JP2011505509A - 重心の補償を備える積載質量システム - Google Patents
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Abstract
本開示は、少なくとも2つのリンク部材(24)を有する動作部(18)と共に使用する積載質量計算システム(42)に関する。積載質量計算システムは、少なくとも2つのリンク部材の状態を測定するために構成される、少なくとも1つの状態センサ(44)を有し得る。積載質量計算システムはまた、少なくとも1つの状態センサと通信する処理装置(48)も有し得る。処理装置は少なくとも2つのリンク部材の各々の重心の変化を明らかにし得る。処理装置また、動作部によって動かされた積載量の質量を決定するため、少なくとも1つの状態センサを用いるように構成され得る。
Description
本開示は全般的に、積載質量計算システム、より具体的には動作部のリンク部材の重心の変化を明らかにする積載質量計算システムに関する。
材料を作業現場から運び、この材料を輸送車両(例えばトラックや貨車)へ荷積みするために、様々なタイプの機械が動作部を用い得る。これらの機械は掘削機、ホイールローダ、バックホー、およびその他の材料移動機械を含む。機械によって荷積みされる輸送車両は、メーカーの最大荷重定格および/または、例えば高速走行車に対する重量制限のような別の要素によって決定される特定の積載容量を有し得る。輸送車両の最大利用を促進するため、各輸送車両にその積載容量の出来る限り近くまで荷積みすることが望ましいかもしれない。しかしながら、輸送車両に過剰に荷積みすることはマイナスの結果を有し得る。とりわけ、輸送車両に重量をかけすぎることは、輸送車両に関する保守費用を大幅に増加させ、あるいは過剰な材料が輸送前に取り除かれる場合、費用のかかる遅延を生み出し得る。
各輸送車両上に置かれる材料の重量を監視するため、機械メーカーは積載質量計算システムを開発した。積載質量計算システムは、特定の周期または期間の間に輸送車両へ荷積みされる材料の全体重量と同様、動作部により現在運ばれている材料の重量(例えば、掘削機バケット内の材料の重量)を決定し得る。生産性向上のため、積載質量計算システムは、(静的測定の実施よりもむしろ)機械および/または動作部が動いている間に、機械および/または動作部によって運ばれる材料の重量を決定し得る。
動作部によって動かされる質量を決定するための1つの方法は、2003年2月11日にクレーン,IIIら(Crane,III et al.)に対して発行された(特許文献1)(’519特許)に開示されている。’519特許はシャーシ、シャーシに連結された運転室、および運転室に連結されたブームを有する機械を開示している。第1のアクチュエータはブームおよび運転室に連結され、ブームを運転室に対して移動させる。機械はブームに連結された棒と、棒をブームに対して移動させる、棒およびブームに連結された第2のアクチュエータとを有する。機械はまた、積載質量を受けるために動作可能なバケットを有する。バケットは棒と連結され、第3のアクチュエータはバケットおよび棒に連結されて、バケットを棒に対して移動させる。
様々な検出装置が、運転室に対するブームの第1継手の角度、ブームに対する棒の第2継手の角度、棒に対するバケットの第3継手の角度を決定するために用いられ、第1のアクチュエータ力は第1のアクチュエータに及ぼされ、第2のアクチュエータ力は第2のアクチュエータに及ぼされ、そして第3のアクチュエータ力は第3のアクチュエータに及ぼされる。機械の複数の物理的特性もまた、例えばメモリ内のデータセットにアクセスすることにより決定される。処理装置は時間内に少なくとも2つの場合において検出装置からの信号を受信し、動的方程式を用いて、受信した信号および機械の所定の物理的特性に応じ、バケットおよびその中のあらゆる積載量の質量または重量を決定する。動的方程式において、バケットの重心位置は未知のパラメータに関して表わされるが、しかしながら(固定されたxy座標系における)棒およびブーム双方の重心位置は既知の項として想定される。バケットおよび積載量の質量/重量の決定は、ブーム、棒、およびバケットの1つあるいは全てが動作している間に行われ得る。
先行技術の機械は、ブーム、棒、およびバケットの1つあるいは全てが動作している間に、積載量の質量/重量を決定し得るが、リンクの重心位置の変化は決定された質量において不正確さを生じ得る。
開示されている本機械システムは、上述の1つ以上の問題を克服することを目的とする。
