JP2011507488A - オリゴヌクレオチドおよびその使用 - Google Patents

オリゴヌクレオチドおよびその使用 Download PDF

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Abstract

標的ポリヌクレオチド中のタンデムリピートの数を決定するための方法であって、(a)標的ポリヌクレオチド中のタンデムリピートの1個または複数が一本鎖形態である標的ポリヌクレオチドを含有する試料を提供するステップ、(b)標識プローブオリゴヌクレオチドを標的ポリヌクレオチドの一本鎖部分にハイブリダイズするステップであって、標的ポリヌクレオチドの一本鎖部分中について、プローブオリゴヌクレオチドが前記タンデムリピートの少なくとも1個に相補的であり、かつプローブオリゴヌクレオチドの少なくとも5個のヌクレオチドが前記タンデムリピートに相補的であるステップ、および(c)プローブオリゴヌクレオチドの標的ポリヌクレオチドの一本鎖部分へのハイブリダイゼーションに基づいて標的ポリヌクレオチド中のタンデムリピートの数を決定するステップを含む方法。

Description

本発明は、オリゴヌクレオチドおよび詳細にはDNA中のタンデムリピートの検出におけるそれらの使用に関する。
ホモジニアスポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、TaqMan(商標)プローブ、エクリプスプローブ、分子ビーコン、スコーピオンプライマー、シンプルハイブリダイゼーションプローブ、レゾンセンスプローブ、ゲネピンプローブおよびハイブリダイゼーションビーコン(HyBeacons(登録商標))を含む、特定のDNA配列を検出するためおよび既知の一塩基多型(SNP)をスコアリングするための多数の技術およびプローブシステムは、既知である。これらは、例えば本発明者らの先行する特許出願WO01/73118およびWO2007/010268において考察されている。
多数のDNA多型および変異はSNPであるが、多くはDNA配列のタンデムリピートによる。典型的には、現在のところ、ゲノムDNAにおけるそのようなリピートは、例えば標的DNA配列のPCR増幅に続くサイズ分析またはDNA配列決定によって分析される。DNA中のタンデムリピートを同定するためにオリゴヌクレオチドプローブシステムを使用する試みがなされている(例えばRadtkeyら、(2000) Nucl.Acids Res. 28,e17(i-vi)を参照されたい)が、これまでのところハイブリダイゼーションプローブを使用してこれらのリピート配列を分析する実用的方法はない。
DNAフィンガープリンティングまたはプロファイリングは、Alec Jeffreysによるヒトゲノム内のリピートDNA配列の発見(Jeffreys 1985a,1985b)に続いて彼によって発明された。STR(短鎖タンデムリピート)と呼ばれるリピート配列またはVNTR(可変縦列配列)は、異なる個体で長さが異なるものとして見出された。DNAプロファイリングの最初の記載において多くのそのような遺伝子座は、制限酵素(特定のヌクレオチド配列でDNAを切断し、酵素認識配列間のリピート配列のリピート数に基づいて異なる長さの断片を放出する酵素)の使用によって分類された。DNAプロファイリングの初期において、断片はアガロースゲルで分離され、目的のSTRを含有する特定の断片は放射活性DNAプローブの使用によって同定された。これは、複雑で時間のかかる工程であり、DNAプロファイリングおよび同一性決定の最初の記載から多くの改善および進展が方法に劇的に影響を与え、分析の容易さおよびそれにより処理できる試料の数ならびに識別する労力および経費を改善した。
最新の形態の方法において、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、キャピラリー電気泳動(CE)などの技術によって次に分離されるSTR遺伝子座を増幅するために使用される。UKにおいては、日常的な口腔スワブから重大な犯罪現場の試料に及ぶ年間数十万の試料が、現在二百万を超えるそのようなプロファイルを有する国立DNAデータベースとの比較のために処理されている。
緊急の場合には、わずか1日の作業で口腔スワブなどの単純な試料からプロファイルを作成する検査室の能力にもかかわらず、どのようにすればこれがすべての試料について日常的に達成できるかを考えることは困難である。さらに試料採取から検査室に到着するまでの時間を考慮すると、大部分のプロファイルを直ちに測定できないことは明白である。結果として、得られたDNAプロファイルが分析される前に追加的な証拠が無いことにより拘留中の容疑者を釈放しなければならないことがしばしばある。この結果、比較的軽い犯罪で逮捕され、その後、釈放された個人が所在を特定できれば、再逮捕されなければならない重大な犯罪の犯人として後に判定される可能性がある。これは、時間を無駄にし、経費がかかる作業であるだけでなく、彼らがまだ拘留されている間にプロファイルが入手できていたならば完全に防ぐことができたであろう重大な犯罪を個人がさらに犯す可能性があるなどの危険性もある。
DNA抽出、STR増幅、CEに基づくサイズ分離および分析を含む現在のPCRに基づく方法では、作業および費用ならびに使用される装置の複雑さの観点からSTRプロファイリングは、最後に達成されうる所要時間についての結果的な制約を有する専門的な検査室に主に限られる。しかし、個人がまだ拘留されている内に日常的に結果が得られるようにプロファイリングを十分迅速にするには、分析が現場で実施できるような方法が見出されなければならない。
他の科学捜査的でないDNA分析において、蛍光の単純な変更により単一のチューブ中でDNAが増幅かつ分析される均一なPCRを使用する適切な手法がある。HyBeaconおよびTaqManプローブ(WO01/73118およびWO2007/010268に概説されている)を含むそのような蛍光に基づく多数のプローブシステムが、一塩基多型(SNP)挿入および欠失などのDNA配列における差異を決定するために使用されている。しかし、より長い長さの多型を決定するためには、STRまたは他のDNA配列の分析が必要であり、また実際にはそのような長さの多型がホモジニアスプローブシステムを使用してどのように決定されうるかが明らかであることから、そのようなプローブは使用されていない。
多数のグループが、食物分析での動物種の混合物についてなどの他の配列中での1つのDNA配列の相対的定量、または一塩基多型もしくはSNPの観点からの遺伝子型同定およびキャリア状態についてなどの他の配列中での1つの対立遺伝子バリアントの相対的定量を提供するために例えば増幅が最初に検出されるサイクルを使用する、単一チューブ内でのPCR産物の分析を可能にするホモジニアスプローブシステムを記載している。本発明者らは、融解温度へのそれらの劇的な影響およびこの達成を可能にするHyBeaconsの構造の新たな性質によって、SNPまたは小さな挿入もしくは欠失などのわずかな配列の差異を同定できる新規蛍光プローブシステム、HyBeaconsを以前記載している。そのような手法は、均一で携帯可能である形態でSNPプロファイルによって個人を同定するために使用できた。しかし、一般に遺伝子座1つ当たり対立遺伝子を2個だけ有するSNPと比較して遺伝子座1つ当たり平均10個の対立遺伝領域があるSTRの顕著により可変性である性質から、既存のデータベースは現在STRに基づいている。結果として科学捜査DNAプロファイリングの英国内での業界標準は、個体識別について匹敵するレベルを達成するためにSNP 50〜100個の領域を必要とする代替のSNP分類パネルよりむしろ、STR 10個および性別検査を含むApplied BiosystemsからのSGM+キットである。当然ながら、SNPパネルは個々の試料の比較のために使用できたが、現在では個々の試料と比較できるSTRに基づくデータベースだけがある。
専門的な検査室以外の場で応用されるSTR分類を可能にする試みにおいて、小型化したCEの使用により標準的なプロファイリング方法の種々のステップを均一な形式に組み合わせる努力がなされてきた。そのような小型化されたシステムの主な有利点は、短いキャピラリーがより迅速な分析をもたらすことである。そのようなキャピラリーは、しばしば顕微鏡のスライドにエッチングされ、一般に深さ10〜50μm、幅50μm、長さほぼ数cm程度であり、ガラス製カバースリップで密封される(WooleyおよびMathies, 1994)。射出形成プラスチックの使用などの代替の形式も記載されている(McCormickら、1997)。
長さ数cmの小型化したCEカラムは、カラム長36cmを有するより慣用のABIシステムとは対照的に、分離時間をおよそ45分間からPromega PowerPlex(商標)1.1 STR kitでのわずか2.5分間に短縮できる(Schmalzingら、1999)。96個までの試料を同時にわずか2分間で分析できるキャピラリーアレイシステムも記載されており(Shiら、1999)、さらに近年比較的長い分離時間を有しはするが、多色システムが開発されている(Goedeckeら、2004)。
分離の前にDNAを増幅するための携帯型PCRシステムも必要であり、遺伝子座4個での使用について実証された電池式のシステム(Belgraderら、1998)から、マイクロチップCE装置と統合されたシステム(Lagallyら、2001)までの多数のそのようなシステムが実証されている。今後の課題の内の1つは、迅速な増幅技術を備える多重STRキットの使用である。多重PCRは、慎重な最適化を必要とし、必然的に異なるプライマー対についての反応至適条件間での妥協と均衡を必要とする。迅速PCRは、一般にその反応条件においてよりストリンジェントであり、したがって多重PCRシステムにおいて特に必要であるいかなる妥協についてもより寛容でない。
STRの分析をさらに単純化する試みにおいて、Nanogen Inc.(San Diego, CA)は、PCR増幅した標的が、シリコンマイクロチップの種々の位置に固定化されたさまざまな長さの捕捉プローブにハイブリダイズされるハイブリダイゼーション形式の使用を試みた。末端標識を有する一定の長さのプローブが、次いで標的配列の残りの部分を検出するために使用され、主にリピートでない配列に方向付けられた。リピート単位のハイブリダイゼーション中の翻訳スリップを管理するために電場および温度によって厳密に管理される必要があるストリンジェントな条件下では、プローブおよび捕捉配列を相互に直接近接してハイブリダイズさせられる標的だけが、末端塩基を塩基スタッキングに関与させ、この構造を安定化させた。シグナルはより短い捕捉プローブ配列からも生じるが、そのような複合体は、所与の遺伝子座の種々の対立遺伝子がマイクロチップ上の蛍光の位置によって同定されうるように十分に安定化されていた(Radtkeyら、2000、Westinら、2000)。そのようなプローブは、単一のフルオロフォアで末端標識されており、それらのハイブリダイゼーション状態によって蛍光は変化しなかった。結果としてプローブの捕捉に依存すること、および所与の配列を所与の位置で検出するためにハイブリダイズしていないいかなるプローブも洗浄除去される必要があった。
長さの多型、特にリピート長の多型の同定は、科学捜査的場面においては非常に情報量が多い。しかしそのような多型には、多数の他の用途がある。ヒトゲノム全体には15000種を超えるSTRマーカーが存在しインフォミティに依存して、地図作成研究においてゲノムの数センチモルガンまでを除外するために使用されうる(Weissenbachら、1992)。例としてSTR地図作成研究は、肥大型心筋症に伴う新たな遺伝子座を同定するために使用されている(Watkinsら、1993、Carrierら、1993、Thierfelderら、1993)。
他の長さの多型、特に3塩基リピートの伸長は疾患を、特に筋緊張性ジストロフィー、脆弱X症候群、ハンチントン病、いくつかの脊髄小脳失調症およびフリードライヒ失調症を含む神経変性および他の疾患領域において生じることが知られている(Sinden 1999)。さらに他の長さの多型は、疾患の素因に関連する場合がある。例えばインスリン遺伝子の600塩基上流の14塩基リピート単位からなるミニサテライトは、個体の糖尿病の危険性に影響し(Bellら、1982)、一方ミニサテライト不安定性およびヘテロ接合性の欠失は、肺癌を含む多数の癌の特徴でもある(Ionovら、1993)。マイクロサテライトの不安定性は、高い変位速度およびDNA修復プロセスと相互に関連がある(Loeb, L. A. 1994、Frayling, I. M. 1999)。
長さの多型は、多数の他の種において見出されており、分類の目的のために有益に使用されうる。例えば、南アメリカ分芽菌(Paracoccidioides brasiliensis)は、南アメリカにおいて一千万人が感染すると推定される風土性の真菌症、パラコクシジオイデス症の病原体である(Restrepo-Moreno, 2003)。この臨床的に重要な生物をさらに理解するための個々の単離体および系統学的種についての研究は、近年他での成功を基にMatuteによって修正された(Matuteら、2006)分類用の分子マーカーが無かったことから近年まで阻まれていた。マイクロサテライトマーカーシステムは、多数の他の生物のDNAプロファイリングのための非常に効果的な方法を提供しており、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae) (Hennequin 2001)、アスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)(Bart-Delabesseら、2001)およびカンジダ種(Fouletら、2005)などの真菌を分類するためにうまく使用されている。
同様の分類法が植物種についても発表されている。2000種を超える単純な配列リピートマーカーが、配列決定されたイネゲノム内から同定されており(McCouchら、2002)、他のマーカーもコムギゲノム(Roderら、1998)、イネゲノム(Brondaniら、1998)およびその他の中で同定された。
本明細書において先に発表されたと思われる文書の表または考察は、文書が当技術分野の状況の一部であることまたは慣用の一般的知識であることの承認として解釈される必要はない。
WO01/73118 WO2007/010268
Radtkeyら、(2000) Nucl.Acids Res. 28,e17(i-vi)
本発明は、ポリヌクレオチド配列中の異なる数のタンデムリピート間を検出および識別するために使用しうる、オリゴヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチドの使用方法を提供する。したがって、本発明は、医学的診断および科学捜査の分野における実用性を見出し、父子および続柄の鑑定、連鎖マッピング、細菌の分類、フードチェーンでの追跡管理などにおける応用も見出す。
本発明の第一の態様は標的ポリヌクレオチド中のタンデムリピートの数を決定するための方法であって、
(a)標的ポリヌクレオチド中のタンデムリピートの1個または複数が一本鎖形態である、標的ポリヌクレオチドを含有する試料を提供するステップ、
(b)標識プローブオリゴヌクレオチドを標的ポリヌクレオチドの一本鎖部分にハイブリダイズするステップであって、標的ポリヌクレオチドの一本鎖部分について、プローブオリゴヌクレオチドが前記タンデムリピートの少なくとも1個に相補的であり、かつプローブオリゴヌクレオチドの少なくとも5個のヌクレオチドが前記タンデムリピートに相補的であるステップ、および
(c)プローブオリゴヌクレオチドの標的ポリヌクレオチドの一本鎖部分へのハイブリダイゼーションに基づいて標的ポリヌクレオチド中のタンデムリピートの数を決定するステップ
を含む方法を提供する。
方法は、標的ポリヌクレオチド中のタンデムリピートの数のアッセイであるとも見なされうる。
標的ポリヌクレオチドは、DNAであってよく、またはRNAであってもよい。典型的にはDNAである。
十分知られている通り、多数の天然に存在するポリヌクレオチド、特にDNA分子は(ABCD....)n形態(A、B、CおよびDはヌクレオチドであり、nはヌクレオチド配列が反復される回数である)のリピートなどのタンデムリピートを含有する。リピートはそれよりもより複雑である場合があり、かつ特定のリピートが他の特定のリピートと共に散在する場合もある。典型的には各タンデムリピートは、2または3または4または5または6個のヌクレオチドを含有し、2〜50回またはそれを超えて反復される場合がある、すなわちnは2〜50またはそれを超える場合がある。部分的リピートは反復的な標的配列中に生じる場合がある。さらにSTR対立遺伝子は1つより多い種類のリピートを含む場合があり、反復的要素の間に位置する非反復的配列を含んでもよい、例えばD251338およびFGA STR遺伝子座それぞれ(配列番号1および2)についての(TGCC)m(TTCC)nおよび(TTTC)3 TTTTTTCT(CTTT)nCTCC(TTCC)2。一般的なタンデムリピート配列は、以下のTable 21(表23)に示される。
