JP2011500859A - 置換ピロロトリアジン類およびそれらの使用 - Google Patents

置換ピロロトリアジン類およびそれらの使用 Download PDF

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Abstract

本願は、心血管疾患の処置および/または予防用のプロスタサイクリン(PGI)IP受容体活性化剤としての式(I)の新規置換ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン誘導体に関する。

Description

本願は、新規置換ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン誘導体、それらの製造方法、疾患の処置および/または予防のためのそれらの使用、並びに、疾患の処置および/または予防、特に心血管疾患の処置および/または予防用の医薬を製造するためのそれらの使用に関する。
プロスタサイクリン(PGI)は、アラキドン酸の誘導体である生物活性プロスタグランジンのクラスに属する。PGIは内皮細胞におけるアラキドン酸代謝の主な生成物であり、強力な血管拡張因子および血小板凝集の阻害因子である。PGIは、トロンボキサンA(TxA)の生理的アンタゴニスト、強力な血管収縮因子および血小板凝集の刺激因子であり、従って、血管ホメオスタシスの維持に貢献する。PGIレベルの低下は、種々の心血管疾患の発症の原因の一部であると考えられている[Dusting, G.J. et al., Pharmac. Ther. 1990, 48: 323-344; Vane, J. et al., Eur. J. Vasc. Endovasc. Surg. 2003, 26: 571-578]。
ホスホリパーゼAによるリン脂質からのアラキドン酸の放出後、PGIはシクロオキシゲナーゼにより、次いでPGI−シンターゼにより合成される。PGIは貯蔵されず、合成後即座に放出され、その効果を局所的に発揮する。PGIは、急速(半減期約3分間)かつ非酵素的に、不活性な代謝物の6−ケト−プロスタグランジン−F1アルファに変換される不安定な分子である[Dusting, G.J. et al., Pharmac. Ther. 1990, 48: 323-344]。
PGIの生物学的効果は、プロスタサイクリン受容体またはIP受容体と呼ばれる膜結合受容体への結合を介して生じる[Narumiya, S. et al., Physiol. Rev. 1999, 79: 1193-1226]。IP受容体は、7回膜貫通ドメインを特徴とするGタンパク質共役型受容体の1つである。ヒトIP受容体に加えて、プロスタサイクリン受容体は、ラットおよびマウスからもクローニングされている[Vane, J. et al., Eur. J. Vasc. Endovasc. Surg. 2003, 26: 571-578]。平滑筋細胞において、IP受容体の活性化は、ATPからcAMPの形成を触媒するアデニル酸シクラーゼの刺激を引き起こす。細胞内cAMP濃度の上昇は、プロスタサイクリンに誘導される血管拡張および血小板凝集の阻害を担う。血管作用特性に加えて、抗増殖性効果[Schroer, K. et al., Agents Actions Suppl. 1997, 48: 63-91; Kothapalli, D. et al., Mol. Pharmacol. 2003, 64: 249-258; Planchon, P. et al., Life Sci. 1995, 57: 1233-1240]および抗動脈硬化効果[Rudic, R.D. et al., Circ. Res. 2005, 96: 1240-1247; Egan K.M. et al., Science 2004, 114: 784-794]も、PGIに対して示されている。さらに、PGIは、転移の形成も阻害する[Schneider, M.R. et al., Cancer Metastasis Rev. 1994, 13: 349-64]。これらの効果が、cAMP形成の刺激によるものであるか、または、各々の標的細胞における他のシグナル伝達経路、例えば、ホスホイノシチドカスケードおよびカリウムチャネルのIP受容体に媒介される活性化[Wise, H. et al. TIPS 1996, 17: 17-21]によるものであるかは、不明である。
PGIの効果は、全体的に見ると治療的に有利なものであるが、PGIの臨床適用は、その化学的および代謝的な不安定さにより、厳しく限定される。より安定であるPGI類似体、例えば、イロプロスト[Badesch, D.B. et al., J. Am. Coll. Cardiol. 2004, 43: 56S-61S]およびトレプロスチニル[Chattaraj, S.C., Curr. Opion. Invest. Drugs 2002, 3: 582-586]が利用可能になったが、これらの化合物は、依然として作用時間が非常に短い。さらに、該物質は、例えば、持続注入、皮下または反復吸入による複雑な投与経路によってのみ患者に投与することができる。これらの投与形路は、また、さらなる副作用、例えば、注射部位での感染症または疼痛を有し得る。今日までに患者への経口投与に利用できる唯一のPGI誘導体であるベラプロスト[Barst, R.J. et al., J. Am. Coll. Cardiol. 2003, 41: 2119-2125]の使用は、その短い作用時間により再度限定される。
化学的および代謝的に安定な、経口で利用可能なIP受容体の活性化剤として作用し、疾患、特に心血管疾患の処置に適する新規物質を提供することが、本発明の目的である。
WO03/018589は、心血管疾患の処置用の4−アミノフロ[2,3−d]ピリミジンを、アデノシンキナーゼ阻害剤として記載している。他の4−アミノ−、4−オキシ−または4−チオ−置換フロ[2,3−d]ピリミジン誘導体および心血管疾患の処置のためのそれらの使用は、WO2007/079861およびWO2007/079862に記載されている。ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン部分構造を有する化合物は、WO2006/004833に、新生物性疾患の処置用のタンパク質キナーゼ阻害剤として記載されている。WO2006/004884は、ある種のピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン誘導体の製造方法を特許請求している。
本発明は、一般式(I)
Figure 2011500859
[式中、
Aは、OまたはN−Rを表し
{ここで、Rは、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキルまたは(C−C)−シクロアルケニルを表す}、
Mは、式
Figure 2011500859
の基を表し
〔式中、
#は、基Aへの結合点を表し、
そして、##は、基Zへの結合点を表し、
は、水素または(C−C)−アルキルを表し、これは、ヒドロキシルまたはアミノにより置換されていてもよく、
は、(C−C)−アルカンジイルまたは(C−C)−アルケンジイル{フッ素により一置換または二置換されていてもよい}、または、式*−L1A−V−L1B−**の基を表し
{式中、
*は、基−CHRへの結合点を表し、
**は、基Zへの結合点を表し、
1Aは、(C−C)−アルカンジイルを表し、これは、(C−C)−アルキルおよび(C−C)−アルコキシからなる群からの同一かまたは異なるラジカルにより一置換または二置換されていてもよく、
1Bは、結合または(C−C)−アルカンジイルを表し、これは、フッ素により一置換または二置換されていてもよく、
そして、
Vは、OまたはN−Rを表し、式中、Rは、水素、(C−C)−アルキルまたは(C−C)−シクロアルキルを表す}、
は、結合または(C−C)−アルカンジイルを表し、
は、(C−C)−アルカンジイル{これは、フッ素により一置換または二置換されていてもよく、そして、メチレン基は、OまたはN−Rにより置き換えられていてもよく、Rは、水素、(C−C)−アルキルまたは(C−C)−シクロアルキルを表す}を表すか、または、(C−C)−アルケンジイルを表し、
そして、
Qは、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルケニル、フェニル、5員ないし7員の複素環または5員または6員のヘテロアリールを表し、これらの各々は、フッ素、塩素、(C−C)−アルキル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、トリフルオロメトキシ、アミノ、モノ−(C−C)−アルキルアミノおよびジ−(C−C)−アルキルアミノからなる群からの2個までの同一かまたは異なるラジカルにより置換されていてもよい
{ここで、(C−C)−アルキルは、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、アミノ、モノ−またはジ−(C−C)−アルキルアミノにより置換されていてもよい}〕、
Zは、式
Figure 2011500859
の基を表し
{式中、###は、基LまたはLへの結合点を表し、
そして、Rは、水素または(C−C)−アルキルを表す}、
そして、
およびRは、同一であるかまたは異なり、相互に独立して、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルケニル、フェニル、5員ないし7員の複素環または5員または6員のヘテロアリールを表し、これらの各々は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルケニル、(C−C)−アルコキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、(C−C)−アルキルチオ、(C−C)−アシル、アミノ、モノ−(C−C)−アルキルアミノ、ジ−(C−C)−アルキルアミノおよび(C−C)−アシルアミノからなる群からの同一かまたは異なるラジカルにより一置換ないし三置換されていてもよいか{ここで、(C−C)−アルキルおよび(C−C)−アルコキシは、各場合で、シアノ、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルキルチオ、アミノ、モノ−またはジ−(C−C)−アルキルアミノにより置換されていてもよい}、
または、
および/またはRは、隣接する環内炭素原子に結合した2個のラジカルが一体となって式−O−CH−O−、−O−CHF−O−、−O−CF−O−、−O−CH−CH−O−または−O−CF−CF−O−の基を形成しているフェニルを表す]
の化合物、並びに、それらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物を提供する。
本発明による化合物は、式(I)の化合物およびそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物、式(I)に包含される下記の式の化合物およびそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物、並びに、式(I)に包含され実施例として後述する化合物およびそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物である(後述する式(I)に包含される化合物が、既に塩、溶媒和物および塩の溶媒和物でない場合に)。
本発明の化合物は、それらの構造に応じて、立体異性体形(エナンチオマー、ジアステレオマー)で存在し得る。従って、本発明はエナンチオマーまたはジアステレオマーおよびそれらの各々の混合物に関する。立体異性的に純粋な構成成分を、既知の方法で、このようなエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーの混合物から単離できる。
本発明の化合物が互変異性体で存在し得るならば、本発明は全ての互変異性体形を包含する。
本発明の目的上、好ましいは、本発明の化合物の生理的に許容し得る塩である。それら自体は医薬的適用に不適当であるが、例えば、本発明の化合物の単離または精製に使用し得る塩も包含される。
本発明の化合物の生理的に許容し得る塩には、鉱酸、カルボン酸およびスルホン酸の酸付加塩、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸および安息香酸の塩が含まれる。
本発明の化合物の生理的に許容し得る塩には、慣用の塩基の塩、例えば、好ましくは、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウムおよびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウムおよびマグネシウム塩)およびアンモニアまたは1個ないし16個のC原子を有する有機アミン(例えば、好ましくは、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルアミノエタノール、プロカイン、ジベンジルアミン、N−メチルモルホリン、アルギニン、リシン、エチレンジアミンおよびN−メチルピペリジン)由来のアンモニウム塩も含まれる。
溶媒和物は、本発明の目的上、溶媒分子との配位により固体または液体状態で錯体を形成している本発明の化合物の形態を表す。水和物は、配位が水とで起こっている溶媒和物の特定の形態である。水和物は、本発明に関して好ましい溶媒和物である。
さらに、本発明は、本発明による化合物のプロドラッグを含む。用語「プロドラッグ」には、それら自体は生物学的に活性であっても不活性であってもよいが、それらの体内残留時間中に(例えば代謝的または加水分解的に)本発明の化合物に変換される化合物が含まれる。
特に、Zが式
Figure 2011500859
