JP2011505500A - 改良されたアルミニウム−銅−リチウム合金 - Google Patents

改良されたアルミニウム−銅−リチウム合金 Download PDF

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Abstract

【解決手段】改良されたアルミニウム−銅−リチウム合金を開示する。合金は、Cu:3.4 - 4.2 wt.%、Li:0.9 - 1.4 wt.%、Ag:0.3 - 0.7 wt.%、Mg:0.1 - 0.6 wt.%、Zn:0.2 - 0.8 wt.% 、Mn:0.1 - 0.6 wt.%、少なくとも一種の結晶粒組織制御元素:0.01 - 0.6 wt.%を含み、残部Al並びに付随的成分及び不純物である。合金は、従来合金よりも改良された組合せ特性を有する。
【選択図】図2

Description

この特許出願は、2007年12月4日に出願された米国仮特許出願第60/992,330号「改良されたアルミニウム合金」に関する優先権を主張し、2008年12月4日に出願された米国特許出願に関するものである。これらの各特許出願は引用を以てその全体が本願に組み込まれるものとする。
アルミニウム合金は、様々な用途において有用である。しかしながら、アルミニウム合金の1つの特性の改善を、他の特性を低下させることなく行なうことは困難である。例えば、合金の靱性を低下させることなく、合金の強度を向上させることは困難である。アルミニウム合金に関係がある他の特性の例を幾つか挙げると、耐食性、密度及び疲労などがある。
<開示の要旨>
広義において、本開示は、組合せ特性が改良されたアルミニウム−銅−リチウム合金に関する。
一態様において、アルミニウム合金は、本質的に、Cu:3.4 - 4.2 wt.%、Li:0.9 - 1.4 wt.%、Ag:0.3 - 0.7 wt.%、Mg:0.1 - 0.6 wt.%、Zn:0.2 - 0.8 wt.% 、Mn:0.1 - 0.6 wt.%、少なくとも一種の結晶粒組織制御元素:0.01 - 0.6 wt.%を含み、残部Al並びに付随的成分及び不純物からなる鍛錬された(wrought)アルミニウム合金である。鍛錬製品は、例えば、押出製品、プレート製品、シート製品又は鍛造製品である。一実施例において、鍛錬製品は押出製品である。一実施例において、鍛錬製品はシート製品である。一実施例において、鍛錬製品は鍛造製品である。
一態様において、合金は押出アルミニウム合金である。一実施例において、合金は、冷間加工が累積されるが、4%伸びの相当量以下である。他の実施例において、合金は、冷間加工が累積されるが、伸びは、3.5%相当量以下又は3%相当量以下であり、2.5%相当量以下の場合もある。ここで用いられる「累積冷間加工(accumulated cold work)」という語は、溶体化熱処理後、製品に累積される冷間加工を意味する。
一実施例において、アルミニウム合金は、Cuを少なくとも約3.6若しくは3.7 wt.%又は少なくとも約3.8 wt.%含んでいる。幾つかの実施例において、アルミニウム合金に含まれる銅は、約4.1又は4.0 wt.%以下である。幾つかの実施例において、アルミニウム合金に含まれる銅は、約3.6又は3.7 wt.%乃至約4.0又は4.1 wt.%の範囲である。一実施例において、アルミニウム合金に含まれる銅は、約3.8 wt.%乃至約4.0 wt.%の範囲である。
幾つかの実施例において、アルミニウム合金は、Liを少なくとも約1.0又は1.1 wt.%含んでいる。幾つかの実施例において、アルミニウム合金に含まれるLiは約1.3又は1.2 wt.%以下である。幾つかの実施例において、アルミニウム合金に含まれるリチウムは、約1.0又は1.1 wt.%乃至約1.2又は1.3 wt.%の範囲である。
幾つかの実施例において、アルミニウム合金は、Znを少なくとも約0.3又は0.35又は0.4又は0.45 wt.%含んでいる。幾つかの実施例において、アルミニウム合金に含まれるZnは、約0.7又は0.65又は0.6又は0.55 wt.%以下である。幾つかの実施例において、アルミニウムに含まれる亜鉛は、約0.3又は0.4 wt.%乃至約0.6又は0.7 wt.%の範囲である。
幾つかの実施例において、アルミニウム合金は、Agを少なくとも約0.35又は0.4又は0.45 wt.%含んでいる。幾つかの実施例において、アルミニウム合金に含まれるAgは、約0.65又は0.6又は0.55 wt.%以下である。幾つかの実施例において、アルミニウム合金に含まれる銀は、約0.35又は0.4又は0.45 wt.%乃至約0.55又は0.6又は0.65 wt.%の範囲である。
幾つかの実施例において、アルミニウム合金は、Mgを少なくとも約0.2又は0.25 wt.%含んでいる。幾つかの実施例において、アルミニウム合金に含まれるMgは約0.5又は0.45 wt.%以下である。幾つかの実施例において、アルミニウム合金に含まれるマグネシウムは、約0.2又は0.25 wt.%乃至約0.45又は0.5 wt.%の範囲である。
幾つかの実施例において、アルミニウム合金は、Mgを少なくとも約0.15又は0.2 wt.%含んでいる。幾つかの実施例において、アルミニウム合金に含まれるMgは約0.5又は0.4 wt.%以下である。幾つかの実施例において、アルミニウム合金に含まれるマンガンは、約0.15又は0.2 wt.%乃至約0.4又は0.5 wt.%の範囲である。
一実施例において、結晶粒組織制御元素はZrである。これら実施例のうちの幾つかの実施例において、アルミニウム合金は、Zrを0.05 - 0.15 wt.%含んでいる。
