JP2011256068A - カーボンの製造方法 - Google Patents

カーボンの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2011256068A
JP2011256068A JP2010131322A JP2010131322A JP2011256068A JP 2011256068 A JP2011256068 A JP 2011256068A JP 2010131322 A JP2010131322 A JP 2010131322A JP 2010131322 A JP2010131322 A JP 2010131322A JP 2011256068 A JP2011256068 A JP 2011256068A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon
experiment
electrolyzed water
temperature
cellulose
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010131322A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5465610B2 (ja
Inventor
Koichi Miyashita
公一 宮下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2010131322A priority Critical patent/JP5465610B2/ja
Priority to US13/086,022 priority patent/US8192712B2/en
Priority to EP11162457.3A priority patent/EP2394954B1/en
Publication of JP2011256068A publication Critical patent/JP2011256068A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5465610B2 publication Critical patent/JP5465610B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B32/00Carbon; Compounds thereof
    • C01B32/30Active carbon
    • C01B32/312Preparation
    • C01B32/342Preparation characterised by non-gaseous activating agents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B32/00Carbon; Compounds thereof
    • C01B32/05Preparation or purification of carbon not covered by groups C01B32/15, C01B32/20, C01B32/25, C01B32/30
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B32/00Carbon; Compounds thereof
    • C01B32/30Active carbon
    • C01B32/312Preparation
    • C01B32/318Preparation characterised by the starting materials
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B32/00Carbon; Compounds thereof
    • C01B32/30Active carbon
    • C01B32/312Preparation
    • C01B32/318Preparation characterised by the starting materials
    • C01B32/324Preparation characterised by the starting materials from waste materials, e.g. tyres or spent sulfite pulp liquor
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B32/00Carbon; Compounds thereof
    • C01B32/30Active carbon
    • C01B32/354After-treatment
    • C01B32/36Reactivation or regeneration
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B32/00Carbon; Compounds thereof
    • C01B32/30Active carbon
    • C01B32/354After-treatment
    • C01B32/36Reactivation or regeneration
    • C01B32/366Reactivation or regeneration by physical processes, e.g. by irradiation, by using electric current passing through carbonaceous feedstock or by using recyclable inert heating bodies

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Environmental & Geological Engineering (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)

Abstract

【課題】より少ない熱エネルギーでカーボンが得られる製造技術を提供することを課題とする。
【解決手段】反応容器に、結晶性セルローと酸電解水を入れる(ST01)。この混合物を撹拌しながら所定温度(230℃〜250℃)に達するまで加熱する(ST02)。所定温度に達したら、この温度を保持し、撹拌しながら所定時間(30分間)が経過するまで保熱する(ST03)。これで、反応容器内にカーボンが生成される。
【効果】酸性電解水によりカーボンを製造するため、脱臭処理は容易であり、多量の熱エネルギーを加える必要もない。
【選択図】図3