一般的なタンデムリピートの例は(GATA)n、(CAG)nおよび(TCTTA)nである
いくつかのタンデムリピートにおいて、リピート配列は多型性であってよく、例えば1つまたは複数のリピート配列は、コアリピート配列からわずかに変化している。例えばSTR THO1は特定のコアリピート配列AATGを有する。しかし、9.3と称される1つの対立遺伝子において7番目のリピートは塩基Aを欠いている。実施例12においてより詳細に論じられる通り、いくつかのSTRは可変性のTCTAおよびTCTGリピートを含有する。
方法のステップ(a)において、標的ポリヌクレオチド中のタンデムリピートの1個または複数が一本鎖形態である標的ポリヌクレオチドを含有する試料が提供される。このことは、以下により詳細に論じられる通りプローブオリゴヌクレオチドが標的の一本鎖領域にハイブリダイズすることを可能にする。標的ポリヌクレオチドは合成DNA分子の一部であってよく、または天然DNA分子の一部でもよい。典型的には、標的ポリヌクレオチドがDNAである場合、それは、天然DNA分子などの他のDNA分子の領域の増幅によって生成される。この実施形態において、増幅工程それ自体、または増幅産物のさらなる処理は、タンデムリピートの1個または複数が一本鎖形態である標的DNAを生成する。例えば、天然DNA(例えばヒトゲノムDNA)中のタンデムリピートに隣接する領域にハイブリダイズするプライマーが使用されるPCR反応が使用されうる。PCR産物は、例えば、当技術分野において十分知られている通り1つのプライマーが他のプライマーに対してモル過剰量である非対称PCRを使用するステップによって一本鎖に作製されうるか、または例えば融解によって二本鎖PCR産物を一本鎖に作製できる。
所与のタンデムリピートが天然DNAの1つより多い領域において生じうることは理解される。したがって、目的の特定の標的ポリヌクレオチド(例えばDNA)が天然DNA(ゲノムDNAなど)から、例えば天然DNA中に見出された目的のタンデムリピート領域に隣接する固有の領域にハイブリダイズするPCRプライマーを使用して増幅されることは、一般的に望ましい。
典型的には、標的ポリヌクレオチドがRNA分子である場合、適切なDNAの鋳型から転写によって生成される。例えば標的RNAは、分析される遺伝子座の上流にプロモーターを含有するDNA分子のin vitro転写によって生成されうる。標的RNAの産生のために適切なRNAポリメラーゼとして、SP6およびT7 RNAポリメラーゼが挙げられる。したがって、例えばDNAは、プライマーの1つがRNAポリメラーゼのための認識部位を含有するPCRを使用して天然DNAから増幅されうる。RNAポリメラーゼおよび適切なヌクレオチドの存在下で、一本鎖RNAは生成されうる。
好ましい実施形態において方法は、ステップ(a)の後またはステップ(a)と共にさらなるステップ
(a1)ブロッキングオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション後に、標的ポリヌクレオチド中のタンデムリピートの1個または複数が一本鎖形態のままであるように、ステップ(a)で提供される標的ポリヌクレオチド中のタンデムリピートの少なくとも1個であるがすべてではないタンデムリピートにブロッキングオリゴヌクレオチドをハイブリダイズさせるステップ
を含む。
一実施形態においてステップ(a1)において、ブロッキングオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション後に標的ポリヌクレオチド中のタンデムリピートの1個または複数が一本鎖形態のままであるように2つ以上のブロッキングオリゴヌクレオチドは、ステップ(a)で提供されるタンデムリピートの少なくとも1個であるがすべてではないタンデムリピートにハイブリダイズする。
(1つまたは複数の)ブロッキングオリゴヌクレオチドを使用するステップによって、試料中の標的ポリヌクレオチドにおいて一本鎖形態で存在するタンデムリピートの数を限定できることは理解される。例えば標的ポリヌクレオチドが(ブロッキングオリゴヌクレオチドの非存在下で)一本鎖形態の標的ポリヌクレオチド中に12タンデムリピートを含有し、ブロッキングオリゴヌクレオチドがそれらの内の3個にハイブリダイズできる場合(3個のタンデムリピートに相補的なポリヌクレオチドの一部を含有することから)、試料中の標的ポリヌクレオチドにおいて一本鎖形態で存在するタンデムリピートの数は、ブロッキングオリゴヌクレオチドの存在下で9である。
好都合には(1つまたは複数の)ブロッキングオリゴヌクレオチドは、標的DNAの一本鎖部分における少なくとも2個、例えば3個または4個または5個または6個または7個または8個または9個または10個または20個または30個または40個のタンデムリピートにハイブリダイズする。ブロッキングオリゴヌクレオチド中のタンデムリピートの数は、分析される具体的な遺伝子座に存在できる可能性のあるタンデムリピートの数によって決定される。典型的にはブロッキングオリゴヌクレオチドは、標的DNAの一本鎖部分中に存在するタンデムリピート中の少なくとも8個のヌクレオチド(または少なくとも12個または少なくとも16個または少なくとも20個ヌクレオチド)に相補的である。現在の技術によってオリゴヌクレオチドは、250ヌクレオチド単位まで合成でき、かつ将来的にはさらに長く合成されると期待できる。
好ましくは、ブロッキングオリゴヌクレオチドは(その長さに沿って標的DNA中の一本鎖DNAに相補的である場合)、長さ12〜150ヌクレオチド、例えば12〜120または12〜100または12〜90である。ブロッキングオリゴヌクレオチドが追加的な機能(以下に記載の通り)を有する場合、オリゴヌクレオチドは、より長くてもよい、例えば長さ20〜180ヌクレオチド、典型的には長さ30〜150ヌクレオチド、例えば長さ30〜120、30〜100、30〜80ヌクレオチドでよい。
1つまたは複数のブロッキングオリゴヌクレオチドは、タンデムリピート中の塩基の整数倍である必要はない。むしろそれらは、ブロッキングオリゴヌクレオチドが「オフセット」式にタンデムリピートに結合するように部分的リピートを含みうる。
「オフセット」ブロッキングオリゴヌクレオチドの使用は、2個以上のブロッキングオリゴヌクレオチドが使用される場合に特に好ましく、そのような「オフセット」ブロッキングオリゴヌクレオチドの使用は以下の状況において例示される通り有用である。
7リピートブロッカーの存在下で分析した8、10リピート型を含有する試料は、プローブがハイブリダイズする1および3リピート単位の組合せを明らかにする。しかしこれは、10リピートブロッカーの存在下で分析する場合での、11、13リピートを含有する試料の結果と類似する。したがって両方のブロッカーが存在すると、どちらのリピートの組合せが試料中に存在するかを決定することは困難である。
上に記載の例において、10リピートブロッカーの代わりに10.2リピートブロッカーを使用する場合(「.2」は次のリピートの最初の2塩基を指す)、11、13リピートを含有する試料はこの場合、融解ピークの移動を生じるようにハイブリダイズする0.2および2.2リピート配列だけを有する。したがってオフセットブロッカー手法は、それ以外では融解ピークが他と重なる場合に特に有用である。このオフセットブロッカー手法は、例えば、4個までのブロッカーと4塩基リピート配列の組合せ(1塩基の追加によって長さオフセットを有するブロッカーのサイズ範囲が増大することを使用して)または5塩基リピートのためのブロッカー5個の組合せなどのために使用できる。
このように、ブロッキングオリゴヌクレオチドは、同じ試料中のさまざまなリピート数を識別するために使用しうるオールインワンチューブアッセイを提供するために「重ねられる」。典型的には部分的なリピートを有する異なった重ねられるオフセットブロッキングオリゴヌクレオチドは、長さが(タンデムリピート数で)異なる各バリアント間で少なくとも0.5℃の融解ピークTmにおける差異があるように選択される。典型的には異なるオフセットブロッキングオリゴヌクレオチドの使用で、単回のPCRでタンデムリピートの数が異なる複数の対立遺伝子を含有しうる単一の可変遺伝子座を分析することが可能である。この実施形態は実施例12においてより詳細に記載される。
誤解を避けるために、一本鎖形態中にx個のタンデムリピートを含有する本発明の標的DNAは、y個のタンデムリピートにハイブリダイズできる1つまたは複数のブロッキングオリゴヌクレオチドを使用するステップによって一本鎖形態中にx-y個のタンデムリピートを含有する本発明の標的DNAに転換されうる。
典型的には、標的ポリヌクレオチド中に一本鎖形態で2または3または4または5または6または7または8または9または10または11または12または13または14または15個のタンデムリピートがある。好ましくは2から10個、より好ましくは4から8個ある。標的ポリヌクレオチド中の一本鎖形態でのタンデムリピートのこれらの典型的な数は、ブロッキングオリゴヌクレオチドの存在下または非存在下で利用可能でありうる。好都合には、タンデムリピートを含有する標的ポリヌクレオチドの一本鎖部分は、少なくとも8、好ましくは少なくとも12、より好ましくは少なくとも16または少なくとも20個のヌクレオチドを含有する。
十分知られている通り、一般的な多型は、顕著に変動する場合がある特定の遺伝子座でのタンデムリピートの数に関する。本発明の方法がタンデムリピートの数を決定するために使用されるものであることは理解され、任意の所与のアッセイにおいてタンデムリピートの狭い範囲が一本鎖形態であることは好ましい。したがって特定の遺伝子座に存在する可能性があるタンデムリピートの数を決定するために、ブロッキングオリゴヌクレオチドを使用せずに方法を実施すること、および異なる数のタンデムリピートにハイブリダイズできる1つまたは複数のブロッキングオリゴヌクレオチドで個々に方法を実施することも必要である場合がある。このように、タンデムリピートの数によって変化する複数の対立遺伝子を有することが既知である任意の所与の遺伝子座について、同程度の大きさの一本鎖部分を有する標的オリヌクレオチド(例えば一本鎖形態中のリピートの数の可変性を減少させた)を産生することが可能である。ブロッキングオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション後に一本鎖形態のままである標的ポリヌクレオチド中に保持された1回または複数回のタンデムリピートがあるという条件で、1つより多いブロッキングオリゴヌクレオチドが使用されうることは理解される。
タンデムリピート配列が多型である一実施形態において(例えばSTR THO1または実施例12に記載のSTRにおいて)、ブロッキングオリゴヌクレオチドが、一本鎖形態での標的ポリヌクレオチドが同じリピートだけを含有するように可変性の領域を遮断することは望ましい。例えば、実施例12に記載の通り、STR D8S1179についてのブロッキングオリゴヌクレオチドは、プローブオリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションに利用可能であるTCTAリピートだけを残す。
好ましくは、上に記載の通りオフセットブロッカーが使用される場合を除いて、ブロッキングオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション後に一本鎖形態のままである1個または複数のタンデムリピートを含有するさまざまな標的ポリヌクレオチドが、異なる対立遺伝子についての同じTmを避けるようにブロッカーによって生成されることは好ましい。
以下により詳細に論じられる通り、ブロッキングオリゴヌクレオチドは、標的ポリヌクレオチド中のタンデムリピートの1個または複数が一本鎖形態、例えばPCR反応で使用されるプライマーの一部である標的ポリヌクレオチドを産生するためにも使用されるオリゴヌクレオチドでありうる。
ステップ(b)における標識プローブオリゴヌクレオチドは、任意の適切なプローブオリゴヌクレオチドであってよい。好都合には、プローブオリゴヌクレオチドは少なくとも2または3または4または5または6または7または8個のタンデムリピートに相補的であり、これは分析される遺伝子座に基づいて決定されうる。好ましくは、プローブオリゴヌクレオチドは、4〜10個のタンデムリピートに相補的であるが、ジヌクレオチドリピートについてはプローブオリゴヌクレオチドが少なくとも5または6個のタンデムリピートに相補的であることが好ましい場合がある。好都合には、プローブオリゴヌクレオチドの5から40個のヌクレオチドの間の部分は標的ポリヌクレオチドの一本鎖領域中のタンデムリピートに相補的である。典型的にはプローブオリゴヌクレオチドは、標的ポリヌクレオチドの一本鎖部分中に存在するタンデムリピートの少なくとも8個のヌクレオチドに相補的であり、より好ましくは存在するタンデムリピート中の少なくとも10または12または15または20個のヌクレオチドに相補的である。
以下により詳細に記載される通り、オリゴヌクレオチドプローブが、40℃〜70℃の範囲のTmで一本鎖標的ポリヌクレオチドに結合できることは好ましい。
好ましい実施形態においてオリゴヌクレオチドプローブは、蛍光標識されている。それは単一の蛍光標識を含有できる、または複数の蛍光標識を含有できる。典型的には蛍光標識は内部残基に結合される。
典型的にはオリゴヌクレオチドは、フルオロフォアで標識された2または3または4または5または6または7または8または9または10個の内部残基を有する。個数はオリゴヌクレオチドの長さに依存する場合がある。典型的には内部残基の約1/3までがフルオロフォアで標識されるが、より少ない場合もある。
本発明のプローブオリゴヌクレオチドの長さは、好ましくは、融解温度は標的の正確な配列および標的の一本鎖部分中のタンデムリピートの数に依存するが典型的には40℃〜70℃の範囲内である安定なハイブリッドを提供する、標的ポリヌクレオチドの一本鎖部分にハイブリダイズするために適切なものである。多くの場合15個より少ないヌクレオチド残基を含有するオリゴヌクレオチドは、特にハイブリダイズする2つの配列が完全には相補的でない場合、それらはある状況では使用できるが、十分に安定なハイブリッドは形成しない。約40ヌクレオチド残基より長いオリゴヌクレオチドは、ある状況では使用できるが、ヌクレオチド1個の不適正塩基対が存在する可能性に対して融解温度が比較的非感受性であるハイブリッドを形成できる。長いオリゴヌクレオチドプローブの長いリピート配列へのハイブリダイゼーションは、長さの多型を示す標的でTmにおけるわずかな差異を生じる。標的ポリヌクレオチドの約30〜40個を超えるヌクレオチドにハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブの使用は、以下にさらに論じられる通り典型的には融解曲線および融解ピーク分析について感受性の非常に高い方法の使用を必要とする。
典型的にはプローブオリゴヌクレオチドは、長さ10〜60ヌクレオチド残基、好ましくは長さ15〜50ヌクレオチド残基、より好ましくは長さ15〜40ヌクレオチド残基である。したがって典型的にはオリゴヌクレオチドは、長さ10または11または12または13または14または15個のヌクレオチド残基から35または36または37または38または39または40または45まで(およびそれを含む)である。したがって本発明は、記載した大きさの範囲のいずれかの内であるプローブオリゴヌクレオチドの使用を含む。
大きさの範囲15〜60ヌクレオチドのオリゴヌクレオチドは個々に標識されうるか、またはフルオロフォアで標識されたおよそ14個(60塩基長オリゴヌクレオチドについて)までの内部ヌクレオチド残基を有しうるが、好都合には、この大きさの範囲のオリゴヌクレオチドは、フルオロフォアで標識された2または3または4または5または6個の内部残基を有する。典型的には、末端ではない蛍光標識されたヌクレオチドの間にはおよそ3塩基ある。
ヌクレオチド残基は、天然に存在するヌクレオシドA、C、G、TおよびUに通常由来する。しかしヌクレオチド類似物は、本発明で使用されるプローブオリゴヌクレオチドの1つまたは複数の位置で使用されることができ、そのようなヌクレオチド類似物は、例えば塩基部分および/または糖部分および/またはリン酸結合で修飾される。プロピニルdU(dT-類似物)および2-アミノdA(dA類似物)などの塩基修飾は、一般にハイブリダイゼーション特性を変化させ、15個より少ないヌクレオチド残基を有するオリゴヌクレオチドの使用を魅力的なものにできる。プロピニルdU含有オリゴヌクレオチドの場合、必要とされる標的配列との融解温度によりそれらは長さおよそ10残基である。N4-エチル-dC(dC類似物)などの塩基修飾は、長いオリゴヌクレオチドプローブを不安定化するためにも使用でき、それにより長い標的配列との融解温度における差異が増大する。したがっていくつかの実施形態において塩基修飾は、適切なTm移動を達成するために使用されうる。