一実施例において、不純物として、FeとSiが挙げられる。これら実施例のうちの幾つかの実施例において、合金は、Siを約0.06 wt.%以下(例えば、Si≦0.03 wt.%)、Feを約0.08 wt.%以下(例えば、Fe≦0.04 wt.%)含んでいる。
アルミニウム合金は、機械的特性と耐食性の組合せ特性を改善することができる。一実施例において、アルミニウム合金は、少なくとも約86 ksiの長手方向(longitudinal)引張降伏強度を実現することができる。一実施例において、アルミニウム合金は、少なくとも約20 ksi√inのL−T平面ひずみ破壊靱性を実現する。一実施例において、引張弾性率(tension modulus)の例として少なくとも約11.3×103 ksiであり、圧縮弾性率(compression modulus)の例として少なくとも約11.6×103 ksiである。一実施例において、アルミニウム合金は、密度が約0.097 lbs./in3以下である。一実施例において、アルミニウム合金の比強度は、少なくとも約8.66×105inである。一実施例において、アルミニウム合金は、少なくとも約90 ksiの圧縮降伏強度を実現する。一実施例において、アルミニウム合金は耐応力腐食割れ性を有している。一実施例において、アルミニウム合金は、MASTMAASISでの格付け(rating)でEA以上を実現する。一実施例において、合金は、耐ガルバニック腐食性を有している。幾つかの態様において、単一種のアルミニウム合金は、上記特性のうちの多くの特性(全部の場合もある)を実現することができる。一実施例において、アルミニウム合金は、少なくとも約84 ksiの長手方向強度、少なくとも約20 ksi√inのL-T平面ひずみ破壊靱性を少なくとも実現し、耐応力腐食割れ性及び耐ガルバニック腐食性を具えている。
新規合金のこれら及び他の態様、利点及び新規な特徴について、その一部を以下に記載するが、当該分野の専門家であれば、以下の記載及び図面を検証することで明らかになるであろうし、また、合金の製造又は使用によって認識できるであろう。
図1aは、破壊靱性試験に使用する試験片の一実施例を示す概略図である。
図1bは、図1aに関する寸法及び許容公差値の一覧表である。
図2は、様々な合金について、引張降伏強度値と引張弾性率値の関係を示すグラフである。
図3は、様々な合金の比引張降伏強度値を示すグラフである。
図4は、ノッチ入りS/N疲労試験に用いられる試験クーポンの一実施例を示す概略図である。
図5は、様々な合金の耐ガルバニック腐食性を示すグラフである。
<詳細な説明>
添付図面を参照して説明するが、少なくとも新規合金の様々な関連実施例を例示するのに有用である。
広義において、本開示は、改良された組合せ特性を有するアルミニウム−銅−リチウム合金に関する。アルミニウム合金は、一般的には、銅、リチウム、亜鉛、銀、マグネシウム、マンガン、残部アルミニウムであり、選択的に結晶粒組織制御元素を含み、選択的に付随的成分及び不純物を含んでいる(場合によっては、本質的に構成される)。本発明の教唆に係る有用な幾種類かの合金の組成範囲は、以下の表1に示されている。幾種類かの先行技術合金の組成範囲は、以下の表2に示されている。なお、表中の数値は全て重量%である。
Figure 2011505500
Figure 2011505500
本開示の合金は、一般的には、前述の合金化成分を含み、残部アルミニウムであり、選択的に結晶粒組織制御元素を含み、選択的に付随的成分及び不純物を含んでいる。ここで用いられる「結晶粒組織制御元素(grain structure control element)」は、例えば、回復や再結晶等の熱的プロセスにおいて固体状態の結晶粒組織の変化を制御するために、通常は固体状態の第2相粒子を形成することを目的として合金化のために意図的に添加する元素又は成分を意味する。結晶粒組織制御元素の例を幾つか挙げると、Zr、Sc、V、Cr及びHfなどがある。
合金に用いられる結晶粒組織制御元素の量は、一般的には、結晶粒組織制御及び合金製造工程に用いられる材料の種類に依存する。ジルコニウム(Zr)が合金の中に含まれる場合、Zrの含有量は、例えば、最大約0.4 wt.%、又は最大約0.3 wt.%、又は最大約0.2 wt.%である。幾つかの実施例において、合金中に含まれるZrは、0.05 - 0.15 wt.%である。また、Zrの代わりに、スカンジウム(Sc)、バナジウム(V)、クロム(Cr)及び/又はハフニウム(Hf)を合金中に含めることもできる。合金中に含まれるこれら元素の含有量は、Zrと同じ量又は同様な量であってよい。
この出願の目的のための結晶粒組織制御元素としてではないが、合金の中に、Zrに加えて、又はZrの全部又は一部に代えて、マンガン(Mn)を添加することもできる。合金中にMnを添加するとき、そのの含有量は、前記元素と同様であってよい。
ここで用いられる「付随的成分(incidental elements)」とは、合金の製造を補助するために合金に選択的に添加されることができる元素又は材料を意味する。付随的成分の例として、結晶粒微細化剤及び脱酸剤等の鋳造用酸を挙げることができる。
