JP2011115061A - セルロースの分解方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】設備調達コストが低減でき且つランニングコストを低減することのできるセルロースの分解方法を提供することを課題とする。
【解決手段】セルロースを、酸性電解水に混合し、得られた混合物を、最高温度が210℃で飽和蒸気圧1.9MPaの条件下で、撹拌することで、糖類を得る。
【効果】温度を大幅に下げる(例えば、従来320℃→本発明210℃)ことができるので、省エネルギーを図ることができ、圧力を大幅に下げる(例えば、従来20MPa→本発明1.9MPa)ことができるので、処理設備の調達コストを大幅に下げることができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、セルロースを分解して糖類又はヒドロキシメチルフルフラール(HMF)を製造する技術に関する。
樹木に含まれるセルロースから糖類などが得られれば、人類の食物資源として有益である。しかし、セルロースは難分解物質である。そこで、従来から種々の分解方法が提案されてきた(例えば、特許文献1(請求項1、3)参照。)。
特許文献1の請求項1に、セルロースを超臨界水又は亜臨界水で可溶化した後、セルラーゼ製剤を添加し、更に加水分解することによりグルコース及び/又はセロオリゴ糖を得る方法が記載されている。そして、同請求項3に、超臨界水又は亜臨界水の温度を320℃〜500℃とし、圧力を20MPa〜50MPaにすることが記載されている。
セルロースは難分解物質であるため、320℃以上で20MPa(約204kgf/cm)以上もの高温高圧で処理せざるをえない。しかし、高温に保つには大量の熱エネルギーが必要となる。また、高圧に保つには耐圧設備が必要となる。したがって、特許文献1の方法では設備調達コストが嵩む上にランニングコストも嵩むことになる。
省資源が求められる今日においては、設備調達コストが低減でき且つランニングコストを低減することのできるセルロースの分解方法が望まれる。
特開2001−95594公報
本発明は、設備調達コストが低減でき且つランニングコストを低減することのできるセルロースの分解方法を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、セルロースの分解方法であって、
前記セルロースを、酸性電解水に混合し、
得られた混合物を、最高温度が210℃で飽和蒸気圧の条件下で、撹拌することで、糖類を得ることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、セルロースの分解方法であって、
前記セルロースを、酸性電解水に混合し、得られた混合物を、最高温度が200℃で、最高圧力が2.0MPaの条件下で、撹拌することで、糖類を得ることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、セルロースの分解方法であって、
前記セルロースを、ハイドロキシルラジカルが含まれている電解水に混合し、得られた混合物を、最高温度が230℃で飽和蒸気圧の条件下で、撹拌することで、ヒドロキシメチルフルフラールを得ることを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、温度を大幅に下げる(例えば、従来320℃→本発明210℃)ことができるので、省エネルギーを図ることができ、圧力を大幅に下げる(例えば、従来20MPa→本発明1.9MPa)ことができるので、処理設備の調達コストを大幅に下げることができる。
請求項2に係る発明によれば、温度を大幅に下げる(例えば、従来320℃→本発明200℃)ことができるので、省エネルギーを図ることができ、圧力を大幅に下げる(例えば、従来20MPa→本発明2.0MPa)ことができるので、処理設備の調達コストを大幅に下げることができる。
請求項3に係る発明では、温度を大幅に下げる(例えば、従来320℃→本発明230℃)ことができるので、省エネルギーを図ることができ、圧力を大幅に下げる(例えば、従来20MPa→本発明2.8MPa)ことができるので、処理設備の調達コストを大幅に下げることができる。
なお、ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)は、血圧降下作用や高血圧症の改善、糖尿病などの改善作用が期待できる薬剤成分である。従来、HMFは高価であったが、本発明によれば、HMF製造の低コスト化が可能となり、安価で有益な薬剤が提供され、人類への貢献が期待される。
本発明で用いる酸性電解水生成装置の原理図である。 セルロースの分解装置の基本構造を説明する図である。 圧力と生成グルコースとの相関を示すグラフである。 本発明で用いるハイドロキシルラジカルが含まれている電解水の水生成装置の原理図である。 HTMのシグナル強度を示すクロマトグラフ図である。
