本発明は、一般的には移動通信の分野に関し、より具体的には携帯電話などの携帯電子装置とともに用いるアクセサリに関する。さらに具体的には、本発明は携帯電話などの携帯電子装置用のハンズフリーケーブルに関する。
移動ハンドセット、携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、メディアプレーヤ、オーディオプレーヤ、ハンドヘルドコンピュータなどの電子装置が今日広く用いられている。携帯電話などの商業的に魅力のある第1の電子装置は、1980年代の終わりに市場に登場した。それから、移動通信産業は、サービス品質や伝送性能、高度な通信端末の製造技術において、大きく発展している。
上述の電子装置のいずれかとともに用いる種々の付属品が存在し、一般にアクセサリという。単なる例ではあるが、携帯電話などの電子装置は、携帯電話に差し込むことでハンズフリー通話機能を提供可能なハンズフリーケーブルとともに実施可能であることが知られている。ハンズフリーケーブルは携帯可能なものとして、例えば携帯ハンズフリーケーブルのようにすることができる。歴史的には、携帯電話のハンズフリーケーブルは主に音声通信に限られていた。しかしながら、携帯電話が今やますますメディア端末の形態をとるようになっているため、最近のハンズフリーケーブルは、ハンズフリーケーブルのイヤピーススピーカなどを通してユーザへ音楽を提供することも実施可能となるよう開発されている。
周知の最新ハンズフリーケーブルは、かばん、ポケット、小袋に入れておくと、絡まってしまうことがある。かばん/ポケット/小袋にハンズフリーケーブルを入れておいた後は、電子装置とともに適切に使用できるようになるまで、絡まったハンズフリーケーブルをユーザが解かなければならないことがある。これは、かかるハンズフリーのユーザにとって時間がかかり、いらいらするものであることがある。
本発明のある観点は、電子装置に用いるハンズフリーケーブルであって、少なくとも1本のワイヤを包囲する外側境界層を備える伸長体を有し、上記伸長体の少なくとも一部に沿ってのびた形状記憶合金を備えるハンズフリーケーブルに関する。
ある実施形態において、形状記憶合金は伸長体の内部に配置され、形状記憶合金が伸長体の外側境界層で包囲される。
ある実施形態において、形状記憶合金は、伸長体の内部に配置された形状記憶合金フィラメントを含む。
ある実施形態において、形状記憶合金は、伸長体の外側境界層に配置された管状形状記憶合金を含む。
ある実施形態において、形状記憶合金はニッケル‐チタン合金である。形状記憶合金はNitinol(登録商標)としてもよい。
ある実施形態において、形状記憶合金は銅‐亜鉛‐アルミニウム合金である。
ある実施形態において、形状記憶合金は銅‐アルミニウム‐ニッケル合金である。
ある実施形態において、形状記憶合金は上記伸長体の全長に沿ってのびている。
ある実施形態において、形状記憶合金は伸長体の外側境界層の外面に配置される。
ある実施形態において、形状記憶合金は、上記外面に貼付された形状記憶合金フィラメントを含む。
ある実施形態において、形状記憶合金は、上記外面に貼付された管状形状記憶合金を含み、上記外面が管状形状記憶合金で包囲される。
ある実施形態において、管状形状記憶合金はメッシュ状形状を有する。
ある実施形態において、形状記憶は、接着剤によって上記外面に貼付される。
ある実施形態において、形状記憶合金はニッケル‐チタン合金である。形状記憶合金はNitinol(登録商標)としてもよい。
ある実施形態において、形状記憶合金は銅‐亜鉛‐アルミニウム合金である。
ある実施形態において、形状記憶合金は銅‐アルミニウム‐ニッケル合金である。
ある実施形態において、形状記憶合金は上記伸長体の全長に沿ってのびている。
ある実施形態において、形状記憶合金は、約−20℃〜約60℃の温度区間の部分区間または全区間で超弾性となる組成を有する。
上述のハンズフリーケーブルの種々の特徴を組み合わせて、いかなる組合せとすることも可能である。
本発明の別の観点は、ハンズフリーケーブルの構成部分としての形状記憶合金の用途に関する。
ある実施形態において、形状記憶合金はニッケル‐チタン合金である。形状記憶合金はNitinol(登録商標)としてもよい。
ある実施形態において、形状記憶合金は銅‐亜鉛‐アルミニウム合金である。
ある実施形態において、形状記憶合金は銅‐アルミニウム‐ニッケル合金である。
