留及び/又は分別圧力でのエピクロロヒドリンの沸点よりも高い、同じ圧力での沸点を有するジクロロヒドリン以外の1種又はそれ以上の物質並びに任意的に、蒸留及び/又は分別圧力でのエピクロロヒドリンの沸点より低いか又は同等の、同じ圧力での沸点を有するエピクロロヒドリン以外の1種又はそれ以上の物質を含む供給流を蒸留及び/又は分別し(ここで、蒸留及び/又は分別は、大気圧よりも低い圧力並びにエピクロロヒドリンを含む蒸気相流出物を、ジクロロヒドリン(群)、エピクロロヒドリン並びにエピクロロヒドリン及びジクロロヒドリン以外の1種又はそれ以上の物質を含む液相流出物から分離するのに充分な温度で実施する)、
    (2)任意的に、エピクロロヒドリン及びジクロロヒドリン(群)以外の1種又はそれ以上の物質を、工程(1)の液相流出物の少なくとも一部から除去し、
    (3)工程(1)の液相流出物の少なくとも一部を、この液相流出物のジクロロヒドリン(群)をエピクロロヒドリンに転化させるジクロロヒドリン脱塩化水素プロセスに付し、そして
    (4)精製されたエピクロロヒドリンを含む工程(1)の蒸気相流出物を回収する
    ことを含んでなり、
    工程(1)の蒸留/分別圧力及び/若しくは温度を、工程(1)によって製造された液体流出物流中に少なくとも5重量%のエピクロロヒドリンを保有するように調節し、そして/又は工程(1)の蒸留/分別圧力及び/若しくは温度を、式:
    Figure 2011513311
    (式中、Pは、パスカルでの工程(1)によって製造された蒸気相流出物の蒸留圧力を表し、TKは、ケルビン度での工程(1)によって製造された液相流出物の蒸留温度を表し、そしてRは、数値2.8を表す)
    を満足するように調節する、エピクロロヒドリンの精製プロセス。
  2. 工程(1)の蒸留/分別を150℃以下の温度で実施する請求項1に記載のプロセス。
  3. 工程(1)の供給流が、少なくとも10重量%のジクロロヒドリン(群)、2重量%以下の、エピクロロヒドリンの沸点よりも高い沸点を有するジクロロヒドリン以外の1種又はそれ以上の物質、0.1重量%よりも少ない、エピクロロヒドリンの沸点より低いか又は同等の沸点を有するエピクロロヒドリン以外の1種又はそれ以上の物質及びエピクロロヒドリンを含む残部を含んでなる請求項1又は2に記載のプロセス。
  4. 工程(1)の供給流が、エピクロロヒドリン、ジクロロヒドリン(群)、エピクロロヒドリンの沸点よりも高い沸点を有する1種又はそれ以上の物質及びエピクロロヒドリンの沸点よりも低い沸点を有する1種又はそれ以上の物質を含むジクロロヒドリン脱塩化水素プロセス流出物流を含む供給流を、この供給流を、エピクロロヒドリン及びエピクロロヒドリンの沸点よりも低い沸点を有するこの供給流中の1種又はそれ以上の物質を含む蒸気相流出物と、エピクロロヒドリン、ジクロロヒドリン(群)及びエピクロロヒドリンの沸点よりも高い沸点を有するジクロロヒドリン以外の1種又はそれ以上の物質並びに、任意的に、エピクロロヒドリンよりも低い沸点を有する1種又はそれ以上の物質からなる液相流出物流とに分離するために充分な蒸留/分別温度及び圧力条件下で、蒸留及び/又は分別することによって製造された液相流出物流である請求項1〜3に記載のプロセス。
  5. エピクロロヒドリンの沸点よりも低い沸点を有する1種又はそれ以上の物質が水を含み、脱塩化水素プロセス流出物流から取り出されるエピクロロヒドリン及び水の少なくとも一部を、ジクロロヒドリン脱塩化水素プロセスに循環させる、請求項4に記載のプロセス。
  6. (a)ジクロロヒドリン(群)及び/又はそのエステル(群)並びにジクロロヒドリン(群)及び/又はそのエステル(群)以外の1種又はそれ以上の物質を含む供給流を、ジクロロヒドリン脱塩化水素条件下で水の存在下に、塩基と接触させて、エピクロロヒドリン、未転化のジクロロヒドリン(群)、エピクロロヒドリンの沸点よりも高い沸点を有するエピクロロヒドリン及びジクロロヒドリン(群)以外の1種又はそれ以上の物質並びにエピクロロヒドリンの沸点よりも低い沸点を有するエピクロロヒドリン及びジクロロヒドリン(群)以外の1種又はそれ以上の物質を含む脱塩化水素流出物流を製造し、
    (b)工程(a)の脱塩化水素流出物流を、大気圧よりも低い圧力並びにエピクロロヒドリン及びエピクロロヒドリンの沸点より低いか又は同等の沸点を有するエピクロロヒドリン以外の1種又はそれ以上の物質を含む蒸気流出物流を、エピクロロヒドリン、ジクロロヒドリン(群)及びエピクロロヒドリンの沸点よりも高い沸点を有するジクロロヒドリン(群)以外の1種又はそれ以上の物質を含む液体流出物流から分離するのに充分な温度で、蒸留及び/又は分別し、そして
    (c)請求項1〜5のいずれか1項に記載のプロセスに於ける供給流として、工程(b)の液体流出物流の少なくとも一部を使用する
    ことを含んでなるエピクロロヒドリンの製造プロセス。
  7. (1)1個又はそれ以上の反応器容器(110)、少なくとも1個の供給流入口(111)、スチーム源に連結するための少なくとも1個のスチーム入口(113)、少なくとも1個の脱塩化水素生成物流出物出口(112)及び、任意的に、1個又はそれ以上の反応器と少なくとも1個の脱塩化水素生成物流出物出口との間に連結された1個又はそれ以上のスチームストリッピング塔を含んでなる、ジクロロヒドリン(群)脱塩化水素を実施する脱塩化水素装置(100)、