Description

本発明は、セルロースを出発材料としてカーボンを生成させるカーボンの製造技術に関する。
カーボンは燃料、電極、繊維、吸着剤、添加剤として広く使用されている。カーボンは、多くが石油や石炭から製造される。しかし、石油や石炭は、いわゆる化石燃料であって、枯渇が懸念される。
一方、樹木や草に含まれるセルロース(C10は、地球上に最も多く存在する炭水化物である。炭水化物であるから、水(HO)成分を除くことで炭素(C)、すなわちカーボンが得られる。
そこで、セルロースを出発材料としてカーボンを生成させる研究が進められてきた(例えば、特許文献1(図1)参照。)。
特許文献1の図1に示されるように、特許文献1の設備は、乾燥炉(30)(括弧付き数字は、特許文献1に記載された符号を示す。以下同様)と、炭化炉(40)と、高温水蒸気発生装置(60)と、脱臭炉(70)とを主要とする。
原料としての木材チップは、乾燥炉(30)で乾燥され、次に、炭化炉(40)で高温処理され、炭化炉(40)から活性炭の形態で排出される。
この際に、LPG(液化プロパンガス)を熱源とする高温水蒸気発生装置(60)で、750℃〜950℃の過熱蒸気を発生させ、この過熱蒸気を炭化炉(40)へ供給し、高温処理を行う。炭化炉(40)で使い終わった高温蒸気を乾燥炉(30)に供給し、乾燥に供する。
この乾燥の際に発生する空気は臭気を伴っている。そこで、乾燥後の空気を脱臭炉(70)で焼却することにより、無臭化する。この焼却には灯油が用いられる。
750℃〜950℃の過熱蒸気を発生させために、大量の液化プロパンガスが消費され、脱臭焼却するために大量の灯油が消費される。
すなわち、特許文献1の技術では、大量の化石燃料が必要である。
しかし、化石燃料の枯渇が懸念される現在において、より少ない熱エネルギーでカーボンが得られる製造技術が求められる。
特開2008−201651公報
本発明は、より少ない熱エネルギーでカーボンが得られる製造技術を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、セルロースを出発材料としてカーボンを生成させるカーボンの製造方法であって、
密閉性反応容器に、セルロース及び電気分解法で製造した酸性電解水を入れる工程と、
前記酸性電解水を撹拌しながら所定温度まで加熱する加熱工程と、
所定温度に達したらその温度で撹拌しながら飽和蒸気圧下で所定時間保持する保持工程と、
室温まで冷却する冷却工程と、からなることを特徴とする。
請求項2に係る発明では、酸性電解水の酸性度は、pH2.3〜pH2.7であり、
所定温度は、230℃〜250℃であることを特徴とする。
請求項3に係る発明では、出発材料は、セルロースを主成分とする脱脂綿、ガーゼ又は濾紙であることを特徴とする。
請求項1に係る発明では、酸性電解水を用いてカーボンを製造する。
従来は、ガスによる乾留(蒸し焼き)によりカーボンを製造していたため、ガスに起因する脱臭処理が不可欠であり、また、乾留温度に達するように多量の熱エネルギーを加える必要があった。
この点、本発明では、酸性電解水によりカーボンを製造するため、脱臭処理は容易であり、多量の熱エネルギーを加える必要もない。
請求項2に係る発明では、加熱温度は230℃〜250℃である。従来の加熱温度(750〜950℃)の1/3程度の熱エネルギーでカーボンが得られる。
請求項3に係る発明では、出発材料は、セルロースを主成分とする脱脂綿、ガーゼ又は濾紙である。脱脂綿、ガーゼ、濾紙は市販され、入手容易で、安価なため、カーボンの製造コストを下げることができる。
本発明で用いる酸性電解水生成装置の原理図である。 カーボンの製造装置の基本構造を説明する図である。 カーボンの製造フロー図である。
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
先ず、重要な物質である酸性電解水の製造原理を説明する。
図1に示されるように、酸性電解水生成装置10は、電解槽11と、この電解槽11を左右に区分する陰イオン交換膜12と、右のチャンバー13に電解質水溶液を循環させる水溶液循環機構14と、左のチャンバー15へ水道水を供給する給水管16と、左のチャンバー15から酸性電解水を取り出す電解水取出し管17と、右のチャンバー13に収納されている陰極電極18と、左のチャンバー15に収納されている陽極電極19と、これらの電極18、19に所定の電圧を印加する電源21とからなる。
右のチャンバー13には塩化ナトリウム(NaCl)水溶液を満たし、水溶液循環機構14で循環させる。
左のチャンバー15には水道水(HO+Cl)を満たす。そして、電源21で電極18、19に所定の電圧を印加する。
すると、右のチャンバー13では、塩化ナトリウム(NaCl)が分解され、ナトリウムイオン(Na)と塩素イオン(Cl)とが生成される。
陰イオン交換膜12は、陰イオンのみを通過させるため、塩素イオン(Cl)が左のチャンバー15へ移動する。
左のチャンバー15では、水道水に含まれる塩素イオン(Cl)に右のチャンバー13からの塩素イオン(Cl)が加わり、塩素イオン(Cl)の濃度が増し、水道水に含まれる水(HO)の存在下で次の反応が進行する。
Figure 2011256068
すなわち、塩素イオン(Cl)から塩素(Cl)が生成する。この塩素(Cl)が水と反応して、次亜塩素酸(HClO)が生成する。また、水が電気分解されて、酸素(O)と水素イオン(H)とが生成される。
結果、電解水取出し管17で、水素イオン(H)及び次亜塩素酸(HClO)を含む酸性電解水を取り出すことができる。この酸性電解水は、ナトリウムが含まれていない、ナトリウムフリー酸性電解水である。
次に、カーボンの製造装置の基本構造を説明する。
カーボンの製造装置30は、図2に示すように、上部が開口しているとともに上部にフランジ31を有し、下部に半球殻状の底を有する筒型の反応容器32と、この反応容器32の上部開口に被せる蓋33と、この蓋33に設けた撹拌モータ34、液体供給管35、圧力計36及び熱電対保護管37と、この熱電対保護管37に収納されている熱電対の電気的情報を温度情報に変換する温度計38と、反応容器32を囲うジャケット39と、このジャケット39に付属されるヒータ41及び水冷管42と、撹拌モータ34から下げられた撹拌羽根43からなる。
反応容器32は蓋33で密閉されることで、密閉性反応容器となる。
このような反応容器32に結晶性セルロールを入れ、蓋33を閉じる。そして、液体供給管35を通じて、酸性電解水を所定量供給する。得られた混合物を、ヒータ41で加熱し、温度計38で温度を監視し、圧力計36で圧力を監視しながら、撹拌羽根43で撹拌する。なお、圧力を制御するために、不活性ガス吹き込み管や圧逃がし管を付属することが好ましい。
