JP6826361B2 - 絶縁膜形成用感光性組成物、及び絶縁膜パターンの形成方法 - Google Patents

絶縁膜形成用感光性組成物、及び絶縁膜パターンの形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、絶縁膜形成用感光性組成物、及び絶縁膜パターンの形成方法に関する。
集積回路素子、液晶表示素子、固体撮像素子等の電子部品では、層状に配置された配線の間を絶縁するために層間絶縁膜が設けられている。当該層間絶縁膜は、微細なパターンとして形成される。このため、層間絶縁膜の形成には、一般的に、感光性樹脂組成物が用いられている(例えば、特許文献1〜3参照)。
例えば集積回路素子において、LSI(Large Scale Integration)の多層配線を形成する際、成膜・加工が繰り返されて、電気を通す金属配線とこれを電気的に絶縁する層間絶縁膜とが交互に配置されていく。
この層間絶縁膜を形成するための感光性樹脂組成物には、層間絶縁膜を成膜した後の高い絶縁性(電気特性)、及び、微細な加工を実現するための良好なリソグラフィー特性が求められる。
近年、集積回路の微細化が進むのに伴い、配線同士の距離が小さくなり、近接する配線間の電気容量が大きくなっている。この配線間の電気容量は、配線と配線との間に層間絶縁膜が挟まれていることで、部分的なキャパシタが形成されるために発生する。
そして、この配線間の電気容量が大きくなるとともに、配線を伝わる信号の速度が遅くなる現象(信号遅延現象)を生じるようになる。信号遅延現象の影響が大きくなると、集積回路素子の処理速度を思うように上げることができなくなる、又は、集積回路素子の消費電力が大きくなる、という問題があった。
この配線間の電気容量は、層間絶縁膜の誘電率に比例することから、層間絶縁膜の誘電率を小さくすることによって、配線間の電気容量を小さくできる。
これに対し、特許文献4には、層間絶縁膜の誘電率を小さくすることを目的として、特定の構造を有するシルセスキオキサン樹脂と、露光により酸を発生する酸発生剤成分と、架橋剤とを含有する感光性組成物が提案されている。
特開平8−262709号公報 特開2000−162769号公報 特開2003−330180号公報 特開2011−257635号公報
集積回路の微細化が進むなか、絶縁膜形成用の材料には、より微細な加工を実現するため、更なるリソグラフィー特性の向上が求められる。しかしながら、特許文献4に記載の感光性組成物など、従来の感光性組成物においては、良好な形状(垂直形状)の絶縁膜パターンを形成することが困難であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、絶縁膜の形成において、高い電気特性を維持しつつ、リソグラフィー特性の向上を図れる感光性組成物、及びこれを用いた絶縁膜の形成方法を課題とする。
本発明者は、検討により、絶縁膜形成の用途においては、特定の構造を有するシルセスキオキサン樹脂に、露光光に対して透明性の高いオニウム塩を組み合わせることで、絶縁膜の誘電率を低く抑え、かつ、パターン形状等のリソグラフィー特性を高められることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第一の態様は、シルセスキオキサン樹脂(A)、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)及び架橋剤成分(C)を含有する絶縁膜形成用感光性組成物であって、前記シルセスキオキサン樹脂(A)は、フェノール性水酸基を含む構成単位(a1)と、アルキル基を含む構成単位(a2)とを有し、前記酸発生剤成分(B)は、カチオン部に芳香環を1個のみ有するか又は有さないオニウム塩からなる酸発生剤(B1)を含むことを特徴とする絶縁膜形成用感光性組成物である。
本発明の第二の態様は、前記第一の態様の絶縁膜形成用感光性組成物を用いて、支持体上に膜を形成する膜形成工程、前記膜を選択的に露光する露光工程、前記露光後の膜を現像してプレパターンを形成する現像工程、及び前記プレパターンを硬化して絶縁膜パターンを得る硬化工程を有する絶縁膜パターンの形成方法である。
本発明の絶縁膜形成用感光性組成物によれば、絶縁膜の形成において、高い電気特性を維持しつつ、リソグラフィー特性の向上を図れる。
また、本発明の絶縁膜パターンの形成方法によれば、高い電気特性を維持しつつ、良好なリソグラフィー特性の絶縁膜パターンを形成できる。
<絶縁膜形成用感光性組成物>
本発明の絶縁膜形成用感光性組成物(以下単に「感光性組成物」ともいう。)は、シルセスキオキサン樹脂(A)(以下「(A)成分」ともいう。)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)(以下「(B)成分」ともいう。)と、架橋剤成分(C)(以下「(C)成分」ともいう。)とを含有する。
前記(A)成分は、アルカリ現像液に可溶性を示す樹脂である。
かかる感光性組成物は、露光により(B)成分から酸が発生すると、この酸が作用して(A)成分と(C)成分との間で架橋が起こり、この結果、アルカリ現像液に対する溶解性が減少する。そのため、絶縁膜の形成において、該感光性組成物を支持体上に塗布して得られる膜を選択的に露光すると、露光部はアルカリ現像液に対して難溶性へ転じる一方で、未露光部はアルカリ現像液に対して可溶性のまま変化しないため、アルカリ現像液で現像することにより、未露光部が溶解除去される。このため、所望のマスクパターンを通して選択的に露光することにより、所望とする形状の絶縁膜を高精度に形成できる。
尚、本発明において、「露光」は、紫外線、放射線、電子線等の活性エネルギー線の照射全般を含む概念とする。
かかる感光性組成物は、液晶表示素子、集積回路素子、固体撮像素子等の電子部品における、層状に配置される配線の間を絶縁するために設けられる層間絶縁膜形成用の材料として好適なものである。これらの中でも、集積回路素子における層間絶縁膜形成用の材料として特に好適なものである。
≪シルセスキオキサン樹脂(A)≫
本発明における(A)成分は、主鎖がSi−O結合からなり、フェノール性水酸基を含む構成単位(a1)と、アルキル基を含む構成単位(a2)とを有するシルセスキオキサン樹脂である。
・構成単位(a1)
本発明における構成単位(a1)は、フェノール性水酸基を含む構成単位である。
構成単位(a1)としては、主鎖部分がSi−O結合であり、そのSi原子に結合する側鎖部分が「フェノール性水酸基を含む基」であるものが挙げられる。
構成単位(a1)において、フェノール性水酸基は、露光により(B)成分から発生する酸の作用を受けることにより(C)成分と架橋構造を形成する。これにより(A)成分は高分子量化する。また、構成単位(a1)が該フェノール性水酸基を含むため、(A)成分はアルカリ現像液に可溶性を示し、感光性組成物にアルカリ現像性が付与される。
以下に、前記「フェノール性水酸基を含む基」の具体例を示す。化学式中、*は、結合手であることを示す。
Figure 0006826361
好ましい構成単位(a1)としては、下記一般式(a1−1)で表される構成単位が挙げられる。
尚、一般式(a1−1)中、「−O1/2−」は、この酸素原子が他の構成単位と共有されていることを示す。
Figure 0006826361
[式中、Raは、炭素数1〜5のアルキレン基又は単結合である。na1は、1〜3の整数である。]
前記式(a1−1)中、Raとしては、炭素数1〜5のアルキレン基が好ましい。
Raにおけるアルキレン基は、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれであってもよく、直鎖状、分岐鎖状が好ましい。Raにおけるアルキレン基の炭素数は、1〜5であり、好ましくは炭素数1〜3である。Raにおけるアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、イソプロピレン基などが挙げられ、これらの中でもメチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基がより好ましく、メチレン基がさらに好ましい。
前記式(a1−1)中、na1は、1〜3の整数であり、好ましくは1又は2であり、より好ましくは1である。
ベンゼン環への水酸基の結合位置は、o位、m位又はp位のいずれであってもよく、例えば工業的にはp位が好ましい。
(A)成分が有する構成単位(a1)は、1種でもよく2種以上でもよい。
(A)成分中の構成単位(a1)の割合は、(A)成分を構成する全構成単位の合計に対して40〜90モル%が好ましく、50〜75モル%がより好ましく、60〜70モル%がさらに好ましい。構成単位(a1)の割合が低いほど、電気特性が高められる。また、構成単位(a1)の割合を上限値以下とすることによって、形成される絶縁膜の誘電率をより低く抑えやすくなる。一方、下限値以上とすることにより、容易にプレパターンを形成できる。
・構成単位(a2)
本発明における構成単位(a2)は、アルキル基を含む構成単位である。
構成単位(a2)としては、主鎖部分がSi−O結合であり、そのSi原子に結合する側鎖部分がアルキル基であるものが挙げられる。
(A)成分が構成単位(a2)を有することで、感光性組成物を用いて形成される絶縁膜の誘電率を低くできる。
好ましい構成単位(a2)としては、下記一般式(a2−1)で表される構成単位が挙げられる。
尚、一般式(a2−1)中、「−O1/2−」は、この酸素原子が他の構成単位と共有されていることを示す。
Figure 0006826361
[式中、Raは、炭素数1〜10のアルキル基である。]
