JP2011505307A - 不正操作防止型貨物コンテナロケータシステム - Google Patents

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Abstract

本開示は、トランスポンダまたはマイクロトランスポンダの形をとる無線通信サブシステムを備えるタグを使用して、貨物コンテナの位置を特定するために利用可能な、位置および通信システムに関する。各CCT(貨物コンテナタグ)は、他の貨物コンテナタグまたはBS(基地局)ロケータ装置と通信する能力を有する。このタグは、無線通信方法を使用して、個別の貨物コンテナのドアの開閉を追跡するように構成することができる。行方不明の貨物コンテナは、基地局および貨物コンテナタグからの通信を使用して捜し出すことができる。CCT装置はさらに、貨物コンテナに関する侵入および/または不正操作を検出し、後に検索するために様々な収集済みデータを記憶することもできる。

Description

本開示は、一般に貨物コンテナおよび他の物体の位置を特定するための位置および通信システムに関する。より具体的には、本開示は、トランスポンダまたはマイクロトランスポンダ装置でタグ付けした貨物コンテナを使用することに関する。各貨物コンテナタグは、他の貨物コンテナタグまたは基地局であるロケータ装置と通信する能力を有する。この貨物コンテナタグは、以下に説明するように、無線通信方法(例えばRF通信)を使用して、個別の貨物コンテナのドアの開閉を追跡し、さらに貨物コンテナの移動も追跡するように構成することができる。
当技術分野では、物体の位置を特定するための一部の方法が知られている。Birdに交付された米国特許第5,418,537号には、行方不明車両ロケータシステムについて記載されている。この車両ロケータシステムは、1つまたは複数のGPSシステムを、その位置をモニタしようとする車両内に取り付けられるGPSアンテナ、受信機/送信機、関連するアンテナを備える電話機、およびモデムとともに使用する。ページング要求が送出され、車両内のページング応答機によって受信される。このページング要求は、モデムにGPS受信機への問合せを行わせて、その車両の現在位置を特定する。車両の現在位置を車両位置サービスセンタに知らせるために、車両の現在位置は携帯電話リンクを介して伝送される。他の知られている位置特定技法には、ロラン衛生またはグロナス衛星を利用したシステムを使用することが含まれる。
別の物体位置システムが、遺失物または盗難品を捜し出すための、Sadlerへの米国特許第5,576,716号に記載されている。この位置システムは、GPSモジュール、マイクロコンピュータ、モデム、および電話機を含み、そのすべてを車両内に設置する必要がある。この記載のシステムは、中央受信機/伝送局に電話リンクを介して伝送するための物品の位置を、定期的かつ自動的に計算する。
米国特許第5,418,537号 米国特許第5,576,716号
伝送電力が低いと雑音、空電、および信号干渉に起因する信号破損を被りやすい。そのような干渉や雑音がある状態で信号から情報を抽出することは、その情報信号が雑音源と同じ強度(order of magnitude)である場合は非常に難しい。ここに記載する本発明は、従来の解決策の様々な雑音の問題を明らかにし、小規模の物体位置システムにおいて非常に低い電力を使用する伝送から信号を抽出するように構成された新たなかつ新規のシステム、方法、および機器を提供する。
非限定的かつ非網羅的な実施形態を、添付図面を参照して説明する。
不正操作防止型貨物コンテナロケータシステムとして動作するように構成されたシステムの例を示すブロック図である。 不正操作防止型貨物コンテナロケータシステムとして動作するように構成されたシステムの例を示すブロック図である。 不正操作防止型貨物コンテナロケータシステムとして動作するように構成されたシステムの例を示すブロック図である。 不正操作防止型貨物コンテナロケータシステムとして動作するように構成されたシステムの例を示すブロック図である。 不正操作防止型貨物コンテナロケータシステムに関する動作環境の例を示す図である。 不正操作防止型貨物コンテナロケータシステムに関する動作環境の例を示す図である。 不正操作防止型貨物コンテナロケータシステムで使用するために構成された貨物コンテナタグの例を示す図である。 不正操作防止型貨物コンテナロケータシステムで使用するために構成された貨物コンテナタグの例を示す図である。 不正操作防止型貨物コンテナロケータシステムで使用するために構成された貨物コンテナタグの例を示す図である。 不正操作防止型貨物コンテナロケータシステムに関するロケータの動作を示す図である。 不正操作防止型貨物コンテナロケータシステムに関するロケータの動作を示す図である。 不正操作防止型貨物コンテナロケータシステムに関するロケータの動作を示す図である。 不正操作防止型貨物コンテナロケータシステムに関するロケータの動作を示す図である。 不正操作防止型貨物コンテナロケータシステムに関するロケータの動作を示す図である。 不正操作防止型貨物コンテナロケータシステムに関するプロセスフローの例を示す流れ図である。 不正操作防止型貨物コンテナロケータシステムに関するプロセスフローの例を示す流れ図である。 不正操作防止型貨物コンテナロケータシステムに関するプロセスフローの例を示す流れ図である。 不正操作防止型貨物コンテナロケータシステムに関するプロセスフローの例を示す流れ図である。 不正操作防止型貨物コンテナロケータシステムにおいて、基地局と連携して構成された貨物コンテナタグの例を示す詳細なブロック図である。 不正操作防止型貨物コンテナロケータシステムにおいて、基地局と連携して構成された貨物コンテナタグの例を示す詳細なブロック図である。 送信機の例を示す図である。 伝送用にフォーマットされた1組のフレームを示す図である。 通信システムの一例に関するタイミング取得を示す図である。 通信システムの一例に関するタイミング取得を示す図である。 受信機の一例に関する図の例である。 受信機の一例に関する図の例である。 受信機の一例に関する相関ピークの例を示す図である。 受信機の一例に関する相関ピークの例を示す図である。 送信機の一例に関する流れ図である。 受信機の一例に関する流れ図である。 受信機の一例に関する流れ図である。 受信機の一例に関する流れ図である。 受信機の一例に関する流れ図である。 受信機の一例に関する流れ図である。 360度にわたる回転中の実効距離変化に関するグラフの例である。 360度にわたる回転の相関位相情報に関するグラフの例である。 すべてが本開示に従って構成された、不正操作防止型貨物コンテナロケータシステムに関する単一PINGモード、スローPINGモード、ファストPINGモード、および半PINGモードを示す図の一例である。 単一のトランスポンダまたは貨物コンテナタグが、単一のロケータからシーケンスを受信し、次いで、複数のロケータまたは基地局によって受信される応答シーケンスを同時に伝送するシステムの一例を示す図である。 単一のトランスポンダまたは貨物コンテナタグが、単一のロケータからシーケンスを受信し、次いで、複数のロケータまたは基地局によって受信される応答シーケンスを同時に伝送するシステムの一例を示す図である。 単一のトランスポンダまたは貨物コンテナタグが、単一のロケータからシーケンスを受信し、次いで、複数のロケータまたは基地局によって受信される応答シーケンスを同時に伝送するシステムの一例を示す図である。 複数のロケータまたは基地局が、倉庫または他の規定領域内の1つもしくは複数のMT(トランスポンダ)またはCCT(貨物コンテナタグ)から応答伝送を受信し、各ロケータが、その受信した応答に関する情報を1つまたは複数の通信ネットワークを介して中央処理ユニットに伝えるシステムの一例を示す図である。 複数のロケータまたは基地局が、倉庫または他の規定領域内の1つもしくは複数のMT(トランスポンダ)またはCCT(貨物コンテナタグ)から応答伝送を受信し、各ロケータが、その受信した応答に関する情報を1つまたは複数の通信ネットワークを介して中央処理ユニットに伝えるシステムの一例を示す図である。 中央処理ユニットとして動作するように構成された計算装置の一例を示す図である。 受信した応答に関する情報(結果)を、中央処理ユニットにおいて統合する位置特定プロセスに関する流れ図の一例を示す図である。 受信した応答に関する情報(結果)を、中央処理ユニットにおいて統合する位置特定プロセスに関する流れ図の一例を示す図である。 ロケータおよびタグに関する情報を記憶するためのデータ構造の一例を示す図である。 ロケータおよびタグに関する情報を記憶するためのデータ構造の一例を示す図である。
次に本開示を、本明細書の一部分を構成し、本発明を実施するための特定の例示的実施形態を例として図示する、添付図面を参照して以下により完全に説明する。ただし、本開示は多くの異なる形で実施することができ、本明細書に記載する実施形態に限定されるものとして解釈すべきでない。むしろこれらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完璧であり、その範囲を当業者に完全に伝えるように提供するものである。とりわけ、本開示は方法または装置として実施することができる。よって本開示は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態、またはソフトウェアおよびハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形をとることができる。したがって、以下の詳細な説明は限定的な意味で理解すべきでない。
本明細書および特許請求の範囲の全体にわたり、用語「接続された」は、接続されたものの間の、媒介装置が一切ない直接の電気的接続を意味する。用語「結合された」は、接続されたものの間の直接の電気的接続か、または1つもしくは複数の受動媒介装置または能動媒介装置を介した間接接続を意味する。用語「回路」は、互いに連携して所望の機能を提供するように構成された1つまたは複数の受動素子および/または能動素子を意味する。用語「信号」は、少なくとも1つの電流信号、電圧信号、電磁波信号、またはデータ信号を意味する。「1つの」、「ある」、および「この」の意味は複数のものを含むものとする。「内」の意味は、「内」および「上」を含むものとする。
簡潔に述べると、本開示は、トランスポンダまたはマイクロトランスポンダの形をとる無線通信サブシステムを備えるタグを使用して、貨物コンテナの位置を特定するために利用可能な、位置および通信システムに関する。各CCT(貨物コンテナタグ)は、他の貨物コンテナタグまたはBS(基地局)ロケータ装置と通信する能力を有する。このタグは、無線通信方法を使用して、個別の貨物コンテナのドアの開閉を追跡するように構成することができる。行方不明の貨物コンテナは、基地局および貨物コンテナタグからの通信を使用して捜し出すことができる。CCT装置はさらに、貨物コンテナに関する侵入および/または不正操作を検出し、後に検索するために様々な収集済みデータを記憶することもできる。
貨物コンテナを追跡しまたは発見することを可能にするには、単一のタグで十分であり得るが、2つのタグがあることは、それらのタグが内部アンテナおよび外部アンテナを使用して互いに通信できるようにすることにより、侵入および不正操作を検出するための基礎として使用することができる。コンテナへの侵入を検出するための1つの手法例は、終了タグを、後尾部とは対照的にドアに取り付けることによるものであり、これにより、そのドアのいかなる動きも2つのタグ間の距離を変えることになる。しかし、標準的なコンテナの端部には実際にはそのどちらも開くことができる2つのドアがあるため、単純な距離測定は十分でない可能性がある、
2つのCCT装置を単一の貨物コンテナで使用して、貨物コンテナの感知および位置特定の信頼性を向上させ、または貨物コンテナ内のドアの開閉を検出するための内部測定機構を提供することができる。一例では、第1のCCTをドアのうちの1枚の上部の内縁付近に配置し、第2のCCTタグをその貨物コンテナ内の側壁に配置する。それらのタグは周期的に(例えば数秒ごとに)活動化して互いに通信し、伝送から応答を受信するまでの往復飛行時間(TOF:Time Of Flight)に基づいて距離を求める、近距離ロケータとして機能することができる。そのドアが開くときはいつでも、タグ間の距離は必然的に大きくなる。この開閉イベントは、タグ間の距離を何らかのタイムスタンプまたは日付スタンプとともに記録することにより、観測し、ログを取ることができる。これが、各CCT内の相当正確なリアルタイムクロック、および両方のタグ内の全イベントの記憶と組み合わさることで、貨物コンテナのすべての開閉についての冗長性を持つ高信頼性記録をもたらすことができる。ボルト、リベット、CCTを貨物コンテナの壁に取り付ける他の留め具機構など、貨物コンテナ内の機械的機構により、またはコンテナの金属壁に切り込まれたスロットアンテナによりエネルギを放射するように、アンテナを構成することができる。
各CCT装置は、複数のアンテナを利用するように構成することもできる。例えば、1つのアンテナを、ボルトなどにより、貨物コンテナの外部の信号を伝搬するアンテナとすることができ、もう1つのアンテナを、貨物コンテナの内部の信号を伝搬するように構成することができる。概して、貨物コンテナは金属製の筐体として設計されるため、貨物コンテナの壁は、タグ間のシールドを形成するファラデーケージを形成する。つまり、タグ間の信号経路は、その貨物コンテナのドアが閉じられているとき、振幅が大幅に減衰される。しかし、貨物コンテナのドアがたとえ少しでも開くとき、信号経路は劇的に増大し(約20dB)、タグはドアが開いたことを容易に判定することができる。貨物コンテナが、その壁のうちの1枚に切り開かれた穴によって開けられる状況にも同じ原理が当てはまる。したがって、貨物コンテナのファラデーケージ特性を活用し、ドップラー信号反射および多経路信号反射の信号をモニタすることにより、侵入警報器を設計することができる。通風が幅の狭いスロットを介して行われるために、効果を現すのに十分な減衰を依然として有するはずである、金属製の通風コンテナにも同じ原理が当てはまる。
多くの貨物コンテナは全金属床を備えておらず、このことは、それらの貨物コンテナをより満足度の低いファラデーケージにする。しかし、UHF信号は、舗装道路および/または根底にある地表を通して非常に良くは伝搬しないため、地表面に置かれている貨物コンテナは十分なファラデーケージである。さらに、何らかの形の地表に止まった状態で置かれていない貨物コンテナは、概して別の貨物コンテナの金属屋根の上に、または船の船倉や甲板などの他の導電面の上に積み上げられている。したがって、貨物コンテナがトラックの車台上に置かれる以外のあらゆる位置にあるときに、ファラデーケージモデルは当てはまるはずであり、貨物コンテナの開閉をCCT装置によって検出することができる。静止した貨物コンテナの開閉イベントは、前述のようにファラデーケージモデルを使用して検出することができる。さらに、貨物コンテナが(例えば貨物シッピングヤード内のクレーン、トラック上、鉄道車両上等により)持ち上げられまたは移動する事例では、地上でのドアの開閉イベントの信号プロファイル(またはシグニチャ)が、貨物の持ち上げまたは移動とは異なる信号プロファイル(例えば周波数スペクトル/振幅プロファイル)を有するため、このイベントを検出することができる。
各CCT装置は、コンパスセンサを含むこともできる。1つのコンパスセンサを、ドアに固定されたCCT装置が観測する磁場の変調を検出するために使用できる一方、もう1つのコンパスセンサを、コンテナ側面に固定されたCCT装置が観測する磁場の変調を検出するために使用することができる。ドアが閉じている一部の状況では、これらのコンパスセンサは実質的に異なる磁場効果を有するはずである。しかし、ドアが開いている状況では、これらのコンパスセンサは同様の磁場効果を検出するはずである。このコンパスセンサは、貨物コンテナタグの追跡モードを活動化し、追跡モードが活動状態にある間、コンパスの測定値を周期的に記録することにより、その貨物コンテナの進行路の移動追跡を支援するために使用することもできる。この追跡モードは、貨物コンテナが移動すること(地上に持ち上げられること、地上に置くこと、気動車上に置くこと、別の貨物コンテナ上に置くこと等)、貨物コンテナのドアが開くこと、貨物コンテナのドアが閉じることなどの検出された状態に基づいて、選択的に活動化することもできる。
各CCT装置は、温度センサを含むこともできる。一部の例では、この温度センサは、貨物コンテナ内の潜在的な火災を検出し、または警報を発するために使用することができる。他の一部の例では、この温度センサは、温度がある所定の閾値より高くなるとき、冷凍貨物コンテナが機能していないことを検出するために使用することができる。他の例では、この温度センサは、生鮮食品が過度の高温状態にあり、または過度の低温状態にあることなど、その貨物に悪影響を与える可能性がある状態を検出するために使用することができる。乾物類、乾燥製品、または他の製品に損害を与える可能性がある過度の湿気や露を防ぐためなど、同様の目的で湿度センサを使用することもできる。密航者、ばら荷、害虫などが原因の貨物コンテナ内部の運動を検出するために、運動センサを使用することができる。ドアが開くこと、穴、密航者が光源を活動化することなどが原因の貨物コンテナ内部の光を検出するために、光センサを使用することができる。
CCT装置内の送信機の初期位相は、BS装置による伝送から受け取る信号の受信位相に加え、任意の時間補正および周波数オフセット補正に整合され、または少なくともこれらを追跡する。
説明するように、このCCT装置(トランスポンダとも呼ぶ)およびBS装置(ロケータとも呼ぶ)は、受信機および送信機をそれぞれ含む。送信機からの通信信号は、固有ID符号を用いて符号化される。一部の例では、在庫追跡システムなどにおいて望ましくあり得るように、BS(基地局)が複数のCCT装置を同時に扱うことができるように、グループID符号を使用することができる。この通信信号は、符号化された伝送シーケンスで構成され、各シーケンスはクロック同期情報およびクロック較正情報の一部分を提供するように構成される。各受信機は、伝送用のID符号を検証し、情報を復号する。追加情報なしにクロック回復を行えるように、符号化された伝送シーケンスの周波数、位相、およびスタート時間は、その伝送シーケンス自体によって決定される。
このCCT装置内の周波数情報および位相情報は、BS装置からの伝送の一部分から最初に回復され、ブートストラッププロセスを使用してさらに洗練される。BS装置からの伝送の別の部分で、フレーム内のタイミング位置(例えば粗タイミング)が回復される。タイミング、位相、および周波数を回復した後、データ受信を一定の確実性でスケジュールすることができる。データが抽出され、応答メッセージが、CCT装置から、同様の信号処理機能を実行するBS装置に返送される。この伝送シーケンスの、慎重に補正された往復飛行時間(TOF)および回復位相は、CCT装置とBS装置との間の距離を明らかにするために使用する。
ここに記載のシステムは、非対称伝送システムを利用し、2つ以上のBS装置を用いてCCT装置の位置を明らかにする能力を有する。CCT装置が捕捉する信号は、概してシーケンス(例えば2047チップシーケンス)内の完全なパターンの先頭および末尾に時間的に整合されていない。BS装置のうちの1つまたは複数が、シーケンス内である期間にわたって反復パターンを伝送するように構成される。CCT装置は、たとえ捕捉したパターンが、完全なパターンの先頭および末尾に対して時間に関して回転することがなくても、シーケンス内の完全なパターンを巡回的に捕捉するように構成される。パターンの回転状態にかかわらず、CCT装置が捕捉信号を適切に識別するように、捕捉信号を評価するために循環相関器(circular correlator)を使用することができる。CCT装置は、BS装置からの送受信に関係するタイミングの事前知識がないため、CCT装置は、受信される伝送の循環相関を使用して微細タイミングおよび粗タイミングを求める。循環相関は固定長のシーケンスに対して動作する相関器であり、元のシーケンスの先頭を、その元のシーケンスの末尾の後のシフトされたシーケンスで受信することができるように、そのシーケンスを時間に関して循環的にシフトさせることができる。一般的な相関器は、有効なタイミング情報を与えないことがあるのに対し、この循環相関は、捕捉信号が完全なパターンの先頭および末尾に時間的に整合されていない場合、有効なタイミング情報を提供する。
ここに記載する非対称伝送システムは、CCT装置が、BS装置から相対的に強力な構造化信号の伝送を受信するように構成することができる一方、CCT装置からBS装置への応答または肯定応答の伝送は、非常に低電力の伝送である。CCT装置の一例は、非常に低電力の「非活動」モードまたは「スリープモード」で動作するように構成され、そのCCT装置は、BS装置からの伝送があるかどうかをリスンするために、短い間隔にわたり「活動化」しまたは「起動」する。このCCT装置は、自らが受信した構造化信号の各断片を相関させて、これらの信号がこのCCT装置に固有に関連する識別符号(ID符号)を用いて符号化されたかどうかを判定する。このCCT装置は、受信した構造化信号から、BS装置に応答伝送を返送できる厳密な周波数、タイミング、位相、および歩調(cadence)も求める。CCT装置からBS装置に伝送される応答伝送は、持続期間の短い非常に低電力の伝送(短い構造化信号)であり、そのためかなりの電池寿命を節約する。この応答伝送は非常に低電力の伝送であるが、捕捉される応答伝送の信号対雑音レベルを増加させるために、このBS装置は積分および循環相関技法を利用するように構成される。
ここに記載するシステムでは、応答伝送信号がCCT装置からBS装置に返送され、CCT装置は、BS装置から受信した信号から、応答伝送用のタイミング、周波数、位相、および歩調を合成する。CCT装置からの応答伝送の周波数は、ドップラー偏移の分だけ(他の雑音および些細な誤差原因は無視する)BS装置伝送の元の周波数と異なる。そのようなものとして、BS装置は応答伝送の周波数を非常に小さい誤差範囲で予測することができる。応答伝送周波数の潜在的な不確実性は十分に小さいため、数十の伝送シーケンスにわたる位相回転は1回転(1回の360度の位相回転)よりはるかに小さい。このことは、BS装置が、応答伝送をサンプリングし、アナログ領域内またはデジタル領域内において、応答伝送シーケンスからの個々のサンプルを加算(または積分)することを可能にする。雑音は平方根として合計され、信号は線形に合計されるため、捕捉信号に関する信号対雑音比は増加され、包括的計算を使用しない場合にさもなければ当てはまるよりも、はるかに低いレベルの信号を受信することを可能にする。
このCCT装置は、受信されるロケータ信号の位相に一致する伝送位相(ゼロ度の位相差)、または受信されるロケータ信号の位相に付加的に関係する(additively related)伝送位相で応答する。したがって、このBS装置は、往復位相偏移を正確に求め、搬送サイクルの観点から距離を求めることができる。例えば、図10Cに示すように、BS装置はCCT装置から応答伝送を受信し、t1からt2の時間間隔内で相関ピークを識別する。この時間間隔(t1からt2)は、図10Dに示す搬送波の1サイクルにちょうど相当する。例えば、915MHzの搬送波は約1.093ナノ秒の周期を有する。この例における相関ピーク時の搬送波の位相は、時間間隔(t1からt2)の約70%すなわち約252度に相当する。この位相決定は、CCT装置およびBS装置における信号対雑音比が、特定の搬送サイクルの選択を可能にするように十分大きいときに有用になる。例えば915MHzでの搬送サイクルの距離は約33センチメートルであるため、搬送波位相を特定しない距離決定は、特定の搬送波位相の選択を可能にするために、約33センチメートルにまで正確である必要がある。例えば、100サイクルの915MHz搬送波は、約32.8メートルの距離に相当する。次いで、位相情報を使用して、距離測定値をほんのわずかの搬送サイクル(1、2センチメートル)以内の精度で洗練することができる。例えば、252度の位相は、915MHzの搬送周波数に関して約23センチメートルの距離に相当する。したがって、記載のシステムには2つの精度状態があり、1つは相関ピークが見つかる前に生じるサイクル数に関し、1つは相関ピークが検出されるときの搬送波信号の厳密な位相に関する。例えば、検出された位相が252度の、100サイクルの915MHz搬送波は、約33メートルの距離に相当する。いくつかの基地局による問合せによって生じる複数の独立した距離推定を一緒に集約する場合、多くの場合、非常に優れた精度で位相ナビゲート干渉計に基づく測定が可能になるまで、距離推定を改善することができる。
これらのおよび他の特徴は、本明細書で以下に続く開示から明らかになろう。
システム例の図
図1A〜図1Dは、本開示の少なくとも一部の特徴に従って構成された、不正操作防止型貨物コンテナロケータシステムとして動作するように構成されたシステムの例を示すブロック図である。
図1Aは、CCT(貨物コンテナタグ)装置(120)と通信して構成された、BS(基地局)装置(110)を示す。BS装置110は、処理ブロック(111)、遠隔ロケータブロック(116)、および衛星ナビゲーションシステムブロック(119)を含む。CCT装置120は、任意の数の動作モードで動作して無線通信によってBS装置110と通信する、連携ロケータタグとして構成される。
処理ブロック111は、任意の種類のアプリケーションレベル機能を、ハードウェアベースの解決策またはソフトウェアベースの解決策によって含むことができる。一例では処理ブロック111は、この処理システムが在庫ログ(114)によってなど、貨物コンテナの位置を追跡できるように、在庫追跡制御ブロック(112)を含む。別の例では処理ブロック111は、この処理システムが、データ/イベントログ(115)内に記憶され得るような追加情報を求めてCCT装置に問合せすることができるように、問合せ制御ブロック(113)を含む。これらの例は単に応用例として示したに過ぎず、本開示の趣旨から逸脱することなく、他の任意の応用例も同様に該当し得る。
遠隔ロケータブロック116は、無線通信信号を1つまたは複数のアンテナ(118)を介して送受信するように構成された、無線サブシステムブロック(117)を含む。一部の例では、遠隔ロケータブロック(116)の機能およびプロセッサブロック(111)の機能を、単一の統合ブロックと合わせて一体化することができる。他の例では、遠隔ロケータブロック(116)の機能と、プロセッサブロック(111)の機能とが互いに独立している。
貨物コンテナの絶対位置を特定することができるように、BS装置(110)はオプションの衛星ナビゲーションシステム(119)を含むこともできる。例えば、処理ブロック(111)をこの衛星ナビゲーションシステム(119)と協働するように構成して、貨物コンテナの絶対座標を求め、そのデータを在庫ログ(114)内に記憶することができる。他の一部の例では、処理ブロック(111)は、イベント(例えば、ドアが開くこと、ドアが閉じること等)を検出するときに、基地局または貨物コンテナの絶対座標を記憶するように構成することができる。
CCT装置(120)は、マイクロトランスポンダ無線サブシステムブロック(121)、1つまたは複数のアンテナ(122)、モード構成制御ブロック(123)、データログブロック(124)、1つまたは複数の温度センサもしくは環境センサ(125)装置、およびコンパスセンサ(126)を含むことができる。モード構成制御ブロック(123)は、いくつか例を挙げると、プログラミング目的、受信機および送信機の伝送方法、データ報告機能に関するものなど、CCT装置(120)を任意の種類の動作モードに動的に構成するために使用することができる。無線サブシステムブロック(121)は、BS装置(110)とCCT装置(120)との間の通信を助けるように、アンテナ(122)と連携するように構成される。
温度センサ(125)および/または湿度センサ、火災センサ、露点センサなどの他の任意の環境センサは、貨物コンテナ内部の環境状態を検出して食品(例えば穀物、果物、野菜、肉等)の品質が悪くなることを防ぎ、かつ/または高温、低温、もしくは湿気により物品が破壊されるのを防ぐために使用することができる。コンパスセンサ(126)は、前述のように、CCTが貨物コンテナ内のその固定位置において観測する、磁場の変調を検出するために使用することができる。
データログブロック(124)は、貨物コンテナタグ内のセンサ(コンパス、温度、湿度等)のうちのいずれかからの測定値、距離測定値、ならびにドアの開閉を検出することなどに関する信号プロファイルの特性シグニチャ、およびイベントに関する他のデータロギング動作を記憶するために、CCT装置が使用することができる。