本発明のいくつかの実施形態は、改良ハンズフリーケーブルを提供し、ハンズフリーケーブルが絡まるリスクを軽減する。本発明のいくつかの実施形態の効果は、かばん内、ポケット内、小袋内などの限られた空間にハンズフリーケーブルを入れておいた後にハンズフリーケーブルが絡まるリスクの軽減をハンズフリーケーブルにおいて可能とする点である。本発明のいくつかの実施形態によれば、絡まることのないハンズフリーケーブル、あるいは実質的に絡まることのないハンズフリーケーブルを提供可能である。いくつかの実施形態のさらなる効果としては、ハンズフリーケーブルのリラックス(元の)状態をカスタマイズ形状で提供可能である点がある。
以下の本発明を実施するための形態から、本発明のさらなる目的、特徴、効果が明らかとなるが、ここでは添付図面を参照しながら、より詳細に本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るハンズフリーケーブルの一例の透視図である。
図2は、本発明の一実施形態に係る図1のハンズフリーケーブルの断面図である。
図3は、本発明の別の実施形態に係るハンズフリーケーブルの一例の透視図である。
図4は、本発明の一実施形態に係る図3のハンズフリーケーブルの断面図である。
図5は、本発明の別の実施形態に係るハンズフリーケーブルの透視図である。
図6は、本発明の一実施形態に係る図5のハンズフリーケーブルの断面図である。
図7は、本発明の別の実施形態に係るハンズフリーケーブルの透視図である。
図8は、本発明の一実施形態に係る図7のハンズフリーケーブルの断面図である。
図9は、本発明のさらに別の実施形態に係るハンズフリーケーブルの断面図である。
以下、本発明の実施形態を示す添付図面を参照しながら、本発明の実施形態をより完全に説明する。しかしながら、本発明は多くの異なる形態で実施可能であり、ここに記載する実施形態に限定されるものと考えるべきではない。むしろ、かかる実施形態は本開示を徹底的で完全なものとするために与えるのであり、これによって当業者には本発明の範囲が完全に伝わることであろう。全体を通して、同様の参照符号は同様の構成を指している。
本発明のいくつかの実施形態については、例えばポケット内、小袋内、ポケット内などの限られた空間に入れておく場合にハンズフリーが絡まるリスクを軽減するため、スマート合金や記憶金属としても知られる形状記憶合金をハンズフリーケーブルの集積部として用いることができる、という発明者の認識に由来している。ハンズフリーケーブルは携帯ハンズフリーケーブルとすることができる。形状記憶合金は、形状記憶効果を示す金属である。形状記憶合金は、1方向効果、2方向効果、および/または超弾性という種々の形状記憶効果を有する。1方向効果および2方向効果では、温度変化があるとマルテンサイト変態がある。その違いは、1方向効果では一般的にマルテンサイトが回収できないという点である。超弾性では、変態は荷重の加減中にある。形状記憶合金およびその特性は以上のことが周知であり、そのためここではこれ以上詳細に説明しない。本発明のいくつかの実施形態で使用可能な形状記憶合金は、例えば、ニッケル‐チタン合金、銅‐亜鉛‐アルミニウム合金、銅‐アルミニウム‐ニッケル合金などを含む。現時点においてわかっている最良の形態として、Nitinol(登録商標)(Nickel Titanium Naval Ordnance Laboratories(ニッケルチタン国防省海軍武器研究所)の頭文字)の商品名で販売されているものなど、目下入手可能な形状記憶合金ワイヤまたは形状記憶合金フィラメントを本発明のいくつかの実施形態に効果的に用いることができるということが実験でわかっている。
本発明実施形態のいくつかの実施形態に係るハンズフリーケーブルは、携帯電子装置とともに用いることを意図したものであることが効果的である場合があるが、必ずしもそうする必要はない。携帯電子装置については、例えば移動無線端末、携帯電話(mobile phone(移動電話)、cellular phone(セルラ電話))、通報器、コンピュータ、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)、電子手帳、MP3プレーヤやiPodTMなどのオーディオプレーヤ、デジタルカメラなど、いかなる携帯電子装置であってもよい。本発明のいくつかの実施形態を以下でさらに詳細に説明する。
図1および2は、本発明の一実施形態例に係るハンズフリーケーブル1の2つの異なる視点を示している。ハンズフリーケーブルは、携帯ハンズフリーとすることができる。ハンズフリーケーブル1は伸長体10を備える。ハンズフリーケーブルが携帯電話における使用を意図したものである場合、伸長体10はインラインマイクロフォン部11を備えたものとすることができる。ハンズフリーケーブル1の一端には、イヤピーススピーカ12を設けることができる。反対側の端については、例えば携帯電話のジャックに差し込むコネクタ13をハンズフリーケーブル1に設けることができる。
