JP2019100313A - 車両用オイル供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジン内を循環するオイルの劣化の促進を抑制可能な車両用オイル供給装置を提供する。【解決手段】このオイル供給装置100は、オイルポンプ42の上流側に配置され、オイルポンプ42へと供給されるオイルO内に混入させる新気Aの量を調整する空気量調整弁6と、オイルポンプ42の下流側に配置され、オイルポンプ42により溶解された新気AをマイクロバブルMCとして析出させるオリフィス9と、空気量調整弁6に新気としての空気を供給する空気供給部8とを備えている。【選択図】図2

Description

本発明は、車両用オイル供給装置に関し、特に、オイルパン内のオイルを吸い上げるオイルポンプを備える車両用オイル供給装置に関する。
従来、オイルパン内のオイルを吸い上げるオイルポンプを備える車両用オイル供給装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、オイルを貯留するオイルパンと、オイルパン内のオイルを吸い出すオイルポンプとを備えるマイクロバブル発生装置が開示されている。上記特許文献1に記載のマイクロバブル発生装置は、オイルポンプの流入口にオイルを導く導入管路に接続され、オイルに混入する空気の量を調整する空気量調整オリフィスと、オイルポンプの出力側管路に設けられ、マイクロバブルを発生させるためのバブル生成オリフィスとを備えている。
また、上記特許文献1に記載のマイクロバブル発生装置では、空気量調整オリフィスによりクランクケース内の空気を導入管路内を流れるオイルに気泡として混入させている。そして、マイクロバブル発生装置では、オイルに混入された気泡がオイルポンプによりバブル生成オリフィスに供給されることによって、バブル生成オリフィスの下流側のオイルにマイクロバブルを析出させ、オイルの粘性を低下させている。
特開2009−180161号公報
しかしながら、クランクケース中の空気には、オイルを劣化させる成分を有するブローバイガスが含まれている。したがって、上記特許文献1に記載のマイクロバブル発生装置では、クランクケース内の空気をマイクロバブルとしてオイルに析出させているので、ブローバイガスの成分がオイル内に残留してしまうという不都合がある。このため、オイル内に残留したブローバイガスの成分により、エンジン内を循環するオイルの劣化を促進させてしまうという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、エンジン内を循環するオイルの劣化の促進を抑制可能な車両用オイル供給装置を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の一の局面における車両用オイル供給装置は、エンジン内を循環するオイルを貯留するオイルパンと、オイルパン内のオイルを吸い上げるオイルポンプと、オイルポンプの上流側に配置され、オイルポンプへと供給されるオイル内に混入させる空気の量を調整する空気量調整弁と、オイルポンプの下流側に配置され、オイルポンプにより空気を溶解させたオイルの油圧を減圧することにより、溶解された空気をマイクロバブルとして析出させる減圧部と、空気量調整弁に新気としての空気を供給する空気供給部とを備える。なお、新気とは、外気に対して除塵などを施すことにより浄化された空気のことを示す。
この発明の一の局面による車両用オイル供給装置では、上記のように、空気量調整弁からオイルポンプへ供給されるオイルに新気を混入させることができるので、オイルポンプの下流側のオイルにブローバイガスを含まない新気を溶解させることができる。これにより、エンジン内を循環するオイルの劣化の促進を抑制することができる。
上記一の局面による車両用オイル供給装置において、好ましくは、空気量調整弁は、オイルパンからオイルポンプへのオイルの吸い込みの際に発生する負圧により、オイルパンからオイルポンプへ供給されるオイル内に空気を混入させるように構成されている。
このように構成すれば、オイルポンプによるオイルの吸い込みの負圧を利用してオイル内に空気を混入させることにより、オイル内に新気を混入させる負圧を発生させるための構成を別途設ける必要がないので、車両用オイル供給装置の大型化および構造の複雑化を抑制することができる。
上記一の局面による車両用オイル供給装置において、好ましくは、オイルポンプは、空気量調整弁により空気が混入されたオイルを圧縮することによって、オイルに混入された空気がオイルに溶解されるように構成されている。
このように構成すれば、オイルポンプによるオイルの圧縮を利用してオイルに混入された新気をオイルに溶解させることにより、オイルに新気を溶解させる圧力を発生させるための構成を別途設ける必要がないので、これによっても、車両用オイル供給装置の大型化および構造の複雑化を抑制することができる。
上記一の局面による車両用オイル供給装置において、好ましくは、オイルポンプからのオイルをエンジンの潤滑部に供給する潤滑用流路と、潤滑用流路の流路径を小さくする減圧部としてのオリフィスと、オイルポンプからのオイルをエンジンの油圧作動部に供給する油圧作動用流路とをさらに備え、潤滑用流路は、オイルの油圧をオリフィスにより減圧することによってマイクロバブルが析出した状態のオイルを潤滑部に供給するように構成され、油圧作動用流路は、空気が溶解した状態のオイルが油圧作動部に供給されるように構成されている。