BS装置(110)はCCT装置(120)に信号を伝送し、それに応答してCCT装置(120)は応答伝送を伝送する。BS装置(110)は、この伝送することと、応答を受信することとの間の往復飛行時間(TOF)を使用して、BSとCCTとの間の距離を計算するように構成される。BS装置(110)の絶対地理位置は衛星ナビゲーション情報を使用して求めることができるのに対し、BS装置(110)に対するCCT装置(120)の位置は、(BSおよびCCTで利用するアンテナの数にもよるが)この往復TOF情報を使用して求めることができる。
説明するように、このBS装置およびCCT装置は、受信機および送信機をそれぞれ含む。送信機からの通信信号は、固有ID符号を用いて符号化される。この通信信号は、符号化された伝送シーケンスで構成され、各シーケンスはクロック同期情報およびクロック較正情報の一部分を提供するように構成される。各受信機は、伝送用のID符号を検証し、情報を復号する。追加情報なしにクロック回復を行えるように、符号化された伝送シーケンスの周波数、位相、およびスタート時間は、その伝送シーケンス自体によって決定される。このCCT装置は、必要とされ得るように貨物コンテナ内に固定しまたは埋め込むことができる。
衛星ナビゲーションシステム(119)は、GPS、ロラン、グロナス、およびガリレオベースの衛星ナビゲーションシステムなど、任意の種類のものとすることができる。このシステムは、シングルチップソリューション、チップセットとして提供し、または所望とされ得るように他の1つもしくは複数の機能ブロックと合わせて一体化することができる。
処理ブロック(111)は、プロセッサコアまたは集積回路を含む、任意の種類のプロセッサで構成することができる。プロセッサの例には、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、CISC(複雑命令セットコンピュータ)プロセッサ、RISC(縮小命令セットコンピュータ)プロセッサ、ASIC(特定用途向け集積回路)、またはPLD(プログラム可能論理素子)のうちのいずれか1つが含まれる。
このプロセッサブロック(111)に必要なソフトウェアおよび/またはファームウェアは、メモリ回路(不図示)または他の何らかの記憶媒体(例えば、ハードディスクドライブ、光ディスク等)で提供することができる。メモリ回路の例には、いくつか例を挙げると、RAM(ランダムアクセスメモリ)回路、あらゆる種類のDRAM(ダイナミックランダムアクセスメモリ)回路、およびSRAM(スタティックランダムアクセスメモリ)回路が含まれる。一部のメモリ回路の例は、ROM(読出し専用メモリ)回路であるのに対し、他のメモリ回路の例は、EPROM、EEPROM、フラッシュ型メモリや他の種類のメモリなどの他の不揮発性メモリ(NVM)などの、PROM(プログラム可能読出し専用メモリ)回路とすることができる。
BS装置(110)は、キーボード、キーパッド、ジョイスティック、ボタン、マイクロフォン、または他の妥当なユーザ入力手段からのユーザ入力など、任意の種類のユーザインタフェース手段(不図示)を含むこともできる。さらに、そのユーザインタフェース手段は、オーディオ装置、ディスプレイ装置、または他の任意の妥当な出力手段など、任意の種類の出力手段を含むことができる。
図1Bは、2つのCCT装置(120、120')が貨物コンテナ内で互いに通信するように構成することができるシステム(101)を示す。このCCT装置のうちの一方が、図1AのBS装置(110)と同様に動作し、もう一方のCCT装置に伝送が送信され、次いで、往復TOF距離測定値を求めるために応答が処理される。
図1Cは、追跡およびデータロギング/セキュリティ目的で、任意の数のCCT装置(120)が共通のBS装置(110)と通信するように構成することができるシステム(102)を示す。一部の例では、これら複数のCCT装置は、特定のCCT装置の正確な位置を協働して求めるように構成することもできる。例えば、5つのCCT装置(120)が、BS装置(110)の位置(位置BS)に対して別々の地理位置(例えば位置CCT1〜位置CCT5)にそれぞれ配置される。次いで各CCT装置に、距離測定(例えば距離1〜距離5)を行い、その距離測定値を、通信ネットワーク内のサーバ(例えば図1D参照)など、何らかの形の中央処理部に報告するように要求することができる。各CCT装置の位置および距離測定値は合わせて、特定のCCTの位置に相当する共通点を含む、1組の地理的に配置された重複する円を形成することができる。位置を求める全体的な方法については、図4A〜図4Eに関して以下にさらに詳細に説明する。
図1Dは、一連の貨物コンテナタグ(120)が、IP(インターネットプロトコル)ネットワーク接続を介しても接続可能な共通の基地局(110)と通信して構成された動作環境(103)を示す。IPネットワーク接続(131)には、パーソナルコンピュータ(130)、または基地局(110)の様々な機能にアクセスすることを可能にする他の何らかの端末により、アクセスすることができる。このシステムの例では、処理機能が、すべてのCCT(貨物コンテナタグ)の在庫データベース(133)を保持するデータベースサーバ(132)によって一部担われる。
在庫データベース(133)によって追跡される各CCT(貨物コンテナタグ)は、このデータベースへのインデックスとして使用される固有識別子(CCT ID)を有する。一部の例では、このデータベースは、各CCT(貨物コンテナタグ)の現在の地理位置を追跡する。他の例では、このデータベースを、ドアの開閉、貨物コンテナの持ち上げや移動など、他のイベントを追跡するために使用することができる。
各CCT装置(120、タグ1、タグ3等)は、基地局装置(110)と直接通信するか、または他のCCT装置と通信する(例えば、タグ2とタグ3とが互いに通信する)ことができる。一部の例では、CCT装置を、別のCCT装置からのメッセージを中継するように構成することができる。十分な測定値が集められると、このサーバは、特定の貨物コンテナに固定されたCCT装置に関係する測定値に基づいて、その貨物コンテナの厳密な地理位置を求めることができる。
他の一部の例では、パーソナルコンピュータ(または計算装置)などから、IP(インターネットプロトコル)ネットワークベースの通信を介して、検索要求をBS装置(110)に提出することができる。一部の代替例では、この通信は、インターネット上で開始されるSMSメッセージ(不図示)や、ことによるとVoIP(ボイスオーバIP)通信技法を使用する事前記録音声メッセージなど、他の何らかのメカニズムにより、BS装置(110)に対して確立することができる。サーバはこの場合もやはり、識別された貨物コンテナを探索するために位置特定プロセスを実行し、その検索結果をパーソナルコンピュータ(または計算装置)に折り返し報告することができる。他の多くの例も意図され、上述のネットワーク化されたシステムは単に説明のための例として提供したに過ぎない。
動作環境の例
図2A〜図2Bは、本開示の諸態様に従って構成された、不正操作防止型貨物コンテナロケータシステムに関する動作環境の例を示す図である。
図2Aは、上視図の貨物コンテナを示す。この貨物コンテナは2つの端部を有し、一方の端部は1組の両開きドアを備える。このコンテナの中線の先端近くの扉の1枚(典型的には右側ドア)に、CCT装置(タグ1)を固定する。この貨物コンテナの中心線上にある壁の上部付近の、この貨物コンテナの長壁に第2のCCT装置(タグ2)を固定する。これらのCCT装置(タグ1、タグ2)の距離および方位は、ドアが開くときに2つのタグ間のユークリッド距離が変わるような距離および方位とする。
図2Bは、貨物置場、荷物積み降ろし場、船の甲板もしくは貨物倉、または何らかの同様の構造において見ることができるような貨物コンテナの配置を示す。貨物コンテナは行および列単位で配置され、何らかの積上げ高さ基準に従って垂直に積み上げられている。
コンテナを船に置く場合、それらのコンテナは互いの上に積み上げられ、その積んだ山が隙間なく隣同士に置かれ、各コンテナの長軸が船の長軸に平行であるように、これらの積んだ山の並びが船の長さに沿って配置される。唯一の大幅な隙間はこれらの並びの間にあるため、このタグにとっての最良の無線位置はコンテナの端部である。
コンテナを貨物置場で積み上げる場合、それらのコンテナは、コンテナの並びの間の隙間がコンテナ端部にとっての無線視界(radio visibility)を与える状態で、船のときと同様に積み上げられるか、またはコンテナの側面に沿った隙間が側面への無線視界を与える状態で、縦に行単位で積み上げられる。
コンテナを単一長の平台トラック上または鉄道車両上に積み上げる場合、側面および端部の両方が無線アクセス可能であるが、半分の長さ(例えば20フィート)のコンテナを対にするする場合はドア側の端部が遮られる可能性があり、そのため側面が唯一アクセス可能であることが保証される面となる。この例では、コンテナはタグを2つ備えるべきであり、一方がコンテナの端部に取り付けられ、もう一方が側面に取り付けられる。追加のタグの費用は、コンテナの費用に比べて小さく、コンテナがその寿命の間稼ぐ運送料金に比べても取るに足らない。
電子モニタリングの利点の例
電子モニタリングの1つの利点は、行方不明の貨物コンテナを探し、位置を特定するための自動化されたまたは半自動化された方法を提供することである。別の利点は、コンテナのドアにシールを使用するのと同様に、貨物コンテナに対する侵入または不正操作を検出するための自動化された方法で提供される。この電子システムは、侵入を物理的に防ぎはしないが、納品に当たり貨物を完全に検査することができるように侵入記録を作成する。不正操作されていない莫大な数のコンテナを、特別な検査なしにそれらの目的地に送ることができるため、大幅な費用節約も実現することができる。電子モニタリングにはさらに、従来のシールおよび施錠に優るいくつかの長所がある。
電子モニタリングは、可撤性装置を使用しないので物理的により好都合である。ドアが開くことを含む、検出可能なすべてのイベントについての電子ログがタグ内で取られるため、このログを読み取る外部の位置特定装置は、コンテナに荷物が積まれた後の期間に、そのようなイベントが生じたかどうかを知ることができる。
貨物コンテナが(例えば船上、貨物置場等にある間) 基地局と(貨物コンテナタグ装置により)通信する限り、侵入または不正操作は直ちに検出し、警報を発することができる。物理的なシールは、貨物コンテナの目視点検を行うときにしか不正操作を明らかにすることができない。
ドアを開けずに高価な内容物を盗むために貨物コンテナの側面に穴が開けられると、この電子システムは、ドアが開けられることだけでなく、貨物コンテナが提供するシールドの変化も検出することができるため、即座に警報を発することができる。
貨物コンテナ内の、任意のものの運動を検出することができる。貨物コンテナ内で動き回る人間の密航者を検出することができる。損害の可能性を示し得る、貨物内での任意の著しい移動も検出することができる。
このタグは、自らのメモリ内にイベントのログを取る能力を有するため、安価なセンサ(例えば温度センサ、湿度センサ等)を追加することで、極端な温度や機械的衝撃など、他の興味深い状態のログを取ることができる。
タグの例
図3A〜図3Cは、本開示の少なくとも一部の特徴により、不正操作防止型貨物コンテナロケータシステムで使用するために構成された貨物コンテナタグの例を示す図である。
図3Aは、ハウジングCCT装置の一例を示し、このCCT装置は、諸要素が影響を受けない耐衝撃性プラスチックでできた、ほとんど破壊することができないハウジング内に成型される。このCCTを貨物コンテナに固定するために、耐久性の高いボルトを使用する。そのボルトは、コンテナの内部にわずかに及ぶ金属棒がその内部にある、同様のプラスチックで作成することができる。ボルト内の一対の棒は、貨物コンテナ内に粗いダイポールアンテナを提供することができる。ハウジング内に設置されるシールドケースがこのダイポールを外界から隔離し、外部表面付近のハウジング内に成型される、より従来型のダイポールアンテナとすることができる外部アンテナから、このダイポールを切り離した状態にしておくことができる。
貨物コンテナの側面は粗く波型がつけられるため、このコンテナが別のコンテナにじかに接して置かれる場合の破損を防ぐために、側面に取り付けられるタグは、この波型のくぼみに収めることができる(図3C参照)。一部のドアは波型がつけられていないが(図3B参照)、そのドアの取っ手以上に突き出ない限り、このタグはドアの奥まった部分になお取り付けることができる。
一部の例では、前述のボルト式アンテナの代わりに、スロット型アンテナを使用することができる。このスロットアンテナは、非導電材料が充填された金属に切れ目を入れることにより簡単に形成できるため、一部の実装形態ではスロットアンテナが好ましいことがある。スロットアンテナを認識するのは困難なため、関連するCCT装置を無効にするためにアンテナを不正操作することはより難しい。
衛星ナビゲーション動作の例
図4A〜図4Eは、本開示の一部の特徴に従って構成された、不正操作防止型貨物コンテナロケータシステムに関するロケータの動作を示す図である。
図4Aは、BS装置(410)が、貨物コンテナに固定され、貨物コンテナ内等で見つけることができるようなCCT装置(420)と通信するロケータとして動作するように構成される、ロケータシステム(400)を示す。この例におけるBS装置(410)は、ロケータモードが活動状態のときはどんな任意方向にも移動する。この移動は、回転式アンテナ、位相アンテナ、または間隔が約1/4波長あけられた複数のアンテナのうちの1つを選択するマルチプレクサによって達成することができる。
第1の時間段階(例えば時間=t1)の間、CCT装置の方向は方向Aとして示されるのに対し、第2の時間段階(時間=t2)では、この方向は方向Bとして示されている。BS装置(410)の速度は、移動方向が方向Aに相当する場合は第1の速度(V1)に相当し、移動方向が方向Bに相当する場合は第2の速度(V2)に相当する。BS装置(410)に関するこれらの速度は、BS装置(410)の知られている地理位置(例えば緯度/経度)と同様に、衛星ナビゲーションシステム(例えばGPS)から取得される。
図4Bは、第1の速度ベクトル(VA)を示す絵図(430)である。速度ベクトルVAは、円の中心の起点から位置付けられ、2つの点AおよびA'の間に伸びている。点AおよびA'は、速度V1が衛星ナビゲーションシステムから取得されるのと同時に生じる、ロケータロジックによりプロセッサが求める方向ベクトルに関連する見掛け速度に対応する。
図4Cは、第2の速度ベクトル(VB)を示す絵図(440)である。速度ベクトルVBは、同様に円の中心の起点から位置付けられ、2つの点BおよびB'の間に伸びており、点BおよびB'は、速度V2が衛星ナビゲーションシステムから取得されるのと同時に生じる見掛け速度に対応する。
BS装置(410)に対するCCT装置(420)の方向は、これら2つの速度ベクトル(VA、VB)間の共通の方向に相当する。A'とBとが同じ位置にマップされたため、方向における曖昧さが解決され、残りの方向が破棄される。このプロセスは、地球基準系(earth's reference system)に対するCCT装置/BS装置の真の速度を分析し、この速度を、選択されたトランスポンダからの信号の見掛けの周波数および歩調の偏移に相関させることによって達成される。
図4Dは、BS装置(またはBS装置に関連するCCT装置)がある移動経路を進むときに、一連の距離測定を行うBS装置からの位置特定を示す絵図(450)である。時間=t1では、このBS装置は第1の位置(位置1)に位置し、飛行時間(TOF)に基づいて第1の距離測定値(距離1)を計算する。時間=t2では、このBS装置は第2の位置(位置2)に位置し、飛行時間(TOF)に基づいて第2の距離測定値(距離2)を計算する。図4Dに示す円は、その時点におけるCCTの位置を取り巻く一定距離を示す。2つの円が2点で交差し、一方の点がトランスポンダの位置に相当する。もう1つの交差点において曖昧さがあるが、その曖昧さは、移動経路が続行するときの追加の測定値によって容易に解決できることに留意することが大切である。
図4Eは、BS装置が(CCTに関連する)移動経路に沿った3点を進むときに、一連の距離測定を行う1つのBS装置からの位置特定、または図2A〜図2Bに関して前に説明したような、自らの位置および距離測定値を報告する複数のCCT装置による位置特定を示す絵図(450)である。第1のCCT(CCT1)は第1の位置(位置CCT1)に位置し、トランスポンダへの第1の距離(距離1)を測定する。第2のCCT(CCT2)は第2の位置(位置CCT2)に位置し、トランスポンダへの第2の距離(距離2)を測定する。第3のCCT(CCT3)は第3の位置(位置CCT3)に位置し、トランスポンダへの第3の距離(距離3)を測定する。
BS装置(またはCCT装置)による測定時における位置を取り巻く、一定距離の半径を示すために3つの円を示す。各円は2箇所で重複し、トランスポンダの正確な位置についての曖昧さを残すことがあるが、3つの測定値すべてを合わせて使用することは、単一のトランスポンダ位置(CCT装置位置)をもたらす。そのようなものとして、上記の記載は、サーバを介してまたは直接互いに通信するCCT装置のネットワークを、トランスポンダの厳密な位置を協働して明らかにするための便宜的モデルとして容易に使用することができることを説明する。
伝送符号化についての全体的な概念
BS(基地局)装置と1つまたは複数のCCT(貨物コンテナタグ)装置との間の伝送は、符号化伝送である。一例では、この伝送は、符号であって、2048個のそのような符号を最高の直交性で提供する、符号を使用する、2047QPSKシンボルのパケットで構成される。この例では、各パケットは11ビットの情報を符号化する。FFTベースの相関は、たとえ雑音に埋もれていても、そのような信号があることを検出することができる。各CCT装置は、複数のパケットにわたって伝送内に符号化される固有識別子(例えば33ビットのシリアル番号)を有する。したがって、CCT装置が伝送のいずれかを認識してから応答を伝送できる前に、符号化された全部のシリアル番号を伝えるために、複数のパケットを受信することが必要である。
FFTベースの相関機構は、特定の符号を受信することを検出できるだけでなく、その符号の時間、およびその符号の相対搬送波位相も検出することができる。最初の通信は、シリアル番号の最初の部分(例えば最初の11ビット)を含むパケットの継続的繰返しで構成されるため、この周期中に非同期的に捕捉されるデータの単一パケットの時間量は、受信機のパケット周期と送信機のパケット周期との間の時間オフセットを示す相関ピークを生み出す。
このBS装置およびCCT装置は、水晶発振器をそれぞれ含む。この水晶発振器は、これらの装置間で通信するための伝送周波数をデジタル的に合成するためのものである。BS装置は、自らの水晶発振器についての許容差が厳しいため、温度および寿命にわたり、周波数は厳密値の約±1ppmの範囲内にある。CCT装置は、水晶周波数が厳しく制御されない代わりに、相対的に一定の誤差を維持するように構成され、一定の誤差を維持することは、パターンを受信機内で相関できるように、CCT装置にパターンへの位相回転を意図的に生じさせることによりなされる。
CCT装置の水晶発振器の温度応答は、製造時に正確に特徴づけることができる。水晶の温度を注意深く追跡できるように、温度センサが水晶のできるだけ近くに結合される。次いでCCT装置を残余誤差がかなり大きく(1ppm〜2ppm)なり始めるときを検出するように構成することができ、この残余誤差がかなり大きくなり始まるとき、このCCT装置は位相回転の変化量に対処する(account for)ために、CCT装置が相関させることができるパターンを再計算できる。CCT装置が実際にBS装置から信号を受信するとき、CCT装置は、位相回転についてのはるかに厳密な測定を行うことを可能にする、一定の間隔をあけられた複数のコピーをある期間にわたって受信し、次いで、自らの応答を伝送するときにその信号を正確に複製する。
このパケットタイミングが確立されると、CCT装置内の受信機は、回復した送信機のパケットタイミングを使用して、さらなるパケットを同期的に受信することができる。次いで、BS装置の送信機は、パケットをそれらのパケットのパケット時間内で任意に回転することにより、パケットに追加データを付加することができる。一実装形態例は、同期的に受信した各パケットに10ビットまでの任意情報を付加することを可能にし、これらのビットは、コマンドまたは他の情報を符号化するために使用することができる。
貨物コンテナ内部の特徴の例
貨物コンテナの内部は残響室であり、伝送される符号に対して受信機内で相関することは、この室のインパルス応答のイメージを作成し、このイメージはコンテナ内に何があるかに大きく依拠する。概して、直接経路が最も強いスパイクだが必ずしもそうでなくてよく、実際はソフトウェアが閾値を超える最も早い相関を探し、その相関を直接経路として解釈すべきである。
空のコンテナでは、直接経路を表す単一の強いインパルスがあり、続いて、電波エネルギを吸収するものが何もないため、かなり長く、滑らかに減衰するインパルス応答がある。(実際には直接経路と第1の反射との間に短い無音があるが、その無音は40フィートの遅延に相当する1つのサンプル周期より常に短いので、インパルス応答には現れない。)何か吸収性のある荷物が積まれたコンテナは、直接経路を概ね示す短いインパルス応答を有する。(良好な直接経路を得る可能性は、内部空域である可能性が最も高い、コンテナの最上部近くにタグを取り付けることによって増加させることができる。)極端な場合には、洗濯機のようなもので埋められたコンテナは、直接経路に相当する非常に強い初期スパイクがない、長く複雑なインパルス応答を生み出すことができる。
貨物コンテナのインパルス応答が何であろうと、そのインパルス応答は、貨物に荷物が積まれる時点と荷物が積み降ろされる時点との間は不変であるべきである。この応答の任意の変動は、内部環境において何かが変化したことを意味し、侵入指示、またはコンテナ内の何らかの貨物移動指示として解することができ、貨物が適切に縛り付けられている場合、インパルス応答の変化は信頼できる侵入インジケータになる。
不正操作防止システムに関するプロセスフローの例
図5A〜図5Dは、本開示に従って構成された、不正操作防止型貨物コンテナロケータシステムに関するプロセスフローの例を示す流れ図である。
図5Aによって示すように、第1のプロセス(510)は、BS装置が、各CCT装置の位置を経時的に追跡できるように、CCT装置のそれぞれから情報を収集するために使用することができる。プロセス510は、処理ブロック511〜519を含む。この追跡プロセスを開始した後、BS装置が(例えば1つずつループ状に)問合せを行うための各貨物コンテナタグを選択するように構成されるブロック511(CCT I.D.を用いて次のCCTを選択する)で処理が開始する。各貨物コンテナタグは、固有識別子(CCT I.D.)に関連付けられる。ブロック512(選択されたCCTに伝送を送信する)に進み、BS装置は、BS装置から選択されたCCT装置に伝送を送信するように構成され、その伝送はその固有識別子(CCT I.D.)を用いて符号化され、無線通信サブシステムおよび1つまたは複数のアンテナを使用してBS装置によって送られる。ブロック513(期待される応答のスペクトルを捕捉する)で、BS装置は、選択されたCCT装置からの期待される応答に関連する無線信号スペクトルから無線信号を捕捉するように構成される。ブロック514(捕捉を評価する)に進み、BS装置は、無線信号スペクトルから捕捉した無線信号を評価し、判定ブロック515(選択されたCCTからの応答を検出したか?)で、選択されたCCT装置から有効な応答伝送を受信したかどうかを判定するように構成される。有効な応答伝送を、選択されたCCT装置から受信したものとして検出する場合、処理は判定ブロック515からブロック516(応答を評価しかつ/または選択されたCCTへの距離を求める)に進む。そうでなく、有効な応答伝送を検出しない場合、処理は判定ブロック515から、判定ブロック519に進む。
ブロック516で、BS装置は、受信した応答伝送を評価しかつ/または、伝送と受信した応答との間の往復TOFに基づいて、BS装置を基準とする選択されたCCT装置の距離(および/または方向)を求めるように構成される。一部の例では、この応答伝送は、その中に符号化される記録用の追加データを含むことができる。他の一部の例では、この応答伝送は、CCT装置が検出するイベントの発生に関するアラートを含むことができる。さらに他の例では、この応答伝送は、CCT装置の現在の動作状態を含むことができる。イベントの例には、ドアが開くこと、火災を検知すること、温度が高温閾値を超えること、温度が低温閾値を下回ること、貨物コンテナ内で水を検知すること、湿度が閾値を上回ること、湿度が閾値を下回ることなどの警報状態が含まれ得る。
一部の例では、ブロック516で、BS装置の現在位置を明らかにするために、BS装置の衛星ナビゲーションシステムから速度および位置を取得する。この速度および位置を取得することは、コンテナ内への不正侵入を示すデータをCCT装置から受信する時点の、貨物コンテナの正確な位置を明らかにするために重要であり得る。このシステムを用いて見掛け速度を明らかにすることができ、記載の相関演算を使用して、BS装置からCCT装置への方向および距離が求められる。
処理はブロック516から判定ブロック517(さらに問い合わせるか?)に進み、この判定ブロック517では、BS装置が、受信した応答伝送に基づいてさらなる問合せが必要かどうかを判定する。さらなる問合せが不要である場合、処理は判定ブロック517から、判定ブロック519(終了?)に流れる。そうでなく、さらなる問合せが必要である場合、処理は判定ブロック517からブロック518に流れる。ブロック518(選択されたCCTに関するデータのログを取りかつ/または警報を始動する)で、BS装置は、選択されたCCT装置に関する任意の関連データ(例えば距離および方向測定、受信データ等)のログを取り、かつ/または必要な場合に警報状態を始動するように構成される。BS装置は、現在の時刻、現在の日付、BS装置のGPS位置(例えば貨物コンテナの現在の港またはシッピングヤードを示す)、CCT装置への計算された距離および方向など、この時点での自らのデータのログを取ることもできる。処理は、ブロック518から判定ブロック519に進む。
判定ブロック519(終了?)で、BS装置は、追跡している追加のCCT装置に関してなど、追加の処理が必要かどうかを判定するように構成される。BS装置により追加の伝送が必要とされる場合は、処理がブロック511に戻り、さもなければ処理は終了する。
図5Bによって示すように、第2のプロセス(520)は、CCT装置が、BS装置からの(または別のCCT装置からの)伝送を受信するために使用することができる。プロセス520は、処理ブロック521〜529を含む。処理は、低電力状態から活動状態にCCT装置を周期的に活動化するようにCCT装置が構成されるブロック521(起動し、スペクトルを捕捉する)で開始する(例えば起動/スリープタイマが、装置を周期的に活動化/非活動化することができる)。活動状態中、可能な通信があるかどうかを「リスン」するために、CCT装置の受信機部分が活動化される。例えば、このCCT装置は、基地局からや別のCCT装置からからなど、別の装置からの期待される伝送に関連する無線信号スペクトル内の無線信号を捕捉するように構成される。各CCT装置には、CCT装置の内部に記憶される固有識別子(CCT I.D.)が割り当てられる。図5Aに関して前述したように、CCT装置に対する有効な伝送は、その貨物コンテナタグ用の固有識別子を用いて符号化される。さらに活動状態では、CCT装置は、貨物コンテナに関連する状態(例えば貨物コンテナの環境状態、貨物コンテナの侵入状況等)をモニタリングし、モニタした状態のログを前述したデータログブロック内などに取るようにさらに構成される。
ブロック522(捕捉を評価する)で、CCT装置は、捕捉した無線信号を評価して、(例えばBS装置から、または一部の例では別のCCT装置から)CCT装置に対する有効な伝送を受信したかどうかを判定するように構成される。信号スペクトルを評価するプロセスについては後に説明し、そのプロセスでは、CCT装置内の水晶発振器を使用して搬送周波数がデジタル的に合成され、捕捉した無線スペクトルがそのCCT装置に関する特定の符号化を含むかどうかを判定するために、FFT相関が実行される。処理はブロック522からブロック523(搬送波位相を評価し調節する)に進み、このブロック523では、CCT装置は、検出した搬送波位相を、デジタル的に合成した搬送波信号と比較して差(すなわち誤差)を明らかにし、明らかにしたその差に基づいて、デジタル的に合成した搬送波信号の搬送波位相、搬送周波数、および歩調のうちの1つまたは複数を調節し、その有効な伝送に関する搬送波位相を検出するように構成される。処理は、ブロック523から、判定ブロック524(コマンドを受信したか?)に流れる。