の基を表す式(I)の化合物について、本発明は、これらの化合物の加水分解可能なエステル誘導体も含む。これらは、生理的媒体中、下記の生物学的試験の条件下で、特にインビボで、酵素的または化学的な経路により、生物学的に主に活性である化合物としての遊離カルボン酸に加水分解され得るエステルを意味すると理解すべきものである。アルキル基が直鎖または分岐鎖であってよい(C−C)−アルキルエステルは、このようなエステルとして好ましい。特に好ましいのは、メチルまたはエチルエステルである(ラジカルRの対応する定義も参照)。
本発明に関して、置換基は、特記しない限り、下記の意味を有する:
(C −C )−アルキル、(C −C )−アルキル、(C −C )−アルキルおよび(C −C )−アルキルは、本発明に関して、各々1個ないし6個、1個ないし5個、1個ないし4個および1個ないし3個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキルラジカルを表す。1個ないし4個、特に1個ないし3個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキルラジカルが好ましい。好ましく言及し得る例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、1−エチルプロピル、n−ペンチルおよびn−ヘキシルである。
(C −C )−アルケニル、(C −C )−アルケニルおよび(C −C )−アルケニルは、本発明に関して、各々2個ないし6個、2個ないし5個および2個ないし4個の炭素原子、並びに、1個または2個の二重結合を有する直鎖または分枝鎖のアルケニルラジカルを表す。2個ないし4個の炭素原子並びに1個の二重結合を有する直鎖または分枝鎖のアルケニルラジカルが好ましい。好ましく言及し得る例は、ビニル、アリル、イソプロペニルおよびn−ブト−2−エン−1−イルである。
(C −C )−アルキニルは、本発明に関して、2個ないし4個の炭素原子および1個の三重結合を有する直鎖または分枝鎖のアルキニルラジカルを表す。2個ないし4個の炭素原子を有する直鎖のアルキニルラジカルが好ましい。好ましく言及し得る例は、エチニル、n−プロプ−1−イン−1−イル、n−プロプ−2−イン−1−イル、n−ブト−2−イン−1−イルおよびn−ブト−3−イン−1−イルである。
(C −C )−アルカンジイルおよび(C −C )−アルカンジイルは、本発明に関して、各々1個ないし4個および1個ないし3個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の二価のアルキルラジカルを表す。各場合で、各々1個ないし4個および1個ないし3個の炭素原子を有する直鎖のアルカンジイルラジカルが好ましい。好ましく言及し得る例は、メチレン、エタン−1,2−ジイル(1,2−エチレン)、エタン−1,1−ジイル、プロパン−1,3−ジイル(1,3−プロピレン)、プロパン−1,1−ジイル、プロパン−1,2−ジイル、プロパン−2,2−ジイル、ブタン−1,4−ジイル(1,4−ブチレン)、ブタン−1,2−ジイル、ブタン−1,3−ジイルおよびブタン−2,3−ジイルである。
(C −C )−アルカンジイル、(C −C )−アルカンジイルおよび(C −C )−アルカンジイルは、本発明に関して、各々1個ないし7個、1個ないし5個および3個ないし7個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の二価のアルキルラジカルを表す。各場合で、各々1個ないし7個、1個ないし5個および3個ないし7個の炭素原子を有する直鎖のアルカンジイルラジカルが好ましい。好ましく言及し得る例は、メチレン、エタン−1,2−ジイル(1,2−エチレン)、エタン−1,1−ジイル、プロパン−1,3−ジイル(1,3−プロピレン)、プロパン−1,1−ジイル、プロパン−1,2−ジイル、プロパン−2,2−ジイル、ブタン−1,4−ジイル(1,4−ブチレン)、ブタン−1,2−ジイル、ブタン−1,3−ジイル、ブタン−2,3−ジイル、ペンタン−1,5−ジイル(1,5−ペンチレン)、ペンタン−2,4−ジイル、3−メチルペンタン−2,4−ジイルおよびヘキサン−1,6−ジイル(1,6−ヘキシレン)である。
(C −C )−アルケンジイルおよび(C −C )−アルケンジイルは、本発明に関して、各々2個ないし4個および2個ないし3個の炭素原子および2個までの二重結合を有する直鎖または分枝鎖の二価のアルケニルラジカルを表す。各場合で、各々2個ないし4個および2個ないし3個の炭素原子および1個の二重結合を有する直鎖のアルケンジイルラジカルが好ましい。好ましく言及し得る例は、エテン−1,1−ジイル、エテン−1,2−ジイル、プロペン−1,1−ジイル、プロペン−1,2−ジイル、プロペン−1,3−ジイル、ブト−1−エン−1,4−ジイル、ブト−1−エン−1,3−ジイル、ブト−2−エン−1,4−ジイルおよびブタ−1,3−ジエン−1,4−ジイルである。
(C −C )−アルケンジイルおよび(C −C )−アルケンジイルは、本発明に関して、各々2個ないし7個および3個ないし7個の炭素原子および3個までの二重結合を有する直鎖または分枝鎖の二価のアルケニルラジカルを表す。各場合で、各々2個ないし7個および3個ないし7個の炭素原子および1個の二重結合を有する直鎖のアルケンジイルラジカルが好ましい。好ましく言及し得る例は、エテン−1,1−ジイル、エテン−1,2−ジイル、プロペン−1,1−ジイル、プロペン−1,2−ジイル、プロペン−1,3−ジイル、ブト−1−エン−1,4−ジイル、ブト−1−エン−1,3−ジイル、ブト−2−エン−1,4−ジイル、ブタ−1,3−ジエン−1,4−ジイル、ペント−2−エン−1,5−ジイル、ヘキサ−3−エン−1,6−ジイルおよびヘキサ−2,4−ジエン−1,6−ジイルである。
(C −C )−アルコキシおよび(C −C )−アルコキシは、本発明に関して、各々1個ないし6個および1個ないし4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルコキシラジカルを表す。1個ないし4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルコキシラジカルが好ましい。好ましく言及し得る例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシおよびn−ヘキソキシである。
(C −C )−アルキルチオおよび(C −C )−アルキルチオは、本発明に関して、各々1個ないし6個および1個ないし4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキルチオラジカルを表す。1個ないし4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキルチオラジカルが好ましい。好ましく言及し得る例は、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、tert−ブチルチオ、n−ペンチルチオおよびn−ヘキシルチオである。
(C −C )−アシル[(C−C)−アルカノイル]、(C −C )−アシル[(C−C)−アルカノイル]および(C −C )−アシル[(C−C)−アルカノイル]は、本発明に関して、二重結合した酸素原子を1位に有し、1位を介して結合している、各々1個ないし6個、1個ないし5個および1個ないし4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキルラジカルを表す。1個ないし4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアシルラジカルが好ましい。好ましく言及し得る例は、ホルミル、アセチル、プロピオニル、n−ブチリル、イソブチリルおよびピバロイルである。
モノ−(C −C )−アルキルアミノおよびモノ−(C −C )−アルキルアミノは、本発明に関して、各々1個ないし6個および1個ないし4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル置換基を有するアミノ基を表す。1個ないし4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のモノアルキルアミノラジカルが好ましい。好ましく言及し得る例は、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノおよびtert−ブチルアミノである。
ジ−(C −C )−アルキルアミノおよびジ−(C −C )−アルキルアミノは、本発明に関して、各々1個ないし6個および1個ないし4個の炭素原子を有する2個の同一かまたは異なる直鎖または分枝鎖のアルキル置換基を有するアミノ基を表す。各場合で1個ないし4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のジアルキルアミノラジカルが好ましい。好ましく言及し得る例は、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチル−N−メチルアミノ、N−メチル−N−n−プロピルアミノ、N−イソプロピル−N−n−プロピルアミノ、N−tert−ブチル−N−メチルアミノ、N−エチル−N−n−ペンチルアミノおよびN−n−ヘキシル−N−メチルアミノである。
(C −C )−アシルアミノおよび(C −C )−アシルアミノは、本発明に関して、各々1個ないし6個および1個ないし4個の炭素原子を有し、カルボニル基を介して結合している直鎖または分枝鎖のアシル置換基を有するアミノ基を表す。1個ないし4個の炭素原子を有するアシルアミノラジカルが好ましい。好ましく言及し得る例は、ホルムアミド、アセトアミド、プロピオンアミド、n−ブチルアミドおよびピバロイルアミドである。
(C −C )−シクロアルキル、(C −C )−シクロアルキルおよび(C −C )−シクロアルキルは、本発明に関して、各々3個ないし7個、3個ないし6個および4個ないし6個の炭素原子を有する単環式飽和シクロアルキル基を表す。3個ないし6個の炭素原子を有するシクロアルキルラジカルが好ましい。好ましく言及し得る例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルである。
(C −C )−シクロアルケニル、(C −C )−シクロアルケニルおよび(C −C )−シクロアルケニルは、本発明に関して、各々4個ないし7個、4個ないし6個および5個または6個の炭素原子および1個の二重結合を有する単環式シクロアルキル基を表す。4個ないし6個、特に好ましくは5個または6個の炭素原子を有するシクロアルケニルラジカルが好ましい。好ましく言及し得る例は、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニルおよびシクロヘプテニルである。
5員ないし7員の複素環は、本発明に関して、NおよびOからなる群から1個または2個の環内ヘテロ原子を含む全部で5個ないし7個の環内原子を有し、環内炭素原子および/または、必要に応じて、環内窒素原子を介して結合している、飽和または部分不飽和の複素環を表す。NおよびOからなる群から1個または2個の環内ヘテロ原子を有する5員または6員の飽和複素環が好ましい。言及し得る例は、ピロリジニル、ピロリニル、ピラゾリジニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、ヘキサヒドロアゼピニルおよびヘキサヒドロ−1,4−ジアゼピニルである。好ましいのは、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニルおよびモルホリニルである。
5員または6員のヘテロアリールは、本発明に関して、N、OおよびSからなる群から1個または2個の環内ヘテロ原子を含む全部で5個または6個の環内原子を有し、環内炭素原子および/または、必要に応じて、環内窒素原子を介して結合している、芳香族性複素環(複素芳香族)を表す。言及し得る例は、フリル、ピロリル、チエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニルおよびピラジニルである。好ましいのは、チエニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニルおよびピラジニルである。
ハロゲンには、本発明に関して、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素が含まれる。好ましいのは、塩素またはフッ素である。
本発明による化合物のラジカルが置換されているとき、そのラジカルは、特記しない限り、一置換または多置換されていてよい。本発明に関して、1個より多く存在する全てのラジカルについて、それらの意味は互いに独立している。1個、2個または3個の同一かまたは異なる置換基による置換が好ましい。特に好ましいのは、1個または2個の同一かまたは異なる置換基による置換であり、ことさら特に好ましいのは、1個の置換基による置換である。
本発明に関して、好ましいのは、式中、
Aが、OまたはNHを表し、
Mが、式
Figure 2011500859
の基を表し
〔式中、
#は、基Aへの結合点を表し、
そして、##は、基Zへの結合点を表し、
は、水素、メチルまたはエチルを表し、
は、(C−C)−アルカンジイル、(C−C)−アルケンジイルまたは式*−L1A−V−L1B−**の基を表し
{式中、
*は、基−CHRへの結合点を表し、
**は、基Zへの結合点を表し、
1Aは、(C−C)−アルカンジイルを表し、これは、メチルにより一置換または二置換されていてもよく、
1Bは、(C−C)−アルカンジイルを表し、
そして、
Vは、OまたはN−CHを表す}、
は、結合、メチレン、エタン−1,1−ジイルまたはエタン−1,2−ジイルを表し、
は、(C−C)−アルカンジイルまたは式●−W−CH−●●もしくは●−W−CH−CH−●●の基を表し
{ここで、●は、環Qへの結合点を表し、
●●は、基Zへの結合点を表し、
Wは、OまたはN−Rを表し、Rは、水素または(C−C)−アルキルを表す}、
そして、