このように構成すれば、油圧作動部に新気が溶解した状態のオイルが供給されることにより、油圧作動部内のオイルの油圧の低下を抑制することができる。さらに、潤滑部にはマイクロバブルを析出させた状態のオイルが供給されることにより、潤滑部のオイルの粘度を低下させることができる。これらにより、油圧作動部の機能の低下を抑制した上で、潤滑部(摺動部)において発生する摩擦損失を低減することができるので、燃費を向上させることができる。
この場合、好ましくは、油圧作動用流路に設けられ、油圧作動用流路を流れるオイルに混入されている気泡を分離させる気泡分離室をさらに備える。なお、「気泡」は、溶解状態の空気は含まれない一方、液体(オイル)中において、「マイクロバブル」を含む気体が液体に包まれたものを意味する。
このように構成すれば、オイルポンプにより空気が完全に溶解されず新気が気泡として残留しているオイルが油圧作動用油路を流れたとしても、気泡分離室において分離させることができるので、オイル内に気泡が含まれることに起因する油圧作動部の機能の低下を抑制することができる。
上記一の局面による車両用オイル供給装置において、好ましくは、空気量調整弁は、エンジンの状態に応じて空気供給部からの空気の流入量を調整するように構成されている。
このように構成すれば、エンジンの状態に合わせて適切な量の空気をオイルに混入させることができるので、たとえば、オイルポンプがエンジンにより駆動されている場合において、オイルポンプによりオイルに空気を確実に溶解させることができる。
なお、本出願では、上記一の局面による車両用オイル供給装置において、以下の構成も考えられる。
(付記項1)
すなわち、上記エンジンの状態に応じて空気の流入量を調整する構成において、エンジンの状態と空気供給部から空気量調整弁の内部に流入される空気の流入量との関係を示すマップに基づいて、空気供給部から空気量調整弁の内部に流入させる空気の量を制御するように構成されている。
(付記項2)
上記一の局面による車両用オイル供給装置において、空気供給部は、シリンダヘッドの内部空間、タイミングチェーンカバーの内部空間またはインテークマニホールドの内部空間のいずれかと空気量調整弁の内部空間とを連通する空気通路を含み、空気供給部は、空気通路を利用して、シリンダヘッドの内部空間、タイミングチェーンカバーの内部空間またはインテークマニホールドの内部空間の新気としての空気を空気量調整弁に供給するように構成されている。
本発明の一実施形態によるエンジンを概略的に示した斜視図である。 本発明の一実施形態によるエンジンの全体構成を示した模式図である。 本発明の一実施形態によるエンジンの空気量調整弁(ACV)を示した断面図である。 本発明の一実施形態によるエンジンの制御マップデータを示した模式図である。 図5(A)は空気量調整弁からのオイルへの新気の混入量がない状態を示した模式図である。図5(B)は空気量調整弁からのオイルへの新気の混入量が最大量の約1/4の状態を示した模式図である。図5(C)は空気量調整弁からのオイルへの新気の混入量が最大量の約1/2の状態を示した模式図である。図5(D)は空気量調整弁からのオイルへの新気の混入量が最大量の状態を示した模式図である。 本発明の一実施形態によるエンジンにおけるクランクシャフトと軸受部との接触部分を示した模式図である。 本発明の一実施形態の第1変形例によるエンジンの全体構成を示した模式図である。 本発明の一実施形態の第2変形例によるエンジンの全体構成を示した模式図である。 本発明の一実施形態の第3変形例によるエンジンの全体構成を示した模式図である。 本発明の一実施形態の第4変形例によるエンジンの全体構成を示した模式図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(エンジンの概略的な構成)
車両(自動車)用のエンジン1は、図1に示すように、上下方向に延びる複数(4個)の気筒2内でピストン2aがそれぞれ往復動されることにより、吸入・圧縮・膨張(燃焼)・排気の1サイクルを連続的に繰り返してクランクシャフト13aを回転させるように構成されている。ここで、エンジン1において、クランクシャフト13aが延びる方向をX方向とし、水平方向においてX方向に直交する方向をY方向とする。また、エンジン1において、X方向およびY方向に直交する方向をZ方向(上下方向)とする。
エンジン1は、シリンダブロック11と、シリンダブロック11のZ1側に固定されるシリンダヘッド12と、シリンダブロック11のZ2側(下側)に固定されるクランクケース13とを含むエンジン本体10を備える。エンジン本体10は、シリンダブロック11の側端部に取り付けられるタイミングチェーンカバー14(以下、TCC14)と、シリンダヘッド12に取り付けられるヘッドカバー15とを含む。
エンジン本体10内には、駆動力を発生させるピストン2a、コンロッド2bおよびクランクシャフト13aが配置されている。さらに、エンジン本体10内には、シリンダヘッド12内に組み込まれるバルブ機構3が配置されている。バルブ機構3は、各気筒2における混合気の爆発タイミングを制御する吸気用カムシャフト31および排気用カムシャフト32と、吸気バルブ33および排気バルブ34とを有している。また、バルブ機構3は、吸気バルブ33と吸気用カムシャフト31とのクリアランス(隙間)を調節する吸気用ラッシュアジャスタ35(油圧作動部の一例)を有している。さらに、バルブ機構3は、排気バルブ34と排気用カムシャフト32とのクリアランスを調節する排気用ラッシュアジャスタ36(油圧作動部の一例)を有している。
また、吸気用カムシャフト31には、回転を遅角方向または進角方向にずらす吸気用可変バルブタイミング機構37(油圧作動部の一例、以下、吸気用VVT37)が取り付けられている。同様に、排気用カムシャフト32には、回転を遅角方向または進角方向にずらす排気用可変バルブタイミング機構38(油圧作動部の一例、以下、排気用VVT38)が取り付けられている。