判定ブロック524で、CCT装置は、受信した信号を評価して、伝送内で有効なコマンドを受信したかどうかを判定するように構成される。伝送内で受信した場合、処理は、CCT装置が有効なコマンドを処理するように構成されるブロック525(コマンドを処理する)に流れる。そうでなく、伝送内に有効なコマンドが見つからない場合、処理は判定ブロック526に流れる。判定ブロック526(盗難防止モードは活動状態か?)で、CCT装置は、盗難防止(または不正操作防止)モードが活動状態にあるかどうかを判定するように構成される。処理は、CCT装置が盗難防止モードを処理するように構成されるブロック527(盗難防止モードを処理する)に流れ、さもなければ、処理は、CCT装置が他のモードを処理するように構成されるブロック528(他のモードを処理する)に流れる。ブロック529(スリープモードになる)で、CCT装置は、デジタル的に合成した搬送波信号を使用して、任意の所要の応答伝送を(例えば基地局またはCCT装置に)伝送することを完了した後、スリープ状態または低電力状態に戻るように構成される。
図5Cによって示すように、第3のプロセス(530)は、CCT装置が、BS装置から受信したコマンドを処理するために使用することができる。プロセス530は、処理ブロック531〜539を含む。処理は、CCT装置が有効に受信した伝送から明らかにされる任意の有効なコマンドを評価するように構成される、ブロック531(コマンドを評価する)で開始する。判定ブロック532(コマンド=モード変更?)に進み、CCT装置は、コマンドを評価して、モード変更コマンドを受信しているかどうかを判定するように構成される。モード変更コマンドを受信している場合、処理はブロック533(新たなモードに変更する)に流れ、CCT装置は、そのモード変更コマンドに関して受信したパラメータに基づいて、新たな動作モードを選択するように構成される。さもなければ、処理は判定ブロック534に流れる。
判定ブロック534(コマンド=シグニチャ記録?)で、CCT装置は、コマンドを評価して、シグニチャ記録コマンドを受信しているかどうかを判定するように構成される。シグニチャ記録コマンドを受信している場合、処理はブロック535に流れ、CCT装置は、前の捕捉の信号プロファイルを、後に使用するためのシグニチャ(例えばドアが開くシグニチャ、ドアが閉じるシグニチャ、貨物コンテナが地上に持ち上げられるシグニチャ、貨物コンテナが地上にあるシグニチャ、貨物コンテナが鉄道車両上にあるシグニチャ等)として、(例えばメモリに)記憶するように構成される。さもなければ、処理は判定ブロック536に流れる。
判定ブロック536(コマンド=データ報告?)で、CCT装置は、コマンドを評価し、伝送内でデータ報告コマンドを受信しているかどうかを判定するように構成される。伝送内でデータ報告コマンドを受信している場合、処理はブロック537に流れ、さもなければ処理を終了する。ブロック537(要求されたデータを符号化する)で、CCT装置は、データ報告コマンドが要求するデータを識別し、その要求されたデータを応答伝送内に符号化するように構成される。ブロック538(符号化データを要求側に伝送する)で、CCT装置は、デジタル的に合成した搬送波信号を使用して、応答伝送を要求側(例えば、基地局または別のCCT装置)に伝送するように構成される。判定ブロック539(伝送するデータがさらにあるか?)に進み、CCT装置は、要求側にさらにデータを伝送しようとするのかどうかを判定するように構成される。さらにデータを伝送しようとする(例えば複数のデータパケットを伝送する)場合、処理は判定ブロック539からブロック537に流れる。さもなければ処理を終了する。
図5Dによって示すように、第4のプロセス(540)は、CCT装置が盗難防止モードを処理するために使用することができる。プロセス540は、処理ブロック541〜549を含む。このプロセスは、盗難防止モードでは相互間通信(およびおそらくデータ記録)のために、各CCTが別のCCTと対にされると仮定する。この通信は、ある事例では第1のCCTが開始側として働き、別の事例では第2のCCTが開始側として働くように、スケジュールに従って行うことができる。
このプロセスは、受信側CCT装置が、センサデータを評価して報告データを生成するように構成される、ブロック541(センサデータを評価する)で開始する。この報告データは、温度センサ、湿度センサ、コンパスセンサ、または他のセンサなどからの、任意の関連センサデータに相当することができる。ブロック542(データ報告コマンドを対のCCTに運ぶ)に進み、このプロセスは、報告データを符号化し、その報告データを対のCCT装置に伝送するように構成される。ブロック543(期待される応答のスペクトルを捕捉する)で、このプロセスは、対のCCT装置からの応答が期待される時間間隔において、無線信号スペクトルから無線信号を捕捉するように構成される。ブロック544(捕捉を評価する)に進み、このプロセスは、無線信号スペクトルから捕捉した無線信号を評価し、ブロック545(対のCCTからの応答を検出したか?)で、その捕捉した無線信号内に有効な応答伝送が見つかるかどうかを判定するように構成される。有効な応答伝送を対のCCT装置から受信したものとして検出する場合、処理は判定ブロック545からブロック546(応答シグニチャを評価しかつ/または対のCCTへの距離を求める)に流れ、このブロック546では、処理が、その有効な応答伝送を評価して(例えばドアが開く、ドアが閉じる、貨物コンテナが地面に置かれる、貨物コンテナが地上に持ち上げられる、貨物コンテナが鉄道車両上に置かれる、貨物コンテナの貨物室が破られた等の)シグニチャを識別するように構成され、かつ/または前述のように往復飛行時間に基づいて、2つのCCT装置間の距離を計算するように構成される。
処理はブロック546から、および対のCCT装置からの応答を検出しない場合は判定ブロック545からもブロック547に流れる。ブロック547(CCTに関するデータのログを取る)で、CCT装置は、伝送と対のCCT装置からの応答伝送との間のTOFを使用する任意の距離測定、センサ情報、または他の検出イベントもしくは検出状態(例えばドアが開くシグニチャ、ドアが閉じるシグニチャ、貨物コンテナが地上に持ち上げられるシグニチャ等)などに起因するデータのログを取るように構成される。処理は、プロセスが、ログ済みデータを評価して貨物コンテナが損なわれている(例えば開かれた、または火災、水害等、何らかのセンサ警報によって損害を受けた)かどうかを判定するように構成される、判定ブロック548(貨物コンテナが開かれた、またはセンサ警報?)に進む。貨物コンテナが損なわれた状態をこのプロセスが検出する場合、処理はブロック549(警報を始動する)に進み、このプロセスは、その損なわれた状態をBS装置に次の通信で折り返し報告することにより、警報を発するように構成される。さもなければ処理を終了する。
詳細なシステムの例
図6Aおよび図6Bは、本開示の少なくとも一態様に従って構成された、不正操作防止型貨物コンテナロケータシステムにおいて、基地局と連携して構成された貨物コンテナタグの例を示す詳細なブロック図である。簡潔にするために、BS装置をRL(遠隔ロケータ)と呼ぶことがあり、さらにCCT装置をトランスポンダまたはMT(マイクロトランスポンダ)と呼ぶことがある。
このBS遠隔ロケータ装置(610)の例は、プロセッサ、アンテナ(ANT1A、ANT1B)、ソフトウェアによって構成される双方向無線機、メモリ、衛星ナビゲーションシステム、および一連のユーザインタフェースを含む。メモリは、とりわけモード制御ロジック、ロケータロジック、および無線構成ロジックを含む。プロセッサは、そのメモリ内に図示するような様々なソフトウェアアプリケーションの制御下で、ソフトウェアによって構成される双方向無線機を構成するように構成される。
送信機ブロックおよび受信機ブロックは、動作モードが伝送(例えばTX1がアサートされる)かまたは受信(例えばRX1Nがアサートされる)かに基づいて、送受信スイッチ(SW1)を介して、アンテナ(ANT1AおよびANT1B)に結合するものとして図示する。伝送を開始するとき、伝送シーケンス(例えばTSEQ)が第1の送信機ブロックに結合され、そのシーケンスは、目標タグに関連するIDコード(例えばIDコード=f(目標ID))によって決定される。受信機ブロックは、ベースバンドおよび信号処理ブロックに結合される。様々なクロック信号(CLK1、BBCLK1、TCLK1、およびRCLK1)として図示する時間制御ブロックが、送信機、受信機、ベースバンド処理、およびプロセッサ用のタイミングパラメータを提供する。
プロセッサは、前述のようなマイクロフォンからの音声入力ストリーム、キーパッド式装置、タッチスクリーンやタッチパッド式装置、または他の任意の妥当な入力装置など、任意の様々なユーザ入力装置からの入力を受け取る。このプロセッサはさらに、音声出力(例えばスピーカ)やディスプレイ出力(例えば液晶ディスプレイ)など、任意の様々な出力機構に出力を提供するようにも構成される。
このプロセッサは、BS装置(610)の動作モード管理、メモリアクセス管理、ソフトウェアアプリケーションプログラムの実行、計算の実行、ユーザインタフェース管理、および位置ベース計算のための衛星ナビゲーションシステムとのインタフェースについての動作を調整するように構成される。このプロセッサは、ベースバンド処理、信号分析、メモリバッファリング、入力処理など、ソフトウェアによって構成される無線機の動作も調整する。メモリ処理には、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(読出し専用メモリ)のみならず、フラッシュメモリ、バッテリバックアップ式RAM、EEPROMなどの不揮発性メモリ(NVM)、ならびに他のNVM式技術が含まれ得る。
一部の実装形態では、このBS装置内のすべてのアンテナに関して、単一のスイッチ(すなわちSW1)の代わりに、2つの別個のスイッチ(不図示)を利用する。例えば、このBS装置の受信機/送信機をアンテナANT1Aに結合するために第1のスイッチ(SW1A)を使用することができる一方、この受信機/送信機をアンテナANT1Bに結合するために第2のスイッチ(SW1B)を使用することができる。BS装置は、それらのスイッチ(例えばSW1、SW1A、SW1B等)を使用して様々なアンテナ間で多重化を行うことができる。この様々なアンテナは、信号強度、距離およびドップラー等に関する追加情報を得るために使用される、ダイバシティアンテナとして(例えば互いに直角に)構成することができる。単一のアンテナ素子を使用する代わりに、アンテナアセンブリを各サイト(例えば船の貨物倉内、船の甲板上、荷物積み降ろし区域等)に配置することができる。このアンテナアセンブリは、上、下、左旋回および右旋回などの方向を検出するために約1/4波長離れて配置されるアンテナ素子に加え、BS装置のハードウェアをおそらく含む。連続的な伝送間の位相差は、例の他の情報と組み合わせるとき、優れた位置発見をもたらすはずである。
図6BのCCT装置(620)またはMTの例は、第2の送受信スイッチ(SW2)に結合される1組の第2のアンテナ(ANT2A、ANT2B)を含む。一部の例では、一方のアンテナ(例えばANT2A)が、他の貨物コンテナタグへの貨物コンテナ内の通信用に使用され、もう一方のアンテナ(例えばANT2B)が、基地局装置への貨物コンテナ外の通信用(例えば、スロットアンテナまたはボルトアンテナ等)に使用される。これらのアンテナの他の構成も考えられる。さらなる制御信号(TX2/RX2N)に応答して、第2の送受信スイッチ(SW2)が、第2の送信機ブロックおよび第4の受信機ブロックに結合される。一部の実装形態では、このCCT装置内のすべてのアンテナに関して、単一のスイッチ(すなわちSW2)の代わりに、2つの別個のスイッチ(不図示)を利用する。例えば、このCCT装置の受信機/送信機をアンテナANT2Aに結合するために第1のスイッチ(SW2A)を使用することができる一方、この受信機/送信機をアンテナANT2Bに結合するために第2のスイッチ(SW2B)を使用することができる。CCT装置は、それらのスイッチ(例えばSW2、SW2A、SW2B等)を使用して、様々なアンテナのうちの1つまたは複数を選択することができる。
伝送を開始するとき、応答シーケンス(例えばRSEQ)が第2の送信機ブロックに結合され、そのシーケンスはID符号によって決定される。第2の受信機ブロックは、バッファ(例えばデジタルバッファやアナログサンプルバッファなどのメモリバッファ)内に捕捉される同相信号および直交信号(IおよびQ)を提供するように構成される。この捕捉バッファは、直接型(direct form)相関関数およびFFT相関関数の両方を提供可能な、ベースバンド信号プロセッサブロック内の相関器に結合される。FFT相関器は、ID符号に関係する複素数I/Qデータとの、受信I/Qデータの循環相関関数を提供するように構成される。信号分析器およびプロセッサはどちらも、相関器からのデータ出力を評価するために受け取るように構成される。時間制御が、様々な追加制御信号(TCLK2、RCLK2、およびCLK2)の形で、送信機、受信機、およびプロセッサに提供される。プロセッサは入力を受け取り、相関器、信号分析、シーケンス生成、メモリバッファリング、および他の関連タスクの動作を調整する。このプロセッサ用のメモリには、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(読出し専用メモリ)のみならず、フラッシュメモリ、バッテリバックアップ式RAM、EEPROMなどの不揮発性メモリ(NVM)、ならびに他のNVM式技術が含まれ得る。
人および物の位置を特定するための現行技術のシステムの電池寿命は幾分短く、このことは、それらのシステムの使用を限定する可能性がある。本開示は、動作が必要とされるまでエネルギ消費を一時停止することによって長い電池寿命を有する、小型装置(例えばトランスポンダやマイクロトランスポンダ)について記載する。このMT装置は、非常に短い間隔にわたって活動状態にある必要があるため、電池寿命が大幅に伸ばされる。GPS(全地球測位システム)セットと連動させて、位置を求めるために携帯電話技術を使用することができるが、そのようなシステムは、従来の携帯電話を動作させるために必要なエネルギが、たとえスタンバイモードでさえ小型電池を急速に使い果たすため、このMTにとって不適当である。さらに、MT装置内のGPSセットは、スリープから呼び起こされ、コールドスタートで位置決定を実行するが、このプロセスは、この場合もやはり急速に電池を使い果たすかなりの量のエネルギを消費する。本開示は、このMT用のポータブル位置技術は、電力消費を最小限に抑えるために好ましくは断続的に動作し、そうすることで従来の位置特定技法の一部の問題に対処しようと考える。
本開示は、このシステムのMTがGPS信号を使用することを適さなくする、GPS信号に見られるような現在のドップラー偏移技術に関する問題を分析しかつ明らかにした。GPS信号は、FFT相関によって効率的に検出できるが、約±15ppmからの有意レベルのドップラー曖昧性を含む約28基のGPS衛星がある。1.5GHzのGPS信号および1ミリ秒の捕捉間隔では、最大おおよそ22KHzのドップラー偏移は、そのドップラー偏移を特定するために、数十程度のドップラービンまたは相関の試みを必要とする。従来のGPS技術を利用するために必要な処理労力は、本開示の使用にとっては不適格である。例えば、本開示のMTは単一の符号を探索し、加えて莫大な速度に対処する必要はないため、ドップラービンを一切必要としない。さらに本開示は、従来技術と比べて捕捉時間を低減した機器およびシステムについて記載し、これらの機器およびシステムでは処理の規模が約2桁低減される。
通信および位置特定の問題
MT内の周波数情報および位相情報は、RLからの伝送の一部分から最初に回復され、ブートストラッププロセスを使用してさらに洗練される。RLからの伝送の別の部分で、フレーム内のタイミング位置(例えば粗タイミング)が回復される。タイミング、位相、および周波数を回復した後、データ受信を一定の確実性でスケジュールすることができる。データが抽出され、応答メッセージが、MTから、自らの内部にある再構成された無線機により同様の信号処理機能を実行するRLに返送される。この伝送シーケンスの、慎重に補正された往復時間は、RLとMTとの間の距離を明らかにするために使用する。MTの内部クロックとは無関係である合成の往復ドップラー偏移は、RLとMTとの間の方向ベクトルの大きさを評価するために、RLおよびMTの相対運動について測定し、相関させることができる。
ここに記載のシステムは、非対称伝送システムを利用し、RLで構成されるロケータを用いてMTの位置を明らかにする能力を有する。MTが捕捉する信号は、概してシーケンス(例えば2047チップシーケンス)内の完全なパターンの先頭および末尾に時間的に整合されていない。しかし、RLで構成されるロケータは、シーケンス内である期間にわたって反復パターンを伝送するように構成される。MTは、たとえ捕捉したパターンが、完全なパターンの先頭および末尾に対して時間に関して回転することがあっても、シーケンス内の完全なパターンを巡回的に捕捉するように構成される。パターンの回転状態にかかわらず、MTが捕捉信号を適切に識別するように、捕捉信号を評価するために循環相関器を使用することができる。MTは、RLからの送受信に関係するタイミングの事前知識がないため、MTは、受信される伝送の循環相関を使用して微細タイミングおよび粗タイミングを求める。循環相関は固定長のシーケンスに対して動作する相関器であり、元のシーケンスの先頭を、その元のシーケンスの末尾の後のシフトされたシーケンスで受信することができるように、そのシーケンスを時間について循環的にシフトさせることができる。一般的な相関器は、有効なタイミング情報を与えないことがあるのに対し、この循環相関は、捕捉信号が完全なパターンの先頭および末尾に時間的に整合されていない場合、有効なタイミング情報を提供する。
ここに記載する非対称伝送システムは、MTが、RLから相対的に強力な構造化信号の伝送を受信するように構成することができる一方、MTからRLへの応答または肯定応答の伝送は非常に低電力の伝送である。MTの一例は、非常に低電力の「非活動」モードまたは「スリープモード」で動作するように構成され、そのMTは、RLからの伝送があるかどうかをリスンするために、短い間隔にわたって「活動化」しまたは「起動」する。このMTは、自らが受信した構造化信号の各断片を相関させて、これらの信号がこのMTに固有に関連する識別符号(ID符号)を用いて符号化されたかどうかを判定する。このMTは、受信した構造化信号から、RLに応答伝送を返送できる厳密な周波数、タイミング、位相、および歩調も求める。MTからRLに伝送される応答伝送は、持続期間の短い非常に低電力の伝送(短い構造化信号)であり、そのためかなりの電池寿命を節約する。この応答伝送は非常に低電力の伝送であるが、RL内の信号処理機能は、捕捉される応答伝送の信号対雑音レベルを増加させるために、積分および循環相関技法を利用するように構成することができる。
ここに記載するシステムでは、応答伝送信号がMTからRLに返送され、MTは、RLから受信した信号から、応答伝送用のタイミング、周波数、位相、および歩調を合成する。MTからの応答伝送の周波数は、ドップラー偏移の分だけ(他の雑音および些細な誤差原因は無視する)RL伝送の元の周波数と異なる。そのようなものとして、RLは応答伝送の周波数を非常に小さい誤差範囲で予測することができる。応答伝送周波数の潜在的な不確実性は十分に小さいため、数十の伝送シーケンスにわたる位相回転は1回転(1回の360度の位相回転)よりはるかに小さい。このことは、RLが、応答伝送をサンプリングし、アナログ領域内またはデジタル領域内において、応答伝送シーケンスからの個々のサンプルを加算(または積分)することを可能にする。雑音は平方根として合計され、信号は線形に合計されるため、捕捉信号に関する信号対雑音比は増加され、包括的計算を使用しない場合にさもなければ当てはまるよりも、はるかに低いレベルの信号を受信することを可能にする。
遠隔ロケータ(RL)または基地局(BS)の例
図6Aは、MT(例えばCCT装置)の一例と通信するように構成される遠隔ロケータ(RL、例えばBS装置)の一例を示す。MTは、(例えばスリープタイマにより)所定の間隔で起動し、符号化伝送信号(例えばCOM13)を受信するように構成される。この符号化信号は、いくつか例を挙げると、デジタル信号処理、アナログ信号処理、FFT(高速フーリエ変換)、相関、IFFT(逆FFT)などの各種信号処理方法を使用して受信され評価される。MTは受信した符号化信号を評価して、それらの信号が(例えば固有ID符号により)そのMTに固有に関連付けられているかどうかを判定する。符号化情報を送受信するための時間、周波数、および位相整合が(例えばデジタル制御機構により)正確な処理のために成功裏に洗練されるように、様々な信号処理機能により、様々な内部信号およびパラメータが変更される。遠隔ロケータからの信号のドップラー偏移周波数を自らの時間基準として使用するMTは、その後、同様に符号化される応答シーケンスをRLに返送する。RLはその符号化伝送を受信し、その入力信号をMTと同様の方法で処理する。
RLは、少なくとも1つの、いくつか例を挙げるとマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、CISCプロセッサ、RISCプロセッサ、ASIC(特定用途向け集積回路)を含むがそれだけに限定されない、任意の適切な処理手段とすることができるプロセッサを含む。このプロセッサは、入力を受け取って評価し、出力を制御し、データのログを取り、ログ済みデータを取得し、プログラムを実行するように構成される。したがって、このプロセッサは、時間制御回路、入力回路、ディスプレイ出力回路、音声出力/入力回路、記憶回路、メモリ回路など、任意の数の回路部品と通信するように構成される。
入力の例は、割込み信号、起動タイマ、キーボード装置、キーパッド装置、1つまたは複数のボタンやキー、(パッシブまたはアクティブ)タッチスクリーン、タッチパネル、ジョイスティック装置、ジョイパッド装置、マウス装置、ポインティング装置、タッチパッド装置、感圧入力装置、他のプロセッサおよびソフトウェアプログラムによって生成される入力など、任意の数の入力装置(またはユーザ入力手段)からのものとすることができる。一部の例では、アナログ/デジタル変換手段を含む、ADC(アナログ/デジタル変換器)回路やCODEC(符復号器)回路などの音声入力プロセッサを介して、RLへの入力として音声を使用することができる。マイクロフォンは、RL内に組み込むか、または音声入力用のマイクロフォンポートを介してRLに外部から結合することができ、マイクロフォンが受け取る信号は、入力として解釈可能なデジタル信号に変換される。この音声ベース入力は、さらなる使用のために記憶し(例えば再生または認識目的の音声ファイル)、またはRLが利用可能な音声入力として解釈することができる。一部の実装形態では、プロセッサと通信して構成されるハードウェアソリューションに、音声/テキストインタプリタを組み込むことができる。他の一部の例では、入力の一例を生成する音声入力手段として機能するために、音声入力プロセッサにより、ソフトウェア制御下で音声認識が実施される。
音声出力回路は、可聴情報をRL装置のユーザに伝えるとともに、ナビゲーション情報および位置情報を提供するための指示手段として使用することができる。この音声出力回路は、音声出力装置および音声出力プロセッサを含むことができる。音声出力プロセッサは、音声出力装置と連携して、可聴通知をユーザに提供するように構成される。一部の実装形態では、この音声出力装置の機能と音声出力プロセッサの機能とを組み合わせることができる。音声出力装置は、ヘッドフォン式装置またはスピーカ式装置用の音声ドライバ回路とすることができる。一部の例では、音声出力を提供するために、RLにスピーカ装置または圧電素子が含まれる。別の例では、ユーザがヘッドフォン式装置、またはことによると外部スピーカ接続を接続するために、RLにヘッドフォンジャックなどの音声出力ポートを備えることができる。
音声出力プロセッサは、単音生成回路、多音生成回路、ポリフォニックシンセサイザ回路、音声シンセサイザ回路、MIDI再生回路、または音声再生回路とすることができる。一部の例では、この音声出力プロセッサは、DAC(デジタル/アナログ変換器)回路やCODEC回路等による、デジタル/アナログ変換手段を含む。音声シンセサイザ回路は、テキスト/音声インタプリタを含むことができる。この音声シンセサイザは、男性や女性の声、ロボットの音声、英語の発音、フランス語の発音、スペイン語の発音など、様々な地域の音声態様および言葉の発音を提供するようにも構成することができる。一部の例では、この音声出力プロセッサは、不可逆圧縮音声ファイル、非不可逆圧縮音声ファイル、非圧縮音声ファイルなど、任意の所望の形式とすることができる音楽の再生を行うように構成される。他の例では、この音声出力プロセッサ装置は、前に録音した音声またはユーザが録音した音声の再生を行うように構成される。録音される音声は、キャラクタ(例えば漫画のキャラクタ)の声、著名人の録音、または聞き覚えのある声の物まねとして提供できるようなボイスメッセージとすることができる。一部の例では、この音声出力プロセッサは、前述の音声入力プロセッサと機能の点で組み合わせることができる。
視覚情報をRL装置のユーザに伝えるとともに、ナビゲーション情報および位置情報を提供するための指示手段として、ディスプレイ回路を使用することもできる。例えばLED式ディスプレイ、LCD式ディスプレイ、アクティブディスプレイ、パッシブディスプレイ、白黒ディスプレイ、モノクロディスプレイ、および/またはカラーディスプレイなど、ディスプレイ回路の例は任意の適切な映像出力を提供することができる。他のディスプレイ回路の例は、LEDを離散的に配置したもの、7分割ディスプレイ、ならびに視覚情報を伝えるために使用可能な他の発光装置とすることができる。一部の例では、例えばLCDディスプレイと一体化したタッチスクリーンなど、ユーザインタフェースを映像出力装置と一体化させることができる。他の例では、ユーザ入力インタフェースは、映像出力装置と分けられる。
本開示のRL内のプロセッサは、RLの回転位置を求めるために、コンパスセンサ装置(不図示)または何らかの同様の手段と連携するように構成することができる。コンパスセンサは、集積回路、ディスクリート回路、またはRLの方向方位に関係するコンパスセンサ情報を提供するように構成される他の何らかの装置とすることができる。このコンパスセンサは、デジタルコンパス装置または、または同等の機能を提供するために、例えばアナログ/デジタル変換器と連動するように構成されるアナログコンパス装置とすることができる。
一部の例では、ディスプレイ回路を用いて距離を英数字表現(例えば、100、100'、100ft、100m等)で伝えることができる。他の例では、アイコン、線、または他の図表的な形など、図表的表現で距離を伝えることができる。同様に、方向も、英数字表現(例えば、N、S、E、W、NE、SE、NW、またはSW)または図表的表現で伝えることができる。図表的表現と英数字表現とを、任意に組み合わせることもできる。
説明するように、このプロセッサは、様々な動作モードを活動化し、非活動化するための様々なユーザ入力に応答して、モード制御ロジックを適用するように構成される。このモード制御ロジック、およびRLの任意の関連設定は、ソフトウェア形式で、またはプロセッサが実行するためのコンベンショナルメモリにロードされたROM(読出し専用メモリ)などのファームウェアとして、または、いくつか例を挙げると、NVM(不揮発性メモリ)、フラッシュメモリ素子、およびマイクロコントローラ内のハードコードされた命令など、何らかの等価の機構によって提供することができる。別の例では、このプロセッサおよびメモリは、PLD(プログラム可能論理素子)、ASIC(特定用途向け集積回路)などの特別に設計された回路、ならびに同様の機能を提供するように構成された他の装置で置換することができる。
RL内で設定される双方向無線がロケータモードに構成される場合、RLは、一連の符号化信号で構成される伝送を送信するように動作される。この符号は、特定のMTに関連付けられる固有識別子(例えばID符号)によって生成される。シーケンス生成器が、その固有識別子を評価し、伝送シーケンスを作成するように構成される。固有識別子に関して符号化シーケンスを生成した後、追加情報が伝送シーケンス内に符号化される。一例では、この追加情報はMT用のコマンド/制御命令とすることができる。通信、タイミング同期、およびシーケンス検証を遂行するために、1つのシーケンスを伝送するだけでよい。シーケンス生成器の出力(例えばTSEQ)は、その信号を送信機ブロックに結合する前に、低域フィルタ(LPF1)などによってフィルタすることができる。
この送信機ブロックは、搬送周波数、スペクトル拡散搬送波、および/または周波数ホッピング方式を用いて符号化信号を搬送波変調(例えば、多位相偏移変調、2位相偏移変調、4位相偏移変調、差動位相偏移変調、連続位相変調、多振幅および位相偏移変調等)するように構成される。送受信スイッチ(SW1)は、この搬送波変調された符号化信号を、伝送シーケンスの間にアンテナ(ANT1)または複数のアンテナに結合するように構成される。帯域外信号を無視するように、帯域制限フィルタ(例えばBPF1)を、このアンテナと送受信スイッチ(SW1)との間に設けることができる。この帯域制限フィルタ(BPF1)は、いくつか例を挙げると、パッシブ帯域フィルタ、アクティブ帯域フィルタ、SAW(表面弾性波)フィルタ、BAW(バルク弾性波)フィルタ、櫛形フィルタ、ストリップ線路フィルタなど、妥当な帯域制限機能を提供する任意のフィルタ(またはフィルタBPF1A、BPF1Bの対、等)とすることができる。