代替として、ペプチド核酸(PNA)、ロックド核酸(LNA)、2'-O-メチルRNA、ホスホラミダイトDNA、ホスホロチオエートDNA、メチルホスホン酸DNAまたはホスホトリエステルDNAからなる、またはこれらを含むオリゴヌクレオチドは、標的配列と化学的または酵素学的により安定な相互作用を形成するために使用されうる。
本発明における使用のためのプローブオリゴヌクレオチド全体について同じフルオロフォアが使用されることは、好ましい。しかし同じオリゴヌクレオチドにおける2つ以上の異なるフルオロフォアの使用は、オリゴヌクレオチドが多重化して使用される場合は特に有益でありうる。例えばスペクトル的に異なるフルオロフォアは、単一の反応チューブ中で複数のSTR対立遺伝子を同時に分析するために異なるプローブ上でも使用されうる。ヌクレオチド残基に付着できる任意のフルオロフォアは、それがオリゴヌクレオチドがその標的配列へハイブリダイズすることを抑制しない限り使用できる(多重分析は、さまざまなブロッキングオリゴヌクレオチドと共に、またはそれを伴わずに使用されるさまざまな長さのオリゴヌクレオチドプローブの使用によっても、特に非常に長いSTR対立遺伝子で増強されうる)。
適切なフルオロフォアとして、FAM(6-カルボキシフルオレセイン)、TET(テトラクロロフルオレセイン)、HEX(ヘキサクロロフルオレセイン)などのフルオレセインに基づくフルオロフォア;ROX(6-カルボキシ-X-ローダミン)およびTAMRA(6-カルボキシテトラメチルローダミン)などのローダミンに基づくフルオロフォア;色素のCyファミリー、特にCy3およびCy5が挙げられ、すべてGlen Research, 22825 Davis Drive, Sterling, VA 20164, USAから入手できる。
例えば異なる発光スペクトルを有する他のフルオレセイン色素、NEDおよびJOEなども使用できる。下記のTable 14〜20(表14〜22)に詳述のアレクサ、Atto、Dyomics、Dyomics MegastokesおよびThilyte dye familiesのものなどの他のフルオロフォアも使用できる。
本発明の好ましい実施形態においてプローブオリゴヌクレオチドは内部のウラシル/チミン塩基の5位でC6 FAM dU(University of Southampton, UKから入手できる)またはフルオレセインdT(Glen Research, Sterling, VAから入手できる)をそれぞれ使用して標識される(本明細書においてdTおよびdUの構造は同一であり、したがって用語は互換的である)。FMOC保護ホスホラミダイトは、内部のTの位置でオリゴヌクレオチドに組み込まれてよく、これだけに限らないがFAM、TET、HEX、ROX、TAMRA、Cy3およびCy5(すべてGlen Researchから入手できる)を含む種々の蛍光色素についての結合位置として使用されうる。オリゴヌクレオチド合成後、FMOC基は、2'保護ウリジンから除去されてよく、適切に保護された6-カルボキシフルオレセインホスホラミダイトなどのフルオロフォアホスホラミダイトは、遊離の2'-ヒドロキシ基に結合されうる。さらに他の実施形態においてオリゴヌクレオチドは、内部のA、CまたはG位で標識されてよく、標識ヌクレオチドはホスホラミダイトとして固相オリゴヌクレオチド合成の際に組み込まれるか、または保護ホスホラミダイト(例えば、8-アミノアルキル-dA、7-アミノアルキル7-デアザ-dA、N(4)-アミノアルキルdCおよび5-アミノアルキル-dC)を使用してオリゴヌクレオチド合成後に結合したフルオロフォアとして組み込まれるかのいずれかである。
標識プローブオリゴヌクレオチドが、WO 01/73118に開示のHyBeacon(登録商標)プローブまたはWO 2007/010268に開示のオリゴヌクレオチドプローブであれば特に好ましい。
さらなる実施形態においてプローブオリゴヌクレオチドが消光分子で標識されうること、およびプローブオリゴヌクレオチドが標的ポリヌクレオチドに結合するとその蛍光が消光される蛍光分子を標的オリゴヌクレオチドが含有することは理解される。代替としてプローブオリゴヌクレオチドを蛍光分子で標識でき、プローブオリゴヌクレオチドが標的ポリヌクレオチドに結合するとプローブオリゴヌクレオチド上の蛍光分子の蛍光を消光する消光分子を標的ポリヌクレオチドが含有する。さらなる実施形態において、プローブおよびブロッカーオリゴヌクレオチドは、隣接する標的配列へのハイブリダイゼーション(またはそれからの解離)において発光を増強/消光するためのフルオロフォアおよび消光成分で標識されうる。
さらなる代替において、プローブオリゴヌクレオチドは1つのフルオロフォアで標識され、標的ポリヌクレオチドは、プローブオリゴヌクレオチドの標的ポリヌクレオチドへの結合によって測定されうる蛍光共鳴、エネルギー転移(FRET)があるように他のフルオロフォアを含有する。さらなる実施形態において、プローブおよびブロッカーオリゴヌクレオチドは、隣接する標的配列へのハイブリダイゼーションにおいてFRETを促進するための供与体および受容体フルオロフォアで標識されうる。
ステップ(a1)が使用され、したがって、1つまたは複数のブロッキングオリゴヌクレオチドが使用される本発明の方法の実施形態において、ブロッキングオリゴヌクレオチドがフルオロフォアを含み、プローブオリゴヌクレオチドが消光物質を含有することは好都合であり、その逆も同様である。適切なフルオロフォア/消光物質の対は、当技術分野において十分知られている。同様に、プローブオリゴヌクレオチドおよびブロッカーオリゴヌクレオチドが、相互にFRETに関与できるフルオロフォアで標識されることは好都合である。再び、適切なフルオロフォアの対は、当技術分野において十分知られている。
FRETに関与できる2種のフルオロフォアが、フルオロフォアを保持する1つまたは複数のオリゴヌクレオチドが具体的な所望の結果を示すための立体配置でハイブリダイズする場合にFRETを生じるための適切な距離内にあるべきであることは理解される。同様に、フルオロフォアおよび消光物質は、具体的な所望の結果を示す場合に消光を生じるために適切な距離内であるべきである。ブロッキングオリゴヌクレオチドが消光物質を含有し、プローブオリゴヌクレオチドがフルオロフォアを含有する実施形態において(またはブロッキングおよびプローブオリゴヌクレオチドがFRETを実施できるそれぞれのフルオロフォアを含有する実施形態において)、ブロッキングオリゴヌクレオチドおよびプローブオリゴヌクレオチドは、フルオロフォア/消光物質(またはフルオロフォア/フルオロフォア)の対が隣接であるように、タンデムリピートに隣接的にハイブリダイズする。
好ましい実施形態において標識(例えば消光分子または蛍光分子)は、適切に標識されたブロッキングオリゴヌクレオチドの結合において標的ポリヌクレオチドと会合できる、またはその一部となりうることは、理解される。
好ましい実施形態においてプローブオリゴヌクレオチドは、標的ポリヌクレオチドの一本鎖部分中の少なくとも1個のタンデムリピートに完全に相補的である。
言い換えれば、標的ポリヌクレオチドの一本鎖部分とプローブオリゴヌクレオチドとの間のハイブリダイゼーションの領域にわたって、ワトソン-クリック塩基対合が生じる。しかし、特定の不適正塩基対または非ワトソン-クリック塩基対合が生じる場合があり、さらにプローブがそれにもかかわらずハイブリダイズできることは理解される。この場合、プローブオリゴヌクレオチドは一本鎖標的ポリヌクレオチドに部分的に相補的である。いくつかの状況において、不適正塩基対がオリゴヌクレオチド-標的ハイブリッドのTmを低下でき、したがってTm(およびΔTmすなわちプローブオリゴヌクレオチドがハイブリダイズするタンデムリピートの数に応じて生じるTmにおける差異)の調節をある程度可能にすることから、プローブオリゴヌクレオチドが標的ポリヌクレオチドの一本鎖部分に部分的に相補的であることは望ましい場合がある。
同様に、ブロッキングオリゴヌクレオチドは、一本鎖標的ポリヌクレオチドに完全に相補的(好ましい)または部分的に相補的(より少なく好ましい)でありうる。
さらなる好ましい実施形態において標的ポリヌクレオチド中のタンデムリピートは、一本鎖である1つまたは2つの領域に隣接される。この場合ブロッキングオリゴヌクレオチド(使用する場合)もしくはプローブオリゴヌクレオチドのいずれかまたはその両方(両方の隣接領域が標的ポリヌクレオチド中で一本鎖である場合)は、タンデムリピートに隣接する領域に相補的であるアンカー部分を含有できる。ブロッキングオリゴヌクレオチドおよびプローブオリゴヌクレオチドの両方がアンカー部分を含んで使用される場合、オリゴヌクレオチドの内の一方のアンカー部分が隣接領域の1つに相補的であり、かつ他方のオリゴヌクレオチドのアンカー部分が他方の隣接領域に相補的であることは理解される。
典型的には、ブロッキングオリゴヌクレオチドまたはプローブオリゴヌクレオチドのアンカー部分は、3〜40ヌクレオチド、好都合には4〜30ヌクレオチド、例えば4〜20ヌクレオチドを含有する。好都合には、プローブオリゴヌクレオチドについて、アンカー部分は5〜10ヌクレオチドである。典型的にはアンカー部分は隣接領域に完全に相補的である。ブロッキングオリゴヌクレオチド(使用する場合)およびプローブオリゴヌクレオチドのアンカー部分の大きさおよび組成がブロッキングオリゴヌクレオチドおよびプローブオリゴヌクレオチドのTmに影響しうる、しがってプローブオリゴヌクレオチドのアンカー領域における変化がTm(およびΔTm)における調節をある程度可能にできることは理解される。
同様に、アンカー部分が「翻訳スリップ」(すなわちオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションを隣接領域に固着させる)を減少させるまたは予防することにおいて有用であることは理解される。これは、オリゴヌクレオチドの標的ポリヌクレオチドへのハイブリダイゼーションの選択性を改善でき、かつオリゴヌクレオチド(特にプローブオリゴヌクレオチド)が結合するさまざまな数のタンデムリピートの間の識別も改善できる。
好ましい実施形態において、方法のステップ(a)および(a1)は、同時に実施される。したがって、この実施形態において、試料中の標的ポリヌクレオチドが1個または複数のブロッキングオリゴヌクレオチドによって遮断されるいくつかのタンデムリピートを含有し、いくつかは1個または複数のブロッキングオリゴヌクレオチドの存在下で一本鎖形態であり(およびそれを維持し)、それによりプローブオリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションについて自由であるように、標的ポリヌクレオチドを含有する試料は、1個または複数のブロッキングオリゴヌクレオチドの提供と同時に提供される。一実施形態においてブロッキングオリゴヌクレオチドは標的ポリヌクレオチドから離れている(すなわち共有結合していない)。この実施形態は、一実施形態について図6に図表で例示される。これは、少なくとも標的ポリヌクレオチドの生成および遮断に関しては二分子反応であると考えられうる。
特に好ましい実施形態においてPCRは、標的DNA中の1つまたは複数の縦列配列が一本鎖形態である標的DNAを生成し、PCRで使用されるプライマーはブロッキングオリゴヌクレオチドも含む。これは、一実施形態について図8に図表で例示される。これは、少なくとも標的ポリヌクレオチドの生成および遮断に関しては単分子反応であると考えられる。ブロッキングオリゴヌクレオチドも含むPCRプライマーが実質的に自己相補的ないかなる領域も含まないことは好ましい。
好ましい実施形態においてPCRで使用されるプライマー(プライマーはブロッキングオリゴヌクレオチドも含む)は、分析される縦列配列の3'である標的DNA中の領域に相補的である部分をその3'末端に含み、前記プライマーによって合成されるPCR産物の鎖中の少なくとも1個のタンデムリピートに相補的である部分をその5'末端に含む。したがって、このプライマーは、PCR反応において標的DNA中のタンデムリピートを含むDNA鎖を生成するものである。プライマーがこれらの縦列配列の1個または複数に相補的である部分も含有することから、それはプライマーの5'部分(この実施形態においてはブロッキングオリゴヌクレオチドでもある)と、PCRにおけるプライマーの使用によって合成されるタンデムリピートの1個または複数との分子内ハイブリダイゼーションによってヘアピン構造を形成する。プライマーの5'部分は、プライマーまたはオリゴヌクレオチドプローブのいずれのいかなる領域にも相補的ではなく、標的配列がPCRによって増幅されるまでハイブリダイゼーションに関与しない。プライマーがその5'末端にy個のタンデムリピートに相補的である部分を含有する場合、y回が遮断されることは理解される。X個のタンデムリピートがPCRにおいて増幅される遺伝子座に存在する場合、x-y個のタンデムリピートが産生される標的DNA中に一本鎖形態で存在する。
本発明のこの実施形態において、プライマーが、3'から5'に、(i)タンデムリピートの3'である標的DNA中の領域に相補的である部分、(ii)任意選択で、スペーサー部分、(iii)前記プライマーによって合成されるPCR産物の鎖中の隣接領域に相補的であるアンカー部分、および(iv)前記プライマーによって合成されるPCR産物の鎖中の少なくとも1個のタンデムリピートに相補的である部分、を含むことは特に好ましい。
さらなる実施形態において、プライマーはさらに(v)プローブオリゴヌクレオチドの3'末端のクランプ部分に相補的であるクランプ部分を含む。クランプ部分は、(iv)(前記プライマーによって合成されるPCR産物の鎖中の少なくとも1個のタンデムリピートに相補的である部分)の5'に位置する。
さらにさらなる実施形態において、PCRプライマーとプローブオリゴヌクレオチドの少なくとも2つの異なる対が使用され、ブロッキングオリゴヌクレオチドとプローブオリゴヌクレオチドの各対のそれぞれのクランプ部分は、相互に相補的である。好ましくは、クランプ部分のヌクレオチド配列は、相補的クランプ部分の各対が異なるTmを有するように選択される。典型的には異なるTmは、少なくとも0.5℃異なる。
PCRプライマーがクランプ部分を含有する実施形態において、クランプ部分は以下に詳細に論じられるブロッキングオリゴヌクレオチドのクランプ部分の特性を有する。
この実施形態は、図15に図表で例示される。
非対称PCRが、ブロッカーおよびプローブの合成された標的へのハイブリダイゼーションを増強するために使用されることは、特に好ましい。例えば、PCRの初期に使い尽くされてそれにより一本鎖DNA標的を生成する限定された濃度で使用される場合があるPCRにおけるもう一方のプライマーと比較して、単一分子ブロッキングオリゴヌクレオチド/プライマーは、過剰量で存在してよい。
この実施形態の例は、図8に図表で示される(この実施形態においてPCRプライマーおよびプローブオリゴヌクレオチドはクランプ部分を含まない)。
異なる実施形態において、PCRで使用されるプライマー(プライマーはブロッキングオリゴヌクレオチドも含む)は、プローブオリゴヌクレオチドも含む。この実施形態は図16に図表で例示される。典型的には、スペーサー部分もプローブオリゴヌクレオチドとブロッキングオリゴヌクレオチドとの間に存在する。したがって典型的な実施形態においてプライマーは、3'から5'に、(i)タンデムリピートの3'である標的DNA中の領域に相補的である部分、(ii)任意選択で、スペーサー部分、(iii)前記プライマーによって合成されるPCR産物の鎖中の隣接領域に相補的であるアンカー部分、(iv)前記プライマーによって合成されるPCR産物の鎖中の少なくとも1個のタンデムリピートに相補的である部分、(v)第2のスペーサー部分、および(vi)プローブオリゴヌクレオチド、を含む。プローブオリゴヌクレオチド(vi)は、PCRプライマー中に含まれており、プローブ部分であると考えられる。それは典型的には蛍光標識され、前記プライマーによって合成されるPCR産物の鎖中の少なくとも1個のタンデムリピートに相補的である。タンデムリピートの3'である標的DNA中の領域に相補的であるプライマーの部分は、タンデムリピートの3'に、例えばPCR条件下でハイブリダイズできる。典型的には、プライマーのこの部分は、3'隣接領域に相補的である10〜30個のヌクレオチド、例えば15〜30または15〜20個のヌクレオチドを含有する。好ましくは、それは18〜25個のヌクレオチドを含有する。3'隣接領域は、典型的には標的配列の3'の1〜200ヌクレオチドに位置する。
好ましくは、この部分は、タンデムリピートの3'である標的DNA中の領域に完全に相補的であるが、しかしそれがハイブリダイズでき、かつPCRに関与できるままである限り部分的に相補的であってもよい。プライマーの3'末端は、鎖伸長反応に自由に関与し、それにより3'OH基を含有する。プライマーは、集団内で同定される既知の一塩基多型を「中和」するために5-ニトロインドールおよびイノシンなどの「ユニバーサル」塩基も含有できる。