エンジン本体10は、内部にオイルO(エンジンオイル)を循環させるための循環装置4を有するオイル供給装置100(車両用オイル供給装置の一例)を含んでいる。循環装置4は、図1に示すように、エンジン1内を循環するオイルOを貯留するオイルパン41と、オイルパン41内のオイルOを吸い上げ、オイルパン41内のオイルOを供給するためのオイルポンプ42(O/P)とを含んでいる。オイルポンプ42は、クランクシャフト13aの駆動力を利用して回転される。また、オイルポンプ42は、オイルOをオイルパン41から吸入ポート42aを介して容積室42bに吸入した後、容積室42bの縮小とともに所定の油圧を発生させた状態(圧縮状態)において吐出ポート42cから吐出する。
循環装置4は、オイルポンプ42によりオイルOをエンジン本体10の内部に循環させ、エンジン1の潤滑部および油圧作動部にオイルOを供給するための油圧回路部5を含んでいる。油圧回路部5は、オイルパン41とオイルポンプ42の吸入ポート42aとを接続する第1油路5aと、オイルポンプ42の吐出ポート42cとオイルフィルタ(O/F)51とを接続する第2油路5bとを有している。油圧回路部5は、オイルフィルタ51とメインオイルギャラリ52とを接続する第3油路5cと、メインオイルギャラリ52の一方側(X2側)から上方(Z1側)に延びる第4油路5dと、メインオイルギャラリ52の他方側(X1側)から上方(Z1側)に延びる第5油路5eとを有している。ここで、油圧作動部とは、エンジン1内を循環するオイルOが供給され、供給されたオイルOの油圧により作動し、外部に押圧力を加えるなどのように作動する部材となっている。また、潤滑部とは、エンジン1内の構成同士の摩擦を小さくするため、エンジン1内を循環するオイルOを供給する部材となっている。
第4油路5dの下流側(油圧作動用流路の一例)には、吸気用VVT37および排気用VVT38が接続されている。第5油路5eの下流側(潤滑用流路の一例)には、吸気用カムシャフト31および排気用カムシャフト32にオイルOを供給することによって、吸気用カムシャフト31および排気用カムシャフト32を潤滑させるためのカムシャワー53が取り付けられている一対の給油パイプが接続されている。第5油路5eの下流側よりも上流側(油圧作動用流路の一例)には、吸気用ラッシュアジャスタ35に接続される第1HLA(Hydraulic Lash Adjuster)油路5fと、排気用ラッシュアジャスタ36に接続される第2HLA油路5gとが接続されている。
さらに、メインオイルギャラリ52の中央部から分岐した第6油路5h(潤滑用流路の一例)には、オイルジェット機構54が取り付けられている。オイルジェット機構54は、所定の作動圧において開弁することによりピストン2aの裏側に冷却用のオイルOを噴射することによって、ピストン2aを冷却しつつ、ピストン2a周りを潤滑させる機能を有している。また、メインオイルギャラリ52から分岐した複数の第7油路5i(潤滑用流路の一例)には、クランクシャフト13aの軸受部55(潤滑部の一例、図6参照)が取り付けられている。複数の第7油路5iは、それぞれ、油圧回路部5におけるメインオイルギャラリ52からクランクシャフト13aの軸受部55に向かう油路である。
このように、エンジン1では、オイルポンプ42によりオイルパン41から吸い上げられたオイルOは、潤滑部に供給される。すなわち、オイルOは、第1油路5a〜第5油路5eを流れて潤滑部の1つであるカムシャワー53に供給される。また、エンジン1では、オイルOは、第1油路5a〜第7油路5iを流れて潤滑部の1つであるクランクシャフト13aの軸受部55に供給される。その後、オイルOは、シリンダヘッド12およびシリンダブロック11内を自重により落下してクランクケース13に達するとともにオイルパン41に戻される。さらに、エンジン1では、オイルOは、油圧作動部に供給されている。すなわち、オイルOは、第4油路5dを流れて吸気用VVT37および排気用VVT38に供給され、第5油路5eを流れて吸気用ラッシュアジャスタ35および排気用ラッシュアジャスタ36に供給される。
〈空気供給部〉
図2に示すように、オイル供給装置100では、油圧回路部5におけるメインオイルギャラリ52からクランクシャフト13aの軸受部55に向かう第7油路5iにマイクロバブルMCを混入させることにより、第7油路5i内のオイルOの粘度を低下させている。すなわち、オイルO内にマイクロバブルMCを混入させることにより、オイルOが多孔体のような状態になるので、オイルOの粘度が低下する。これにより、オイルOの粘度が高いことにより発生する、クランクシャフト13aと軸受部55との間の摩擦損失を小さくすることが可能となる。
そのため、オイル供給装置100は、オイルポンプ42の上流側のオイルOに空気ARを混入させ、混入した空気ARをオイルポンプ42によりオイルOに溶解させ、空気ARを溶解させた状態のオイルOを減圧することによりマイクロバブルMCを析出させるように構成されている。そして、オイル供給装置100では、オイルポンプ42へと供給されるオイルO内に混入させる空気ARを混入させる空気量調整弁6(ACV(Air Control Valve))がオイルポンプ42の上流側に配置されている。
ここで、本実施形態のオイル供給装置100は、空気量調整弁6に新気としての空気(以下、新気A)を供給する空気供給部8を備えている。以下、空気供給部8に関して説明する。
