JP2011252178A - ワーク塗膜の製造方法 - Google Patents

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達也 服部
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Abstract

【課題】焼付工程の生産性を高めつつ、ワークに被覆されている焼付塗膜の塗膜強度を高くできるワーク塗膜の製造方法を提供する。
【解決手段】製造方法では、加熱室47に配置された遠赤外線ヒータ49を有すると共に加熱室47の室内温度の目標温度がワーク1の未硬化塗膜のTg温度よりも250℃以上の高温側に設定された加熱炉4を用いる。未硬化塗膜が被覆されたワーク1を加熱室47に装入し、遠赤外線ヒータ49からの遠赤外線により加熱室47を未硬化塗膜2のTg温度よりも250℃以上の高温側に加熱する。ワーク1を加熱室47に装入した時刻から30秒〜4分間で未硬化塗膜を加熱させて焼き付ける。その後、ワーク1を加熱室47から取り出し、未硬化塗膜を冷却させる。
【選択図】図5

Description

本発明はワーク塗膜の製造方法に関する。
ワーク塗膜の製造方法として、電着塗装で未硬化塗膜が被覆されたワークを用い、そのワークを加熱炉の加熱室に装入した状態で、加熱室の室内温度を60〜120℃(未硬化塗膜のTg温度未満)という低温において数時間加熱させて熱硬化させる焼付工程を実施する技術が知られている(例えば特許文献1,2)。特許文献1では、ワークに被覆されている焼付塗膜の塗膜強度を高めるため、電着塗装工程前に、ワークに対して脱脂する脱脂工程、脱脂処理後にブラスト処理により粗面化させる工程、粗面化したワークを脱脂する工程、脱脂したワークを水洗する水洗工程とを実施して、ワークの表面における異物を電着塗装前に除去することにしている。更に、本出願人の従来工法では、図2に示すように、鋳造されて砂落としされたワークについては、電着塗装工程の前に、ワークに付着した油脂分を除去するために、ワークを湯(水)で洗う湯洗工程(水洗工程)、ワークを脱脂する脱脂工程、ワークに付着した脱脂剤を水洗する水洗工程、ワークの表面をリン酸系処理液により処理する表面調整工程、ワークの表面をリン酸塩処理することによりリン酸塩皮膜(リン酸亜鉛皮膜)をワークの表面に形成する化成工程、化成工程を経たワークを水洗する水洗工程等といった前処理工程が、電着塗装工程の前に実施されている。
特開2009−191307号公報 特許2811350号
産業界では、未硬化塗膜を焼き付けて焼付塗膜を形成する焼付工程の生産性を高めつつ、ワークに被覆されている焼付塗膜の塗膜強度を高くすることが要請されている。
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、焼付工程の生産性を高めつつ、ワークに被覆されている焼付塗膜の塗膜強度を高くできるワーク塗膜の製造方法を提供することを課題とする。
本発明に係るワーク塗膜の製造方法は、(i)電着塗装で被覆された樹脂を基材とする未硬化塗膜が被覆された金属系のワークを用意する工程と、
(ii)加熱室と前記加熱室に配置された遠赤外線ヒータとを有すると共に前記加熱室の室内温度の目標温度が前記未硬化塗膜のTg温度よりも250℃以上の高温側に設定された加熱炉を用い、
前記未硬化塗膜が被覆された前記ワークを前記加熱炉の前記加熱室に装入し、前記遠赤外線ヒータからの遠赤外線により前記加熱室を前記未硬化塗膜のTg温度よりも250℃以上の高温側に加熱すると共に前記ワークの前記未硬化塗膜を加熱させ、且つ、前記ワークを前記加熱室に装入した装入時刻から30秒〜4分間で前記未硬化塗膜の焼き付けを終了する焼付工程と、
(iii)その後、前記ワークの前記未硬化塗膜を常温領域に冷却させる冷却工程とを含むことを特徴とする。
Tg温度は未硬化塗膜のガラス転移温度を意味する。『30秒〜4分間で未硬化塗膜の焼き付けを終了する』とは、目標温度が未硬化塗膜のTg温度よりも250℃以上の高温とされている加熱室にワークを装入した装入時刻を起点とし、起点から30秒〜4分間で、未硬化塗膜のTg温度よりも250℃以上の高温に維持されている加熱室からワークを取り出すことをいう。本発明方法によれば、加熱室の室内温度の目標温度(実際の温度に相当)が未硬化塗膜のTg温度よりも250℃以上の高温側に設定されている。殊に、焼付時間の短縮化のため、Tg温度よりも350℃以上、450℃以上、500℃以上の高温側に設定されていることが好ましい。本発明方法によれば、ワークに被覆されている未硬化塗膜のTg温度は100〜150℃であり、焼付工程における加熱室の温度は350〜800℃であることが好ましい。
本発明方法によれば、遠赤外線の照射で未硬化塗膜を加熱する。遠赤外線は、樹脂を基材とする未硬化塗膜の厚み方向の内部に深く浸透するため、遠赤外線を照射しない電気ヒータに比較して、未硬化塗膜の内部やワークの表面(未硬化塗膜の底面)側からの加熱を実現できる。よって、未硬化塗膜の内部の硬化が進行していないのにもかかわらず、未硬化塗膜の表面のみが優先的に過剰に硬化してしまうことが抑制される。このためワークの表面に付着していたり、未硬化の塗膜に含有していたりしている不良の要因となり得る液相状の水分や液相状の溶剤等を気相化させて未硬化塗膜の全域から良好に排出させることができる。このため本発明方法によれば、加熱室の目標温度(加熱室の温度)を、未硬化塗膜のTg温度よりも250℃以上の遙かに高温側に設定して未硬化塗膜を加熱できる。しかし加熱室の温度がTg温度よりも遙かに高温であるため、ワークの未硬化塗膜が熱劣化するおそれがある。そこで、ワークを加熱室に装入した装入時刻から短時間のうちに未硬化塗膜の焼き付けを終了し、加熱室から取り出す。このように未硬化塗膜の内部や底面側から加熱でき、ピンホールやクラックの生成が抑制され、焼付塗膜の塗膜強度ひいてはワークに対する焼付塗膜の密着強度を高くできる。更に焼付工程を短時間に済ませ得るため、焼付工程の生産性を高め得る。
本発明方法によれば、焼付工程における生産性を高め、焼付塗膜の塗膜強度ひいてはワークに対する焼付塗膜の密着強度を高くできる。
