JP2011256826A - フィルタ装置および潤滑装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】オイル等の液体から不要物を除去するために用いられるフィルタ装置において、そこに備えられたイオン交換材料などの反応体に高圧がかからないようする。
【解決手段】本発明は、液体から不要物を除去するためのフィルタ装置1を提供する。フィルタ装置1は、入口から出口に延びる第1液体通路51に配置されたろ過体としてのフィルタ部材40と、第1液体通路51につながる第2液体通路52に配置された所定の成分を吸着する機能を有する反応体を有する機能部材42と、第1液体通路51における液体の流れおよび第2液体通路52における液体の流れを調整するように構成された調整装置としての調整弁54とを備え、調整弁54は、所定圧以下の液体が第2液体通路へ流れるように液体の流れを調整する。
【選択図】図2

Description

本発明は、オイル等の液体から不要物を除去するために用いられるフィルタ装置および、それを備えた潤滑装置に関する。
特許文献1は、内燃機関の潤滑システム内で使用する化学フィルタを開示する。特許文献1の記載によれば、この化学フィルタは、内燃機関潤滑システム内のオイルフィルタのハウジング内に使用されるか、またはそのオイルフィルタのバイパス部分に使用され、イオン交換材料を有することができる。
特表2008−540123号公報
内燃機関では例えばエンジン回転速度に応じてオイル供給路における油圧が変化する。したがって、油圧が高まったときには上記化学フィルタにおけるイオン交換材料に高い油圧が作用する。
イオン交換材料はその種類等に応じて異なる強度を有し、その耐圧性能には限界がある。それ故、耐圧性能を超えるような圧力がそのようなイオン交換材料に加わることは好ましくない。
そこで、本発明はかかる点に鑑みて創案されたものであり、その目的は、オイル等の液体から不要物を除去するために用いられるフィルタ装置において、そこに備えられたイオン交換材料などの反応体に高圧が加わらないようにすることにある。
本発明は、入口から出口に延びる第1液体通路に配置されたろ過体と、第1液体通路につながる第2液体通路に配置された所定の成分を吸着する機能を有する反応体と、第1液体通路における液体の流れおよび第2液体通路における液体の流れを調整するように構成された調整装置とを備え、調整装置は、所定圧以下の液体が第2液体通路へ流れるように液体の流れを調整する、フィルタ装置を提供する。
前記所定圧は、前記反応体の耐圧上限値以下の圧力であるとよい。
第2液体通路は第1液体通路に合流するバイパス通路であるとよい。
第1液体通路から分岐した第3液体通路がさらに備えられ、第3液体通路の途中に反応体が設けられ、調整装置は第3液体通路における液体の流れを調整するように構成されているとよい。
ろ過体の下流側に反応体が配置されているとよい。
また、本発明は、そのようなフィルタ装置を備え、液体はオイルである、潤滑装置にも存する。
本発明の第1実施形態に係るフィルタ装置が適用された内燃機関の潤滑装置における潤滑油の主な流れを概念的に示す図である。 潤滑装置における第1実施形態に係るフィルタ装置を説明するためのブロック図である。 第1実施形態に係るフィルタ装置の模式図である。 第1実施形態に係るフィルタ装置のオイルの流れを説明するためのグラフである。 潤滑装置における第2実施形態に係るフィルタ装置を説明するためのブロック図である。 第2実施形態に係るフィルタ装置の模式図である。 第2実施形態に係るフィルタ装置のオイルの流れを説明するためのグラフである。 潤滑装置における第3実施形態に係るフィルタ装置を説明するためのブロック図である。 第3実施形態に係るフィルタ装置の模式図である。 第3実施形態に係るフィルタ装置の模式図である。 第3実施形態に係るフィルタ装置の模式図である。 第3実施形態に係るフィルタ装置のオイルの流れを説明するためのグラフである。 第3実施形態に係るフィルタ装置を備えた、図8の潤滑装置と異なる潤滑装置を説明するためのブロック図である。 図13の潤滑装置の一部の模式図である。 潤滑装置における第4実施形態に係るフィルタ装置を説明するためのブロック図である。
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて詳述する。まず、本発明の第1実施形態に係るフィルタ装置を説明する。
第1実施形態に係るフィルタ装置1は内燃機関に適用されている。図示しないが、内燃機関では、既知の如く、吸気系から導かれた空気と、燃料噴射弁から噴射された燃料との混合気を燃焼室で燃焼させて、シリンダ内でピストンを往復動させて、クランクシャフトを回転させる。そして、燃焼室での混合気の燃焼により生じた排気ガスは、図示しない排気系を介して排出される。
ここで、図1に、内燃機関の潤滑装置10における潤滑油(オイル)の主な流れを概念的に示す。内燃機関の種々の部材間の摺動箇所での摩擦や磨耗を減らすため、内燃機関はその潤滑装置10を備えている。潤滑装置10は、それら摺動箇所にオイルを給油するように構成されている。内燃機関の潤滑装置10は、オイルストレーナ14、オイルポンプ16、および第1実施形態に係るフィルタ装置1を有する。オイルパン20に貯留されるオイル中にはオイルストレーナ14が配置され、オイルストレーナ14にはオイルポンプ16が接続されている。そして、オイルパン20に貯留されたオイルからオイルストレーナ14で比較的大きな異物が除去され、それが除去されたオイルがオイルポンプ16で吸い上げられて、オイルポンプ16からフィルタ装置1に圧送される。そしてフィルタ装置1で不要物、例えば比較的小さな異物が除去された後に、メインオイルホールとも称されるメインギャラリ22を介して、内燃機関12の内部の各軸受部や摺動部である摺動箇所にオイルが分配される。これによりそれらの潤滑や冷却が図られる。