具体的には、図2に示すように、空気供給部8は、新気Aを流入させるための流入口81と、流入口81が形成され、空気供給部8に接続される新気流路部82(空気通路の一例)とを含んでいる。ここで、エンジン1では、TCC14の内部空間の換気のために、インテークマニホールド21とエアクリーナ22とを繋ぐ吸気ホース23から新気Aが供給されている。TCC14の内部空間に供給される新気Aは、吸気ホース23におけるスロットルボディ24よりも上流側の位置にある新気Aである。なお、インテークマニホールド21は、エンジン本体10の複数の気筒2のそれぞれに新気Aを供給するように構成されている。エアクリーナ22は、吸入した空気ARの除塵などを行なうように構成されている。スロットルボディ24は、エアクリーナ22において除塵された空気AR(新気A)が複数の気筒2のそれぞれに供給される量を調整するように構成されている。
空気供給部8における新気流路部82の流入口81は、TCC14の内部空間において新気Aを流入させるため、Z1側端部(上側端部)の空間に配置されている。また、新気流路部82は、Z方向に長く延び、流入口81から流入する新気Aを空気供給部8に供給するように構成されている。具体的には、新気流路部82は、TCC14内を通り、TCC14のZ1側端部(上側端部)の近傍からZ2側端部(下側端部)の近傍の位置まで設けられている。ここで、新気流路部82は、TCC14のX1側(内側)の面部に形成された通路形状の溝をTCC14とは別のカバーを用いて覆うことにより形成されている。
〈空気量調整弁〉
オイル供給装置100において、空気供給部8により新気AをオイルO内に混入できたとしても、最適な新気Aの混入量を維持できなければ、マイクロバブルMCの量が最適ではなくなるので、クランクシャフト13aと軸受部55との間の摩擦損失が大きくなってしまう。
そこで、本実施形態のオイル供給装置100は、エンジン1の状態に応じて、新気Aの混入量を調整することが可能な空気量調整弁6と、空気量調整弁6を制御するECU7(Engine Control Unit)とを備えている。以下、空気量調整弁6に関しての説明を行なう。
空気量調整弁6は、ECU7の指令に基づき任意のタイミングで、空気供給部8から供給される新気Aを第1油路5a内のオイルOに供給するように構成されている。具体的には、空気量調整弁6は、図3に示すように、ソレノイド部61と、スリーブ62と、スプリング63と、スプール64とを備えている。ソレノイド部61は、電磁コイルがボビンに巻回されることにより形成されている。スリーブ62は、中空円筒形状を有し、内部にスプール64が移動可能に収容されている。スプリング63は、スリーブ62のX1側の端部とスプール64のX1側の端部との間に配置され、スプール64をX2方向に付勢している。
スリーブ62は、X方向に延びる円筒形状(管形状)の周壁部62aを有する。また、スリーブ62には、周壁部62aの所定位置を貫通する第1ポート62bおよび第2ポート62cが設けられている。第1ポート62bは、スリーブ62におけるX2側に配置されている。第2ポート62cは、第1ポート62bから所定の間隔を隔てて、スリーブ62におけるX1側(第1油路5a側)に配置されている。
スプール64は、中空構造を有して柱状に形成されており、スリーブ62に対してX方向に往復移動可能に構成されている。また、スプール64の外周部には、外径が縮径された状態で環状に形成された空気供給路部64a(スプール64において外形がくびれた部分)と、空気供給路部64aのX2側に隣接して形成された凸状のランド部64bとが設けられている。また、スプール64の外周部には、ランド部64bのX2側に隣接して形成され、外径が縮径された状態で環状に形成された凹部64c(スプール64において外形がくびれた部分)が設けられている。
ここで、空気供給路部64aは、スプール64がX1方向に移動されることにより、新気流路部82と第1油路5aとが連通された際に新気Aが通過(流通)する部分である。また、スプール64は、X2方向に移動されることにより、新気流路部82と第1油路5aとの連通を遮断する。
空気量調整弁6の動作としては、電磁コイルが消磁された非励磁状態では、スプリング63の付勢力によりスプール64がX2方向に移動される。これにより、スプール64がスリーブ62の第1ポート62bと第2ポート62cとを非連通状態にさせる。すなわち、新気流路部82と第1油路5aとが非連通状態にされる。そして、ECU7の指令に基づき電磁コイルが励磁された場合、スプリング63の付勢力に抗して電磁力によりスプール64がX1方向に移動される。これにより、スプール64の空気供給路部64aがスリーブ62の第1ポート62bと第2ポート62cとを連通状態にさせる。すなわち、新気流路部82と第1油路5aとが連通状態にされる。
〈ECU〉
ECU7は、図2に示すように、CPU71(Central Processing Unit)と、メモリ72とを有している。ECU7は、CPU71がメモリ72に記憶されている所定の制御プログラムを実行することにより、エンジン1の各部を制御する制御部として機能する。また、ECU7は、エンジン1の状態に基づいて、空気量調整弁6を制御するように構成されている。
具体的には、ECU7は、エンジン1の状態と空気供給部8から空気量調整弁6の内部に流入される新気Aの流入量との関係を示す制御マップに基づいて、空気供給部8から流入させる新気Aの量を制御するように構成されている。なお、ECU7は、エンジン1の状態として、第2油路5bのオイルOの油温と、エンジン1の回転数とを取得している。また、制御マップは、制御マップデータ72aとしてメモリ72に記憶されている。
