JP2011251929A - ヘアワックス - Google Patents
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Abstract
【課題】紫外線曝露により発生するフリーラジカルへの優れた消去能(即ち、理・美容施術上での良好な抗酸化力向上効果)を有し、必要によって優れたスタイル保持力、良好なコンディションをも併せ持つ性能を発揮することのできるヘアワックスを提供する。
【解決手段】本発明のヘアワックスは、少なくともセリシン、または溶液中において加熱処理を施したセリシンを配合したものであり、必要によって更に(a)キャンデリラロウとマイクロクリスタリンワックス、(b)プラチナと結合した加水分解蛋白質、(c)シリル化加水分解蛋白質、(d)ケフィラン、(e)アルギン酸オリゴ糖ナトリウム等を配合することができる。
【選択図】なし
【解決手段】本発明のヘアワックスは、少なくともセリシン、または溶液中において加熱処理を施したセリシンを配合したものであり、必要によって更に(a)キャンデリラロウとマイクロクリスタリンワックス、(b)プラチナと結合した加水分解蛋白質、(c)シリル化加水分解蛋白質、(d)ケフィラン、(e)アルギン酸オリゴ糖ナトリウム等を配合することができる。
【選択図】なし
Description
本発明は、毛髪を思い通りのスタイルに形成するためのヘアワックスに関するものであり、特に(1)紫外線曝露により発生するフリーラジカルの消去能や、(2)パーマネントウェーブ施術後の特異臭抑制能、(3)カラー処理やパーマネントウェーブ処理を受けた毛髪の補修能、等の特性を向上させるために使用されるヘアワックスに関するものである。
若い女性や男性を中心に毛髪に動きをつけるスタイルが一般化している。その多くの場合、動きをつけたい毛髪に、樹脂等を配合されたジェルやスプレー、また樹脂以外にロウをも配合されたワックス等のヘアワックスが用いられている。
パーマネントウェーブ施術により形成されたウェーブスタイルに、こうしたヘアワックスを用いると、ウェーブスタイルを効果的に楽しめるという利点がある。従って、パーマネントウェーブ後に使用するヘアワックスもこれまで数多く開発されてきている(例えば、非特許文献1、2)。ところが、これらのヘアワックスの多くは、パーマネントウェーブ処理後、すぐに使用すると、パーマネントウェーブ処理の特異臭が頭髪に残るという問題があり、特異臭の低減が改善できていないという課題がある。
アルカリ剤を含有したヘアカラーでは毛髪損傷が起こりやすく、これらの問題を解決すべく、平均分子量25000〜35000の加水分解ケラチンや、羊毛またはヒト毛髪から分離・精製されるゲル濾過カラムクロマトグラフィによる平均分子量測定値が11000の蛋白質および9700の蛋白質を含有する分子量8000〜12000の蛋白質組成物を配合したものであることを特徴とする化粧料も開発されている(例えば、特許文献1)。この化粧料を用いれば、ダメージを受けたヒト毛髪の損傷を修復・回復させ、必要によってまとまり感を向上できる。しかしながら、この化粧料は、紫外線の影響に関して言及しておらず、フリーラジカルによる毛髪損傷を抑制することができないという僅かな問題を有している。昨今、様々なライフスタイルを楽しむ女性は、非常に活動的であり、帽子を被ることなく屋外での時間を楽しむ可能性が高く、これまでのヘアワックスよりも優れた紫外線防止効果(フリーラジカル消去能)が望まれている。
シルクの構成物であるフィブロインやセリシン等の蛋白質を加熱することによる手法に関しては既に報告されている(例えば、特許文献2、3)。このうち特許文献2では、絹フィブロインの高熱処理に関して記載されているが、高熱処理対象がフィブロインであり、セリシン特有の保湿感が不十分である。また、特許文献3で示しているセリシンの加熱処理に関しては、工程の中にアルカリ処理を含んでいるため、製造上の簡便性が悪く、分子量が広範囲に分布していることも鑑み、効率よく毛髪内部へ浸透しにくいものと考えられていた。
ところで、ケフィランは、ユーラシア大陸のコーカサス地方で食されている複合発酵乳(ケフィア)から抽出される多糖類として知られている。こうしたケフィランに関しては、皮膚、頭皮および頭髪に使用することで保湿感が増すことが提案されている(例えば、特
許文献4)。しかしながら、ケフィランによる毛髪のまとまり感、帯電防止効果、スベリ
感等の向上に関しては、一切言及されていない。
許文献4)。しかしながら、ケフィランによる毛髪のまとまり感、帯電防止効果、スベリ
感等の向上に関しては、一切言及されていない。
「大人の愛されヘアカタログ vol.10」 株式会社ネコ・パブリッシング発刊、2010年2月23日発行、第78〜83頁
「an・an No.1687」マガジンハウス発刊、2009年12月9日発行、第20〜37頁
平均分子量25000〜35000の加水分解ケラチンや、羊毛またはヒト毛髪から分離・精製されるゲル濾過カラムクロマトグラフィによる平均分子量測定値が11000の蛋白質および9700の蛋白質を含有する分子量8000〜12000の蛋白質組成物を配合したものであることを特徴とする化粧料も開発されており(前記特許文献1)、非常に有効な知見ではあるが、紫外線曝露時に発生するフリーラジカルへの対応が不十分であった。
また、熱処理した絹フィブロインによる手法についても知られているが(前記特許文献2)、スタイル形成を持続させるための効果としては十分なものとはいえなかった。一方、特許文献3のように、セリシンの抗酸化力向上効果に関しては既に一部で知られているが、高分子量の蛋白質組成物を含有することから、毛髪へ効果的に作用しがたいものと考えられており、理・美容施術上での抗酸化力向上効果は期待できないものと考えられている。即ち、これまで提案されてきた化粧料では、抗酸化力向上効果を併せ持った商品が開発されていない実情がある。
理・美容室では、ヘアワックスを中心とした化粧料が最も流通している商品の一つであり、抗酸化力向上効果を併せ持ったヘアワックスの製品開発が所望されている。
本発明はこうした状況下でなされたものであり、その目的は、紫外線曝露により発生するフリーラジカルへの優れた消去能(即ち、理・美容施術上での良好な抗酸化力向上効果)を有し、必要によって優れたスタイル保持力、良好なコンディションをも併せ持つ性能を発揮することのできるヘアワックスを提供することにある。
上記目的を達成することができた本発明のヘアワックスとは、少なくともセリシン、または溶液中において加熱処理を施したセリシンを配合したものである点に要旨を有するものである。
本発明のヘアワックスにおいては、前記溶液中において加熱処理を施したセリシンの配合量が、ヘアワックス全体に占める割合で0.005〜1.1質量%であることが好ましい。これによって、スタイル形成時に毛髪への抗酸化力の付与効果と良好なコンディションを併せ持つ性能を発揮することができる。
本発明のヘアワックスにおいては、必要によって、(a)キャンデリラロウ(キャンデリラワックスとも呼ぶ)とマイクロクリスタリンワックス(マイクロクリスタリンロウとも呼ぶ)を含有すること、(b)その配合比を5:1〜1:5(質量割合)とすること、(c)前記キャンデリラロウとマイクロクリスタリンワックスの合計がヘアワックス全体に占める割合で0.45〜50質量%の割合で配合すること、等の要件を満足することが好ましく、こうした要件を満足させることによって、良好なスタイリング保持力と紫外線防御(フリーラジカル消去能)を中心とする毛髪補修効果を発揮させることができる。
また、本発明のヘアワックスには、プラチナと結合した加水分解蛋白質を配合することもでき、その配合量は、ヘアワックス全体に占める割合で0.001〜1.0質量%であることが望ましく、こうした要件を満足させることによって、各種理・美容室における化学的処理(ヘアカラー、ブリーチ、パーマ等)の特異臭の抑制効果を更に高めることができる。更に、シリル化加水分解蛋白質も配合することができ、その配合量は、ヘアワックス全体に占める割合で、0.0004〜0.04質量%であることが望ましく、こうした要件を満足させることによって、毛髪の補修効果とスタイリング効果を向上させることが可能となる。
毛髪のまとまり感、帯電防止効果、スベリ感を向上させるという観点から、本発明のヘアワックスに、ケフィランやアルギン酸オリゴ糖ナトリウムを配合することも有用である。
本発明によれば、セリシン、または溶液中において加熱処理を施したセリシンを配合することによって、優れた抗酸化力向上効果が発揮されると共に、必要によってキャンデリラロウとマイクロクリスタリンワックスを配合することで理想的なスタイリング保持力を有するヘアワックスが可能となり、更にはプラチナ結合加水分解蛋白質、シリル化加水分解蛋白質等を配合することによって、特異臭を抑制しつつ毛髪を補修できることが可能になり、ケフィランやアルギン酸オリゴ糖ナトリウムを配合することによって、まとまり感、帯電防止効果、すべり感の向上が可能になる。
本発明者らは、上記の課題を解決するために、様々な角度から検討を加えた。その結果、セリシンまたは溶液中において加熱処理を施したセリシン(以下、これらを総括して「セリシン」と呼ぶことがある)を含有するヘアワックスを毛髪へ塗布して使用することにより、優れた「抗酸化力」が付与できることを見出し、本発明を完成した。
セリシンは、生繭からシルクを製造する際に得られる副産物であり、シルク生産時には廃棄されていたが、現在ではその保湿感等により有効利用され始めている原料である。セリシンは、特殊な加圧器具により加工する技術が報告されているが、産業上簡易的な手法により加工される技術は未だ開発されていなかった。また、理・美容施術中での抗酸化力向上効果に着目した技術は、未だ見出されていなかった。
この様なセリシンについて、本発明者らが検討したところによれば、市販されているセリシン溶液を用い、化粧品の製造段階における加温工程(溶液中で加熱処理する工程)と、理・美容施術中での抗酸化力を向上させる方法を発見した。特に、理・美容施術では、ドライヤーを用いることがあり、これらの使用で大きく抗酸化力が向上することを見出し、その技術的意義が認められたので先に出願している(特願2009−61803号、同2009−61804号)。これらの技術では、ヘアアイロン等を用いて熱処理することによって、抗酸化力を向上させるものであり、こうした処理においてはその抗酸化力が有効に発揮されたものである。
本発明者らは、上記のような技術が完成された後においても、ヘアアイロンを使用しないヘアワックスへの適用可能性について検討した。その結果、ヘアアイロン等を用いて熱処理しない場合であっても(即ち、ヘアアイロンを使用しないヘアワックスに適用した場合であっても)、抗酸化力を向上させるためにセリシンが有用であることを見出し、本発明を完成した。
尚、「溶液中において加熱処理を施したセリシン」とは、水やブチレングリコール等の溶液でセリシンを常圧若しくは加圧下で70〜90℃程度の温度により加熱処理したものであり、こうした処理を施すことによって、セリシンが低分子化し、毛髪へ浸透しやすくなったものと考えられる。加熱処理前のセリシンの良好な分子量の範囲は5500〜40000であり、加熱処理によって、分子量が5500〜40000以下になっているものと考えられる。
上記のような効果を有効に発揮させるためには、溶液中において加熱処理を施したセリシンを使用する場合で、0.005質量%以上(ヘアワックス全体に占める割合)配合させることが好ましい。しかしながら、セリシンの配合量が過剰になると、ベタ付いてしまうため、1.1質量%以下(ヘアワックス全体に占める割合)とすることが好ましい。
溶液中において加熱処理を施したセリシン中には、完全に分解できていないセリシンを含むことから、適宜、適切な量を配合すれば良い。尚、市販されているセリシン溶液そのものは、溶液中において加熱処理を施したセリシンに比べて、その効果は若干劣るものとなるが、その後のドライヤー等などの加熱処理によって、同等の効果を発揮するものとなる。
本発明のへアワックスには、必要によってキャンデリラロウとマイクロクリスタリンワックスを配合することも有用である。これらを配合することは、スタイリング形成力を高めると共に、紫外線防御を中心とする毛髪補修効果を発揮する上で有効である。キャンデリラロウとマイクロクリスタリンワックスを配合する場合には、その配合比(質量割合)を5:1〜1:5(キャンデリラロウ:マイクロクリスタリンワックス)とすることが好ましい。
キャンデリラロウとマイクロクリスタリンワックスの合計配合量(総量)はヘアワックス全体に占める割合で0.45〜50質量%であることが好ましい。最低限のスタイリング形成力を発揮させるためには、総量が0.45質量%以上であることが好ましいが、総量が50質量%を超えると、非常に粘性が高く仕上がるため、消費者にとっては扱いにくいものとなる。
本発明のヘアワックスには、プラチナと結合した加水分解蛋白質を配合することも有用である。プラチナと結合した加水分解蛋白質を配合することによって、各種理・美容室における化学的処理(ヘアカラー、ブリーチ、パーマ等)の特異臭の抑制効果を高めることができる。こうした効果を発揮させるために、その配合量は、ヘアワックス全体に占める割合で0.001質量%以上とすることが好ましいが、1.0質量%を超えるとゴワゴワした手触りで感触が悪くなる。
本発明のヘアワックスには、シリル化加水分解蛋白質も配合することができ、毛髪の補修効果とスタイリング効果を向上させることが可能となる。こうした効果を発揮させるために、その配合量は、ヘアワックス全体に占める割合で、0.0004質量%以上とすることが好ましいが、0.04質量%を超えると、バリバリ感が増し感触が悪くなる。
本発明のヘアワックスには、上記の他、必要によって(a)ケフィラン、(b)アルギン酸オリゴ糖ナトリウム等の多糖類を配合することも有効であり、これによって毛髪のまとまり感、帯電防止効果、スベリ感を向上させることができる。
ケフィランは、毛髪へまとまり感、帯電防止効果、スベリ感を付与させるために有効である。こうした効果を発揮させるために、ケフィランの配合割合は、ヘアワックス全体に占める割合で0.00005質量%以上とすることが好ましい。しかしながら、ケフィランの配合割合が過剰になると、毛髪に塗布したときに毛髪がベタ付き、毛髪のコンディションが却って低下するので、0.5質量%以下(ヘアワックス全体に占める割合)とすることが好ましい。
アルギン酸オリゴ糖ナトリウムは、上記ケフィランと同様に、毛髪へまとまり感、帯電防止効果、スベリ感を付与させるために有効である。こうした効果を発揮させるために、アルギン酸オリゴ糖ナトリウムの配合割合は、ヘアワックス全体に占める割合で0.005質量%以上とすることが好ましい。しかしながら、アルギン酸オリゴ糖ナトリウムの配合割合が過剰になると、毛髪に塗布したときに毛髪がベタ付き、コンディションが却って低下するので、5質量%以下(ヘアワックス全体に占める割合)とすることが好ましい。
本発明のヘアワックスは、セリシン、または溶液中において加熱処理したセリシンを必須成分として含み、必要によって、キャンデリラロウ、マイクロクリスタリンワックス、プラチナと結合した加水分解蛋白質、シリル化加水分解蛋白質、ケフィラン、アルギン酸オリゴ糖ナトリウムを配合したものであるが、その他、ヘアワックスに含まれる通常の添加剤を含むものであっても良い。
こうした添加剤としては、油脂剤類、保湿剤類、蛋白質(上記した蛋白質を除く)および蛋白質加水分解物、高級アルコール類、シリコーン類、界面活性剤類、高分子類、樹脂類、増粘剤類、防腐剤類、pH調整剤・酸・アルカリ類、溶剤類等を配合することができる。
本発明のヘアワックスは、日常的に毛髪のスタイルを形成するために用いることができ、その剤型はクリーム状が最も良く、ミスト状、ゲル状、泡状、エアゾール状など種々のタイプが可能で、特に限定されるものではない。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
[実施例1]
(セリシン溶液の抗酸化力向上効果の検討)
この実施例で用いたセリシン溶液は、頭髪用医薬部外品および化粧品用原料として市販されているものとして、一丸ファルコス(株)製の「シルクゲンGソルブルS」(商品名:純分5.5%含有、平均分子量15000)である。
(セリシン溶液の抗酸化力向上効果の検討)
この実施例で用いたセリシン溶液は、頭髪用医薬部外品および化粧品用原料として市販されているものとして、一丸ファルコス(株)製の「シルクゲンGソルブルS」(商品名:純分5.5%含有、平均分子量15000)である。
上記セリシン溶液を用い、下記表1に示す実験No.2〜5の方法により、抗酸化力の向上効果を検討した。尚、実験No.2〜5は、夫々下記の加熱処理1〜4の工程を含んでいる。
加熱処理1…常圧下(0.1MPa)で80℃の熱を1時間加えた。
加熱処理2…耐熱瓶(メディウム瓶)にセリシン溶液を入れ、オートクレーブを用い、
加熱処理を行なった(0.2MPa、121℃、20分間)。
加熱処理3…密閉式高温高圧瓶にセリシン溶液を入れ、オートクレーブを用い、加熱処
理を行なった(0.6MPa、160℃、20分間)。
加熱処理4…密閉式高温高圧瓶にセリシン溶液を入れ、オートクレーブを用い、加熱処
理を行なった(1.5MPa、200℃、20分間)。
加熱処理1…常圧下(0.1MPa)で80℃の熱を1時間加えた。
加熱処理2…耐熱瓶(メディウム瓶)にセリシン溶液を入れ、オートクレーブを用い、
加熱処理を行なった(0.2MPa、121℃、20分間)。
加熱処理3…密閉式高温高圧瓶にセリシン溶液を入れ、オートクレーブを用い、加熱処
理を行なった(0.6MPa、160℃、20分間)。
加熱処理4…密閉式高温高圧瓶にセリシン溶液を入れ、オートクレーブを用い、加熱処
理を行なった(1.5MPa、200℃、20分間)。
実験No.1に関しては、加熱処理を行なわずに、下記のDPPH消去力(抗酸化力)の測定を行なった。上記4種類の加熱処理を含む実験No.2〜5の加熱処理を行い、夫々について下記のDPPH消去力(抗酸化力)の測定を行なった。
(抗酸化力の測定:DPPH−VIS法)
DPPH(1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル)は、それ自体が安定な紫色(520nm付近に最大吸収をもつ)のラジカル物質であり、抗酸化物質(水素供与体)が存在すると、水素を奪って非ラジカル体(淡黄色)に変化し、紫色が次第に退色する。その退色度合いを分光光度計で測定し、ラジカル消去能を評価する方法がDPPH−VIS法である。DPPH−VIS法は、スーパーオキシド消去能(活性酸素消去能)と高い相関関係(r=0.9867)が認められる。
・A:各試料(実験No.1〜5で得られた各セリシン溶液)2mL(ミリリットル)と150μM・DPPHエタノール溶液2mLを混合し、30分反応後の吸光度を測定した(測定波長:520nm)。
・B:各試料(実験No.1〜5で得られた各セリシン溶液)2mLと溶媒であるエタノール2mLを混合し、30分反応後の吸光度を測定した(測定波長:520nm)。
・C:150μM・DPPHエタノール溶液2mLと超純水2mLを混合し、30分反応後の吸光度を測定した(測定波長:520nm)。
DPPH(1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル)は、それ自体が安定な紫色(520nm付近に最大吸収をもつ)のラジカル物質であり、抗酸化物質(水素供与体)が存在すると、水素を奪って非ラジカル体(淡黄色)に変化し、紫色が次第に退色する。その退色度合いを分光光度計で測定し、ラジカル消去能を評価する方法がDPPH−VIS法である。DPPH−VIS法は、スーパーオキシド消去能(活性酸素消去能)と高い相関関係(r=0.9867)が認められる。
・A:各試料(実験No.1〜5で得られた各セリシン溶液)2mL(ミリリットル)と150μM・DPPHエタノール溶液2mLを混合し、30分反応後の吸光度を測定した(測定波長:520nm)。
・B:各試料(実験No.1〜5で得られた各セリシン溶液)2mLと溶媒であるエタノール2mLを混合し、30分反応後の吸光度を測定した(測定波長:520nm)。
・C:150μM・DPPHエタノール溶液2mLと超純水2mLを混合し、30分反応後の吸光度を測定した(測定波長:520nm)。
吸光度の測定には、分光光度計「UV−2550」(商品名:(株)島津製作所製)を用いた。そして下記(1)式によって、DPPHに対するラジカル消去力を求めた。
DPPH消去力={C−(A−B)}/C×100 …(1)
但し、A:分析試料溶液の吸光度
B:分析試料溶液のブランクの吸光度
C:コントロール溶液の吸光度
DPPH消去力={C−(A−B)}/C×100 …(1)
但し、A:分析試料溶液の吸光度
B:分析試料溶液のブランクの吸光度
C:コントロール溶液の吸光度
実験No.1(セリシン溶液)のDPPH消去力の実測値を100に換算し、各試料との比較を行なった。つまり、セリシン溶液のみのDPPH消去力をE(実測値)として、下記(2)式により各実験(試料)におけるDPPH消去力を算出した。
各試料のDPPH消去力=〔{C−(A−B)}/C×100〕/E×100…(2)
各試料のDPPH消去力=〔{C−(A−B)}/C×100〕/E×100…(2)
(DPPH消去力の評価基準)
◎:120以上
○:110以上、120未満
△:100以上、110未満
×:100未満
◎:120以上
○:110以上、120未満
△:100以上、110未満
×:100未満
(加熱処理工程における簡便性の評価)
下記表1に示した「加熱処理工程の簡便性」とは、化粧品の製造レベルにおいて、応用できるかどうかを示している。設備投資の必要性も判断材料に下記の基準で評価したものである。
下記表1に示した「加熱処理工程の簡便性」とは、化粧品の製造レベルにおいて、応用できるかどうかを示している。設備投資の必要性も判断材料に下記の基準で評価したものである。
(簡便性の評価基準)
○:生産設備への投資が必要なく、工程も簡易であり、非常に簡便性が良い。
×:生産設備への投資等が必要であり、また、各工程の処理が複雑で、非常に簡便性が悪い。
○:生産設備への投資が必要なく、工程も簡易であり、非常に簡便性が良い。
×:生産設備への投資等が必要であり、また、各工程の処理が複雑で、非常に簡便性が悪い。
これらの結果を、下記表1に示す。
この結果から、次のように考察できる。セリシン溶液に各種加熱処理を加えることによって、抗酸化力が向上することが分かる(実験No.2〜5)。但し、実際の化粧品の製造現場を考慮すると、オートクレーブを用いた高温高圧下での加熱処理を含む工程では、いずれも簡便性に欠けることになる(実験No.3〜5)。従って、セリシン溶液の抗酸化力向上効果と、製造工程の簡便性の両者を考慮すると、上記「加熱処理1」(実験No.2)が最も現実的である。
[実施例2]
(毛髪への抗酸化力付与効果の検討)
実施例1で得られた実験No.2のセリシン溶液(以下、「試料A」とする)を毛髪に塗布し、抗酸化力向上の検討を行なった。化学的処理(ヘアカラー処理やパーマネントウェーブ処理等)を施していない毛髪0.2gに試料A:0.2gを塗布し、下記表2の実験No.6に示す工程を実施した。また、実験No.6に示す室温乾燥を以下に示す。
(毛髪への抗酸化力付与効果の検討)
実施例1で得られた実験No.2のセリシン溶液(以下、「試料A」とする)を毛髪に塗布し、抗酸化力向上の検討を行なった。化学的処理(ヘアカラー処理やパーマネントウェーブ処理等)を施していない毛髪0.2gに試料A:0.2gを塗布し、下記表2の実験No.6に示す工程を実施した。また、実験No.6に示す室温乾燥を以下に示す。
室温乾燥…室温(20℃)で24時間放置
上記の加熱処理を含む工程を実施し、DPPH消去力を下記の方法によって測定すると共に、「加熱処理工程における簡便性」について実施例1と同様に評価した。その結果を、下記表2に示す。
(DPPH−VIS法:毛髪を測定する場合)
実験No.6で得られた毛髪を以下の工程により測定した。
・G:処理毛髪と150μM・DPPHエタノール溶液2mLを混合し、30分反応後の吸光度を測定した(測定波長:520nm)。
・H:処理毛髪と溶媒であるエタノール2mLを混合し、30分反応後の吸光度を測定した(測定波長:520nm)。
・C:150μM・DPPHエタノール溶液2mLと超純水2mLを混合し、30分反応後の吸光度を測定した(測定波長:520nm)。
このとき吸光度の測定には、分光光度計「UV−2550」(商品名:(株)島津製作所製)を用いた。
実験No.6で得られた毛髪を以下の工程により測定した。
・G:処理毛髪と150μM・DPPHエタノール溶液2mLを混合し、30分反応後の吸光度を測定した(測定波長:520nm)。
・H:処理毛髪と溶媒であるエタノール2mLを混合し、30分反応後の吸光度を測定した(測定波長:520nm)。
・C:150μM・DPPHエタノール溶液2mLと超純水2mLを混合し、30分反応後の吸光度を測定した(測定波長:520nm)。
このとき吸光度の測定には、分光光度計「UV−2550」(商品名:(株)島津製作所製)を用いた。
下記(3)式より、DPPHに対するラジカル消去力を求めた。
DPPH消去力={C−(G−H)}/C×100 …(3)
但し、G:試料溶液の吸光度
H:試料溶液のブランクの吸光度
C:コントロール溶液の吸光度
DPPH消去力={C−(G−H)}/C×100 …(3)
但し、G:試料溶液の吸光度
H:試料溶液のブランクの吸光度
C:コントロール溶液の吸光度
実験No.1(セリシン溶液)のDPPH消去力の実測値を100に換算し、試料との比較を行なった。つまり、セリシン溶液のみのDPPH消去力をE(実測値)として、下記(4)式により実験(試料)におけるDPPH消去力を算出した。DPPH消去力の評価基準は上記と同じである。
試料のDPPH消去力=〔{C−(G−H)}/C×100〕/E×100…(4)
尚、未処理毛の抗酸化力(DPPH消去力)は70であった。
試料のDPPH消去力=〔{C−(G−H)}/C×100〕/E×100…(4)
尚、未処理毛の抗酸化力(DPPH消去力)は70であった。
この結果から、次のように考察できる。加熱処理を施したセリシン溶液を毛髪に塗布し、室温乾燥して使用することによって、毛髪に抗酸化力を付与できることが分かる。
[実施例3]
(ブリーチ処理毛の作製)
化学的処理を全く受けていない毛髪に下記のブリーチ処理を施して処理毛を作製し、その毛髪について、下記表3に示すヘアワックスを用いて処理したときの毛髪の抗酸化力および毛髪のコンディションを評価した。
(ブリーチ処理毛の作製)
化学的処理を全く受けていない毛髪に下記のブリーチ処理を施して処理毛を作製し、その毛髪について、下記表3に示すヘアワックスを用いて処理したときの毛髪の抗酸化力および毛髪のコンディションを評価した。
下記表3において、試料Bは平均分子量が30000の加水分解ケラチン[10質量%含有物:「プロティキュート Uアルファ」 一丸ファルコス(株)製]であり、試料Cは平均分子量が10000の蛋白質組成物[20質量%含有物:「プロモイスWK−GB」 (株)成和化成製]である。ゴマ由来シリル化加水分解蛋白質は平均分子量が1100の蛋白質組成物[20質量%含有物:プロモイスGOMA−SIG」 (株)成和化成製]であり、試料Dは、プラチナと結合した加水分解蛋白質[20質量%含有物:「プラチナケラチン」 (株)ジョーゼン製]である。尚、前記「プラチナケラチン」は、ナノ粒子のプラチナ(配合濃度50ppm)の周りに低濃度のケラチン(配合量20%)が局在し、毛髪への浸透性が非常に高い成分である。
(ブリーチ処理)
トーナーブリーチパウダーEX(粉末ブリーチ剤:中野製薬株式会社製)とキャラデコオキサイドEX06(過酸化水素系酸化剤:中野製薬株式会社製)を1:3(質量比)となるように混合したブリーチ剤を、毛髪に質量比1:1の割合で塗布し、30℃、30分間の条件で処理した後、10質量%のSDS溶液(ドデシル硫酸ナトリウム溶液)によって洗浄し、その後、乾燥した。この工程を3回実施した試料を以下の実験に用いた。
トーナーブリーチパウダーEX(粉末ブリーチ剤:中野製薬株式会社製)とキャラデコオキサイドEX06(過酸化水素系酸化剤:中野製薬株式会社製)を1:3(質量比)となるように混合したブリーチ剤を、毛髪に質量比1:1の割合で塗布し、30℃、30分間の条件で処理した後、10質量%のSDS溶液(ドデシル硫酸ナトリウム溶液)によって洗浄し、その後、乾燥した。この工程を3回実施した試料を以下の実験に用いた。
(DPPH−VIS法:毛髪を測定する場合)
下記表3に示す処方例1〜7の各試料0.2gを上記ブリーチ処理毛0.2gに塗布し、ドライヤーで乾燥後に実施例2と同様に毛髪の抗酸化力(DPPH消去力)を評価した。
下記表3に示す処方例1〜7の各試料0.2gを上記ブリーチ処理毛0.2gに塗布し、ドライヤーで乾燥後に実施例2と同様に毛髪の抗酸化力(DPPH消去力)を評価した。
(コンディションの官能評価方法)
上記ブリーチ処理毛0.2gに、下記表3に示した各試料(処方例1〜7)を0.2g塗布し、ドライヤーで乾燥後に毛髪表面のコンディション(指通り)を評価した。その際、毛髪表面のコンディション(指通り)を、専門のパネラー10名で以下の3段階(評価点:1〜3点)で官能評価し、その合計を求め下記の基準で評価した。その結果を下記表3に併記する。
3点…処理前と比較し、明らかに指通りが良くなった。
2点…処理前と比較し、少し指通りが良くなった。
1点…処理前と比較し、指通りが良くならなかった。
上記ブリーチ処理毛0.2gに、下記表3に示した各試料(処方例1〜7)を0.2g塗布し、ドライヤーで乾燥後に毛髪表面のコンディション(指通り)を評価した。その際、毛髪表面のコンディション(指通り)を、専門のパネラー10名で以下の3段階(評価点:1〜3点)で官能評価し、その合計を求め下記の基準で評価した。その結果を下記表3に併記する。
3点…処理前と比較し、明らかに指通りが良くなった。
2点…処理前と比較し、少し指通りが良くなった。
1点…処理前と比較し、指通りが良くならなかった。
[コンディションの評価基準]
◎:26〜30点
○:21〜25点
△:16〜20点
×:10〜15点
◎:26〜30点
○:21〜25点
△:16〜20点
×:10〜15点
この結果より、試料Aを0.1〜20.0質量%(純分換算:0.0055〜1.1質量%)で配合したヘアワックスを用いた場合には、毛髪への抗酸化力付与効果が大きくなり、且つ良好なコンディションを付与できることが分かる。また、試料Aの配合量が少なくなると(処方例1)、毛髪への抗酸化力付与効果が小さくなり、逆に多過ぎると(処方例7)ベタツキ感が生じてしまうことが分かる。
[実施例4]
実施例3と同様にしてブリーチ処理した毛髪について、下記表4、表5に示したヘアワックス(処方例8〜21)を用いて処理したときの毛髪のスタイリング形成力について、下記の各方法によって評価した。尚、下記表4は、キャンデリラロウとマイクロクリスタリンワックスとの比(質量割合)がスタイリング形成力に与える影響について調査したものであり、下記表5はキャンデリラロウとマイクロクリスタリンワックスの合計含有量(総量)がスタイリング形成力に与える影響について調査したものである。
実施例3と同様にしてブリーチ処理した毛髪について、下記表4、表5に示したヘアワックス(処方例8〜21)を用いて処理したときの毛髪のスタイリング形成力について、下記の各方法によって評価した。尚、下記表4は、キャンデリラロウとマイクロクリスタリンワックスとの比(質量割合)がスタイリング形成力に与える影響について調査したものであり、下記表5はキャンデリラロウとマイクロクリスタリンワックスの合計含有量(総量)がスタイリング形成力に与える影響について調査したものである。
(スタイリング形成力の評価)
上記ブリーチ処理毛1.5gに対し、ヘアワックスを塗布し(1.5g)、ロッドに巻き付けた。その後、室温(20℃)で1時間放置した後(湿度:60%)、30分後にロッドを外した際のスタイリング形成力を比較した。スタイリングを形成した直後の長さ(自然長)を100%とし、30分後の各処理毛の長さを数値化し、下記の基準で評価した。
上記ブリーチ処理毛1.5gに対し、ヘアワックスを塗布し(1.5g)、ロッドに巻き付けた。その後、室温(20℃)で1時間放置した後(湿度:60%)、30分後にロッドを外した際のスタイリング形成力を比較した。スタイリングを形成した直後の長さ(自然長)を100%とし、30分後の各処理毛の長さを数値化し、下記の基準で評価した。
[スタイリング形成力の評価基準]
◎:100%以上、106%未満
○:106%以上、110%未満
△:110%以上、116%未満
×:116%以上
◎:100%以上、106%未満
○:106%以上、110%未満
△:110%以上、116%未満
×:116%以上
スタイリング形成力については、専門のパネラー10名により下記の基準で評価した(パネラー評価)。
[スタイリング形成力の評価点]
3点…スタイリング形成直後と比較し、何ら変化がないくらいスタイルが維持できた。
2点…スタイリング形成直後と比較し、少しスタイルが維持できなかった。
1点…スタイリング形成直後と比較し、スタイルが維持できなかった。
3点…スタイリング形成直後と比較し、何ら変化がないくらいスタイルが維持できた。
2点…スタイリング形成直後と比較し、少しスタイルが維持できなかった。
1点…スタイリング形成直後と比較し、スタイルが維持できなかった。
[スタイリング形成力の評価基準]
◎:26〜30点
○:21〜25点
△:16〜20点
×:10〜15点
◎:26〜30点
○:21〜25点
△:16〜20点
×:10〜15点
その結果を、表4、表5に併記する。
表4から次の様に考察できる。即ち、キャンデリラロウとマイクロクリスタリンワックスの質量比で5:1よりもキャンデリラロウが多くなったり(処方例8、9)、1:5よりもマイクロクリスタリンワックスが多くなると(処方例13、14)、十分なスタイリング形成力が得られないことが分かる。
また表5から次の様に考察できる。キャンデリラロウおよびマイクロクリスタリンワックスの総量で、0.45質量%未満になったり(処方例15)、50質量%より多くなると(処方例21)、十分なスタイリング形成力が得られないことが分かる。
[実施例5]
実施例3と同様にブリーチ処理した毛髪について、下記表6に示したヘアワックス(処方例22〜28)を用いて処理したときの毛髪のコンディションを実施例3と同様にして評価すると共に、プラチナ結合加水分解蛋白質によるパーマ臭抑制能について、下記の方法によって評価した。
実施例3と同様にブリーチ処理した毛髪について、下記表6に示したヘアワックス(処方例22〜28)を用いて処理したときの毛髪のコンディションを実施例3と同様にして評価すると共に、プラチナ結合加水分解蛋白質によるパーマ臭抑制能について、下記の方法によって評価した。
(パーマ臭抑制能の評価方法)
実施例3と同様にブリーチ処理した毛髪(0.2g)を直径:12mmのロッドに巻き付けて、輪ゴムで固定した。カールエックス チオポジットノーマル第1剤(チオグリコール酸系還元剤:中野製薬株式会社製)に30秒間浸漬(浴比1:1)し、その溶液から取り出した後、30℃で15分間放置した。その後、十分に水洗した後、カールエックス チオポジットノーマル第2剤(臭素酸系酸化剤:中野製薬株式会社製)に30秒間浸漬(浴比1:1)し、その溶液から取り出し、30℃で10分間放置した。引き続き、水洗し、ロッドから毛髪を外し、乾燥後、処方例22〜28の試料(0.2g)を塗布し、臭気箱に処理した毛髪を入れ、特異臭を測定し、パーマ臭抑制能の評価を実施した。特異臭測定に際しては、(株)ガステック製の検知管(GASTEC 気体検知管、RSH、H2S、SO2用)を使用し、下記の基準で評価した。
実施例3と同様にブリーチ処理した毛髪(0.2g)を直径:12mmのロッドに巻き付けて、輪ゴムで固定した。カールエックス チオポジットノーマル第1剤(チオグリコール酸系還元剤:中野製薬株式会社製)に30秒間浸漬(浴比1:1)し、その溶液から取り出した後、30℃で15分間放置した。その後、十分に水洗した後、カールエックス チオポジットノーマル第2剤(臭素酸系酸化剤:中野製薬株式会社製)に30秒間浸漬(浴比1:1)し、その溶液から取り出し、30℃で10分間放置した。引き続き、水洗し、ロッドから毛髪を外し、乾燥後、処方例22〜28の試料(0.2g)を塗布し、臭気箱に処理した毛髪を入れ、特異臭を測定し、パーマ臭抑制能の評価を実施した。特異臭測定に際しては、(株)ガステック製の検知管(GASTEC 気体検知管、RSH、H2S、SO2用)を使用し、下記の基準で評価した。
[評価基準]
◎:検知管の値が0.5未満
○:検知管の値が0.5以上、1.0未満
△:検知管の値が1.0以上、2.0未満
×:検知管の値が2.0以上
◎:検知管の値が0.5未満
○:検知管の値が0.5以上、1.0未満
△:検知管の値が1.0以上、2.0未満
×:検知管の値が2.0以上
また、パーマ臭抑制能については、専門のパネラー10名により下記の評価基準でも判断した(パネラー評価)。
[パネラーによるパーマ臭抑制能]
3点…特異臭を感じなかった。
2点…特異臭を少し感じた。
1点…特異臭を感じた。
[パネラーによるパーマ臭抑制能]
3点…特異臭を感じなかった。
2点…特異臭を少し感じた。
1点…特異臭を感じた。
[パーマ臭抑制能の評価基準]
◎:26〜30点
○:21〜25点
△:16〜20点
×:10〜15点
◎:26〜30点
○:21〜25点
△:16〜20点
×:10〜15点
その結果を、表6に併記する。
表6から次のように考察できる。表6の処方例23〜28であれば、パーマ臭が抑制できていることが分かる。但し、塗布後のコンディションをも考慮すると、処方例23〜27が適切な範囲である。プラチナ結合加水分解蛋白質(試料D)の濃度が高くなれば、蛋白質のバサツキ感が強くなり(処方例28)、コンディションが悪くなる傾向にある。
[実施例6]
実施例3と同様にブリーチ処理した毛髪について、下記表7に示した各試料(処方例29〜35)を用いて処理したときの毛髪のコンディションを実施例3と同様にして評価すると共に、処理後の毛髪の破断強度について下記の方法によって測定した。
実施例3と同様にブリーチ処理した毛髪について、下記表7に示した各試料(処方例29〜35)を用いて処理したときの毛髪のコンディションを実施例3と同様にして評価すると共に、処理後の毛髪の破断強度について下記の方法によって測定した。
(破断強度測定用毛髪の作製)
上記ブリーチ処理毛0.2gに対し、各試料0.2gを塗布し、ドライヤーにて乾燥後、スタイルを形成した。その後、シャンプー処理(10%SDS溶液:ドデシル硫酸ナトリウム溶液)による付着物の除去を行い乾燥した。こうした一連の手順を一工程として3回(三工程)の処理を行った毛髪について、破断強度を測定した。このときの破断強度測定方法は下記の通りである。
上記ブリーチ処理毛0.2gに対し、各試料0.2gを塗布し、ドライヤーにて乾燥後、スタイルを形成した。その後、シャンプー処理(10%SDS溶液:ドデシル硫酸ナトリウム溶液)による付着物の除去を行い乾燥した。こうした一連の手順を一工程として3回(三工程)の処理を行った毛髪について、破断強度を測定した。このときの破断強度測定方法は下記の通りである。
(破断強度測定方法)
上記処理を施した毛髪を任意に選び、「毛髪直径計測システム」(カトーテック(株)製)により毛髪の直径[長径(mm)および短径(mm)]を計測し、横断面積(mm2)を下記(5)式より求めた。次に、卓上型材料試験機「テンシロン STA−1150」 (株)オリエンテックス製)を用い、上記試料毛髪の水中における引張り破断値(cN)の測定を行った。その後、横断面積(mm2)当りの引張り破断値(cN)を算出することによって、破断強度(cN/mm2)を求めた(n=20)。このときの評価基準は下記の通りである。その結果を、下記表7に併記する。
横断面積(mm2)=(π/4)×長径(mm)×短径(mm)…(5)
上記処理を施した毛髪を任意に選び、「毛髪直径計測システム」(カトーテック(株)製)により毛髪の直径[長径(mm)および短径(mm)]を計測し、横断面積(mm2)を下記(5)式より求めた。次に、卓上型材料試験機「テンシロン STA−1150」 (株)オリエンテックス製)を用い、上記試料毛髪の水中における引張り破断値(cN)の測定を行った。その後、横断面積(mm2)当りの引張り破断値(cN)を算出することによって、破断強度(cN/mm2)を求めた(n=20)。このときの評価基準は下記の通りである。その結果を、下記表7に併記する。
横断面積(mm2)=(π/4)×長径(mm)×短径(mm)…(5)
[毛髪の破断強度の評価基準]
◎:破断強度が0.94×104cN/mm2以上
○:破断強度が0.92×104cN/mm2以上、0.94×104cN/mm2未満
△:破断強度が0.90×104cN/mm2以上、0.92×104cN/mm2未満
×:破断強度が0.90×104cN/mm2未満
◎:破断強度が0.94×104cN/mm2以上
○:破断強度が0.92×104cN/mm2以上、0.94×104cN/mm2未満
△:破断強度が0.90×104cN/mm2以上、0.92×104cN/mm2未満
×:破断強度が0.90×104cN/mm2未満
これらの結果から、次のように考察できる。表7の結果は、ゴマ由来シリル化加水分解蛋白質の配合効果について確認したものであるが、この成分を所定量配合することによって、髪のコンディションが改善されると共に、毛髪破断強度が向上することが分かる。
Claims (11)
- 少なくともセリシン、または溶液中において加熱処理を施したセリシンを配合したものであることを特徴とするヘアワックス。
- 前記溶液中において加熱処理を施したセリシンの配合量が、ヘアワックス全体に占める割合で0.005〜1.1質量%である請求項1に記載のヘアワックス。
- キャンデリラロウとマイクロクリスタリンワックスを配合したものである請求項1または2に記載のヘアワックス。
- 前記キャンデリラロウとマイクロクリスタリンワックスの配合比が5:1〜1:5(質量割合)である請求項3に記載のヘアワックス。
- 前記キャンデリラロウとマイクロクリスタリンワックスの合計配合量がヘアワックス全体に占める割合で0.45〜50質量%である請求項3または4に記載のヘアワックス。
- プラチナと結合した加水分解蛋白質を配合したものである請求項1〜5のいずれかに記載のヘアワックス。
- プラチナと結合した加水分解蛋白質の配合量が、ヘアワックス全体に占める割合で0.001〜1.0質量%である請求項6に記載のヘアワックス。
- シリル化加水分解蛋白質を配合したものである請求項1〜7のいずれかに記載のヘアワックス。
- 前記シリル化加水分解蛋白質の配合量が、ヘアワックス全体に占める割合で0.0004〜0.04質量%である請求項8に記載のヘアワックス。
- ケフィランを配合したものである請求項1〜9のいずれかに記載のヘアワックス。
- アルギン酸オリゴ糖ナトリウムを配合したものである請求項1〜10のいずれかに記載のヘアワックス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010126199A JP2011251929A (ja) | 2010-06-01 | 2010-06-01 | ヘアワックス |
Applications Claiming Priority (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017042048A1 (en) | 2015-09-09 | 2017-03-16 | Unilever N.V. | Use of silk proteins for hair care |
-
2010
- 2010-06-01 JP JP2010126199A patent/JP2011251929A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017042048A1 (en) | 2015-09-09 | 2017-03-16 | Unilever N.V. | Use of silk proteins for hair care |
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