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
先ず、実施例1において、重要な物質である酸性電解水の製造原理を説明する。
図1に示されるように、酸性電解水生成装置10は、電解槽11と、この電解槽11を左右に区分する陰イオン交換膜12と、右のチャンバー13に電解質水溶液を循環させる水溶液循環機構14と、左のチャンバー15へ水道水を供給する給水管16と、左のチャンバー15から酸性電解水を取り出す電解水取出し管17と、右のチャンバー13に収納されている陰極電極18と、左のチャンバー15に収納されている陽極電極19と、これらの電極18、19に所定の電圧を印加する電源21とからなる。
右のチャンバー13には塩化ナトリウム(NaCl)水溶液を満たし、水溶液循環機構14で循環させる。
左のチャンバー15には水道水(HO+Cl)を満たす。そして、電源21で電極18、19に所定の電圧を印加する。
すると、右のチャンバー13では、塩化ナトリウム(NaCl)が分解され、ナトリウムイオン(Na)と塩素イオン(Cl)とが生成される。
陰イオン交換膜12は、陰イオンのみを通過させるため、塩素イオン(Cl)が左のチャンバー15へ移動する。
左のチャンバー15では、水道水に含まれる塩素イオン(Cl)に右のチャンバー13からの塩素イオン(Cl)が加わり、塩素イオン(Cl)の濃度が増し、水道水に含まれる水(HO)の存在下で次の反応が進行する。
Figure 2011115061
すなわち、塩素イオン(Cl)から塩素(Cl)が生成する。この塩素(Cl)が水と反応して、次亜塩素酸(HClO)が生成する。また、水が電気分解されて、酸素(O)と水素イオン(H)とが生成される。
結果、電解水取出し管17で、水素イオン(H)及び次亜塩素酸(HClO)を含む酸性電解水を取り出すことができる。この酸性電解水は、ナトリウムが含まれていない、ナトリウムフリー酸性電解水である。
次に、セルロースの分解装置の基本構造を説明する。
セルロースの分解装置30は、図2に示すように、上部が開口しているとともに上部にフランジ31を有し、下部に半球殻状の底を有する筒型の圧力容器32と、この圧力容器32の上部開口に被せる蓋33と、この蓋33に設けた撹拌モータ34、液体供給管35、圧力計36及び熱電対保護管37と、この熱電対保護管37に収納されている熱電対の電気的情報を温度情報に変換する温度計38と、圧力容器32を囲うジャケット39と、このジャケット39に付属されるヒータ41及び水冷管42と、撹拌モータ34から下げられた撹拌羽根43からなる。
圧力容器32に粒状のセルロールを入れ、蓋33を閉じる。そして、液体供給管35を通じて、酸性電解水を所定量供給する。得られた混合物を、ヒータ41で加熱し、温度計38で温度を監視し、圧力計36で圧力を監視しながら、撹拌羽根43で撹拌する。なお、圧力を制御するために、不活性ガス吹き込み管や圧逃がし管を付属することが好ましい。
以上の装置を用いて実施した実験例を次に説明する。
(実験例)
本発明に係る実験例を以下に述べる。なお、本発明は実験例に限定されるものではない。
○混合工程:
セルロース:微結晶、2g
電解水:ナトリウムフリー酸性電解水又は精製水、98g
なお、精製水は逆浸透膜処理水であり、比較実験のために準備した。
○適正温度を確認する実験:
圧力を飽和蒸気圧に保ち、温度を170℃、200℃、210℃、220℃、230℃に変化させることで、生成グルコース量を調べた。その結果を次表に示す。
Figure 2011115061
実験1では、比較対照のためにセルロース2gに精製水98gを加え、170℃、飽和蒸気圧(0.8MPa)の条件で30分間撹拌を行ったが、グルコースは生成しなかった。
実験2では、比較対照のためにセルロース2gに精製水98gを加え、200℃、飽和蒸気圧(1.6MPa)の条件で30分間撹拌を行ったところ、グルコースは8ppm生成した。
実験3では、セルロース2gに本発明の酸性電解水98gを加え、170℃、飽和蒸気圧(0.8MPa)の条件で30分間撹拌を行ったところ、527ppmのグルコースが生成した。
実験4では、セルロース2gに本発明の酸性電解水98gを加え、200℃、飽和蒸気圧(1.6MPa)の条件で30分間撹拌を行ったところ、4727ppmものグルコースが生成した。
実験5では、セルロース2gに本発明の酸性電解水98gを加え、210℃、飽和蒸気圧(1.9MPa)の条件で30分間撹拌を行ったところ、12152ppmものグルコースが生成した。
実験6では、セルロース2gに本発明の酸性電解水98gを加え、220℃、飽和蒸気圧(2.3MPa)の条件で30分間撹拌を行ったところ、10712ppmものグルコースが生成した。
実験7では、セルロース2gに本発明の酸性電解水98gを加え、230℃、飽和蒸気圧(2.8MPa)の条件で30分間撹拌を行ったところ、274ppmのグルコースが生成した。
以上の実験から、次のことが確認できた。