前記式(a2−1)中、Raにおけるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれであってもよく、直鎖状、分岐鎖状が好ましい。Raにおけるアルキル基の炭素数は、1〜10であり、好ましくは炭素数1〜5であり、より好ましくは炭素数1〜3である。Raにおけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、2−エチルヘキシル基などが挙げられる。これらの中でもメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基がより好ましく、メチル基、エチル基がさらに好ましく、メチル基が特に好ましい。
(A)成分が有する構成単位(a2)は、1種でもよく2種以上でもよい。
(A)成分中の構成単位(a2)の割合は、(A)成分を構成する全構成単位の合計に対して10〜60モル%が好ましく、25〜50モル%がより好ましく、30〜40モル%がさらに好ましい。
構成単位(a2)の割合を下限値以上とすることによって、形成される絶縁膜の誘電率をより低く抑えやすくなる。一方、上限値以下とすることにより、構成単位(a1)とのバランスをとりやすくなる。
・その他構成単位
(A)成分は、構成単位(a1)及び構成単位(a2)に加えて、さらに、その他構成単位を有してもよい。
かかるその他構成単位としては、特に限定されるものではなく、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー用等のレジスト用樹脂に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
その他構成単位としては、例えば、下記化学式(a3−1−1)で表される構成単位などが挙げられる。この化学式(a3−1−1)で表される構成単位は、リソグラフィー特性を高めるのに有用なものである。化学式(a3−1−1)で表される構成単位の導入により、溶解速度を制御することが容易となる。
Figure 0006826361
(A)成分が有するその他構成単位は、1種でもよく2種以上でもよい。
(A)成分がその他構成単位を有する場合、(A)成分中、かかるその他構成単位の割合は、(A)成分を構成する全構成単位の合計に対して30モル%以下が好ましく、20モル%以下がより好ましく、10モル%以下が特に好ましい。
本発明の感光性組成物において、(A)成分は、上述した構成単位(a1)と構成単位(a2)とを有するシルセスキオキサン樹脂であり、中でも、一般式(a1−1)で表される構成単位と一般式(a2−1)で表される構成単位とを有するシルセスキオキサン樹脂が好ましく、一般式(a1−1)で表される構成単位と一般式(a2−1)で表される構成単位とからなるシルセスキオキサン樹脂がより好ましい。
(A)成分が有する構成単位(a1)と構成単位(a2)との合計の含有割合は、(A)成分を構成する全構成単位の合計に対して50モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましく、80モル%以上がさらに好ましく、90モル%以上が特に好ましく、100モル%であってもよく、100モル%(すなわち、構成単位(a1)と構成単位(a2)との共重合体)が最も好ましい。
(A)成分中、構成単位(a1)と構成単位(a2)との含有割合(モル比)は、構成単位(a1)/構成単位(a2)=40/60〜90/10が好ましく、50/50〜75/25がより好ましく、60/40〜70/30が特に好ましい。
構成単位(a1)/構成単位(a2)を下限値以上とすることによって、形成される絶縁膜のリソグラフィー特性がより高められる。構成単位(a1)/構成単位(a2)を上限値以下とすることによって、形成される絶縁膜の誘電率がより低く抑えられる。
(A)成分の質量平均分子量(Mw)(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算基準)は、特に限定されるものではなく、1000〜20000が好ましく、1000〜10000がより好ましく、1000〜5000がさらに好ましい。
(A)成分のMwが上限値以下であることによって、形成される絶縁膜の誘電率がより低く抑えられる。一方、下限値以上であることによって、絶縁膜のパターニング性がより良好となり、形成される絶縁膜のリソグラフィー特性がより高められる。
本発明の感光性組成物が含有する(A)成分は、1種でもよく2種以上でもよい。
本発明の感光性組成物中、(A)成分の含有量は、形成しようとする膜厚等に応じて調整すればよい。
≪酸発生剤成分(B)≫
本発明における(B)成分は、露光により酸を発生する酸発生剤成分である。
加えて、(B)成分は、カチオン部に芳香環を1個のみ有するか又は有さないオニウム塩からなる酸発生剤(B1)(以下「(B1)成分」ともいう。)を含む。
本発明の感光性組成物において、(B)成分は、(B1)成分に加えて、(B1)成分以外の酸発生剤(B2)(以下「(B2)成分」ともいう。)を含んでもよい。
・(B1)成分
(B1)成分は、カチオン部に芳香環を1個のみ有するか又は有さないオニウム塩である。このような(B1)成分は、露光光に対して透明性の高いオニウム塩である。該(B1)成分を用いることで、絶縁膜パターンとシリコン基板との界面付近まで露光光が届きやすく、形成される絶縁膜パターンのリソグラフィー特性が高められる。
ここでいう芳香環とは、4n+2(ここでのnは0と自然数を示す)個のπ電子をもつ環状共役系であれば特に限定されず、単環式でも多環式でもよい。芳香環の炭素数は、5〜30であることが好ましく、5〜20がより好ましく、6〜15がさらに好ましく、6〜12が特に好ましい。但し、該炭素数には、置換基における炭素数を含まないものとする。芳香環として具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;該芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。芳香族複素環として具体的には、ピリジン環、チオフェン環等が挙げられる。
(B1)成分としては、レジスト組成物のクエンチャーに用いられる光分解性塩基や、レジスト組成物のオニウム系酸発生剤等のカチオン部として知られている有機カチオンを用いることができ、例えばスルホニウム塩又はヨードニウム塩が挙げられる。
好ましい(B1)成分としては、下記一般式(b1)で表される化合物、又は、下記一般式(b2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006826361
[式中、Rb〜Rbは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリール基、アルキル基又はアルケニル基を表し、Rb〜Rbは、相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成してもよい。但し、Rb〜Rbは、これらの全体で芳香環を1個のみ有するか、又は芳香環を有さない。Rb〜Rbは、これらの全体で芳香環を1個のみ有するか、又は芳香環を有さない。Aは、対アニオンを表す。]
・・一般式(b1)で表される化合物のカチオン部について
前記式(b1)中、Rb〜Rbは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアルケニル基を表す。
Rb〜Rbにおけるアリール基としては、炭素数6〜20の無置換のアリール基が挙げられ、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
Rb〜Rbにおけるアルキル基としては、鎖状又は環状のアルキル基であって、炭素数1〜30のものが好ましい。
Rb〜Rbにおけるアルケニル基としては、炭素数が2〜10であることが好ましい。
Rb〜Rbが有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、カルボニル基、シアノ基、アミノ基、下記一般式(ca−r−1)〜(ca−r−7)でそれぞれ表される基が挙げられる。
Figure 0006826361
[式中、R’201は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい環式基、置換基を有していてもよい鎖状のアルキル基、又は置換基を有していてもよい鎖状のアルケニル基である。]
置換基を有していてもよい環式基:
該環式基は、環状の脂肪族炭化水素基であることが好ましい。脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。また、脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。
環状の脂肪族炭化水素基は、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基が挙げられる。
この構造中に環を含む脂肪族炭化水素基としては、脂環式炭化水素基(脂肪族炭化水素環から水素原子を1個除いた基)、脂環式炭化水素基が直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の末端に結合した基、脂環式炭化水素基が直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の途中に介在する基などが挙げられる。
前記脂環式炭化水素基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜12であることがより好ましい。
前記脂環式炭化水素基は、多環式基であってもよく、単環式基であってもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。該モノシクロアルカンとしては、炭素数3〜6のものが好ましく、具体的にはシクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとしては、炭素数7〜30のものが好ましい。中でも、該ポリシクロアルカンとしては、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等の架橋環系の多環式骨格を有するポリシクロアルカン;ステロイド骨格を有する環式基等の縮合環系の多環式骨格を有するポリシクロアルカンがより好ましい。
なかでも、環状の脂肪族炭化水素基としては、モノシクロアルカンまたはポリシクロアルカンから水素原子を1つ以上除いた基が好ましく、ポリシクロアルカンから水素原子を1つ除いた基がより好ましく、アダマンチル基、ノルボルニル基が特に好ましく、アダマンチル基が最も好ましい。
脂環式炭化水素基に結合してもよい、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜6がより好ましく、1〜4がさらに好ましく、1〜3が最も好ましい。
直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、メチレン基[−CH−]、エチレン基[−(CH−]、トリメチレン基[−(CH−]、テトラメチレン基[−(CH−]、ペンタメチレン基[−(CH−]等が挙げられる。
分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−C(CHCH−等のアルキルメチレン基;−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−、−C(CHCH−CH−等のアルキルエチレン基;−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−等のアルキルトリメチレン基;−CH(CH)CHCHCH−、−CHCH(CH)CHCH−等のアルキルテトラメチレン基などのアルキルアルキレン基等が挙げられる。アルキルアルキレン基におけるアルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましい。
また、環状の炭化水素基は、複素環等のようにヘテロ原子を含んでもよい。
環式基における置換基としては、たとえば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、カルボニル基、ニトロ基等が挙げられる。
置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基が最も好ましい。
置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
置換基としてのカルボニル基は、環状の炭化水素基を構成するメチレン基(−CH−)を置換する基である。
置換基を有していてもよい鎖状のアルキル基:
かかる鎖状のアルキル基としては、直鎖状又は分岐鎖状のいずれでもよい。
直鎖状のアルキル基としては、炭素数が1〜20であることが好ましく、1〜15であることがより好ましく、1〜10が最も好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基等が挙げられる。
分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜15であることがより好ましく、3〜10が最も好ましい。具体的には、例えば、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基などが挙げられる。
置換基を有していてもよい鎖状のアルケニル基:
かかる鎖状のアルケニル基としては、直鎖状又は分岐鎖状のいずれでもよく、炭素数が2〜10であることが好ましく、2〜5がより好ましく、2〜4がさらに好ましく、3が特に好ましい。直鎖状のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基(アリル基)、ブチニル基などが挙げられる。分岐鎖状のアルケニル基としては、例えば、1−メチルビニル基、2−メチルビニル基、1−メチルプロペニル基、2−メチルプロペニル基などが挙げられる。
鎖状のアルケニル基としては、上記の中でも、直鎖状のアルケニル基が好ましく、ビニル基、プロペニル基がより好ましく、ビニル基が特に好ましい。
上記の鎖状のアルキル基またはアルケニル基における置換基としては、たとえば、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、カルボニル基、ニトロ基、アミノ基、上記環状の脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
上記の中でも、Rb〜Rbとしては、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアルキル基が好ましい。
前記式(b1)中のRb〜Rbは、相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成してもよい。
Rb〜Rbは、相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成する場合、硫黄原子、酸素原子、窒素原子等のヘテロ原子や、カルボニル基、−SO−、−SO−、−SO−、−COO−、−CONH−または−N(R)−(該Rは炭素数1〜5のアルキル基である。)等の官能基を介して結合してもよい。形成される環としては、式中のイオウ原子をその環骨格に含む1つの環が、イオウ原子を含めて、3〜10員環であることが好ましく、5〜7員環であることが特に好ましい。形成される環の具体例としては、たとえばチオフェン環、チアゾール環、ベンゾチオフェン環、チアントレン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾチオフェン環、9H−チオキサンテン環、チオキサントン環、チアントレン環、フェノキサチイン環、テトラヒドロチオフェニウム環、テトラヒドロチオピラニウム環等が挙げられる。
但し、Rb〜Rbは、これらの全体で芳香環を1個のみ有するか、又は芳香環を有さない。すなわち、前記式(b1)中の、基S(Rb)(Rb)(Rb)は、これらの全体で芳香環を1個のみ有するか、又は芳香環を有さない。
例えば、RbとRbとが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成していない場合は、Rb〜Rbのうちの1つのみが1個の芳香環を有する有機基であり、他の2つが芳香環を有さない有機基であるか、またはRb〜Rbの全てが芳香環を有さない有機基である。
例えば、RbとRbとが相互に結合して式中のイオウ原子と共に1つの芳香環を形成している場合は、Rbは芳香環を有さない有機基である。
例えば、RbとRbとが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成している場合であって該環が脂肪族環(芳香族性を有さない環)である場合は、Rbは、1個の芳香環を有する有機基であるか、または芳香環を有さない有機基である。
例えば、RbとRbとが相互に結合して式中のイオウ原子と共に形成する環が、2以上の芳香環を含む環である場合、この場合の化合物は(B1)成分には該当しない。
前記一般式(b1)で表される化合物のカチオン部の中で好適なものとして具体的には、下記の化学式(m1−1−1)〜(m1−1−3)でそれぞれ表されるカチオンが挙げられる。
Figure 0006826361
また、前記式(b1)で表される化合物のカチオン部において、Rb〜Rbのうちのいずれか二つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成している場合の好ましい具体例として、たとえば、下記式(m1−2)、(m1−3)又は(m1−4)でそれぞれ表されるカチオンが挙げられる。
Figure 0006826361
[式中、uは1〜3の整数である。R6aはアルキレン基であり、R6bは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、非芳香族の置換基を有していてもよいフェニル基またはナフチル基である。ただし、R6a−C(=O)−O−R6bはこれらの全体で芳香環を1個のみ有するか、または芳香環を有さない。R7aはアルキレン基であり、R7bは置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基またはナフチル基である。ただし、R7a−C(=O)−R7bはこれらの全体で芳香環を1個のみ有するか、または芳香環を有さない。Rは置換基を有していてもよいアルキル基、非芳香族の置換基を有していてもよいフェニル基またはナフチル基である。ただし、Rは芳香環を1個のみ有するか、または芳香環を有さない。]
式中、uは1〜3の整数であり、1または2が最も好ましい。
式中、R6a、R7aにおけるアルキレン基としては、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が好ましい。該アルキレン基の炭素数は、1〜12が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3がさらに好ましく、1または2が特に好ましい。
式中、R6b、R7b、Rにおける置換基を有していてもよいアルキル基としては、上述したRb〜Rbの説明で挙げた、置換基を有していてもよいアルキル基と同様のものが挙げられる。
6b、R7b、Rにおけるフェニル基又はナフチル基が有していてもよい非芳香族の置換基としては、上述したRb〜Rbが有していてもよい置換基(アルキル基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、カルボニル基、シアノ基、アミノ基、下記一般式(ca−r−1)〜(ca−r−7)でそれぞれ表される基)と同様のものが挙げられる。
前記式(m1−2)、(m1−3)又は(m1−4)で表されるカチオンの好適なものとしては、たとえば以下に示すもの等が挙げられる。
Figure 0006826361
Figure 0006826361