例えば、シリンダヘッド24に導かれたオイルは、チェーンテンショナプランジャ25やカムシャフトジャーナル26に供給される。また、オイルジェット28を介して、チェーン30に、オイルは供給される。また、クランクシャフトジャーナル32にオイルが供給され、さらにクランクピン34や、オイルジェット36を介してピストン38にオイルは供給される。そして、内燃機関の各軸受部や摺動部に供給されたオイルは、自然落下等により、オイルパン20に戻る。例えば、シリンダヘッド24に圧送されたオイルは、シリンダブロックとシリンダヘッドに形成された、ヘッドカバー内とクランクケース内つまりオイルパン20内とを連通するオイル落とし通路(オイル戻し孔)やチェーンカバー内を通り、オイルパン20に戻される。なお、オイル落とし通路は、動弁系の潤滑を終えたオイルをシリンダヘッドからオイルパン内へ向けて落とす(戻す)ための通路であると同時に、クランクケース内のブローバイガスをヘッドカバー内に向けて上昇移動させるための通路である。ただし、このようなオイルの流れは、一例に過ぎない。本発明に係る潤滑装置では、種々のオイルの流れが許容され、そのために、種々の構成が有され得る。
さて、第1実施形態に係るフィルタ装置1をさらに説明する。フィルタ装置1は、オイルから不要物を除去するように構成されている。フィルタ装置1は、図2に簡単に示すように、ストレーナ14、オイルポンプ16を経たオイルから不要物を除去するように設けられ、従来のオイルフィルタとしての機能を有する。
フィルタ装置1は、ろ過体としてのフィルタ部材40と、反応体としてのイオン交換樹脂を含む機能部材42とを有する。フィルタ装置1では、フィルタ部材40は機能部材42の上流側に位置付けられている。
図3に示すように、フィルタ部材40はここでは中心が開口した環状の形態を有し、フィルタ装置1のケース部材44内の環状空間44sに収容されている。フィルタ部材40の中心の開口に位置するように管部材46が設けられている。管部材46の上流側端部には複数の孔46aが形成されている。管部材46は枝管部48を有し、枝管部48は主管部47から分岐するように延在する。枝管部48内には機能部材42が収容されている。
フィルタ装置1のケース部材44にはオイルをその内部に導くための入口44aが入口形成部材50により形成されている。入口44aはケース部材44の環状空間44sにつながるように形成されている。そして管部材46の一端部がフィルタ装置1のケース部材44からオイルを排出するための第1出口44bを形成する。なお、管部材46と出口44bを形成する第1出口形成部材とは別体とされてもよい。したがって、入口44aから入ったオイルは環状空間44sを通過して管部材46の主管部47を介して第1出口44bに至ることができる。なお、入口44aから第1出口44bの間の環状空間44sおよび管部材46の主管部47内は第1液体通路51である。
管部材46の主管部47から分岐するように延びる枝管部48の端部がフィルタ装置1のケース部材44からオイルを排出するための第2出口44cを形成する。なお、枝管部48と第2出口44cを形成する第2出口形成部材とは別体とされてもよい。
第1液体通路51につながる第2液体通路52は枝管部48により区画形成されている。枝管部48の上流部には、第1液体通路51におけるオイルの流れおよび第2液体通路におけるオイルの流れを調整するための調整装置として調整弁54が設けられている。調整弁54は可動式の弁体54aと弾性部材であるバネ54bとを備えている。なお、調整弁54はスリーブバルブである。バネ54bは、オイルの圧力が所定圧を越えるとき、枝管部48内の第2液体通路52を開通するように、設計または選択されている。なお、図3では、枝管部48によって区画形成された第2液体通路52は調整弁54によって閉じられている。
そのような第2液体通路52に配置された上記機能部材42について説明する。機能部材42は、ここではブローバイガスに起因して生じる所定の成分、具体的には硝酸イオンを除去するようにイオン交換樹脂を有する。
ここで、ブローバイガスとは、ピストン38のピストンリングと、シリンダブロックのシリンダボアとの隙間からクランクケース内へ漏れ出るガスのことである。このブローバイガスは多量の炭化水素や水分を含む。このため、ブローバイガスがあまりに多いとそれはエンジンオイルの早期劣化や内燃機関内部の錆の原因になる。また、ブローバイガスには炭化水素が含まれているため、それをこのまま大気に解放することは環境上好ましくない。そのため、内燃機関は、既知のブローバイガス環流装置(不図示)を備えている。ブローバイガスは、上記したように、上記オイル落とし通路を通して、クランクケース内からヘッドカバー内に向けて上昇移動させられる。そして、ブローバイガスは、ヘッドカバー内に導入された後、吸気負圧を利用してブローバイガス還流装置のPCV通路等を通じて強制的に吸気通路へ戻され、燃焼室に供給される。
