JP2011257635A - 絶縁膜形成用感光性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】形成された絶縁膜の誘電率を小さくすることのできる絶縁膜形成用感光性組成物を提供すること。
【解決手段】下記一般式(I)で表される構成単位(a1)及び下記一般式(II)で表される構成単位(a2)を有するシルセスキオキサン樹脂(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)と、架橋剤成分(C)とを含む絶縁膜形成用感光性組成物を使用する。下記一般式(I)中、Rは炭素数1〜5のアルキレン基であり、nは1〜5の整数である。また、下記一般式(II)中、Rは炭素数1〜10のアルキル基である。
Figure 2011257635

【選択図】なし

Description

本発明は、絶縁膜を形成するための感光性組成物に関する。
集積回路素子、液晶表示素子、固体撮像素子等の電子部品では、層状に配置された配線の間を絶縁するために、層間絶縁膜が形成されている。この層間絶縁膜は、微細なパターンとして形成されるので、感光性樹脂組成物を用いて形成されるのが一般的である(例えば、特許文献1〜3を参照)。
例えば、集積回路素子の場合、例えばLSI(Large Scale Integration)の多層配線は、電気を通す金属配線とそれらを電気的に絶縁する層間絶縁膜とを交互に成膜・加工しながら形成していく。このような層間絶縁膜を形成するための感光性樹脂組成物には、層間絶縁膜を形成した後の高い絶縁性や、微細加工を実現するための高い解像性が求められる。
特開平8−262709号公報 特開2000−162769号公報 特開2003−330180号公報
ところで、近年、集積回路の微細化が進むのに伴って、配線同士の距離が小さくなり、近接する配線間の電気容量が大きくなっている。この配線間の電気容量は、配線と配線との間に層間絶縁膜が挟まれることにより、図らずも部分的なキャパシタが形成されることによって発生する。そして、この配線間の電気容量が大きくなるのに伴って、配線を伝わる信号の速度が遅くなる信号遅延現象を生じる。信号遅延現象の影響が大きくなると、集積回路素子の処理速度を思うように上げることができなくなり、また、集積回路素子の消費電力も大きくなるという問題を生じる。この配線間の電気容量は、形成された層間絶縁膜の誘電率に比例するので、層間絶縁膜の誘電率を小さくすることによって小さくすることができる。
本発明は、以上の問題に鑑みてなされたものであり、形成された絶縁膜の誘電率を小さくすることのできる絶縁膜形成用感光性組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、樹脂と、酸発生剤成分と、架橋剤成分とを組み合わせることにより構成された絶縁膜形成用感光性組成物において、樹脂として、特定の構成単位を有するシルセスキオキサン樹脂を使用することによって、形成された絶縁膜の誘電率を小さくすることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、下記一般式(I)で表される構成単位(a1)及び下記一般式(II)で表される構成単位(a2)を有するシルセスキオキサン樹脂(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)と、架橋剤成分(C)とを含む絶縁膜形成用感光性組成物を提供する。
Figure 2011257635
(上記一般式(I)中、Rは炭素数1〜5のアルキレン基であり、nは1〜5の整数である。また、上記一般式(II)中、Rは炭素数1〜10のアルキル基である。)
本発明によれば、形成された絶縁膜の誘電率を小さくすることのできる絶縁膜形成用感光性組成物が提供される。
以下、本発明の絶縁膜形成用感光性組成物について具体的に説明する。本発明の絶縁膜形成用感光性組成物(以下、単に「感光性組成物」とも呼ぶ。)は、露光されることにより硬化して絶縁膜を形成させるネガタイプの感光性材料である。このため、所望のマスクパターンを通して露光することにより、所望とする形状に絶縁膜を高精度に形成させることができるので、集積回路素子における層間絶縁膜、TFT(薄膜トランジスタ)型液晶表示素子等における絶縁膜の形成用途として好ましく使用される。また、本発明の感光性組成物は、小さな誘電率を示す絶縁膜を形成させるので、集積回路素子における層間絶縁膜の形成用途として特に好ましく使用される。
本発明の感光性組成物は、(A)シルセスキオキサン樹脂(以下、「(A)成分」とも呼ぶ。)と、(B)露光により酸を発生する酸発生剤成分(以下「(B)成分」とも呼ぶ。)と、(C)架橋剤成分(以下、「(C)成分」とも呼ぶ。)とを含む。以下、各成分について説明する。
[(A)シルセスキオキサン樹脂]
本発明における(A)成分は、下記一般式(I)で表される構成単位(a1)及び下記一般式(II)で表される構成単位(a2)を有するシルセスキオキサン樹脂である。ここで、下記一般式(I)及び(II)において、二つある酸素原子の一方を「O1/2」と表現しているのは、この酸素原子が他の構成単位と共有されていることを示すものである。