このRLベースロケータは、別の一連の符号化信号で構成されるMTからの伝送を受信するように動作される。この符号化信号は、特定のMTに関連付けられる固有識別子(例えばID符号)を用いてMTが同様に生成する。受信機ブロックは、搬送波変調(例えば、多位相偏移変調、2位相偏移変調、4位相偏移変調、差動位相偏移変調、連続位相変調、多振幅および位相偏移変調等)された符号化信号を、アンテナ(ANT1A、ANT1B)からSW1を介して受け取るように構成される。受け取られた信号は、信号処理機能も提供することができるベースバンドプロセッサによって処理される。あるいはこのベースバンドプロセッサは、様々な信号処理機能を扱うように構成されるプロセッサに、捕捉信号を提供するように構成される。
記載のRLは、往復時間測定による距離測定を実行する。例えば、この往復時間は、MTからRLへの信号伝送と、その後、RLからMTに折り返される肯定応答信号の応答伝送との間の時間差によって求めることができ、他の任意の遅延によってオフセットされる。
後に説明するように、MTに対する関係は、探索および位置特定モードでのRLの動作によって明らかになる。概して、ユーザは探索モードを開始して通信リンクおよび初期距離計算と、その後に続くユーザが開始したRL自体の運動を得る。一部の例では、このRLまたはRLのアンテナがユーザを基準として弧を描き部分的に回転され、追加の距離情報および相関器情報を評価して方向を明らかにする。他の一部の例では、距離計算および相関計算の間、このRLは線形にまたは非線形に移動する。
図6Aに示すような時間制御回路により、RLが使用する様々なタイミング信号が生成される。このタイミング信号は、RL内で局所的に生成される発振器信号から送信機および受信機の搬送波信号をデジタル的に合成するために、このシステムによって使用される。
マイクロトランスポンダ(MT)またはCCTの例
図6Bは、RL(610)と通信するように構成されたMT(620)の一例を示す。このMT(620)の例は、リストバンド、襟、腕時計に配置し、衣類に縫い付け、または生物工学式装置などを用いて患者に埋め込むことができる。このMT(620)は、前述したような符号化伝送信号を、RLからスイッチSW2およびアンテナANT2を介して受信機ブロックで受信するように構成される。オプションで、1つの帯域制限フィルタ(例えばBPF2)または複数の帯域制限フィルタ(例えばBPF2A、BPF2B等)使用して、受信機内の帯域外信号の干渉を最小限に抑え、かつ/または他の装置との干渉を防ぐことができる。この受信機は、搬送周波数を復調してIおよびQ情報を提供し、この情報はその後、捕捉バッファによって捕捉される。捕捉バッファは、データ形式の出力信号をFFT相関器に提供し、このFFT相関器は、復号された伝送を固有識別子(ID符号)と相関させる。プロセッサは、RLに関して前述したのと同様に、メモリと連動するように構成される。
MT内でベースバンド処理および信号分析を実行するために、相関器ブロックおよび信号分析器ブロックを含む様々な処理方法が使用される。その相関器ブロックは、FFT相関器および直接型相関器を含むことができる。その信号分析器は、FFT相関器および/または直接型相関器からの出力を評価して、受信した伝送シーケンスが特定のMTに関連付けられているかどうかを判定するように構成される。シーケンスが適切に関連付けられている場合、デジタル的に合成される送信機/受信機の1つまたは複数の信号の周波数および位相が、MT内で厳密に整合されるように、様々なタイミング信号が調節される。伝送シーケンスが検証されると、プロセッサが符号化信号の情報を抽出する。そのような情報は、例えばスリープ間隔を新たな期間(例えば10分)に設定する、受信機の信号強度のログを取る、無効な受信信号のログを取る、受信機の周波数および位相のログを取る、ログ済みデータを伝送する、スローpingモードに変更する、ファストpingモードに変更するなど、MT用のコマンドおよび制御命令を含むことができる。
本開示のMT(620)内のプロセッサは、RL(610)から受信される信号に応答して、モード制御ロジックを適用するように構成されることに留意することが大切である。MT(620)の任意の関連設定内のモード制御ロジックは、いくつか例を挙げると、上述したメモリ素子のいずれか、またはマイクロコントローラ内のハードコードされた命令として提供することができる。別の例では、このプロセッサおよびメモリは、PLD、ASICなどの特別に設計された回路、ならびに同様の機能を提供するように構成された他の装置など、他の任意の適切なプロセッサ手段で置換することができる。
RLがMTを識別し、位置特定し、MTからデータを受信することができるように、MTからRLに応答メッセージが伝送される。この応答メッセージは、伝送シーケンス生成器と同様に、固有識別子(ID符号)で鍵掛け(keyed)された応答シーケンス生成器を用いて生成される。このMT内のシーケンス生成器ブロックと送信機ブロックとの間に、低域フィルタ(例えばLPF2)を配置することができる。符号化応答伝送(例えばCOM31、COM32)をもたらすために、この送信機ブロックはスイッチSW2を介してアンテナANT2に結合される。
MTの一例は限られたエネルギで動作するため、このMTは通常は低電力モードまたはスリープモードで動作する。スリープモードで消費されるエネルギは、低周波数クロックから動作するスリープタイマを動作させるのに十分である。所定の時間間隔に従ってMTが活動化され(例えばスリープタイマによって起動がアサートされる)、MTは高周波数クロックで動作しながら、受信するための信号を探す。識別可能な信号を受信することができない場合、MTはスリープモードに戻り、高周波数クロックが無効にされる。この高周波数クロックは、個々の制御信号(例えばHF EN)によって有効/無効にすることができる。
図6Bに示すような時間制御回路により、MT(またはトランスポンダ)が使用する様々なタイミング信号が生成される。プロセッサがあるクロック信号(CLK2)によって動作するのに対し、MT内の送信機および受信機は他のクロック信号(TCLK2およびRCLK2)によって動作する。この様々なタイミング信号は、MT内で局所的に生成される発振器信号から送信機および受信機の搬送波信号をデジタル的に合成するために、このシステムによって使用される。
この時間制御回路は、較正論理回路を用いて高周波数クロックを較正するための追加機能を含むことができる。その較正論理回路は、任意の数の高周波数カウンタ(HF CNTR)、低周波数カウンタ(LF CNTR)、およびデジタルコンパレータ回路(COMP)、ならびにレジスタ、ラッチ、関連ロジックなどの他の論理回路を含むことができる。動作面では、この較正ロジックは、モード制御ロジックを適用する場合のプロセッサに応答してなど、較正信号(CAL)がアサートされるときに有効にされる。
上述のRLは、MTが活動状態にあるとき、そのMTが所要の信号を捕捉するための時間を十分有することを確実にするために、相対的に強力な伝送信号(例えば1ワット)を、長い時間間隔(例えば2.5秒)にわたって提供するように構成することができる。MTが捕捉可能なエネルギの上限は、RLからの放射電力にMTの捕捉時間間隔を掛け、伝送経路に起因する任意の損失係数を掛けることによって求められる。MT(トランスポンダ)の一例は、157μsにわたってRLからの信号を捕捉するように構成することができ、この157μsの時間間隔にわたって捕捉されるエネルギの上限(経路損失は無視する)は、約157μジュールである。
このMTは、非常に低電力の伝送信号(例えば10mW)を、RLの時間間隔(例えば2.5秒)よりも短い時間間隔(例えば15.7ミリ秒)にわたって伝送するように構成することができる。RLが捕捉可能なエネルギの上限は、MTからの放射電力にRLの捕捉時間間隔を掛け、伝送経路に起因する任意の損失係数を掛けることによって求められる。15.7ミリ秒間隔にわたる10mWの伝送では、MTから伝送されるエネルギは、約157μジュールである。RLは、後に説明するような積分方式を使用することなどにより、MTからの信号を捕捉するように慎重に構成する必要がある。一実施形態例では、このMTを患者に埋め込み、腕時計式電池を使用して少なくとも数年間動作させることをもくろむ。
このMT(トランスポンダ)は、RLから取得するタイミング情報を使用することにより、肯定応答信号を伝送するための自らの内部周波数を合成するように構成される。MTがRLから受信するこのタイミング情報は、RLからの元の伝送周波数に対してドップラー偏移する。その結果生じるMTの合成周波数は、極めて正確である一方、RLからの元の伝送周波数のドップラー偏移バージョンに相当する。MTからの肯定応答信号をRLは受信するが、この場合もやはり、この肯定応答信号はMTからの伝送周波数に対してドップラー偏移する。この信号伝送の往復(すなわちRLからMTへの伝送、およびMTからRLへの応答伝送)に起因するドップラー偏移を、本明細書では以下、合成往復ドップラーシフトと呼ぶ。
送信機の例
図7は、送信機システムの一例を示す。この送信機システムは、水晶発振器(XTAL OSC)、タイミング制御回路、複素変調器、パターン生成器、タイミング制御を備える補間フィルタ、積分器、および複素cordic回転器を含む。
その水晶発振器は、発振器信号を、第1の位相(φ1)を有するクロック信号(CLOCK)としてタイミング制御回路に提供するように構成される。一例では、この水晶発振器の公称周波数は約26.14MHzであり、この周波数はオプションで(例えば信号FREQ. TRIMによって)調節可能とすることができる。この発振器は、水晶式発振器または振動周波数が十分安定している他の任意の発振器とすることができる。
タイミング制御回路は、周波数を合成するように構成されたオプションの分周回路を備える、フィードバック制御ループを含む。その制御ループは、位相検出器、低域フィルタ(LPF)、電圧制御発振器(VCO)、およびオプションの分周回路を含む。位相検出器により、基準クロック信号(例えばCLOCKREF)の位相(φ1)が、フィードバック信号(例えばCLOCK')の位相(φ2)と比較されて、結果として生じるクロック信号(CLOCK)が、基準クロック(CLOCKREF)と同相で動作しているかどうかを判定する。位相検出器の出力は位相差信号(φDIFF)に相当し、この位相差信号はVCO用の制御電圧(VTUNE)を生成するために低域フィルタに提供される。VCOは、180度互いに逆相であるクロック信号CLKPおよびCLKNの出力周波数を調節する。フィードバック信号(CLOCK)はさらに、VCOからオプションの分周回路に提供される。その分周回路の出力は、信号CLOCK'として位相検出器に提供され、その位相検出器は制御ループを閉じる。さらに、VCOの周波数を、正弦関数および余弦関数に関連する合成周波数を生成する他の分周回路にオプションで提供することができる。
一例では、このVCOの公称出力周波数は1.83GHzであり、フィードバックループ分周回路の分周率は70であり、26.14MHzの信号の平均値が1.83GHz/70に適合されるように、位相検出器がVTUNE信号を低域フィルタを介して調節するように構成される。制御ループ分周回路の分周率を調節することにより、他の基準信号を使用して同じ結果をもたらすことができる。さらに、出力分周回路(例えば分周率2)により、VCOの出力をさらに調節して、SIN(915MHz)、およびCOS(915MHz)、または他の任意の所望の周波数に相当する合成周波数をもたらすことができる。
パターン生成器は、符号制御ブロックおよび擬似雑音生成器ブロックを含む。符号制御ブロックは、後に説明するように「A」、「B」、および「C」シーケンスパターンに関し、ID符号で鍵掛けされる所定のパターンを提供するように構成される。擬似雑音生成器は、パターンを順序付けるためのタイミング信号(パターンタイミング)に基づいて、それらの符号から複素数(例えばIおよびQ)を生成する。一例では、この擬似雑音生成器ブロックは、2047の複素数を提供するように構成される。この複素シーケンス(IおよびQ)は、補間フィルタおよびタイミング制御ブロックに提供され、この補間フィルタおよびタイミング制御ブロックは、I信号およびQ信号に関連する微細タイミングを調節するように構成され、複素補間ベースバンド信号に関連するI'およびQ'を提供する。積分器回路は、伝送周波数と受信周波数との間の差を積分して微細タイミングを調節(微細タイミング調節)するために使用される。補間器はIおよびQ複素数(例えば8192/2047)の微細タイミング調節を行い、この送信機に低域フィルタリングを提供する。この積分器回路は、fINITおよび/またはφINITなどの初期化パラメータによって初期化することができる。
補間された複素ベースバンド信号(I'およびQ')はcordic回転器に提供される。このcordic回転器は、位相調節信号(例えば回転位相)に応答して、(デジタル領域内において)複素ベースバンド信号の回転位相を調節する。この位相調節信号は、周波数オフセットを積分する別の積分器によって提供される。この場合もやはり、この積分器回路は、fINITおよび/またはφINITなどの初期化パラメータによって初期化することができる。この複素cordic回転器の出力は、周波数偏移された複素ベースバンド信号(I''およびQ'')であり、周波数偏移は、補間フィルタおよびcordic回転器によるデジタル合成操作によって行われる。
複素変調器は、周波数偏移された複素ベースバンド信号(I''およびQ'')、ならびに正弦タイミング信号および余弦タイミング信号を受け取って変調信号出力を提供するように構成される。この変調信号出力は、変調信号を伝送するためにアンテナに結合される電力増幅器(不図示)に提供することができる。この様々なタイミング制御信号(例えばクロック周波数、クロック位相、クロックオフセット)は、変調信号出力の速度、微細タイミング、および位相が、結果として生じる信号に埋め込まれる十分なタイミング情報を有するように調節される。
この符号制御は、固有識別子(ID符号)に基づく。一例では、この固有識別子は多項式生成器に提供される。別の例では、この固有識別子は揮発性メモリに記憶される。さらに別の例では、この固有識別子は、フラッシュメモリ素子、ROM、EPROM、EEPROM、ディップスイッチ、または他の何らかの手段などの不揮発性記憶装置に記憶される。さらに別の例では、この固有識別子の代わりに、このID符号を用いて作成されたパターンが、メモリ素子またはルックアップテーブルに記憶される。
伝送シーケンスの例
図8は、伝送用にフォーマットされた1組のフレームを示す図である。フレームは、シーケンスが伝送される期間に相当する。図8の例では、伝送が3つの連続したフレームに分割される。第1の期間中、第1の伝送シーケンス(すなわち「シーケンスA」)で構成される第1のフレーム(すなわち「フレーム1」)が伝送される。シーケンスAは、連続した配列をなす1組の反復パターンで構成され、各パターン(パターンA)は実質的に同一である。第2の期間中、第2の伝送シーケンス(すなわち「シーケンスB」)で構成される第2のフレーム(すなわち「フレーム2」)が伝送される。シーケンスBは、連続した配列をなす1組の反復パターンで構成され、後に説明するように、シーケンス内の各後続パターンがシフトされる。第3の期間中、第3の伝送シーケンス(すなわち「シーケンスC」)で構成される第3のフレーム(すなわち「フレーム3」)が伝送される。シーケンスCは1組の反復パターンで構成され、後に説明するように、各パターン(パターン「C」)は符号化メッセージの一部を形成する。後に説明するように、伝送におけるこの3つの連続したフレームの集まりをPINGと呼ぶ。
このシステム内の各MTは、特定のMTを一意に指定するために使用される固有識別子(例えばMビットのアドレス)を有する。一例では、この固有識別子は、約85.8億個の固有識別子をもたらす33ビットのアドレス符号である。このMビットのアドレスは、様々なパターンにわたって分散させることができる。一例では、11ビットが「シーケンスA」内に符号化され、11ビットが「シーケンスB」内に符号化され、11ビットが「シーケンスC」内に符号化されるように、33ビットの符号を3つのシーケンスにわたって均等に分散させる。別の例では、この符号は伝送シーケンスにわたって均等に分散させない。さらに別の例では、パターンのそれぞれについて同じ符号が使用される、したがって、伝送される各シンボルは、対応するシーケンス部分に関する個々の符号化ビットに従って符号化される。シンボルを指すために、用語「ボー」および「チップ」を使用することもできる。
シーケンス「A」の相関は、固有識別子の第1の部分(例えば最初の11ビットまたはビット0〜10)が、伝送内に符号化されていることを検証するために使用する。相関を検出する場合、微細なボーおよび搬送タイミングを導き出すことができる。しかし、MTは事前のタイミング情報を有さない(例えば全般的なフレームタイミングを知らない)。この「A」パターンは第1の時間間隔にわたって繰り返されるため、信号感度が向上するように、相関を実行する前に信号を互いに積み重ねて加算することにより、それらの信号を累算することが可能である。MTの一例では、信号を累算する必要はない。MTの別の例では、この信号の累算を反復追跡モード中に行う。
この「A」パターンを取得すると、MTは引き続きサンプリングを行って「B」シーケンスを探索する。シーケンス「B」の相関は、固有識別子の第2の部分(例えば第2の11ビットまたはビット11〜21)が、伝送内に符号化されていることを検証するために使用する。前述のように、この「B」シーケンスは経時的にシフトされる。例えば、第1のBシーケンスは符号化されたボーB0、B1...BMを含むのに対し、第2のBシーケンス(B')は符号化されたボーB1、B2...BM、B0を含む。このMTの「B」シーケンスに関して相関が実現されるとき、MTは「B」シーケンス内のストリーム位置を識別する。伝送のストリーム位置をシフトパターンから求めると、MTは、今やその到達を予測可能なシーケンス「C」の受信をスケジュールする。
上述の「B」シーケンシングの例では、後続の伝送との間で単一のボーシフトを使用する。後続の伝送との間でシフトするための刻み幅が、別の整数の(例えば2、3、4等)ボーシフト、または非整数の(例えば1/2ボー、3/4ボー、1と1/2ボー、2と1/4ボー等)ボーシフト、または整数もしくは非整数の取り合わせのサンプルでのシフトとすることができるように、他のシフト方法を使用することもできる。別の例では、後続の伝送との間のシフトメカニズムを搬送波位相回転によって置換することができ、この搬送波位相回転では、後続の各伝送の搬送波位相が一定量だけ回転される。
フレーム「C」は、その中に固有識別子の第3の部分が符号化され、MT用の可能なコマンドおよび制御データ(またはRL用の他のデータ)を有する。シーケンス「C」の相関は、固有識別子の第3の部分(例えば第3の11ビットまたはビット22〜33)が、伝送内に符号化されていることを検証するために使用する。この「C」シーケンスは、数ビットのデータで非常にゆっくり変調することもできる。例えば、シーケンス「C」内では、63ビットまでのデータおよび誤り訂正符号(ECC)を転送することができる。一例では、伝送フレーム内で「C」のパターンを反転させ、または反転させないことにより、チップまたは伝送シンボルを符号化する。符号化されたコマンドおよび制御情報の例については前に上述した。
上述の「C」シーケンスでは、反転および非反転符号化方法を使用してデータを符号化する。「B」シーケンスと同様にシフトビットパターンによりデータを符号化するなど、他のデータ符号化方法も使用することができる。例えば、「000」の2進符号は符号化することができ、この2進符号での各増分は、同じパターンを増分シフト刻み(例えば1/2ボー刻み、1ボー刻み、2ボー刻み等)の分だけシフトしたものである。名目上は「C」内のデータメッセージは、前述の名目セクション「B」において見られるような、パターンタイミング変更で符号化することができる。
MTは、シーケンスAおよびBを上述したのと実質的に同じ形式で伝送する。しかしRLは、伝送を開始し、いつ受信が始まるのかについての曖昧さを生み出す「起動」周期を有さないため、MTからの伝送シーケンスは全体的により短いものとすることができる。伝送期間が短縮されることは、MTのエネルギ消費を最小限に抑えることを助ける。フレーム「C」は同様にフォーマットされるが、現在の体温、心拍数、血圧等、他の報告データを含むことができる。
伝送に関するこのMT内のタイミングおよび搬送波信号は、内部MTクロックに対して測定されるものとしてのRLの合成クロックから導き出される。そしてまた、RLはMTと同様にこれらの信号を相関させ、正確な往復時間を求める。このRLはさらに、MTが模倣しようとした、このRL自体のクロックに対する信号タイミングの偏差も求める。この信号タイミングの偏差は、ドップラー偏移、雑音、および発振器の不安定性の結果である。
システムの一例は、以下の全般的な情報を有する:
受信フレームは4096サンプル、2047ボーで構成され、
受信サンプルレートは25.777M複素サンプル/秒であり、
伝送サンプルレートは2*25.777M複素サンプル/秒であり、
ボー速度はサンプルレート*(2047/2048)/2=12.8822Mボーシンボル/秒、QPSKによって求められ、
フレーム期間は158.98μsである。
システムの一例は、以下のRL TXパラメータを有する:
「A」シーケンスの長さは2.2263秒(13×1024フレーム)であり、2047の第1のアドレス部のうちの1つを用いてシフトされずに繰り返され、
「B」シーケンスの長さは317.96ms(2000フレーム)であり、2047の第2のアドレス部のうちの1つを用いてシフトされて繰り返され、
「C」シーケンスの長さは10.174ms(64フレーム)であり、2047の第3のアドレス部のうちの1つを用いてシフトされずに繰り返され、変調データに従ってフレームが反転される。
システムの一例は、以下のMT TXパラメータを有する:
「A」シーケンスの長さは81.397ms(512フレーム)であり、
「B」シーケンスの長さは20.349ms(128フレーム)であり、
「C」シーケンスの長さは10.174ms(64フレーム)であり、2047の第3のアドレス部のうちの1つを用いてシフトされずに繰り返され、変調データに従ってフレームが反転される。
タイミング取得シーケンスの例
図9Aおよび図9Bは、通信システムの一例に関するタイミング取得を示す図である。記載のタイミング取得シーケンスは、図1A、図1B、図2、および図3に関して前述した3部分伝送シーケンスを受信するときに、MTが使用することができる。ただし本明細書に記載するように、このタイミング取得シーケンスは、この伝送シーケンスの3つの部分のうちの2つ(例えばシーケンスAおよびシーケンスB)のみを用いて達成することができる。
受信機周波数は、局所的に生成されるクロック回路(例えば水晶発振器)からデジタル的に合成される。RLからの搬送波も、RL自体の局所的に生成されるクロッキング回路からデジタル的に合成され、MT内の受信機周波数からずれている可能性がある。このずれは、動作環境における温度差、回路内の熱過渡、水晶の許容差、MTとRLとの間の処理の違い、ならびに他の非理想的効果に関係し得る。さらに、全システムが同期されていないため、伝送に関連する開始位相、開始周波数、および開始歩調を最初に知る方法がない。図9Aは、「パターンA」シーケンスの一例に関連する位相および周波数の算出例を示すのに対し、図9Bは、タイミング取得中の経時的な受信機周波数の不確実性を示す。
この通信システムの受信機部分は、時間t1において、f=f0として示す初期周波数(f)に初期化される。しかし、時間t=t1では、デジタル的に合成される受信機周波数と、受信伝送の搬送周波数との間のオフセットは知られていない。このMTは、パターンAの受信信号に関連する位相を、位相φ1として測定するように構成される。この位相測定値(例えばφ1)は、相関器の出力によって生成することができる。
時間t=t2で、パターンAの伝送の別の部分が受信され、このMTは、位相をφ2として測定し、期待される受信機周波数と、RLの伝送の実際の搬送波との間の差に関連する周波数オフセット誤差を計算するように構成される。この周波数オフセット(foffset2)は、次式により、伝送間の位相差および経過時間によって算出される。foffset2=[φ2ex2]/[360(t2-t1)]、ただし、φex2は、時間t2での期待位相に相当する。解決不能な曖昧性が生じないことを確実にするために、期待される相対位相差を実質的に180度より小さくするように、最初の2回の測定間の時間は十分短くあるべきことに留意することが大切である。この時間の期待位相は、φ1に相当することに留意されたい。
時間t=t3で、パターンAの伝送の別の部分が受信され、このMTは、位相をφ3として測定し、期待される受信機周波数と、RLの伝送の実際の搬送波との間の差に関連する周波数オフセット誤差を計算するように構成される。この周波数オフセット(foffset3)は、次式により、伝送間の位相差および経過時間によって算出される。foffset3=[φ3ex3]/[360(t3-t2)]、ただし、φex3は、時間t3での期待位相に相当する。この場合もやはり、解決不能な曖昧性が生じないことを確実にするために、最初の2回の測定にわたる経過時間は、期待される相対位相差を実質的に180度より小さくすべきであることに留意することが大切である。しかし、絶対位相差は360度より大幅に大きくなることが予想され、そのため、タイミング取得が後続の各推定によって調節されるので、連続的なオフセット計算間の時間差の間隔を次第にますますあけることができる。周波数誤差は、アラン分散によって制限まで、後続の各調節により次第に低減されることに留意されたい。
図9Bは、経時のタイミング取得期間にわたる、デジタル的に合成される受信機周波数の不確実性を示すグラフである。両軸の目盛は対数であり、不確実性は、MT内およびRL内の水晶発振器に関連するアラン分散に漸近的に近づくことに留意されたい。横軸が経過時間を示すのに対し、縦軸は周波数の不確実性を示す。各連続的期間は、不確実性が指数間数的に低下するように、受信機タイミングの精密推定値を有する。この不確実性曲線の屈曲点は、アラン分散によって決定される最小不確実性に受信搬送波周波数の推定値が漸近的に近づくように、十分な受信信号のサンプルを取得した後に(例えば時間t5に)生じる。
受信機の例
図10Aは、受信機の一例のブロック図である。この受信機の例は、アンテナ(ANT)、オプションのフィルタ、低雑音増幅器(LNA)、第1のミクサ、第2のミクサ、第1の低域フィルタ(LPF1)、第2の低域フィルタ(LPF2)、アナログ/デジタル変換器(ADC)、バッファ、FFTプロセッサ、相関器、および逆FFTプロセッサを含む。他の受信機の例は、アナログ記憶方法を使用し、遅延A/D変換を実行することができる。
このアンテナは、受信信号をオプションのフィルタ(例えば帯域フィルタ)を介してLNAに結合するように構成される。このLNAは、信号強度を高め、その高めた信号をミクサに結合するように構成される。第1のミクサは、余弦波ヘテロダインを用いて同相信号(I)を生成するように構成されるのに対し、第2のミクサは、正弦波ヘテロダインを用いて直交信号(Q)を生成するように構成される。その同相信号は、信号IAとしてLPF1を介してADCに結合されるのに対し、直交位相信号は、信号QAとしてLPF2を介してADCに結合される。
そのADCは、サンプリング周波数(fSAM)で動作する。このADCは、IA信号とQA信号との間での時分割多重化をともなう、単一のA/D変換器回路として実装することができる。代替策として、このADCを2つの別個のA/D変換器回路として実装することもできる。このADC回路は、IA信号およびQA信号を、信号IDおよびQDとしてそれぞれバッファに結合される量子化デジタル信号に変換する。そのバッファは、1個の連続メモリとして、分割メモリ(例えばMEM1、MEM2等)として、または捕捉データをバッファする他の任意の適切な一時記憶装置として実装することができる。
このバッファの出力はFFTプロセッサに結合され、そのFFTプロセッサは入力信号を周波数領域に変換する。基準信号のFFTは、共役複素数と捕捉信号の周波数領域表現とを掛けたものである。その積の逆FFTが行われ、これは捕捉信号と選択基準信号との循環相関である。FFT基準は、MTの固有識別子(例えばID符号)から求められるため、FFTプロセッサ出力の相関は、信号内で有効な受信符号を識別するときにピークに達する。この受信信号から搬送波位相およびパターンタイミングも抽出される。