図2は、例えば図1のA‐A面におけるハンズフリーケーブルの断面図である。この図に見られるように、伸長体10は外側境界層21を備えて、ハンズフリーケーブル1の伸長体10内部の1または複数のワイヤ22を包囲している。図2に示すように、ハンズフリーケーブル1の伸長体10の内部23は、1本の導体ワイヤを有したものとすることも可能であり、2本の導体ワイヤを有したものとすることも可能であり、または複数本の導体ワイヤ22a、22b、22c、22d、22eを有したものとすることさえ可能である。これらの導体ワイヤ22a、22b、22c、22d、22eは、ハンズフリーケーブル1の意図した用途に応じた、ハンズフリーケーブル1の伸長体10を通した伝達に適した電子信号用とすることができる。導体22a、22b、22c、22d、22eを包囲する外側境界層21は、絶縁材料製のものとして、導体22a、22b、22c、22d、22eを覆って保護するものとすることができる。図2に示すように、ハンズフリーケーブル1の伸長体10は、加えて、伸長体10の内部23に配置された形状記憶合金フィラメント24を備える。このように、形状記憶合金フィラメント24は伸長体10内部に配置されており、形状記憶合金フィラメント24は伸長体10の外側境界層21に包囲されている。形状記憶合金フィラメント24は伸長体10に沿ってのびている。形状記憶合金フィラメント24は、伸長体10の種々の部分においてのみ、伸長体10に沿ってのびているものとすることも可能であり、そうすると、伸長体10は、伸長体10の長さ方向に沿って段階的にしか形状記憶合金フィラメント24を備えていないものとなる。しかしながら、形状記憶合金フィラメント24については、伸長体10の全長に沿って、または実質的に全長に沿ってのびるように配置することが効果的である。言い換えると、形状記憶合金フィラメント24については、コネクタ13からマイクロフォン部11までの伸長体10a全長に沿ってのびるように配置することが効果的である場合がある。また、形状記憶合金フィラメント24については、マイクロフォン11からイヤピーススピーカ12までの伸長体10b全長にも沿ってのびるように配置することが効果的である場合がある。形状記憶合金フィラメント24は、銅‐亜鉛‐アルミニウム‐ニッケル合金、銅‐アルミニウム‐ニッケル合金、ニッケル‐チタン(Ni‐Ti)合金など、いかなる形状記憶合金フィラメントであってもよい。Ni‐Ti合金は、銅を基にした記憶形状合金と比較して、優れた機械的性質を有している。しかしながら、Ni‐Ti合金は、銅を基にした記憶形状合金よりも一般的に高価なものである。形状記憶合金フィラメント24は、所定の遷移温度よりも低温ではある形状をとっており、その温度が遷移温度を超えると第2の形状へ変形可能とすることができるため、かかる形状記憶合金フィラメント24をハンズフリーケーブル1の伸長体10内部に備えたハンズフリーケーブル1もまた、かかる性質を示すことが可能である。
本発明のこの実施形態について現時点でわかっている最良の実施の形態としては、形状記憶合金フィラメント24はNi‐Ti合金フィラメントとすべきであって、Nitinol(登録商標)フィラメントであることが好ましい。Nitinol(登録商標)は、Ni約55重量%であることが典型的であるが、必ずしもそうである必要はない。変形すると、変態温度よりも高温に過熱されるまでその形状のままとなり、変態温度で元の形状に戻る。変態温度よりも高温ではNitinol(登録商標)は超弾性であり、荷重が加えられても比較的大きな変形に耐えることが可能であり、荷重がなくなると元の形状に戻ることが可能である。合金組成をわずかに変化させると、遷移温度を大きく変化させることができる。このため、Nitinol(登録商標)は常温で超弾性とすることもできれば、超弾性としないことも可能である。ハンズフリーケーブルは、約−20℃〜約60℃の温度区間で用いる仕様とすることもできる。したがって、いくつかの実施形態では、例えば約−30℃〜−25℃の区間内のように、遷移温度が−20℃よりも低温となるように、形状記憶合金フィラメント24の組成を選択することが効果的である場合がある。形状記憶合金フィラメント24は、約−20℃〜約60℃の温度区間における部分区間で超弾性となるものとすることもできれば、全区間で超弾性となるものとすることもできる。形状記憶合金フィラメント24の合金組成の厳密な選択は、ハンズフリーケーブル1の意図する目的や用途に依存して変動し得る。したがって、形状記憶合金フィラメント24の組成の厳密な選択は、各特定の場合において検査して評価すべきものである。続いて、例えば機械的性質および温度性質については、ハンズフリーケーブル1の意図する特定用途や目的に依存して、最終的には注文仕立てとすべきである。