実験1、2で使用した精製水には、セルロースを分解する作用が殆ど認められない。一方、実験3〜7で使用した酸性電解水には、セルロースを分解する作用が認められた。
実験3〜7においては、実験5(210℃)が最良で、実験6(220℃)がこれに続き、実験4(200℃)がこれに続いた。
一方、実験4(200℃)の方が、実験7(230℃)より好成績であった。そのため、飽和蒸気圧のもとでは、200℃〜230℃の範囲が好ましく、210℃が最適温度であることが確認できた。
従来の技術の項で述べたように、難分解物質であるセルロースは、高温(320℃以上)、高圧(20MPa以上)下で処理することが、従来行われてきた。
一方、酸性電解水を用いる本発明によれば、最高温度210℃、飽和蒸気圧’(1.9MPa)で、セルロースの処理が可能となった。
温度を大幅に下げる(320℃→210℃)ことができるので、省エネルギーを図ることができ、圧力を大幅に下げる(20MPa→1.9MPa)ことができるので、処理設備の調達コストを大幅に下げることができる。
次に、酸性電解水、温度一定の条件で、適正な圧力を調べることにした。
○適正な圧力を確認する実験:
温度を200℃に保ち、圧力を2.0MPa、2.5MPa、3.0MPa、5.0MPaと変化させることで、生成グルコース量を調べた。その結果を次表に示す。
Figure 2011115061
実験4は、表1の実験4を再掲した。
実験8では、セルロース2gに本発明の酸性電解水98gを加え、200℃、2.0MPaの条件で30分間撹拌を行ったところ、9537ppmものグルコースが生成した。
実験9では、セルロース2gに本発明の酸性電解水98gを加え、200℃、2.5MPaの条件で30分間撹拌を行ったところ、9779ppmものグルコースが生成した。
実験10では、セルロース2gに本発明の酸性電解水98gを加え、200℃、3.0MPaの条件で30分間撹拌を行ったところ、10448ppmのグルコースが生成した。
実験11では、セルロース2gに本発明の酸性電解水98gを加え、200℃、5.0MPaの条件で30分間撹拌を行ったところ、10313ppmのグルコースが生成した。
圧力と生成グルコースとの相関を、図3に示す。
グラフに示されるように、実験4(1.6MPa)に比較して、実験8(2.0MPa)は生成グルコース量が倍増した。圧力増加が生成量増加に繋がることが確認できた。しかし、実験9(2.5Pa)や実験10(3MPa)は期待したほど増加しない。そして、実験11(5MPa)は生成グルコース量の増加が認められず、むしろ減少傾向にあった。
したがって、200℃での適正圧力は2.0MPaであることが確認できた。
従来の技術の項で述べたように、難分解物質であるセルロースは、高温(320℃以上)、高圧(20MPa以上)下で処理することが、従来行われてきた。
一方、酸性電解水を用いる本発明によれば、最高温度200℃、最高圧力2.0MPaで、セルロースの処理が可能となった。
温度を大幅に下げる(320℃→200℃)ことができるので、省エネルギーを図ることができ、圧力を大幅に下げる(20MPa→2.0Pa)ことができるので、処理設備の調達コストを大幅に下げることができる。
実験例1で用いた酸性電解水を、ハイドロキシルラジカルが含まれている電解水に代えても作用効果が発揮されるか否かを確認するために実施例2で、別途実験を実施する。
実施例2において、重要な物質であるハイドロキシルラジカルが含まれている電解水(以下、OHラジカル電解水とも言う。)の製造原理を説明する。
図4に示されるように、OHラジカル電解水生成装置50は、電解槽51と、この電解槽51を左右に区分するイオン透過膜52と、右のチャンバー53に収納されている電極54と、左のチャンバー55に収納されている電極56と、これらの電極54、56に所定の電圧を印加する電源57と、スイッチ58、59とからなる。
電解槽51に塩化ナトリウム又は塩化カリウムを含む原水61を供給する。
図のようにスイッチ58、59が左に倒れていると、左の電極56が陽極電極となり、右の電極54が陰極電極となる。
すると、陰極側である右のチャンべー53では次に示す反応が起こる。
Figure 2011115061
すなわち、右のチャンバー53に水酸イオン(OH)が生成される。
次に、スイッチ58、59を図右へ切り換えると、右の電極54が陽極電極となり、左の電極56が陰極電極となる。
すると、右のチャンバー53では、水酸イオン(OH)から過酸化水素(H)及び酸素(O)が生成される。加えて、水の電気分解により酸素(O)が生成し、塩素イオン(Cl)から塩素ガス(Cl)が生成される。以上の反応は次の通りである。
Figure 2011115061
スイッチ58、59を図左右に切り換えることで、水酸イオン(OH)の生成と、この水酸イオン(OH)に基づく過酸化水素(H)等の生成とが交互に行われる。