また、内燃機関のヘッドカバー内には、ブローバイガスからオイルを分離するためのオイルセパレータ室が区画形成されている。ブローバイガスは、上記したような燃料成分である炭化水素、水分を含む以外に、クランクケース内のオイルの攪拌、蒸発によって生成された気体としてのオイルミストを含んでいる。このため、単にブローバイガスを吸気側に環流させるだけだとオイルも同時に燃焼されてしまい、オイルの消費量が多くなると同時に、オイル燃焼による白煙が生じて問題となる。そこで、ヘッドカバー内には、既知の構成のオイルセパレータ室が形成されている。このオイルセパレータ室にブローバイガスを通すことにより、ブローバイガスを吸気系に戻す前にブローバイガスからオイルを分離して回収することを可能にし、そのような問題を解消可能にしている。
ところで、そのようなブローバイガスには既燃焼ガスに含まれるNOxおよび水分が含まれている。そして、ヘッドカバーが内燃機関からの熱を伝達されづらくかつその外面が外気に晒されて冷却風等によって冷却されるので、ヘッドカバーの内面には結露等による凝縮水が生じやすい。よって、ヘッドカバー内には、それらの反応により、酸性物質、例えば硝酸ができ易い。このような酸性物質は、潤滑油つまりエンジンオイルに混ざり得、内燃機関内部におけるスラッジの発生、付着、堆積を促し得る。
そこで、そのような酸性物質つまり酸性成分をオイル中から除去するべく、上記したように、フィルタ装置1は機能部材42を備える。機能部材42は、化学的接着手段である接着剤を用いてフィルタ装置1内に貼り付けられている。ただし、機能部材42がその内壁面等にボルトおよびナットなどの機械的結合手段を用いて取り付けられることも可能である。
機能部材42は、金属メッシュ(金網メッシュ)ケースと、その中に入れられたイオン交換樹脂とを備える。イオン交換樹脂は、反応体であり、所定のイオン(イオン成分)を吸着する機能を有する。換言すると、所定のイオンを除去するべく、そのような所定のイオンを吸着する機能を機能部材42のイオン交換樹脂は有する。なお、イオン交換樹脂は、所定のイオンを吸着し、その代わりに、別のイオンを放出する機能を有する。ここでは、イオン交換樹脂としてアニオン性イオン交換樹脂が用いられ、機能部材42のイオン交換樹脂はこれからなる。なお、イオン交換樹脂としては、例えば、三菱化学社製ダイヤイオン(登録商標)シリーズのイオン交換樹脂、ローム・アンド・ハース社製アンバーライト(登録商標)シリーズのイオン交換樹脂がある。
ここでは、具体的に、ブローバイガス中のNOxと水とにより生じ得る硝酸イオン(NO3 -)のオイル中からの除去を図るべく、硝酸イオンを吸着する機能を有するアニオン性イオン交換樹脂が用いられる。このようなアニオン性イオン交換樹脂は、その陰イオンを吸着し、例えば水酸化物イオンを放出する機能を有する。なお、このようなイオン交換樹脂は、繊維状、ビーズ状(球状)または膜状の種々の形状を有し得る。
このような機能部材42をフィルタ部材40に加えて有するフィルタ装置1でのオイルの流れを説明する。なお、図4に示すように、油圧とオイル流量とは比例関係を有する(図4の線L1参照)。そして、エンジン回転速度と油圧とは比例関係を有する。エンジン回転速度が高いほど、フィルタ装置1へ送られるオイルの流量は多くなり、フィルタ装置1を流れるオイルの圧力も高くなる。
オイル流量が所定量以下のとき、つまり油圧が所定圧以下のとき、調整弁52の弁体52aは第2液体通路52を塞ぐ位置にある。したがって、フィルタ装置1に導入された全てのオイル(図3の矢印a31参照)は第1液体通路51のみを実質的に通過し(図3の矢印a32参照)、その過程でフィルタ部材40によりオイル中の比較的小さな異物の除去が図られる。そして、第1液体通路51を流れたオイルは第1出口44bからフィルタ装置1を出て(図3の矢印a33参照)、メインギャラリ22へ流れる(図2参照)。
これに対して、オイル流量が所定量を超えるとき、つまり油圧が所定圧を越えるとき、調整弁52は第2液体通路52を開く。したがって、フィルタ装置1に導入されたオイル(図3の矢印a31参照)のうちの一部のオイルは、第2液体通路52を流れるようになり(図3の矢印a34参照)、その過程で機能部材42によりオイル中の所定の成分の除去が図られる。そして、第2液体通路52を流れたオイルは第2出口44cからフィルタ装置1を出て(図3の矢印a35参照)、オイルパン20へ流れる(図2参照)。これに対して、フィルタ装置1に導入されたオイル(図3の矢印a31参照)のうちの残りのオイルは、第1液体通路51を上記したように通過する(図3の矢印a32、a33参照)。なお、オイルの圧力が第2液体通路52を開通させる所定圧を越えるときとしては、例えば冷間始動時がある。したがって、そのような冷間時に凝縮水が発生して上記したように硝酸が生じ易いが、そのようなときにオイルは第2液体通路52の機能部材42へ流れる。したがって、より適切に、オイルから硝酸イオンといった不要な所定の成分を除去することができる。
要するに、フィルタ装置1に導入されたオイルは、その圧力が所定圧p1以下のとき、フィルタ部材40のみを通過するように第1液体通路51を流れる。他方、フィルタ装置1に導入されたオイルは、その圧力がその所定圧p1を超えたとき、フィルタ部材40を通過するように第1液体通路51を流れると共に、機能部材42を通過するように第2液体通路52を流れる。そして、フィルタ装置1に導入されたオイルの圧力が所定圧p1を超えたとき、機能部材42を流れるオイル量はそのオイルの圧力に応じて変化し、そのオイルの圧力が高くなるほど増加する。しかし、機能部材42、特にそのイオン交換樹脂の破損が生じないように上記バネ54bが設計されているので、そのように第2液体通路52を流れるオイルは、調整弁54により所定圧以下の圧力を有するように制限され、具体的にはそのイオン交換樹脂の耐圧性能を上回る圧力を有することはない。つまり、第2液体通路52のオイルの流量は、そのオイルがそのイオン交換樹脂の耐圧性能を上回らない圧力を有するように制限される。換言すると、第2液体通路52を流れるオイルの圧力は機能部材42のイオン交換樹脂の耐圧上限値以下に制限される。したがって、機能部材42、特にそのイオン交換樹脂に高圧が加わることを防ぐことができ、それが破損することを防ぐことができる。