図10Bは、DSPブロックとして実行され得る、受信機内の動作を示す。FFT基準信号は、Nビンの配列として提供される。捕捉信号は、同様にNビンのFFTとして計算される。次に、指定の記憶ビン内の各複素成分(complex element)の共役複素数(ビン1〜ビンN)と、もう一方の対応する記憶ビンのデータとを掛ける。例えば、FFT基準信号の共役複素数を第1の配列(配列1)内にDR1〜DRNとして記憶し、FFT捕捉データを第2の配列(配列2)内にDC1〜DCNとして記憶する。別の例では、FFT基準信号を第1の配列(配列1)内にDR1〜DRNとして記憶し、FFT捕捉データの共役複素数を第2の配列(配列2)内にDC1〜DCNとして記憶する。
乗算器は、乗算出力を提供するために、第1の配列および第2の配列からデータを受け取り、第3の配列(配列3)内にDM1〜DMNとして記憶可能な積の結果を生み出すように構成される。循環相関器の出力を取り出すために、この第3の配列(配列3)内で識別される積から逆FFTを計算する。この循環相関器の出力結果は、第4の配列(配列4)内に記憶することができ、またはオプションで第3の配列(配列3)の値に上書きすることもできる。第4の配列(配列4)または実装形態に応じて第3の配列の内容は、振幅および位相の両方を含む複素数の結果(complex result)である。図10Bに示すように、この循環相関器の出力の逆FFTは、FFT基準データおよびFFT捕捉データが互いに相関するときに生じる最大振幅(PEAK)を有する。第3の配列(配列3)または実装形態に応じて第4の配列の各ビン(ビン1〜ビンN)は相関器の出力に相当し、PEAKは、相関が生じるときに、これらのビンのうちの1つ(例えばビンX)に位置することができる。
伝送および受信に関する動作フローの例
図11は、MTまたはRL内の送信機の構成例に関する流れ図である。処理は、ユーザまたは他の何らかのプロセスが、特定のMTの位置を特定するための要求を開始するときに始まる。
固有識別子(ID符号)を用いて伝送シーケンスを初期化する。シーケンス「A」、「B」、および「C」など、シーケンスは前述のようにフレーム伝送用に生成される。この「A」、「B」、および「C」シーケンスのそれぞれは、その固有符号の一部分を用いて符号化されるボーで構成される。
次に、RL(またはMT)がパターン「A」の伝送を開始し、「A」シーケンス全体(例えば13×1024の連続したパターン、またはフレーム「A」)が完成されるまで、パターン「A」の伝送を(注:シフトせずに)繰り返す。次いで、RLはパターン「B」の伝送を開始する。前述のように、後続のパターン「B」の伝送ごとに、このパターンはビット回転アルゴリズムなどを使用してシフトされる。「B」パターンのシーケンス全体(例えば2000の連続したパターン、またはフレーム「B」)を伝送した後、RLは「C」パターンの伝送を開始する。「C」パターンのシーケンスは、MT用のコマンドおよび制御情報に相当し得る変調データを含む。この変調データ(例えば64の連続したパターン、またはフレーム「C」)を伝送した後、RLは伝送をやめ、受信モードに切り替わる。
受信モードでは、RLとMTとの間で提供されるのと同様の形式で、RLを用いてMTから信号を受信する。次いでそのRLは、前述のように、受信信号の往復時間およびドップラー偏移に基づいて、距離および位置を計算することができる。さらに、受信される「C」フレーム伝送は、RLが抽出し評価する、MTとRLとの間で通信されるデータを含むことができる。そのようなデータには、心拍数、体温、血圧、心調律、血糖値などの生理学的情報、ならびにMTのユーザに関連する他のセンサ情報が含まれ得る。
図12Aは、MT内の受信機の一例に関する流れ図の一例である。処理は、MTがスリープモードから活動化される(例えば起動を開始する)ときに始まる。図12Aは、シーケンス「A」(またはフレーム「A」)に関連するサンプルの捕捉について示す。起動を開始した後、この受信機は雑音および/または信号を捕捉する。MTは、捕捉した雑音および/または信号を、特定のMTに関する固有識別子の第1の部分と相関させようと試みる。相関が一致しない場合、MTはその伝送が別の装置に宛てられているか、またはことによると伝送がないと判定し、スリープモードに戻る。あるいは、このMTは、その伝送シーケンスからボーおよび搬送タイミング情報を抽出して、受信機のタイミングを洗練させる。
タイミングは、捕捉間隔を繰り返しスケジュールすることによって洗練される。受信機は待機し、その後、スケジュールされた各捕捉時間から、サンプルの一部分を捕捉することを開始し、捕捉したサンプルを、MT用の符号に鍵掛けされる基準の別の部分と相関させようと試みる。この相関が一致を示すたびに、受信機のタイミングが調節されて(RLのブートストラップ)、時間/周波数の推定をさらに洗練させる。最後には、パターンAの相関が符号化基準と一致しなくなり、図13Aに関して説明するように、処理はパターンBの捕捉および評価に進む。
図12Bは、RL装置の一例の受信機内の、シーケンス「A」(またはフレーム「A」)に関連するサンプルの捕捉について示す。MTが伝送のために利用できる電力は限られているため、信号は、RLからの信号より著しく弱い可能性がある。RLが起動を開始した後、この受信機は雑音および/または信号を捕捉する。このRLは、所定の時間間隔にわたって伝送を捕捉し続け、巡回累算捕捉技法(例えば、次々と巡回的に選択される捕捉バッファのアレイ)を使用して値を累算する。その後の捕捉ごとに、選択される捕捉バッファは、時間に基づいて変更される。また、受信時間等を推定するためのRL装置の速度を測定するために、加速度計を使用する。
所定の時間間隔が終了した後、このRLは、累算/捕捉した信号および雑音を、特定のRLに関する固有識別子の第1の部分とFFT相関させようと試みる。記載した巡回累算を使用して、シーケンスに関する捕捉パターンを累算することは、信号レベルを改善し、受信に対する雑音の影響を最小限に抑える。相関が一致を識別しない場合、RLはその伝送が別の装置に宛てられている、伝送がない、または誤りが生じたと判定し、スリープモードに戻る。あるいは、伝送シーケンスからのRLの微細タイミング情報および位相情報が、そのRLの受信機のタイミングを洗練するために使用される。次いで、図13Bに関して説明するように、処理はパターンBの捕捉および評価に進む。
図13Aは、MT装置内の、パターン「B」に関連するサンプルの捕捉について示す。この受信機は、サンプルのシーケンスを、それらのサンプルがシーケンス「B」に相当すると仮定して捕捉する。MTは、この捕捉サンプルを、特定のMTに関する固有識別子の第2の部分とFFT相関させようと試みる。相関が一致を識別しない場合、MTはその信号シーケンスが別の装置に宛てられていると判定することができる。処理時間間隔の間、期待されるBシーケンスがシフトおよび捕捉され、その後にFFT相関算出が続く。シーケンス「B」が一致せずにこの処理時間間隔が完了する場合、MTはその伝送が別のMTに宛てられているか、または受信する伝送がないと判定し、スリープモードに戻る。あるいは、MTがシーケンス「B」についての一致を見つける場合、このMTは、一致をもたらすシフト位置に基づいて、そのシーケンス内(またはフレーム内)での一致パターンの相対位置を求める。タイミング、位相、および周波数の情報が今では知られている、このMTは「C」シーケンスの受信をスケジュールする。このMTに関する処理は、さらに後段で続く図14で続行する。
図13Bは、RL装置内の、パターン「B」に関連するサンプルの捕捉について示す。この受信機は、複素サンプルのシーケンス(例えば4096の複素サンプル)を、それらのサンプルがシーケンス「B」に相当すると仮定して、図12Bで前述したのと同様の巡回累算/積分技法を使用して捕捉する。パターン「B」に関連する基準パターンが生成される。受信される各サンプルが捕捉され、一連のバッファのうちの個々の1つに置かれ、各バッファは、ポインタなどの関連インデックスを有する。その後捕捉される各サンプルは、別の捕捉バッファ(例えば容量性記憶素子)内に置かれる。
MTに関して前述したように、シーケンス「B」はRLが受信するために複数回伝送され、後続の各「B」シーケンスは、直前のシーケンスに対して巡回的に回転される(例えば図3参照)。時間が進むにつれ、RLがシーケンスを捕捉するための開始点として、別の捕捉バッファが使用される。例えば、捕捉バッファ0への開始ポインタを有する4096の複素サンプルパターンを仮定すると、捕捉はバッファ0〜4095内に順に置かれる。最初の「B」シーケンスを捕捉した後、次のパターン「B」シーケンスは捕捉バッファ2の開始点を有し、捕捉はバッファ2〜4094とその後に続く捕捉バッファ0および1内に順に置かれる。記載した方法を使用して、第1のパターンのサンプルが第2のパターンのサンプルと累算されるように、各バッファはアナログ記憶素子とすることができる。追加のパターンを数多く累算した後、積分が完了し、累算した信号を評価することができる。
パターンシーケンス「B」のサンプルのすべて(例えば、パターン「B」シーケンスの4096の複素サンプル)を受信(すなわち「パターン完成」)し、累算した後、このRLは積分した捕捉シーケンスを、パターン「B」に関して前に生成したパターンとFFT相関させようと試みる。FFT相関が一致を識別しない場合、RLはエラートラップに入る。その伝送が別のMTに宛てられている場合、またはことによると誤りが生じる場合、受信したシーケンスの処理は一致せずに終了する可能性がある。エラートラップは、誤りが生じるときに残りの処理を扱う。
RLが、生成パターン「B」についての相関一致を見つける場合、このRLは、一致をもたらすパターン内のシフト位置に基づいて、そのシーケンス内(またはフレーム内)での一致パターンの相対位置を求めることができる。タイミング、位相、および周波数の情報が今では知られているため、このRLは「C」シーケンスの受信をスケジュールする。このRLに関する処理は、以下に続く図14で続行する。
一部のシステムの例では、この「B」シーケンスは、各シーケンスステップが4つのサンプルである状態で、送信機において4回サンプリングされる。この例では、パターンの各シフトが2つのバッファ位置に相当するように、受信機は伝送速度の半分でサンプリングを行う。つまり、この例での各「B」シーケンス捕捉の開始点は、常に偶数のバッファ(例えば0、2、4...)に相当する。次いでこのRLは、バッファへの開始点インデックスまたは期待されるパターンに一致/相関するサンプルビンを評価することにより、このシーケンスもしくはフレーム内での一致パターンの相対位置を求めることができる。
図14は、シーケンス「C」に関連するサンプルの捕捉について示す。この受信機は、MT内の受信機から、サンプルを、それらのシンボルがパターン「C」に相当すると仮定して捕捉する。MTは、フレームが完成に至ると予想されるまでサンプルを捕捉し続ける。次いで、このMTは、捕捉シーケンス(このシーケンスはRLからのシーケンス「C」であると仮定する)を、特定のMTに関する固有識別子の第3の部分と相関させようと試みる。相関が、一致を検出するための十分なレベルを実現しない場合、「C」シーケンスの伝送が任意の数の理由(その環境における過度の雑音、強力な干渉信号等)で失敗したと形式としてみなすことができる。シーケンス「C」の伝送がいつ生じるべきか、ならびに伝送がどの搬送周波数、位相、タイミング、および歩調で生じるべきかが厳密に分かっているため、この「C」パターンの受信は、有効な伝送を検証するために形式的に使用することができる。
シーケンス「C」は、その中に、誤り訂正符号(ECC)で符号化し得る変調データを含み、その符号化情報は位相変調し、その後復調し、復号することができる。期間が終了していない場合、期待されるCシーケンスの捕捉を再開し、その後に相関算出が再び続く。シーケンス「C」が一致せずにこの期間が終了する場合、MTはその伝送が他に宛てられていると判定し、誤り状態を適切にトラップする。あるいは、このMTはパターン「C」についての一致を見つけ、このフレーム内で受信したシンボルの極性を評価し、この「C」シーケンスからコマンドおよび制御情報を抽出する。
MTの場合、シーケンスCの捕捉を完了すると、その後にシーケンス「A」、「B」、および「C2」(またはことによると他の何らかの順序、もしくはそれだけでなくA'、B'、C'の別の組)を伝送することが続く。シーケンス「A」および「B」は、RLに関して前述したのと同様だが、長さがより短いパターンを含む。シーケンス「C2」のフレーム数は相変わらず同じだが、ただし、MTとRLとの間の通信のために、データが伝送内に符号化される。
RLの場合、シーケンスCの捕捉を完了すると、その後にRLからMTへの直線距離を求めるために往復時間を評価することが続く。2つの異なる受信アンテナから受信される2つの信号の受信間の時間差を評価して、RLとMTとの間の方向ベクトルを明らかにすることを助ける。方向ベクトルを求めることを支援するために、MTから受信する信号のドップラー偏移を分析することも使用することができる。加えて、シーケンス「C」は、MTからRLに転送される情報を抽出するために評価される。さらに、後に説明するように、位置を求めることを支援するために、コンパスセンサの測定値を利用することができる。
動作的特徴および観測の例
本開示は、「位置特定要求」ポーリングと、位置特定プロセス自体とを組み合わせる。RL装置は、その持続期間がMTのポーリング間隔に及ぶ相対的に長く、強力な符号化信号を提供するように構成される。MTは、関連スペクトルを非常に短い間にサンプリングし、符号化されたスペクトル拡散信号を見つける。このイベントにおいて、MTは、その長い伝送から信号を複数回捕捉し、その信号の周波数、歩調、および時間基準についてより正確な推定を連続して行う。これらの推定は、MTおよびRLの時間基準(例えば水晶発振器)の短期安定性(ルートアラン分散)により、ならびにRLとMTとの間の相対加速度により、精度に関して制限される。このアラン分散は、概して10億分率より優れているが、0.25秒の観測期間の加速度は、0.25秒で10メートル/秒2程度となることがあり、これは2.5メートル/秒のドップラー変化を生み出す。この傾向(lurch)はまれであり、典型的には0.25メートル/秒の変化あるいはそれ以下が観測される。0.25メートル/秒の速度変化は往復で0.5メートル/秒であり、これは0.5/3*108、または1.6ppb(10億分率)のドップラー変化である。したがって、入力信号の周波数/シーケンスについての推定は、約2ppbまたはそれ以上の精度を有する。実験上、2ppbが観測された。
MTは、この受信信号タイミングの厳密な推定を使用して、実質的に同じタイミングおよび搬送周波数で、符号化されたスペクトル拡散応答を合成することができる。この応答信号は、入力信号終了のすぐ後に送られる。タイミングが正確に捕捉されているため、遅延またはギャップがあることは精度を大きくは低下させない。例えば、時間基準の誤差が2ppbの場合、30msの遅延は約60psの時間不確実性へと変わり、これは往復距離の約1センチメートルである。
MTからの符号化応答信号は十分長いため、この応答信号の相対的に低い電力を経時的積分が補償する。この応答信号はRLの時間基準に関して合成往復ドップラー偏移プラスマイナスでコヒーレントなため、MTからの信号はRLがコヒーレントに処理することができる。この弱い信号を引き上げ、雑音フロアの範囲外にするための信号累算プロセスを実行するために、1組の巡回的な4096の複素容量性積分器を使用することができる。この複素パターン(例えば長さが2047チップのパターン)の拡散利得は約33dbである。これらの巡回積分器を追加すると、信号の反復部分でさらに20dbの信号利得を達成し、53dbの総利得を生み出すことができる。この技法を用いて、26MHzから約100Hzにまで下げられる帯域幅の削減が成し遂げられる。100Hzの帯域幅上の熱雑音は約-154dbmであり、妥当な信号受信は-140dbm前後の雑音レベルで期待される。+10dbmの送信機では、150dBの最大経路損失が実現される。915MHzの信号および全方向性アンテナを仮定すれば、この送信機の対応する理想的な自由空間距離は約1000kmである。この大きな自由空間距離または損失マージンは、建物侵入(building penetration)、埋め込み装置、等で有用である。
MTの捕捉持続期間は、MTとRLとの間の相対水晶周波数許容偏差によって制限される。時間および温度とともに、周期的な較正信号を利用して、この許容偏差を何とか数ppmにすることができる。こうして、信号伝達周波数と水晶許容偏差との積は周波数オフセットをもたらし、この周波数オフセットは、複数のドップラービンまたは再三の相関の試みを使用しない最大可能受信時間を示す。例えば、915MHzにおいてかつ3.5ppmの周波数誤差では、312μsの捕捉期間は、第1の完全な信号nullに相当する。
RLは概して、その歩調および周波数が自らの内部水晶クロックに非常に近接して一致する信号を受信するため、このRLは利用SN比を大幅に高める長い巡回積分時間を使用することができる。記載したコヒーレント積分(またはコヒーレント累算)プロセスは、捕捉間隔の終わりに信号が180度回転するときに最大の信号電力を有する。3.5ppmの周波数許容偏差では、拡散信号の周期が約150μsになることが意図される。それ自体が複素数である信号を使用することが有利である。複素信号を使用することにより、符号化信号間の改善された直交性が実現される。例えば、GPSシステムで使用されるゴールド符号の長さは、1025の可能な符号に対する約-24dbの相互相関を用いた、1023チップである。ここに記載する開示で使用する複素信号伝達符号の長さは、2048の可能な符号に対する-33dbの相互相関を用いた、2047チップ程度である。複素符号を使用することは、改善された信号阻止(signal rejection)を可能にする。
ゆっくり移動する対象(例えば歩いている人)間の往復ドップラー偏移は、4〜5ppb程度である。ゆっくり移動する対象は、より大幅に長い積分時間を提供し、その場合、受信信号はRLの時間基準に周波数に関して非常に近くなる可能性が高い。自動車の速度でさえ、200ppb以下の往復ドップラー偏移になる。
オプションのRPコンパスの動作
記載のこのシステムは、往復時間を測定することにより距離測定を行う。本開示によれば、方向情報を分析するために加速度計または複数のアンテナを必要としない、RL(遠隔ロケータ)装置向けの経済的解決策が利用できる。このRLの方位のどんな相対的変化にもかかわらず、目標方向(RLからMTへの方向)を継続的に表示することができるように、コンパスセンサをこのRL内で使用するように適合することができる。信号強度、距離、およびドップラー等に関する追加情報を得るために、ダイバシティアンテナを使用することができる。
まず、RLのユーザがMTを見つけようとする場合、「探索」モードを機能させる。RLがMTから満足な応答信号を受信すると、RLはそのMTへの距離を求め、ユーザに適切なアラートインジケータを提供することができる。アラートインジケータには、例えば、音声出力装置による可聴インジケータ、映像出力装置による可視インジケータ、または振動インジケータが含まれ得る。
初期探索およびアラートを完了した後、ユーザは「位置特定」モードを活動化することができる。この位置特定モードでは、ユーザはこのRLを、おおよそ腕を伸ばした距離で体から離して持つ。次いでユーザは、MTを走査するために、RLを少なくとも弧の一部分を通して、または自身の頭部をほぼ中心とする完全な円運動によって移動させる。この位置特定モード中、RLは、干渉法による到着時間(TOA)やドップラー測定値などの一連のデータ項目を取得しながらMTと何度もハンドシェークする。RLが円運動で回転されるとき、コンパス測定も行われる。このコンパス測定は、距離およびドップラー測定値に関連付けられる。回転に関連する距離変化は、往復の通過時間によって2倍になる。一例では、ユーザはRLを自身の体から約70cmの距離伸ばして離し、対応する往復時間変化は約280cm、または915Mhzの周波数で約8波とすることができる。
ユーザの一例は、このRLを、約36度/秒〜180度/秒の間で変動することができる様々な速度で回転させる。このRLが取得する距離測定値は、MTに対するこのRLの相対方位に基づいて変動する。つまり、RLとMTとの間の距離は、円回転中のRLの回転位置に依存する。この距離は、回転運動中に、ユーザが自身の腕を伸ばしてRLを自らの体から離して持つ距離にも依存する。一例では、ユーザがこのRLを自身の体から70cm離して持ち、コンパス測定の初期測定値は84度であり、実際の目標は120度の方位に位置する。この例では、初期測定値と実際の目標との間の方位差は34度であり、この値は、実際の目標とユーザとの間に、2・0.7m・COS(34°)=1.1326mの距離変化をもたらす。ユーザが自身の中心線の周りを回転し続けるにつれ、目標への距離は図15Aによって示すように変わり続ける。このRLを120度の目標方位に向けるとき、距離変化はピーク(1.4m)に達するのに対し、このRLを300度の方位に向けるとき、RLは目標に対して最も遠い(目標から180度離れた)位置に配置されるため、距離変化は最も小さい(-1.4m)。
少なくとも部分な回転が完了し、適切な方向を分析するためのコンパス測定値、距離測定値、およびドップラー測定値についての十分なデータを収集するまで、RLからMTへの方位は分からない。RL内の相関器は、目標位置(MT)とRLとの間の相関位相情報の方位を生成するように構成される。図15Bのグラフによりこの相関位相情報を示し、相関位相(位相)は次の等式によって求められる。位相=360°・(φ-Δd/λ)、ただし、φは相関器の初期位相であり、Δdは所与の方向方位に関する距離の変化であり、λは伝送の波長である。
説明したように、このRLは、MTの目標位置を分析するために、一連のコンパス方位および距離を収集するように構成される。ユーザに求められる運動または動作は、RLにとって必要な円運動が、ユーザが自らの現在位置の「周りを見回す」ことによって視覚的に探索するのに必要な運動と似ている点で、割と直感的に分かる。上述の例で使用するRLの費用は、加速度計を使用する必要がないため大幅に低減される。さらに、一部の従来型2軸コンパスセンサ装置に関連する費用は、現在は約2ドルに満たない。
Pingモード
図16は、単一pingモード、スローpingモード、およびファストpingモードを示す図の一例である。前述のように、「ping」は、1組の完全な3フレームの伝送シーケンスなど、RLによるMTへの完全な伝送に相当する。同様に、「応答」は、MTからRLに伝送される1組の完全なフレームに相当する。図16では、Pxとして示す各ブロックは、1組の完全なフレームを含むpingの伝送時間を示すことを意図するのに対し、Rxは、同様に1組の完全なフレームを含む応答の伝送時間を示すことを意図する。
記載のこのシステムは、往復時間を測定することにより距離測定を行う。このpingモードは、RLとMTとの間の定期的な通信を提供するように構成され、過度のエネルギ消費またはスペクトル汚染なしに距離を追跡することができる。MTとRLとがシグニチャを交換した後、このMTとRLは、非常に厳密な相互クロックレート情報を共有する。任意のドップラー偏移がないこのクロックレート情報の精度は、1ppbまたはそれ以上である。伝送の間に時間が経過するにつれ、完璧に不変ではない単位時間基準が互いにずれる。所与のスリープ周期を、知られている数の高速クロック周期として正確に数え上げる(enumerate)ことができるように、低速スリープモードの発振器を高速クロックに対して較正することにより、高速クロックを実際に動作させることなく、数分の期間正確に測定することが可能である。ただし、MTとRLとの間のクロックを最初に同期させるために、周波数を決定するための長い最初のベースラインが必要である。同期/較正されると、厳密なタイミングが分かり、より短い伝送が可能である。
単一pingモードでは、RLは単一のping(P1)をMTに伝送する。MTは、ping P1を、適切に受信するためのRLの伝送範囲内に自らが位置する場合に受信する。MTは、そのping P1をこの特定のMTに関して符号化されたものとして適切に認識する場合、ping P1に応答して応答(R1)をRLに伝送するように構成される。
スローpingモードでは、RLは一連の単一ping(P1'、P2'...PN')をMTに継続的に伝送するように構成される。後続の各pingは、図示するようにping間隔(T1)によって時間で区切られる。MTは、各pingを、適切に受信するためのRLの伝送範囲内に自らが位置する場合に受信し、この特定のMTに関して符号化されたものとして適切に認識するpingごとに、対応する応答(R1'、R2'...RN')を伝送する。
ファストpingモードでは、RLは一連の持続期間の短い単一ping(P1''、P2''...PN'')をMTに継続的に伝送するように構成される。後続の各pingは、ping間隔T1よりも時間に関して大幅に短いping間隔(T2)によって時間で区切られる。例えばこのファストpingモードの各pingの長さは、数百マイクロ秒から数ミリ秒程度である。タイミングおよび歩調は前の受信から知られているため、粗タイミングはすでに知られており、RLは著しく短縮された伝送を利用することができる。この持続期間の短いpingは、「A」シーケンスのたった一部分だけを使用して実現することができる。MTは、各pingを、適切に受信するためのRLの伝送範囲内に自らが位置する場合に受信し、この特定のMTに関して符号化されたものとして適切に認識するpingごとに、対応する応答(R1''、R2''...RN'')を伝送する。
たとえ特定のpingがこのMTによって認識されるために適切に符号化されていても、MTは必ずしもそのpingをRLから適切に受信できるとは限らないことに留意することが大切である。雑音、建物、および他の電子妨害などの環境条件は、ping(例えばping P2')が意図するMTに到達するのを妨げる可能性がある。同様に環境条件は、応答(例えば応答R3'')が意図するRLに到達するのを妨げる可能性がある。
以下に説明するように、貨物コンテナタグ装置と基地局装置との間の通信を助けるために、様々な通信プロトコルを利用することができる。一部の例では、この通信プロトコルは、貨物コンテナの中身がインパルス応答および遅延/減衰/エコーパターンの信号スペクトル分析手段(例えばFFT分析)に従って分析される、貨物コンテナ分析モードを助ける。例えば、この中身分析は、貨物コンテナ内の人や害虫などの侵入物の存在を検出するために、内部ドップラー測定値を使用することができる。中身は、それらの中身が減衰させている程度を測定し、またさもなければ相関パルスの時間構造を修正するための、相関インパルス応答およびその減衰/エコーパターンを使用して分析することができる。シグニチャまたは基準パターンを、貨物コンテナのための最初のベースラインとして使用することができ、このベースラインは、後に貨物コンテナの中身の変化(中身の移動、取出し、追加等に起因し得る)を求めるための比較ベースラインとして使用される。したがって、貨物コンテナの侵入または中身の変化を示すために、相関ベクトルシグニチャを比較することを使用することができる。
以下に、内部指向性アンテナまたは外部指向性アンテナから得ることができるドップラー測定値の使用についてさらに論じる。内部指向性アンテナからのドップラー測定値は、貨物コンテナの内部運動を評価するのに有用である。通常、貨物コンテナの中からのドップラー測定値は、たとえそのコンテナが移動していてもないはずである。外部指向性アンテナは、貨物コンテナが鉄道車両上、トラック上、または他の輸送手段など、経路に沿って移動する間、ドップラー測定値を使用して運動をモニタするのに有用である。外部ベースのドップラー測定値(外部アンテナからの測定値)はある程度扱いにくいが、アンテナがコンテナの同じ面を占有しないため、シグニチャ分析技法および/または基本的なパターン認識方法が、貨物コンテナの移動経路を推論するために、ドップラー測定値を解釈することを可能にする。
半Pingプロトコル
半pingは、単一パケットの単方向通信である。一方のタグ(例えば第1のCCT装置)が、2つのタグ間にあり得るタイミングの誤差に対処するために、わずかに拡張されたパケットを伝送し、もう一方のタグ(例えば第2のCCT装置)が、単一のパケットを受信し、その符号に対して相関させる。これら2つの装置は同期していないため、インパルス応答に相当する相関パターンは、FFTが作成するサンプルに対して、無作為の搬送波位相回転ならびに無作為の配列を有する。無線機の利得変動、または受信機の切り替えられたAGCが2つの利得範囲間で伝送に対してぐらぐら(teetering)する結果として、振幅が予期せぬ変動を有することも起こり得る。これは、半pingモードでの受信が正規化されるべきことを意味する。まず、スパイクの真の部分時間を見つけるために、信号を直接経路相関スパイクの領域でオーバーサンプリングすべきである。次いでこの部分を、ことによると直接経路の1マイクロ秒後にわたり、残響パターン(reverberant pattern)の間中、後続のサンプルにおいて補間相関値を計算するために使用することができる。さらにこれらの値は、搬送波位相回転および搬送波振幅変動を除去するために、(複素数として)主スパイクの値で分周することによって正規化することができる。その結果生じる値は、コンテナ内への何らかの侵入がなければ常に同じになるはずである。