結晶粒微細化剤は、合金の凝固中、新たな結晶粒をシード(seed)する接種剤又は核である。結晶粒微細化剤の一例は、アルミニウム96%、チタン(Ti)3%、ボロン(B)1%を含む3/8インチのロッドであり、実質的に全てのボロンは、微細分散TiB2粒子として存在する。鋳造中、結晶粒微細化ロッドは、制御された速度で鋳造ピットの中に流入する溶融合金の中へインラインで供給される。合金に含まれる結晶粒微細化剤の量は、一般的には、結晶粒微細化及び合金製造工程に用いられる材料の種類に依存する。結晶粒微細化剤の例として、Bと結合したTi(例えば、TiB2)、又は炭素と結合したTi(例えば、TiC)を挙げることができるが、例えばAl−Tiマスター合金等の他の結晶粒微細化剤を用いることもできる。一般的に、合金に添加される結晶粒微細化剤の量は、0.0003 wt.%乃至0.005 wt.%の範囲であり、アズキャスト状態の結晶サイズに依存する。また、結晶粒微細化剤の効果を高めるために、最大0.03 wt.%の量のTiを個別に添加することもできる。Tiが合金の中に含まれる場合、Tiの含有量は、例えば、最大約0.10wt.%、又は最大約0.20 wt.%である。
鋳造中、例えば、酸化物層(oxide fold)、ピット、酸化物パッチ等から生じるインゴットのクラック発生を低減又は制限するために、ここで脱酸剤として記載する幾種類かの合金化元素を合金に添加することもできる。脱酸剤の例として、Ca、Sr及びBeを挙げることができる。カルシウム(Ca)が合金の中に含まれる場合、Caの含有量は、一般的に、最大約0.05 wt.%又は最大約0.03 wt.%である。幾つかの実施例において、合金中に含まれるCaは、0.001-0.03 wt.%又は0.05 wt.%であり、例えば、0.001-0.008 wt.%(即ち、10-80 ppm)である。また、Caの全部又は一部に代えてストロンチウム(Sr)を合金の中に含めることもでき、その含有量は、Caと同じ量又は同様な量であってよい。また、インゴットのクラック発生を低減するために、従来より、ベリリウム(Be)の添加が行われているが、環境、健康及び安全上の理由から、幾つかの実施例では、Beは実質的に含まれていない。Beが合金の中に含まれる場合、その含有量は、一般的に、最大約20 ppmである。
なお、付随的成分は、少量含まれていてもよいし、有意量含まれていてもよいし、また、合金がここに記載する所望の特性を維持できる限り、ここに記載した合金から逸脱することなく、好ましい特性又は他の特性をもたらすために添加することもできる。しかしながら、この開示の範囲は、ここで得られる所望の組合せ特性に影響を与えない量の元素を単に添加するだけでは回避されることができないことは理解されるべきである。
ここで用いられる不純物とは、アルミニウムの固有特性により、及び/又は製造設備との接触による浸出によって合金中に少量存在する物質である。アルミニウム合金中に一般的に存在する不純物として、鉄(Fe)と珪素(Si)がある。合金中の鉄含有量は、一般的に、約0.25 wt.%を超えるべきでない。幾つかの実施例において、合金中の鉄含有量は、約0.15 wt.%以下、又は約0.10 wt.%以下、又は約0.08 wt.%以下、又は約0.05若しくは0.04 wt.%以下である。同じように、合金のSi含有量は、一般的に、約0.25 wt.%を超えるべきではなく、一般的に、Feの含有量よりも少ない。幾つかの実施例において、合金のSi含有量は、約0.12 wt.%以下、又は約0.10 wt.%以下、又は約0.06 wt.%以下、又は約0.03若しくは0.02 wt.%以下である。
特に記載した場合を除いて、元素の量に関して「最大(up to)」を用いるときは、元素成分は選択的であり、その特定組成成分のゼロ量を含んでいる。特に記載しない限り、全ての成分パーセンテージは、重量パーセント(wt.%)である。
合金のインゴットへの製造は、溶融及びダイレクトチル(DC)鋳造を含む概ね従来の方法によって行われる。従来の結晶粒微細化剤は、例えば、チタンとボロン、又はチタンと炭素を含むものが広く知られており、これらの結晶粒微細化剤を用いることができる。これらインゴットは、公知のスカルピング、旋削加工又はピーリング(必要に応じて)及び均質化の後、鍛錬製品にさらに加工されることができ、例えば、熱間圧延によりシート(≦0.249インチ)又はプレート(≧0.250インチ)へ、又は押出若しくは鍛造により特別形状断面に加工されることができる。押出の場合、製品は、溶体化熱処理(SHT)、焼入れの後、機械的応力緩和処理されることができ、機械的応力緩和は、例えば、引伸ばし及び/又は圧縮により行われ、最大約4%の永久歪み(例えば、約1〜3%又は1〜4%)が生じる。圧延製品(例えば、シート/プレート)及び/又は鍛造製品の製造についても、同様なSHT、焼入れ、応力緩和及び人工時効操作を行なうことができる。
ここに開示した新規な合金は、7xxx系合金及びその他2xxx系合金に関して改良された組合せ特性を具備することができる。例えば、ここに開示する新規な合金は、終局引張強度(UTS)、引張降伏強度(YTS)、圧縮降伏強度(CYS)、伸び(El)、破壊靱性(FT)、比強度、弾性率(引張及び/又は圧縮)、比弾性率(specific modulus)、耐食性、疲労などの特性のうちの2以上の組合せ特性を向上させることができる。幾つかの事例において、例えば、これまでのAl−Li製品(例えば、2090-T86押出品)に対して行われているような高累積冷間加工を行わなくても、これら特性のうちの少なくとも幾つかの特性の向上を達成することができる。低累積冷間加工によってこれら特性を実現することは、押出製品に有益である。押出製品は、一般的に、圧縮加工されることができない。伸び量が多いと、例えば断面測定等の寸法公差や、ANSI H35.2仕様に記載された傾斜度及び真直度を含む属性公差(attribute tolerances)を維持することが非常に困難となる。