スペーサー部分(ii)は任意選択である。存在する場合にはそれは、任意の適切なスペーサー(これにより本発明者らは、およそ1〜20ヌクレオチド残基の長さを占めるが塩基対形成には関与しない化学的単位の意味を含める)を含有できる。典型的には、スペーサーはヘキサエチレングリコール(HEG)またはテトラエチレングリコール(TEG)成分であってよい。他の実施形態においてスペーサーは1つまたは複数の脱塩基残基であってよい。脱塩基残基は、ヌクレオチド残基のスペースは保持するが塩基対形成には関与しない(塩基が欠けているため)。さらなる実施形態において、ヌクレオチド残基は存在するが、それらは標的鎖中のヌクレオチド残基が不適正に組み合わされており、そのため塩基対形成に関与しない。
典型的には、スペーサーは長さおよそ1または2または3または4または5個のヌクレオチド残基を占める。
プローブオリゴヌクレオチドがPCRプライマーに含まれる実施形態において(図16)、プローブオリゴヌクレオチドとブロッキングオリゴヌクレオチドとの間のスペーサー(v)は、典型的には以下の特性を有する。それは、プローブオリゴヌクレオチドとブロッキングオリゴヌクレオチドとが、安定性およびプローブTmへの累積的効果が無く独立してハイブリダイズできるようにする物理的スペーサーとして作用する。適切には炭水化物またはペプチドのポリマーなどの単純な線状分子が、3次元的な回転の制約が最少となるように使用され、かつそれは空間において環状構造を完成させるように十分に長い(それにより末端は近接近に戻ることができる)。好ましくはスペーサーは核酸に内在性の親和性を有さず、結合しない。スペーサーは、好ましくは標的配列へのハイブリダイゼーション工程について中立である。明らかなことにスペーサーはブロッキングおよびプローブオリゴヌクレオチドに化学的に連結できなければならない。
前記プライマーによって合成されるPCR産物の鎖中の隣接領域に相補的であるプライマーのアンカー部分は、5〜25個のヌクレオチド、好都合には5〜20個のヌクレオチド、10〜20などを含有する。これは、隣接領域の配列組成に応じて変化してよい。好都合には、プライマーのアンカー部分は、プローブオリゴヌクレオチドのアンカー部分より高いTmを有する。典型的にはアンカー部分は隣接領域に完全に相補的である。
部分(プライマー(その一部である)によって合成されるPCR産物の鎖中の少なくとも1個のタンデムリピートに相補的である)は、典型的には少なくとも1個または2個または3個または4個または5個のタンデムリピートに相補的である。典型的にはそれは、2から20個のタンデムリピート、例えば4から8個に相補的である。この部分がタンデムリピートに完全に相補的であることは好ましいが、プライマーによって合成されるPCR産物中のタンデムリピートにハイブリダイズできるままである限り部分的に相補的であってもよい。
上に記載のスペーサー部分は、プローブオリゴヌクレオチド中およびブロッキングオリゴヌクレオチド中に存在してもよい。これらの場合、スペーサーがおよそ1または2または3または4または5またはそれを超える長さのヌクレオチドを有することは好ましい。
ブロッキングオリゴヌクレオチドがPCRプライマーの一部分ではない実施形態において、その3'末端がOH基を含有しないことが好ましいことは理解される。これにより、それは鎖の伸長反応に関与できない。したがって3'末端は典型的には例えばリン酸基またはオクタンジオールで遮断されている。
同様に、3'OHを含有しないプローブオリゴヌクレオチドについて、鎖の伸長を抑制するために例えばリン酸またはオクタンジオールによって遮断されることが一般に望ましいことは、理解される。このように本発明の方法がPCRを使用して実施される場合、プローブオリゴヌクレオチドは(PCR中に存在する場合)含まれているDNAポリメラーゼによって伸長されえない。
さらなる実施形態において、ブロッキングオリゴヌクレオチドは、プローブオリゴヌクレオチドの5'(または3')末端に存在するクランプ部分に相補的である3'(または5')末端クランプ部分を含有する。この実施形態においてブロッキングオリゴヌクレオチドのクランプ部分およびプローブオリゴヌクレオチドのクランプ部分は、ブロッキングオリゴヌクレオチドとプローブオリゴヌクレオチドとが標的ポリヌクレオチドの一本鎖部分にハイブリダイズする場合に一緒にハイブリダイズする。この実施形態は、具体的な一実施形態について図12に図表で例示される。クランプ部分は、典型的には3〜10個のヌクレオチド、例えば4〜8、6〜8などを有する。典型的には、クランプ部分は、主にGまたはC残基を含有し、好ましくは75%を超える塩基がGまたはCである。クランプ部分の配列は好ましくはSTRのいかなる部分にも相補的でない。好都合には、クランプ部分は熱安定性に10℃〜30℃寄与し、典型的にはプローブが正しい配列へハイブリダイズすることおよび翻訳スリップを抑制することを確実にする。クランプ部分のTmは、それが類似する長さの標的リピートの識別を妨げる程にはプローブオリゴヌクレオチドのTmを増大すべきではない。一実施形態において、標的ポリヌクレオチドの一本鎖部分への結合においてフルオロフォアと消光物質とが相互作用するように、プローブオリゴヌクレオチドのクランプ部分は蛍光標識を含有し、ブロッキングオリゴヌクレオチドのクランプ部分は消光分子を含有する(逆もまた同様)。代替としてプローブオリゴヌクレオチドおよびブロッキングオリゴヌクレオチドの両方のクランプ部分は、フルオロフォアを含有し、標的ポリヌクレオチドへのハイブリダイゼーションにおいてFRETに関与できる(図17を参照されたい)。
好ましい実施形態において、(ブロッキングオリゴヌクレオチドとプローブオリゴヌクレオチドとの各対のそれぞれのクランプ部分は相互に相補的である)ブロッキングオリゴヌクレオチドとプローブオリゴヌクレオチドとの少なくとも2つの異なる対が使用される。典型的には、ブロッキングオリゴヌクレオチドとプローブオリゴヌクレオチドとの異なる対は、クランプ部分において異なる。したがって1つの対は、A1:A1'で表されるクランプ部分を有する場合があり(A1およびA1'は相補的である)、他の対はB1:B1'で表されるクランプ部分を有する場合があるなどであり、例えばA1はブロッキングオリゴヌクレオチド上に存在し、A1'はプローブオリゴヌクレオチド上に存在する。典型的にはクランプ部分のヌクレオチド配列は、相補的なクランプ部分の各対が異なるTmを有するように選択される。
クランプ部分を有するブロッキングオリゴヌクレオチドおよびクランプ部分を有するプローブオリゴヌクレオチドは接合オリゴヌクレオチドであると考えられる。
二分子形式において、ブロッキングオリゴヌクレオチドは典型的には、(i)タンデムリピートの5'または3'に接して位置する隣接領域に相補的であるアンカー部分、(ii)合成されたPCR産物中の少なくとも1個のタンデムリピートに相補的である部分、および(iii)使用されるプローブオリゴヌクレオチドの5'または3'末端に結合するクランプ配列に相補的な短いG/Cリッチクランプ配列、を含む。
単分子形式において、ブロッキングオリゴヌクレオチド/プライマーは、典型的には、3'から5'に、(i)タンデムリピートの3'である標的DNA中の領域に相補的である部分、(ii)任意選択で、スペーサー部分、(iii)前記プライマーによって合成されるPCR産物の鎖中の隣接領域に相補的であるアンカー部分、(iv)前記プライマーによって合成されるPCR産物の鎖中の少なくとも1個のタンデムリピートに相補的である部分、および(v)使用されるプローブオリゴヌクレオチドの5'末端に結合するクランプ配列に相補的な短いG/Cリッチクランプ配列、を含む。
本発明の方法は、プローブオリゴヌクレオチドがその融解温度(Tm)によって標的ポリヌクレオチドの一本鎖部分中の多数のタンデムリピートについて識別できるように選択されて、好都合に実施される。したがって、同じプローブオリゴヌクレオチドが、存在する異なる数のタンデムリピートについて識別できる。典型的にはプローブオリゴヌクレオチドは、標的ポリヌクレオチド中の一本鎖形態に存在する2、3および4個のタンデムリピートについて、または3、4、および5個または4、5および6個または5、6および7個または6、7および8個または7、8および9個または8、9および10個または9、10および11個などについて識別できる。好都合にはプローブオリゴヌクレオチドは、標的ポリヌクレオチド中の一本鎖形態に存在する2、3、4、5および6個のタンデムリピートについて識別できる。しかし適切なブロッキングオリゴヌクレオチドの使用で、可能性のある非常に広い範囲のタンデムリピートを有するSTRを分析することが可能である。
ΔTm(すなわちプローブオリゴヌクレオチドがハイブリダイズするタンデムリピートの数に応じて生じるTmにおける差異)が、連続する数のリピートの間で0.5℃より小さくないことは、好ましい。より好ましくは、ΔTmは少なくとも1℃、典型的には少なくとも2℃、例えば少なくとも3℃である。プローブオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション特性は、その長さ、組成、一本鎖ポリヌクレオチド標的との相補性の程度、アンカー部分(存在する場合)またはクランプ配部分(存在する場合)を変更することによって調節できる。
好ましくは方法のハイブリダイゼーションステップ(b)は、標的ポリヌクレオチドの一本鎖部分とプローブオリゴヌクレオチドとの間で形成される1つまたは複数のハイブリッドの1つまたは複数のTmに近い予め決定された温度で実施される。予め決定された温度は、一本鎖隣接領域が存在するかどうかにかかわらず、標的ポリヌクレオチドの一本鎖部分中のアッセイされるタンデムリピートの数および上で論じたプローブオリゴヌクレオチドの特性を参考にすることによって選択されうる。
より好ましくは、ハイブリダイゼーションステップ(b)は、標的ポリヌクレオチドの一本鎖部分中とプローブオリゴヌクレオチドとの間で形成される1つまたは複数のハイブリッドのTmを網羅する温度範囲にわたって実施される。
好都合には、温度範囲は、30℃〜75℃でありうる。典型的には形成されるハイブリッドは、40℃〜65℃の範囲内のTmを有する。典型的には融解ピーク分析は、データをならし(すなわち蛍光ノイズを除く)、ΔTmが小さい場合に対立遺伝子を識別する可能性を減少させる設定アルゴリズムを適用する。リピートの数は、融解ピークのTmによって決定される。高分解能融解曲線分析は、バックグラウンド補正のために温度範囲の低いおよび高い領域における蛍光発光のレベルを平均化する。小さいΔTmを呈する多型対立遺伝子は、高分解能融解曲線分析を使用してより識別されやすい。STR対立遺伝子は、融解曲線の形状によって識別できるが、リピート数の決定は比較のための完全に相補的な長さの基準を必要とする場合がある。
温度分解能の低い限界値を有し、Tmが非常に近い分子の融解について識別するために使用できる種々の装置が入手可能である。例えばIdaho Technologiesからのhigh resolution melt (HRM) HR-1装置は1℃未満、例えば0.5℃、またはさらに0.1℃だけ変化するTmについて識別できる。他の適切な装置として、1.0℃を超える温度分解能を処理すると報告されたLightScanner(Idaho Technologies)、Light Cycler 480(Roche Diagnostics)およびRotor-Gene 6000 (Corbett Life Sciences)が挙げられる。Corbettは、そのRotor-Gene 6000が0.02℃の温度分解能を有すると特許請求しているが、これはピークではなく融解曲線に基づいている。
標的ポリヌクレオチドは、タンデムリピートを含有する任意の標的ポリヌクレオチドであってよい。典型的には標的ポリヌクレオチドは、分析される天然のDNAから生成されるDNAまたはRNAである。典型的には天然DNAは、植物または動物または微生物由来のゲノムDNAである。導入部に記載の通り、タンデムリピート配列は多数のゲノムにおいて見出され、その分析は多くの状況において有用である。ヒトおよび他の哺乳類DNAにおけるタンデムリピートの分析は、医学的診断、科学捜査、父子および関連性の検査ならびにリンケージマッピングのために使用できる。
微生物ゲノムにおけるタンデムリピートの分析は、疾患の管理(例えば系統の決定)および産業的背景(例えば醸造用およびパン製造用の酵母株の決定)において使用できる。
食品中のDNAのタンデムリピートの分析は、フードチェーンでの素材、例えば使用される植物性素材の種類などを追跡するために有用である。
特に好ましい天然DNAは、ヒトゲノムDNAである。上に論じている通り標的DNAは、典型的にはPCRなどの増幅反応によって生成される。
本発明の第2の態様は、標的ポリヌクレオチド中の1つまたは複数の縦列配列が一本鎖形態である、標的ポリヌクレオチド中のタンデムリピートの数を決定するためのシステムであって、
(a)標的ポリヌクレオチド中の一本鎖部分において、少なくとも1個のタンデムリピートに相補的であり、かつプローブオリゴヌクレオチドの少なくとも5個のヌクレオチドがタンデムリピートに相補的である標識プローブオリゴヌクレオチド、および
(b)標的ポリヌクレオチド中のタンデムリピートの少なくとも1個であるがすべてではないタンデムリピートに相補的であるブロッキングオリゴヌクレオチド
を含むシステムを提供する。
標識プローブオリゴヌクレオチドおよびブロッキングオリゴヌクレオチドは、好ましくは本発明の第1の形態の方法に関して論じた特質を有する。
好都合なシステムとして、これだけに限らないが
(1)(a)クランプ部分を含有する標識プローブオリゴヌクレオチドおよび(b)相補的なクランプ部分を含有するブロッキングオリゴヌクレオチド、
(2)(a)標識プローブオリゴヌクレオチドおよび(b)上で論じたブロッキングオリゴヌクレオチドを含有するPCRプライマー、
(3)(a)クランプ部分を含有する標識プローブオリゴヌクレオチドおよび(b)上で論じたブロッキングオリゴヌクレオチドおよびクランプ部分含有するPCRプライマー、
(4)上で論じたブロッキングオリゴヌクレオチドおよびプローブオリゴヌクレオチドを含有するPCRプライマー
が挙げられる。
システムは、オリゴヌクレオチド2つ(または特定の実施形態においてはオリゴヌクレオチド1つ)を含有する「要素のキット」であると考えられる。好都合には、キットは、天然に存在するDNA分子から標的ポリヌクレオチドを産生するためのPCRの要素も含むことができる。キットは、標的ポリヌクレオチドへのプローブオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションを検出するための方法も含むことができる。
本発明の第3の態様は、アンカー部分に連結する少なくとも2個のタンデムリピートを含有する部分を含むオリゴヌクレオチドであって、アンカー部分の配列および少なくとも2個のタンデムリピートが標的ポリヌクレオチド中で近接して存在するオリゴヌクレオチドを提供する。
好ましくはオリゴヌクレオチドは標識される。好ましくはオリゴヌクレオチドの標識は上に記載の通りである。第3の態様において、標的DNAは典型的にはヒトSTRおよびその隣接領域の全体または一部である。好ましくは標的DNAは、Table 21(表23)に示す任意のSTRおよび隣接領域の全体または一部である。
好ましくはアンカー部分は、上で論じた通りブロッキングオリゴヌクレオチドまたはプローブオリゴヌクレオチドに関する同様の特質を好ましくは有する。
好ましくは本発明のこの態様のオリゴヌクレオチドは、スペーサー部分も含有する。好ましくはスペーサー部分は、上で論じたスペーサー部分の特質を有する。
本発明の第4の態様は、3'から5'に、(i)タンデムリピートの3'である標的DNA中の領域に相補的である部分、(ii)任意選択で、スペーサー部分、(iii)前記プライマーによって合成されるPCR産物の鎖中の隣接領域に相補的であるアンカー部分、および(iv)前記プライマーによって合成されるPCR産物の鎖中の少なくとも1個のタンデムリピートに相補的である部分を含む、タンデムリピートを含有する標的DNAを増幅するためのPCR反応に関与するためのオリゴヌクレオチドプライマーを提供する。
任意選択で、オリゴヌクレオチドはさらに(v)クランプ部分を含みうる。このオリゴヌクレオチドは上で論じた通り本発明の適切な実施形態において使用されうる。
任意選択で、他の実施形態においてオリゴヌクレオチドはさらに(v)スペーサー部分および(vi)プローブオリゴヌクレオチドを含みうる。このオリゴヌクレオチドは上で論じた通り本発明の適切な実施形態において使用されうる。
オリゴヌクレオチドプライマーは、好ましくは実質的に自己相補的ないかなる領域も有さない。アンカー部分およびブロッキング部分(すなわち部分(iv))は、標的DNAが合成される後までハイブリダイゼーションに関与しない。
