以下、図面を参照しながら実施形態について詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1に示すように、本実施形態にかかるテレビジョン受像機1(電子機器)は、前方から見た正面視(前面に対する平面視)で、長方形状の外観を呈している。このテレビジョン受像機1は、筐体2と、筐体2に揺動可能に支持されたタッチパネル3aと、を備えている。また、図2にも示すように、タッチパネル3aの後面3b側(図2では下方)には、表示装置(ディスプレイ)として、例えばLCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイパネル4が配置されている。ディスプレイパネル4は、その後面4a側に配置される筐体2に、図示しないねじ等によって固定されている。
図1,2に示すように、薄い長方形の板状に形成されたタッチパネル3aの周縁部には、矩形枠状に形成されたフレーム3cが配置されている。フレーム3cは、合成樹脂材料あるいは金属材料等によって形成されている。タッチパネル3aおよびフレーム3cは、例えば、薄いシート状、フィルム状、あるいはプレート状の合成樹脂材料等によって形成された透明なカバー3dに、両面テープ(図示せず)あるいは接着剤等を介して貼り付けられており、このカバー3dを介してタッチパネル3aおよびフレーム3cが一体化されている。また、タッチパネル3aの周縁部3nは、フレーム3cとカバー3dとの間に挟み込まれている。なお、カバー3dの周縁部は、例えば黒色等に着色され、タッチパネル3aの周縁部3nおよびフレーム3cがタッチパネルユニット3の前面3e側(図2では上方)に露見するのが抑制されている。本実施形態では、タッチパネル3a、フレーム3c、およびカバー3dによって、パネルユニットとしてのタッチパネルユニット3が構成されている。
筐体2は、図2に示すように、ディスプレイパネル4を載置する矩形板状の底壁部2aと、底壁部2aから前方側(図2の上方)に突出してディスプレイパネル4の側面4cに対向する縦壁部2bと、を有している。本実施形態では、複数の縦壁部2bが、ディスプレイパネル4の周縁(側面4c)に沿って、部分的に、間隔をあけて配置されている。縦壁部2bは、ディスプレイパネル4を筐体2に取り付ける際の位置決め部、あるいはディスプレイパネル4に横方向(図2の左右方向)への衝撃荷重が作用した際等のエネルギ吸収部、として機能することができる。また、ディスプレイパネル4の側面4cと縦壁部2bとの間には、例えばスポンジやエラストマ等の弾性部材5が介在している。この弾性部材5によって、ディスプレイパネル4のがたつきが抑制されるとともに、エネルギ吸収性能がより一層向上している。
ディスプレイパネル4は、扁平な直方体状に形成されている。ディスプレイパネル4は、基板に実装された電子部品等で構成された制御回路に含まれる映像信号処理回路(いずれも図示せず)から映像信号を受け取り、静止画や動画等の映像を表示する。ディスプレイパネル4の表示画面として前面4bで表示された映像を示す光は、無色透明のタッチパネル3aを通過して前方へ出射される。なお、テレビジョン受像機1の制御回路は、映像信号処理回路の他、いずれも図示しないチューナ部や、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)信号処理部、AV(Audio Video)入力端子、リモコン信号受信部、制御部、セレクタ、オンスクリーンディスプレイインタフェース、記憶部(例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等)、音声信号処理回路等を有している。また、テレビジョン受像機1は、音声出力用のアンプやスピーカー等(図示せず)も内蔵している。
タッチパネル3aは、相互に貼り合わせられた2枚の透明導電膜(図示せず)を有し、手指やスタイラス等で押圧された位置でそれら透明導電膜が導通することで、当該押圧された位置を検出することができる。タッチパネル3aで押圧された位置を示す信号は、上述した制御部に送られ、当該制御部で、その信号に基づく処理が実行される。
また、本実施形態にかかるテレビジョン受像機1は、ここでは図示しない加振機構を備えている。加振機構は、例えば、モータと当該モータによって回転される偏心おもりとを有し、フレーム3cの矩形枠状かつ板状の前壁部3pの後面3f側に取り付けられる。テレビジョン受像機1の制御部は、タッチパネル3aが押圧されたときに加振機構を動作させ、例えばタッチパネルユニット3を振動させる。よって、オペレーター(ユーザー)は、タッチパネル3aを押圧操作した手指やスタイラス等を介して感知した振動により、タッチパネル3aに対する押圧操作が受け付けられたことを認識することができる。
また、ディスプレイパネル4の前面4bとフレーム3cの後面3fとの間には、ディスプレイパネル4の前面4bの周縁部に沿って、帯状のシール部材6が配置されている。シール部材6は、スポンジ等の柔軟な可撓性部材によって形成され、外部からディスプレイパネル4の前面4bとタッチパネル3aの後面3bとの間の空間Sに異物等が進入するのを抑制する。なお、シール部材6による反発力は、タッチパネルユニット3の揺動や振動になるべく影響を及ぼさないよう、小さく設定される。すなわち、このシール部材6は、筐体2によるタッチパネルユニット3の支持には殆ど寄与していない。
そして、前面パネルとしてのタッチパネルユニット3は、図1,2に示すように、支持ベースとしての筐体2に、複数の揺動支持機構(連結機構)7を介して揺動可能に支持されている。タッチパネルユニット3は、筐体2に対して相対的に、前後方向(前面3eと垂直な方向、図2の上下方向)および横方向(前面3eに沿う方向、図2の左右方向や紙面と垂直な方向等)に揺動することができる。揺動支持機構7は、タッチパネルユニット3の周縁部に沿って複数配置され、好適には、タッチパネル3aの正面視での長方形の四辺と平行な二つの中心線のうち少なくともいずれか一方に線対称に配置され、また、四箇所以上に配置される。揺動支持機構7はタッチパネルユニット3のフレーム3cを支持する。
揺動支持機構7は、本実施形態では、図2に示すように、筐体2に設けられた支持ブラケット部2cと、支持ブラケット部2cに取り付けられた弾性ブッシュ8と、弾性ブッシュ8に形成された貫通部としての貫通孔8aを貫通する連結部7aと、連結部7aに結合される結合体としてのねじ9と、を有している。本実施形態では、支持ブラケット部2cがベース部に相当する。また、フレーム3cが縁部材に相当し、フレーム3cの前壁部3pが被支持部に相当する。
支持ブラケット部2cは、筐体2の底壁部2aの周縁部に、前方側、すなわち被支持部としての前壁部3p側に向けて円筒状に突出するボス部として、設けられている。また、支持ブラケット部2cの頂壁部2dの中央には円形の貫通孔2eが形成され、貫通孔2eの周囲に、内向きのフランジ部2fが形成されている。
弾性ブッシュ8は、エラストマ(例えば合成ゴム)などの、筐体2やフレーム3c(連結部7a)等より柔軟で可撓性を有する弾性材料によって円筒状に形成されており、図2,3に示すように、その外周面8bの軸方向(図2,3の上下方向)の中央部には、周方向の全周に亘る外周溝8cが形成されている。この外周溝8cが支持ブラケット部2cのフランジ部2fに嵌合されることで、弾性ブッシュ8が支持ブラケット部2cに取り付けられる。
弾性ブッシュ8は、弾性変形するため、作業者は、弾性ブッシュ8を貫通孔2eに前方側から差し込むことで、支持ブラケット部2cに比較的容易に取り付けることができる。ここで、弾性ブッシュ8は、軸方向の一方側と他方側とで非対称な形状を有している。これにより、作業者が支持ブラケット部2cに弾性ブッシュ8を誤った姿勢で組み付けるのが抑制されている。また、図2,3に示すように、弾性ブッシュ8の、ねじ9のヘッド部9a側の端部の周縁部には、外方に向けて狭まる傾斜面8dが形成されている。この傾斜面8dは、弾性ブッシュ8が貫通孔2eに差し込まれる際のガイドとして機能する。さらに、図2,3に示すように、貫通孔8aの支持ブラケット部2c側の端部には、外方に向けて広がる傾斜面8eが形成されている。この傾斜面8eは、連結部7aが貫通孔8aに挿入される際のガイドとして機能する。また、この傾斜面8eにより、連結部7aが貫通孔8aに挿入される際に弾性ブッシュ8を押し込んで弾性ブッシュ8の組み付け姿勢が悪化するのが抑制される。