強度及び伸びに関して、本発明合金は、長手方向(L)の終局引張強度が約92 ksi以上、又は約100 ksi以上を達成することができる。合金は、長手方向の引張降伏強度が約84 ksi以上、又は約86 ksi以上、又は約88 ksi以上、又は約90 ksi以上、又は約97 ksi以上を達成することができる。合金は、長手方向の圧縮降伏強度が約88 ksi以上、又は約90 ksi以上、又は約94 ksi以上、又は約98 ksi以上を達成することができる。合金は、伸びが約7%以上、又は約10%以上を達成することができる。一実施例において、終局引張強度及び/又は引張降伏強度及び/又は伸びは、ASTM E8及び/又はB557に基づいて、製品の四分の一平面で測定される。一実施例において、製品(例えば、押出)の厚さは0.500 - 2.000インチの範囲である。一実施例において、圧縮降伏強度は、ASTM E9及び/又はE111に基づいて、製品の四分の一平面で測定される。強度については、薄肉製品(例えば、<0.500インチ)又は厚肉製品(例えば、>3.0インチ)は、前述のものよりも幾分強度が低くなることがある。にも拘わらず、薄肉又は厚肉製品は、これまでの合金製品よりも明白な利点を具えている。
破壊靱性に関して、本発明合金は、延伸方向に直角方向(L−T)の平面ひずみ破壊靱性が約20 ksi√インチ以上、又は約23 ksi√インチ以上、又は約27 ksi√インチ以上、又は約31 ksi√インチ以上を達成することができる。一実施例において、破壊靱性は、ASTM E399に基づいて四分の一平面で測定され、その試料形状は図1aに示されている。なお、破壊靱性は、厚さ及び試験条件によって幾分変動することがある。例えば、厚肉製品(例えば、>3.0 インチ)は、前述したものよりも破壊靱性が幾分低いことがある。にも拘わらず、これら厚肉製品は、これまでの合金製品よりも明白な利点を具えている。
図1aの寸法と許容公差の一覧を図1bに示している。図1aのノート1は、L-T方向試料及びL-S方向試料の結晶粒を記載している。図1aのノート2は、T-L方向試料及びT-S方向試料の結晶粒を記載している。図1aのノート3は、図示のSノッチ寸法が最大であることを記載しており、必要に応じて、より狭くすることもできる。図1aのノート4は、試料の残留応力を調べて、機械加工ノッチ前後位置での高さ(2H)を測定し、記録することを記載している。全公差は、特に記載しない限り、0.0 = +/- 0.1; 0.00 = +/- 0.01 ; 0.000 = +/- 0.005である。
比引張強度に関して、本発明合金は、密度が約0.097 lb/in3以下、例えば0.096−0.097 lb/in3を実現することができる。それゆえ、合金は、比引張強度が少なくとも約8.66×105in.((84 ksi * 1000 = 84,000 lb./in) / (0.097 lb./in3 = 約866,000 in.)、又は少なくとも約8.87×105in.、又は少なくとも約9.07×105in.、又は少なくとも約9.28×105in.、又は少なくとも約10.0×lO5in.を実現することができる。
弾性率に関して、本発明合金は、引張弾性率の代表例として少なくとも約11.3又は11.4×103ksiを達成することができる。合金は、圧縮弾性率の代表例として少なくとも約11.6又は11.7×103 ksiを達成することができる。一実施例において、弾性率(引張又は圧縮)は、ASTM E111及び/又はB557に準拠し、四分の一平面で測定されることができる。合金は、比引張弾性率が少なくとも約1.16×10 in.((11.3×103 ksi * 1000 = 11.3 * 106lb./in.) / (0.097 lb./in3 = 約1.16×108 in.)を実現することができる。合金は、比圧縮弾性率が少なくとも約1.19×108 in.を実現することができる。
耐食性に関して、本発明合金は、耐応力腐食割れ性を有している。ここで記載する耐応力腐食割れ性は、交互浸漬応力腐食試験(3.5 wt.% NaCl)において、(i) LT方向では少なくとも約55 ksi、及び/又は (ii) ST方向では少なくとも約25 ksiの応力を有している。一実施例において、応力腐食割れ試験は、ASTM G47に基づいて行われる。
耐剥離腐食性に関して、本発明合金は、MASTMAASIS試験において、製品のT/2又はT/10平面の一方又は両方、或いは関連試験平面及び位置での格付けが少なくとも“EA”、又は少なくとも“N”、又は少なくとも“P”を達成することができる。一実施例において、MASTMAASIS試験は、ASTM G85-Annex 2 及び/又は ASTM G34に基づいて行われる。
本発明の合金は、耐ガルバニック腐食性の改善を実現することができる。アルミニウム合金はカソードに接続されると腐食を加速することが知られているが、本発明合金は、カソードに接続されたときの腐食速度を低下させることができる。ガルバニック腐食とは、所定の材料(通常は金属)の腐食が、他の導電性材料との接触によって加速されるプロセスを意味する。この種の加速される腐食形態は、材料や環境によって異なるが、ピッチング腐食、粒間腐食、剥離腐食、及び他の既知の腐食形態がある。この加速は著しいため、高耐食性を有しないと劣化が早く、構造寿命は短くなる。耐ガルバニック腐食性は、現代の航空機設計での検討事項である。現代の航空機の中には、多くの異なる材料(例えば、アルミニウム等)を、炭素繊維強化プラスチックコンポジット(CFRP)及び/又はチタン部品と複合的に用いるものある。これら部品の中には、アルミニウムに対して高カソードとなるものがあり、これは、アルミニウム合金から作られた部品又は構造体がこれら材料と電気的に連通(例えば、直接接触)すると、腐食速度が加速されることを意味する。
