JP2011510465A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

イオン選択性ポリマー電解質膜によって分離されたアノード及びカソード;電池のアノード領域に燃料を供給するための手段;電池のカソード領域に酸化剤を供給するための手段;前記アノードと前記カソードとの間の電気回路をもたらすための手段;シクロペンタジエニル環の間の少なくとも1つの架橋単位を含む修飾されたフェロセン種を含む陰極電解液を含むレドックス燃料電池であって、その修飾されたフェロセン種は、電池の作動中にカソードで少なくとも部分的に還元され、且つカソードにおけるそのような還元の後、酸化剤との反応によって少なくとも部分的に再生される、レドックス燃料電池。

Description

本発明は燃料電池、携帯用製品(例えば、携帯用電気製品)のため、輸送用乗り物(例えば、自動車の、主又は補助の両方で)のための電源、キャラバン及びその他のレクリエーション用乗り物(ボートなど)のための補助電力、病院のコンピュータなどのための無停電電源などの固定使用、及び家庭及びビジネスのための熱電気複合のための電源としての用途を有する特に間接又はレドックス燃料電池に関する。本発明は、そのような燃料電池に用いるための特定の陰極液(catholyte solution)にも関する。
燃料電池は、ポータブル用途、例えば、自動車及び携帯用電気製品技術のために非常に長年の間知られているが、燃料電池が真剣に実用上考えられるようになったのはようやく最近になってのことである。その単純な形態においては、燃料電池は、燃料と酸化剤とを反応生成物に転化し、その過程で電気と熱を生み出す電気化学変換装置である。そのような電池の一例では、水素が燃料として用いられ、空気又は酸素が酸化剤として用いられ、反応の生成物は水である。それらの気体は、電気的に帯電した粒子を2つの電極の間で輸送する固体又は液体の電解質によって分離された触媒をする拡散型の電極中にそれぞれ供給される。間接又はレドックス燃料電池では、酸化剤(及び/又は燃料(いくつかの場合))は、電極で直接反応されずに、その代わり、レドックスカップルの還元型(燃料に対しては酸化型)と反応してそれを酸化し、この酸化された化学種がカソード(燃料に対してはアノード)に供給される。
様々な電解液によって特徴づけられるいくつかのタイプの燃料電池がある。液体電解質アルカリ電解液燃料電池は、電解液がCOを溶かし、定期的に交換される必要があるという固有の欠点をもっている。高分子電解質あるいはプロトン伝導性固体セル膜を有するPEM型電池は酸性であり、この問題を回避している。しかし、実際には、理論的最大値に近づいているそのようなシステムから電源出力を取り出すことは困難であることが判明しており、それは酸素還元反応の比較的劣る電極触媒作用による。
加えて、高価な貴金属電極触媒がしばしば用いられる。より低いコストの不活性電極、例えば、炭素、ニッケル、又はチタンから形成された又はそれで被覆された電極を用いることが好ましい。しかし、不活性電極が用いられている従来の電池は、不満足な電源出力しか生み出していない。
多くの現在の燃料電池技術は、酸素ガスが電極に直接流され、次にそこで触媒と反応して水を生じるカソードを用いている。多くの場合に、用いられるカソードは白金、貴金属である。このことは燃料電池全体のコストを増大させるだけでなく、反応の非効率性が利用可能な電力の損失をもたらす。
米国特許第3152013号明細書は、カチオン選択的透過性膜、ガス透過性触媒電極、及び第二の電極を含み、その膜が電極どうしの間に配置され且つそのガス透過性電極とのみ電気的に接触しているガス燃料電池を開示している。この電極は、白金、イリジウム、又はその他の貴金属電極触媒から形成されている。水性陰極液(水性カソライト)を備え、それは第二の電極及び膜と接触しており、その陰極液は酸化剤カップルをその中に含んでいる。透過性電極に燃料ガスを供給するための手段、及び還元された酸化剤物質を酸化するために陰極液に気体酸化剤を供給するための手段が備えられている。好ましい陰極液及びレドックスカップルは、HBr/KBr/Brである。窒素酸化物が、酸素還元のための好ましい触媒として開示されているが、純粋な酸素が酸化剤として必要とされるという結果を伴い、酸化剤としての空気の使用は有害な窒素酸化物種の放出を必要とする。
電気化学燃料電池に関する一般に認められている問題は、明確な条件下での所定の電極反応の理論電位を計算することができるが、完全には達成できないということである。このシステムの欠陥は、いずれか所定の反応から達成可能な理論電位よりも下のいくらかのレベルへの電位の損失を不可避的にもたらす。そのような欠陥を低減させるこれまでの試みには、陰極溶液中で酸化-還元反応を起こす仲介者(メディエーター)の選択が含まれる。例えば、米国特許第3294588号明細書は、この能力にキノン類及び染料の使用を開示している。しかし、電極が白金で被覆されているにもかかわらず、比較的低い出力しか電池の作動時に得られなかった。試みられた別のレドックスカップルは、バナデート/バナジルカップルであり、米国特許第3279949号明細書に開示されているとおりである。この場合には、このバナジウムカップルの低速度の還元及び酸化がその性能を低下させている。この問題は、バナジウムカップルの不溶性によって増幅されている。同じバナジウムカップルは、米国特許第4396687号明細書で用いられた。
米国特許第3540933号明細書によれば、一定の利点が、陰極液(catholyte)及び陽極液(anolyte)の両方に同じ電解質溶液を用いることによって、電気化学燃料電池において実現することができる。この文献は、電解液中のいずれか別のレドックスカップルから0.8V以下しか離れていない2種より多いレドックスカップルをその中に含む液体電解液の使用を開示している。
電解質溶液中の異なるレドックスカップルのレドックス電位の調和は、米国特許第3360401号明細書でも考慮されており、これは燃料電池からの電気エネルギーの流れの速度を増大させるための中間電子移動種の使用に関わる。白金被覆電極の使用も開示されている。
米国特許第3607420号明細書は、存在する唯一の可溶性レドックス種が触媒種である電解液を開示している。この電解液はCu(I)/Cu(II)触媒を含む。
国際公開WO-A-2006/057387号は、電子の供与及び受容に関与する物質を用いるバイオ燃料電池を開示しており、この電池は高められた出力電力密度を示すと言われている。この物質は、特定の外部表面積の電子伝導体、レドックスポリマー、及びバイオ触媒を含む。
米国特許出願公開2003/0152823号公報は、アノードとカソードを有するとともに、アノードに配置されたアノード酵素及びカソードに配置されたカソード酵素を有する燃料電池を開示している。
米国特許出願公開2001/0028977号公報は、鉱石-バナジウムレドックス電池のための高エネルギー密度電解質溶液の調製方法を開示している。
従来技術の燃料電池は、全て、以下の欠点の1つ以上に苦しんでいる。