この第4の態様において標的DNAは、好ましくは上の第3の態様に関して記載された通りである。
同様に、アンカー部分およびスペーサー部分は、好ましくは上の第3の態様に関して記載された通りである。
本発明は、標的DNA中のタンデムリピートの数を決定するためのシステムであって、本発明の第3の態様から本発明の第4の態様によるオリゴヌクレオチドを含むシステムも含む。
本発明は、本発明の第3の態様によるオリゴヌクレオチドを調製するための方法であって、
(a)タンデムリピートを含有する標的DNAを選択するステップ、
(b)タンデムリピートの配列および隣接領域の1個または複数の配列を得るステップ、
(c)アンカー部分に連結する少なくとも2個のタンデムリピートを含有する部分を含むオリゴヌクレオチドを合成するステップであって、アンカー部分の配列および少なくとも2個のタンデムリピートが標的DNA中および任意選択でその3'末端のクランプ部分中で近接して存在するステップ
を含む方法も含む。
本発明は、本発明の第4の態様によるオリゴヌクレオチドを調製するための方法であって、
(a)タンデムリピートを含有する標的DNAを選択するステップ、
(b)タンデムリピートの配列および隣接領域の1個または複数の配列を得るステップ、
(c)3'から5'に、(i)タンデムリピートの3'である標的DNA中の領域に相補的である部分、(ii)任意選択で、スペーサー部分、(iii)前記プライマーによって合成されるPCR産物の鎖中の隣接領域に相補的であるアンカー部分、(iv)前記プライマーによって合成されるPCR産物の鎖中の少なくとも1個のタンデムリピートに相補的である部分、および任意選択で(v)クランプ部分または任意選択で(v)スペーサー部分、および(vi)プローブオリゴヌクレオチド、を含むオリゴヌクレオチドを合成するステップ
を含む方法も含む。
オリゴヌクレオチドがブロッキングリピートを有するプライマーである場合、スペーサーがハイブリダイゼーションのためのステムループの形成を可能にするために存在することが好ましい場合があることは理解される。
本発明のこれらの態様において選択された標的DNAは、タンデムリピートを含有する任意のDNAでありうる。典型的には標的DNAはゲノムDNAである。好ましくは、それは哺乳類ゲノムDNA、より好ましくはヒトゲノムDNAである。しかしそれは植物または酵母または細菌由来のDNAであってもよい。
好ましくは標的DNAは、隣接配列を含むヒトSTRを含有する。より好ましくはSTRはTable 21(表23)に記載のものである。
本明細書において参照するすべての文献は、本明細書に組み込まれる。
本発明は、ここで以下の図および実施例を参照してより詳細に記載される。
オリゴヌクレオチド標的にハイブリダイズしたSTRV2オリゴヌクレオチドで生じた融解ピーク示すグラフである。左から右への融解ピークは、TATCの5、7、8、10および11回の縦列配列を有する標的で生じた。 A) 75nM RC7および75nM RC11の標的オリゴヌクレオチドにハイブリダイズした150nM STRV2オリゴヌクレオチドの融解曲線分析を示すグラフである。2つの明確な融解ピークが6.6℃のΔTmで生じた。B) 75nM RC10および75nM RC11の標的オリゴヌクレオチドにハイブリダイズした150nM STRV2プローブの融解曲線分析を示すグラフである。幅広い融解ピークが生じ、構成する対立遺伝子の明確な同定を妨げた。C) STRV2プローブのRC8およびRC10のオリゴヌクレオチド混合物へのハイブリダイゼーションが3.7℃のΔTmを有する2つの明確な融解ピークを生じること示すグラフである。 A) RC10dおよびRC11d標的オリゴヌクレオチドにハイブリダイズしたSTRV3プローブで生じた融解ピークを示すグラフである。2つの融解ピークが観察された。B) HYBSTRプローブのRC10e標的オリゴヌクレオチドへのハイブリダイゼーションがアンカー配列の欠如により幅広くノイズがある融解ピークを生じたこと示すグラフである。 NCBIデータベースから得たD16S539 STRの配列(アクセション番号G07925)(配列番号70)を示す図である。 A) LightCycler装置およびHYBSTRオリゴヌクレオチドプローブを使用したD16S539配列のリアルタイム増幅および検出を示すグラフである。B) 11および13リピートについてヘテロ接合性の試料で生じた融解ピークを示すグラフである。C)8および13リピートについてヘテロ接合性の試料で生じた融解ピークを示すグラフである。 A)二分子ブロッカー戦略を使用したSTR標的の分析を示す図である。STR標的は黒四角で表され、ブロッカーオリゴヌクレオチド中のリピートは格子縞の四角で表され、蛍光プローブ中のリピートは灰色四角で表されている。ブロッカーの長いアンカーおよび過剰モル量での使用(プローブと比較して)は、リピート数が15より少ない場合にプローブが標的に完全にハイブリダイズすることを妨げる。B) B1ブロッカーの存在下でFL1プローブを使用する標的オリゴヌクレオチドで生じた融解ピークを示すグラフである。GATAの8、9、10、11および12リピートを有する標的で左から右への融解ピークが生じた。C) B1ブロッカーの非存在下でFL1プローブを使用する標的オリゴヌクレオチドで生じた融解ピークを示すグラフである。GATAの5、6、7、8、9および10リピートを有する標的で左から右への融解ピークが生じた。 A) LightCycler装置、FL1プローブおよびB1ブロッカーを使用する抽出DNAおよび唾液試料からのSTR標的のリアルタイム増幅を示すグラフである。二分子B1ブロッカーは、検出サイクル(Cts)がおよそ38〜40サイクルまで遅延されるようにPCRの効率を低下させる。PCRアッセイからブロッカーを省略するとおよそ32サイクルのCtsが得られる。B) 9および12リピートの対立遺伝子についてヘテロ接合性である試料で生じた融解ピークを示すグラフである。 A)単分子ブロッカー/プライマー戦略を使用するSTR標的の分析を示す図である。STR標的は黒四角で表され、ブロッカーオリゴヌクレオチド中のリピートは格子縞の四角で表され、蛍光プローブ中のリピートは灰色四角で表される。ブロッカーリピート、アンカー配列および順方向プライマーは、すべて単一のオリゴヌクレオチドに含まれる。ブロッカーおよび増幅された標的配列は同じDNA鎖の一部になり、したがって単分子ブロッカーはTaqポリメラーゼの進行を妨げることによってPCRを阻害することができない。増幅されたリピートへのブロッカーの単分子結合は、プローブハイブリダイゼーションより熱力学的に生じやすく、リピート数が15回未満である場合、プローブ全長の結合を妨げる。8および13リピートを有するD16S539対立遺伝子へのプローブハイブリダイゼーションの図解が示されている。 A) LightCycler装置、FL1プローブおよび単分子BP1ブロッカー/プライマーを使用する抽出DNAおよび唾液試料からのSTR標的のリアルタイム増幅を示すグラフである。増幅産物についての検出Ctsは、およそ32サイクルであった。B)左から右へ、11、12および13リピートの対立遺伝子についてホモ接合性である試料で生じた融解ピークを示すグラフである。C) 8および13リピートの対立遺伝子についてヘテロ接合性である試料で生じた融解ピークを示すグラフである。D) 9および12リピートの対立遺伝子を有するヘテロ接合性試料について示すグラフである。E) 11および13リピートの対立遺伝子を有するヘテロ接合性試料について示すグラフである。F) 11および12リピートの対立遺伝子を有するヘテロ接合性試料について示すグラフである。G) 12および13リピートの対立遺伝子を有するヘテロ接合性試料について示すグラフである。 FL4プローブおよびBP1ブロッカーで生じた融解ピークを示すグラフである。A)9および12リピートの対立遺伝子についてヘテロ接合性である抽出DNA試料。B)遺伝子型11/13の未精製唾液試料の直接分析。C)遺伝子型8/13の未精製唾液試料の直接分析。D)遺伝子型10/11の抽出DNA試料。E)遺伝子型10/13の抽出DNA試料。 増幅された標的配列を含有するLightCyclerキャピラリー、BP1単分子ブロッカー/プローブおよびFL1オリゴヌクレオチドをHR-1高分解能融解装置を使用して再分析したグラフである。A)左から右へ、11、12および13リピートの対立遺伝子で生じた融解ピーク。ホモ接合性の遺伝子型11/11、12/12および13/13は単一の融解ピークを生じるが、ヘテロ接合性の遺伝子型11/12および12/13は肩がある幅広のピークを生じる。B)11、12および13リピートの対立遺伝子について確実な識別を示している高分解能融解曲線データ。C)遺伝子型11/12および12/13は、遺伝子型11/11、12/12および13/13から識別される。D)OriginPro7.5ソフトウエア(OriginLab, Massachusetts, USA)を使用するLightCyclerデータの再分析。FL1プローブはBP1ブロッカーの存在下で遺伝子型11/13の唾液試料で幅広い融解ピークを生じ、11リピートの対立遺伝子について小さなピーク肩を示しただけであった。OriginProソフトウエアは肩を真のピークとして同定し、11および13リピートの対立遺伝子に対する2成分融解ピークをプロットした。 ブロッカーオリゴヌクレオチドが5および7TATCリピート、アンカー配列およびGCリッチクランプを有して合成されたことを示す図である。10および8TATCリピートを有するオリゴヌクレオチドがブロッカー中のGCクランプに相補的なGCクランプを有して合成された。A)10SFL1オリゴヌクレオチドの5リピートだけが、5LSB1ブロッカーの存在下で10リピート標的にハイブリダイズする。B)8SFL2オリゴヌクレオチドの3リピートだけが7LSB2ブロッカーの存在下で10リピート標的にハイブリダイズする。C)8〜14個のGATAリピートを有する相補的オリゴヌクレオチドを使用して5LSB1および10SFL1で生じた融解ピーク。D)10〜15回のGATAリピートを有する相補的オリゴヌクレオチドを使用して7LSB2および8SFL2で生じた融解ピーク。 NCBIデータベースから得たTH01 STRの配列(アクセション番号NT_009237)(配列番号71)を示す図である。 増幅したTH01 STR対立遺伝子から、HYBTH01プローブおよび二分子ブロッカーTH01_BLを使用して得た融解ピークを示すグラフである。8、9、9.3および10リピートの対立遺伝子を表す融解ピークを表す。 単分子ブロッカーは、種々の長さおよび/または組成のクランプ部分(A1、A2、A3など)を有することができ、プローブオリゴヌクレオチドはPCRプライマー上のクランプ部分に相補的なクランプ部分(A1'、A2'、A3'など)を含有できることを示す図である。 単分子構築物中のPCRプライマーに結合するプローブオリゴヌクレオチドを示す図である。 フルオロフォア、FRET能、またはフルオロフォア:消光物質対を含有する相補的クランプ部分を示す図である。 8、9、10、11、12および13リピートの対立遺伝子の検出を可能にする、2つの「オフセット」D8S1179ブロッカーを使用した結果を示すグラフである。「+」融解ピークは、遮断されていない標的リピートへの全長プローブハイブリダイゼーションから生じる。 11および15リピートD8S1179対立遺伝子の検出を示すグラフである。11および15リピートの対立遺伝子は、HYBD8プローブをそれぞれ7.3および10.3リピートブロッカーとの組合せで、すべてのオリゴヌクレオチドを単一のチューブ中に含んで使用して同時に検出される。
実施例のための材料および方法
オリゴヌクレオチドプローブの設計および合成
標準的DNAホスホラミダイト、固相支持体および追加的な試薬はLink TechnologiesまたはApplied Biosystems Ltdから購入した。ソラレンC6ホスホラミダイトは、Glen Research Incから購入した。すべてのオリゴヌクレオチドは、Applied Biosystems 394 automated DNA/RNA synthesizerで、酸触媒脱トリチル化、カップリング、キャップ形成およびヨウ素酸化の0.2μmoleホスホラミダイトサイクルを使用して合成した。通常の単量体(A、G、CおよびT)は25秒間、他のすべての単量体は追加的に300秒間カップリングさせた。DMT保護基を有する単量体の段階的カップリング効率および全体としての収量は、トリチル陽イオン伝導率を測定することによって決定し、すべての場合において>98.0%であった。固相支持体からのオリゴヌクレオチドの切断は、濃アンモニア水(33%)中、55℃、5時間、密封したチューブ中で実施した。フルオロフォアをC6 FAM dU(University of Southampton, UK)またはフルオレセインdT(Glen Research, Sterling, VA)のいずれかを使用してプローブ配列中の内部残基に結合させた。C6 FAM dUの場合は、当技術分野において十分に知られているDNA合成法を介して6-カルボキシフルオレセイン(FAM)を、ウラシル塩基の5位に結合させた。本発明のオリゴヌクレオチドは、プローブがリアルタイムPCRアッセイに組み込まれる場合にTaq介在伸長を阻止するための3'-リン酸成分または他のブロッキング剤を有することができる。合成から得られたプローブの量は、一定量のオリゴヌクレオチドプローブを特定の容量の水に溶解するステップおよびUV吸光度を260nmで測定するステップによって決定した。プローブの濃度はオリゴヌクレオチドのUV吸光度および260nmでのその吸光計数から算出した。オリゴヌクレオチドの吸光計数は、それが含む未修飾および蛍光標識のヌクレオシドの個々の吸光計数の合計から算出した。
オリゴヌクレオチドの精製
オリゴヌクレオチドの精製は、Gilson 7.12ソフトウエアで管理したABI Aquapore column(C8)、8mm×250mm、孔径300Åを使用するGilsonシステム上の逆相HPLCによって実施した。以下の工程を使用した:実行時間30分間、流速1分間当たり3mL、二成分系:分による時間(%緩衝液B);0(0);3(0);5(20);22(100);25(100);27(0);30(0)。溶出緩衝液A:0.1M酢酸アンモニウムpH7.0、緩衝液B:25%アセトニトリルを含む0.1M酢酸アンモニウムpH7.0。溶出は、310nm(フルオレセインオリゴマー)または295nm(すべての他のオリゴマー)での紫外線吸光度によってモニターした。HPLC精製後、製造者の説明書を使用して使い捨てNAP10 Sephadex column(Pharmacia)を使用してオリゴヌクレオチドを脱塩し、エッペンドルフチューブに分注し、蒸留脱イオン水中、-20℃で保存した。
ポリメラーゼ連鎖反応
PCR容量は典型的には20μlであり、一般に試料2μl、1×QIAGEN PCR緩衝液、0.5μM順方向プライマー、0.1μM逆方向プライマー、Taq HotStarTaqポリメラーゼ1単位、3mM総MgCl2、5ng/μl BSA(Roche Diagnostics)、1mM dNTP(GE Healthcare)および150nMプローブを含む。標的の均一な増幅および検出を、最初の変性反応ステップ(95℃、15分間)に続いて、変性(95℃、5秒間)、プライマーアニーリング(55℃、10秒間)および産物の伸長(72℃、10秒間)を含む50サイクルを使用して標的が増幅される、LightCycler装置(Roche Diagnostics)で実施した。蛍光取得は、各プライマーアニーリングステップの最後に1サイクルごとに1回実施した。融解曲線分析を、LightCycler増幅に続いて直ちに試料を短時間変性(95℃、5秒間)および冷却(35℃、30秒間)し、次に温度変化率0.1℃/秒を使用する35℃から95℃への温度上昇および継続的な蛍光取得によって実施した。融解ピークを、LightCyclerソフトウエア(version 3.5)を使用して温度(x軸)に対して、温度に関する蛍光の負の微分値(y軸に-dF/dT)をプロットするステップによって作図した。標的は、プローブピークの融解温度(Tm)を使用して検出および同定した。
標的配列の増幅も白色384ウエルPCRプレート(Bio-Rad)および384ウエルTetrad thermocycler(MJ Research Inc)を使用して実施した。熱工程は一般に、ホットスタート酵素を活性化する最初の変性相(95℃、15分間)に続く、変性(95℃、15秒間)、プライマーアニーリング(55℃、30秒間)および産物の伸長(72℃、30秒間)を含む50 PCRサイクルからなる。融解曲線分析を増幅に続いて直ちにLightTyper装置(Roche Diagnostics)を使用し、温度変化率0.1℃/秒または0.05℃/秒のいずれかを使用して35℃から75℃に徐々に試料を加熱して実施した。
短鎖タンデムリピートの分析