式(m1−4−2)中、Rは置換基である。該置換基としては、上述したRb〜Rbが有していてもよい置換基(アルキル基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、カルボニル基、シアノ基、アミノ基、下記一般式(ca−r−1)〜(ca−r−7)でそれぞれ表される基)と同様のものが挙げられる。
上記の中でも、一般式(b1)で表される化合物のカチオン部としては、Rb〜Rbのうちのいずれか二つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成している場合が好ましい。
その中でも、前記の式(m1−4)で表されるカチオンがより好ましく、前記の式(m1−4−1)〜(m1−4−6)でそれぞれ表されるカチオンからなる群より選択される1種以上がさらに好ましく、前記の式(m1−4−2)で表されるカチオンが特に好ましい。
・・一般式(b2)で表される化合物のカチオン部について
前記式(b2)中、Rb〜Rbは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアルケニル基を表す。かかるRb〜Rbは、それぞれ、上記のRb〜Rbと同様のものが挙げられる。
但し、Rb〜Rbは、これらの全体で芳香環を1個のみ有するか、又は芳香環を有さない。すなわち、Rb〜Rbのうち、いずれか1つのみが芳香環であるか、又は、いずれも芳香環でない。
・・一般式(b1)又は一般式(b2)で表される化合物の各アニオン部について
前記の式(b1)又は式(b2)中、Aは、対アニオンを表す。
の対アニオンとしては、特に限定されるものではなく、例えばレジスト組成物用のオニウム塩系酸発生剤のアニオン部として従来知られているものを適宜用いることができる。
としては、たとえば、一般式「R”SO 」で表されるアニオンが挙げられる。
前記一般式「R”SO 」において、R”は、置換基を有していてもよい直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基、ハロゲン化アルキル基又はアルケニル基を表す。
前記R”としての直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基は、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
前記R”としての環状のアルキル基は、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜10であることがさらに好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
”がアルキル基の場合の「R”SO 」としては、例えば、メタンスルホネート、n−プロパンスルホネート、n−ブタンスルホネート、n−オクタンスルホネート、1−アダマンタンスルホネート、2−ノルボルナンスルホネート、d−カンファー−10−スルホネート等のアルキルスルホネートが挙げられる。
前記R”としてのハロゲン化アルキル基は、アルキル基中の水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換されたものであり、該アルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、なかでも直鎖状または分岐鎖状のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、又はイソペンチル基であることがさらに好ましい。そして、水素原子が置換されるハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等が挙げられる。ハロゲン化アルキル基において、アルキル基(ハロゲン化前のアルキル基)の水素原子の全個数の50〜100%がハロゲン原子で置換されていることが好ましく、水素原子の全てがハロゲン原子で置換されていることがより好ましい。
ここで、該ハロゲン化アルキル基としては、フッ素化アルキル基が好ましい。フッ素化アルキル基は、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
また、該フッ素化アルキル基のフッ素化率は、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは50〜100%であり、特に水素原子をすべてフッ素原子で置換したものが、酸の強度が強くなるため好ましい。
このような好ましいフッ素化アルキル基として、具体的には、トリフルオロメチル基、ヘプタフルオロ−n−プロピル基、ノナフルオロ−n−ブチル基が挙げられる。
前記R”としてのアルケニル基は、炭素数2〜10のアルケニル基であることが好ましい。
前記R”において、「置換基を有していてもよい」とは、前記直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基、ハロゲン化アルキル基又はアルケニル基における水素原子の一部又は全部が置換基(水素原子以外の他の原子又は基)で置換されていてもよいことを意味する。
”における置換基の数は1つであってもよく、2つ以上であってもよい。
前記置換基としては、たとえば、ハロゲン原子、ヘテロ原子、アルキル基、式:X−Q’−[式中、Q’は酸素原子を含む2価の連結基であり、Xは置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基である。]で表される基等が挙げられる。
前記ハロゲン原子、アルキル基としては、R”において、ハロゲン化アルキル基におけるハロゲン原子、アルキル基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
前記ヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等が挙げられる。
−Q’−で表される基において、Q’は酸素原子を含む2価の連結基である。
Q’は、酸素原子以外の原子を含有してもよい。酸素原子以外の原子としては、たとえば炭素原子、水素原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
酸素原子を含む2価の連結基としては、たとえば、酸素原子(エーテル結合:−O−)、エステル結合(−C(=O)−O−)、アミド結合(−C(=O)−NH−)、カルボニル基(−C(=O)−)、カーボネート結合(−O−C(=O)−O−)等の非炭化水素系の酸素原子含有連結基;該非炭化水素系の酸素原子含有連結基とアルキレン基との組み合わせ等が挙げられる。当該組み合わせに、さらにスルホニル基(−SO−)が連結されていてもよい。
該組み合わせとしては、たとえば、−R91−O−、−R92−O−C(=O)−、−C(=O)−O−R93−O−C(=O)−、−SO−O−R94−O−C(=O)−、−R95−SO−O−R94−O−C(=O)−(式中、R91〜R95はそれぞれ独立にアルキレン基である。)等が挙げられる。
91〜R95におけるアルキレン基としては、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、該アルキレン基の炭素数は、1〜12が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が特に好ましい。
該アルキレン基として、具体的には、たとえばメチレン基[−CH−];−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−C(CHCH−等のアルキルメチレン基;エチレン基[−CHCH−];−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−等のアルキルエチレン基;トリメチレン基(n−プロピレン基)[−CHCHCH−];−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−等のアルキルトリメチレン基;テトラメチレン基[−CHCHCHCH−];−CH(CH)CHCHCH−、−CHCH(CH)CHCH−等のアルキルテトラメチレン基;ペンタメチレン基[−CHCHCHCHCH−]等が挙げられる。
Q’としては、エステル結合またはエーテル結合を含む2価の連結基が好ましく、なかでも、−R91−O−、−R92−O−C(=O)−または−C(=O)−O−R93−O−C(=O)−が好ましい。
−Q’−で表される基において、Xの炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基が挙げられる。
における脂肪族炭化水素基は、飽和脂肪族炭化水素基であってもよく、不飽和脂肪族炭化水素基であってもよい。また、脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
において、脂肪族炭化水素基は、当該脂肪族炭化水素基を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよく、当該脂肪族炭化水素基を構成する水素原子の一部または全部がヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよい。
における「ヘテロ原子」としては、炭素原子および水素原子以外の原子であれば特に限定されず、たとえばハロゲン原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等が挙げられる。
ヘテロ原子を含む置換基は、前記ヘテロ原子のみからなるものであってもよく、前記ヘテロ原子以外の基または原子を含む基であってもよい。
炭素原子の一部を置換する置換基として、具体的には、たとえば−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−(Hがアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい)、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−等が挙げられる。脂肪族炭化水素基が環状である場合、これらの置換基を環構造中に含んでいてもよい。