以上のカーボンの製造装置30を用いて、カーボンを製造する方法を次に説明する。
図3に示すように、反応容器に、結晶性セルロールと酸化電解水を入れる(ST01)。
この混合物を撹拌しながら所定温度(230℃〜250℃)に達するまで加熱する(ST02)。
所定温度に達したら、この温度を保持し、撹拌しながら所定時間(30分間)が経過するまで保熱する(ST03)。これで、反応容器内にカーボンが生成される。
反応容器を毎分50℃程度の速度で冷却し、常温に達したら、混合物を取出す(ST04)。
混合物を濾過して、固形物を得る(ST05)。
さらに、固形物を有機溶媒(エタノール、アセトンなど)で洗い、水で洗うことを繰り返す(ST06)。固形物を乾燥させる(ST07)。これで所望のカーボンが得られる。
すなわち、本発明のカーボンの製造方法は、密閉性反応容器に、セルロース及び電気分解法で製造した酸性電解水を入れる工程(ST01)と、
前記酸性電解水を撹拌しながら所定温度まで加熱する加熱工程(ST02)と、
所定温度に達したらその温度で撹拌しながら飽和蒸気圧下で所定時間保持する保持工程(ST03)と、室温まで冷却する冷却工程(ST04)とからなる。
以上の製造プロセスを実施した実験例を次に説明する。
(実験例)
本発明に係る実験例を以下に述べる。なお、本発明は実験例に限定されるものではない。
(1)実験01〜03:酸化電解水の酸性度(pH)確認実験:
酸化電解水の酸性度(pH)を変更して、実験を行い、好適な酸性度を見出す。
○出発材料等:
・セルロース:2g 結晶性セルロース
・酸化電解水:100cm
実験01:pH3.1 有効塩素濃度:23ppm 酸化還元電位:1.10V
実験02:pH2.7 有効塩素濃度:30ppm 酸化還元電位:1.13V
実験03:pH2.3 有効塩素濃度:40ppm 酸化還元電位:1.20V
なお、酸化還元電位は、標準水素電極の代わりに、銀−塩化銀(Ag/AgCl)電極を用いて測定した。
○処理条件:
・加熱温度:230℃
・圧力:飽和蒸気圧
・保持時間:30分
以上の条件により、出発材料を処理し、冷却し、濾過分離し、洗浄して、固形物を得た。得られた固形物の形態は次の通りであった。
Figure 2011256068
表中、歩留まりは、{(洗浄後の固形物の質量)/(洗浄前の固形物の質量)}×100の算式により計算した。
pH3.1の酸性酸化水を用いた実験01では、固形物は茶褐色のセルロースであった。カーボンが得られなかったので、評価は×である。
実験01より酸性度の強いpH2.7の酸性酸化水を用いた実験02では、固形物は黒色のカーボン(カーボンであることは後述の手続で確認した。)が得られた。歩留まりは33%であり、カーボンが得られたので評価は○とした。
実験02より酸性度の強いpH2.3の酸性酸化水を用いた実験03では、固形物は黒色のカーボンが得られた。歩留まりは50%であり、実験02より歩留まりが良いので、評価は◎とした。
○固形物がカーボンであることの確認:
実験02、03で得られた固形物を、走査電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、5〜10μmの葡萄の房状の形態が確認された。そして、走査電子顕微鏡(SEM)に付属する蛍光X線分析装置(EDX)で元素分析したところ、炭素と酸素が検出された。酸素は洗浄水が残留していると推定できる。水素は検出されなかった。
X線回析では、2θ=22°付近にブロードなピークが出現した。
また、ラマン分光スペクトル分析では、1580〜1600cm−1、すなわち1590cm−1付近にピークがあった。
X線光電子分光(XPS)での確認も実施した。
また、電気伝導度をJIS K1469に準拠して測定し、かさ密度0.59g/cmのとき3.1Ωcmの電気伝導度を得た。
以上に説明した複数の分析、測定により固形物がカーボンであることが確認できた。
○好適なpH:
表1に示すように、pH3.1は×で、pH2.7は○で、pH2.3は◎であった。このことから強酸であるほど評価が良いことが分かった。しかし、pH2を超える強酸は、酸の製造コストが嵩む。そして、中和処理や洗浄にコストが嵩む。コスト的にはpHは2.3に留めることが望ましい。
そこで、pHは2.3〜2.7が好適であると言える。
上記実験03によれば、pH2.3の酸性酸化水が好適であった。そこで、pHを固定して、加熱温度を検証する実験を行った。
(2)実験04〜07:加熱温度確認実験:
○出発材料等:
・セルロース:2g 結晶性セルロース
・酸化電解水:100cm
pH2.3 有効塩素濃度:40ppm 酸化還元電位:1.20V
○処理条件:
・加熱温度:220℃、240℃、250℃、260℃
・圧力:飽和蒸気圧
・保持時間:30分
以上の条件により、出発材料を処理し、冷却し、濾過分離し、洗浄して、固形物を得た。得られた固形物の形態は次の通りであった。
Figure 2011256068
加熱温度が220℃である実験04では、固形物は茶褐色のセルロースであった。カーボンが得られなかったので、評価は×である。
加熱温度が240℃である実験05では、固形物は黒色のカーボンであった。歩留まりは50%に達したので、評価は◎である。
加熱温度が250℃である実験06では、固形物は黒色のカーボンであった。歩留まりは30%に留まったので、評価は○である。
加熱温度が260℃である実験07では、固形物は黒色のカーボンであった。しかし、歩留まりは僅か(2%程度)であったので、評価は×である。
○好適な加熱温度:
表1から、230℃が推奨される。また、表2から実験05における240℃及び実験06における250℃が推奨される。実験04における220℃ではカーボンが得られない。また、実験07における260℃では生産量が確保できない。
そこで、加熱温度は、230℃〜250℃が工程であると言える。
次に、本発明で得たカーボンの用途、有用性を確認する実験を行った。
(3)金属吸着性:
○準備:
・溶液:王水(体積比3:1で濃塩酸と濃硝酸の混合) pH4.0に調整 50cm
・金属:Au(金)など12種
・カーボン:実験03で得たカーボン粉末 50g
○実験:
溶液に金属を溶かし、さらにカーボン粉末を加えて撹拌する。2時間後にカーボンの吸着率を調べた。吸着率は、{(カーボンに吸着された質量)/(溶液に加えた質量)}×100で示す。
Figure 2011256068
Au(金)、Ga(ガリウム)、Ru(ルテニウム)については吸着率が90%を超えた。また、In(インジウム)、Pd(パラジウム)については吸着率が70%を超えた。このことから、金属が含まれている溶液から、金属を抽出することができる。