一定時間経過後に右のチャンバー53に、水酸イオン(OH)や過酸化水素(H)が含まれた電解水が生成される。この電解水では次に示す反応が起こっていると推定される。
Figure 2011115061
(・OH)はハイドロキシルラジカルであって、右のチャンバー53にハイドロキシルラジカル(・OH)を含む電解水が、生成される。
計測データは省略するが、得られたハイドロキシルラジカル(・OH)を含む電解水は、生成後28.5時間経過してもラジカル性が維持されていた。したがって、この電解水の寿命は24時間以上であり、取扱い性が良好である。
以上のハイドロキシルラジカル(・OH)を含む電解水をセルロースと共に、図3のセルロースの分解装置30に投入して実施した実験例を次に説明する。
(実験例)
本発明に係る実験例を以下に述べる。なお、本発明は実験例に限定されるものではない。
○混合工程:
セルロース:微結晶、2g
電解水:ハイドロキシルラジカル(・OH)を含む電解水、98g
○適正圧力を確認する実験:
温度を200℃一定とし、圧力を飽和蒸気圧又は5.0MPaに保って生成HMF(ヒドロキシメチルフルフラール)を調べた。その結果を次表に示す。
なお、図5に示すように、撹拌後の溶液をTICクロマトグラフにかけると成分毎のシグナル強度が検出される。この中から、HTMのシグナル強度を求めることができる。
Figure 2011115061
実験11では、セルロースに本発明のハイドロキシルラジカル(・OH)を含む電解水を加え、200℃、飽和蒸気圧(1.6MPa)の条件で30分間撹拌を行ったところ、シグナル強度24.2のHMFが検出された。
実験12では、セルロースに本発明のハイドロキシルラジカル(・OH)を含む電解水を加え、200℃、5.0MPaの条件で30分間撹拌を行ったところ、シグナル強度15.5のHMFが検出された。
実験12(200℃、5.0MPa)は、高圧にしたにも拘わらず、実験11(200℃、飽和蒸気圧)より、シグナル強度は小さかった。
したがって、圧力は飽和蒸気圧が推奨される。
そこで、ハイドロキシルラジカル(・OH)を含む電解水、飽和蒸気圧の条件で、適正な温度を調べることにした。
○適正な温度を確認する実験:
圧力を飽和蒸気圧に保ち、温度を230℃、250℃と変化させることで、HMFのシグナル強度を調べた。その結果を次表に示す。
Figure 2011115061
実験11は、表3の実験11を再掲した。
実験13では、セルロースに本発明のハイドロキシルラジカル(・OH)を含む電解水を加え、230℃、飽和蒸気圧(2.8MPa)の条件で30分間撹拌を行ったところ、シグナル強度241.0のHMFが検出された。
実験14では、セルロースに本発明のハイドロキシルラジカル(・OH)を含む電解水を加え、250℃、飽和蒸気圧(4.0MPa)の条件で30分間撹拌を行ったところ、シグナル強度は微弱でHMFは検出されなかった。
実験13(230℃)に比較して、温度を上げたにも拘わらず、実験14(250℃)はHMFのシグナル強度の増加が認めらなかった。
したがって、飽和蒸気圧での最適温度は230℃であることが確認できた。
従来の技術の項で述べたように、難分解物質であるセルロースは、高温(320℃以上)、高圧(20MPa以上)下で処理することが、従来行われてきた。
しかし、ハイドロキシルラジカル(・OH)を含む電解水を用いる本発明によれば、最高温度230℃、最高圧力2.8MPa(飽和蒸気圧相当)で、セルロースの処理が可能となった。
温度を大幅に下げる(320℃→230℃)ことができるので、省エネルギーを図ることができ、圧力を大幅に下げる(20MPa→2.8MPa)ことができるので、処理設備の調達コストを大幅に下げることができる。
本発明は、セルロースを分解して糖類又はヒドロキシメチルフルフラール(HMF)を製造する技術に好適である。
10…酸性電解水を生成する酸性電解水生成装置、30…セルロースの分解装置、50…ハイドロキシルラジカルが含まれている電解水を生成するOHラジカル電解水生成装置。

Claims (3)

  1. セルロースの分解方法であって、
    前記セルロースを、酸性電解水に混合し、
    得られた混合物を、最高温度が210℃で飽和蒸気圧の条件下で、撹拌することで、糖類を得ることを特徴とするセルロースの分解方法。
  2. セルロースの分解方法であって、
    前記セルロースを、酸性電解水に混合し、
    得られた混合物を、最高温度が200℃で、最高圧力が2.0MPaの条件下で、撹拌することで、糖類を得ることを特徴とするセルロースの分解方法。
  3. セルロースの分解方法であって、
    前記セルロースを、ハイドロキシルラジカルが含まれている電解水に混合し、
    得られた混合物を、最高温度が230℃で飽和蒸気圧の条件下で、撹拌することで、ヒドロキシメチルフルフラールを得ることを特徴とするセルロースの分解方法。
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