Qは、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、ピロリジニル、ピペリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニルまたはフェニルを表し、これらの各々は、フッ素、メチル、エチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、メトキシおよびエトキシからなる群からの2個までの同一かまたは異なるラジカルにより置換されていてもよい〕、
Zが、式
Figure 2011500859
の基を表し
{式中、###は、基LまたはLへの結合点を表す}、
そして、
およびRが、同一であるかまたは異なり、相互に独立して、シクロペンテン−1−イル、シクロヘキセン−1−イル、フェニル、チエニルまたはピリジルを表し、これらの各々は、フッ素、塩素、シアノ、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルコキシ、トリフルオロメチルおよびトリフルオロメトキシからなる群からの同一かまたは異なるラジカルにより一置換または二置換されていてもよい、
式(I)の化合物、並びにそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物である。
本発明に関して、特に好ましいのは、式中、
Aが、OまたはNHを表し、
Mが、式
Figure 2011500859
の基を表し
〔式中、
#は、基Aへの結合点を表し、
そして、##は、基Zへの結合点を表し、
は、水素またはメチルを表し、
そして、
は、ブタン−1,4−ジイル、ペンタン−1,5−ジイルまたは式*−L1A−O−L1B−**の基を表す
{式中、
*は、基−CHRへの結合点を表し、
**は、基Zへの結合点を表し、
1Aは、メチレンまたはエタン−1,2−ジイルを表し、これは、メチルにより一置換または二置換されていてもよく、
そして、
1Bは、メチレンまたはエタン−1,2−ジイルを表す}〕、
Zが、式
Figure 2011500859
{式中、###は、基Lへの結合点を表す}
の基を表し、
そして、
が、フッ素または塩素により置換されていてもよいフェニルを表し、
そして、
が、メチル、エチル、メトキシまたはエトキシにより置換されていてもよいフェニルを表す、
式(I)の化合物、並びにそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物である。
ラジカルのそれぞれの組合せおよび好ましい組合せにおける個々のラジカルの定義は、また、所定のラジカルの組合せから独立して、他の組合せのラジカルの定義によっても置き換えられる。
特に好ましいのは、上述の好ましい範囲の2つまたはそれ以上の組合せである。
本発明に関して、ことさら特に好ましいのは、下記の化合物である:
(6−{[5−(4−メトキシフェニル)−6−フェニルピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−イル]アミノ}ヘキサン酸、
および、
(6R)−6−{[5−(4−メトキシフェニル)−6−フェニルピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−イル]オキシ}ヘプタン酸
並びにそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物。
本発明は、さらに、Zが−COOHまたは−C(=O)−COOHを表す本発明による式(I)の化合物の製造方法を提供し、それは、
[A]式(II)
Figure 2011500859
(式中、RおよびRは、上記の意味を有し、
そして、Xは、脱離基、例えばハロゲン、特に塩素を表す)
の化合物を、不活性溶媒中、塩基の存在下、式(III)
Figure 2011500859
(式中、AおよびMは、上記の意味を有し、
そして、Zは、シアノまたは式−[C(O)]−COOR7Aの基を表し、式中、yは0または1の数を表し、そして、R7Aは(C−C)−アルキルを表す)
の化合物と反応させ、式(IV)
Figure 2011500859
(式中、A、M、Z、RおよびRは、各々上記の意味を有する)
の化合物を得るか、
または、
[B]式(V)
Figure 2011500859
(式中、A、RおよびRは、各々上記の意味を有する)
の化合物を、不活性溶媒中、塩基の存在下、式(VI)
Figure 2011500859
(式中、MおよびZは、上記の意味を有し、
そして、Xは、脱離基、例えばハロゲン、メシレート、トシレートまたはトリフレートを表す)
の化合物と反応させ、式(IV)
Figure 2011500859
(式中、A、M、Z、RおよびRは、各々上記の意味を有する)
の化合物を得、
次いで、式(IV)の化合物を、エステルまたはシアノ基Zの加水分解により、式(I−A)
Figure 2011500859
(式中、A、M、R、Rおよびyは、各々上記の意味を有する)
のカルボン酸に変換し、これらを、必要に応じて、適当な(i)溶媒および/または(ii)塩基もしくは酸を使用して、それらの溶媒和物、塩および/または塩の溶媒和物に変換することを特徴とする。
工程(II)+(III)→(IV)および(V)+(VI)→(IV)のための不活性溶媒は、例えば、ジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサンまたは鉱油留分などの炭化水素類、ジクロロメタン、トリクロロメタン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼンもしくはクロロトルエンなどのハロゲン化炭化水素類、または、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N'−ジメチルプロピレンウレア(DMPU)、N−メチルピロリドン(NMP)またはアセトニトリルなどの他の溶媒である。言及した溶媒の混合物を使用することも可能である。好ましいのは、テトラヒドロフラン、トルエン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドまたはこれらの溶媒の混合物を使用することである。
しかしながら、必要に応じて、工程(II)+(III)→(IV)および(V)+(VI)→(IV)は、溶媒の非存在下でも実施できる。
工程(II)+(III)→(IV)および(V)+(VI)→(IV)のための適当な塩基は、慣用の無機または有機塩基である。これらには、好ましくは、アルカリ金属水酸化物、例えば、水素化リチウム、水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウム、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウムまたは炭酸セシウム、アルカリ金属アルコキシド、例えば、ナトリウムtert−ブトキシドまたはカリウムtert−ブトキシド、アルカリ金属水素化物、例えば、水素化ナトリウムまたは水素化カリウム、アミド、例えば、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドまたはカリウムビス(トリメチルシリル)アミドまたはリチウムジイソプロピルアミド、有機金属化合物、例えば、ブチルリチウムまたはフェニルリチウム、または、有機アミン、例えば、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジン、N,N−ジイソプロピルエチルアミンまたはピリジンが含まれる。
アルコール誘導体[(III)および(V)のA=O]との反応の場合、ホスファゼン塩基(いわゆる「シュヴェージンガー塩基」)、例えば、P2−t−BuまたはP4−t−Buが同様に好都合である[例えば、R. Schwesinger, H. Schlemper, Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 26, 1167 (1987); T. Pietzonka, D. Seebach, Chem. Ber. 124, 1837 (1991) 参照]。
アミン誘導体[(III)および(V)のA=N]との反応において、使用する塩基は、好ましくは三級アミン、特に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ナトリウムtert−ブトキシドまたは水素化ナトリウムである。しかしながら、必要に応じて、これらの反応は(過剰のアミン成分(III)を使用するならば)、補助塩基を添加せずに実施することもできる。アルコール誘導体[(III)および(V)のA=O]との反応において、好ましいのは、水素化ナトリウム、炭酸カリウムまたは炭酸セシウムまたはホスファゼン塩基P2−t−BuおよびP4−t−Buである。
必要に応じて、工程(II)+(III)→(IV)および(V)+(VI)→(IV)はクラウンエーテルを添加して有利に実施できる。
1つの変法では、反応(II)+(III)→(IV)および(V)+(VI)→(IV)は、また、塩基としてのアルカリ金属水酸化物の水溶液、および、さらなる溶媒として上記の炭化水素またはハロゲン化炭化水素の1つからなる二相混合物中で、相間移動触媒、例えば、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩またはテトラブチルアンモニウムブロミドを使用して実施できる。
工程(II)+(III)→(IV)および(V)+(VI)→(IV)は、アミン誘導体[(III)および(V)のA=N]との反応において、一般的に−20℃ないし+150℃の温度範囲、好ましくは0℃ないし+100℃で実施する。アルコール誘導体[(III)および(V)のA=O]との反応において、反応は、一般的に−20℃ないし+120℃の温度範囲、好ましくは−10℃ないし+80℃で実施する。
工程(IV)→(I−A)におけるエステルまたはニトリル基Zの加水分解は、エステルまたはニトリルを不活性溶媒中で酸または塩基で処理することにより、慣用の方法で実施される(後者の場合、最初に形成される塩が酸での処理により遊離カルボン酸に変換される)。tert−ブチルエステルの場合、エステル開裂は、好ましくは酸を使用して実施する。
これらの反応に適する不活性溶媒は、水またはエステル開裂に慣用の有機溶媒である。これらには、好ましくは、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールまたはtert−ブタノールなどのアルコール類、または、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンまたはグリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、または、アセトン、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシドなどの他の溶媒が含まれる。言及した溶媒の混合物を使用することも可能である。塩基性エステル加水分解の場合、好ましいのは、水とジオキサン、テトラヒドロフラン、メタノールおよび/またはエタノールの混合物を使用することであり、そして、ニトリル加水分解の場合、好ましいのは、水および/またはn−プロパノールを使用することである。トリフルオロ酢酸との反応の場合、好ましいのは、ジクロロメタンを使用することであり、そして、塩化水素との反応の場合、好ましいのは、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサンまたは水を使用することである。
適する塩基は、慣用の無機塩基である。これらには、好ましくは、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウムまたは水酸化バリウム、または、アルカリ金属炭酸塩またはアルカリ土類金属炭酸塩、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムまたは炭酸カルシウムが含まれる。特に好ましいのは、水酸化ナトリウムまたは水酸化リチウムである。
エステル開裂に適する酸は、一般に、硫酸、塩化水素/塩酸、臭化水素/臭化水素酸、リン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸またはトリフルオロメタンスルホン酸、またはそれらの、必要に応じて水との、混合物である。好ましいのは、tert−ブチルエステルの場合、塩化水素またはトリフルオロ酢酸であり、メチルエステルの場合、塩酸である。
エステル開裂は、一般的に、0℃ないし+100℃の温度範囲で、好ましくは+0℃ないし+50℃で実施する。ニトリルの加水分解は、一般的に、+50℃ないし+150℃の温度範囲で、好ましくは+80℃ないし+120℃で実施する。
反応は、大気圧、加圧または減圧(例えば、0.5ないし5bar)で実施できる。一般に、反応は大気圧で実施する。
Zが式
Figure 2011500859
の基を表す本発明による式(I)の化合物は、Zがシアノを表す式(IV)の化合物を、不活性溶媒中、アルカリ金属アジ化物と、塩化アンモニウムの存在下で、または、トリメチルシリルアジドと、必要に応じて触媒の存在下で反応させることにより、製造することができる。
この反応のための不活性溶媒は、例えば、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサンまたは鉱油留分などの炭化水素類、または、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N,N'−ジメチルプロピレンウレア(DMPU)またはN−メチルピロリドン(NMP)などの他の溶媒である。言及した溶媒の混合物を使用することも可能である。好ましいのは、トルエンの使用である。
適当なアジド反応剤は、特に、塩化アンモニウムの存在下のアジ化ナトリウムまたはトリメチルシリルアジドである。後者の反応は、触媒の存在下で有利に実施できる。この目的に適するのは、特に、ジ−n−ブチルスズオキシド、トリメチルアルミニウムまたは臭化亜鉛などの化合物である。好ましいのは、ジ−n−ブチルスズオキシドと共にトリメチルシリルアジドを使用することである。