(4)トルエン吸着性:
○準備:
・トルエン
・カーボン:実験03で得たカーボン
・容量式ガス吸着装置
○実験:
容量式ガス吸着装置にカーボンをセットし、トルエン(ガス)を吸着させた。カーボン100gで、15.6gのトルエンを吸着させることができた。
すなわち、本発明で得たカーボンは活性炭に近似した吸着性能を有することが確認できた。
(5)セルロースの種類:
結晶性セルロースに替えて、セルロースを主成分とする脱脂綿、ガーゼ、濾紙を出発材料にして、表2に示される実験03の条件で処理したところ、黒色のカーボンを得ることができた。脱脂綿、ガーゼ、濾紙は市販され、入手容易で、安価なため、カーボンの製造コストを下げることができる。
従来は、木質材料を、乾留、蒸し焼き、熱分解などの技術で木炭に代表されるカーボンを製造してきた。このような従来技術では、臭気を帯びたガスが不可避的に発生するため、脱臭装置が不可欠となる。
本発明では、セルロース(C10を、酸性電解水中で、分解して、カーボン(C)を得ることに成功した。反応が水中で行われるため、反応に伴って発生する副生成物は水中に封じ込められる。水であれば、濾過や中和により、容易に副生成物を除去や無害化することができる。併せて、乾留のように多量の熱エネルギーを必要としない。
尚、本発明の出発材料は、結晶性セルロース、脱脂綿、ガーゼ、濾紙が好適であるが、木材チップに代表される木質材料や麦わらに代表される草であってもよく、種類は限定しない。
本発明は、結晶性セルロースからカーボンを製造する技術に好適である。
10…酸性電解水生成装置、30…カーボンの製造装置、32…密閉性反応容器。
このような反応容器32に結晶性セルローを入れ、蓋33を閉じる。そして、液体供給管35を通じて、酸性電解水を所定量供給する。得られた混合物を、ヒータ41で加熱し、温度計38で温度を監視し、圧力計36で圧力を監視しながら、撹拌羽根43で撹拌する。なお、圧力を制御するために、不活性ガス吹き込み管や圧逃がし管を付属することが好ましい。
以上のカーボンの製造装置30を用いて、カーボンを製造する方法を次に説明する。
図3に示すように、反応容器に、結晶性セルローと酸電解水を入れる(ST01)。
この混合物を撹拌しながら所定温度(230℃〜250℃)に達するまで加熱する(ST02)。
所定温度に達したら、この温度を保持し、撹拌しながら所定時間(30分間)が経過するまで保熱する(ST03)。これで、反応容器内にカーボンが生成される。
(1)実験01〜03:酸電解水の酸性度(pH)確認実験:
電解水の酸性度(pH)を変更して、実験を行い、好適な酸性度を見出す。
○出発材料等:
・セルロース:2g 結晶性セルロース
・酸電解水:100cm
実験01:pH3.1 有効塩素濃度:23ppm 酸化還元電位:1.10V
実験02:pH2.7 有効塩素濃度:30ppm 酸化還元電位:1.13V
実験03:pH2.3 有効塩素濃度:40ppm 酸化還元電位:1.20V
なお、酸化還元電位は、標準水素電極の代わりに、銀−塩化銀(Ag/AgCl)電極を用いて測定した。
Figure 2011256068
表中、歩留まりは、{(洗浄後の固形物の質量)/(洗浄前の固形物の質量)}×100の算式により計算した。
pH3.1の酸性電解水を用いた実験01では、固形物は茶褐色のセルロースであった。カーボンが得られなかったので、評価は×である。
実験01より酸性度の強いpH2.7の酸性電解水を用いた実験02では、固形物は黒色のカーボン(カーボンであることは後述の手続で確認した。)が得られた。歩留まりは33%であり、カーボンが得られたので評価は○とした。
実験02より酸性度の強いpH2.3の酸性電解水を用いた実験03では、固形物は黒色のカーボンが得られた。歩留まりは50%であり、実験02より歩留まりが良いので、評価は◎とした。
上記実験03によれば、pH2.3の酸性電解水が好適であった。そこで、pHを固定して、加熱温度を検証する実験を行った。
(2)実験04〜07:加熱温度確認実験:
○出発材料等:
・セルロース:2g 結晶性セルロース
酸性電解水:100cm
pH2.3 有効塩素濃度:40ppm 酸化還元電位:1.20V
Figure 2011256068
(5)セルロースの種類:
結晶性セルロースに替えて、セルロースを主成分とする脱脂綿、ガーゼ、濾紙を出発材料にして、表に示される実験03の条件で処理したところ、黒色のカーボンを得ることができた。脱脂綿、ガーゼ、濾紙は市販され、入手容易で、安価なため、カーボンの製造コストを下げることができる。
次に、本発明で得たカーボンの用途、有用性を確認する実験を行った。
(3)金属吸着性:
○準備:
・溶液:王水(体積比3:1で濃塩酸と濃硝酸の混合) pH4.0に調整 50cm
・金属:Au(金)など12種
・カーボン:実験03で得たカーボン粉末 50
本発明は、セルロースを出発材料としてカーボンを生成させるカーボンの製造技術に関する。
カーボンは燃料、電極、繊維、吸着剤、添加剤として広く使用されている。カーボンは、多くが石油や石炭から製造される。しかし、石油や石炭は、いわゆる化石燃料であって、枯渇が懸念される。
一方、樹木や草に含まれるセルロース(C10は、地球上に最も多く存在する炭水化物である。炭水化物であるから、水(HO)成分を除くことで炭素(C)、すなわちカーボンが得られる。
そこで、セルロースを出発材料としてカーボンを生成させる研究が進められてきた(例えば、特許文献1(図1)参照。)。
特許文献1の図1に示されるように、特許文献1の設備は、乾燥炉(30)(括弧付き数字は、特許文献1に記載された符号を示す。以下同様)と、炭化炉(40)と、高温水蒸気発生装置(60)と、脱臭炉(70)とを主要とする。
原料としての木材チップは、乾燥炉(30)で乾燥され、次に、炭化炉(40)で高温処理され、炭化炉(40)から活性炭の形態で排出される。
この際に、LPG(液化プロパンガス)を熱源とする高温水蒸気発生装置(60)で、750℃〜950℃の過熱蒸気を発生させ、この過熱蒸気を炭化炉(40)へ供給し、高温処理を行う。炭化炉(40)で使い終わった高温蒸気を乾燥炉(30)に供給し、乾燥に供する。
この乾燥の際に発生する空気は臭気を伴っている。そこで、乾燥後の空気を脱臭炉(70)で焼却することにより、無臭化する。この焼却には灯油が用いられる。
750℃〜950℃の過熱蒸気を発生させために、大量の液化プロパンガスが消費され、脱臭焼却するために大量の灯油が消費される。
すなわち、特許文献1の技術では、大量の化石燃料が必要である。