水素原子の一部または全部を置換する置換基として、具体的には、たとえばアルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)、シアノ基等が挙げられる。
前記アルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記ハロゲン化アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等のアルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
脂肪族炭化水素基としては、直鎖状もしくは分岐鎖状の飽和炭化水素基、直鎖状もしくは分岐鎖状の1価の不飽和炭化水素基、または環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族環式基)が好ましい。
直鎖状の飽和炭化水素基(アルキル基)としては、炭素数が1〜20であることが好ましく、1〜15であることがより好ましく、1〜10が最も好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基等が挙げられる。
分岐鎖状の飽和炭化水素基(アルキル基)としては、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜15であることがより好ましく、3〜10が最も好ましい。具体的には、例えば、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基などが挙げられる。
不飽和炭化水素基としては、炭素数が2〜10であることが好ましく、2〜5が好ましく、2〜4が好ましく、3が特に好ましい。直鎖状の1価の不飽和炭化水素基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基(アリル基)、ブチニル基などが挙げられる。分岐鎖状の1価の不飽和炭化水素基としては、例えば、1−メチルプロペニル基、2−メチルプロペニル基などが挙げられる。
不飽和炭化水素基としては、上記の中でも、特にプロペニル基が好ましい。
脂肪族環式基としては、単環式基であってもよく、多環式基であってもよい。その炭素数は3〜30であることが好ましく、5〜30であることがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜12が最も好ましい。
具体的には、たとえば、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
脂肪族環式基が、その環構造中にヘテロ原子を含む置換基を含まない場合は、脂肪族環式基としては、多環式基が好ましく、ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましく、アダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が最も好ましい。
脂肪族環式基が、その環構造中にヘテロ原子を含む置換基を含むものである場合、該ヘテロ原子を含む置換基としては、−O−、−C(=O)−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−が好ましい。かかる脂肪族環式基の具体例としては、たとえば下記式(L1)〜(L6)、(S1)〜(S4)でそれぞれ表される基等が挙げられる。
Figure 0006826361
[式中、Q”は炭素数1〜5のアルキレン基、−O−、−S−、−O−R94’−または−S−R95’−であり、R94’およびR95’はそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキレン基であり、mは0または1の整数である。]
式中、Q”、R94’およびR95’におけるアルキレン基としては、それぞれ、前記R91〜R95におけるアルキレン基と同様のものが挙げられる。
これらの脂肪族環式基は、その環構造を構成する炭素原子に結合した水素原子の一部が置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、たとえばアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが特に好ましい。
前記アルコキシ基、ハロゲン原子はそれぞれ前記水素原子の一部または全部を置換する置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
本発明において、Xは、環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族環式基)であることが好ましく、置換基を有していてもよい脂肪族環式基であることがより好ましい。
置換基を有していてもよい脂肪族環式基としては、置換基を有していてもよい多環式の脂肪族環式基が好ましい。該多環式の脂肪族環式基としては、前記ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基、前記(L2)〜(L6)、(S3)〜(S4)のいずれかで表される基等が好ましい。
上記の中でも、前記R”としては、ハロゲン化アルキル基、または置換基としてX−Q’−を有することが好ましい。
置換基としてX−Q’−を有する場合、R”としては、X−Q’−Y−[式中、Q’およびXは前記と同じであり、Yは置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキレン基または置換基を有していてもよい炭素数1〜4のフッ素化アルキレン基である。]で表される基が好ましい。
−Q’−Y−で表される基において、Yのアルキレン基としては、前記Q’で挙げたアルキレン基のうち炭素数1〜4のものと同様のものが挙げられる。
フッ素化アルキレン基としては、該アルキレン基の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された基が挙げられる。
として、具体的には、−CF−、−CFCF−、−CFCFCF−、−CF(CF)CF−、−CF(CFCF)−、−C(CF−、−CFCFCFCF−、−CF(CF)CFCF−、−CFCF(CF)CF−、−CF(CF)CF(CF)−、−C(CFCF−、−CF(CFCF)CF−、−CF(CFCFCF)−、−C(CF)(CFCF)−;−CHF−、−CHCF−、−CHCHCF−、−CHCFCF−、−CH(CF)CH−、−CH(CFCF)−、−C(CH)(CF)−、−CHCHCHCF−、−CHCHCFCF−、−CH(CF)CHCH−、−CHCH(CF)CH−、−CH(CF)CH(CF)−、−C(CFCH−;−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−CH(CH)CH−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−CHCHCHCH−、−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−、−CH(CHCHCH)−、−C(CH)(CHCH)−等が挙げられる。
としては、フッ素化アルキレン基が好ましく、特に、隣接する硫黄原子に結合する炭素原子がフッ素化されているフッ素化アルキレン基が好ましい。このようなフッ素化アルキレン基としては、−CF−、−CFCF−、−CFCFCF−、−CF(CF)CF−、−CFCFCFCF−、−CF(CF)CFCF−、−CFCF(CF)CF−、−CF(CF)CF(CF)−、−C(CFCF−、−CF(CFCF)CF−;−CHCF−、−CHCHCF−、−CHCFCF−;−CHCHCHCF−、−CHCHCFCF−、−CHCFCFCF−等を挙げることができる。
これらの中でも、−CF−、−CFCF−、−CFCFCF−、又はCHCFCF−が好ましく、−CF−、−CFCF−又は−CFCFCF−がより好ましく、−CF−が特に好ましい。
前記アルキレン基またはフッ素化アルキレン基は、置換基を有していてもよい。アルキレン基またはフッ素化アルキレン基が「置換基を有する」とは、当該アルキレン基またはフッ素化アルキレン基における水素原子またはフッ素原子の一部または全部が、水素原子およびフッ素原子以外の原子または基で置換されていることを意味する。
アルキレン基またはフッ素化アルキレン基が有していてもよい置換基としては、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基等が挙げられる。
”がX−Q’−Y−で表される基である、R”SO の具体例としては、たとえば下記一般式(b1)〜(b7)のいずれかで表されるアニオンが挙げられる。
Figure 0006826361
Figure 0006826361
[式中、q1〜q2はそれぞれ独立に1〜5の整数であり、q3は1〜12の整数であり、t3は1〜3の整数であり、r1〜r2はそれぞれ独立に0〜3の整数であり、iは1〜20の整数であり、Rは置換基であり、n1〜n3及びn6はそれぞれ独立に0または1であり、v0〜v3及びv6はそれぞれ独立に0〜3の整数であり、w1〜w3及びw6はそれぞれ独立に0〜3の整数であり、Q”は前記と同じである。]
の置換基としては、前記Xの説明で、脂肪族環式基の環構造を構成する炭素原子に結合した水素原子の一部を置換してもよい置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
に付された符号(r1〜r2、w1〜w3及びw6)が2以上の整数である場合、当該化合物中の複数のRはそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