Nitinol(登録商標)フィラメントなどの形状記憶合金フィラメント24をハンズフリーケーブル1の内部に配置することで、ハンズフリーケーブル1を永久変形させることなく比較的しっかりと曲げたり、巻いたり、絡めたりすることが可能となる。これについては、特に、Nitinol(登録商標)フィラメントが、ハンズフリーケーブル1の使用を意図する約−20℃〜約60℃の温度区間の部分区間で超弾性になるものとすることも、全区間で超弾性になるものとすることも可能であるからである。応力や荷重がなくなると、ハンズフリーケーブル1は続いてリラックス状態に戻り、したがってハンズフリーケーブル1の形状は元の形状へ変形する。リラックス(元の)状態は、まっすぐな形状とすることもできるが、他のカスタマイズ形状とすることも等しく可能である。このことを考慮すると、Nitinol(登録商標)フィラメントなどの形状記憶合金フィラメント24を内部に備えたハンズフリーケーブル1は、かばん内、ポケット内、かばん内に入れた際には潜在的に絡まり得るが、バッグ、ポケット、小袋から取り出すとリラックス(元の)形状に戻ることとなり、そのためハンズフリーケーブル1が絡まるリスクは最小限となり、さらに潜在的にはなくなるのである。
図3および4は、本発明の別の実施形態に係るハンズフリーケーブル1の2つの異なる視点を示している。ハンズフリーケーブル1のこの例、携帯電話とともに用いることを意図したものであることが適当であるが、必ずしもそうである必要はない。ハンズフリーケーブル1は伸長体10を備える。伸長体10はインラインマイクロフォン部11を備えたものとすることができる。図3に見られるように、ハンズフリーケーブル10は、マイクロフォン部11において2つの別体部10b、10cに分かれる分岐をさらに備えたものとすることができる。このような各部10b、10cの外端には、イヤピーススピーカ12a、12bを設けることができる。また、ハンズフリーケーブル1は、例えば携帯電話のジャックに差し込むコネクタ13を設けることができる。図4は、例えば図3のB‐B面におけるハンズフリーケーブル1の断面図である。このハンズフリーケーブル1の伸長体10の内部23は、図1および2について前述したものと同様であるが、特に、伸長体10の外側境界層21に隣接して位置する管状形状記憶合金として形状記憶合金24が配置されている点で異なっている。管状形状記憶合金は、メッシュ状の管状記憶合金の形態のものとすることができる。この実施形態は、図1および2を参照して説明した実施形態と同一または同様の効果を有しているため、再度詳細な説明はしない。
図5および6は、本発明のさらに別の実施形態に係るハンズフリーケーブル1の2つの異なる視点を示している。ハンズフリーケーブル1のこの例は、携帯電話とともに用いることを意図したものであることが適当であるが、必ずしもそうである必要はない。ハンズフリーケーブル1は伸長体10を備える。伸長体10はインラインマイクロフォン部11を備えたものとすることができる。ハンズフリーケーブル1の一端には、イヤピーススピーカ12を設けることができる。反対側の端には、例えば携帯電話のジャックに差し込むコネクタ13をハンズフリーケーブル1に設けることができる。図6は、例えば図5のC‐C面におけるハンズフリーケーブル1の断面図である。このハンズフリーケーブル1の伸長体10の内部23は、図1および2について前述したものと同様である。しかしながら、この実施形態と図1および2の実施形態との違いは、図6に見られるように伸長体10の外側境界層21の外面上に形状記憶合金24が配置されているという点である。この実施形態では、形状記憶合金は、伸長体10の外側境界層21の外面に貼付された形状記憶合金フィラメント24の形態である。単なる例ではあるが、形状記憶合金24は、接着剤25によって境界層21に貼付されたものとすることができる。やはり、形状記憶合金フィラメント24は、Nitinol(登録商標)などのNi‐Tiフィラメントとすることができる。図1〜4について前述した実施形態と同様に、この実施形態における形状記憶合金フィラメント24も伸長体10に沿ってのびている。形状記憶合金フィラメント24は、伸長体10の種々の部分においてのみ、伸長体10に沿ってのびているものとすることも可能であり、そうすると、伸長体10は、伸長体10の長さ方向に沿って段階的にしか形状記憶合金フィラメント24を備えていないものとなる。しかしながら、形状記憶合金フィラメント24については、図1および2の実施形態について説明したように、伸長体10の全長に沿って、または実質的に全長に沿ってのびるように配置することが効果的である。図5および6の実施形態は、図1、2、3、4を参照して前述した実施形態と同一または同様の効果を実質的に有しているため、再度詳細な説明はしない。