「ダーティ:dirty」な符号が相関される場合、その結果生じる相関は、より狭いスパイクを示し、残響パターンはほとんど示さない。このことは、残りのデータを正規化するための基準を明らかにすることをより容易にし、主スパイクの外側にははるかに少ないエネルギがあるはずであるため、将来比較するためのベースラインシグニチャ(例えば、タグが受信する正規化信号のスペクトル組成)として記録され得る情報量を減らすこともできる。ただし、この「ダーティ」な符号の自動相関特性は予測不能であり、そのため、このスパイクの両側に依然として何らかのエネルギがある可能性があり、侵入がある場合に現れる追加のエネルギも両側に現れ得る。
完全Pingプロトコル
完全Pingは、両方のCCT装置がこの持続期間にわたって起動されるように、できるだけ狭い間隔を置かれた各方向の半Pingで構成される双方向通信である。第2のタグが第1のタグから最初の半Pingを受信するとき、第2のタグは上記のように同じ情報を集めるが、第2のタグが自らの応答を送信する場合、この第2のタグは、開始側のタグのタイミングに従って厳密に送信のタイミングをとる。第1のタグがこの応答を受信すると、第1のタグがこの応答から得るタイミングが、正確な距離測定値をもたらす。コンテナ内の優れたS/N比を所与として、1インチ単位のレベルくらいにまで距離を測定することが可能だが、これはFFTによって生み出される実際のサンプル間に約256の補間点を必要とすることになる。このことは、通信を時間に関してシフトするがインパルス応答の形を実際には著しくは変えない、タグが取り付けられているコンテナのドアがわずかに開けられ得る可能性に対していくらかの追加の保護を提供する。
応答側のタグは、補間により厳密なパケットタイミングを測定する役割を担うため、開始側のタグで検出される直接経路の相関スパイクがサンプルと正確に整合されるように、応答側タグの応答を較正することができる。これは、開始側のタグが補間プロセスをスキップし、残りのサンプルをこの基準サンプルで分周することにより、ただ正規化を行えることを意味する。さらに、最大距離変動があるサンプル時間と比較して取るに足らないものであるため、応答側のタグは拡張されたパケットを伝送する必要はない。
この完全Pingは、追加の距離測定のため2回の半Ping動作よりわずかに多くを成し遂げ、さらにそれを半分の時間(動作間のスリープ時間を含め、2秒対4秒)で達成する。さらに、この完全Pingは、実際の通信よりはるかに時間がかかる、バンドギャップ基準をウォームアップし水晶発振器を始動するオーバーヘッドを半減させるので、これをより少ないバッテリ電力で行う。したがって、この完全Pingは、半Pingより概して好ましい。
完全Pingも「ダーティ」な符号を使用することができ、このことは、結果として生じる相関パターンが、多くの残響がある状態でより曖昧でないタイミング情報を提供するため、完全Pingの性能を向上させることができる。半pingは、単一パケットの単方向通信である。
外部Pingプロトコル
外部Pingは、一方のタグがその外部アンテナを使用し、もう一方のタグがその内部アンテナを使用する半Ping動作である。正常な場合は実質的に信号は受信されないため、強力な干渉信号によって混乱する可能性を回避するために、受信機はその内部アンテナを使用することが理にかなっている。コンテナの内部と外部との間に任意の経路が開く場合、それは、可能性がある32768Hzクロックのタイミングの不正確さにその幅が依拠する、特定の予測可能な時間窓内に相関スパイクとして現れる。この経路は外界を含むため、「クリーン:clean」な符号に対して相関することのみ意味がある。
あり得る1つの干渉源に、たまたま同じ11ビットの符号を同時に伝送している近くのロケータがある。ロケータは、自らの領域下にあるすべてのタグをポーリングするので、典型的には伝送することにほとんどの時間を費やし、そのため、約2000個の可能な符号があることを所与として、特定の符号が特定の時間に空中にあることは、ことによると2500に1つのチャンスである。同じ外部Pingプロトコルを行う近くのコンテナから、符号を捕らえることも可能である。一方のタグが漏洩を検出するために使用することができる、コンテナ外部のある保証されたレベルの「放射:illumination」があるように、もう一方のタグが符号を外部に伝送する。同じ符号の他の外部情報源は、この放射を増大させる。
ドップラーPingプロトコル
ドップラーPingは、2つの外部アンテナを使用する、数ミリ秒だけ離される同じ方向の1対の半Ping動作であり、この間両方の装置は起動されたままである。その2つの受信は、コンテナがトラック上にある場合のようにかなりの速度で移動しており、そのトラック上にはない他の物体からの反射がドップラー偏移を示す場合を除き、本質的に同じはずである。最も強い信号は常に直接経路、または直接経路の何らかの固定反射であり、基準の役割を果たすことができる。後者の反射は、トラックから離れていると考えられる。
このプロトコルの目標は、道路を走るトラック上にコンテナがあるときに、おおよその速度情報を得ることである。タグがコンパスチップを備える場合、ログは、この輸送中のコンテナに関する粗いパンくず式行路(例えばパンくずモード)を記録することができる。大きい鋼製コンテナの側面に取り付けられるこのコンパスチップは、やや非線形の応答を有するが、それは1回の較正で無理なく十分に是正することができる。速度情報もかなり粗いが、十分有効なため、これらの2つの情報を組み合わせたものを、誤りが蓄積しないように既存道路の地図上に入れ込むことができる。最終的な結果は、トラック運送業者が、コンテナをその本来の目的地以外のどこかに運んだかどうかを確かめるための能力である。
その反射は、概して以下の種類に分類される。
・トラックと同じ方向に移動する車両からの反射は、ほぼゼロドップラー偏移を有する。
・逆方向に移動する車両からの反射は、我々が関心のある反射のほぼ2倍のドップラー偏移を有する。
・固定された物体からの反射は、トラックの速度に、移動方向から外れたその物体の角度の余弦を掛けたものに等しいドップラー偏移を示す。
・場合によっては、脇道や陸橋のように、トラックの移動に対して垂直に移動する車両から反射があり、そのもう一方の車両の速度に主に基づくドップラー偏移量もたらす。
結果として生じる反射の錯綜は、この2つのパケットの主直接経路信号が整列し、一方の応答のベクトルを回転させ、そのため直接信号が同じ角度を有するように、2つのパケットに対するFFTがもたらすインパルス応答を時間整合することと、最大300フィートから400フィートの距離にわたる主反射の後に、この2つの応答内の対応するベクトルを、ことによると15個から20個のサンプルに分ける(有用であるには振幅が低すぎるものは破棄する)こととによって復号することができる。その結果生じる15個から20個のベクトルの角度は、対応する距離にある物体に関する主要なドップラー偏移を示し、これらのベクトルは、適切に巧妙なソフトウェアによって分析可能な不均等分布を有する。
具体的には、ドップラー偏移の分布は±vの間にほとんど分散する可能性が高く、ただし、vはトラックの速度であり、ドアに取り付けられるタグは通常後部に向くため、おそらくは負極性に向けてスキューされる。しかし、反対方向に進む車両を表す-2v辺りに集まる一部のより低レベルな反射を除き、vよりも大きい任意の速度を示す反射は比較的少ない。これらの反対方向に進む車両の反射は、任意のトラックが移動すると考えられるよりも速い速度を表すのでフィルタすることができ、残りの異常は、測定間の数秒の間にトラックが速度を甚だしく変えることはできないことを観測することによってフィルタすることができる。垂直に移動する車両からの反射は、混乱させるような測定値をもたらす可能性があるが、そのような反射は概して小さく極めて珍しいはずである。
フィルタで除去するのが最も難しいのが、コンテナを運ぶトラックが停止している一方で、移動している車両からの反射であり得る。もっとも、観測可能な1つの差は、ゼロドップラー反射がはるかに強くなり、より多くなることである。もう1つの観測可能な差は、トラックに後方から近づく通行車は、前方から近づく反対車線の通行車よりも近い可能性が高いため、それらの反射が概して負ではなく正であることである。コンパス方位が絶対的に安定していることも有益であり得る。
インパルス応答の分析
半Pingまたは完全Pingにおいて「クリーン」な符号に対して相関する場合、インパルス応答の任意の変化の性質を分析することから、有用な情報を得ることが可能であり得る。コンテナが、密航者などの何か動くものを含む場合、この運動がインパルス応答に加える変更は、一部の場合では他の形の侵入から識別でき、かつ区別し得る。この区別を行うためには多少の巧妙なパターン認識を必要とするが、このハードウェアは、この相関を行い、その結果生じるインパルス応答をプロセッサに渡す能力を有するため、その巧妙なパターン認識は、特定の定義済みイベント(ドアが開くこと、ドアが閉じること等)の信号プロファイルを使用するパターンマッチングおよび推定を使用する、ソフトウェアに委ねることができる事項である。
通信のスケジューリング
通信のスケジューリングに関係する1つの外部要件は、ロケータが接触しようと試みている場合に備え、すべてのタグが、自らのA符号があるかどうかを外部環境においてリスンするために周期的に(例えば2秒ごとに)オンになる必要があることである。これは、すべてのタグ間通信が、それらのイベントの合間に収まる必要があることを意味する。これを行うための最も簡単な方法は、それらのタグ間通信を、同じ2秒の粒度だが、リスンイベントの真ん中にインタリーブした状態でスケジュールすることである。
さらなる他の問題は、タグが外界において自らのA符号を聞き取る場合、そのタグはロケータの通信の残りの部分をリスンするために自らの通信資源を当てる必要があり、これはより長い(例えば2秒を超える)時間間隔を必要とする。つまり、そのタグはスケジュールされたタグ間通信イベントのうちの1つを逃す可能性が高い。タグ間通信プロトコルは、どんな逃した単一の通信も任意の問題の表れとみなすことなく、これを許す必要がある。
スケジュールの例
通信スケジュールの一例は、以下のように単純なものとすることができる。
時間 イベント
t ロケータをリスンする。
t+1 AからBからAへの完全Ping。
t+2 ロケータをリスンする。
t+3 AからBへの外部Ping。
t+4 ロケータをリスンする。
t+5 BからAからBへの完全Ping。
t+6 ロケータをリスンする。
t+7 BからAへの外部Ping。
これらのイベントの間隔は1秒であり、そのためこの装置は2秒ごとにロケータを正確にリスンすることになる。ことによると、間に入るタグ間通信の速度を半分にまたはそれ以上短縮することにより、多少の電力を節約することができるが、これは、ドアが開かれ、コンテナ内に何か危険な物(例えば何らかの毒物)が素早く投げ込まれることなど、かなり短い侵入を捕らえる必要があることによって制限される。
コンテナがトラック上にあることが予期される場合、以下のようなスケジュールを使用するようにそのコンテナに命令することができる。
時間 イベント
t ロケータをリスンする。
t+1 AからBからAへの完全Ping。
t+2 ロケータをリスンする。
t+3 AからBへの外部Ping。
t+4 ロケータをリスンする。
t+5 AからBへのドップラーPing。
t+6 ロケータをリスンする。
t+7 BからAからBへの完全Ping。
t+8 ロケータをリスンする。
t+9 BからAへの外部Ping。
t+10 ロケータをリスンする。
t+11 BからAへのドップラーPing。
これらのインタリーブされたスケジュールが基準を置く1秒の間隔は、2つの装置内でオープンループで実行されないことに留意されたい。代わりに、この間隔はタグがもう一方のタグから完全Ping信号を受信するたびに同期される。伝送側のタグが1パケット時間よりもわずかに長く送信し、受信側のタグがこの時間の最中に自らの受信を整合させようとすることは、受信機が相関スパイクの位置により、送信機と比べて自らの時間認識がどの程度ずれているかを知ることを意味する。両方の側が常に同期されたままであるために、信号を受信することを予期する時間についての自らの認識からではなく、相手側から信号を受信した時間から、次のイベントまでの時間を常に除外する必要がある。
再同期プロトコル
タグが、ロケータに応答するために自らのスケジュールから外れなければならない場合、適切な時点で再開してもう一方のタグと同期されたままであるために、そのタグは依然としてそのスケジュールを追跡すべきである。しかし、まず初めの段階で、または何らかの偶発障害がそれらのタグを切り離すことを引き起こす任意の時点で、それらのタグを同じスケジュールに乗せるための何らかの手段はやはり提供する必要がある。
この手段は、半Pingプロトコルまたは完全Pingプロトコルの任意の障害を検出し、この状態がそのスケジュールを通してある程度の回数続く場合に同期が見込みなく失われていると判断することにより、行われる。これが起きる場合、それらのタグを同期状態に戻すために再同期プロトコルが使用される。このプロトコルを単純化にするために、これらのタグは、設置時にその一方を同期マスタに指定し、もう一方をスレーブに指定することにより互いに区別される。この区別は、ドア上のタグをマスタにすることや、より低いシリアル番号のタグをマスタにすることなど、任意の基準に基づいて行うことができる。
装置が障害を認識すると、もう一方の装置もその障害を認識するための時間を有することを確実にするために、その装置は標準スケジュールの持続期間(上述のように8秒)にわたりpingプロトコルをスキップする。次いで、同期マスタが特定のパターンを繰り返し伝送し始め、同期スレーブはそのパターンの受信を試みる。このプロトコルは、タグ間通信で標準的に使用される単一符号しか使用しないことを除き、ロケータPingプロトコルと似ている。このマスタは2秒分の符号を継続的に伝送し、次いで、同じ符号の連続的回転を100msにわたって伝送し、その後、ターンアラウンドのために数パケット時間を与え、単一パケットを受信する。スレーブは2秒ごとに受信を行い、パケットを検出する場合、そのスレーブは回転されていないパケットの1つを受信したことを確信することができ、その後、このスレーブが完全なタイミングを有する時点である、別の回転を有するパケットを受信するまで、パケット境界上で100msごとに受信し続ける。次いでこのスレーブは、符号を、マスタがその符号を求めてリスンしている厳密な時間において返送し、通常スケジュールを最初から再開して通常動作を再開する。マスタがこの応答を聞き取る場合、このマスタも同じスケジュールを再開するが、逆の役割を果たす(上記の説明のA対B)。
マスタが応答を聞き取らない場合、マスタはそのパターンを繰り返し、特定の時間、ことによると2スケジュール時間(16秒)以内に応答を全く聞き取らない場合、マスタはあきらめ、そのもう一方のタグが現在停止しているという見解を有することを記録する。スレーブが同じ時間にわたってマスタを全く聞き取らない場合、スレーブもあきらめ、同じ状態のログを取る。そのような孤立した装置は、外部のロケータからの通信を求めてリスンを再開し、そのロケータにこの障害を報告しようと試みる。ロケータからのコマンド(または、ことによるとロケータとの任意の成功裏の通信)は、各タグに再同期プロトコルを再試行させることができ、事実これが、タグが最初に設置されるときにそれらのタグを始動させるのである。
セキュリティ
記載の貨物ロケータシステムはセキュリティシステムであり、したがって、ハッカーにとっての明白な標的である。ハッカーは、以下のうちのいずれかを行うことを望む可能性がある。
・コンテナ内への侵入の証拠を、そのコンテナのタグのイベントログから消去すること。
・その間は侵入を検出されなくすることができる、ある期間にわたりタグ間通信を妨げること。
・特に価値のある貨物を特定することができる、荷積目録に関係する任意の情報をタグから読み出すこと。
・大規模な人手による審査をするはめに陥らせる、多数のコンテナのタグ内のイベントログを(例えば、それらを消去し、または偽のイベントを追加することにより)破損すること。
妨害
この往復貨物システムの設計についての完全な知識を持たずにこのシステムを打破する唯一の方法は、このシステムの通信を妨害することであり、妨害するには、理論上はこのシステムの周波数および帯域幅以上の知識は必要でない。コンテナ上の2つのタグが互いに通信することを妨げる妨害は、検出されないことはなく、事実それらのタグのイベントログに記録されるが、問題なのは、全部のコンテナの船荷を論理的には妨害することができ、それらのコンテナのうちで不正操作されたコンテナが少なくとも1つもなかったことを信頼できなくすることである。その場合、ある者は、コンテナの積荷全体を人手により審査する困難な作業に直面することになる。
都合のいいことに、閉ざされた金属製コンテナは、任意の外部信号を極めて減衰させる。さらに、この符号化はさらなる33dbの処理利得を提供し、ある信号が他の任意の無相関信号のレベルをはるかに下回るときに、その信号をきれいに検出することを可能にする。コンテナ内でタグが10ミリワット伝送する場合、すぐ外側からその伝送を妨害するためには、おそらく何キロワットも必要になり、妨害を行う送信機が全部のコンテナの積荷をカバーするのに十分離れている場合は、ことによると何メガワットも必要になる。
つまり、外部アンテナによって検出され、ログを取られる強力な妨害信号があっても、内部アンテナは引き続きうまく通信することができる。さらに、それらの条件下でのコンテナの任意の開口は、タグ自体が伝送する比較的弱い外部Ping信号だけでなく強力な外部信号が入ることを許すので、なおさら検出しやすくなる。
スプーフィング
タグと通信するには、そのタグのシリアル番号を知る必要がある。不都合なことに、このシリアル番号を完全な秘密にしておくことがなぜ非現実的であるのかには、妥当な理由がある。例えば列車上にある間など、コンテナがこの記載の貨物システムによって管理されていない領域を通過することは避けられない。コンテナが最終的にこの記載の貨物システムによって管理される、貨物置場などの目的地に到着するとき、コンテナタグのシリアル番号をこのシステムに取り込むための何らかの手段を提供する必要がある。このシリアル番号は、事実上、コンテナの中身を記載する出荷荷積目録の一部であり、したがって、コンテナの中身以上に秘密にすることはできない。タグのシリアル番号を入手し、ことによると、この情報を使用してタグにコマンドを発行できる何らかの機器を急ごしらえした者にそのシリアル番号を渡し得る、一部の信頼できない人は常にどこかにいる。
さらに、本物のロケータによってモニタされている過程で、タグは、その11ビット符号の3つすべてではないにせよ、少なくとも1つを自らの外部アンテナを介していずれにせよ伝送する。これらの伝送を検出し捕捉できる機器は存在し、十分に悪賢いハッカーは、この情報を使用してタグにコマンドを発行できるそれ以上の機器を作ることができる。
このシリアル番号を隠すことを全く気にしないことは、付加的な利便性をもたらす。例えば、タグの側面に電子シリアル番号をエンボス加工すること(またはさらに言えば、コンテナの側面にペンキで塗ること)は、何らかの人為ミスの結果としてどこかに置かれて見つかる、たまにある不明コンテナに対処することをより容易にする。
暗号化
不正ユーザ(例えばハッカー)が、例えばイベントログを消去しまたは特定の秘密情報を要求するために、タグに特定の具体的なコマンドを発行することができないように、十分な暗号化を確実にすることが大切である。公開鍵暗号技法は、各「セキュリティ領域」が、コンテナが最初の領域を離れるときに、そのコンテナを管理する許可を別のセキュリティ領域に明確に渡すことを可能にすることにより、これを解決することができる。例えば、この記載のシステムを使用する貨物置場がコンテナを船に積載しようとしているとき、この貨物置場は、その船のシステムの公開鍵をタグにプログラムすることができる。これは、それらのタグが、自らが受信する暗号化コマンドが、あるハッカーではなく実際にこの船のシステムによって発行されたことを検証することを可能にし、それはこの船からの任意のコマンドに対する応答を任意のハッカーが傍受し、復号することを防ぐ。
公開鍵をタグにプログラムすることは、コンテナが、この記載のシステムによって管理されていない領域を通る場合にも機能する。このシステムを船は備えないが、旅程の両側にある貨物置場が備える場合、出発側の貨物置場のシステムは、到着側の貨物置場のシステムの公開鍵を各コンテナのタグにプログラムすることができる。
送信者は、コンテナの旅程に沿った様々な既知の地点に相当する複数の鍵でプログラムすることを望む可能性がある、これはタグが少なくとも2、3個の公開鍵用のメモリを備えなければならないことを当然意味する。しかしこれは、タグが暗号化アルゴリズムのためのかなり著しい計算処理能力を必要とすることも意味する。都合のいいことに、これらのアルゴリズムは時々必要であるに過ぎず、そのため、たまにしか起動されない別個のプロセッサによって行うことができる。基本的なロケータPingなどのほとんどの通信プロトコルは、暗号化を一切必要としない。
代替周波数
記載したシステムの一部では、26.142857MHzの水晶発振器を使用して、約915MHzの周波数を合成する。この記載の貨物システムは、許容される世界的な周波数帯域が使用されるように、約2.4GHzのさらに高い周波数で動作することもできる。搬送周波数を2.5倍引き上げることにより、2つの装置の時間基準間の一定の誤差を所与として、今やパケット時間当たり2.5倍の搬送波回転があるので、他の何も変えずに所要の誤差許容値も2.5倍厳しくなる。これは、他の要件を比例して増加させることによって補償することができる。ボー速度(およびしたがって、帯域幅)が同じ係数によって増加され、サンプルレートが同じ係数によって引き上げられ、パケット時間が同じ係数によって短縮される場合、誤差限界は変わらないままである。単一パケット伝送は、32768Hzのクロックでのタイミング誤差に対処するために、同じだけの時間だが、サンプル数を2.5倍するによって拡張する必要がある。さらに、タグがロケータPingプロトコルでB符号を受信する(または再同期プロトコルでC符号を受信する)場合、そのタグは100msではなく40msごとに電波をサンプリングする必要があり、それは回転された符号のシーケンスがその長さしか存続しないからである。
もっとも、周波数およびサンプルレートを引き上げることには1つの実質的な利点があり、その利点とは、周波数およびサンプルレートを引き上げることが、コンテナの内部の特性を明らかにすることができる空間解像度を高めることである。これは、より小さい変化を測定することができ、より小さい動きを検出することができることを意味する。これはさらに、所与の距離にわたる反射が2.5倍のビンにソートされるため、ドップラーPingプロトコルの解像度も改善する。
複数の基地局を備えるシステムの例
貨物コンテナ施設(またはサイト)の一例において、複数の基地局を使用することができる。これらの基地局は、そのようなサイトにおいてよく見られる高い点灯装置上になど、そのサイトの全域にわたって分散させることができる。基地局のそれぞれは、データを収集するために貨物コンテナタグと通信するように構成することができる。これらの基地局は、貨物コンテナの正確な位置を特定することができるように、中央データベースを介して互いに通信するように構成することもできる。例えば、1つの基地局が、問合せ信号(第1の伝送)を貨物コンテナ内の貨物コンテナタグに伝送することができる。問合せ信号に応答して、その貨物コンテナタグは応答伝送(第2の伝送)をその基地局に伝送する。ただし基地局のすべてを、この応答伝送を受信するように構成することができる。これらの基地局はすべて、このサイトの全域にわたる様々な位置に物理的に配置されるため、各基地局は、異なる距離測定に対応する異なる時間において、この応答伝送をそれぞれ受信することができる。これらの基地局はサイトの固定位置にあるため、貨物コンテナタグと基地局との間の時間測定値および距離測定値の集まりを総合的に評価して(例えば複数の距離測定値を使用した位置の三角測量)、貨物コンテナタグの正確な位置を求めることができる。さらに、各貨物コンテナ内には複数の貨物コンテナタグが含まれ得るため、貨物コンテナ内のすべての貨物コンテナタグからの応答伝送の集まりにより、貨物コンテナの正確な方位(すなわち回転方位)も求めることができる。
図17A〜図17Cは、単一のMT(トランスポンダ)またはCCT装置が、単一のロケータもしくはBS(基地局)装置から伝送シーケンスを受信し、次いで、複数のロケータまたはBS装置によって受信される応答シーケンスを同時に伝送するシステム(1700)の一例を示す。図17Aに示すように、システム1700は、少なくとも1つのトランスポンダ(1705)と通信するように構成された、いくつか(Y)のロケータ(1701〜1704)を含む。第1のロケータまたは基地局(1701)は、第1の物理的な位置(位置1)に位置し、第2のロケータまたは基地局(1702)は、第2の物理的な位置(位置2)に位置し、第3のロケータまたは基地局(1703)は、第3の物理的な位置(位置3)に位置し、さらに第4のロケータまたは基地局(1704)は、第4の物理的な位置(位置4)に位置する。トランスポンダまたはCCT装置(1705)は、第5の物理的な位置(位置5)に位置する。
動作については、ロケータ1701が、前述したようなCCT IDを用いて符号化されるマルチフレームシーケンスの符号化伝送シーケンス(1710)を伝送することにより、トランスポンダ1705との通信を開始する。トランスポンダ1705はこの符号化伝送シーケンス(1710)を受信し、厳密に計算された遅延時間(遅延X)の後の伝送時間間隔の開始を待ち、次いで、伝送される応答を受信する範囲内にあるロケータ(1701〜1704)のそれぞれによって受信される、自らの応答を伝送する。
図17Aに示すように、ロケータ(1701〜1704)のそれぞれは、トランスポンダの物理的な位置(位置5)に対して、異なる物理的な位置(位置1〜位置4)、および異なる距離(距離1〜距離4)に位置する。トランスポンダに対するロケータの物理的配置が原因で、各ロケータは、トランスポンダからの応答伝送を全く同じ時間に受信できない可能性がある。図17Bに示すように、ロケータ1701は、第1の到着時間(TOA1)で応答伝送(1711)を受信することができ、ロケータ1702は、第2の到着時間(TOA2)で同じ応答伝送(1712)を受信することができ、ロケータ1703は、第3の到着時間(TOA3)で同じ応答伝送(1713)を受信することができ、ロケータ1704は、第4の到着時間(TOA4)で同じ応答伝送(1714)を受信することができる。ロケータ1703がトランスポンダに最も近い(すなわち距離3が図17Aにおける最も短い距離である)ため、応答伝送1713を受信することに関する到着時間が最初である。ロケータ1701はトランスポンダに2番目に近い(すなわち距離1が図17Aにおける2番目に短い距離である)ため、応答伝送1711を受信することに関する到着時間は2番目である。ロケータ1702はトランスポンダに3番目に近い(すなわち距離2が図17Aにおける3番目に短い距離である)ため、応答伝送1712を受信することに関する到着時間は3番目である。ロケータ1704はトランスポンダから最も遠い (すなわち距離4が図17Aにおける最も長い距離である)ため、応答伝送1714を受信することに関する到着時間は最後である。
中央処理
図18A〜図18Bは、複数のロケータまたはBS(基地局)が、倉庫、荷物積み降ろし場、気動車等の中の1つもしくは複数のトランスポンダまたはCCTから応答伝送を受信するシステム(1800)の一例を示す。各ロケータは、受信した応答に関する情報を1つまたは複数の通信ネットワークを介して中央処理ユニットに伝える。
図18Aに、多数のタグ付き貨物コンテナまたは他の物体(1804)が配置されている倉庫、荷物積み降ろし場、気動車、または他の規定領域(1801)を示す。物体(1804)のそれぞれは、この規定領域の任意の床面もしくは壁面に対して配置し、または図示するように互いに積み重ねることができる、多数の物体のうちの1つとすることができる。必須のグループIDを用いて符号化される伝送シーケンスを使用してタグ付き物体のグループとの通信を開始するために、ロケータ(1820)のうちの1つを選択することができる。識別されたグループの構成要素である各タグ付き物体(1804)は、開始側のロケータ(1820)からの通信の伝送を基準として、異なる遅延時間で応答伝送を伝送する。次いで、ロケータ(1820)のそれぞれが、応答するトランスポンダ(1804)からの応答伝送を捕捉し、その後、その情報を1つまたは複数の通信ネットワーク(1804)を介して中央処理ユニットに伝える。ロケータ(1820)から通信ネットワーク(1804)への通信(1803)は、光ファイバ通信リンク(例えばRF/光ファイバ変調器)など、任意の妥当な通信トポロジを用いて実施することができる。
ロケータ(1820)それぞれの物理的な位置は互いに異なり、規定領域(1801)についての壁および/または天井の様々な位置に配置することができる。この規定領域(1801)の全体にわたるロケータの数および位置を変え、それらのロケータから受信される様々な信号を中央処理することにより、この規定領域に関して正確な位置/在庫情報を確実に得ることができる。
図18Bによって示すように、各ロケータ(1821〜1824)は、通信リンク(1803)を介し、1つまたは複数の通信ネットワーク(1804)を経由して中央処理ブロック(1830)と通信するように構成される。応答伝送に関する到着時間(TOA)や、応答伝送に関する相関ベクトル(複素数のベクトル)などの情報が、各ロケータ(1821〜1824)から中央処理部に伝えられる。例えばこの中央処理ブロック1830は、第1のロケータ(1821)から第1の到着時間(TOA1)および第1の相関ベクトル(CORR1)を受信し、第2のロケータ(1822)から第2の到着時間(TOA2)および第2の相関ベクトル(CORR2)を受信し、第3のロケータ(1823)から第3の到着時間(TOA3)および第3の相関ベクトル(CORR3)を受信し、第4のロケータ(1824)から第4の到着時間(TOA4)および第4の相関ベクトル(CORR4)を受信する。
この中央処理ブロック(1830)は、データおよびタイミングの回復を実行し(1831)、相関ベクトルをその到着時間に基づいて処理し(1832)、すべてのロケータの観測を同期させ(1833)、処理したベクトルからタグおよびそのタグの物理的な位置を特定し(1834)、その情報を格納しまたは在庫を更新する(1835)ように構成される。この中央処理ブロック(1830)により、前述したような温度、湿度、およびタグ付き物体に関する他の兆候など、タグそれぞれからの追加情報も収集することができる。
図18Cは、中央処理部に使用することができる計算装置(1840)の一例を示す。基本構成では、計算装置1840は、固定式計算装置またはモバイル計算装置とすることができる。計算装置1840は、概して少なくとも1つの処理ユニット(1841)、および少なくとも1つのシステムメモリ(1842)を含む。計算装置の正確な構成およびタイプに応じて、システムメモリ1842は、揮発性(RAMなど)、不揮発性(ROM、フラッシュメモリなど)、またはこの2つの何らかの組合せとすることができる。システムメモリ1842は、オペレーティングシステム(1843)、1つまたは複数のアプリケーション(1844)を含むことができ、かつプログラムデータ(1845)を含むことができる。一実施形態では、アプリケーション1844は、在庫の管理および制御に関する様々な処理操作を実行する中央処理ブロックアプリケーション(1830)をさらに含む。
計算装置1840は、さらなる機構または機能を備えることもできる。例えば、計算装置1840は、例えば磁気ディスク、光ディスク、テープなどの追加の(リムーバブルおよび/または固定型)データ記憶装置を含むこともできる。図18Cに、そのような追加の記憶装置をリムーバブル記憶装置(1846)および固定型記憶装置(1847)によって示す。コンピュータ記憶媒体には、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、他のデータなどの情報を記憶するための、任意の方法または技術で実施される揮発性/不揮発性媒体、リムーバブル/固定型媒体が含まれ得る。システムメモリ1842、リムーバブル記憶装置1846、および固定型記憶装置1847はすべて、コンピュータ記憶媒体の例である。コンピュータ記憶媒体には、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリや他のメモリ技術、CD-ROM、DVD(デジタル多用途ディスク)や他の光記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置や他の磁気記憶装置、または所望の情報を記憶するために使用でき、計算装置1840によってアクセス可能な他の任意の媒体が含まれるが、これだけに限定されない。そのような任意のコンピュータ記憶媒体を、装置1840の一部とすることができる。計算装置1840は、キーボード、マウス、ペンやスタイラス、音声入力装置、タッチ入力装置など、1つまたは複数の入力装置1848も備えることができる。ディスプレイ、スピーカ、プリンタなど、1つまたは複数の出力装置(1849)も含むことができる。
計算装置1840は、この装置が、有線ネットワーク(例えば光ネットワーク)や無線ネットワークなどを介して、他の計算装置またはロケータ(1851)と通信することを可能にする、1つまたは複数の通信接続1850も含む。1つまたは複数の通信接続1850は、通信媒体の一例である。通信媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータを、搬送波や他の移送機構などの変調データ信号内に概して取り込み、任意の情報送達媒体を含む。用語「変調データ信号」は、その1組の特性のうちの1つもしくは複数を有する信号、または信号内に情報を符号化するような方法で変えられる信号を含むことができる。限定ではなく例として、通信媒体は、有線ネットワーク接続や直接有線接続などの有線媒体、および音波、RF、赤外線、他の無線媒体などの無線媒体を含むことができる。本明細書で使用するとき、用語、コンピュータ可読媒体は、記憶媒体および通信媒体の両方を含む。
プロセスフローおよびポーリングシーケンスの例
図19Aは、受信した応答に関する情報(結果)を、中央処理ユニットにおいて統合する位置特定プロセス(1900)に関する流れ図の一例を示す。処理は、ブロック1901(識別したグループに対するグループポーリングシーケンスを生成する)で開始し、このブロック1901では、(例えばグループIDに関連する)識別したグループに対するグループポーリングシーケンスが生成される。このシステム内の各ロケータには、このポーリングシーケンスのそれぞれに関する動作モードが割り当てられている。例えば、ブロック1901は、ロケータ1が伝送(TX)および受信(RX)モードで通信を開始するように選択されていることを図示する。伝送モードは、前述のようにトランスポンダに送信される問合せ信号を供給するために、選択されたロケータが活動化されるモードである。受信モードは、トランスポンダからの応答伝送を「リスン」するために、選択されたロケータが関連するスペクトルから信号を捕捉するモードである。
ポーリングシーケンスの第1の例では、問合せ信号を伝送(TX)し、次いで応答伝送を受信(RX)するように構成される第1のロケータを除き、すべてのロケータが受信(RX)モードになるように選択される。同様に、ポーリングシーケンスの第2の例では、問合せ信号を伝送(TX)し、次いで応答伝送を受信(RX)するように構成される第2のロケータを除き、すべてのロケータが受信(RX)モードになるように選択される。図示するポーリングシーケンスは、ラウンドロビン型の繰返しシーケンスである(問合せ伝送は次のように順に送信される:ロケータ1→ロケータ2→ロケータ3→...ロケータY→ロケータ1→...)。ラウンドロビンシーケンスとして示したが、ランダムシーケンス、擬似ランダムシーケンス、または他の何らかの順序付けられたシーケンスを含む、他の任意のタイプのシーケンスも適する。最も単純な実装形態では、単一のロケータが、常に問合せ信号を伝送するように選択され得る。
ブロック1901で、グループポーリングシーケンスを生成した後、処理はブロック1902(次のグループポーリングシーケンスに関するロケータの動作を特定する)に続き、このブロック1902では、次のグループポーリングシーケンスに関するロケータの動作が選択され、ロケータのそれぞれが受信機(RX)またはトランシーバ(TX+RX)として、その個々の動作モードに構成される。図19に示すように、ロケータ2はトランシーバ(TX+RX)装置(すなわち問合せ装置)として動作するように選択されるのに対し、残りのロケータ装置(ロケータ1、およびロケータ2〜ロケータY)は受信機(RX)装置として動作するように選択される。
処理はブロック1902からブロック1903(現在選択されているポーリングシーケンスに関する結果を中央サイトにおいて受信する)に進み、このブロック1903では、すべてのロケータからの結果が(例えば光ファイバ通信リンクを介して)中央サイトにおいて受信される。前述のように、このロケータのそれぞれは、その受信機動作中、関連する信号スペクトルから信号を捕捉し、その捕捉した信号に対して相関を行い、選択されたグループ識別子(例えばグループID)の関連する基準パターンと成功裏に相関する信号の到着時間のログを取り、オプションで、対応するトランスポンダから伝送される追加情報を復号する。したがって、用語「結果」は、到着時間、(問合せロケータに関する)往復時間、相関ベクトル(複素数のベクトル)、および応答タグから受信される任意の追加で符号化される情報を含むがこれだけに限定されない、相関から得られるすべての情報を含む広い意味で理解することができる。ブロック1903によって示す例では、第1のロケータ(ロケータ1)は受信機モードにあり、相関ベクトル1および到着時間1を報告し、第2のロケータ(ロケータ2)はトランシーバモードにあり、相関ベクトル2、到着時間2、および往復時間を報告し、第3のロケータ(ロケータ3)は受信機モードにあり、相関ベクトル3および到着時間3を報告し、最後のロケータ(ロケータY)は受信機モードにあり、相関ベクトル4および到着時間4を報告する。ある特定のタグから応答を受信するロケータのすべてが、自らの結果を中央処理ユニットにほぼ同時に報告するように、記載した結果はタグごとに集められる。
処理はブロック1903からブロック1904(観測を時間同期する)に続き、このブロック1904では、すべてのロケータから集められる結果が個々のタグごとに評価され、時間同期が実行される。
同期プロセスの一部の例では、時間同期は、中央処理ユニットと各ロケータとの間の通信リンクの往復時間を慎重に計算することによって実現することができる。通信リンク(例えば光ファイバ通信リンク)を介して、中央処理ユニットと各ロケータとの間に共通クロック信号を配布することができる。中央処理ユニットから各ロケータに、同期パルス(または同期シーケンス)を送信することができる。各ロケータはこの同期パルス(または同期シーケンス)を受信し、応答同期パルス(または応答同期シーケンス)を返送する。中央処理ユニットはこの応答同期パルス(または応答同期シーケンス)を受信し、各ロケータからの信号到着に関して報告される時間(例えば光信号の到着時間)のログを取る。次いで中央処理ユニットが、中央処理ユニットから各ロケータへの厳密な往復遅延時間を計算する。一部の光ファイバ実装形態では、光ファイバ通信リンクに関する厳密な往復遅延を計算することができるように、ファイバのループバックを用いて同期を容易にすることができる。
上記の時間同期方法では、任意の数の通信回線を使用することができる。ある構成例では、中央処理ユニットとロケータとの間のすべての通信のために、単一の光ファイバを使用することができる。別の構成では、通信用に複数の光ファイバ通信回線(例えばクロッキング用に1つの光ファイバ回線、データ用に1つの光ファイバ回線等)を使用する。
次いで、処理はブロック1904からブロック1905(2次元空間または3次元空間に関して、タグについての最良適合位置推定を実行し、可能な場合は位相情報を適用する)に続く。ブロック1905では、時間同期された観測に基づいて、タグごとに位置推定が計算される。一例では、倉庫内の各ロケータの厳密な位置は、あらかじめ決め、データベースに記憶することができる。各ロケータへの到着時間、問合せ装置への往復時間、および他の情報(例えば相関ベクトルの位相および大きさ)に基づいて、そのトランスポンダ(タグ)の正確な位置を特定することができる。
処理はブロック1905からブロック1906(タグの位置をディスプレイ、データ記憶装置、外部コンピュータシステム等に報告する)に続く。ブロック1906で、タグそれぞれの確定した位置が、要求側システムに報告される。一部の例では、この要求側システムは、中央処理ユニットに要求を提出する外部コンピュータ(例えばコンピュータ端末、パーソナルコンピュータ等)である。他の例では、この要求側システムは、(例えばスケジュール、イベントトリガ、ユーザが開始した入力等に基づくシステム起動プロセスにより)中央処理ユニット自体である。位置の結果は、後に検索するためにデータ記憶装置に記憶し(例えばデータベースに記憶する、ファイルに記憶する等)、またはグラフ形式もしくは表形式で、ディスプレイ画面上で見ることができる。
一部の例では、遠隔地から在庫を走査するための要求を提出するために、外部コンピュータシステムを使用することができる。これらの例では、在庫走査要求を提出し、在庫からアイテムを削除し、在庫にアイテムを追加し、タグにグループIDを割り当て、タグからグループIDを除去し、現在の在庫を閲覧し、カタログされた在庫(例えば前に識別された在庫または活動状態の在庫)から失われているアイテムを特定し、カタログされた在庫内に見つからない新たなアイテムを識別するために、外部コンピュータが中央処理ユニットと対話することを許可する、安全なログイン手順を有することが好ましい可能性がある。
トランスポンダの位置を特定するための曖昧な位置を計算するには、少なくとも2つのロケータが必要である。この曖昧さは、トランスポンダのうちの1つに、補助的に配置されたセンシングアンテナを追加することによって解決することができる。最も単純な解決策では、トランスポンダの位置を正確に特定するために、3つのロケータを使用することができる。誤差の発生を減らし、精度を向上させるために、追加のロケータを使用することもできる。トランスポンダの位置についての最良推定値を明らかにするために、統計的分析関数を結果に適用し、そのような関数は、最小自乗関数、最良適合関数、重み関数(例えばより近くにあるロケータは遠方のロケータよりも信頼できるため、大きい相関には、より小さい相関よりも高い重みが与えられる)、ならびに他の数値モデルとみなすことができる。
図19Bにより、位置特定プロセスの一例を図表的に示し、この図では、中央処理ユニットに報告される様々な結果に基づいてトランスポンダ(タグ)の正確な位置を求めるために、3つのロケータを使用する。第1のロケータは、応答タグから距離1離れた位置1にある。第2のロケータは、応答タグから距離2離れた位置2にある。第3のロケータは、応答タグから距離3離れた位置3にある。この図に示すように、距離2>距離1>距離3である。ロケータのそれぞれは、中央データベースに記憶可能な既知の物理的な位置に配置される。この例では、第1のロケータは問合せ装置であり、そのため、距離1は往復時間(問合せシーケンスの伝送と、トランスポンダからの応答の受信との間の時間)を使用して優れた精度で計算することができる。しかし、このロケータを基準とする絶対方向に関しては不確実性がり、そのため、トランスポンダは、ロケータ1から距離1の固定距離離れて位置付けられる、第1の位置に位置し得る。第2のロケータはトランスポンダからの応答を受信し、到着時間および相関ベクトルのログを取り、この情報は、ロケータ2から距離2の固定距離離れて位置付けられる、第2の位置を明らかにするために、第1のロケータからの情報と組み合わせて使用することができる。第3のロケータはトランスポンダからの応答を受信し、到着時間および相関ベクトルのログを取り、この情報は、ロケータ3から距離3の固定距離離れて位置付けられる、第3の位置を明らかにするために、第1のロケータからの情報と組み合わせて使用することができる。この第1の位置と第2の位置とは、点P1および点P2によって図示するように、(2次元空間における)2つの可能な点において互いに交差することができる。第1の位置と第3の位置とは、点P2および点P3によって図示するように、(2次元空間における)2つの可能な点において互いに交差することができる。第2の位置と第3の位置とは、点P2および点P4によって図示するように、(2次元空間における)2つの可能な点において互いに交差することができる。したがって、3つの位置はみな、点P2によって図示する一点において互いに交差する。位置P2は、既知の位置1〜3および求められた距離1〜3の間の幾何学的関係に基づいて計算することができる。2次元空間の計算として図示したが、同じ説明は3
次元空間にも当てはまり、3次元球は、トランスポンダの位置として特定される共通点において交差する。
別の例では、トランスポンダの位置を明らかにするために、2つのロケータを使用する。第1のロケータ(例えばロケータ1)は、トランスポンダから49.2メートルの距離に相当する往復時間を有する、第1の位置に配置される。第2のロケータ(例えばロケータ2)は、第1のロケータよりも40ナノ秒早くトランスポンダからの応答伝送を受信し、40ナノ秒は、第1のロケータよりも12メートル近い距離、または約37.2メートルに相当する。ロケータ間の距離が19メートルの場合、この2つのロケータとトランスポンダとの間に、19メートル、37.2メートル、および49.2メートルの辺を有する3角形が形成される。余弦法則を適用し(C2=A2+B2-2*A*B*COS(θ))、角θは、θ=COS-1((A2+B2-C2)/(2*A*B))として計算することができる。上記の例では、この3角形の角は、118.56度、19.82度、および41.6度に相当する。したがって、第1のロケータを基準とするトランスポンダの位置は、第2のロケータに対して41.6度の角にある49.2メートルとして求められ、第2のロケータを基準とするトランスポンダの位置は、第1のロケータに対して118.56度の角にある37.2メートルとして求められる。
一部の例では、ロケータが、あるタグに関連するロケータからの通信を遮り、妨げ、またさもなければ歪ませる干渉装置の近くに配置される可能性があり、一方ではその同じロケータは別のタグに関しては、ほとんどまたは全く干渉がないことがある。例えば、保管場所内の壁、金属製タンク、鋼板、鋼製支持梁、および他の物質は、様々な信号障害を引き起こすことがある。一部の例では、サイト位置の物理的制約が、1つまたは複数のロケータの受信範囲内にあるタグに基づくグループ割当て(またはグループ割当ての変更)の決定要因になり得る。制限された通信区域を特定することを容易にするために、通信サイト調査をリストまたは他の何らかの同様の形式のデータ構造として、タグ単位およびロケータ単位で生成することができる。各ロケータと成功裏に通信する各タグを、この通信サイト調査で示すことができる。この通信サイト調査を使用して、効率もしくは処理能力を最適化するために、タグのグループ割当て、または指定されたグループをポーリングするために割り当てられるロケータのグループを変更することができる。
図19C〜図19Dは、上記の通信サイト調査で使用され得るような、ロケータおよびタグに関する情報を記憶するためのデータ構造の例を示す。図19Cは、ロケータに関する情報を記憶するために使用することができるデータ構造(1920)の一例を示すのに対し、図19Dは、トランスポンダ(タグ)に関する情報を記憶するために使用することができるデータ構造(1930)の一例を示す。
図19Cのデータ構造1920の一番上の行は、列ごとのデータフィールド指示子を、「ロケータ番号」、「動作状態」、「物理的位置」、「アクセス可能タグ」、および「グループ割当て」として示す。このデータ構造の各行は、ロケータ(例えばロケータ1、ロケータ2...ロケータY)に対応する。1行目によって示すように、ロケータ1の動作状態は「OK」であり、物理的位置は「位置1」においてログされ、ロケータ1によってアクセス可能なタグは、すべてのタグ(タグ1、タグ2、タグ3...タグN)であり、ロケータ1は現在すべてのグループ(グループ1、グループ2、グループ3...グループM)に割り当てられている。2行目によって示すように、ロケータ2の動作状態は「OK」であり、物理的位置は「位置2」においてログされ、タグ2のみがロケータ2によってアクセス可能であり、ロケータ2は現在グループ1に割り当てられている。3行目によって示すように、ロケータ3の動作状態は「応答なし」であり、物理的位置は「*位置3*」としてログされ、ロケータ3は応答していないためタグへのアクセス可能性は不明であり、ロケータ3はグループ1、グループ3、およびグループ4に割り当てられている。ロケータ3は通信照会に応答していないため、この位置が、通信が途絶える前の最後に認められた位置であることを示すために、位置をアスタリスク内に示す(すなわち「*位置3*」)。4行目によって示すように、ロケータ4の動作状態は「OK」であり、物理的位置は「位置4」においてログされ、ロケータ4によってアクセス可能なタグはタグ1、タグ2、およびタグ5であり、ロケータ4は現在グループ1およびグループ2に割り当てられている。最後の行(行Y)によって示すように、ロケータYの動作状態は「OK」であり、物理的位置は「位置Y」においてログされ、ロケータYによってアクセス可能なタグは、すべてのタグ(タグ1、タグ2、タグ3...タグN)であり、ロケータYは現在すべてのグループ(グループ1、グループ2、グループ3...グループM)に割り当てられている。図19Dのデータ構造1930の一番上の行は、列ごとのデータフィールド指示子を、「タグ番号」、「動作状態」、「物理的位置」、および「グループ割当て」として示す。このデータ構造の各行は、タグ(例えばタグ1、タグ2...タグN)に対応
する。1行目によって示すように、タグ1の動作状態は「OK」であり、物理的位置は「位置1」においてログされ、タグ1は現在グループ2に割り当てられている。2行目によって示すように、タグ2の動作状態は「応答なし」であり、物理的位置は「*位置2*」であり、グループ割当てはすべてのグループ(グループ1、グループ2、グループ3...グループM)である。3行目によって示すように、タグ3の動作状態は「OK」であり、物理的位置は「不明」としてログされ、タグ3は現在いかなるグループにも割り当てられていない(「なし」)。このタグが在庫を走査するように指定されると、タグ3に関して物理的位置を更新することができ、グループを割り当てることができる。4行目によって示すように、タグ4の動作状態は「OK」であり、物理的位置は「位置4」としてログされ、タグ4は現在グループ1およびグループ3に割り当てられている。最後の行によって示すように、タグNの動作状態は「OK」であり、物理的位置は「位置Y」としてログされ、タグNは現在すべてのグループ(グループ1、グループ2、グループ3...グループM)に割り当てられている。
上記のデータ構造の例によって理解されるように、タグは、同一のグループに割り当てられながら、様々なロケータによってアクセス可能とすることができる。そのような状況では、ロケータによって共通にアクセス可能なタグが、同じグループ内に一緒に集められるように、グループ割当てを変更することが有利であり得る。さらに、グループごとに異なる1組の適切なロケータを用いて在庫を効率的に走査できるように、最適化アルゴリズムを利用して、様々な可能なグループおよびタグを1組の最適なグループ割当てにまとめることができる。上記のデータ構造は単に説明のための例に過ぎず、妥当な代替策として他の多くの同等のデータ構造が考えられることに留意すべきである。このデータ構造は、中央処理ユニットによってまたは外部コンピュータシステムによってアクセスされる、中央データベースに記憶することもできる。さらに、在庫手法の一部の例では、在庫/状態の変更が生じた日時を示すために、履歴ファイルをタイムスタンプすることができる。
前述の説明はこの記載のシステム、機器、および方法の様々な実施形態について説明するが、本発明はそのような実施形態に限定されず、むしろ本発明の趣旨および範囲に含まれるすべての修正形態、代替策、および均等物を対象として含む。例えば、様々な構成要素の配置を変えることができ、複数の構成要素の機能を一体化しもしくは分けることができ、個別の構成要素を様々な構成要素に分離することができ、または諸構成要素を当技術分野で理解されるように置換することができる。本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく本発明の多くの実施形態を作り出せるため、本発明は添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
110 BS(基地局)装置
111 処理ブロック
111 プロセッサブロック
112 在庫追跡制御ブロック
113 問合せ制御ブロック
114 在庫ログ
115 データ/イベントログ
116 遠隔ロケータブロック
117 無線サブシステムブロック
118 1つまたは複数のアンテナ
119 衛星ナビゲーションシステムブロック
120 CCT装置
120 貨物コンテナタグ
121 マイクロトランスポンダ無線サブシステムブロック
121 無線サブシステムブロック
122 1つまたは複数のアンテナ
123 モード構成制御ブロック
124 データログブロック
125 1つまたは複数の温度センサもしくは環境センサ
125 温度センサ
126 コンパスセンサ
130 パーソナルコンピュータ
131 IPネットワーク接続
132 データベースサーバ
133 在庫データベース
400 ロケータシステム
410 BS装置
420 CCT装置
610 BS遠隔ロケータ装置
610 BS装置
610 RL
620 CCT装置
620 MT
1701 ロケータ
1701 第1のロケータまたは基地局
1702 ロケータ
1702 第2のロケータまたは基地局
1703 ロケータ
1703 第3のロケータまたは基地局
1704 ロケータ
1704 第4のロケータまたは基地局
1705 CCT装置
1705 トランスポンダ
1710 符号化伝送シーケンス
1711 応答伝送
1712 応答伝送
1713 応答伝送
1714 応答伝送
1801 規定領域
1803 通信リンク
1804 1つまたは複数の通信ネットワーク
1804 タグ付き物体
1804 トランスポンダ
1820 ロケータ
1821 第1のロケータ
1822 第2のロケータ
1823 第3のロケータ
1824 第4のロケータ
1830 中央処理ブロック
1830 中央処理ブロックアプリケーション
1840 計算装置
1841 処理ユニット
1842 システムメモリ
1843 オペレーティングシステム
1844 アプリケーション
1845 プログラムデータ
1846 リムーバブル記憶装置
1847 固定型記憶装置
1848 1つまたは複数の入力装置
1849 1つまたは複数の出力装置
1850 1つまたは複数の通信接続
1851 他の計算装置またはロケータ
1920 データ構造
1930 データ構造

Claims (73)

  1. 貨物コンテナの侵入を検出するためのシステムであって、
    前記貨物コンテナは、壁、屋根、床、およびドアを含む密閉されたコンテナであり、
    前記貨物コンテナのセンサシステムは、
    第1の位置において前記貨物コンテナに固定される第1の貨物コンテナタグと、
    第2の位置において前記貨物コンテナに固定される第2の貨物コンテナタグと、
    を具備し、
    前記第1の貨物コンテナタグは、
    第1の1対のアンテナと、
    前記第1の1対のアンテナおよび前記第1の無線サブシステムブロックが通信を助けるために互いに連携して構成されている第1の無線サブシステムブロックと、
    前記第1のタグに関連するデータを捕捉するように構成されている第1のデータログブロックと、
    を具備し、
    前記第2の貨物コンテナタグは、
    第2の1対のアンテナと、
    前記第2の1対のアンテナおよび前記第2の無線サブシステムブロックが通信を助けるために互いに連携して構成されている第2の無線サブシステムブロックと、
    を具備し、
    前記第1の無線サブシステムブロックおよび前記第2の無線サブシステムブロックは、選択的な通信に基づいて前記貨物コンテナの侵入を検出するために、互いに選択的に通信するように構成されていることを特徴とするシステム。
  2. 前記第1の位置および前記第2の位置が、前記貨物コンテナの同じ壁に沿った別々の位置にそれぞれ相当することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  3. 前記第1の位置が前記貨物コンテナの第1の壁に相当し、前記第2の位置が前記貨物コンテナの第2の壁に相当し、前記第1の壁と前記第2の壁とが互いに異なることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  4. 前記第1の位置が前記貨物コンテナの前記ドアに相当し、前記第2の位置が前記貨物コンテナの壁に相当し、前記貨物コンテナの前記ドアが開閉されるとき、前記第1の位置と前記第2の位置とが互いに対して変化することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  5. 前記ドアの状態が、閉じられた状態から開けられた状態に変化するとき、前記第1の貨物コンテナタグおよび前記第2の貨物コンテナタグのうちの少なくとも一方が、タイムスタンプのログを取ることを特徴とする請求項4に記載のシステム。