一実施例において、ここで開示する新規な合金は、耐ガルバニック腐食性である。ここで用いられる「耐ガルバニック腐食性(resistant to galvanic corrosion)」とは、新規な合金が、サイズ及び形状が同じで、強度及び靱性が同じである7xxx合金と比べて、静止3.5%NaCl溶液中、約-0.7乃至約-0.6(飽和カロメル電極(SCE)に対するボルト)の電位で少なくとも50%低い電流密度(μA/cm2)を達成できることを意味する。なお、7xxx合金は、新規な合金と同様な強度及び靱性を有する。この比較目的に適した7xxx合金として、7050と7150がある。耐ガルバニック腐食試験は、合金試料を静止溶液中に浸漬し、所定の電気化学電位(飽和カロメル電極に対して測定されたボルト)で電流密度をモニタリングして腐食速度を測定することによって行われる。この試験は、例えば前述したカソード材料との接続をシミュレートする。幾つかの実施例において、新規な合金は、新規な合金とサイズ及び形状が同じで強度及び靱性が同じである7xxx合金と比べて、静止3.5%NaCl溶液中、約-0.7乃至約-0.6(SCEに対するボルト)の電位で少なくとも75%、又は少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%若しくは99%%低い電流密度(μA/cm2)を達成する。
新規な合金は、7xxx合金と同様な強度及び靱性を達成しつつ、7xxx合金よりも良好な耐ガルバニック腐食性及び低い密度を達成することができるので、これら7xxx合金の代わりとして適している。新規な合金は、7xxx合金が耐食性の点で使用できなかった用途に対しても用いられることができる。
疲労に関して、本発明合金は、最大応力35 ksi、0.95インチ厚押出でのノッチ入りS/N疲労寿命が、平均で少なくとも約90,000サイクルを実現することができる。合金は、最大応力35 ksi、3.625インチ厚押出でのノッチ入りS/N疲労寿命が、平均で少なくとも約75,000サイクルを実現することができる。同様な値は、他の鍛錬製品に対しても達成されることができる。
次の表3は、新規な合金と幾つかの従来押出合金について、幾つかの押出特性を示している。
Figure 2011505500
上記に示される如く、新規な合金は、従来合金と比べて、機械的特性の組合せ特性の改善を実現するものである。例えば、図2に示されるように、新規な合金は、従来合金と比べて、強度及び弾性率の組合せ特性の改善を実現する。他の例として、図3に示されるように、新規な合金は、従来合金と比べて、比引張降伏強度の改善を実現する。
合金設計者は、例えば、軽量、高耐久性、低メンテナンスコスト、良好な耐食性等の特定の設計目的を達成するために、アルミニウム合金を選択して、様々な構造体を製造する。新規なアルミニウム合金は、その組合せ特性の改善により、例えば航空機、自転車、自動車、列車等の乗物、レクリエーション設備、配管などの多くの構造に用いられることができる。新規な合金について、航空機構造に関する押出形態での代表的使用例として、ストリンガー(例えば、ウイング又は胴体)、スパー(一体式又は非一体式)、リブ、一体パネル、フレーム、キールビーム、フロアビーム、シートトラック、擬似レール(false rails)、一般的フロア構造、パイロン、エンジン周りなどを挙げることができる。
合金は、鋳造、均質化、溶体化熱処理、焼入れ、引伸し及び/又は時効を含む従来の一連のアルミニウム合金製造工程のプロセスによって製造されることができる。1つの態様において、合金は、例えばインゴット品等のように押出に適した製品に作られる。例えば、大きなインゴットは、前述した組成を有する半連続的鋳造品である。インゴットは、次に予備加熱され、その内部組織の均質化及び溶体化が行われる。適当な予備加熱工程では、インゴットは、比較的高温(例えば、約955°F)に加熱される。これを行なう際、900°F超(例えば、約925 - 94O°F)で前記温度よりも低温の第1温度レベルに加熱し、その温度で数時間(例えば、7又は8時間)保持することが好ましい。インゴットは、次に、最終保持温度(例えば、940 - 955°F)に加熱し、その温度で数時間(例えば、2 - 4時間)保持される。
均質化工程の累積保持時間は、一般的に、4〜20時間、又はそれよりも多くの時間をかけて行われる。均質化処理温度は、一般的に、最終の予備加熱温度(例えば、940 - 955°F)と同じである。概して、94O°F超での累積保持時間は、少なくとも4時間であり、例えばインゴットサイズに応じて、例えば8 - 20又は24時間、又はそれより長い時間である。予備加熱と均質化は、あまり高温で行なうと部分溶解の虞れもあるが、不溶成分と可溶成分の全体体積パーセントを低く維持する作用がある。このため、昇温については注意深く行なうものとし、昇温速度を遅くしたり、段階的加熱を行なう。
次に、インゴットは、所望により、スカルピング及び/又は機械加工が行われる。表面欠陥を取り除いたり、押出法によっては良好な押出表面がもたらすためである。インゴットは、次に、個々のビレットに切断され、再加熱される。再加熱温度は、一般的に、700 - 800°Fの範囲であり、再加熱時間は、ビレットサイズ及び加熱炉の処理能力に応じて、数分乃至数時間である。