それらは非効率的である;それらは高価及び/又は組み立てるのに費用がかかる;それらは高価及び/又は環境非適合性物質を用いている;それらは不適当及び/又は不十分な維持可能な電流密度及び/又は電池電位しか生み出さない;それらはそれらの構造が大きすぎる;それらは高すぎる温度で運転される;それらは望ましくない副生成物及び/又は汚染物質及び/又は有害物質を作り出す;それらは携帯用途、例えば、自動車及び携帯型電気製品に実用的な、商業的有用性を見出していない。
米国特許第3152013号公報 米国特許第3294588号明細書 米国特許第3279949号明細書 米国特許第4396687号明細書 米国特許第3540933号明細書 米国特許第3360401号明細書 米国特許第3607420号明細書 国際公開WO-A-2006/057387号 米国特許出願公開2003/0152823号公報 米国特許出願公開2001/0028977号公報 PCT/GB2007/050420
J. Organomet. Chem., 1972, 46, 109 J. Am. Chem. Soc., 1958, 692 J. Am. Chem. Soc., 1957, 79, 2748
本発明の目的は、上述した欠点の1つ以上を打開するか又は改善することである。本発明のさらなる目的は、レドックス燃料電池に用いるための改善された陰極電解液(catholyte solution)を提供することである。
PCT/GB2007/050420は、PEM燃料電池における有効なメディエーターとしての修飾フェロセン種の使用を記載している。フェロセンそれ自体は、それが荷電しておらず、充分には可溶性でなく、Fe(III)型は正電荷を有しており、これがカチオン交換膜を用いるPEM燃料電池に用いるのに不適当にしているので、この目的には理想的には適していない。PCT/GB2007/050420は、フェロセンの溶解度を向上させ、その化学種の電荷を操作することを可能にするための、フェロセンの化学修飾を記載している。
フェロセン種が、カチオン交換膜を含むPEM燃料電池の陰極電解液に用いられるものであるなら、それは好ましくはその酸化型において非イオン性であることが好ましく、あるいはアニオン性であることがより好ましい。PCT/GB2007/050420は、アニオン電荷を、アニオン電荷導入基、例えば、カルボキシレート、ホスフェート、又はホスホネート基でフェロセンを修飾することによって導入することができることを開示している。より強い酸性基、例えば、スルホネート及びサルフェートも導入することができる。
あるいは、この修飾したフェロセン種が、アニオン交換膜を含むPEM電池において陰極電解液として用いられる場合は、その還元型が非イオン性であることが好ましく、カチオン性であることがより好ましい。PCT/GB2007/050420は、フェロセンを、カチオン電荷導入基、例えば、プロトン化アミン又は四級アミン基でフェロセンを修飾することによって、カチオン電荷をフェロセンに導入できることを開示している。
しかし、いくらかのフェロセン系メディエーターの酸化型の寿命を引き延ばすことが望ましい。これは、陰極電解液中でのフェロセン種の安定性及び寿命と、それが交換されることなく繰り返して酸化及び還元されうる回数を増大させうる。
したがって、本発明はレドックス燃料電池を提供し、これは、イオン選択性ポリマー電解質膜によって分離されたアノード及びカソード;電池のアノード領域に燃料を供給するための手段;電池のカソード領域に酸化剤を供給するための手段;アノードとカソードとの間の電気回路をもたらすための手段;カソードと液体接触 (fluid communication) して流れる少なくとも一種の不揮発性陰極電解質成分を含む陰極電解液(catholyte solution)、を含み、
その陰極電解液は、シクロペンタジエニル環の間に少なくとも1つの架橋単位を含む修飾されたフェロセン種を含み、
その修飾されたフェロセン種は、その電池の作動中にカソードで少なくとも部分的に還元され、且つ酸化剤との直接反応によって、又はそのフェロセンメディエーターの再生を触媒するレドックス触媒を用いての酸化剤との間接的反応によって、カソードにおけるそのような還元の後で酸化剤との反応によって少なくとも部分的に再生される。
シクロペンタジエン環の間に架橋単位をもつ修飾されたフェロセンの使用は、高められた安定性をもつメディエーターへの接近手段をもたらしうる。フェロセンを架橋する単位は、別の反応経路よりも、可逆的レドックス挙動の起こりやすさを増大させる。
さらに、この架橋単位は、この錯体について、電位を調節し、溶解性を助け、及び/又は全体の電荷を操作することができる官能基を組み込むためのさらなる部位をもたらす。
本発明による燃料電池の一つの好ましい形態では、修飾されたフェロセン種は以下の式で表すことができる。
A-(B)n-Cは一緒に、二価のヘテロな環架橋基(heteroannular bridging group)を含み;nは1〜6である。
この二価のヘテロな環架橋基は、C〜C20アルキリデン、C〜C20シクロアルキリデン、C〜C20アリーリデン、C〜C20アルキルアリーリデン、C〜C20アルケニリデンから例えば選択でき、これらは任意選択で1つ以上のヘテロ原子を含んでいてもよい。ヘテロ原子は、存在する場合、例えば、酸素、窒素、リン、及び硫黄から選択することができる。
A、B〜B、及びCは独立に、炭素、硫黄、酸素、窒素、及びリンから、並びにこれらの原子を含む官能基から選択される。
シクロペンタジエニル環の間の架橋単位(A-(B)n-C)の数は、1〜5であることができる。各場合に、nは1〜6であることができる。好ましくは、架橋単位の数は1〜3であり、より好ましくは2〜3である。各架橋単位(A-(B)n-C)は、同じでも異なっていてもよい。
好ましくは、nは1〜3であり、より好ましくは1〜2である。
原子A、B、及びCの種類、及びさらなる原子の連鎖(これはB、B、B...等と標識できる)は、炭素、硫黄、酸素、窒素、リン、及びこれらの原子を含む官能基であってもそうでなくてもよい。原子A、B、B、B、B、B、B、及びCの種類は、同じでもそうでなくてもよいが、相互に排他的ではない。
その又はそれぞれの架橋単位(A-(B)n-C)は同じであっても異なっていてもよく、-A-、-B-、-B-、-B-、-B-、-B-、-B-、及び-C-は独立に、置換又は非置換の、分枝鎖又は直鎖の-(CH)-、-CH(アルキル)-、-C(アルキル)-、-CH(アルケニル)-、-C(アルケニル)-、-CH(アルキニル)-、-C(アルキニル)-、-CH(アリール)、-CH(ヘテロアリール)、-O-、-S-、-(NH)-、-N(アルキル)-、-CH(OH)-、-CH(O-アルキル)-、-C(=O)-、-C-O-C(=O)-、又は-O-C(=O)-O-C(=O)-の適合性(コンパチブル)の組み合わせから選択されることが好ましい。