しかし、化石燃料の枯渇が懸念される現在において、より少ない熱エネルギーでカーボンが得られる製造技術が求められる。
特開2008−201651公報
本発明は、より少ない熱エネルギーでカーボンが得られる製造技術を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、セルロースを出発材料としてカーボンを生成させるカーボンの製造方法であって、
密閉性反応容器に、セルロース及び電気分解法で製造した酸性電解水を入れる工程と、
前記酸性電解水を撹拌しながら所定温度まで加熱する加熱工程と、
所定温度に達したらその温度で撹拌しながら飽和蒸気圧下で所定時間保持する保持工程と、
室温まで冷却する冷却工程と、からなることを特徴とする。
請求項2に係る発明では、酸性電解水の酸性度は、pH2.3〜pH2.7であり、
所定温度は、230℃〜250℃であることを特徴とする。
請求項3に係る発明では、出発材料は、セルロースを主成分とする脱脂綿、ガーゼ又は濾紙であることを特徴とする。
請求項1に係る発明では、酸性電解水を用いてカーボンを製造する。
従来は、ガスによる乾留(蒸し焼き)によりカーボンを製造していたため、ガスに起因する脱臭処理が不可欠であり、また、乾留温度に達するように多量の熱エネルギーを加える必要があった。
この点、本発明では、酸性電解水によりカーボンを製造するため、脱臭処理は容易であり、多量の熱エネルギーを加える必要もない。
請求項2に係る発明では、加熱温度は230℃〜250℃である。従来の加熱温度(750〜950℃)の1/3程度の熱エネルギーでカーボンが得られる。
請求項3に係る発明では、出発材料は、セルロースを主成分とする脱脂綿、ガーゼ又は濾紙である。脱脂綿、ガーゼ、濾紙は市販され、入手容易で、安価なため、カーボンの製造コストを下げることができる。
本発明で用いる酸性電解水生成装置の原理図である。 カーボンの製造装置の基本構造を説明する図である。 カーボンの製造フロー図である。
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
先ず、重要な物質である酸性電解水の製造原理を説明する。
図1に示されるように、酸性電解水生成装置10は、電解槽11と、この電解槽11を左右に区分する陰イオン交換膜12と、右のチャンバー13に電解質水溶液を循環させる水溶液循環機構14と、左のチャンバー15へ水道水を供給する給水管16と、左のチャンバー15から酸性電解水を取り出す電解水取出し管17と、右のチャンバー13に収納されている陰極電極18と、左のチャンバー15に収納されている陽極電極19と、これらの電極18、19に所定の電圧を印加する電源21とからなる。
右のチャンバー13には塩化ナトリウム(NaCl)水溶液を満たし、水溶液循環機構14で循環させる。
左のチャンバー15には水道水(HO+Cl)を満たす。そして、電源21で電極18、19に所定の電圧を印加する。
すると、右のチャンバー13では、塩化ナトリウム(NaCl)が分解され、ナトリウムイオン(Na)と塩素イオン(Cl)とが生成される。
陰イオン交換膜12は、陰イオンのみを通過させるため、塩素イオン(Cl)が左のチャンバー15へ移動する。
左のチャンバー15では、水道水に含まれる塩素イオン(Cl)に右のチャンバー13からの塩素イオン(Cl)が加わり、塩素イオン(Cl)の濃度が増し、水道水に含まれる水(HO)の存在下で次の反応が進行する。
Figure 2011256068
すなわち、塩素イオン(Cl)から塩素(Cl)が生成する。この塩素(Cl)が水と反応して、次亜塩素酸(HClO)が生成する。また、水が電気分解されて、酸素(O)と水素イオン(H)とが生成される。
結果、電解水取出し管17で、水素イオン(H)及び次亜塩素酸(HClO)を含む酸性電解水を取り出すことができる。この酸性電解水は、ナトリウムが含まれていない、ナトリウムフリー酸性電解水である。
次に、カーボンの製造装置の基本構造を説明する。
カーボンの製造装置30は、図2に示すように、上部が開口しているとともに上部にフランジ31を有し、下部に半球殻状の底を有する筒型の反応容器32と、この反応容器32の上部開口に被せる蓋33と、この蓋33に設けた撹拌モータ34、液体供給管35、圧力計36及び熱電対保護管37と、この熱電対保護管37に収納されている熱電対の電気的情報を温度情報に変換する温度計38と、反応容器32を囲うジャケット39と、このジャケット39に付属されるヒータ41及び水冷管42と、撹拌モータ34から下げられた撹拌羽根43からなる。
反応容器32は蓋33で密閉されることで、密閉性反応容器となる。
このような反応容器32に結晶性セルロースを入れ、蓋33を閉じる。そして、液体供給管35を通じて、酸性電解水を所定量供給する。得られた混合物を、ヒータ41で加熱し、温度計38で温度を監視し、圧力計36で圧力を監視しながら、撹拌羽根43で撹拌する。なお、圧力を制御するために、不活性ガス吹き込み管や圧逃がし管を付属することが好ましい。
以上のカーボンの製造装置30を用いて、カーボンを製造する方法を次に説明する。
図3に示すように、反応容器に、結晶性セルロースと酸性電解水を入れる(ST01)。
この混合物を撹拌しながら所定温度(230℃〜250℃)に達するまで加熱する(ST02)。
所定温度に達したら、この温度を保持し、撹拌しながら所定時間(30分間)が経過するまで保熱する(ST03)。これで、反応容器内にカーボンが生成される。
反応容器を毎分50℃程度の速度で冷却し、常温に達したら、混合物を取出す(ST04)。
混合物を濾過して、固形物を得る(ST05)。
さらに、固形物を有機溶媒(エタノール、アセトンなど)で洗い、水で洗うことを繰り返す(ST06)。固形物を乾燥させる(ST07)。これで所望のカーボンが得られる。
すなわち、本発明のカーボンの製造方法は、密閉性反応容器に、セルロース及び電気分解法で製造した酸性電解水を入れる工程(ST01)と、
前記酸性電解水を撹拌しながら所定温度まで加熱する加熱工程(ST02)と、
所定温度に達したらその温度で撹拌しながら飽和蒸気圧下で所定時間保持する保持工程(ST03)と、室温まで冷却する冷却工程(ST04)とからなる。
以上の製造プロセスを実施した実験例を次に説明する。
(実験例)
本発明に係る実験例を以下に述べる。なお、本発明は実験例に限定されるものではない。
(1)実験01〜03:酸性電解水の酸性度(pH)確認実験:
酸性電解水の酸性度(pH)を変更して、実験を行い、好適な酸性度を見出す。
○出発材料等:
・セルロース:2g 結晶性セルロース
・酸性電解水:100cm