次に、インゴットは、例えばダイ又はその他の治具(tooling set)などの加熱具(heated setup)を通じて、高温(例えば、650 - 900°F)で押出加工され、断面減少率(押出比)は、例えば約7:1以上である。押出速度は、一般的に、再加熱温度並びに治具及びダイ温度に応じて、毎分3 - 12フィートの範囲である。結果として、押し出されたアルミニウム合金製品は、例えば、830 - 88O°Fの温度で治具から出て行く。
次に、押出品は、一般的には、940 - 955°Fでの高温加熱による溶体化熱処理(SHT)が施され、溶体化熱処理温度で合金化元素の全部又はほぼ全部が固溶する。押出品は、高温度に加熱し、加熱炉の中で適当時間保持した後、当該分野で公知の要領にて、浸漬又はスプレーによる焼入れが行われる。焼入れ後、製品によっては、内部応力の除去、製品の真直化、或いはさらなる強度向上のために、例えば、引伸し又は圧縮による冷間加工を行なう必要がある。例えば、押出は、累積伸びがわずか1%又は2%であり、場合によっては、最大2.5%、又は最大3%、又は最大3.5%、又は最大4%であり,又は累積冷間加工の同様な伸び量であってよい。ここで用いられる累積冷間加工とは、溶体化熱処理後、製品に累積される冷間加工を意味し、引伸しによるものや、そうでないものもある。溶体化熱処理され、焼入れされた製品は、冷間加工の有無を問わず、析出硬化状態にあるか、又は以下に記載するように人工時効の準備が整っている。ここで用いられる「溶体化熱処理」という語は、特に明記しない限り、焼入れ(quenching)を含んでいる。他の鍛錬製品形態では、時効前に、他の種類の冷間変形を受けることがある。例えば、プレート製品では、4-6%引き伸ばされてもよく、所望により、引伸し前に、8-16%冷間圧延されることもできる。
溶体化熱処理及び冷間加工(もし適切な場合)の後、製品は、強度及び/又は他の特性を向上させるために、適当な温度に加熱することで人工時効を施すこともできる。1つの態様において、熱時効処理は、2つの主な時効ステップを含んでいる。所定の目標処理温度への上昇及び/又は該温度からの下降のランピング条件(ramping conditions)によって析出(時効)効果を生じることは一般的に知られており、これを考慮に入れて、このようなランピング条件及び析出硬化効果を全時効処理に組み込むことが必要となることがしばしばある。一実施例において、第1段階の時効は、200 - 275°Fの温度範囲で約12 - 17時間の保持で起こる。一実施例において、第2段階の時効は、290 - 325°Fの温度範囲で約16 - 22時間の保持で起こる。
上記の手順説明は、押出品を製造する方法に関するものであるが、この合金のシート/プレート及び/又は鍛造品を製造する場合、当該分野の専門家であれば、過度の実験を行わなくても、これら手順を適当に修正することはできるであろう。
<実験例1>
直径23"、長さ125"のインゴットを2個鋳造した。インゴットのおおよその成分は、次の表4に示されており、表中、全ての値は重量パーセントである。合金の密度は、0.097 lb/in3である。
Figure 2011505500
2個のインゴットは応力除去を行ない、各々を長さ105"にトリミングした後、超音波検査を行なった。ビレットの均質化処理は次の通りである。
・93O°Fまでランピング18時間;
・93O°Fで保持8時間;
・946°Fまでランピング16時間;;
・946°Fで保持48時間
(加熱炉条件は、-5°F、+1O°F)
その後、ビレットは次の長さに切断した。
・43" - l個
・31" - l個
・30" - 1個
・44" - 1個
供試押出品用の最終ビレット(所望直径にピーリング)を作製した。押出供試プロセスは、4個の大型プレス成形品(large press shapes)と3個の小型プレス成形品(small press shapes)の評価を含んでいる。大型プレス成形品のうちの3個は、間接押出プロセスの押出設定及び材料特性を特徴づけるための押出であり、1個は、直接押出プロセスの押出設定及び材料特性を特徴づけるための押出である。この評価のために作製した4個の押出供試用大型プレス成形品のうち3個は、厚さ0.472"乃至1.35"である。第4番目の大型プレス成形品は、直径6.5"のロッドである。3個の小型プレス成形品は、間接押出プロセスの押出設定及び材料特性を特徴づけるための押出である。小型プレス成形品の厚さは、0.040"乃至0.200"である。大型プレスの押出速度は、毎分4 - 11フィートであり、小型プレスの押出速度は、毎分4 - 6フィートである。
押出工程の後、各成形品は、個々に熱処理し、焼入れし、引伸し加工を行なった。熱処理は、約945-955°Fで行ない、均熱時間は1時間である。目標伸びは2.5%である。
各成形品をスライスして、エッチング試験を行なった。再結晶層は、0.001 - 0.010インチであった。しかしながら、薄肉の小型プレス成形品の一部は、再結晶化された結晶粒と再結晶化されていない結晶粒との混合組織であった。
大型プレス成形品について、270°F及び29O°Fでの単一ステップ時効曲線を作成した。その結果、本発明合金は高い靱性を有し、同時に静的引張強度は7xxx製品(例えば、7150-T77511)に近いことを示している。
合金の強度をさらに向上させるために、多段階時効処理を行なった。多段階時効は、強度−靱性関係を改善する効果があり、一方では、公知の高強度7xxx合金の静的特性目標を達成することができる。最終的に行われた多段階時効処理は、第1時効ステップが270°F、約15時間であり、第2時効ステップが約320°F、約18時間である。
腐食試験は、質別(temper)の進行中に行なった。応力腐食割れ(SCC)試験は、ASTM G47及びG49に準拠した試料合金について行ない、方向と応力の組合せは、LT/55 ksi及びST/25 ksiである。合金は、155日後でもSCC試験に合格した。
MASTMAASIS試験(断続塩水噴霧試験)を行なった。単一時効処理及び多段階時効処理では、T/10平面及びT2平面で僅かな剥離が観察された。MASTMAASIS試験結果では、T/2平面及びT/10平面での合金の格付けは“P”であった。
合金について、様々な厚さで様々な機械試験を行なった。その試験結果を次の表5に示している。
Figure 2011505500
表3とこれらの結果に示されるように、本発明合金は、従来の押出合金2099や2196に比べて、強度と靱性の向上を実現する。合金はまた、従来の7xxx合金である7055及び7150と同等の強度及び靱性を実現するが、遙かに軽量であるので、7xxx合金よりも高い比強度を具えている。新規な合金はまた、7xxx合金よりも遙かに良好な引張及び圧縮弾性率を達成することができる。この組合せ特性は本発明合金に固有のものであり、予期され得ないものである。
<実験例2>
直径23"のインゴット10個を鋳造した。インゴットのおおよその成分は、次の表6に示されており、表中、全ての値は重量パーセントである。合金の密度は、0.097 lb/in3である。
Figure 2011505500
インゴットは応力除去を行ない、鋳造品1-Aの3個のインゴットと鋳造品1-Bの3個のインゴットを次のとおり均質化処理を行なった。
・加熱炉を94O°Fに設定し、6個のインゴット全てを炉の中に装入;
・925−940°Fで均熱8時間;
・8時間保持した後、炉を948°Fに再設定;
・4時間後、炉を955°Fに再設定;
・940−955°Fで24時間保持
ビレットは所定長さに切断し、ピーリングした。ビレットを押出加工し、7個の大型プレス成形品を得た。成形品の厚さは0.75−7インチである。押出速度は毎分3−12フィートであり、プレスの加熱条件は約690-710°F乃至約750-810°Fである。押出加工の後、各成形品は、個々に溶体化熱処理し、焼入れし、引伸し加工を行なった。溶体化熱処理は、目標温度が945-955°Fであり、均熱時間は押出品の厚さに応じて、30分−75分の範囲に設定した。目標伸びは3%である。
各成形品をスライスして、エッチング試験を行なった。再結晶層は、0.001 - 0.010インチであった。強度と靱性の両方を増大させるために、多段階時効サイクルを行なった。具体的には、第1時効ステップが270°F、約15時間であり、第2時効ステップが約32O°F、約18時間である。
応力腐食割れ試験は、ASTM G47及びG49に準拠した試料合金について行なった。方向と応力の組合せは、LT/55 ksi及びST/25 ksiであり、両方ともT/2平面である。合金は、応力腐食割れ試験に合格した。
MASTMAASIS試験(断続塩水噴霧試験)を、ASTM G85-Annex 2 及び/又は ASTM G34に基づいて行なった。本発明合金は、MASTMAASIS試験の格付け“P”を達成することができた。
ノッチ入りS/N疲労寿命試験を、ASTM E466に準拠してT/2平面で行ない、応力寿命(S-N又はS/N)疲労曲線を得た。応力寿命疲労試験は、疲労開始及び全疲労寿命の主要部を占める小さなクラック進展に対する材料の抵抗性を特徴づけるものである。それゆえ、S-N疲労特性が向上した部材は、その設計寿命に亘って高応力で使用可能であり、同時に寿命増大が可能となる。前者は小型化によって有意の重量削減を達成し、後者は検査及びメンテナンス費用を低減できる。
S-N疲労結果を次の表7に示している。得られた結果は、ノッチ入り試験クーポンを用い、ネット最大応力集中係数Ktが3.0に対するものである。作製した試験クーポンは図4に示されている。試験クーポンは、軸方向に応力が加えられ、応力比(最小荷重/最大荷重)はR=O.1である。試験周波数は25 Hzであり、試験は、実験室の周囲空気の中で行なった。
図4を参照すると、残留応力を最小にするために、ノッチは次の如く機械加工されるべきである:(i) 試料が0.280"になるまで工具の送りを1回転あたり0.0005"とする;(ii) 工具を引っ張り出してチップを破壊する;(iii) ノッチ最終直径まで工具の送りを1回転あたり0.0005"とする。また、全ての試料は脱脂及び超音波洗浄を行ない、油圧グリップが用いられるべきである。
これらの試験では、新規な合金は、産業標準7150-T77511製品と比べて疲労寿命の有意な改善を示している。例えば、ネット応力35 ksiでは、新規な合金の寿命(その応力で試験された全ての試料の対数平均に基づく)は93,771サイクルであり、これに対して標準の7150-T77511合金の典型的寿命は11,250サイクルである。最大ネット応力が27.5 ksiでは、本発明合金は3,844,742サイクルの寿命を実現する。これに対し、7150-T77511合金の典型的寿命は、ネット応力25 ksiで45,500サイクルである。当該分野の専門家であれば、疲労寿命は、応力集中係数(Kt)だけでなく、限定するものでないが、試料の種類、寸法及び厚さ、表面調製の方法、試験周波数、試験環境を含む他の要因に依存することは認識するであろう。それゆえ、新規な合金に観察される疲労の向上は、特定の試験クーポンの種類種及び寸法に対応する。なお、向上の寿命及び大きさは異なるかもしれないが、他の種類及びサイズの疲労試験試料でも向上が観察されるものと思われる。