フェロセン架橋単位A、B、及びCは、さらなる置換基をもっていてもよく、置換基は独立に、水素、並びにハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、プロトン化アミノ、イミノ、ニトロ、シアノ、アシル、アシルオキシ、サルフェート、スルホニル、スルフィニル、アルキルアミノ、プロトン化アルキルアミノ、四級アルキルアンモニウム、カルボキシル、カルボン酸、エステル、エーテル、アミド、スルホネート、スルホン酸、スルホンアミド、ホスホン酸、ホスホネート、ホスフェート、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルコキシカルボニル、アルキルスルフィニル、アルキルチオ、アリールチオ、アルキル、アルコキシ、オキシエステル、オキシアミド、アリール、アリールアミノ、アリールオキシ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、(C2〜C5)アルケニル、(C2〜C5)アルキニル、アジド、フェニルスルホニルオキシ、式-CO-W-OHを有するアミノ酸コンジュゲート(式中、Wはアミノ酸である)、及び1つ以上の前記官能基で置換された、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アルカリール(alkaryl)、アルケナリール(alkenaryl)、アラルキル、アラルケニル基、から選択される。
特に好ましい置換基には、フルオロ、ヒドロキシ、アミノ、プロトン化アミノ、ニトロ、アルキルアミノ、プロトン化アルキルアミノ、四級アルキルアンモニウム、カルボン酸、スルホネート、スルホン酸、ホスホン酸、ホスホネート、及び、前記の官能基の1つ以上で置換された、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アルカリール、アルケナリール、アラルキル、アラルケニル基が含まれる。
その又はそれぞれの架橋単位は、任意の架橋上の任意の架橋原子において、任意の好適な数のスペーサー及び/又は官能基(例えば、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、アルカリール、アルケナリール、アセチレンなど)でさらに分岐及び/又は鎖延長されていてもよい。このスペーサー基は直鎖状又は分枝状であっても、前述した単位の組み合わせであってもよい。
各架橋単位A、B、及びCは任意の数の置換基を有していてもよく、各場合にそれら置換基は同じであっても異なっていてもよい。
結合したヘテロな環架橋基単位(heteroannular bridging unit)なしの任意のフェロセンの部位は、独立に、水素で、又は、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、イミノ、ニトロ、シアノ、アシル、アシルオキシ、サルフェート、スルホニル、スルフィニル、アルキルアミノ、カルボキシル、カルボン酸、エステル、エーテル、アミド、スルホネート、スルホン酸、スルホンアミド、ホスホン酸、ホスホネート、ホスホン酸、ホスフェート、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルコキシカルボニル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルチオ、アリールチオ、アルキル、アルコキシ、オキシエステル、オキシアミド、アリール、アリールアミノ、アリールオキシ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、アジド、フェニルスルホニルオキシ、又は式-CO-W-OHを有するアミノ酸コンジュゲート(式中、Wはアミノ酸である)、及び1つ以上の前記官能基で置換された、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アルカリール(alkaryl)、アルケナリール(alkenaryl)、アラルキル、アラルケニル基、を含めた官能基で置換されていてもよい。
特に好ましい置換基には、フルオロ、ヒドロキシ、アミノ、プロトン化アミノ、ニトロ、アルキルアミノ、プロトン化アルキルアミノ、四級アルキルアンモニウム、カルボン酸、スルホネート、スルホン酸、ホスホン酸、ホスホネート、及び、前記の官能基の1つ以上で置換された、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アルカリール、アルケナリール、アラルキル、アラルケニル基が含まれる。
本発明の燃料電池に用いるためのそのような修飾されたフェロセン種の例には以下のものが含まれる。
したがって、フェロセンメディエーター種の安定性を向上させるために、1つ以上の二価のヘテロな環架橋単位を導入することができることがわかる。加えて、本発明の修飾したフェロセン種がもつ電荷を容易に変えることができ、フェロセンの特性をそれが用いられる電池の特定条件に適合させることができる。例えば、それは、陰極電解液のpH、及び膜内の交換可能なイオンの電荷に適合させることができる。さらに、シクロペンタジエニル環又は架橋自体のいずれかへの電子供与性置換基又は電子吸求性置換基のいずれかの導入は、フェロセン種の酸化還元電位(レドックス電位)を調整するために用いることができる。
本発明にしたがって、そのようなレドックス燃料電池に用いるための陰極電解液も提供される。
陰極電解液中の修飾されたフェロセン種の濃度は、少なくとも約0.0001Mであることが好ましく、より好ましくは少なくとも約0.005M、最も好ましくは少なくとも約0.001Mである。
本発明の一つの好ましい態様では、イオン選択的PEMは、その他のカチオンに対してプロトンを有利に選択するカチオン選択膜である。PEMがカチオン選択膜である場合、陰極電解液のpHは好ましくは7未満、より好ましくは4未満、なおさらに好ましくは2未満、最も好ましくは1未満である。
上記のカチオン選択性ポリマー電解質膜は、任意の好適な材料から形成することができるが、カチオン交換能を有するポリマー基材を含むことが好ましい。好適な例には、フッ素樹脂タイプのイオン交換樹脂、及び非フッ素樹脂タイプのイオン交換樹脂が含まれる。フッ素樹脂タイプのイオン交換樹脂には、パーフルオロカルボン酸樹脂、パーフルオロスルホン酸樹脂などが含まれる。パーフルオロカルボン酸樹脂が好ましく、例えば、「ナフィオン(Nafion)(登録商標)」(Du Pont社)、「フレミオン(Flemion)(登録商標)」(旭硝子社)、「アシプレックス(Aciplex)(登録商標)」(旭化成社)などがある。非フッ素樹脂タイプのイオン交換樹脂には、ポリビニルアルコール、ポリアルキレンオキシド、スチレン-ジビニルベンゼンイオン交換樹脂など、及びそれらの金属塩が含まれる。好ましい非フッ素樹脂タイプのイオン交換樹脂には、ポリアルキレンオキシド−アルカリ金属塩錯体が含まれる。これらは、例えば、塩素酸リチウム又は別のアルカリ金属塩の存在下でエチレンオキシドオリゴマーを重合させることによって得られる。その他の例には、フェノールスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリトリフルオロスチレンスルホン酸、スルホン化トリフルオロスチレン、α,β,β-トリフルオロスチレンモノマーに基づくスルホン化コポリマーの、放射線グラフト膜が含まれる。非フッ素化膜には、スルホン化ポリ(フェニルキノキサリン)、ポリ(2,6-ジフェニル-4-フェニレンオキシド)、ポリ(アリールエーテルスルホン)、ポリ(2,6-ジフェニルエノール);酸ドープしたポリベンゾイミダゾール、スルホン化ポリイミド;スチレン/エチレン-ブタジエン/スチレントリブロックコポリマー;部分的にスルホン化したポリアリーレンエーテルスルホン;部分的にスルホン化したポリエーテルエーテルケトン(PEEK);及び、ポリベンジルスルホン酸シロキサン(PBSS)が含まれる。