実験01:pH3.1 有効塩素濃度:23ppm 酸化還元電位:1.10V
実験02:pH2.7 有効塩素濃度:30ppm 酸化還元電位:1.13V
実験03:pH2.3 有効塩素濃度:40ppm 酸化還元電位:1.20V
なお、酸化還元電位は、標準水素電極の代わりに、銀−塩化銀(Ag/AgCl)電極を用いて測定した。
○処理条件:
・加熱温度:230℃
・圧力:飽和蒸気圧
・保持時間:30分
以上の条件により、出発材料を処理し、冷却し、濾過分離し、洗浄して、固形物を得た。得られた固形物の形態は次の通りであった。
Figure 2011256068
表中、歩留まりは、{(洗浄後の固形物の質量)/(洗浄前の固形物の質量)}×100の算式により計算した。
pH3.1の酸性電解水を用いた実験01では、固形物は茶褐色のセルロースであった。カーボンが得られなかったので、評価は×である。
実験01より酸性度の強いpH2.7の酸性電解水を用いた実験02では、固形物は黒色のカーボン(カーボンであることは後述の手続で確認した。)が得られた。歩留まりは33%であり、カーボンが得られたので評価は○とした。
実験02より酸性度の強いpH2.3の酸性電解水を用いた実験03では、固形物は黒色のカーボンが得られた。歩留まりは50%であり、実験02より歩留まりが良いので、評価は◎とした。
○固形物がカーボンであることの確認:
実験02、03で得られた固形物を、走査電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、5〜10μmの葡萄の房状の形態が確認された。そして、走査電子顕微鏡(SEM)に付属する蛍光X線分析装置(EDX)で元素分析したところ、炭素と酸素が検出された。酸素は洗浄水が残留していると推定できる。水素は検出されなかった。
X線回析では、2θ=22°付近にブロードなピークが出現した。
また、ラマン分光スペクトル分析では、1580〜1600cm−1、すなわち1590cm−1付近にピークがあった。
X線光電子分光(XPS)での確認も実施した。
また、電気伝導度をJIS K1469に準拠して測定し、かさ密度0.59g/cm3のとき3.1Ωcmの電気伝導度を得た。
以上に説明した複数の分析、測定により固形物がカーボンであることが確認できた。
○好適なpH:
表1に示すように、pH3.1は×で、pH2.7は○で、pH2.3は◎であった。このことから強酸であるほど評価が良いことが分かった。しかし、pH2を超える強酸は、酸の製造コストが嵩む。そして、中和処理や洗浄にコストが嵩む。コスト的にはpHは2.3に留めることが望ましい。
そこで、pHは2.3〜2.7が好適であると言える。
上記実験03によれば、pH2.3の酸性電解水が好適であった。そこで、pHを固定して、加熱温度を検証する実験を行った。
(2)実験04〜07:加熱温度確認実験:
○出発材料等:
・セルロース:2g 結晶性セルロース
・酸性電解水:100cm
pH2.3 有効塩素濃度:40ppm 酸化還元電位:1.20V
○処理条件:
・加熱温度:220℃、240℃、250℃、260℃
・圧力:飽和蒸気圧
・保持時間:30分
以上の条件により、出発材料を処理し、冷却し、濾過分離し、洗浄して、固形物を得た。得られた固形物の形態は次の通りであった。
Figure 2011256068
加熱温度が220℃である実験04では、固形物は茶褐色のセルロースであった。カーボンが得られなかったので、評価は×である。
加熱温度が240℃である実験05では、固形物は黒色のカーボンであった。歩留まりは50%に達したので、評価は◎である。
加熱温度が250℃である実験06では、固形物は黒色のカーボンであった。歩留まりは30%に留まったので、評価は○である。
加熱温度が260℃である実験07では、固形物は黒色のカーボンであった。しかし、歩留まりは僅か(2%程度)であったので、評価は×である。
○好適な加熱温度:
表1から、230℃が推奨される。また、表2から実験05における240℃及び実験06における250℃が推奨される。実験04における220℃ではカーボンが得られない。また、実験07における260℃では生産量が確保できない。
そこで、加熱温度は、230℃〜250℃が好適であると言える。
次に、本発明で得たカーボンの用途、有用性を確認する実験を行った。
(3)金属吸着性:
○準備:
・溶液:王水(体積比3:1で濃塩酸と濃硝酸の混合) pH4.0に調整 50cm
・金属:Au(金)など12種
・カーボン:実験03で得たカーボン粉末 50mg
○実験:
溶液に金属を溶かし、さらにカーボン粉末を加えて撹拌する。2時間後にカーボンの吸着率を調べた。吸着率は、{(カーボンに吸着された質量)/(溶液に加えた質量)}×100で示す。
Figure 2011256068
Au(金)、Ga(ガリウム)、Ru(ルテニウム)については吸着率が90%を超えた。また、In(インジウム)、Pd(パラジウム)については吸着率が70%を超えた。このことから、金属が含まれている溶液から、金属を抽出することができる。
(4)トルエン吸着性:
○準備:
・トルエン
・カーボン:実験03で得たカーボン
・容量式ガス吸着装置
○実験:
容量式ガス吸着装置にカーボンをセットし、トルエン(ガス)を吸着させた。カーボン100gで、15.6gのトルエンを吸着させることができた。
すなわち、本発明で得たカーボンは活性炭に近似した吸着性能を有することが確認できた。
(5)セルロースの種類:
結晶性セルロースに替えて、セルロースを主成分とする脱脂綿、ガーゼ、濾紙を出発材料にして、表1に示される実験03の条件で処理したところ、黒色のカーボンを得ることができた。脱脂綿、ガーゼ、濾紙は市販され、入手容易で、安価なため、カーボンの製造コストを下げることができる。
従来は、木質材料を、乾留、蒸し焼き、熱分解などの技術で木炭に代表されるカーボンを製造してきた。このような従来技術では、臭気を帯びたガスが不可避的に発生するため、脱臭装置が不可欠となる。
本発明では、セルロース(C10を、酸性電解水中で、分解して、カーボン(C)を得ることに成功した。反応が水中で行われるため、反応に伴って発生する副生成物は水中に封じ込められる。水であれば、濾過や中和により、容易に副生成物を除去や無害化することができる。併せて、乾留のように多量の熱エネルギーを必要としない。
尚、本発明の出発材料は、結晶性セルロース、脱脂綿、ガーゼ、濾紙が好適であるが、木材チップに代表される木質材料や麦わらに代表される草であってもよく、種類は限定しない。
本発明は、結晶性セルロースからカーボンを製造する技術に好適である。
10…酸性電解水生成装置、30…カーボンの製造装置、32…密閉性反応容器。