制御マップデータ72aは、図4に示すように、複数(3つ)のオイルOの油温のそれぞれに対応する、エンジン1の回転数と空気量調整弁6のストローク量(スプール64の移動量)との関係を示したデータである。すなわち、ECU7は、計測した第2油路5bのオイルOの油温に基づいて、制御マップデータ72aから対応するエンジン1の回転数と空気量調整弁6のストローク量との関係を示したデータを取得する。そして、ECU7は、計測したエンジン1の回転数に基づいて、エンジン1の回転数と空気量調整弁6のストローク量との関係から対応する空気量調整弁6のストローク量を取得する。そして、ECU7は、取得された空気量調整弁6のストローク量から必要な電流を取得する。
上記した制御マップデータ72aは、たとえば、以下の第1〜第3マップデータに基づいて取得される。第1マップデータは、複数(3つ)のオイルOの油温のそれぞれに対応する、エンジン1の回転数とオイルOが所望の粘度になるためにオイルO内に混入させる必要がある必要気泡混入量との関係を示したデータである。第2マップデータは、複数(3つ)のオイルOの油温のそれぞれに対応する、エンジン1の回転数と空気量調整弁6に発生させることが可能な吸込負圧との関係を示したデータである。第3マップデータは、複数の吸込負圧のそれぞれに対応する、空気量調整弁6から第1油路5a内のオイルOに取り入れることが可能な単位時間当たりの空気取入量と空気量調整弁6のストローク量との関係を示したデータである。これにより、第1〜第3マップデータを統合することにより、制御マップデータ72aが取得される。
この制御マップデータ72aでは、同じエンジン1の回転数における空気量調整弁6のストローク量(空気取入量)は、100℃の場合と比べて20℃の場合は大きくなる。これにより、20℃のマイクロバブルMCの量を100℃の場合のマイクロバブルMCの量よりも多くすることにより、温度に関わらず低粘度のオイルを維持することが可能である。
図5に示すように、空気量調整弁6は、空気量調整弁6のストローク量(スプール64の移動)により第2ポート62cの開口面積Dが変化することによって、第1油路5aのオイルOに混入される空気混入量が変化するように構成されている。以下に、空気混入量が変化する際のオイル供給装置100の処理を例示する。
具体的には、第1油路5aのオイルOに新気Aを混入させる必要がない場合には、図5(A)に示すように、エンジン1の回転数およびオイルOの油温から取得される空気量調整弁6のストローク量に基づき、ECU7は、空気量調整弁6に電流を供給する指令を送信しないので、電磁力によりスプール64がX1方向へ移動しない。これにより、第2ポート62cの開口が開放されず、第1ポート62bと第2ポート62cとが非連通状態となるので、第1油路5aのオイルOに新気Aが混入されない。
また、第1油路5aのオイルOに最大量の約1/4の量の新気Aを混入させる必要がある場合には、図5(B)に示すように、エンジン1の回転数およびオイルOの油温から取得される空気量調整弁6のストローク量に基づき、ECU7は、第2ポート62cの開口面積Dが最大の場合の約1/4になる位置までスプール64を移動させるのに必要な電流を空気量調整弁6に供給する指令を送信する。これにより、電磁力によりスプール64がX1方向へ移動する。この結果、第2ポート62cの開口面積Dが最大の場合の約1/4だけ開き、第1ポート62bと第2ポート62cとが連通状態となるので、第1油路5aのオイルOに新気Aが混入される。
また、第1油路5aのオイルOに最大量の約1/2の量の新気Aを混入させる必要がある場合には、図5(C)に示すように、エンジン1の回転数およびオイルOの油温から取得される空気量調整弁6のストローク量に基づき、ECU7は、第2ポート62cの開口面積Dが最大の場合の約1/2になる位置までスプール64を移動させるのに必要な電流を空気量調整弁6に供給する指令を送信する。これにより、電磁力によりスプール64がX1方向へ移動する。この結果、第2ポート62cの開口面積Dが最大の場合の約1/2だけ開き、第1ポート62bと第2ポート62cとが連通状態となるので、第1油路5aのオイルOに新気Aが図5(B)の場合と比べてより多く混入される。
また、第1油路5aのオイルOに最大量の新気Aを混入させる必要がある場合には、図5(D)に示すように、エンジン1の回転数およびオイルOの油温から取得される空気量調整弁6のストローク量に基づき、ECU7は、第2ポート62cの開口面積Dが最大になる位置までスプール64を移動させるのに必要な電流を空気量調整弁6に供給する指令を送信する。これにより、電磁力によりスプール64がX1方向へ移動する。この結果、第2ポート62cの開口面積Dが最大になる位置まで開き、第1ポート62bと第2ポート62cとが連通状態となるので、第1油路5aのオイルOに新気Aが最大量混入される。
〈オリフィス〉
オイル供給装置100は、図2に示すように、オイルポンプ42の下流側に配置され、油圧回路部5内のオイルOの油圧を減圧するためのオリフィス9(減圧部の一例)を備えている。オリフィス9は、第7油路5iの流路径を絞ることにより、空気量調整弁6により混入された新気Aをオイルポンプ42によって溶解させたオイルOの油圧を減圧させるように構成されている。
具体的には、図6に示すように、オリフィス9は、第7油路5iの流路断面積が同じ流入部91と、流入部91よりも流路断面積が絞られた流出部92と、流入部91と流出部92とを接続する絞り部93とを有している。また、絞り部93は、下流側に行くにしたがって第7油路5iの中央側に位置するように傾斜することで第7油路5iの流路断面積を絞っている。