Figure 2011257635
(上記一般式(I)中、Rは炭素数1〜5のアルキレン基であり、nは1〜5の整数である。また、上記一般式(II)中、Rは炭素数1〜10のアルキル基である。)
構成単位(a1)において、Rは、炭素数1〜5のアルキレン基であり、直鎖構造でも分枝構造を有してもよい。このようなRとして、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、イソプロピレン基等が例示されるが、メチレン基が好ましく例示される。
構成単位(a1)において、水酸基は、露光により酸発生剤成分(B)から発生した酸の存在下、後述する架橋剤成分(C)と結合して(A)成分を高分子量化させる。また、露光されない箇所において、構成単位(a1)に含まれる未反応の水酸基は、現像液に対する溶解性を(A)成分に付与して、感光性組成物の現像性を担保する。構成単位(a1)における水酸基の位置は、o位、m位又はp位のいずれでもよいが、工業的にはp位が好ましい。さらに、構成単位(a1)において、水酸基の個数は、1〜5個であり、1〜2個が好ましい。
構成単位(a2)において、Rは、炭素数1〜10のアルキル基であり、直鎖構造でも分枝構造を有してもよい。このようなRとして、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、2−エチルヘキシル基等が例示されるが特に限定されない。
本発明で使用されるシルセスキオキサン樹脂において、上記のような構成単位(a2)を採用する理由について説明する。例えば、本発明と同様にシルセスキオキサン樹脂を含む特開2005−266474号公報に記載された感光性組成物では、本発明でいう構成単位(a2)におけるRとして、フェニル基を有するシルセスキオキサン樹脂を採用する。このような感光性組成物は、良好な耐熱性を示すので好ましいが、誘電率を低くして集積回路素子における配線間の電気容量を低下させるという点では、依然として改善の余地があった。本発明者らは、この課題を解決するために鋭意検討を行った結果、意外にも、感光性組成物が、構成単位(a2)におけるRとして炭素数1〜10のアルキル基を有するシルセスキオキサン樹脂を含むことにより、この感光性組成物から形成させた絶縁膜の誘電率を低くできることを見出し、本発明を完成するに至った。Rを炭素数1〜10のアルキル基とすることによって絶縁膜の誘電率を低くすることのできる理由は、必ずしも明らかではないが、構成単位(a2)における分極率を低下させたことによるものであることが考えられる。このような観点からは、構成単位(a2)におけるRは、炭素数1〜5のアルキル基であることが好ましく、メチル基又はエチル基であることがより好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
(A)成分の分子量は、1000〜5000であることが好ましい。(A)成分の分子量が1000以上であることにより、絶縁膜のパターニング性が良好となるので好ましく、(A)成分の分子量が5000以下であることにより、感光性組成物から形成された絶縁膜の誘電率を低くすることができるので好ましい。(A)成分の分子量は、1000〜4000であることがより好ましく、1000〜3000であることが特に好ましい。
(A)成分の構成単位である(a1)と(a2)との構成比率(a1)/(a2)は、モル比で40/60〜90/10の範囲であることが好ましい。構成比率(a1)/(a2)が40/60以上であることにより、感光性組成物に良好な解像性を付与することができるので好ましく、構成比率(a1)/(a2)が90/10以下であることにより、絶縁膜の誘電率を低くすることができるので好ましい。構成比率(a1)/(a2)は、50/50〜75/25であることがより好ましく、60/40〜70/30であることが最も好ましい。
(A)成分の含有量は、後述する感光性組成物の好ましい固形分量を考慮して、適宜設定すればよい。なお、「感光性組成物の固形分量」とは、感光性組成物から溶剤成分を除いた成分の量を意味する。
[酸発生剤成分(B)]
酸発生剤成分(B)は、紫外線、放射線、電子線等の活性エネルギー線の照射により、酸を発生する化合物である。(B)成分から発生した酸の触媒作用により、後述する架橋剤成分(C)が脱保護され、(C)成分は、(A)成分を架橋することができるようになる。これにより、(A)成分が高分子量化して感光性組成物を硬化させ、ネガ型のパターンが形成される。
(B)成分としては、活性エネルギー線の照射により酸を発生する化合物であり、従来の化学増幅型レジスト組成物において使用されている公知の酸発生剤から特に限定せずに使用することができる。このような酸発生剤としては、ヨードニウム塩やスルホニウム塩等のオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ビスアルキル又はビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類、ジアゾメタンニトロベンジルスルホネート類等のジアゾメタン系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤等多種のものが知られている。