1つの態様において、本開示は少なくとも2つのリンク部材を有する動作部と共に使用する積載質量計算システムに関する。積載質量計算システムは、少なくとも2つのリンク部材の状態を測定するために構成される、少なくとも1つの状態センサを含み得る。積載質量計算システムはまた、少なくとも1つの状態センサと通信する処理装置も含み得る。処理装置は少なくとも2つのリンク部材の各々の重心の変化を明らかにし得る。処理装置は、動作部により動かされた積載量の質量を決定するため、少なくとも1つの状態センサを用いるように構成され得る。
別の態様において、本開示は積載質量を計算する方法に関する。本方法は積荷を動かすために、少なくとも2つのリンク部材の1つを作動させること、および少なくとも2つのリンク部材における力を測定することを含み得る。本方法はまた、少なくとも2つのリンク部材の状態を測定することを含み得る。本方法はさらに、少なくとも2つのリンク部材の各々の重心の変化を考慮しながら、測定された力および測定された状態を用いて、積荷の質量を計算することを含み得る。
図1は例示的な機械10を示す。機械10は鉱業、建設業、農業、運輸のような産業、あるいは当業界で公知のその他の産業に関連する、幾つかのタイプの作業を行う可動機械であり得る。例えば、機械10は掘削機、ホイールローダ、バックホーのような土木機械、または当業界で公知のその他の適切な土木機械であり得る。機械10はプラットホーム12、車台14、動力源16、および動作部18を含み得る。
プラットホーム12は車台14上に回転可能に配置され、動作部18と接続する(図示せず)基礎部材を備え得る。プラットホーム12はまた、そこからオペレータが機械10の動作を制御し得る、オペレータ・ステーション20も含み得る。
車台14は1つ以上のトラクション装置22用の構造支持体であり得る。トラクション装置22は、作業面を横切る機械10の並進運動を可能にするよう構成された、機械10の各々の側に位置する無限軌道を含み得る。代わりに、トラクション装置22は車輪、ベルト、あるいは当業界で公知のその他のトラクション装置を含み得る。いずれのトラクション装置22も駆動および/または操舵可能である。
動力源16は機械10の動作用の動力を提供し得る。動力源16はディーゼルエンジン、ガソリンエンジン、気体燃料を動力源とするエンジン(例えば天然ガスエンジン)のような内燃機関、あるいは当業界で公知の他の任意のタイプの内燃機関を具体化し得る。動力源16は代わりに、モーターに連結された燃料電池または他の電力貯蔵装置のような、非燃焼動力源を具体化し得る。動力源16はトラクション装置22を駆動するために回転出力を提供することができ、それによって機械10を推進させる。動力源16はまた、車台14に対してプラットホーム12を回転させる動力をも提供し得る。
動作部18は、特定の任務を達成するように設計された1つ以上のリンク部材24を含み得る。具体的に、リンク部材24はブーム部材28、棒状部材30、および作業工具32を具体化し得る。ブーム部材28の第1端は枢動可能にプラットホーム12に接続され、かつブーム部材28の第2端は枢動可能に棒状部材30の第1端に接続され得る。作業工具32は枢動可能に棒状部材30の第2端に接続され得る。作業工具32は、例えばバケット、グラップラー、フォーク、引き上げフック、または当業界で公知のその他の任意の適切な作業工具を具体化し得ることが考えられる。各リンク部材24は1つ以上のアクチュエータ26を含むことができ、それにより作動し得る。リンク部材24は、作業面に対してほぼ直角の平面内で並進または回転し得ることが考えられる。
図2に示すように、各アクチュエータ26は例えば、ピストン組立品36およびチューブ38を含む油圧シリンダであってもよい。ピストン組立品36は、1つの面が第1のチャンバーと関連し、もう1つの面が第2のチャンバーと関連する、2つの油圧面を含み得る。第1および/または第2のチャンバーは、2つの油圧面において力の不釣合いを作り出すために、選択的に加圧流体を供給され、加圧流体を排出され得る。力の不釣合いは、ピストン組立品36のチューブ38内での軸方向変位を生じ得る。また、アクチュエータ26が代わりに電気モーター、空気モーター、または当業界で公知のその他の任意の作動装置を具体化し得ることが考えられる。