短鎖タンデムリピート(STR)を分析するためのオリゴヌクレオチドプローブの可能性を、一連のオリゴヌクレオチド標的を使用して調べた。5から15回のGATAリピートを含みうるD16S539対立遺伝子を検出および識別するために、3種のプローブを合成した(Table 1(表1))。すべてのプローブは、リピート配列に沿ったプローブの翻訳スリップの可能性を減少させることが見出された5'GGTGアンカー配列を含み、それにより幅広でノイズがある融解ピークの生成を抑制する。アンカーの非存在下でSTRプローブの5'リピートは、標的リピートの任意の1つと、全長および部分的なハイブリダイゼーション事象が生じうるように相互作用できる。リピート配列に直接隣接するアンカー配列は、特定の位置へのプローブのハイブリダイゼーションを促進し、かつDNA翻訳スリップ現象の抑制を助ける。アンカーの安定性および有効性は、主にその長さおよび配列組成によって決定される。不十分な安定性は、ある程度のDNA翻訳スリップを可能にすることがあるが、一方、極端なTmのアンカーは、STR対立遺伝子の識別を妨げる可能性がある。したがって、アンカー配列は、任意の数の位置にあるプローブへの結合よりむしろオリゴヌクレオチドプローブの最初の相同リピートと標的配列の最初のリピートとのハイブリダイゼーションを達成することを助ける。
STRV2およびSTRV3プローブは、プローブを2つの別々の成分に分離するためのヘキサエチレングリコール(HEG)修飾も含み、それによりすべてのプローブのTmを減少させ、対立遺伝子識別の可能性を改善する。プローブは、2種のフルオレセイン成分で標識され、PCRアッセイに含まれた場合にTaqポリメラーゼによる伸長を抑制するための3'リン酸を有した。
プローブHYBSTRは、開発のための開始点であった。プローブΔTmおよび対立遺伝子識別への改善は、このプローブに戻って調査されるべきである。
プローブアンカーに相補的な3'CACC配列と共に5、7、8、10および11TATCリピートを有する種々のD16S539対立遺伝子を模倣するために、オリゴヌクレオチド標的を合成した(Table 1(表1))。150nMのD16オリゴヌクレオチドプローブを150nMの各標的オリゴヌクレオチドに、TaKaRa PCR緩衝液および合計3mMのMgCl2中でハイブリダイズさせた。最初の変性(95℃、5秒間)および冷却(35℃、30秒間)に続いて、反応物を0.1℃/秒の温度変化率を使用して35℃から95℃に加熱するLightCycler装置を使用して融解曲線分析を実施した。合成の標的配列で観察されたプローブ融解温度をTable 2(表2)に詳述する。STRV2プローブおよび各オリゴヌクレオチド標的で生じた融解ピークを図1に示す。
さまざまな数のリピートを含む対立遺伝子を有するヘテロ接合性遺伝子型を模倣するために、プローブを標的オリゴヌクレオチドの組合せとも分析した(Table 2(表2))。ヘテロ接合性試料の遺伝子型を同定する能力は、存在する2つのD16対立遺伝子のΔTmに依存する。明確な成分のピークを有するヘテロ接合性の融解波形を作成するためのLightCycler装置には、少なくとも3℃のTmの差異が典型的には必要である(しかし、Idaho TechnologiesからのHR-1などの高分解能融解装置などのより優れた識別を提供する他の装置が利用可能である)。短いD16標的(例えば5および7リピート)は、より長い配列(例えば10および11リピート)よりもはるかに大きなΔTmを示し、したがって識別が容易である。図2は、遺伝子型7/11および8/10はSTRV2を使用して明確に識別できるが、10および11リピートのTmは同時検出を可能にするためには類似しすぎていることを示す(しかし下に論じる通り、10および11個のリピートの同時検出はブロッキングオリゴヌクレオチド(BP1)および3.5℃のΔTmを示す異なるプローブオリゴヌクレオチド(FL1)を使用して達成される。)。
長いリピート配列を含むヘテロ接合性の試料は、実施例1に記載のオリゴヌクレオチド設計を使用して常には正確に分類されない場合がある。プローブΔTmの大きさがSTR標的の長さおよび組成に依存することから、ハイブリダイゼーションの不安定化は長さの多型に対する感受性を増大させる場合がある。プローブの不安定化は:
プローブTmを低下させるためにヌクレオチド不適正塩基対を導入するステップ。不適正塩基対の数は、プローブの長さおよび配列組成ならびに使用される不適正塩基対の種類に依存する。多数の安定な不適正塩基対、G/Tなどは、Tmを減少させるためにプローブの長さに応じて複数のリピート中で使用できる。Tmにおける同程度の減少を達成するためには、より少数の非常に不安定な不適正塩基対、C/Aなどが必要である。プローブの長さに応じて不適正塩基対を分布させるための代替え法は、不適正塩基対をクラスター化することであり、それにより15リピートプローブが例えば5および9リピート成分に分離できるなどのようにオリゴヌクレオチドから1回のリピート全体が除去される。
N4-エチル-dC7-デアザ-dG、7-デアザ-dC、C-5プロピニル-dC、C-5プロピニル-dU、5-メチル-dC、2-アミノ-dA、G-クランプ1(トリサイクリックアミノエチルフェノキザジン2'-dC類似物)、ロックド核酸(LNA)、5'-トリメトキシスチルベンキャップ、5'-ピレンキャップなどの塩基類似物を組み込むステップ。プローブTmを変更するために異なるリピート長の間で観察されたデルタTmをさらに増強し、さまざまなプローブ領域の融解温度全体への寄与をさらに区別するために、そのような類似物を使用してTmを増大させることには利益がありうる。
プローブを個々の成分に分割するためにより長いHEG、TEG(または他の)スペーサーを含ませるステップ。
オリゴヌクレオチドプローブを2つ以上のフルオロフォアで標識。
などの戦略によって達成されうる。
プローブTmおよびΔTmへのヌクレオチド不適正塩基対の影響を調査するために、実験評価の容易さから塩基置換をプローブではなくオリゴヌクレオチド標的に含ませた。10および11リピートを含む標的配列に作製した改変をTable 1(表1)に詳述する。
RC10b、RC10c、RC11bおよびRC11cに、プローブ/標的二本鎖を通じて規則的に分布した5および10個のG/Tヌクレオチド不適正塩基対を組み込んだ。塩基置換は、プローブ/標的二本鎖のTmを大きく減少させ(Table 2(表2)と3(表3)とを比較されたい)、HYBSTR、STRV2およびSTRV3プローブのΔTmも増大させた。しかし増大したΔTmの大きさは、LightCyclerソフトウエアを使用する10および11STRリピート対立遺伝子の確実な識別には不十分であった。
RC10dおよびRC11dオリゴヌクレオチドにSTR標的の共通の第6リピート中に4つの不適正塩基対を組み込んだ。これらの不適正塩基対は、D16オリゴヌクレオチドのTmを減少させ、10および11リピートオリゴヌクレオチドの間のΔTmを増大させた(Table 3(表3))。10および11リピートピークの両方がSTRV3プローブを使用して観察できた(図3A)。しかし、プローブΔTmへのさらなる増強が、LightCyclerソフトウエアを使用して長いSTR標的を確実に同定および識別するために必要であり、これを下に示す。
RC10eおよびRC11e標的オリゴヌクレオチドは、HYBSTRプローブと共に4bpアンカーの必要性を示した。オリゴヌクレオチドは、すべての他の改変および未改変の標的と滑らかな輪郭を示す曲線を生じたが、アンカーの非存在下では幅広でノイズの多い波形を生じた(図3B)。ピークの質におけるこの低下は、標的配列に沿ったプローブの翻訳スリップによって生じた。興味深いことにSTRV2プローブは、おそらく内部HEG修飾の存在のためアンカーの非存在時にピークの質におけるそのような低下は示さなかった。
D16S539標的配列をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によってプライマーSTRF2およびSTRR2を使用して増幅した。増幅産物の大きさはリピート数によって変動し133bpから173bpに及ぶ(遺伝子配列について図4を参照されたい)。
STRF2 CAGATCCCAAGCTCTTCCTCTTCCCTAG (配列番号19)
STRR2 ACGTTTGTGTGTGCATCTGTAAGCATGTATC (配列番号20)
7個の唾液試料をDNA精製を経ずにHYBSTRプローブおよびLightCycler装置を使用して直接分析した。唾液試料は、リピート遺伝子型9/12、13/15、9/13、11/14、9/12、11/13および8/13を有してすべてヘテロ接合性であった。リアルタイム蛍光の増大および融解ピークの発生は、D16標的が唾液試料から効率的に増幅されたことを確認した。2、3または4リピートで異なるD16対立遺伝子を有するヘテロ接合性遺伝子型は、各構成対立遺伝子について明確な個々のピークを生じなかった。代わりに、各D16リピート由来のピークが組み合わされた幅広い融解プロファイルが生じた。遺伝子型8/13 D16からの5リピートの差は、各対立遺伝子について明確なピークを生じるために十分であった(図5)。
二本鎖安定性についての脱塩基部位の影響を5'および3'アンカー配列の両方を有するプローブならびに3'アンカーだけを有するプローブを使用して調査した(Table 4(表4))。プローブは、DNAのマイナス鎖について設計し、フルオロフォアの結合に可能な部位の数を増加させた。プローブを5、7、10、12および15リピートを有する相補的オリゴヌクレオチドにハイブリダイズさせた(Table 5(表5))。
脱塩基部位の含有は、一般にプローブハイブリダイゼーションのTmをおよそ1〜2℃低下させる。しかし、ΔTmへの改善は達成されなかった(Table 6(表6))。高品質の融解ピークが、5および6個の蛍光標識されたT塩基を含むプローブで生じた。他のプローブ設計は、8個までの蛍光塩基で標識された場合に高品質の融解ピークを生じた。8個より多いフルオロフォアを有するプローブは、今日までに検査されていないが、適切なプローブ長および標識間の空間が機能的にもたらされることが予測される。
D16S539の対立遺伝子は、常に少なくともGATAのリピートを5個有する。したがって、プローブハイブリダイゼーションのTmは、STRリピートが2個のオリゴヌクレオチドに分離されると、低下する可能性がある(Table 7(表7))。最初のオリゴヌクレオチドは、非蛍光であり、最初の5回の共通リピートを含むブロッカーとして作用する。第2のオリゴヌクレオチドは、追加的なリピートだけにハイブリダイズする蛍光プローブである、すなわち10リピートの対立遺伝子の内5リピートだけを検出する(図6A)。ブロッカーの目的は、蛍光プローブが利用できるSTRリピートの数を減少させることであり、それにより同程度の長さの対立遺伝子間でのΔTmを増大させる。
ブロッキングオリゴ(B1)は、d(TATC)のリピート5個、翻訳スリップを抑制するための31塩基長アンカー配列(隣接配列に完全に相補的である)およびPCR中のプローブの伸長を抑制するための3'-リン酸からなる。蛍光オリゴヌクレオチドプローブ(FL1)は、d(TATC)のリピート10回、内部フルオレセインdT塩基5個(Glen Research)短い6ヌクレオチドアンカー(他方の隣接配列に完全に相補的である)および3'末端にオクタンジオールPCRブロッカーを有する(Table 7(表7))。
モル過剰量のブロッカーオリゴヌクレオチドを5回の共通リピートへのハイブリダイゼーションを助けるために使用した。100nM FL1プローブを600nM B1ブロッカーと共に8、9、10、11および12GATAリピートを有する相補的オリゴヌクレオチドを分析するために使用した(図6B)。各標的についてのプローブTmおよびΔTmをTable 8(表8)に示す。STRプローブ設計を2成分に分割するステップは、ΔTmおよび同程度の長さの対立遺伝子を識別する能力を大幅に増強した。例えば遺伝子型10/11のΔTmは、全長HYBSTRプローブで分析した場合は0.92℃であったが、この二分子ブロッキング戦略では2.2℃に増大した。
5および7リピートの対立遺伝子の検出は、ブロッカーオリゴヌクレオチドが反応から除かれることを必要とする。図6Cは、B1ブロッカーの非存在下でのFL1プローブで生じた融解ピークを例示する。ブロッカーオリゴヌクレオチドを有する、および欠いているアッセイは、全範囲のD16S539対立遺伝子を検出および同定するために平行して実施される必要がある場合がある。
D16S539標的配列を、抽出したDNAからおよび直接唾液試料からプライマーSTRF2およびSTRR2を使用して増幅した。B1ブロッカーおよびFL1プローブオリゴヌクレオチドの相対濃度は、効率的な標的の増幅を可能にし、一方15個未満のリピートを有する標的への全長プローブのハイブリダイゼーションを抑制するための最適化を必要とした。最適化は、ブロッキングオリゴヌクレオドとプローブオリゴヌクレオチドとの種々の濃度および比率を分析するステップによって達成された。ブロッキングオリゴヌクレオドのプローブオリゴヌクレオチドに対する比6:1が有用であると見出された。不十分なB1ブロッカーは、FL1プローブが完全には遮断されず10個すべてのリピートにハイブリダイズ可能であるおよそ59℃で共通ピークの生成をもたらした。反対に、過剰のB1ブロッカーは、標的増幅を阻害し、標的が検出されたサイクル数を増加させた(図7A)。FL1プローブで37.5nMであると見出された最適濃度を225nMのB1ブロッカーと共に使用した。分析は、遺伝子型11/11、10/11、12/12、10/13、11/12、13/13、12/13および9/12を有する抽出DNAおよび唾液試料で実施した。9、10、11、12および13リピートに対応する融解ピークのTmは、それぞれ47.0℃、51.5℃、53.5℃、56.0℃および57.5℃であった。遺伝子型9/12の試料は、明確な2つのピークを生じた、ただ1つの融解プロファイルであった(図7B)。10リピートピークは、いずれの試料においても効率的には検出されなかった。10リピートピークは、11および13リピートと比較して高さが減少していた。小さなΔTmは、10リピートピークが11および13リピート記録の波形の中に肩さえ観察されなかったほど隠されたことを意味した。FL4で示されたΔTmの増大または、短いリピートのピーク高さを標準化もしくは改善するための試みは、この問題を克服するはずである。11/12および12/13ヘテロ接合性試料は、ホモ接合性ピークの中間のTmで単一の融解ピーク(すなわち、それぞれおよそ54.5℃および57.0℃)を生じた。HRM装置の使用は、これらの中間のピークTmを使用してヘテロ接合性を同定するために有用であるはずである。
ブロッカーの安定性は、修飾塩基プロピニルdUおよびプロピニルdCを組み込むステップによって、ならびにGクランプおよび5'トリメトキシスチルベン修飾の包含を介して増大した。
STRF2順方向プライマーおよびB1ブロッカー配列を単一の非蛍光オリゴヌクレオチドに、リンカーおよびPCRブロッカーとしてヘキサエチレングリコール(HEG)を使用して組み込んだ。単分子プライマー/ブロッカーオリゴヌクレオチド(BP1)は、d(TATC)のリピート5個、翻訳スリップを防ぐための10塩基長アンカー配列、HEGおよび順方向プライマーを含んでいた(Table 9(表9))。
この手法の利点は、ブロッカーおよび標的配列が増幅後に同じDNA鎖の一部になることである。ブロッカーと標的との間の単分子相互作用は、プローブハイブリダイゼーションよりも熱力学的に支持される。さらに、標的配列が増幅されるまでブロッカーはハイブリダイズできないことからPCR効率は含まれていない(図8)。
D16S539標的配列を抽出されたDNAからおよび直接唾液試料から0.5μMのBP1および0.05μMのSTRR2逆方向プライマーを使用して増幅した。50nMのFL1プローブを、遺伝子型11/11、12/12、13/13、10/11、10/13、11/12、12/13、9/12、11/13および8/13の試料から増幅された標的配列を検出および同定するために使用した。リアルタイムLightCycler蛍光データは、標的増幅および検出の効率が二分子ブロッカー手法を使用して達成されるものより優れていることを示す(図9A)。標的増幅も、384ウエルPCRプレートを使用して実施し、LightTyper装置を使用する融解分析が続いた。8、9、11、12および13リピートに対応する融解ピークのTmは、それぞれ40.0℃、46.0℃、53.0℃、55.5℃、57.5℃であった(図9)。10リピートのピークは、ΔTmが小さいことおよびピーク高の低下により11および13リピートの波形に隠されたことから、これらの試料のいずれにおいても確実には検出されなかった。これは、上に論じた通り克服できる。遺伝子型8/13および9/12の試料は、構成対立遺伝子を表す2つの明確な融解ピークを生じた(図9C〜D)。一方遺伝子型11/12、12/13のヘテロ接合性試料は、ホモ接合性対立遺伝子のTmの中間に単一の融解ピークTm(すなわち、図9F〜Gに示す通りそれぞれおよそ54.5℃および56.0℃)を生じた。