なお、第1液体通路51に流れるオイル量は図4の領域(41)に対応し、第2液体通路52に流れるオイル量は図4の領域(42)に対応する。第1液体通路51に関するオイル量領域(41)は図4中の線L1、線L2および横軸によって定められ、第2液体通路52に関するオイル量領域(42)は図4中の線L1と線L2とによって定められる。
なお、このように機能部材42はフィルタ装置1に備えられるので、フィルタ装置1のフィルタ部材40を交換するときに同時に機能部材42の交換も行われる。したがって、それらを別途独立して配置するよりも便利である。
なお、上記第1実施形態のフィルタ装置1では、反応体としてアニオン性イオン交換樹脂を用いたが、反応体は、上記の如きイオン交換樹脂に限定されない。反応体として、種々のアニオン性イオン交換樹脂および/またはカチオン性イオン交換樹脂を用いることが可能である。以下で、具体的に説明する。
アニオン性イオン交換樹脂の使用により吸着除去することが望まれるイオンには、そのような硝酸イオン(NO3 -)ばかりでなく、例えば、ブローバイガスから生じ得る硫酸イオン(SO4 2-)、ブローバイガスから生じ得る酢酸イオン(CH3COO-)、同様にブローバイガスから生じ得るギ酸イオン(HCOO-)、塩化物イオン(Cl-)、クロム酸イオン(CrO4 2-)がある。これらを含む群またはこれらからなる群から選択された少なくとも1つのイオンを吸着する機能を有するアニオン性イオン交換樹脂が用いられ得る。なお、アニオン性イオン交換樹脂から放出されるイオンは、オイルの劣化を促進しないイオンであるとよく、好ましくは、オイルの劣化を抑制するイオンであるとよい。
また、スラッジ生成を抑制するように内燃機関にアルカリ性物質、例えば炭酸カルシウムが設けられた場合、Caイオンを吸着する機能を有するイオン交換樹脂が用いられるとよい。また、オイル中に添加剤としてカルシウムスルホネートが添加されている場合には、このカルシウムスルホネートからCaイオンが生じ得るので、このような場合にもCaイオンを吸着する機能を有するカチオン性イオン交換樹脂が用いられるとよい。
なお、カチオン性イオン交換樹脂の使用により吸着除去することが望まれるイオンには、そのようなCaイオン(Ca2+)ばかりでなく、例えば、Al3+、Fe2+、Fe3+、Cr3+、Pb2+、Ni2+、Cu2+、Mg2+、Ti+がある。これらは、オイルへの添加剤、例えばZnDTPから生じたり、内燃機関の構成部材の磨耗および/または溶出により生じたりする。特に、内燃機関の摺動部の摩耗によりエンジンオイル中に生じるCuイオン、Alイオン、Feイオン等は、除去されることが望まれる。これらを含む群またはこれらからなる群から選択された少なくとも1つのイオンを吸着する機能を有するカチオン性イオン交換樹脂が用いられ得る。なお、カチオン性イオン交換樹脂から放出されるイオンは、オイルの劣化を促進しないイオンであるとよく、好ましくは、オイルの劣化を抑制するイオンであるとよい。
また、本発明における反応体はイオン交換樹脂に限定されない。イオン交換樹脂、無機イオン交換体、キレート樹脂および/または合成吸着剤を反応体として用いることが可能である。反応体として、所定の成分を吸着する機能を有する種々の物質や、所定の成分を吸着する機能と別の所定の成分を放出する機能とを有する種々の物質を用いることができる。
また、反応体によって吸着除去されるべき成分は、上記したような硝酸イオン等の酸成分、添加物から生じた成分、内燃機関の構成部材の磨耗および/または溶出により生じた成分であって、オイル中の不要成分または不純物であるとよい。なお、吸着されるべき成分は、上記イオンに限定されず、また、イオン以外の成分をも含み得る。また反応体から放出されるべき成分はエンジンオイルに無害である成分またはオイルへの添加剤として機能する有用成分であるとよい。なお、同様に、放出されるべき成分は、上記イオンに限定されず、イオン以外の成分も含み得る。
また、機能部材では、金網ケース、パンチングメッシュタイプのケース、金網や樹脂などを用いて形成された袋状ケース、メッシュタイプの筒状ケース(内筒と外筒との間に収納領域を有する。)等が用いられ得、その中にイオン交換樹脂等の反応体が入れられ得る。また、反応体は、板やフィルムに積層されたり、部品にスプレー等を用いて塗布されたりすることができ、そのようにして板等に固定された反応体が機能部材として用いられることができる。
なお、そのような反応体は、上記第1実施形態で説明したように、ケース等に入れられたり、板等に固定されたりすることで機能部材とされて、フィルタ装置に適用されることができる。しかし、反応体は、ケース等に入れられることなく、フィルタ装置内に配置されてもよい。
次に本発明に係る第2実施形態が説明される。第2実施形態に係るフィルタ装置101は上記第1実施形態に係るフィルタ装置1と同様に内燃機関に適用されている。以下の説明では、既に説明された構成要素に対応する構成要素に既に説明された構成要素の符号に対応する符号を付し、そのような構成要素の重複説明を省略する。つまり、以下では、フィルタ装置101のフィルタ装置1に対する相違点が主として説明される。第2実施形態のフィルタ装置101は、上記第1実施形態のフィルタ装置1と同様の構成を有する範囲で同様の効果を同様に奏し、矛盾しない範囲においてそれと同様の変更が適用される。