連結部7aは、フレーム3cから後方側へ向けて円筒状に突出するボス部として形成されている。図2に示すように、連結部7aは、アセンブリされた状態では、支持ブラケット部2cの貫通孔2eを貫通し、支持ブラケット部2cの後面側(裏面側)へ突出する。連結部7aには後方側へ向けて開口する雌ねじ部としての雌ねじ孔7bが形成されている。なお、本実施形態では、雌ねじ孔7bは、フレーム3cの前壁部3pの表裏を貫通する貫通孔として形成されているが、後方側へのみ開口する有底孔として形成してもよい。
ねじ9は、ヘッド部9aと、雌ねじ孔7bに螺合する雄ねじ部9bと、を有する。ねじ9は、ヘッド部9aが連結部7aの端面7cに突き当たるまでねじ込まれる。
作業者が、支持ブラケット部2cに前方側から弾性ブッシュ8を組み付け、タッチパネルユニット3を前方から筐体2に近づけて連結部7aを弾性ブッシュ8の貫通孔8aに挿入し、後方側からねじ9をボス部としての連結部7aの雌ねじ孔7bに締め付けることで、図2に示す揺動支持機構7が構成される。すなわち、弾性ブッシュ8は支持ブラケット部2cに嵌合される構成であるため、作業者は、弾性体を接着したりねじ止めしたりする場合に比べて、組立作業をより容易にかつより円滑に実施することができる。
また、本実施形態では、連結部7aがディスプレイパネル4の前後方向に弾性ブッシュ8の貫通孔8aを貫通している。このため、作業者は、ディスプレイパネル4とタッチパネルユニット3とを重ね合わせることで、連結部7aが貫通孔8aに挿入された状態を得ることができ、組立作業をより容易にかつより円滑に実施することができる。
また、本実施形態では、図2に示すように、揺動支持機構7がアセンブリされた状態では、筐体2の一部としての支持ブラケット部2cとその前方側のタッチパネルユニット3のフレーム3cとの間には弾性ブッシュ8の前方側張出部8fが介在するとともに、支持ブラケット部2cとその後方側のねじ9との間には弾性ブッシュ8の後方側張出部8gが介在する。すなわち、タッチパネルユニット3に前方から後方へ作用した力(外力や慣性力等)と後方から前方へ作用した力との双方について、弾性ブッシュ8の反発力を同等に作用させやすくなり、ひいては、タッチパネルユニット3の前方へ向かう揺動(振動)および後方へ向かう揺動(振動)のばらつきを抑制しやすくなる。さらに、弾性ブッシュ8は連結部7aを取り囲む状態で配置されているため、タッチパネルユニット3の横方向への揺動特性(振動特性)のばらつきを抑制することができる。なお、揺動(振動)しやすさの観点からは、前方側張出部8fおよび後方側張出部8gに対する部材の挟持による初期荷重(自重以外に外力が作用していない状態での荷重)は、比較的小さく設定するのが好適である。
また、本実施形態では、支持ブラケット部2cが、筐体2の底壁部2aから前方へ向けて(すなわちフレーム3cの前壁部3p側に向けて)突出するボス部として形成されている。よって、揺動支持機構7が底壁部2aから後方へ張り出すのが抑制され、揺動支持機構7を筐体2の内部に収容しやすくなる。また、挟持される弾性ブッシュ8がフレーム3cのベースとしての前壁部3pに当接するため、フレーム3cに前壁部3pとは別に弾性ブッシュ8が当接する部分を設ける必要が無くなって、揺動支持機構7の構成をより簡素化することができる。
また、上記構成の揺動支持機構7では、タッチパネルユニット3と弾性ブッシュ8との接触面積が大きいほど、タッチパネルユニット3が振動しにくくなる。そこで、本実施形態では、アセンブリされた状態で弾性ブッシュ8とタッチパネルユニット3との接触面積を低減する構造が含まれている。一例として、弾性ブッシュ8の貫通孔8aの内面には、環状の突起部8hが設けられている。この突起部8hにより、貫通孔8aの内面と連結部7aの外面との接触面積が低減する。また、別の一例として、フレーム3cの後面3fの弾性ブッシュ8と対向する部分に、複数の突起部3gが円周状に配置されている。この突起部3gにより、フレーム3cの後面3fと弾性ブッシュ8の前面との接触面積が低減する。なお、これらはあくまで一例であって、例えば、連結部7aに突起部を設けてもよいし、弾性ブッシュ8の前面に突起部を設けてもよいし、これら突起部を環状に形成してもよいし、複数の突起部を円周状に配置してもよい。
また、本実施形態では、ヘッド部9aの外径Dhが、支持ブラケット部2cの貫通孔2eの内径Dpより大きい。このため、弾性ブッシュ8が誤って組み付けられなかったり、経時劣化等で弾性ブッシュ8が支持ブラケット部2cから外れたりしたような場合にあっても、ねじ9が支持ブラケット部2cの貫通孔2eから抜け出るのが抑制され、ひいては、タッチパネルユニット3が筐体2から外れるのが抑制される。また、ヘッド部9aと弾性ブッシュ8との間にはワッシャ(図示せず)を介在させてもよい。ワッシャを介在させることで、ねじ9を締め込む際に弾性ブッシュ8がねじれるのを抑制することができる。なお、その場合には、ワッシャの外径を貫通孔2eの内径Dpより大きくすればよい。
そして、本実施形態では、筐体2に揺動可能に支持されたタッチパネルユニット3の前面に押しボタン機構30が露出している。押しボタン機構30は、フレーム3cに相対移動可能な可動部としてのカバー体33を有し、ディスプレイ装置1の前面(正面)側からの押圧操作を受け付ける。
本実施形態では、押しボタン機構30は、図1に示すように、フレーム3cのうち上下方向に沿って帯状に伸びる左右一対の縦行部3iにそれぞれ設けられている。また、押しボタン機構30は、揺動支持機構7によるフレーム3cの複数(本実施形態では二箇所)の支持位置間に配置されている。
押しボタン機構30は、図4,5に示すように、操作機構支持部材としての基板31と、基板31に取り付けられた操作機構本体部としての押しボタンスイッチ32と、押しボタンスイッチ32を覆うカバー体33と、を有している。
基板31は、フレーム3cの前壁部3pの後方側で、当該前壁部3pと間隔をあけて平行に配置されている。すなわち、基板31は、その前面31aが前方を向きかつ後面31bが後方を向く姿勢で配置されている。
図4に示すように、フレーム3cの前壁部3pには、支持部材固定部として、後方側に突出するボス部3qが設けられている。ボス部3qは、タッチパネル3aの周縁部3n(図5参照)に沿って間隔をあけて複数箇所(本実施形態では一つの押しボタン機構30につき二箇所)に設けられている。各ボス部3qには、インサート成形等によって筒状の雌ねじ部材3uが取り付けられている。この雌ねじ部材3uに、基板31の貫通孔31cを貫通したねじ34が螺合され、これにより、基板31がボス部3qに固定される。また、前壁部3pには、後方側に突出する突起部3sが設けられている。基板31には、この突起部3sが貫通する貫通孔31cが形成されている。これら突起部3sならびに当該突起部3sが貫通する貫通孔31cは、基板31の位置決め部として機能している。なお、突起部3sとそれに隣接するボス部3qとはリブ等を介して一体化されている。
基板31は、本実施形態では、プリント基板として構成されている。前壁部3pの後面3fと対向する基板31の前面31aには、押しボタンスイッチ32や部品35等が、はんだ付け等されることで実装されている。押しボタンスイッチ32は、基板31上に形成された配線パターンや、基板31上に実装された部品35としてのコネクタ、当該コネクタに接続されたハーネス(いずれも図示せず)等を介して、CPU等を含む制御回路(図示せず)に接続されている。
押しボタンスイッチ32は、本体部32aと、当該本体部32aに突没可能に設けられた可動部32bと、を有している。可動部32bは、本体部32aに対して、前後方向に突没可能である。押しボタンスイッチ32は、固定接点と可動接点とを含む接点対(いずれも図示せず)を内蔵しており、接点対が接続されることで、当該接点対を含む回路が閉じる。
カバー体33は、押しボタンスイッチ32の前方を間隔をあけて覆っている。カバー体33は、エラストマや合成樹脂等を含む弾性体によって形成されている。カバー体33は、例えば溶着や接着等することで、前壁部3pの後面3fに固定されている。前壁部3pには、貫通部としての貫通孔3vが形成されている。カバー体33の操作部33aは、貫通孔3vを貫通し、タッチパネルユニット3の前面3e側に露出している。本実施形態では、操作部33aの頂面33gと、タッチパネルユニット3の前面3eとが、ほぼ段差が無く連なった状態で配置されている。カバー体33は、ユーザーの手指等で前方から押圧されると弾性変形しながら後方側(図4,5の下側)へ撓んで操作部33aが前面3eから没入し、押圧が解除されると、前方側へ復帰して、初期状態(取付状態)に戻る。
図5に示すように、操作部33aの裏面33h側には、可動部32bに対向する突起部33iと、可動部32bと離れた位置で基板31の前面31aに対向する突起部33jとが、設けられている。突起部33iは、カバー体33が押圧されたときに、可動部32bを押し込む。また、突起部33jは、ユーザーの手指等で、操作部33aが、押しボタンスイッチ32から離れた位置(例えば操作部33aの図5の右側の端部)で押圧された際に、基板31の前面31aに当接する支柱となる。仮に、突起部33jが無かった場合、操作部33aが押しボタンスイッチ32から離れるほど後方に向かう姿勢に傾いて、可動部32bが真っ直ぐ押せなくなる虞がある。この点、本実施形態では、突起部33jが支柱となるため、操作部33aが傾くのを抑制し、操作部33aによって可動部32bをより確実に押し込むことができる。すなわち、本実施形態では、突起部33jが傾斜抑制部に相当する。このような構成は、押しボタンスイッチ32に対してカバー体33の操作部33aが広い場合に有効となる。すなわち、突起部33jを設けることで、押しボタンスイッチ32をより小さくすることができ、操作部33aをより大きくすることができる。なお、傾斜抑制部は基板31側に突起部(一例としてはスタッド等)として設けることもできる。
本実施形態では、図1に図示した左側の押しボタン機構30を、例えば図6に図示した画面を表示させるための操作ボタン30L(図7)として割り当てた。図6の画面は、例えば番組表である。また、本実施の形態では、図1における右側の押しボタン機構30を、当該テレビジョン受像機1をインターネットに接続するための操作ボタン30R(図8)として割り当てた。
例えば、図示左側の番組表表示用の操作ボタン30Lは、図7に示すように、前面側に露出した操作部33aの形状が円形ではなく、上方の一部が切り欠かれた形状にされている。そして、その切り欠かれた部分に当該操作ボタン30Lの種類を認識させるための文字が描かれている。この場合、操作ボタン30Lの切り欠き部に描かれた文字は、“番組表”であり、上述したように黒色等に着色されたカバー3dの周縁部を例えば文字の部分だけ白抜きにして形成されている。
このように、操作ボタン30Lに隣接して“番組表”という文字を描くと、ユーザーに対して、当該操作ボタン30Lが何のためのボタンであるのかを容易に認識させることができ、操作性を向上させることができ、利便性を向上させることができる。なお、図6に示す画面例のように、各番組の項目37を指で触れることで、例えば、その番組の視聴予約ができたり、予約録画ができたりする。
この場合、この“番組表”を表示させるための操作ボタン30Lが、テレビジョン受像機1にユーザーが正対した状態で左手側にあることで、ユーザーは、左手で操作ボタン30Lを押したすぐ後に右手で番組表の所望する項目37に触れることができる。右手が利き手の人が多いため、操作ボタン30Lを左手側に配置することは、操作性を向上させる上で有利となる。
同様に、図示右側のインターネット接続用の操作ボタン30Rも、図8に示すように、前面側に露出した操作部33aの形状が円形ではなく、上方の一部が切り欠かれた形状にされている。そして、この切り欠き部に“インターネット”という文字が描かれている。
以上、説明したように、本実施形態では、タッチパネルユニット3のフレーム3cに、前面3e側からの押圧操作を受け付ける操作機構として押しボタン機構30を設けた。よって、押しボタン機構が筐体に設けられた場合に比べて、押しボタン機構30をより確実に押圧操作することができる。
特に、本実施形態のように、加振機構によってタッチパネルユニット3が加振される構成の場合、押しボタン機構30が全体としてタッチパネルユニット3に一体化されていることで、振動や音の発生を抑制することができて有利である。
また、本実施形態では、押しボタン機構30を、複数の揺動支持機構7によるフレーム3cの支持位置間に配置した。したがって、押しボタン機構30の押圧操作によってタッチパネルユニット3が傾くのを抑制し、押しボタン機構30をより確実に押圧操作することができる。
また、本実施形態では、押しボタン機構30は、フレーム3cの前壁部3pの後方側に当該前壁部3pと間隔をあけて取り付けられた基板31と、当該基板31に設けられ、前壁部3pの後方側に配置された押しボタンスイッチ32と、押しボタンスイッチ32を覆い、前壁部3pに設けられた貫通孔3vを貫通してフレーム3cの前方側に露出するカバー体33と、を有した。よって、タッチパネルユニット3のフレーム3cを利用して、押しボタン機構30を比較的容易に装備することができる。
また、本実施形態では、揺動支持機構7は、貫通孔8aが形成されて外周部が筐体2およびタッチパネルユニット3のうちの一方(本実施形態では一例として筐体2)に嵌合された弾性ブッシュ8と、貫通孔8aを貫通する連結部7aを介して筐体2およびタッチパネルユニット3のうちの他方(本実施形態では一例としてタッチパネルユニット3)に結合され、当該他方とともに弾性ブッシュ8を挟持するねじ9と、を有した。よって、本実施形態によれば、弾性ブッシュ8を筐体2およびタッチパネルユニット3のうち一方(本実施形態では筐体2)に嵌合によって取り付けることができるため、弾性体をねじ止めしたり接着したりして取り付ける場合に比べて、作業者は組立作業をより容易にかつより円滑に実施することができる。また、弾性ブッシュ8が連結部7aを取り囲む状態で配置されるため、貫通孔8aと直交する各方向におけるタッチパネルユニット3の揺動特性(振動特性)のばらつきを抑制することができる。さらに、外周部を筐体2およびタッチパネルユニット3のうち一方(本実施形態では筐体2)に支持された弾性ブッシュ8が、他方(本実施形態ではタッチパネルユニット3)と当該他方に連結されたねじ9とで挟持されるため、貫通孔8aの軸方向の両方向について、弾性ブッシュ8の反発力を同等に作用させやすくなり、当該両方向について揺動特性(振動特性)のばらつきを抑制することができる。
また、本実施形態では、揺動支持機構(連結機構)7の弾性ブッシュ8が、タッチパネルユニット3が前面23eの面内方向(XY平面に沿う方向)ならびに面外方向(XY平面の交叉方向、少なくともZ方向、前後方向)に揺動するのを抑制する抑制部としても機能している。すなわち、図2に示すように、弾性ブッシュ8が筐体2と一体化している部位の一例としてのフランジ部2fの周囲を覆う状態で配置され、さらに、タッチパネルユニット3と一体化している各部位(一例として前壁部3p、連結部7a、およびヘッド部9a)が、その弾性ブッシュ8の周囲を覆う状態で配置されているため、タッチパネルユニット3がどの方向に変位しても筐体2とタッチパネルユニット3との間に弾性ブッシュ8が挟まれることになる。したがって、本実施形態によれば、抑制部としての弾性ブッシュ8により、タッチパネルユニット3の過変位を抑制したり、変位を所定範囲内にとどめたりすることができる。
また、本実施形態によると、テレビジョン受像機1の前面側、すなわちフレーム3cの左右一対の縦行部3iそれぞれに、機械的な操作ボタン30L、30Rを設けたため、テレビジョン受像機1と別体のリモートコントローラー以外に、機器本体側にユーザーインターフェースを設けることができ、操作性を向上させることができ、利便性を向上させることができる。例えば、テレビジョン受像機1に正対して左手側にある番組表の表示ボタンとして割り当てられた操作ボタン30Lを押すことで、その時刻における番組表を直ぐに表示することができる。ユーザーは、この番組表にある視聴を希望する番組の欄に触れることで、その番組の視聴予約や録画予約を簡単に実行することができる。
<第2実施形態>
本実施形態にかかる電子機器10は、図9に示すように、所謂ノート型のパーソナルコンピューターとして構成されており、矩形状の扁平な第1の本体部11と、矩形状の扁平な第2の本体部12と、を備えている。これら第1の本体部11および第2の本体部12は、ヒンジ機構13によって、回動軸Ax回りに図9に示す展開状態と図10に示す折り畳み状態との間で相対回動可能に、接続されている。なお、本実施形態では、説明の便宜上、方向(X方向、Y方向、およびZ方向)を規定する。X方向およびY方向は、第1の本体部11の表面に略沿う方向であり、X方向は第1の本体部11の幅方向(表面の長手方向)、Y方向は第1の本体部11の奥行き方向(表面の短手方向)である。また、Z方向は、第1の本体部11の表面に垂直な方向(第1の本体部11の厚さ方向)である。X方向、Y方向、およびZ方向は、互いに直交している。尚、電子機器10は、図示しないチューナー部等の構成を有し、放送波受信装置としての機能を有する。
図9に示すように、第1の本体部11には、筐体22の外面としての表面21a側に露出する状態で、表面にタッチパネル23aを配した表示装置としてのLCD等のディスプレイパネル24や、押しボタン機構30等が設けられている。一方、第2の本体部12には、筐体12aの外面としての表面12b側に露出する状態で、表示装置としてのLCD等のディスプレイパネル15や電源ボタン16等が設けられている。図9に示す展開状態では、ディスプレイパネル15や、タッチパネル23a付きのディスプレイパネル24、押しボタン機構30のカバー体33、電源ボタン16等が露出し、ユーザーが使用可能な状態となる。一方、図10に示す折り畳み状態では、表面21a,12b同士が相互に近接した状態で対向して、ディスプレイパネル15,24や、カバー体33、電源ボタン16等が、筐体22,12aによって隠された状態となる。なお、本実施形態では、一例として、第1の本体部11のみがタッチパネル23aを有するが、第2の本体部12もタッチパネルを有することができる。本実施形態では、タッチパネル23aが前面パネルに相当し、筐体22が支持ベースに相当する。
図11に示すように、本実施形態では、第1の本体部11の筐体22の底壁部22a上にディスプレイパネル24が配置され、ディスプレイパネル24上にタッチパネルユニット23が配置されている。なお、本実施形態では、ディスプレイパネル24を基準とする前後方向はZ方向となり、図9,11の上方が前方、下方が後方となる。本実施形態では、タッチパネルユニット23がパネルユニットに相当する。
図9,11に示すように、筐体22には、前方(Z方向上側)に向けて開口する開口部21bが形成され、この開口部21bが、タッチパネルユニット23によって覆われている。第1の本体部11には、ヒンジ機構13の一部が収容される第2の本体部12側の周縁部を除き、筐体22の前方側の壁としての前壁は存在せず、第1の本体部11の前面は、ほぼタッチパネルユニット23の前面23eによって形成されている。なお、タッチパネルユニット23と開口部21bとの間には、タッチパネルユニット23の全周に亘ってほぼ一定のクリアランス21c(図27参照)が設けられている。
また、図12に示すように、第1の本体部11の筐体22の裏面側には扁平な直方体状のバッテリーパック17(図9,11,15,27等参照)が嵌め込まれる凹部21dが形成されている。この凹部21dは、ヒンジ機構13から離れた側、すなわち奥行き方向(Y方向)の奥側に寄せて形成されている。ここで、凹部21dの底面は底壁部22aの後面22gである。すなわち、本実施形態では、筐体22の底壁部22aが、ディスプレイパネル24やタッチパネルユニット23が収容される筐体22の内部空間と、バッテリーパック17が収容される凹部21dとの間の隔壁となっている。なお、ディスプレイパネル24は、図27に示すように、図示しないねじ等によって、後面24aと対向する底壁部22aに固定されている。
そして、底壁部22aのうち、図11に示すように前面22h上にディスプレイパネル24が載置され、かつ図12に示すように後面22g上にバッテリーパック17が配置される部分は、図11に示すように、ヒンジ機構13側の部分より前方へ突出している。そして、この突出している部分に、複数(本実施形態では四つ)の縦壁部22bが設けられている。縦壁部22bは、側面視で矩形状の外観を呈するリブとして形成され、底壁部22aから前方側(図11の上方)に突出して、ディスプレイパネル24の短辺となる側面24cに対向する。本実施形態でも、縦壁部22bは、ディスプレイパネル24を筐体22に取り付ける際の位置決め部、あるいはディスプレイパネル24に横方向への衝撃荷重が作用した際等のエネルギ吸収部、として機能することができる。なお、本実施形態では、短辺となる一つの側面24cについて二つの縦壁部22bが対向して配置されており、底壁部22a上には合計四つの縦壁部22bが設けられている。
さらに、底壁部22aのうち、図11に示すように前面22h上にディスプレイパネル24が載置され、かつ図12に示すように後面22g上にバッテリーパック17が配置される部分の、前面22h上には、図11に示すように、揺動支持機構27を構成する有底円筒状の支持ブラケット部22cが突出している。本実施形態では、複数(本実施形態では四つ)の支持ブラケット部22cが、縦壁部22bに対して幅方向外側に配置されている。そして、これら複数の支持ブラケット部22cのそれぞれに、弾性ブッシュ28が取り付けられている。
ディスプレイパネル24は、図11に示すように、扁平な直方体状に形成されている。ディスプレイパネル24は、基板に実装された電子部品等で構成された制御回路(いずれも図示せず)から表示信号を受け取り、静止画や動画等の映像を表示する。本実施形態でも、ディスプレイパネル24の表示画面としての前面24bで表示された映像を示す光は、無色透明のタッチパネル23aを通過して前方へ出射される。なお、電子機器10の制御回路は、制御部、記憶部(例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等)、インタフェース回路、各種コントローラ等を有している。また、電子機器10は、音声出力用のスピーカー等(図示せず)も内蔵している。
タッチパネルユニット23は、図11,13等に示すように、薄い長方形の板状に形成されたタッチパネル23aと、タッチパネル23aの周縁部に配置された矩形枠状のフレーム23cと、を有している。フレーム23cは、合成樹脂材料あるいは金属材料等によって形成されている。タッチパネル23aおよびフレーム23cは、図27に示すように、例えば、薄いシート状、フィルム状、あるいはプレート状の合成樹脂材料等によって形成された透明なカバー23dに、両面テープ(図示せず)あるいは接着剤等を介して貼り付けられ、このカバー23dを介してタッチパネル23aおよびフレーム23cが一体化されている。また、タッチパネル23aの周縁部23nは、フレーム23cとカバー23dとの間に挟み込まれている。なお、カバー23dの周縁部は、例えば黒色等に着色され、タッチパネル23aの周縁部23nおよびフレーム23cがタッチパネルユニット23の前面23e側(図27では上方)に露見するのが抑制されている。また、本実施形態でも、図27に示すように、第1実施形態で説明した弾性部材5と同様の機能を有する弾性部材25、ならびに第1実施形態のシール部材6と同様の機能を有するシール部材26が、設けられている。本実施形態では、フレーム23cが、縁部材に相当する。
また、フレーム23cは、図11に示すように、矩形枠状かつ板状の前壁部23pを有する。また、フレーム23cは、タッチパネル3aの周縁部に沿って配置された帯状部として、図13に示すように、奥行き方向の両側の横行部23hと、幅方向の両側の縦行部23iとを有している。本実施形態では、横行部23hより幅広の縦行部23iの前壁部23pの後面23f上に、揺動支持機構27を構成する連結部27aが設けられている。本実施形態では、連結部27aは、二つの縦行部23iのそれぞれに二箇所ずつ、合計四箇所に設けられている。すなわち、本実施形態では、四つの揺動支持機構27によってタッチパネルユニット23が支持されている。
さらに、本実施形態では、一対の縦行部23iのうち一方(図13では右側の縦行部23i)の前壁部23pの後面23f上に、加振機構18が設けられている。本実施形態では、加振機構18は、モータ18aとモータ18aによって回転される偏心おもり18bとを有している。モータ18aによって偏心おもり18bを回転させることによって、加振機構18の重心が振動(回転)し、これにより、フレーム23cひいてはタッチパネルユニット23に振動を生じさせることができる。
ここで、図13に示すように、加振機構18のモータ18aの回転軸Arは、タッチパネル23aの正面視での長方形の短辺23jに沿っている。よって、加振機構18による加振方向は、短辺23jと直交する方向となり、加振機構18は、タッチパネルユニット23を、長辺23kに沿う方向に振動させることができる。仮に、加振機構18がタッチパネルユニット23を短辺23jに沿ってすなわちY方向に沿って振動させた場合、タッチパネルユニット23の支持点としての各連結部27aと加振機構18とのX方向の距離(すなわちモーメントアーム)ならびにそのばらつきが大きくなるため、タッチパネルユニット23が面内方向に(すなわちXY平面内で)揺動しやすくなる。この場合、タッチパネル23aの場所による振動のばらつきが大きくなりやすい。この点、本実施形態では、加振機構18による加振方向が短辺23jと直交する方向であり、加振機構18がタッチパネルユニット23を長辺23kに沿う方向に振動させるため、各連結部27aと加振機構18とのY方向の距離(すなわちモーメントアーム)ならびにそのばらつきが小さくなり、タッチパネルユニット23が面内方向に(すなわちXY平面内で)揺動しにくくなる。すなわち、揺動成分のより少ない長辺方向(すなわちX方向)に沿ったタッチパネル23aの振動が、得やすくなる。
また、加振機構18の偏心おもり18bは、モータ18aよりも短辺23jの中央に近い側に配置されている。よって、加振機構18による加振点がタッチパネルユニット23の重心により近づくため、タッチパネルユニット23をより効率良く振動させることができる。また、偏心おもり18bをモータ18aよりも短辺23jの中央から遠い位置に配置した場合に比べて、タッチパネルユニット23が面内方向に(すなわちXY平面内で)揺動しにくくなる。すなわち、揺動成分のより少ない長辺方向(すなわちX方向)に沿った振動が得やすくなる。
また、上述したように、本実施形態では、バッテリーパック17がヒンジ機構13より遠い側(すなわち、奥行き方向奥側)に寄せて配置されているのに対し、加振機構18がヒンジ機構13に近い側(すなわち、奥行き方向手前側)に配置されている。すなわち、本実施形態では、バッテリーパック17と加振機構18とが、第1の本体部11の筐体22内で相互に干渉することなく、効率良く配置されている。
また、本実施形態のように、バッテリーパック17をヒンジ機構13から離れた側に片寄らせて配置することで、比較的重いバッテリーパック17を電子機器10の転倒防止手段として機能させることができる。つまり、例えば、電子機器10の第1の本体部11に対して、ヒンジ機構13の回動軸Axを中心に、第2の本体部12を、図9の状態から前方に起こして、第1の本体部11(XY平面)に対して第2の本体部12が鈍角を成す姿勢に配置したとき、バッテリーパック17が回動軸Axから離間しているため、第2の本体部12が倒れることを抑制できる。
また、図13に示すように、本実施形態でも、フレーム23cの縦行部23iの前壁部23pの後面23f上に、操作機構としての押しボタン機構30が配置されている。本実施形態では、縦行部23iの長手方向(Y方向)の中央部に押しボタン機構30が配置され、この押しボタン機構30を挟んだ縦行部23iの長手方向の両側に連結部27aすなわち揺動支持機構27が配置されている。押しボタン機構30の可動部としてのカバー体33および連結部27a(すなわち揺動支持機構27)は、タッチパネルユニット23のX方向の中央を通ってY方向に沿う中心線Cに対して線対称に配置されている。
また、フレーム23cのヒンジ機構13側の横行部23hの前壁部23pの後面23f上には、タッチパネル23a処理用の電子部品が実装された基板23mが取り付けられている。この基板23mは、加振機構18が設けられた縦行部23i(図13で右側の縦行部23i)とは反対側(図13で左側)の縦行部23i側に寄せて取り付けられている。
本実施形態でも、押しボタン機構30は、図9,13等に示すように、フレーム23cのうち上下方向に沿って帯状に伸びる左右一対の縦行部23iにそれぞれ設けられている。また、押しボタン機構30は、揺動支持機構27によるフレーム23cの複数(本実施形態では二箇所)の支持位置間に配置されている。
また、本実施形態でも、押しボタン機構30は、図15,16等に示すように、操作機構支持部材としての基板31と、基板31に取り付けられた押しボタンスイッチ32と、押しボタンスイッチ32を覆うカバー体33と、を有している。
また、本実施形態でも、図14〜16に示すように、基板31は、フレーム3cの前壁部3pの後方側で、当該前壁部3pと間隔をあけて平行に配置されている。すなわち、基板31は、前面31aが前方を向きかつ後面31bが後方を向く姿勢で配置されている。
図13,15等に示すように、フレーム23cの前壁部23pには、支持部材固定部として、後方側に突出するボス部23qが設けられている。ボス部23qは、タッチパネル23aの周縁部23n(図16参照)に沿って間隔をあけて複数箇所(本実施形態では一つの押しボタン機構30につき二箇所)に設けられている。各ボス部23qには、インサート成形等によって筒状の雌ねじ部材23uが取り付けられている。この雌ねじ部材23uに、基板31の貫通孔31cを貫通したねじ34が螺合され、これにより、図14にも示すように、基板31がボス部23qに固定される。また、前壁部23pには、後方側に突出する突起部23sが設けられている。突起部23sとそれに隣接するボス部23qとはリブ等を介して一体化されている。
基板31は、本実施形態でも、プリント基板として構成されている。図17に示すように、前壁部3pの後面3fと対向する基板31の前面31aには、押しボタンスイッチ32や部品35等が、はんだ付け等されることで実装されている。押しボタンスイッチ32は、基板31上に形成された配線パターン(図示せず)や、基板31上に実装された部品35としてのコネクタ35a、当該コネクタ35aに接続されたハーネス(図示せず)等を介して、CPU等を含む制御回路(図示せず)に接続されている。基板31には、突起部23sやねじ34を貫通する貫通孔31cや切欠31dが形成されている。突起部23sならびに当該突起部23sが貫通する貫通孔31cや切欠31dは、基板31の位置決め部として機能している。
図15,16に示すように、カバー体33は、押しボタンスイッチ32の前方を間隔をあけて覆っている。カバー体33は、エラストマや合成樹脂等を含む弾性体によって形成されている。図18,19に示すように、カバー体33は、操作部33a、アーム部33b、および固定部33cを有している。図13,14に示すように、前壁部23pの後面23fには、カバー体固定部としての突起部23rが設けられている。この突起部23rが固定部33cの貫通孔33dに挿入された状態で、固定部33cが突起部23rおよび前壁部23pの後面23fに溶着あるいは接着等によって固定され、これにより、カバー体33がフレーム23cに固定される。本実施形態では、カバー体33は、二箇所の固定部33cを介してフレーム23cに固定される。そして、二つの固定部33cに対応する二つの突起部23rは、図13に示すように、筐体22の奥行き方向(Y方向)に沿って間隔をあけて配置されている。すなわち、本実施形態では、カバー体33は、フレーム23cに、筐体22の奥行き方向には両端支持され、幅方向には片持ち支持されている。
操作部33aは略円盤状に形成されている。そして、固定部33cと操作部33aとの間で帯状に伸びるアーム部33bは、固定部33cから操作部33aに近づく部分と操作部33aの外周に沿って円弧状に伸びる部分とがV字状に接続された形状を呈している。このようにアーム部33bを屈曲させることでアーム部33bの長さを長くして、アーム部33bに生じる応力が大きくなるのを抑制することができる。なお、アーム部33bについては、操作部33aに押圧力等が作用せず重力や所定の振動入力が作用する状態では操作部33aが動かないような剛性が確保されるのが好適である。
また、操作部33aは、リング状かつ板状の台座部33eと、台座部33eの中央部から前方に向けて断面D字状で筒状に膨出する膨出部33fと、を有している。膨出部33fの裏面33h側には凹部が形成されている。また、操作部33aの裏面33h側には、可動部32bに対向する突起部33iと、可動部32bと離れた位置で基板31の前面31aに対向する突起部33jとが、設けられている。突起部33iは、図15,16に示すように、カバー体33がアセンブリされた状態で、押しボタンスイッチ32の可動部32bの前方(図15,16では上方)に配置され、当該可動部32bと間隔をあけて対向する。ユーザーの手指等で、カバー体33が前方から後方へ押し込まれると、突起部33iが可動部32bを押し込む。また、突起部33jは、上記第1実施形態と同様、ユーザーの手指等で、操作部33aが、押しボタンスイッチ32から離れた位置(例えば操作部33aの図16の右側の端部)で押圧された際に、基板31の前面31aに当接して支柱となる。すなわち、本実施形態でも、突起部33jは傾斜抑制部に相当する。なお、図15の(c)に示すように、本実施形態では、突起部33iの断面は十字状に形成されている。これにより、成形時のひけが抑制されている。
図15,16に示すように、前壁部23pには、貫通孔23vが形成されている。カバー体33の操作部33aの膨出部33fは、貫通孔23vを貫通し、タッチパネルユニット23の前面23e側に露出している。本実施形態では、操作部33aの頂面33gと、タッチパネルユニット23の前面23eとが、ほぼ段差が無く連なった状態で配置されている。カバー体33は、ユーザーの手指等で前方から押圧されると弾性変形しながら後方側(図15,16の下側)へ撓んで操作部33aが前面23eから没入し、押圧が解除されると、前方側へ復帰して、初期状態に戻る。
また、図13に示すように、本実施形態では、複数(本実施形態では二つ)のボス部23qが、カバー体33を挟んで帯状部としての縦行部23iの延伸方向(すなわちY方向)の両側に配置されている。これにより、縦行部23iの幅をより狭く形成しやすくなる。
さらに、本実施形態では、ボス部23qが縦行部23iの幅方向の一端側に配置され、突起部23rが縦行部23iの幅方向の他端側に配置された。これにより、縦行部23iに、ボス部23qおよび突起部23rを効率よく配置して、縦行部23i、ひいてはタッチパネルユニット23の大型化を抑制しやすくなる。
さらに、本実施形態では、ボス部23qが突起部23rよりタッチパネル23aに近い位置に配置された。すなわち、基板31が、タッチパネル23aに近く剛性がより高い縦行部23iの基端側に取り付けられることで、縦行部23iによって基板31ひいては押しボタンスイッチ32をより安定的に支持することができる。
また、本実施形態では、図13,14に示すように、縦行部23iの後面23f上の、一対の突起部23r間となる位置に、ハーネス保持部として、フック付きの突起部23tが設けられている。これにより、ハーネスがカバー体33の操作部33aやアーム部33bと干渉するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、図15に示すように、前壁部23pの後面23f上に取り付けられた部品としての磁石36を備え、基板31が磁石36の後方側を覆っている。磁石36は、第1の本体部11と第2の本体部12との開閉状態を検知する磁気センサとしてのホール素子(図示せず)の検出対象である。ホール素子は第2の本体部12に内蔵されている。磁石36は、前壁部23pの後面23fに接着等することで取り付けられる。このような構成によれば、何らかの原因で磁石36が後面23fから離脱した場合にあっても、基板31によって磁石36が筐体22内の他の位置に移動するのを抑制することができる。なお、前壁部23pの後面23f上には、磁石36の側方移動を規制しかつ取り付け時のガイドとなる突起部23wが設けられている。また、部品としての磁石36は、基板31上に取り付けてもよい。
図20には、図9に示した第1の本体部11の図示左手側の押しボタン機構30を拡大した部分拡大外観図を示してある。また、図21には、図9に示した第1の本体部11の図示右手側の押しボタン機構30を拡大した部分拡大外観図を示してある。本実施形態では、図20に図示した左側の押しボタン機構30を、後述するキーボード表示用の操作ボタン30Lとして割り当てた。また、本実施の形態では、図21に図示した右側の押しボタン機構30を、当該電子機器10が最後にアクティブにしたアプリケーションに戻るための操作ボタン30Rとして割り当てた。
例えば、左側のキーボード表示用の操作ボタン30Lは、第1の本体部11の筐体22の表面21a側に露出した操作部33aを有し、この操作部33aの形状が円形ではなく、ヒンジ機構13側(図示上方側)の一部が切り欠かれた断面D字形状にされている。そして、その切り欠かれた部分の筐体表面側のカバー23dに、当該操作ボタン30Lの種類を認識させるためのマークMが描かれている。この場合、操作ボタン30Lの切り欠き部に描かれたマークMは、キーボードを簡略化して図示してあり、例えば、上述したように黒色等に着色されたカバー23dの周縁部を部分的に白抜きにして形成されている。
このように、操作ボタン30Lに隣接して“キーボード”マークMを描くと、ユーザーに対して、当該操作ボタン30Lが何のためのボタンであるのかを容易に認識させることができ、操作性を向上させることができるとともに利便性を向上させることができる。特に、操作部33aを断面D字形にして切り欠き部を設けるとともに、この切り欠き部にマークMを形成することで、操作ボタン全体としてまとまりのあるスッキリとした見栄えにすることができ、デザイン性を向上させることもできる。
同様に、右側のホーム用の操作ボタン30Rも、図21に示すように、筐体22の表面21a側に露出した操作部33aの形状が円形ではなく、図示上方の一部が切り欠かれた断面D字形状にされている。そして、この切り欠き部に“ホーム”を認識させるための“家”の絵が簡略化して描かれている。
上述したように、第1の本体部11の左右に設けられた2つの操作ボタン30L、30Rは、図13に示す中心線Cに対して線対称に設けられているため、バランスが良く見栄えが良い。特に、2つの操作ボタン30L、30Rそれぞれの、表面21aに露出した操作部33aの、ヒンジ機構13側の一部が切り欠かれているため、および、各操作ボタン30L、30Rに隣接してそれぞれマークMが描かれているため、当該操作ボタンの上下に関する向きを認識し易い。言い換えると、各操作ボタン30L、30Rの切り欠き部が、電子機器10の向きを認識し易くする手がかりになる。特に、本実施形態の電子機器10は、第1の本体部11および第2の本体部12の両方で画像を表示するデュアルモードで動作可能であるため、その向きを認識し易くすることは利便性を向上させる上で重要なことである。
図22には、第1の本体部11のディスプレイパネル24と、第2の本体部12のディスプレイパネル15と、を用いて1つの画像を表示したデュアルモード画面の一例を図示してある。なお、ここでは、第1の本体部11を机など水平な面に載置して、第2の本体部12をヒンジ機構13を介してユーザー側に起こした状態を示してある。つまり、図22の例では、2つのディスプレイパネル15、24を縦方向に並べた使い方をしている。この他に、デュアルモード画面の使用例として、第1の本体部11のディスプレイパネル24と第2の本体部12のディスプレイパネル15を横方向(左右方向)に並べる使い方もある。具体的には、第1の本体部11をユーザーの左手で把持し、第2の本体部12をユーザーの右手で把持した使い方もある。
図22の状態から、上述したキーボード表示用の操作ボタン30Lをユーザーが左手指でクリックすると、第1の本体部11のディスプレイパネル24の画像が、図23に例示したキーボード画像に切り換わる。また、ディスプレイパネル24がキーボード画像を表示した図23の状態から、ユーザーが操作ボタン30Lをクリックすると、ディスプレイパネル24の画像が図22のデュアルモード画面に切り換わる。
なお、図23に示すキーボード画像を表示した状態で、ユーザーが、表示されたキーボードのボタンに触れると、キー入力操作がなされる。つまり、この状態で、当該電子機器10は、所謂ノート型のパーソナルコンピューターとして機能する。当然のことながら、このキー入力操作によって、たとえば、第2の本体部12のディスプレイパネル15を介して表示されている画像の文字などを編集することができる。
また、図22に例示したデュアルモード画面の状態から、ユーザーが操作ボタン30Lを連続して2回クリック(ダブルクリック)すると、第1の本体部11のディスプレイパネル24の画像が、図24に例示したマウスパッド画像に切り換わる。さらに、図24のようにマウスパッド画像を表示した状態から、ユーザーが操作ボタン30Lをダブルクリックすると、ディスプレイパネル24の画像が図22に示すデュアルモード画面に切り換わる。
このように、“キーボード”や“マウスパッド”を表示させるための操作ボタン30Lが、図22に図示した姿勢の電子機器10にユーザーが正対した状態で左手側にあることで、ユーザーは、左手で操作ボタン30Lを押したすぐ後に右手でキーボード入力操作(或いはマウスパッドの操作)を開始することができる。つまり、右手が利き手の人が多いため、上述したように操作ボタン30Lを左手側に配置することは、操作性を向上させる上で有利となる。
なお、2つの画面を横方向に並べる別の使い方をした場合、すなわち第1の本体部11を左手で持ち且つ第2の本体部12を左手で持った状態で、“キーボード”を表示させるための操作ボタン30Lは、ユーザーから見て左上に配置されることになるが、このように2つの画面を横に並べる使い方(例えば電子ブックとして)をしているときには、キーボードを使う可能性は極めて低い。よって、2つの画面を縦に並べて使う図22〜図24の状態における利便性を優先して、操作ボタン30Lをこの位置に配置することが有利である。
ここで、上述した“キーボード”および“マウスパッド”を表示させるためのシステム構成について、図25のブロック図を参照して説明する。
ここでは、LCD115,116の双方がタッチスクリーンディスプレイとして実現されている場合を想定する。
本システムは、CPU100、主メモリ101、SSD(フラッシュエスエスディー、Flash Solid State Drive、Flash Solid State Disk)102、WiFi103、3G104、内蔵カメラ105、PCH(PLATFORM Controller Hub)110、表示信号変換部111、サウンドコントローラ112、BIOS−ROM113、EC/KBC118、ホームボタン30R、キーボードボタン30L、及びスピーカー117等を備えている。
CPU100は、コンピュータ10の動作を制御するために設けられたプロセッサであり、SSD102等の記憶媒体から主メモリ101にロードされる、オペレーティングシステム(OS)および各種アプリケーションプログラム等を実行する。アプリケーションプログラムには、入力制御プログラム等が含まれている。この入力制御プログラムは、タッチスクリーンディスプレイ(タッチパネル)のタッチ位置検出機能を用いて、キーボードやタッチパッドの動作をエミュレートする。また、CPU100は、BIOS−ROM113に格納されたシステムBIOS(Basic Input Output System)も実行する。システムBIOSはハードウェア制御のためのプログラムである。CPU100は、“キーボード”および“マウスパッド”の表示データを描画するための処理を実行する。PCH110は、Serial ATAやUSB、LAN等のI/O関係のデバイス制御を行う。表示信号変換部111は、PCH110が出力したSVDO(Serial Digital Video Out)をLVDS(Low Voltage Differential Signaling)に変換を実行する。
サウンドコントローラ112は、スピーカ117を制御する音声コントローラである。
EC/KBC118は、ユーザによるキーボード操作、パワーボタンスイッチの操作に応じてコンピュータ10をパワーオン/パワーオフする機能を有している。
以下、上述した制御回路による“キーボード”および“マウスパッド”の表示動作について、図26のフローチャートを参照して説明する。
例えば、2つのディスプレイパネル24、15を介して図22のデュアルモード画面を表示した状態で、操作ボタン30Lが押されると(ステップ1;YES)、CPU100は、タイマーをセットして(ステップ2)、操作ボタン30Lが押し下げられている時間をカウントする。つまり、このとき、操作ボタン30Lが長押しされたか否かが判断される。
操作ボタン30Lが長押しされた場合(ステップ3;NO)、CPU100は、例えば、インターネットエクスプローラーの呼び出しといった別処理を実行する(ステップ4)。
一方、操作ボタン30Lが短い時間1回だけ押された場合(ステップ3;YES)、CPU100は、再びタイマーをセットしてダブルクリックか否かを判断する(ステップ5)。
ダブルクリックではないことを判断した場合(ステップ5;NO)、CPU100は、キーボードを表示させるためのソフトKB.exeを呼び出す(ステップ6)。このとき、既に同じソフトが起動中である場合(ステップ7;YES)、CPU100は、ステップ6で呼び出したソフトKB.exeの起動を中止して格納する(ステップ8)。
ステップ7で同じソフトが起動中ではないことを判断した場合(ステップ7;NO)、CPU100は、ステップ6で呼び出したソフトを起動し(ステップ9)、ディスプレイパネル24を介して、図23に示すようなキーボードを表示する(ステップ10)。
一方、ステップ5でダブルクリックが判断されると(ステップ5;YES)、CPU100は、マウスパッドを表示させるためのマウスパッド.exeを呼び出す(ステップ11)。このとき、既に同じソフトが起動中である場合(ステップ12;YES)、CPU100は、ステップ11で呼び出したマウスパッド.exeの起動を中止して格納する(ステップ13)。
ステップ12で同じソフトが起動中ではないことを判断した場合(ステップ12;NO)、CPU100は、ステップ11で呼び出したソフトを起動し(ステップ14)、ディスプレイパネル24を介して、図24に示すようなマウスパッドを表示する(ステップ15)。
ところで、本実施形態にかかる電子機器10は、図27に示すように、上記第1実施形態の揺動支持機構7と同様の構成の揺動支持機構27を備えている。すなわち揺動支持機構27は、筐体22に設けられた支持ブラケット部22cと、支持ブラケット部22cに取り付けられた弾性ブッシュ28と、弾性ブッシュ28に形成された貫通部としての貫通孔28aを貫通する連結部27aと、連結部27aに結合される結合体としてのねじ29と、を有している。本実施形態では、支持ブラケット部22cがベース部に相当する。また、フレーム23cが縁部材に相当し、フレーム23cの前壁部23pが被支持部に相当する。
支持ブラケット部22cは、筐体22の底壁部22aの周縁部に、前方側、すなわち被支持部としての前壁部23p側に向けて円筒状に突出するボス部として、設けられている。支持ブラケット部22cの頂壁部22dの中央には円形の貫通孔22eが形成され、貫通孔22eの周囲に、内向きのフランジ部22fが形成されている。
弾性ブッシュ28は、エラストマ(例えば合成ゴム等)などの弾性材料によって円筒状に形成されており、その外周面28bの軸方向(図27の上下方向)の中央部には、周方向の全周に亘る外周溝28cが形成されている。この外周溝28cが支持ブラケット部22cのフランジ部22fに嵌合されることで、弾性ブッシュ28が支持ブラケット部22cに取り付けられる。
弾性ブッシュ28は、弾性変形するため、作業者は、弾性ブッシュ28を貫通孔22eに前方側から差し込むことで、支持ブラケット部22cに比較的容易に取り付けることができる。弾性ブッシュ28は、軸方向の一方側と他方側とで非対称な形状を有している。これにより、作業者が支持ブラケット部22cに弾性ブッシュ28を誤った姿勢で組み付けるのが抑制されている。なお、図27に示すように、本実施形態でも、弾性ブッシュ28には、上記第1実施形態にかかる弾性ブッシュ8と同様に、傾斜面28dおよび傾斜面28eが形成されている。また、弾性ブッシュ28は、上記第1実施形態にかかる弾性ブッシュ8と同様に、フレーム23cとフランジ部22fとの間に挟持される前方側張出部28fと、ねじ29のヘッド部29aとフランジ部22fとの間に挟持される後方側張出部28gと、を有している。
連結部27aは、フレーム23cから後方側へ向けて円筒状に突出するボス部として形成されている。図27に示すように、連結部27aは、アセンブリされた状態では、支持ブラケット部22cの貫通孔22eを貫通し、支持ブラケット部22cの後面側(裏面側)へ突出する。連結部27aには後方側へ向けて開口する雌ねじ部としての雌ねじ孔27bが形成されている。
ねじ29は、ヘッド部29aと、雌ねじ孔27bに螺合する雄ねじ部29bと、を有する。ねじ29は、ヘッド部29aが連結部27aの端面27cに突き当たるまでねじ込まれる。
作業者が、支持ブラケット部22cに前方側から弾性ブッシュ28を組み付け、タッチパネルユニット23を前方から筐体22に近づけて連結部27aを弾性ブッシュ28の貫通孔28aに挿入し、後方側からねじ29をボス部としての連結部27aの雌ねじ孔27bに締め付けることで、図27に示す揺動支持機構27が構成される。すなわち、弾性ブッシュ28は支持ブラケット部22cに嵌合される構成であるため、作業者は、弾性体を接着したりねじ止めしたりする場合に比べて、組立作業をより容易にかつより円滑に実施することができる。
また、上記第1実施形態と同様に、本実施形態でも、連結部27aがディスプレイパネル24の前後方向に弾性ブッシュ28の貫通孔28aを貫通している。また、本実施形態でも、揺動支持機構27がアセンブリされた状態では、筐体22の一部としての支持ブラケット部22cとその前方側のタッチパネルユニット23のフレーム23cとの間には弾性ブッシュ28の前方側張出部28fが介在するとともに、支持ブラケット部22cとその後方側のねじ29との間には弾性ブッシュ28の後方側張出部28gが介在する。さらに、弾性ブッシュ28は連結部27aを取り囲む状態で配置されている。さらに、本実施形態でも、支持ブラケット部22cが、筐体22の底壁部22aから前方へ向けて(すなわちフレーム23cの前壁部23p側に向けて)突出するボス部として形成されている。
また、本実施形態でも、アセンブリされた状態で弾性ブッシュ28とタッチパネルユニット23との接触面積を低減する構造として、弾性ブッシュ28の貫通孔28aの内面には、環状の突起部28hが設けられるとともに、フレーム23cの後面3fの弾性ブッシュ28と対向する部分には、複数の突起部23gが円周状に配置されている。なお、これらはあくまで一例であって、例えば、連結部27aに突起部を設けてもよいし、弾性ブッシュ28の前面に突起部を設けてもよいし、これら突起部を環状に形成してもよいし、複数の突起部を円周状に配置してもよい。
また、図12に示すように、本実施形態では、底壁部22aの後面22g側に、揺動支持機構27を構成するねじ29、ならびに押しボタン機構30を構成するねじ34および突起部23rが、露出している。すなわち、ねじ29,34を締め付ける前の状態では、底壁部22aの後面22g側に、揺動支持機構27を構成する連結部27aの端面27c(図27参照)が露出しているとともに、底壁部22aに形成された貫通孔22jを介してボス部23qおよび突起部23rが露出している。したがって、バッテリーパック17を凹部21dに装着していない状態で、ねじ29,34を締め付けることで、揺動支持機構27ならびに押しボタン機構30をより容易にかつより円滑に構成することができ、ひいては、タッチパネルユニット23を筐体22に取り付けることができる。また、ねじ29,34の締め付けをまとめて行えるようになるので、組み立て作業の効率をより高めることができる。そして、バッテリーパック17によってねじ29,34を覆うことで、ユーザーがねじ29,34を誤って取り外すなどしてタッチパネルユニット23や押しボタン機構30が筐体22から外れるのを、抑制することができる。また、このような構成によれば、ねじ29,34を覆うカバー体を別個に設ける場合に比べて、構成をより簡素化することができる。さらに、図27に示すように、後面22gにカバーの一例としてのシール22iを取り付けてねじ29,34を覆い隠すようにしてもよい。さらに、本実施形態では、バッテリーパック17自体を凹部21dの蓋とすることで、筐体22の薄型化を図ることができるという利点がある。なお、貫通孔22jを介して基板31の位置決め用の突起部23rを露出させることで、作業者は基板31の装着状態を確認することができる。
このように、本実施形態にかかる電子機器10は、大きさや、数、配置等のスペックは異なるものの、上記第1実施形態にかかる揺動支持機構7と同様の揺動支持機構27を有している。すなわち、本実施形態にかかる揺動支持機構27を有した電子機器10にあっても、上記第1実施形態にかかる揺動支持機構7を有したテレビジョン受像機1と同様の効果を得ることができる。揺動支持機構27の弾性ブッシュ28の抑制部としての機能も、上記第1実施形態にかかる揺動支持機構7の弾性ブッシュ8の抑制部としての機能と同様である。
また、上述したように、本実施形態にかかる電子機器10は、操作機構として、上記第1実施形態と同様の押しボタン機構30を備える。よって、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
特に、本実施形態では、図22に示すように2つの画面を縦方向に並べたデュアルモード画面を表示した状態で、第1の本体部11の左側に配置した操作ボタン30Lをクリックするだけで、第1の本体部11側のディスプレイパネル24を介して、キーボードを表示させることができる。このため、例えば、当該電子機器10をデュアルモード画面で使用する図22に例示した状態から、瞬時に、キーボード入力可能な状態(図23の状態)に切り換えることができ、利便性を向上させることができる。
また、本実施形態の電子機器10は、例えば、図9に示すように第1の本体部11と第2の本体部12を開いた状態から、当該電子機器10を図示時計回り方向に90°回転させた使い方(2つの画面を横に並べた使い方)もできる。この場合、例えば、当該電子機器10を電子ブックとして機能させることができる。また、この場合、ユーザーは、例えば、左手で第1の本体部11の横行部23h辺りを把持し、右手で第2の本体部12の横行部辺りを把持することになる。
この状態で、第1の本体部11に設けられたホーム用の操作ボタン30Rがユーザーの左手下側に位置し、第2の本体部12に設けられた電源ボタン16がユーザーの右手下側に位置する。つまり、2画面を横に並べる使用例では、操作ボタン30Rを左手で操作し易く、電源ボタン16を右手で操作し易い。なお、この状態で、キーボード表示用の操作ボタン30Lは、ユーザーの左手上側に位置するが、当該電子機器10を電子ブックとして使用している状態では、キーボードを使用する可能性が低いため、キーボード表示用の操作ボタン30Lは第1の本体部11の上側に配置されても問題はない。
さらに、本実施形態では、複数(本実施形態では二つ)のボス部23qが、カバー体33を挟んで帯状部としての縦行部23iの延伸方向(すなわちY方向)の両側に配置された。また、本実施形態では、ボス部23qが縦行部23iの幅方向の一端側に配置され、突起部23rが縦行部23iの幅方向の他端側に配置された。よって、ボス部23qや突起部23rをより効率よく配置して、帯状部としての縦行部23iひいてはタッチパネルユニット23が大型化するのを抑制することができる。さらに、本実施形態では、ボス部23qが突起部23rよりタッチパネル23aに近い位置に配置された。よって、基板31をより安定的に支持することができる。また、本実施形態では、前壁部23pの後面23f上に取り付けられた部品としての磁石36を備え、基板31が磁石36の後方側を覆った。よって、基板31を部品としての磁石36のカバーとして用いることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
例えば、上記実施形態では、本発明を、テレビジョン受像機や、表示画面を2つ有するノート型のパーソナルコンピューターとして実施した構成を例示したが、本発明は、ディスプレイパネルとその前面側の前面パネルとを有する他の電子機器、例えば、表示画面が1つのコンピューター(ノート型、デスクトップ型)や、PDA(Personal Digital Assistant)、スマートブック、スマートフォン、携帯電話端末等にも適用できる。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
第1のタッチパネルを備えた第1の画面を有する第1の本体部と、
第2のタッチパネルを備えた第2の画面を有する第2の本体部と、
上記第1の画面と上記第2の画面が重なる閉じ位置と上記第1および第2の画面が開く開き位置との間で上記第1および第2の本体部を回動可能につないだヒンジ機構と、
上記第1および第2の画面の並び方向に延びた中心線に対して線対称な位置関係で上記第1の本体部に設けられた2つの操作ボタンと、
上記第1の画面と第2の画面を重ねた状態で上記2つの操作ボタンの一方と重なる位置関係で上記第2の本体部に設けられた電源ボタンと、を有し、
上記2つの操作ボタンの一方は、上記第1のタッチパネルによる入力操作が可能なキーボードを上記第1の画面を介して表示させるための操作ボタンである放送波受信装置。
[2]
第1のタッチパネルを備えた第1の画面を有する第1の本体部と、
第2のタッチパネルを備えた第2の画面を有する第2の本体部と、
上記第1の画面と上記第2の画面が重なる閉じ位置と上記第1および第2の画面が開く開き位置との間で上記第1および第2の本体部を回動可能につないだヒンジ機構と、
上記第1および第2の画面の並び方向に延びた中心線に対して線対称な位置関係で上記第1の本体部に設けられた2つの操作ボタンと、
上記第1の画面と第2の画面を重ねた状態で上記2つの操作ボタンの一方と重なる位置関係で上記第2の本体部に設けられた電源ボタンと、を有し、
上記2つの操作ボタンの一方は、上記第1のタッチパネルによる入力操作が可能なキーボードを上記第1の画面を介して表示させるための操作ボタンである電子機器。
[3]
上記キーボードを表示させるための操作ボタンは、上記画面に正対したユーザーの利き手と反対側に設けられている[2]に記載の電子機器。
[4]
タッチパネルを第1の画面上に備えた第1の本体部と、
第2の画面を備えた第2の本体部と、
上記タッチパネルによる入力操作が可能なキーボードを上記第1の画面を介して表示させるための操作ボタンと、
を有する電子機器。
[5]
上記第1の本体部の一端縁と上記第2の本体部の一端縁を回動自在につないだヒンジ機構をさらに有する[4]に記載の電子機器。
[6]
上記第1の本体部をユーザーの手前側に配置して上記第2の本体部を奥側に配置した状態で、上記操作ボタンは、上記第1の画面に対してユーザーの利き手と反対側に配置されている[5]に記載の電子機器。
[7]
上記第1の画面を挟んでユーザーの利き手側に別の操作ボタンを有する[6]に記載の電子機器。