油圧システム40は、各アクチュエータ26に動力を供給するために加圧流体を提供し得る。具体的に、油圧システム40はポンプ(図示せず)および、複数の制御弁(図示せず)を含み得る。(動力源16の回転出力により動力を供給される)ポンプは、複数の制御弁に通じている作動油を加圧し得る。複数の制御弁は加圧流体を1つ以上の油圧ライン41を経由して、アクチュエータ26の第1および/または第2のチャンバーに選択的に供給し、従ってピストン組立品36の軸方向変位を生じる。油圧システム40は例えば、アキュムレータ、チェック弁、圧力リリーフ弁または圧力補給弁、圧力補償要素、絞りオリフィス、および当業界で公知のその他の油圧部品のような、追加的あるいは様々な構成要素を含み得ることが考えられる。
図2でさらに示されるように、機械10は、動作部18により動かされる質量(または重量)を計算するために構成される、積載質量計算システム42を含み得る。積載質量計算システム42は1つ以上の状態センサ44、姿勢センサ45、1つ以上の力センサ46、および処理装置48を含み得る。
状態センサ44は、リンク部材24の1つ以上の継手(すなわち、作業工具32と棒状部材30との間の継手、棒状部材30とブーム部材28との間の継手、およびブーム部材28とプラットホーム12との間の継手)の近くに位置する、角度検出装置であり得る。状態センサ44は回転エンコーダ、ポテンショメータ、あるいはその他の角度または位置検出装置を含み得る(例えば、状態センサ44は直線アクチュエータ上に位置することができ、アクチュエータの位置を用いて継手角度を決定するように構成され得る)。状態センサ44の出力信号は、例えば各リンク部材24の位置、速度、加速度、角度、角速度、および角加速度のような、動作部18の状態を決定するために使用され得る。
力センサ46は、アクチュエータ26および/またはリンク部材24により生み出され、あるいは経験される力を決定するために使用できる信号を出力するよう構成され得る。例えば、力センサ46はアクチュエータ26の第1および/または第2のチャンバー内の、またはそこに供給される加圧流体の圧力を測定するために位置しかつ構成される、圧力センサを具体化し得る。処理装置が、リンク部材24の継手トルクを決定するために、アクチュエータ26およびリンク部材24の物理的寸法と共に、測定された圧力を用い得ることが考えられる。力センサ46は代わりに、リンク継手、アクチュエータ継手、または他の適切な任意の場所に位置するひずみゲージ、圧電変換器、あるいは他の力検出装置を具体化し得る。
姿勢センサ45は機械10のピッチングおよびローリングを測定し得る。姿勢センサは、例えばオペレータ・ステーション20のような、機械10の任意の適切な場所に位置し得る。姿勢センサ45は1つ以上のジャイロスコープ、加速度計、重力傾斜計、またはそれらの任意の組合せを具体化し得る。
処理装置48は、機械10およびその構成要素の性能を監視および/または変更し得る。処理装置48は無線でまたは1つ以上の通信ライン43を経由して、状態センサ44、姿勢センサ45、および力センサ46と通信し得る。処理装置48はまた、機械10の動力源16、オペレータ・ステーション20、油圧システム40、および/または機械10のその他の構成要素とも通信し得ることが考えられる(図示せず)。
処理装置48は、単独のマイクロプロセッサ、または複数のマイクロプロセッサを具体化し得る。多くの市販されているマイクロプロセッサが、処理装置48の機能を行うために構成され得る。そして処理装置48は、数々の機械の機能を監視および/または制御可能な、全般的な機械用マイクロプロセッサを容易に具体化し得ることが理解されるべきである。処理装置48は、アプリケーションを動作させるためのメモリ、二次的蓄電装置、プロセッサ、およびその他任意の構成要素を含み得る。例えば電源回路、信号調整回路、データ取得回路、信号出力回路、信号増幅回路、および当業界で公知のその他のタイプの回路のような、様々な別の回路が処理装置48と関連し得る。処理装置48は、処理装置48の内部メモリ内に格納されている1つ以上のマップを含み得る。これら各々のマップは表、グラフ、および/または式の形でデータの集積を含み得る。処理装置48は動的モデル、較正手順、および推定手順を含み得る。
動的モデルは、継手トルクTを他の測定可能な、および/または計算可能な項と関連付ける式を含み得る。Tは例えばTbo、Tst、およびTwt(図3参照)のような、動作部18の各継手における継手トルクの値を含むベクトル、または配列であり得る。動的モデルは、当業界で公知の任意の適切なモデル(例えば、数学的あるいは論理ベースの関係)を含み得ることが考えられる。許容可能な動的モデルの一例は:
であり、ここでqはリンクの状態ベクトル、M(q)は慣性行列、