フィルタ装置101は、オイルから不要物を除去するように構成されていて、潤滑装置110に組み込まれている。フィルタ装置101は、図5に簡単に示すように、ストレーナ114、オイルポンプ116を経たオイルから不要物を除去するように設けられ、従来のオイルフィルタとしての機能を有する。フィルタ装置101は、ろ過体としてのフィルタ部材140と、反応体としてのイオン交換樹脂を含む機能部材142とを有する。フィルタ装置101では、フィルタ部材140は機能部材142の上流側に位置付けられている。なお、フィルタ部材140は上記フィルタ部材40と同一構成を有し、機能部材142は機能部材42と同一構成を有し、機能部材42と同様の変更が適用され得る。
図6に示すように、フィルタ装置101では、環状のフィルタ部材140の中心に位置するように管部材146が設けられているが、管部材146の主管部147の第1主管部147aから分岐するように延在する枝管部148は第1主管部147aにつながる第2主管部147bに合流している。したがって、枝管部148により区画形成されて機能部材142が配置されている第2液体通路152は、ケース部材144内の環状空間144s、第1主管部147a内部および第2主管部147b内部からなる第1液体通路151のバイパス通路である。なお、フィルタ装置101は、上記第2出口44cに対応する出口を有さず、フィルタ装置101に供給されたオイルは出口144bを介して概ねメインギャラリ122へ送られる(図5参照)。
第1液体通路151からの第2液体通路152の分岐部、つまり枝管部148の分岐部に、調整装置として調整弁154が設けられている。調整弁154は可動式の弁体154aと弾性部材であるバネ154bとを備えている。なお、調整弁154はスリーブバルブである。バネ154bは、オイルの圧力が所定圧を越えるとき、第2液体通路152にオイルを流さないように、設計されている。弁体154aには流路154cが形成されていて、調整弁154は三方弁として機能することができる。調整弁154の弁体154aはオイルの圧力に基づいてバネ154bが変形することで移動する。そして、オイルの圧力が上記所定圧未満の第2所定圧以下のとき第2液体通路152を開き第1液体通路151を閉塞するように弁体154aは位置付けられる。そのような位置にある弁体154aが図6では表されている。オイルの圧力が上記所定圧以下かつ上記第2所定圧を超えるとき、第1液体通路151および第2液体通路152は共に開くように弁体154aは位置付けられる。そして、オイルの圧力が上記所定圧を超えるとき、第1液体通路151を開き第2液体通路152を閉じるように弁体154aは位置付けられる。
さらに、枝管部148にはつまり第2液体通路152には逆止弁160が設けられていて、逆止弁160は第1液体通路152から第2液体通路152へのオイルの逆流を防止する。なお、逆止弁160および枝管部148の第2主管部147bへの合流部は、第2実施形態のフィルタ装置101ではケース部材144外部に位置付けられているが、ケース部材144内に位置付けられることもできる。
このような構成を有するフィルタ装置101でのオイルの流れを説明する。オイル流量が第2所定量以下のとき、つまり油圧が第2所定圧p2以下のとき、第1液体通路151は閉塞し、第2液体通路152は開く。したがって、フィルタ装置101に導入された全てのオイル(図6の矢印a61参照)は、第1液体通路151の上流部を流れて、第2液体通路152を介して、さらに第1液体通路151の下流部を流れ(図6の矢印a64参照)、出口144bから送り出される(図6の矢印a63参照)。その過程で全てのオイルは、フィルタ部材140を通過すると共に機能部材142を通過する。それ故、オイル中の比較的小さな異物の除去およびオイル中の所定の成分ここでは硝酸イオンの除去が図られる。
オイル流量が第1所定量以下かつ第2所定量を超えるとき、つまり油圧が第1所定圧p3以下かつ第2所定圧p2を超えるとき、第1液体通路151および第2液体通路152は共に開く。したがって、フィルタ装置101に導入されたオイル(図6の矢印a61参照)のうちの一部のオイルは第2液体通路152を流れるが(図6の矢印a64参照)、その残りのオイルは第2液体通路152を流れず第1液体通路151のみを流れる(図6の矢印a62参照)。そして、異なる通路を経たオイルは合流して、出口144bから送り出される(図6の矢印a63参照)。このようにオイルの圧力がある程度高いとき、オイルの流路が分けられて、第1液体通路および第2液体通路に流れるオイルの量がそれぞれ調整されるので、第2液体通路152の機能部材142に高圧が及ぶことは確実に防止される。
そして、オイル流量が第1所定量を超えるとき、つまり油圧が第1所定圧p3を越えるとき、第2液体流路152は閉じて第1液体通路151は開く。したがって、フィルタ装置101に導入された全てのオイル(図6の矢印a61参照)は、第1液体通路151のみを実質的に流れて(図6の矢印a62参照)、出口144bから送り出される(図6の矢印a63参照)。したがって、オイルの圧力が高いとき、第2液体通路152の機能部材142に高圧が及ぶことは防止される。
なお、図7では、第1液体通路151に流れるオイル量は図7の領域(71)に対応し、第2液体通路152に流れるオイル量は図7の領域(72)に対応する。第1液体通路151に関するオイル量領域(71)は、第2液体通路152に関するオイル量領域(72)よりも高圧側に位置する。