    (2)液体−蒸気接触デバイス(210)、液体−蒸気接触デバイスの下方部分内の液体を加熱又は蒸発させる加熱又は蒸発装置(220)及びエピクロロヒドリン及びエピクロロヒドリンよりも低い沸点を有する1種又はそれ以上の物質を凝縮させる冷却装置(230)を含んでなる、エピクロロヒドリン、ジクロロヒドリン(群)、エピクロロヒドリンよりも高い沸点を有するジクロロヒドリン(群)以外の1種又はそれ以上の物質及びエピクロロヒドリンより低いか又は同等の沸点を有するエピクロロヒドリン以外の1種又はそれ以上の物質を含む混合物を蒸留する第一の液体−蒸気接触装置(200)(ここで、液体−蒸気接触デバイス(210)は上方部分(211)、下方部分(212)、上方部分内の蒸気相流出物出口(213)、下方部分内の液相流出物出口(214)及び蒸気相流出物出口と液相流出物出口との間の少なくとも1個の供給流入口(215)を有し、そして冷却装置(230)は、1個又はそれ以上の冷却デバイス及び、任意的に、1個又はそれ以上の蒸気パージを含む)並びに
    (3)液体−蒸気接触デバイス(310)、液体−蒸気接触デバイスの下部分内の液体を加熱又は蒸発させる加熱又は蒸発装置(320)及びエピクロロヒドリンを凝縮させる冷却装置(330)を含み、エピクロロヒドリン、ジクロロヒドリン(群)、エピクロロヒドリンよりも高い沸点を有するジクロロヒドリン(群)以外の1種又はそれ以上の物質及び、任意的に、0.1重量%よりも少ない、エピクロロヒドリンよりも低い又は同等の沸点を有するエピクロロヒドリン以外の1種又はそれ以上の物質を含む混合物を蒸留する第二の液体−蒸気接触装置(300)(ここで、液体−蒸気接触デバイス(310)は上方部分(311)、下方部分(312)、上方部分内の蒸気相流出物出口(313)、下方部分内の液相流出物出口(314)及び蒸気相流出物出口と液相流出物出口との間の少なくとも1個の供給流入口(315)を含み、そして冷却装置(330)は、1個又はそれ以上の冷却デバイス及び、任意的に、1個又はそれ以上の蒸気パージを含む)
    を含んでなり、
    前記脱塩化水素装置(100)の脱塩化水素生成物流出物出口が、ジクロロヒドリン脱塩化水素装置(100)からのジクロロヒドリン脱塩化水素反応器(110)流出物を、第一の液体−蒸気接触装置(200)の液体−蒸気接触デバイス(210)に導くのに適した通路によって、第一の液体−蒸気接触装置(200)の液体−蒸気接触デバイス(210)の供給流入口に連結されており、
    第一の液体−蒸気接触装置(200)の液相流出物出口が、第一の液体−蒸気接触装置(200)の液体−蒸気接触デバイス(210)からの液相流出物を、第二の液体−蒸気接触装置(300)の液体−蒸気接触デバイス(310)に導くのに適した通路によって、第二の液体−蒸気接触装置(300)の液体−蒸気接触デバイス(310)の供給流入口(315)に連結されており、そして
    第二の液体−蒸気接触装置(300)の液体−蒸気接触デバイス(310)の液相流出物出口(322)が、第二の液体−蒸気接触装置(300)の液体−蒸気接触デバイス(310)からの液相流出物を、ジクロロヒドリン脱塩化水素装置(100)の1個又はそれ以上の反応器(群)(110)に導くのに適した通路によって、ジクロロヒドリン脱塩化水素装置(100)の1個又はそれ以上の反応器(群)(110)に連結されている、精製されたエピクロロヒドリンの製造装置。
  8. 前記装置が、
    (4)少なくとも1個の液−液相分離デバイス(240)、液相流出物入口(241)、水性液相流出物出口(242)及び有機液相流出物出口(244)を含む、水及び1種又はそれ以上の実質的に有機の化合物を含む液相流出物流を、水性相流出物流と有機相流出物流とに分離する液−液相分離装置を更に含み、
    冷却デバイス(230)の凝縮された液相流出物流出口(235)が、冷却デバイス(230)からの凝縮された液相流出物を液−液相分離デバイス(240)に導く液−液相分離デバイス(240)の液相流出物流入口と結合されており、
    液−液相分離デバイス(240)の水性液相流出物流出口(242)が、液−液相分離デバイス(240)からの水性液相流出物流を、ジクロロヒドリン脱塩化水素装置(100)の1個又はそれ以上の反応器(110)に導くのに適合されている通路によって、ジクロロヒドリン脱塩化水素装置(100)の1個又はそれ以上の反応器(110)に連結されており、そして
    液−液相分離デバイス(240)の有機液相流出物流出口(244)が、液−液相分離デバイス(240)からの有機液相流出物流を、第一の液体−蒸気接触装置(200)に導くのに適している通路によって、第一の液体−蒸気接触装置(200)の液体−蒸気接触デバイス(210)の頂部部分(211)に連結されている請求項7に記載の装置。
  9. 冷却デバイス(230)が凝縮器であり、液−液相分離デバイス(240)がデカンターである請求項8に記載の装置。
  10. 液体−蒸気接触デバイス(210)が蒸留塔である請求項7〜9のいずれか1項に記載の装置。
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