はコリオリの行列および遠心項、G(q)は重力トルク行列、そして
は摩擦行列である。継手トルクの関係は、次の形:
のパラメータにおける線形モデルとして変換され、表わされ得る。ここで、
は非線形関数の行列、Ψはパラメータ・ベクトル:
である。
パラメータ・ベクトルΨの各要素は、リンク部材の寸法、質量M、慣性I、重心(「CG」)位置に関連する項を含み得る。例えば、パラメータ・ベクトルは:
と表わされ得る。ここで、図3にも示すように、αとrは所与のリンク部材の重心位置を定義する角度および半径、rの起点はリンク部材の継手(所与のリンク部材はブーム部材28、棒状部材30、または作業工具32)であり、bは所与のリンク部材の長さ、下付き文字「wt」は作業工具32に関係する項を意味し、「st」は棒状部材30に関係する項を意味し、「bo」はブーム部材28に関係する項を意味する。
図2に戻ると、較正手順は積載質量計算システム42を較正するために使用され得る。処理装置48は、パラメータ・ベクトルΨの計算用の複数組のデータを集めることにより、較正手順を開始し得る。
例えば、処理装置48は或る値の範囲(例えば、θbo,1,θst,1,θwt,1,;θbo,2,θst,2,θwt,2,;θbo,3,θst,3,θwt,3・・・θbo,n,θst,n,θwt,n)を通して、各リンク部材の角度θbo,θst,およびθwt(図3参照)を変え得る。処理装置48は、θbo,θst,およびθwtを連続的あるいは個々に変え得ることが考えられる。θbo,θst,およびθwtが変えられるとき、処理装置48は状態センサ44、姿勢センサ45、および/または力センサ46から測定値を取得し得る(測定値は例えば、リンク部材24あるいはリンク部材の継手に関連する角度、位置、力、および/またはトルクを含み得るか、または容易にそれらに変換され得る)。処理装置48はθbo,θst,およびθwtが変更されるとき、所定の角度または所定の周波数において測定値を取得し得る。従って、較正用に使用される測定データは、複数の角度
において測定された継手トルクを含み得る。処理装置48は、複数の各々の角度に対する、パラメータ・ベクトルΨの値
を計算するために、予めプログラミングされたリンクデータ(例えば、リンク部材24の物理的寸法)と組み合わせて、測定データの複数の組を用い得る。処理装置48は、例えば最小二乗アルゴリズムと一緒に、式(2)を用いて各パラメータ・ベクトルを計算し得る。
動的モデル、そしてより具体的には計算されたパラメータ・ベクトル、
は、計算されたパラメータ・ベクトルを、単独の補償されたパラメータ・ベクトルΨcompへ統合させ得る補償を受けることができる。Ψcompを得るため、処理装置48は多項式関数を、その値が所定のリンク部材の角度と共に変化するにつれて、1つ以上の計算されたパラメータ・ベクトル要素Ψに当てはめ得る。例えば、処理装置48は多項式を、θwtの関数として第6のパラメータ・ベクトル要素Ψ(6)に当てはめ、θstの関数として第8のパラメータ・ベクトル要素Ψ(8)に当てはめ得る、等。
一般的な形として、各々の補償されたパラメータ・ベクトル要素ΨCompは:
ΨComp=k1θ+k2θ2+k3θ3 (5)
と表わされ、ここでk1,k2,k3は多項式の曲線適合からの定数である。補償されたパラメータ・ベクトルは、動的モデルが、例えばアクチュエータ26内の加圧流体の流入および流出、チューブ38内でのピストン組立品36の軸方向変位、リンク部材24から離れるアクチュエータ26の任意の運動、作業工具32内への材料の積載、および重心変化の別にあり得る原因による、リンク部材の重心の変化の説明を可能にし得ることが考えられる。さらに、処理装置48はリンク部材24のいずれか1つ、または任意の組合せに関連するパラメータ・ベクトル要素(例えば、ブーム部材28単独;ブーム部材28および棒状部材30の双方;あるいはブーム部材28、棒状部材30、および作業工具32に関連するパラメータ・ベクトル要素)を補償し得ることが考えられる。較正ステップの間、処理装置48は補償されたパラメータ・ベクトルが所定の範囲内にあることを確実にするため、該補償されたパラメータ・ベクトルを、予めプログラミングされた限界に対して確認し得る。処理装置48は次に補償されたパラメータ・ベクトルを格納し得る。
ΨComp=k1θ+k2θ2+k3θ3 (5)