Claims (3)

  1. セルロースを出発材料としてカーボンを生成させるカーボンの製造方法であって、
    密閉性反応容器に、セルロース及び電気分解法で製造した酸性電解水を入れる工程と、
    前記酸性電解水を撹拌しながら所定温度まで加熱する加熱工程と、
    所定温度に達したらその温度で撹拌しながら飽和蒸気圧下で所定時間保持する保持工程と、
    室温まで冷却する冷却工程と、
    からなるカーボンの製造方法。
  2. 前記酸性電解水の酸性度は、pH2.3〜pH2.7であり、
    前記所定温度は、230℃〜250℃であることを特徴とする請求項1記載のカーボンの製造方法。
  3. 前記出発材料は、セルロースを主成分とする脱脂綿、ガーゼ又は濾紙であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のカーボンの製造方法。
JP2010131322A 2010-06-08 2010-06-08 カーボンの製造方法 Expired - Fee Related JP5465610B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010131322A JP5465610B2 (ja) 2010-06-08 2010-06-08 カーボンの製造方法
US13/086,022 US8192712B2 (en) 2010-06-08 2011-04-13 Carbon manufacturing method
EP11162457.3A EP2394954B1 (en) 2010-06-08 2011-04-14 Carbon manufacturing method

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010131322A JP5465610B2 (ja) 2010-06-08 2010-06-08 カーボンの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011256068A true JP2011256068A (ja) 2011-12-22
JP5465610B2 JP5465610B2 (ja) 2014-04-09

Family

ID=44227719

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010131322A Expired - Fee Related JP5465610B2 (ja) 2010-06-08 2010-06-08 カーボンの製造方法

Country Status (3)

Country Link
US (1) US8192712B2 (ja)
EP (1) EP2394954B1 (ja)
JP (1) JP5465610B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57195789A (en) * 1981-05-28 1982-12-01 Kato Hisayoshi Simultaneous preparation of good wood vinegar solution and active carbon
JP2006273674A (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Mie Prefecture 食用精製微粉炭の製造方法
JP2007302535A (ja) * 2006-05-15 2007-11-22 Osaka Prefecture Univ 紙炭およびその製造方法
JP2011111514A (ja) * 2009-11-26 2011-06-09 Juon:Kk 合成樹脂増量剤、及びセルロース系炭化物の製造方法