また、前記の式(b1)又は式(b2)中のAとしては、たとえば下記一般式(b−3)で表されるアニオン、下記一般式(b−4)で表されるアニオンも挙げられる。
Figure 0006826361
[式中、X”は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数2〜6のアルキレン基を表し;Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1〜10のアルキル基を表す。]
式(b−3)において、X”は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基であり、該アルキレン基の炭素数は、好ましくは2〜6であり、より好ましくは炭素数3〜5、最も好ましくは炭素数3である。
式(b−4)において、Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、該アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜10であり、より好ましくは炭素数1〜7、最も好ましくは炭素数1〜3である。
X”のアルキレン基の炭素数又はY”、Z”のアルキル基の炭素数は、上記炭素数の範囲内において、後述の(S)成分への溶解性も良好である等の理由により、小さいほど好ましい。
また、X”のアルキレン基又はY”、Z”のアルキル基において、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなり、また200nm以下の高エネルギー光や電子線に対する透明性が向上するため好ましい。
該アルキレン基又はアルキル基のフッ素化率は、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは90〜100%であり、最も好ましくは、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキレン基又はパーフルオロアルキル基である。
上記の中でも、一般式(b1)又は一般式(b2)で表される化合物の各アニオン部(A)としては、前記の一般式「R”SO 」におけるR”がハロゲン化アルキル基であるアニオンが好ましく、その中でもフッ素化アルキルスルホン酸イオンがより好ましい。
本発明の感光性組成物が含有する(B1)成分は、1種でもよく2種以上でもよい。
(B1)成分としては、一般式(b1)で表される化合物が好ましく、カチオン部が前記の式(m1−4)で表されるカチオンであり、アニオン部がフッ素化アルキルスルホン酸イオンである化合物からなる酸発生剤がより好ましい。
また、(B1)成分としては、カチオン部が前記の式(m1−4)で表されるカチオンであり、アニオン部が炭素数の異なるフッ素化アルキルスルホン酸イオンである、2種の化合物を組み合わせて用いることも好ましい。
本発明の感光性組成物中、(B1)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して0.1〜30質量部が好ましく、0.2〜20質量部がより好ましく、0.5〜15質量部がさらに好ましい。
(B1)成分の含有量が下限値以上であることによって、絶縁膜の形成において、解像性が高められ、加えてリソグラフィー特性がより向上する。一方、上限値以下であることによって、感光性組成物の各成分を有機溶剤に溶解した際に、均一な溶液が得られやすくなり、保存安定性がより向上する。
・(B2)成分
(B2)成分は、上述の(B1)成分を除く、露光により酸を発生する酸発生剤である。
(B2)成分としては、(B1)成分以外であれば特に限定されず、これまで化学増幅型レジスト組成物用の酸発生剤として提案されているものを用いることができる。
このような(B2)成分としては、オキシムスルホネート系酸発生剤;ビスアルキル又はビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類などのジアゾメタン系酸発生剤;ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤などが挙げられる。
オキシムスルホネート系酸発生剤としては、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−p−メチルフェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−ブロモフェニルアセトニトリル、ビス−o−(n−ブチルスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム等が挙げられる。
ジアゾメタン系酸発生剤のうち、ビスアルキル又はビスアリールスルホニルジアゾメタン類としては、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン等が挙げられる。
また、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類としては、1,3−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,4−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ブタン、1,6−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン、1,2−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)エタン、1,3−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,6−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン等が挙げられる。
(B2)成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の感光性組成物が(B2)成分を含有する場合、(B2)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して30質量部以下が好ましく、0.5〜15質量部がより好ましい。
≪架橋剤成分(C)≫
本発明における(C)成分は、架橋剤成分である。
(C)成分は、露光により(B)成分から発生する酸の作用を受けることにより、(A)成分中の構成単位(a1)に含まれるフェノール性水酸基と架橋構造を形成する。
このような(C)成分としては、公知の化学増幅型のネガ型レジスト組成物に配合されている架橋剤を用いることができる。
(C)成分としては、例えば、アミノ基含有化合物(メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、尿素、エチレン尿素、グリコールウリル等)にホルムアルデヒド、又はホルムアルデヒド及び低級アルコールを反応させ、当該アミノ基の水素原子を、ヒドロキシメチル基又は低級アルコキシメチル基で置換した化合物が挙げられる。
このような(C)成分として、具体的には、ヘキサメトキシメチルメラミン、ビスメトキシメチル尿素、ビスメトキシメチルビスメトキシエチレン尿素、テトラキスメトキシメチルグリコールウリル、テトラキスブトキシメチルグリコールウリル等が挙げられる。これらの中でも、尿素にホルムアルデヒド、又はホルムアルデヒド及び低級アルコールを反応させ、当該アミノ基の水素原子を、ヒドロキシメチル基又は低級アルコキシメチル基で置換した化合物が好ましく、このうち、例えばビスメトキシメチル尿素は、配合量に大きく左右されずに良好な絶縁膜パターンが形成されやすい点で特に好ましい。
本発明の感光性組成物が含有する(C)成分は、1種でもよく2種以上でもよい。
本発明の感光性組成物中、(C)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して3〜30質量部が好ましく、5〜20質量部がより好ましく、5〜15質量部がさらに好ましい。(C)成分の含有量が下限値以上であることによって、架橋反応が充分に進行して、良好な絶縁膜パターンが得られやすくなる。一方、上限値以下であることによって、感光性組成物の保存安定性がより向上する。
≪任意成分≫
本発明の感光性組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて上述の(A)成分、(B)成分及び(C)成分以外の成分(任意成分)を含有してもよい。
本発明の感光性組成物においては、(A)成分、(B)成分及び(C)成分に加えて、さらに、含窒素有機化合物(D)(以下「(D)成分」ともいう。)を含有することが好ましい。(D)成分は、感光性組成物において露光により発生する酸をトラップするクエンチャー(酸拡散制御剤)として作用する。感光性組成物に(D)成分が添加されることにより、形成される絶縁膜パターンのリソグラフィー特性がより高められ、また、感光性組成物の経時安定性等が向上する。
(D)成分は、これまで化学増幅型レジスト組成物用の酸拡散制御剤として提案されているものを用いることができ、アミン、その中でも特に第2級脂肪族アミン又は第3級脂肪族アミンが好適に用いられる。
(D)成分の具体例としては、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリペンチルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、トリ−n−ドデシルアミン等のアルキルアミン;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジ−n−オクタノールアミン、トリ−n−オクタノールアミン等のアルキルアルコールが挙げられる。
本発明の感光性組成物が含有する(D)成分は、1種でもよく2種以上でもよい。