なお、上記第1所定圧p3は、機能部材142のイオン交換樹脂の耐圧性能を上回る圧力つまりその耐圧上限値を超える圧力がそのイオン交換樹脂に加わらないように定められる。上記第2所定圧p2も、機能部材142のイオン交換樹脂の耐圧性能を上回る圧力がそのイオン交換樹脂に加わらないように定められるとよい。
次に本発明に係る第3実施形態が説明される。第3実施形態に係るフィルタ装置201は上記第1実施形態に係るフィルタ装置1および上記第2実施形態に係るフィルタ装置101と同様に内燃機関に適用されている。以下の説明では、既に説明された構成要素に対応する構成要素に既に説明された構成要素の符号に対応する符号を付し、そのような構成要素の重複説明を省略する。つまり、以下では、フィルタ装置201のフィルタ装置1およびフィルタ装置101に対する相違点が主として説明される。なお、第3実施形態のフィルタ装置201は、上記第1実施形態のフィルタ装置1または上記第2実施形態のフィルタ装置101と同様の構成を有する範囲で同様の効果を同様に奏し、矛盾しない範囲においてそれらと同様の変更が適用される。
フィルタ装置201は、オイルから不要物を除去するように構成されていて、潤滑装置210に組み込まれている。フィルタ装置201は、図8に簡単に示すように、ストレーナ214、オイルポンプ216を経たオイルから不要物を除去するように設けられ、従来のオイルフィルタとしての機能を有する。フィルタ装置201は、ろ過体としてのフィルタ部材240と、反応体としてのイオン交換樹脂を含む機能部材242とを有する。フィルタ装置201では、フィルタ部材240は機能部材242の上流側に位置付けられている。なお、フィルタ部材240は上記フィルタ部材40と同一構成を有し、機能部材242は機能部材42と同一構成を有し、機能部材42と同様の変更が適用され得る。
第3実施形態のフィルタ装置201では、第2液体通路252は第1液体通路251のバイパス通路であり、その途中に機能部材242が配置されている。さらに、フィルタ装置201では、第1液体通路251から分岐した第3液体通路270がさらに備えられていて、第3液体通路270の途中に上記機能部材242が配置されている。つまり、第2液体通路252の一部と第3液体通路270の一部とは機能部材242を含む部分で共通する(図8参照)。そして、第1から第3液体通路251、252、270のそれぞれにおけるオイルの流れを調整するための調整装置272が設けられている。調整装置272は、第1液体通路251におけるオイルの流れおよび第2液体通路252におけるオイルの流れを調整するための第1調整弁254と、第3液体通路270におけるオイルの流れを調整するための第2調整弁274とを備えている。ここでは、それら2つの調整弁254、274はいずれもスリーブバルブである(図9〜図11参照)。
図9〜図11に示すように、環状のフィルタ部材240の中心に位置するように管部材246が設けられているが、管部材246は、複数の管のユニットとして構成され、第1液体通路251の一部251aと、第2液体通路252と、第3液体通路270とを区画形成するように構成されている。
第1液体通路251からの第2液体通路252の分岐部および第1液体通路251への第2液体通路252の合流部に位置するように第1調整弁254が設けられている。第1調整弁254は、弁体254aと、弾性部材としてのバネ254bとを備えている。バネ254bは、オイルの圧力が所定圧を越えるとき、第2液体通路252にオイルを流さないように、設計されている。バネ254bは第1液体通路251に位置付けられた支持体254dと弁体254aとの両方に接続されている。なお、支持体254dには、オイルが流れることができる孔が形成されている。
第1液体通路251から分岐する第3液体通路270には第2調整弁274が設けられている。第2調整弁274は、弁体274aと、弾性部材としてのバネ274bとを備えている。バネ274bは、機能部材242に所定圧を越えるオイル圧力が作用しないように、設計されている。バネ274bは第3液体通路270に位置付けられた支持体274dと弁体274aとの両方に接続されている。なお、支持体274dには、オイルが流れることができる孔が形成されている。
このような構成を有するフィルタ装置201でのオイルの流れを説明する。油圧が機能部材242のイオン交換樹脂の耐圧性能を超えない圧力つまりそのイオン交換樹脂の耐圧上限値以下の圧力である第4所定圧p4であるときに(図12参照)、第2液体通路252が開いていて、第1液体通路251の一部251aおよび第3液体通路270が閉じたところが図9に表されている。したがって、フィルタ装置201に導入された全てのオイル(図9の矢印a91参照)は、第1液体通路251の上流部を流れて、第2液体通路252を介して、さらに第1液体通路151の下流部を流れ(図9の矢印a92参照)、第1出口244bから送り出される(図9の矢印a93参照)。その過程で全てのオイルは、フィルタ部材140を通過すると共に機能部材142を通過する。それ故、オイル中の比較的小さな異物の除去およびオイル中の所定の成分の除去が図られる。なお、出口244bから送り出されたオイルはメインギャラリ222に向かう。