DNAおよび唾液試料の分析を、BP1ならびに異なる数のフルオロフォア標識塩基およびフルオロフォアの間の異なるスペーシングを有するオリゴヌクレオチドプローブFL2、FL3、FL4およびFL5を使用して繰り返した(Table 9(表9))。増幅されたSTR標的で生じた融解ピークのTmをTable 10(表10)に示す。FL1プローブと同様に、FL3およびFL5構築物は、10/11および10/13などのヘテロ接合性遺伝子型中に10リピートを有する対立遺伝子を確実には検出できなかった。蛍光標識塩基の数およびスペーシングは、プローブのシグナル対ノイズ比および融解ピークの質に影響する。プローブFL2およびFL4はフルオロフォア標識塩基を3個だけ有し、遺伝子型10/11および10/13の両方で10リピートの対立遺伝子を検出できた(図10D〜E)。直鎖未修飾HYBSTRプローブは、10および11リピートの対立遺伝子で0.92℃のTmを示した。3.5℃のΔTmは、単分子ブロッカーBP1およびFL4 HyBeaconを使用して達成された。
増幅したD16S539標的、BP1ブロッカーおよびF6Aオリゴヌクレオチドを含有するLightCyclerキャピラリーを高分解能融解曲線装置(HR-1, Idaho Technology Inc, Utha, USA)を使用して再分析した。HR-1は、11、12および13リピート配列で生じた融解ピークを明確に識別できた(図11A)。しかし上に記載の通り、融解ピークは、11/12などのヘテロ接合性遺伝子型を同定するためには使用できなかった。高分解能融解曲線ソフトウエアは、遺伝子型9/12、11/11、11/12、12/12、12/13および13/13の明確な区別を可能にした(図11B〜C)。高分解能分析は、同程度の長さの対立遺伝子を区別するために3℃を超えるΔTmを必要としない。さらに、改善されたデータ分析の方法は、幅広いピークおよびピークの肩を対立遺伝子成分に明確に分類できるようにする(図11D)。
リピートブロッキング手法の代替実施形態は、リピート標的に隣接するDNA配列よりむしろブロッカーにプローブを繋ぐことである。この手法は、ブロッカーの存在下でプローブハイブリダイゼーションの安定性を増大させ、それによりブロッキング効率を増大させる。二分子方式において、ブロッカーオリゴヌクレオチドは、定められた回数の配列リピート、翻訳スリップを抑制するための適切なアンカー配列およびGCリッチクランプを含む(図12)。ブロッキングオリゴヌクレオチドのクランプは、プローブオリゴヌクレオチド中の相補的クランプにハイブリダイズする。単分子方式においてブロッカーリピート、アンカー配列およびGCリッチクランプは、適切なスペーサー/PCRブロッカー(HEGなど)を介してPCRプライマーの1つに結合する。これらのブロッカーと共に使用される蛍光プローブは、ブロッカーのGC配列に相補的なGCリッチ配列を有する。GCリッチクランプは、ブロッカーとプローブオリゴヌクレオチドとが隣接的にハイブリダイズする場合に接合部を形成する。プローブの全長は、D16S539の場合、標的のリピート数が15より少ない時にハイブリダイズが抑制される。(図12A〜B)
D16を5リピート(5LSB1)および7リピート(7LSB2)有するブロッカーオリゴヌクレオチドを、10リピート(10SFL1)および8リピート(8SFL2)有する蛍光プローブとそれぞれ組み合わせた。これらの接合部プローブおよびブロッカー(Table 11(表11))を、8〜15リピート(Table 5(表5))を有する相補的標的オリゴヌクレオチドとハイブリダイズさせ、LightCycler装置を使用して分析した(図12C〜D)。プローブTmをTable 12(表12)に示す。7LSB2のΔTmは、プローブの長さの短縮により増強される。9個またはそれより少ないリピートを含む対立遺伝子は、ブロッカー分子の非存在下で分析できる。
上記への変形として、単分子ブロッカー(PCRプライマー)は、長さおよび/または組成が変化しているクランプ部分(A1、A2、A3など)を有することができ、プローブオリゴヌクレオチドは、PCRプライマー上のクランプ部分に相補的なクランプ部分(A1'A2'A3'など)を含有できる。このように、例えば3つ以上のプローブがPCRアッセイに含まれてよく、クランプ部分の配列は、ピークTmを変更するために使用できる。この変形は、図15に図表で示される。
融解曲線分析によるリピート配列の検出および区別がD16S539に特有ではないことを示すために第2のSTR遺伝子座を調査した。TH01遺伝子座は、3から14リピートを有する報告された対立遺伝子がある(AATG)nのリピートを含む(遺伝子配列については、図13を参照されたい)。TH01配列は、9.3対立遺伝子(AATG)6ATG(AATG)3(配列番号47)中などの部分的リピートを含みうる。最も一般的なリピート対立遺伝子だけを、99.5%の対立遺伝子が6リピート(23%)、7リピート(24.1%)、8リピート(11.6%)、9リピート(20%)、9.3リピート(17.9%)または10リピート(2.9%)のいずれかを含む、原理証明TH01アッセイを設計する場合に考慮した。TH01対立遺伝子の分析についての追加的な課題は、4塩基の1または複数倍長さが異なるリピート対立遺伝子全体だけでなく、ヌクレオチド1個だけ長さが異なる9.3部分的リピートの対立遺伝子と10全リピートの対立遺伝子全体とを識別することでもある。
プローブHYBTH01をTH01対立遺伝子を検出および区別するために設計した。プローブは、AATGの6.1リピート(Table 13(表13))およびTGGFGの5'アンカー配列を含む。プローブは、ヌクレオチド7個(その内1つはアンカー配列中に位置する)離れたフルオレセインdT色素2個で標識した。二分子ブロッキング戦略を図6に記載の通り使用した。二分子ブロッカーTH01_BLを、標的対立遺伝子中のリピートの数が10より少ない場合にHYBTH01プローブが標的配列に完全にハイブリダイズすることを抑制するために設計した。TH01_BLブロッカーは、AATGの3.3リピートおよびAGGGAAATAAGGG(Table 13(表13))の3'アンカー配列を含む。
TH01標的配列を精製DNA試料および未精製唾液からプライマーTH01_FおよびTH01_R(Table 13(表13))使用して増幅した。非対称PCRを、増幅された標的配列へのプローブハイブリダイゼーションの効率を増強するために使用し、プライマーTH01_FおよびTH01_Rの濃度はそれぞれ0.1μMおよび1μMであった。プローブおよびブロッカーオリゴヌクレオチドをそれぞれ濃度75nMおよび375nMで使用した。ブロッカーオリゴヌクレオチドの5倍モル過剰量を、TH01対立遺伝子によって共有される共通3.1 AATGリピートへのプローブハイブリダイゼーションを抑制するために使用した。ブロッカーオリゴヌクレオチドは、プローブハイブリダイゼーションに利用できる標的配列の量を限定し、6〜10リピートの対立遺伝子の長さを2.1〜6.1リピートに効果的に短縮し、それにより融解ピークTmに基づいてTH01対立遺伝子を区別する能力を改善する。
HYBTH01プローブとTH01_BLブロッカーとの組合せは、およそ53℃、57℃、60.5℃および61.5℃の融解ピークTmをそれぞれ示す、増幅された8、9、9.3および10リピートの対立遺伝子の確実な検出および同定を可能にする(図14)。6および7リピートの対立遺伝子の融解温度は、この遺伝子座中のより困難な長いリピート配列を検出するために設計したプローブ構造のこの特定のバージョンによる確実な検出を可能にするためには低すぎた。本発明の同じ原理が、ブロッカー中のリピート数の減少、プローブ中のリピート数の増加、またはプローブのTmの増大(アンカー配列の長さの増大、DNA塩基類似物の包含を通じて、もしくは5'-トリメトキシスチルベンなどのキャップホスホラミダイトのいずれかによる)によって6および7リピートの対立遺伝子の検出に応用できることは明白である。同様に、TH01アッセイは、ヘキサエチレングリコール(HEG)修飾によって分離されるTH01_BLブロッカーおよびTH01_Rプライマー配列を含む長いオリゴヌクレオチドを使用する単分子形態においても効果的に機能すると期待されている。
結論
リピート配列は、オリゴヌクレオチドプローブを使用して分析でき、リピートの数は、標的の長さおよびハイブリダイズするプローブの割合によって決定される。60ヌクレオチドを超える長いオリゴヌクレオチドプローブが短鎖タンデムリピートを分析するために必要である。長いリピートの間でのプローブTmにおける差異は、しばしば小さく、特定の対立遺伝子を確実に同定することを妨げる。ΔTmは、プローブの不安定化を介してまたはリピート配列を非蛍光ブロッカーと長さが短縮された蛍光プローブとに分離するステップによって、増強されうる。本明細書において記載する種々のブロッキング戦略は、プローブΔTmならびに多数のリピートを有するD16S539およびTH01対立遺伝子を区別する能力を増強している。本発明の実施例は、それだけに限らないがD19S433およびD18S51を含む他のSTRにも拡大できる。
プローブとブロッカーとの交差ハイブリダイゼーションの抑制
D8S1179およびD3S1358遺伝子座の両方は(TCTA)nリピート配列を含む。プローブおよびブロッカーは、交差ハイブリダイズし、効果的な標的検出を妨げるか、または誤った結果を生じる。ブロッカーのプライマーへの結合(すなわち単分子ブロッキング)は、交差ハイブリダイゼーションを抑制する。プローブの単分子構築物への結合は、不正確な標的対立遺伝子の検出を抑制する。ハイブリダイゼーションの安定化のためにブロッカーとプローブ成分とを2つの別々の部分に分離するオリゴヌクレオチドスペーサーを、これを達成するために使用する(図16を参照されたい)。
単一のチューブに複数のブロッカーを含むステップは、融解ピークTmにおける移動を追加的なリピート対立遺伝子を検出するために使用する。これは、ほとんどのプローブ(長さ/配列)をハイブリダイズ可能にする部分的リピート(オフセット)ブロッカーを使用して達成される。
D8S1179対立遺伝子がTCTAおよびTCTG要素の両方を含むことが報告されている一方で、TCTGリピートは、13個以上のリピートを有する対立遺伝子に限定されており、2番目、3番目および4番目のリピート位置だけに位置付けられている(GenBankアクセション番号AF216671)。可変性のTCTAおよびTCTGリピートを、したがってブロッキングオリゴヌクレオチド中に位置付け、プローブハイブリダイゼーションのために利用できるTCTAリピートだけを残した。D8S1179遺伝子座は、6から25回のテトラヌクレオチドリピートを有すると報告されているが、しかし、99.9%の対立遺伝子が8リピート(0.9%)、9リピート(0.8%)、10リピート(8.8%)、11リピート(7.3%)、12リピート(12.6%)、13リピート(27.6%)、14リピート(22.6%)、15リピート(14.1%)、16リピート(4.3%)および17リピート(0.9%)のいずれかを含むD8S1179アッセイを設計する場合には、最も一般的なリピート対立遺伝子だけを考慮した。
プローブHYBD8を、D8S1179対立遺伝子を検出および区別するために設計した。プローブは、TCTAの8リピート(Table 14(表14))およびFTCCCCPの3'アンカー配列を含んだ。プローブを2つのフルオレセインdT色素で標識し、5個のヌクレオチド(その内1つはアンカー配列中に位置付けられた)によって分離した。3つのブロッカーオリゴヌクレオチドを共通D8S1179対立遺伝子の全体を検出および区別するために使用する、二分子ブロッキング戦略を図6に記載した通り使用した。二分子ブロッカー、D8BL5、D8BL8およびD8BL11(Table 14(表14))を標的対立遺伝子におけるリピートの数がそれぞれ13、16および19回より少ない場合に、HYBD8プローブが標的配列に完全にハイブリダイズすることを抑制するために設計した。
D8S1179標的配列を精製DNA試料および未精製唾液試料からプライマーD8FおよびD8R(Table 14(表14))を使用して増幅した。非対称PCRを増幅した標的配列へのプローブハイブリダイゼーションの効率を増強するために使用し、D8FおよびD8Rプライマー濃度は、それぞれ0.1μMおよび1μMであった。プローブおよびブロッカーオリゴヌクレオチドをそれぞれ濃度75nMおよび375nMで使用した。ブロッカーオリゴヌクレオチドの5倍モル過剰量を不適切な標的リピートへの全長プローブハイブリダイゼーションを抑制するために使用した。
D8BL5の存在下での融解曲線分析は、8、9および10リピートの対立遺伝子の確実な検出および同定を可能にする(Table 15(表15))。D8BL8ブロッカーを11、12および13リピートの対立遺伝子を検出するために使用し、D8BL11は14、15、16および17リピートの対立遺伝子の同定を可能にする。
HYBD8プローブの9リピート、12リピートおよび15リピートの標的対立遺伝子へのハイブリダイゼーションは、それぞれD8BL5、D8BL8およびD8BL11ブロッカーとの組合せで使用される場合に44.73℃、44.4℃および44.4℃の融解ピークTmを生じる。D8BL5、D8BL8およびD8BL11それぞれが、プローブハイブリダイゼーションに利用可能な3個の標的リピートを残していることから、9、12および15リピートの対立遺伝子が同程度の融解ピークTmを生じることが予測される。このことからD8BL5、D8BL8およびD8BL11ブロッカーオリゴヌクレオチドは、9、12および15リピートの対立遺伝子を単一チューブ内で同時に検出するためには、一緒に使用できない。
部分的リピートを有するブロッカーオリゴヌクレオチドを使用するステップは、融解ピークTmの移動を生じ(「オフセット」)、同時に検出できるSTR対立遺伝子の数を増加させる。7.2(すなわち(TCTA)7TC)リピートおよび10.3(すなわち(TCTA)10TCT)リピートを含む部分的リピートブロッカーを、11から17個のリピートを有する増幅された標的で評価した。D8BL8およびD8BL11と比較してのブロッカー長の短縮は、いっそう多くのプローブをハイブリダイズさせ、融解ピークTmにおける増大を生じる(Table 15(表15))。例えばD8BL7.2ブロッカーの存在下で、12リピートの標的へのプローブハイブリダイゼーションは、D8BL5およびD8BL7.2ブロッカーが9および12リピートの対立遺伝子を同時に検出するために使用できるような、46.88℃の融解ピークTmをもたらす(図18)。図19は、単一チューブ中でD8BL7.2およびD8BL10.3ブロッカーを使用する11および15リピートの対立遺伝子の同時検出を例示する。
適切な色素の表
共通用法でのSTR
英国において使用されるSGM+遺伝子座は、
D3S1358、VWA、D16S539、D2S1338、D8S1179、D21S11、D18S51、D19S433、THO1 FGA
である。
米国において使用される13 CODIS遺伝子座は、
CSF1PO、FGA、TH01、TPOX、VWA、D3S1358、D5S818、D7S820、D8S1179、D13S317、D16S539、D18S51およびD21S11
である。
Y染色体STR(Y-STR)遺伝子座の中核となるセットは、ヒトの同一性検査および遺伝的統計学のために世界中の研究所において広く使用される。最小ハプロタイプ遺伝子座(MHL)は、利用可能なY-STRの小セットから1990年代後半に選択された。MHLは、DYS19、DYS389I、DYS389II、DYS390、DYS391、DYS392、DYS393および、多型、マルチコピーマーカーDYS385を含む。2003年に、DNA分析方法に関する技術作業部会(SWGDAM)のY染色体小委員会は、DYS438およびDYS439と称される2種の追加的Y-STRを推奨した。
[参考文献]

Claims (66)

  1. 標的ポリヌクレオチド中のタンデムリピートの数を決定するための方法であって、
    (a)標的ポリヌクレオチド中のタンデムリピートの1個または複数が一本鎖形態である標的ポリヌクレオチドを含有する試料を提供するステップ、
    (b)標識プローブオリゴヌクレオチドを標的ポリヌクレオチドの一本鎖部分にハイブリダイズするステップであって、標的ポリヌクレオチドの一本鎖部分において、プローブオリゴヌクレオチドが前記タンデムリピートの少なくとも1個に相補的であり、かつプローブオリゴヌクレオチドの少なくとも5個のヌクレオチドが前記タンデムリピートに相補的であるステップ、および
    (c)標的ポリヌクレオチドの一本鎖部分へのプローブオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションに基づいて標的ポリヌクレオチド中のタンデムリピートの数を決定するステップ