図7および8は、本発明のさらに別の実施形態に係るハンズフリーケーブル1の2つの異なる視点を示している。やはり、ハンズフリーケーブル1は伸長体10を備える。伸長体10はインラインマイクロフォン部11を備えたものとすることができる。ハンズフリーケーブル1の一端には、イヤピーススピーカ12を設けることが可能であり、反対側の端には、例えば携帯電話のジャックに差し込むコネクタ13をハンズフリーケーブル1に設けることができる。図8は、例えば図7のD‐D面におけるハンズフリーケーブル1の断面図である。この実施形態は、図5および6について前述したものと同様である。しかしながら、この実施形態では形状記憶合金24が管状形状記憶として配置されており、図8に見られるように、管状形状記憶合金が境界層21の外面を包囲または被覆するように、境界層21の外面に貼付されている。管状形状記憶は、メッシュ状の管状形状記憶合金とすることができる。管状記憶形状合金は、接着剤によって境界層21の外面に貼付されたものとすることができる。必ずしも境界層21の全体が管状形状記憶合金で包囲または被覆されている必要はない。代替実施形態では、境界層21の外面は部分的にしか形状記憶合金24で覆われていない。例えば、準管状形状記憶合金を境界層21の外面に貼付することも可能であり、そうすると、境界層21の外面の半周しかこの準管状形状記憶合金で覆われない。図7および8に示す実施形態は、図1〜6を参照して前述した実施形態と実質的に同一または同様の効果を有しているため、再度詳細な説明はしない。
図1〜8を参照して上述した様々な実施形態について、実質的に円形断面をもつ伸長体を有したハンズフリーケーブルを参照して説明した。しかしながら、本発明の範囲内において、長方形断面や多角形断面などの他の形状の断面も等しく可能であるということを了解すべきである。単なる例ではあるが、図9は、本発明のさらに別の実施形態に係る一ハンズフリーケーブル例の断面図を示している。このようなハンズフリーケーブルは、時に「ツインケーブル」という。
ここで用いた言葉については、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、本発明を限定する意図はない。ここで用いた単数形「a」、「an」、「the」には、複数形も含むという意図があり、そうでない場合については文脈上明示がある。「comprises」、「comprising」、「includes」、および/または「including」をここで用いた場合、言明した特徴、整数、ステップ、実施、エレメント、および/またはコンポーネントの存在を特定するものであるが、1または2以上の他の特徴、整数、ステップ、実施、エレメント、コンポーネント、および/またはその組合せの存在または追加を排除するものではないと理解されよう。
ここで用いた全用語(技術的用語および科学的用語を含む)については、本発明が属する分野における通常の知識を有するものが一般に理解する意味と同一の意味を有する。ここで用いた用語については、本明細書の文脈上の意味と関連技術における意味と一致する意味を有すると解釈すべきであり、理想的に、あるいは過度に形式的に解釈すべきではなく、ここでそうでない場合はそのように定義してある。
本発明の原理、好ましく開示した実施形態、実施の形態を前述した。Nitinol(登録商標)などの形状記憶合金をハンズフリーケーブルの集積部として用いることで奏する1または複数の効果を示すため、発明を実施するための形態において、いくつかの実施形態を説明した。しかしながら、好ましく開示した実施形態の詳細な説明については、限定的なものではなく例示的なものとして見なすべきであり、議論した特定の実施形態に限定されるものとして見なすべきではない。種々の実施形態の様々な特徴を組み合わせて、明記したものとは異なる組合せとすることが可能である。したがって、当業者であれば、添付の特許請求の範囲に記載の本発明の範囲を逸脱することなく、変形を行うことが可能であるということを了解すべきである。