この反応は、一般的に、+50℃ないし+150℃、好ましくは+60℃ないし+110℃の温度範囲で実施する。この反応は、大気圧、加圧または減圧(例えば、0.5ないし5bar)で実施できる。一般に、この反応は大気圧で実施する。
Zが式
Figure 2011500859
の基を表す本発明による式(I)の化合物は、Zがメトキシカルボニルまたはエトキシカルボニル[y=0]を示す式(VI)の化合物を、先ず、不活性溶媒中で、ヒドラジンを用いて、式(VII)
Figure 2011500859
(式中、A、M、RおよびRは、各々上記の意味を有する)
で示される化合物に変換し、次いで、これらを、不活性溶媒中で、ホスゲンまたはホスゲン同等物、例えば、N,N'−カルボニルジイミダゾールと反応させることにより製造できる。
この連続反応の第1工程のための適当な不活性溶媒は、特に、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールもしくはtert−ブタノールなどのアルコール類、または、例えば、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類である。これらの溶媒の混合物を使用することも可能である。好ましくはメタノールおよびテトラヒドロフランの混合物を使用する。第2反応工程は、好ましくは、エーテル、特にテトラヒドロフラン中で実施する。反応は一般的に0℃ないし+70℃の温度範囲で大気圧下で実施する。
あるいは、Lが式*−L1A−V−L1B−**(式中、L1A、L1BおよびVは上記の意味を有する)の基を表す本発明による式(I)の化合物は、式(VIII)
Figure 2011500859
(式中、A、L1A、V、R、RおよびRは、各々上記の意味を有する)
の化合物を、塩基の存在下、必要に応じて不活性溶媒中、式(IX)
Figure 2011500859
(式中、L1BおよびZは、上記の意味を有し、
そして、Xは、脱離基、例えば、ハロゲン、メシレート、トシレートまたはトリフレートを表す)
により、または、L1Bが−CHCH−を表す場合、式(X)
Figure 2011500859
(式中、Zは上記の意味を有する)
の化合物により、式(IV−A)
Figure 2011500859
(式中、A、L1A、L1B、V、Z、R、RおよびRは、各々上記の意味を有する)
の化合物に変換し、次いで、これらをさらに、上記の方法に対応する方法で反応させることにより、製造することもできる。
式(VIII)の化合物は、化合物(IV)の製造と同様に、式(II)または(V)の化合物の、式(XI)または(XII)
Figure 2011500859
(式中、A、L1A、VおよびRは、各々上記の意味を有し、
Tは、水素または一時的なO−またはN−保護基を表し、
そして、Xは、脱離基、例えば、ハロゲン、メシレート、トシレートまたはトリフレートを表す)
の化合物との、塩基に触媒される反応により得ることができる(下記の反応スキーム1および2も参照)。
同様に、Lが式●−W−CH−●●または●W−CH−CH−●●(式中、Wは上記の意味を有する)の基を表す本発明による式(I)の化合物は、また、式(XIII)
Figure 2011500859
(式中、A、L、Q、W、RおよびRは、各々上記の意味を有する)
の化合物を、塩基の存在下、必要に応じて不活性溶媒中、式(XIV)
Figure 2011500859
(式中、Zは上記の意味を有し、
nは1または2の数を表し、
そして、Xは、脱離基、例えば、ハロゲン、メシレート、トシレートまたはトリフレートを表す)
の化合物により、または、Lが●W−CH−CH−●●を表す場合、式(X)
Figure 2011500859
(式中、Zは上記の意味を有する)
の化合物により、式(IV−B)
Figure 2011500859
(式中、A、L、Q、W、Z、R、Rおよびnは、各々上記の意味を有する)
の化合物に変換し、次いで、これらを、上記の方法の1つに従いさらに反応させることにより、製造できる。
式(XIII)の化合物は、化合物(IV)の製造と同様に、式(II)または(V)の化合物の、式(XV)または(XVI)
Figure 2011500859
(式中、A、L、QおよびWは、各々上記の意味を有し、
Tは、水素または一時的なO−またはN−保護基を表し、
そして、Xは、脱離基、例えば、ハロゲン、メシレート、トシレートまたはトリフレートを表す)
の化合物との、塩基に触媒される反応により得ることができる(下記の反応スキーム1および2も参照)。
工程(VIII)+(IX)および(X)→(IV−A)、(II)+(XI)→(VIII)、(V)+(XII)→(VIII)、(XIII)+(XIV)および(X)→(IV−B)、(II)+(XV)→(XIII)および(V)+(XVI)→(XIII)について、反応(II)+(III)→(IV)および(V)+(VI)→(IV)について記載した、溶媒、塩基および反応温度などの反応パラメーターを、同様に使用する。
式(II)および(V)の化合物は、式(XVII)
Figure 2011500859
(式中、RおよびRは、上記の意味を有する)
の2−シアノピロールを、o−メシチレンスルホニルヒドロキシルアミンまたは(アミノオキシ)[ビス(4−メトキシフェニル)]ホスフィンオキシド[Smulik et al., Organic Letters 2003, 5 (22), 4187 参照]などのヒドロキシルアミン誘導体を利用して、塩基の存在下でアミノ化し、式(XVIII)
Figure 2011500859
(式中、RおよびRは、上記の意味を有する)
の化合物を得、次いで、
[a]これらの化合物をホルムアミドと縮合し、式(V−A)
Figure 2011500859
(式中、RおよびRは、上記の意味を有する)
の化合物を得、必要に応じて、次いで、それらを亜硝酸イソアミルと、塩化水素または塩化銅(II)などの塩素供給源の存在下で反応させ、式(II−A)
Figure 2011500859
(式中、RおよびRは、上記の意味を有する)
の化合物を得るか、
または、
[b]これらの化合物を、無水酢酸の存在下で、ギ酸と縮合し、式(V−B)
Figure 2011500859
(式中、RおよびRは、上記の意味を有する)
の化合物を得、次いで、必要に応じて、それらを、オキシ塩化リンを利用して、式(II−A)の化合物に変換することにより製造できる(下記の反応スキーム3も参照)。
式(XVII)の化合物は、例えば、式(XIX)
Figure 2011500859
(式中、RおよびRは、上記の意味を有する)
の化合物を、ジメチルホルムアミドアセタールと反応させ、式(XX)
Figure 2011500859
(式中、RおよびRは、上記の意味を有する)
の化合物を得、次いで、これらを酸性条件下で、2−アミノ−2−シアノアセトアミドと縮合させることにより、製造できる(下記の反応スキーム3も参照)。
式(III)、(VI)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIV)、(XV)、(XVI)および(XIX)は、購入できるか、文献から知られているか、または、文献から知られている方法と同様に製造できる。
本発明による化合物の製造は、下記の合成スキームにより例示説明できる:
スキーム1:
Figure 2011500859
スキーム2:
Figure 2011500859
スキーム3:ジアリール置換ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン誘導体の合成
Figure 2011500859
本発明による化合物は価値ある薬理的特性を有し、ヒトおよび動物における疾患の予防および処置に使用できる。本発明による化合物は、PGIの生物学的作用を模倣する、IP受容体の化学的かつ代謝的に安定な非プロスタノイド活性化剤である。
従って、それらは、特に、心血管疾患、例えば、安定および不安定狭心症、高血圧および心不全、肺高血圧の予防および/または処置、血栓塞栓性疾患および虚血、例えば、心筋梗塞、卒中、一過性および虚血性発作およびくも膜下出血の予防および/または処置、並びに、例えば、血栓溶解治療、経皮経管的血管形成術(PTA)、冠動脈血管形成術(PTCA)およびバイパス手術後の再狭窄の予防に適する。
本発明による化合物は、特に、種々の症状を含む肺高血圧(PH)の処置および/または予防に適する。従って、本発明の化合物は、肺動脈高血圧(PAH)およびそのサブタイプ、例えば、特発性および家族性肺動脈高血圧、および、例えば、門脈高血圧、線維症、HIV感染または不適切な投薬または毒素と関連する肺動脈高血圧の処置および/または予防のために特に適する。
本発明の化合物は、また、他のタイプの肺高血圧の処置および/または予防のために使用することができる。従って、例えば、それらは左心房または左心室障害および左心弁障害と関連する肺高血圧の処置および/または予防のために用いることができる。加えて、本発明の化合物は、慢性閉塞性肺疾患、間質性肺疾患、肺線維症、睡眠時無呼吸症候群、肺胞低換気、高山病および肺発達障害と関連する肺高血圧の処置および/または予防に適する。
本発明の化合物は、さらに、慢性血栓性および/または塞栓性障害、例えば、近位肺動脈の血栓塞栓症、遠位肺動脈の閉塞および肺塞栓に基づく肺高血圧の処置および/または予防に適する。さらに、本発明の化合物は、サルコイドーシス、ヒスチオサイトーシスXまたはリンパ脈管筋腫症と関連がある肺高血圧(ここで、肺高血圧は、血管の外部圧迫により引き起こされる(リンパ節、腫瘍、線維化縦隔炎))の処置および/または予防のために使用することができる。
加えて、本発明による化合物は、また、末梢および心血管疾患、末梢閉塞性疾患(PAOD、PVD)および末梢血流の障害の処置および/または予防のために使用することができる。
さらに、本発明による化合物は、動脈硬化、肝炎、喘息性疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺水腫、線維化性肺疾患、例えば、特発性肺線維症(IPF)およびARDS、炎症性血管疾患、例えば、強皮症およびエリテマトーデス、腎不全、関節炎および骨粗鬆症の処置のため、また、癌、とりわけ転移性腫瘍の予防および/または処置のために使用することができる。
さらに、本発明による化合物は、また、臓器移植、例えば、腎臓、肺、心臓または膵島細胞の保存媒体への添加剤として使用することができる。
本発明は、さらに、疾患、とりわけ上述の疾患の処置および/または予防のための本発明による化合物の使用に関する。
本発明は、さらに、疾患、とりわけ上述の疾患の処置および/または予防用の医薬を製造するための、本発明による化合物の使用に関する。
本発明は、さらに、有効量の少なくとも1種の本発明による化合物を使用する、疾患、とりわけ上述の疾患の処置および/または予防のための方法に関する。
本発明の化合物は、単独で、または、必要であれば、他の有効成分と組み合わせて用いることができる。本発明は、さらに、とりわけ上述の障害の処置および/または予防のための、少なくとも1種の本発明の化合物および1種またはそれ以上のさらなる有効成分を含む医薬に関する。組合せに適する有効成分は、例として、そして好ましくは、以下のものである:
・有機硝酸塩およびNO供給源、例えば、ニトロプルシドナトリウム、ニトログリセリン、一硝酸イソソルビド、二硝酸イソソルビド、モルシドミンまたはSIN−1および吸入NO;
・環状グアノシン一リン酸(cGMP)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)の分解を阻害する化合物、例えば、ホスホジエステラーゼ(PDE)1、2、3、4および/または5の阻害剤、特にPDE5阻害剤、例えば、シルデナフィル、バルデナフィルおよびタダラフィル;
・NO非依存性であるがヘム依存性であるグアニル酸シクラーゼの刺激剤、例えば、特にWO00/06568、WO00/06569、WO02/42301およびWO03/095451に記載の化合物;
・NOおよびヘムに依存しないグアニル酸シクラーゼの活性化剤、例えば、特にWO01/19355、WO01/19776、WO01/19778、WO01/19780、WO02/070462およびWO02/070510に記載の化合物;
・ヒト好中球エラスターゼ(HNE)を阻害する化合物、例えば、シベレスタット、DX−890(レルトラン(Reltran))、エラフィンまたは特にWO03/053930、WO2004/020410、WO2004/020412、WO2004/024700、WO2004/024701、WO2005/080372、WO2005/082863およびWO2005/082864に記載の化合物;
・シグナル伝達カスケードを阻害する化合物、例えば、そして好ましくは、キナーゼ阻害剤の群、特にチロシンキナーゼおよび/またはセリン/スレオニンキナーゼ阻害剤の群の化合物;
・可溶性エポキシドヒドラーゼ(sEH)を阻害する化合物、例えば、N,N'−ジシクロヘキシルウレア、12−(3−アダマンタン−1−イルウレイド)ドデカン酸または1−アダマンタン−1−イル−3−{5−[2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ]ペンチル}ウレア;
・心臓のエネルギー代謝に影響する化合物、例として、そして好ましくは、エトモキシル、ジクロロ酢酸、ラノラジンまたはトリメタジジン;
・VPAC受容体のアゴニスト、例として、そして好ましくは、血管作動性腸管ポリペプチド(VIP);
・抗血栓作用を有する物質、例えば、そして好ましくは、血小板凝集阻害剤、抗凝固剤または線維素溶解促進性物質の群のもの;
・血圧を下げる有効成分、例えば、そして好ましくは、カルシウム拮抗薬、アンジオテンシンAIIアンタゴニスト、ACE阻害剤、エンドセリンアンタゴニスト、レニン阻害剤、アルファ−受容体遮断薬、ベータ−受容体遮断薬、鉱質コルチコイド受容体アンタゴニスト、Rhoキナーゼ阻害剤および利尿剤の群のもの;および/または、
