JP2011502236A - 振動吸収器 - Google Patents

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Abstract

複数の離散質量要素(3)および粘弾性層(2)を利用し、広帯域入力雑音励振により励振したモーダル高密度構造(1)の振動を有効に減衰させ、低周波を含むこのようなモーダル高密度振動構造の複数の固有周波数に同調可能な分散式受動型振動吸収器。

Description

本発明は、構造の振動を低減する材料および方法に関する。
共振は、構造が自然に振動する周波数が与えられた場合に発生する。構造が共振周波数のうちの1つまたは複数(本発明では、「固有周波数」と呼ぶ)で励振すると、増幅された運動(変位、速度、または加速度に関して)応答が発生する。共鳴励振が可聴周波数範囲(20Hz〜20,000Hz)内で発生する場合、結果として、振幅が十分な場合には不快な音が生じる。不快な振動は、構造が任意の周波数において共振応答を受ける際に発生し得る。
能動的または受動的な様々な雑音低減制御技法が既知であり、構造の振動および付随する音放射を制御するために使用されている。本発明では、文献において周知のように、音は振動とみなされる。能動的な振動制御システムは、センサを使用して、振動している構造からの振動および/または雑音の振幅および位相を測定する。感知された振動または雑音は反転され、アクチュエータまたはラウドスピーカに供給されて、厄介な振動または雑音を相殺する。実際に、この技法は、振動または雑音を大幅に低減するが、完全にはなくさない。能動的な制御システムは通常、1000Hz未満等の低周波で効果的である。多くの場合、能動的な雑音低減技法は、振動および雑音を適当に低減するが、高価で複雑な感知/動作/フィードバック制御/接続システムが必要である。
能動的な制御システムとは対照的に、シート形状で作られる受動的な振動・雑音制御システムの複雑性およびコストは、通常、より低い。しかし、受動的な制御システムは、かなりの質量を有し得、通常、500Hzを超える周波数でのみ実用的である。この理由は、受動的な制御システムの寸法が、振動体の振動の比較的短い波長に相当するのが、これら比較的高い周波数であるためである。受動的な振動または音制御システムの適用は一般に、物理的厚さが厚すぎると共に質量が一般に大きすぎ、それにより、壁の穴、空間的に問題のある構造、パイプ等の平坦ではないシステムに適合するには、このようなシステムの柔軟性が制限されるため、非効率的である。
第3の代替は、同調振動吸収器(TVA)として知られている受動的な制御システムである。同調振動吸収器を使用する場合、バネ質量系が、対象周波数、例えば、振動吸収器が取り付けられるか、または搭載され、厄介な振動を受けている構造の振動周波数と同じ周波数で振動するように同調する。使用に際して、対象の同調周波数で、同調振動吸収器は、厄介な構造の振動と位相ずれして振動し、構造の運動とは逆の力を加え、それにより、元の構造の運動応答を低減する。
いわゆるポイント同調振動吸収器(point tuned vibration absorber)は、構造の雑音または振動を低減する効率的な方法である。しかし、ポイント吸収器は、構造上の一転での1つの周波数での振動または雑音のみを制御するため、振動体の広い面積にわたる振動を制御するには、その機能が制限される。
大半の現実の構造は、広帯域機能(雑音および/または振動)により励振した場合、多くの周波数で同時に振動する。本発明では、固有周波数が周波数領域において狭く離間されている場合、構造は「モーダル高密度(modally dense)」と定義される。例えば、シングルスタッド壁、ダブルスタッド壁、床、および天井等の建物に使用される主要構造構成要素は、構成要素の質量およびジオメトリ、不均一な密度もしくは厚さ等の建物構成要素の不均一な属性、複雑な建具類、このような建物構成要素に使用される取り付け・搭載方法、および結果として生じる境界条件により、モーダル高密度振動構造である。例えば、ファン、冷却機、モータ、空調装置、ポンプ、発電機、コンプレッサ等の様々な種類の工業機器に従来使用されている金属エンクロージャも、モーダル高密度振動構造である。
1自由度の同調振動吸収器をモーダル高密度構造に適用する場合、懸案事項がある。すなわち、所与の固有周波数に同調した1自由度の同調振動吸収器が、過度の振動または雑音を有する構造に適用される場合、目標の固有周波数での共振応答は低減するが、一方は目標の固有周波数よりも低い(吸収器の質量が構造質量と同相で運動する)周波数、他方は目標の固有周波数よりも高い(吸収器の質量が構造質量と位相ずれして運動する)周波数という2つの新たな周波数での共振応答は増大する。すなわち、目標モードが2つの応答周波数に分裂し、これが、前から存在する構造モードに重畳され、前から存在する応答が新たなモード応答と同相である場合、2つの応答周波数のうちの一方または両方での雑音および/または振動が増大することになる。実際に、2つの新たな周波数での音応答(音圧レベル(SPL))および/または振動応答(二乗平均平方根(RMS)変位、RMS速度、またはRMS加速度)は、望ましくないほど大きく、振動吸収器が適用される前には低かった2つの特定の周波数での元の周波数応答よりも大きくなる恐れがある。したがって、複数の間隔の狭い固有周波数を有するモーダル高密度振動構造では、1つの固有周波数に同調した1自由度の振動吸収器の適用により、隣接する固有周波数での望ましくない振動および/または音響放射が増大する恐れがある。
「モーダル高密度」構造とは対照的に、「モーダル低密度(modally sparse)」構造は、固有周波数の大部分が、隣接する固有周波数に同調した1自由度の振動吸収器の適用により影響されない周波数応答関数を示す。このような構造は通常、理想的または研究室規模の構造である。図1aおよび図1bのそれぞれは、モーダル低密度構造およびモーダル高密度構造の周波数分布を示す。図1aの応答関数では、共振応答の大部分は近傍モードにより影響されない。これとは対照的に、図1bの応答関数では、共振応答の大部分は重なる。
モーダル高密度構造の固有周波数の間隔は、対象とする周波数範囲に依存する。約500Hz未満等の低周波では、約40Hz以下の間隔の固有周波数が、構造をモーダル高密度とみなすために十分であり得る一方で、高周波範囲では、固有周波数の間隔はより広くてもよく、それでもやはりモーダル高密度とみなすことができる。
既知の受動的な振動・音響吸収器のいずれも、モーダル高密度振動構造からの振動および/または音響放射を適宜制御しない。他の周波数での追加の不要な追加の振動および/または雑音をもたらさずに、モーダル高密度振動構造から、複数の固有周波数での、特に連続した周波数範囲にわたる不要な振動および/または雑音を低減する受動的なシステムを有することが望ましいであろう。