実施形態1に係り、(A)は鋳型でワークが鋳造されている状態を示す断面図であり、(B)はワークの表面に未硬化塗膜が被覆されている状態を示す断面図であり、(C)はワークの表面に被覆されている未硬化塗膜に遠赤外線を照射している状態を示す断面図であり、(D)はワークの表面に被覆されている焼付塗膜を示す断面図である。 参考形態に係り、ワークに焼付塗膜を形成する過程を示す図である。 実施形態1に係り、ワークに焼付塗膜を形成する過程を示す図である。 加熱炉を組み付ける直前の状態を示す断面図である。 加熱炉を組み付けた直後の状態を示す断面図である。 実施形態2に係り、加熱炉を示す図である。 実施形態3に係り、ワークの未硬化塗膜の昇温過程を示すグラフである。 Tg温度を求める際のグラフである。
ワークは金属系である。金属としては、鉄、鉄合金(ステンレス鋼を含む)、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、チタン、チタン合金等が挙げられる。鉄合金として、鉄基地に黒鉛が分散している鉄鋳物、プレス成形品、鍛造成形品、ダイクエンチ成形品が挙げられる。鉄鋳物としては、砂型(生砂型、シェルモールド型を含む)で鋳造した鋳物、金型で形成した鋳物でも良い。鋳物は鋳鉄、アルミニウム合金を含む。鉄鋳物は、鉄−炭素系、鉄−炭素−シリコン系、鉄−炭素−シリコン−マンガン系、鉄−炭素−シリコン−マグネシウム系が例示される。亜共結晶組成、共結晶組成、過結晶組成が挙げられる。アルミニウム合金としては、アルミニウム、アルミニウム−シリコン系、アルミニウム−シリコン−マンガン系、アルミニウム−マグネシウム系が例示される。アルミニウム合金の場合においても、亜共結晶組成、共結晶組成、過結晶組成が挙げられる。
砂型で鋳造された鋳物であれば、砂型の鋳型面を転写しているため、ワークの表面は粗面化されていることが多い。ワークの表面が粗面化されていれば、ワークに被覆されている未硬化塗膜を透過してワーク表面に到達した遠赤外線の吸収面積が増加するため、遠赤外線の吸収率が高く、未硬化塗膜の底面側からの加熱に貢献できる。焼付工程で用いる加熱炉は、ワークを保持する保持部をもつワーク設置台と、下面が開放され上方および側方が閉鎖された加熱室を形成する断熱材料で形成された断熱壁と加熱室に配置された遠赤外線ヒータとを有する加熱炉本体とを備えていることが好ましい。そして、遠赤外線ヒータをオンさせた状態で、ワーク設置台および加熱炉本体のうちの少なくとも一方を高さ方向において一方向に相対移動させることにより、ワークを加熱室に収容させることができる。この場合、ワークを短時間に高温状態の加熱室に収容でき、ワークの未硬化塗膜を短時間のうちにTg温度付近(Tg温度に対してプラスマイナス20℃以内)まで加熱できる。また、ワーク設置台および加熱炉本体のうちの少なくとも一方を高さ方向において逆方向に相対移動させることにより、加熱室からワークを取り出すことができる。この場合、高温状態の加熱室からワークを短時間に取り出すことができ、未硬化塗膜をTg温度付近(Tg温度に対してプラスマイナス20℃)に保持する焼付キープ時間を短時間にでき、あるいは、焼付キープ時間を無くすのに有利である。未硬化塗膜のうち樹脂成分は60%以上とすることができる。
(実施形態1)
以下、本発明方法の代表的な実施形態1について、図1〜図5(図2を除く)を参照して説明する。本実施形態によれば、まず、鋳造工程により鉄鋳物系のワーク1(図1参照)を形成する。鉄鋳物は砂型(生砂型、シェルモールド型を含む)で鋳造した鉄鋳物である。鉄鋳物としては、多数の黒鉛が鉄系基地に分散している組織をもつ鋳鉄が挙げられ、例えば、球状黒鉛鋳鉄、片状黒鉛鋳鉄、いも虫状黒鉛鋳鉄等が挙げられる。基本組成としては、凝固速度などによっても相違するが、質量比で、炭素が2〜5%、シリコンが0.4〜10%、マンガンが0.1〜2.0%、リンが1%以下、硫黄が1%以下の組成が挙げられる。マグネシウムが含まれている場合には、0.02〜0.8%、0.02〜0.5%、0.03〜0.05%が例示される。黒鉛サイズは特に限定されるものではなく、鉄鋳物系における黒鉛の一般的なサイズで良く、一般的には5〜500マイクロメートル、10〜300マイクロメートルが例示される。鉄系基地として、フェライト系、パーライト系、フェライトおよびパーライト混合系、オーステナイト系、ベイナイト系等が挙げられる。
ワーク1は鋳型10(砂鋳型)のキャビティ10cへ鋳鉄溶湯を注湯する注湯工程、キャビティ10c内で溶湯を凝固させる凝固工程、鋳型10とワーク1とを分離させる型ばらし工程、ショットやグリッド等の投射材等でワーク1に付着した砂を落とす砂落とし工程、バリ取り工程等を順に経たものである。ワーク1の表面1aは鋳型10の鋳物砂10sの跡が転写された鋳物肌とされているため、粗面化されている。更に、ワーク1の表面1aには、ショット等の投射材が投射されているため、ワーク1の表面1a(鋳物肌)は粗面化されている。
本出願人による従来工程に係る参考形態では、図2に示すように、鋳造されて砂落としされたワークについては、ワークに付着した油脂分を除去するために、ワークを湯(水)で洗う湯洗工程(水洗工程)、ワークを脱脂する脱脂工程、ワークに付着した脱脂剤を水洗する水洗工程、ワークの表面1aをリン酸系処理液により処理する表面調整工程、ワークの表面1aをリン酸塩処理することによりリン酸塩皮膜(リン酸亜鉛皮膜)を表面1aに形成する化成工程、化成工程を経たワークを水洗する水洗工程等といった前処理工程が、電着塗装工程の前に実施されている。参考形態では、これらの前処理工程は、ワークに被覆されている焼付塗膜の塗膜強度ひいては密着強度を高くするために実施されている。更に図2に示すように、参考形態では、電着塗装後に、電着塗装したワークを水洗する水洗工程(回収水洗)、ワークに被覆されている未硬化塗膜を熱風等で100〜130℃の温度で20〜60分間程度焼き付けて焼付塗膜を形成する焼付工程、焼付工程を経た焼付塗膜を水で冷却させる冷却工程が実施されている。