油圧が機能部材242のイオン交換樹脂の耐圧性能を上回る圧力つまりそのイオン交換樹脂の耐圧上限値を超える圧力である第5所定圧p5であるときに(図12参照)、第1液体通路251が開き、第2および第3液体通路252、270が閉じたところが図10に表されている。したがって、フィルタ装置201に導入された全てのオイル(図10の矢印a101参照)は、第1液体通路251のみを実質的に流れて(図10の矢印a102参照)、第1出口244bから送り出される(図10の矢印a103参照)。その過程で全てのオイルは、フィルタ部材140を通過するが機能部材142を通過しない。したがって、オイルの圧力が高いとき、第2液体通路252の機能部材242に高圧が及ぶことは防止される。なお、出口244bから送り出されたオイルはメインギャラリ222に向かう。
油圧が機能部材242のイオン交換樹脂の耐圧性能をはるかに超えた圧力である第6所定圧p6であるときに(図12参照)、第2液体通路252が閉じ、第1および第3液体通路251、270が開いたところが図11に表されている。したがって、フィルタ装置201に導入された全てのオイル(図11の矢印a111参照)の主たるオイルは、第1液体通路251を流れて(図11の矢印a112参照)、第1出口244bから送り出される(図11の矢印a113参照)。なお、第1出口244bから送り出されたオイルはメインギャラリ222に向かう。これに対して、フィルタ装置201に導入されたオイル(図11の矢印a111参照)の一部のオイルは、第3液体通路270を流れて(図11の矢印a114参照)、第2出口244cから送り出される(図11の矢印a115参照)。なお、第2出口244cから流れ出たオイルはオイルパン220に向かう。このように、フィルタ装置201を流れる過程で、一部のオイルはフィルタ部材240のみを通過し、残りのオイルはフィルタ部材240および機能部材242を通過する。そして、このときに第3液体通路270には機能部材242のイオン交換樹脂の耐圧性能を上回る圧力のオイルつまりそのイオン交換樹脂の耐圧上限値を超える圧力のオイルが流れないように、バネ274bが設計または選択されているので、このようにオイルの圧力が非常に高いとき、機能部材242に高圧が及ぶことは防止される。
このように、本第3実施形態のフィルタ装置201では、油圧が低いときも高いときにも、機能部材242のイオン交換樹脂の耐圧性能を上回らない圧力のオイルを適切に機能部材242に流すことができる。
なお、第1液体通路251に流れるオイル量は図12の領域(121)に対応し、第2液体通路252に流れるオイル量は図12の領域(122)に対応し、第3液体通路270に流れるオイル量は図12の領域(123)に対応する。
なお、このようなフィルタ装置201を備えた潤滑装置210では、第3液体通路270を流れ出たオイルは、オイルパン220へ向けて流れたが、オイルポンプ216に吸い込まれるようにオイルポンプ吸い込み口へ方向付けられることも可能である。そのような場合が、図13および図14に表されている。なお、図13および図14は、図8および図11にそれぞれ対応し、それらでは図8および図11で用いた符号が同様に用いられている。図13および図14に示すように、オイルポンプ吸い込み口へオイルを戻すように潤滑装置を構成することで、オイルポンプ216でのオイル吸い上げ仕事を減らすことができる。したがって、燃費向上を図ることができる。
次に、第4実施形態に係るフィルタ装置301が説明される。第4実施形態に係るフィルタ装置301は上記第3実施形態に係るフィルタ装置201と同様に内燃機関に適用されている。以下の説明では、既に説明された構成要素に対応する構成要素に既に説明された構成要素の符号に対応する符号を付し、そのような構成要素の重複説明を省略する。つまり、以下では、フィルタ装置301のフィルタ装置201に対する相違点が主として説明される。なお、第4実施形態のフィルタ装置301は、上記第3実施形態のフィルタ装置201と同様の構成を有する範囲で同様の効果を同様に奏し、矛盾しない範囲においてそれと同様の変更が適用される。ただし、以下では、第4実施形態に係るフィルタ装置301は簡単に説明される。
フィルタ装置301は、オイルから不要物を除去するように構成されていて、潤滑装置310に組み込まれている。フィルタ装置301は、図15に簡単に示すように、ストレーナ314、オイルポンプ316を経たオイルから不要物を除去するように設けられ、従来のオイルフィルタとしての機能を有する。フィルタ装置301は、ろ過体としてのフィルタ部材340と、反応体としてのイオン交換樹脂を含む機能部材342とを有する。フィルタ装置301では、フィルタ部材340は機能部材342の上流側に位置付けられている。なお、フィルタ部材340は上記フィルタ部材240と同一構成を有し、機能部材342は機能部材242と同一構成を有し、機能部材242と同様の変更が適用され得る。
フィルタ装置301は、フィルタ部材340よりも下流側に切替弁380を備える。切替弁380は第1液体通路351に配置され、第1液体通路351へのオイルの流れと、第2液体通路352へのオイルの流れとを調整するように構成されている。第2液体通路352には機能部材342が配置されている。第1液体通路351を流れたオイルおよび第2液体通路352を流れたオイルは、基本的に、メインギャラリ322へ送られる。なお、第2液体通路352のオイルは、第2液体通路352に設けられた逆止弁386を介して第1液体通路351へ戻されて、メインギャラリ352へ至る。
第1液体通路351において、切替弁380の下流側にはリリーフ弁384が設けられている。リリーフ弁384は所定量以上のオイルを安全な範囲で機能部材342へ逃がす(供給する)ように構成されていて、第1液体通路351からの第3液体通路370の分岐部に設けられている。つまり、第2液体通路352の一部と第3液体通路370の一部とは機能部材342を含む部分で共通する。そして、第3液体通路370を流れたオイルは、オイルパン320へ向けて流れる。なお、第3液体通路370に設けられた弁388は、機能部材342に所定圧以上の圧力が及ばないように開く。具体的には、弁388は、第3液体通路370が開通しているとき、開く。
なお、フィルタ装置301のそれらの弁はフィルタ装置301の調整装置372を構成する。フィルタ装置301の切替弁380はフィルタ装置201の第1調整弁254に実質的に対応し、フィルタ装置301のリリーフ弁384はフィルタ装置201の第2調整弁274に実質的に対応する。
なお、このようなフィルタ装置301を備えた潤滑装置310では、第3液体通路370を流れ出たオイルは、オイルパン320へ向けて流れたが、図13および図14の潤滑装置の如く、オイルポンプ316に吸い込まれるようにオイルポンプ吸い込み口へ方向付けられることも可能である。
このように本発明を上記第1から第4実施形態およびその変形例に基づいて説明したが、本発明に係るフィルタ装置は、ろ過体と、反応体と、その反応体に該反応体を機械的に壊すような力を有する液体としてのオイルが至らないようにオイルの流れを調整する調整装置とを備える種々の実施形態を許容する。基本的に調整装置は1つまたは複数の弁を備え得る。そのような弁は、上記したような形式、種類および形状の弁に限定されず、種々の形式、種類および形状の弁であってもよい。例えば、ポペット式弁、バタフライ式弁、スリーブバルブ、シャッター式弁などがある。そして、好ましくは、調整装置の弁は、液体であるオイルによって駆動され、その圧力に応じて開閉する。
以上、本発明を上記実施形態や変形例に基づいて説明した。それら実施形態では、基本的に、反応体としてイオン交換樹脂を用いた。そして、上記の如くオイル循環路にイオン交換樹脂を配置することによる効果を調べるために種々の実験を行った。その実験の一例を説明する。
実験では、試験油中に0mol/Lの硝酸を添加した場合(つまり試験油中に硝酸を添加しなかった場合)のオイルの粘度、試験油中に7.5mmol/Lの硝酸を添加した場合のオイルの粘度、試験油中に75mmol/Lの硝酸を添加した場合のオイルの粘度を測定した。またそれら各硝酸濃度において、硝酸を添加しただけの常温のオイルの粘度、硝酸を添加して90℃まで加熱した後で所定量のイオン交換樹脂が加えられたオイルの常温での粘度、硝酸を添加して90℃まで加熱したオイルの常温での粘度を測定した。そしてそれらを比較した。なお、実験では、硝酸イオンを吸着する機能を有するイオン交換樹脂として、三菱化学社製ダイヤイオン(登録商標)のWA30を用いた。
その結果、硝酸を加えて90℃までオイルを加熱することで、オイルの粘度が大幅に高くなった。これは、硝酸と熱とによってスラッジ生成が促されたことを意味する。しかし、イオン交換樹脂を加えることで、そのようなオイルの粘度の上昇は約半分程度に抑制された。これは、イオン交換樹脂により硝酸イオンが吸着され、スラッジ生成が抑制されたことを意味する。このように、硝酸イオンを吸着する機能を有するイオン交換樹脂を用いることで、オイルの劣化を抑制できた。したがって、上記した各実施形態のフィルタ装置で、エンジンオイルの劣化を抑制できることは明らかである。
以上、本発明を上記実施形態およびその変形例に基づいて説明した。しかし、本発明は、それら実施形態等に限定されず、さらに他の実施形態を許容する。例えば、本発明のフィルタ装置が対象とする液体は、オイルに限定されず、水であってもよい。本発明には、特許請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が含まれる。
1 フィルタ装置
10 潤滑装置
40 フィルタ部材
42 機能部材

Claims (6)

  1. 入口から出口に延びる第1液体通路に配置されたろ過体と、
    前記第1液体通路につながる第2液体通路に配置された所定の成分を吸着する機能を有する反応体と、
    前記第1液体通路における液体の流れおよび前記第2液体通路における液体の流れを調整するように構成された調整装置と
    を備え、
    前記調整装置は、所定圧以下の液体が前記第2液体通路へ流れるように液体の流れを調整することを特徴とするフィルタ装置。
  2. 前記所定圧は、前記反応体の耐圧上限値以下の圧力であることを特徴とする請求項1に記載のフィルタ装置。
  3. 前記第2液体通路は前記第1液体通路に合流するバイパス通路であることを特徴とする請求項1または2に記載のフィルタ装置。
  4. 前記第1液体通路から分岐した第3液体通路をさらに備え、
    該第3液体通路の途中に前記反応体が設けられ、
    前記調整装置は前記第3液体通路における液体の流れを調整するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載のフィルタ装置。
  5. 前記ろ過体の下流側に前記反応体が配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のフィルタ装置。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載のフィルタ装置を備え、
    前記液体はオイルであることを特徴とする潤滑装置。
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