構造がモーダル低密度であるように間隔が十分に空いた固有周波数を有する構造の振動面の周波数応答を示す。 構造がモーダル高密度であるように間隔が狭い固有周波数を有する構造の振動面の周波数応答を示す。 本発明の振動・音響吸収器の実施形態を示す。 動的加振機試験に使用される試験設備を示す。 振動吸収器が適用されない場合、ならびに3つの異なる質量比を有する3つの代替の吸収器が適用された場合の固有周波数での振動板の周波数応答を示す。 振動吸収器が適用されない場合、ならびに従来技術による振動吸収器が適用される場合および本発明による振動吸収器が適用される場合の周波数範囲50Hz〜450Hzにわたる振動アルミニウム板の周波数応答(狭帯域データ)を示す。 振動吸収器が適用されない場合、ならびに従来技術による振動吸収器が適用される場合および本発明による振動吸収器が適用される場合の周波数範囲100Hz〜500Hzにわたる振動アルミニウム板の周波数応答を示す1/3オクターブ帯データのプロットである。 振動吸収器が適用されない場合、ならびに従来技術による振動吸収器が適用される場合および本発明による振動吸収器が適用される場合の周波数範囲50Hz〜300Hzにわたる振動アルミニウム板の周波数応答(狭帯域データ)を示す。 振動吸収器が適用されない場合および従来技術による振動吸収器が適用される場合の周波数範囲50Hz〜250Hzにわたる振動する金属製シングルスタッド壁の周波数応答(狭帯域データ)を示す。 振動吸収器が適用されない場合および本発明による振動吸収器が適用される場合の周波数範囲50Hz〜250Hzにわたる振動する金属製シングルスタッド壁の周波数応答(狭帯域データ)を示す。 剛性変動パターンを有する本発明の吸収器に使用される粘弾性層を示す。
本発明は、モーダル高密度振動構造の表面からの振動および/または雑音もしくは音響放射を制御する改良された振動・音響吸収器、ならびに吸収器を組み込んだ、振動および/雑音もしくは音響放射を制御する構造に関する。本発明の吸収器は、モーダル高密度構造が広帯域入力雑音励振により励振した場合、この構造からの2つ以上の固有周波数での振動の制御および音響放射を、他の周波数で過度または不快な振動および/または雑音もしくは音を生じさせずに低減することにおいて有効である。用語「広帯域入力励振」は、単一周波数ではなく周波数帯にわたる雑音励振および/または振動励振を指す。間隔の狭い単一周波数が周波数帯を構成する。間隔の狭い単一周波数は、上述したように分裂モードで励振する。したがって、間隔の狭い単一周波数の励振は「広帯域励振」である。任意選択的に単一周波数での周期性励振と組み合わせられた白色雑音、桃色雑音、ランダム雑音、および疑似ランダム雑音はすべて、広帯域入力励振の例である。例えば、道路雑音、特に同時に動作する複数のソースからの機械機器の雑音、空気流、および音響反射空間内で話している多くの人々等の500Hz未満の周波数での広帯域入力励振の多くの実用例がある。
図2に示すように、本発明の一実施形態は、少なくとも1つの粘弾性層2と、粘弾性層2に接触した少なくとも1つの対応する複数または1組の離散質量要素3とを含む。語句「に接触した」は、粘弾性層の表面に当てられるか、または粘弾性層内に埋め込まれた離散質量要素を含む。吸収器は、振動構造1の表面上に位置決めされる。本発明による吸収器は、平坦面(壁、天井、間仕切り、パネル等)ならびに湾曲面(パイプ、円筒体、円柱体、湾曲した壁等)およびより複雑な表面形状(間柱を有する壁の穴を含む)を含む様々な表面に適合するように可撓性を有することができる。複数のモードに単一の吸収器で対処することができるため、吸収器は、多くのモーダル高密度状況で使用されるように構成可能である。本明細書において、用語「減衰」は、騒音または振動の低減を表すために使用される。
モーダル高密度構造の振動および雑音を制御する受動的な方法は、特に広帯域励振により励振する場合、100Hz未満の周波数では有効ではなく、100Hz〜500Hzの周波数では部分的にのみ有効であると考えられてきた。既知のTVAは、一度に1つの周波数にしか同調することができないため、複数の固有周波数を減衰させるためには、複数のTVAを使用しなければならない。TVAが、不要な共振周波数ピークを、TVAが同調する目標共振周波数の前後の2つのピークに分裂することにより動作することが周知である。モーダル高密度構造では、本明細書において上述したように、目標周波数の下および上の周波数での2つの新たに生じるピークが、これら2つの周波数での構造の応答を増幅させ、結果として、望ましくない雑音および/または振動の増大に繋がる恐れがある。
既知のTVAは、取り付ける明確な場所を有さないと考えられている。すなわち、既知のTVAは、一次構造の所与のポイントに取り付けられ、同調は、ニュートンの運動の第2法則から導出された以下の式を使用して実行される。
ω=(k/m)1/2 (1)式中、kは同調振動吸収器のバネ構成要素の剛性すなわちバネ定数を表し、mは同調振動吸収器の質量構成要素を表す。
1自由度のTVAの場合、当業者には既知のように、同調は、減衰する目標固有周波数を識別し、式1を満たすと共に、所望の分裂周波数応答結果にするために必要な剛性および質量を有するバネ構成要素および質量構成要素を選択するという比較的単純なことである。所望のモード分裂にするために必要な質量を選択するためには、質量比を考えなければならない。当該技術分野において一般に既知の質量比は、
μ=m2/m1 (2)式中、m2は吸収器の質量構成要素の質量(すなわち、二次質量)を表し、
1は、一次構造(一次質量)としても知られている振動構造の質量を表す。
として定義される。
本発明によれば、同調は、まず、振動構造の対象となる周波数範囲内の減衰する複数の目標固有周波数または周波数範囲を識別することにより達成される。次に、目標固有周波数の所望の分裂程度および各目標固有周波数の対応する質量比が決定される。
質量比は、振動構造の各目標固有周波数(すなわち、特に同調、目標周波数での、または目標周波数近傍での音または振動の低減の標的となる各周波数)について決定される。本発明によれば、質量比は、同じ目標固有周波数に同調したすべての離散質量の累積質量と、その固有周波数での振動している一次構造の有効質量との比である。所与の周波数ω1での質量比μは、以下の式:
μω1=Σm2ω1/m1ω1 3)式中、Σm2ω1は、周波数ω1に同調したすべての離散質量要素の和(すなわち、二次質量)を表し、
1ω1は、周波数ω1で振動する一次構造の有効質量(すなわち、一次質量)を表す。
一次構造の有効質量はZ×Mにより近似される。但し、Mは振動構造の実際の質量を表し、Zは構造の境界条件により定義されるスケーリング係数である。対処対象の構造が1自由度の運動を有する場合、スケーリング係数Zは1であり、有効質量は実際の質量に等しい。モーダル高濃度構造の有効質量は、対処すべき多くのモードがあり、このような現実的な状況に対するZスケーリング係数は、経験的なモデル解析なしでは容易には利用可能ではないため、計算が複雑である。壁等の1自由度を超える自由度の運動を有する板状構造の場合、板の運動は波腹、波節、およびその間に均等に分裂され、したがって、柱のように、板も0.5というZを有するため、スケーリング係数は0.5と概算することができる。一次モードよりも上のモードでも、板はおおよそ等しい数の正および負の自由度を有する。