しかしながら本実施形態によれば、図3に示すように、鋳造されて砂落としされたワーク1を湯(水)で洗う湯洗工程(水洗工程)、ワーク1を脱脂する脱脂工程、ワーク1に付着した脱脂剤を水洗する水洗工程、ワーク1の表面1aをリン酸系処理液により処理する表面調整工程、ワーク1の表面1aをリン酸塩処理することによりリン酸塩皮膜(リン酸亜鉛皮膜)を表面1aに形成する化成工程、化成工程を経たワーク1を水洗する水洗工程等といった前処理工程は、電着塗装工程の前に実施されておらず、廃止されている。本実施形態でも、従来工程と同様に、図3に示すように、電着塗装後に、電着塗装したワーク1を水洗する水洗工程(回収水洗)、ワーク1に被覆されている未硬化塗膜2を焼き付けて焼付塗膜3を形成する焼付工程、焼付塗膜3を水で冷却させる冷却工程が実施されている。このように本実施形態では、ワーク1を湯(水)で洗う湯洗工程(水洗工程)、ワーク1を脱脂する脱脂工程、ワーク1に付着した脱脂剤を水洗する水洗工程、ワーク1の表面1aをリン酸系処理液により処理する表面調整工程、ワークの表面1aをリン酸塩処理することによりリン酸塩皮膜(リン酸亜鉛皮膜)を表面1aに形成する化成工程、化成工程を経たワーク1を水洗する水洗工程等といった前処理工程が廃止されている。これらの前処理工程は、前述したように、焼付塗膜3の塗膜強度を高め、ひいてはワーク1に対する密着強度を高くするために実施されるが、Tg温度よりも遙かに高温の加熱室47を用いてワーク1および未硬化塗膜2を遠赤外線で急速加熱させる本実施形態によれば、後述するように電着塗装前の上記した前処理工程を廃止したとしても、焼付塗膜3の塗膜強度ひいては密着強度を従来工程と同様に高く維持できるため、製造工程の簡素化および製造コストの低減の観点から、上記した多数の工程からなる前処理工程を廃止している。
このように本実施形態では、鋳造工程で形成されたワーク1に対して、湯洗工程や水洗工程、脱脂工程等といった前処理工程を実施することなく、電着塗装工程を実施する。電着塗装工程では、塗装槽の液状の塗料にワーク1の全体および電極を浸漬させ、ワーク1を陽極とし電極を負極とした状態で、塗料に浸漬されているワーク1と電極との間に直流電圧を印加させて直流電流を通電し、カチオン電着塗装を実施する。なお塗装槽自体を電極としても良い。電着塗装では、塗料は対極であるワーク1に向けて電気泳動し、ワーク1の表面1aに被着して未硬化塗膜2を形成する(図1(B)参照)。この場合、電着塗装としては適宜設定できるものの、直流電圧として100〜250V、120〜250Vが挙げられ、電流として1〜4アンペア、1.3〜2アンペアが挙げられ、電着時間は1〜6分間、2〜5分間が挙げられる。但しこれらに限定されるものではない。なお、電着時間を過剰にしても、未硬化塗膜2の形成によりワーク1の表面1aにおける導電性が損なわれるため、未硬化塗膜2は一定膜厚み以上は形成されない。このような電着塗装工程により、ワーク1の表面1aに未硬化塗膜2が被覆される(図1(B)参照)。未硬化塗膜2の厚みは電着塗装の条件によっても相違するが、好ましくは、5〜100マイクロメートル、7〜70マイクロメートル、10〜50マイクロメートルが挙げられる。未硬化塗膜2のうち樹脂成分は質量比で60%以上とすることができる。塗料の基体樹脂としてエポキシ樹脂系、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂等のように電着塗装で用いられる樹脂が挙げられる。必要に応じて、可塑剤、硬化剤、乳化剤、増粘剤、着色顔料を塗料に配合しても良い。
本出願人によれば、図3に示すように、電着塗装後において、ワーク1に対して水洗工程を実施し、余剰の塗料をワーク1の表面1aから除去する。次に焼付工程および冷却工程を実施する。焼付工程では加熱炉4が用いられる。加熱炉4は、例えば、図4および図5に示すように、加熱炉4は互いに分離可能なワーク設置台40と加熱炉本体46とを有することができる。ワーク設置台40は、支持脚部41aをもつ複数の脚41と、脚41に支持された断熱壁で形成された支持部42と、支持部42に保持されワーク1を保持する保持部44と、支持部42に設けられた遠赤外線ヒータ45とを有する。遠赤外線ヒータ45は、保持部44に保持されたワーク1の下側から遠赤外線を照射する。図4および図5に示すように、加熱炉本体46は、密閉室となる加熱室47を形成するセラミックス断熱材料で形成された断熱壁48a,48b,48c,48dを有する炉体48と、加熱室47に配置された加熱源としての複数の遠赤外線ヒータ49(遠赤外線の波長:3〜10マイクロメートル)とを有する。断熱壁48cは天井壁を形成する。断熱壁48a,48b,48dは側壁を形成すると共に、断熱壁48dに対面する断熱壁(図示せず)も側壁を形成する。
加熱室47へワーク1を出入する時間をなるべく短縮すべく、加熱室47の下面47dは開放されている。加熱された空気は上昇するため、加熱室47の熱気が逃げることが抑制され、加熱室47の温度が低下することが抑制され、ワーク1および未硬化塗膜2の加熱に貢献できる。炉体48には、ガイド用の拡開部48tを有するガイド48mが下方に延設されている。ワーク設置台40および加熱炉本体46のうちの少なくとも一方が高さ方向(矢印H方向)における一方向に相対移動して組み付けられるとき、ガイド48mは、ワーク設置台40の脚41に案内される。この場合、ワーク設置台40と加熱炉本体46との組付時間を短縮でき、ひいてはワーク1および未硬化塗膜2の加熱に有利である。未硬化塗膜2の焼付工程が完了したら、ワーク設置台40および加熱炉本体46のうちの少なくとも一方を高さ方向(矢印H方向)における逆方向に相対移動させることにより、加熱室47からワーク1および未硬化塗膜2を取り出す。この場合、ワーク設置台40と加熱炉本体46との組付解除時間を短縮でき、ひいてはワーク1および未硬化塗膜2が過熱されることが抑制され、未硬化塗膜2をTg温度直下に保持する焼付キープ時間をなるべく短縮できる。
遠赤外線ヒータ49は、複数個の上ヒータ49uと、複数個の第1側面ヒータ49sと、複数個の第2側面ヒータ49eと、複数個の第3側面ヒータ49fと、複数個の第4側面ヒータ(図示せず)を有する。遠赤外線ヒータ45,49から放射される遠赤外線は、未硬化塗膜2を構成する高分子材料である樹脂に対して浸透性が良い。以下、遠赤外線ヒータ49は遠赤外線ヒータ45を含む概念である。遠赤外線は、樹脂を基材とする未硬化塗膜2の厚み方向の内部に深く浸透する波長を有するため、遠赤外線を照射しない電気ヒータや熱風等に比較して、未硬化塗膜2の内部やワーク1の表面1a(未硬化塗膜2の底面)側からの加熱を実現できる。このため未硬化塗膜2の内部の硬化が進行していないのにもかかわらず、未硬化塗膜2の表面2aのみが優先的に過剰に硬化してしまうことが抑制される。従って、ワーク1の表面1aや未硬化塗膜2の内部に付着しており且つ欠陥の要因となり得る液相状の水分や液相状の溶剤等を気相化させ、未硬化塗膜2から排出させることができる。ここで、仮に、未硬化塗膜2の表面2aのみが優先的に硬化してしまう場合には、ワーク1の表面1aや未硬化塗膜2の内部に含まれている液相状の水分や液相状の溶剤等が気相化したとしても、未硬化塗膜2から排出されることが阻害され、ピンホールやクラック等の欠陥の要因となり、焼付塗膜3の品質が低下してしまうおそれがある。なお、遠赤外線は超遠赤外線も含む概念であり、波長3〜1000マイクロメートルの電磁波が挙げられる。殊に波長としては3〜100マイクロメートルが挙げられ、殊に3〜40マイクロメートルが挙げられる。