オニウム塩系酸発生剤としては、例えば、ジフェニルヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネート又はノナフルオロブタンスルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネート又はノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート、トリ(4−メチルフェニル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート、ジメチル(4−ヒドロキシナフチル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート、モノフェニルジメチルスルホニウムのトリフルオロンメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート、ジフェニルモノメチルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート又はそのノナフルオロブタンスルホネート等が挙げられる。これらのなかでもフッ素化アルキルスルホン酸イオンをアニオンとするオニウム塩が好ましい。
オキシムスルホネート系酸発生剤の具体例としては、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−p−メチルフェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−ブロモフェニルアセトニトリル、ビス−O−(n−ブチルスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム等が挙げられる。これらの中で、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、ビス−O−(n−ブチルスルホニル)−α−ジメチルグリオキシムが好ましい。
ジアゾメタン系酸発生剤のうち、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類の具体例としては、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン等が挙げられる。
また、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類としては、例えば、1,3−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,4−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ブタン、1,6−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン、1,2−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)エタン、1,3−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,6−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン等を挙げることができる。
上記(B)成分は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、感光性組成物中の(B)成分の含有量は、感光性組成物中の(A)成分の含有量に対して0.1〜30質量%であることが好ましい。(B)成分の含有量が、(A)成分の含有量に対して0.1質量%以上であることにより、感光性組成物を十分に硬化させて良好な絶縁膜のパターンを形成させることができるので好ましく、(A)成分の含有量に対して30質量%以下であることにより、感光性組成物を均一な溶液とすることができ、保存安定性も良好とすることができるので好ましい。感光性組成物中の(B)成分の含有量は、感光性組成物中の(A)成分の含有量に対して0.5〜15質量%であることがより好ましい。
[架橋剤成分(C)]
架橋剤成分(C)は、保護基で保護された架橋性の置換基を複数有する化合物であり、この保護基が解離することによって、架橋性の置換基が(A)成分に含まれる水酸基と化学結合して、(A)成分を架橋する。架橋性の置換基としては、(A)成分に含まれる水酸基と反応して化学結合を作ることのできるものであれば特に限定されない。このような(C)成分としては、公知の化学増幅型のネガ型ホトレジストの架橋剤として通常使用されているもの、例えばヒドロキシアラルキル基及び低級アルキル基から選ばれる保護基で保護された架橋性の置換基を有する化合物の中から任意に選ぶことができ、特に制限はない。