本発明の吸収器は、様々な精密度で同調することができる。本発明の吸収器を最も精密に同調させるには、質量比を計算する際に、モード形状の振幅により正規化された、同調する目標となる各固有周波数のモード質量を有効質量(本明細書では、「有効モード質量」と呼ぶ)として使用することができる。有効モード質量は、仮に構造全体が共振周波数のうちの1つでの所与の励振ロケーションの場合に1自由度の「質量バネ」系のように扱われた場合に構造が有する質量である。有効モード質量は各周波数で異なるため、質量比μも各目標固有周波数で異なる。モード質量は、市販のモード解析ソフトウェアプログラム(例えば、MEScopeまたはModal Plus等)を介して決定される。このようなプログラムを使用して、較正された力を使用して構造を励振させ、加速度計を使用して、対象の構造的自由度にわたる応答、すなわち、構造の表面にわたる様々なポイントでの応答を測定して、モード調査が完了する。対象の周波数範囲についての固有値(固有周波数および減衰比)が、抽出され、各固有周波数の固有ベクトル(モード形状)が抽出される。ソフトウェアは、各モード形状の剰余を計算し、次に、各モードまたは周波数および自由度(すなわち、構造の表面上の各場所)のモード質量を計算する。モード解析は、Bruel & Kjaer North America Inc(Norcross,Georgia)から入手可能なMEScopeにより生成された。
状況によっては、構造の前から存在するモードと意図せずに望ましくなく相互作用する恐れがある明確な分裂周波数ピークの形成を最小に抑えるため、非常に低い質量比を使用して同調させることが好ましいことが分かっている。説明として、吸収器を目標固有周波数に同調させるために使用される質量比が、約0.04(4%)よりも大きい場合、その周波数分裂でのピークおよび2つの応答ピークは、高周波および低周波において生成される。質量比が約0.04未満の場合、分裂はあまり大きくないため、まるで応答周波数の振幅のみが低減されるかのように見えることが分かっている。元の周波数は実際には分裂されるが、分裂周波数は互いに近く、振幅が広く、重なる。図4は、0.04未満および0.04を超える質量比での周波数応答を示す。目標とされる固有周波数は68Hzである。3つの質量比を使用する3つの吸収器が実証される:μ=0.45(質量接触面積4.85cm2をそれぞれ有する26.2gの質量を有する27個の質量要素を使用する)、μ=0.10(これら質量要素のうちの6個を使用する)、およびμ=0.0336(これら質量要素のうちの2個を使用する)。分かるように、μ=0.0336においてのみ、2つの別個のピークの形成なしで減衰がある。このため、本発明の吸収器を同調させる場合、前から存在する構造モードとの意図的ではなく望ましくない相互作用を回避するために、低質量比を使用することが有利であり得る。
あるいは、周波数範囲にわたる多くの近傍モードがそれぞれ、周波数応答プロット上でピークとして見える2つの別個のモードに分裂される状況では、正味の影響は、当該周波数範囲にわたる全体的な減衰の向上であることができる。こういった状況では、0.04よりも高い質量比を使用する吸収器を同調させることが望ましいことがある。多くの質量比を使用する場合、分裂周波数は、全体の応答を低めるように前に存在するモードと相互作用する。いくつかのモードが所与の周波数範囲内で分裂される場合、結果として生じる構造的応答は、すべての新モードが重ね合わせられたものである。前から存在するすべての固有モードが、吸収器の使用を通して低減される場合、この重ね合わせは、吸収器がない場合の前から存在する構造の周波数応答よりも低い構造的応答になる。
単に同調振動吸収器の離散質量要素の質量を使用し、単に同調振動吸収器のバネ構成要素(すなわち、粘弾性層)の剛性を使用するのではなく、振動吸収器の取り付けジオメトリ、換言すれば、互いに関連するバネ構成要素および離散質量要素のジオメトリを考慮することが重要なことが意外にも分かった。特に、離散質量要素がバネ構成要素に接触する接触面積は、本発明の振動吸収器を同調させる際に考慮すべき重要な要因であることが分かった。本発明による吸収器を利用した構造の振動および/または音響放射の挙動は、式1よりも以下の式により正確に予測される。
ω=(k*/(m/A))1/2 (4)式中:
ωは振動または音響放射の周波数であり(rad/s単位)、
mはシステムの質量構成要素、すなわち、各離散質量要素の質量であり(グラム単位)、
Aは、各質量要素と粘弾性層との接触面積であり(cm2単位)(本明細書では「質量接触面積」または「接触面積」とも呼ばれる)、
*はシステムのバネ構成要素、すなわち、粘弾性層の正規化された動剛性であり(N/cm/cm2単位)、質量接触面積で除算することにより正規化されたバネ構成要素の動剛性(k/A)として定義される。
動剛性は、図3に示す試験設備を使用する動的加振機試験において求められる。加速度計20または光学プローブ(図示せず)を使用して、質量要素変位/加速度を検出することができ、質量要素変位/加速度は、周波数解析器22により共振周波数に変換され、加振機30上に離散質量要素34、粘弾性層2、および支持プラテン28を含む試験設備と併せて使用されて、試験設備のシステムの周波数が測定される。次に、試験設備に使用されるバネ構成要素の動剛性が、以下の式(式1を再編成することにより得られる)に従って求められる:
k=mω2
本発明の吸収器内の粘弾性層の典型的な力/たわみ挙動は、たわむ位置、バネ構成要素の予圧または予荷重、ならびに質量接触面積および/または接触ジオメトリ(接触面積の実際の形状)を含むいくつかの変数にかなり依存するため、動的加振機試験を使用するバネ構成要素の剛性を経験的に求めることが重要なことが分かった。
式1のみに基づいて、モーダル高密度構造の間隔の狭い固有周波数に吸収器を正確かつ高い信頼度で同調させることが不可能なことが分かった。これは表1中のデータから示される。
Figure 2011502236
このデータから分かるように、式1により予測された周波数は、3倍も実測周波数からずれ得る。予想外なことに、実質的に等しい質量を有するが、異なる質量接触面積を有する、異なる質量要素を使用した、異なる吸収器は、2倍を超えてばらつく周波数を示すことが分かり、その一方で、1個の質量要素が他方の質量要素の質量の23倍の質量を有する、異なる質量要素を使用した、異なる吸収器は、同じ固有周波数(等しい剛性で)を示すことが分かった。広くばらつく質量および接触面積にも拘わらず、質量対接触面積との比率が近い場合、粘弾性層の正規化された動剛性が一定の場合、質量要素により対処される固有周波数も近い。