焼付工程では、図4に示すように、ワーク設置台40と加熱炉本体46とが高さ方向(矢印H方向)に分離している状態で、未硬化塗膜2を有するワーク1をワーク設置台40の保持部44に設置する。この場合、ワーク設置台40に設置されているワーク1は50℃以下であり、基本的には常温領域とされている。図4に示すように、加熱室47にワーク1を収容する前の段階においてワーク設置台40と加熱炉本体46とが互いに分離していたとしても、即ち、ワーク1を加熱室47に密閉させる前において、収容加熱炉本体46の遠赤外線ヒータ49のヒータ49u,49s,49e,49fはオンして加熱作動している。このため、加熱炉本体46の加熱室47はワーク1を収容しておらず、密閉室となっていないものの、未硬化塗膜2のTg温度よりも遙かに高温領域、即ち、350〜800℃の温度範囲、400〜750℃の温度範囲、450〜700℃の温度範囲に維持されている。この場合、未硬化塗膜2の材質等によっても相違するが、加熱室47の温度の上限値として800℃、750℃、700℃が挙げられ、更には、650℃、600℃、550℃、500℃、450℃が適宜挙げられる。加熱室47の温度の下限値として350℃、375℃、350℃、425℃が挙げられる。このようにワーク1および未硬化塗膜2の加熱性を考慮すると、加熱室47にワーク1を収容する直前の段階には、加熱室47の温度としては、ワーク1に被着されている未硬化塗膜2のTg温度以上またはTg温度直下の温度領域に維持しておくことが好ましい。
焼付工程では、上記した状態で、ワーク設置台40と加熱炉本体46とを高さ方向(矢印H方向)において相対的に接近させ、ワーク設置台40と加熱炉本体46とを組み付け、加熱室47の下面47dを閉鎖し、加熱室47にワーク1を収容させると共に加熱室47を密閉状態とし、遠赤外線ヒータ49の出力を増加させる。この場合、ワーク設置台40を上昇させても良いし、加熱炉本体46を下降させても良い。このようにワーク1を収容する加熱室47を密閉状態(図5参照)とすると、ワーク1を収容する加熱室47の室内温度を急激に昇温させることができる。従って、本実施形態に係る焼付工程では、加熱室47にワーク1を装入した時刻から、遠赤外線ヒータ49による加熱室47の室内温度の昇温速度は速い。昇温速度としては、80〜250℃/分間、100〜250℃/分間が好ましい。この場合、40〜125℃/30秒間、50〜225℃/30秒間が好ましい。図5では保持部44は図略されている。
このように本実施形態によれば、ワーク1に被着されている未硬化塗膜2は、これのTg温度の直下の温度(Tg温度よりも1〜20℃直下の温度)まで短時間(20秒〜4分間)のうちに昇温される。この場合、加熱炉本体46の加熱室47の目標温度、即ち、実際の室内温度(加熱室47の空気の温度)は、未硬化塗膜2のTg温度よりも遙かに高温である。具体的には、加熱室47の目標温度、即ち、実際の室内温度は未硬化塗膜2のTg温度よりも250℃以上(350℃以上、450℃以上)高温の領域である。このように加熱室47の室内温度は未硬化塗膜2のTg温度よりも遙かに高温であるため、未硬化塗膜2を熱劣化させるおそれがある。このため、焼付工程において、加熱室47の室内温度の上限値としては、未硬化塗膜2のTg温度よりも例えば650℃、700℃または750℃高温の温度が挙げられる。焼付工程においては、加熱室47の室内温度の上限値以上の高温には、昇温させない方が好ましい。加熱室47の室内温度は加熱室47に設置した温度センサにより検知することが好ましい。
このように本実施形態によれば、ワーク1の表面1aに被覆されている未硬化塗膜2を焼き付けるにあたり、加熱室47の室内温度を未硬化塗膜2のTg温度よりも遙かに高温(250℃以上高温)の領域に維持するため、未硬化塗膜2が加熱室47の温度により熱劣化するおそれがあるが、基本的には、焼付工程を極く短時間で行い、ワーク設置台40と加熱炉本体46とを高さ方向(矢印H方向)において相対的に離間させ、過剰に高温の加熱室47からワーク1を速やかに取り出す。即ち、ワーク1を加熱室47に装入した時刻から30秒間〜4分間(40秒間〜3分30秒間、50秒間〜3分間、60秒間〜2分30秒間)という極く短時間のうちに焼付工程を終えて加熱室47から取り出す。このため、ワーク1に被覆されている未硬化塗膜2自体をTg温度以上に長い時間(例えば5分以上)晒すことが抑制されている。仮に、未硬化塗膜2自体を加熱室47においてTg温度以上に瞬間的に加熱することがあるとしても、20秒以内、好ましく15秒以内、更に好ましくは10秒以内と極く短時間とすることが好ましい。このため加熱室47の未硬化塗膜2は遠赤外線で加熱されて熱硬化するものの、熱劣化は抑制されている。
加熱室47の高温維持、焼付時間の短縮などを考慮すると、加熱室47からワーク1を速やかに取り出すときにおいても、遠赤外線ヒータ49,45はオンされて遠赤外線の放射を継続させることが好ましい。但し、必要に応じて遠赤外線ヒータ49,45をオフさせても良い。
上記したように本実施形態によれば、遠赤外線ヒータから放射される遠赤外線の照射によりワーク1の表面1a、さらには、未硬化塗膜2の内部または底面(ワーク1の表面1a側)を含む未硬化塗膜2全体からの熱硬化をほぼ同時に実現できるため、焼付塗膜3の塗膜強度ひいてはワーク1に対する密着強度を向上させることができる。更に本実施形態によれば、未硬化塗膜2を有するワーク1を収容する加熱炉本体46の加熱室47の室内温度の目標温度(実際の温度)を未硬化塗膜2のTg温度よりも250℃以上の高温領域に設定し、未硬化塗膜2を効率よく熱硬化させる。この場合、未硬化塗膜2が熱劣化するおそれがあるが、その加熱時間は極く短時間であるため、ワーク1に被覆されている未硬化塗膜2の熱劣化が抑制される。