本発明の感光性組成物が(D)成分を含有する場合、(D)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して0.01〜10質量部が好ましく、0.01〜5質量部がより好ましい。(D)成分の含有量が下限値以上であることによって、形成される絶縁膜パターンのリソグラフィー特性がより高められる。一方、上限値以下であることによって、(D)成分の添加による感光性組成物の感度低下が抑制されやすくなる。
本発明の感光性組成物には、さらに所望により、混和性のある添加剤、例えば、形成された絶縁膜の特性を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤等を適宜添加してもよい。これらの添加剤は、公知のものを特に制限なく用いることができる。
本発明の感光性組成物は、上述の(A)成分、(B)成分、(C)成分、任意成分を有機溶剤成分(以下「(S)成分」ともいう。)に溶解させて製造することができる。
(S)成分としては、配合される各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型レジスト組成物の溶剤として公知のものの中から任意のものを適宜選択して用いることができる。また、(S)成分の配合により、塗布性の改善、粘度調整などが図れる。
(S)成分としては、特に限定されず、例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、またはジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類または前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテル又はモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体[これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい];ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;炭酸メチル、炭酸エチル、炭酸プロピル、炭酸ブチル;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、ベンゼン、、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤、ジメチルスルホキシド(DMSO)等を挙げることができる。
本発明の感光性組成物が含有する(S)成分は、1種でもよく、2種以上でもよい。
上記の中でも、PGMEA、PGME、γ−ブチロラクトン、EL、シクロヘキサノンが好ましい。
また、PGMEAと極性溶剤とを混合した混合溶剤も好ましい。その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2の範囲内とすることが好ましい。
より具体的には、極性溶剤としてEL又はシクロヘキサノンを配合する場合は、PGMEA:EL又はシクロヘキサノンの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2である。また、極性溶剤としてPGMEを配合する場合は、PGMEA:PGMEの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2、さらに好ましくは3:7〜7:3である。さらに、PGMEAとPGMEとシクロヘキサノンとの混合溶剤も好ましい。
また、(S)成分として、その他には、PGMEA及びELの中から選ばれる少なくとも1種とγ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者の質量比が好ましくは70:30〜95:5とされる。
(S)成分の使用量は、特に限定されず、感光性組成物が基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定される。例えば、感光性組成物の固形分濃度が、好ましくは2〜30質量%、より好ましくは5〜20質量%の範囲内となるように(S)成分は用いられる。
本発明の感光性組成物は、常法により調製できる。例えば、感光性組成物は、上述の(A)成分、(B)成分、(C)成分、任意成分を撹拌機で混合し、必要に応じてメンブランフィルター等のフィルターで濾過することによって調製される。
以上説明したように、本発明の絶縁膜形成用感光性組成物は、シルセスキオキサン樹脂(A)、酸発生剤成分(B)及び架橋剤成分(C)を併有する。
かかる感光性組成物においては、(A)成分として構成単位(a1)及び構成単位(a2)を有するものと、(B)成分としてカチオン部に芳香環を1個のみ有するか又は有さないオニウム塩からなるもの((B1)成分)と、が組み合わされているため、形成される絶縁膜の誘電率が低く抑えられ、高い電気特性が維持される。加えて、かかる感光性組成物においては、例えば垂直性の高い形状の絶縁膜パターンを形成できるなど、リソグラフィー特性も高められる。
<絶縁膜パターンの形成方法>
本発明の絶縁膜パターンの形成方法は、上記本発明の絶縁膜形成用感光性組成物を用いて、支持体上に膜を形成する膜形成工程、前記膜を選択的に露光する露光工程、前記露光後の膜を現像してプレパターンを形成する現像工程、及び前記プレパターンを硬化する硬化工程を有する。かかる絶縁膜の形成方法は、例えば以下のようにして行うことができる。
[膜形成工程]
膜形成工程では、上記本発明の絶縁膜形成用感光性組成物を用いて、支持体上に膜を形成する。
まず、支持体上に、上記本発明の絶縁膜形成用感光性組成物を、スピンナーなどで塗布し、ベーク(ポストアプライベーク(PAB))処理を、例えば80〜150℃の温度条件にて40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施して、感光性組成物の膜を形成する。
この際、形成される感光性組成物の膜の厚さは、好ましくは500nm以上5μm以下であり、より好ましくは700nm以上2μm以下、特に好ましくは1μm以上2μm以下である。感光性組成物の膜が厚いほど、本発明による効果が顕著となる。例えば、膜の厚さが700nm以上でも、高い電気特性を維持しつつ、垂直性の高い形状の絶縁膜パターンを形成できる。
支持体としては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができ、例えば、電子部品用の基板や、これに所定の配線パターンが形成されたもの等が挙げられる。より具体的には、シリコンウェーハ、銅、クロム、鉄、アルミニウム等の金属製の基板や、必要に応じてブラックマトリクス、カラーフィルタ、偏光板等を備えるガラス基板等が挙げられる。
[露光工程]
次に、感光性組成物の膜を、所定のパターンが形成されたマスク(マスクパターン)を介して選択的に露光する。該露光により、膜に含まれている(B)成分から酸が発生する。この酸が作用して(A)成分と(C)成分との間で架橋が起こり、膜の露光部はアルカリ現像液に対して難溶性へ転じる。
ここでの露光は、紫外線、エキシマレーザ光(KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー等)、放射線、電子線等の活性エネルギー線を照射することにより行う。この活性エネルギー線の光源としては、例えば低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、エキシマレーザー発生装置等が挙げられる。照射するエネルギー線量は、感光性組成物の組成によっても異なるが、例えば1〜2000mJ/cm程度とされる。
感光性組成物の膜を露光した後、ベーク(ポストエクスポージャーベーク(PEB))処理を、例えば80〜150℃の温度条件にて40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施す。
[現像工程]
次に、前記露光後の膜を現像する。現像により、膜の未露光部が溶解除去されて、プレパターンが形成される。
ここでの現像は、例えば0.1〜10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液を用いて行う。
現像は、公知の現像方法により実施することが可能であり、たとえば現像液中に支持体を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、支持体表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止する方法(パドル法)、支持体表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している支持体上に一定速度で現像液塗出ノズルをスキャンしながら現像液を塗出し続ける方法(ダイナミックディスペンス法)等が挙げられる。
現像の後、好ましくはリンス処理を行う。リンス処理は、リンス液として純水を用いた水リンスが好ましい。
リンス液には、必要に応じて公知の添加剤を配合できる。該添加剤としては、例えば界面活性剤が挙げられる。界面活性剤としては、特に限定されないが、たとえばイオン性や非イオン性のフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤等を用いることができる。
リンス液を用いたリンス処理(洗浄処理)は、公知のリンス方法により実施できる。
[硬化工程]
次に、現像後又はリンス処理後のプレパターンを加熱処理して硬化させることにより、絶縁膜パターンが得られる。
その際の加熱温度は、感光性組成物の組成等を勘案して決定され、例えば150〜600℃が好ましい。加熱処理は、加熱温度を前記範囲(150〜600℃)で変えながら行ってもよい。