本発明の吸収器は、振動構造の表面上に分散される少なくとも1つの粘弾性層を含む。吸収器は、振動構造のすべてまたは大部分を覆うことができる。本発明による吸収器は、構造に連続して、もしくは部分的に接着もしくは機械的に点結合してもよく、または構造に対する他の任意の物理的な接触装置を有してもよい。他の多くの取り付け方法を使用可能なことを当業者は理解するであろう。粘弾性層として使用するために選択された材料は、目標固有周波数に関して適切な剛性を有し、所与の用途の質量要素の累積質量に適応することができる。粘弾性層は、安定した性能を保証するために、材料の寿命にわたって変わらない剛性を提供すべきでもある。吸収器の粘弾性層の剪断強さは、粘弾性層は一旦設置された離散質量要素の重量を、剥離、撓み、剛性変化、または寸法的歪みなく垂直または水平に、重力に反して支持しなければならないため、用途によっては重要であり得る。建物の間仕切りおよび他のモーダル高密度構造に適用されて、低周波、すなわち500Hz未満の振動および/雑音を制御するための振動および/または音響吸収器は、大きな全質量を有する。剪断強さの低い粘弾性層材料は、特に吸収器が垂直に設置される場合、重力を受けてたわむか、または剥離する。粘弾性層として使用するのに適した材料の例としては、メラミン、シリコーン、ポリオレフィン、およびポリウレタン発泡体等の連続気泡または独立気泡の発泡体、有機繊維または無機繊維から作られた様々な繊維材料、およびそれらの組み合わせ、ならびに膜、ポリマーシート、または接触しているときに質量要素共振を支持するために必要なバネのような特性を示す任意の材料および構造が挙げられる。粘弾性層は、任意選択的に、膜、スクリム、メンブレン、または金属層等の追加の層を含むことができる。粘弾性層は、均一または不均一の材料であることができる。
本発明の吸収器は、粘弾性層に接触した複数の離間された離散質量要素を含む。各離散質量要素は、上述した式に従って振動構造の目標固有周波数ωに同調する。質量構成要素は、本明細書における式3および式4の解に基づいて選択される。式3(質量比)は、二次質量、すなわち、同じ周波数に同調した離散質量要素の累積質量について解かれる。吸収器に使用する粘弾性層を選択した後、式4をm/Aについて解くことができる。
質量要素は、接着剤または機械的な取り付け等を含む任意の既知の手段により粘弾性層に取り付けることができる。質量要素は、粘弾性層内に埋め込んでもよく、または複数の隣接する粘弾性層の間に配置してもよい。離散質量要素は、好ましくは、所与のモードでの有効モード質量が比較的低い箇所に配置される。特定のモードの運動がゼロであるか、または非常に小さい波節領域では、有効モード質量は非常に大きくなり、したがって、これら箇所への質量要素の配置は、殆ど効果がない。
質量要素は、すべて同じ材料から作られてもよく、または異なる材料から作られてもよい。質量要素の材料は、好ましくは、非腐食性であるか、または吸収器が使用される環境に他のいかなる悪影響も示さず、接触する他の材料と適合性がある。質量要素は、湾曲した機器カバー、パイプ等の変わった形状の振動構造に合うように、可撓性材料から作ることができる。質量要素は様々な形状およびサイズを有することができる。二次元壁またはパイプのような円形状を覆うために使用されるような多くの用途では、質量要素は、複合体が薄く、可撓性を有し、かつ様々な表面に適合可能なように比較的平坦で小さくよい。質量要素は、都合のよいように、例えば、平坦な固体要素、円盤、座金等のドーナツ形等であり得る。上述したように、同じ周波数に同調したすべての質量要素の累積質量比μが約0.04未満になるような極めて小さな質量を有する個々の質量要素の使用により、望ましくないピーク分裂を回避できることが分かった。各質量要素は、約50g未満、さらには約1g〜20gの質量を有する。(m2/A)比は5g/cm2未満であり得る。質量要素は、式3および式4に従って応答周波数が振動構造に存在する目標固有周波数に実質的に合うように選択される。構造に存在する目標固有周波数に実質的に等しい吸収器周波数を提供する質量要素の使用により、構造から発せられる目標振動および/または雑音の吸収に有効な吸収器になる。
質量要素の質量、質量接触面積、および/または粘弾性層の剛性は、構造の複数の固有周波数を目標とするように、本発明による吸収器内で変更可能である。従来の振動吸収器では、当業者は、吸収器の剛性kおよび吸収器の質量mを式1に従って調整することにより、吸収器を同調させる。本発明によれば、ωlow〜ωhighの周波数範囲内のいくつかの不要共振を減衰するように吸収器を同調させるために、吸収器の正規化動剛性k* low(通常、均一な材料の場合、比較的一定した値)および吸収器の質量m2,lowはまず、式4に従って対象となる最低周波数に対処するように選択される:ωlow=(k* low/(m2,low/A))1/2。次に、質量、接触面積、および/または剛性に対する変更が行われる。
吸収器の剛性および接触面積が一定であると仮定して、吸収器をωlow〜ωhighの範囲にわたって有効にするために必要な吸収器の質量要素の質量の変更が計算され、吸収器の剛性および接触面積が一定の場合、(ωlow/ωhigh2=m2,high/m2,lowであることが式4から認識され、m2,highについて解くことが可能である。同じ接触面積を有し、ma1〜ma2の間で変化する質量を有する離散質量要素を吸収器内に含め、それにより、吸収器を使用してωlow〜ωhighの周波数範囲に対処することができる。振動構造の複数の目標固有周波数に同調した複数の離散質量要素セットを吸収器内に使用して、広帯域振動および/または雑音低減を提供することができる。
同様に、式4において認識されるように、接触面積は共振周波数に影響する。すなわち、ω2=k*/(m2/A)=A×k*/m2である。式中、Aは各質量要素と粘弾性層との質量接触面積である。質量要素の接触面積をある面積範囲にわたって変更することにより、ある範囲の周波数に対処することが可能である。質量および接触面積は、図2に示すように、様々なサイズおよび形状の質量要素を粘弾性層上に含めることにより、同時に変更することができる。
質量および面積が一定の場合に式4から、(ωlow/ωhigh2=klow/khighまたは(ωlow/ωhigh)=(klow/khigh1/2であることが認識され、ωlow〜ωhighの範囲にわたって有効な吸収器になるようにするために必要な粘弾性層の剛性の変更を求めるために、khighについて解くことが可能である。次に、層の剛性がklow〜khighの間で変化するように、吸収器の粘弾性層を変更または設計することができる。このようにして、単一の吸収器によりωlow〜ωhighの周波数範囲に対処することができる。
単一の粘弾性層内に可変剛性を付与する様々な手段を利用することができる。多くの用途では、局所剛性を空間的に反復パターンで変更することが有利である。この剛性変化は、切断、積層、ラミネート、物理的な塗布等による粘弾性層断面プロファイル形成等、均一な粘弾性層が相対的により厚い部分およびより薄い部分を有するように層の厚さを変更することにより達成することができる。層の厚さおよび密度を変化させる手段としては、キルティング、スティッチング、ピン止め等、および特定のパターンの断面プロファイルを有する粘弾性層を形成する他の任意の手段が挙げられる。図9は、層のより厚い部分32およびより薄くより高密度の部分34が形成されるキルティングされた粘弾性層30の断面を示し、部分34はより高い剛性を有する。あるいは、層の厚さを変更させずに、化学的または機械的に粘弾性層を剛化することにより、剛性を局所的に変化させて、不均一な材料を形成してもよい。化学的な剛化は、化学的融合、含浸、または高密度化等による局所的な化学的構造変化を生じさせることができる。発泡体粘弾性層の剛性を変化させる一手段は、発泡体の気泡の支柱を機械的にあるパターンで押しつぶして、所望の空間剛性分布にすることによるものである。物理的な剛化の例としては、熱、UV、X線、IR等のエネルギーを照射して、局所的な重合、架橋等により性質を局所的に変更することが挙げられる。上記手段の組み合わせも可能である。構造に別の層をラミネートすることにより、または剛化層を追加することにより、さらに達成することができる。より低い剛性を有する粘弾性層の領域では、より低い固有周波数を吸収することができ、同時に、より高い剛性を有する粘弾性層の領域では、より高い固有周波数を吸収することができる。