と表わされ、ここでk1,k2,k3は多項式の曲線適合からの定数である。補償されたパラメータ・ベクトルは、動的モデルが、例えばアクチュエータ26内の加圧流体の流入および流出、チューブ38内でのピストン組立品36の軸方向変位、リンク部材24から離れるアクチュエータ26の任意の運動、作業工具32内への材料の積載、および重心変化の別にあり得る原因による、リンク部材の重心の変化の説明を可能にし得ることが考えられる。さらに、処理装置48はリンク部材24のいずれか1つ、または任意の組合せに関連するパラメータ・ベクトル要素(例えば、ブーム部材28単独;ブーム部材28および棒状部材30の双方;あるいはブーム部材28、棒状部材30、および作業工具32に関連するパラメータ・ベクトル要素)を補償し得ることが考えられる。較正ステップの間、処理装置48は補償されたパラメータ・ベクトルが所定の範囲内にあることを確実にするため、該補償されたパラメータ・ベクトルを、予めプログラミングされた限界に対して確認し得る。処理装置48は次に補償されたパラメータ・ベクトルを格納し得る。
この推定手順は、動作部18によって動かされる積載量の質量(積載質量は材料、物体、またはその他任意の質量)を推定するために用いられ得る。積載量MPLの質量を推定するため、式(2)は:
と書かれ得る。ここで
は非線形関数の第2行列である。1つの例示的動作において、オペレータは動作部18に対し、材料または物体を拾い上げ、そしてそれが降ろされ得る新たな位置へと移動させるように指令し得る。材料または物体を動かしている間に、処理装置48は状態センサ44および力センサ46からデータを受信し得る。状態センサ44からのデータ(すなわち、状態データ)は例えば、各リンク部材24の位置、速度、加速度、角度、角速度、または角加速度を含み得る。処理装置48は、式(6)の
に対する値を決定および/または設定するために、受信したセンサデータ(すなわち、状態データおよび継手トルクデータ)および、事前にプログラミングされたリンクデータを用い得る。言い換えれば、継手トルクデータはTを設定するために用いられ、Ψは先験的に(例えば、較正から)決定され、
は、センサデータおよび/または事前にプログラミングされたリンクデータを用いて決定可能であり得る。処理装置48は次にMPLを計算するため、最小二乗法および/または(リャプノーフ理論(Lyapunov theory)に基づく)適応推定技術を用い得る。
開示された積載質量計算システムは、積載質量の計算が求められる任意の機械に適用され得る。重心の変化に対する補償は、積載質量測定値の精度を高め得る。改善された精度は、開示された機械が関与する特定の作業の生産性を改善し得る。積載質量計算システム42の動作が、ここで記述されよう。
図4に示すように、処理装置48は最初に、積載質量計算システム42の動的モデルが較正を必要とするかどうかを決定し得る(ステップ100)。処理装置48は動的モデルの較正を、設定された周期ベースあるいはユーザーの指令で必要とし得る。積載質量計算システム42の動的モデルが較正を必要とする場合、処理装置48は較正手順を開始し得る(ステップ110)。較正手順の間、処理装置48はリンク部材24の角度を変え、そして状態センサ44、姿勢センサ45、および力センサ46から測定値を受信し得る。センサデータは、動的モデルのパラメータ・ベクトルを計算するために使用され得る。計算されたパラメータ・ベクトルΨは次に、補償されたパラメータ・ベクトルΨcompを得るために、補償を受け得る。積載質量計算システム42が既に較正されている場合、処理装置48は前の較正から、補償されたパラメータ・ベクトルを呼び戻し得る(ステップ120)。
一旦較正されると、積載質量計算システム42は動作部18により動かされた積載量の質量を計算し得る(ステップ130)。例えば、機械10(図1参照)は輸送車両(図示せず)へ材料を積載する所で、荷積み作業を行い得る。荷積み作業の間、オペレータは動作部18に、材料の積荷を拾い上げ、移動させ、その後に輸送車両上へと放出するように指令し得る。積荷を移動させている間、処理装置48は状態センサ44および力センサ46からデータを受信し得る。処理装置48は受信したセンサデータ(すなわち、状態データと継手トルクデータ)、および事前にプログラミングされたリンクデータを、式(6)の
に対する値を決定または設定するために使用する。処理装置は次に式(6)から積載量の質量MPLを計算するため、最小二乗法および/または(リャプノーフ理論に基づく)適応推定技術を用い得る。
一旦積載質量の算定手順(すなわち、ステップ130)が完了すると、処理装置48は計算された積載量の質量を表示および/または格納する(ステップ140)。(所与の期間または動作サイクルにわたり)蓄積される計算積載質量もまた、表示および/または格納され得ることが考えられる。