加えて本実施形態によれば、ワーク1は鉄鋳物が採用されている。鉄鋳物の鉄基地は金属であり、遠赤外線に対する反射性が高い。これに対して鉄基地に分散されている黒鉛は、鉄基地に対して遠赤外線の吸収性が高い。このため遠赤外線を用いる焼付工程において、未硬化塗膜2ばかりか黒鉛もワーク1の表面1aにおける遠赤外線の吸収により加熱に影響を与えると考えられる。すなわち、未硬化塗膜2を透過した遠赤外線はワーク1の表面1aに到達し、表面1aに存在する黒鉛にも吸収されると考えられる。このため、ワーク1の表面1aを効果的に迅速加熱でき、ワーク1の表面1aや未硬化塗膜2の内部に含まれている液相状の水分や液相状の溶剤等を気相化させて未硬化塗膜2から外方に速やかに排出させるのに有利であると考えられる。更に、鋳物系のワーク1の表面1aは鋳型面の鋳物砂の影響で表面粗さがプレス成形品に比較して粗く、粗面化されているため、アンカー効果により未硬化塗膜2とワーク1の表面1aとの密着性を高め得る。そればかりか、ワーク1の表面1aは粗面化されているため、未硬化塗膜2を透過した遠赤外線の吸収面積を増加させて遠赤外線の吸収性を更に高めることも期待でき、ワーク1の表面1aの加熱、さらには、表面1aに被覆されている未硬化塗膜2の内部または底面からの加熱に一層有利であり、水分や溶剤等を効率よく気相化させるのに有利であると考えられる。なお電着塗装後に実施される冷却工程では、加熱室47から取り出したワーク1をほぼ密閉状態の容器に装入し、ワーク温度を例えば100〜200℃付近まで徐冷させた後、ワーク1を容器から排出させて水冷させることができる。本実施形態によれば、横軸を時間とし、縦軸をワーク1の未硬化塗膜2の温度とするグラフが描かれるとき、ワーク1の未硬化塗膜2をTg温度直下の温度(Tg温度よりも1〜20℃低温,焼付工程における最高温度)まで昇温させると共に、その温度にキープする時間を0〜30秒以内とし(0〜20秒以内、ここで、時間0は、その温度に温度キープしないことを意味する)、その後、ワーク1の未硬化塗膜2を冷却させる。
以上説明したように本実施形態によれば、(i)遠赤外線の照射でワーク1および未硬化塗膜2を加熱させること(ii)加熱炉4の加熱室47の目標温度(実際の温度)をTg温度よりも遙かに高温としていること(iii)加熱時間を極く短時間としていること,を採用している。このため未硬化塗膜2の過熱および過熱に起因する熱劣化を誘発させること無く、ワーク1の表面1aや未硬化塗膜2の内部に存在する液相状の水分や液相状の溶剤等を気相化させて未硬化塗膜2から排出できる。電着塗装工程の前に実施される前処理工程を削減したとしても、焼付塗膜3の塗膜強度およびワーク1に対する密着強度を、前処理工程を実施する従来方法と同様に高めることができる。このため電着塗装工程の前に実施される前処理工程の削減を図るという本実施形態の課題を達成できる(図3参照)。
更に本実施形態によれば、焼付工程において、加熱室47の室内温度の目標温度が未硬化塗膜2のTg温度よりも遙かに高温側に設定された加熱炉4を用い、ワーク1を加熱室47に装入し、遠赤外線ヒータ49,45からの遠赤外線により加熱室47を未硬化塗膜2のTg温度よりも遙かに高温側に加熱すると共に、ワーク1を加熱室47に装入する装入した時刻を起点とし、30秒〜4分間で、ワーク1の未硬化塗膜2を加熱させて焼き付けることにしているため、焼付工程における焼付時間を短縮するという本実施形態の課題を達成でき(図3参照)、焼付工程の生産性を高めることができる。
(実施形態2)
図6は実施形態2を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成であり、同様な作用効果を有する。以下、相違する部分を中心として説明する。本実施形態では加熱炉4Bは連続炉であり、一端側に設けられた入口401と、他端側に設けられた出口402と、入口401と出口402との間に設けられた加熱室403と、ワーク1を係合させた状態で入口401から出口402にかけて搬送させる搬送要素404を有する。加熱室403には複数の遠赤外線ヒータ49が設けられている。加熱室403の温度は、未硬化塗膜2のTg温度よりも250℃以上(例えば350℃以上、450℃以上、500℃以上)の高温側に設定されている。
本実施形態においても、未硬化塗膜のTg温度よりも250℃以上の高温に維持されている加熱室47に入口401からワーク1を装入した時刻を起点とし、30秒〜4分間(60秒間〜3分間)で出口402からワーク1を取り出す。即ち、ワーク1を入口401から加熱室47に装入した時刻から、30秒間〜4分間(60秒間〜3分間)で、ワーク1の未硬化塗膜2をこれのTg温度の直下の温度(Tg温度よりも1〜20℃直下の温度)まで加熱させる。その後、その温度にキープする時間を0〜20秒以内とさせつつ、ワーク1を加熱室403の出口402から取り出し、未硬化塗膜2を冷却工程で冷却させる。冷却工程は実施形態1と同様にできる。
以上説明したように、本実施形態においても、焼付工程において、ワーク1に被着されている未硬化塗膜2は、これのTg温度の直下の温度(Tg温度よりも1〜20℃直下の温度)まで、加熱炉4Bへの装入時刻から極く短時間のうちに昇温される。この場合、加熱炉4Bの加熱室403の室内温度(加熱室403の空気の温度)は、実施形態1と同様に、未硬化塗膜2のTg温度よりも遙かに高温とされている。このように本実施形態によれば、実施形態1と同様に、ワーク1の未硬化塗膜2を焼き付けるにあたり、加熱室403の室内温度の目標温度(実際の温度)を未硬化塗膜2のTg温度よりも遙かに高温に維持するため、未硬化塗膜2が加熱室403の温度により熱劣化するおそれがあるが、基本的には、焼付工程を極く短時間で行い、加熱室403からワーク1を速やかに取り出すため、ワーク1に被覆されている未硬化塗膜2自体をTg温度以上に長い時間(例えば5分以上)加熱することが抑制されている。仮に、未硬化塗膜2自体をTg温度以上に加熱することがあるとしても、30秒以内、好ましく20秒以内、更に好ましくは10秒以内とごく短時間とされている。このため未硬化塗膜2は熱硬化するものの、熱劣化は抑制されている。
本実施形態においても、実施形態1と同様に、図3から理解できるように、ワーク1を湯(水)で洗う湯洗工程(水洗工程)、ワーク1を脱脂する脱脂工程、ワーク1に付着した脱脂剤を水洗する水洗工程、ワーク1の表面1aをリン酸系処理液により処理する表面調整工程、ワーク1の表面1aをリン酸塩処理することによりリン酸塩皮膜(リン酸亜鉛皮膜)を表面1aに形成する化成工程、化成工程を経たワーク1を水洗する水洗工程等といった前処理工程が廃止されている。上記した前処理工程を廃止したとしても、焼付塗膜3の塗膜強度ひいては密着強度を従来工程と同様に高く維持できるため、製造工程の簡素化および製造コストの低減の観点から、上記した多数の工程からなる前処理工程を廃止している。
(実施形態3)
本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成であり、同様な作用効果を有する。ワーク1の未硬化塗膜2を焼き付けるにあたり、加熱室47の室内温度を未硬化塗膜2のTg温度よりも遙かに高温に維持するため、未硬化塗膜2が加熱室47の温度により熱劣化するおそれがあるが、焼付工程を短時間で行い、加熱室47からワーク1を速やかに取り出すため、ワーク1に被覆されている未硬化塗膜2自体をTg温度以上に長い時間(例えば5分以上)加熱することが抑制され、未硬化塗膜2の熱劣化が抑制されている。以下、相違する部分を中心として説明する。
図7は、鉄鋳物で形成されているワーク1の厚み(ミリメートル)と未硬化塗膜2の昇温過程との関係を模式的に示す。図7の横軸は時間を示し、縦軸は未硬化塗膜2の温度を示す。図7において、特性線W1はワーク1の厚みが薄いとき(例えば8ミリメートル)における未硬化塗膜2の昇温過程を示す。特性線W2はワーク1の厚みが中程度のとき(例えば12ミリメートル)における未硬化塗膜2の昇温過程を示す。特性線W3はワーク1の厚みが厚いとき(例えば18ミリメートル)における未硬化塗膜2の昇温過程を示す。ワーク1の厚みが薄いと、ワーク1の熱容量が小さいため、ワーク1および未硬化塗膜2の昇温速度は増加する傾向がある。これに対してワーク1の厚みが厚いと、ワーク1の熱容量が大きいため、ワーク1および未硬化塗膜2の昇温速度は低下する傾向がある。このため未硬化塗膜2の昇温速度、即ち、加熱室47の目標温度はワーク1の厚みを考慮して設定することが好ましい。
本実施形態によれば、実施形態1と同様に、焼付工程における加熱室47の目標温度を未硬化塗膜2のTg温度よりも遙かに高温とする。具体的には、Tg温度よりも250℃以上、350℃以上、450℃以上、500℃以上の高温とする。但し、加熱室47の目標温度の上限値としては、未硬化塗膜2の熱劣化を抑制するため、Tg温度よりも700℃以上の高温とならないようにすることが好ましい。このように本実施形態によれば、加熱室47の温度を未硬化塗膜2のTg温度よりも遙かに高温とする。この場合、未硬化塗膜2が熱劣化するおそれがある。そこで、本実施形態によれば、図7に示すように、ワーク1の未硬化塗膜2の温度がこれのTg温度を超えないようにTg温度の直下付近(Tg温度の1〜20℃低温の領域)まで昇温させた後に、昇温温度にほとんど温度キープさせることなく、未硬化塗膜2を冷却させるために、昇温後に直ちに加熱室47からワーク1を取り出す。ワーク1に被覆されている焼付塗膜3の熱劣化を抑えるためである。このように焼付工程を短時間で済ませ得るため、焼付工程の生産性を高めることができる。未硬化塗膜2の温度はワーク1の表面温度を代用できる。
本実施形態においても、電着塗装工程の前に実施される前処理工程が廃止されている。上記した前処理工程を廃止したとしても、焼付塗膜3の塗膜強度ひいては密着強度を従来工程と同様に高く維持できるため、製造工程の簡素化および製造コストの低減の観点から、上記した多数の工程からなる前処理工程を廃止している。
(実施形態4)
本実施形態は実施形態1〜3と基本的には同様の構成であり、同様な作用効果を有する。ワーク1の未硬化塗膜2を焼き付けるにあたり、加熱室47の室内温度を未硬化塗膜2のTg温度よりも遙かに高温に維持する。
さて、実際のワーク1には厚肉品、中肉品、薄肉品と多種存在する。本実施形態によれば、各種のワーク1の様々な厚みに対応すべく、ワーク1に対する基準厚みのパラメータを採用し、基準厚みをδs(ミリメートル)とし、実際の厚みをδ(ミリメートル)とする。ワーク1の実際の厚みが厚い方が、同一材質および同一加熱条件であれば、ワーク1の熱容量が増加し、ワーク1が昇温しにくくなり、未硬化塗膜2の昇温速度が低下する傾向にある。ここで、焼付工程において、加熱炉4の加熱室47の目標とする設定温度をTs(℃)とし、昇温時間(加熱室47に装入してからワーク表面温度がTg温度の直下まで昇温する目標時間)をts(秒)とする。ここで、ワークの実際の厚みδが増加してδ/δsの値が増加するにつれて、加熱室47の設定温度Ts(℃)を上昇させること、昇温時間tsを増加させることが好ましい。換言すると、ワークの実際の厚みδが減少してδ/δsの値が減少するにつれて、加熱室47の設定温度Ts(℃)を降下させること、昇温時間tsを短縮させることが好ましい。
(実施形態5)
本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成であり、同様な作用効果を有する。ワーク1は、鉄合金(炭素量は質量比で0.8%以下)である炭素鋼または合金鋼のプレス成形品(厚み:1〜3ミリメートル)とされており、厚みは鋳物に比較して薄いため、ワーク1の熱容量は小さく、ワーク1の昇温速度、ひいてはワーク1の未硬化塗膜2の昇温速度は速い。このため加熱室47の目標温度(実際の温度)を、ワークが厚肉の鋳物の場合よりも、50〜150℃程度低くすることが好ましい。
本実施形態においても、実施形態1〜4と同様に、焼付工程における加熱室47の目標温度(実際の温度)を未硬化塗膜2のTg温度よりも遙かに高温とするが、未硬化塗膜2が熱劣化するおそれがあるため、ワーク1の未硬化塗膜2の温度がこれのTg温度を超えないようにTg温度の直下付近(Tg温度の10〜20℃低温の領域)まで昇温させた後に、その昇温温度にほとんど温度キープさせることなく、未硬化塗膜2を冷却させるために昇温後に直ちに加熱室47からワーク1を取り出す。このように焼付工程を短時間で済ませ得るため、焼付工程の生産性を高めることができる。本実施形態においても、電着塗装工程の前に実施される前処理工程が廃止されている。上記した前処理工程を廃止したとしても、焼付塗膜3の塗膜強度ひいては密着強度を従来工程と同様に高く維持できるため、製造工程の簡素化および製造コストの低減の観点から、上記した多数の工程からなる前処理工程を廃止している。
(実施形態6)
本実施形態は上記した実施形態と基本的には同様の構成であり、同様な作用効果を有する。ワーク1の未硬化塗膜2を焼き付けるにあたり、焼付工程における加熱室47の目標温度(実際の温度)を未硬化塗膜2のTg温度よりも遙かに高温とするが、未硬化塗膜2が熱劣化するおそれがある。このため、ワーク1の未硬化塗膜2の温度がこれのTg温度を超えないようにTg温度の直下付近(Tg温度の1〜20℃低温の領域)まで昇温させた後に、昇温温度にほとんど温度キープさせることなく、未硬化塗膜2を冷却させるために昇温後に直ちに加熱室47からワーク1を取り出す。このように焼付工程を短時間で済ませ得るため、焼付工程の生産性を高めることができる。但し、本実施形態では、電着塗装工程の前、図2に示す従来工程に係る前処理が実施されている。すなわち、図2に示すように、鋳造されて砂落としされたワークについては、ワークに付着した油脂分を除去するために、ワークを湯(水)で洗う湯洗工程(水洗工程)、ワークを脱脂する脱脂工程、ワークに付着した脱脂剤を水洗する水洗工程、ワークの表面1aをリン酸系処理液により処理する表面調整工程、ワーク1の表面1aをリン酸塩処理することによりリン酸塩皮膜(リン酸亜鉛皮膜)を表面1aに形成する化成工程、化成工程を経たワークを水洗する水洗工程等といった前処理工程が、電着塗装工程の前に実施されている。このため製造工程が複雑化しコスト高となる傾向がある。