(C)成分としては、例えば、メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、尿素、エチレン尿素、グリコールウリル等のアミノ基含有化合物にホルムアルデヒド、又はホルムアルデヒド及び低級アルコールを反応させ、当該アミノ基の水素原子をヒドロキシメチル基又は低級アルコキシメチル基で置換した化合物が挙げられる。このような化合物として、具体的には、ヘキサメトキシメチルメラミン、ビスメトキシメチル尿素、ビスメトキシメチルビスメトキシエチレン尿素、テトラキスメトキシメチルグリコールウリル、テトラキスブトキシメチルグリコールウリル等を挙げることができる。これらの中でも、尿素にホルムアルデヒド、又はホルムアルデヒド及び低級アルコールを反応させ、当該アミノ基の水素原子をヒドロキシメチル基又は低級アルコキシメチル基で置換した化合物が好ましく使用される。このような化合物として、例えば、ビスメトキシメチル尿素は、配合量に大きく左右されず良好なパターンを形成させるので特に好ましく使用される。これらの(C)成分は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
感光性組成物中の(C)成分の含有量は、感光性組成物中の(A)成分の含有量に対して、3〜30質量%であることが好ましい。(C)成分の含有量が、(A)成分の含有量に対して3質量%以上であることにより、架橋形成を十分に進行させて良好な絶縁膜のパターンを形成させることができるので好ましく、(A)成分の含有量に対して30質量%以下であることにより、感光性組成物の保存安定性を良好にすることができるので好ましい。感光性組成物中の(C)成分の含有量は、感光性組成物中の(A)成分の含有量に対して、5〜20質量%であることがより好ましい。
[含窒素有機化合物(D)]
本発明の感光性組成物は、さらに(D)含窒素有機化合物(以下、「(D)成分」とも呼ぶ。)を含むことが好ましい。本発明の感光性組成物に(D)成分が添加されることにより、形成された絶縁膜のパターン形状、感光性組成物の経時安定性等を向上させることができる。
この(D)成分は、既に多種多様な化合物が提案されているので、公知のものから任意に使用すればよい。このような化合物として、アミン、特に第2級脂肪族アミンや第3級脂肪族アミンを好ましく使用することができる。
(D)成分の具体例としては、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリペンチルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、トリ−n−ドデシルアミン等のアルキルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジ−n−オクタノールアミン、トリ−n−オクタノールアミン等のアルキルアルコールのアミンが挙げられる。これらの(D)成分は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
感光性組成物中の(D)成分の含有量は、感光性組成物中の(A)成分の含有量に対して0.01〜10質量%であることが好ましい。(D)成分の含有量が、(A)成分の含有量に対して0.01質量%以上であることにより、形成される絶縁膜パターンの形状を良好にすることができるので好ましく、(A)成分の含有量に対して10質量%以下であることにより、(D)成分の添加による感光性組成物の感度低下を抑制することができる。感光性組成物中の(D)成分の含有量は、感光性組成物中の(A)成分の含有量に対して0.01〜5質量%であることがより好ましい。
[溶剤]
本発明の感光性組成物は、塗布性を改善したり、粘度を調節したりするために、有機溶剤を含有してもよい。
このような溶剤としては、特に限定されず、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、3−メトキシブチルアセテート(MA)、3−メトキシブタノール(BM)、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、炭酸メチル、炭酸エチル、炭酸プロピル、炭酸ブチル挙げられる。これらの溶剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
有機溶剤の使用量は特に限定されないが、感光性組成物が基板等に塗布可能な濃度となる範囲において、塗布膜厚に応じて適宜設定される。具体的には、感光性組成物の固形分濃度が2〜30質量%、好ましくは5〜20質量%の範囲内となるように用いることが好ましい。
[その他の成分]
本発明の感光性組成物には、さらに所望により、混和性のある添加剤、例えば、形成された絶縁膜の性能を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤等を適宜添加することができる。これらは、公知のものを特に制限なく使用することができる。
[調製方法]
本発明の感光性組成物を調製するにあたり、通常の調製方法を特に限定されずに適用することができる。このような方法の一例として、本発明の感光性組成物を構成する各成分を、撹拌機で混合し、必要に応じて5μmメンブランフィルター等のフィルターで濾過して調製することが挙げられる。