Figure 2011505500
合金について、様々な厚さで様々な機械試験を行なった。その試験結果を次の表8に示している。
Figure 2011505500
ガルバニック腐食試験を、静止3.5%NaCl溶液の中で行なった。図5は、新規な合金の耐ガルバニック腐食性を示すグラフである。図示の如く、新規な合金は、7150合金よりも電流途度は少なくとも50%低いことを示しており、向上の度合いは、電位によって幾分変動する。SCEに対して約−0.7Vの電位では、新規な合金は、電流密度が約11 μA/cm2であり、一方、7150合金の電流密度は約1220 μA/cm2((1220-11)/1220 = 99.1%より低)であり、7150合金よりも99%を超える低い電流密度を実現した。
本発明合金の様々な実施例を詳細に説明したが、当該分野の専門家であればこれらの実施例の変形及び適用は明らかであろう。しかしながら、そのような変形及び適用は、本願の開示の精神及び範囲内であることは理解されるべきである。

Claims (19)

  1. Cu:3.4 - 4.2 wt.%、
    Li:0.9 - 1.4 wt.%、
    Ag:0.3 - 0.7 wt.%、
    Mg:0.1 - 0.6 wt.%、
    Zn:0.2 - 0.8 wt.%、
    Mn:0.1 - 0.6 wt.%、及び
    少なくとも1種の結晶粒組織制御元素:0.01 - 0.6 wt.%、
    を含み、残部アルミニウム及び付随的元素及び不純物から本質的に構成され、最小の長手方向引張降伏強度が少なくとも約86 ksiである、押出アルミニウム合金。
  2. アルミニウム合金は、L-T平面ひずみ破壊靱性が少なくとも約20 ksi√inである請求項1の押出アルミニウム合金。
  3. アルミニウム合金は、耐応力腐食割れ性である請求項1又は2の押出アルミニウム合金。
  4. アルミニウム合金は、MASTMAASISの格付けが少なくともEAである請求項1乃至3の何れかの押出アルミニウム合金。
  5. アルミニウム合金は、代表的引張弾性率が少なくとも約11.3×103 ksiであり、代表的圧縮弾性率が少なくとも約11.6×103 ksiである請求項1乃至4の何れかの押出アルミニウム合金。
  6. アルミニウム合金は、密度が約0.097 lbs./in3以下である請求項1乃至5の何れかの押出アルミニウム合金。
  7. アルミニウム合金は、比強度が少なくとも約8.66×106inである請求項1乃至6の何れかの押出アルミニウム合金。
  8. アルミニウム合金は、圧縮降伏強度が少なくとも約90 ksiである請求項1乃至7の何れかの押出アルミニウム合金。
  9. アルミニウムは、累積冷間加工が、4%伸び相当量以下である請求項1乃至8の何れかの押出アルミニウム合金。
  10. アルミニウム合金は、
    Cu:3.6 - 4.1 wt.%、
    Li:1.0 - 1.3 wt.%、
    Zn:0.3 - 0.7 wt.%、
    Ag:0.4 - 0.6 wt.%、
    Mg:0.2 - 0.5 wt.%、及び
    Mn:0.1 - 0.4 wt.%、
    を含んでいる請求項1乃至9の何れかの押出アルミニウム合金。
  11. アルミニウム合金は、
    Cu:3.7 - 4.0 wt.%、
    Li:1.1 - 1.2 wt.%、
    Zn:0.4 - 0.6 wt.%、
    Ag:0.4 - 0.6 wt.%、
    Mg:0.25 - 0.45 wt.%、及び
    Mn:0.2 - 0.4 wt.%、
    を含んでいる請求項1乃至10の何れかの押出アルミニウム合金。
  12. 結晶粒組織制御元素はZrであり、アルミニウム合金はZrを0.05 - 0.15 wt.%含んでいる請求項1乃至11の何れかの押出アルミニウム合金。
  13. 不純物はFe及びSiを含んでおり、アルミニウム合金は、Si:約0.06 wt.%以下、Fe:約0.08 wt.%以下を含んでいる請求項13の押出アルミニウム合金。
  14. アルミニウム合金は、耐ガルバニック腐食性である請求項1乃至13の何れかの押出アルミニウム合金。
  15. 請求項1乃至14の何れかのアルミニウム合金を含んでいる航空機ストリンガー。
  16. 請求項1乃至14の何れかのアルミニウム合金を含んでいる航空機スパー。
  17. Cu:3.4 - 4.2 wt.%、
    Li:0.9 - 1.4 wt.%、
    Ag:0.3 - 0.7 wt.%、
    Mg:0.1 - 0.6 wt.%、
    Zn:0.2 - 0.8 wt.%、
    Mn:0.1 - 0.6 wt.%、及び
    少なくとも1種の結晶粒組織制御元素:0.01 - 0.6 wt.%、
    を含み、残部アルミニウム及び付随的元素及び不純物から本質的に構成され、最小の長手方向強度が少なくとも約86 ksi、L-T平面ひずみ破壊靱性が少なくとも約20 ksi√inであり、アルミニウム合金は耐応力腐食割れ性及び耐ガルバニック腐食性である、アルミニウム合金。
  18. アルミニウム合金は鍛錬製品である請求項17のアルミニウム合金。
  19. 鍛錬製品は、押出製品、プレート製品又はシート製品である請求項17又は18のアルミニウム合金。
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