(実施形態7)
本実施形態は上記した実施形態と基本的には同様の構成であり、同様な作用効果を有する。ワーク1はアルミニウム−シリコン系の鋳物(亜共晶組成、共晶組成または過共晶組成)で形成されている。更に、ワーク1の未硬化塗膜2を焼き付けるにあたり、焼付工程における加熱室47の目標温度(実際の温度)を未硬化塗膜2のTg温度よりも遙かに高温とする。但し未硬化塗膜2が熱劣化するおそれがあるため、ワーク1の未硬化塗膜2の温度がこれのTg温度を超えないようにTg温度の直下付近(Tg温度の10〜20℃低温の領域)まで昇温させた後に、昇温温度にほとんど温度キープさせることなく、未硬化塗膜2を冷却させるために昇温後に直ちに加熱室47からワーク1を取り出す。このように焼付工程を短時間で済ませ得るため、焼付工程の生産性を高めることができる。なお、焼付塗膜3の塗膜強度および密着強度が得られるため、図2に示す従来工程に係る前処理が削減されている。
上記した実施形態1に基づいて実施例を実施した。電着塗装で用いた塗料(デュポン神東株式会社製,型式:サクセード#80)を表1に示す。そして、塗料に浸漬されているワーク1と電極との間に直流電圧を印加させて直流電流を通電し、ワーク1に対してカチオン電着塗装を実施した。この場合、ワーク1は車両部品(デフキャリア,材質:球状黒鉛鋳鉄,FCD450、厚み8〜18ミリメートル)とし、直流電圧としては160Vとし、電流として1.5はアンペアとし、電着時間は3分間とし、未硬化塗膜2の厚みとしては15マイクロメートルとした。
Figure 2011252178
本実施例では、図3に示すように、ワーク1を湯(水)で洗う湯洗工程(水洗工程)、ワーク1を脱脂する脱脂工程、ワーク1に付着した脱脂剤を水洗する水洗工程、ワーク1の表面1aをリン酸系処理液により処理する表面調整工程、ワーク1の表面1aをリン酸塩処理することによりリン酸塩皮膜(リン酸亜鉛皮膜)を表面1aに形成する化成工程、水洗工程等といった電着塗装前に実施される前処理工程が廃止されていた。これらの工程は、ワーク1に対する焼付塗膜3の塗膜強度を高くするために実施される。しかし本実施例によれば、上記した前処理工程を廃止したとしても、焼付塗膜3の塗膜強度ひいては密着強度を従来工程と同様に高く維持できるため、製造工程の簡素化および製造コストの低減の観点から、上記した多数の前処理工程が廃止されている。そして、本実施例においては、表2に基づく条件で焼付工程を実施した。焼付工程では、図4および図5に示す加熱炉4を用い、焼付キープ時間は実質的になしとした。
Figure 2011252178
更に、実施例で形成した焼付塗膜3について物性値を測定した。この場合、加熱炉4で焼き付けした焼付塗膜3を水銀に浸漬させてワーク1から焼付塗膜3を剥がし、塗膜物性試験を実施した。未硬化塗膜2のTg温度については、引張り伸縮型の動的粘弾性測定装置(装置面:Rheovibron DDV-II-EA(オリエンテック)を用いて測定した。この装置は、試料に周期的な曲げの強制振動を与え、試料から逆に帰ってくる応力を作動トランスで試料の物性値を検出する。図8は測定例を示すグラフである。図8において、横軸は試料の温度を示し、左側の縦軸は弾性率を示し、右側の縦軸は位相差角を示す。この場合、外力と試料の歪みとの間には、時間軸において位相差δが発生し、試料の弾性率E’、損失弾性率E"、更にはtanδを検出できる。tanδのピーク値をTg温度(℃)とした。測定条件としては荷重を0.1g、試料サイズを2cm×0.3cmとし、周期を11Hzとし、昇温速度を3℃/minとし、測定温度範囲を室温〜250℃とした。これによりTg温度(℃)、架橋密度(mol/cm3)を求めた。架橋密度ν(mol/cm3)の計算は次の式に基づいて行った。
ν(mol/cm3)=Eh’/[3・φ・R・T]
ここで、Eh’は高温弾性率を示し、上記した装置で得られたグラフ(図8)の最低値とする。φはフロントファクターを示し、 架橋過程の特質、網目鎖間の距離に関する係数であり、理想的な網目構造ではφ=1.0となり、本計算ではφ=1.0とした。Rは気体定数(8.314×107 dyne・cm/mol)を示す。Tは高温弾性率を得たときの絶対温度である高温弾性率温度(°K)を示す。
例えば、Eh’=3.69×108 dyne・cm、フロントファクターφ=1.0、高温弾性率温度T=162℃としたとき、ν(mol/cm3)=Eh’/[3φRT]=(3.69×108 )÷[(3×1.0×(8.314×107)×(162+273)]=3.40(mol/cm3
更に比較例1,2についても同様に試験した。比較例1,2では、図2に示すように、ワーク1を湯または水で洗う湯洗工程(水洗工程)、ワーク1を脱脂する脱脂工程、ワーク1に付着した脱脂剤を水洗する水洗工程、ワーク1の表面1aをリン酸系処理液により処理する表面調整工程、ワーク1の表面1aをリン酸亜鉛により置き換える化成工程、化成工程の後の水洗工程といった前処理工程が電着塗装の前に実施し、更に、表2の比較例の欄に示す焼付条件で焼付工程を実施した。比較例1,2では遠赤外線の照射ではなく通常の電気ヒータを内蔵する電気炉でワークの未硬化塗膜を焼き付けて焼付塗膜を形成した。比較例1では加熱室の温度を130℃と低温とし、焼付キープ時間を20分間とした。比較例2では加熱室の温度を190℃と低温とし、焼付キープ時間を20分間とした。比較例1,2に係る焼付塗膜についても物性値を同様に測定した。
表2は、実施例および比較例の焼付条件および試験結果を示す。表2は試料名、加熱室47の目標温度、加熱室47に装入(常温領域)してから目標温度までの昇温時間(加熱室47への装入時刻から加熱室47からの取出時刻)、未硬化塗膜2の求めたTg温度(℃)、焼付塗膜3の求めた架橋密度を示す。