オリフィス9では、オリフィス9よりも上流側を流れ、新気Aが溶解されている高圧のオイルOの流速が絞り部93により大きくなるとともに、オイルOの圧力が小さくなっていく。これにより、第7油路5iにおいてオリフィス9よりも下流側では、流速が大きくなるのに伴い圧力が小さくなったオイルOが流れている。そして、第7油路5iにおいてオリフィス9よりも下流側では、オイルO内の圧力が小さくなることにより、オイルO内に溶解していた新気AがマイクロバブルMCとして析出する。なお、オイルO内の圧力は大気圧まで減圧される。
また、オリフィス9の流出部92の開口の大きさは、第7油路5iの下流側とクランクシャフト13aの軸受部55とのクリアランスCR(隙間)よりも小さくなっている。これにより、オリフィス9の流出部92の開口が第7油路5iにおいて最小の大きさとなるので、オリフィス9の流出部92の開口部分において高圧のオイルOを減圧させることが可能となり、第7油路5iの下流側とクランクシャフト13aの軸受部55とのクリアランスCRにおいてオイルOを減圧させないことが可能となる。この結果、第7油路5iの下流側とクランクシャフト13aの軸受部55とのクリアランスCRに、マイクロバブルMCが析出したオイルOを確実に供給可能となる。
このようなオリフィス9が、複数の第7油路5iのそれぞれに配置されている。
(マイクロバブルの生成)
次に、オイル供給装置100におけるマイクロバブルMCの析出方法について説明する。
図2に示すように、まず、ECU7が、計測した第2油路5bのオイルOの油温および計測したエンジン1の回転数に基づいて、制御マップデータ72aから空気量調整弁6のストローク量を取得する。そして、ECU7は、取得された空気量調整弁6のストローク量から必要な電流を取得する。ECU7は、必要な電流を空気量調整弁6に対して送ることにより、空気量調整弁6の第2ポート62cの開口面積Dを所望の開口面積とする。ここで、オイル供給装置100では、オイルパン41からオイルポンプ42へのオイルOの吸い込みの際に発生する負圧により、第1油路5aを流れるオイルO内に新気Aが気泡として混入される。これにより、混入させる必要がある必要気泡混入量の分だけの新気Aを第1油路5a内のオイルO内に混入させる。
第1油路5aにおいて新気Aが混入されたオイルOでは、オイルポンプ42における容積室42bに吸入された後、容積室42bが縮小とともに所定の油圧を発生させた状態(圧縮状態)になることにより、混入された新気AがオイルO内に溶解する。すなわち、オイルポンプ42は、空気量調整弁6により新気Aが混入されたオイルOを圧縮することによって、オイルOに混入された新気AをオイルOに溶解させる。
そして、オイルO内に溶解した新気Aは、クランクシャフト13aの軸受部55よりも上流側に配置されたオリフィス9において、マイクロバブルMCとして析出する。すなわち、第7油路5iでは、オイルOの油圧をオリフィス9により減圧したことによってマイクロバブルMCが析出した状態のオイルOが、クランクシャフト13aと軸受部55との間に供給される。これにより、潤滑部の1つであるクランクシャフト13aと軸受部55との間に、マイクロバブルMCが析出されることにより粘度が小さくなったオイルOが供給される。
また、吸気用VVT37および排気用VVT38が接続される第4油路5dには、新気Aの気泡が溶解した状態の高圧のオイルOが流れているので、吸気用VVT37および排気用VVT38には新気Aの気泡が発生していないオイルOが供給される。そして、吸気用ラッシュアジャスタ35および排気用ラッシュアジャスタ36が接続される第5油路5eには、新気Aの気泡が溶解した状態の高圧のオイルOが流れているので、吸気用ラッシュアジャスタ35および排気用ラッシュアジャスタ36には新気Aの気泡が発生していないオイルOが供給される。すなわち、第4油路5dおよび第5油路5eでは、それぞれ、新気Aの気泡が溶解した状態のオイルOが、吸気用VVT37および排気用VVT38と、吸気用ラッシュアジャスタ35および排気用ラッシュアジャスタ36とに供給される。
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、オイル供給装置100は、オイルポンプ42へと供給されるオイルO内に混入させる新気Aの量を調整する空気量調整弁6と、空気量調整弁6に新気Aを供給する空気供給部8とを備えている。すなわち、空気量調整弁6からオイルポンプ42へ供給されるオイルOにブローバイガスを含まない新気Aを溶解させることができる。これにより、エンジン1内を循環するオイルOの劣化の促進を抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、空気量調整弁6は、オイルパン41からオイルポンプ42へのオイルOの吸い込みの際に発生する負圧により、オイルパン41からオイルポンプ42へ供給されるオイルO内に新気Aが混入されるように構成されている。これにより、オイルポンプ42によるオイルOの吸い込みの負圧を利用してオイルO内に新気Aを混入させることにより、オイルO内に新気Aを混入させる負圧を発生させるための構成を別途設ける必要がないので、オイル供給装置100の大型化および構造の複雑化を抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、オイルポンプ42は、空気量調整弁6により新気Aが混入されたオイルOを圧縮することによって、オイルOに混入された新気AがオイルOに溶解されるように構成されている。