本発明の感光性組成物は、液晶表示素子、集積回路素子、固体撮像素子等の電子部品における層状に配置される配線の間を絶縁するために設ける層間絶縁膜の形成に好ましく使用することができる。上記のように、本発明の感光性組成物から形成される絶縁膜は、低い誘電率を示すので、集積回路素子における層間絶縁膜として特に好ましく使用される。
[層間絶縁膜の形成方法]
以下、本発明の感光性組成物を用いて層間絶縁膜を形成する方法について説明する。層間絶縁膜を形成する方法は、基板上に感光性組成物を塗布する塗布工程と、塗布後の感光性組成物を選択的に露光する露光工程と、当該露光の後にアルカリ現像液で現像する現像工程とを有する。以下、各工程について説明する。
まず、塗布工程では、基板等の支持体上に本発明の感光性組成物をスピンナー、ロールコータ、スプレーコータ、スリットコータ等を用いて塗布、乾燥させ、感光性組成物の塗膜を形成させる。上記基板としては、例えば、シリコン基板の他、透明導電回路等の配線を備え、必要に応じてブラックマトリクス、カラーフィルタ、偏光板等を備えるガラス板等が挙げられる。
感光性組成物が塗布された基板の乾燥方法としては、例えば(1)ホットプレートにて80℃〜120℃の温度にて60秒〜120秒間乾燥する方法、(2)室温にて数時間〜数日放置する方法、(3)温風ヒータや赤外線ヒータ中に数十分〜数時間入れて溶剤を除去する方法、のいずれでもよい。また、上記感光性組成物の塗膜の膜厚は、特に限定されるものではないが、0.1μm〜5.0μm程度であることが好ましい。
次いで、露光工程では、所定のマスクを介して、上記塗膜に選択露光を行う。この露光は、紫外線、エキシマレーザ光、放射線、電子線等の活性エネルギー線を照射することにより行う。この活性エネルギー線の光源としては、例えば低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、エキシマレーザ発生装置等が挙げられる。照射するエネルギー線量は、感光性組成物の組成によっても異なるが、例えば1mJ/cm〜2000mJ/cm程度であればよい。
次いで、現像工程では、露光された感光性組成物の塗膜を、現像液で現像し、パターンを形成させる。現像液としては、1〜3質量%の水酸化テトラメチルアンモニウム(以下、TMAHともいう)水溶液が例示される。TMAH水溶液の濃度としては、2質量%〜2.5質量%であることがより好ましく、汎用品の濃度である2.38質量%であることが最も好ましい。現像液の濃度を3質量%以下とすることによって形成されたパターンの膜減り量を減少させることが可能となる。
そして、前記パターンを加熱硬化させる。この加熱硬化温度としては、例えば150℃〜600℃の条件が好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の各実施例及び比較例で使用したシルセスキオキサン樹脂は、従来一般的な製造方法により得た。すなわち、下記(A1)、(A2)、(A3)の各構成単位の割合に応じて、適量のモノオルガノトリクロロシラン又はその部分加水分解縮合物を有機溶剤中に溶解し、水を添加して加水分解し、部分的に縮合したシリコン化合物を形成した。さらに、トリオルガノクロロシランを添加して反応させることによって重合を終了させ、その後、溶媒を蒸留等で分離した。
[実施例1]
シルセスキオキサン樹脂として下記式の構成単位(A1):下記式の構成単位(A2)=7:3(モル比)の樹脂(質量平均分子量2670)を9質量部と、酸発生剤成分としてトリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネートを0.18質量部と、架橋剤成分として1,3−ビス(メトキシメチル)尿素を0.45質量部及び1,3,4,6−テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリルを0.72質量部と、含窒素有機化合物としてトリイソプロパノールアミンを0.036質量部と、に対して、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルを加えて全体が100質量部となるようにし、これらを均一に撹拌及び混合して実施例1の感光性組成物を調製した。
Figure 2011257635
[実施例2]
シルセスキオキサン樹脂として上記式の構成単位(A1):上記式の構成単位(A2)=7:3(モル比)の樹脂(質量平均分子量4180)を9質量部使用したこと以外は、実施例1と同様の手順にて実施例2の感光性組成物を調製した。
[実施例3]
シルセスキオキサン樹脂として上記式の構成単位(A1):上記式の構成単位(A2)=6:4(モル比)の樹脂(質量平均分子量4770)を9質量部使用したこと以外は、実施例1と同様の手順にて実施例3の感光性組成物を調製した。
[実施例4]
シルセスキオキサン樹脂として上記式の構成単位(A1):上記式の構成単位(A2)=6:4(モル比)の樹脂(質量平均分子量7120)を9質量部使用したこと以外は、実施例1と同様の手順にて実施例4の感光性組成物を調製した。
[実施例5]