本実施例においては、試料1(実施例1)によれば、加熱室47の室内温度(650℃)は、未硬化塗膜2のTg温度(124℃)よりも526℃高温側に設定されている。試料2(実施例2)によれば、加熱室47の室内温度(600℃)は、未硬化塗膜2のTg温度(122℃)よりも478℃高温側に設定されている。試料3(実施例3)によれば、加熱室47の室内温度(550℃)は、未硬化塗膜2のTg温度(120℃)よりも430℃高温側に設定されている。試料4(実施例4)によれば、加熱室47の室内温度(600℃)は、未硬化塗膜2のTg温度(119℃)よりも481℃高温側に設定されている。試料5(実施例5)によれば、加熱室47の室内温度(550℃)は、未硬化塗膜2のTg温度(112℃)よりも438℃高温側に設定されている。試料6(実施例6)によれば、加熱室47の室内温度(500℃)は、未硬化塗膜2のTg温度(117℃)よりも383℃高温側に設定されている。
このように実施例に係る試料1〜6によれば、加熱室47の室内温度は、未硬化塗膜2のTg温度よりも350℃以上の高温側、殊に380℃以上の高温側に設定されている。そして加熱室47に装入した時刻(常温領域と考えられる)から、この温度まで、昇温時間2.0〜2.5分間という短時間で未硬化塗膜2を焼き付けている。従って、加熱室47の昇温速度は240〜300℃/分であり、かなり速いと考えられる。なお、実施例に係る試料1〜5によれば、加熱室47の加熱温度は、未硬化塗膜2のTg温度よりも350℃以上の高温側に設定されている。
表2から理解できるように、実施例に係る試料1〜6によれば、焼付塗膜3の架橋強度は、電着塗装前に実施される複数の前処理工程を廃止しているにも拘わらず、前処理工程を実施している比較例に係る試料1,2に係る焼付塗膜3の架橋強度と遜色はなかった。ワーク1に対する密着強度も同様である。
その理由としては、遠赤外線照射で未硬化塗膜2の内部や底面側(ワーク1の表面1a側)から加熱させていること、加熱室47の温度をTg温度よりも遙かに高温であり、ワーク1および未硬化塗膜2を加熱させていること、加熱室47の温度がTg温度よりも遙かに高温であるものの、焼付時間は極く短時間とされていること等が挙げられる。更には、ワーク1が鋳物系であるため、ワーク1の肉厚は板金プレス成形品よりも厚く、熱容量が大きい。熱容量が大きなワーク1であれば、加熱室47をTg温度よりも遙かに高温側の温度に加熱したとしても、未硬化塗膜2よりもワーク1側に伝熱される割合が多くなり、未硬化塗膜2の過剰加熱が抑制され、未硬化塗膜2の熱劣化が抑制される等が影響していると考えられる。更に、ワーク1が鉄基地に黒鉛が分散している鉄鋳物系であり、且つ、粗面化されているため、遠赤外線の吸収性が良く、ワーク1の表面1a側すなわち未硬化塗膜2の底面側から加熱できることが影響を与えていると考えられる。
(その他)
本発明は上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。
1はワーク、2は未硬化塗膜、3は焼付塗膜、4は加熱炉、40はワーク設置台、49は遠赤外線を示す。

Claims (5)

  1. 電着塗装で被覆された樹脂を基材とする未硬化塗膜が被覆された金属系のワークを用意する工程と、
    加熱室と前記加熱室に配置された遠赤外線ヒータとを有すると共に前記加熱室の室内温度の目標温度が前記未硬化塗膜のTg温度よりも250℃以上の高温側に設定された加熱炉を用い、
    前記未硬化塗膜が被覆された前記ワークを前記加熱炉の前記加熱室に装入し、前記遠赤外線ヒータからの遠赤外線により前記加熱室を前記未硬化塗膜のTg温度よりも250℃以上の高温側に加熱すると共に前記ワークの前記未硬化塗膜を加熱させ、且つ、前記ワークを前記加熱室に装入した装入時刻から30秒〜4分間で前記未硬化塗膜の焼き付けを終了する焼付工程と、
    その後、前記ワークの前記未硬化塗膜を常温領域に冷却させる冷却工程とを含むことを特徴とするワーク塗膜の製造方法。
  2. 請求項1において、前記加熱室の室内温度の目標温度が前記ワークの前記未硬化塗膜のTg温度よりも350℃以上の高温側に設定されていることを特徴とするワーク塗膜の製造方法。
  3. 請求項1または2において、前記ワークに被覆されている前記未硬化塗膜のTg温度は100〜150℃であり、前記焼付工程における前記加熱室の目標温度は350〜800℃であることを特徴とするワーク塗膜の製造方法。
  4. 請求項1〜3のうちの一項において、横軸を時間とし、縦軸を前記ワークに被覆されている前記未硬化塗膜の温度とするグラフが描かれるとき、前記ワークの前記未硬化塗膜をTg温度付近の温度(Tg温度に対してプラスマイナス20℃以内)まで昇温させると共に、その温度にキープする時間を0〜30秒以内とし、その後、前記ワークの前記未硬化塗膜を冷却させることを特徴とするワーク塗膜の製造方法。
  5. 請求項1〜4のうちの一項において、前記加熱炉は、前記ワークを保持する保持部をもつワーク設置台と、下面が開放され上方および側方が閉鎖された加熱室を形成する断熱材料で形成された断熱壁と前記加熱室に配置された遠赤外線ヒータとを有する加熱炉本体とを備えており、前記遠赤外線ヒータをオンさせた状態で、前記ワーク設置台および前記加熱炉本体のうちの少なくとも一方を高さ方向において一方向に相対移動させることにより、前記ワークを前記加熱室に収容させて前記ワークの前記未硬化塗膜を加熱して焼き付け、前記ワーク設置台および前記加熱炉本体のうちの少なくとも一方を高さ方向において逆方向に相対移動させることにより、前記加熱室から前記ワークを取り出すことを特徴とするワーク塗膜の製造方法。
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CN116203912A (zh) * 2023-05-06 2023-06-02 南京沪江复合材料股份有限公司 一种基于大数据的复合膜熟化生产线智能管理系统

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CN116203912A (zh) * 2023-05-06 2023-06-02 南京沪江复合材料股份有限公司 一种基于大数据的复合膜熟化生产线智能管理系统
CN116203912B (zh) * 2023-05-06 2023-07-21 南京沪江复合材料股份有限公司 一种基于大数据的复合膜熟化生产线智能管理系统

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