これにより、オイルポンプ42によるオイルOの圧縮を利用してオイルOに混入された新気AをオイルOに溶解させることにより、オイルOに新気Aを溶解させる圧力を発生させるための構成を別途設ける必要がないので、これによっても、オイル供給装置100の大型化および構造の複雑化を抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、第7油路5iは、オイルOの油圧をオリフィス9により減圧したことによってマイクロバブルMCが析出した状態のオイルOを軸受部55に供給するように構成されている。第4油路5dおよび第5油路5eは、新気Aが溶解した状態のオイルOが、吸気用VVT37、排気用VVT38、吸気用ラッシュアジャスタ35および排気用ラッシュアジャスタ36に供給されるように構成されている。これにより、吸気用VVT37、排気用VVT38、吸気用ラッシュアジャスタ35および排気用ラッシュアジャスタ36内のオイルの油圧の低下を抑制することができる。また、軸受部55にはマイクロバブルMCを析出させた状態のオイルOが供給されることにより、軸受部55のオイルの粘度を低下させることができる。これらの結果、吸気用VVT37、排気用VVT38、吸気用ラッシュアジャスタ35および排気用ラッシュアジャスタ36の機能の低下を抑制した上で、オイルOの軸受部55(摺動部)において発生する摩擦損失を低減することができるので、燃費を向上させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、空気量調整弁6は、エンジン1の回転数およびオイルOの油温に応じて空気供給部8からの新気Aの流入量を調整するように構成されている。これにより、エンジン1の回転数およびオイルOの油温に合わせて適切な量の新気AをオイルOに混入させることができるので、オイルポンプ42がエンジン1により駆動されている構成において、オイルポンプ42によりオイルOに新気Aを確実に溶解させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、ECU7は、オイルOの油温に対応するエンジン1の回転数と空気量調整弁6のストローク量(スプール64の移動量)との関係を示した制御マップデータ72aに基づいて、空気供給部8から空気量調整弁6の内部に流入させる新気Aの量を制御するように構成されている。これにより、空気供給部8から空気量調整弁6の内部に流入させる新気Aの量を取得するためのECU7における計算量が増大することを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、空気供給部8は、TCC14の内部空間と空気量調整弁6の内部空間とを連通する新気流路部82を含んでいる。また、空気供給部8は、新気流路部82を利用して、TCC14の内部空間の新気Aを空気量調整弁6内に供給するように構成されている。これにより、外気ではなくエンジン1内の新気Aを空気量調整弁6に供給しているので、異物がオイルO内に混入してしまうことを抑制することができる。
[変形例]
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であり制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、空気供給部8における新気流路部82の流入口81が、TCC14の内部空間におけるZ1側端部(上側端部)の空間に配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図7に示す本実施形態の第1変形例のように、空気供給部208の新気流路部282は、クランクケース13内の換気のために一般的に設けられる、シリンダヘッド12からクランクケース13にまで延びている既存の新気流路を利用して形成されてもよい。つまり、空気供給部208は、クランクケース13まで延びる既存の新気流路から分岐させて、空気量調整弁6まで新気流路部282を延ばすことにより構成されてもよい。また、図8に示す本実施形態の第2変形例のように、既存の新気流路を利用するのではなく、シリンダヘッド12内の新気Aを流入させる位置に流入口381を配置した新しい新気流路部382を有する空気供給部308を形成してもよい。また、図9に示す本実施形態の第3変形例のように、吸気ホース23におけるスロットルボディ24よりも上流側の位置にある新気Aを流入させる位置に流入口481を配置した新気流路部482を有する空気供給部408を形成してもよい。
また、上記実施形態では、第5油路5eにおける第1HLA油路5fと第2HLA油路5gとが接続される分岐点には、新気Aの気泡が含まれたオイルOが流れてきた場合の対策が設けられていない例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図10に示す本実施形態の第4変形例のように、分岐点に気泡分離室510が設けられてもよい。この場合には、第5油路5eを流れるオイルOに含まれている気泡511が、気泡分離室510によりカムシャワー53側に流入し、第1HLA油路5fおよび第2HLA油路5gに流入しないようにすることが可能となる。これにより、オイルポンプ42により新気Aが完全に溶解されず新気Aが気泡として残留しているオイルOが第5油路5eを流れたとしても、気泡分離室510において分離させることができるので、オイルO内に気泡が含まれることに起因する、吸気用ラッシュアジャスタ35および排気用ラッシュアジャスタ36の機能の低下を抑制することができる。