質量要素の質量、質量接触面積、および/または粘弾性の剛性の変更の組み合わせを吸収器内で同時に利用して、対象周波数範囲に対処するために、吸収器の周波数を変更することができる。
本発明の一実施形態によれば、本発明の吸収器は、モーダル高密度構造内の特定の固有周波数での振動減衰および音響放射減衰の改良を実現するように精密に設計し同調させることができる。この実施形態では、対象周波数範囲にわたる音圧レベルの振幅が分かり、空間的に構造の表面にわたる各周波数でのモード形状が分かるように、構造の固有周波数がまず解析される。少なくとも2つの特定の固有周波数が、減衰されるものとして選択される。これら選択された周波数に基づいて、粘弾性層の剛性ならびに離散質量要素の質量および接触面積が、式3および式4を使用して決定される。モード解析により求められた波節および波腹の空間的な場所の知識に基づいて、効果を最大にするために、離散質量要素が、粘弾性層の好ましくは波腹に、または波腹付近に取り付けられる。波節に取り付けられた質量は構造からの振動および音響放射に対して効果を持たないため、好ましくは、この実施形態によれば、波節は回避される。
本発明の別の実施形態によれば、本発明の吸収器は、特定の固有周波数ではなく、構造内の様々な固有周波数にわたる振動減衰および音響放射減衰の改良を実現するように設計される。この手法は、特定の固有周波数を目標としそれに同調するよりも精密さは低いが、上述した質量要素の質量の変更、質量接触面積の変更、および/または粘弾性層の剛性の変更の使用を通して、複数の固有周波数での振動および音響放射を、単一の粘弾性層を利用した単一の吸収器で減衰することができる。この実施形態では、構造内に存在するモードの完全な研究は必要ない。むしろ、対象周波数範囲が識別される。粘弾性層ならびに離散質量要素のサイズおよび形状が選択される。質量要素は、粘弾性層の表面上に配置される。質量要素によっては、有効ではない場所、すなわち波節またはその付近に配置されるものもあるが、この実施形態は製造が経済的であると共に、低周波であっても振動および音響放射の減衰に有効であることが分かった。質量要素は、例えば、互いに少なくとも1.5cm離れて粘弾性層上に配置することができる。粘弾性層上または粘弾性層内のスペースが制限され、したがって、多くの質量要素を同じ粘弾性層上に実際に配置するために、各離散質量要素の質量と接触面積との比は、例えば、5g/cm2未満であり得ることが認識される。
壁等の多くのモーダル高密度構造では、特に低周波数の振動および音響放射は、受動制御方法を利用してなくす、または大幅に低減することが困難なままであった。本発明の吸収器は、可聴範囲内の周波数および約1000Hz未満、さらには約500Hz未満、およびさらには約350Hz未満を含む低周波での振動および雑音放射の低減に有効であることが分かった。様々な方法を利用して、本発明の吸収器の改良を実証することができる。一手法によれば、構造が広帯域入力励振により励振した場合、応答関数は、ある対象周波数範囲にわたる狭帯域スペクトル内の周波数においてより低い音圧レベル(SPL)またはより低い機械的振動を有する。本発明は、オクターブ周波数範囲のいくらかの部分、例えば、およそ1/3オクターブ帯範囲にわたる狭帯域周波数応答関数スペクトルを連続して改良することに有用である。例えば、当該オクターブが125Hz〜250Hzである場合、SPLの連続した低減が、125Hz〜157Hz、すなわちオクターブ帯の最初の1/3で達成することができる。
改良を定義する別の方法によれば、振動および音響吸収器は、従来技術と比較した場合、約4000Hz未満の周波数において平均で、雑音および/または振動の全体レベルを少なくとも1dB(Aスケール)低減する。
改良を定義する別の方法によれば、振動および音響吸収器は、約4000Hz未満の周波数において平均で、雑音および/または振動の全体レベルを少なくとも3dB(Aスケール)低減する。この改良は、本発明の吸収器を利用した構造の周波数応答と吸収器なしの構造の周波数応答とを比較することにより求められる。
改良を定義する別の方法によれば、比較のための周波数応答を、狭帯域スペクトルデータを使用して、または代替として、周波数スペクトル解析器で決定された1/12または1/3オクターブ帯解析を使用して評価されたデータを使用して、記録することができる。周波数範囲にわたって連続した改良があるか否かを判断しようとする場合、計算された1/3または1/12オクターブ帯データを使用して、各帯内の本発明による吸収器を使用した構造のデータ(SPL、TL、または機械的振動)を、本発明による吸収器なしの構造のデータと比較することが便利であり得る。この改良は、任意の3つの隣接する1/12オクターブ帯で少なくとも1dBの改良があり、かつ任意の2つの隣接する1/3オクターブ帯で少なくとも1dBの改良がある場合、連続であるとみなされる。あるいは、周波数応答関数は、オクターブ帯データ解析器を使用して集めることができ、任意の2つの隣接したオクターブ帯で少なくとも1dBの改良がある場合、連続であるとみなされる。
本発明の吸収器は、粘弾性層と、粘弾性層に対応し、粘弾性層に接触する複数の離散質量要素とが交互になった複数の層を含むこともできる。単一の粘弾性層および対応する複数の離散質量要素を有する各吸収器層を、別個の周波数範囲または帯内に存在する固有周波数に同調させることができる。本明細書において説明した質量、接触面積、および/または剛性を変更する手段は、層毎に変更することができる。例えば、質量要素をあるモードの波腹線に沿ってある粘弾性層上に配置することができ、その一方で、吸収器の別の粘弾性層上に、質量要素を減衰する別のモードの波腹線に沿って配置することができる。
本明細書において開示したすべての実施形態では、本発明の吸収器の減衰の増大は、雑音伝送の低減に有益である。1%、さらには5%、さらには10%以上の減衰率での共振応答の大幅な低減が可能である。粘弾性層の既知の典型的な減衰率は、約0〜約0.5(50%)である。
本発明の吸収器は、音または振動が発せられる振動面、例えば、壁、間仕切り、天井、床、カーテン、機器エンクロージャ(ポンプ、コンプレッサ、モータ、エンジン、カム等の筐体)、絶縁パネル、工業防音壁、道路防音壁、テント、自動車遮音材、ならびに列車および軍事車両上の防音壁での使用に適する。本発明の吸収器は、このような表面の部分にも有効に使用することができる。吸収器の材料は、サイズに容易に切断され、設置される。吸収器は、湾曲面およびパイプを含む様々な形状上に設置可能である。本発明による吸収器は、吸収器、防音壁、およびダンパー等の他の雑音低減方法と組み合わせることができる。
実施例1