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3111513A (en) * 1960-01-13 1963-11-19 Fmc Corp Oxidation derivatives of cellulose crystallite aggregates
JPS477687B1 (ja) * 1967-01-13 1972-03-04
US3703453A (en) * 1970-09-01 1972-11-21 Stellar Ind Ltd Electrolytic destruction of sewage
US3960768A (en) * 1972-01-28 1976-06-01 Sirmac Ltd. Production of carbon by eliminating hydrogen halide from polymerized halohydrocarbons
US3832306A (en) * 1972-09-11 1974-08-27 Continental Oil Co Process for the preparation of active carbon from halohydrocarbons
US3998756A (en) * 1974-06-17 1976-12-21 Hercules Incorporated Preparation of activated carbonaceous material from sewage sludge and sulfuric acid
US4318710A (en) * 1979-08-02 1982-03-09 Martin F. Sturman Conversion of cellulose into charcoal
US4425256A (en) * 1979-12-28 1984-01-10 Marcoal Chemical Industries Conversion of cellulose into activated charcoal
GB0516154D0 (en) 2005-08-05 2005-09-14 Ntnu Technology Transfer As Carbon membranes
EP1994984A4 (en) * 2006-03-10 2009-10-28 Nippon Oil Corp CARBON FIXED ACID, THE SOLID ACID COMPOUND AND RESPONSE USING THE SOLID ACID AS A CATALYST
JP2008201651A (ja) 2007-02-22 2008-09-04 Ipb:Kk 多孔炭および多孔炭の製造方法
JP5058761B2 (ja) 2007-11-30 2012-10-24 富士フイルム株式会社 活性炭の製造方法
JP2011115061A (ja) 2009-12-01 2011-06-16 Honda Motor Co Ltd セルロースの分解方法
CN101774572A (zh) 2010-02-20 2010-07-14 中国石油大学(华东) 一种提高生态炭收率的方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57195789A (en) * 1981-05-28 1982-12-01 Kato Hisayoshi Simultaneous preparation of good wood vinegar solution and active carbon
JP2006273674A (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Mie Prefecture 食用精製微粉炭の製造方法
JP2007302535A (ja) * 2006-05-15 2007-11-22 Osaka Prefecture Univ 紙炭およびその製造方法
JP2011111514A (ja) * 2009-11-26 2011-06-09 Juon:Kk 合成樹脂増量剤、及びセルロース系炭化物の製造方法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6013052498; 藤井隆人、外2名: 'セルロースの熱分解に及ぼす無機塩類の影響' 触媒討論会討論会A予稿集 Vol.58, 1986, Page.168-169 *

Also Published As

Publication number Publication date
US8192712B2 (en) 2012-06-05
EP2394954B1 (en) 2013-09-25
JP5465610B2 (ja) 2014-04-09
EP2394954A1 (en) 2011-12-14
US20110300055A1 (en) 2011-12-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Zubbri et al. Low temperature CO2 capture on biomass-derived KOH-activated hydrochar established through hydrothermal carbonization with water-soaking pre-treatment
Karim et al. Potassium enriched biochar production by thermal plasma processing of banana peduncle for soil application
Xing et al. A Brown Mesoporous TiO2‐x/MCF Composite with an Extremely High Quantum Yield of Solar Energy Photocatalysis for H2 Evolution
Chakraborty et al. Novel low-cost activated algal biochar as a cathode catalyst for improving performance of microbial fuel cell
Shi et al. One‐step simple green method to prepare carbon‐doped graphitic carbon nitride nanosheets for boosting visible‐light photocatalytic degradation of tetracycline
JP7312393B2 (ja) 炭素素材の製造方法
Cai et al. Eu-Based MOF/graphene oxide composite: A novel photocatalyst for the oxidation of benzyl alcohol using water as oxygen source
Wang et al. Adsorption and visible-light photocatalytic degradation of organic pollutants by functionalized biochar: role of iodine doping and reactive species
JP6553307B2 (ja) 炭素質材料およびその製造方法
Zyoud et al. Solid olive waste in environmental cleanup: enhanced nitrite ion removal by ZnCl2-activated carbon
JP7061107B2 (ja) 炭素質材料およびその製造方法
de Tacconi et al. Photocatalytic Generation of Syngas Using Combustion‐Synthesized Silver Bismuth Tungstate
Wang et al. Improvement in the physicochemical characteristics of biochar derived from solid digestate of food waste with different moisture contents
JP7007810B2 (ja) 炭素質材料、ならびに該炭素質材料を含有する電気二重層キャパシタ用電極材料、電気二重層キャパシタ用電極および電気二重層キャパシタ
Chen et al. Enhanced fenton-like catalytic activity and stability of g-c3n4 nanosheet-wrapped copper phosphide with strong anti-interference ability: Kinetics and mechanistic study
JP3132379B2 (ja) 酸素及び水素を製造する方法
Yek et al. Production of value-added hydrochar from single-mode microwave hydrothermal carbonization of oil palm waste for de-chlorination of domestic water
Durga et al. Conversion of agricultural waste to valuable carbonaceous material: brief review
JP2007055825A (ja) 活性炭の製造方法及び製造装置
Ballesteros-Garrido et al. Photocatalytic hydrogen generation from water–methanol mixtures using halogenated reconstituted graphenes
Sengottian et al. Optimization of alkali catalyzed hydrothermal carbonization of Prosopis juliflora woody biomass to biochar for copper and zinc adsorption and its application in supercapacitor
JP4919253B2 (ja) 生物由来の有機性資源処理方法およびそのシステム
JP5465610B2 (ja) カーボンの製造方法
Kumar et al. Highly stable and durable ZnIn2S4 nanosheets wrapped oxygen deficient blue TiO2 (B) catalyst for selective CO2 photoreduction into CO and CH4
Suh et al. Comparative assessment of biochars from multiple sources based on persulfate activation capability: Role of iron component in enhancing thermal treatment effect on carbocatalytic performance

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121127

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131017

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131029

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131112

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140114

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140122

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees