以下、図面を参照しながら実施形態について詳細に説明する。
図1に示すように、実施形態にかかる電子機器10は、いわゆるノート型のパーソナルコンピューターとして構成されており、矩形状の扁平な第1の本体部11と、矩形状の扁平な第2の本体部12と、を備えている。これら第1の本体部11および第2の本体部12は、ヒンジ機構13によって、図1に示す展開状態と図2に示す折り畳み状態との間で相対回動可能に接続されている。
このヒンジ機構13は、互いに平行な2つの回動軸Ax1、Ax2を有する2軸ヒンジである。第1の本体部11は、回動軸Ax1を中心に回動可能にヒンジ機構13に取り付けられており、第2の本体部12は、回動軸Ax2を中心に回動可能にヒンジ機構13に取り付けられている。また、このヒンジ機構13は、その中間パーツ13aの平らな表面13bに対して、第1および第2の本体部11、12それぞれを常に同じ角度で回動させる機構を有する。このため、第1および第2の本体部11、12間の距離が変わることがなく、両者の間に不所望な隙間が形成されることもない。また、例えば、中間パーツ13aの表面13bに記載された文字など(図17参照)を、第1および第2の本体部11、12を図2の状態に閉じる直前まで見ることができる。
なお、本実施形態では、説明の便宜上、方向(X方向、Y方向、およびZ方向)を規定する。X方向およびY方向は、第1の本体部11の表面に略沿う方向であり、X方向は第1の本体部11の幅方向(表面の長手方向)、Y方向は第1の本体部11の奥行き方向(表面の短手方向)である。また、Z方向は、第1の本体部11の表面に垂直な方向(第1の本体部11の厚さ方向)である。X方向、Y方向、およびZ方向は、互いに直交している。
図1に示すように、第1の本体部11には、筐体22の表面21a側に露出する状態で、表面にタッチパネル23aを配したLCD等のディスプレイパネル24(第1の画面)や、一対の押しボタン機構30等が設けられている。一方、第2の本体部12には、筐体12aの表面12b側に露出する状態で、表面にタッチパネル15aを配したLCD等のディスプレイパネル15(第2の画面)、電源ボタン16、カメラレンズ19などが設けられている。本実施形態では、一例として、第1の本体部11および第2の本体部12の両方にタッチパネル15a、23aを装備したが、第1の本体部11だけにタッチパネル23aを設けることもできる。
図1に示す展開状態では、タッチパネル15a付きのディスプレイパネル15や、タッチパネル23a付きのディスプレイパネル24、2つの押しボタン機構30それぞれのカバー体33、電源ボタン16、カメラレンズ19等が露出し、ユーザーが当該電子機器10を使用可能な状態となる。一方、図2に示す折り畳み状態では、表面21a,12b同士が相互に近接した状態で対向して、ディスプレイパネル15,24や、カバー体33、電源ボタン16、カメラレンズ19等が、筐体22,12aによって隠された状態となる。この状態で、当該電子機器10は、コンパクトになり、持ち運びに便利である。
図3に示すように、本実施形態では、第1の本体部11の筐体22の底壁部22a上にディスプレイパネル24が配置され、ディスプレイパネル24上にタッチパネルユニット23が配置されている。この他に、第1の本体部11の裏面側には、後述するバッテリーパック17が着脱自在に取り付けられる。なお、本実施形態では、ディスプレイパネル24を基準とする前後方向はZ方向となり、図1,3の上方が前方、下方が後方となる。
また、図19に示すように、第2の本体部12の筐体12a内には、CPU41やSSD42を実装したシステム基板40、ヒートパイプ43を介してフィン44へCPU41の熱を逃がすための気流を発生させるファン45、3Gアンテナ54などの各種構成部品が収容配置されている。3Gアンテナ54は、第2の本体部12のヒンジ機構13から離間した図示左上に配置されている。
ファン45で発生された気流は、CPU41の熱を奪ってヒートパイプ43を流れ、筐体12aのヒンジ機構13から離間した側の端部に形成された排気口46(図2、17、19)を介して第2の本体部12の外へ排気される。このとき、排気口46が、第2の本体部12のヒンジ機構13から離間した側の端部に配置されているため、熱せられた空気を効率良く排気することができる。
なお、図19では、タッチパネル15aとディスプレイパネル15を第2の本体部12から取り除いた状態を示してある。ここで図示しないタッチパネル15aとディスプレイパネル15は、第1の本体部11に組み込まれたタッチパネル23aおよびディスプレイパネル24と同様の構造および機能を有する。よって、以下の説明では、これら第2の本体部12に組み込まれたタッチパネル15aおよびディスプレイパネル15の詳細な説明は省略する。
より詳細には、図1,3に示すように、第1の本体部11の筐体22には、前方(Z方向上側)に向けて開口する開口部21bが形成され、この開口部21bが、タッチパネルユニット23によって覆われている。第1の本体部11には、ヒンジ機構13の一部が収容される第2の本体部12側の周縁部を除き、筐体22の前方側の壁としての前壁は存在せず、第1の本体部11の前面は、ほぼタッチパネルユニット23の前面23eによって形成されている。なお、タッチパネルユニット23と開口部21bとの間には、タッチパネルユニット23の全周に亘ってほぼ一定のクリアランス21c(図18参照)が設けられている。
また、図4に示すように、第1の本体部11の筐体22の裏面側には扁平な直方体状のバッテリーパック17(図1,3,7,18等参照)が嵌め込まれる凹部21dが形成されている。この凹部21dは、ヒンジ機構13から離れた側、すなわち奥行き方向(Y方向)の奥側に寄せて形成されている。また、凹部21dのヒンジ機構13側に隣接して、バッテリーパック17を着脱するための一対のリリースレバー55L、55Rが設けられている。これら2つのリリースレバー55L、55Rは、第1の本体部11の筐体22の幅方向(X方向)に沿って左右対称な位置に配置されており、見栄えがよくデザイン性に優れている。
凹部21dの底面は、底壁部22aの後面22gである。すなわち、本実施形態では、筐体22の底壁部22aが、ディスプレイパネル24やタッチパネルユニット23が収容される筐体22の内部空間と、バッテリーパック17が収容される凹部21dとの間の隔壁となっている。なお、ディスプレイパネル24は、図18に示すように、図示しないねじ等によって、後面24aと対向する底壁部22aに固定されている。
そして、底壁部22aのうち、図3に示すように前面22h上にディスプレイパネル24が載置され、かつ図4に示すように後面22g上にバッテリーパック17が配置される部分は、図3に示すように、ヒンジ機構13側の部分より前方へ突出している。そして、この突出している部分に、複数(本実施形態では四つ)の縦壁部22bが設けられている。縦壁部22bは、側面視で矩形状の外観を呈するリブとして形成され、底壁部22aから前方側(図3の上方)に突出して、ディスプレイパネル24の短辺となる側面24cに対向する。本実施形態でも、縦壁部22bは、ディスプレイパネル24を筐体22に取り付ける際の位置決め部、あるいはディスプレイパネル24に横方向への衝撃荷重が作用した際等のエネルギ吸収部、として機能することができる。なお、本実施形態では、短辺となる一つの側面24cについて二つの縦壁部22bが対向して配置されており、底壁部22a上には合計四つの縦壁部22bが設けられている。
さらに、底壁部22aのうち、図3に示すように前面22h上にディスプレイパネル24が載置され、かつ図4に示すように後面22g上にバッテリーパック17が配置される部分の、前面22h上には、図3に示すように、揺動支持機構27を構成する有底円筒状の支持ブラケット部22cが突出している。本実施形態では、複数(本実施形態では四つ)の支持ブラケット部22cが、縦壁部22bに対して幅方向外側に配置されている。そして、これら複数の支持ブラケット部22cのそれぞれに、弾性ブッシュ28が取り付けられている。
ディスプレイパネル24は、図3に示すように、扁平な直方体状に形成されている。ディスプレイパネル24は、基板に実装された電子部品等で構成された制御回路(いずれも図示せず)から表示信号を受け取り、静止画や動画等の映像を表示する。本実施形態でも、ディスプレイパネル24の表示画面としての前面24bで表示された映像を示す光は、無色透明のタッチパネル23aを通過して前方へ出射される。なお、電子機器10の制御回路は、制御部、記憶部(例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等)、インタフェース回路、各種コントローラ等を有している。また、電子機器10は、音声出力用のスピーカー等(図示せず)も内蔵している。
タッチパネルユニット23は、図3,5等に示すように、薄い長方形の板状に形成されたタッチパネル23aと、タッチパネル23aの周縁部に配置された矩形枠状のフレーム23cと、を有している。フレーム23cは、合成樹脂材料あるいは金属材料等によって形成されている。タッチパネル23aおよびフレーム23cは、図18に示すように、例えば、薄いシート状、フィルム状、あるいはプレート状の合成樹脂材料等によって形成された透明なカバー23dに、両面テープ(図示せず)あるいは接着剤等を介して貼り付けられ、このカバー23dを介してタッチパネル23aおよびフレーム23cが一体化されている。また、タッチパネル23aの周縁部23nは、フレーム23cとカバー23dとの間に挟み込まれている。なお、カバー23dの周縁部は、例えば黒色等に着色され、タッチパネル23aの周縁部23nおよびフレーム23cがタッチパネルユニット23の前面23e側(図18では上方)に露見するのが抑制されている。
また、フレーム23cは、図3に示すように、矩形枠状かつ板状の前壁部23pを有する。また、フレーム23cは、タッチパネル3aの周縁部に沿って配置された帯状部として、図5に示すように、奥行き方向の両側の横行部23hと、幅方向の両側の縦行部23iとを有している。本実施形態では、横行部23hより幅広の縦行部23iの前壁部23pの後面23f上に、揺動支持機構27を構成する連結部27aが設けられている。本実施形態では、連結部27aは、二つの縦行部23iのそれぞれに二箇所ずつ、合計四箇所に設けられている。すなわち、本実施形態では、四つの揺動支持機構27によってタッチパネルユニット23が支持されている。
さらに、本実施形態では、一対の縦行部23iのうち一方(図5では右側の縦行部23i)の前壁部23pの後面23f上に、加振機構18が設けられている。ここでは説明を省略するが、加振機構18は、第2の本体部12にも設けられている。つまり、本実施形態では、第2の本体部12にもタッチパネル15aを装備するため、このタッチパネル15aに触れたことをユーザーに分り易く知らせるため、加振機構18を第2の本体部12にも設けてある。しかし、電子機器10の製造コストを抑えるため、第1の本体部11のみに加振機構18を設けても良い。
加振機構18は、モータ18aとモータ18aによって回転される偏心おもり18bとを有している。モータ18aによって偏心おもり18bを回転させることによって、加振機構18の重心が振動(回転)し、これにより、フレーム23cひいてはタッチパネルユニット23に振動を生じさせることができる。第2の本体部12に組み込まれた加振機構18は、タッチパネル15aを効果的に振動させる。
図5に示すように、第1の本体部11に組み込まれた加振機構18のモータ18aの回転軸Arは、タッチパネル23aの正面視での長方形の短辺23jに沿っている。よって、加振機構18による加振方向は、短辺23jと直交する方向となり、加振機構18は、タッチパネルユニット23を、長辺23kに沿う方向に振動させることができる。仮に、加振機構18がタッチパネルユニット23を短辺23jに沿ってすなわちY方向に沿って振動させた場合、タッチパネルユニット23の支持点としての各連結部27aと加振機構18とのX方向の距離(すなわちモーメントアーム)ならびにそのばらつきが大きくなるため、タッチパネルユニット23が面内方向に(すなわちXY平面内で)揺動しやすくなる。この場合、タッチパネル23aの場所による振動のばらつきが大きくなりやすい。この点、本実施形態では、加振機構18による加振方向が短辺23jと直交する方向であり、加振機構18がタッチパネルユニット23を長辺23kに沿う方向に振動させるため、各連結部27aと加振機構18とのY方向の距離(すなわちモーメントアーム)ならびにそのばらつきが小さくなり、タッチパネルユニット23が面内方向に(すなわちXY平面内で)揺動しにくくなる。すなわち、揺動成分のより少ない長辺方向(すなわちX方向)に沿ったタッチパネル23aの振動が、得やすくなる。
また、加振機構18の偏心おもり18bは、モータ18aよりも短辺23jの中央に近い側に配置されている。よって、加振機構18による加振点がタッチパネルユニット23の重心により近づくため、タッチパネルユニット23をより効率良く振動させることができる。また、偏心おもり18bをモータ18aよりも短辺23jの中央から遠い位置に配置した場合に比べて、タッチパネルユニット23が面内方向に(すなわちXY平面内で)揺動しにくくなる。すなわち、揺動成分のより少ない長辺方向(すなわちX方向)に沿った振動が得やすくなる。
また、上述したように、本実施形態では、バッテリーパック17がヒンジ機構13より遠い側(すなわち、奥行き方向奥側)に寄せて配置されているのに対し、加振機構18がヒンジ機構13に近い側(すなわち、奥行き方向手前側)に配置されている。すなわち、本実施形態では、バッテリーパック17と加振機構18とが、第1の本体部11の筐体22内で相互に干渉することなく、効率良く配置されている。
また、本実施形態のように、バッテリーパック17をヒンジ機構13から離れた側に片寄らせて配置することで、比較的重いバッテリーパック17を電子機器10の転倒防止手段として機能させることができる。つまり、例えば、電子機器10の第1の本体部11に対して、ヒンジ機構13の回動軸を中心に、第2の本体部12を、図1の状態から前方に起こして、第1の本体部11(XY平面)に対して第2の本体部12が鈍角を成す姿勢に配置したとき、バッテリーパック17がヒンジ機構13から離間しているため、第2の本体部12が倒れることを抑制できる。
また、図5に示すように、フレーム23cの縦行部23iの前壁部23pの後面23f上には、操作機構としての押しボタン機構30が配置されている。本実施形態では、縦行部23iの長手方向(Y方向)の中央部に押しボタン機構30が配置され、この押しボタン機構30を挟んだ縦行部23iの長手方向の両側に連結部27aすなわち揺動支持機構27が配置されている。押しボタン機構30の可動部としてのカバー体33および連結部27a(すなわち揺動支持機構27)は、タッチパネルユニット23のX方向の中央を通ってY方向に沿う中心線Cに対して線対称に配置されている。
また、フレーム23cのヒンジ機構13側の横行部23hの前壁部23pの後面23f上には、タッチパネル23a処理用の電子部品が実装された基板23mが取り付けられている。この基板23mは、加振機構18が設けられた縦行部23i(図5で右側の縦行部23i)とは反対側(図5で左側)の縦行部23i側に寄せて取り付けられている。
押しボタン機構30は、図1,5等に示すように、フレーム23cのうち上下方向に沿って帯状に伸びる左右一対の縦行部23iにそれぞれ設けられている。また、押しボタン機構30は、揺動支持機構27によるフレーム23cの複数(本実施形態では二箇所)の支持位置間に配置されている。
また、押しボタン機構30は、図7,8等に示すように、操作機構支持部材としての基板31と、基板31に取り付けられた押しボタンスイッチ32と、押しボタンスイッチ32を覆うカバー体33と、を有している。
また、図6〜8に示すように、基板31は、フレーム3cの前壁部3pの後方側で、当該前壁部3pと間隔をあけて平行に配置されている。すなわち、基板31は、前面31aが前方を向きかつ後面31bが後方を向く姿勢で配置されている。
図5,7等に示すように、フレーム23cの前壁部23pには、支持部材固定部として、後方側に突出するボス部23qが設けられている。ボス部23qは、タッチパネル23aの周縁部23n(図8参照)に沿って間隔をあけて複数箇所(本実施形態では一つの押しボタン機構30につき二箇所)に設けられている。各ボス部23qには、インサート成形等によって筒状の雌ねじ部材23uが取り付けられている。この雌ねじ部材23uに、基板31の貫通孔31cを貫通したねじ34が螺合され、これにより、図6にも示すように、基板31がボス部23qに固定される。また、前壁部23pには、後方側に突出する突起部23sが設けられている。突起部23sとそれに隣接するボス部23qとはリブ等を介して一体化されている。
基板31は、プリント基板として構成されている。図9に示すように、前壁部3pの後面3fと対向する基板31の前面31aには、押しボタンスイッチ32や部品35等が、はんだ付け等されることで実装されている。押しボタンスイッチ32は、基板31上に形成された配線パターン(図示せず)や、基板31上に実装された部品35としてのコネクタ35a、当該コネクタ35aに接続されたハーネス(図示せず)等を介して、CPU等を含む制御回路(図示せず)に接続されている。基板31には、突起部23sやねじ34を貫通する貫通孔31cや切欠31dが形成されている。突起部23sならびに当該突起部23sが貫通する貫通孔31cや切欠31dは、基板31の位置決め部として機能している。
図7,8に示すように、カバー体33は、押しボタンスイッチ32の前方を間隔をあけて覆っている。カバー体33は、エラストマや合成樹脂等を含む弾性体によって形成されている。図10,11に示すように、カバー体33は、操作部33a、アーム部33b、および固定部33cを有している。図5,6に示すように、前壁部23pの後面23fには、カバー体固定部としての突起部23rが設けられている。この突起部23rが固定部33cの貫通孔33dに挿入された状態で、固定部33cが突起部23rおよび前壁部23pの後面23fに溶着あるいは接着等によって固定され、これにより、カバー体33がフレーム23cに固定される。本実施形態では、カバー体33は、二箇所の固定部33cを介してフレーム23cに固定される。そして、二つの固定部33cに対応する二つの突起部23rは、図5に示すように、筐体22の奥行き方向(Y方向)に沿って間隔をあけて配置されている。すなわち、本実施形態では、カバー体33は、フレーム23cに、筐体22の奥行き方向には両端支持され、幅方向には片持ち支持されている。
操作部33aは略円盤状に形成されている。そして、固定部33cと操作部33aとの間で帯状に伸びるアーム部33bは、固定部33cから操作部33aに近づく部分と操作部33aの外周に沿って円弧状に伸びる部分とがV字状に接続された形状を呈している。このようにアーム部33bを屈曲させることでアーム部33bの長さを長くして、アーム部33bに生じる応力が大きくなるのを抑制することができる。なお、アーム部33bについては、操作部33aに押圧力等が作用せず重力や所定の振動入力が作用する状態では操作部33aが動かないような剛性が確保されるのが好適である。
また、操作部33aは、リング状かつ板状の台座部33eと、台座部33eの中央部から前方に向けて断面D字状で筒状に膨出する膨出部33fと、を有している。膨出部33fの裏面33h側には凹部が形成されている。また、操作部33aの裏面33h側には、可動部32bに対向する突起部33iと、可動部32bと離れた位置で基板31の前面31aに対向する突起部33jとが、設けられている。突起部33iは、図7,8に示すように、カバー体33がアセンブリされた状態で、押しボタンスイッチ32の可動部32bの前方(図7,8では上方)に配置され、当該可動部32bと間隔をあけて対向する。ユーザーの手指等で、カバー体33が前方から後方へ押し込まれると、突起部33iが可動部32bを押し込む。また、突起部33jは、上記第1実施形態と同様、ユーザーの手指等で、操作部33aが、押しボタンスイッチ32から離れた位置(例えば操作部33aの図8の右側の端部)で押圧された際に、基板31の前面31aに当接して支柱となる。すなわち、本実施形態でも、突起部33jは傾斜抑制部に相当する。なお、図11の(c)に示すように、本実施形態では、突起部33iの断面は十字状に形成されている。これにより、成形時のひけが抑制されている。
図7,8に示すように、前壁部23pには、貫通孔23vが形成されている。カバー体33の操作部33aの膨出部33fは、貫通孔23vを貫通し、タッチパネルユニット23の前面23e側に露出している。本実施形態では、操作部33aの頂面33gと、タッチパネルユニット23の前面23eとが、ほぼ段差が無く連なった状態で配置されている。カバー体33は、ユーザーの手指等で前方から押圧されると弾性変形しながら後方側(図7,8の下側)へ撓んで操作部33aが前面23eから没入し、押圧が解除されると、前方側へ復帰して、初期状態に戻る。
また、図5に示すように、本実施形態では、複数(本実施形態では二つ)のボス部23qが、カバー体33を挟んで帯状部としての縦行部23iの延伸方向(すなわちY方向)の両側に配置されている。これにより、縦行部23iの幅をより狭く形成しやすくなる。
さらに、本実施形態では、ボス部23qが縦行部23iの幅方向の一端側に配置され、突起部23rが縦行部23iの幅方向の他端側に配置された。これにより、縦行部23iに、ボス部23qおよび突起部23rを効率よく配置して、縦行部23i、ひいてはタッチパネルユニット23の大型化を抑制しやすくなる。
さらに、本実施形態では、ボス部23qが突起部23rよりタッチパネル23aに近い位置に配置された。すなわち、基板31が、タッチパネル23aに近く剛性がより高い縦行部23iの基端側に取り付けられることで、縦行部23iによって基板31ひいては押しボタンスイッチ32をより安定的に支持することができる。
また、本実施形態では、図5,6に示すように、縦行部23iの後面23f上の、一対の突起部23r間となる位置に、ハーネス保持部として、フック付きの突起部23tが設けられている。これにより、ハーネスがカバー体33の操作部33aやアーム部33bと干渉するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、図7に示すように、前壁部23pの後面23f上に取り付けられた部品としての磁石36を備え、基板31が磁石36の後方側を覆っている。磁石36は、第1の本体部11と第2の本体部12との開閉状態を検知する磁気センサとしてのホール素子(図示せず)の検出対象である。ホール素子は第2の本体部12に内蔵されている。磁石36は、前壁部23pの後面23fに接着等することで取り付けられる。このような構成によれば、何らかの原因で磁石36が後面23fから離脱した場合にあっても、基板31によって磁石36が筐体22内の他の位置に移動するのを抑制することができる。なお、前壁部23pの後面23f上には、磁石36の側方移動を規制しかつ取り付け時のガイドとなる突起部23wが設けられている。また、部品としての磁石36は、基板31上に取り付けてもよい。
図12には、図1に示した第1の本体部11の図示左手側の押しボタン機構30を拡大した部分拡大外観図を示してある。また、図13には、図1に示した第1の本体部11の図示右手側の押しボタン機構30を拡大した部分拡大外観図を示してある。本実施形態では、図12に図示した左側の押しボタン機構30を、後述するキーボード表示用の操作ボタン30Lとして割り当てた。また、本実施の形態では、図13に図示した右側の押しボタン機構30を、当該電子機器10が最後にアクティブにしたアプリケーションに戻るための操作ボタン30Rとして割り当てた。
例えば、左側のキーボード表示用の操作ボタン30Lは、第1の本体部11の筐体22の表面21a側に露出した操作部33aを有し、この操作部33aの形状が円形ではなく、ヒンジ機構13側(図示上方側)の一部が切り欠かれた断面D字形状にされている。そして、その切り欠かれた部分の筐体表面側のカバー23dに、当該操作ボタン30Lの種類を認識させるためのマークMが描かれている。この場合、操作ボタン30Lの切り欠き部に描かれたマークMは、キーボードを簡略化して図示してあり、例えば、上述したように黒色等に着色されたカバー23dの周縁部を部分的に白抜きにして形成されている。
このように、操作ボタン30Lに隣接して“キーボード”マークMを描くと、ユーザーに対して、当該操作ボタン30Lが何のためのボタンであるのかを容易に認識させることができ、操作性を向上させることができるとともに利便性を向上させることができる。特に、操作部33aを断面D字形にして切り欠き部を設けるとともに、この切り欠き部にマークMを形成することで、操作ボタン全体としてまとまりのあるスッキリとした見栄えにすることができ、デザイン性を向上させることもできる。
同様に、右側のホーム用の操作ボタン30Rも、図13に示すように、筐体22の表面21a側に露出した操作部33aの形状が円形ではなく、図示上方の一部が切り欠かれた断面D字形状にされている。そして、この切り欠き部に“ホーム”を認識させるための“家”の絵が簡略化して描かれている。
また、上述したように、第1の本体部11の左右に設けられた2つの操作ボタン30L、30Rは、図5に示す中心線Cに対して線対称に設けられているため、バランスが良く見栄えが良い。
特に、2つの操作ボタン30L、30Rそれぞれの、表面21aに露出した操作部33aの、ヒンジ機構13側の一部が切り欠かれているため、および、各操作ボタン30L、30Rに隣接してそれぞれマークMが描かれているため、当該操作ボタンの上下に関する向きを認識し易い。言い換えると、各操作ボタン30L、30Rの切り欠き部が、電子機器10の向きを認識し易くする手がかりになる。特に、本実施形態の電子機器10は、第1の本体部11および第2の本体部12の両方で画像を表示するデュアルモードで動作可能であるため、その向きを認識し易くすることは利便性を向上させる上で重要なことである。
図14には、第1の本体部11のディスプレイパネル24と、第2の本体部12のディスプレイパネル15と、を用いて1つの画像を表示したデュアルモード画面の一例を図示してある。なお、ここでは、第1の本体部11を机など水平な面に載置して、第2の本体部12をヒンジ機構13を介してユーザー側に起こした状態を示してある。つまり、図14の例では、2つのディスプレイパネル15、24を縦方向に並べた使い方をしている。
この状態で、第1の本体部11のディスプレイパネル24の左右にある操作ボタン30L、30Rは、図12、13に示すように切り欠き部が上方にあり、“キーボード”マークMも“ホーム”マークMも図示の正立状態で見えることになる。つまり、これら2つの操作ボタン30L、30Rのデザインによって、ユーザーは、電子機器10の向きを容易に判断でき、電子機器10を図14の姿勢に容易に配置できる。
また、本実施形態では、上述した各操作ボタン30L、30Rの操作部33aの形状を、ヒンジ機構13側を切り欠いた断面D字状にしたため、例えば図14の姿勢の電子機器10の第1の本体部11の左右両端を両手で持ったとき、ボタン操作のクリック感が良い。つまり、この状態で操作ボタン30L、30Rを操作する場合、両手の親指の腹で各操作ボタン30L、30Rの操作部33aを押すことになる。このとき、操作部33aの形状が、断面D字形であり、親指の腹が接触する部位の形状に近いため、ユーザーにとってクリック感が良くなる。
ところで、図14の状態から、上述したキーボード表示用の操作ボタン30Lをユーザーがクリックすると、第1の本体部11のディスプレイパネル24の画像が、図15に例示したキーボード画像に切り換わる。また、ディスプレイパネル24がキーボード画像を表示した図15の状態から、ユーザーが操作ボタン30Lをクリックすると、ディスプレイパネル24の画像が図14の2画面表示に切り換わる。
なお、図15に示すキーボード画像を表示した状態で、ユーザーが、表示されたキーボードのボタンに触れると、キー入力操作がなされる。つまり、この状態で、当該電子機器10は、いわゆるノート型のパーソナルコンピューターとして機能する。当然のことながら、このキー入力操作によって、たとえば、第2の本体部12のディスプレイパネル15を介して表示されている画像の文字などを編集することができる。なお、図15では、第1の本体部11のディスプレイパネル23の略全面を使って“キーボード”を表示したが、“キーボード”を縮小表示して他の画像を並べて表示することもできる。
上述したように2つの画面を縦方向に並べた使い方では、“キーボード”表示用の操作ボタン30Lが、ユーザーの利き手(一般に、右手が利き手の人が多いため)と反対側に配置されているため、左手で操作ボタン30Lをクリックした直後に、空いている右手でディスプレイパネル24上のタッチパネル23aに触れることができ、表示されている“キーボード”を介した操作入力を直ぐに実施することができ、操作性を向上させることができる。
一方、図14に例示したデュアルモード画面の状態から、ユーザーが操作ボタン30Lを連続して2回クリック(ダブルクリック)すると、第1の本体部11のディスプレイパネル24の画像が、図16に例示したマウスパッド画像に切り換わる。さらに、図16のようにマウスパッド画像を表示した状態から、ユーザーが操作ボタン30Lをダブルクリックすると、ディスプレイパネル24の画像が図14に示すデュアルモード画面に切り換わる。
このように、“キーボード”や“マウスパッド”を表示させるための操作ボタン30Lが、図14に図示した姿勢の電子機器10にユーザーが正対した状態で左手側にあることで、ユーザーは、左手で操作ボタン30Lを押したすぐ後に右手でキーボード入力操作(或いはマウスパッドの操作)を開始することができる。つまり、右手が利き手の人が多いため、上述したように操作ボタン30Lを左手側に配置することは、操作性を向上させる上で有利となる。
さらに、デュアルモード画面の別の使用例として、第1の本体部11のディスプレイパネル24と第2の本体部12のディスプレイパネル15を横方向(左右方向)に並べる使い方もある。図17には、第1の本体部11をユーザーの左手で把持し、第2の本体部12をユーザーの右手で把持した使い方の例を示してある。図17では、第1の本体部11の把持位置を破線Lで囲んで示し、第2の本体部12の把持位置を破線Rで囲んで示してある。この姿勢で電子機器10を保持して使用する使用例として、例えば、電子ブックとしての使用が考えられる。
なお、本実施形態の電子機器10は、上記のように2つの画面を横に並べて使用する場合、図17の姿勢のときだけ正常に画像を表示できるようになっており、必ず、第1の本体部11を左手で保持し、第2の本体部12を右手で保持して使用することになる。言い換えると、第1の本体部11を右手で保持して第2の本体部12を左手で保持した図17と天地を逆にした姿勢では、2つの画面を介して表示される画像が天地逆になってしまうため、正常に使用できない。つまり、ユーザーは、図14〜16に示す使い方から、図17に示す使い方に変更する場合、電子機器10を右回り、すなわち時計回り方向に90°回転させることになる。
図17に示すように2つの画面を横方向に並べる使い方をした場合、すなわち第1の本体部11の破線Lの部位を左手で持ち且つ第2の本体部12の破線Rの部位を右手で持った状態で、“キーボード”を表示させるための操作ボタン30Lは、ユーザーから見て左上に配置されることになる。しかし、このように2つの画面を横に並べる使い方をしているときには、キーボードを使う可能性は極めて低い。よって、2つの画面を縦に並べて使う上述した図14〜図16の状態における利便性を優先して、操作ボタン30Lをこの位置に配置することが有利である。
また、本実施形態では、例えば図1、図14、図17などに示す位置に、電源ボタン16を配置した。すなわち、電源ボタン16は、電子機器10を図2の姿勢に閉じたとき、第1の本体部11にある右側の操作ボタン30Rにちょうど重なる位置に配置されている。また、本実施形態では、カメラレンズ19を、図5、6の中心線Cに対して電源ボタン16と線対称な位置に配置した。言い換えると、本実施形態では、カメラレンズ19は、電子機器10を図2の姿勢に閉じたとき、第1の本体部11の左側の操作ボタン30Lにちょうど重なる位置に配置されている。
上述した位置に電源ボタン16およびカメラレンズ19を配置することで、電子機器10の前面に露出する各種ボタン(カメラレンズ19を含む)のレイアウトを対照的な配置とすることができ、見栄えを良くすることができ、デザイン性を向上させることができる。例えば、図14〜16に示すように2つの画面を縦に並べた使い方をした場合、図5、6の中心線Cに対して電源ボタン16とカメラレンズ19が線対称な位置に配置される。また、例えば、図17に示すように2つの画面を横に並べた使い方をした場合、ヒンジ機構13を中心に、操作ボタン30Rと線対称な位置に電源ボタン16が配置され、操作ボタン30Lと線対称な位置にカメラレンズ19が配置されることになる。
この際、例えば、電源ボタン16の位置に着目すると、2つの画面を縦に並べた図14〜16の使い方をしたとき、電源ボタン16は、ユーザーの右手奥側に配置される。また、2つの画面を横に並べた図17に示す使い方をした場合、電源ボタン16は、ユーザーの右手手前側に配置される。いずれにしても、一般に右利きの人が多いことを前提とすると、本実施形態のような電源ボタン16のレイアウトは、電源をON/OFFする点において有利である。
また、本実施形態では、第1の本体部11のディスプレイパネル24の幅方向(X方向)両側の縦行部23iに2つの操作ボタン30L、30Rを配置し、且つ第2の本体部12のディスプレイパネル15の幅方向両側に電源ボタン16とカメラレンズ19を配置したため、第1および第2の本体部11、12を図1に示す姿勢に開いたとき、電子機器10全体として略正方形の外観とすることができ、デザイン性を向上させることができる。
つまり、上述したボタンレイアウトを採用することにより、第1の本体部11のヒンジ機構13から離間した横行部23hや、第2の本体部12のヒンジ機構13から離間した側などに、これら操作ボタン30L、30R、電源ボタン16、カメラレンズ19などを配置するスペースを確保する必要がなく、この方向(Y方向)に沿った電子機器10のサイズを小さくできる。このため、図1のように2つの筐体22、12aを開いた状態で電子機器10の外形を略正方形にすることができる。
また、本実施形態では、第1の本体部11の筐体22の裏面側に形成した凹部21dにバッテリーパック17を取り付け、第2の本体部12の筐体12a内にシステム基板40を収容配置した。このため、例えば、第1の本体部11にバッテリーパック17とシステム基板40を配置した場合と比較して、第1の本体部11と第2の本体部12の重さを近付けることができ、2つの画面を横に並べた使い方をしたときに、左右の手にかかる重さのバランスを均一化することができ、電子機器10を持ち易くすることができ、操作性を向上させることができる。
また、本実施形態のように、第1の本体部11にバッテリーパック17を取り付けて第2の本体部12にシステム基板40を配置したことにより、ディスプレイパネルやタッチパネル以外に各筐体22、12a内に収容配置する部品の点数を第1および第2の本体部11、12間で均等化することができ、第1の本体部11の筐体22のZ方向に沿った厚さと第2の本体部12のZ方向に沿った厚さを同じにできた。これにより、例えば、図1に示す姿勢に第1および第2の本体部11、12を開いた状態で、筐体22、12aそれぞれの裏面を机など平らな面に接触させて電子機器10を載置したとき、第1および第2の本体部11、12それぞれのディスプレイパネル24、15(タッチパネル23a、15a)の表面を面一に配置することができ、デザイン性を向上させることができる。
また、本実施形態のように、第1の本体部11にバッテリーパック17を取り付けて第2の本体部12にシステム基板40を収容配置したことにより、バッテリーパック17の大きさや厚さを十分に大きくすることができた。つまり、本実施形態によると、バッテリーパック17の容量を十分に大きくすることができ、電子機器10の駆動時間を長くすることができた。
また、本実施形態では、3Gアンテナ54を、第2の本体部12のヒンジ機構13から離間した側の端部近くで、例えば図1に示す状態に2つの筐体12a、22を開いたとき、図示左上に片寄った位置に配置した。このため、例えば図14〜16に示すように2つの画面を縦に並べた使い方をした場合、3Gアンテナ54は、ユーザーから離れた位置に配置されることになり、SAR規制に対応可能となる。また、一方で、電子機器10を図17に示す姿勢、すなわち2つの画面を横に並べた姿勢で使う場合も、3Gアンテナ54は、ユーザーから離れた図示右上の位置に配置される。言い換えると、本実施形態では、電子機器10を縦横いずれの姿勢にして使用しても、ユーザーの体から離れる位置に3Gアンテナ54を配置した。
また、本実施形態では、図4に示すように、バッテリーパック17のリリースレバー55L、55Rを筐体22の幅方向に対照的な位置に配置した。一対のリリースレバー55L、55Rのうち、一方のリリースレバーはロック式になっており、他方のリリースレバーはスライド式になっている、つまり、一方のリリースレバーのロックを解除した状態で、他方のリリースレバーをスライドさせることで、バッテリーパック17を取り外しできる。この際、本実施形態のように、2つのリリースレバー55L、55Rを左右対称に配置したことで、2つのレバーそれぞれに力を均一にかけることができ、使い勝手を向上させることができる。また、2つのレバーを左右対称な位置に配置することで、デザイン性を向上させることができる。
ところで、本実施形態にかかる電子機器10は、図18に示すように、揺動支持機構27を備えている。すなわち揺動支持機構27は、筐体22に設けられた支持ブラケット部22cと、支持ブラケット部22cに取り付けられた弾性ブッシュ28と、弾性ブッシュ28に形成された貫通部としての貫通孔28aを貫通する連結部27aと、連結部27aに結合される結合体としてのねじ29と、を有している。
支持ブラケット部22cは、筐体22の底壁部22aの周縁部に、前方側、すなわち被支持部としての前壁部23p側に向けて円筒状に突出するボス部として、設けられている。支持ブラケット部22cの頂壁部22dの中央には円形の貫通孔22eが形成され、貫通孔22eの周囲に、内向きのフランジ部22fが形成されている。
弾性ブッシュ28は、エラストマ(例えば合成ゴム等)などの弾性材料によって円筒状に形成されており、その外周面28bの軸方向(図示上下方向)の中央部には、周方向の全周に亘る外周溝28cが形成されている。この外周溝28cが支持ブラケット部22cのフランジ部22fに嵌合されることで、弾性ブッシュ28が支持ブラケット部22cに取り付けられる。
弾性ブッシュ28は、弾性変形するため、作業者は、弾性ブッシュ28を貫通孔22eに前方側から差し込むことで、支持ブラケット部22cに比較的容易に取り付けることができる。弾性ブッシュ28は、軸方向の一方側と他方側とで非対称な形状を有している。これにより、作業者が支持ブラケット部22cに弾性ブッシュ28を誤った姿勢で組み付けるのが抑制されている。なお、図18に示すように、弾性ブッシュ28には、傾斜面28dおよび傾斜面28eが形成されている。また、弾性ブッシュ28は、フレーム23cとフランジ部22fとの間に挟持される前方側張出部28fと、ねじ29のヘッド部29aとフランジ部22fとの間に挟持される後方側張出部28gと、を有している。
連結部27aは、フレーム23cから後方側へ向けて円筒状に突出するボス部として形成されている。図18に示すように、連結部27aは、アセンブリされた状態では、支持ブラケット部22cの貫通孔22eを貫通し、支持ブラケット部22cの後面側(裏面側)へ突出する。連結部27aには後方側へ向けて開口する雌ねじ部としての雌ねじ孔27bが形成されている。
ねじ29は、ヘッド部29aと、雌ねじ孔27bに螺合する雄ねじ部29bと、を有する。ねじ29は、ヘッド部29aが連結部27aの端面27cに突き当たるまでねじ込まれる。
作業者が、支持ブラケット部22cに前方側から弾性ブッシュ28を組み付け、タッチパネルユニット23を前方から筐体22に近づけて連結部27aを弾性ブッシュ28の貫通孔28aに挿入し、後方側からねじ29をボス部としての連結部27aの雌ねじ孔27bに締め付けることで、図18に示す揺動支持機構27が構成される。すなわち、弾性ブッシュ28は支持ブラケット部22cに嵌合される構成であるため、作業者は、弾性体を接着したりねじ止めしたりする場合に比べて、組立作業をより容易にかつより円滑に実施することができる。
また、本実施形態において、連結部27aは、ディスプレイパネル24の前後方向に弾性ブッシュ28の貫通孔28aを貫通している。また、揺動支持機構27がアセンブリされた状態では、筐体22の一部としての支持ブラケット部22cとその前方側のタッチパネルユニット23のフレーム23cとの間には弾性ブッシュ28の前方側張出部28fが介在するとともに、支持ブラケット部22cとその後方側のねじ29との間には弾性ブッシュ28の後方側張出部28gが介在する。さらに、弾性ブッシュ28は連結部27aを取り囲む状態で配置されている。さらに、支持ブラケット部22cが、筐体22の底壁部22aから前方へ向けて(すなわちフレーム23cの前壁部23p側に向けて)突出するボス部として形成されている。
また、アセンブリされた状態で弾性ブッシュ28とタッチパネルユニット23との接触面積を低減する構造として、弾性ブッシュ28の貫通孔28aの内面には、環状の突起部28hが設けられるとともに、フレーム23cの後面3fの弾性ブッシュ28と対向する部分には、複数の突起部23gが円周状に配置されている。なお、これらはあくまで一例であって、例えば、連結部27aに突起部を設けてもよいし、弾性ブッシュ28の前面に突起部を設けてもよいし、これら突起部を環状に形成してもよいし、複数の突起部を円周状に配置してもよい。
また、図4に示すように、本実施形態では、底壁部22aの後面22g側に、揺動支持機構27を構成するねじ29、ならびに押しボタン機構30を構成するねじ34および突起部23rが、露出している。すなわち、ねじ29,34を締め付ける前の状態では、底壁部22aの後面22g側に、揺動支持機構27を構成する連結部27aの端面27c(図18参照)が露出しているとともに、底壁部22aに形成された貫通孔22jを介してボス部23qおよび突起部23rが露出している。したがって、バッテリーパック17を凹部21dに装着していない状態で、ねじ29,34を締め付けることで、揺動支持機構27ならびに押しボタン機構30をより容易にかつより円滑に構成することができ、ひいては、タッチパネルユニット23を筐体22に取り付けることができる。また、ねじ29,34の締め付けをまとめて行えるようになるので、組み立て作業の効率をより高めることができる。そして、バッテリーパック17によってねじ29,34を覆うことで、ユーザーがねじ29,34を誤って取り外すなどしてタッチパネルユニット23や押しボタン機構30が筐体22から外れるのを、抑制することができる。また、このような構成によれば、ねじ29,34を覆うカバー体を別個に設ける場合に比べて、構成をより簡素化することができる。さらに、図18に示すように、後面22gにカバーの一例としてのシール22iを取り付けてねじ29,34を覆い隠すようにしてもよい。さらに、本実施形態では、バッテリーパック17自体を凹部21dの蓋とすることで、筐体22の薄型化を図ることができるという利点がある。なお、貫通孔22jを介して基板31の位置決め用の突起部23rを露出させることで、作業者は基板31の装着状態を確認することができる。
以上のように、本実施形態の電子機器10は、例えば、図1に示すように第1の本体部11と第2の本体部12を開いた状態から、当該電子機器10を図示時計回り方向に90°回転させた使い方(例えば、図17に示す使い方)もできる。この場合、例えば、当該電子機器10を電子ブックとして機能させることができる。また、この場合、ユーザーは、例えば、図17に示すように、左手で第1の本体部11の横行部23h辺り(破線Lで囲んだ部位)を把持し、右手で第2の本体部12の横行部辺り(破線Rで囲んだ部位)を把持することになる。
この状態で、第1の本体部11に設けられたホーム用の操作ボタン30Rがユーザーの左手下側に位置し、第2の本体部12に設けられた電源ボタン16がユーザーの右手下側に位置する。つまり、2画面を横に並べる使用例では、操作ボタン30Rを左手で操作し易く、電源ボタン16を右手で操作し易い。なお、この状態で、キーボード表示用の操作ボタン30Lは、ユーザーの左手上側に位置するが、当該電子機器10を電子ブックとして使用している状態では、キーボードを使用する可能性が低いため、キーボード表示用の操作ボタン30Lは第1の本体部11の上側に配置されても問題はない。
また、本実施形態の電子機器10は、第1の本体部11の側面に、図示しないACアダプターのプラグをつなぐための電源コネクター51、外部機器を電子機器10に接続するためのUSBポート52、およびヘッドホンジャック53を備えている。電源コネクター51は、例えば、図1に示すように、第1の本体部11の筐体22のヒンジ機構13に近接した側の右側側面に設けられている。この位置に電源コネクター51を配置することで、図17に示す2画面を横に並べた姿勢で電子機器10を使う場合、図示しない電源コードがユーザーの手前側から下方に延びることになり、コードが邪魔になることがなく、操作性を向上させることができる。
また、ヘッドホンジャック53は、例えば図4、図17に示すように、上述した電源コネクター51と反対側、すなわち第1の本体部11の筐体22のヒンジ機構13に近接した側の左側側面に設けられている。このように、電源コネクター51とヘッドホンジャック53を筐体22の反対側に左右対称的に配置することで、見栄えを良くすることができ、デザイン性を向上させることができる。さらに、USBポート52は、図4、図17に示すように、ヘッドホンジャック53のヒンジ機構13と反対側に隣接して設けられている。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
例えば、上記実施形態では、本発明を、表示画面を2つ有するノート型のパーソナルコンピューターとして実施した構成を例示したが、本発明は、ディスプレイパネルとその前面側の前面パネルとを有する他の電子機器、例えば、表示画面が1つのコンピューター(ノート型、デスクトップ型)や、PDA(Personal Digital Assistant)、スマートブック、スマートフォン、携帯電話端末等にも適用できる。また、PC用アーキテクチャーではない、例えばARMプロセッサーなどを用いた組み込み機器に本発明を適用できる。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
第1の画面を有する第1の本体部と、
上記第1の画面に並んだ第2の画面を有する第2の本体部と、
上記第1の画面と上記第2の画面が重なる閉じ位置と上記第1および第2の画面が開く開き位置との間で上記第1および第2の本体部を回動自在につないだヒンジ機構と、
上記第1および第2の画面の並び方向に延びた中心線に対して線対称な位置関係で上記第1の本体部に設けられた2つの操作ボタンと、
上記第1の画面と第2の画面を重ねた状態で上記2つの操作ボタンの一方と重なる位置関係で上記第2の本体部に設けられた電源ボタンと、
を有する電子機器。
[2]
上記第1の画面と第2の画面を重ねた状態で上記2つの操作ボタンの他方と重なる位置関係で上記第2の本体部に設けられたカメラレンズをさらに有する[1]に記載の電子機器。
[3]
上記第1の本体部が二次電池を備えており、上記第2の本体部が回路基板を備えている[1]に記載の電子機器。
[4]
上記第1の本体部は、上記中心線に対して線対称な位置関係で上記二次電池を着脱するためのリリースレバーを備えている[3]に記載の電子機器。
[5]
上記第1の画面上にタッチパネルを備えており、上記第2の画面上に別のタッチパネルを備えている[1]に記載の電子機器。
[6]
第1の画面を有する第1の本体部と、
上記第1の画面に並んだ第2の画面を有する第2の本体部と、
上記第1および第2の画面の並び方向に延びた中心線に対して線対称な位置に設けられた複数の操作ボタンと、
を有する電子機器。
[7]
上記第1の画面と上記第2の画面が重なる閉じ位置と上記第1および第2の画面が開く開き位置との間で上記第1および第2の本体部を回動自在につないだヒンジ機構をさらに有し、
上記複数の操作ボタンは、上記閉じ位置に上記第1および第2の本体部を回動させた状態で互いに重なる位置にレイアウトされている[6]に記載の電子機器。
[8]
上記第1の本体部が二次電池を備えており、上記第2の本体部が回路基板を備えている[6]に記載の電子機器。
[9]
上記第1の画面上にタッチパネルを備えており、上記第2の画面上に別のタッチパネルを備えている[6]に記載の電子機器。