本発明による吸収器を、キルティングにより生み出されたパターンを有する剛性変化を有する連続気泡メラミン発泡体(IIIbruck Acoustic Inc.(Minneapolis,Minnesota)からの白色Willtec(登録商標)発泡体)の層を使用して形成した。元のメラミン発泡体層は、13mm厚であり、坪量9.4kg/m3、固有通気抵抗120レイル、および比較的一定の平均正規化動剛性k*3,500N/m/cm2を有した(本明細書に説明され、図3に示された試験設備を使用して求めた)。この発泡体の両側を0.1mm厚、17g/m2坪量ナイロン6,6不織布スクリムを使用してキルティングした。約11cm×11cmの菱形パターンが発泡体にキルティングされ、結果として、厚さが6mmから13mmの間でばらついた。
実施例の吸収器に使用した質量要素は、外径2.54cmで中央に穴があり、断面積3.35cm2の、亜鉛がコーティングされた平坦な円盤状の鋼であった。個々の質量要素の重量と質量接触面積との比率は、個々の質量要素の質量および質量要素の断面積の両方を変更することによって様々にした。質量要素の重量は4.65g〜6.6gの間で様々であり、平均重量は5.69g(標準偏差0.45)であった。質量要素を以下のパターンでキルティングされたメラミン発泡体層の表面上に分散させた:キルティングされた菱形の4つの角のうちの3つの近傍毎に3個の質量要素。質量要素から縫い線までの距離は様々であった。2つの隣接する質量要素の縁の最も狭い間隔は約2cmであり、結果として、質量要素の密度は1.07kg/m2であった。
実施例の吸収器を、後述するラミネートプロセスにより製作した。酢酸ビニル水性接着剤(efi Polymers(Denver,Colorado)から入手可能なWA2173)をローラによりキルティングされたメラミン発泡体層の片面上に約0.3kg/m2の速度で塗布した。質量要素を接着剤層上に配置し、不織布層を質量要素上に配置した。不織布層は、13mm厚、0.2kg/m2坪量、および94レイル固有通気抵抗を有するメルトブローポリプロピレン層(Kimberly Clark(Dallas,Texas)から入手可能なSP−500)であった。次に、接着剤を使用して、キルティングされた追加のメラミン発泡体層を不織布層にラミネートし、続けて、坪量1lb/ft2(4.9g/m2)を有するビニル塗布された3mm厚の柔軟な非強化質量バリアを追加の発泡体層にラミネートした。結果として、吸収器は約38mm厚になり、以下の完全な構造を有した:キルティングされた発泡体、質量要素、不織布層、キルティングされた発泡体、柔軟な質量バリア。吸収器の全体坪量は7.66kg/m2であり、吸収器の全体サイズは2.44m×2.44mであった。
比較のための吸収器を、同様であるが、質量要素なしで準備した。この吸収器の全体坪量は6.34kg/m2であった。
実施例の吸収器および比較のための吸収器を、製造後少なくとも2週間、室温で調整した。さらに、音響試験前に、吸収器を制御された室温(T=23℃およびRH=60%)で24時間調整した。ASTM E90に準拠した音源残響室および受音残響室を含む実験室設備を使用して、狭帯域音圧レベル(SPL)(1Hzサンプリング分解能)データの形態の周波数応答データを得た。比較のための吸収器および本発明による吸収器を試験枠にネジで固定し、次に、スプレー接着剤(3M 77)を使用して、キルティングされた発泡体層を板表面にしっかりと接触された状態で受音室側のアルミニウム板(寸法2mm×2.44m×2.44mおよび全体重量32kgを有する)にしっかりと固定した。吸収器の質量バリア層表面を受音室に露出させた。アルミニウム板を、ネオプレンガスケットを使用して枠から離した状態で、音源室と受音室との間の試験開口部の枠内に垂直に挿入した。縁をシーリングして、側路雑音を防止した。試験に使用される励振は、音源室で作られた広帯域白色雑音であった。マイクロホンを受音室の中央に設置して、この場合、1Hz分解能の音圧レベル狭帯域データであったパネル周波数応答関数(FRF)を集めた。
図5から分かるように、振動アルミニウム板(線10)の周波数応答関数スペクトルは、ここで提示される周波数範囲(50Hz〜450Hz)ではモーダル高密度である。図5は、振動吸収器が適用されていないアルミニウム板の周波数応答(線10)、比較のための吸収器が適用された板の周波数応答(線11)、および本発明による実施例の吸収器が適用された板の周波数応答(線12)を比較している。実施例の吸収器は、100Hzから280Hzまでの周波数範囲にわたり、比較例と比較して、SPL狭帯域データにおいて3〜10dBの連続した改良を提供する。
図6は、同じ実験であるが、1/3オクターブ帯でデータがとられた透過損失(TL)を示す。実施例の吸収器(線12)が、100Hzから250Hzまでの周波数範囲にわたり、比較のための吸収器(線11)と比較して、3〜5dBの連続したTL改良を提供することが分かる。
実施例2
本発明による吸収器を、実施例1でのように、正規化動剛性k*3,500N/m/cm2を有する連続気泡メラミン発泡体(IIIbruck Acoustic Inc.からの白色Willtec(登録商標)発泡体)の層を使用して形成した。
実施例の吸収器に使用した質量要素は、外径25cmで中央に小さな穴があり、断面積4.85cm2の、亜鉛がコーティングされた平坦な円盤状の鋼であった。個々の質量要素の重量と質量接触面積との比率は、個々の質量要素の質量を変更することによって様々にした。同じ断面積および異なる質量を有する3セットの質量要素を選択した。1セットの質量要素は、平均重量6g(標準偏差0.1)および質量比率μ1 0.0245を有し、1セットの質量要素は、平均重量12g(標準偏差0.6)および質量比率μ2 0.0245を有し、1セットの質量要素は、平均重量18g(標準偏差0.03)および質量比率μ3 0.0203を有した。質量比率は、一次質量としてアルミニウム板の全体重量を使用して計算した。質量要素を、以下の交互になった順番で同重量の質量要素の垂直行に沿ってメラミン発泡体層の表面上に分散させた:6g−12g−6g−18g−6g−12g。隣接する質量要素の中心間隔は、水平方向および垂直方向において102mmであった。2つの隣接する質量要素の縁の最も近い間隔は約76cmであり、結果として、質量要素の密度は0.92kg/m2であった。
実施例の吸収器を、後述するラミネートプロセスにより製作した。0.1mm厚、17g/m2坪量ナイロン6,6不織布スクリムを発泡体の上に配置した。酢酸ビニル水性接着剤(efi Polymersから入手可能なWA2173)をスプレーにより発泡体の片面上に約0.05kg/m2の速度で塗布した。質量要素を接着剤層上に配置し、不織布層を質量要素上に配置した。不織布層は、13mm厚、0.2kg/m2坪量、および94レイルの固有通気抵抗を有するメルトブローポリプロピレン層(Kimberly Clark(Dallas,Texas)から入手可能なSP−500)であった。次に、接着剤を使用して、ビニル塗布された3mm厚の柔軟な非強化質量バリア(1psf−4.9g/m2)を不織布層にラミネートした。結果として、吸収器は約25mm厚であり、以下の完全な構造を有した:発泡体、質量要素、不織布層、柔軟な質量バリア。吸収器の全体坪量は6.88kg/m2であり、吸収器の全体サイズは2.44m×2.44mであった。