以上説明した本発明の絶縁膜の形成方法においては、上記本発明の感光性組成物が用いられているため、高い電気特性を維持しつつ、良好なリソグラフィー特性の絶縁膜パターンを形成できる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
<感光性組成物の調製>
(実施例1〜6、比較例1〜3)
表1に示す各成分を混合した混合物を、固形分濃度20質量%となるように、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノメチルエーテル=30/70(質量比)の混合溶剤に溶解することにより、各例の感光性組成物をそれぞれ調製した。
酸発生剤成分の配合量は、実施例2、4〜6、比較例1〜3の各感光性組成物に含まれる酸発生剤成分の量が等モルとなるように設定した。
含窒素有機化合物の配合量は、後述の露光工程での露光量を勘案して設定した。
Figure 0006826361
表1中、各略号はそれぞれ以下の意味を有する。[ ]内の数値は配合量(質量部)である。
(A)−1:下記化学式(A)−1で表される、2種の構成単位を有するシルセスキオキサン樹脂。質量平均分子量(Mw)は4770、共重合組成比(構造式中の各構成単位の割合(モル比))はl/m=60/40であった。
(A)−2:下記化学式(A)−2で表される、2種の構成単位を有するシルセスキオキサン樹脂。質量平均分子量(Mw)は4180、共重合組成比(構造式中の各構成単位の割合(モル比))はl/m=70/30であった。
(A)−3:下記化学式(A)−3で表される、2種の構成単位を有するシルセスキオキサン樹脂。質量平均分子量(Mw)は7010、共重合組成比(構造式中の各構成単位の割合(モル比))はl/m=70/30であった。
尚、質量平均分子量(Mw)は、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算による値である。共重合組成比は、カーボン13核磁気共鳴スペクトル(600MHz_13C−NMR)により求められた値である。
Figure 0006826361
(B)−1:下記化学式(B)−1で表されるオニウム塩からなる酸発生剤。
(B)−2:下記化学式(B)−2で表されるオニウム塩からなる酸発生剤。
(B)−3:下記化学式(B)−3で表されるオニウム塩からなる酸発生剤。
(B)−4:下記化学式(B)−4で表されるオニウム塩からなる酸発生剤。
Figure 0006826361
(C)−1:下記化学式(C)−1で表される化合物、商品名「ニカラックMX−270」、株式会社三和ケミカル製。
Figure 0006826361
(D)−1:トリイソプロパノールアミン。
Add−1:界面活性剤、商品名「POLYFOX PF−656」、Omnova社製。
<評価>
各例の感光性組成物を用い、以下に示す絶縁膜の形成方法により絶縁膜パターンを形成した。
そして、形成された絶縁膜パターンについて、電気特性、リソグラフィー特性の各評価をそれぞれ以下のようにして行った。
≪絶縁膜の形成≫
[膜形成工程]
90℃で36秒間のヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理を施した、8インチのシリコン基板上に、各例の感光性組成物をそれぞれ、スピンナーを用いて均一に塗布した。その後、100℃で90秒間のベーク(ポストアプライベーク(PAB))処理を行い、乾燥することによって、感光性組成物の膜(膜厚1.0μm)を形成した。
[露光工程]
次いで、形成された感光性組成物の膜に対し、NSR−S203型露光装置(株式会社ニコン製;NA/σ=0.68/0.75)を用い、ラインアンドスペースのマスクパターン(バイナリーマスク)を介して、KrFエキシマレーザーを選択的に露光(露光量40mJ/cm)した。
この後、110℃で90秒間の露光後加熱(PEB)処理を行った。
[現像工程]
次いで、23℃にて、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)の2.38質量%水溶液(商品名「NMD−3」、東京応化工業株式会社製)を用いて、240秒間のアルカリ現像を行い、プレパターンを形成した。
この後、純水でのリンス処理を行った。
[硬化工程]
次いで、N雰囲気下、180℃で10分間、280℃で10分間、400℃で30分間の加熱処理を続けて行い、プレパターンを硬化させた。
その結果、いずれの例においても、ライン幅400nm/ピッチ幅800nmのラインアンドスペース形状の絶縁膜パターンが形成された。
≪電気特性の評価≫
上記で形成された絶縁膜パターンの一部を、シリコン基板から切り出し、この切り出した絶縁膜パターンにアルミニウムを蒸着させ、測定器(形式:E4980A、Agilent社製)により誘電率を測定した。
そして、測定された誘電率を指標とし、下記の評価基準に従い、絶縁膜パターンの電気特性について評価した。その結果を表2に示す。
電気特性に関する評価基準
○:誘電率が3.90未満。×:誘電率が3.90以上。
≪リソグラフィー特性の評価≫
上記で形成されたラインアンドスペース形状の絶縁膜パターンを、測長SEMを用いて観察した。尚、測長SEMには、走査型電子顕微鏡(商品名「S−9380」、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用いた。
そして、その絶縁膜パターンの形状を、絶縁膜パターンとシリコン基板との界面における絶縁膜パターンのライン部分の内側面とシリコン基板表面とのなす角度(テーパー角)を指標とし、下記の評価基準に従い、絶縁膜パターンのリソグラフィー特性について評価した。その結果を表2に示す。
リソグラフィー特性に関する評価基準
○:テーパー角が91°未満。×:テーパー角が91°以上。
Figure 0006826361
表2に示す結果から、本発明を適用した実施例1〜6の感光性組成物によれば、誘電率が低く抑えられ、かつ、垂直性の高い形状の絶縁膜パターンを形成できること、が確認できる。

Claims (9)

  1. シルセスキオキサン樹脂(A)、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)及び架橋剤成分(C)を含有する絶縁膜形成用感光性組成物であって、
    前記シルセスキオキサン樹脂(A)は、フェノール性水酸基を含む構成単位(a1)と、アルキル基を含む構成単位(a2)とを有し、
    前記酸発生剤成分(B)は、カチオン部に芳香環を1個のみ有するか又は有さないオニウム塩からなる酸発生剤(B1)を含み、
    絶縁膜の形成において、膜の露光部はアルカリ現像液に対して難溶性へ転じる一方で、膜の未露光部はアルカリ現像液に対して可溶性のまま変化しない、絶縁膜形成用感光性組成物(ただし、下式(EP)で表される分子量150〜1000の脂環式エポキシ化合物を含有するものを除く)。
    Figure 0006826361
    [式中、REP1は、アルキル基を表す。pは0〜7の整数を表す。pが2以上の場合、複数のREP1は同一であってもよく、異なってもよい。A”は、酸素原子を有していてもよい、q価の炭化水素基を表す。qは1〜4の整数を表す。]
  2. 前記構成単位(a1)は、下記一般式(a1−1)で表される構成単位である、請求項1に記載の絶縁膜形成用感光性組成物。
    Figure 0006826361
    [式中、Raは、炭素数1〜5のアルキレン基又は単結合である。na1は、1〜3の整数である。]
  3. 前記構成単位(a2)は、下記一般式(a2−1)で表される構成単位である、請求項1又は2に記載の絶縁膜形成用感光性組成物。
    Figure 0006826361
    [式中、Raは、炭素数1〜10のアルキル基である。]
  4. シルセスキオキサン樹脂(A)、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)及び架橋剤成分(C)を含有する絶縁膜形成用感光性組成物であって、
    前記シルセスキオキサン樹脂(A)は、下記一般式(a1−1)で表される構成単位と、下記一般式(a2−1)で表される構成単位とからなるシルセスキオキサン樹脂であり、
    前記酸発生剤成分(B)は、カチオン部に芳香環を1個のみ有するか又は有さないオニウム塩からなる酸発生剤(B1)を含むことを特徴とする絶縁膜形成用感光性組成物。
    Figure 0006826361
    [式中、Raは、炭素数1〜5のアルキレン基又は単結合である。na1は、1〜3の整数である。Raは、炭素数1〜10のアルキル基である。]
  5. 前記シルセスキオキサン樹脂(A)の質量平均分子量は、1000〜5000である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の絶縁膜形成用感光性組成物。
  6. 前記構成単位(a1)と前記構成単位(a2)との含有割合(モル比)は、構成単位(a1)/構成単位(a2)=40/60〜90/10である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の絶縁膜形成用感光性組成物。
  7. さらに、含窒素有機化合物(D)を含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の絶縁膜形成用感光性組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の絶縁膜形成用感光性組成物を用いて、支持体上に膜を形成する膜形成工程、前記膜を選択的に露光する露光工程、前記露光後の膜を現像してプレパターンを形成する現像工程、及び前記プレパターンを硬化して絶縁膜パターンを得る硬化工程を有する絶縁膜パターンの形成方法。
  9. 前記膜形成工程で形成される膜の厚さが、700nm以上である、請求項8に記載の絶縁膜パターンの形成方法。
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