    を含む方法。
  2. 標的ポリヌクレオチドがDNAである、請求項1に記載の方法。
  3. ステップ(a)の後にまたはステップ(a)と共にさらなるステップ
    (a1)ブロッキングオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション後に、標的ポリヌクレオチド中のタンデムリピートの1個または複数が一本鎖形態のままであるように、ステップ(a)で提供される標的ポリヌクレオチド中のタンデムリピートの少なくとも1個であるがすべてではないタンデムリピートにブロッキングオリゴヌクレオチドをハイブリダイズさせるステップ
    を含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. ステップ(a)において、標的ポリヌクレオチド中のタンデムリピートの2個以上が一本鎖形態である、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. ステップ(a)において、標的ポリヌクレオチド中のタンデムリピートの3個以上が一本鎖形態である、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
  6. ステップ(b)において、プローブオリゴヌクレオチドが標的ポリヌクレオチドの一本鎖部分中のタンデムリピートの少なくとも2個に相補的である、請求項4または5に記載の方法。
  7. ステップ(b)において、プローブオリゴヌクレオチドが標的ポリヌクレオチドの一本鎖部分中のタンデムリピートの少なくとも3個に相補的である、請求項5に記載の方法。
  8. ステップ(a)において、タンデムリピートを含有する標的ポリヌクレオチドの一本鎖部分が少なくとも8個のヌクレオチドを含有する、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
  9. ステップ(a)において、タンデムリピートを含有する標的ポリヌクレオチドの一本鎖部分が少なくとも16個のヌクレオチドを含有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. ステップ(b)において、プローブオリゴヌクレオチドが標的ポリヌクレオチドの一本鎖部分に存在するタンデムリピート中の少なくとも8個のヌクレオチドに相補的である、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. ステップ(b)において、プローブオリゴヌクレオチドが標的ポリヌクレオチドの一本鎖部分に存在するタンデムリピート中の少なくとも16個のヌクレオチドに相補的である、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. ステップ(a1)において、ブロッキングオリゴヌクレオチドが標的ポリヌクレオチドの一本鎖部分中のタンデムリピートの少なくとも2個にハイブリダイズする、請求項3に記載の方法。
  13. ステップ(a1)において、ブロッキングオリゴヌクレオチドが標的ポリヌクレオチドの一本鎖部分中のタンデムリピートの少なくとも3個にハイブリダイズする、請求項12に記載の方法。
  14. ステップ(a1)において、ブロッキングオリゴヌクレオチドが標的ポリヌクレオチドの一本鎖部分中に存在するタンデムリピート中の少なくとも8個のヌクレオチドに相補的である、請求項3に記載の方法。
  15. ステップ(a1)において、ブロッキングオリゴヌクレオチドが標的ポリヌクレオチドの一本鎖部分中に存在するタンデムリピート中の少なくとも16個のヌクレオチドに相補的である、請求項14に記載の方法。
  16. ステップ(a1)において、ブロッキングオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション後にタンデムリピートの2個以上が一本鎖形態のままである、請求項3に記載の方法。
  17. ステップ(a1)において、ブロッキングオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション後にタンデムリピートの3個以上が一本鎖形態のままである、請求項16に記載の方法。
  18. ステップ(a1)において、ブロッキングオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション後にタンデムリピートの少なくとも8個のヌクレオチドが一本鎖形態のままである、請求項3に記載の方法。
  19. ステップ(a1)において、ブロッキングオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション後にタンデムリピートの少なくとも16個のヌクレオチドが一本鎖形態のままである、請求項18に記載の方法。
  20. ステップ(a1)において、ブロッキングオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション後に標的ポリヌクレオチド中のタンデムリピートの1個または複数が一本鎖形態のままであるように、2つ以上のブロッキングオリゴヌクレオチドがステップ(a)において提供されるタンデムリピートの少なくとも1個であるがすべてではないタンデムリピートにハイブリダイズされる、請求項3に記載の方法。
  21. ブロッキングオリゴヌクレオチドの1つまたは複数がタンデムリピートの一部の数にハイブリダイズする、請求項20に記載の方法
  22. ステップ(a)における試料が増幅反応中または増幅反応後に生成される、請求項1から21のいずれかに記載の方法。
  23. 増幅反応がPCRである、請求項22に記載の方法。
  24. ステップ(a)における試料がゲノムDNAからの増幅によって生成される、請求項22または23に記載の方法。
  25. ステップ(a)における試料がin vitro転写によって生成される一本鎖標的RNAを含有する、請求項1から21のいずれか一項に記載の方法。
  26. プローブオリゴヌクレオチドが蛍光標識されている、請求項1から25のいずれかに記載の方法。
  27. プローブオリゴヌクレオチドがHyBeacon(登録商標)プローブである、請求項26に記載の方法。
  28. ブロッキングオリゴヌクレオチドがフルオロフォアを含み、かつプローブオリゴヌクレオチドが消光物質を含む、またはその逆である、請求項3に記載の方法。
  29. プローブオリゴヌクレオチドおよびブロッカーオリゴヌクレオチドが相互にFRETに関与できるフルオロフォアで標識されている、請求項3に記載の方法。
  30. プローブオリゴヌクレオチドが標的ポリヌクレオチドの一本鎖部分中の少なくとも1個のタンデムリピートに完全に相補的である、請求項1から29のいずれかに記載の方法。
  31. プローブオリゴヌクレオチドが標的ポリヌクレオチドの一本鎖部分中の少なくとも1個のタンデムリピートに部分的に相補的である、請求項1から27のいずれかに記載の方法。
  32. ブロッキングオリゴヌクレオチドが標的ポリヌクレオチド中の少なくとも1個のタンデムリピートに完全に相補的である、請求項3に記載の方法。
  33. ブロッキングオリゴヌクレオチドが標的ポリヌクレオチド中の少なくとも1個のタンデムリピートに部分的に相補的である、請求項3に記載の方法。
  34. ステップ(a)において、標的ポリヌクレオチド中のタンデムリピートに隣接する一方または両方の領域が一本鎖形態である、請求項1から33のいずれかに記載の方法。
  35. ステップ(b)におけるプローブオリゴヌクレオチドが、タンデムリピートに隣接する標的ポリヌクレオチド中の領域に相補的であるアンカー部分を含有する、請求項34に記載の方法。
  36. ステップ(a)において、標的ポリヌクレオチド中のタンデムリピートに隣接する一方または両方の領域が一本鎖形態であり、かつブロッキングオリゴヌクレオチドがタンデムリピートに隣接する領域に相補的であるアンカー部分を含有する、請求項3に記載の方法。
  37. ステップ(b)におけるプローブオリゴヌクレオチドが、ブロッキングオリゴヌクレオチドのアンカー部分に相補的ではないタンデムリピートに隣接する領域に相補的であるアンカー部分を含有する、請求項36に記載の方法。
  38. ブロッキングオリゴヌクレオチドが、プローブオリゴヌクレオチドの5'(または3')末端のクランプ部分に相補的であるクランプ部分をその3'(または5')末端に含有する、請求項3に記載の方法。
  39. ブロッキングオリゴヌクレオチドとプローブオリゴヌクレオチドとの各対のそれぞれのクランプ部分が相互に相補的である、ブロッキングオリゴヌクレオチドとプローブオリゴヌクレオチドとの少なくとも2つの異なる対が使用される、請求項38に記載の方法。
  40. 相補的クランプ部分の各対が異なるTmを有するように、クランプ部分のヌクレオチド配列が選択される、請求項39に記載の方法。
  41. ステップ(a)と(a1)とが同時に実施される、請求項3に記載の方法。
  42. PCRが標的DNA(ポリヌクレオチド)を生成し、標的DNA中のタンデムリピートの1個または複数が一本鎖形態であり、かつPCRにおいて使用されるプライマーがブロッキングオリゴヌクレオチドも含む、請求項41に記載の方法。
  43. プライマーが、3'末端にタンデムリピートの3'である標的DNA中の領域に相補的である部分を含み、かつ5'末端に前記プライマーによって合成されるPCR産物の鎖中の少なくとも1個のタンデムリピートに相補的である部分を含む、請求項42に記載の方法。
  44. プライマーが、3'から5'に、(i)タンデムリピートの3'である標的DNA中の領域に相補的である部分、(ii)任意選択で、スペーサー部分、(iii)前記プライマーによって合成されるPCR産物の鎖中の隣接領域に相補的であるアンカー部分、および(iv)前記プライマーによって合成されるPCR産物の鎖中の少なくとも1個のタンデムリピートに相補的である部分を含む、請求項43に記載の方法。
  45. プライマーが(v)プローブオリゴヌクレオチドの3'末端のクランプ部分に相補的であるクランプ部分をさらに含む、請求項44に記載の方法。
  46. ブロッキングオリゴヌクレオチドとプローブオリゴヌクレオチドとの各対のそれぞれのクランプ部分が相互に相補的であるPCRプライマーとプローブオリゴヌクレオチドとの少なくとも2つの異なる対が使用される、請求項44に記載の方法。
  47. クランプ部分のヌクレオチド配列が異なるTmを有する、請求項46に記載の方法。
  48. PCRで使用されるプライマーがプローブオリゴヌクレオチドも含む、請求項42に記載の方法。
  49. プライマーが(v)スペーサー部分および(vi)プローブオリゴヌクレオチドをさらに含む、請求項44に記載の方法。
  50. 標的ポリヌクレオチドの一本鎖部分中のタンデムリピートの数を融解温度(Tm)により識別できるように、プローブオリゴヌクレオチドを選択する、請求項1から49のいずれかに記載の方法。
  51. プローブオリゴヌクレオチドとタンデムリピートを含有する標的DNAの一本鎖部分との間で形成されるハイブリッドのTmの間における融解温度における差異(ΔTm)が少なくとも0.5℃である、請求項50に記載の方法。
  52. ハイブリダイゼーションステップ(b)が、標的ポリヌクレオチドの一本鎖部分とプローブオリゴヌクレオチドとの間で形成される1つまたは複数のハイブリッドの融解点を含む温度範囲に近いまたはそれを超える予め定めた温度で実施される、請求項1から51のいずれかに記載の方法。
  53. 標的ポリヌクレオチド中のタンデムリピートの1個または複数が一本鎖形態である、標的ポリヌクレオチド中のタンデムリピートの数を決定するためのシステムであって、
    (a)標的ポリヌクレオチドの一本鎖部分において、タンデムリピートの少なくとも1つに相補的であり、かつプローブオリゴヌクレオチドの少なくとも5個のヌクレオチドがタンデムリピートに相補的である標識プローブオリゴヌクレオチド、
    (b)標的ポリヌクレオチド中のタンデムリピートの少なくとも1個であるがすべてではないタンデムリピートに相補的であるブロッキングオリゴヌクレオチド
    を含むシステム。
  54. アンカー部分に連結した少なくとも2個のタンデムリピートを含有する部分を含むオリゴヌクレオチドであって、アンカー部分の配列および少なくとも2個のタンデムリピートが標的ポリヌクレオチド中で近接して存在するオリゴヌクレオチド。
  55. 3'末端にクランプ部分をさらに含む、請求項54に記載のオリゴヌクレオチド。
  56. 標識された、請求項54または55に記載のオリゴヌクレオチド。
  57. 3'から5'に、(i)タンデムリピートの3'である標的DNA中の領域に相補的である部分、(ii)任意選択で、スペーサー部分、(iii)前記プライマーによって合成されるPCR産物の鎖中の隣接領域に相補的であるアンカー部分、および(iv)前記プライマーによって合成されるPCR産物の鎖中の少なくとも1個のタンデムリピートに相補的である部分を含む、タンデムリピートを含有する標的DNAを増幅するためのPCR反応に関与するためのオリゴヌクレオチドプライマー。
  58. (v)クランプ部分をさらに含む、請求項57に記載のオリゴヌクレオチド。
  59. (v)スペーサー部分および(vi)プローブオリゴヌクレオチドをさらに含む、請求項57に記載のオリゴヌクレオチドプライマー。
  60. 請求項56に記載のオリゴヌクレオチドおよび請求項57に記載のオリゴヌクレオチドを含む、標的ポリヌクレオチド中のタンデムリピートの数を決定するためのシステム。
  61. クランプ部分が相互に相補的である請求項55に記載のオリゴヌクレオチドおよび請求項58に記載のオリゴヌクレオチドプライマーを含む、標的ポリヌクレオチド中のタンデムリピートの数を決定するためのシステム。
  62. 請求項55に記載のオリゴヌクレオチドの2つ以上の対および請求項58に記載のオリゴヌクレオチドプライマーを含み、オリゴヌクレオチドの前記対が相補的クランプ部分を有する、請求項61に記載のシステム。
  63. (a)タンデムリピートを含有する標的DNAを選択するステップ、
    (b)タンデムリピートの配列および隣接領域の1個または複数の配列を得るステップ、
    (c)アンカー部分に連結した少なくとも2個のタンデムリピートを含有する部分を含むオリゴヌクレオチドを合成するステップであって、アンカー部分の配列および少なくとも2個のタンデムリピートが標的DNA中および任意選択でその3'末端のクランプ部分において近接して存在するステップ
    を含む、請求項54または55に記載のオリゴヌクレオチドを調製するための方法。
  64. (a)タンデムリピートを含有する標的DNAを選択するステップ、
    (b)タンデムリピートの配列および隣接領域の1個または複数の配列を得るステップ、
    (c) 3'から5'に、(i)タンデムリピートの3'である標的DNA中の領域に相補的である部分、(ii)任意選択で、スペーサー部分、(iii)前記プライマーによって合成されるPCR産物の鎖中の隣接領域に相補的であるアンカー部分、(iv)前記プライマーによって合成されるPCR産物の鎖中の少なくとも1個のタンデムリピートに相補的である部分、および任意選択で(v)クランプ部分または任意選択で(v)スペーサー部分および(vi)プローブオリゴヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドを合成するステップ、
    を含む、タンデムリピートを含有する標的DNAを増幅するためのPCR反応に関与するための請求項57から59のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチドプライマーを調製するための方法。
  65. (a)タンデムリピートを含有する標的DNAを選択するステップ、
    (b)タンデムリピートの配列および隣接領域の1個または複数の配列を得るステップ、
    (c)オリゴヌクレオチドが標識される請求項63の方法によって請求項54または55に記載のオリゴヌクレオチドを調製するステップ、および請求項64の方法によって請求項57から59のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチドを調製するステップ
    を含む、請求項60に記載のシステムを準備する方法。
  66. 標的DNAがヒトゲノムDNAである、請求項1から52もしくは63から65のいずれかに記載の方法、または請求項53もしくは60から62のいずれかに記載のシステム、または請求項54から59のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド。
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