比較のための吸収器を、同様であるが、質量要素なしで準備した。この吸収器の全体坪量は5.95kg/m2であった。
実施例1において説明したように、実施例の吸収器および比較のための吸収器を調整し、狭帯域音圧レベル(SPL)(1Hzサンプリング分解能)データの形態の周波数応答データを得た。
図7は、周波数範囲約50Hz〜約160HzにわたるSPL狭帯域データに関して、吸収器なしのアルミニウム板の周波数応答(10)と比較した場合の本発明の吸収器の改良された性能(14)を示すと共に、周波数範囲約80Hz〜約160HzにわたるSPL狭帯域データに関して、比較のための吸収器(13)を有するアルミニウム板の周波数応答と比較した場合の本発明の吸収器の改良された性能(14)を示す。
実施例3
2つの粘弾性層および両粘弾性層に接触した2セットの対応する質量要素を有する本発明による吸収器を形成した。この吸収器は、40.64cm離間されたスタッドを有するモーダル高密度壁用に構成した。第1の粘弾性層を実施例1において使用した発泡体層から形成した。実施例1において説明したように、発泡体の両面に不織布スクリムをキルティングした。
2セットの質量要素を、第1の粘弾性層に接触させて使用するために選択した。第1のセットは、外径2.54cmで中央に穴があり、断面積3.35cm2の、亜鉛がコーティングされた平坦な円盤状の鋼であった。個々の質量要素の重量と質量接触面積との比率は、個々の質量要素の質量および質量要素の断面積の両方を変更することによって様々にした。質量要素の重量は4.65g〜6.6gの間で様々であり、平均重量は5.69g(標準偏差0.45)であった。第2のセットの質量要素は、外径25.4mmで中央に小さな穴があり、断面積4.85cm2の円盤状の鋼であった。質量要素の重量は19.0g〜19.6gの間で様々であり、平均重量は19.4g(標準偏差0.14)であった。質量要素をキルティングされたメラミン発泡体層の表面上に12垂直行で発泡体の1.32m幅にわたって分散させた。
連続気泡メラミン発泡体(IIIbruck Acoustic Inc.からのグレーWilltec(登録商標)発泡体)の層を使用して、第2の粘弾性層を形成した。メラミン発泡体層は、13mm厚、坪量9.4kg/m3、170レイルの固有通気抵抗、および比較的一定の平均正規化動剛性k*870N/m/cm2を有した。
2セットの質量要素を第2の粘弾性層に接触させるために選択した。第1のセットは、外径2.54cmで中央に穴があり、断面積3.35cm2を有する、亜鉛がコーティングされた平坦な円盤状の鋼であった。個々の質量要素の重量と質量接触面積との比率は、個々の質量要素の質量を変更することによって様々にした。質量要素の重量は3.2g〜4.9gの間で様々であり、平均重量は3.9g(標準偏差0.44)であった。第2のセットの質量要素は、外径25.4mmで中央に小さな穴があり、断面積4.85cm2の円盤状の鋼であった。質量要素の重量は19.0g〜19.6gの間でばらつかせ、平均重量は19.4g(標準偏差0.14)であった。質量要素をキルティングされたメラミン発泡体層の表面上に9垂直行で発泡体の1.32m幅にわたって分散させた。結果として、質量要素の全体密度は、第1の層では0.94kg/m2であり、第2の層では0.33kg/m2であった。
実施例の吸収器を、後述するラミネートプロセスにより製作した。酢酸ビニル水性接着剤(efi Polymersから入手可能なWA2173)をローラにより第1の発泡体層の片面上に約0.3kg/m2の速度で塗布した。対応するセットの質量要素を接着剤層上に配置し、両面にナイロン6,6スクリムがラミネートされた第2の発泡体層を、質量要素上に配置した。別の接着剤層を第2の発泡体層上に塗布し、対応するセットの質量要素を接着剤上に配置した。約20mm厚、0.33kg/m2坪量、および130レイルの固有通気抵抗を有するメルトブローポリエステル層を質量要素上に配置した。この組立体には、柔軟な質量バリアは使用しなかった。結果として、吸収器は約38mm厚であり、以下の完全な構造を有した:キルティングされた発泡体、質量要素、発泡体、不織布層。吸収器の全体坪量は3.14kg/m2であり、吸収器の全体サイズは3.0m×4.3mであった。
比較のための吸収器を、質量要素なし、柔軟な質量バリアを追加して準備した。この吸収器の全体坪量は6.75kg/m2であった。比較例は、本発明による吸収器の重量の約2倍の重量を有した。
吸収器を、各側に16mm石膏板を有する単一の非絶縁性鋼スタッド壁に、3.0m×4.3mの面積にわたって適用した。この壁を試験枠内の直接組み込み、音源室と受音室との間を密閉した。
実施例1において説明したように、実施例の吸収器および比較のための吸収器を調整した。実施例1と同様であるが、異なる試験機器を使用して、狭帯域音圧レベル(SPL)(1Hzサンプリング分解能)データの形態の周波数応答データを得た。スピーカを音源室内に壁に面して壁から1インチのところに配置した。マイクロホンも同様に、受音室内に壁から1インチのところに配置した。マイクロホンの周りに半無響エンクロージャを使用して、試験環境からの音放射を防止した。
図8aおよび図8bは、50Hzから250Hzまでの周波数範囲での比較のための吸収器の性能(図8a)および実施例の吸収器の性能(図8b)を示す。実施例の吸収器は、比較のための吸収器の周波数応答と比較した場合、周波数範囲約60Hz〜約170HzにわたってTL(狭帯域データ)に関して改良された性能を示すと共に、吸収器なしの金属製スタッド壁の周波数応答と比較した場合、周波数範囲約100Hz〜170HzにわたってTLに関して改良された性能を示す。

Claims (27)

  1. a)有効質量を有するモーダル高密度振動構造上に分散される粘弾性層であって、前記振動構造は、広帯域入力励振により励振した場合、第1および第2の目標固有周波数が存在する周波数応答スペクトルを示す、粘弾性層と、
    b)前記粘弾性層に接触した複数の離散質量要素であって、前記離散質量要素の第1の部分は、前記第1の目標固有周波数での振動を吸収するように同調し、前記離散質量要素の第2の部分は、前記振動構造の前記第2の目標固有周波数での振動を吸収するように同調する、複数の離散質量要素と、
    を備える、振動吸収器。
  2. 前記吸収器は、
    a)前記離散質量要素の接触面積を変化させること、
    b)前記粘弾性層の剛性を変化させること、または
    c)これらの組み合わせ
    からなる群から方法の1つを選択することにより、前記固有周波数での振動を吸収するように同調する、請求項1に記載の振動吸収器。
  3. 前記振動構造の固有周波数に同調した前記離散質量要素の累積質量と前記対応する固有周波数での前記振動構造の有効質量との質量比率は、約0.04未満である、請求項1に記載の振動吸収器。
  4. 前記複数の離散質量要素は、異なる質量値を有する質量要素を有することにより、複数の目標固有周波数に同調する、請求項1に記載の振動吸収器。
  5. 前記複数の離散質量要素は、異なる質量接触面積を有する質量要素により、複数の目標固有周波数に同調する、請求項1に記載の振動吸収器。