処理装置48は次に、計算された積載量の質量が所定の許容範囲内にあるかどうかを決定するため、マップに対して計算された積載量の質量を確認し得る(ステップ150)。許容範囲は例えば、特定の時間内で動作部18により動かせる、実行可能な質量の範囲を定義し得る。計算された積載量の質量が所定の許容範囲内に無い場合、処理装置48は積載量の質量を再計算し得る(ステップ130に戻る)。積載量の質量が許容範囲内にある場合、処理装置48はオペレータが、オペレータ・ステーション20に位置する1つ以上のオペレータ入力装置を介して、積載質量計算システム42のリセットを指令したかどうかを決定し得る(ステップ160)。オペレータのリセットが指令されていた場合、処理装置48は積載質量測定ルーチンを中止し得る。代わりに、処理装置48は積載量の質量の算定に戻り得る(ステップ130に戻る)。
積載質量計算システムの幾つかの利点が実現され得る。特に、リンク部材の各々の重心に対する補償は、質量の測定値の精度を高め得る。積載量の質量の改善された測定値は、本開示の機械が、関連する輸送車両またはコンテナに、その最大容量近くまでの荷積みを可能にすることにより、生産性を向上させ得る。過積載なく最大荷重をより良く保証することにより、本開示の積載質量計算システムはまた、関連する輸送車両の保守費用をも低減し、あるいは過剰な材料が輸送前に取り除かれねばならない場合の、費用のかかる遅延を減らし得る。
様々な変更および変形が、本開示の範囲から逸脱することなく、開示された積載質量計算システムに対して行われ得ることは、当業者にとって明らかであろう。積載質量計算システムの別の実施形態は、ここに開示された積載質量計算システムの仕様および実行への考慮から、当業者にとって明らかであろう。本仕様および例は単に例示的と考えられるように意図され、真の範囲は以下の特許請求の範囲により示されている。
Claims (10)
- 少なくとも2つのリンク部材(24)を有する動作部(18)と共に使用する積載質量計算システム(42)であって、
少なくとも2つのリンク部材の状態を測定するために構成された、少なくとも1つの状態センサ(44)と、
少なくとも2つのリンク部材の各々の重心位置の変化を明らかにし、動作部によって動かされる積載量の質量を決定するために、少なくとも1つの状態センサを用いるように構成されている、少なくとも1つの状態センサと通信する処理装置(48)と
を備える積載質量計算システム。 - 少なくとも2つのリンク部材の各々がアクチュエータ(26)を含む、請求項1に記載の積載質量計算システム。
- アクチュエータにおける力を測定するために構成された1つ以上の力センサ(46)をさらに含み、処理装置が1つ以上の力センサと通信し、そして処理装置が積載量の質量を決定するために、1つ以上の力センサを用いるように構成されている、請求項2に記載の積載質量計算システム。
- 処理装置がモデルを含み、そして処理装置が積載量の質量を決定するために、そのモデルを使用する、請求項4に記載の積載質量計算システム。
- 処理装置が、1つ以上の力センサおよび少なくとも1つの状態センサから測定値を受信しながら、少なくとも2つのリンク部材の各々の角度を変えることによりモデルを較正するように構成されている、請求項5に記載の積載質量計算システム。
- 積載量の質量を計算する方法であって、
積荷を動かすために、少なくとも2つのリンク部材(24)の1つを作動させるステップと、
少なくとも2つのリンク部材において力を測定するステップと、
少なくとも2つのリンク部材の状態を測定するステップと、
少なくとも2つのリンク部材の各々の重心の変化を考慮しながら、測定された力および測定された状態を用いて、積荷の質量を計算するステップと
を含む方法。 - 少なくとも2つのリンク部材がブーム部材(28)、棒状部材(30)、および作業工具(32)を含む、請求項6に記載の方法。
- その状態が、角度、角速度、または角加速度の少なくとも1つを含む、請求項7に記載の方法。
- 較正をさらに含み、較正が積荷を動かす前に生じ、そして力および状態を測定している間に、少なくとも2つのリンク部材の各々の角度を変えることを含む、請求項8に記載の方法。
- ブーム部材(28)を有する作動部(18)と、請求項1〜5のいずれか一項に記載の積載質量計算システムとを備えた機械(10)。
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