シルセスキオキサン樹脂として上記式の構成単位(A1):下記式の構成単位(A2)=7:3(モル比)の樹脂(質量平均分子量2670)を9質量部と、酸発生剤成分としてジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネートを0.09質量部と、架橋剤成分としてヘキサメトキシメチルメラミンを0.9質量部と、に対して、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて全体が100質量部となるようにし、これらを均一に撹拌及び混合して実施例5の感光性組成物を調製した。
[比較例1]
シルセスキオキサン樹脂として上記式の構成単位(A1):上記式の構成単位(A3)=7:3(モル比)の樹脂(質量平均分子量7010)を9質量部使用したこと以外は、実施例1と同様の手順にて比較例1の感光性組成物を調製した。
[比較例2]
シルセスキオキサン樹脂として上記式の構成単位(A1):上記式の構成単位(A3)=7:3(モル比)の樹脂(質量平均分子量2400)を9質量部使用したこと以外は、実施例1と同様の手順にて比較例2の感光性組成物を調製した。
[絶縁膜の作製]
上記で調製した実施例1〜5及び比較例1〜2の感光性組成物のそれぞれについて、下記の手順にて当該感光性組成物から絶縁膜を作製した。まず、調製した感光性組成物を、8インチのシリコン基板上に、膜厚400nmとなるようにスピンナーで塗布後、100℃で60秒間プリベーク処理し、乾燥することにより感光性組成物層を形成させた。次いで、形成させた感光性組成物層に対して、180nmスペース/1800nmラインのマスクパターンを介してNSR−S203型露光装置(株式会社ニコン製)により露光(KrF線、露光量30mJ/cm)し、110℃で60秒間露光後加熱(PEB)した。その後、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(2.38質量%)により現像処理し、純水でのリンス洗浄の後、400℃で30分間加熱処理して絶縁膜を形成させた。作製後の絶縁膜について、SEM(商品名:S9200、株式会社日立ハイテクノロジーズ社製)にてパターンを観察した結果、実施例1〜4及び比較例1〜2の感光性組成物から作製された絶縁膜は、良好な形状のパターンとして形成されていることが確認された。また、実施例5の感光性組成物から作製された絶縁膜は、上記の絶縁膜よりもやや劣るものの、十分に実用可能な形状のパターンとして形成されていることが確認された。
[誘電率の評価]
上記の各実施例及び比較例の感光性組成物から形成させた絶縁膜について、下記の手順にて誘電率を評価した。まず、形成させた絶縁膜の一部を基板から切り出し、切り出した絶縁膜にアルミニウムを蒸着させ、測定器(形式:E4980A、Agilent社製)により誘電率を測定した。その結果を表1に示す。なお、表1において、「モル比」とは、各実施例及び比較例で使用したシルセスキオキサン樹脂の構成単位及びそのモル比を意味し、「Mw」とは、使用したシルセスキオキサン樹脂の質量平均分子量を意味する。また、誘電率の「(評価)」において、Aとは、誘電率が3.85未満で極めて良好であることを意味し、Bとは、誘電率が3.85〜3.90で良好であることを意味し、Cとは、誘電率が3.90を超えてしまい良好でないことを意味する。
Figure 2011257635
表1に示すように、上記一般式(I)で示される構成単位及び上記一般式(II)で示される構成単位を有するシルセスキオキサン樹脂を使用した実施例1〜5の感光性組成物から作製された絶縁膜は、3.90以下という低い誘電率を示し、集積回路の層間絶縁膜として好ましく使用できることがわかる。特に、シルセスキオキサン樹脂の質量平均分子量が5000以下である実施例1〜3、5の感光性組成物は、質量平均分子量が5000を超える実施例4の感光性組成物よりも低い誘電率を示す絶縁膜を形成させ、良好であることがわかる。

Claims (4)

  1. 下記一般式(I)で表される構成単位(a1)及び下記一般式(II)で表される構成単位(a2)を有するシルセスキオキサン樹脂(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)と、架橋剤成分(C)とを含む絶縁膜形成用感光性組成物。
    Figure 2011257635
    (上記一般式(I)中、Rは炭素数1〜5のアルキレン基であり、nは1〜5の整数である。また、上記一般式(II)中、Rは炭素数1〜10のアルキル基である。)
  2. 前記シルセスキオキサン樹脂(A1)の質量平均分子量が1000〜5000である請求項1記載の絶縁膜形成用感光性組成物。
  3. さらに、含窒素有機化合物(D)を含む請求項1又は2記載の絶縁膜形成用感光性組成物。
  4. 前記(a1)と前記(a2)との構成比率(a1)/(a2)がモル比で40/60〜90/10の範囲である請求項1から3のいずれか1項記載の絶縁膜形成用感光性組成物。
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