  6. 可変剛性を有する粘弾性層により、複数の目標固有周波数に同調する、請求項1に記載の振動吸収器。
  7. 前記離散質量要素の質量、前記離散質量要素の質量接触面積、および前記粘弾性層の剛性からなるリストから選択されるパラメータのうちの2つ以上が同時に変更される、請求項1に記載の振動吸収器。
  8. 同じ周波数に同調した前記複数の離散質量要素は主に、前記同調された固有周波数に関連する前記構造振動モードで示される波腹に分散される、請求項1に記載の振動吸収器。
  9. 同じ周波数に同調した複数の離散質量要素は、前記振動吸収器上に均等に分散される、請求項1に記載の振動吸収器。
  10. 同じ周波数に同調した複数の離散質量要素は、前記振動吸収器上にランダムに分散される、請求項1に記載の振動吸収器。
  11. 少なくとも1/3オクターブ帯周波数範囲にわたり前記振動構造から発せられる振動のレベルを連続して有効に低減する、請求項1に記載の振動吸収器。
  12. 狭帯域周波数スペクトルを使用して1/3オクターブ帯内の大半の周波数での前記振動構造から発せられる振動のレベルを有効に低減する、請求項1に記載の振動吸収器。
  13. 1000Hz未満の固有周波数ピークでの振動を低減する、請求項1に記載の振動吸収器。
  14. 前記複数の離散質量要素のそれぞれは、約50g未満の質量を有する、請求項1に記載の振動吸収器。
  15. 前記複数の離散質量要素のそれぞれは、約1g〜約20gの質量を有する、請求項1に記載の振動吸収器。
  16. 前記離散質量要素は、少なくとも約1.5cm離間される、請求項1に記載の振動吸収器。
  17. 前記複数の離散質量要素のそれぞれの質量と前記質量接触面積Aとの比率は、約5g/m2未満である、請求項1に記載の振動吸収器。
  18. 前記複数の離散質量要素上に分散された第2の粘弾性層をさらに備える、請求項1に記載の振動吸収器。
  19. 前記複数の離散質量要素上に分散した前記第2の粘弾性層は、前記第1の粘弾性層と異なる、請求項18に記載の振動吸収器。
  20. 前記第2の粘弾性層に接触した第2の複数の離散質量要素をさらに備える、請求項18に記載の振動吸収器。
  21. 前記複数の離散質量要素上に分散された複数の追加の吸収器層をさらに備え、各追加の吸収器層は、粘弾性層および前記粘弾性層に接触した複数の離散質量要素を備える、請求項1に記載の振動吸収器。
  22. 前記粘弾性層は、前記粘弾性層の平面に対して局所剛性変動を有するキルティングされた発泡体層を備える、請求項1に記載の振動吸収器。
  23. 前記粘弾性層は、より薄い部分およびより厚い部分を備えた断面プロファイルを有し、前記第1の粘弾性層の前記より薄い部分は、前記第1の粘弾性層の前記より厚い部分よりも高い剛性を有する、請求項1に記載の振動吸収器。
  24. (a)構造の少なくとも1つのモーダル高密度振動表面と、
    (b)前記振動表面上に分散されて、少なくとも2つの異なる固有周波数で前記構造の前記表面から発せられる振動を減衰する、請求項1に記載の振動吸収器と、
    を備える、組立体。
  25. 前記構造は、壁の少なくとも一部、間仕切り、天井の少なくとも一部、床の少なくとも一部、カーテン、機器エンクロージャ、絶縁パネル、工業防音壁、道路防音壁、テント、および自動車両遮音材からなる群から選択される、請求項24に記載の組立体。
  26. 有効質量を有すると共に、少なくとも2つの目標固有周波数が存在する周波数応答スペクトルを示すモーダル高密度振動構造が広帯域入力励振により励振した場合、前記モーダル高密度振動構造の表面から発せられた振動および/または音の広帯域制御を提供する、改良された振動・音響吸収器であって、
    a)前記振動表面上に分散された、動剛性を有する粘弾性層と、
    b)前記振動構造の前記目標固有周波数に同調した、前記粘弾性層に接触した複数の離散質量要素と、
    を備え、
    前記吸収器は、以下の式:
    (i)質量比率μi=Σm2i/m1i
    (式中、Σm2iは、目標固有周波数ωiに同調した前記複数の離散質量要素の累積質量を表し、m1iは、固有周波数ωiでの前記振動構造の有効質量を表し、前記質量比率は約0.04未満である)、および
    (ii)ωi=(ki */(m2i/Ai))1/2
    (式中、
    iは前記固有周波数ωiの数であり、
    2iは同じ周波数ωiに同調した各離散質量要素の質量であり、
    i *は、i番目の固有周波数の前記粘弾性要素の正規化された動剛性であり、
    Aiは、各離散質量要素が前記粘弾性層に接触する接触面積である)
    に従って各目標固有周波数ωiに同調し、
    前記吸収器が少なくともi個の目標固有周波数に同調するように、前記離散質量要素の質量、前記離散質量要素の質量接触面積、および前記粘弾性層の剛性からなる群から選択される少なくとも1つのパラメータが、少なくともi個の値に設定される、改良された振動・音響吸収器。
  27. 有効質量を有すると共に、広帯域入力励振により励振した場合、第1および第2の目標固有周波数が存在する周波数応答スペクトルを示すモーダル高密度振動構造上に分散された粘弾性層と、前記粘弾性層に接触した複数の離散質量要素と、を備え、前記離散質量要素の第1の部分が、前記第1の目標固有周波数での振動を吸収するように同調し、前記離散質量要素の第2の部分が、前記振動構造の前記第2の目標固有周波数での振動を吸収するように同調する振動吸収器を構築する方法であって、
    a)前記構造の前記固有周波数を、
    I.対象周波数範囲にわたる音圧レベルの振幅、
    II.前記構造の表面上の各周波数でのモード形状、および
    III.波腹の場所
    について解析するステップと、
    b)減衰する少なくとも2つの特定の固有周波数を選択するステップと、
    c)前記粘弾性層の剛性、前記離散質量要素の質量、および前記離散質量要素の接触面積を計算するステップであって、
    I.ω=(k*/(m/A))1/2 (4)
    であり、式中、
    i.ωは振動または音響放射の周波数であり(rad/s単位)、
    ii.mは系の質量構成要素、すなわち、各離散質量要素の質量であり(グラム単位)、
    iii.Aは各質量要素と前記粘弾性層との接触面積であり(cm2単位)、
    iv.k*は、前記粘弾性層の正規化された動剛性であり(N/cm/cm2単位)、前記質量接触面積で除算されることにより正規化されたバネ構成要素の動剛性(k/A)として定義され、
    II.前記固有周波数ω1に同調した離散質量ユニットの質量比率は、μω1=Σm2ω1/m1ω1であり、式中、
    i.Σm2ω1は、周波数ω1に同調したすべての離散質量要素の和を表し、
    ii.m1ω1は、周波数ω1で振動する前記モーダル高密度振動構造の有効質量を表し、前記質量比率は約0.04に等しいステップと、
    d)前記離散質量要素を前記粘弾性層の波腹に、または波腹の近傍に適用するステップと、
    を含む、方法。
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