ポリマー電極膜がアニオン選択的である態様では、陰極電解液が7より大きなpHを有することが好ましい。より好ましい態様では、陰極電解液は8より大きなpHを有する。
いくつかの場合には、イオン選択性ポリマー電解質膜が二重膜(bi-membrane)を含むことが望ましい可能性がある。この二重膜は、もし存在する場合は、第一のカチオン選択膜と第二のアニオン選択膜とを通常含む。この場合、二重膜は、反対電荷選択膜の隣接ペアを含みうる。例えば、二重膜は、それらの間に任意のギャップで並んで配置されうる少なくとも2枚の別個の膜を含みうる。好ましくは、このギャップの大きさは、それがある場合、本発明のレドックス電池内で最小に保たれる。二重膜の使用は、アノードと陰極電解液との間のpH低下による電位を保つことによって、電池の電位を最大化するために、本発明のレドックス燃料電池に用いることができる。理論によって限定されることなく、この電位を膜システム中で保つためには、このシステム中のいくつかの点で、プロトンは主要な電荷輸送担体でなければならない。単一のカチオン選択膜は、膜内において陰極電解液からのその他のカチオンの自由移動によって、同程度にはこのことを達成できない。
この場合、カチオン選択膜は、二重膜のカソード側に配置でき、アニオン選択膜は二重膜のアノード側に配置することができる。この場合、カチオン選択膜は、電池の作動中、膜のアノード側からカソード側へ膜を通ってプロトンが通過できるように適合される。アニオン選択膜は、プロトン以外のカチオン性物質を、膜のカソード側からアノード側へ通過することを実質的に防ぐように適合される。この場合、プロトンはアノードからカソードへ通過しうる。
本発明の第二の態様では、カチオン選択膜は二重膜のアノード側に配置され、アニオン選択膜は二重膜のカソード側に配置される。この場合、カチオン選択膜は、電池の動作中に膜のアノード側からカソード側へ膜を通ってプロトンが通過することを可能にするように適合される。この場合、アニオンはカソード側から二重膜の間の空間へと通過することができ、プロトンはアノード側から通過する。この場合には、二重膜の間の空間からそのようなプロトン及びアニオン性物質を流し出すための手段を備えていることが望ましい。そのような手段には、カチオン選択膜中の1つ以上の孔が含まれ、これは膜を直接通るそのような流し出しを可能にする。そのカチオン選択膜の周りの洗い流される物質をその間の空間からその膜のカソード側に運ぶための、代替の手段を備えていてもよい。
有用なバイポーラ膜の代表例である、アノード側にアニオン選択膜を用いた配置は、商品名ネオセプタ(Neosepta)(R)(登録商標)BP−1で販売されており、トクヤマ社から入手可能である。
本発明の別の側面によれば、イオン交換膜燃料電池の作動させる方法を提供し、その方法は以下のステップを含む:
a)イオン交換膜に隣接して配置されたアノードでHイオンを形成させるステップ;
b)そのイオン交換膜に隣接して反対側に配置されたカソードに、酸化された状態の修飾されたフェロセン種を含む本発明の陰極電解液を供給するステップ;
c)電荷をバランスさせるためにHイオンが膜を通過するのと同時に、その修飾されたフェロセン種がカソードと接触して還元されるステップ。
別の態様では、陰極電解液は、陰極電解液貯蔵部から供給される。
上の側面の方法は、以下のステップを追加して含んでもよい。
d)陰極電解液をカソードから再酸化ゾーンへと送り、再酸化ゾーンにおいて、修飾されたフェロセン種が、酸化剤と反応する触媒によって再酸化されるステップ。
別の態様では、上の側面の方法は以下のステップを含む。
e)陰極電解液を再酸化ゾーンから陰極液貯蔵部へと送るステップ。
この態様では、電池は循環式であり、修飾されたフェロセン種はカソードにおいて、置き換えられることなく繰り返し酸化及び還元されることができる。
電力を負荷するように構成された電気負荷デバイスも、本発明の燃料電池と関連して備えられることができる。
本発明の燃料電池は、利用可能な燃料前駆体、例えば、LPG、LNG、ガソリン、又は低分子量アルコールを、水蒸気改質反応によって燃料ガス(例えば、水素)に変換するように構成されたリフォーマー(改質装置)を含んでもよい。電池は、さらに、アノード室に改質された燃料ガスを供給するように構成された燃料ガス供給装置を含んでいてもよい。
好ましい燃料には、水素;金属水素化物、例えば、水素化ホウ素(これはそれ自身燃料として又は水素の供給源として機能しうる)、低分子量のアルコール、アルデヒド、及びカルボン酸、糖類、及びバイオ燃料、並びにLPG、LNG、又はガソリン、が含まれる。
好ましい酸化剤には、空気、酸素、及びパーオキシドが含まれる。
本発明のレドックス燃料電池のアノードは、例えば、水素ガスアノード又は直接メタノールアノード(その他の低分子量アルコール、例えば、エタノール、プロパノール、ジプロピレングリコール;エチレングリコール;これらから形成されたアルデヒド、及び酸種、例えば、ギ酸、エタン酸など)であってもよい。さらに、アノードは、バイオ燃料電池タイプのシステムから形成されていてもよく、このシステムではバクテリア種が燃料を消費し、電極で酸化されるメディエーターを産生するか、あるいはバクテリア自身が電極に吸着されてアノードに電子を直接供与する。
本発明のレドックス燃料電池のカソードは、カソード物質として、カーボン、金、白金、ニッケル、金属酸化物種を含んでいてもよい。しかし、本発明の有利な陰極電解液の結果として、そのようなカソードの使用は、満足できる電力出力を達成するために必須ではない。したがって、好ましいカソード物質には、カーボン、ニッケル、チタン、及び具体的な陰極電解液中で不活性なその他の金属、並びに金属酸化物又は金属硫化物が含まれる。カソードのための一つの好ましい物質は、網目状ガラス質カーボン又はカーボンファイバーに基づく電極、例えば、カーボンフェルトである。別のものはニッケル発泡体もしくはニッケルメッシュ、又はチタン発泡体もしくはチタンメッシュである。カソード物質は、微粒子カソード物質の微細分散液から構築されることができ、この微粒子分散液は適切な接着剤によって又はプロトン伝導性ポリマー物質によって一緒につなぎ合わせられる。カソードは、カソード表面への陰極電解液の最大の流れを作り出すように設計される。したがって、それは成形された流れ調節器又は三次元電極からなっていてもよく、液体の流れは、電極に隣接して液体通路があるフローバイ機構(flow-by arrangement)で行ってもよく、あるいは三次元電極の場合には、液体は電極を通って流される。電極の表面も電極触媒であることが意図されるが、電極触媒は、堆積した粒子の形態で電極の表面に接着していることが有利でありうる。