また、上記実施形態では、新気流路部82は、TCC14のX1側(内側)の面部に形成された通路形状の溝をTCC14とは別のカバーを用いて覆うことにより形成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、新気流路部はパイプにより構成されてもよい。
また、上記実施形態では、ECU7は、第2油路5bのオイルOの油温、エンジン1の回転数および空気量調整弁6のストローク量といったエンジン1の状態に基づいて、空気量調整弁6を制御するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ECUは、たとえば、クランクシャフトの回転数、オイルポンプの回転数または冷却水の水温といったエンジンの状態に基づいて、空気量調整弁を制御するように構成されてもよい。
また、上記実施形態では、制御マップデータ72aは、複数(3個)のオイルOの油温のそれぞれに対応する、エンジン1の回転数と空気量調整弁6のストローク量(スプール64の移動量)との関係を示したデータである例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御マップデータ72aは、2個または4個以上のオイルの油温のそれぞれに対応する、エンジンの回転数と空気量調整弁のストローク量(スプールの移動量)との関係を示したデータであってもよい。
また、上記実施形態では、ECU7は、制御マップデータ72aにより、空気量調整弁6のストローク量(スプール64の移動量)を調整する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ECUは、空気量調整弁のストローク量を算出する計算式に基づいて、リアルタイムで演算処理をすることにより、空気量調整弁のストローク量を調整してもよい。
また、上記実施形態では、オリフィス9が第7油路5iに設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、オリフィスは、カムシャワーにオイルを供給する第5油路の下流側またはオイルジェット機構にオイルを供給する第6油路に設けられてもよい。
また、上記実施形態では、オイルポンプ42は、クランクシャフト13aの駆動力を利用して回転される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、オイルポンプは、電動オイルポンプであってもよい。
1 エンジン
5d 第4油路(油圧作動用流路)
5e 第5油路(油圧作動用流路)
5h 第6油路(潤滑用流路)
5i 第7油路(潤滑用流路)
6 空気量調整弁
8、208、308、408 空気供給部
9 オリフィス
13a クランクシャフト
35 吸気用ラッシュアジャスタ(油圧用作動部)
36 排気用ラッシュアジャスタ(油圧用作動部)
37 吸気用VVT(油圧用作動部)
38 排気用VVT(油圧用作動部)
41 オイルパン
42 オイルポンプ
53 カムシャワー
54 オイルジェット機構
55 軸受部(潤滑部)
100 オイル供給装置
510 気泡分離室
A 新気(新気としての空気)
MC マイクロバブル
O オイル

Claims (6)

  1. エンジン内を循環するオイルを貯留するオイルパンと、
    前記オイルパン内のオイルを吸い上げるオイルポンプと、
    前記オイルポンプの上流側に配置され、前記オイルポンプへと供給されるオイル内に混入させる空気の量を調整する空気量調整弁と、
    前記オイルポンプの下流側に配置され、前記オイルポンプにより空気を溶解させたオイルの油圧を減圧することにより、溶解された空気をマイクロバブルとして析出させる減圧部と、
    前記空気量調整弁に新気としての空気を供給する空気供給部とを備える、車両用オイル供給装置。
  2. 前記空気量調整弁は、前記オイルパンから前記オイルポンプへのオイルの吸い込みの際に発生する負圧により、前記オイルパンから前記オイルポンプへ供給されるオイル内に空気を混入させるように構成されている、請求項1に記載の車両用オイル供給装置。
  3. 前記オイルポンプは、前記空気量調整弁により空気が混入されたオイルを圧縮することによって、オイルに混入された空気がオイルに溶解されるように構成されている、請求項1または2に記載の車両用オイル供給装置。
  4. 前記オイルポンプからのオイルを前記エンジンの潤滑部に供給する潤滑用流路と、
    前記潤滑用流路の流路径を小さくする前記減圧部としてのオリフィスと、
    前記オイルポンプからのオイルを前記エンジンの油圧作動部に供給する油圧作動用流路とをさらに備え、
    前記潤滑用流路は、オイルの油圧を前記オリフィスにより減圧することによってマイクロバブルが析出した状態のオイルを前記潤滑部に供給するように構成され、前記油圧作動用流路は、空気が溶解した状態のオイルが前記油圧作動部に供給されるように構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用オイル供給装置。
  5. 前記油圧作動用流路に設けられ、前記油圧作動用流路を流れるオイルに混入されている気泡を分離させる気泡分離室をさらに備える、請求項4に記載の車両用オイル供給装置。
  6. 前記空気量調整弁は、前記エンジンの状態に応じて前記空気供給部からの空気の流入量を調整するように構成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用オイル供給装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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