・脂質代謝を改変する有効成分、例えば、そして好ましくは、甲状腺受容体アゴニスト、コレステロール合成阻害剤、例えば、そして好ましくは、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤またはスクアレン合成阻害剤、ACAT阻害剤、CETP阻害剤、MTP阻害剤、PPAR−アルファ、PPAR−ガンマおよび/またはPPAR−デルタアゴニスト、コレステロール吸収阻害剤、リパーゼ阻害剤、ポリマー性胆汁吸着剤、胆汁酸再吸収阻害剤およびリポタンパク質(a)アンタゴニストの群のもの。
本発明の好ましい態様では、本発明の化合物を、キナーゼ阻害剤、例えば、そして好ましくは、カネルチニブ、イマチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、レスタウルチニブ、ロナファーニブ、ペガプチニブ(pegaptinib)、ペリチニブ(pelitinib)、セマキサニブ、タンズチニブ(tandutinib)、ティピファニブ、バタラニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、ボルテゾミブ、ロニダミン、レフルノミド、ファスジルまたはY−27632と組み合わせて投与する。
抗血栓作用を有する物質は、好ましくは、血小板凝集阻害剤、抗凝血剤または線維素溶解促進性物質の群からの化合物を意味する。
本発明の好ましい実施態様では、本発明の化合物を、血小板凝集阻害剤、例えば、そして好ましくは、アスピリン、クロピドグレル、チクロピジンまたはジピリダモールと組み合わせて投与する。
本発明の好ましい実施態様では、本発明の化合物を、トロンビン阻害剤、例えば、そして好ましくは、キシメラガトラン、メラガトラン、ビバリルジンまたはクレキサンと組み合わせて投与する。
本発明の好ましい実施態様では、本発明の化合物を、GPIIb/IIIaアンタゴニスト、例えば、そして好ましくは、チロフィバンまたはアブシキシマブと組み合わせて投与する。
本発明の好ましい実施態様では、本発明の化合物を、Xa因子阻害剤、例えば、そして好ましくは、リバロキサバン、DU−176b、フィデキサバン(fidexaban)、ラザキサバン(razaxaban)、フォンダパリナックス、イドラパリナックス、PMD−3112、YM−150、KFA−1982、EMD−503982、MCM−17、MLN−1021、DX9065a、DPC906、JTV803、SSR−126512またはSSR−128428と組み合わせて投与する。
本発明の好ましい実施態様では、本発明の化合物を、ヘパリンまたは低分子量(LMW)ヘパリン誘導体と組み合わせて投与する。
本発明の好ましい実施態様では、本発明の化合物を、ビタミンKアンタゴニスト、例えば、そして好ましくは、クマリンと組み合わせて投与する。
血圧を下げる物質は、好ましくは、カルシウム拮抗薬、アンジオテンシンAIIアンタゴニスト、ACE阻害剤、エンドセリンアンタゴニスト、レニン阻害剤、アルファ−受容体遮断薬、ベータ−受容体遮断薬、鉱質コルチコイド受容体アンタゴニスト、Rhoキナーゼ阻害剤および利尿剤の群からの化合物を意味する。
本発明の好ましい実施態様では、本発明の化合物を、カルシウム拮抗薬、例えば、そして好ましくは、ニフェジピン、アムロジピン、ベラパミルまたはジルチアゼムと組み合わせて投与する。
本発明の好ましい実施態様では、本発明の化合物を、アルファ−1受容体遮断薬、例えば、そして好ましくは、プラゾシンと組み合わせて投与する。
本発明の好ましい実施態様では、本発明の化合物を、ベータ−受容体遮断薬、例えば、そして好ましくは、プロプラノロール、アテノロール、チモロール、ピンドロール、アルプレノロール、オクスプレノロール、ペンブトロール、ブプラノロール、メチプラノロール、ナドロール、メピンドロール、カラザロール(carazalol)、ソタロール、メトプロロール、ベタキソロール、セリプロロール、ビソプロロール、カルテオロール、エスモロール、ラベタロール、カルベジロール、アダプロロール(adaprolol)、ランジオロール、ネビボロール、エパノロールまたはブシンドロールと組み合わせて投与する。
本発明の好ましい実施態様では、本発明の化合物を、アンジオテンシンAIIアンタゴニスト、例えば、そして好ましくは、ロサルタン、カンデサルタン、バルサルタン、テルミサルタンまたはエンブサルタン(embusartan)と組み合わせて投与する。
本発明の好ましい実施態様では、本発明の化合物を、ACE阻害剤、例えば、そして好ましくは、エナラプリル、カプトプリル、リシノプリル、ラミプリル、デラプリル、ホシノプリル、キノプリル(quinopril)、ペリンドプリルまたはトランドプリル(trandopril)と組み合わせて投与する。
本発明の好ましい実施態様では、本発明の化合物を、エンドセリンアンタゴニスト、例えば、そして好ましくは、ボセンタン、ダルセンタン(darusentan)、アンブリセンタンまたはシタキセンタン(sitaxsentan)と組み合わせて投与する。
本発明の好ましい実施態様では、本発明の化合物を、レニン阻害剤、例えば、そして好ましくは、アリスキレン、SPP−600またはSPP−800と組み合わせて投与する。
本発明の好ましい実施態様では、本発明の化合物を、鉱質コルチコイド受容体アンタゴニスト、例えば、そして好ましくは、スピロノラクトンまたはエプレレノンと組み合わせて投与する。
本発明の好ましい実施態様では、本発明の化合物を、Rhoキナーゼ阻害剤、例えば、そして好ましくは、ファスジル、Y−27632、SLx−2119、BF−66851、BF−66852、BF−66853、KI−23095、SB−772077、GSK−269962AまたはBA−1049と組み合わせて投与する。
本発明の好ましい実施態様では、本発明の化合物を、利尿剤、例えば、そして好ましくは、フロセミドと組み合わせて投与する。
脂質代謝を改変する物質は、好ましくは、CETP阻害剤、甲状腺受容体アゴニスト、コレステロール合成阻害剤、例えばHMG−CoAレダクターゼ阻害剤またはスクアレン合成阻害剤、ACAT阻害剤、MTP阻害剤、PPAR−アルファ、PPAR−ガンマおよび/またはPPAR−デルタアゴニスト、コレステロール吸収阻害剤、ポリマー性胆汁酸吸着剤、胆汁酸再吸収阻害剤、リパーゼ阻害剤およびリポタンパク質(a)アンタゴニストの群からの化合物を意味する。
本発明の好ましい実施態様では、本発明の化合物を、CETP阻害剤、例えば、そして好ましくは、トルセトラピブ(CP−529414)、JJT−705またはCETPワクチン(Avant)と組み合わせて投与する。
本発明の好ましい実施態様では、本発明の化合物を、甲状腺受容体アゴニスト、例えば、そして好ましくは、D−チロキシン、3,5,3'−トリヨードサイロニン(T3)、CGS23425またはアキシチロム(axitirome)(CGS26214)と組み合わせて投与する。
本発明の好ましい実施態様では、本発明の化合物を、スタチンのクラスからのHMG−CoAレダクターゼ阻害剤、例えば、そして好ましくは、ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、ロスバスタチン、セリバスタチンまたはピタバスタチンと組み合わせて投与する。
本発明の好ましい実施態様では、本発明の化合物を、スクアレン合成阻害剤、例えば、そして好ましくは、BMS−188494またはTAK−475と組み合わせて投与する。
本発明の好ましい実施態様では、本発明の化合物を、ACAT阻害剤、例えば、そして好ましくは、アバシミブ(avasimibe)、メリナミド、パクチミブ(pactimibe)、エフルシミブ(eflucimibe)またはSMP−797と組み合わせて投与する。
本発明の好ましい実施態様では、本発明の化合物を、MTP阻害剤、例えば、そして好ましくは、インプリタピド(implitapide)、BMS−201038、R−103757またはJTT−130と組み合わせて投与する。
本発明の好ましい実施態様では、本発明の化合物を、PPAR−ガンマアゴニスト、例えば、そして好ましくは、ピオグリタゾンまたはロシグリタゾンと組み合わせて投与する。
本発明の好ましい実施態様では、本発明の化合物を、PPAR−デルタアゴニスト、例えば、そして好ましくは、GW−501516またはBAY68−5042と組み合わせて投与する。
本発明の好ましい実施態様では、本発明の化合物を、コレステロール吸収阻害剤、例えば、そして好ましくは、エゼチミブ、チクエシド(tiqueside)またはパマクエシドと組み合わせて投与する。
本発明の好ましい実施態様では、本発明の化合物を、リパーゼ阻害剤、例えば、そして好ましくは、オーリスタットと組み合わせて投与する。
本発明の好ましい実施態様では、本発明の化合物を、ポリマー性胆汁酸吸着剤、例えば、そして好ましくは、コレスチラミン、コレスチポール、コレソルバム(colesolvam)、コレスタゲル(CholestaGel)またはコレスチミドと組み合わせて投与する。
本発明の好ましい実施態様では、本発明の化合物を、胆汁酸再吸収阻害剤、例えば、そして好ましくは、ASBT(=IBAT)阻害剤、例えば、AZD−7806、S−8921、AK−105、BARI−1741、SC−435またはSC−635と組み合わせて投与する。
本発明の好ましい実施態様では、本発明の化合物を、リポタンパク質(a)アンタゴニスト、例えば、そして好ましくは、ゲンカベン(gemcabene)カルシウム(CI−1027)またはニコチン酸と組み合わせて投与する。
本発明は、さらに、少なくとも1種の本発明による化合物を、通常は1種またはそれ以上の、不活性、非毒性の医薬的に適する補助剤と共に含む医薬、および上述の目的でのそれらの使用に関する。
本発明の化合物は、全身的および/または局所的作用を有し得る。この目的で、それらは、適する方法で、例えば、経口で、非経腸で、肺に、鼻腔に、舌下に、舌に、頬側に、直腸に、皮膚に、経皮で、結膜もしくは耳の経路で、またはインプラントもしくはステントとして、投与できる。
本発明の化合物を、これらの投与経路に適する投与形で投与できる。
経口投与に適するのは、先行技術に準じて機能し、本発明の化合物を迅速に、かつ/または、改変された方法で送達し、本発明の化合物を結晶形および/または無定形および/または溶解形で含有するものであり、例えば、錠剤(非被覆および被覆錠剤、例えば、胃液耐性であるか、または、不溶であるかもしくは遅延して溶解し、本発明の化合物の放出を制御する被覆を有する錠剤)、口中で迅速に崩壊する錠剤、または、フィルム/オブラート、フィルム/凍結乾燥剤、カプセル剤(例えば、ハードまたはソフトゼラチンカプセル剤)、糖衣錠、顆粒剤、ペレット剤、粉末剤、乳剤、懸濁剤、エアゾル剤または液剤である。
非経腸投与は、吸収段階を回避して(例えば、静脈内、動脈内、心臓内、脊髄内または腰椎内に)、または吸収を含めて(例えば、筋肉内、皮下、皮内、経皮または腹腔内)、行うことができる。非経腸投与に適する投与形は、とりわけ、液剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥剤または滅菌粉末剤形態の注射および点滴用製剤である。
他の投与経路に適するのは、例えば、吸入用医薬形態(とりわけ、粉末吸入器、噴霧器)、点鼻薬、液またはスプレー;舌、舌下または頬側投与用の錠剤、フィルム/オブラートまたはカプセル剤、坐剤、耳および眼用製剤、膣用カプセル剤、水性懸濁剤(ローション、振盪混合物)、親油性懸濁剤、軟膏、クリーム、経皮治療システム(例えば、パッチ)、ミルク、ペースト、フォーム、散布用粉末剤(dusting powder)、インプラントまたはステントである。
経口または非経腸投与、特に経口および静脈内投与が好ましい。
本発明の化合物は、上述の投与形に変換できる。これは、不活性、非毒性、医薬的に適する補助剤と混合することにより、それ自体既知の方法で行うことができる。これらの補助剤には、とりわけ、担体(例えば結晶セルロース、ラクトース、マンニトール)、溶媒(例えば液体ポリエチレングリコール類)、乳化剤および分散剤または湿潤剤(例えばドデシル硫酸ナトリウム、ポリオキシソルビタンオレエート)、結合剤(例えばポリビニルピロリドン)、合成および天然ポリマー(例えばアルブミン)、安定化剤(例えば抗酸化剤、例えばアスコルビン酸など)、着色料(例えば無機色素、例えば酸化鉄など)および香味および/または臭気の隠蔽剤が含まれる。
一般に、非経腸投与で約0.001ないし1mg/体重kg、好ましくは約0.01ないし0.5mg/体重kgの量を投与するのが、有効な結果を達成するために有利であると明らかになった。経口投与では、投与量は、約0.01ないし100mg/体重kg、好ましくは約0.01ないし20mg/体重kg、ことさら特に好ましくは0.1ないし10mg/体重kgである。
それにも拘わらず、必要に応じて、特に、体重、投与経路、有効成分に対する個々の応答、製剤のタイプおよび投与を行う時間または間隔に応じて、上述の量から逸脱することが必要であり得る。従って、上述の最小量より少なくても十分な場合があり得、一方、上述の上限を超えなければならない場合もある。比較的大量に投与する場合、これらを1日に亘る複数の個別用量に分配するのが望ましいことがある。
下記の例示的実施態様は、本発明を例示説明する。本発明は、これらの実施例に限定されない。
以下の試験および実施例における百分率のデータは、断りの無い限り、重量パーセントである;部は、重量部である。液体/液体溶液の溶媒比、希釈比および濃度のデータは、各場合で体積に基づく。
A. 実施例
略語:
Figure 2011500859
LC−MS方法:
方法1:
MS 装置タイプ: Micromass ZQ; HPLC 装置タイプ: HP 1100 Series; UV DAD; カラム: Phenomenex Gemini 3μ 30 mm x 3.00 mm;移動相A:水1l+50%濃度ギ酸0.5ml、移動相B:アセトニトリル1l+50%濃度ギ酸0.5ml;グラジエント:0.0分90%A→2.5分30%A→3.0分5%A→4.5分5%A;流速:0.0分1ml/分→2.5分/3.0分/4.5分2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:210nm。
方法2:
装置:Waters UPLC Acquity を備えた Micromass QuattroPremier;カラム:Thermo Hypersil GOLD 1.9 μ, 50 mm x 1 mm;移動相A:水1l+50%濃度ギ酸0.5ml、移動相B:アセトニトリル1l+50%濃度ギ酸0.5ml;グラジエント:0.0分90%A→0.1分90%A→1.5分10%A→2.2分10%A;オーブン:50℃;流速:0.33ml/分;UV検出:210nm。
方法3:
MS装置タイプ:Micromass ZQ;HPLC装置タイプ:Waters Alliance 2795;カラム:Phenomenex Synergi 2.5 μ MAX-RP 100A Mercury, 20 mm x 4 mm;移動相A:水1l+50%濃度ギ酸0.5ml、移動相B:アセトニトリル1l+50%濃度ギ酸0.5ml;グラジエント:0.0分90%A→0.1分90%A→3.0分5%A→4.0分5%A→4.01分90%A;流速:2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:210nm。
方法4:
装置:HPLC Agilent Series 1100 を備えた Micromass Quattro Micro MS;カラム:Thermo Hypersil GOLD 3μ, 20 mm x 4 mm;移動相A:水1l+50%濃度ギ酸0.5ml、移動相B:アセトニトリル1l+50%濃度ギ酸0.5ml;グラジエント:0.0分100%A→3.0分10%A→4.0分10%A→4.01分100%A(流速2.5ml/分)→5.00分100%A;オーブン:50℃;流速:2ml/分;UV検出:210nm。
出発物質および中間体:
実施例1A
tert−ブチル(2E,6R)−6−ヒドロキシヘプト−2−エノエート
Figure 2011500859
溶液A:60%水素化ナトリウム10.71g(267.7mmol)を、無水THF150mlに懸濁し、tert−ブチルP,P−ジメチルホスホノアセテート43.3ml(276.7mmol)を、冷却しながら滴下して添加する。混合物を室温で撹拌すると、約30分後に溶液が形成される。
THF中の1MのDIBAH溶液187.4ml(187.4mmol)を、−78℃に冷却した無水THF200ml中の(R)−γ−バレロラクトン[(5R)−5−メチルジヒドロフラン−2(3H)−オン]17.87g(178.5mmol)の溶液に滴下して添加する。溶液を−78℃で1時間撹拌し、次いで、上記で調製した溶液Aを添加する。添加終了後、混合物をゆっくりと室温に温め、室温で終夜撹拌する。反応混合物を酢酸エチル300mlに添加し、濃酒石酸カリウムナトリウム溶液50mlと撹拌することにより抽出する。相分離後、水相を酢酸エチルで再抽出する。有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濃縮する。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル5:1)により精製する。これにより、少量のcis−異性体を含有する標的生成物32.2g(理論値の90.1%)を得る。
MS (DCI): m/z = 218 (M+NH4)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 6.70 (dt, 1H), 5.73 (d, 1H), 4.44 (d, 1H), 3.58 (m, 1H), 2.28-2.13 (m, 2H), 1.47-1.40 (m, 2H), 1.45 (s, 9H), 1.04 (d, 3H).
実施例2A
tert−ブチル(−)−6−ヒドロキシヘプタノエート
Figure 2011500859
tert−ブチル(2E,6R)−6−ヒドロキシヘプト−2−エノエート32.2g(160.8mmol)を、エタノール200mlに溶解し、10%パラジウム/炭素1.7gを添加する。混合物を室温で、水素雰囲気下(大気圧)で、2時間撹拌し、次いで Celite で濾過する。濾液を減圧下で濃縮する。残渣から、シリカゲルクロマトグラフィー(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル10:1→6:1)の後、標的生成物(理論値の48.1%)を得る。
MS (DCI): m/z = 220 (M+NH4)+
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 3.85-3.75 (m, 1H), 2.22 (t, 2H), 1.68-1.54 (m, 2H), 1.53-1.30 (m, 4H), 1.45 (s, 9H), 1.18 (d, 3H).
[α]D 20 = -21°, c = 0.118, クロロホルム。
実施例3A
1−(4−メトキシフェニル)−2−フェニルエタノン
Figure 2011500859
0℃で、フェニルアセチルクロリド10.0g(64.7mmol)を、1,2−ジクロロエタン200ml中の三塩化アルミニウム9.86g(73.9mmol)の懸濁液に滴下して添加した。混合物を0℃で5分間撹拌し、次いで、アニソール6.66g(61.6mmol)を滴下して添加した(内部温度5−8℃)。添加終了後、冷却を止め、混合物を室温で2.5時間撹拌した。次いで、激しく撹拌しながら、混合物を氷水に添加した。濃塩酸の添加後、混合物を1,2−ジクロロエタンで抽出した。有機相を水、1N水酸化ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウム溶液で連続的に洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を高真空下で乾燥させた。これにより、標的生成物16.24gを得、これをさらに精製せずに次の反応に使用した。
LC-MS (方法 1): Rt = 2.50 分; m/z = 227 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.04 (d, 2H), 7.35-7.20 (m, 5H), 7.05 (d, 2H), 4.32 (s, 2H), 3.86 (s, 3H).
実施例4A
3−(ジメチルアミノ)−1−(4−メトキシフェニル)−2−フェニルプロプ−2−エン−1−オン
Figure 2011500859
1−(4−メトキシフェニル)−2−フェニルエタノン21.7g(95.9mmol)を、トルエン110mlに溶解し、50℃に温め、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール19.1ml(143.9mmol)を添加した。反応混合物を80℃で終夜撹拌し、次いで、冷却後、減圧下で濃縮した。残渣を繰り返しトルエンに取り、各場合で減圧下で乾燥するまで再度濃縮した。得られた固体を石油エーテルでトリチュレートし、濾過し、高真空下で乾燥させた。これにより、標的生成物24.26g(理論値の89.9%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.37 (d, 2H), 7.31-7.18 (m, 4H), 7.10 (d, 2H), 6.87 (d, 2H), 3.28 (s, 3H), 2.68 (s, 6H).
実施例5A
3−(4−メトキシフェニル)−4−フェニル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
Figure 2011500859
2−アミノ−2−シアノアセトアミド8.45g(85.3mmol)を、氷酢酸144ml中の3−(ジメチルアミノ)−1−(4−メトキシフェニル)−2−フェニルプロプ−2−エン−1−オン24.0g(85.3mmol)の溶液に添加した。反応混合物を80℃で1時間加熱した。室温に冷却後、濃硫酸5mlを添加し、反応混合物を室温でさらに1時間撹拌した。次いで、混合物を水に添加し、ジクロロメタンで抽出した。有機相を水、飽和重炭酸ナトリウム溶液および飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル6:1→4:1)により精製した。これにより、標的生成物13.49g(理論値の49.2%)を得た。
LC-MS (方法 1): Rt = 2.65 分; m/z = 275 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 12.53 (s, 1H), 7.41 (s, 1H), 7.29-7.15 (m, 7H), 6.94 (d, 2H), 3.80 (s, 3H).
実施例6A
1−アミノ−3−(4−メトキシフェニル)−4−フェニル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
Figure 2011500859
アルゴン雰囲気下、DMF3.4ml中の3−(4−メトキシフェニル)−4−フェニル−1H−ピロール−2−カルボニトリル960mg(2.5mmol)の溶液を、氷冷したDMF30ml中の水素化ナトリウム700mg(17.5mmol、60%)の懸濁液に滴下して添加した。混合物を0℃で10分間撹拌した。次いで、DMF約5ml中のo−メシチレンスルホニルヒドロキシルアミン(依然として僅かに水で湿っている、Synthesis, 1972, 140 に従い新たに調製したもの;注意深く:乾燥すると爆発し得る)1130mg(約5mmol)の溶液を添加した。反応混合物を0℃で3時間撹拌し、次いで酢酸エチルで希釈し、飽和塩化アンモニウム溶液を注意深く添加した。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル7:1)により精製した。これにより、標的生成物594mg(理論値の58.7%)を得た。
LC-MS (方法 2): Rt = 1.23 分; m/z = 290 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.31 (s, 1H), 7.29-7.11 (m, 7H), 6.95 (d, 2H), 6.49 (s, 2H), 3.79 (s, 3H).
実施例7A
4−アミノ−5−(4−メトキシフェニル)−6−フェニルピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン
Figure 2011500859
1−アミノ−3−(4−メトキシフェニル)−4−フェニル−1H−ピロール−2−カルボニトリル590mg(2.04mmol)を、先ず、ホルムアミド1.6mlに加え、マイクロ波中、140℃で加熱した。10時間後、混合物を室温に冷却し、水および多量の酢酸エチルを添加した。分離した有機相を減圧下で実質的に濃縮し、残った懸濁液をアセトニトリルで処理した。沈殿した固体を吸引濾過し、高真空下で乾燥させた。これにより、標的生成物456mg(理論値の70.7%)を得た。
LC-MS (方法 3): Rt = 1.77 分; m/z = 317 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.03 (s, 1H), 7.89 (s, 1H), 7.30-7.16 (m, 7H), 7.03 (d, 2H), 4.95 (br. s, 2H), 3.81 (s, 3H).
実施例8A
5−(4−メトキシフェニル)−6−フェニルピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4(3H)−オン
Figure 2011500859
無水酢酸2.4ml(25.9mmol)を、0℃に冷却し、ギ酸1.2ml(31.1mmol)を少しずつ添加した。混合物を0℃で30分間撹拌した。次いで、1−アミノ−3−(4−メトキシフェニル)−4−フェニル−1H−ピロール−2−カルボニトリル300mg(1.04mmol)を添加した。反応混合物を130℃(浴温度)に加熱し、24時間撹拌した。冷却後、反応混合物を高真空下で濃縮し、残渣を少量のDMSOに取った。分取RP−HPLC(移動相:アセトニトリル/水グラジエント)により、生成物を単離した。これにより、標的化合物47.8mg(理論値の14.5%)を得た。
LC-MS (方法 1): Rt = 2.30 分; m/z = 318 (M+H)+
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ = 11.54 (s, 1H), 7.84 (s, 1H), 7.83 (s, 1H), 7.25 (m, 2H), 7.21-7.15 (m, 4H), 6.85 (d, 2H), 3.78 (s, 3H).
実施例9A
4−クロロ−5−(4−メトキシフェニル)−6−フェニルピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン
Figure 2011500859
室温で、オキシ塩化リン0.45ml(4.79mmol)を、5−(4−メトキシフェニル)−6−フェニルピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4(3H)−オン76mg(0.24mmol)に添加した。懸濁液を還流下で3時間加熱し、その間に、固体が溶解した。冷却後、混合物をジクロロメタンで希釈し、水およびアンモニア溶液を添加した(水相のpH約9)。相分離後、水相をジクロロメタンで2回再抽出した。全ての有機相を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。分取RP−HPLC(移動相:アセトニトリル/水グラジエント)により、標的生成物62.7mg(理論値の78.0%)を得た。
LC-MS (方法 3): Rt = 2.43 分; m/z = 336 (M+H)+
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ = 8.61 (s, 1H), 8.42 (s, 1H), 7.30-7.23 (m, 7H), 6.97 (d, 2H), 3.80 (s, 3H).