電池の作動中にカソード室の溶液中に流れる修飾されたフェロセン種は、燃料電池反応の間に形成された電子のための電子シンク(electron sink)として機能するメディエーターとして、本発明で用いられる。メディエーターのこの還元に続いて、それは酸化剤と反応する触媒によって再酸化される。
本発明の燃料電池で用いられる、修飾されたフェロセン種、及び全ての触媒レドックスカップルは、不揮発性であるべきであり、水性溶媒に溶けることが好ましい。好ましい触媒カップル種は、燃料電池の電気回路内に有用な電流を作り出すために有効な速度で酸化剤と反応するべきであり、その酸化剤と反応して、水が反応の最終生成物であるべきである。
本発明の燃料電池は、陰極電解液中に少なくとも約0.0001Mの変性されたフェロセン種の存在を必要とする。しかし、触媒レドックスカップルが、変性されたフェロセン種に加えて陰極電解液中に含まれるべきである。そのような触媒レドックスカップルの多くの好適な例があり、それには連結された遷移金属錯体及びポリオキソメタレート種が含まれる。本発明の燃料電池に有用なポリオキソメタレート触媒種の具体例は、同時係属中の英国特許出願GB0605878.8に開示されている。そのような錯体を形成することができる好適な遷移金属イオンの具体例には、マンガン(II−V)、鉄(I−IV)、銅(I−III)、コバルト(I−III)、ニッケル(I−III)、クロム(II−VII)、チタン(II−IV)、タングステン(IV−VI)、バナジウム(II−V)、及びモリブデン(II−VI)が含まれる。連結された遷移金属錯体のための配位子は、炭素、水素、酸素、窒素、硫黄、ハロゲン、及び/又はリンを含むことができる。
本発明において有用な代替の触媒は、多座N−供与配位子の錯体である。そのような配位子は、PCT/GB2007/050421及び2008年1月23日に出願した我々の同時係属出願GB(P509433GB及びP509434GB)に記載しており、任意の好適な金属又は複数金属、例えば遷移金属と配位しうる。そのようなN−供与配位子の例は、N4Py及びその誘導体、pyジエン(pydien)又はその誘導体、及びトリレン(trilen)及びティーペン(tpen)並びにその誘導体から選択することができる。これらの例のN−供与体の鉄錯体は、燃料電池システムのレドックスメディエーターの酸化のための有効な触媒であることを発見している。
本発明の様々な側面を、本発明の態様を図示する以下の図面を参照してより詳細に説明する。
図1は、本発明による燃料電池のカソード区画の概略図を示す。 図2は、本発明の架橋したフェロセン種から選択した物の合成のための反応スキームを示す。 図3は、1’-3,3’-[32]-フェロセノファン-4,5’-ジスルホン酸のサイクリックボルタモグラムを示す。 図4は、1,1’-ビス(スルホネート)フェロセンジアンモニウム塩のUV可視スペクトルを示す。 図5は、1’-3,3’-[32]-フェロセノファン-4,5’-ジスルホン酸のUV可視スペクトルを示す。 図6は、本発明による陰極電解液の分極曲線を示す。
図1を参照すると、カソード3からアノード(図示せず)を分離しているポリマー電解質膜2を含む、本発明による燃料電池1のカソード側を示している。カソード3はこの図では網目状カーボンを含み、したがって多孔質である。ポリマー電解質膜2は、カチオン選択性のナフィオン(Nafion)(登録商標)112膜を含み、これを通して、アノード室における燃料ガス(この場合は水素)の酸化(任意選択により触媒酸化)によって生じるプロトンが、電池の作動中に通過する。燃料ガスの酸化によってアノードで生じた電子11は、電気回路(図示せず)に流れ、カソード3に戻される。燃料ガス(この場合は水素)が、アノード室の燃料ガス通路(図示せず)に供給される一方、酸化剤(この場合は空気)が、カソードガス反応室5の酸化剤入口4に供給される。カソードガス反応室5(触媒再酸化ゾーン)は、出口6を備え、ここから燃料電池反応の副生成物(例えば、水及び熱)が排出される。
触媒と酸化された形態の修飾されたフェロセン種とを含む陰極電解液が、電池の作動中に、陰極電解液貯蔵部7からカソード入口通路8へと供給される。陰極電解液は、膜2の隣に配置された網目状カーボンカソード3に入る。陰極電解液がカソード3を通るときに、修飾されたフェロセン種及び触媒が還元され、次にカソード出口通路9を通ってカソードガス反応室5に戻される。
本発明の陰極電解液の有利な組成によって、修飾されたフェロセン種と触媒の再酸化が非常に迅速に起こり、これが、従来技術の陰極電解液によるよりも燃料電池がより高い持続的な電流を生み出すことを可能にしている。
以下の非限定的な例は、架橋したフェロセンからの選択物の合成を記載している。
〔例1〕
[3n]-フェロセノファン類の一般的合成
J. Organomet. Chem., 1972, 46, 109に、T. D. Turbitt及びW. E. Wattsによって報告された手順。
(a)[3n]-フェロセノファン-1-オン類
フェロセン誘導体(1当量)を無水DCMに溶かし、−78℃に冷やした。その温度になったら、少しずつ添加したAlCl(1当量)でその混合物を処理した。アクリロイルクロライド(1当量)を無水DCMに溶かし、そのフェロセン混合物に滴下により1時間で添加し、温度を−78℃に保った。混合物をこの温度でさらに4〜6時間撹拌し、次に氷水で反応を停止させ、次にTiCl(HCl中12%)で処理して、DCMで抽出した。有機抽出物を一緒にし、MgSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去して暗色固体を得た。精製はシリカゲル上で、リグロインで溶出して行って出発原料を回収し、さらにリグロイン/EtO(3/1 v/v)で溶出してフェロセン−ケトン生成物を回収した。
(b)[3n]-フェロセノファン-1-オン類の還元による[3n]-フェロセノファン類の形成
窒素下でLiAlH(2当量)を無水EtOに懸濁させ、0℃に冷やし、次にAlCl(2当量)を滴下して添加し、その温度を保った。この混合物に次に、無水DCMに溶かしたフェロセノファン-1-オン誘導体(1当量)を滴下して処理した。出発物質の消費が薄層クロマトグラフィーで確認されるまで、典型的には30〜60分、混合物を室温で撹拌した。混合物を氷水でゆっくり反応停止させ、セライトを通して濾過して無機残渣を除去し、次に生成物をEtOで抽出した。有機層を一緒にし、MgSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去し、典型的には明るい黄色固体を得た。必要であれば、生成物を、リグロインで溶出してシリカゲル上で精製した。
〔実施例2〕
[3n]-フェロセノファン類のスルホン化の一般的手順