  6. 前記ドアの状態が、開けられた状態から閉じられた状態に変化するとき、前記第1の貨物コンテナタグおよび前記第2の貨物コンテナタグのうちの少なくとも一方が、タイムスタンプのログを取ることを特徴とする請求項4に記載のシステム。
  7. 前記第1の貨物コンテナタグの前記第1の1対のアンテナが、前記貨物コンテナの外部の通信を助けるように構成される第1のアンテナと、前記貨物コンテナの内部の通信を助けるように構成される第2のアンテナとを含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  8. 前記第2の貨物コンテナタグが、前記第1の貨物コンテナタグの前記第1のアンテナおよび前記第2のアンテナの両方から伝送される信号を検出するように構成され、前記貨物コンテナの前記ドアが開いているときを判定するために、前記第2の貨物コンテナタグにより、前記アンテナおよび前記第2のアンテナからの前記伝送信号の大きさが評価されることを特徴とする請求項7に記載のシステム。
  9. 前記第2の貨物コンテナタグが、前記第1の貨物コンテナタグの前記第1のアンテナおよび前記第2のアンテナの両方から伝送される信号を検出するように構成され、前記貨物コンテナが地面から持ち上げられるときを判定するために、前記第2の貨物コンテナタグにより、前記アンテナおよび前記第2のアンテナからの前記伝送信号の大きさが評価されることを特徴とする請求項7に記載のシステム。
  10. 各貨物コンテナタグがコンパスセンサをさらに備え、各コンパスセンサは、前記個々の貨物コンテナタグにおいて観測される磁場の変調を検出するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  11. 前記コンパスセンサのうちの1つまたは複数によって検出される前記磁場が、前記ドアが開いているときと、前記ドアが閉じているときとで異なることを特徴とする請求項10に記載のシステム。
  12. 各貨物コンテナタグが、前記貨物コンテナにとって潜在的に危険な状態を検出するように構成される環境センサをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  13. 前記環境センサが、温度センサ、湿度センサ、火災センサ、および露点センサのうちの1つまたは複数を含むことを特徴とする請求項12に記載のシステム。
  14. 前記環境センサが温度センサであり、前記潜在的に危険な状態が、高温閾値を上回る温度、低温閾値を下回る温度、および火災検知のうちの1つまたは複数を含むことを特徴とする請求項12に記載のシステム。
  15. 前記環境センサが湿度センサであり、前記潜在的に危険な状態が、低湿度閾値を下回る湿度および高湿度閾値を上回る湿度のうちの1つまたは複数を含むことを特徴とする請求項12に記載のシステム。
  16. 前記第1の貨物コンテナタグが、前記第1の無線サブシステムを用いて前記第2の貨物コンテナタグに伝送を伝送し、前記第1の無線サブシステムを用いて前記第2の貨物コンテナタグから応答伝送を受信し、前記伝送することと、前記応答伝送を前記受信することとの間の往復飛行時間に基づいて、前記第1の貨物コンテナタグと前記第2の貨物コンテナタグとの間の距離を求め、前記第1のデータログブロックを用いて前記求めた距離のログを取るようにさらに構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  17. 第3のアンテナと、
    第3の無線サブシステムブロックであって、前記第3のアンテナおよび前記第3の無線サブシステムブロックが通信を助けるために互いに連携して構成される、第3の無線サブシステムブロックと、
    基地局が前記貨物コンテナタグのうちの1つまたは複数に信号を運び、前記貨物コンテナタグのうちの1つまたは複数から応答伝送を受信し、前記伝送することと、各応答伝送を前記受信することとの間の往復飛行時間に基づいて、前記基地局と各貨物コンテナタグとの間の距離を求めるように、前記基地局と前記貨物コンテナタグそれぞれとの間の通信を調整するように構成される処理ブロックと、
    を備える基地局をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  18. 前記貨物コンテナタグのうちの1つまたは複数からの受信応答伝送が、前記第1のデータログブロックおよび前記第2のデータログブロックのそれぞれによってログを取られるデータを含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  19. 前記貨物コンテナタグのうちの1つまたは複数からの受信応答伝送が、前記第1のデータログブロックおよび前記第2のデータログブロックのそれぞれによってログを取られるデータを含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  20. 前記基地局が、前記貨物コンテナの絶対位置を求めるために、処理ブロックと協働するように構成される衛星ナビゲーションシステムをさらに備えることを特徴とする請求項16に記載のシステム。
  21. 前記基地局から伝送される通信信号が、前記貨物コンテナタグのうちの1つに関するID符号を用いて符号化される符号化伝送シーケンスで構成され、前記対応する貨物コンテナタグ内の前記無線サブシステムが、前記伝送の前記ID符号を検証し、情報を復号するように、各シーケンスがクロック同期情報およびクロック較正情報の一部分を提供するように構成されることを特徴とする請求項16に記載のシステム。
  22. 衛星ナビゲーションシステムが、GPSシステム、グロナスシステム、またはガリレオシステムのうちの1つを含むことを特徴とする請求項16に記載のシステム。
  23. 各貨物コンテナタグが、前記貨物コンテナ内のもう一方の前記貨物コンテナタグへの距離を測定し、前記距離測定値のログを取り、要求に応じて前記距離測定値を基地局に報告するように構成されることを特徴とする請求項16に記載のシステム。
  24. 特定の前記貨物コンテナの位置に相当する共通点を含む、1組の地理的に配置された重複する円を明らかにするために、前記距離測定値が前記基地局によって総合的に評価されることを特徴とする請求項23に記載のシステム。
  25. 各貨物コンテナタグについての前記距離測定値が前記基地局によって収集され、在庫データベースに記憶されることを特徴とする請求項23に記載のシステム。
  26. 在庫データベースを管理し、前記在庫システムを外部からモニタするために、前記在庫データベースとIP(インターネットプロトコル)ネットワーク接続との間の通信を助けるように構成されるデータベースサーバをさらに備える、請求項23に記載のシステム。
  27. 各貨物コンテナタグが、前記貨物コンテナ内の特定条件を測定し、前記特定条件のログを取り、要求に応じて前記特定条件を基地局に報告するように構成されることを特徴とする請求項16に記載のシステム。
  28. 前記特定条件が、前記貨物コンテナの環境条件、前記貨物コンテナのドアが開くこと、前記貨物コンテナのドアが閉じること、前記貨物コンテナが持ち上げられること、前記貨物コンテナが下に置かれること、前記貨物コンテナに穴が切り込まれること、前記貨物コンテナ内での運動、前記貨物コンテナ内の光、または前記貨物コンテナの機械的衝撃のうちの1つもしくは複数を含むことを特徴とする請求項16に記載のシステム。
  29. 各貨物コンテナタグについての前記特定条件が前記基地局によって収集され、在庫データベースに記憶されることを特徴とする請求項27に記載のシステム。
  30. 前記貨物コンテナによって報告される前記特定条件のいずれかが、前記貨物コンテナ内の侵入、不正操作、または運動を示す場合、前記基地局が、IP(インターネットプロトコル)メッセージを伝送するようにさらに構成されることを特徴とする請求項29に記載のシステム。
  31. 前記伝送されるインターネットプロトコルメッセージが、SMSメッセージ、電子メールメッセージ、およびボイスメッセージのうちの1つまたは複数に該当することを特徴とする請求項30に記載のシステム。
  32. 前記第2の貨物コンテナタグが、基地局と前記第1の貨物コンテナタグとの間の通信を中継するように構成されることを特徴とする請求項16に記載のシステム。
  33. 基地局装置が、IP(インターネットプロトコル)ネットワークを介して外部計算装置と通信するように構成され、前記外部計算装置により位置探索要求が開始され、前記基地局が処理し、前記IP(インターネットプロトコル)ネットワークを介して前記外部計算装置に折り返し報告することを特徴とする請求項16に記載のシステム。
  34. 前記第1の貨物コンテナタグおよび前記第2の貨物コンテナタグが、貨物コンテナ分析モードで前記貨物コンテナの中身を分析するように構成され、前記第1の貨物コンテナタグが、前記貨物コンテナ分析モードで第1のパケットを伝送するように構成され、前記第2の貨物コンテナタグが、前記貨物コンテナ分析モードで、前記第1のパケットに相当する無線信号スペクトル内の無線信号を捕捉し、搬送波位相回転および振幅変動を除去するために、前記第1のパケットに相当する前記捕捉無線信号を正規化し、前記第1のパケットの前記正規化済み捕捉無線信号の複素相関によりシグニチャを識別し、将来比較するために、前記第1のパケットに関する前記識別済みシグニチャを、前記貨物コンテナの中身を示すベースラインシグニチャとして記憶するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  35. 前記第1の貨物コンテナタグが、前記貨物コンテナ分析モードで、前記第1のパケットの後に第2のパケットを伝送するようにさらに構成され、前記第2の貨物コンテナタグが、前記貨物分析モードで、前記第2のパケットに相当する無線信号スペクトル内の無線信号を捕捉し、搬送波位相回転および振幅変動を除去するために、前記第2のパケットに相当する前記捕捉無線信号を正規化し、前記第2のパケットの前記正規化済み捕捉無線信号の複素相関によりシグニチャを識別し、前記貨物コンテナの前記中身の変化を特定するために、前記第2のパケットに関する前記識別済みシグニチャを前記ベースラインシグニチャと比較するようにさらに構成されることを特徴とする請求項34に記載のシステム。
  36. 前記第1の貨物コンテナタグおよび前記第2の貨物コンテナタグが、貨物コンテナ分析モードで前記貨物コンテナの中身を分析するように構成され、前記第1の貨物コンテナタグが、
    第1の時間において、前記貨物コンテナ分析モードで最初のパケットを伝送し、
    前記第1の時間の後の第2の時間において、前記貨物コンテナ分析モードで、後続のパケットに相当する無線信号スペクトル内の無線信号を捕捉し、
    前記捕捉無線信号が有効な測定値に該当する場合、前記第1の時間と前記第2の時間との間の時間差から距離測定値を求めるように構成され、
    前記第2の貨物コンテナタグが、
    前記貨物コンテナ分析モードで、前記第1のパケットに相当する無線信号スペクトル内の無線信号を捕捉し、
    前記第1のパケットからの前記捕捉無線信号に基づいて、デジタル的に合成した搬送周波数のタイミングおよび位相を調節し、
    前記第2の時間において、前記調節したものとしてのデジタル的に合成した搬送周波数により、前記貨物コンテナ分析モードで前記後続のパケットを伝送する
    ようにさらに構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  37. 前記貨物コンテナ分析モードで、前記第1の貨物コンテナタグと前記第2の貨物コンテナタグとの間でパケットを伝送するために使用する通信プロトコルが、半pingプロトコル、完全pingプロトコル、外部pingプロトコル、およびドップラーpingプロトコルのうちの1つに該当することを特徴とする請求項34に記載のシステム。
  38. 前記第1の貨物コンテナタグおよび前記第2の貨物コンテナタグが、パンくずモードでドップラー測定値を分析するように構成され、各貨物コンテナタグが、
    前記貨物コンテナが静止している場合、前記パンくずモードで、前記1対のアンテナのうちの外部アンテナを用いて第1の時間間隔の間、最初のパケットを伝送し、
    前記第1の時間間隔の間、無線信号スペクトルから無線信号を捕捉することであって、前記捕捉無線信号は前記貨物コンテナに関するベースラインシグニチャに関連する、無線信号スペクトルから無線信号を捕捉し、
    第1のタイムスタンプおよび第1のコンパス測定値とともに、前記貨物コンテナに関する前記ベースラインシグニチャを記憶し、
    前記第1の時間間隔の後の第2の時間間隔の間、前記1対のアンテナのうちの外部アンテナを用いて後続のパケットを周期的に伝送し、
    前記第2の時間間隔の間、前記1対のアンテナのうちの外部アンテナを用いて、前記無線信号スペクトルから無線信号を周期的に捕捉することであって、前記捕捉無線信号は、もう一方の前記貨物コンテナタグから伝送されるパケットに相当する信号、およびもう一方の前記貨物コンテナタグから伝送されるパケットに起因する散乱信号に相当するドップラー偏移信号の分散のうちの1つまたは複数を含む、前記無線信号スペクトルから無線信号を周期的に捕捉し、
    ドップラー偏移測定分布を明らかにするために、周期的に捕捉した各無線信号を評価し、
    対応するタイムスタンプおよび対応するコンパス測定値とともに、前記評価する貨物コンテナに関する各ドップラー偏移測定分布を記憶する
    ように構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  39. 記憶されたドップラー偏移測定値、タイムスタンプ、および対応するコンパス測定値をダウンロードして前記貨物コンテナの移動経路を求めるために、各貨物コンテナタグと通信するように構成される基地局をさらに備えることを特徴とする請求項36に記載のシステム。
  40. 基地局が、1つまたは複数の貨物コンテナタグにそれぞれ関連する貨物コンテナの位置および侵入を追跡するための方法であって、
    問合せを行うための各貨物コンテナタグを選択するステップであって、各貨物コンテナタグは固有識別子に関連付けられる、選択するステップと、
    前記基地局から前記選択した貨物コンテナタグに伝送を送信するステップであって、前記伝送は前記選択した貨物コンテナタグに関する前記固有識別子を用いて符号化される、伝送を送信するステップと、
    前記選択した貨物コンテナタグからの期待される応答に関連する無線信号スペクトルから、無線信号を捕捉するステップと、
    前記選択した貨物コンテナタグから有効な応答伝送を受信したかどうかを判定するために、前記無線信号スペクトルからの前記捕捉無線信号を評価するステップと、
    前記有効な応答伝送を受信する場合、前記伝送と前記受信応答との間の往復飛行時間に基づいて、前記基地局に対する前記選択した貨物コンテナタグの距離および方向を求めるステップと、
    前記選択した貨物コンテナタグの前記距離および方向のログをデータベースに取るステップと、
    を含むことを特徴とする方法。
  41. 前記基地局の絶対位置を特定するステップと、前記基地局の前記絶対位置ならびに前記基地局に対する前記選択した貨物コンテナの前記距離および方向に基づいて、前記選択した貨物コンテナタグの厳密な位置を求めるステップと、前記選択した貨物コンテナタグの前記厳密な位置のログを前記データベースに取るステップとをさらに含むことを特徴とする請求項40に記載の方法。
  42. 前記選択した貨物コンテナタグに関する前記受信応答メッセージから追加データを抽出するステップをさらに含むことを特徴とする請求項40に記載の方法。
  43. 前記追加データが、前記データベースにログインするためのデータに相当することを特徴とする請求項40に記載の方法。
  44. 前記追加データが、前記選択した貨物コンテナタグに関する警報状態に相当することを特徴とする請求項40に記載の方法。
  45. 前記警報状態が、ドアが開くこと、火災を検知すること、温度が高温閾値を超えること、温度が低温閾値を下回ること、前記貨物コンテナ内で水を検知すること、湿度が閾値を上回ること、または湿度が閾値を下回ることのうちの1つもしくは複数に該当することを特徴とする請求項44に記載の方法。
  46. 前記データが、前記貨物コンテナの環境条件、または前記貨物コンテナに関連する侵入状態に関連することを特徴とする請求項40に記載の方法。
  47. 貨物コンテナタグが、貨物コンテナに関連する状態をモニタし、少なくとも一部のモニタした状態を基地局に伝えるための方法であって、
    低電力状態から活動状態に、前記貨物コンテナタグを周期的に活動化するステップであって、前記貨物コンテナタグには、前記貨物コンテナタグの内部に記憶される固有識別子が割り当てられる、前記貨物コンテナタグを周期的に活動化するステップと、
    前記活動状態の間は、
    前記貨物コンテナに関連する状態をモニタするステップと、
    前記モニタした状態のログを取るステップと、
    前記基地局からの期待される伝送に関連する無線信号スペクトル内の無線信号を捕捉するステップと、
    前記貨物コンテナタグに関して、有効な伝送を受信したかどうかを判定するために、前記捕捉無線信号を評価するステップと、
    前記有効な伝送を受信していない場合、前記低電力モードに戻るステップと、
    を具備し、
    前記有効な伝送は、前記貨物コンテナタグに関する前記固有識別子を用いて符号化されており、
    前記有効な伝送を受信している場合には、
    検出した搬送波位相を明らかにするために、前記有効な伝送の搬送波位相を検出するステップと
    差を明らかにするために、前記検出した搬送波位相を、前記貨物コンテナタグのデジタル的に合成した搬送波信号と比較するステップと、
    前記明らかにした差に基づいて、前記貨物コンテナタグ内で、前記デジタル的に合成した搬送波信号の、前記搬送波位相、搬送周波数、および歩調のうちの1つまたは複数を調節するステップと、
    前記伝送内で有効なコマンドを受信したかどうかを判定するために、前記受信信号を評価するステップと、
    前記伝送内で受信した場合には、前記有効なコマンドを処理するステップと、
    前記デジタル的に合成した搬送波信号を使用して、応答伝送を前記基地局に伝送するステップと、
    前記応答伝送を完了した後、前記低電力状態に戻るステップと、
    を具備することを特徴とする方法。
  48. 前記有効なコマンドを処理するステップが、前記伝送内でモード変更コマンドを受信しているかどうかを判定するステップと、前記モード変更コマンドに関して受信されるパラメータに基づいて、新たな動作モードを選択するステップとを含むことを特徴とする請求項47に記載の方法。
  49. 前記有効なコマンドを処理するステップが、前記伝送内でシグニチャ記録コマンドを受信しているかどうかを判定するステップと、後に使用するために、前の捕捉からの信号プロファイルをシグニチャとして記憶するステップとを含むことを特徴とする請求項47に記載の方法。
  50. 前記シグニチャは、ドアが開くシグニチャ、ドアが閉じるシグニチャ、貨物コンテナが地上に持ち上げられるシグニチャ、貨物コンテナが地上にあるシグニチャ、または貨物コンテナが鉄道車両上にあるシグニチャのうちの1つに関連することを特徴とする請求項49に記載の方法。
  51. 前記有効なコマンドを処理するステップが、
    前記伝送内でデータ報告コマンドを受信しているかどうかを判定するステップと、
    前記データ報告コマンドが要求するデータを識別するステップと、
    前記要求されたデータを前記応答伝送内に符号化するステップと、
    を含むことを特徴とする請求項47に記載の方法。
  52. 前記有効なコマンドを処理するステップは、前記コマンドが盗難防止モード活動化するように指示する場合、前記貨物コンテナタグに関する前記盗難防止モードを有効にするステップを含むことを特徴とする請求項47に記載の方法。
  53. 前記有効なコマンドを処理するステップは、前記コマンドが前記盗難防止モードを非活動化するように指示する場合、前記貨物コンテナタグに関する前記盗難防止モードを無効にするステップを含むことを特徴とする請求項47に記載の方法。
  54. 有効なコマンドが見つからず、盗難防止モードが活動状態にある場合、盗難防止モードプロセスに従って前記貨物コンテナタグに関する前記盗難防止モードを処理するステップを含むことを特徴とする請求項47に記載の方法。
  55. 前記貨物コンテナタグに関する前記盗難防止モードプロセスが、報告データを生成するために前記貨物コンテナに関するセンサデータを評価するステップと、対の貨物コンテナタグに対する伝送内に前記報告データを符号化するステップと、伝送内で前記データ報告コマンドを前記対の貨物コンテナタグに伝送するステップとを含むことを特徴とする請求項54に記載の方法。
  56. 前記貨物コンテナタグに関する前記盗難防止モードプロセスが、前記対の貨物コンテナタグからの応答が期待される時間間隔において、前記無線信号スペクトルから無線信号を捕捉するステップと、前記無線信号スペクトルからの前記捕捉無線信号を評価するステップと、前記捕捉無線信号内で有効な応答伝送を検出したかどうかを判定するステップとをさらに含むことを特徴とする請求項55に記載の方法。
  57. 前記貨物コンテナタグに関する前記盗難防止モードプロセスが、前記対の貨物コンテナタグへの前記伝送と、前記対の貨物コンテナタグから受信する前記応答伝送との間の往復飛行時間に基づいて、距離測定値を提供するために、前記貨物コンテナタグと前記対の貨物コンテナタグとの間の距離を計算するステップと、前記距離測定値のログを取るステップとをさらに含むことを特徴とする請求項56に記載の方法。
  58. 前記貨物コンテナタグに関する前記盗難防止モードプロセスが、シグニチャを識別するために前記有効な応答伝送を評価するステップと、イベントまたは状態を検出するために前記識別済みシグニチャを評価するステップと、前記識別済みシグニチャ、検出したイベント、または検出した状態のうちの1つもしくは複数のログを取るステップとをさらに含むことを特徴とする請求項56に記載の方法。
  59. 前記貨物コンテナタグに関する前記盗難防止モードプロセスが、前記貨物コンテナの損なわれた状態を検出するステップと、前記貨物コンテナの前記損なわれた状態を、次の通信で折り返し前記基地局に報告するステップとをさらに含むことを特徴とする請求項55に記載の方法。
  60. 規定領域内の貨物コンテナをモニタするように構成される在庫管理システムであって、
    前記システムは、
    基地局装置から通信ネットワークを介して受信される通信を処理するように構成される中央処理ユニットと、
    規定領域内の別々の位置にそれぞれ配置される複数の基地局装置と、
    前記無線伝送シーケンスを受信するように構成されている第1の貨物コンテナタグと、
    前記規定領域内に置かれる前記貨物コンテナに同様に関連する第2の貨物コンテナタグと、
    を具備し、
    前記複数の基地局装置のそれぞれは、前記通信ネットワークを介して前記中央処理ユニットと通信し、さらに前記規定領域内に配置される貨物コンテナタグとも通信するように構成され、
    前記基地局装置のうちの選択された1つは、
    貨物コンテナタグ識別子を用いて伝送シーケンスを符号化し、
    前記符号化伝送シーケンスを第1の無線放送で伝送するように構成されており、
    前記複数のロケータのそれぞれは、
    無線放送の伝送が開始された後、1つまたは複数の応答伝送シーケンスを受信し、
    受信伝送シーケンスごとの相関ベクトルを生成するために、各受信応答伝送シーケンスを前記貨物コンテナタグ識別子と相関させ、
    前記受信応答伝送シーケンスから貨物コンテナに関連する情報を抽出し、ここで、前記情報は、前記貨物コンテナの環境条件のうちの1つまたは複数を含み、
    相関ベクトルごとに、対応する到着時間を求め、
    各到着時間、対応する相関ベクトル、および任意の抽出情報を、処理するために前記中央処理ユニットに転送するように構成され、
    前記貨物コンテナタグは、前記規定領域内に置かれる貨物コンテナに関連し、
    前記無線放送の少なくとも一部分から情報を受信して捕捉し、
    前記捕捉情報を内部に記憶された基準シーケンスと相関させ、
    前記受信して捕捉した情報が、前記内部に記憶された基準シーケンスと相関する場合に相関を識別し、
    前記貨物コンテナに関連する状態をモニタし、
    相関を識別した後、貨物コンテナ識別子およびモニタした状態を用いて応答シーケンスを符号化し、
    前記相関を識別した後、前記符号化応答シーケンスを伝送するための厳密な時間間隔を求め、
    第2の無線放送で前記符号化応答シーケンスを伝送するように構成され、
    前記内部に記憶された基準シーケンスは、指定グループに関連し、
    前記符号化応答シーケンスの前記伝送は、伝送衝突を回避するために前記厳密に求められた時間間隔において伝送され、
    前記第2の貨物コンテナタグは、前記貨物コンテナ内の状態をモニタするように構成され、
    前記第2の貨物コンテナタグは、前記モニタした状態を伝えるために、前記第1の貨物コンテナタグと通信して構成されることを特徴とする規定領域内の貨物コンテナをモニタするように構成される在庫管理システム。
  61. 前記中央処理ユニットが、前記複数の基地局から受信する前記相関ベクトルに関連する観測を時間同期するようにさらに構成されることを特徴とする請求項60に記載のシステム。
  62. 前記中央処理ユニットが、前記対応する応答トランスポンダに関連する前記複数のロケータそれぞれからの前記相関ベクトルおよび到着時間に基づいて、応答基地局ごとに最良適合位置推定を実行するようにさらに構成されることを特徴とする請求項60に記載のシステム。
  63. 前記中央処理ユニットは、1つまたは複数の基地局からの前記抽出情報が、前記貨物コンテナの不当な侵害、前記貨物コンテナの不当な動き、前記貨物コンテナ内での不当な動き、および前記貨物コンテナに関する容認できない環境条件のうちの1つまたは複数を示す場合、貨物コンテナの警報を活動化するようにさらに構成されることを特徴とする請求項60に記載のシステム。
  64. 前記貨物コンテナに関する前記モニタした状態が、温度、湿度、および動きのうちの1つまたは複数を含むことを特徴とする請求項60に記載のシステム。
  65. 前記中央処理ユニットが、ユーザが開始した要求を処理するために、外部コンピュータシステムとインタフェースするように構成されることを特徴とする請求項60に記載のシステム。
  66. 前記第1の貨物コンテナタグおよび前記第2の貨物コンテナタグのうちの1つまたは複数が、前記貨物コンテナの電子シールが破られているかどうかを判定するように構成されることを特徴とする請求項60に記載のシステム。
  67. 前記第1の貨物コンテナタグおよび前記第2の貨物コンテナタグのうちの1つまたは複数が、運動センサを含むことを特徴とする請求項60に記載のシステム。
  68. 前記第1の貨物コンテナタグおよび前記第2の貨物コンテナタグのうちの1つまたは複数が、温度センサを含むことを特徴とする請求項60に記載のシステム。
  69. 前記第1の貨物コンテナタグおよび前記第2の貨物コンテナタグのうちの1つまたは複数が、湿度センサを含むことを特徴とする請求項60に記載のシステム。
  70. 前記第1の貨物コンテナタグおよび前記第2の貨物コンテナタグのうちの1つまたは複数が、コンパスセンサを含むことを特徴とする請求項60に記載のシステム。
  71. 前記個々の貨物コンテナタグに関して追跡モードを有効にするとき、前記貨物コンテナタグの移動経路をおおよそ記録するように、各貨物コンテナタグの前記コンパスセンサの測定値のログをタイムスタンプとともに周期的に取ることを特徴とする請求項70に記載のシステム。
  72. 活動状態にある貨物コンテナタグ間のドップラー偏移測定値のログを、前記個々の貨物コンテナタグに関する前記コンパスセンサの測定値、およびタイムスタンプとともに周期的に取ることを特徴とする請求項70に記載のシステム。
  73. 前記第1の貨物コンテナタグおよび前記第2の貨物コンテナタグのうちの1つまたは複数が、光センサを含むことを特徴とする請求項60に記載のシステム。
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