実施例:
実施例1
エチル(6−{[5−(4−メトキシフェニル)−6−フェニルピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−イル]アミノ}ヘキサノエート
Figure 2011500859
0℃で、水素化ナトリウム11.6mg(0.289mmol、60%)を、無水DMF0.32ml中の4−アミノ−5−(4−メトキシフェニル)−6−フェニルピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン87.0mg(0.275mmol)およびエチル6−ブロモヘキサノエート92.0mg(0.412mmol)の混合物に添加した。反応混合物をゆっくりと室温に温め、この温度で2時間撹拌し、次いで水に添加した。混合物を酢酸エチルで徹底的に抽出し、有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物を分取RP−HPLC(移動相:アセトニトリル/水グラジエント)により精製した。これにより、標的化合物49.4mg(理論値の39.2%)を得た。
LC-MS (方法 3): Rt = 2.53 分; m/z = 459 (M+H)+
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ = 7.99 (s, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.29 (d, 2H), 7.28-7.17 (m, 5H), 7.03 (d, 2H), 5.28 (t, 1H), 4.03 (q, 2H), 3.82 (s, 3H), 3.34 (q, 2H), 2.24 (t, 2H), 1.49-1.41 (m, 2H), 1.40-1.43 (m, 2H), 1.17 (t, 3H), 1.13-1.05 (m, 2H).
実施例2
tert−ブチル(6R)−6−{[5−(4−メトキシフェニル)−6−フェニルピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−イル]オキシ}ヘプタノエート
Figure 2011500859
−5℃、アルゴン雰囲気下で、THF中の1MのP4−ホスファゼン塩基溶液0.24ml(0.24mmol)を、無水THF0.27ml中の4−クロロ−5−(4−メトキシフェニル)−6−フェニルピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン61.0mg(0.182mmol)およびtert−ブチル(−)−6−ヒドロキシヘプタノエート51.4mg(0.254mmol)の溶液に滴下して添加した。添加終了後、混合物を0℃に温め、40分間撹拌した。次いで、反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を分取RP−HPLC(移動相:アセトニトリル/水グラジエント)により直接精製した。これにより、標的生成物21.2mg(理論値の23.3%)を得た。
LC-MS (方法 4): Rt = 3.29 分; m/z = 502 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 7.99 (s, 1H), 7.81 (s, 1H), 7.30-7.20 (m, 7H), 6.83 (d, 2H), 5.30 (m, 1H), 3.84 (s, 3H), 2.12 (t, 2H), 1.54-1.45 (m, 4H), 1.42 (s, 9H), 1.28 (d, 3H), 1.22-1.10 (m, 2H).
一般的方法A:メチルまたはエチルエステルの対応するカルボン酸への加水分解
室温で、1N水溶液としての水酸化ナトリウム1.5ないし10eq.を、THFまたはTHF/メタノール(1:1)中のメチルまたはエチルエステルの溶液(濃度約0.05ないし0.5mol/l)に添加する。混合物を室温で0.5−18時間撹拌し、次いで、1N塩酸で中和またはわずかに酸性にする。固体が沈殿したら、生成物を濾過により単離でき、水で洗浄し、高真空下で乾燥させる。あるいは、標的化合物を粗生成物から直接、必要に応じて、ジクロロメタンによる抽出的後処理の後、分取RP−HPLC(移動相:アセトニトリル/水グラジエント)により単離するか、または、不活性溶媒を用いるトリチュレーションにより精製する。
下記の実施例は、一般的方法Aに従って得た:
Figure 2011500859
一般的方法B:tert−ブチルエステルの対応するカルボン酸への開裂
0℃ないし室温で、トリフルオロ酢酸(TFA)を、ジクロロメタン中のtert−ブチルエステルの溶液(濃度0.1ないし1.0mol/l;さらに、必要であれば、水1滴)に、ジクロロメタン/TFA比が約2:1ないし1:2に達するまで、滴下して添加する。混合物を室温で1−18時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮する。あるいは、反応混合物をジクロロメタンで希釈し、水および飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥させ、減圧下で濃縮する。粗生成物を、必要であれば、例えば分取RP−HPLC(移動相:アセトニトリル/水グラジエント)により精製する。
下記の実施例は、一般的方法Bに従って得た:
Figure 2011500859
B. 薬理効果の評価
本発明による化合物の薬理作用は、下記のアッセイで立証できる:
B−1. ヒト血小板膜のプロスタサイクリン受容体(IP受容体)への結合試験
ヒト血液(Maco Pharma, Langen のCDP安定化剤を含むバフィーコート)50mlを、20分間、160×gで遠心分離することにより、血小板膜を得る。上清(多血小板血漿、PRP)を取り出し、次いで、2000×gで10分間、室温で再度遠心分離する。沈殿物を50mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンに再懸濁し、これを1Nの塩酸でpH7.4に調節し、−20℃で一晩保存する。翌日、懸濁液を、80000×g、4℃で30分間遠心分離する。上清を廃棄する。沈殿物を50mMのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン/塩酸、0.25mMのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、pH7.4に再懸濁し、次いで、もう一度、80000×g、4℃で30分間遠心分離する。膜沈殿物を結合バッファー(50mMトリス(ヒドロキシメチル)−アミノメタン/塩酸、5mM塩化マグネシウム、pH7.4)に取り、−70℃で結合試験まで保存する。
結合試験のために、3nMのH−イロプロスト(592GBq/mmol、AmershamBioscience)を、60分間、1回あたり300−1000μg/mlのヒト血小板膜(最大0.2ml)と、試験物質の存在下、室温でインキュベートする。停止後、冷結合バッファーを膜に添加し、0.1%ウシ血清アルブミンで洗浄する。Ultima Gold Scintillator の添加後、シンチレーションカウンターを使用して膜に結合した放射能を定量する。非特異的結合は、1μMのイロプロスト(Cayman Chemical, Ann Arbor から)の存在下での放射能と定義され、一般的に、結合した全放射能の<25%である。結合データ(IC50値)は、プログラム GraphPad Prism Version 3.02 を使用して決定する。
本発明による化合物の代表的な結果を表1に示す:
表1
Figure 2011500859
B−2. 全細胞でのIP受容体の刺激
試験物質のIPアゴニスト的作用を、IP受容体を内因的に発現するヒト赤白血病細胞株(HEL)を利用して測定する[Murray, R., FEBS Letters 1989, 1: 172-174]。このために、懸濁細胞(4x10細胞/ml)を、特定の試験物質と共に、30℃で5分間、バッファー[10mM HEPES(4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸)/PBS(リン酸緩衝生理食塩水、Oxoid, UK より)]、1mM塩化カルシウム、1mM塩化マグネシウム、1mM IBMX(3−イソブチル−1−メチルキサンチン)、pH7.4中でインキュベートする。次に、この反応を4℃の冷却エタノールの添加によって停止させ、そして内容物を4℃で更に30分間保存する。次いで、このサンプルを10000xg、4℃で遠心分離する。この結果生じる上清を捨て、購入できるcAMPラジオイムノアッセイ(IBL, Hamburg より)での環状アデノシン一リン酸(cAMP)の濃度の測定に、沈殿物を使用する。この試験では、IPアゴニストは、cAMP濃度の増加を導くが、IPアンタゴニストには作用がない。この有効な濃度(EC50値)を、プログラム GraphPad Prism Version 3.02 を用いて決定する。
B−3. インビトロでの血小板凝集の阻害
血小板凝集の阻害を、両性の健康な試験対象からの血液を使用して測定する。9の割合の血液を、1の割合の凝固剤としての3.8%クエン酸ナトリウム溶液と混合する。この血液を、900回転/分で、20分間遠心分離する。得られた多血小板血漿のpH値を、ACD溶液(クエン酸ナトリウム/クエン酸/グルコース)でpH6.5に調節する。次いで、遠心分離により血小板を取り出し、バッファーに取り、再度遠心分離する。血小板沈殿物をバッファーに取り、さらに2mmol/lの塩化カルシウムで再懸濁する。
凝集の測定のために、血小板懸濁液のアリコートを、試験物質と10分間37℃でインキュベートする。次に、ADPの添加により凝集を誘導し、37℃で、血小板凝集計で、Born による比濁法により決定する[Born G.V.R., J. Physiol. (London) 168, 178-179 (1963)]。
B−4. 麻酔したラットの血圧測定
体重300−350gの雄の Wistar ラットを、チオペンタール(100mg/kg i.p.)で麻酔する。気管切開後、血圧測定のために大腿動脈にカテーテルを挿入する。試験物質を液剤として、食道チューブによって経口で、または適切な媒体中で大腿静脈を介して静脈内に投与する。
B−5. 麻酔したイヌにおけるPAHモデル
この肺動脈高血圧(PAH)の動物モデルでは、体重約25kgの雑種のイヌを使用する。チオペンタールナトリウム(Trapanal(登録商標))25mg/kgおよび塩化アルクロニウム (Alloferin(登録商標))0.15mg/kgのゆっくりとしたi.v.投与により昏睡を誘導し、Fentanyl(登録商標)0.04mg/kg/h、ドロペリドール(Dehydrobenzperidol(登録商標))0.25mg/kg/hおよび塩化アルクロニウム(Alloferin(登録商標))15μg/kg/hの連続的注入により、実験中に維持する。血圧を下げることによる脈拍に対する反射的作用を、自律的阻害[アトロピン(約10μg/kg/h)およびプロプラノロール(約20μg/kg/h)の連続的注入]により最小に維持する。挿管後、人工呼吸器を使用して、約5%の呼気終末CO濃度に達するように、一定の一回呼吸量で動物を人工呼吸させる。人工呼吸は、約30%酸素で強化した外界の空気で行う(正常酸素圧)。血行動態パラメーターの測定のために、血圧測定用の液体を満たしたカテーテルを大腿動脈に植え込む。2つの管腔を有する(double-lumiger)Swan-Ganz(登録商標)カテーテルを、頸静脈を介して肺動脈に導入する(遠位の管腔は、肺動脈圧の測定用、近位の管腔は、中心静脈圧の測定用)。頸動脈を介する左室へのマイクロチップカテーテル(Millar(登録商標) Instruments)の導入後に、左室圧を測定し、ここから、収縮力の尺度として、dP/dt値を導く。大腿静脈を介して物質をi.v.投与する。血行動態シグナルを、圧力センサー/増幅器およびデータ獲得ソフトウエアとしての PONEMAH(登録商標)を使用して、記録および評価する。
急性肺高血圧を誘導するために、使用する刺激は、低酸素またはトロンボキサンAもしくはトロンボキサンA類似体の連続的注入である。急性低酸素症は、mPAPが>25mmHgの値に上昇するように、人工呼吸の空気中の酸素を徐々に約14%に減らすことにより誘導する。使用する刺激がトロンボキサンA類似体であるならば、0.21−0.32μg/kg/分のU−46619[9,11−ジデオキシ−9α,11a−エポキシメタノプロスタグランジンF2a(Sigma より)]を注入し、mPAPを>25mmHgに高める。
B−6. 麻酔したゲッティンゲン(Goettingen)のミニブタにおけるPAHモデル
この肺動脈高血圧(PAH)の動物モデルでは、体重約25kgのゲッティンゲンのミニブタを使用する。ケタミン(Ketavet(登録商標))30mg/kgi.m.により、続いてチオペンタールナトリウム(Trapanal(登録商標))10mg/kgのi.v.投与により、昏睡を誘導する;実験中に、約30−35%酸素で強化した外界の空気/NOの混合物(1:1.5)中のエンフルラン(2−2.5%)を使用する吸入麻酔により、それを維持する。血行動態パラメーターを測定するために、血圧測定用の液体−液体カテーテルを大腿動脈に植え込む。2つの管腔を有する Swan-Ganz(登録商標)カテーテルを、頸静脈を介して肺動脈に導入する(遠位の管腔は、肺動脈圧の測定用、近位の管腔は、中心静脈圧の測定用)。頸動脈を介する左室へのマイクロ−チップカテーテル(Millar(登録商標) Instruments)の導入後に、左室圧を測定し、ここから、収縮力の尺度として、dP/dt値を導く。大腿静脈を介して物質をi.v.投与する。血行動態シグナルを、圧力センサー/増幅器およびデータ獲得ソフトウエアとしての PONEMAH(登録商標)を使用して記録および評価する。
急性肺高血圧を誘導するために、使用する刺激は、トロンボキサンA類似体の連続的注入である。ここで、0.12−0.14μg/kg/分のU−46619[9,11−ジデオキシ−9α,11α−エポキシメタノプロスタグランジンF2a(Sigma より)]を注入し、mPAPを>25mmHgに高める。
C. 医薬組成物の例示的実施態様
本発明の化合物は、以下の方法で医薬製剤に変換できる:
錠剤:
組成:
本発明の化合物100mg、ラクトース(一水和物)50mg、トウモロコシデンプン(天然)50mg、ポリビニルピロリドン(PVP25)(BASF, Ludwigshafen, Germany より)10mgおよびステアリン酸マグネシウム2mg。
錠剤重量212mg、直径8mm、曲率半径12mm。
製造:
本発明の化合物、ラクトースおよびデンプンの混合物を、5%濃度PVP水溶液(m/m)で造粒する。乾燥後、顆粒をステアリン酸マグネシウムと5分間混合する。この混合物を通常の打錠機で打錠する(錠剤の形状について、上記参照)。打錠のためのガイドラインの打錠力は、15kNである。
経口投与できる懸濁剤:
組成:
本発明の化合物1000mg、エタノール(96%)1000mg、Rhodigel(登録商標) (FMC, Pennsylvania, USA のキサンタンガム)400mgおよび水99g。
経口懸濁剤10mlは、本発明の化合物100mgの単回用量に相当する。
製造:
Rhodigel をエタノールに懸濁し、本発明の化合物を懸濁液に添加する。撹拌しながら水を添加する。混合物を、Rhodigelの膨潤が完了するまで、約6時間撹拌する。
経口投与できる液剤:
組成:
本発明の化合物500mg、ポリソルベート2.5gおよびポリエチレングリコール400 97g。経口液剤20gは、本発明による化合物100mgの単回用量に相当する。
製造:
本発明の化合物を、ポリエチレングリコールとポリソルベートの混合物中に、撹拌しながら懸濁する。本発明による化合物が完全に溶解するまで、撹拌工程を継続する。
i.v.液剤:
本発明の化合物を、生理的に耐容される溶媒(例えば、等張生理食塩水、5%グルコース溶液および/または30%PEG400溶液)に、飽和溶解度より低い濃度で溶解する。溶液を濾過滅菌し、無菌のパイロジェンを含まない注射容器に充填するのに使用する。

Claims (10)

  1. 式(I)
    Figure 2011500859
    [式中、
    Aは、OまたはN−Rを表し
    {ここで、Rは、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキルまたは(C−C)−シクロアルケニルを表す}、
    Mは、式
    Figure 2011500859
    の基を表し
    〔式中、
    #は、基Aへの結合点を表し、
    そして、##は、基Zへの結合点を表し、
    は、水素または(C−C)−アルキルを表し、これは、ヒドロキシルまたはアミノにより置換されていてもよく、
    は、(C−C)−アルカンジイルまたは(C−C)−アルケンジイル{フッ素により一置換または二置換されていてもよい}、または、式*−L1A−V−L1B−**の基を表し
    {式中、
    *は、基−CHRへの結合点を表し、
    **は、基Zへの結合点を表し、
    1Aは、(C−C)−アルカンジイルを表し、これは、(C−C)−アルキルおよび(C−C)−アルコキシからなる群からの同一かまたは異なるラジカルにより一置換または二置換されていてもよく、
    1Bは、結合または(C−C)−アルカンジイルを表し、これは、フッ素により一置換または二置換されていてもよく、
    そして、
    Vは、OまたはN−Rを表し、式中、Rは、水素、(C−C)−アルキルまたは(C−C)−シクロアルキルを表す}、
    は、結合または(C−C)−アルカンジイルを表し、
    は、(C−C)−アルカンジイル{これは、フッ素により一置換または二置換されていてもよく、そして、メチレン基は、OまたはN−Rにより置き換えられていてもよく、式中、Rは、水素、(C−C)−アルキルまたは(C−C)−シクロアルキルを表す}を表すか、または、(C−C)−アルケンジイルを表し、
    そして、
    Qは、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルケニル、フェニル、5員ないし7員の複素環または5員または6員のヘテロアリールを表し、これらの各々は、フッ素、塩素、(C−C)−アルキル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、トリフルオロメトキシ、アミノ、モノ−(C−C)−アルキルアミノおよびジ−(C−C)−アルキルアミノからなる群からの2個までの同一かまたは異なるラジカルにより置換されていてもよい
    {ここで、(C−C)−アルキルは、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、アミノ、モノ−またはジ−(C−C)−アルキルアミノにより置換されていてもよい}〕、
    Zは、式
    Figure 2011500859
    の基を表し
    {式中、###は、基LまたはLへの結合点を表し、
    そして、Rは、水素または(C−C)−アルキルを表す}、
    そして、
    およびRは、同一であるかまたは異なり、相互に独立して、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルケニル、フェニル、5員ないし7員の複素環または5員または6員のヘテロアリールを表し、これらの各々は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルケニル、(C−C)−アルコキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、(C−C)−アルキルチオ、(C−C)−アシル、アミノ、モノ−(C−C)−アルキルアミノ、ジ−(C−C)−アルキルアミノおよび(C−C)−アシルアミノからなる群からの同一かまたは異なるラジカルにより一置換ないし三置換されていてもよいか{ここで、(C−C)−アルキルおよび(C−C)−アルコキシは、各場合で、シアノ、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルキルチオ、アミノ、モノ−またはジ−(C−C)−アルキルアミノにより置換されていてもよい}、
    または、
    および/またはRは、隣接する環内炭素原子に結合した2個のラジカルが一体となって式−O−CH−O−、−O−CHF−O−、−O−CF−O−、−O−CH−CH−O−または−O−CF−CF−O−の基を形成しているフェニルを表す]
    の化合物、または、その塩、その溶媒和物もしくはその塩の溶媒和物の1つ。
  2. 式中、
    Aが、OまたはNHを表し、
    Mが、式
    Figure 2011500859
    の基を表し
    〔式中、
    #は、基Aへの結合点を表し、
    そして、##は、基Zへの結合点を表し、
    は、水素、メチルまたはエチルを表し、
    は、(C−C)−アルカンジイル、(C−C)−アルケンジイルまたは式*−L1A−V−L1B−**の基を表し
    {式中、
    *は、基−CHRへの結合点を表し、
    **は、基Zへの結合点を表し、
    1Aは、(C−C)−アルカンジイルを表し、これは、メチルにより一置換または二置換されていてもよく、
    1Bは、(C−C)−アルカンジイルを表し、
    そして、
    Vは、OまたはN−CHを表す}、
    は、結合、メチレン、エタン−1,1−ジイルまたはエタン−1,2−ジイルを表し、
    は、(C−C)−アルカンジイルまたは式●−W−CH−●●もしくは●−W−CH−CH−●●の基を表し
    {式中、
    ●は、環Qへの結合点を表し、
    ●●は、基Zへの結合点を表し、
    Wは、OまたはN−Rを表し、式中、Rは、水素または(C−C)−アルキルを表す}、
    そして、
    Qは、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、ピロリジニル、ピペリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニルまたはフェニルを表し、これらの各々は、フッ素、メチル、エチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、メトキシおよびエトキシからなる群からの2個までの同一かまたは異なるラジカルにより置換されていてもよい〕、
    Zが、式
    Figure 2011500859
    の基を表し
    {式中、###は、基LまたはLへの結合点を表す}、
    そして、
    およびRが、同一であるかまたは異なり、相互に独立して、シクロペンテン−1−イル、シクロヘキセン−1−イル、フェニル、チエニルまたはピリジルを表し、これらの各々は、フッ素、塩素、シアノ、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルコキシ、トリフルオロメチルおよびトリフルオロメトキシからなる群からの同一かまたは異なるラジカルにより一置換または二置換されていてもよい、
    請求項1に記載の式(I)の化合物、または、その塩、その溶媒和物もしくはその塩の溶媒和物の1つ。
  3. 式中、
    Aが、OまたはNHを表し、
    Mが、式
    Figure 2011500859
    の基を表し
    〔式中、
    #は、基Aへの結合点を表し、
    そして、##は、基Zへの結合点を表し、
    は、水素またはメチルを表し、
    そして、
    は、ブタン−1,4−ジイル、ペンタン−1,5−ジイルまたは式*−L1A−O−L1B−**の基を表す
    {式中、
    *は、基−CHRへの結合点を表し、
    **は、基Zへの結合点を表し、
    1Aは、メチレンまたはエタン−1,2−ジイルを表し、これは、メチルにより一置換または二置換されていてもよく、
    そして、
    1Bは、メチレンまたはエタン−1,2−ジイルを表す}〕、
    Zが、式
    Figure 2011500859
    {式中、###は、基Lへの結合点を表す}
    の基を表し、
    そして、
    が、フッ素または塩素により置換されていてもよいフェニルを表し、
    そして、
    が、メチル、エチル、メトキシまたはエトキシにより置換されていてもよいフェニルを表す、
    請求項1または請求項2に記載の式(I)の化合物、または、その塩、その溶媒和物もしくはその塩の溶媒和物の1つ。
  4. Zが−COOHまたは−C(=O)−COOHを表す請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の化合物の製造方法であって、
    [A]式(II)
    Figure 2011500859
    (式中、RおよびRは、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の意味を有し、
    そして、Xは、脱離基、例えばハロゲン、特に塩素を表す)
    の化合物を、不活性溶媒中、塩基の存在下、式(III)
    Figure 2011500859
    (式中、AおよびMは、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の意味を有し、
    そして、Zは、シアノまたは式−[C(O)]−COOR7Aの基を表し、式中、yは0または1の数を表し、そして、R7Aは(C−C)−アルキルを表す)
    の化合物と反応させ、式(IV)
    Figure 2011500859
    (式中、A、M、Z、RおよびRは、各々上記の意味を有する)
    の化合物を得るか、
    または、
    [B]式(V)
    Figure 2011500859
    (式中、A、RおよびRは、各々請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の意味を有する)
    の化合物を、不活性溶媒中、塩基の存在下、式(VI)
    Figure 2011500859
    (式中、Mは請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の意味を有し、Zは、上記の意味を有し、
    そして、Xは、脱離基、例えばハロゲン、メシレート、トシレートまたはトリフレートを表す)
    の化合物と反応させ、式(IV)
    Figure 2011500859
    (式中、A、M、Z、RおよびRは、各々上記の意味を有する)
    の化合物を得、
    次いで、式(IV)の化合物を、エステルまたはシアノ基Zの加水分解により、式(I−A)
    Figure 2011500859
    (式中、A、M、R、Rおよびyは、各々上記の意味を有する)
    のカルボン酸に変換し、これらを、必要に応じて、適当な(i)溶媒および/または(ii)塩基もしくは酸を使用して、それらの溶媒和物、塩および/または塩の溶媒和物に変換することを特徴とする、方法。
  5. 疾患の処置および/または予防のための請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の化合物。
  6. 狭心症、肺高血圧、血栓塞栓性障害または末梢閉塞性疾患の処置および/または予防用の医薬を製造するための、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の化合物の使用。
  7. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の化合物を、不活性かつ非毒性の医薬的に許容し得る補助剤と共に含む医薬。
  8. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の化合物をさらなる活性化合物と共に含む医薬。
  9. 狭心症、肺高血圧、血栓塞栓性障害または末梢閉塞性疾患の処置および/または予防のための請求項7または請求項8に記載の医薬。
  10. 有効量の少なくとも1種の請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の化合物または請求項7ないし請求項9のいずれかに記載の医薬を投与することによる、ヒトまたは動物における狭心症、肺高血圧、血栓塞栓性障害または末梢閉塞性疾患の処置および/または予防方法。
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