J. Am. Chem. Soc., 1958, 692に以前報告された合成手順に基づく合成法。
フェロセン誘導体(1当量)を無水酢酸に懸濁させ、クロロスルホン酸(2.1当量)を滴下して処理した。クロロスルホン酸の添加は、約40℃への反応温度の上昇を引き起こす。混合物を室温で、最低限夜通し撹拌し、目で見て、色が暗緑色のスラリに変わった。この混合物を氷で反応停止させ、次にNaOHで中和し、洗浄液が無色になるまで水溶液をEtOで洗った。全ての酢酸ナトリウムが消費されて酢酸となるまで、混合物をHSOで酸性にした(約pH3)。全ての固体を濾過で除去して廃棄した。生成物をCHCNで抽出した(溶液中の硫酸ナトリウムは、通常混和性であるアセトニトリルと水の二層を形成させた)。溶媒を減圧下で除去し、暗黄色固体を得た。Ba(OH)での処理と、続いてセライトとカチオン交換カラムを通すことによって、微量の硫酸ナトリウムを除去することができる。
〔実施例3〕
[31]-フェロセノファン-1-オン、1の合成
実施例1(a)の一般手順に従い、且つ図2を参照する。
DCM(4L)中のフェロセン(200g、1.05モル)を、AlCl(144g、1.06モル)及びアクリロイルクロライド(100g、1.06モル)で処理して1を赤/橙色固体として得た(138g、55%)。1H NMR (200 MHz, CDCl3): δ4.90 (2H,ブロード, H2-Cp1), 4,65 (2H, ブロード, H2-Cp2), 4.40 (2H, ブロード, H2-Cp 1), 4.05 (2H, ブロード, H3-Cp2), 3.00 (4H, ブロード, -CH2-α,γ)。MSES+: m/z 240.0 [M]+
〔実施例4〕
[31]-フェロセノファン、2の合成
実施例1(b)の一般手順に従い、且つ図2を参照する。
1(150g、0.56モル)をEtO(2L)中、AlCl(110g、0.81モル)及びLiAlH(32g、0.83モル)で処理し、2(125g、98%)を得た。1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ3.90 (4H, d, H3-Cp), 3.85 (4H, d, H2-Cp), 1.90 (2H, m, β-CH2), 1.80 (4H, m, α/γ-CH2)。MSES+: m/z 226.1 [M]+
〔実施例5〕
[31]-フェロセノファンジスルホン酸、3の合成
実施例2の一般手順に従い、図2を参照する。
2(1.75g、7.7ミリモル)を無水酢酸(35mL)中、クロロスルホン酸(1.1mL、16.5ミリモル)で処理し、複数のα/α’-α/β’-等の異性体類の粗混合物を得た。同様の結果が以前、J. Am. Chem. Soc., 1957, 79, 2748に報告されている。
〔実施例6〕
1,1’-[31]-フェロセノファン-3,3’-トリメチル-1-オン、4の合成
実施例1(a)の一般手順に従い、図2を参照する。
DCM(4L)中の2(200g、0.88モル)を、AlCl(120g、0.88モル)及びアクリロイルクロライド(98g、1.04モル)で処理し、2(50%)を回収するとともに、4(100g、40%)を橙色油性固体として得た。1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ4.85 (1H, s, H2-Cp1), 4.60 (1H, s, H2-Cp2), 4.55 (1H, d, H5-Cp1), 4.45 (1H, d, H4-Cp1), 4.20 (1H, d, H5-Cp2), 3.75 (1H, d, H4-Cp2), 3.20-1.60 (10H, 多重シグナル, H-アルキル)。Rf = 0.4 (シリカゲル; Et2O/リグロイン, 1/1, v/v)。MSES+: m/z 303.0 [M+Na]+; 335.0 [M+Na+MeOH]+; 582.7 [2M+Na]+。Rf = 0.16 (シリカゲル; リグロイン/Et2O 75/25)。
〔実施例7〕
1,1’-3,3’-[32]-フェロセノファン、5の合成
実施例1(b)の一般手順に従い、図2を参照する。
無水EtO(200mL)中の4(2.5g、9.0ミリモル)を、AlCl(1.2g、9.0ミリモル)及びLiAlH(350mg、9.0ミリモル)で処理し、黄色/橙色固体5を得た(2.4g、99%)。1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ3.90 (4H, s, H4-Cp, H5-Cp), 3.80 (2H, s, H2-Cp), 2.00 (4H, ブロード, CH2-β), 1.70 (8H, ブロード, CH2-αγ)。Rf = 0.9 (シリカゲル; Et2O/リグロイン, 1/1, v/v)。ESMS+: m/z 266.1 [M]+
〔実施例8〕
1,1’-3,3’-[32]-フェロセノファン-4,5’-ジスルホン酸、6の合成
実施例2の一般手順に従い、図2を参照する。
無水酢酸(2.5L)中、クロロスルホン酸(189g、1.6モル)で5(200g、0.76モル)により、6(100g、31%)を得た。1H NMR (300 MHz, D2O): δ4.50 (2H, s, H4-Cp1, H5-Cp2), 4.15 (2H, H2-Cp1, H2-Cp2), 2.20 (8H, m, アルキル), 1.70 (4H, m, アルキル)。MSES-: m/z 212.3 [M-2H]2-; 424.9 [M-2H]-; 447 [M-2H+Na]-
〔実施例9〕
1,1’-3,3’-[32]-フェロセノファン-4,4’-トリメチル-1-オン、7の合成
実施例1(a)の一般手順に従い、図2を参照する。
5(2.0g、7.5ミリモル)を無水DCM(150mL)に溶かし、−78℃に冷やした。混合物をAlCl(1.0g、7.5ミリモル)で処理し、次に無水DCM(30mL)に溶かしたアクリロイルクロライド(0.6mL、7.6ミリモル)を1時間にわたって滴下して添加した。混合物を−78℃さらに6時間激しく撹拌した。混合物を常温に温めて、次に水で反応停止させた。粗物質をDCMに抽出し、TiCl(HCl中12%、1〜2mL)を用いて層を分離させる処理をした。有機層を残し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で溶媒を除去した。精製はシリカゲル上で、リグロインからリグロイン/ジエチルエーテル(75/25 v/v)の勾配溶出で行った。かなりの量の5(558mg、28%)のほかに、生成物7を橙色固体として単離した(260mg、11%)。1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ4.20 (1H, s, H1-Cp1), 3.85 (1H, s, H2-Cp1), 3.65 (2H, m, H1-Cp2, H2-Cp2), 2.00 (16H, ブロード多重線, H-アルキル)。Rf = 0.2(シリカゲル; リグロイン/Et2O 75/25)。
〔実施例10〕
[33]-フェロセノファン、8の合成
実施例1(b)の一般手順に従い、図2を参照する。
7(260mg、0.81ミリモル)を、無水ジエチルエーテル(110mL)中で、AlCl(220mg、1.65ミリモル)とLiAlH(60mg、1.57ミリモル)で処理し、明るい黄色固体8(187mg、76%)を得た。Rf = 0.9 (シリカゲル; リグロイン/Et2O 4/1 v/v)。
〔実施例11〕
[31]-フェロセノファン-1-オール、9の合成
1(200mg、0.85ミリモル)を無水EtO(30mL)中に溶かし、0℃に冷やした。混合物を次に0℃でLiAlH(52mg、1.37ミリモル)で処理し、常温までゆっくりと温めた。混合物の色が変わるのが目視で観察される。1時間後、混合物を蒸留水で反応停止させた[注意。LiAlHは水と激しく反応して非常に可燃性のガスを放出する]。生成物9をEtOで抽出し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させて明るい黄色固体を得た(187mg、97%)。MS(ES+): m/z 242.1 [M]+
本発明の陰極電解液の製法は以下の例に記載した。
〔実施例12〕
(a)0.5cmのガラス質のカーボン電極、(b)電極から約2mm離れた末端に配置されたルギン管をもつ参照カルメル電極(SCE)、及び(c)白金対向電極、を有する標準の3電極セルを組み立てた。
pH2.5にて0.1MのHSO/NaSO中の0.01Mの1’-3,3’-[32]-フェロセノファン-4,5’-ジスルホン酸の溶液を調製した。溶液を75℃に加熱しながら、0.1V/sで500連続サイクルを超えてサイクリックボルタモグラムを記録した。この時間の間、電流に低下はなく、フェロセン種がこれらの条件下で安定であることを示している。さらに、CVは70mVのピーク分離をもつ可逆的電気化学を示している。図3は、標準カロメル参照電極に対する、与えられた電位での100掃引を含む例示のボルタモグラムを示している。
〔実施例13〕
架橋されていないフェロセン種である1,1’-ビス(スルホナート)フェロセンジアンモニウム塩と、架橋したフェロセン種である1’-3,3’-[32]-フェロセノファン-4,5’-ジスルホン酸の酸性溶液の相対的安定性を、UV可視分光法を用いて試験した。参照キュベット中の水を用いるダブルビーム装置中で、1cmの石英キュベットを用いた。
1,1’-ビス(スルホナート)フェロセンジアンモニウム塩の2.0mM溶液を、pH2.5にて0.1Mグリシン緩衝液中に調製した。UV可視スペクトルを、この溶液の一部を室温で光の中に50分の間立てておく前と後に記録した。吸光度の実質的な低下がこの50分間の後で観察され、この架橋していないフェロセンがこの環境中で不安定であることを示している(図4)。
1’-3,3’-[32]-フェロセノファン-4,5’-ジスルホン酸の1.1mM溶液を、pH2.5にて0.1MのNaSO/HSO緩衝液中に調製した。UV可視スペクトルを、この溶液の一部を1週間、室温にて光の中に立てておく前と後で記録した。この延長した時間の後でさえ、記録されたUV可視スペクトルに非常にわずかな変化しかなく(図5)、これは、架橋単位の導入が、これらの条件下でこのフェロセン種の安定性を大きく高めていることを示している。
〔実施例14〕
本発明の陰極電解液を調製し、その性能を、レドックス電極及び水素アノードを用いて評価した。E-TEK(De Nora Deutschland)からの白金化ガス拡散層、0.05mmのNaFionRTM 25(登録商標)(Du Pont社)膜を用いたIon Power Inc.からの1/2 MEAとともに、市販のアノードを用いた。網状のガラス質カーボン(RVC)電極をカソードに用いた。陰極電解液を、電極を通してポンプ給送し、次に貯蔵部へと通過させ、貯蔵部から陰極電解液は再循環される。全体の液体の体積は100mLだった。
試験した陰極電解液は、0.1MのHSO中に0.01Mの1’-3,3’-[32]-フェロセノファン-4,5’-ジスルホン酸を含んでいた。この溶液を、10分の間、0.75Vの電位を印加することによって燃料電池内で部分的に酸化した。分極曲線を次に記録し、図6に示した。

Claims (32)

  1. イオン選択性ポリマー電解質膜によって分離されたアノード及びカソード;電池のアノード領域に燃料を供給するための手段;電池のカソード領域に酸化剤を供給するための手段;前記アノードと前記カソードとの間の電気回路をもたらすための手段;前記カソードと液体接触して流れる少なくとも一種の不揮発性陰極電解質成分を含む陰極電解液、を含むレドックス燃料電池であって、
    前記陰極電解液は、シクロペンタジエニル環の間に少なくとも1つの架橋単位を含む修飾されたフェロセン種を含み、
    前記修飾されたフェロセン種は、電池の作動中に前記カソードで少なくとも部分的に還元され、且つ前記酸化剤との直接反応によって、又は前記フェロセンメディエーターの再生を触媒するレドックス触媒を用いての前記酸化剤との間接的反応によって、前記カソードにおけるそのような還元の後で前記酸化剤との反応によって少なくとも部分的に再生される、
    レドックス燃料電池。
  2. 前記の修飾されたフェロセン種が以下の式で表される、請求項1記載の燃料電池。
    (式中、
    A-(B)n-Cは一緒に、二価のヘテロな環架橋基を含み;
    nは1〜6であり;
    各B(B1〜6)は同じであるか又は異なっていてよい。)
  3. 前記の二価のヘテロな環架橋基が、任意選択で置換基を有していてもよい直鎖又は分枝鎖の、任意選択により1つ以上のヘテロ原子を含んでいてもよい、C〜C20アルキリデン、C〜C20のアルケニリデン、C〜C20シクロアルキリデン、C〜C20アリーリデン、C〜C20アルキルアリーリデン、C〜C20アリールアルキリデン基から選択される、請求項2記載の燃料電池。
  4. 存在する前記ヘテロ原子又は各ヘテロ原子が、酸素、窒素、リン、及び硫黄から選択される、請求項3に記載の燃料電池。
  5. A、B〜B、及びCが独立に、炭素、硫黄、酸素、窒素、及びリンから、並びにこれらの原子1つ以上を含む官能基から選択される、請求項2〜4のいずれか一項に記載の燃料電池。
  6. 前記シクロペンタジエニル環の間の架橋単位(A-(B)n-C)の数が1〜5であり、前記架橋単位が同じであるか又は異なる、請求項2〜5のいずれか一項に記載の燃料電池。
  7. nが1〜3である、請求項2〜6のいずれか一項に記載の燃料電池。
  8. nが1又は2である、請求項7に記載の燃料電池。
  9. 前記架橋単位又は各架橋単位(A-(B)n-C)が同じであっても異なっていてもよく、且つ、-A-、-B-、-B-、-B-、-B-、-B-、-B-、及び-C-は好ましくは独立に、置換又は非置換の、分枝鎖又は直鎖の-(CH)-、-CH(アルキル)-、-C(アルキル)-、-CH(アルケニル)-、-C(アルケニル)-、-CH(アルキニル)-、-C(アルキニル)-、-CH(アリール)、-CH(ヘテロアリール)、-O-、-S-、-(NH)-、-N(アルキル)-、-CH(OH)-、-CH(O-アルキル)-、-C(=O)-、-C-O-C(=O)-、又は-O-C(=O)-O-C(=O)-の適合性の組み合わせから選択される、請求項2〜8のいずれか一項に記載の燃料電池。
  10. 前記フェロセン架橋単位A、B、及びCがさらなる置換基をもっていてもよく、前記置換基が独立に、水素、並びにハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、プロトン化アミノ、イミノ、ニトロ、シアノ、アシル、アシルロキシ、サルフェート、スルホニル、スルフィニル、アルキルアミノ、プロトン化アルキルアミノ、四級アルキルアンモニウム、カルボキシル、カルボン酸、エステル、エーテル、アミド、スルホネート、スルホン酸、スルホンアミド、ホスホン酸、ホスホネート、ホスフェート、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルコキシカルボニル、アルキルスルフィニル、アルキルチオ、アリールチオ、アルキル、アルコキシ、オキシエステル、オキシアミド、アリール、アリールアミノ、アリールオキシ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、(C2〜C5)アルケニル、(C2〜C5)アルキニル、アジド、フェニルスルホニルオキシ、式-CO-W-OHを有するアミノ酸コンジュゲート(式中、Wはアミノ酸である)、及び前記官能基1つ以上で置換された、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アルカリール、アルケナリール、アラルキル、アラルケニル基、から選択される、請求項2〜9のいずれか一項に記載の燃料電池。
  11. 前記架橋単位又は各架橋単位が、任意の架橋上の任意の架橋原子において、任意の好適な数のスペーサー及び/又は官能基でさらに分岐及び/又は鎖延長されている、請求項2〜10のいずれか一項に記載の燃料電池。
  12. 前記スペーサー基又は各スペーサー基が、直鎖状又は分枝状の、置換又は非置換の、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、アルカリール、アルケナリール、アセチレン、及び前記単位の好適な組合せから独立に選択される、請求項11に記載の燃料電池。
  13. 架橋置換基のない少なくとも1つのフェロセン部位が、独立に、水素で、又は、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、イミノ、ニトロ、シアノ、アシル、アシルオキシ、サルフェート、スルホニル、スルフィニル、アルキルアミノ、カルボキシル、カルボン酸、エステル、エーテル、アミド、スルホネート、スルホン酸、スルホンアミド、ホスホン酸、ホスホネート、ホスホン酸、ホスフェート、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルコキシカルボニル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルチオ、アリールチオ、アルキル、アルコキシ、オキシエステル、オキシアミド、アリール、アリールアミノ、アリールオキシ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、アジド、フェニルスルホニルオキシ、又は式-CO-W-OHを有するアミノ酸コンジュゲート(式中、Wはアミノ酸である)、及び1つ以上の前記官能基で置換された、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、アルカリール、アルケナリール、アラルキル、アラルケニル基、を含めた官能基で置換されている、請求項2〜12のいずれか一項に記載の燃料電池。
  14. 前記修飾されたフェロセン種が以下のものから選択される、請求項1〜13のいずれか一項に記載の燃料電池。
  15. 前記イオン選択性ポリマー電極膜が、カチオン選択性及び/又はプロトン選択性である、請求項1〜14のいずれか一項に記載のレドックス燃料電池。
  16. 前記陰極電解液が酸性である、請求項1〜15のいずれか一項に記載のレドックス燃料電池。
  17. 前記修飾したフェロセン種がその酸化型において非イオン性又はアニオン性である、請求項16に記載の燃料電池。
  18. 前記修飾したフェロセン種がその酸化型においてアニオン性である、請求項17に記載のレドックス燃料電池。
  19. 前記イオン選択性ポリマー電極膜がアニオン選択性である、請求項1〜14のいずれか一項に記載のレドックス燃料電池。
  20. 前記陰極電解液がアルカリである、請求項19に記載のレドックス燃料電池。
  21. 前記修飾されたフェロセン種がその還元型において非イオン性又はカチオン性である、請求項20に記載のレドックス燃料電池。
  22. 前記イオン選択性ポリマー電極膜が二重膜である、請求項1〜14のいずれか一項に記載のレドックス燃料電池。
  23. 前記修飾されたフェロセン種が、前記陰極電解液中に少なくとも0.0001Mの濃度で存在する、請求項1〜22のいずれか一項に記載のレドックス燃料電池。
  24. 前記修飾されたフェロセン種が、前記陰極電解液中に少なくとも0.005Mの濃度で存在する、請求項1〜23のいずれか一項に記載のレドックス燃料電池。
  25. 前記修飾されたフェロセン種が、前記陰極電解液中に少なくとも0.001Mの濃度で存在する、請求項1〜24のいずれか一項に記載のレドックス燃料電池。
  26. 前記陰極電解液が触媒レドックス種をさらに含む、請求項1〜25のいずれか一項に記載のレドックス燃料電池。
  27. 前記の触媒レドックス種が、連結された遷移金属錯体及びポリオキソメタレート種、並びにそれらの組み合わせから選択される、請求項26に記載のレドックス燃料電池。
  28. 前記遷移金属錯体中の遷移金属(1又は複数)が、マンガン(II−V)、鉄(I−IV)、銅(I−III)、コバルト(I−III)、ニッケル(I−III)、クロム(II−VII)、チタン(II−IV)、タングステン(IV−VI)、バナジウム(II−V)、及びモリブデン(II−VI)から選択される、請求項27に記載のレドックス燃料電池。
  29. 前記触媒レドックス種が多座N−供与配位子を含む、請求項26に記載のレドックス燃料電池。
  30. 前記N−供与配位子が1つ以上のピリジン置換基を含む、請求項29に記載のレドックス燃料電池。
  31. 前記触媒レドックス種がN4Py、Pydien、trilen、又はそれらの誘導体である、請求項30に記載のレドックス燃料電池。
  32. 請求項1〜31のいずれか一項に記載した、レドックス燃料電池において用いるための陰極電解液。
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